(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035608
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】移動式除草装置
(51)【国際特許分類】
A01M 21/04 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
A01M21/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140186
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 隆
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA19
2B121DA17
2B121DA33
2B121DA36
2B121EA25
(57)【要約】
【課題】除去すべき植物の検出精度の低下を抑制する。
【解決手段】移動式除草装置は、カメラと、照明部と、検出部と、レーザ部と、を備える。照明部は、光を照射するよう構成される。検出部は、カメラが生成した画像に基づき、画像処理領域おける予め定められた植物を検出するよう構成される。レーザ部は、検出部が検出した植物に対しビームを照射するよう構成される。正反射が生じる仮想平面に移動式除草装置が配置されたと仮定した場合に、カメラの撮影により生成された画像に照明部の光源が映らないように、照明部の位置又は向きが調整されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式除草装置であって、
前記移動式除草装置の下方の撮影領域を撮影し、画像を生成するよう構成されるカメラと、
前記撮影領域の明るさを向上させるため、光を照射するよう構成される照明部と、
前記画像に基づき、前記撮影領域に含まれる画像処理領域おける予め定められた植物を検出するよう構成される検出部と、
前記検出部が検出した前記植物に対しビームを照射するよう構成されるレーザ部と、
を備え、
正反射が生じる仮想平面に前記移動式除草装置が配置されたと仮定した場合に、前記カメラの撮影により生成された前記画像に前記照明部の光源が映らないように、前記照明部の位置又は向きが調整されている
移動式除草装置。
【請求項2】
請求項1に記載の移動式除草装置であって、
前記カメラの向きと、前記照明部が光を照射する向きとは、略同一である
移動式除草装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の移動式除草装置であって、
前記ビームの波長は、400nm以上550nm以下である
移動式除草装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の移動式除草装置であって、
水を放出するよう構成された放出部をさらに備える
移動式除草装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動式除草装置に関する。
【背景技術】
【0002】
農地を走行し、三次元イメージャにより生成された地面の画像に基づき雑草を検出すると共に、検出した雑草にビームを照射することで、該雑草を除去する自走式のシステムが知られている(例えば、特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-53941号公報
【特許文献2】特開2015-53942号公報
【特許文献3】特開2015-62412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したシステムには、三次元イメージャにより映し出される地面を照らす照明が設けられる。このため、例えば、植物が濡れている場合や、地面に水が溜まっている場合等には、水で反射した光が三次元イメージャにより形成される画像に映り込み、その結果、除去すべき植物の検出精度が低下する恐れがある。
【0005】
本開示の一態様では、除去すべき植物の検出精度の低下を抑制するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、移動式除草装置であって、カメラと、照明部と、検出部と、レーザ部と、を備える。カメラは、移動式除草装置の下方の撮影領域を撮影し、画像を生成するよう構成される。照明部は、撮影領域の明るさを向上させるため、光を照射するよう構成される。検出部は、画像に基づき、撮影領域に含まれる画像処理領域おける予め定められた植物を検出するよう構成される。レーザ部は、検出部が検出した植物に対しビームを照射するよう構成される。正反射が生じる仮想平面に移動式除草装置が配置されたと仮定した場合に、カメラの撮影により生成された画像に照明部の光源が映らないように、照明部の位置又は向きが調整されている。
【0007】
上記構成によれば、照明部の光源からの光が撮影領域での反射によりカメラに入射し、カメラの画像に映り込むのを抑制できる。このため、カメラによる除去すべき植物の検出精度の低下を抑制できる。
【0008】
本開示の一態様では、カメラの向きと、照明部が光を照射する向きとは、略同一であってもよい。
上記構成によれば、撮影領域で反射した照明部からの光がカメラにより撮影された画像に映り込むのを、より一層抑制できる。
【0009】
本開示の一態様では、ビームの波長は、400nm以上550nm以下であってもよい。
上記構成によれば、ビームが撮影領域に存在する水に吸収されるのを抑制できる。このため、より好適に植物を除去できる。
【0010】
本開示の一態様は、水を放出するよう構成された放出部をさらに備えてもよい。
上記構成によれば、ビームの照射により発火した場合であっても、水の放出によりこれを消火できる。また、水の放出により撮影領域で光の反射が生じ易くなった場合であっても、カメラによる除去すべき植物の検出精度の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】移動式除草装置を前方から視認した際のブロック図である。
【
図2】経路情報により示される耕地における経路、畝、及び作物の説明図である。
【
図3】移動式除草装置を側方から視認した際のブロック図である。
【
図4】移動式除草装置を上方から視認した際のブロック図である。
【
図5】変形例の移動式除草装置を側方から視認した際のブロック図である。
【
図6】変形例の移動式除草装置を前方から視認した際のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0013】
[1.概要]
本実施形態の移動式除草装置1は、作物21を栽培する耕地2にて、作物21以外の植物である雑草22を除去する(
図1参照)。移動式除草装置1は、自走式であり、耕地2を走行しながら雑草22を検出すると共に、検出した雑草22にビームを照射することで、除草作業を行う。
【0014】
移動式除草装置1は、制御部10、電源11、レーザ部12、カメラ13、複数の照明部14、噴射部15、タンク16、走行部17、筐体18、及びカバー19を備える。
制御部10は、筐体18の内部に設けられ、移動式除草装置1を統括制御する部位であり、CPU及びメモリを備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行し、これにより、移動式除草装置1の各種機能が実現される。なお、制御部10により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、1つ又は複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0015】
この他にも、制御部10は、移動式除草装置1の位置(以後、現在地)を検出するよう構成される。具体的には、制御部10は、例えば、GPSにより現在地を検出しても良いし、センサにより移動式除草装置1の速度及び進行方向を検出し、これらの検出結果に基づき、現在地を検出しても良い。
【0016】
電源11は、筐体18の内部に配置された充電式のバッテリを備え、移動式除草装置1の各部位に電力を供給する。
レーザ部12は、レーザ発振器、レーザヘッド、及び光学系等を備え、雑草22を除去するためのビームを照射する。なお、照射されるビームの波長は、一例として、400nm以上550nm以下となっている。また、レーザ部12は、筐体18の内部に設けられており、筐体18の下部から、後述する画像処理領域1Cにおける所定の位置にビームを照射するよう構成されている。
【0017】
カメラ13は、筐体18の下部に設けられており、上方から後述する撮影領域1Bを撮影し、撮影領域1Bの画像を生成する。
複数の照明部14は、筐体18の下側に設けられており、撮影領域1Bを照らす。
【0018】
走行部17は、カバー19の下側に設けられ、移動式除草装置1を走行させるためのタイヤ及びモータを備える。
カバー19は、筐体18における四角形状の下面の各辺から下方に突出するように設けられる壁状の部位であり、筐体18の下側の空間(以後、内部空間1A)を四方から囲む。上述した撮影領域1Bは、筐体18の真下の地面に位置し、撮影領域1Bの上方に内部空間1Aが位置する。カバー19により、複数の照明部14により照らされている撮影領域1Bの明るさが保持される。なお、移動式除草装置1は、カバー19を備えない構成であっても良い。
【0019】
また、撮影領域1Bにおける少なくとも一部が、雑草22を検出するための画像処理の対象となる画像処理領域1Cが設定されている。撮影領域1B及び画像処理領域1Cは、一例として四角形となっている。また、一例として、撮影領域1Bにおける外縁の付近の領域を除いた四角形の部分が、画像処理領域1Cとして設定されており、画像処理領域1Cの外縁は、撮影領域1Bの外縁から離間している。しかし、これに限らず、画像処理領域1Cは、撮影領域1B内で適宜定められ得る。また、撮影領域1Bの全域が画像処理領域1Cとなっていても良い。
【0020】
[2.除草作業について]
移動式除草装置1は、制御部10のメモリに記憶されている経路情報に従い耕地2を走行し、除草作業を行う。
図2に示すように、経路情報は、一例として、耕地2における各畝20の位置及び各作物21の位置と、移動式除草装置1が耕地2を走行する際の経路23と、移動式除草装置1が停止して除草作業を行う経路23上の位置である停止位置とを示す。
【0021】
一例として、耕地2は4つの畝20を有しており、各畝20では、6つの作物21が、一定の間隔(一例として、60cm)を開けて設定された位置で栽培されている。また、各畝20に対し、識別情報としてX(1~4の整数)が設定されていると共に、各畝20の各作物21に対し、識別情報としてY(1~6の整数)が設定されている。そして、X、Yの座標により、耕地2における各作物21の位置が特定される。
【0022】
また、
図2の経路情報では、一例として、各畝20に沿って経路23が設定されており、移動式除草装置1は、走行部17のタイヤの間に畝20が位置する状態で、経路23に沿って走行する。また、経路情報では、一例として、座標(4、1)に位置する作物21に隣接して始点23Aが設定されると共に、座標(1、1)に位置する作物21に隣接して終点23Bが設定される。そして、始点23Aから終点23Bに至るまで、各畝20に沿って経路23が設定される。
【0023】
また、経路情報では、各作物21の位置が停止位置として設定されており、移動式除草装置1が停止位置にて停止すると、該停止位置における作物21は、移動式除草装置1の画像処理領域1Cに位置する(
図1参照)。移動式除草装置1は、経路23に沿って走行すると共に、各停止位置にて停止し、停止位置の作物21の周辺の除草作業を行う。
【0024】
具体的には、移動式除草装置1が停止位置にて停止すると、制御部10は、複数の照明部14を点灯して撮影領域1Bを照らすと共に、カメラ13により撮影領域1Bを撮影し、画像データを生成する。また、制御部10は、画像データが示す画像に基づき画像処理領域1Cの画像認識を行い、画像処理領域1Cに存在する作物21及び雑草22を検出する検出部としての機能を有する。そして、制御部10は、レーザ部12を制御し、検出した雑草22に対しビームを照射する。
【0025】
[3.複数の照明部及びカメラ]
移動式除草装置1は、例えば、植物に付着している水や地面にたまった水での反射により、複数の照明部14の光源14Aがカメラ13に映り込むのを抑制するよう構成されている。なお、以下の説明において、移動式除草装置1の進行方向を前側とし、その反対側を後側とする。
【0026】
すなわち、移動式除草装置1が、正反射が生じる仮想平面3に配置され、該仮想平面3上で除草作業を行うと仮定する(
図3~6参照)。このような場合に、カメラ13の撮影により生成された画像に各照明部14の光源14Aが映らないように、各照明部14の位置又は向きが調整されている。
【0027】
一例として、カメラ13は、筐体18の下部であって、カバー19の後側部分の付近に設けられており、仮想平面3における移動式除草装置1の内部空間1Aに接する領域の中央を向いている。また、該領域における外縁から一定の距離を隔てた部分が撮影領域1Bとして設定され、さらに、撮影領域1B内に画像処理領域1Cが設定される。
【0028】
そして、言うまでも無く、カメラ13の正面の第1空間に位置する物体は、カメラ13に映り込む。さらに、上述したように、画像処理領域1Cは正反射が生じる仮想平面3に形成されているため、画像処理領域1Cでの正反射により、第1空間の前方に位置する第2空間に存在する物体も、カメラ13に映り込む。
【0029】
つまり、第1及び第2空間が、カメラ13に映り込む撮影空間4となり、各照明部14は、内部空間1Aにおける撮影空間4以外の領域である非撮影空間5に位置する。具体的には、移動式除草装置1は、一例として、2つの照明部14を有し、これらの照明部14は、筐体18の下方であって、カバー19の後側部分に設けられる。
【0030】
また、これらの照明部14は、カメラ13と略同一の方向を向くように設けられている。つまり、各照明部14における光の照射領域の中心を通過する光軸の向きと、カメラ13の向きとが略同一となっている。
【0031】
無論、各照明部14の位置は、これに限らず、非撮影空間5内で適宜定められる。具体的には、例えば、各照明部14は、カバー19の前側部分における下部に配置されていても良い(
図3参照)。また、カメラ13は、例えば、カバー19の後側部分、右側部分、又は、左側部分の付近に設けられていても良い。また、カメラ13の向きもまた、適宜調整され得る。
【0032】
この他にも、例えば、カメラ13は、筐体18の下部における前後方向及び左右方向の中央に位置すると共に、鉛直方向の下側を向くように配置されていても良い(
図5、6参照)。この場合、カメラ13の真下に撮影領域1Bが形成されると共に、撮影領域1B内の画像処理領域1Cの真上に位置する空間が、撮影空間4となる。そして、内部空間1Aにおける撮影空間4以外の領域が、非撮影空間5となる。
【0033】
そして、各照明部14は、例えば、各照明部14は、カバー19の前側部分又は後側部分の付近の非撮影空間5に設けられても良いし(
図5参照)、カバー19の右側部分又は左側部分の付近の非撮影空間5に設けられても良い(
図6参照)。
【0034】
さらに、各照明部14を撮影空間4に配置しつつ、各照明部14の光源14Aがカメラ13に映り込まないよう、各照明部14の向きが調整されていても良い。具体的には、例えば、
図5、6のように、カメラ13が鉛直方向の下側を向く場合であれば、鉛直方向の上側を向いた状態で、各照明部14を撮影空間4に配置しても良い。
【0035】
また、照明部14の数は、2個に限らず、1個又は3個以上であっても良い。また、照明部14が複数設けられている場合には、照明部14の一部が、カメラ13の撮影により生成された画像に光源14Aが映らないように位置又は向きが調整されていても良いし、照明部14の全部について、このような調整がなされていても良い。
【0036】
[4.噴射部]
噴射部15は、筐体18の内部に設けられており、タンク16に貯留されている水を、筐体18の下部から地面における所定の位置に向けて噴射する。
【0037】
より詳しくは、雑草22に向けて照射されたビームが枯草やマルチシート等にも照射され、発火が生じる恐れがある。これにより、作物21の栽培に悪影響が生じたり、移動式除草装置1(例えば、レーザ部12)にて故障が生じたりする恐れがある。
【0038】
これに対し、制御部10は、図示しない温度センサや煙センサ等を介して発火を検出するよう構成されている。そして、制御部10は、カメラ13により撮影された画像に基づき、発火が生じた場所を特定し、噴射部15により特定した場所に向けて水を噴射することで、消火を行う。これにより、撮影領域1Bにおけるいずれかの場所に水が噴射され得る。
【0039】
なお、これに限らず、移動式除草装置1は、噴射部15に替えて、タンク16の水を、地面における移動式除草装置1の下方に位置する領域全体に散布する機構を備えていても良い。そして、発火を検出した際、該領域全体に水を散布するようにしても良い。
【0040】
[5.効果]
(1)上記実施形態によれば、照明部14の光源14Bからの光が、撮影領域1Bに位置する植物に付着した水や、地面にたまった水での反射によりカメラ13に入射し、カメラ13の画像に映り込むのを抑制できる。このため、カメラ13で撮影された画像に基づく画像認識により雑草22を検出する際、誤検出が生じるのを抑制できる。したがって、カメラ13による雑草22の検出精度の低下を抑制できる。また、性能の低いカメラ13を用いた場合であっても、雑草22を精度良く検出でき、カメラ13のコストを低減できる。
【0041】
(2)また、カメラ13の向きと、照明部14が光を照射する向きとは、略同一である。このため、撮影領域1Bで反射した照明部14からの光がカメラ13により撮影された画像に映り込むのを、より一層抑制できる。
【0042】
(3)また、レーザ部12から照射されるビームの波長は、400nm以上550nm以下である。これにより、ビームが撮影領域1Bに存在する水に吸収されるのを抑制できる。このため、より好適に植物を除去できる。また、レーザ部12におけるビームの出力を低下させることや、除草のためのビームの照射時間を短縮することができ、その結果、レーザ部12の小型化や、電源11におけるバッテリ容量の低下が可能となる。
【0043】
(4)また、移動式除草装置1は、ビームの照射により発火した際に消火をするため、地面に水を噴射する噴射部15を備える。これにより、水の噴射により撮影領域1Bで光の反射が生じ易くなった場合であっても、カメラ13による除去すべき植物の検出精度の低下を抑制できる。
【0044】
[6.他の実施形態]
(1)上記実施形態の移動式除草装置1は、所定の植物が栽培されていたり、所定の植物が自生していたりする耕地2以外の場所(例えば、公園や庭等)での雑草22の除去に用いられても良い。この他にも、移動式除草装置1は、保護すべき植物が存在しない場所における雑草22の除去に用いられても良い。つまり、特定の場所に存在する全ての植物を雑草22とみなし、このような雑草22を除去するために移動式除草装置1が用いられても良い。
【0045】
(2)上記実施形態の移動式除草装置1は、自走式であり、経路情報に従い自動的に走行するよう構成されている。しかし、移動式除草装置1は、ユーザからの操作に従い経路に沿って移動しても良いし、他の装置や人手により移動し、同様にして除草作業を行っても良い。また、移動式除草装置1は、飛行により移動するよう構成されていても良い。
【0046】
(3)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0047】
[7.文言の対応関係]
噴射部15及びタンク16が、放出部の一例に相当する。
[8.本明細書が開示する技術思想]
【0048】
[項目1]
移動式除草装置であって、
前記移動式除草装置の下方の撮影領域を撮影し、画像を生成するよう構成されるカメラと、
前記撮影領域の明るさを向上させるため、光を照射するよう構成される照明部と、
前記画像に基づき、前記撮影領域に含まれる画像処理領域おける予め定められた植物を検出するよう構成される検出部と、
前記検出部が検出した前記植物に対しビームを照射するよう構成されるレーザ部と、
を備え、
正反射が生じる仮想平面に前記移動式除草装置が配置されたと仮定した場合に、前記カメラの撮影により生成された前記画像に前記照明部の光源が映らないように、前記照明部の位置又は向きが調整されている
移動式除草装置。
[項目2]
項目1に記載の移動式除草装置であって、
前記カメラの向きと、前記照明部が光を照射する向きとは、略同一である
移動式除草装置。
[項目3]
項目1又は項目2に記載の移動式除草装置であって、
前記ビームの波長は、400nm以上550nm以下である
移動式除草装置。
[項目4]
項目1から項目3のうちのいずれか1項に記載の移動式除草装置であって、
水を放出するよう構成された放出部をさらに備える
移動式除草装置。
【符号の説明】
【0049】
1…移動式除草装置、1A…内部空間、1B…撮影領域、1C…画像処理領域、10…制御部、12…レーザ部、13…カメラ、14…照明部、14A…光源、15…噴射部、16…タンク、17…走行部、18…筐体、19…カバー、2…耕地、21…作物、22…雑草、23…経路、3…仮想平面、4…撮影空間、5…非撮影空間。