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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035573
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】オークションシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/08 20120101AFI20240307BHJP
【FI】
G06Q30/08
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140132
(22)【出願日】2022-09-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】522350911
【氏名又は名称】株式会社Artfield
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(74)【代理人】
【識別番号】100097696
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 庸平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB73
(57)【要約】
【課題】参加者を適切に選定して質の高いオークションを実施できるオークションシステムを提供する。
【解決手段】オークションシステム(1)は、第1、第2のマーケット(16、17)と、これらに参加する会員の情報が管理される会員管理テーブル(9)とオークションの履歴を保存する入札履歴テーブル(10)と、を備える。会員管理テーブル(9)には、会員特定情報と、会員に対して付与される数値データである会員ポイントとが格納される。会員ポイントは、入札履歴テーブル(10)に記録された入札・落札の履歴に基づいて決定し、第2のマーケット(17)の参加の可否を判定するデータとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上のサーバ上に構築され、複数の会員が該ネットワーク経由で接続される複数の端末から参加して入札対象品をオークションするようになっているオークションシステムであって、
前記オークションシステムは、第1、第2のマーケットと、前記第1、第2のマーケットに参加する前記会員の情報が管理される会員管理テーブルと、前記第1、第2のマーケットにおいて実施されたオークションの履歴を保存する入札履歴テーブルと、を備え、
前記会員管理テーブルには、前記会員を特定する会員特定情報と、前記会員に対して付与される数値データである会員ポイントと、が管理され、
前記会員ポイントは、前記入札履歴テーブルに記録された前記会員による入札・落札の履歴に基づいて決定されるようになっており、
前記第2のマーケットへの前記会員の参加の可否は、前記会員ポイントと参加の可否を判定する閾値である参加判定閾値とによって判断されるようになっている、オークションシステム。
【請求項2】
前記入札対象品は美術品である、請求項1に記載のオークションシステム。
【請求項3】
前記第1のマーケットは、ダッチ・オークション方式で実施される、請求項1または2に記載のオークションシステム。
【請求項4】
前記第2のマーケットは、ダッチ・オークション方式とイングリッシュ・オークション方式とから選択可能になっている、請求項1または2に記載のオークションシステム。
【請求項5】
前記オークションシステムは、前記美術品を管理する美術品管理テーブルを備え、
前記美術品管理テーブルには、前記美術品を特定する美術品特定情報と、前記美術品の創作者のメールアドレスあるいは銀行口座を含む創作者情報と、前記美術品の現在の所有者が前記創作者であるか否かの情報である所有者情報と、が管理されており、
前記オークションシステムは、前記美術品がオークションに出品されるとき、前記所有者情報に基づいて前記美術品が譲渡または落札により所有権が前記創作者から移転済みであるか否かを判断するようにし、移転済みの前記美術品が落札されるとき、そのときの落札価格に基づいて再販売還元金を計算し、前記美術品の前記創作者に対して前記再販売還元金を入金する旨のメールを送信し、あるいは前記再販売還元金を前記銀行口座に入金するようになっている、請求項2に記載のオークションシステム。
【請求項6】
前記オークションシステムは、前記会員ポイントの計算において、前記入札対象品の落札価格をパラメータとするようになっている、請求項1または2に記載のオークションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入札対象品をネットワーク経由でオークションするオークションシステムに関するものであり、限定するものではないが美術品に好適なオークションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
美術品等のオークションは、オークション会場を用意して多数の参加者に来場してもらい、そして直接入札させることによって取引が成立するようになっている。しかしながら近年、例えば特許文献1に記載のオークションシステムのようにネットワーク経由でオークションを実施するシステムも実現されている。このようなシステムでは、ネットワーク上にオークションシステムを備えたサーバを設ける。そして、参加者は、パソコン、タブレット、あるいはスマートフォンからオークションシステムにアクセスする。参加者はオークションシステム上で入札を行うことになる。このようなオークションシステムでは、参加者はオークション会場に出向く必要がないので利便性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-262298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ネットワーク上のサーバに構築されたオークションシステムは、ネットワーク経由で参加者が参加できるので利便性が高く優れている。しかしながら解決すべき課題も見受けられる。具体的には、参加者について選別ができないという課題がある。オークション会場において実施するオークションでは、入場者数に制限がある。特に人気の高い入札対象品をオークションにかけるときは適切な参加者を選定している。例えば、過去に同等の対象品を落札した実績がある参加者、十分な資力を有する参加者等である。適切に参加者を選定することによって、オークションの質が高まることになる。しかしながら、ネットワーク上のサーバーに構築されるオークションシステムでは、入札は自由に参加できる。つまり参加者の選定ができない。そうすると、質の高いオークションが実施できない可能性がある。
【0005】
他の課題も見受けられる。例えば入札対象品が美術品の場合、オークションにおいて一般的に採用されている方式は、イングリッシュ・オークション方式である。イングリッシュ・オークション方式は、低い価格からオークションを開始する。そして参加者は順次高い価格を提示して入札する。最終的に最高額を提示した入札者が落札する。この方式は、該当の美術品に対する関心が高い参加者が十分な人数確保されてオークションされる場合、美術品に見合った適切な価格で落札されることになる。しかしながら、ネットワーク上のオークションシステムでは、参加者が少ない場合もある。あるいは参加者が多くても、多くの参加者が入札対象品である美術品について関心が無い場合もある。そのような場合、競り合いが生じずに美術品の本来の価値に比して不当に低い価格で落札される可能性がある。つまり不適切な価格で落札される可能性がある。
【0006】
本発明は、参加者を適切に選定して質の高いオークションを実施できるオークションシステムを提供することを目的としている。さらに、オークションの入札対象品が不当に低価格で落札されることがない、オークションシステムを提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ネットワーク上のサーバ上に構築され、複数の会員が該ネットワーク経由で接続される複数の端末から参加して入札対象品をオークションするオークションシステムを対象とする。本発明のオークションシステムは、データベースを備えており、各種のテーブルを設ける。すなわち、第1、第2のマーケットと、第1、第2のマーケットに参加する会員の情報が管理される会員管理テーブルと、第1、第2のマーケットにおいて実施されたオークションの履歴を保存する入札履歴テーブルと、である。そして、会員管理テーブルには、会員を特定する会員特定情報と、会員に対して付与される数値データである会員ポイントと、が管理され、会員ポイントは、入札履歴テーブルに記録された会員による入札・落札の履歴に基づいて決定されるようにする。そして、第2のマーケットは会員ポイントが参加の可否を判定する閾値である参加判定閾値を超えている会員のみ参加が許可されるように構成する。
請求項2に記載の発明は、入札対象品を美術品として構成し、さらに請求項3に記載の発明は第1のマーケットは、ダッチ・オークション方式で実施するように構成する。
さらに請求項4に記載の発明は、第2のマーケットを、ダッチ・オークション方式とイングリッシュ・オークション方式とから選択可能に構成する。
請求項5に記載の発明は、オークションシステムは、美術品を管理する美術品管理テーブルを備えるようにする。そして美術品管理テーブルには、美術品を特定する美術品特定情報と、美術品の創作者のメールアドレスあるいは銀行口座を含む創作者情報と、美術品の現在の所有者が前記創作者であるか否かの情報である所有者情報と、を備えるようにする。そしてオークションシステムは、所有権が移転あるいは落札済みの美術品がオークションシステムに再出品されて落札されると、そのときの落札価格に基づいて再販売還元金を計算し、美術品の創作者に対して再販売還元金を入金する旨のメールを送信し、あるいは再販売還元金を銀行口座に入金するように構成する。
請求項6に記載の発明は、オークションシステムを、会員ポイントの計算において、前記入札対象品の落札価格をパラメータとするように構成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、オークションシステムは、第1、第2のマーケットを備えており、第2のマーケットについて参加するには会員の有している会員ポイントが参加判定閾値を超えていることが必要になっている。そうすると第2のマーケットについては、参加者を適切に選別することができ、質の高いオークションが実施できることになる。なお、第1のマーケットについては参加者の選別はされないので、新規の会員であっても参加でき、入札を繰り返して実績を積んで、会員ポイントを獲得することができる。
請求項3に記載の発明は、第1のマーケットはダッチ・オークション方式で実施される。ダッチ・オークション方式によりオークションすることによって、参加人数が少なかったり入札数が少なかったりする場合であっても入札対象品の価値に対して不当に低い価格で落札されることを防止することができる。
請求項4の発明によって、第2のマーケットをダッチ・オークション方式とイングリッシュ・オークション方式とから選択可能になっているので、自由度が高い。
請求項5に発明によると、落札済みの美術品が再度入札に出品されて落札されたとき、美術品の創作者に対して再販売還元金が支払われることになるので、創作者を支援することができる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係るオークションシステムのブロック図である。
図2】本実施の形態に係るオークションシステムにおいて会員のオークションへの参加の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係るオークションシステムについて説明する。本発明に係るオークションシステムは入札対象品の種類に限定はなく、家具、日用品、自動車、等の色々な有形物、もしくは、パーティへの参加資格、宿泊権利、アイドルとの会話権利、等の無形物に対してオークションを実施することができる。しかしながら、以下で説明する本実施の形態に係るオークションシステム1は、入札対象品として美術品を対象としている。
【0011】
図1には、ネットワーク2と、このネットワーク2に接続されているサーバ3と、同様にネットワーク2に接続されている複数の端末4a、4b、4c、…と、ネットワーク2に接続されている銀行システム5と、が示されている。サーバ3には本実施の形態に係るオークションシステム1が設けられている。本実施の形態に係るオークションシステム1は、このようにネットワーク2に接続されたサーバ3上に構築されており、複数の端末4a、4b、4c、…から複数の会員が参加してオークションを実施するようになっている。なお、端末4a、4b、4c、…はパソコン、タブレット、スマーフォフォン等、を利用することができ、デバイスの種類に限定はない。
【0012】
オークションシステム1には、オークションを管理するためのデータベースが設けられ、データベースには各種のテーブルが設けられている。すなわち、美術品を管理するための美術品管理テーブル8と、会員を管理する会員管理テーブル9と、オークションの履歴を保存する入札履歴テーブル10である。サーバ3上においてオークションシステム1を実装するときに、必ずしもこれら3個のテーブル8、9、10と同じようにテーブルを設ける必要はないし、テーブルの個数も3個に限定する必要もない。ここでは便宜的、3個のテーブル、つまり美術品管理テーブル8と会員管理テーブル9と入札履歴テーブル10とが設けられているものとして説明する。
【0013】
美術品管理テーブル8には、次の情報が保存されている。
・美術品特定情報
美術品を特定する名称、および美術品を特定するためのユニークなIDである美術品ID、美術品のカテゴリ、美術品の大きさ等、美術品を特定するための情報が含まれている。
・創作者情報
創作者氏名、創作者連絡先(メールアドレス)、創作者の銀行口座等の創作者に関する情報等が含まれている。
・所有者情報
美術品の現在の所有者に関する情報である。ただし、譲渡や落札による所有権の移転が発生していない場合には、所有者情報は空である。あるいは所有権の移転が発生していない場合には、創作者氏名が格納されていてもよい。
・会員ポイント計算用指標
後で説明する会員ポイントを計算するための、美術品に属性するデータであり、オークションシステム1のシステム管理者によって、入札対象の美術品を美術品管理テーブル8に登録するときに、システム管理者、美術専門家等の判断を加味して予め設定される。例えば、対象となる美術品の重要度に応じて与える美術品重要度指標があり、0~10の範囲で設定される。あるいは、創作時期に応じて与える創作時期指標、美術品の大きさに応じて与えるサイズ指標等があり、同様に0~10の範囲で設定される。数値が大きいほど会員ポイントの計算に影響する。
【0014】
会員管理テーブル9には、次の情報が保存されている。
・会員特定情報
会員氏名、および会員を特定するユニークなIDである会員ID、会員の引き落とし口座あるいはカード情報等の、会員を特定するための情報である。
・会員ポイント
会員毎に与えられ、後で説明するように第2のマーケットへの参加可否を判断するためのポイントである。第1のマーケットだけでなく第2のマーケットにおける会員による入札・落札の履歴から、計算により値が修正される。新規登録時には会員ポイントは0で与えられる。
【0015】
入札履歴テーブル10には、次の情報が保存されている。
・入札・落札履歴
美術品のそれぞれについて、美術品ID、そして入札した全ての会員の会員IDおよび入札金額、および落札した会員の会員IDおよび落札金額が履歴として保存されている。
【0016】
本実施の形態に係るオークションシステム1にはアプリケーションプログラムによって実装された複数個の処理が設けられている。通信部12、美術品登録処理部13、会員登録処理部14、第1のマーケット処理部16、第2のマーケット処理部17、会員ポイント計算処理部19、再販売還元金処理部20である。これらを説明する。
【0017】
通信部12は、ネットワーク2を介して端末4a、4b、4c、…との通信を管理する処理になっている。また、銀行システム5との通信も実施するようになっている。本実施の形態において通信部12はWEBサーバを備えており、他の処理、つまり美術品登録処理部13、会員登録処理部14、第1のマーケット処理部16、…が用意する各種画面を端末4a、4b、4c、…に提供する。そしてこれら端末4a、4b、4c、…からの画面操作に基づいて送られたデータを美術品登録処理部13、会員登録処理部14、第1のマーケット処理部16、…に渡すようになっている。
【0018】
美術品登録処理部13は、入札対象品としての美術品を美術品管理テーブル8に録する処理である。いずれかの端末4a、4b、4c、…からシステム管理者がオークションシステム1にアクセスし、ユーザ認証画面によりユーザ認証を受ける。システム管理者が所定の操作をすると美術品登録処理部13が提供するシステム管理者専用画面が端末4a、4b、4c、…に表示される。システム管理者は、入札対象とする美術品毎に必要な情報を入力する。そうすると、美術品管理テーブル8に美術品についての情報が格納される。具体的には、システム管理者は美術品を特定する名称、美術品のカテゴリ、美術品の大きさ等の情報を入力する。そうすると、美術品登録処理部13は、システムでユニークな美術品IDを付与する。さらにシステム管理者は、前述した創作者情報、会員ポイント計算用指標を入力する。これら情報が、美術品管理テーブル8に登録される。なお、美術品IDは美術品登録処理部13が自動的に付与するように説明したが、ユニークなIDであればシステム管理者が指定してもよい。
【0019】
美術品管理テーブル8に登録済みの美術品について保存されている情報を修正することもできる。システム管理者は端末4a、4b、4c、…からオークションシステム1にアクセスし、ユーザ認証画面によりユーザ認証を受け、所定の操作により美術品登録処理部13が提供するシステム管理者専用画面を表示させる。情報を修正したい美術品について美術品IDを入力して検索する。そうすると該当する美術品についての情報が表示される。任意の情報を修正することができる。
【0020】
会員登録処理部14は、オークションシステム1に参加する会員を登録・管理する処理になっている。後で説明する第1のマーケット処理部16、第2のマーケット処理部17において主催される第1、第2のマーケットに参加するには会員になる必要があり、この会員登録処理部14によって予め会員登録することになる。また、会員は会員ポイントが付与されており、会員ポイントに応じて第2のマーケットへの参加の可否が判断される。図2によって、オークションシステム1において会員がアクセスし、第1、第2のマーケットに参加するまでの処理の流れを説明し、この中で会員登録処理部14を詳しく説明する。
【0021】
オークションへの参加希望者が任意の端末4a、4b、4c、…からオークションシステム1にアクセスする。そうするとオークションシステム1は、図2に記載されているように、ユーザ認証(ステップS01)を実行する。つまりユーザ認証画面を表示する。参加希望者はログインを実施する。オークションシステム1はログインの可否をステップS02で判断する。ログインできた場合、ステップS05に移行する。ステップS05は後で説明する。一方、ログインできないときステップS03を処理して、参加希望者が新規会員か否かを判断する。すでに登録会員であって、ユーザ認証に失敗したのであればステップS01に処理を戻す。一方、新規会員であればステップS04により会員登録処理を実行する。つまりオークションシステム1は会員登録処理部14を呼び出す。そうすると、端末4a、4b、4c、…に会員登録処理部14が提供する新規会員の入力用画面が表示される。新規会員は、会員氏名、引き落とし口座、カード情報、連絡先等の情報を入力する。そうすると、会員登録処理部14は会員を特定するユニークなIDである会員IDを付与し、これらを合わせて会員管理テーブル9に会員を登録する。このとき会員管理テーブル9において当該会員の会員ポイントは0として登録する。なお、会員IDは、ユニークなIDであれば会員自身が指定するようにしてもよい。
【0022】
オークションシステム1は、ステップS05において会員に参加希望のマーケットを選択させる。会員が第1のマーケットへの参加を希望している場合、ステップS06に移行する。ステップS06でマーケットへの参加を許可する。つまり会員は、第1のマーケット処理部16が実行する第1のマーケットでオークションを始める。一方、ステップS05において会員が第2のマーケットへの参加を希望している場合、ステップS07に移行する。オークションシステム1はステップS07において会員管理テーブル9を参照し、会員が有する会員ポイントを確認する。そしてオークションシステム1に予め設定されている参加判定閾値を超えているかどうかチェックする。会員ポイントが参加判定閾値を超えていれば、ステップS06でマーケットへの参加を許可する。以下、会員は第2のマーケット処理部17が実行する第2のマーケットでオークションを始める。一方、会員ポイントが参加判定閾値より小さければ、ステップS07によりオークションシステム1はマーケットへの参加を不許可とする。処理を終了する。
【0023】
第1のマーケット処理部16、第2のマーケット処理部17は、それぞれWEB画面を介して第1のマーケット、第2のマーケットを提供している。いずれのマーケットにおいても、システム管理者が入札対象品である美術品を出品し、参加している複数の会員が適宜入札する。そして落札者を決定し、落札する。このような一連の処理を提供している。
【0024】
本実施の形態において第1のマーケット処理部16が提供する第1のマーケットは、競り下げ式、いわゆるダッチ・オークション方式により実施される。システム管理者は美術品管理データンベース8に登録されている所定の美術品を入札対象品として選定し、これに対して、3個のパラメータを設定して第1のマーケットに出品する。参加している会員は、以後自由に入札が可能になる。なお、3個のパラメータは、入札開始価格、減額設定金額、オークション停止価格であり、これらは創作者と予め相談の上、決定している。第1のマーケット処理部16は最初に、当該美術品について入札開始価格を表示し、オークションを開始する。参加している会員のだれからも入札がない場合、一定時間例えば1分が経過したら、第1のマーケット処理部16は減額設定金額だけ価格を下げる。さらに入札が無い場合、一定時間後にさらに減額設定金額だけ減じられる。このようにして価格が徐々に低下するなかで、美術品の取得を希望する参加者は適宜入札する。入札が発生したら第1のマーケット処理部16は落札を決定しオークションを終了する。第1のマーケット処理部16は落札が成立した旨の通知を端末4a、4b、4c、…の会員に通知すると共に、銀行システム5に対して通信し、当該会員の引き落とし口座から落札価格と手数料とを合計した金額の引き落としの手続を行う。例えば手数料は落札価格の10%とする。そして、第1のマーケット処理部16は、当該美術品についての減額の履歴、入札・落札の履歴を入札履歴テーブル10に書き込む。さらに美術品管理テーブル8において、当該美術品について所有者情報を更新し、落札者についての情報を書き込む。一方、当該美術品に対して入札が無いケースもあり得る。入札開始価格から数回にわたって減額設定金額を減額して、やがてオークション停止価格に達したら、第1のマーケット処理部16は当該美術品についてのオークションを停止する。入札履歴テーブル10に、入札が無かった旨の履歴を書き込む。
【0025】
本実施の形態において第2のマーケット処理部17が提供する第2のマーケットは、ダッチ・オークション方式と、イングリッシュ・オークション方式の2方式が選択できるようになっている。イングリッシュ・オークション方式は競り上げ式である。システム管理者は美術品管理データンベース8に登録されている所定の美術品を入札対象品として選定し、第2のマーケット処理部17においていずれの方式でオークションを実施するかを選択する。ダッチ・オークション方式を選択する場合、システム管理者は前記した3個のパラメータを設定する。そうすると第2のマーケット処理部17は第1のマーケット処理部16において説明した処理と同様に処理する。重複を避け、説明を省略する。一方、イングリッシュ・オークション方式を選択する場合、システム管理者は次の2個のパラメータを設定する。すなわち、入札開始価格と落札判定時間である。これらもシステム管理者は創作者と予め相談の上、決定している。第2のマーケット処理部17は、システム管理者が出品した美術品について入札開始価格を表示してオークションを開始する。第2のマーケットに参加している会員は入札開始価格以上の価格を提示して入札する。複数の入札がある場合、第2のマーケット処理部17は入札された最高額を表示する。参加している会員は表示されている最高額を上回る価格を提示してさらに入札する。その都度、第2のマーケット処理部17は入札された最高額を表示する。最高額が更新されてから落札判定時間の間入札が発生しない場合、第2のマーケット処理部17は、落札を決定しオークションを終了する。第2のマーケット処理部17は落札が成立した旨の通知を端末4a、4b、4c、…の会員に通知すると共に、銀行システム5に対して通信し、当該会員の引き落とし口座から落札価格と手数料の合計金額の引き落としの手続を行う。例えば手数料は落札価格の10%とする。そして第2のマーケット処理部17は、当該美術品についての入札・落札の履歴を入札履歴テーブル10に書き込む。さらに美術品管理テーブル8において、当該美術品について所有者情報を更新し、落札者についての情報を書き込む。一方、当該美術品に対して入札が無いケースもあり得る。入札開始価格の表示から入札が1件も無い状態で落札判定時間を経過した場合、第2のマーケット処理部17は当該美術品についてのオークションを停止する。入札履歴テーブル10に、入札が無かった旨の履歴を書き込む。
【0026】
会員ポイント計算処理部19を説明する。本実施の形態に係るオークションシステム1は、会員ポイントによってオークションへの参加可否が判断される点に特徴がある。この会員ポイントは、会員ポイント計算処理部19が計算する。会員ポイント計算処理部19は、入札履歴テーブル10に新しい入札・落札履歴が追加されるたびに処理を実行する。会員ポイント計算処理部19は新規で追加された入札・落札履歴を入札履歴テーブル10から読み出す。そして、まずこの入札・落札履歴に含まれている落札者について会員ポイントを更新する。当該落札した会員について会員管理テーブル10を検索し、現在の会員ポイントを読み込む。次いで、美術品管理テーブル8から該当の美術品について会員ポイント計算用指標を得る。会員ポイント計算処理部19は、美術品の落札価格と、会員ポイント計算用指標とに基づいて会員ポイント増加分を計算する。計算方法に限定はなく、どのような計算を採用してもよいが、例えば次のようにすることができる。落札価格が入札開始価格に比して3倍以上高いときにはポイント20、2倍以上3倍未満のときにはポイント10、2倍未満のときにはポイント5とする。そして会員ポイント計算用指標と合算し、会員ポイント増加分とする。これを現在の会員ポイントに追加して会員管理テーブル10における当該会員の会員ポイントを更新する。
【0027】
会員ポイント計算処理部19は、落札者だけでなく入札者についても会員ポイントを更新する。先に、入札履歴テーブル10から読み出した入札・落札履歴に含まれている入札者について一人ずつ処理を実施する。当該入札した会員について会員管理テーブル10を検索し、現在の会員ポイントを読み込む。当該会員が入札した入札金額と、先ほど読み込んだ会員ポイント計算用指標とに基づいて会員ポイント増加分を計算する。これについても計算方法には限定はないが、例えば次のようにすることができる。入札価格が入札開始価格に比して3倍以上高いときにはポイント3、2倍以上3倍未満のときにはポイント2、2倍未満のときにはポイント0.5とする。会員ポイント計算用指標に対して0.1倍を乗じ、これらを加算して会員ポイント増加分とする。これを現在の会員ポイントに追加して会員管理テーブル10における当該会員の会員ポイントを更新する。なお、同一の参加者について入札が複数回に及ぶとき、これらを重畳的に加算してもよい。さらには落札者についても入札の履歴の回数だけ加算するようにしてもよい。
【0028】
再販売還元金処理部20を説明する。システム管理者が、第1、第2のマーケット処理部16、17で主催する第1、第2のマーケットにおいて美術品を出品するとき、当該美術品について、すでに美術品管理テーブル8において所有者情報が記録されていたとする。つまり過去にオークションにより落札されている、あるいは所有権が創作者から移転している場合である。この場合、第1、第2のマーケット処理部16、17においてオークションが成立し落札されたとき、オークションシステム1では再販売還元金処理部20が起動される。再販売還元金処理部20は、落札された美術品について創作者情報を美術品管理テーブル8から読み込む。また落札価格を入札履歴テーブル10から読み込む。再販売還元金処理部20は落札価格に所定の割合、例えば1%を乗じて再販売還元金とする。再販売還元金処理部20は、創作者情報に基づいて再販売還元金がある旨を創作者にメール送信する。あるいは再販売還元金を創作者の銀行口座に振り込む。
【0029】
以上が、本実施の形態に係るオークションシステム1であるが、本実施の形態は色々な変形が可能である。例えば、本実施の形態においてマーケットは第1、第2のマーケットの2個だけであるように説明した。しかしながら、3個以上のマーケットを備えるようにしてもよい。また第1、第2のマーケット処理部16、17で処理する第1、第2のマーケットにおいて落札されたときに、直ちに落札者の口座から落札金額と手数料とを引き落とすように説明した。しかしながら、落札者にメールの通知だけするようにし、引き落とし、あるいは入金は別の機会に実施させるようにしてもよい。このようにする場合には、会員管理テーブル9には会員の口座番号を登録することは不要であり、連絡先としてメールアドレス等を登録しておけばよい。さらに第1、第2のマーケット処理部16、17は、落札時において落札価格を創作者に対して格別に入金していない。入金は、第1、第2のマーケット処理部16、17が自動的に実施してもよいが、単に創作者に対して落札された旨の連絡をするようにし、その後、システム管理者が手動にて創作者の銀行口座に入金するようにしてもよい。さらに手数料についても変形が可能である。手数料については落札者である会員からのみ徴収するように説明したが、創作者から落札価格に応じて徴収するようにしてもよい。
【0030】
会員ポイント計算処理部19は色々な変形が可能である。例えば、会員ポイントの計算において、落札した会員について入札時の競り方に基づいて決定するようにしてもよい。会員が該当の美術品を落札するまでに、継続的に複数回の入札を繰り返したのか、あるいは最後の1回だけ入札したのか、さらには今まで提示されていた入札価格の最高額を大きく上回る金額を提示して落札したのか、等である。後者のように、最後に他に比して十分に大きい金額を提示して落札したようなケースでは、会員ポイントの増加ポイントを多くする、等が考えられる。
【0031】
他にも変形が可能である。第1のマーケット処理部16が提供する第1のマーケットは、競り下げ式、いわゆるダッチ・オークション方式であるように説明した。しかしながら、第1のマーケット処理部16で提供する第1のマーケットをイングリッシュ・オークション方式としてもよい。また、イングリッシュ・オークション方式において落札を落札判定時間によって判断するように説明したが、システム管理者(オークショニア)の判断で落札のタイミングを決定してもよい。
【0032】
会員ポイントの計算は会員ポイント計算処理部19によって実施されるように説明したが、システム管理者が会員ポイントを更新するようにしてもよい。入札履歴テーブル10に記録されている入札・落札履歴に基づいて、会員ポイントの更新値を決定し、直接会員管理テーブル9に書き込むようにすればよい。また、例えば入札・落札履歴がなくても、信用のある特定の会員に対して、システム管理者が会員ポイントを入力してもよい。
【0033】
さらには、会員ポイントは数段階からなる評価値であってもよい。つまり、会員ポイントを5段階で与えるようにし、新規会員は1段階目、つまり会員ポイントとして1を与える。そして、入札・落札の履歴に基づいて段階を見直して、2段階目、あるいは3段階目として会員ポイントを2あるいは3に変更するようにする。そして第2のマーケットの参加条件として、例えば3段階目以上にする場合には、参加判定閾値を3として与えるようにすればよい。なお、この場合における第2のマーケットへの参加可否は、会員ポイントが参加判定閾値以上であるか否かで判断している。つまり、参加判定閾値を使って参加可否を判断するとき、会員ポイントが参加判定閾値を超えたか否か、としてもよいし、参加判定閾値以上であるか否か、としてもよい。さらには、会員ポイントとして新規会員に対して5段階の5を与えるようにし、入札・楽圧の履歴に基づいて段階を見直して、3段階目、あるいは2段階目として会員ポイントに3あるいは2を与えるような場合もある。つまり、好ましい会員には値の小さな段階を会員ポイントとして与えるようにする。このような場合、第2のマーケットへの参加可否は、参加判定閾値以下であること、とすればよい。
【符号の説明】
【0034】
1 オークションシステム 2 ネットワーク
3 サーバ
4a、4b、4c 端末
5 銀行システム 8 美術品テーブル
9 会員管理テーブル 10 入札履歴テーブル
12 通信部 13 美術品登録処理部
14 会員登録処理部 16 第1のマーケット処理部
17 第2のマーケット処理部 19 会員ポイント計算処理部
20 再販売還元金処理部
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-12-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上のサーバ上に構築され、複数の会員が該ネットワーク経由で接続される複数の端末から参加して入札対象品である美術品をオークションするようになっているオークションシステムであって、
前記オークションシステムは、前記美術品を管理する美術品管理テーブルを備え、
前記美術品管理テーブルには、前記美術品を特定する美術品特定情報と、前記美術品の創作者のメールアドレスあるいは銀行口座を含む創作者情報と、前記美術品の現在の所有者が前記創作者であるか否かの情報である所有者情報と、が管理されており、
前記オークションシステムは、前記美術品がオークションに出品されるとき、前記所有者情報に基づいて前記美術品が譲渡または落札により所有権が前記創作者から移転済みであるか否かを判断するようにし、移転済みの前記美術品が落札されるとき、そのときの落札価格に基づいて再販売還元金を計算し、前記美術品の前記創作者に対して前記再販売還元金を入金する旨のメールを送信し、あるいは前記再販売還元金を前記銀行口座に入金するようになっている、オークションシステム。
【請求項2】
前記オークションシステムは、第1、第2のマーケットと、前記第1、第2のマーケットに参加する前記会員の情報が管理される会員管理テーブルと、前記第1、第2のマーケットにおいて実施されたオークションの履歴を保存する入札履歴テーブルと、を備え、
前記会員管理テーブルには、前記会員を特定する会員特定情報と、前記会員に対して付与される数値データである会員ポイントと、が管理され、
前記会員ポイントは、前記入札履歴テーブルに記録された前記会員による入札・落札の履歴に基づいて決定されるようになっており、
前記第2のマーケットへの前記会員の参加の可否は、前記会員ポイントと参加の可否を判定する閾値である参加判定閾値とによって判断されるようになっている、請求項1に記載のオークションシステム。
【請求項3】
前記第1のマーケットは、ダッチ・オークション方式で実施される、請求項2に記載のオークションシステム。
【請求項4】
前記第2のマーケットは、ダッチ・オークション方式とイングリッシュ・オークション方式とから選択可能になっている、請求項2または3に記載のオークションシステム。
【請求項5】
前記オークションシステムは、前記会員ポイントの計算において、前記美術品の落札価格をパラメータとするようになっている、請求項2または3に記載のオークションシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、ネットワーク上のサーバ上に構築され、複数の会員が該ネットワーク経由で接続される複数の端末から参加して入札対象品である美術品をオークションするオークションシステムを対象とする。本発明のオークションシステムは、美術品を管理する美術品管理テーブルが備えられる。美術品管理テーブルにおいて、美術品を特定する美術品特定情報と、美術品の創作者のメールアドレスあるいは銀行口座を含む創作者情報と、美術品の現在の所有者が創作者であるか否かの情報である所有者情報と、が管理される。本発明のオークションシステムは、美術品がオークションに出品されるとき、所有者情報に基づいて美術品が譲渡または落札により所有権が創作者から移転済みであるか否かを判断するようにし、移転済みの美術品が落札されるとき、そのときの落札価格に基づいて再販売還元金を計算し、美術品の創作者に対して再販売還元金を入金する旨のメールを送信し、あるいは再販売還元金を前記銀行口座に入金するようにする。
請求項2に記載の発明は、データベースとして、第1、第2のマーケットと、第1、第2のマーケットに参加する会員の情報が管理される会員管理テーブルと、第1、第2のマーケットにおいて実施されたオークションの履歴を保存する入札履歴テーブルとが設けられる。そして、会員管理テーブルには、会員を特定する会員特定情報と、会員に対して付与される数値データである会員ポイントと、が管理され、会員ポイントは、入札履歴テーブルに記録された会員による入札・落札の履歴に基づいて決定されるようにする。そして、第2のマーケットは会員ポイントが参加の可否を判定する閾値である参加判定閾値を超えている会員のみ参加が許可されるように構成する。
請求項3に記載の発明は第1のマーケットは、ダッチ・オークション方式で実施するように構成する。
さらに請求項4に記載の発明は、第2のマーケットを、ダッチ・オークション方式とイングリッシュ・オークション方式とから選択可能に構成する。
請求項5に記載の発明は、オークションシステムを、会員ポイントの計算において、前記入札対象品の落札価格をパラメータとするように構成する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明によると、オークションシステムは、落札済みの美術品が再度入札に出品されて落札されたとき、美術品の創作者に対して再販売還元金が支払われることになるので、創作者を支援することができる、という優れた効果が得られる。
請求項2に記載の発明は、第1、第2のマーケットを備えており、第2のマーケットについて参加するには会員の有している会員ポイントが参加判定閾値を超えていることが必要になっている。そうすると第2のマーケットについては、参加者を適切に選別することができ、質の高いオークションが実施できることになる。なお、第1のマーケットについては参加者の選別はされないので、新規の会員であっても参加でき、入札を繰り返して実績を積んで、会員ポイントを獲得することができる。
請求項3に記載の発明は、第1のマーケットはダッチ・オークション方式で実施される。ダッチ・オークション方式によりオークションすることによって、参加人数が少なかったり入札数が少なかったりする場合であっても入札対象品の価値に対して不当に低い価格で落札されることを防止することができる。
請求項4の発明によって、第2のマーケットをダッチ・オークション方式とイングリッシュ・オークション方式とから選択可能になっているので、自由度が高い。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上のサーバ上に構築され、複数の会員が該ネットワーク経由で接続される複数の端末から参加して入札対象品である美術品をオークションするようになっているオークションシステムであって、
前記オークションシステムは、第1、第2のマーケットと、前記第1、第2のマーケットに参加する前記会員の情報が管理される会員管理テーブルと、前記第1、第2のマーケットにおいて実施されたオークションの履歴を保存する入札履歴テーブルと、前記美術品を管理する美術品管理テーブルと、を備え、
前記会員管理テーブルには、前記会員を特定する会員特定情報と、前記会員に対して付与される数値データである会員ポイントと、が管理され、
前記会員ポイントは、前記入札履歴テーブルに記録された前記会員による入札・落札の履歴に基づいて決定されるようになっており、
前記第2のマーケットへの前記会員の参加の可否は、前記会員ポイントと参加の可否を判定する閾値である参加判定閾値とによって判断されるようになっており、
前記美術品管理テーブルには、前記美術品を特定する美術品特定情報と、前記美術品の創作者のメールアドレスあるいは銀行口座を含む創作者情報と、前記美術品の現在の所有者が前記創作者であるか否かの情報である所有者情報と、が管理されており、
前記オークションシステムは、前記美術品がオークションに出品されるとき、前記所有者情報に基づいて前記美術品が譲渡または落札により所有権が前記創作者から移転済みであるか否かを判断するようにし、移転済みの前記美術品が落札されるとき、そのときの落札価格に基づいて再販売還元金を計算し、前記美術品の前記創作者に対して前記再販売還元金を入金する旨のメールを送信し、あるいは前記再販売還元金を前記銀行口座に入金するようになっている、オークションシステム。
【請求項2】
前記第1のマーケットは、ダッチ・オークション方式で実施される、請求項1に記載のオークションシステム。
【請求項3】
前記第2のマーケットは、ダッチ・オークション方式とイングリッシュ・オークション方式とから選択可能になっている、請求項1または2に記載のオークションシステム。
【請求項4】
前記オークションシステムは、前記会員ポイントの計算において、前記美術品の落札価格をパラメータとするようになっている、請求項1または2に記載のオークションシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、ネットワーク上のサーバ上に構築され、複数の会員が該ネットワーク経由で接続される複数の端末から参加して入札対象品である美術品をオークションするオークションシステムを対象とする。本発明のオークションシステムは、データベースを備えており、各種のテーブルを設ける。すなわち、第1、第2のマーケットと、第1、第2のマーケットに参加する会員の情報が管理される会員管理テーブルと、第1、第2のマーケットにおいて実施されたオークションの履歴を保存する入札履歴テーブルと、美術品を管理する美術品管理テーブルと、である。そして、会員管理テーブルには、会員を特定する会員特定情報と、会員に対して付与される数値データである会員ポイントと、が管理され、会員ポイントは、入札履歴テーブルに記録された会員による入札・落札の履歴に基づいて決定されるようにする。そして、第2のマーケットは会員ポイントが参加の可否を判定する閾値である参加判定閾値を超えている会員のみ参加が許可されるように構成する。美術品管理テーブルには、美術品を特定する美術品特定情報と、美術品の創作者のメールアドレスあるいは銀行口座を含む創作者情報と、美術品の現在の所有者が創作者であるか否かの情報である所有者情報と、を管理する。そしてオークションシステムは、美術品がオークションに出品されるとき、所有者情報に基づいて美術品が譲渡または落札により所有権が創作者から移転済みであるか否かを判断するようにし、移転済みの美術品が落札されるとき、そのときの落札価格に基づいて再販売還元金を計算し、美術品の創作者に対して再販売還元金を入金する旨のメールを送信し、あるいは再販売還元金を銀行口座に入金するように構成する。
請求項2に記載の発明は、第1のマーケットは、ダッチ・オークション方式で実施するように構成する。
請求項に記載の発明は、第2のマーケットを、ダッチ・オークション方式とイングリッシュ・オークション方式とから選択可能に構成する。
請求項に記載の発明は、オークションシステムを、会員ポイントの計算において、前記入札対象品の落札価格をパラメータとするように構成する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明によると、オークションシステムは、第1、第2のマーケットを備えており、第2のマーケットについて参加するには会員の有している会員ポイントが参加判定閾値を超えていることが必要になっている。そうすると第2のマーケットについては、参加者を適切に選別することができ、質の高いオークションが実施できることになる。なお、第1のマーケットについては参加者の選別はされないので、新規の会員であっても参加でき、入札を繰り返して実績を積んで、会員ポイントを獲得することができる。そして、本発明によると、オークションシステムは、落札済みの美術品が再度入札に出品されて落札されたとき、美術品の創作者に対して再販売還元金が支払われることになるので、創作者を支援することができる、という優れた効果が得られる。
請求項に記載の発明は、第1のマーケットはダッチ・オークション方式で実施される。ダッチ・オークション方式によりオークションすることによって、参加人数が少なかったり入札数が少なかったりする場合であっても入札対象品の価値に対して不当に低い価格で落札されることを防止することができる。
請求項の発明によって、第2のマーケットをダッチ・オークション方式とイングリッシュ・オークション方式とから選択可能になっているので、自由度が高い。