(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035455
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】収納キャビネット
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
A47B55/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139918
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】392036821
【氏名又は名称】DICデコール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100185591
【弁理士】
【氏名又は名称】中塚 岳
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】片渕 健輔
(72)【発明者】
【氏名】濱野 強
【テーマコード(参考)】
3B067
【Fターム(参考)】
3B067AA09
3B067DA00
(57)【要約】
【課題】下方から見た地板の意匠性を向上しつつ施工時の地板の落下を抑制する。
【解決手段】第一側板13及び第二側板14から突出する地板用左第一棒部材25及び地板用右第一棒部材27と、第一側板13及び第二側板14から突出する地板用左第二棒部材26及び地板用右第二棒部材28と、地板用左第一棒部材25及び地板用右第一棒部材27が挿入及び連結される地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37と、地板用左第二棒部材26及び地板用右第二棒部材28が挿入及び連結される地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38と、を備え、地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37は、地板15の下面15h側に配置されており、地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38は、地板15の上面15c側に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁に設置される収納キャビネットであって、
一対の側板と、
前記一対の側板の間に配置されて前記一対の側板に連結される地板と、
前記一対の側板から前記一対の側板の対向方向内側に突出する一対の第一棒部材と、
前記一対の第一棒部材の前記壁側又は前記壁の反対側に位置して、前記一対の側板から前記一対の側板の対向方向内側に突出する一対の第二棒部材と、
前記地板に嵌め込まれて、前記一対の第一棒部材が挿入されて前記一対の第一棒部材と連結される一対の第一嵌合金具と、
前記一対の第一嵌合金具の前記壁側又は前記壁の反対側に位置して、前記地板に嵌め込まれて、前記一対の第二棒部材が挿入されて前記一対の第二棒部材と連結される一対の第二嵌合金具と、を備え、
前記一対の第一嵌合金具は、前記地板の下面側に配置されており、
前記一対の第二嵌合金具は、前記地板の上面側に配置されている、
収納キャビネット。
【請求項2】
前記一対の第二棒部材は、前記一対の第一棒部材の前記壁側に位置しており、
前記一対の第二嵌合金具は、前記一対の第一嵌合金具の前記壁側に位置している、
請求項1に記載の収納キャビネット。
【請求項3】
前記一対の側板の間に配置される背板を更に備える、
請求項1又は2に記載の収納キャビネット。
【請求項4】
前記地板に立設されて前記背板の前記壁側に配置される桟木を更に備える、
請求項3に記載の収納キャビネット。
【請求項5】
前記背板は、前記桟木を介して前記壁に固定されている、
請求項4に記載の収納キャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁に設置される収納キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
壁に設置される収納キャビネットとして、特許文献1及び2に記載されたものが知られている。特許文献1に記載された収納キャビネットは、収納空間に配置されたL型金具で地板を背板に固定する構造となっている。特許文献2に記載された収納キャビネットは、収納空間に配置された連結桟で地板を一対の側板に固定する構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-104728号公報
【特許文献2】特開2022-056964号公報
【特許文献3】特開2016-199893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2に記載された収納キャビネットは、地板を固定するためのL型金具及び連結桟が収納空間に突出するように配置されるため、意匠性が悪く、収納空間の収納効率も下がるという問題がある。また、L型金具及び連結桟が地板の上面に固定されるため、L型金具及び連結桟で地板を背板及び一対の側板に固定するまでは、地板を手で押さえていないと地板が落下するという問題もある。
【0005】
これに対し、特許文献3には、地板の長手方向両端部に形成された嵌合穴に結合部材が嵌め込まれており、この結合部材に一対の側板に取り付けたピンを挿入して、結合部材とピンとを結合することで、地板を一対の側板に固定する収納キャビネットが記載されている。特許文献3に記載された収納キャビネットでは、地板を固定するためのピン及び結合部材が、一対の側板及び地板に埋設される構造となっている。このため、特許文献1及び2に記載された収納キャビネットに比べて、意匠性が向上するとともに、収納空間の容積効率も向上する。また、結合部材にピンを挿入することで地板がピンに仮置きされるため、地板を手で押さえていなくても、地板が落下するのが抑制される。
【0006】
しかしながら、特許文献3に記載された収納キャビネットでは、地板の前端部及び後端部の双方に結合部材が嵌め込まれているため、下方から見た地板の意匠性が低下するという問題がある。特に、壁に設置される収納キャビネットでは、下方から地板が見えるため、下方から見た地板の意匠性が重要となる。
【0007】
そこで、本発明は、下方から見た地板の意匠性を向上しつつ施工時の地板の落下を抑制することができる収納キャビネットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1] 本発明に係る収納キャビネットは、壁に設置される収納キャビネットであって、一対の側板と、一対の側板の間に配置されて一対の側板に連結される地板と、一対の側板から一対の側板の対向方向内側に突出する一対の第一棒部材と、一対の第一棒部材の壁側又は壁の反対側に位置して、一対の側板から一対の側板の対向方向内側に突出する一対の第二棒部材と、地板に嵌め込まれて、一対の第一棒部材が挿入されて一対の第一棒部材と連結される一対の第一嵌合金具と、一対の第一嵌合金具の壁側又は壁の反対側に位置して、地板に嵌め込まれて、一対の第二棒部材が挿入されて一対の第二棒部材と連結される一対の第二嵌合金具と、を備え、一対の第一嵌合金具は、地板の下面側に配置されており、一対の第二嵌合金具は、地板の上面側に配置されている。
【0009】
この収納キャビネットでは、一対の第一嵌合金具が地板の下面側に配置されており、一対の第二嵌合金具が地板の上面側に配置されている。このため、一対の第一嵌合金具が上方から一対の第一棒部材に向かうとともに一対の第二嵌合金具が下方から一対の第二棒部材に向かうように地板を回転させることで、一対の第一棒部材を一対の第一嵌合金具に挿入することができるとともに、一対の第二棒部材を一対の第二嵌合金具に挿入することができる。そして、一対の第一棒部材を一対の第一嵌合金具に連結するとともに、一対の第二棒部材を一対の第二嵌合金具に連結することで、一対の側板に地板を連結することができる。
【0010】
そして、地板の下面側には、一対の第二嵌合金具が配置されていない。このため、一対の第一嵌合金具と一対の第二嵌合金具との双方が地板の下面側に配置されている場合に比べて、下方から見える嵌合金具の数が少なくなる。これにより、下方から見た地板の意匠性を向上することができる。一方、地板の下面側には、一対の第一嵌合金具が配置されている。このため、一対の第一棒部材を一対の第一嵌合金具に挿入することで、一対の第一嵌合金具が一対の棒部材に引っ掛かり、地板が第一嵌合金具に仮置きされた状態となる。このため、地板を手で押さえていなくても、地板が落下するのを抑制することができいる。
【0011】
[2] 上記[1]の収納キャビネットにおいて、一対の第二棒部材は、一対の第一棒部材の壁側に位置しており、一対の第二嵌合金具は、一対の第一嵌合金具の壁側に位置していてもよい。この収納キャビネットでは、地板の下面側に配置される一対の第一嵌合金具が壁の反対側(前方)に位置しているとともに、地板の上面側に配置される一対の第二嵌合金具が壁側(後方)に位置している。このため、一対の側板の間に背板が配置されている場合にも、背板に阻害されることなく、地板を回転させて、一対の第一棒部材を一対の第一嵌合金具に挿入することができるとともに、一対の第二棒部材を第二嵌合金具に挿入することができる。
【0012】
[3] 上記[1]又は[2]に記載の収納キャビネットにおいて、一対の側板の間に配置される背板を更に備えてもよい。この収納キャビネットでは、一対の側板の間に背板を配置することで、収納キャビネットの意匠性を向上することができるとともに、壁側から収納物が落下するのを抑制することができる。しかも、地板の下面側に配置される一対の第一嵌合金具が壁の反対側(前方)に位置しているとともに、地板の上面側に配置される一対の第二嵌合金具が壁側(後方)に位置している場合は、背板に阻害されることなく、地板を回転させて、一対の第一嵌合金具を上方から一対の第一棒部材に向かわせるとともに、一対の第二嵌合金具を下方から一対の第二棒部材に向かわせることができる。
【0013】
[4] 上記[3]のキャビネットにおいて、地板に立設されて背板の壁側に配置される桟木を更に備えてもよい。この収納キャビネットでは、背板の壁側に配置される桟木が地板に立設されているため、一対の側板に地板を連結する際に、背板と壁との間の隙間に桟木を挿入することができる。しかも、地板の下面側に配置される一対の第一嵌合金具が壁の反対側(前方)に位置しているとともに、地板の上面側に配置される一対の第二嵌合金具が壁側(後方)に位置している。このため、一対の第一嵌合金具が上方から一対の第一棒部材に向かうとともに一対の第二嵌合金具が下方から一対の第二棒部材に向かうように地板を回転させることで、桟木を背板と壁との間の隙間に挿入することができる。
【0014】
[5] 上記[4]の収納キャビネットにおいて、背板は、桟木を介して壁に固定されていてもよい。この収納キャビネットでは、背板が桟木を介して壁に固定されているため、壁に対する背板の固定強度を高めることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、下方から見た地板の意匠性を向上しつつ施工時の地板の落下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態に係る収納キャビネットが壁に設置された状態を上方から見た斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る収納キャビネットが壁に設置された状態を下方から見た斜視図である。
【
図3】
図1に示すIII-III線における断面図である。
【
図4】
図1に示すIV-IV線における断面図である。
【
図5】(a)は天板を上方から見た斜視図であり、(b)は天板を下方から見た斜視図である。
【
図6】(a)は第一側板を示す斜視図であり、(b)は第二側板を示す斜視図である。
【
図7】(a)は地板及び下桟木を上方から見た斜視図であり、(b)は地板及び下桟木を下方から見た斜視図である。
【
図8】(a)は嵌合金具を示す平面図であり、(b)は嵌合金具に棒部材を挿入する状態を示す斜視図である。
【
図9】収納キャビネットの設置方法を説明するための正面図である。
【
図10】収納キャビネットの設置方法を説明するための正面図である。
【
図11】収納キャビネットの設置方法を説明するための正面図である。
【
図12】一対の側板に対する地板の連結方法を説明するための一部断面図である。
【
図13】一対の側板に対する地板の連結方法を説明するための一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、実施形態の収納キャビネットについて詳細に説明する。なお、全図中、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る収納キャビネットが壁に設置された状態を上方から見た斜視図である。
図2は、本実施形態に係る収納キャビネットが壁に設置された状態を下方から見た斜視図である。
図3は、
図1に示すIII-III線における断面図である。
図4は、
図1に示すIV-IV線における断面図である。
図1~
図4に示すように、本実施形態に係る収納キャビネット1は、床2から浮いた位置において壁3に設置される。つまり、収納キャビネット1は、壁3に吊下げられる。このため、収納キャビネット1は、吊収納、壁付収納等とも呼ばれる。なお、以下の説明において、収納キャビネット1の前後、左右、及び上下の方向は、収納キャビネット1が壁3に設置された状態における方向をいう。上下方向は、床2と対向する方向であり、前後方向は、壁3と対向する方向であり、左右方向は、上下方向及び前後方向と直交する方向である。また、前後方向における前方を前方F、上下方向における上方を上方U、左右方向における右方を右方Rという。
【0019】
収納キャビネット1は、上桟木11と、天板12と、第一側板13と、第二側板14と、地板15と、背板16と、下桟木17と、を備える。
【0020】
上桟木11は、収納キャビネット1を壁3に固定するための部材である。上桟木11は、細長い矩形板状に形成されている。そして、上桟木11は、左右方向に延びるように配置されて、壁3に固定される。壁3に対する上桟木11の固定は、例えば、ビス止めにより行うことができる。
【0021】
図5(a)は、天板を上方から見た斜視図であり、
図5(b)は、天板を下方から見た斜視図である。
図1~
図5に示すように、天板12は、収納キャビネット1の収納空間4の上側に配置される部材である。収納空間4は、天板12、第一側板13、第二側板14、地板15、及び背板16に囲まれる空間である。天板12は、矩形板状に形成されている。そして、天板12は、左右方向に延びるとともに壁3から前方Fに延びるように、上桟木11に載せられた状態で上桟木11に固定されている。上桟木11に対する天板12の固定は、例えば、ビス止め、接着等により行うことができる。
【0022】
図6(a)は、第一側板を示す斜視図である。
図1~
図4及び
図6(a)に示すように、第一側板13は、収納キャビネット1の収納空間4の左側(一方側)に配置される部材である。第一側板13は、矩形板状に形成されている。そして、第一側板13は、天板12の左側において、上下方向に延びるとともに壁3から前方Fに延びるように、天板12に連結されている。より具体的には、第一側板13は、側板勝ちとなるように、第一側板13の第二側板14側の内側面13aが天板12の左側の端面12aに当接された状態で、天板12に連結されている。このため、第一側板13は、上桟木11及び天板12を介して間接的に壁3に支持(保持)されている。天板12に対する第一側板13の連結は、ノックダウン金具などの嵌合金具(例えば、ハーフェレ社製のラフィックス20)を用いた連結により行われる。なお、天板12に対する第一側板13の連結構造及び連結方法については、後述する。
【0023】
図6(b)は、第二側板を示す斜視図である。
図1~
図4及び
図6(b)に示すように、第二側板14は、収納キャビネット1の収納空間4の右側(他方側)に配置される部材である。第二側板14は、矩形板状に形成されている。そして、第二側板14は、天板12の右側において、上下方向に延びるとともに壁3から前方Fに延びるように、天板12に連結されている。より具体的には、第二側板14は、側板勝ちとなるように、第二側板14の第一側板13側の内側面14aが天板12の右側の端面12bに当接された状態で、天板12に連結されている。このため、第一側板13は、上桟木11及び天板12を介して間接的に壁3に支持(保持)されている。天板12に対する第二側板14の連結は、ノックダウン金具などの嵌合金具(例えば、ハーフェレ社製のラフィックス20)を用いた連結により行われる。なお、天板12に対する第二側板14の連結構造及び連結方法については、後述する。
【0024】
図7(a)は、地板及び下桟木を上方から見た斜視図であり、
図7(b)は、地板及び下桟木を下方から見た斜視図である。
図1~
図4及び
図7に示すように、地板15は、収納キャビネット1の収納空間4の下側に配置される部材である。地板15は、矩形板状に形成されている。そして、地板15は、第一側板13と第二側板14との間に配置されて、左右方向に延びるとともに壁3から前方Fに延びるように、第一側板13及び第二側板14に連結されている。より具体的には、地板15は、側板勝ちとなるように、地板15の左側の端面15aが第一側板13の内側面13aに当接された状態で、第一側板13に連結されているとともに、地板15の右側の端面15bが第二側板14の内側面14aに当接された状態で、第二側板14に連結されている。第一側板13及び第二側板14に対する地板15の連結は、ノックダウン金具などの嵌合金具(例えば、ハーフェレ社製のラフィックス20)を用いた連結により行われる。なお、第一側板13及び第二側板14に対する地板15の連結構造及び連結方法については、後述する。
【0025】
図1~
図4に示すように、背板16は、収納キャビネット1の収納空間4の後側に配置される部材である。背板16は、矩形板状に形成されている。そして、背板16は、壁3から離間した位置で、第一側板13から第二側板14まで左右方向に延びるとともに天板12から地板15まで上下方向に延びるように、天板12、第一側板13、第二側板14、及び地板15に嵌め込まれている。より具体的には、
図1~
図7に示すように、天板12の地板15側の下面12cに、左右方向に延びる溝12dが形成されている。また、第一側板13の内側面13aに、上下方向に延びる溝13bが形成されている。また、第二側板14の内側面14aに、上下方向に延びる溝14bが形成されている。また、地板15の天板12側の上面15cに、左右方向に延びる溝15dが形成されている。そして、背板16の四辺が、天板12の溝12d、第一側板13の溝13b、第二側板14の溝14b、及び地板15の溝15dに嵌め込まれている。
【0026】
図3、
図4及び
図7に示すように、下桟木17は、背板16と壁3との間の隙間に配置されて、背板16を壁3に固定するための部材である。下桟木17は、細長い矩形板状に形成されている。そして、下桟木17は、左右方向に延びるとともに地板15の壁3側の後端部15eから上方Uに延びるように、地板15に固定されている。つまり、下桟木17は、地板15とともにL字状となるように、地板15に立設されている。より具体的には、下桟木17は、下桟木17の下端面が地板15の後端部15eの上面15cに当接された状態で、地板15に固定されている。地板15に対する下桟木17の固定は、例えば、ビス止め、接着等により行うことができる。また、下桟木17は、背板16とともに壁3に固定されている。つまり、背板16は、下桟木17を介して壁3に固定されている。壁3に対する下桟木17の固定は、例えば、ビス止めにより行うことができる。
【0027】
次に、天板12に対する第一側板13及び第二側板14の連結構造、及び第一側板13及び第二側板14に対する地板15の連結構造について説明する。
【0028】
図6(a)及び
図6(b)に示すように、第一側板13の上端部13cには、天板用左第一棒部材21及び天板用左第二棒部材22が取り付けられており、第二側板14の上端部14cには、天板用右第一棒部材23及び天板用右第二棒部材24が取り付けられている。天板用左第一棒部材21及び天板用左第二棒部材22は、第一側板13から第一側板13と第二側板14との対向方向内側に突出する部材である。つまり、天板用左第一棒部材21及び天板用左第二棒部材22は、第一側板13の内側面13aから第二側板14側に突出している。天板用右第一棒部材23及び天板用右第二棒部材24は、第二側板14から第一側板13と第二側板14との対向方向内側に突出する部材である。つまり、天板用右第一棒部材23及び天板用右第二棒部材24は、第二側板14の内側面14aから第一側板13側に突出している。
【0029】
また、第一側板13の下端部13dには、地板用左第一棒部材25及び地板用左第二棒部材26が取り付けられており、第二側板14の下端部14dには、地板用右第一棒部材27及び地板用右第二棒部材28が取り付けられている。地板用左第一棒部材25及び地板用左第二棒部材26は、第一側板13から第一側板13と第二側板14との対向方向内側に突出する部材である。つまり、地板用左第一棒部材25及び地板用左第二棒部材26は、第一側板13の内側面13aから第二側板14側に突出している。地板用右第一棒部材27及び地板用右第二棒部材28は、第二側板14から第一側板13と第二側板14との対向方向内側に突出する部材である。つまり、地板用右第一棒部材27及び地板用右第二棒部材28は、第二側板14の内側面14aから第一側板13側に突出している。
【0030】
天板用左第一棒部材21、天板用左第二棒部材22、天板用右第一棒部材23、天板用右第二棒部材24、地板用左第一棒部材25、地板用左第二棒部材26、地板用右第一棒部材27、及び地板用右第二棒部材28は、互いに同じ構成をしているため、特に分けて説明する場合を除き、棒部材20として纏めて説明する。
【0031】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、天板12には、天板用左第一棒部材21と連結される天板用左第一嵌合金具31と、天板用左第二棒部材22と連結される天板用左第二嵌合金具32と、天板用右第一棒部材23と連結される天板用右第一嵌合金具33と、天板用右第二棒部材24と連結される天板用右第二嵌合金具34と、が嵌め込まれている。
図7(a)及び
図7(b)に示すように、地板15には、地板用左第一棒部材25と連結される地板用左第一嵌合金具35と、地板用左第二棒部材26と連結される地板用左第二嵌合金具36と、地板用右第一棒部材27と連結される地板用右第一嵌合金具37と、地板用右第二棒部材28と連結される地板用右第二嵌合金具38と、が嵌め込まれている。
【0032】
天板用左第一嵌合金具31、天板用左第二嵌合金具32、天板用右第一嵌合金具33、天板用右第二嵌合金具34、地板用左第一嵌合金具35、地板用左第二嵌合金具36、地板用右第一嵌合金具37、及び地板用右第二嵌合金具38は、互いに同じ構成をしているため、特に分けて説明する場合を除き、嵌合金具30として纏めて説明する。
【0033】
図8(a)は嵌合金具を示す平面図であり、
図8(b)は嵌合金具に棒部材を挿入する状態を示す斜視図である。
図8(a)及び
図8(b)に示すように、棒部材20は、棒状に形成されて、その先端部に拡径化された頭部20aが形成された部材である。嵌合金具30は、棒部材20が挿入されて、棒部材20と連結される部材である。嵌合金具30は、棒部材20の先端部が挿入される内部空間を有するケース30aと、ケース30aの内部空間に配置されて棒部材20の頭部20aを締め付ける締付部材30bと、を有する。ケース30aには、内部空間に棒部材20の先端部を挿入するための挿入口30cが形成されている。締付部材30bは、ドライバ等の工具で回転されることで、内部空間に挿入された頭部20aを締め付けることが可能となっている。なお、嵌合金具30としては、例えば、ハーフェレ社製のラフィックス20を用いることができ、棒部材20としては、例えば、ハーフェレ社製のラフィックス20 ケーシング用ピンボルトを用いることができる。
【0034】
図6(a)に示すように、天板用左第一棒部材21は、第一側板13の上端部13cにおける天板用左第二棒部材22の前方F(壁3の反対側)に位置しており、天板用左第二棒部材22は、第一側板13の上端部13cにおける天板用左第一棒部材21の後方(壁3側)に位置している。
図6(b)に示すように、天板用右第一棒部材23は、第二側板14の上端部14cにおける天板用右第二棒部材24の前方F(壁3の反対側)に位置しており、天板用右第二棒部材24は、第二側板14の上端部14cにおける天板用右第一棒部材23の後方(壁3側)に位置している。
【0035】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、天板用左第一嵌合金具31は、天板用左第一棒部材21に対応する位置に配置されており、天板用左第二嵌合金具32は、天板用左第二棒部材22に対応する位置に配置されている。つまり、天板用左第一嵌合金具31は、天板12の第一側板13側の左端部12eにおける天板用左第二嵌合金具32の前方F(壁3の反対側)に位置しており、天板用左第二嵌合金具32は、天板12の左端部12eにおける天板用左第一嵌合金具31の後方(壁3側)に位置している。天板用右第一嵌合金具33は、天板用右第一棒部材23に対応する位置に配置されており、天板用右第二嵌合金具34は、天板用右第二棒部材24に対応する位置に配置されている。つまり、天板用右第一嵌合金具33は、天板12の第二側板14側の右端部12fにおける天板用右第二嵌合金具34の前方F(壁3とは反対側)に位置しており、天板用右第二嵌合金具34は、天板12の右端部12fにおける天板用右第一嵌合金具33の後方(壁3側)に位置している。
【0036】
天板用左第一嵌合金具31、天板用左第二嵌合金具32、天板用右第一嵌合金具33、及び天板用右第二嵌合金具34の全ては、天板12の下面12c側に配置されて、挿入口30cが天板12の下面12c側に開放されている。
【0037】
そして、天板用左第一棒部材21と天板用左第一嵌合金具31とは、天板12の下面12c側から天板用左第一棒部材21を天板用左第一嵌合金具31の挿入口30cに挿入し、天板用左第一嵌合金具31の締付部材30bで天板用左第一棒部材21の頭部20aを締め付けることで、互いに連結されるように構成されている。また、天板用左第二棒部材22と天板用左第二嵌合金具32とは、天板12の下面12c側から天板用左第二棒部材22を天板用左第二嵌合金具32の挿入口30cに挿入し、天板用左第二嵌合金具32の締付部材30bで天板用左第二棒部材22の頭部20aを締め付けることで、互いに連結されるように構成されている。また、天板用右第一棒部材23と天板用右第一嵌合金具33とは、天板12の下面12c側から天板用右第一棒部材23を天板用右第一嵌合金具33の挿入口30cに挿入し、天板用右第一嵌合金具33の締付部材30bで天板用右第一棒部材23の頭部20aを締め付けることで、互いに連結されるように構成されている。また、天板用右第二棒部材24と天板用右第二嵌合金具34とは、天板12の下面12c側から天板用右第二棒部材24を天板用右第二嵌合金具34の挿入口30cに挿入し、天板用右第二嵌合金具34の締付部材30bで天板用右第二棒部材24の頭部20aを締め付けることで、互いに結されるように構成されている。
【0038】
図7(a)及び
図7(b)に示すように、地板用左第一嵌合金具35は、地板用左第一棒部材25に対応する位置に配置されており、地板用左第二嵌合金具36は、地板用左第二棒部材26に対応する位置に配置されている。つまり、地板用左第一嵌合金具35は、地板15の第一側板13側の左端部15fにおける地板用左第二嵌合金具36の前方F(壁3の反対側)に位置しており、地板用左第二嵌合金具36は、地板15の左端部15fにおける地板用左第一嵌合金具35の後方(壁3側)に位置している。地板用右第一嵌合金具37は、地板用右第一棒部材27に対応する位置に配置されており、地板用右第二嵌合金具38は、地板用右第二棒部材28に対応する位置に配置されている。つまり、地板用右第一嵌合金具37は、地板15の第二側板14側の右端部15gにおける地板用右第二嵌合金具38の前方F(壁3とは反対側)に位置しており、地板用右第二嵌合金具38は、地板15の右端部15gにおける地板用右第一嵌合金具37の後方(壁3側)に位置している。
【0039】
地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37は、地板15の下面15h側に配置されて、挿入口30cが地板15の下面15h側に開放されている。一方、地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38は、地板15の上面15c側に配置されて、挿入口30cが地板15の上面15c側に開放されている。つまり、地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37と地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38とは、地板15の上下逆の面側に配置されて、その挿入口30cも、地板15の上下逆の面側に開放されている。
【0040】
そして、地板用左第一棒部材25と地板用左第一嵌合金具35とは、地板15の下面15h側から地板用左第一棒部材25を地板用左第一嵌合金具35の挿入口30cに挿入し、地板用左第一嵌合金具35の締付部材30bで地板用左第一棒部材25の頭部20aを締め付けることで、互いに連結されるように構成されている。一方、地板用左第二棒部材26と地板用左第二嵌合金具36とは、地板15の上面15c側から地板用左第二棒部材26を地板用左第二嵌合金具36の挿入口30cに挿入し、地板用左第二嵌合金具36の締付部材30bで地板用左第二棒部材26の頭部20aを締め付けることで、互いに連結されるように構成されている。また、地板用右第一棒部材27と地板用右第一嵌合金具37とは、地板15の下面15h側から地板用右第一棒部材27を地板用右第一嵌合金具37の挿入口30cに挿入し、地板用右第一嵌合金具37の締付部材30bで地板用右第一棒部材27の頭部20aを締め付けることで、互いに連結されるように構成されている。一方、地板用右第二棒部材28と地板用右第二嵌合金具38とは、地板15の上面15c側から地板用右第二棒部材28を地板用右第二嵌合金具38の挿入口30cに挿入し、地板用右第二嵌合金具38の締付部材30bで地板用右第二棒部材28の頭部20aを締め付けることで、互いに連結されるように構成されている。
【0041】
次に、
図9~
図11も参照して、収納キャビネット1の設置方法について説明する。
図9~
図11は、収納キャビネットの設置方法を説明するための正面図である。
【0042】
まず、
図9に示すように、壁3に上桟木11を固定し、上桟木11に天板12を固定し、天板12に第一側板13及び第二側板14を連結する。このとき、上桟木11に天板12を固定して天板12に第一側板13及び第二側板14を連結した後に、上桟木11を壁3に固定してもよい。
【0043】
ここで、
図5、
図6(a)、及び
図6(b)も参照して、天板12に対する第一側板13及び第二側板14の連結方法について詳しく説明する。
【0044】
図5、
図6(a)、及び
図6(b)に示すように、天板12に対する第一側板13及び第二側板14の連結は、まず、天板用左第一棒部材21、天板用左第二棒部材22、天板用右第一棒部材23、及び天板用右第二棒部材24のそれぞれを、天板12の下面12c側から、天板用左第一嵌合金具31、天板用左第二嵌合金具32、天板用右第一嵌合金具33、及び天板用右第二嵌合金具34のそれぞれの挿入口30cに挿入する。そして、天板用左第一嵌合金具31、天板用左第二嵌合金具32、天板用右第一嵌合金具33、及び天板用右第二嵌合金具34のそれぞれの締付部材30bで、天板用左第一棒部材21、天板用左第二棒部材22、天板用右第一棒部材23、及び天板用右第二棒部材24のそれぞれの頭部20aを締め付ける。これにより、天板用左第一棒部材21、天板用左第二棒部材22、天板用右第一棒部材23、及び天板用右第二棒部材24のそれぞれと、天板用左第一嵌合金具31、天板用左第二嵌合金具32、天板用右第一嵌合金具33、及び天板用右第二嵌合金具34のそれぞれと、が連結されて、天板12に対して第一側板13及び第二側板14が連結される。
【0045】
次に、
図10、
図5、
図6(a)、及び
図6(b)に示すように、第一側板13の溝13b、第二側板14の溝14b、及び天板12の溝12dに背板16を嵌め込むことで、第一側板13、第二側板14、及び天板12に背板16を取り付ける。
【0046】
次に、
図11、
図7(a)、及び
図7(b)に示すように、第一側板13及び第二側板14に地板15を連結して背板16を地板15に嵌め込む。次に、下桟木17を介して背板16を壁3に固定する。これにより、壁3に収納キャビネット1が設置される。
【0047】
ここで、
図12及び
図13も参照して、第一側板13及び第二側板14に対する地板15の連結方法について詳しく説明する。
図12及び
図13は、一対の側板に対する地板の連結方法を説明するための一部断面図である。
【0048】
図12、
図6(a)、
図6(b)、
図7(a)、及び
図7(b)に示すように、第一側板13及び第二側板14に対する地板15の連結は、まず、地板15を、上方から、地板用左第一棒部材25及び地板用右第一棒部材27と地板用左第二棒部材26及び地板用右第二棒部材28との間の隙間に挿入する。そして、地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37を地板用左第一棒部材25及び地板用右第一棒部材27の上方に配置し、地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38を地板用左第二棒部材26及び地板用右第二棒部材28の下方に配置し、下桟木17を背板16と壁3との間の隙間の下方に配置する。このとき、下桟木17の一部を背板16と壁3との間の隙間に挿入していてもよい。
【0049】
次に、
図13、
図6(a)、
図6(b)、
図7(a)、及び
図7(b)に示すように、地板15を回転させるように動かして、地板15の下面15h側から地板用左第一棒部材25及び地板用右第一棒部材27を地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37の挿入口30cに挿入し、地板15の上面15c側から地板用左第二棒部材26及び地板用右第二棒部材28を地板用左第二嵌合金具36及び及び地板用右第二嵌合金具38の挿入口30cに挿入し、下桟木17を背板16と壁3との間の隙間に挿入する。
【0050】
次に、地板用左第一嵌合金具35、地板用左第二嵌合金具36、地板用右第一嵌合金具37、及び地板用右第二嵌合金具38の締付部材30bで地板用左第一棒部材25、地板用左第二棒部材26、地板用右第一棒部材27、及び地板用右第二棒部材28の頭部20aを締め付ける。これにより、地板用左第一棒部材25、地板用左第二棒部材26、地板用右第一棒部材27、及び地板用右第二棒部材28のそれぞれと、地板用左第一嵌合金具35、地板用左第二嵌合金具36、地板用右第一嵌合金具37、及び地板用右第二嵌合金具38のそれぞれと、が連結されて、第一側板13及び第二側板14に対して地板15が連結される。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る収納キャビネット1では、地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37が地板15の下面15h側に配置されており、地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38が地板15の上面15c側に配置されている。このため、地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37が上方から地板用左第一棒部材25及び地板用右第一棒部材27に向かうとともに地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38が下方から地板用左第二棒部材26及び地板用右第二棒部材28に向かうように地板15を回転させることで、地板用左第一棒部材25及び地板用右第一棒部材27を地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37に挿入することができるとともに、地板用左第二棒部材26及び地板用右第二棒部材28を地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38に挿入することができる。そして、地板用左第一棒部材25及び地板用右第一棒部材27を地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37に連結するとともに、地板用左第二棒部材26及び地板用右第二棒部材28を地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38に連結することで、第一側板13及び第二側板14に地板15を連結することができる。
【0052】
そして、地板15の下面15h側には、地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38が配置されていない。このため、地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37と地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38との双方が地板15の下面15h側に配置されている場合に比べて、下方から見える嵌合金具30の数が少なくなる。これにより、下方から見た地板15の意匠性を向上することができる。一方、地板15の下面15h側には、地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37が配置されている。このため、地板用左第一棒部材25及び地板用右第一棒部材27を地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37に挿入することで、地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37が地板用左第一棒部材25及び地板用右第一棒部材27に引っ掛かり、地板15が地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37に仮置きされた状態となる。このため、地板15を手で押さえていなくても、地板15が落下するのを抑制することができいる。
【0053】
また、地板15の下面15h側に配置される地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37が壁3の反対側(前方F)に位置しているとともに、地板15の上面15c側に配置される地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38が壁3側(後方)に位置している。このため、第一側板13及び第二側板14の間に背板16が配置されている場合にも、背板16に阻害されることなく、地板15を回転させて、地板用左第一棒部材25及び地板用右第一棒部材27を地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37に挿入することができるとともに、地板用左第二棒部材26及び地板用右第二棒部材28を地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38に挿入することができる。
【0054】
また、第一側板13及び第二側板14の間に背板16を配置することで、収納キャビネット1の意匠性を向上することができるとともに、壁3側から収納物が落下するのを抑制することができる。しかも、地板15の下面15h側に配置される地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37が壁3の反対側(前方F)に位置しているとともに、地板15の上面15c側に配置される地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38が壁3側(後方)に位置している。このため、背板16に阻害されることなく、地板15を回転させて、地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37を上方から地板用左第一棒部材25及び地板用右第一棒部材27に向かわせるとともに、地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38を下方から地板用左第二棒部材26及び地板用右第二棒部材28に向かわせることができる。
【0055】
また、背板16の壁3側に配置される下桟木17が地板15に立設されているため、第一側板13及び第二側板14に地板15を連結する際に、背板16と壁3との間の隙間に桟木を挿入することができる。しかも、地板15の下面15h側に配置される地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37が壁3の反対側(前方F)に位置しているとともに、地板15の上面15c側に配置される地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38が壁3側(後方)に位置している。このため、地板用左第一嵌合金具35及び地板用右第一嵌合金具37が上方から地板用左第一棒部材25及び地板用右第一棒部材27に向かうとともに地板用左第二嵌合金具36及び地板用右第二嵌合金具38が下方から地板用左第二棒部材26及び地板用右第二棒部材28に向かうように地板15を回転させることで、下桟木17を背板16と壁3との間の隙間に挿入することができる。
【0056】
また、背板16が下桟木17を介して壁3に固定されているため、壁3に対する背板16の固定強度を高めることができる。
【0057】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0058】
例えば、上記実施形態では、地板の下面側に配置される一対の第一嵌合金具が壁の反対側(前方)に位置しているとともに、地板の上面側に配置される一対の第二嵌合金具が壁側(後方)に位置しているものとして説明したが、地板の下面側に配置される一対の第一嵌合金具が壁側(後方)に位置しているとともに、地板の上面側に配置される一対の第二嵌合金具が壁の反対側側(前方)に位置しているものとしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、背板が桟木(下桟木)を介して壁に固定されているものとして説明したが、背板が壁に固定されていないものとしてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、背板及び桟木(下桟木)を備えるものとして説明したが、背板及び桟木(下桟木)を備えないものとしてもよい。また、天板にも、地板と同様に、壁に固定される桟木が立設されていてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、一対の側板が上桟木及び天板を介して壁に支持されるものとして説明したが、壁に対する収納キャビネットの固定構造は特に限定されるものではない。例えば、一対の側板が直接的に壁に固定されていてもよく、一対の側板が他部材を介して壁に固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…収納キャビネット、2…床、3…壁、4…収納空間、11…上桟木、12…天板、12a…端面、12b…端面、12c…下面、12d…溝、12e…左端部、12f…右端部、13…第一側板、13a…内側面、13b…溝、13c…上端部、13d…下端部、14…第二側板、14a…内側面、14b…溝、14c…上端部、14d…下端部、15…地板、15a…端面、15b…端面、15c…上面、15d…溝、15e…後端部、15f…左端部、15g…右端部、15h…下面、16…背板、17…下桟木、20…棒部材、20a…頭部、21…天板用左第一棒部材、22…天板用左第二棒部材、23…天板用右第一棒部材、24…天板用右第二棒部材、25…地板用左第一棒部材、26…地板用左第二棒部材、27…地板用右第一棒部材、28…地板用右第二棒部材、30…嵌合金具、30a…ケース、30b…締付部材、30c…挿入口、31…天板用左第一嵌合金具、32…天板用左第二嵌合金具、33…天板用右第一嵌合金具、34…天板用右第二嵌合金具、35…地板用左第一嵌合金具、36…地板用左第二嵌合金具、37…地板用右第一嵌合金具、38…地板用右第二嵌合金具、F…前方、R…右方、U…上方。