(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035565
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】光源装置及び光源装置の組立方法
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240307BHJP
H05K 7/12 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
F21S2/00 439
H05K7/12 V
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140120
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤井 允資
【テーマコード(参考)】
3K244
4E353
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA32
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA13
3K244KA03
4E353AA07
4E353DD05
4E353DR17
4E353GG09
(57)【要約】
【課題】発光部材を好適に固定する。
【解決手段】時計100は、発光素子41と、発光素子41を支持する支持部43、及び、支持部43から発光素子41の発光方向とは反対方向に延出する端子部44を有する電極部材42と、支持部43に対して発光方向とは反対側に対向して当該反対側への移動を規制する前側底面22と、電極部材42に対して発光方向に垂直な上下方向への移動を規制する上側側面25と、電極部材42に対して、発光方向及び上下方向のいずれにも垂直な左右方向への移動を規制する内側面24と、を備えている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、
前記発光素子を支持する支持部と、前記支持部から前記発光素子の発光方向とは反対方向に延出する端子部と、を有する電極部材と、
前記電極部材に対して前記発光方向に垂直な第2方向への移動を規制する第2規制部と、
前記電極部材に対して、前記発光方向及び前記第2方向のいずれにも垂直な第3方向への移動を規制する第3規制部と、
を備える光源装置。
【請求項2】
前記第2規制部は、前記電極部材の前記支持部の移動を規制し、
前記第3規制部は、前記電極部材の前記端子部の移動を規制する、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記支持部に対し、前記発光方向とは反対側への移動を規制する第1規制部と、
前記発光素子又は前記電極部材の前記発光方向側に対向する対向部材と、
を備える請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第2規制部は、前記支持部のうち前記第2方向の一方側の端面に対向する第1対向面を含み、
前記第1対向面は、前記発光素子の発光方向とは反対方向に向かうに連れて前記第2方向の他方側に段階的に位置する段付き状に形成されている、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項5】
前記第1規制部及び前記第2規制部は、同一の固定部材に形成されている、
請求項3に記載の光源装置。
【請求項6】
前記第3規制部は、前記端子部のうち前記第3方向の端面に対向する第2対向面を含み、
前記第2対向面は、前記発光素子の発光方向とは反対方向に向かうに連れて段階的に突出する段付き状に形成されている、
請求項5に記載の光源装置。
【請求項7】
前記対向部材は、前記発光素子の発光面に対向する導光部材である、
請求項3に記載の光源装置。
【請求項8】
前記電極部材は2つ設けられており、
前記第3規制部は、2つの前記電極部材の間に設けられているリブであり、
前記リブの側面が前記電極部材の前記第3方向への移動を規制する、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項9】
前記リブは第1リブと第2リブとを含み、
前記第1リブと前記第2リブとの間には、前記電極部材の前記端子部と基板とを接続するインターコネクトが設けられている。
請求項8に記載の光源装置。
【請求項10】
発光素子及び電極部材を有する発光部材と、前記発光部材を支持する固定部材と、を備える光源装置の組立方法であって、
前記電極部材は、前記発光素子を支持する支持部と、前記支持部から前記発光素子の発光方向とは反対方向に延出する端子部と、を有し、
前記固定部材は、前記電極部材に対して前記発光方向に垂直な第2方向への移動を規制する第2規制部と、前記電極部材に対して前記発光方向及び前記第2方向のいずれにも垂直な第3方向への移動を規制する第3規制部と、を有し、
前記発光部材を、前記発光方向側から前記端子部に沿って前記固定部材に嵌合させ、前記第2規制部により前記第2方向への移動が規制されるとともに前記第3規制部により前記第3方向への移動が規制された状態に配置する工程を含む、
光源装置の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置及び光源装置の組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、時計に搭載されて時刻表示部を照明する光源装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の光源装置には、発光部材としてリード端子付きのLED(発光ダイオード)が採用される場合がある。この発光部材は、
図7(a)~(c)に示すように、発光方向(図中の右方)に垂直な上下方向から端子部(リード)がケース部材の孔部に挿入され、挿入後にリードが折り曲げられることでケース部材に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、リードを折り曲げて発光部材を位置決め固定する構造では、以下の問題があった。
・発光部材の上下方向位置がリードの折り曲げ位置によって決まるため、折り曲げ位置のばらつきに応じて発光部材の上下方向の位置精度が悪化する。
・一度組み込まれた発光部材をケース部材から取り外す場合、リードの折り曲げを元に戻す必要がある。そのため、この取り外しの際に、リードの折り曲げを元に戻す際の工程が1つ増えるうえに、ケース部材に固定された発光部材に対して上下方向の両側からアクセスできる必要があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、発光部材を好適に固定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、光源装置であって、
発光素子と、
前記発光素子を支持する支持部と、前記支持部から前記発光素子の発光方向とは反対方向に延出する端子部と、を有する電極部材と、
前記電極部材に対して前記発光方向に垂直な第2方向への移動を規制する第2規制部と、
前記電極部材に対して、前記発光方向及び前記第2方向のいずれにも垂直な第3方向への移動を規制する第3規制部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、発光部材を好適に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る時計の要部の分解斜視図である。
【
図2】実施形態に係る本体ケースを背面側から見た斜視図である。
【
図3】実施形態に係る本体ケースのLED固定部に配置された発光部材の(a)斜視図であり、(b)正面図である。
【
図5】実施形態に係る本体ケースのLED固定部の斜視図である。
【
図6】実施形態に係る発光部材を本体ケースのLED固定部に取り付ける手順を説明するための図である。
【
図7】従来における発光部材をケース部材に取り付ける手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1から
図6を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
図1は、本実施形態に係る時計100の要部の分解斜視図であり、
図2は、時計100の本体ケース2を背面側から見た斜視図である。
なお、以下の説明において、上下方向(第2方向)とは、時計100(本体ケース2)の正面-背面方向(正面側が上側、背面側が下側)をいう。また、上下方向に沿った時計100の中心軸Axに垂直な方向を「径方向」、中心軸Axを中心とする回転方向を「周方向」という。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る時計100は、本発明に係る光源装置の一例であり、ユーザの手首に装着される腕時計である。時計100は、正面視で略円筒状に形成された本体ケース2を備えている。本体ケース2は、特に限定はされないが、例えばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等の硬質樹脂で形成されている。
【0012】
本体ケース2の内部には、液晶パネル31と導光板32を含む時計本体部が収容される。
液晶パネル31と導光板32は、いずれも略円板状に形成されて正面側からこの順に配置される。液晶パネル31は、図示しない風防部材越しに正面側から視認可能に配置され、時刻を含む各種情報を表示する。導光板32は、液晶パネル31のバックライトであり、後述の発光部材4からの光を導光させて液晶パネル31を背面側から照明する。
【0013】
図2に示すように、本体ケース2の内側部には、導光板32を通じて液晶パネル31を照明する発光部材4が配置されている。発光部材4は、特に限定はされないが、本体ケース2の3時方向側の側部の2箇所であって、周方向にやや離間した2箇所に配置されている。
【0014】
図3(a)、(b)は、本体ケース2のLED固定部21に配置された発光部材4の斜視図及び正面図である。
図4は、発光部材4の斜視図であり、
図5は、本体ケース2のLED固定部21の斜視図である。
これらの図に示すように、発光部材4は、本実施形態ではリード端子付きのLED(発光ダイオード)であり、発光素子41と2つの電極部材42を有している。
発光素子41は、樹脂で封止されて直方体状に形成されている。発光素子41は、発光面41aを本体ケース2の内径側に向けた状態で、発光面41aとは反対側の裏面を電極部材42に支持されている。発光面41aには、発光部材4が本体ケース2内に配置された状態で、導光板32の入射面が対向配置される(
図6(c)参照)。
なお、以下では、発光素子41(発光面41a)から見て前後左右の各方向を呼称する。つまり、発光面41aが向いた発光方向である本体ケース2の内径方向を「前方」、その反対方向である外径方向を「後方」、本体ケース2の周方向に対する接線方向を「左右方向」という。
【0015】
2つの電極部材42は、それぞれ側面視で略L字状に形成され、前後方向、及び発光方向に垂直な上下方向(第2方向)の位置を互いに略一致させた状態で、発光方向及び第2方向のいずれにも垂直な左右方向(第3方向)に並設されている。具体的に、各電極部材42は、支持部43と端子部44を有している。
【0016】
支持部43は、発光素子41の後面に取り付けられて当該発光素子41を支持する。より詳しくは、支持部43は、前後方向に略垂直な平板状に形成され、その略上側半部に発光素子41が取り付けられている。
端子部44は、上下方向に略垂直な平板状に形成され、支持部43の下端から後方に延出している。
【0017】
本体ケース2には、発光部材4が配置されるLED固定部21が形成されている。
LED固定部21は、本体ケース2の内周面2a及び下側端面2bの双方から凹状に凹んだ形状に形成され、その凹状内部に発光部材4を収容する。具体的に、LED固定部21は、前側底面22と下側底面23を有している。
前側底面22は、前後方向に略垂直な平面状に形成されている。前側底面22は、発光部材4がLED固定部21に配置されたときに、各電極部材42の支持部43の後面と対向して発光部材4の後方への移動を規制する。この前側底面22は、本発明に係る第1規制部の一例である。
下側底面23は、上下方向に略垂直な平面状に形成され、前側底面22の下端から後方に延在している。下側底面23は、発光部材4がLED固定部21に配置されたときに、各電極部材42の端子部44の上面と対向する。
【0018】
LED固定部21のうち、前側底面22及び下側底面23の左右両側の内側面24は、発光部材4がLED固定部21に配置されたときに、各端子部44の左右方向(第3方向)外側の側面44aと対向して発光部材4の左右方向(第3方向)への移動を規制する。この内側面24は、本発明に係る第3規制部及び第2対向面の一例である。第3規制部は、発光部材4の左右方向(第3方向)への移動を規制する。
また、LED固定部21の両内側面24の各々は、段付き部24aを有する段付き状に形成されている。当該内側面24は、LED固定部21の左右方向の幅(すなわち両内側面24間の距離)が、後方に向かうに連れて段付き部24aを跨いで段階的に狭くなるように形成されている。段付き部24aには、その前後の面が滑らかに連結して発光部材4をスムーズに挿入できるように面取りが施してある。また、段付き部24aは、本実施形態では、前側底面22と略一致する前後方向位置に形成されている。この段付き部24aにより、LED固定部21の前側のとば口(段付き部24aよりも前側)では発光部材4を挿れやすく、当該段付き部24aよりも後側まで発光部材4を後方に挿し込むに連れて発光部材4の左右方向への移動が規制される。
【0019】
LED固定部21のうち、前側底面22の上部から前方に迫り出す上側側面25は、発光部材4がLED固定部21に配置されたときに、各支持部43の上端面43aと対向して発光部材4の上方への移動を規制する。この上側側面25は、本発明に係る第2規制部及び第1対向面の一例である。
また、LED固定部21の上側側面25は、段付き部25aを有する段付き状に形成されている。当該上側側面25は、後方に向かうに連れて段付き部25aを跨いで段階的に下方に位置するように形成されている。段付き部25aには、その後の面が滑らかに連結して発光部材4をスムーズに挿入できるように面取りが施してある。この段付き部25aにより、LED固定部21の前側のとば口(段付き部25aよりも前側)では発光部材4を挿れやすく、当該段付き部25aよりも後側まで発光部材4を後方に挿し込むに連れて発光部材4の上方への移動が規制される。
なお、本体ケース2のうち、上側側面25を構成するLED固定部21の上側部分は、左右方向の中央が凹状に切り欠かれており、前側底面22と略面一の底面を有している。つまり、上側側面25は、左右の2箇所で発光部材4の移動を規制する。この切欠き部は、発光部材4をLED固定部21に着脱するときに発光部材4を把持する把持部材を逃げるための形状である。
【0020】
また、LED固定部21は、前側底面22及び下側底面23に突設された第1リブ26及び第2リブ27を有している。第1リブ26及び第2リブ27は、LED固定部21の左右方向(第3方向)の略中央に配置され、発光部材4がLED固定部21に配置されたときに、左右方向に並設された2つの電極部材42の間に位置する。
このうち、第1リブ26は、前側底面22のうちの下部に突設されている。第1リブ26は、前側底面22よりも前側まで突出するとともに、下側底面23よりも下側まで突出している。第1リブ26の上面26aは、発光部材4がLED固定部21に配置されたときに、支持部43の下側面43bと対向して発光部材4の下方への移動を規制する。この第1リブ26の上面26aは、本発明に係る第2規制部の一例である。第2規制部は、発光部材4の上下方向(第2方向)への移動を規制する。より詳しくは、支持部43の下側面43bは、発光部材4の左右方向の中央側に位置するが、2つの電極部材42の一方のみに形成されているため、主に発光部材4の左右方向の中央よりどちらか一方側に形成されている。また、支持部43の下側面43bは、発光素子41のやや下側に位置している。
第2リブ27は、下側底面23のうち第1リブ26の後方に突設されている。第2リブ27は、第1リブ26と略同一の左右方向の幅を有している。第2リブ27の後端部の位置は、発光部材4がLED固定部21に配置されたときの端子部44の後端の位置と略一致する。
なお、LED固定部21の左右両側の内側面24に代えて(又はこれと併せて)、第1リブ26及び第2リブ27の左右両側面26b、27b(第3規制部)が発光部材4の左右方向への移動を規制してもよい。すなわち、LED固定部21から前方に向かって、第1リブ26及び第2リブ27の左側の側面26b、27bと、右側の内側面24(第3規制部)と、の少なくとも一方が、発光部材4の右方への移動を規制し、第1リブ26及び第2リブ27の右側の側面26b、27b(第3規制部)と、左側の内側面24(第3規制部)と、の少なくとも一方が、発光部材4の電極部材42の左方への移動を規制してもよい。
この場合、第1リブ26は、上面26aが、第2方向(上下方向)への移動を規制する第2規制部であり、側面26bが第3方向(左右方向)への移動を規制する第3規制部となる。従って、第1リブ26のみで、第2規制部と第3規制部を兼ねることができるため、少なくとも第1リブ26のみが設けられていれば良く、第2リブ27は設けられていなくても良い。
或いは、第1リブ26が第2方向(上下方向)への移動を規制する第2規制部を含む突出部であり、第2リブ27が第3方向(左右方向)への移動を規制する第3規制部を含む突出部としても良い。
また、LEDの端子部44と基板(図示せず)とは、金属のワイヤーを樹脂またゴムで被覆したインターコネクト(図示せず)により接続されている。このインターコネクトを通すため、第1リブ26と第2リブ27との間に隙間を設け、この隙間にインターコネクトを通している。第1リブ26と第2リブ27の第3方向(左右方向)の幅は略同一である。
本実施形態においては、第1リブ26と第2リブ27とを設けたが、この構成に限らない。インターコネクトの代わりに、ばね等の他の接続部材を用いた場合には、リブは1つで良く、隙間は無くても良い。即ち、第1リブ26と第2リブ27は、一体的に形成されていてもよい。更には、リブが前後及び/又は左右に分割されていてもよい。
【0021】
続いて、発光部材4を本体ケース2のLED固定部21に取り付ける手順について説明する。
図6は、発光部材4をLED固定部21に取り付ける手順を説明するための図である。
【0022】
図6(a)に示すように、まず作業者は、本体ケース2のLED固定部21の前側底面22に両面テープ5を貼付する。
次に、作業者は、発光部材4を例えば冶具等で上下に挟持した状態で、端子部44に沿うように前方(本体ケース2の内径側)からLED固定部21内に挿入して嵌合させる。
【0023】
そして、
図6(b)に示すように、支持部43の後面が両面テープ5によりLED固定部の前側底面22に固定される。こうして、支持部43に対して前側底面22が後方に対向され、発光部材4の後方への移動が規制される。
【0024】
このとき、段付き状に形成されたLED固定部21の左右の内側面24により、発光部材4は左右に好適にガイドされつつLED固定部21内に挿入される(
図3参照)。発光部材4を挿入しきると、端子部44の側面44aと対向するLED固定部21の内側面24により、発光部材4の左右方向への移動が規制される。即ち、LED固定部21の内側面24(第3規制部)によって、電極部材42の、発光方向及び第2方向(上下方向)のいずれにも垂直な第3方向(左右方向)への移動が規制される。つまり、発光部材4が左右方向に位置決めされる。
同様に、段付き状に形成されたLED固定部21の上側側面25により、発光部材4は好適にガイドされつつLED固定部21内に挿入される。発光部材4を挿入しきると、支持部43の上端面43aと対向するLED固定部21の上側側面25により、発光部材4の上方への移動が規制される。また、発光部材4を挿入しきると、支持部43の下側面43bと対向するLED固定部21の第1リブ26の上面26aにより、発光部材4の下方への移動が規制される。つまり、LED固定部21の上側側面25と第1リブ26の上面26aとにより、発光部材4が上下方向に位置決めされる。すなわち、LED固定部21の上側側面25と、第1リブ26の上面26aと、によって、電極部材42の、発光方向に垂直な第2方向(上下方向)への移動が規制される。
こうして、発光部材4は、LED固定部21に対して上下方向及び左右方向への移動が規制されて位置決めされた状態に配置される。
【0025】
次に、
図6(c)に示すように、作業者は、発光素子41の発光面41aの前方に導光板32を対向させて配置する。
これにより、発光部材4の前方への移動が規制される。つまり、LED固定部の前側底面22と導光板32とにより、発光部材4が前後方向に位置決めされる。
【0026】
以上のように、本実施形態によれば、電極部材42の端子部44が、発光素子41を支持する支持部43から後方(発光素子41の発光方向とは反対方向)に延出している。また、LED固定部21の上側側面25と第1リブ26の上面26aが、電極部材42(支持部43)に対して上下方向への移動を規制する。LED固定部21の内側面24は、電極部材42(端子部44)に対して左右方向への移動を規制する。
これにより、端子部44に沿って発光部材4を前方(発光方向側)からLED固定部21に挿入することで、発光部材4は、LED固定部21の上側側面25と第1リブ26により上下方向に位置決めされ、LED固定部21の内側面24により左右方向に位置決めされる。したがって、ケース部材に挿入してから端子部を折り曲げることで固定していた従来の発光部材と異なり、端子部44を折り曲げることなく発光部材4を本体ケース2に固定することができる。すなわち、本体ケース2に固定された発光部材4を取り外す場合、従来のように折り曲げられた端子部を元に戻す必要なく、発光部材4を本体ケース2の内径側に引き出すだけで足りる。またこの場合、本体ケース2の内径側から発光部材4を把持できればよく、ケース部材に固定された発光部材(端子部)に対して2箇所からアクセスする必要があった従来構造に比べ、構造的な制約を軽減できる。また、本体ケース2(LED固定部21)の各面と導光板32の配置によって発光部材4が位置決めされるため、端子部の折り曲げ位置によって位置決めされていた従来に比べ、発光部材4を精度よく位置決めできる。
したがって、発光部材4を好適に固定することができる。
【0027】
また、本実施形態によれば、LED固定部21の上側側面25は、後方に向かうに連れて下側に段階的に位置する段付き状に形成されている。
これにより、発光部材4を前方からLED固定部21内に配置するときに、LED固定部21の前側のとば口では発光部材4を挿れやすく、発光部材4を後方に挿し込むに連れて発光部材4の上側への移動が好適に規制される。
【0028】
また、本実施形態によれば、LED固定部21の前側底面22が、支持部43に対してその後側に対向して後側への移動を規制し、導光板32が発光面41a(発光素子41の前面)に対向している。
これにより、発光部材4はLED固定部21の前側底面22と導光板32により前後方向に位置決めされる。したがって、発光部材4をさらに好適に固定することができる。
【0029】
また、本実施形態によれば、LED固定部21の内側面24は、後方に向かうに連れて段階的に突出する段付き状に形成されている。
これにより、発光部材4を前方からLED固定部21内に配置するときに、LED固定部21の前側のとば口では発光部材4を挿れやすく、発光部材4を後方に挿し込むに連れて発光部材4の左右方向への移動が好適に規制される。
【0030】
また、本実施形態によれば、発光素子41からの光を導光する導光板32が発光素子41の発光面41aに対向されて、発光部材4の前方への移動を規制する。
これにより、発光部材4の移動を規制するためだけの他の規制部材を用いることなく、発光部材4の前方への移動を規制することができる。
【0031】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0032】
例えば、上記実施形態では、LED固定部21の上側側面25が、面取りされた段付き部25aを有する段付き状に形成されていることとした。しかし、この段付き部25a(面取り)は、上側側面25の前端の縁(本体ケース2の内周面2aとの角部)に形成されていてもよい。LED固定部21の左右両側の内側面24についても同様に、段付き部24a(面取り)が当該内側面24の前端の縁(本体ケース2の内周面2aとの角部)に形成されていてもよい。更には、LED固定部21の上側側面25及び両内側面24の各々は、段付き部24a、25aを有する段付き状ではなく、後方に向かうに連れて徐々に狭くなるような傾斜面に形成されていても良い。
【0033】
また、上記実施形態では、電極部材42の端子部(リード)44が後方に折り曲げられることとしたが、例えば基板との接続構造等によっては前方に折り曲げられてもよい。
さらに言えば、端子部44の屈曲角度は垂直(90°)でなくともよく、実質的に垂直と見做せる範囲(例えば±5°)は勿論のこと、LED固定部21への発光部材4の挿入を阻害しない範囲の屈曲角度(例えば90°未満)であってもよい。この場合、端子部44に対向するLED固定部21の下側底面23についても、端子部44の屈曲角度に対応した傾斜面に形成してもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、本発明に係る光源装置の一例として、時計(腕時計)を例に挙げて説明した。しかし、本発明に係る光源装置は、時計(又は時計に搭載されるもの)に限定されず、端子部を有する発光部材が固定される種々の装置や構造に好適に適用できる。
また、本発明に係る発光素子は、発光ダイオード(LED)に限定されない。
【符号の説明】
【0035】
100 時計
2 本体ケース(固定部材)
4 発光部材
21 LED固定部
22 前側底面(第1規制部)
23 下側底面
24 内側面(第3規制部、第2対向面)
24a 段付き部
25 上側側面(第2規制部、第1対向面)
25a 段付き部
26 第1リブ
26a 上面(第2規制部)
26b 側面(第3規制部)
27 第2リブ
27b 側面(第3規制部)
32 導光板(導光部材)
41 発光素子
41a 発光面
42 電極部材
43 支持部
43a 上端面
43b 下側面
44 端子部
44a 側面
Ax 中心軸