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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035566
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】レイアウト管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/13 20200101AFI20240307BHJP
   G06F 30/20 20200101ALI20240307BHJP
   G06Q 50/16 20240101ALI20240307BHJP
【FI】
G06F30/13
G06F30/20
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140121
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋吉 宏一
【テーマコード(参考)】
5B146
5L049
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146BA01
5B146DA05
5B146DE06
5B146EC09
5B146FA02
5L049CC29
(57)【要約】
【課題】建物の部屋内に新たに設置物を設置したときの部屋内のレイアウトを取得ことができるレイアウト管理システムを得る。
【解決手段】レイアウト管理システム10では、表示制御部42を備えており、表示制御部42は、タッチパネル24の表示面24A上において居住者Aの操作に基づき、リビング46のレイアウト図47に対して家具48の外形図50を移動させる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の部屋内の測定データに基づき当該部屋のレイアウトデータを生成可能なレイアウト生成部と、
前記部屋に設置される設置物の外形データを記憶可能な設置物データ記憶部と、
前記レイアウトデータに基づく前記部屋のレイアウト図と、前記外形データに基づく前記設置物の外形図と、を表示する表示部と、
前記表示部の表示面上において操作者の操作に基づいて前記レイアウト図に対して前記外形図を移動させる表示制御部と、
前記レイアウト図に対する前記外形図の位置を示す設置位置データを送信可能な送信部と、
を備えたレイアウト管理システム。
【請求項2】
前記レイアウト生成部は、前記測定データと、三次元データ記憶部に記憶された前記部屋の三次元データと、を取得し、当該測定データと当該三次元データとを組み合わせて前記部屋内のレイアウトデータを生成可能とされている、
請求項1に記載のレイアウト管理システム。
【請求項3】
前記レイアウト生成部は、前記三次元データ記憶部から前記建物における前記設置物の移動予定経路の三次元データを取得し、前記移動予定経路を前記設置物が移動可能か否かを判定可能とされている、
請求項2に記載のレイアウト管理システム。
【請求項4】
前記送信部は、前記建物に居住する前記操作者の操作に基づいて鍵情報生成部で生成された電子鍵情報を前記設置位置データと共に所定の携帯端末に送信可能とされ、
前記建物の内側と外側とを連通可能な建具を施錠又は開錠可能なロック部を備えると共に前記電子鍵情報を受信した前記所定の携帯端末による操作に基づいて当該ロック部を駆動可能とされたロック装置と、
をさらに備えた、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載のレイアウト管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レイアウト管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、部屋レイアウト推定方法に関する発明が開示されている。この部屋レイアウト推定方法では、ニューラルネットワークによって、部屋タイプと関連付けられた2次元の順序付けられた特徴点を使用し、三次元の部屋のレイアウトを決定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-176109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献に係る発明では、現状の部屋のレイアウトは取得できるものの、部屋に家具等の新たな設置物を設置する場合のレイアウトを取得することができない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、建物の部屋内に新たに設置物を設置したときの部屋内のレイアウトを取得ことができるレイアウト管理システムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係るレイアウト管理システムは、建物の部屋内の測定データに基づき当該部屋のレイアウトデータを生成可能なレイアウト生成部と、前記部屋に設置される設置物の外形データを記憶可能な設置物データ記憶部と、前記レイアウトデータに基づく前記部屋のレイアウト図と、前記外形データに基づく前記設置物の外形図と、を表示する表示部と、前記表示部の表示面上において操作者の操作に基づいて前記レイアウト図に対して前記外形図を移動させる表示制御部と、前記レイアウト図に対する前記外形図の位置を示す設置位置データを送信可能な送信部と、を備えている。
【0007】
第1の態様に係るレイアウト管理システムでは、レイアウト生成部が、建物の部屋内の測定データに基づき当該部屋のレイアウトデータを生成する。また、設置物データ記憶部が、部屋に設置される設置物の外形データを記憶する。そして、表示部には、レイアウトデータに基づく部屋のレイアウト図と、外形データに基づく設置物の外形図とが表示される。
【0008】
ここで、本態様では、表示制御部を備えており、当該表示制御部は、表示部の表示面上において操作者の操作に基づき、部屋のレイアウト図に対して設置物の外形図を移動させる。このため、本態様では、表示面上において、操作者が設置物を移動させて、当該設置物を任意の位置に設置したときの部屋の状態を確認することができる。
【0009】
そして、本態様では、部屋のレイアウト図に対する設置物の外形図の位置を示す設置位置データが送信部から送信される。
【0010】
このため、本態様では、例えば、宅配業者の配達員が所定の携帯端末等で設置位置データを取得することで、部屋のレイアウト図に対する設置物の外形図の位置を取得することができる。
【0011】
第2の態様に係るレイアウト管理システムは、第1の態様に係るレイアウト管理システムにおいて、前記レイアウト生成部は、前記測定データと、三次元データ記憶部に記憶された前記部屋の三次元データと、を取得し、当該測定データと当該三次元データとを組み合わせて前記部屋内のレイアウトデータを生成可能とされている。
【0012】
第2の態様に係るレイアウト管理システムでは、レイアウト生成部は、建物の部屋内の測定データと、三次元データ記憶部に記憶された当該部屋の三次元データとを取得し、当該測定データと当該三次元データとを組み合わせて当該部屋内のレイアウトデータを生成することができる。このため、本態様では、建物の部屋内のレイアウトデータの精度を高めることができる。
【0013】
第3の態様に係るレイアウト管理システムは、第2の態様に係るレイアウト管理システムにおいて、前記レイアウト生成部は、前記三次元データ記憶部から前記建物における前記設置物の移動予定経路の三次元データを取得し、前記移動予定経路を前記設置物が移動可能か否かを判定可能とされている。
【0014】
第3の態様に係るレイアウト管理システムでは、レイアウト生成部が、三次元データ記憶部から建物における設置物の移動予定経路の三次元データを取得して、移動予定経路を当該設置物が移動可能か否かを判定する。このため、本態様では、設置物を建物内に搬入する前に、当該設置物を所定の設置場所に設置可能か否かを確認することができる。
【0015】
第4の態様に係るレイアウト管理システムは、第1の態様~第3の態様の何れか1態様に係るレイアウト管理システムにおいて、前記送信部は、前記建物に居住する前記操作者の操作に基づいて鍵情報生成部で生成された電子鍵情報を前記設置位置データと共に所定の携帯端末に送信可能とされ、前記建物の内側と外側とを連通可能な建具を施錠又は開錠可能なロック部を備えると共に前記電子鍵情報を受信した前記所定の携帯端末による操作に基づいて当該ロック部を駆動可能とされたロック装置と、をさらに備えている。
【0016】
第4の態様に係るレイアウト管理システムでは、送信部が、建物に居住する操作者の操作に基づいて鍵情報生成部で生成された電子鍵情報を設置位置データと共に所定の携帯端末に送信する。
【0017】
また、建物には、ロック装置が設けられており、このロック装置は、建物の内側と外側とを連通可能な建具を施錠又は開錠可能なロック部を備えている。そして、ロック装置は、電子鍵情報を受信した所定の携帯端末による操作に基づいてロック部を駆動させる。
【0018】
このため、本態様では、例えば、宅配業者の配達員が所定の携帯端末を携帯していれば、当該配達員は、当該所定の携帯端末を用いて建具の開錠又は施錠を行うことができる。そして、配達員は、家具等の設置物の設置位置データに基づいて、建物の部屋内の所定の位置に設置物を運び入れることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明に係るレイアウト管理システムでは、建物の部屋内に新たに設置物を設置したときの部屋内のレイアウトを取得ことができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係るレイアウト管理システムの全体構成を模式的に示す概略図である。
図2】本実施形態に係るレイアウト管理システムの一部を構成する管理者側携帯端末の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係るレイアウト管理システムの構成の一部を模式的に示す概略図である。を示すイメージ図である。
図4】本実施形態に係るレイアウト管理システムの一部を構成するロック装置の構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係るレイアウト管理システムの一部を構成するサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図6】本実施形態に係るレイアウト管理システムの機能構成を示すブロック図である。
図7】本実施形態に係るレイアウト管理システムの一部を構成する管理者側携帯端末の使用時の状態を示すイメージ図である。
図8】本実施形態に係るレイアウト管理システムにおいて設置物の移動経路の設定過程を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1図8を用いて、本発明に係るレイアウト管理システムの実施形態の一例について説明する。図1及び図3に示されるように、本実施形態に係る「レイアウト管理システム10」は、「建物12」の居住者Aが所有する携帯端末14と、「ロック装置16」と、ハウスメーカが所有するサーバ18と、宅配業者の配達員Bが使用する所定の携帯端末としての「携帯端末19」とを備えている。なお、居住者Aは、携帯端末14の操作者とみなすことができる。
【0022】
図2に示されるように、携帯端末14は、携帯端末14の各種制御を行う制御装置20、センサ22及び表示部としての「タッチパネル24」を備えている。
【0023】
詳しくは、制御装置20は、プロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、ストレージ20D、通信I/F(Inter Face)20E及び入出力I/F20Fを含んで構成されている。そして、CPU20A、ROM20B、RAM20C、ストレージ20D、通信I/F20E及び入出力I/F20Fは、バス20Gを介して相互に通信可能に接続されている。
【0024】
CPU20Aは、中央演算処理ユニットとされており、携帯端末14に搭載された各種機器の制御に係る各種プログラムの実行が可能とされている。具体的には、CPU20Aは、ROM20Bからプログラムを読み出し、RAM20Cを作業領域として各種プログラムを実行可能とされている。そして、ROM20Bに記憶された実行プログラムが、CPU20Aで読み出されて実行されることで、制御装置20は、後述するように、種々の機能を発揮することが可能となっている。
【0025】
ストレージ20Dは、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を含んで構成され、オペレーティングシステムや建物12内のレイアウト設定等に係る各種プログラムが記憶されている。また、ストレージ26Dは、後述するように、センサ22の検出結果を記憶可能とされている。
【0026】
通信I/F20Eは、ネットワークNとの通信に用いられるインターフェースとされており、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)等の通信規格が用いられている。そして、通信I/F20Eは、サーバ18及び携帯端末19とネットワークNを介して相互に通信可能とされている。
【0027】
入出力I/F20Fは、制御装置20と各種機器とを通信可能に接続するためのインターフェースとされている。そして、制御装置20は、入出力I/F20Fを介して、センサ22及びタッチパネル24と通信可能に接続されている。
【0028】
センサ22は、LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)を備えており、携帯端末14から携帯端末14の周辺の物体までの距離を測定すると共に、携帯端末14周辺の三次元スキャン(3Dスキャン)を行うことが可能となっている。また、センサ22は、カメラを備えており、携帯端末14周辺の画像を取得することが可能となっている。なお、センサ22による検出結果は、ストレージ20Dに送信されるようになっている。
【0029】
タッチパネル24は、図7に示されるように、制御装置20の制御に基づいて「表示面24A」に種々の映像や画像を表示可能とされると共に、居住者Aの指Fが接触又は近接した位置を検出し、当該位置を示す信号を制御装置20に送信するようになっている。
【0030】
一方、ロック装置16は、図3に示されるように、「ロック部26」と、ロック部26の制御に用いられるロック制御部28と、ロック制御部28の操作に用いられる操作部30とを備えている。
【0031】
ロック部26は、建物12の玄関32に配置されると共に建物12の内側とを外側とを連通可能な建具としての「ドア34」に内蔵されている。このロック部26は、図示しないロック部材、図示しないモータ等の駆動源及び当該駆動源を制御するドライバを含んで構成されており、ロック制御部28からの各種指令信号に基づいて駆動されることで、ドア34の開錠及び施錠を行うことが可能とされている。
【0032】
一方、ロック制御部28は、建物12の居室36に配置されると共に、図4に示されるように、CPU28A、ROM28B、RAM28C、ストレージ28D、通信I/F28E及び入出力I/F28Fを含んで構成されている。また、CPU28A、ROM28B、RAM28C、ストレージ28D、通信I/F28E及び入出力I/F28Fは、バス28Gを介して相互に通信可能に接続されている。
【0033】
なお、CPU28A、ROM28B、RAM28C、ストレージ28D及び通信I/F28Eは、上述した制御装置20を構成しているものと基本的に同様の機能を備えている。また、ストレージ28Dには、HDD(Hard Disk Drive)を採用してもよい。
【0034】
詳しくは、ストレージ28Dには、オペレーティングシステムやロック装置16の制御に係る各種プログラムが記憶されている。また、ストレージ26Dには、後述するように、電子鍵情報Kとの照合に用いられる認証コードCが記憶されている。
【0035】
通信I/F26Eは、ネットワークNとの通信に用いられるインターフェースとされており、携帯端末14、サーバ18及び携帯端末19とネットワークNを介して相互に通信可能とされている。
【0036】
入出力I/F26Fは、ロック制御部28と各種機器とを通信可能に接続するためのインターフェースとされており、ロック制御部28は、入出力I/F26Fを介して、上述したロック部26及び操作部30と通信可能に接続されている。
【0037】
そして、CPU28Aは、ロック部26並びにロック制御部28と接続された各種機器の制御に係る各種プログラムの実行が可能とされており、ROM28Bに記憶された実行プログラムが、CPU28Aで読み出されて実行されることで、ロック制御部28は、後述するように、種々の機能を発揮することが可能となっている。
【0038】
操作部30は、一例としてタッチパネルを含んで構成されており、居住者Aによる操作入力をロック制御部28に出力することが可能となっている。そして、本実施形態では、居住者Aによる操作入力によって、後述する電子鍵情報Kの送信先が設定されると共に、当該送信先がストレージ28Dに一時的に記憶されるようになっている。また、居住者Aは、操作部30によってロック部26の操作を行うことが可能となっている。
【0039】
一方、サーバ18は、図5に示されるように、CPU18A、ROM18B、RAM18C、ストレージ18D及び通信I/F18Eを含んで構成されている。そして、CPU18A、ROM18B、RAM18C、ストレージ18D及び通信I/F18Eは、バス18Fを介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU18A、ROM18B、RAM18C、ストレージ18D及び通信I/F18Eは、上述した制御装置20を構成しているものと基本的に同様の機能を備えている。また、ストレージ18Dには、HDDを採用してもよい。
【0040】
詳しくは、ストレージ18Dには、ハウスメーカが施工を行った建物の設計データ、具体的には、当該建物の三次元モデルや間取り図等が記憶されている。
【0041】
通信I/F18Eは、携帯端末14、携帯端末19並びに家具メーカの図示しないデータサーバ等とネットワークNを介して相互に通信可能とされている。
【0042】
そして、CPU18Aは、電子鍵情報Kの生成に係る各種プログラムの実行が可能とされており、ROM18Bに記憶された実行プログラムが、CPU18Aで読み出されて実行されることで、サーバ18は、後述するように、種々の機能を発揮することが可能となっている。
【0043】
次に、図6を用いて、携帯端末14における制御装置20の機能構成について説明する。制御装置20は、通信部38、測定部40、「表示制御部42」及び設置位置データ生成部44の集合体として機能する。
【0044】
通信部38は、ネットワークNを介してサーバ18と種々の情報を送受信することが可能となっている。
【0045】
測定部40は、居住者Aの操作に基づいてセンサ22を制御し、建物12の部屋内、例えば、「リビング46」内の三次元スキャンや撮影を行うと共に、取得した建物12内の三次元データや画像データを、表示制御部42や通信部38を介してサーバ18に送信するようになっている。
【0046】
表示制御部42は、建物12内の三次元データや画像データ等の測定部40から送信されたデータ及びサーバ18から送信された後述する建物12のレイアウトデータの少なくとも一方に基づいて、例えば、図7に示されるように、リビング46の「レイアウト図47」を携帯端末14のタッチパネル24に表示させる。
【0047】
なお、表示制御部42は、表示面24Aに所定の入力画面を表示すると共に、当該入力画面への居住者Aによる入力に基づいて、建物12の特定に必要な建物特定データをサーバ18に通信部38を介して送信し、サーバ18から建物12のレイアウトデータを携帯端末14に送信させるようになっている。
【0048】
そして、表示制御部42は、リビング46に設置される設置物としての「家具48」の外形データをサーバ18から通信部38を介して取得すると共に、表示面24Aにおいて、家具48の「外形図50」をレイアウト図47上に表示させる。なお、家具48は、一例としてソファとされている(図1参照)。
【0049】
また、表示制御部42は、表示面24Aに示される家具選択用の所定の選択画面への居住者Aによる入力に基づいて、通信部38を介してサーバ18に外形データ要求信号を送信し、サーバ18から家具48の外形データを携帯端末14に送信させるようになっている。
【0050】
さらに、表示制御部42は、居住者Aの指Fによる表示面24Aへの入力に基づいて、レイアウト図47上において、外形図50を移動させることが可能となっている。そして、表示面24A上に表示される図示しない決定ボタンに指Fで入力することで、外形図50の位置が決定するようになっている。
【0051】
設置位置データ生成部44は、表示制御部42で設定された外形図50の位置に基づいて、この状態のリビング46内の三次元データ及び2次元データの少なくとも一方をレイアウト図47に対する外形図50の位置を示す設置位置データとして、通信部38を介してサーバ18に送信するようになっている。
【0052】
次に、ロック制御部28の機能構成について説明する。ロック制御部28は、CPU28AがROM28Bに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって、通信部52、鍵生成指示部54、鍵検証部56及びロックコントロール部58の集合体として機能する。
【0053】
通信部52は、ネットワークNを介してサーバ18、携帯端末14及び携帯端末19と種々の情報を送受信することが可能となっている。
【0054】
鍵生成指示部54は、操作部30によって入力された電子鍵情報Kの送信先を、生成指示信号として通信部52を介してサーバ18に送信するようになっている。なお、本実施形態では、一例として、電子鍵情報Kの送信先が、携帯端末19に設定されている。
【0055】
鍵検証部56は、携帯端末19から受信した電子鍵情報Kと認証コードCとの照合を行うようになっている。そして、携帯端末19から受信した電子鍵情報Kに含まれる認証コードと、認証コードCとが一致した場合、解除信号をロックコントロール部58に送信するようになっている。
【0056】
ロックコントロール部58は、鍵検証部56から解除信号を受信すると、携帯端末19によるロック部26の操作を許容するようになっている。そして、ロックコントロール部58は、携帯端末19からの操作信号に基づいて第1指令信号をロック部26に送信することでロック部26を駆動させるようになっている。また、通常時において、ロックコントロール部58は、操作部30からの操作信号に基づいて第2指令信号をロック部26に送信することでロック部26を駆動させるようになっている。
【0057】
次に、サーバ18の機能構成について説明する。サーバ18は、CPU18AがROM18Bに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって、送信部としての「通信部60」、「鍵情報生成部62」、「設置物データ記憶部64」、「三次元データ記憶部66」及び「レイアウト生成部68」の集合体として機能する。
【0058】
通信部60は、ネットワークNを介してロック装置16及び携帯端末19と種々の情報を送受信することが可能となっている。
【0059】
鍵情報生成部62は、通信部60にロック装置16から生成指示信号が入力されると、認証コードCを含む電子鍵情報Kを生成するようになっている。そして、鍵情報生成部62は、生成指示信号に含まれる電子鍵情報Kの送信先(携帯端末19)に、電子鍵情報Kを、通信部60を介して送信するようになっている。
【0060】
設置物データ記憶部64は、通信部60を介して所定の家具メーカのデータサーバから種々の家具の外形データ、具体的には、三次元モデルデータを取得すると共に、当該外形データを記憶している。また、設置物データ記憶部64は、通信部60が携帯端末14から外形データ要求信号を受信すると、所定の家具の外形データを、通信部60を介して携帯端末14に送信するようになっている。
【0061】
三次元データ記憶部66は、建物12をはじめとしてサーバ18を所有するハウスメーカが施工を行った建物の設計時における三次元モデル等が記憶されている。そして、三次元データ記憶部66は、レイアウト生成部68から指定された建物の三次元モデルをレイアウト生成部68に送信するようになっている。
【0062】
レイアウト生成部68は、通信部60を介して携帯端末14から建物特定データを受信すると、当該建物特定データに該当する建物の三次元モデルの送信を三次元データ記憶部66に要求する。
【0063】
また、レイアウト生成部68は、携帯端末14から通信部60を介して取得した建物12内の三次元データと、三次元データ記憶部66から取得した建物12内の三次元モデルとを、建物12の隅部70や柱72等の特徴点(図1参照)が一致するように統合して、建物12の部屋内のレイアウトデータを生成する。なお、ここでいうレイアウトデータとは、建物12の部屋内において、建物12の構成要素と、部屋内に設置された家具等の設置物とを区別可能な三次元モデルを意味している。
【0064】
そして、レイアウト生成部68は、上記レイアウトデータを、建物特定データを送信した携帯端末14に、通信部60を介して送信するようになっている。
【0065】
また、レイアウト生成部68は、図1に示されるように、三次元データ記憶部66から建物12における家具48の移動予定経路Rを取得可能とされると共に、移動予定経路Rを家具48が移動可能か否かを判定するようになっている。
【0066】
具体的には、レイアウト生成部68は、一例として、建物12内において、ドア34で開閉される開口部74から家具48の設置予定位置Pまでの最短経路を移動予定経路Rに設定するようになっている。なお、移動予定経路Rの幅は、運搬時の家具48の幅Hに設定されている。
【0067】
そして、レイアウト生成部68は、移動予定経路R上に椅子等の家具76が設置されている場合や家具48が開口部74を通ることができない場合等には、警報を通信部60を介して携帯端末14に送信して、携帯端末14の表示面24Aに所定の警告を表示させるようになっている。
【0068】
また、レイアウト生成部68は、移動予定経路Rに階段78が含まれる場合かつ本実施形態のように建物12に設置される家具48がソファである場合、図8に示されるように、家具48が階段78を通れるか否かを判定している。
【0069】
詳しくは、レイアウト生成部68は、搬送時の家具48の建物高さ方向から見た断面を当該断面が収まる最小の直角三角形Tに近似し、この直角三角形Tにおける斜辺と直角頂との距離Dが、階段78の幅Sよりも小さいとき、家具48が階段78を通れると判定するようになっている。
【0070】
そして、レイアウト生成部68は、移動予定経路Rを家具48が移動可能と判定した場合に、携帯端末14から送信された設置位置データすなわちレイアウト図47に対する外形図50の位置を示すデータを、通信部60を介して携帯端末19に送信するようになっている。
【0071】
一方、携帯端末19は、ロック装置16及びサーバ18と通信可能な通信機器とされると共に、専用アプリケーションソフトウェア(以下、専用アプリと称する)がインストールされている。
【0072】
詳しくは、専用アプリは、携帯端末19をロック装置16に対応する鍵として機能することを可能とすると共に、携帯端末19による設置位置データの閲覧を可能としている。
【0073】
図1に示されるように、電子鍵情報Kが記憶された状態の携帯端末19が、ロック装置16を中心とする所定の範囲内に移動すると、携帯端末19とロック装置16とが通信することで、電子鍵情報Kと認証コードCとの照合が行われ、電子鍵情報Kの認証コードと認証コードCとが一致すると、専用アプリが起動するようになっている。なお、専用アプリが起動した状態の携帯端末19の表示面19Aには、開錠マーク及び施錠マークが表示されるようになっている。
【0074】
そして、配達員Bが表示面19A上の開錠マークに触れると、携帯端末19から開錠を示す操作信号(開錠信号)を受信することでロック装置16が作動して、ドア34が開錠されるようになっている。このとき、配達員Bが表示面19A上には、設置位置データに基づいてレイアウト図47に対する外形図50の位置が表示されるようになっている。
【0075】
また、配達員Bが表示面19A上の施錠マークに触れると、携帯端末19から施錠を示す操作信号(施錠信号)を受信することでロック装置16が作動して、ドア34が施錠されるようになっている。
【0076】
<本実施形態の作用及び効果>
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0077】
本実施形態に係るレイアウト管理システム10では、図6に示されるように、レイアウト生成部68が、一例として、建物12のリビング46内の測定データに基づきリビング46のレイアウトデータを生成する。また、設置物データ記憶部64が、リビング46に設置される家具48の外形データを記憶する。そして、携帯端末14のタッチパネル24には、レイアウトデータに基づくリビング46のレイアウト図47と、外形データに基づく家具48の外形図50とが表示される(図7参照)。
【0078】
ここで、本実施形態では、表示制御部42を備えており、表示制御部42は、タッチパネル24の表示面24A上において居住者Aの操作に基づき、リビング46のレイアウト図47に対して家具48の外形図50を移動させる。このため、本実施形態では、表示面24A上において、居住者Aが家具48を移動させて、家具48を任意の位置に設置したときのリビング46の状態を確認することができる。
【0079】
そして、本実施形態では、リビング46のレイアウト図47に対する家具48の外形図50の位置を示す設置位置データが、サーバ18の通信部60から宅配業者の配達員Bが使用する携帯端末19に送信される。
【0080】
このため、本実施形態では、配達員Bが携帯端末19で設置位置データを取得することで、リビング46のレイアウト図47に対する家具48の外形図50の位置を取得することができ、その結果、配達員Bが建物12内におけるこの位置に家具48を設置することが可能となる。
【0081】
また、本実施形態では、レイアウト生成部68は、例えば、携帯端末14で取得した建物12のリビング46内の測定データと、三次元データ記憶部66に記憶されたリビング46の三次元データとを取得し、当該測定データと当該三次元データとを組み合わせてリビング46内のレイアウトデータを生成することができる。このため、本実施形態では、建物12のリビング46内のレイアウトデータの精度を高めることができる。
【0082】
また、本実施形態では、図1及び図8に示されるように、レイアウト生成部68が、三次元データ記憶部66から建物12における家具48の移動予定経路Rの三次元データを取得して、移動予定経路Rを家具48が移動可能か否かを判定する。このため、本実施形態では、家具48を建物12内に搬入する前に、家具48を所定の設置場所に設置可能か否かを確認することができる。
【0083】
加えて、本実施形態では、図6に示されるように、サーバ18の通信部60が、建物12に居住する居住者Aの操作に基づいて鍵情報生成部62で生成された電子鍵情報Kを設置位置データと共に携帯端末19に送信する。
【0084】
また、建物12には、図3に示されるように、ロック装置16が設けられており、このロック装置16は、建物12の内側と外側とを連通可能なドア34を施錠又は開錠可能なロック部26を備えている。そして、ロック装置16は、電子鍵情報Kを受信した携帯端末19による操作に基づいてロック部26を駆動させる。
【0085】
このため、本実施形態では、例えば、配達員Bが携帯端末19を携帯していれば、配達員Bは、携帯端末19を用いてドア34の開錠又は施錠を行うことができる。そして、配達員Bは、家具48等の設置物の設置位置データに基づいて、建物12のリビング46内における所定の位置に家具48を運び入れることができる。
【0086】
以上、説明したように、本実施形態に係るレイアウト管理システム10では、建物12の部屋内に新たに設置物を設置したときの部屋内のレイアウトを取得ことができる。
【0087】
<上記実施形態の補足説明>
(1) 上述した実施形態では、携帯端末14に設けられているセンサ22で、建物12の部屋内の三次元スキャンを行っていたが、求められる三次元データの精度に応じて、単体のセンサを用いて建物12内の三次元データを取得してもよい。なお、使用可能なセンサとしては、上述したLIDARの他に、ステレオカメラ、赤外線深度センサ及び超音波センサ等が挙げられる。
【0088】
(2) また、上述した実施形態では、レイアウト図47及び家具48の外形図50を携帯端末14の表示面24Aに表示させて家具48の設置位置を設定していたが、建物内に設置される設置物の大きさや個数等に応じて、設置物の設置位置の設定にパーソナルコンピュータ等の端末を使用してもよい。
【0089】
(3) 加えて、上述した実施形態では、携帯端末19とロック装置16とが通信を行うことでドア34の開錠及び施錠が行われていたが、これに限らない。例えば、携帯端末19の表示面19Aに鍵となる所定のコード情報を表示させると共に、ロック装置16に当該コード情報を読み込ませることでロック装置16を作動させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0090】
10 レイアウト管理システム
12 建物
16 ロック装置
19 携帯端末(所定の携帯端末)
24 タッチパネル(表示部)
24A 表示面
26 ロック部
34 ドア(建具)
42 表示制御部
46 リビング(部屋)
47 レイアウト図
48 家具(設置物)
50 外形図
60 通信部(送信部)
62 鍵情報生成部
64 設置物データ記憶部
66 三次元データ記憶部
68 レイアウト生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8