(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035591
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】乗物用調光パネル及び乗物用調光システム
(51)【国際特許分類】
B60J 3/04 20060101AFI20240307BHJP
B60J 1/00 20060101ALI20240307BHJP
B60Q 3/208 20170101ALI20240307BHJP
B60Q 3/80 20170101ALI20240307BHJP
B60Q 3/62 20170101ALI20240307BHJP
【FI】
B60J3/04
B60J1/00 W
B60Q3/208
B60Q3/80
B60Q3/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140159
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】村尾 浩二
【テーマコード(参考)】
3K040
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040BA00
3K040CA05
3K040DA05
3K040EA01
3K040GC01
(57)【要約】
【課題】乗物の室内に任意の調光パターンで光を取り込むことができる乗物用調光パネルを提供する。
【解決手段】本開示の一態様は、乗物の窓を構成する乗物用調光パネルである。乗物用調光パネルは、透光性を有する板状の基材と、基材に重ねて配置された第1透明電極層と、第1透明電極層に重ねて配置されると共に、複数の液晶分子と前記複数の液晶分子を保持する透明高分子層とを有する液晶層と、液晶層に重ねて配置された第2透明電極層と、を備える。第1透明電極層及び第2透明電極層の少なくとも一方は、電気的に互いに独立すると共に、液晶層の板面に沿って並置された複数の電極素子を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物の窓を構成する乗物用調光パネルであって、
透光性を有する板状の基材と、
前記基材に重ねて配置された第1透明電極層と、
前記第1透明電極層に重ねて配置されると共に、複数の液晶分子と前記複数の液晶分子を保持する透明高分子層とを有する液晶層と、
前記液晶層に重ねて配置された第2透明電極層と、
を備え、
前記第1透明電極層及び前記第2透明電極層の少なくとも一方は、電気的に互いに独立すると共に、前記液晶層の板面に沿って並置された複数の電極素子を有する、乗物用調光パネル。
【請求項2】
請求項1に記載の乗物用調光パネルであって、
前記基材の側面から前記基材の内部に光を供給する発光体をさらに備える、乗物用調光パネル。
【請求項3】
請求項2に記載の乗物用調光パネルであって、
前記基材は、
前記第1透明電極層とは反対側に配置された入射面と、
前記第1透明電極層と対向する出射面と、
を有し、
前記出射面は、前記基材の厚み方向及び前記入射面の双方と交差する複数の傾斜面を有する、乗物用調光パネル。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗物用調光パネルと、
前記乗物用調光パネルを制御するように構成された制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
調光パターンを記憶するように構成された記憶部と、
前記調光パターンを形成するように前記複数の電極素子に電圧を印加するように構成されたパターン形成部と、
を有する、乗物用調光システム。
【請求項5】
請求項4に記載の乗物用調光システムであって、
前記乗物の乗員の位置を検出するように構成されたセンサをさらに備え、
前記パターン形成部は、前記センサが検出した前記乗員の位置に基づいて前記複数の電極素子への電圧の印加を制御するように構成される、乗物用調光システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗物用調光パネル及び乗物用調光システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶分子を含む液晶層を用いた調光パネルが公知である(特許文献1参照)。この調光パネルでは、液晶層を挟む2つの電極間における電圧の印加及び解除によって、液晶層の透光状態と遮光状態とを切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の調光パネルでは、調光パネル全体又は調光パネルにおけるライン状の領域に対してのみ、透光状態と遮光状態とを切り替えることができる。そのため、乗物等の窓において任意の調光パターンを形成することができない。
【0005】
本開示の一局面は、乗物の室内に任意の調光パターンで光を取り込むことができる乗物用調光パネルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、乗物(100)の窓を構成する乗物用調光パネル(1)である。乗物用調光パネル(1)は、透光性を有する板状の基材(2)と、基材(2)に重ねて配置された第1透明電極層(3)と、第1透明電極層(3)に重ねて配置されると共に、複数の液晶分子と前記複数の液晶分子を保持する透明高分子層とを有する液晶層(4)と、液晶層(4)に重ねて配置された第2透明電極層(5)と、を備える。第1透明電極層(3)及び第2透明電極層(5)の少なくとも一方は、電気的に互いに独立すると共に、液晶層(4)の板面に沿って並置された複数の電極素子(51)を有する。
【0007】
このような構成によれば、画素となる複数の電極素子(51)それぞれの電圧の印加を制御することで、電極素子(51)の電圧印加パターンに対応した調光パターンを液晶層(4)に形成することができる。そのため、乗物の室内に任意の調光パターンで光を取り込むことができる。
【0008】
本開示の一態様は、基材(2)の側面(23)から基材(2)の内部に光を供給する発光体(7A)をさらに備えてもよい。このような構成によれば、雨天や曇天であっても乗物(100)の室内に光を取り込むことができる。
【0009】
本開示の一態様では、基材(2)は、第1透明電極層(3)とは反対側に配置された入射面(21)と、第1透明電極層(3)と対向する出射面(22)と、を有してもよい。出射面(22)は、基材(2)の厚み方向及び入射面(21)の双方と交差する複数の傾斜面(22A)を有してもよい。このような構成によれば、発光体(7A)の光を効率よく液晶層(4)に導光することができる。
【0010】
本開示の別の態様は、乗物用調光パネル(1)と、乗物用調光パネル(1)を制御するように構成された制御装置(12)と、を備える乗物用調光システム(10)である。制御装置(12)は、調光パターンを記憶するように構成された記憶部(12A)と、調光パターンが形成されるように複数の電極素子(51)に電圧を印加するように構成されたパターン形成部(12B)と、を有する。
【0011】
このような構成によれば、記憶部(12A)への調光パターンの追加によって、ユーザが新たな調光パターンを利用することができる。
【0012】
本開示の一態様は、乗物(100)の乗員の位置を検出するように構成されたセンサ(11)をさらに備えてもよい。パターン形成部(12B)は、センサ(11)が検出した乗員の位置に基づいて複数の電極素子(51)への電圧の印加を制御するように構成されてもよい。このような構成によれば、乗員の目に入射する光を遮光する制御が可能となる。そのため、乗物(100)における乗員の快適性が向上する。
【0013】
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態における調光パネルの使用状態を示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態における乗物用調光システムを示す模式的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す乗物用調光パネル1(以下、単に「調光パネル1」ともいう。)は、自動車100の窓を構成するパネルである。
【0016】
本実施形態では、調光パネル1は、自動車100の屋根101の一部を構成している。調光パネル1は、自動車100の外部の光(主に太陽光)を車室内に取り込むように構成されている。調光パネル1は、外部の光の取り込み量を調整することが可能である。
【0017】
図2A及び
図2Bに示すように、調光パネル1は、基材2と、第1透明電極層3と、液晶層4と、第2透明電極層5と、保護材6と、第1発光体7Aと、第2発光体7Bとを備える。
【0018】
なお、本実施形態では、調光パネル1が自動車100に取り付けられた状態で、自動車100の前後方向と平行な軸をX軸、自動車100の左右方向と平行な軸をY軸、自動車100の上下方向(つまり調光パネル1の厚み方向)と平行な軸をZ軸とする。
【0019】
<基材>
基材2は、透光性を有する板状の部材である。基材2は、調光パネル1の最外層を構成している。基材2の材質としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、ガラスなどが使用できる。
【0020】
<第1透明電極層>
第1透明電極層3は、基材2の内側の板面に重ねて配置されている。第1透明電極層3は、導電性及び透光性を有する。
【0021】
第1透明電極層3の材質としては、例えば、インジウム錫オキサイド、酸化インジウム、インジウム亜鉛オキサイド等を主成分とする酸化インジウム系透明電極材料、酸化錫、酸化亜鉛等を主成分とする透明導電膜、ポリアニリン、ポリアセチレン等の導電性高分子化合物などが使用できる。
【0022】
<液晶層>
液晶層4は、第1透明電極層3の基材2とは反対側の板面(つまり出射面)に重ねて配置されている。液晶層4は、複数の液晶分子と、透明高分子層とを有する。透明高分子層は、透光性を有する高分子で構成されるマトリクスであり、複数の液晶分子を保持している。複数の液晶分子は、透明高分子層内に分散している。
【0023】
液晶層4に電圧が印加されていない状態では、複数の液晶分子は不規則に配向する。そのため、基材2を通過して液晶層4に進入した光が散乱し、液晶層4の出射面側からの光の視認性が低下する遮光状態となる。
【0024】
一方、液晶層4に対し厚み方向に電圧が印加されると、複数の液晶分子が液晶層4の厚み方向に沿って配向する。そのため、液晶層4に進入した光の散乱が抑えられ、液晶層4の出射面側からの光の視認性が最大化する透光状態となる。
【0025】
<第2透明電極層>
第2透明電極層5は、液晶層4の第1透明電極層3とは反対側の板面(つまり出射面)に重ねて配置されている。第2透明電極層5は、第1透明電極層3と共に、液晶層4を厚み方向に挟んでいる。第2透明電極層5の材質は、第1透明電極層3と同様である。
【0026】
第2透明電極層5は、電気的に互いに独立すると共に、液晶層4の板面に沿って並置された複数の電極素子51を有する。複数の電極素子51は、X軸及びY軸それぞれに沿った複数の列を有するマトリクス(つまり格子)を構成している。
【0027】
複数の電極素子51は、1つずつ電圧の印加及びその解除が制御可能である。液晶層4のうち、電圧が印加された電極素子51と重なる部位は透光状態となり、電圧が印加されていない電極素子51と重なる部位は遮光状態となる。複数の電極素子51は、液晶層4における調光パターンを構成する画素に対応する。
【0028】
全ての電極素子51に電圧を印加することで、液晶層4全体が透光状態となる調光パターンが得られる。一方、全ての電極素子51に電圧を印加しないことで、液晶層4全体が遮光状態となる調光パターンが得られる。
【0029】
また、複数の電極素子51のうち任意の電極素子51に電圧を印加することで、
図3A及び
図3Bに示すような模様を有する調光パターンが得られる。
図3Aは、遮光部分が複数のドット、透光部分が複数のドット以外の領域で構成される調光パターンである。
図3Bは、遮光部分が幾何学的図形を構成する線、透光部分が幾何学的図形の内部領域で構成される調光パターンである。
【0030】
この他にも、例えば、木の葉をイメージした図形、フラクタル図形等で構成される調光パターンも第2透明電極層5によって形成することができる。このような調光パターンによって、車室内に木漏れ日を再現することができる。その結果、木漏れ日の視覚効果を介して、乗員に対しリラックス効果及び心身の疲労軽減効果を提供できる。
【0031】
<保護材>
図2Bに示す保護材6は、透光性を有する板状の部材である。保護材6は、第2透明電極層5の液晶層4とは反対側の板面に重ねて配置されている。保護材6は、調光パネル1の最内層(つまり車室の天面)を構成している。保護材6の材質としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、ガラスなどが使用できる。
【0032】
<発光体>
第1発光体7A及び第2発光体7Bは、それぞれ基材2の内部に光を供給する。
図4Aに示すように、第1発光体7Aは、基材2の板面(つまり入射面21及び出射面22)と交差する側面23に取り付けられ、この側面23から基材2の内部に光を供給する。
【0033】
第1発光体7Aが取り付けられる側面23は、基材2において自動車100の前方の面である。第2発光体7Bは、第1発光体7Aが取り付けられた側面23とは反対側の側面に取り付けられている(
図2A参照)。つまり、第1発光体7Aと第2発光体7Bとは、X軸に沿って基材2を挟むように配置されている。ただし、第1発光体7Aと第2発光体7Bとは、Y軸に沿って基材2を挟むように配置されてもよい。
【0034】
第1発光体7Aは、光源71と、ハウジング72とを有する。光源71としては、例えば、太陽光のスペクトルに近いスペクトルの照明光Lを出射するLEDが使用できる。光源71は、Y軸に沿って延伸しており基材2の側面23と対向している。ハウジング72は、光源71を内部に保持すると共に、基材2の端部に取り付けられている。
【0035】
基材2の入射面21は、第1透明電極層3(
図4Aでは図示省略)とは反対側に配置された板面であり、基材2(
図4Aでは図示省略)と対向している。入射面21は、凹凸を有しない。
【0036】
基材2の出射面22は、第1透明電極層3と対向する板面である。出射面22は、基材2の厚み方向(つまりZ軸)及び入射面21の双方と交差する複数の傾斜面22Aを有する。複数の傾斜面22Aは、出射面22において入射面21に向かって凹んだノッチによって構成されている。傾斜面22Aを構成するノッチは、例えば、錐形状の凹部又は溝である。
【0037】
図4Bに示すように、光源71から出射され、側面23を通過した照明光Lは、入射面21での反射と、出射面22の傾斜面22A以外の部位での反射とを繰り返しながら基材2の内部を進む。照明光Lは、臨界角以下となる入射角で傾斜面22Aに到達すると、傾斜面22Aを通過して基材2の外部に出射される。これにより、
図4Aに示すように、外部光Sと共に照明光Lが車室内に向かって出射される。
【0038】
第2発光体7Bは、第1発光体7Aと同様の構成を有する。第2発光体7Bから出射された照明光Lも、傾斜面22Aから車室内に向かって出射される。
【0039】
第1発光体7A及び第2発光体7Bによって、雨天、曇天等の太陽光が弱い状態でも、車室内に木漏れ日を再現することができる。また、夜間では、第1発光体7A及び第2発光体7Bをドームランプとして使用することができる。
【0040】
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)画素となる第2透明電極層5の複数の電極素子51それぞれの電圧の印加を制御することで、電極素子51の電圧印加パターンに対応した調光パターンを液晶層4に形成することができる。そのため、自動車100の室内に任意の調光パターンで光を取り込むことができる。
【0041】
(1b)第1発光体7A及び第2発光体7Bによって、雨天や曇天であっても自動車100の室内に光を取り込むことができる。
(1c)基材2の出射面22が傾斜面22Aを有することで、第1発光体7A及び第2発光体7Bの光を効率よく液晶層4に導光することができる。
【0042】
[2.第2実施形態]
[2-1.構成]
図5に示す乗物用調光システム10は、
図1の自動車100において、調光パネル1を用いて車室の調光を行う。乗物用調光システム10は、調光パネル1と、センサ11と、制御装置12とを有する。調光パネル1は、第1実施形態で説明したものである。
【0043】
<センサ>
センサ11は、自動車100の乗員の位置を検出するように構成されている。
図1に示すように、センサ11としては、例えば、車室内の画像を取得するカメラが使用できる。
【0044】
<制御装置>
制御装置12は、調光パネル1を制御するように構成されている。制御装置12は、例えばプロセッサと、RAM、ROM等の記憶媒体と、入出力部と、ネットワーク通信部とを備えるコンピュータ(つまり情報処理装置)である。
【0045】
制御装置12は、記憶部12Aと、パターン形成部12Bと、通信部12Cとを有する。なお、制御装置12は、自動車100に搭載されるエレクトロニックコントロールユニット(ECU)に組み込まれてもよい。
【0046】
<記憶部>
記憶部12Aは、複数の調光パターンを記憶するように構成されている。記憶部12Aは、例えばサーバからダウンロードされた新たな調光パターンを追加で記憶可能である。
【0047】
<パターン形成部>
パターン形成部12Bは、記憶部12Aが記憶している調光パターンが形成されるように、第2透明電極層5の複数の電極素子51に電圧を印加するように構成されている。
【0048】
パターン形成部12Bが形成する調光パターンは、例えば、乗員から制御装置12への入力によって設定される。また、パターン形成部12Bは、タイマー等により自動で調光パターンを変化させてもよい。
【0049】
また、パターン形成部12Bは、センサ11が検出した乗員の位置に基づいて、第2透明電極層5の複数の電極素子51への電圧の印加を制御する。例えば、「調光パネル1を透過した光が当たる位置に乗員の顔(特に目)がある」とパターン形成部12Bが判定した場合、パターン形成部12Bは、乗員の顔に光が当たらない調光パターンに調光パネル1を切り替える。
【0050】
なお、乗員における、調光パネル1を透過した光が当たっている部位の判定は、例えばセンサ11が取得した画像解析によって行うことができる。
【0051】
<通信部>
通信部12Cは、自動車100の外部のサーバと無線通信を行うように構成されている。通信部12Cは、新たな調光パターンをサーバからダウンロードする。
【0052】
[2-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2a)記憶部12Aへの調光パターンの追加によって、乗員が新たな調光パターンを利用することができる。
【0053】
(2b)センサ11が検出した乗員の位置に基づいて複数の電極素子51への電圧の印加を制御することで、乗員の目に入射する光を遮光する制御が可能となる。そのため、自動車100における乗員の快適性が向上する。
【0054】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0055】
(3a)上記実施形態の乗物用調光パネルにおいて、第2透明電極層に代えて、第1透明電極層に調光パターンを構成する複数の電極素子が設けられてもよい。
【0056】
(3b)上記実施形態の乗物用調光パネルにおいて、基材の出射面は必ずしも傾斜面を有しなくてもよい。また、乗物用調光パネルは、必ずしも発光体を備えなくてもよい。
【0057】
(3c)上記実施形態の乗物用調光パネルは、自動車以外の例えば、鉄道車両、船舶、航空機等の乗物にも使用できる。また、乗物用調光パネルは、乗物の屋根以外の部位(例えば側壁等)に設けられる窓にも適用できる。
【0058】
(3d)上記実施形態の乗物用調光システムは、必ずしも乗員の位置を検出するセンサを備えなくてもよい。パターン形成部は、必ずしも乗員の位置に基づいて複数の電極素子への電圧の印加を制御しなくてもよい。
【0059】
(3e)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0060】
1…乗物用調光パネル、2…基材、3…第1透明電極層、4…液晶層、
5…第2透明電極層、6…保護材、7A…第1発光体、7B…第2発光体、
10…乗物用調光システム、11…センサ、12…制御装置、12A…記憶部、
12B…パターン形成部、12C…通信部、21…入射面、22…出射面、
22A…傾斜面、23…側面、51…電極素子、71…光源、72…ハウジング、
100…自動車、101…屋根。