(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035462
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
H01F 27/00 20060101AFI20240307BHJP
H01G 4/40 20060101ALI20240307BHJP
H01G 4/33 20060101ALI20240307BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
H01F27/00 S
H01G4/40 321A
H01G4/33 102
H01F27/29 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139930
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132252
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 環
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】冨永 隆一朗
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 卓
(72)【発明者】
【氏名】國森 敬介
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 由雅
【テーマコード(参考)】
5E070
5E082
【Fターム(参考)】
5E070AA05
5E070AB01
5E070CB02
5E070CB13
5E070CB17
5E070CB18
5E070DB08
5E070EA01
5E082AB01
5E082BB01
5E082BC32
5E082EE05
5E082EE24
5E082EE37
5E082FG03
5E082FG25
5E082FG42
(57)【要約】 (修正有)
【課題】インダクタ素子とキャパシタ素子の剥離を低減し、かつ、インダクタ素子と絶縁層の剥離を低減する電子部品を提供する。
【解決手段】電子部品1は、キャパシタ素子7と、インダクタ素子2と、層間絶縁層62とを備える。層間絶縁層は、第1主面62aと、第2主面62bと、ビア孔610と、を有する。キャパシタ素子は、層間絶縁層の第2主面側に配置され、第1電極層71と、第2電極層72と、誘電体層74とを有する。インダクタ素子は、層間絶縁層の第1主面側に配置され、さらに、第1主面上に配置されたインダクタ部210と、ビア孔を貫通してインダクタ部と第2電極層とを接続するビア部211と、を含むインダクタ配線を有する。インダクタ配線は、密着層201と、密着層に接するように形成された導通層202と、導通層に接するように形成された金属層203とを有する。密着層は、第1主面、ビア孔の内面及び第2電極層に連続的に接触する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャパシタ素子と、
前記キャパシタ素子に電気的に接続されたインダクタ素子と、
前記キャパシタ素子と前記インダクタ素子の間に配置された層間絶縁層と
を備え、
前記層間絶縁層は、第1主面と、第2主面と、前記第1主面と前記第2主面とを貫通するビア孔とを有し、
前記キャパシタ素子は、前記層間絶縁層の前記第2主面側に配置され、さらに、第1電極層と、第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層の間に配置された誘電体層とを有し、
前記インダクタ素子は、前記層間絶縁層の前記第1主面側に配置され、さらに、前記第1主面上に配置されたインダクタ部と、前記ビア孔を貫通して前記インダクタ部と前記第2電極層とを接続するビア部とを含む、インダクタ配線を有し、
前記インダクタ配線は、密着層と、前記密着層に接するように形成された導通層と、前記導通層に接するように形成された金属層とを有し、
前記密着層は、前記第1主面、前記ビア孔の内面、および、前記第2電極層に連続的に接触する、電子部品。
【請求項2】
前記密着層は、チタン層であり、前記第2電極層は、前記密着層に接触するアルミニウム層を含む、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記金属層は、銅層である、請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記第2電極層の前記第1主面に直交する方向の厚みに対する前記インダクタ部の前記金属層の前記第1主面に直交する方向の厚みの割合は、15以上70以下である、請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項5】
前記ビア部は、前記第2電極層に接触する第1接触面と、前記インダクタ部に接触する第2接触面とを有し、
前記第1接触面の第1直径d1は、前記第2接触面の第2直径d2よりも小さい、請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項6】
前記ビア部は、前記第2電極層に接触する第1接触面と、前記インダクタ部に接触する第2接触面とを有し、
前記ビア部の中心軸を含む断面において、前記ビア部の側面は、前記ビア部の幅が前記第1接触面ほど小さくなるようなテーパ形状を有する、請求項1または2に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品としては、特開平10-51257号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この電子部品は、インダクタ配線と、インダクタ配線に電気的に接続されたキャパシタ電極と、インダクタ配線とキャパシタ電極の間に配置された絶縁層とを有する。インダクタ配線とキャパシタ電極は、絶縁層のビア孔を貫通するビア部により接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来のような電子部品では、インダクタ配線とキャパシタ電極との密着性は十分とはいえず、インダクタ配線とキャパシタ電極が剥離するおそれがあった。また、インダクタ配線と絶縁層との密着性は十分とはいえず、インダクタ配線と絶縁層が剥離するおそれがあった。
【0005】
そこで、本開示の目的は、インダクタ素子とキャパシタ素子の剥離を低減でき、かつ、インダクタ素子と絶縁層の剥離を低減できる電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本開示の一態様である電子部品は、
キャパシタ素子と、
前記キャパシタ素子に電気的に接続されたインダクタ素子と、
前記キャパシタ素子と前記インダクタ素子の間に配置された層間絶縁層と
を備え、
前記層間絶縁層は、第1主面と、第2主面と、前記第1主面と前記第2主面とを貫通するビア孔とを有し、
前記キャパシタ素子は、前記層間絶縁層の前記第2主面側に配置され、さらに、第1電極層と、第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層の間に配置された誘電体層とを有し、
前記インダクタ素子は、前記層間絶縁層の前記第1主面側に配置され、さらに、前記第1主面上に配置されたインダクタ部と、前記ビア孔を貫通して前記インダクタ部と前記第2電極層とを接続するビア部とを含む、インダクタ配線を有し、
前記インダクタ配線は、密着層と、前記密着層に接するように形成された導通層と、前記導通層に接するように形成された金属層とを有し、
前記密着層は、前記第1主面、前記ビア孔の内面、および、前記第2電極層に連続的に接触する。
【0007】
前記態様によれば、密着層は、層間絶縁層の第1主面、層間絶縁層のビア孔の内面、および、第2電極層に連続的に接触するので、インダクタ配線と第2電極層との密着性を向上でき、かつ、インダクタ配線と層間絶縁層との密着性を向上できる。したがって、インダクタ素子とキャパシタ素子の剥離を低減でき、かつ、インダクタ素子と層間絶縁層の剥離を低減できる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様である電子部品によれば、インダクタ素子とキャパシタ素子の剥離を低減でき、かつ、インダクタ素子と絶縁層の剥離を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】電子部品の第1実施形態を示す平面図である。
【
図3】電子部品の第1実施形態の等価回路図である。
【
図5】電子部品の第2実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一態様である電子部品を図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、図面は一部模式的なものを含み、実際の寸法や比率を反映していない場合がある。
【0011】
<第1実施形態>
[概要構成]
図1は、電子部品の第1実施形態を示す平面図である。
図2は、
図1のII-II断面図である。
図3は、電子部品の第1実施形態の等価回路図である。
図1と
図2と
図3に示すように、電子部品1は、キャパシタ素子7とインダクタ素子2と層間絶縁層62とを備える。
【0012】
層間絶縁層62は、キャパシタ素子7とインダクタ素子2の間に配置される。層間絶縁層62は、互いに対向する第1主面62aおよび第2主面62bを有する。層間絶縁層62は、第1主面62aおよび第2主面62bを貫通するビア孔620を有する。
【0013】
キャパシタ素子7は、層間絶縁層62の第2主面62b側に配置される。キャパシタ素子7は、第1電極層71と第2電極層72と誘電体層74とを有する。誘電体層74は、第1電極層71と第2電極層72の間に配置されている。
【0014】
インダクタ素子2は、層間絶縁層62の第1主面62a側に配置される。インダクタ素子2は、絶縁体60と、絶縁体60内に配置されたインダクタ配線21とを有する。インダクタ配線21は、層間絶縁層62の第1主面62a上に配置されたインダクタ部210と、層間絶縁層62のビア孔620を貫通してインダクタ部210と第2電極層72とを接続するビア部211とを含む。インダクタ部210とビア部211の境界面は、層間絶縁層62の第1主面62aと同一面に位置する。境界面を
図2において二点鎖線で示す。インダクタ部210とビア部211は一体に連続して設けられているため、境界面を実際に判別することは困難である。なお、境界面を判別できるように形成してもよい。
【0015】
インダクタ配線21は、密着層201と、密着層201に接するように形成された導通層202と、導通層202に接するように形成された金属層203とを有する。密着層201は、密着性および導電性を有する金属からなり、密着層201に接触する部材との密着性が向上する。導通層202は、導電性を有する金属からなり、外部からの電荷の供給が可能となり、例えば、めっきのシード層として用いられる。金属層203は、導電性を有する金属からなり、例えば、めっき層である。
【0016】
密着層201は、層間絶縁層62の第1主面62a、層間絶縁層62のビア孔620の内面、および、第2電極層72に連続して延在する。密着層201は、層間絶縁層62の第1主面62a、層間絶縁層62のビア孔620の内面、および、第2電極層72に連続的に接触する。ここで、「連続的に接触」とは、第1主面62a、ビア孔620の内面および第2電極層72のそれぞれに対し直接接触している密着層201の部位が、途切れずに、互いに電気的に導通した状態で、形成されていることをいう。
【0017】
上記構成によれば、密着層201は、層間絶縁層62の第1主面62a、層間絶縁層62のビア孔620の内面、および、第2電極層72に連続的に接触するので、インダクタ配線21と第2電極層72との密着性を向上でき、かつ、インダクタ配線21と層間絶縁層62との密着性を向上できる。したがって、インダクタ素子2とキャパシタ素子7の剥離を低減でき、かつ、インダクタ素子2と層間絶縁層62の剥離を低減できる。
【0018】
ここで、インダクタ配線に密着層を設けない場合、インダクタ配線と層間絶縁層との密着性を高めようとすると、例えば、層間絶縁層の第1主面を粗化処理などで粗くして、層間絶縁層の第1主面とインダクタ配線との接触面積を増加することが考えられる。しかしながら、層間絶縁層の第1主面の粗い形状が、インダクタ配線の層間絶縁層との接触面にも転写されて、インダクタ配線の接触面が粗くなり、インダクタ配線の高周波特性が劣化する問題がある。これに対して、本実施形態では、インダクタ配線の層間絶縁層との接触面を粗くしなくても、インダクタ配線と層間絶縁層との密着性を高めることができる。
【0019】
[好ましい形態]
(電子部品1)
電子部品1は、例えば、パソコン、DVDプレーヤー、デジタルカメラ、TV、携帯電話、カーエレクトロニクスなどの電子機器に搭載される。電子部品1は、キャパシタ素子7と、保護層61と、層間絶縁層62と、インダクタ素子2と、第1外部端子41と、第2外部端子42とを有する。
【0020】
図中、電子部品1の厚み方向をZ方向とし、順Z方向を上側、逆Z方向を下側とする。電子部品1のZ方向に直交する平面において、電子部品1の長手方向であり、第1外部端子41と第2外部端子42が並ぶ方向である長さ方向をX方向とし、長さ方向に直交する方向である電子部品1の幅方向をY方向とする。
【0021】
インダクタ素子2のインダクタ配線21の第1端21aは、第1外部端子41に接続される。インダクタ素子2のインダクタ配線21の第2端21bは、第2外部端子42に接続される。キャパシタ素子7の第1端は、インダクタ配線21の第1端21aに接続される。キャパシタ素子7の第2端は、インダクタ配線21の第2端21bに接続される。このように、インダクタ素子2とキャパシタ素子7は、並列に接続され、LC共振回路を構成する。
【0022】
(キャパシタ素子7)
キャパシタ素子7は、第1電極層71と第2電極層72と誘電体層74と接続導体層75とを有する。
【0023】
第1電極層71は、層間絶縁層62の第2主面62bに平行な方向に延在している。第1電極層71は、基板5に設けられている。基板5は、互いに対向する第1主面5aおよび第2主面5bを有する。基板5は、例えば、シリコン元素を含む半導体基板である。第1電極層71は、基板5に不純物をドーピングして形成された高電導度のドープ領域である。この実施形態では、基板5の全てをドープ領域としているが、基板5の一部をドープ領域としてもよい。この場合において、基板5のうち電子部品1の外部に露出している部分をドープ領域としないことで、電子部品1の絶縁性を保つことができる。
【0024】
ここで、基板5に不純物をドーピングしてドープ領域である第1電極層71を形成する際、例えば、シリコン基板5にIII族もしくはV族の不純物を1×1016/cm3以上の濃度でドーピングすることで、基板5の電気抵抗率を下げることができ、ドープ領域を導体として用いることができる。好ましくは、基板5の電気抵抗率は、1Ω・cm以下である。これによれば、基板5の電気抵抗率を下げることで、グランドとして用いたり、キャパシタの電極層として用いたりできる。
【0025】
なお、第1電極層71は、基板5とは別体の金属材料の薄膜としてもよい。つまり、例えば、化学的気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)、または、スパッタリングなどを用いて、薄膜の第1電極層71を基板5上に形成してもよい。この場合において、誘電体層74は薄膜の第1電極層71上に形成され、第2電極層72は誘電体層74上に形成される。
【0026】
第2電極層72は、層間絶縁層62の第2主面62bに平行な方向に延在し、第1電極層71に対して第2主面62bに直交する方向(上方向)に対向する。第2電極層72は、第1電極層71に沿って形成されている。第2電極層72は、金属材料の薄膜である。第2電極層72は、例えば、化学的気相成長法、原子層堆積法、または、スパッタリングなどを用いて形成される。
【0027】
第2電極層72は、密着層701と、密着層701に接するように形成された金属層703とを有する。密着層701は、誘電体層74の上面に接触する。密着層701は、密着性および導電性を有する金属からなり、好ましくは、チタン層(Ti層)であり、誘電体層74との密着性を向上できる。金属層703は、導電性を有する金属からなり、好ましくは、アルミニウム層(Al層)である。密着層701は、十分な密着性が得られ且つ第2電極層72の厚みを抑えられるよう、密着層701の厚みに対する金属層703の厚みの比率が7~15となるように形成することが好ましい。密着層701の厚みは、例えば、0.1μmであり、金属層703の厚みは、例えば、1μmである。
【0028】
誘電体層74は、第1電極層71と第2電極層72の間に位置する。誘電体層74は、第1電極層71に沿って形成されている。誘電体層74は、誘電材料の薄膜である。誘電体層74は、例えば、化学的気相成長法または原子層堆積法などを用いて形成される。誘電体層74は、例えばSiO2であり、熱酸化などにより形成される。誘電体層74の厚みは、例えば0.9μmである。
【0029】
接続導体層75は、第2電極層72と同一層で、誘電体層74の上面に配置される。接続導体層75の一部は、誘電体層74のビア孔740を貫通して、第1電極層71に接続される。接続導体層75は、第2電極層72と同様に、密着層701と、密着層701に接するように形成された金属層703とを有する。密着層701は、誘電体層74の上面、誘電体層74のビア孔740の内面、および、第1電極層71に接触する。
【0030】
第1電極層71は、接続導体層75に接続され、接続導体層75は、インダクタ配線21の第1端21aに接続される。これにより、第1電極層71は、インダクタ配線21の第1端21aに電気的に接続されて、第1外部端子41に電気的に接続される。
【0031】
第2電極層72は、インダクタ配線21の第2端21bに接続される。これにより、第2電極層72は、インダクタ配線21の第2端21bに電気的に接続されて、第2外部端子42に電気的に接続される。したがって、第1外部端子41と第2外部端子42に電圧を加えることで、第1電極層71と第2電極層72の間で容量を形成できる。
【0032】
なお、第1電極層71は、接続導体層75を介さないで、インダクタ配線21の第1端21aに直接に接続されていてもよい。このとき、インダクタ配線21の第1端21aは、誘電体層74のビア孔740を貫通して、第1電極層71に接続される。
【0033】
(保護層61)
保護層61は、第2電極層72、誘電体層74および接続導体層75を覆うように、第1電極層71(基板5の第1主面5a)上に設けられている。保護層61は、例えば、SiN、SiO2、BPSGの単層もしくはこれらの積層構造である。保護層61は、誘電体層74を水分から保護する。
【0034】
(層間絶縁層62)
層間絶縁層62は、保護層61上に設けられている。層間絶縁層62は、例えば、エポキシ系、フェノール系、液晶ポリマー系、ポリイミド系、アクリル系もしくはそれらを含む混合物からなる有機絶縁材料である。層間絶縁層62は、キャパシタ素子7の第2電極層72とインダクタ配線21の絶縁性を保ちつつ電子部品1の厚みを抑えられるよう、例えば10~50μmとすることが好ましい。なお、保護層61を省略してもよく、このとき、層間絶縁層62が、第2電極層72、誘電体層74および接続導体層75を覆うように、第1電極層71(基板5の第1主面5a)上に設けられる。
【0035】
(インダクタ素子2)
インダクタ素子2は、絶縁体60と、絶縁体60内に配置されたインダクタ配線21とを有する。
【0036】
絶縁体60は、例えば、エポキシ系、フェノール系、液晶ポリマー系、ポリイミド系、アクリル系もしくはそれらを含む混合物からなる有機絶縁材料である。なお、絶縁体60は、磁性層から構成されてもよく、磁性層は、磁性粉と当該磁性粉を含有する樹脂とを含む。樹脂は、例えば、エポキシ系、フェノール系、液晶ポリマー系、ポリイミド系、アクリル系もしくはそれらを含む混合物からなる有機絶縁材料である。磁性粉は、例えば、FeSiCrなどのFeSi系合金、FeCo系合金、NiFeなどのFe系合金、または、それらのアモルファス合金である。したがって、フェライトからなる磁性層と比較して、磁性粉により直流重畳特性を向上でき、樹脂により磁性粉間が絶縁されるので、高周波でのロス(鉄損)が低減される。磁性層は、フェライトや磁性粉の焼結体など、有機樹脂を含まない場合であってもよい。
【0037】
インダクタ配線21は、層間絶縁層62の第1主面62aに沿ってスパイラル形状に延在する配線である。インダクタ配線21のターン数は、1周を超えることが好ましい。これにより、インダクタンスを向上させることができる。インダクタ配線21は、例えば、Z方向からみて、外周端である第1端21aから内周端である第2端21bに向かって時計回り方向に渦巻状に巻回されている
インダクタ配線21は、インダクタ部210とビア部211とを含む。インダクタ部210は、第1主面62a上に配置されスパイラル形状に巻回された巻回部分である。ビア部211は、層間絶縁層62のビア孔620と保護層61のビア孔610を貫通している。具体的に述べると、インダクタ配線21の第1端21aのビア部211は、接続導体層75に接続され、インダクタ配線21の第2端21bのビア部211は、第2電極層72に接続される。
【0038】
インダクタ配線21は、密着層201と、密着層201に接するように形成された導通層202と、導通層202に接するように形成された金属層203とを有する。密着層201は、層間絶縁層62の第1主面62a、層間絶縁層62のビア孔620の内面、および、第2電極層72に連続して延在する。密着層201は、層間絶縁層62の第1主面62a、層間絶縁層62のビア孔620の内面、および、第2電極層72に連続的に接触する。具体的に述べると、インダクタ部210は、密着層201と導通層202と金属層203とを有し、ビア部211は、密着層201と導通層202と金属層203とを有する。
【0039】
密着層201は、好ましくは、チタン層(Ti層)である。密着層201の厚みは、例えば、0.35μmである。
【0040】
導通層202は、例えば、Au、Pt、Pd、Ag、Cu、Al、Co、Cr、Zn、Ni、Ti、W、Fe、Sn、Inもしくはこれらの化合物からなる層である。導通層202は、好ましくは、シード層である。導通層202の厚みは、例えば、2μm以下が望ましく、電荷の供給が可能で電解めっきのシード層として十分に機能する厚みであれば特に限定されない。導通層202は、例えば、スパッタリングなどを用いて密着層201上に形成される。
【0041】
金属層203は、例えば、Au、Pt、Pd、Ag、Cu、Al、Co、Cr、Zn、Ni、Ti、W、Fe、Sn、Inもしくはこれらの化合物からなる層である。金属層203の厚みは、例えば、30μmである。金属層203は、好ましくは、銅層(Cu層)である。金属層203は、好ましくは、めっき層である。金属層203は、例えば、導通層202に電荷を供給して電解めっきにより、導通層202上に形成される。
【0042】
(第1外部端子41および第2外部端子42)
第1外部端子41は、絶縁体60の上面に配置される。第1外部端子41は、本体部410とビア部411とを含む。本体部410は、絶縁体60の上面に配置された平板部分である。ビア部411は、絶縁体60のビア孔600を貫通し、インダクタ配線21の第1端21aに接続される。本体部410とビア部411の境界面は、絶縁体60の上面と同一面に位置する。境界面を
図2において二点鎖線で示す。本体部410とビア部411は一体に連続して設けられているため、境界面を実際に判別することは困難である。なお、境界面を判別できるように形成してもよい。
【0043】
第1外部端子41は、密着層401と、密着層401に接するように形成された導通層402と、導通層402に接するように形成された金属層403とを有する。密着層401は、絶縁体60の上面、絶縁体60のビア孔600の内面、および、インダクタ配線21の金属層203に連続して延在する。密着層401は、絶縁体60の上面、絶縁体60のビア孔600の内面、および、インダクタ配線21の金属層203に連続的に接触する。具体的に述べると、本体部410は、密着層401と導通層402と金属層403とを有し、ビア部411は、密着層401と導通層402と金属層403とを有する。第1外部端子41の密着層401、導通層402および金属層403の材料は、それぞれ、インダクタ配線21の密着層201、導通層202および金属層203の材料と同じである。
【0044】
第2外部端子42は、絶縁体60の上面に配置される。第2外部端子42は、第1外部端子41と同様に、本体部420とビア部421とを含む。本体部420は、絶縁体60の上面に配置された平板部分である。ビア部421は、絶縁体60のビア孔600を貫通し、インダクタ配線21の第2端21bに接続される。本体部420とビア部421の境界面は、絶縁体60の上面と同一面に位置する。境界面を
図2において二点鎖線で示す。
【0045】
第2外部端子42は、密着層401と、密着層401に接するように形成された導通層402と、導通層402に接するように形成された金属層403とを有する。密着層401は、絶縁体60の上面、絶縁体60のビア孔600の内面、および、インダクタ配線21の金属層203に連続して延在する。密着層401は、絶縁体60の上面、絶縁体60のビア孔600の内面、および、インダクタ配線21の金属層203に連続的に接触する。具体的に述べると、本体部420は、密着層401と導通層402と金属層403とを有し、ビア部421は、密着層401と導通層402と金属層403とを有する。第2外部端子42の密着層401、導通層402および金属層403の材料は、それぞれ、第1外部端子41の密着層401、導通層402および金属層403の材料と同じである。
【0046】
(インダクタ配線21、層間絶縁層62および第2電極層72の接触)
インダクタ配線21の密着層201は、層間絶縁層62の第1主面62a、層間絶縁層62のビア孔620の内面、および、第2電極層72に連続的に接触する。これによれば、インダクタ配線21と第2電極層72との密着性を向上でき、かつ、インダクタ配線21と層間絶縁層62との密着性を向上できる。したがって、インダクタ素子2とキャパシタ素子7の剥離を低減でき、かつ、インダクタ素子2と層間絶縁層62の剥離を低減できる。
【0047】
好ましくは、インダクタ配線21の密着層201は、Ti層である。また、第2電極層72は、密着層201に接触するAl層を含む。つまり、第2電極層72の金属層703は、Al層である。
【0048】
上記構成によれば、第2電極層72は、Al層を含むので、第2電極層72の加工精度が高く、第2電極層72の特性のばらつきが小さい。また、密着層201は、Ti層であるので、密着層201のTi層と第2電極層72のAl層との密着性を向上でき、また、密着層201のTi層と導通層202との密着性を向上でき、また、密着層201のTi層と層間絶縁層62との密着性を向上できる。
【0049】
また、密着層201は、Ti層であるので、密着層201のTi層により第2電極層72のAl層のヒロックを防止できる。ここで、ヒロックとは、金属上に半球状の突起物が成長する不具合をいう。Alではヒロックが発生しやすいが、Al層上にTi層を形成することで、ヒロックを抑制できる。
【0050】
好ましくは、金属層203は、Cu層である。上記構成によれば、金属層203の導電率が高くなり、Q値を大きくできる。Cu層(金属層203)とAl層(第2電極層72)は直接に接触した場合剥離し易いが、Cu層とAl層の間にTi層(密着層201)を設けることで、Ti層を介してCu層とAl層の剥離を抑制できる。
【0051】
好ましくは、第2電極層72の厚みに対するインダクタ部210の金属層203の厚みの割合は、15以上70以下である。ここで、厚みとは、層間絶縁層62の第1主面62aに直交する方向(Z方向)の大きさをいう。厚みの測定方法としては、例えば、電子部品1のZ方向を含む断面のSEM画像を取得し、SEM画像から5箇所の厚みを測定し、5箇所の厚みの平均値を算出する。金属層203の厚みは、好ましくは、30±5μmであり、第2電極層72の厚みは、好ましくは、1±0.5μmである。
【0052】
上記構成によれば、割合が15以上であるので、第2電極層72の厚みを薄くして、第2電極層72のパターニング精度を向上し、キャパシタンスのばらつきを低減し、一方、インダクタ部210の金属層203の厚みを厚くして、インダクタ部210の金属層203の直流抵抗を低減しQ値を増加できる。これに対して、第2電極層72の厚みが必要以上に厚いと、第2電極層72のパターニング精度が悪化し、キャパシタンスのばらつきが増加し、一方、インダクタ部210の金属層203の厚みが必要以上に薄いと、インダクタ部210の金属層203の直流抵抗が増加しQ値が低下する。
【0053】
割合が70以下であるので、第2電極層72の厚みを厚くして、誘電体層74への被覆率を増加し、キャパシタ特性を向上でき、一方、インダクタ部210の金属層203の厚みを薄くして、例えばCuめっきの厚みのばらつきを低減し、特性のばらつきを低減できる。これに対して、第2電極層72の厚みが必要以上に薄いと、誘電体層74への被覆率が低下し、キャパシタ特性が劣化し、一方、インダクタ部210の金属層203が必要以上に厚いと、例えばCuめっきの厚みのばらつきが増大し、特性ばらつきが増加する。
【0054】
なお、インダクタ配線21と接続導体層75の接触についてもインダクタ配線21と第2電極層72の接触と同様である。つまり、インダクタ配線21の第1端21aにおいて、インダクタ配線21の密着層201は、層間絶縁層62の第1主面62a、層間絶縁層62のビア孔620の内面、および、接続導体層75に連続的に接触する。これによれば、インダクタ配線21と接続導体層75との密着性を向上でき、かつ、インダクタ配線21と接続導体層75との密着性を向上できる。
【0055】
[製造方法]
次に、電子部品1の製造方法について説明する。
【0056】
図4Aに示すように、互いに対向する第1主面5aおよび第2主面5bを有し、シリコン元素を含む基板5を準備する。基板5にイオンを注入して高電導の基板とする。これにより、基板5をキャパシタ素子7の第1電極層71とする。
【0057】
図4Bに示すように、基板5の第1主面5aに誘電体層74を形成する。
図4Cに示すように、フォトリソグラフィ工法を用いて、誘電体層74を所定パターンにエッチングする。
【0058】
図4Dに示すように、基板5の第1主面5aおよび誘電体層74にレジスト80をパターニングする。
図4Eに示すように、誘電体層74上に、密着層701および金属層703を蒸着し、第2電極層72および接続導体層75を形成し、レジスト80を除去する。
【0059】
図4Fに示すように、第2電極層72、誘電体層74および接続導体層75を覆うように、基板5の第1主面5a上に保護層61を設け、保護層61上に層間絶縁層62を設ける。フォトリソグラフィ工法を用いて、保護層61および層間絶縁層62に、第2電極層72および接続導体層75を露出するビア孔V(ビア孔610,620)を設ける。
【0060】
図4Gに示すように、層間絶縁層62の第1主面62a、ビア孔Vの内面、第2電極層72の露出面、および、接続導体層75の露出面に、密着層201をスパッタリングにより形成し、密着層201上に、導通層202をスパッタリングにより形成する。その後、導通層202上に図示しないレジストを設け、導通層202をシード層として、電解めっきにより、導通層202上に金属層203を形成する。その後、レジストを除去し、レジストにて覆われていた密着層201および導通層202を除去して、
図4Hに示すように、層間絶縁層62上にインダクタ配線21を形成する。インダクタ配線21は、層間絶縁層62の第1主面62a上に配置されたインダクタ部210と、ビア孔Vを貫通して第2電極層72および接続導体層75のそれぞれに接続するビア部211とを含む。
【0061】
図4Iに示すように、インダクタ配線21を覆うように層間絶縁層62の第1主面62a上に絶縁体60を設ける。フォトリソグラフィ工法を用いて、インダクタ配線21の第1端21aおよび第2端21bが露出するように、絶縁体60にビア孔600を形成する。
【0062】
図4Jに示すように、インダクタ配線21(密着層201、導通層202および金属層203)と同様に、密着層401、導通層402および金属層403から構成される第1外部端子41および第2外部端子42を、絶縁体60の上面およびビア孔600に設ける。第1外部端子41は、インダクタ配線21の第1端21aに接続され、第2外部端子42は、インダクタ配線21の第2端21bに接続される。これにより、
図2に示す電子部品1を製造する。
【0063】
<第2実施形態>
図5は、電子部品の第2実施形態を示す断面図である。
図5は、ビア部の中心軸を含む断面である。第2実施形態は、第1実施形態とは、インダクタ配線のビア部の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0064】
図5に示すように、第2実施形態のインダクタ配線21Aのビア部211Aは、第2電極層72に接触する第1接触面211aと、インダクタ部210に接触する第2接触面211bとを有する。第2接触面211bは、層間絶縁層62の第1主面62aと同一面に位置する。第2接触面211bは、インダクタ部210とビア部211Aの境界面である。第1実施で説明したように、インダクタ部210とビア部211は一体に連続して設けられているため、第2接触面211b(境界面)を実際に判別することは困難である。なお、第2接触面211bを判別できるように形成してもよい。
【0065】
第1接触面211aおよび第2接触面211bは、Z方向からみて円形であるが、楕円形や多角形であってもよい。第1接触面211aの第1直径d1は、第2接触面211bの第2直径d2よりも小さい。ここで、第1接触面211aの第1直径d1とは、Z方向からみたときの第1接触面211aの円相当径をいい、第2接触面211bの第2直径d2とは、Z方向からみたときの第2接触面211bの円相当径をいう。
【0066】
上記構成によれば、ビア部211Aの中心軸を含む断面において、例えば、ビア部211Aの幅が第1接触面211aほど小さくなるようにビア部211Aの側面211cをテーパ状に形成することができる。これにより、ビア部211Aとビア孔610,620との接触面積を大きくでき、インダクタ配線21Aと層間絶縁層62との密着性をより向上できる。
【0067】
また、ビア部211Aの側面211cをテーパ状に形成することができるので、ビア孔610,620の内面もテーパ状に形成することができる。これにより、インダクタ配線21Aを製造する際、ビア孔610,620の内面にビア孔610,620の開口の広い側から密着層201を蒸着すると、密着層201がビア孔610,620の開口の狭い側に到達し易くなり、ビア孔610,620の内面に対する密着層201の被覆性が向上し、密着性がより向上する。
【0068】
図5に示すように、好ましくは、ビア部211Aの中心軸を含む断面において、ビア部211Aの側面211cは、ビア部211Aの幅が第1接触面211aに近いほど小さくなるようなテーパ形状を有する。ここで、ビア部211Aの幅とは、ビア部211Aの中心軸に直交する方向の大きさをいう。具体的に述べると、ビア部211Aの幅は、
図5のX方向の大きさである。ビア部211Aの中心軸を含む断面において、ビア部211Aの側面211cは、直線状に形成されているが、曲線状に形成されていてもよい。
【0069】
上記構成によれば、ビア部211Aの側面211cはテーパ状に形成されるので、ビア部211Aとビア孔610,620との接触面積を大きくできる。これにより、インダクタ配線21Aと層間絶縁層62との密着性をより向上できる。
【0070】
また、ビア部211Aの側面211cがテーパ状に形成されるので、ビア孔610,620の内面もテーパ状に形成されることになる。これにより、インダクタ配線21Aを製造する際、ビア孔610,620の内面にビア孔610,620の開口の広い側から密着層201を蒸着すると、密着層201がビア孔610,620の開口の狭い側に到達し易くなり、ビア孔610,620の内面に対する密着層201の被覆性が向上し、密着性がより向上する。
【0071】
ここで、ビア部211Aの側面211cをテーパ形状に形成する方法について説明する。第1実施形態の製造方法と比べて、
図4Fに示す保護層61および層間絶縁層62にビア孔V(ビア孔610,620)を設ける工程が異なる点が相違する。
【0072】
図4Fに示すように、フォトリソグラフィ工法により保護層61および層間絶縁層62を露光する際、露光の焦点の位置を制御して、ビア孔V(ビア孔610,620)の形状をテーパ形状とする。具体的に述べると、保護層61および層間絶縁層62がネガタイプの場合、露光の焦点の位置を基板5側にずらし、一方、保護層61および層間絶縁層62がポジタイプの場合、露光の焦点の位置を層間絶縁層62の第1主面62a側にずらす。このようにして、側面211cをテーパ形状に形成する。
【0073】
なお、
図5では、インダクタ配線21の第2端21b側のビア部211について説明したが、インダクタ配線21の第1端21a側のビア部211についても同様であってもよい。
【0074】
なお、本開示は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、第1と第2実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。
【0075】
前記実施形態では、インダクタ素子のインダクタ配線は、少なくとも1つ存在し、複数のインダクタ配線をZ方向に積層して直列または並列に接続してもよい。また、インダクタ素子のインダクタ配線(インダクタ部)とは、電流が流れた場合に磁束を発生させることによって、インダクタ素子にインダクタンスを付与させるものであって、その構造、形状、材料などに特に限定はない。特に、実施形態のような平面上を延びる直線や曲線(スパイラル=二次元曲線)に限られず、ミアンダ配線などの公知の様々な配線形状を用いることができる。
【0076】
前記実施形態では、キャパシタ素子の電極層とは、少なくとも2つ存在し、2つの電極層に電圧を加えることで誘電部を介して2つの電極層の間に電荷を蓄えるものであればよく、その構造、形状、材料などに特に限定はない。特に、実施形態のような板状に限られず、ミアンダ状などの様々な電極形状を用いることができる。
【0077】
前記実施形態では、キャパシタ素子およびインダクタ素子は、それぞれ、1つ存在しているが、キャパシタ素子またはインダクタ素子の少なくとも一方は、複数存在してもよい。これによれば、電子部品の特性を調整できる。
【0078】
本開示は以下の態様を含む。
<1>
キャパシタ素子と、
前記キャパシタ素子に電気的に接続されたインダクタ素子と、
前記キャパシタ素子と前記インダクタ素子の間に配置された層間絶縁層と
を備え、
前記層間絶縁層は、第1主面と、第2主面と、前記第1主面と前記第2主面とを貫通するビア孔とを有し、
前記キャパシタ素子は、前記層間絶縁層の前記第2主面側に配置され、さらに、第1電極層と、第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層の間に配置された誘電体層とを有し、
前記インダクタ素子は、前記層間絶縁層の前記第1主面側に配置され、さらに、前記第1主面上に配置されたインダクタ部と、前記ビア孔を貫通して前記インダクタ部と前記第2電極層とを接続するビア部とを含む、インダクタ配線を有し、
前記インダクタ配線は、密着層と、前記密着層に積層された導通層と、前記導通層に積層された金属層とを有し、
前記密着層は、前記第1主面、前記ビア孔の内面、および、前記第2電極層に連続的に接触する、電子部品。
<2>
前記密着層は、チタン層であり、前記第2電極層は、前記密着層に接触するアルミニウム層を含む、<1>に記載の電子部品。
<3>
前記金属層は、銅層である、<1>または<2>に記載の電子部品。
<4>
前記第2電極層の前記第1主面に直交する方向の厚みに対する前記インダクタ部の前記金属層の前記第1主面に直交する方向の厚みの割合は、15以上70以下である、<1>から<3>の何れか一つに記載の電子部品。
<5>
前記ビア部は、前記第2電極層に接触する第1接触面と、前記インダクタ部に接触する第2接触面とを有し、
前記第1接触面の第1直径d1は、前記第2接触面の第2直径d2よりも小さい、<1>から<4>の何れか一つに記載の電子部品。
<6>
前記ビア部は、前記第2電極層に接触する第1接触面と、前記インダクタ部に接触する第2接触面とを有し、
前記ビア部の中心軸を含む断面において、前記ビア部の側面は、前記ビア部の幅が前記第1接触面ほど小さくなるようなテーパ形状を有する、<1>から<5>の何れか一つに記載の電子部品。
【符号の説明】
【0079】
1 電子部品
2 インダクタ素子
5 基板
7 キャパシタ素子
21、21A インダクタ配線
21a 第1端
21b 第2端
201 密着層
202 導通層
203 金属層
210 インダクタ部
211、211A ビア部
211a 第1接触面
211b 第2接触面
211c 側面
41、42 第1、第2外部端子
401 密着層
402 導通層
403 金属層
410、420 本体部
411、421 ビア部
60 絶縁体
600 ビア孔
61 保護層
610 ビア孔
62 層間絶縁層
62a 第1主面
62b 第2主面
620 ビア孔
71、72 第1、第2電極層
701 密着層
703 金属層
74 誘電体層
740 ビア孔
75 接続導体層
80 レジスト
d1 第1直径
d2 第2直径