IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オートネットワーク技術研究所の特許一覧 ▶ 住友電装株式会社の特許一覧 ▶ 住友電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-コネクタ 図1
  • 特開-コネクタ 図2
  • 特開-コネクタ 図3
  • 特開-コネクタ 図4
  • 特開-コネクタ 図5
  • 特開-コネクタ 図6
  • 特開-コネクタ 図7
  • 特開-コネクタ 図8
  • 特開-コネクタ 図9
  • 特開-コネクタ 図10
  • 特開-コネクタ 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035510
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/595 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
H01R13/595
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140008
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】兼松 佑多
(72)【発明者】
【氏名】ビョン ソンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】廣脇 宣和
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC07
5E021GA05
5E021GB01
5E021HC19
5E021LA09
(57)【要約】
【課題】電線から端子側に伝わる外力の伝搬を抑制する外力遮断性能が向上された、コネクタを開示する。
【解決手段】コネクタ10が、電線引出口18を有するコネクタハウジング20と、コネクタハウジング20に収容された端子14と、端子14に接続されて電線引出口18からコネクタハウジング20の外部に引き出される電線22と、電線引出口18から引き出された電線22を保持する金属リテーナ24と、を含み、金属リテーナ24は、電線22の軸直角方向両側から電線22を挟み込んで保持して相互に固定される第1保持部72と第2保持部74を有し、接続相手側30へボルト締結される第1ボルト締結部76を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線引出口を有するコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングに収容された端子と、
前記端子に接続されて前記電線引出口から前記コネクタハウジングの外部に引き出される電線と、
前記電線引出口から引き出された前記電線を保持する金属リテーナと、を含み、
前記金属リテーナは、前記電線の軸直角方向両側から前記電線を挟み込んで保持して相互に固定される第1保持部と第2保持部を有し、接続相手側へボルト締結される第1ボルト締結部を備える、コネクタ。
【請求項2】
前記コネクタハウジングを覆う金属製のシールドシェルをさらに含み、
前記シールドシェルと前記金属リテーナが、一方に設けられた組付部が他方に設けられた被組付部に組み合うことで相互に組み付けられており、
前記組付部と前記被組付部の対向面間と、前記第1ボルト締結部を貫通する第1ボルト挿通孔とが、それぞれ同じ方向に広がる第1公差吸収隙間を有しており、
前記金属リテーナが前記シールドシェルに対して前記第1公差吸収隙間の分だけ変位可能に組み付けられている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記組付部と前記被組付部の対向面間が、前記第1ボルト締結部のボルト締結方向に広がる第2公差吸収隙間を有しており、
前記金属リテーナが前記シールドシェルに対して前記第2公差吸収隙間の分だけ変位可能に組み付けられている、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記シールドシェルは、前記接続相手側へボルト締結される第2ボルト締結部を備える、請求項2または請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第2ボルト締結部を前記接続相手側へボルト締結することにより、前記端子が相手側端子へ嵌合されるようになっている、請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記コネクタハウジングに2つの前記端子が収容され、2つの前記端子にそれぞれ接続された2つの前記電線が、前記電線引出口から前記コネクタハウジングの外部に引き出されており、
前記金属リテーナの前記第1保持部と前記第2保持部が、それぞれ前記電線の外周面に密接する一対の凹溝を有しており、前記第1保持部と前記第2保持部が相互に固定されることで、2つの前記電線を挟持する2つの電線収容孔が並列配置されており、
2つの前記電線収容孔の並列方向で、前記第1ボルト締結部が2つの前記電線収容孔の間に設けられ、2つの前記電線収容孔の両側に一対のリテーナボルト固定部が設けられている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載機器間を電気的に接続するために、コネクタが用いられている。このようなコネクタは、コネクタハウジングと、コネクタハウジングに収容された端子と、端子に接続された電線とを含んでおり、電線がコネクタハウジングの電線引出口から外部に引き出されている。外部に引き出された電線に加わる外力が、端子側に伝わると接点微摺動摩耗等の問題が生じる。そこで、電線に加わる外力が端子側に及ぼされることを抑制するために、例えば特許文献1では、電線の振れを抑えつつ、電線をコネクタハウジングに保持する樹脂製のリアホルダを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-54393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、リアホルダが樹脂製であることから、高温環境下ではクリープによってリアホルダが変形して、リアホルダと電線との間に隙間が生じる場合があった。これにより、コネクタハウジングに対する電線の振れを抑制できないおそれがある。特に、車載部品の高電圧化により電線が大径化する場合には、一層深刻な問題となっていた。
【0005】
そこで、電線から端子側に伝わる外力の伝搬を抑制する外力遮断性能が向上された、コネクタを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタは、電線引出口を有するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに収容された端子と、前記端子に接続されて前記電線引出口から前記コネクタハウジングの外部に引き出される電線と、前記電線引出口から引き出された前記電線を保持する金属リテーナと、を含み、前記金属リテーナは、前記電線の軸直角方向両側から前記電線を挟み込んで保持して相互に固定される第1保持部と第2保持部を有し、接続相手側へボルト締結される第1ボルト締結部を備える、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示の構造によれば、電線から端子側に伝わる外力の伝搬を抑制する外力遮断性能が向上された、コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1に係るコネクタを接続相手側との接続状態で示す斜視図である。
図2図2は、図1に示されたコネクタにおける背面図である。
図3図3は、図2におけるIII-III断面図である。
図4図4は、図2におけるIV-IV断面図である。
図5図5は、図2におけるV-V断面図である。
図6図6は、図2におけるVI-VI断面図である。
図7図7は、図1に示されたコネクタを接続相手側との非接続状態で示す斜視図である。
図8図8は、図7に示されたコネクタを部分的に分解して示す分解斜視図である。
図9図9は、図7に示されたコネクタを構成する第1保持部を背面側から示す斜視図である。
図10図10は、図9に示された第1保持部における背面図である。
図11図11は、図1に示されたコネクタに接続され得る接続相手側のコネクタの具体的な一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
(1)電線引出口を有するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに収容された端子と、前記端子に接続されて前記電線引出口から前記コネクタハウジングの外部に引き出される電線と、前記電線引出口から引き出された前記電線を保持する金属リテーナと、を含み、前記金属リテーナは、前記電線の軸直角方向両側から前記電線を挟み込んで保持して相互に固定される第1保持部と第2保持部を有し、接続相手側へボルト締結される第1ボルト締結部を備える、ものである。
【0010】
本開示のコネクタによれば、電線引出口から引き出された電線を保持するリテーナが金属製である。また、金属リテーナは、電線を軸直角方向の両側から挟み込んで保持して相互に固定される第1保持部と第2保持部とを有している。それゆえ、高温環境下においても、合成樹脂製のリアホルダを採用する従来例に比べて、金属リテーナの変形が生じ難くなっている。この結果、電線引出口から引き出された電線と金属リテーナとの間に隙間が生じる不具合を抑制または阻止することができる。しかも、金属リテーナは、第1ボルト締結部において接続相手側(例えば接続相手である機器の筐体等)へボルト締結されることから、電線から伝わる外力が金属リテーナから端子側に伝達されることを有利に抑制または阻止することができる。これにより、電線から端子側に伝わる外力の伝搬を抑制する外力遮断性能が向上された、コネクタを有利に提供することができる。
【0011】
なお、金属リテーナにおける第1保持部と第2保持部の固定は、ボルト等の締結具による固定やカシメ固定、ロック嵌合など、任意の固定構造が採用可能である。
【0012】
(2)上記(1)において、前記コネクタハウジングを覆う金属製のシールドシェルをさらに含み、前記シールドシェルと前記金属リテーナが、一方に設けられた組付部が他方に設けられた被組付部に組み合うことで相互に組み付けられており、前記組付部と前記被組付部の対向面間と、前記第1ボルト締結部を貫通する第1ボルト挿通孔とが、それぞれ同じ方向に広がる第1公差吸収隙間を有しており、前記金属リテーナが前記シールドシェルに対して前記第1公差吸収隙間の分だけ変位可能に組み付けられている、ことが好ましい。
【0013】
金属リテーナがコネクタハウジングを覆うシールドシェルに対して、組付部の被組付部への組み合いにより組み付けられていることから、金属リテーナのシールドシェルからの離脱を有利に阻止することができる。しかも、組付部と被組付部の対向面間と、第1ボルト締結部を貫通する第1ボルト挿通孔とが、それぞれ同じ方向に広がる第1公差吸収隙間を有しており、金属リテーナがシールドシェルに対して第1公差吸収隙間の分だけ変位可能に組み付けられている。これにより、コネクタを接続相手側へ接続した後に、第1ボルト締結部を接続相手側へ接続する際に、第1公差吸収隙間により公差を吸収することができ、金属リテーナの接続相手側へのボルト締結を有利に行うことが可能となる。
【0014】
なお、組付部と被組付部は、金属リテーナのシールドシェルへの組み付けを実現し得るものであれば任意の形状や構造が採用され得る。また、第1公差吸収隙間の広がる方向は、例えば、電線の延出方向と同じ方向や、電線の延出方向に直交する方向など、公差が生じ得る方向で任意に設定することができる。第1公差吸収隙間は1つの方向に設定されてもよいし、複数の方向に設定されてもよい。
【0015】
(3)上記(2)において、前記組付部と前記被組付部の対向面間が、前記第1ボルト締結部のボルト締結方向に広がる第2公差吸収隙間を有しており、前記金属リテーナが前記シールドシェルに対して前記第2公差吸収隙間の分だけ変位可能に組み付けられている、ことが好ましい。
【0016】
組付部と被組付部の対向面間に、第1ボルト締結部のボルト締結方向に広がる第2公差吸収隙間が設けられており、金属リテーナがシールドシェルに対して第2公差吸収隙間の分だけ変位可能に組み付けられている。これにより、コネクタを接続相手側へ接続した後に、第1ボルト締結部を接続相手側へ接続する際に、第2公差吸収隙間により公差を吸収することができ、金属リテーナの接続相手側へのボルト締結を有利に行うことが可能となる。特に、所謂ボルトアシストタイプのコネクタに本態様を採用する際には、コネクタを接続相手側へ接続する際に、端子側が接続相手側にボルト締結されていることから、金属リテーナの接続相手側へのボルト締結に際して公差が問題となる。そのため、第2公差吸収隙間を有する本態様を採用することにより、ボルトアシストタイプのコネクタにおいて、金属リテーナの接続相手側へボルト締結する作業の容易化を図ることができる。
【0017】
(4)上記(2)または(3)において、前記シールドシェルは、前記接続相手側へボルト締結される第2ボルト締結部を備える、ことが好ましい。第1ボルト締結部に加えて、さらに端子側に近い位置に第2ボルト締結部を備えていることから、電線から伝わる外力が端子側に伝達されることを一層有利に抑制または阻止することができ、外力遮断性能の一層の向上を図ることができる。
【0018】
(5)上記(4)において、前記第2ボルト締結部を前記接続相手側へボルト締結することにより、前記端子が相手側端子へ嵌合されるようになっている、ことが好ましい。所謂ボルトアシストタイプのコネクタにおけるボルト締結部を、第2ボルト締結部として用いることができる。それゆえ、少ない部品点数で、コネクタ嵌合の容易化と外力遮断性能の向上を両立して達成することができるコネクタを提供することができる。
【0019】
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つにおいて、前記コネクタハウジングに2つの前記端子が収容され、2つの前記端子にそれぞれ接続された2つの前記電線が、前記電線引出口から前記コネクタハウジングの外部に引き出されており、前記金属リテーナの前記第1保持部と前記第2保持部が、それぞれ前記電線の外周面に密接する一対の凹溝を有しており、前記第1保持部と前記第2保持部が相互に固定されることで、2つの前記電線を挟持する2つの電線収容孔が並列配置されており、2つの前記電線収容孔の並列方向で、前記第1ボルト締結部が2つの前記電線収容孔の間に設けられ、2つの前記電線収容孔の両側に一対のリテーナボルト固定部が設けられている、ことが好ましい。
【0020】
金属リテーナにおいて、2つの電線収容孔の間のスペースを利用して、第1ボルト締結部を設定することができ、コネクタの大型化を回避しつつコネクタの外力遮断性能の向上を図ることができる。しかも、第1保持部と第2保持部を相互にボルト固定するリテーナボルト固定部が、2つの電線収容孔の並列方向で、2つの電線収容孔の両側に一対設けられている。これにより、3つのボルトの軸力により、2つの電線を金属リテーナによって安定して保持することができ、電線に伝達される外力が端子側に伝達されるリスクを、金属リテーナによって一層有利に回避または抑制することができる。なお、2つの端子を収容するコネクタハウジングは、単一に構成されていてもよいし、2つの端子を各別に収容する各別のコネクタハウジングによって構成されていてもよい。
【0021】
<本開示の実施形態の詳細>
本開示のコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0022】
<実施形態1>
以下、本開示の実施形態1のコネクタ10について、図1から図10を用いて説明する。なお、図11には、コネクタ10と接続され得る接続相手側としての相手側コネクタ12の具体的な一例が示されており、図1から図6では、コネクタ10が相手側コネクタ12と接続された状態で示されている。コネクタ10は端子14を備えているとともに、相手側コネクタ12は相手側端子16を備えており、端子14と相手側端子16とが相互に接触することでコネクタ10と相手側コネクタ12とが電気的に導通状態となるようになっている。なお、コネクタ10は、任意の向きで配置することができるが、以下では、上方とは図2中の上方、下方とは図2中の下方、前方とは図3中の左方、後方とは図3中の右方、左方とは図2中の左方、右方とは図2中の右方として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0023】
<コネクタ10>
コネクタ10は、電線引出口18を有するコネクタハウジング20と、コネクタハウジング20に収容された端子14と、端子14に接続されて電線引出口18からコネクタハウジング20の外部に引き出される電線22と、電線引出口18から引き出された電線22を保持する金属リテーナ24と、を含んでいる。また、コネクタ10は、コネクタハウジング20を覆う金属製のシールドシェル26を含んでいる。実施形態1では、一対の端子14,14が設けられており、各端子14がそれぞれコネクタハウジング20に収容されている。図2に示されるように、これら一対の端子14,14および一対のコネクタハウジング20,20は、左右方向で相互に離隔して配置されている。
【0024】
<相手側コネクタ12>
実施形態1の相手側コネクタ12は、図11等にも示されるように、端子14と接続される相手側端子16と、相手側端子16を収容して保持する相手側ハウジング28と、を有している。実施形態1では、コネクタ10において一対の端子14,14が設けられていることから、相手側コネクタ12は一対の相手側端子16,16を備えており、これら各相手側端子16が左右方向で相互に離隔して配置されている。この相手側コネクタ12は金属製の筐体30に固定されており、後述するように、金属リテーナ24が第1ボルト122により接続相手側となる筐体30にボルト締結されるようになっている。そして、筐体30に固定される相手側コネクタ12において、各相手側端子16が後方に突出した状態で保持されている。
【0025】
実施形態1では、各相手側端子16がそれぞれピン端子とされており、各相手側端子16は柱状接続部32を備えている。また、各相手側端子16の基端部(前端部)にはそれぞれボルト挿通孔34が設けられており、例えばボルト挿通孔34に挿通される図示しないボルトにより各相手側端子16が図示しない機器等の端子部に対して固定されるようになっている。
【0026】
これら各相手側端子16は、相手側ハウジング28に固定的に保持されている。なお、各相手側端子16と相手側ハウジング28との固定方法は限定されるものではないが、実施形態1では、相手側ハウジング28の成形時に成形キャビティ内に各相手側端子16をインサートした状態で成形することで、相手側ハウジング28が各相手側端子16を備えた一体成形品として形成されている。この相手側ハウジング28は、図11等にも示されるように下方に突出する一対の脚部36,36を一体的に備えており、各脚部36に挿通されるボルト38により、各相手側端子16が固定された相手側ハウジング28が筐体30に固定されるようになっている。また、相手側ハウジング28の外周面において、筐体30における後述する挿通孔44に挿通される部分には、環状の防水ゴム40が外挿されて取り付けられている。
【0027】
筐体30は、平面視において矩形状とされた矩形板部42を備えており、矩形板部42の上方部分には、相手側ハウジング28が挿通される挿通孔44が形成されている。また、矩形板部42において挿通孔44よりも下方部分における左右方向中央には、後述する第2ボルト162のねじ部が挿入される第2ボルト固定部46が設けられている。第2ボルト固定部46は前方に開口する略筒状の部分であり、所定の前後方向寸法を有しているとともに、内周面に雌ねじが形成されている。さらに、矩形板部42において第2ボルト固定部46よりも下方部分における左右方向中央には、後述する第1ボルト122のねじ部が挿入される第1ボルト固定部48が設けられている。第1ボルト固定部48は前方に開口する略筒状の部分であり、所定の前後方向寸法を有しているとともに、内周面に雌ねじが形成されている。これら第2ボルト固定部46と第1ボルト固定部48とは、上下方向で相互に所定の距離だけ離隔して設けられている。
【0028】
<端子14>
実施形態1では、相手側端子16がピン端子とされており、端子14は、相手側端子16における柱状接続部32が圧入される筒状接続部50を有していればその具体的な構造は限定されるものではないが、例えば特開2021-28899号公報に記載の雌端子(10)のような構造が採用され得る。より詳細には、実施形態1の端子14は、端子本体52と、端子本体52の先端部(上端部)に取り付けられる弾性部材としてのクリップばね54とを含んで構成されている。そして、各端子本体52の基端部(下端部)に、各電線22が固着される電線固着部56が設けられている。
【0029】
各電線22は被覆電線であり、芯線58と、芯線58を略全長にわたって被覆する合成樹脂製の絶縁被覆60とから構成されている。そして、各電線22の端末において絶縁被覆60が剥がされて芯線58が露出しているとともに、露出された芯線58が各端子本体52の電線固着部56に固着されることで、各端子本体52と各電線22とが接続されている。なお、電線固着部56と芯線58との固着方法は限定されるものではなく、接着や溶着等でもよいし、圧着片による圧着等であってもよい。
【0030】
<コネクタハウジング20>
コネクタハウジング20は、図2,3に示されるように、各電線22の上端部分および各電線22の端末に固着される各端子14が収容される略矩形筒状の端子収容部62を有している。前述のように、実施形態1では、一対のコネクタハウジング20,20が設けられており、各コネクタハウジング20がそれぞれ端子収容部62を有している。各コネクタハウジング20(各端子収容部62)は左右方向で相互に離隔するとともに、それぞれ上下方向に延びて下方に開口している。そして、各端子収容部62に収容される各電線22は、各コネクタハウジング20(各端子収容部62)の下方開口部を通じて外部空間へ引き出されており、各コネクタハウジング20の下方開口部により各電線22が引き出される電線引出口18が構成されている。すなわち、2つのコネクタハウジング20,20のそれぞれに端子14が収容され、2つの端子14にそれぞれ接続された2つの電線22,22が、各電線引出口18からコネクタハウジング20の外部に引き出されている。
【0031】
実施形態1では、図3に示されるように、各コネクタハウジング20が、コネクタハウジング本体64と、コネクタハウジング本体64に組み付けられるコネクタハウジング蓋部66とから構成されている。すなわち、コネクタハウジング本体64における前側の壁部の上方部分には厚さ方向(前後方向)で貫通する窓部が設けられており、この窓部を覆蓋するようにコネクタハウジング蓋部66が組み付けられるようになっている。そして、コネクタハウジング蓋部66において端子14における筒状接続部50と対応する位置には、後述するコネクタ10と相手側コネクタ12との接続時において、相手側端子16における柱状接続部32が挿通される挿通孔68が形成されている。
【0032】
なお、これら各コネクタハウジング20と各コネクタハウジング20を覆うシールドシェル26との固定方法は限定されるものではないが、実施形態1では、後述するように、各コネクタハウジング20はシールドシェル26の下方開口部から内部に挿入される。そして、例えば各コネクタハウジング20の外面とシールドシェル26の内面に設けられる凹凸の嵌合により、各コネクタハウジング20がシールドシェル26に固定されるようになっている。
【0033】
上記のような各コネクタハウジング20の電線引出口18から下方に引き出される各電線22には、環状の防水ゴム70が外挿されて取り付けられており、各防水ゴム70がシールドシェル26の下方開口部から内部に挿入されている。そして、これら各防水ゴム70の下方に、各電線引出口18から引き出された各電線22を保持する金属リテーナ24が設けられている。実施形態1では金属リテーナ24がシールドシェル26の下方開口部に組み付けられており、金属リテーナ24により各防水ゴム70の脱落も防止されている。
【0034】
<金属リテーナ24>
金属リテーナ24は、電線22の軸直角方向両側(前後方向両側)から電線22を挟み込んで保持して相互に固定される後側の第1保持部72と前側の第2保持部74とを有している。また、金属リテーナ24は、後述する第1ボルト122により、接続相手側となる相手側コネクタ12の筐体30へボルト締結される第1ボルト締結部76を備えている。
【0035】
<第1保持部72>
図9,10等にも示されるように、第1保持部72は正面視または背面視において上下方向寸法に比して左右方向寸法の方が大きくされた略矩形ブロック状の第1本体部77を備えており、第1本体部77の前面には、略半円形断面形状をもって前方に開口する凹溝78が形成されている。この凹溝78は上下方向に延びており、金属リテーナ24を電線22に対して固定した状態において、凹溝78の内周面が電線22の外周面(絶縁被覆60の外周面)に密接するようになっている。実施形態1では一対の電線22,22が左右方向で相互に離隔して設けられていることから、第1保持部72には、一対の凹溝78,78が左右方向で相互に離隔して設けられている。そして、第1本体部77における左右方向中央部分において、一対の凹溝78,78が連結部79により連結されている。なお、各凹溝78は第1本体部77よりも大きな上下方向寸法を有しており、各凹溝78を構成する半円筒形状とされた部分が、第1本体部77から下方に突出して一体的に形成されている。
【0036】
また、実施形態1では、図3にも示されるように、各凹溝78の内周面における上方部分において、内周側(径方向内方)に突出する押圧突部80が設けられている。各押圧突部80は、所定の上下方向寸法および周方向寸法をもって形成されている。
【0037】
そして、第1本体部77における左右方向中央部分(連結部79)には、後述する第1ボルト122が挿通される後側挿通孔82が形成されている。後側挿通孔82は連結部79を前後方向で貫通しており、図10にも示されるように、左右方向寸法に比して上下方向寸法の方が大きな略長円とされた内周面形状を有している。なお、図10において、後側挿通孔82に挿通される第1ボルト122を二点鎖線で示す。後側挿通孔82の内径寸法は第1ボルト122の外径寸法よりも大きくされており、後側挿通孔82の内周面と第1ボルト122の外周面との対向面間の隙間が、略環状とされた後側隙間84である。後側隙間84の径方向幅寸法は、左右方向寸法α(図10参照)に比して上下方向寸法β(図10参照)の方が大きくされている。また、第1本体部77における後面には後方に開口する円形凹部86が形成されており、円形凹部86の底面において後側挿通孔82と連通している。そして、後側挿通孔82に第1ボルト122が挿通される際には、第1ボルト122の頭部122aが円形凹部86に収容されるようになっている。
【0038】
<組付部88>
また、第1本体部77における後端部分において、左右方向中央部分には、シールドシェル26における後述する被組付部178と組み合う組付部88が上方に突出して設けられている。そして、これら組付部88と被組付部178とが組み合うことで金属リテーナ24がシールドシェル26に組み付けられるようになっている。実施形態1では、組付部88が略矩形枠形状であり、第1本体部77から上方に突出する左右両側の上方突出部90と、各上方突出部90の突出端部(上端部)を接続する接続部92とを備えている。これにより、第1本体部77、各上方突出部90、接続部92によって囲まれた領域には正面視において略矩形とされた組付領域94が形成されており、組付領域94は、上下方向寸法に比して左右方向寸法の方が大きくされている。
【0039】
さらに、第1本体部77の後面において円形凹部86を挟んだ左右両側には、後方に突出する係止凸部96が設けられている。また、第1本体部77における左右方向両端部、すなわち各凹溝78よりも左右方向外側には、後述する固定ボルト116が固定される後側固定部98が設けられている。各後側固定部98は前方に開口する略筒状であり、第1本体部77における左右方向両端部から左右方向外方に突出している。これら各後側固定部98の内周面には、固定ボルト116の雄ねじと螺合する雌ねじが形成されている。
【0040】
<第2保持部74>
第2保持部74は、全体としては第1保持部72と略同様の形状であり、平面視において略矩形状とされた第2本体部100を備えている。第2本体部100の後面における左右方向両側には一対の凹溝78,78が設けられているとともに、これら各凹溝78が連結部79により連結されている。実施形態1では、第2保持部74においても、各凹溝78の内周面における上方部分に、内周側(径方向内方)に突出する各押圧突部80が設けられている。
【0041】
そして、第2本体部100における左右方向中央部分(連結部79)には、後述する第1ボルト122が挿通される前側挿通孔102が形成されている。特に、第2本体部100における連結部79には前方に突出する筒状部104が設けられており、これら連結部79および筒状部104を前後方向で貫通して前側挿通孔102が形成されている。前側挿通孔102は後側挿通孔82と同様の内周面形状を有しており、左右方向寸法に比して上下方向寸法の方が大きな略長円形状とされている。これにより、前側挿通孔102の内周面と第1ボルト122の外周面との対向面間の隙間が略環状とされた前側隙間106であり、前側隙間106の径方向幅寸法は左右方向寸法αに比して上下方向寸法βの方が大きくされている。また、実施形態1では、筒状部104の突出先端面(前端面)が略環状の平坦面108とされている。
【0042】
さらに、第2本体部100における前端部分において、左右方向中央部分には、第1保持部72と同様に組付部88が設けられている。すなわち、第2保持部74においても、組付部88が、左右両側の各上方突出部90と、各上方突出部90の突出端部(上端部)を接続する接続部92とを備えており、これら第2本体部100、各上方突出部90、接続部92によって囲まれた領域により正面視において略矩形とされた組付領域94が形成されている。
【0043】
また、第2本体部100の前面において筒状部104を挟んだ左右両側には、後述する固定ねじ136が締結されるねじ固定部110が設けられている。そして、第2本体部100における左右方向両端部、すなわち各凹溝78よりも左右方向外側には、後述する固定ボルト116が固定される前側固定部112が設けられている。各前側固定部112には固定ボルト116が挿通されるボルト挿通孔が前後方向で貫通して形成されており、各前側固定部112が第2本体部100における左右方向両端部から左右方向外方に突出している。第2本体部100の外周面において左右方向両端部には、各固定ボルト116の頭部が収容される収容凹部114が形成されている。
【0044】
上記のような形状とされた第1保持部72と第2保持部74とを各電線22を前後方向両側から挟んだ状態で重ね合わせて、固定ボルト116によりボルト固定することで金属リテーナ24が構成されている。すなわち、第1保持部72における各後側固定部98と第2保持部74における各前側固定部112とが前後方向で相互に重ね合わされて、各固定ボルト116が各前側固定部112に挿通されるとともに各後側固定部98に締結されることで、第1保持部72と第2保持部74とが相互に固定される。これにより、各後側固定部98と各前側固定部112とを含んで、各固定ボルト116が固定されるリテーナボルト固定部118が構成されている。
【0045】
また、このように第1保持部72と第2保持部74とが相互に固定されることで、第1保持部72における各凹溝78の周方向端面と第2保持部74における各凹溝78の周方向端面とが前後方向で相互に突き合わされており、前後両側の各凹溝78により電線22を挟持する電線収容孔120が構成されている。すなわち、第1保持部72と第2保持部74とが相互に固定されることで、2つの電線22,22のそれぞれを挟持する2つの電線収容孔120,120が左右方向で並列配置されている。そして、これら2つの電線収容孔120,120の並列方向(左右方向)で、各電線収容孔120の両側に各リテーナボルト固定部118が設けられている。
【0046】
ここで、第1保持部72と第2保持部74とが各電線22を挟持した状態で固定されることで、第1および第2保持部72,74における各押圧突部80が各電線22の各絶縁被覆60を押圧して、各絶縁被覆60の前後両側部分を弾性変形させるようになっている。なお、各押圧突部80により押圧されて弾性変形する前の各絶縁被覆60を、図6において二点鎖線で示す。各押圧突部80により弾性変形させられた各絶縁被覆60は、例えば左右方向両側へ膨出変形させられるようになっていてもよく、左右方向両側へ膨出変形させられた各絶縁被覆60が、各電線収容孔120における左右両側の内周面に密接するようになっていてもよい。
【0047】
さらに、第1保持部72と第2保持部74とが相互に固定されることで、第1保持部72における後側挿通孔82と第2保持部74における前側挿通孔102とが前後方向で相互に連通して、第1ボルト122が挿通される第1ボルト挿通孔124が構成されるようになっている。そして、この第1ボルト挿通孔124に対して第1ボルト122を挿通して、接続相手側である筐体30における第1ボルト固定部48に対して固定することで、金属リテーナ24が筐体30に対してボルト締結されるようになっている。したがって、第1ボルト122の締結に伴って、金属リテーナ24における特に第1ボルト挿通孔124の周囲の部分が筐体30に対して固定されるようになっている。それゆえ、金属リテーナ24において筐体30へボルト締結される第1ボルト締結部76が、第1ボルト挿通孔124の周囲の部分、例えば第1保持部72における連結部79や第2保持部74における連結部79、筒状部104等により構成されている。換言すれば、金属リテーナ24における第1ボルト締結部76を前後方向で貫通して第1ボルト挿通孔124が形成されている。
【0048】
そして、第1ボルト挿通孔124に第1ボルト122が挿通された状態では、後側隙間84と前側隙間106とが前後方向で相互に連通しており、第1ボルト挿通孔124の内周面と第1ボルト122の外周面との対向面間において略環状または略筒状の第1公差吸収隙間126が構成されている。これにより、第1ボルト122を第1ボルト固定部48に対して固定する際に、第1ボルト挿通孔124と第1ボルト固定部48とがずれている際にも第1公差吸収隙間126内で第1ボルト122を変位させることで公差が吸収され得る。特に、前述のように、第1公差吸収隙間126(後側隙間84および前側隙間106)は、左右方向の径方向幅寸法αに比して上下方向の径方向幅寸法βが大きくされていることから、上下方向の公差がより効果的に吸収され得る。
【0049】
なお、実施形態1では、金属リテーナ24の下方部分が金属製のシールドブラケット128により覆われている。シールドブラケット128は、段差を有する筒壁部130を備えており、筒壁部130の後端部における左右方向両側には上方に突出する係止枠体132が設けられている。また、筒壁部130の前端部における左右方向両側には上方に突出する部分が設けられており、上方への突出端部においてねじ孔134が形成されている。そして、金属リテーナ24の下方部分に対してシールドブラケット128の筒壁部130を外挿して、各係止凸部96を各係止枠体132に係止するとともに、各ねじ孔134を通じて固定ねじ136を各ねじ固定部110に固定することにより、シールドブラケット128が金属リテーナ24に対して固定されるようになっている。なお、シールドブラケット128の筒壁部130には、各電線22を覆う図示しない金属製の編組線等のシールド部材が固定されるようになっていてもよい。
【0050】
<シールドシェル26>
シールドシェル26は、一対のコネクタハウジング20,20の略全体を覆う形状とされている。すなわち、シールドシェル26は、各コネクタハウジング20の後方を覆う後方壁部138と、各コネクタハウジング20の前方を覆う前方壁部140と、左側のコネクタハウジング20を左方から覆う左方壁部142と、右側のコネクタハウジング20を右方から覆う右方壁部144と、各コネクタハウジング20の上方を覆う上方壁部146と、を備えている。また、シールドシェル26は、各コネクタハウジング20の左右方向間に設けられて、シールドシェル26の内部空間を左右方向で仕切る仕切部148を備えている。
【0051】
シールドシェル26の前方壁部140における上方部分には、前方壁部140を前後方向で貫通する貫通窓150が形成されているとともに、貫通窓150の周縁部には、内側筒部152および外側筒部154が設けられている。また、内側筒部152には、貫通孔156を有するフロントリテーナ158が組み付けられている。これにより、コネクタ10と相手側コネクタ12とを接続する際には、各相手側端子16における柱状接続部32が、貫通孔156、貫通窓150および挿通孔68を通じて、各端子14における筒状接続部50へ圧入されるようになっている。なお、内側筒部152には環状の防水ゴム160が外挿されて取り付けられている。
【0052】
ここで、シールドシェル26の仕切部148において外側筒部154の下方部分よりも下方には、第2ボルト162が挿通される第2ボルト挿通孔164が前後方向で貫通して形成されている。そして、この第2ボルト挿通孔164に対して第2ボルト162を挿通して、接続相手側である筐体30における第2ボルト固定部46に対して固定することで、シールドシェル26が筐体30に対してボルト締結されるようになっている。したがって、第2ボルト162の締結に伴って、シールドシェル26における特に第2ボルト挿通孔164の周囲の部分が筐体30に対して固定されるようになっている。それゆえ、シールドシェル26において筐体30へボルト締結される第2ボルト締結部166が、第2ボルト挿通孔164の周囲の部分により構成されている。換言すれば、シールドシェル26における第2ボルト締結部166を前後方向で貫通して第2ボルト挿通孔164が形成されている。
【0053】
なお、実施形態1では、第2ボルト挿通孔164の形成位置において前方壁部140から前方に突出する接触部168が設けられており、接触部168が略矩形の外周面形状を有している。そして、接触部168の略中央部分において略円形の凹所170が前方に開口して形成されている。この接触部168の突出先端面(前端面)は、略環状の平坦面172とされている。
【0054】
また、第2ボルト162の長さ方向中間部分には、外周側に開口する環状のリング装着溝174が設けられており、実施形態1では、このリング装着溝174にCリング176が装着されている。Cリング176が第2ボルト162に装着された状態において、Cリング176は第2ボルト162の外周面から外周側に略環状に、所定の径寸法幅寸法をもって突出している。これにより、第2ボルト162が第2ボルト挿通孔164に対して前後方向で変位可能とされつつ、第2ボルト挿通孔164からの第2ボルト162の脱落が防止され得る。また、Cリング176における第2ボルト162の外周面からの外周側への突出寸法は、凹所170における径方向幅寸法よりも小さくされている。これにより、第2ボルト挿通孔164に対して第2ボルト162が後方へ変位する際には、Cリング176の後端が凹所170の底面に当接することで、第2ボルト挿通孔164に対する第2ボルト162の変位が制限されるようになっている。
【0055】
特に、実施形態1では、第2ボルト締結部166を接続相手側(筐体30)へボルト締結する際の第2ボルト162の締付力を利用して、各相手側端子16の柱状接続部32が各端子14の筒状接続部50へ圧入されるようになっている。すなわち、実施形態1のコネクタ10は、所謂ボルトアシストタイプのコネクタとされており、第2ボルト締結部166を接続相手側(筐体30)へボルト締結することにより、各端子14が各相手側端子16へ嵌合されるようになっている。そして、第2ボルト162が第2ボルト挿通孔164に対して変位可能、且つ脱落不能とされていることにより、第2ボルト162が第2ボルト固定部46の開口部に当接した際に第2ボルト162が後方へ変位することができる。それゆえ、第2ボルト162において前方に突出する部分が、各端子14における各相手側端子16への圧入作業に干渉するおそれが低減され得る。また、第2ボルト162を第2ボルト固定部46にある程度螺合させた状態で、各端子14における各相手側端子16への圧入作業を開始させることができて、圧入作業に伴って第2ボルト固定部46の開口部が破損するおそれ等が低減され得る。
【0056】
<被組付部178>
ここにおいて、シールドシェル26における後方壁部138および前方壁部140の下端部には、金属リテーナ24における各組付部88と組み合わされる被組付部178が設けられている。具体的には、後方壁部138および前方壁部140における下端部分において、左右方向中央部分に、前後方向外方に開口する凹状の収容部180が形成されており、収容部180の底面における下端部において前後方向外方に突出する略矩形ブロック状の組付凸部181が設けられている。そして、図8に示されるように、シールドシェル26の下端部に対して、前後方向外方から第1保持部72と第2保持部74が重ね合わされて、各収容部180に各組付部88が収容されるとともに、各組付領域94内に各組付凸部181が挿入されるようになっている。したがって、実施形態1では、収容部180と組付凸部181を含んで、組付部88と組み合わされる被組付部178が構成されている。これら被組付部178および収容部180は、上下、左右、前後の各方向においてそれぞれ所定の寸法を有している。
【0057】
すなわち、図4に示されるように、収容部180における上方の内面と組付凸部181との上下方向における離隔距離D1は、組付部88における接続部92の上下方向寸法D2よりも大きくされている。これにより、各組付部88と各被組付部178とが組み合わされて、各組付領域94内に各組付凸部181が挿入された状態において、組付部88と被組付部178の対向面間(収容部180における上方の内面と接続部92の上端面との対向面間、または接続部92の下端面と組付凸部181の上端面との対向面間)には、上下方向で所定の大きさA1やA2(何れも図4参照)の隙間が形成される。この隙間が、各組付部88と各被組付部178との対向面間における第1公差吸収隙間182である。
【0058】
また、図5における左側の拡大図に示すように、左右方向のいずれか一方の側において、収容部180の左右方向の内面(例えば左方の内面)と組付凸部181との左右方向における離隔距離D3は、組付部88における上方突出部90の左右方向寸法D4よりも大きくされている。これにより、各組付部88と各被組付部178とが組み合わされて、各組付領域94内に各組付凸部181が挿入された状態において、組付部88と被組付部178との対向面間(収容部180における左右方向外方の内面と上方突出部90における左右方向外面との対向面間、または上方突出部90における左右方向内面と組付凸部181における左右方向外面との対向面間)には、左右方向で所定の大きさB1やB2(何れも図5参照)の隙間が形成される。この隙間も、各組付部88と各被組付部178との対向面間における第1公差吸収隙間182である。
【0059】
このように、各組付部88と各被組付部178との間には、第1ボルト122と第1ボルト挿通孔124との間の第1公差吸収隙間126と同じ方向である上下方向および左右方向に広がる第1公差吸収隙間182が設けられている。これにより、各組付部88と各被組付部178とが組み合わされて金属リテーナ24がシールドシェル26に組み付けられた状態において、組付領域94内で組付凸部181が上下方向や左右方向で変位可能である。そして、組付領域94内で組付凸部181が変位可能である分だけ、例えば上下方向では隙間の大きさA2の分だけ、あるいは左右方向では隙間の大きさB2の分だけ、シールドシェル26に対して金属リテーナ24が上下方向および/または左右方向で変位可能である。したがって、金属リテーナ24がシールドシェル26に対して第1公差吸収隙間182の分だけ変位可能に組み付けられている。
【0060】
さらに、図5における右側の拡大図に示すように、収容部180における深さ寸法(前後方向寸法)D5は、組付部88(上方突出部90および接続部92)の前後方向寸法D6よりも大きくされている。これにより、各組付部88と各被組付部178とが組み合わされて、各組付領域94内に各組付凸部181が挿入された状態において、組付部88と被組付部178との対向面間(収容部180における底面と上方突出部90および接続部92の前面との対向面間)には、前後方向で所定の大きさC(図5参照)の隙間が形成される。この隙間が、第1ボルト締結部76における第1ボルト122のボルト締結方向(前後方向)に広がる第2公差吸収隙間184である。
【0061】
この結果、各組付部88と各被組付部178とが組み合わされて金属リテーナ24がシールドシェル26に組み付けられた状態において、第2公差吸収隙間184の大きさCの分だけ、シールドシェル26に対して金属リテーナ24が前後方向で変位可能である。したがって、金属リテーナ24がシールドシェル26に対して第2公差吸収隙間184の分だけ変位可能に組み付けられている。
【0062】
<コネクタ10の組立て>
以下、コネクタ10の組立方法の具体的な一例を説明する。なお、コネクタ10の組立方法は、以下に記載の態様に限定されるものではない。
【0063】
先ず、各電線22における端末において絶縁被覆60を剥いで露出させた芯線58を各端子本体52の電線固着部56に固着するとともに、各端子本体52の上端部に各クリップばね54を取り付ける。これにより、各電線22の端末に各端子14が固定された状態とされる。そして、各電線22に各防水ゴム70を外挿する。
【0064】
次に、各端子14および各防水ゴム70が組み付けられた各電線22を、各コネクタハウジング本体64の下方開口部から挿入する。各端子14を所定位置まで挿入した後、コネクタハウジング本体64に対してコネクタハウジング蓋部66を組み付けることで、各端子14が各コネクタハウジング20における各端子収容部62内の所定位置に固定される。そして、各端子14が組み付けられた各コネクタハウジング20をシールドシェル26の下方開口部から挿入して、例えば凹凸嵌合により各コネクタハウジング20をシールドシェル26に固定する。また、シールドシェル26の内側筒部152に対して前方からフロントリテーナ158を組み付ける。
【0065】
続いて、図8に示されるように、シールドシェル26から下方に延び出す各電線22を前後両側から挟むように、第1保持部72と第2保持部74とを前後方向で対向配置する。その後、シールドシェル26における各被組付部178に対して第1および第2保持部72,74における各組付部88を組み合わせつつ、第1保持部72における第1本体部77と第2保持部74における第2本体部100とを重ね合わせる。そして、各前側固定部112に各固定ボルト116を挿通して各後側固定部98に締結することで、各リテーナボルト固定部118においてボルト締結されて第1保持部72と第2保持部74とが相互に固定される。これにより、シールドシェル26に対して金属リテーナ24が組み付けられる。次に、シールドブラケット128の筒壁部130に各電線22を挿通して金属リテーナ24の下方部分を筒壁部130で覆い、各係止凸部96を各係止枠体132に係止するとともに各固定ねじ136を各ねじ孔134を介して各ねじ固定部110に固定する。
【0066】
また、シールドシェル26における第2ボルト挿通孔164に対して後方から第2ボルト162を挿通する。これにより、第2ボルト162の前方部分がシールドシェル26から前方に突出することとなり、第2ボルト162におけるリング装着溝174に対して側方(前後方向に対して直交する方向)からCリング176を組み付ける。これにより、コネクタ10が完成する。
【0067】
このようにして組み立てられたコネクタ10は、図7に示されるように、接続相手側となる筐体30を備えた相手側コネクタ12と前後方向で対向配置される。そして、コネクタ10と相手側コネクタ12とを相互に接近させて、第2ボルト162を筐体30における第2ボルト固定部46に固定する。これにより、コネクタ10における第2ボルト締結部166が筐体30に対してボルト締結されるとともに、相手側コネクタ12における各相手側端子16の柱状接続部32が、コネクタ10における各端子14の筒状接続部50に圧入される。この結果、コネクタ10と相手側コネクタ12とが電気的に導通した状態となる。
【0068】
その後、金属リテーナ24における第1ボルト挿通孔124に第1ボルト122を挿通して、筐体30における第1ボルト固定部48に固定する。これにより、金属リテーナ24における第1ボルト締結部76が筐体30に対してボルト締結される。この結果、コネクタ10と相手側コネクタ12との接続が完了する。
【0069】
コネクタ10と相手側コネクタ12との接続が完了した状態では、図4にも示されるように、金属リテーナ24から前方に突出する筒状部104の前端面(平坦面108)や、シールドシェル26から前方に突出する接触部168の前端面(平坦面172)、シールドシェル26の上方部分における外側筒部154の前端面が、筐体30における矩形板部42の後面に対して略隙間なく密接する。これにより、金属リテーナ24やシールドシェル26から筐体30へ至るシールド経路が安定して確保されるようになっている。
【0070】
上記のような構造とされたコネクタ10では、各コネクタハウジング20の電線引出口18から引き出された各電線22を保持するリテーナが金属製とされており、この金属リテーナ24において、接続相手側となる筐体30へボルト締結される第1ボルト締結部76が設けられている。これにより、リテーナが合成樹脂製とされる場合に比べて、第1ボルト締結部76に対して、より大きなボルトの軸力(締付力)を及ぼすことができるとともに、高温環境下においてもボルト締結部における樹脂のへたり等を抑制することができる。この結果、金属リテーナ24と各電線22との間に隙間が発生するおそれが低減されて、車両の振動等により入力される各電線22の外力が各端子14と各相手側端子16との接続部分まで及ぼされることが回避される。
【0071】
また、各組付部88と各被組付部178との対向面間には第1公差吸収隙間182が設けられているとともに、第1ボルト挿通孔124には第1ボルト122の周囲に第1公差吸収隙間126が設けられている。これらの第1公差吸収隙間126,182はそれぞれ同じ方向に広がっており、実施形態1では、第1公差吸収隙間126,182が上下方向および左右方向に広がっている。そして、各組付部88と各被組付部178との対向面間における第1公差吸収隙間182により、第1ボルト122を締結する前において、シールドシェル26と金属リテーナ24とが相対変位可能とされている。この結果、金属リテーナ24における第1ボルト締結部76を筐体30にボルト締結する場合に、第1ボルト挿通孔124と第1ボルト固定部48とがずれている際にも、第1公差吸収隙間182により公差が吸収されて、第1ボルト122の締結を安定して行うことができる。加えて、第1ボルト挿通孔124内にも第1公差吸収隙間126が設けられていることから、第1ボルト挿通孔124内で第1ボルト122の位置を調整することができて、第1ボルト122の締結をさらに安定して行うことができる。特に、実施形態1では、第1公差吸収隙間126,182が上下方向および左右方向に広がっていることから、これら2方向の公差を吸収することができる。
【0072】
各組付部88と各被組付部178との対向面間には第2公差吸収隙間184が設けられており、金属リテーナ24がシールドシェル26に対して第2公差吸収隙間184の分(図5中のC)だけ前後方向で変位可能に組み付けられている。これにより、上記の上下方向および左右方向の2方向に加えて、前後方向の公差も吸収することができる。特に、実施形態1では、金属リテーナ24から筒状部104が前方に突出しており、筒状部104の突出先端面(前端面)である平坦面108と筐体30における矩形板部42の後面とが接触してシールド経路が構成されるようになっている。それゆえ、シールドシェル26に対して金属リテーナ24を前後方向で変位可能とすることで平坦面108と矩形板部42とをより確実に接触させることができて、シールド経路をより安定して形成することができる。
【0073】
シールドシェル26は、接続相手側である筐体30へボルト締結される第2ボルト締結部166を備えている。すなわち、コネクタ10は、上下方向で相互に離隔する第1ボルト締結部76と第2ボルト締結部166の2箇所において接続相手側である筐体30へボルト締結されることとなる。すなわち、例えばコネクタを接続相手側の筐体へ上方部分における1箇所や2箇所で固定するだけの場合、電線に外部から大きな振動が入力された際に、コネクタごと振れてしまい、外部からの振動が遮断できないおそれがあったが、実施形態1のように上下方向で相互に離隔する2箇所で筐体30へボルト締結することで、筐体30に対してコネクタ10が振れることが抑制されて、外力がより確実に遮断され得る。また、コネクタ10における上方部分に第2ボルト締結部166を設けることで、接触部168における前端面(平坦面172)や外側筒部154における前端面をより確実に矩形板部42の後面に接触させることができて、より安定してシールド経路を形成することができる。
【0074】
第2ボルト締結部166を接続相手側である筐体30へボルト締結することにより、端子14が相手側端子16へ嵌合されるようになっている。すなわち、大電流化に伴って端子14と相手側端子16とがより高接圧で接触する必要がある場合にも、相手側端子16の柱状接続部32における端子14の筒状接続部50への圧入を第2ボルト162の締付力を利用して行うことができて、コネクタ10と相手側コネクタ12との接続作業の効率の向上を図ることができる。特に、第2ボルト締結部166を締結する第2ボルト162を柱状接続部32と筒状接続部50との接続部分の近傍に設けることで、第2ボルト162の締結に伴う柱状接続部32における筒状接続部50への圧入を効率良く実現しつつ、第2ボルト162を第1ボルト122(第1ボルト締結部76)に対して上下方向で離隔して設けることができる。これにより、上述のように、外力の遮断効果もより確実に発揮させることができる。
【0075】
2つの電線収容孔120,120の並列方向(左右方向)で、第1ボルト締結部76が2つの電線収容孔120,120の間に設けられ、2つの電線収容孔120,120の両側に一対のリテーナボルト固定部118,118が設けられている。これにより、左右方向両端部と左右方向中央部分の3箇所において第1保持部72と第2保持部74とを固定することができて、各電線収容孔120を構成する一対の凹溝78,78により安定して各電線22を挟持することができる。特に、各リテーナボルト固定部118に対して固定ボルト116が前方から後方に向かって挿通されているのに対して、第1ボルト挿通孔124に対して第1ボルト122が後方から前方に向かって挿通されている。これにより、例えば振動等による外力がボルトを緩める方向に作用する場合にも、3本のボルト(各固定ボルト116および第1ボルト122)のうち1本は挿通方向が異ならされていることから、3本のボルトの全てが緩むことが回避されて、第1保持部72と第2保持部74による各電線22の保持状態が安定して維持され得る。
【0076】
<変形例>
以上、本開示の具体例として、実施形態1について詳述したが、本開示はこの具体的な記載によって限定されない。本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。例えば次のような実施形態の変形例も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0077】
(1)前記実施形態では、第1公差吸収隙間126,182が、第1ボルト挿通孔124および組付部88と被組付部178との対向面間の両方に設けられていたが、第1公差吸収隙間は、第1ボルト挿通孔および組付部と被組付部との対向面間の何れか一方に設けられるだけでもよいし、何れにも設けられなくてもよい。また、前記実施形態では、組付部と被組付部178との対向面間に設けられる第1公差吸収隙間182と、第1ボルト挿通孔124に設けられる第1公差吸収隙間126とは何れも上下方向および左右方向に広がっていたが、例えば上下方向と左右方向の何れか一方向に広がっているだけでもよい。なお、組付部と被組付部との対向面間に設けられる第1公差吸収隙間と第1ボルト挿通孔に設けられる第1公差吸収隙間とは、相互に異なる方向に広がっていてもよい。また、前記実施形態では、組付部88と被組付部178との対向面間において前後方向に広がる第2公差吸収隙間184が設けられていたが、本開示に係るコネクタにおいて第2公差吸収隙間は必須なものではない。
【0078】
(2)前記実施形態では、第1ボルト挿通孔124に対して後方から前方に向かって第1ボルト122が挿通されて筐体30における第1ボルト固定部48に締結されていたが、この態様に限定されるものではない。例えば、筐体において後方に突出するスタッドボルトを設けたり、筐体を貫通して前方から後方に突出するボルトを設けてもよく、当該ボルトが第1ボルト挿通孔に挿通されて、金属リテーナの後方においてナットに締結されるようになっていてもよい。すなわち、接続相手側となる相手側コネクタや筐体の構造は限定されるものではなく、端子に接続される相手側端子と、第1ボルト締結部をボルト締結する部分とを有していればよい。
【0079】
(3)前記実施形態では、コネクタ10がボルトアシストタイプのコネクタとされていたが、この態様に限定されるものではない。本開示に係るコネクタは、相手側コネクタに対して作業者が手作業で直接嵌合させてもよいし、例えばレバー等を利用して相手側端子における端子への圧入力を得るようにしてもよい。なお、本開示に係るコネクタにおいて第2ボルト締結部は必須なものではなく、金属リテーナにおいて接続相手側(筐体)にボルト締結される第1ボルト締結部が設けられていればよいが、手作業による嵌合やレバー等を用いる場合であっても、第2ボルト締結部が、第1ボルト締結部に対して上下方向で離隔する位置に設けられることが好ましい。これにより、本開示に係るコネクタを上下方向に離隔する2箇所で接続相手側(筐体)に対してボルト締結することができて、外力の遮断効果が安定して発揮され得る。
【0080】
(4)前記実施形態では、第1保持部72と第2保持部74とは固定ボルト116により固定されていたが、この態様に限定されるものではない。第1保持部と第2保持部とはボルト固定の他、カシメ固定やロック嵌合等、任意の方法で固定され得る。また、前記実施形態のように固定ボルトを採用する場合でも、固定ボルトは、前記実施形態とは反対向きに(後方から前方へ向かって)挿通されてもよい。また、第1保持部と第2保持部とは相互に別体である必要はなく、第1保持部と第2保持部とは一体として形成されてもよい。例えば、第1保持部と第2保持部との周方向一方の端部にヒンジ部を設けて第1保持部と第2保持部とを開閉可能とし、電線を挟み込んだ後、第1保持部と第2保持部との周方向他方の端部に設けた固定機構等により、第1保持部と第2保持部とが相互に固定されるようになっていてもよい。
【0081】
(5)前記実施形態における端子14の形状は単なる例示であり、限定されるものではない。すなわち、前記実施形態では、端子14がピン状の相手側端子16が挿入される筒状接続部50を有していたが、この態様に限定されない。相手側端子は、例えば国際公開2021/145197号に記載のように平タブ状であってもよいし、その場合、端子は、略矩形の端子挿通隙間を有していればよい。
【0082】
(6)前記実施形態では、一対のコネクタハウジング20,20が設けられて、各コネクタハウジング20のそれぞれに各端子14が収容されていたが、コネクタハウジングは単一の部材により構成されてもよく、1つのコネクタハウジングに複数(例えば、一対)の端子が収容されるようになっていてもよい。なお、本開示に係るコネクタにおいて、端子や電線の数は限定されるものではなく、それぞれ1つずつでもよいし、それぞれ3つ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
10 コネクタ
12 相手側コネクタ(接続相手側)
14 端子
16 相手側端子
18 電線引出口
20 コネクタハウジング
22 電線
24 金属リテーナ
26 シールドシェル
28 相手側ハウジング
30 筐体(接続相手側)
32 柱状接続部
34 ボルト挿通孔
36 脚部
38 ボルト
40 防水ゴム
42 矩形板部
44 挿通孔
46 第2ボルト固定部
48 第1ボルト固定部
50 筒状接続部
52 端子本体
54 クリップばね
56 電線固着部
58 芯線
60 絶縁被覆
62 端子収容部
64 コネクタハウジング本体
66 コネクタハウジング蓋部
68 挿通孔
70 防水ゴム
72 第1保持部
74 第2保持部
76 第1ボルト締結部
77 第1本体部
78 凹溝
79 連結部
80 押圧突部
82 後側挿通孔
84 後側隙間
86 円形凹部
88 組付部
90 上方突出部
92 接続部
94 組付領域
96 係止凸部
98 後側固定部
100 第2本体部
102 前側挿通孔
104 筒状部
106 前側隙間
108 平坦面
110 ねじ固定部
112 前側固定部
114 収容凹部
116 固定ボルト
118 リテーナボルト固定部
120 電線収容孔
122 第1ボルト
122a 頭部
124 第1ボルト挿通孔
126 (第1ボルト挿通孔の)第1公差吸収隙間
128 シールドブラケット
130 筒壁部
132 係止枠体
134 ねじ孔
136 固定ねじ
138 後方壁部
140 前方壁部
142 左方壁部
144 右方壁部
146 上方壁部
148 仕切部
150 貫通窓
152 内側筒部
154 外側筒部
156 貫通孔
158 フロントリテーナ
160 防水ゴム
162 第2ボルト
164 第2ボルト挿通孔
166 第2ボルト締結部
168 接触部
170 凹所
172 平坦面
174 リング装着溝
176 Cリング
178 被組付部
180 収容部
181 組付凸部
182 (組付部と被組付部の対向面間の)第1公差吸収隙間
184 第2公差吸収隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11