(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035549
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】分包装置
(51)【国際特許分類】
B65B 1/30 20060101AFI20240307BHJP
A61J 3/00 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
B65B1/30 B
A61J3/00 310F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140076
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】521081078
【氏名又は名称】株式会社ヨシヤ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川岡 重之
【テーマコード(参考)】
3E118
4C047
【Fターム(参考)】
3E118AA07
3E118AB04
3E118AB20
3E118BA03
3E118BA10
3E118BB02
3E118BB08
3E118BB14
3E118DA02
3E118DA12
3E118EA04
3E118FA01
3E118FA07
4C047AA17
4C047CC13
4C047CC14
4C047CC15
4C047DD22
4C047DD33
4C047DD35
4C047JJ01
4C047JJ03
4C047JJ23
4C047JJ31
(57)【要約】
【課題】任意のタイミングで分包フィルムに対してシール処理をすることが可能な分包装置を提供する。
【解決手段】分包装置9は、封入装置5と制御装置42とを備える。封入装置5は、分包フィルムFに接触する第1の位置と分包フィルムFから離れる第2の位置とに移動可能であり、分包フィルムFに接触して分包フィルムFを加熱することにより分包フィルムFをシールして分包袋を形成する加熱部材61A、Bを有する。封入装置5は、分包フィルムFに対して排出された薬剤を前記分包袋内に封入する。制御装置42は、薬剤がフィルムFに対して排出された後に、加熱部材61A、Bを第1の位置に移動させる。加熱部材61A、Bは、ローラー形状であり、回転することにより分包フィルムFを搬送させてシールする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分包フィルムに接触する第1の位置と前記分包フィルムから離れる第2の位置とに移動可能であり、前記分包フィルムに接触して前記分包フィルムを加熱することにより前記分包フィルムをシールして分包袋を形成する加熱部材を有し、前記分包フィルムに対して排出された薬剤を前記分包袋内に封入する封入装置と、
前記薬剤が前記分包フィルムに対して排出された後に、前記加熱部材を前記第1の位置に移動させる制御装置とを備え、
前記加熱部材は、ローラー形状であり、回転することにより前記分包フィルムを搬送させてシールする
分包装置。
【請求項2】
前記加熱部材は、前記分包フィルムの短手方向をシールする縦シーラーと、前記分包フィルムの長手方向をシールする横シーラーとを有する
請求項1に記載の分包装置。
【請求項3】
前記加熱部材は、前記分包フィルムを前記長手方向に沿って搬送させ、前記横シーラーは、前記分包フィルムを搬送させている状態で前記長手方向をシールする
請求項2に記載の分包装置。
【請求項4】
前記分包フィルムの搬送は、前記加熱部材が前記第1の位置にある場合に行われる
請求項3に記載の分包装置。
【請求項5】
前記加熱部材の前記縦シーラーは、前記薬剤が排出される前に前記分包フィルムの短手方向をシールする
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の分包装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記縦シーラーにより前記分包フィルムの短手方向をシールした後に前記加熱部材を前記第2の位置に移動させる
請求項5に記載の分包装置。
【請求項7】
前記加熱部材は、前記分包フィルムの両面側に各々設けられる
請求項1に記載の分包装置。
【請求項8】
前記封入装置は、右ネジと左ネジを一体的に回転させることにより、前記分包フィルムの両面側に各々設けられた各々の前記加熱部材を前記第1の位置と前記第2の位置とに移動させる逆ネジ機構を備える
請求項7に記載の分包装置。
【請求項9】
前記封入装置は、偏心カムを回転させることにより前記加熱部材を前記第1の位置と前記第2の位置とに移動させる偏心カム機構を備える
請求項1に記載の分包装置。
【請求項10】
前記薬剤が収容された収容器から搬出された当該薬剤を一時的に貯留し前記分包フィルムに対して排出する貯留器を有する
請求項1に記載の分包装置。
【請求項11】
前記貯留器に貯留された前記薬剤の量を計測する計測器を備え、
前記貯留器は、前記計測器により計測された前記薬剤の量が所定量に達したときに、貯留された前記薬剤を排出する
請求項10に記載の分包装置。
【請求項12】
前記制御装置は、前記薬剤が排出されたことを検知した場合に前記加熱部材を前記第1の位置に移動させる
請求項1に記載の分包装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
散薬を分包する作業を自動化するための分包装置が知られている。例えば、特許文献1には、散薬錠剤両用分包機が記載されており、収納容器から計量されて放出された一処方分の薬剤を、配分装置において1包分ずつに配分し、配分された1包分の薬剤を順次包装装置に放出し、1包分ずつ包装することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
包装装置において1包分ずつ包装する際には、薬剤が入れられた分包フィルムを搬送しながら加熱してシールすることにより、1包分ずつの薬剤を封入することが行われる。この場合、分包フィルムの各部分に対して加熱する熱量がシールに必要かつ十分な程度になるように、分包フィルムを一定の速度で搬送することが要求される。
【0005】
このように、分包フィルムを一定の速度で搬送するためには、分包フィルムに対して一定の周期で1包分ずつの薬剤を放出し続ける必要がある。そのため、特許文献1のように、分配装置において一処方分(例えば21包分)の薬剤を一旦貯えてから順次分包フィルムへ放出する構成とする必要がある。
【0006】
本発明の目的の一つは、任意のタイミングで分包フィルムに対してシール処理をすることが可能な分包装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の分包装置は、分包フィルムに接触する第1の位置と前記分包フィルムから離れる第2の位置とに移動可能であり、前記分包フィルムに接触して前記分包フィルムを加熱することにより前記分包フィルムをシールして分包袋を形成する加熱部材を有し、前記分包フィルムに対して排出された薬剤を封入する封入装置と、前記薬剤が前記分包フィルムに対して排出された後に、前記加熱部材を前記第1の位置に移動させる制御装置とを備え、前記加熱部材は、ローラー形状であり、回転することにより前記分包フィルムを搬送させてシールする分包装置である。
【0008】
また、本発明の分包装置において、前記加熱部材は、前記分包フィルムの短手方向をシールする縦シーラーと、前記分包フィルムの長手方向をシールする横シーラーとを有するものとしてもよい。
【0009】
また、本発明の分包装置において、前記加熱部材は、前記分包フィルムを前記長手方向に沿って搬送させ、前記横シーラーは、前記分包フィルムを搬送させている状態で前記長手方向をシールするものとしてもよい。
【0010】
また、本発明の分包装置において、前記分包フィルムの搬送は、前記加熱部材が前記第1の位置にある場合に行われるものとしてもよい。
【0011】
また、本発明の分包装置において、前記加熱部材の前記縦シーラーは、前記薬剤が排出される前に前記分包フィルムの短手方向をシールするものとしてもよい。
【0012】
また、本発明の分包装置は、前記制御装置は、前記縦シーラーにより前記分包フィルムの短手方向をシールした後に前記加熱部材を前記第2の位置に移動させるものとしてもよい。
【0013】
また、本発明の分包装置において、前記加熱部材は、前記分包フィルムの両面側に各々設けられるものとしてもよい。
【0014】
また、本発明の分包装置において、前記封入装置は、右ネジと左ネジを一体的に回転させることにより、前記分包フィルムの両面側に各々設けられた各々の前記加熱部材を前記第1の位置と前記第2の位置とに移動させる逆ネジ機構を備えるものとしてもよい。
【0015】
また、本発明の分包装置において、前記封入装置は、偏心カムを回転させることにより前記加熱部材を前記第1の位置と前記第2の位置とに移動させる偏心カム機構を備えるものとしてもよい。
【0016】
また、本発明の分包装置において、前記薬剤が収容された収容器から搬出された当該薬剤を一時的に貯留し前記分包フィルムに対して排出する貯留器を有するものとしてもよい。
【0017】
また、本発明の分包装置において、前記貯留器に貯留された前記薬剤の量を計測する計測器を備え、前記貯留器は、前記計測器により計測された前記薬剤の量が所定量に達したときに、貯留された前記薬剤を排出するものとしてもよい。
また、本発明の分包装置において、前記制御装置は、前記薬剤が排出されたことを検知した場合に前記加熱部材を前記第1の位置に移動させるものとしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、任意のタイミングで分包フィルムに対してシール処理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る分包装置の全体構成を示す概略図。
【
図4】実施形態に係る薬剤を貯留した状態の貯留器の構成を示す図。
【
図5】実施形態に係る薬剤を排出した状態の貯留器の構成を示す図。
【
図7】実施形態に係る加熱ローラー(加熱部材)の構成を示す図。
【
図8】実施形態に係る分包フィルムの構成を示す図。
【
図9】実施形態に係る封入装置において分包フィルムから分包袋が形成される様子を説明するための図。
【
図10】実施形態に係るシール装置の構成を示す図であり、加熱ローラーが分包フィルムと接触する第1の位置にある状態を示す図。
【
図11】実施形態に係るシール装置の構成を示す図であり、加熱ローラーが分包フィルムから離れる第2の位置にある状態を示す図。
【
図12】実施形態に係る分包装置における分包処理手順を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<分包装置の全体構成>
図1は、分包装置9の全体構成の例を示す概略図である。分包装置9は、収容器1、貯留器2、第1計測器31、第2計測器32、第1制御装置41、第2制御装置42、及び封入装置5を有する。
【0021】
収容器1は、薬剤を収容する容器であり、かつ、その薬剤が収容される空間の底部に搬出部材11を収容する。この搬出部材11は、収容器1に収容された薬剤を外部に搬出する部材である。すなわち、この収容器1は、薬剤、及び薬剤を外部に搬出する搬出部材、を収容する。搬出された薬剤は、貯留器2に供給される。
【0022】
貯留器2は、搬出部材11により収容器1から搬出された薬剤を一時的に貯留する容器である。すなわち、この貯留器2は、薬剤が収容された収容器から搬出された当該薬剤を一時的に貯留する。
【0023】
第1計測器31は、貯留器2に貯留された薬剤の量を計測する計測器であり、例えば、ひずみゲージ式、ばね式、圧電素子式、磁歪式、静電容量式、ジャイロ式等、各種方式のロードセルである。この第1計測器31は、貯留器2に貯留された薬剤の量を計測する計測器の例である。
【0024】
第1制御装置41は、計測された薬剤の量に基いて、搬出部材11に薬剤を搬出させる装置である。
【0025】
封入装置5は、第1計測器31に計測された薬剤の量が所定量に達したときに、貯留器2から排出されたその薬剤を分包フィルムに分包袋(以下、単に「袋」ともいう)を形成して封入する装置である。すなわち、封入装置5は、貯留器2から排出され分包フィルムに入った薬剤を封入する。
【0026】
また、
図1に示す第2計測器32は、収容された薬剤、及び搬出部材11ごと、収容器1を支持して、その重量を測定する計測器であり、例えば、ロードセルである。この第2計測器32は、搬出部材11による薬剤の搬出の前後で収容器1の重量をそれぞれ測定し、それら測定した各重量の差分により、搬出した薬剤の量を計測する。
【0027】
図1に示す第1制御装置41は、例えば、第2計測器32により薬剤の搬出の前後でそれぞれ測定された重量の差分(以下、減少量ともいう)が、目標である所定量の80%以上になると、薬剤の搬出の速度を低下させる制御をする。つまり、第1制御装置41は、第2計測器32が計測する薬剤の量の、所定量に対する割合に応じた速度で、搬出部材11に薬剤を搬出させる。これにより、第1制御装置41は、搬出部材11に搬出させる薬剤の量を、上述した所定量に近づけることができる。
【0028】
第2制御装置42は、後述する封入装置5の動作の制御を行う。第2制御装置42は、CPU、メモリ、入出力インタフェースを備えるコンピュータであり、第1計測器31、貯留器2等からの信号を入力し、封入装置5内の各部に制御信号を出力することにより、分包フィルムに入った薬剤を封入する分包袋を形成するための制御を行う。第2制御装置42は、分包装置9内に設置すればよいが、例えば、封入装置5に設置してもよい。
【0029】
<収容器の構成>
図2は、収容器1の構成の例を示す図である。
図2に示す収容器1は、受入口10、搬出部材11、及び搬出口12を有する。受入口10は、収容器1の上部に設けられた開口部であり、
図2に示す矢印D1に沿って投入される薬剤を受け入れる。受入口10から受け入れられた薬剤は、収容器1の内部に収容される。
【0030】
搬出部材11は、収容器1の底部に配置され、周囲の薬剤を移動させて搬出口12から搬出する。
図2に示す領域Roは、搬出部材11が設置された領域のうち、搬出口12に近い側の領域である。
【0031】
図2に示す搬出部材11は、第1制御装置41が備える電磁石等によって発生させた磁力により、第1制御装置41と接触することなく駆動する。
【0032】
搬出口12は、搬出部材11の作用により薬剤を外部へ搬出するための下方に向いた開口部である。薬剤は落下により
図2に示す矢印D2に沿って、この搬出口12から収容器1の外部へ搬出される。
【0033】
図2に示す第2計測器32は、収容器1の重量を測定する。なお、
図2に示す場合、第1制御装置41と収容器1とは、非接触であるため、第2計測器32は、第1制御装置41による荷重を受けない。
【0034】
<搬出部材の構成>
図3は、搬出部材11の構成の例を示す図である。
図3に示す搬出部材11は、いわゆるスクリューであり、軸110と、羽根111とを有する。
【0035】
軸110は、収容器1の底部において、略水平、又は搬出口12に近づくほど下降するように傾いて設置され、例えば、両端を軸受で支持されている。
【0036】
軸110の端部のうち、少なくとも一方には、第1制御装置41の発生する磁力を受ける磁性体等が取り付けられている。
【0037】
羽根111は、軸110の周りに螺旋状に設けられた部材である。羽根111は、軸110が回転することにより周囲の薬剤を、搬出口12に向けて押して、
図3に示す矢印D3に沿って移動させる。
【0038】
第1制御装置41は、電磁石等により発生させた磁場を回転させることによって、磁性体等を有する軸110を回転させ、搬出部材11を駆動させる。これにより、搬出部材11の羽根111は、収容器1の底部に収容されている周囲の薬剤を搬出口12から搬出する。すなわち、第1制御装置41は、磁力によって搬出部材11に対して薬剤を搬出させる制御を行わせる。
【0039】
すなわち、搬出部材11は、軸110と、軸110の周りに螺旋状に設けられた羽根111とを有するスクリューであり、第1制御装置41により軸110が回転することに伴って、収容器1の底部に設けられた搬出口12から羽根111が薬剤を搬出する。
【0040】
なお、軸110の周囲を一周した羽根111どうしの、矢印D3に沿った間隔Ptは、
図3に示す搬出部材11において、搬出口12に近い側である領域Roにある羽根111の方が、それ以外、すなわち、搬出口12から遠い側に比べて短い。つまり、この搬出部材11において、羽根の間隔は、搬出口に近い側が、搬出口から遠い側よりも短い。
【0041】
この構成を採用する場合、搬出部材11は、搬出口12に近いほど間隔Ptが短いので、軸110が一回転する間に搬出される薬剤の量が、間隔Ptがこれよりも長い場合に比べて少量になる。このため、搬出口12から搬出させる薬剤の量が調整し易くなる、という効果を奏する。
【0042】
また、搬出口12から遠い側において、間隔Ptは、搬出口12に近い側に比べて長いので、間隔Ptを搬出口12と共通にした場合に比べて、薬剤を移動又は撹拌する速度が向上し、薬剤が圧密されて固まる事象が起こり難くなる、という効果を奏する。
【0043】
<貯留器の構成>
図4は、薬剤を貯留した状態の貯留器2の構成の例を示す図である。
図5は、薬剤を排出した状態の貯留器2の構成の例を示す図である。
【0044】
図4に示す通り、貯留器2は、受入口20、弁21、排出口22、及び開閉シリンダー23を有する。受入口20は、貯留器2の上部に設けられた開口部である。この受入口20は、収容器1の搬出口12の直下に配置される。そのため、搬出口12から搬出された薬剤は、
図4に示す矢印D4に沿って落下し、貯留器2に貯留される。
【0045】
弁21は、開閉ダンパやシャッター等と呼ばれるものであり、貯留器2に貯留されている薬剤の量に応じて開閉シリンダー23により可動する。排出口22は、貯留器2の底部に設けられた開口部である。
図4に示す状態の弁21は、排出口22を塞いでいるため、薬剤は排出口22から下方に落下することがなく、貯留器2の内部に貯留される。
【0046】
弁21は、支持軸210、及び長穴211を有する。支持軸210は、弁21の本体を所定範囲の角度にわたって回動可能に支持する軸である。長穴211は、開閉シリンダー23と係り合うために弁21の本体に設けられた穴である。
【0047】
開閉シリンダー23は、第1計測器31の計測結果に応じて伸縮する棒状の部材である。
図4に示す開閉シリンダー23は、例えばソレノイドであり、筒部231、円柱部232、及びピン230を有する。
【0048】
筒部231は、例えば、図示しないコイルを有し、このコイルにより磁界を発生させる。円柱部232は、筒部231のコイルが発生した磁界によりこのコイルの内部に引き寄せられるプランジャである。
【0049】
ピン230は、円柱部232の端部のうち、筒部231の反対側の端部に取り付けられている。このピン230は、上述した弁21の長穴211に通された留め金等であり、自身の移動に応じて、長穴211の内側を移動しながら弁21の本体に力を伝達する。
【0050】
第1計測器31は、内部に貯留されている薬剤を含めて、貯留器2の全体の重量を計測する計測器である。
【0051】
第1計測器31は、予め定められた貯留器2の空重量を、計測した薬剤を含む貯留器2の重量から差し引くことにより、貯留器2の内部に貯留されている薬剤の重量を計測する。貯留器2の空重量とは、内部に何も入っていない状態の貯留器2の重量である。すなわち、第1計測器31は、貯留器2の重量から貯留器2の空重量を差し引くことにより貯留器2に貯留された薬剤の量を計測する。
【0052】
第1計測器31は、計測した薬剤の重量が、一包の袋に密封するように定められた所定量に達したときに、開閉シリンダー23を駆動させる。このとき、開閉シリンダー23の筒部231のコイルには磁場が発生し、円柱部232は、筒部231に収容されるため、開閉シリンダー23の全長は縮小する。これにより、ピン230は、筒部231に近づき、弁21は、支持軸210を中心に回動する。
【0053】
弁21が支持軸210を中心に
図5に示す矢印Doに沿って回動すると、排出口22から弁21が離れる。これにより、排出口22は、下方に開口し、貯留器2に貯留された薬剤は、排出口22から
図5に示す矢印D5に沿って下方に落下し、貯留器2から排出される。
【0054】
すなわち、貯留器2は、第1計測器31に計測された薬剤の量が所定量に達したときに、底部に設けられた弁21を開けて、貯留している薬剤を落下させることにより、貯留している薬剤を排出する。
【0055】
<封入装置の構成>
図6は、封入装置5の構成の例を示す図である。
図6に示す封入装置5は、シュート50、シール装置51、前方ローラー55、及び後方ローラー56を有する。
【0056】
シュート50は、薬剤が落下する途中で拡散しないように袋へ誘導する筒状の部材である。シュート50の上部には、開口部である受入口500が設けられている。この受入口500は、貯留器2の排出口22の直下に配置される。シュート50の下部には、開口部である投入口501が設けられている。そのため、排出口22から搬出された薬剤は、
図6に示す矢印D6に沿って落下し、受入口500、及び投入口501を通過して、分包フィルムFに到達する。
【0057】
前方ローラー55、後方ローラー56は、分包フィルムFを両側から挟み込むように設けられ、回転することにより、シール装置51により搬送される分包フィルムFを案内して封入装置5から排出させる。分包フィルムFは、前方ローラー55、後方ローラー56により挟持され、後方ローラー56から前方ローラー55へ向けて搬送される。
【0058】
シール装置51は、前方ローラー55と後方ローラー56との間に配置され、内部に加熱ローラー61A、61Bを備える。加熱ローラー61A、61Bは、前方ローラー55あるいは後方ローラー56と同様に、分包フィルムFを両側から挟み込むように設けられており、分包フィルムFに接触する接触位置と分包フィルムFから離れる離間位置との間で移動することが可能である。
【0059】
そして、加熱ローラー61A、61Bは、ローラー形状であり、分包フィルムFに接触した状態において、回転することにより分包フィルムFを搬送しながら加熱し、分包フィルムFをシールすることにより分包袋を形成する。
【0060】
すなわち、加熱ローラー61A、61Bは、分包フィルムFに接触して分包フィルムFとの接触位置を加熱することにより分包フィルムFをシールして分包袋を形成するとともに、分包フィルムFに接触する第1の位置(接触位置)と分包フィルムFから離れる第2の位置(離間位置)とに移動可能である加熱部材の例である。
【0061】
図7は、加熱ローラー61A、61Bの構成を示す図である。加熱ローラー61Aと加熱ローラー61Bとは同様の構成であり、加熱ローラー61Aは、回転軸611A、横シーラー613A、縦シーラー614A、支柱部615A、搬送ローラー部616Aを備え、加熱ローラー61Bは、回転軸611B、横シーラー613B、縦シーラー614B、支柱部615B、搬送ローラー部616Bを備える。以下、加熱ローラー61Aについて説明するが、加熱ローラー61Bとそれを構成する部材も加熱ローラー61Aと同様である。
【0062】
横シーラー613A、縦シーラー614Aは各々発熱部(ヒーター)を有している。不図示の給電部により横シーラー613A、縦シーラー614Aのヒーターに給電されることにより、横シーラー613A、縦シーラー614Aは発熱する。横シーラー613A、縦シーラー614Aは、発熱している状態で、分包フィルムFに接触することにより分包フィルムFをシールする。
【0063】
支柱部615Aは円柱形状であり、両端側に各々、横シーラー613A、搬送ローラー部616Aが設けられている。横シーラー613A、搬送ローラー部616Aも円柱形状であり、外周面は支柱部615Aの外周面に対して突出している。支柱部615Aの周方向の1箇所には、縦シーラー614Aが設けられている。縦シーラー614Aは、支柱部615Aの長手方向に沿って突出して設けられ、外周面の高さ位置は、横シーラー613A、搬送ローラー部616Aと同様となっている。
【0064】
加熱ローラー61Aが分包フィルムFに接触する接触位置にある場合、横シーラー613A、搬送ローラー部616Aの外周面は常に分包フィルムFに接触することとなる。モーターの駆動により回転軸611Aが回転することにより、支柱部615A、横シーラー613A、搬送ローラー部616Aも回転し、横シーラー613A、搬送ローラー部616Aと接触している分包フィルムFは回転に伴って搬送される。この状態で、分包フィルムFは横シーラー613Aにより加熱されシールされる。
【0065】
回転軸611Aが1回転する毎に、縦シーラー614Aが分包フィルムFに接触する期間が1回訪れる。このとき、分包フィルムFは縦シーラー614Aにより加熱されシールされる。
【0066】
加熱ローラー61Aと加熱ローラー61Bとは分包フィルムFに対して対称な位置に配置され、互いに同期して動作する。従って、加熱ローラー61Aが接触位置にあるときは、加熱ローラー61Bも接触位置にあり、同期して回転する。加熱ローラー61Aの横シーラー613Aが分包フィルムFに接触しているときは、加熱ローラー61Bの横シーラー613Bも分包フィルムFに接触することとなる。また、縦シーラー614Aが分包フィルムFに接触する期間は、加熱ローラー61Bの縦シーラー614Bも分包フィルムFに接触することとなる。
【0067】
以上のようにして、分包フィルムFは、加熱ローラー61Aと加熱ローラー61Bによって、両面側から同じ位置をシールされる。分包フィルムFは、加熱されると融解し、さらに互いが密着するように加圧されると、融着(溶着、熱接着ともいう)する樹脂層が設けられている。分包フィルムFは、例えば、グラシン紙やセロファンにポリエチレン膜がコーテイングされたもの、あるいはPET樹脂、OPP袋等である。
【0068】
以上説明したように、封入装置5は、分包フィルムFに接触して加熱することにより分包フィルムFをシールして分包袋を形成するとともに、分包フィルムFに接触する接触位置(第1の位置)と分包フィルムFから離れる離間位置(第2の位置)とに移動可能である加熱部材である加熱ローラー61A、61Bを有し、貯留器2から分包フィルムFに対して排出され分包フィルムFに入った薬剤を封入するものである。
【0069】
<分包フィルムの構成と袋の形成>
図8は、分包フィルムFの構成を示す図であり、
図8(a)(b)は、進行方向に交差する断面を示す図である。
図8(a)は、
図6における矢視V7a-V7aに沿って、分包フィルムFの断面を見た様子を示した図である。
図8(c)は、シールされた分包フィルムFを側方から見た様子を示した図である。
【0070】
図8(a)に示す通り、分包フィルムFは、進行方向からみて左右の両方の側辺Foがシュート50に向くように、中心線Fcで折り曲げられている。この折り曲げられた内側に、分包フィルムFの樹脂層が設けられている。
【0071】
図8(a)に示す分包フィルムFの位置は、
図6に示す後方ローラー56よりも進行方向の手前(つまり、上流)であり、加熱ローラー61A、61Bを通過していない。そのため、
図8(a)に示す分包フィルムFは、2つの側辺Foが互いに離れており、上方に開口部を形成している。
【0072】
図8(b)は、
図6における矢視V7b-V7bに沿って、分包フィルムFの断面を見た様子を示した図である。
図8(b)に示す分包フィルムFの位置は、
図6に示す前方ローラー55よりも進行方向の先(つまり、下流)であり、加熱ローラー61A、61Bを通過している。そのため、
図8(b)に示す分包フィルムFは、横シーラー613A、613Bによる加熱及び加圧を受け、接着部Fhが互いに融着している。これにより、2つの側辺Foは互いに密着し、折り曲げられた分包フィルムFの内部には、薬剤を密封する空間が生じる。すなわち、
図8(b)に示す分包フィルムFは、薬剤を密封する袋を形成している。
【0073】
なお、ここでいう「密封」とは、計量法第13条における密封の意味である。すなわち、この密封は、商品を容器に入れ、又は包装して、その容器若しくは包装又はこれらに付した封紙を破棄しなければ、当該物象の状態の量を増加し、又は減少することができないようにすることをいう。
【0074】
図8(c)は、加熱ローラー61A、61Bを通過した後の分包フィルムF(
図8(b)の状態)を側方から見た図である。
図8(c)において、分包フィルムFは、横シーラー613A、613Bによってシールされた接着部Fhと、縦シーラー614A、614Bによってシールされた接着部Fvにより、薬剤Mが密封された複数の袋が形成されている。
【0075】
加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFに接触した状態において回転すると、分包フィルムFが搬送されるとともに横シーラー613A、613Bにより接着部Fhが形成されていく。加熱ローラーが1回転すると縦シーラー614A、614Bが分包フィルムFに接触し接着部Fvが形成される。
【0076】
図9は、分包フィルムFから袋が形成される様子を説明するための図である。
図9には、
図6の矢視V8からシール装置51を見た様子が示されている。
【0077】
図9に示す通り、分包フィルムFは、前方ローラー55A、55B、後方ローラー56A、56Bによりシール装置51の前方側、後方側をそれぞれ挟み込まれ、シール装置51内の加熱ローラー61A、61Bの回転により、矢印D8に沿って搬送される。後方ローラー56A、56Bの上流側には、シュート50が配置され、シュート50を介して薬剤が分包フィルムFに向けて落下する。
【0078】
シール装置51の加熱ローラー61A、61Bには、
図7に示したように、横シーラー613A、613B、縦シーラー614A、614Bが設けられている。加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFから離れた離間位置にある状態で、不図示の給電部が所定の電流を横シーラー613A、613B、縦シーラー614A、614Bの各々のヒーターに流すと、各々のヒーターが発熱した状態となる。
【0079】
縦シーラー614A、614Bが各々分包フィルムFに対向する位置となっている状態で、加熱ローラー61A、61Bは分包フィルムFに接触する接触位置に移動する。すると、縦シーラー614A、614Bが分包フィルムFを挟み込むように分包フィルムFに接触し、縦シーラー614A、614Bのヒーターでの加熱により、分包フィルムFの
図8における接着部Fvの部位の樹脂層が融着される。加熱ローラー61A、61Bは回転し、縦シーラー614A、614Bが分包フィルムFと接触しない位置まで回転すると、加熱ローラー61A、61Bは回転を止めて、分包フィルムFから離れる離間位置へと移動する。以上のように、縦シーラー614A、614Bは、分包フィルムFの短手方向(すなわち、矢印D8と交差する方向)をシールする。
【0080】
この状態で、分包フィルムFに薬剤Mが落下する。落下した薬剤Mは、融着された接着部Fvによって支持される。その後、加熱ローラー61A、61Bは再び分包フィルムFに接触する接触位置に移動する。すると、横シーラー613A、613Bが分包フィルムFに接触し回転することにより、横シーラー613A、613Bのヒーターでの加熱により、分包フィルムFの
図8における接着部Fhの部位の樹脂層が融着される。
【0081】
加熱ローラー61A、61Bが1回転近くすると、再び縦シーラー614A、614Bが分包フィルムFと接触し、分包フィルムFの
図8における接着部Fvの部位の樹脂層が融着される。そして、加熱ローラー61A、61Bはさらに回転し、縦シーラー614A、614Bが分包フィルムFと接触しない位置まで回転すると、加熱ローラー61A、61Bは回転を止めて、分包フィルムFから離れる離間位置へと移動する。
【0082】
以上のように加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFと接触した状態で回転すると、横シーラー613A、613Bと搬送ローラー部616Aの回転により、分包フィルムFが矢印D8方向に搬送される。すなわち、加熱ローラー61A、61Bは、分包フィルムFを矢印D8方向(分包フィルムFの長手方向)に沿って搬送させる搬送機構を有している。また、横シーラー613A、613Bは、分包フィルムFを搬送させている状態で分包フィルムFの長手方向をシールすることができる。
【0083】
以上のように、横シーラー613A、613Bは、分包フィルムFの長手方向(すなわち、矢印D8に沿った方向)をシールする。また、以上のようにして、分包フィルムFは、接着部Fh、Fvの部位の樹脂層が融着されるため、薬剤Mを内側に密封する袋が形成される。
【0084】
以上の動作により、分包装置9は、搬出部材11により収容器1から搬送された薬剤を一時的に貯留器2で貯留し、貯留された薬剤の重量が所定量に達したときに、弁21を開けて、その薬剤を袋に封入する。そのため、この分包装置9は、封入の前後で計測された収容器の重量の差分により、薬剤の重量を特定する必要がない。
【0085】
<シール装置の構成>
図10、
図11は、シール装置51の内部構造を示す断面図である。
図10は、加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFと接触する接触位置にある場合を示した図であり、
図11は、加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFから離れた離間位置にある場合を示した図である。
【0086】
図10、
図11において、シール装置51は、筐体511の内部に、移動筐体512A、512Bを有している。移動筐体512Aには加熱ローラー61Aが設けられ、移動筐体512Bには加熱ローラー61Bが設けられている。
【0087】
移動筐体512A、512Bの両端側には、ボールネジ63、64が設けられている。ボールネジ63は、移動筐体512A、512Bの各々の一端側に係合しており、ボールネジ64は、移動筐体512A、512Bの各々の他端側に係合している。ボールネジ63、64の各々の一端側にはプーリー68が取り付けられている。2つのプーリー68は、同期用ベルト69により繋がれている。
【0088】
移動用モーター67は、その回転軸がボールネジ64に接続されており、ボールネジ64を回転させることができる。ボールネジ64が回転すると、ボールネジ64に取り付けられたプーリー68も回転し、その回転は同期用ベルト69により他方のプーリー68に伝達される。その結果、他方のプーリー68が取り付けられたボールネジ63も回転する。すなわち、ボールネジ63、64は、移動用モーター67の回転により同期して回転する。
【0089】
ボールネジ63には、右ネジ631と、逆ネジである左ネジ632が設けられている。右ネジ631は、移動筐体512Aに固定されたスライドブロック65Aと螺合しており、左ネジ632は、移動筐体512Bに固定されたスライドブロック65Bと螺合している。同様に、ボールネジ64には、右ネジ641と左ネジ642が設けられており、右ネジ641は、移動筐体512Aに固定されたスライドブロック66Aと螺合しており、左ネジ642は、移動筐体512Bに固定されたスライドブロック66Bと螺合している。
【0090】
加熱ローラー61Aの回転軸611Aは、移動筐体512Aに設けられた係合部と係合しており、移動筐体512Aに対して回転可能に取り付けられている。また、加熱ローラー61Bの回転軸611Bは、移動筐体512B設けられた係合部と係合しており、移動筐体512Bに対して回転可能に取り付けられている。
【0091】
加熱ローラー61Bの回転軸611Bは、搬送用モーター62の回転軸と連結されている。従って、搬送用モーター62が駆動することにより、加熱ローラー61Bの回転軸611Bが回転し、加熱ローラー61Bが回転する。加熱ローラー61Aの回転軸611Aには歯車612Aが取り付けられており、加熱ローラー61Bの回転軸611Bには歯車612Bが取り付けられている。
【0092】
2つの歯車612A、612Bは、
図10に示すように加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFと接触する接触位置にある場合には、互いに噛み合っている。従って、この場合には、搬送用モーター62の回転により回転軸611B及び歯車612Bが回転すると歯車612Aも回転し、加熱ローラー61Aは加熱ローラー61Bと同期して回転することとなる。
【0093】
図11に示すような加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFから離れた離間位置にある場合において、移動用モーター67を一方の方向(例えば、右回り、以下「第1方向」という)に回転させると、ボールネジ64も同様の方向に回転し、プーリー68、同期用ベルト69を介して、ボールネジ63も同様の方向に回転する。ボールネジ63、64の第1方向の回転に伴い、各々のボールネジ63、64と螺合しているスライドブロック65A、66Aは
図11における下方(すなわち分包フィルムFに近づく方向)に移動する。スライドブロック65A、66Aの移動により、移動筐体512Aも
図11における下方へ移動する。
【0094】
また、各々のボールネジ63、64と螺合しているスライドブロック65B、66Bは、螺合している左ネジ632、642が逆ネジにあるため、スライドブロック65A、66Aとは逆方向である
図11における上方(分包フィルムFに近づく方向)に移動する。そして、スライドブロック65B、66Bの移動により、移動筐体512Bも
図11における上方へ移動する。
【0095】
以上のようにして、
図11に示すような加熱ローラー61A、61Bを、分包フィルムFから離れた離間位置にある状態から、
図10に示すような加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFと接触する接触位置にある状態へと移動させることができる。
【0096】
また、
図10に示すような加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFと接触する接触位置にある場合において、移動用モーター67を上述の第1方向とは逆の方向(例えば、左回り、以下「第2方向」という)に回転させると、ボールネジ64も第2方向に回転し、プーリー68、同期用ベルト69を介して、ボールネジ63も第2方向に回転する。ボールネジ63、64の第2方向の回転に伴い、各々のボールネジ63、64と螺合しているスライドブロック65A、66Aは
図10における上方(すなわち分包フィルムFから離れる方向)に移動する。スライドブロック65A、66Aの移動により、移動筐体512Aも
図10における上方へ移動する。
【0097】
このとき、各々のボールネジ63、64と螺合しているスライドブロック65B、66Bは、スライドブロック65A、66Aとは逆方向である
図10における下方(分包フィルムFから離れる方向)に移動する。そして、スライドブロック65B、66Bの移動により、移動筐体512Bも
図10における下方へ移動する。
【0098】
以上のようにして、
図10に示すような加熱ローラー61A、61Bを、分包フィルムFに接触する接触位置にある状態から、
図11に示すような加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFから離れた離間位置にある状態へと移動させることができる。
【0099】
以上のように、封入装置5のシール装置51は、右ネジと左ネジを一体的に回転させることにより、分包フィルムFの両面側に各々設けられた加熱部材である加熱ローラー61A、61Bを、分包フィルムFと接触する接触位置(第1の位置)と分包フィルムFから離れる離間位置(第2の位置)とに移動させる逆ネジ機構を備えている。
【0100】
<分包処理の手順>
図12は、分包処理を示すフローチャートである。
図12の処理は、第2制御装置42のCPUがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより行われる。処理開始時の前提として、シール装置51は、
図11に示すような加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFから離れた離間位置にある状態であるとする。また、加熱ローラー61A、61Bの回転位置は、
図11に示すように、縦シーラー614Aと縦シーラー614Bとが対向する位置であるとする。
【0101】
まず、第2制御装置42は、分包装置9の封入装置5に分包フィルムFがセットされているか否かを認識する(ステップS401)。分包の処理を開始するにあたって、封入装置5の加熱ローラー61A、61Bの間に分包フィルムFの先端位置がセットされている必要がある。第2制御装置42による認識は、センサ等を設けることにより分包フィルムFがセットされていることを検知してもよいし、操作者によって分包フィルムFがシール装置51にセットされ、例えば、分包装置9に設けられている動作開始ボタンが操作者によって押下されることを検知してもよい。これらの検知がされるまで、第2制御装置42は待機する(ステップS401:No)。
【0102】
分包フィルムFがセットされたことが認識された場合(ステップS401:Yes)、第2制御装置42は、加熱ローラー61A、61Bのヒーターに給電して、発熱させた状態とする(ステップS402)。ここで発熱状態とされた加熱ローラー61A、61Bは、セットされた分包フィルムFの分包処理がすべて終了するまで、給電し続けられ発熱させた状態が保たれる。
【0103】
続いて、第2制御装置42は、移動用モーター67を第1方向に回転駆動させて、
図11に示すような加熱ローラー61A、61Bが離間位置にある状態から、
図10に示すような接触位置(加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFと接触する位置)となる状態へと移動させる(ステップS403)。
【0104】
加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFと接触する接触位置に移動すると、縦シーラー614A、614Bが分包フィルムFに接触して、分包フィルムFを加熱する。この状態で、第2制御装置42は、搬送用モーター62を微小量だけ回転駆動し、加熱ローラー61A、61Bを微小回転させる(ステップS404)。ここでの回転制御は、縦シーラー614A、614Bが分包フィルムFから離れる程度の微小な量だけ回転させる。以上の動作により、縦シーラー614A、614Bにより分包フィルムFの短手方向に接着部Fvが形成される。
【0105】
続いて、第2制御装置42は、搬送用モーター62の回転駆動を止め、移動用モーター67を第2方向に回転駆動させて、
図11に示すような加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFから離れる離間位置にある状態へと移動させる制御を行う(ステップS405)。
【0106】
続いて、第2制御装置42は、薬剤Mが分包フィルムFに投下されたか否かを判断する(ステップS406)。この判断は、第1計測器31により計測した薬剤の重量が一包の袋に密封するように定められた所定量に達したか否かを検知すること、あるいは、薬剤を貯留器2から排出する動作が行われたか否か(開閉シリンダー23が駆動されたか否か、あるいは、弁21が開いたか否か)を検知すること等によって行うことができる。すなわち、この判断は、貯留器2、第1計測器31、開閉シリンダー23、あるいは弁21から状態を示す信号を、第2制御装置42が入力することにより検知し実行することができる。
【0107】
薬剤Mが分包フィルムFに投下されたと判断されるまで、第2制御装置42は待機する(ステップS406:No)。薬剤Mが分包フィルムFに投下されたと判断した場合(ステップS406:Yes)、第2制御装置42は、移動用モーター67を第1方向に回転駆動させて、加熱ローラー61A、61Bが離間位置にある状態から、接触位置(加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFと接触する位置)となる状態へと移動させる(ステップS407)。なお、薬剤Mが分包フィルムFに投下された場合、投下された薬剤Mは、形成されている接着部Fvにより支持され、分包フィルムFから落下することはない。
【0108】
なお、第2制御装置42による薬剤Mが分包フィルムFに投下されたか否かの判断は、上述のように、貯留器2、第1計測器31、開閉シリンダー23、あるいは弁21からの状態を示す信号を、第2制御装置42が入力することにより行えばよい。いずれの信号に基づいて行う場合も、貯留器2から分包フィルムFに対して薬剤が排出された後に、加熱ローラー61A、61Bが接触位置(分包フィルムFと接触する位置)に来るように制御することが好ましい。信号を受信してから、貯留器2から薬剤が排出されるまでの時間(あるいは、薬剤Mが分包フィルムFに投下されるまでの時間)を考慮して、加熱ローラー61A、61Bを接触位置まで移動させるタイミングを制御可能なように予め設定しておけばよい。
【0109】
ステップS404において微小回転を行ったため、加熱ローラー61A、61Bの回転位置は縦シーラー614Aと縦シーラー614Bとが対向していない位置となっている。この状態で、加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFと接触する接触位置に移動すると、縦シーラー614A、614Bは、分包フィルムFと接触せず、横シーラー613A、613Bが分包フィルムFと接触する状態となる。
【0110】
従って、横シーラーが613A、613Bが分包フィルムFに接触することによって分包フィルムFを加熱する。この状態で、第2制御装置42は、搬送用モーター62を1回転させる(ステップS408)。
【0111】
すると、分包フィルムFが搬送され、ステップS404において縦シール処理が行われた分包フィルムFの位置の後方の位置から横シール処理が行われ、分包フィルムFの長手方向に接着部Fhが形成されていく。その後、加熱ローラー61A、61Bは、縦シーラー614A、614Bが分包フィルムFと接触する位置まで回転し、縦シール処理が行われ、分包フィルムFの短手方向に接着部Fvが形成される。
【0112】
以上のようにして、ステップS404における縦シール処理により形成された接着部Fvと、ステップS408における横シール処理、縦シール処理により形成された接着部Fh、Fvとにより、
図8(c)に示したような袋のうちの1つが形成され、薬剤Mが密封される。
【0113】
ステップS408の処理が終了した時点では、ステップS404の終了時と同様に、縦シーラー614A、614Bが分包フィルムFから離れる位置まで加熱ローラー61A、61Bは回転している。この状態で、第2制御装置42は、搬送用モーター62の回転駆動を止め、移動用モーター67を第2方向に回転駆動させて、加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFから離れる離間位置へと移動させる制御を行う(ステップS409)。
【0114】
以上のようなステップS401~S409の処理により、分包フィルムFに最初の一袋が形成される。続いて、ステップS406~S409の処理を繰り返すことにより、次の袋を形成することができる。第2制御装置42は、所定回数の処理を終了したか否か判断する(ステップS410)。1枚の分包フィルムに形成する袋の数は予め決められている。このステップS410で第2制御装置42は、その所定数の袋を形成したか否かを判断する。所定数の袋を形成した場合(ステップS410:Yes)、第2制御装置42は、処理を終了する。所定数の袋を形成していない場合(ステップS410:No)、第2制御装置42は、ステップS406に戻って処理を繰り返す。
【0115】
以上のような実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
(1)本実施形態の分包装置9によれば、収容器1から搬出された薬剤を貯留器2に一時的に貯留し、一袋に封入すべき量に達したときに貯留器2から分包フィルムFに排出するため、各袋に封入する薬剤そのものの量を計測することができる。
【0116】
(2)本実施形態の分包装置9のシール装置51は、分包フィルムFをシールするための加熱部材である加熱ローラー61A、61Bを、分包フィルムFと接触する接触位置と、分包フィルムFから離れる離間位置とに移動可能であるため、薬剤を貯留器2に一時貯留して重量を計測している間、加熱ローラー61A、61Bを離間位置に待避させることができる。
【0117】
このため、この分包装置9は、重量を計測している間に分包フィルムFの搬送を一旦止めた場合に、加熱ローラー61A、61Bに給電し続けて発熱状態としていても、加熱ローラー61A、61Bを離間位置に待避させることで、分包フィルムFの同じ部位が加熱し続けられることを防ぐことができる。従って、この分包装置9は、分包フィルムFの過加熱による破損を防ぐことができる。
【0118】
(3)本実施形態の分包装置9は、薬剤を貯留器2に一時貯留して重量を計測している間、分包フィルムFの搬送を止めても、加熱ローラー61A、61Bを離間位置に待避させることで、加熱ローラー61A、61Bに給電し続けて発熱状態とし続けることができる。そのため、この分包装置9は、分包フィルムFに接触したときのみ給電して発熱させるインパルス式のシーラーを用いる必要がなく、シール装置の構成を簡素化できる。
【0119】
<変形例>
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組合せてもよい。
【0120】
<1>
上述した実施形態において、貯留器2は、第1計測器31によって自身が貯留している薬剤の量を計量され、その量が所定量に達したときに、その薬剤を外部に排出していたが、貯留している薬剤は、貯留器2において袋に封入され、その袋ごと取り出されてもよい。この場合、封入装置5は、貯留器2と一体であってもよい。この場合、第1計測器31は、貯留器2の重量から、貯留器の空重量、及び袋の空重量の合計を差し引くことにより、貯留器2に設置された袋に貯留された薬剤の量を計測すればよい。
【0121】
すなわち、封入装置5は、貯留器2に貯留され、第1計測器31に計測された薬剤の量が所定量に達したときに、この薬剤を袋に封入すればよい。
【0122】
<2>
上述した実施形態において、貯留器2は、底部に弁21を有していたが、弁21を有しなくてもよい。例えば、貯留器2は、第1計測器31によって計測された、貯留中の薬剤の量が所定量に達したとき、受入口20が下方になるように回転させられてもよい。この場合、貯留器2に貯留中の薬剤は、受入口20から排出される。
【0123】
<3>
上述した実施形態において、第1制御装置41は、第2計測器32により薬剤の搬出の前後でそれぞれ測定された重量の減少量が、所定量の80%以上になると、薬剤の搬出の速度を低下させる制御をしていたが、他の制御をしてもよい。例えば、第1制御装置41は、第1計測器31により計測される、貯留器2に貯留中の薬剤の重量が、所定量に対して決められた割合以上になると、薬剤の搬出の速度を低下させる制御をしてもよい。また、第1制御装置41は、第1計測器31により計測される薬剤の重量の、所定量に対する割合を独立変数とする関数を用いて、薬剤の搬出の速度を制御してもよい。
【0124】
すなわち、この変形例における第1制御装置41は、第1計測器に計測された薬剤の量の、所定量に対する割合に応じた速度で、搬出部材にこの薬剤を搬出させる。
【0125】
<4>
上述した実施形態において、第1制御装置41は、搬出部材11に接触せずに、磁力によって搬出部材11に薬剤を搬出させていたが、搬出部材11に接触して動力を伝える動力伝達機構を有していてもよい。要するに、第1制御装置41は、計測された薬剤の量に基いて、搬出部材に薬剤を搬出させるものであれば、磁力を用いなくてもよい。
【0126】
例えば、搬出部材11の軸110の端部は、収容器1の筐体から第1制御装置41まで伸びていてもよい。この場合、第1制御装置41は、この軸110の端部を回転可能に支持し、動力をこの端部から伝えて搬出部材11を回転させればよい。なお、この場合、第2計測器32は、収容器1、及び第1制御装置41の重量を測定すればよい。
【0127】
<5>
上述した実施形態において、搬出部材11は、軸110と、羽根111とを有する、いわゆるスクリューフィーダーであったが、薬剤を搬出する機構は、これに限られない。搬出部材11は、例えば、軸を有しないスクリューであってもよく、バケットコンベアや、ベルトコンベアであってもよい。
【0128】
また、搬出部材11がスクリューである場合に、羽根111の形状は上述したものに限られない。例えば、羽根111は、領域Roとその他の領域とで間隔Ptが均一であってもよい。また、羽根111は、例えば、領域Roにおいて、軸110から伸びる複数本の支持棒によって支えられるリボン状のスクリューであってもよい。この場合、領域Roにおける羽根111は、軸110との間に空隙を有するため、この空隙を通って薬剤が逆行することがあり、搬出する薬剤の量が抑えられる。
【0129】
<6>
上述した実施形態において、封入装置5の加熱ローラー61A、61Bを接触位置と離間位置との間で移動させる機構として、逆ねじ機構を用いるものとしたが、偏心カム機構を用いるものとしてもよい。
【0130】
図13は、変形例に係るシール装置の内部構造を示す断面図であり、加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFと接触する接触位置にある場合を示した図である。
図13において、シール装置71は、筐体711の内部に、移動筐体712A、712Bを有している。移動筐体712Aには加熱ローラー61Aが設けられ、移動筐体712Bには加熱ローラー61Bが設けられている。
【0131】
筐体711には、円柱形状の偏心カム81A、偏心カム81Bが設けられている。偏心カム81A、偏心カム81Bの外周面は各々、移動筐体712A、712Bの加熱ローラー61A、61Bが設けられた側と反対側の面と接触するように設けられている。偏心カム81A、偏心カム81Bは、偏心した位置に設けられた回転軸82A、82Bを有し、回転軸82A、82Bは筐体711の内側面に回転可能に係合されている。
【0132】
筐体711の偏心カム81Aと対向する内面と、移動筐体712Aの偏心カム81Aと対向する面との間は、バネ83Aが接続されており、移動筐体712Aを筐体711の内面方向に付勢している。偏心カム81Aは、移動筐体712Aと筐体711の内面との間に設けられているため、移動筐体712Aは、偏心カム81Aの外周面に接触して付勢した状態となっている。
【0133】
以上のような筐体711、移動筐体712A、偏心カム81A、バネ83Aによる構成は、筐体711、移動筐体712B、偏心カム81B、バネ83Bについても同様であり、移動筐体712Bは、偏心カム81Bの外周面に接触して付勢した状態となっている。
【0134】
偏心カム81Bの回転軸82Bは、移動用モーター85の回転軸に連結されている。偏心カム81Aの回転軸82Aにはプーリー86Aが取り付けられ、偏心カム81Bの回転軸82Bにはプーリー86Bが取り付けられている。プーリー86Aとプーリー86Bとは、同期用ベルト87により繋がれている。
【0135】
図13に示すように加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFと接触する接触位置にある場合に移動用モーター85を回転させると(回転方向はどちらでもよい)、回転軸82B、偏心カム81B、プーリー86Bも回転する。そして、同期用ベルト87によってプーリー86Bに繋がれたプーリー86Aも回転し、回転軸82A、偏心カム81Aも回転する。
【0136】
偏心カム81Aが回転することにより。偏心カム81Aの移動筐体712Aと接触している外周面は
図13における上方向に移動する。このとき、偏心カム81Aの外周面は、移動筐体712Aの外周面から離れる方向へ移動するが、バネ83Aによる付勢力により移動筐体712Aの外周面は偏心カム81Aの外周面に接触した状態が保たれ、移動筐体712Aは
図13における上方向に移動する。その結果、分包フィルムFと接触する接触位置にあった加熱ローラー61Aは、
図13における上方向、すなわち分包フィルムFから離れる離間位置へと移動する。
【0137】
同様に、偏心カム81Bが回転することにより、偏心カム81Bの移動筐体712Bと接触している外周面は
図13における下方向に移動し、移動筐体712Bを
図13における下方向に移動する。このとき、偏心カム81Bの外周面は、移動筐体712Bの外周面から離れる方向へ移動するが、バネ83Bによる付勢力により移動筐体712Bの外周面は偏心カム81Bの外周面に接触した状態が保たれる。その結果、分包フィルムFと接触する接触位置にあった加熱ローラー61Bは、
図13における下方向、すなわち分包フィルムFから離れる離間位置へと移動する。
【0138】
加熱ローラー61A、61Bが分包フィルムFから離れた離間位置にある場合に移動用モーター85を回転させると、偏心カム81A、81Bが回転し、偏心カム81Aの移動筐体712Aと接触している外周面は
図13における下方向に移動し、偏心カム81Bの移動筐体712Bと接触している外周面は
図13における上方向に移動する。その結果、加熱ローラー61A、61Bは、分包フィルムFに接触する接触位置へと移動する。
【0139】
以上のようにして、移動用モーター85を回転駆動することにより、移動筐体712A、712Bを移動させることにより、加熱ローラー61A、61Bを分包フィルムFに接触する接触位置と分包フィルムFから離れる離間位置との間で移動させることができる。
【0140】
加熱ローラー61A、61Bの制御は上述の実施形態と同様に行えばよく、
図13のシール装置71を用いて、第2制御装置42により搬送用モーター62、移動用モーター85を制御することにより、上述の実施形態と同様に分包フィルムFに袋を形成し、薬剤を密封することができる。
【0141】
以上のように、変形例による封入装置5のシール装置71は、偏心カム81A、81Bを回転させることにより加熱部材である加熱ローラー61A、61Bを、分包フィルムFと接触する接触位置(第1の位置)と分包フィルムFから離れる離間位置(第2の位置)とに移動させる偏心カム機構を備える。
【0142】
<7>
上述の実施形態においては、第1計測器31に計測された薬剤の量が所定量に達したときに、底部に設けられた弁21を開けて、貯留している薬剤を落下させる制御は、貯留器2が行うものとしたが、第2制御装置42が行うものとしてもよい。この場合、分包装置9は、第1計測器31からの計測データの取得と、貯留器2への制御信号の出力を第2制御装置42で上述した制御を可能とする構成とすればよい。
【0143】
<8>
上述の実施形態においては、第1制御装置41において、搬出部材11に薬剤を搬出させる制御を行い、第2制御装置において、シール装置51の制御を行うものとしたが、これらの制御を1つの制御装置で行うものとしてもよい。
【0144】
<9>
上述の実施形態においては、薬剤が収容された収容器1から搬出された薬剤を一時的に貯留器2に貯留してから、貯留した薬剤を分包フィルムFに対して排出する構成としたが、薬剤の収容から排出までを行うための構成は、これに限定されない。
【0145】
例えば、分包フィルムFに所定量の薬剤を排出できる構成とすることができれば、貯留器2を設ける必要はない。要するに、何らかの排出機構によって分包フィルムFに対して所定量の薬剤が排出されたときに、排出されたタイミングを第2制御装置42が認識可能であれば(例えば、当該タイミングを示す信号が入力可能であれば)、上述の実施形態の構成以外に構成としてもよい。
【0146】
<10>
上述の実施形態においては、分包フィルムFに対して薬剤を排出するための経路(例えば、収容器1からシュート50に至る経路、あるいはその経路の一部)は1つであるものとしたが、薬剤を排出するための経路は2つ以上あってもよい。薬剤は散薬のほか、錠剤であってもよく、これらの組合せであってもよい。例えば、2つの経路がある場合、一方が散薬を分包フィルムFに排出するための経路、他方が錠剤を分包フィルムFに排出するための経路としてもよい。薬剤が錠剤の場合、分包フィルムFに排出すべき錠剤の量は、重量ではなく錠剤の個数で特定されてもよい。第2制御装置によって、全ての経路で分包フィルムFに対する薬剤が排出されたと判定した場合に、加熱部材である加熱ローラー61A、61Bを接触位置(第1の位置)に移動させるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0147】
1…収容器、10…受入口、11…搬出部材、110…軸、111…羽根、12…搬出口、
2…貯留器、20…受入口、21…弁、210…支持軸、211…長穴、22…排出口、23…開閉シリンダー、230…ピン、231…筒部、232…円柱部、
31…第1計測器、32…第2計測器、41…第1制御装置、42…第2制御装置、5…封入装置、
50…シュート、500…受入口、501…投入口、
51…シール装置、511…筐体、512A、512B…移動筐体、
55、55A…前方ローラー、56、56A…後方ローラー、
61A、61B…加熱ローラー、611A、611B…回転軸、612A、612B…歯車、613A、613B…横シーラー(加熱部)、614A、614B…縦シーラー(加熱部)、615A、615B…支柱部、616A、616B…搬送ローラー部、
62…搬送用モーター、
63、64…ボールネジ、631、641…右ネジ、632、642…左ネジ、
65A、65B、66A、66B…スライドブロック、
67…移動用モーター、68…プーリー、69…同期用ベルト、
71…シール装置、711…筐体、712A、712B…移動筐体、
81A、81B…偏心カム、82A、82B…回転軸、83A、83B…バネ、85…移動用モーター、86A、86B…プーリー、87…同期用ベルト、
9…分包装置。