(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003559
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】看板の製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 7/18 20060101AFI20240105BHJP
【FI】
G09F7/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102773
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 貴規
(57)【要約】
【課題】 製造し易い看板を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる看板の製造方法は、次の工程を順次備えている。
1.上取付材と、下取付材を躯体に取付ける取付工程
2.看板本体は、仮係止部と上被係止具と下取付材被取付部とを有し、仮係止部を上取付材の上係止具に係止する仮係止工程
3.上取付材の上係止具に対して看板本体を持ち上げて横方向にスライドすることで、上取付材の上係止具に看板本体の上被係止具を係止する係止工程
4.係止状態で下取付材の取付部と看板本体の下取付材被取付部の位置を合わせる位置合わせ工程
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の工程を順次備えることを特徴とする看板の製造方法
1.上取付材と、下取付材を躯体に取付ける取付工程
2.看板本体は、仮係止部と上被係止具と下取付材被取付部とを有し、仮係止部を上取付材の上係止具に係止する仮係止工程
3.上取付材の上係止具に対して看板本体を持ち上げて横方向にスライドすることで、上取付材の上係止具に看板本体の上被係止具を係止する係止工程
4.係止状態で下取付材の取付部と看板本体の下取付材被取付部の位置を合わせる位置合わせ工程
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、看板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製造し易い看板が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、製造し易い看板の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、次の工程を順次備えることを特徴とする看板の製造方法である。
1.上取付材と、下取付材を躯体に取付ける取付工程
2.看板本体は、仮係止部と上被係止具と下取付材被取付部とを有し、仮係止部を上取付材の上係止具に係止する仮係止工程
3.上取付材の上係止具に対して看板本体を持ち上げて横方向にスライドすることで、上取付材の上係止具に看板本体の上被係止具を係止する係止工程
4.係止状態で下取付材の取付部と看板本体の下取付材被取付部の位置を合わせる位置合わせ工程
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明によれば、看板本体は、上取付材の上係止具に仮係止した後、看板本体を持ち上げて横方向にスライドすることで、上取付材の上係止具と看板本体の上被係止具を係止するので、上係止具と上被係止具の位置を目視しつつ係止する必要がないから、看板本体の係止が容易にできる。
上取付材と看板本体とが係止状態のまま、看板本体を横方向にスライドすることで下取付材の取付部と看板本体の下取付材被取付部の位置合わせを合うことができるので、看板本体を持ち上げたり支えたりする必要がないから、位置合わせがし易い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態にかかる看板本体の図であり、(a)は正面図、(a)は上面図、(b)は下面図、(d)は側面図、(e)は(a)に示すA-A断面図である。
【
図2】本発明の実施形態にかかる看板の製造方法における取付工程を示す図であり、(1a)は躯体に上取付材と下取付材を取付ける前の状態を示す正面図、(1b)は(1a)に示すB-B断面図である。
【
図3】本発明の実施形態にかかる看板の製造方法における仮係止工程及び係止工程を示す図であり、(2a)は看板を上係止具に仮係止した正面図、(2b)は(2a)のB-B断面図であり、(3a)は仮係止から看板本体を持ち上げた状態を示す看板本体の正面図、(3b)は(3a)のB-B断面図であり、(4a)は看板本体を左右にスライドして上取付材の上係止具に看板本体の上被係止具を係止した状態を示す正面図、(4b)は(4a)のB-B断面図である。
【
図4】(5a)は係止状態で下取付材の取付部と看板本体の下取付材被取付部の位置合わせした状態を示す正面図、(5b)は(5a)のB-B断面図である。
【
図5】本発明の実施形態にかかる看板の製造方法の固定工程を示す図であり、(6a)は看板本体を上取付材及び下取付材に固定する前の状態を示す正面図であり、(6b)は(6a)に示すB-B断面図である。
【
図6】本発明の実施形態にかかる看板の製造方法において看板本体に照明器具を取付ける工程の図であり、(7a)は正面図、(7b)は(7a)に示すB-B断面図である。
【
図7】本発明の実施形態にかかる製造後の看板を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図9】上係止具の図であり、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
【
図10】上被係止具の図であり、(a)は正面図、(b)は上面図である。
【
図11】上固定具の図であり、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
【
図12】下取付材の図であり、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
まず、実施形態に係る看板1について説明する。
図7及び
図8に示すように、本実施形態に係る看板1は、躯体2に取付けるものであり、上取付材3と、下取付材5と、看板本体7と、照明器具9とを備えている。
【0008】
図2に示すように、上取付材3は左右に長い長尺であり、看板本体取付部3aと躯体固定部3bとを有し、躯体固定部3bは長手方向に所定間隔をあけてボルト11で躯体2に固定されている。
看板本体取付部3aには、長手方向の2箇所に間隔を開けて上係止具12が固定されている。上係止具12は看板本体7(
図8参照)の上被係止具25(後述する)を係止するものであり、
図9に示すように、載置部12aと、前側壁12bと、後側壁12cとで側面視略コ字形状を成している。載置部12aで前側壁12bと後側壁12cとを連結してあり、後側壁12cの上端部12dを上取付材3にねじ14で固定している(
図2(1b)参照)。前側壁12bは上被係止具25(
図8参照)が前側に脱落するのを防止するものである。
【0009】
図7及び
図8に示すように、下取付材5は、ピース材であり、間隔をあけて2つ設けてある。下取付材5は、看板本体受け部5aと躯体固定部5bとで側面視L字形状に形成してあり、躯体固定部5bはボルト13で躯体2に固定されている。
図12に示すように、下取付材5の看板本体受け部5aには、看板本体7の下取付材被取付部31(後述する)を取付ける取付部5cが形成されている。取付部5cはボルト15(
図8参照)が螺合するタップ孔である。
【0010】
図1に示すように、看板本体7は、枠17と枠17の内周側に張られた表示シート19とを備えている。枠17は上枠17aと下枠17bと左右の側枠17c、17cで枠組されている。表示シート19には、画像や文字等が表記されている(
図7(a)に記載の「ABC」参照)。尚、
図7(a)以外の図では、表示シート19の画像や文字は省略している。
【0011】
上枠17aと下枠17bには、それぞれ正面側に表示シート19の取付部21が設けてある。
また、上枠17aには、仮係止部23と、上被係止具25と、上取付材固定具27とが設けてある。
仮係止部23は上枠17aの長手方向の2箇所に間隔をあけて設けてある。各仮係止部23は左右方向に所定寸法の領域で設けてあり、上係止具12(
図2参照)に対応した領域に設けてある。仮係止部23は、上枠17aの後端に形成されている突片24(
図1(b)(e)参照)を切除した領域であり、本実施形態では、上被係止具25の係止部25bの左右方向の寸法の略2倍の寸法の領域としてある。
【0012】
図1及び
図10に示すように、上被係止具25は、固定部25aと、係止部25bと、位置合わせ部25cを備えている。位置合わせ部25cは、固定部25aと係止部25bを連結する連結部であり、固定部25aと係止部25bとは位置合わせ部25cに対してそれぞれ直角に曲げて略平行に突設して形成されており、上被係止具25は、全体として平面視略Z形状である。固定部25aはねじ挿通孔を介してねじ(図示せず)で上枠17aに固定してある。
図1(b)に示すように、係止部25bは、上枠17aの背面側で仮係止部23と略平行に突出されており、少なくとも先端が仮係止部23に重合する位置にある。
【0013】
上取付材固定具27は、
図11に示すように、垂直部27aと水平部27bとで側面視略L字形状を成しており、水平部27bに固定部27cが設けてある。固定部27cはタップ孔である。
図1(e)に示すように、水平部27bを上にして垂直部27aを上枠17aにねじ26で固定しており、水平部27bにボルト28(
図7(a)参照)で上取付材3が固定されている。
【0014】
下枠17bにはその背面側に下取付材被取付部31が設けてある。下取付材被取付部31は、下取付材5(
図8参照)を止めるボルト15が挿通する孔であり、本実施形態では、左右方向に長い長孔である。下取付材被取付部31は、下枠17bの長手方向に間隔をあけて2箇所形成されている。
【0015】
図7及び
図8に示すように、照明器具9は、看板本体7の上に取付けてあり、看板本体7の表示シート19を正面側の斜め上から照らすものである。照明器具9は看板本体7の正面側に躯体2から突設して設けてあり、先端側に照明33(
図8参照)が取り付けてある。照明33はLED(Light Emitting Diode)である。
この照明器具9には、上カバー9aと側面カバー9bとが取付けられている。
【0016】
次に、看板の製造方法について説明する。
1.取付工程
図2(1a)(1b)に示すように、上取付材3の下端に上係止具12をねじ14で固定する。次に、躯体2の表面の所定位置に上係止具12を固定した上取付材3を配置して、ボルト11で躯体2に固定する。
上取付材3の下方には、左右に所定の間隔を空けて2つの下取付材5を躯体2の表面に固定する。下取付材5は、所定位置に配置して、ボルト13で躯体2に固定する。
このようにして、取付工程では、上取付材3と下取付材5を躯体2に取付ける。
【0017】
2.仮係止工程
図3(2a)(2b)に示すように、看板本体7を持ち上げて上枠17aにある仮係止部23を上取付材3の上係止具12の載置部12aに載置する。仮係止部23は、上枠17aの躯体側端において突片24(
図1(b)参照)がない領域なので、目視により容易に認識できると共に仮係止部23が上係止具12の位置にない場合には突片24が邪魔になって載置部12aに載置できないから、例えば看板本体7の持ち手を緩めて少し下げることで、仮係止されたか否かを確認できる。
仮係止すると仮係止部23が上係止具12の載置部12aに載置されると共に、上係止具12の前側壁12b(
図2(1b)参照)により前側に滑って脱落するのが防止される。
このようにして、仮係止工程では、看板本体7の仮係止部23を上取付材3の上係止具12に係止する。
図3(2b)に示すように、看板本体7の仮係止部23が仮係止位置にあるとき、看板本体7の上面18は看板本体取付部3aの下方に所定間隔をあけて対向する位置にある。同様に、看板本体7の下取付材被取付部31は、下取付材5の看板本体受け部5aに対して横方向にずれているが、上下方向では下方に所定間隔をあけて位置している。
【0018】
3.係止工程
図3(2a)(2b)に示す仮係止位置から、
図3(3a)の矢印Fに示すように、上取付材3の上係止具12に対して看板本体7を持ち上げ(
図3(3a)(3b)参照)、次に、
図3(4a)の矢印G1に示すように、横方向にスライドすることで(
図3(4a)参照)、上取付材3の上係止具12に看板本体7の上被係止具25を係止する。
看板本体7を持ち上げることで、仮係止部23は上係止具12の載置部12aから上方に移動して、上係止具12との係止が外れる。そして、看板本体7を上取付材3に当接させた後に、そのまま横方向にのみスライドすることで、上被係止具25の係止部25bを上係止具12に係止することができる。看板本体7と上取付材3との当接は、この実施形態では、看板本体7の上面18を上取付材3の看板本体取付け部3aの下面に当接させている。即ち、看板本体7の上面18が上取付材3の看板本体取付け部3aの下面に当接する位置を、上被係止具25が係止具12から横方向にのみずれた位置に設定されている。同様に、下取付材5の取付け位置も、看板本体7が係止位置にあるときに下枠17bの下取付材被取付部31が下取付材5の取付孔5cと重なる位置から横方向のみにずれた位置に設定されている。
この係止工程では、上被係止具25の係止部25bは、その一部のみが上係止具12の載置部12aに位置して、上係止部12に上被係止具25が係止されている。
また、係止工程では、下取付材5の取付部5cと下取付材被取付部31とは、横方向でずれた位置にあり、具体的には下取付材5の取付部5cに対して、下取付材被取付部31は図中左側に位置している。
【0019】
4.位置合わせ工程
係止工程における係止状態(
図3(4a))から、
図4(a)に矢印G2で示すように、看板本体7を更に横方向にスライドし、下取付材5の取付部5cの位置に、看板本体7の下取付材被取付部31を一致させる。
この位置合わせ工程では、上被係止具25の位置合わせ部25c(
図1(b)参照)が上係止具12の側壁12e(
図2(1a)参照)に当接し、看板本体7はそれよりも横方向(G2方向)に移動できないから、位置合わせが完了したことがわかる。換言すれば、上被係止具25の係止部25bはその全部が上係止具12の載置部12aに載置した状態となる。
また、下取付材5の取付部5cと看板本体7の下取付材被取付部31とは共に孔であるから、下から見たときにこれらが一致したことは目視でも確認できる。
【0020】
5.固定工程
図5及び
図6に示すように、看板本体7の下取付材被取付部31と下取付材5の取付部5cとに下から止める固定ボルト15を螺進して、看板本体7と下取付材5を固定する。 また、上取付材3の看板本体受け部5aの上方から上取付材固定具27の固定部27cにボルト28を螺進して、上取付材3に看板本体7を固定する。
このようにして、固定工程では、上取付材3と看板本体7を固定すると共に下取付材5の取付部5cと看板本体7の下取付材被取付部31を固定する。
【0021】
6.照明器具取付工程
図6に示すように、固定工程の後に、照明器具9を看板本体7の上枠17aに上から設けて、照明器具9に固定された左右2箇所の取付金具35を上取付材3に頭37aを係合したボルト37の軸を挿通してナット38で固定する。
その後、上カバー9a及び側面カバー9b(
図7(b)参照)を照明器具9に固定する。
【0022】
次に、本実施形態に係る看板の製造方法の作用効果について説明する。
図3(2a)~(4a)及び(2b)~4bに示すように、看板本体7は、その仮係止部23を上取付材3の上係止具12に仮係止した後(
図3(2a))、看板本体7を持ち上げて(
図3(3a)のF)横方向にスライド(
図3(4a)のG1)することで、上取付材3の上係止具12と看板本体7の上被係止具25が係止するので、上係止具12と上被係止具25の位置を目視しつつ係止する必要がないので、看板本体7の係止が容易にできるから、看板1の製造がし易い。
図3(4a)及び
図4(5a)に示すように、上取付材3と看板本体7とが係止状態のまま、下取付材5の取付部5cと看板本体7の下取付材被取付部31の位置合わせを合うことができるので、位置合わせの為に看板本体を持ち上げたり支えたりする必要がないから、位置合わせがし易い。
【0023】
係止工程では、看板本体7が上取付材3の看板本体取付け部3aの下面に当接する位置を、上被係止具25が係止具12から横方向にのみずれた位置に設定されているので、看板本体7は上取付材3に当接させた後、そのまま横方向にずらせば良いので、看板本体7の係止操作がし易い。
更に、本実施形態では、下取付材5の取付部5cと看板本体7の下取付材被取付部31との位置合わせは、上被係止具25の位置合わせ部25cが上係止具12の側壁12eに当接するので、位置合わせを更に簡易に行うことができる。
図10に示すように、位置合わせ部25cは、平板を平面視Z形状に形成することで設けることができるので、位置合わせ部25cの製造が容易である。
【0024】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、係止工程で看板本体7を持ち上げたときに、看板本体7の上面18が上取付材3の看板本体取付け部3aに当接したが、これに限らず、看板本体7に設けた突起や段差部が上取付材3に当接しても良く、看板本体7が上取付材3に当接すれば良い。
下取付材被取付部31は、左右方向の長孔に形成することに限らず、丸孔であっても良い。
上被係止具25の係止部25bは、平板を平面視Z形状で先端を左右方向に突設する形状としたが、これに限らず、側面視コ字形状としたり、側面視L字形状として上係止具12の載置部12aに載置する形状としても良い。
【符号の説明】
【0025】
1 看板
2 躯体
3 上取付材
5 下取付材
5c 取付部
12 上係止具
23 仮係止部
25 上被係止具
27 上取付材固定具
27c 固定部
31 下取付材被取付部