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特開2024-35626情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、情報管理装置および情報管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035626
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、情報管理装置および情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240307BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140211
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】占部 宏生
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勇作
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理すること。
【解決手段】全体管理サーバ10は、アプリケーションの利用要求を第1の利用者から取得し、第1の利用者に要求された当該アプリケーションを構築する管理領域を設定し、第1の利用者に対して設定された管理領域に、要求された当該アプリケーションを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションの利用要求を第1の利用者から取得する取得部と、
前記第1の利用者に、要求された前記アプリケーションを実行するための管理領域を設定する設定部と、
前記第1の利用者に対して設定された前記管理領域に、要求された前記アプリケーションを提供する提供部と、
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記設定部は、
前記第1の利用者に対して設定された前記管理領域を分割して、前記管理領域内に複数領域を生成し、
前記提供部は、
要求された前記アプリケーションを構成する複数のアプリケーションそれぞれを前記複数領域それぞれにインストールする、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記設定部は、
クラウド環境を提供するクラウドシステムのリソースを分割して割り当てた前記管理領域を生成し、
前記提供部は、
前記管理領域に割り当てられたリソースを用いて情報管理装置として生成された仮想マシンに、前記アプリケーションをインストールする、
請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記設定部は、
前記管理領域を分割して、前記管理領域内に複数領域を生成し、
前記提供部は、
前記複数領域それぞれに構築された複数の情報管理装置それぞれに、前記第1の利用者が要求した複数のアプリケーションそれぞれをインストールする、
請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項5】
通知の種別に基づき、第1の利用者に対する通知または第2の利用者に対する通知の少なくともいずれかを実行する通知部、
をさらに備える請求項1から4のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記通知部は、
前記アプリケーションの実行に関する障害が発生した場合には、前記障害に対応するメインテナンスに関するメインテナンス情報を、前記第1の利用者および前記第2の利用者に対して通知する、
請求項5に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記通知部は、
前記第2の利用者が利用する前記アプリケーションのライセンスの有効期限の所定期間前に、前記ライセンスの更新を促す情報を、前記第2の利用者に対して通知する、
請求項5に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記通知部は、
前記第1の利用者が管理する前記アプリケーションのアップデートに関する情報を、前記第1の利用者に対して通知する、
請求項5に記載の情報提供装置。
【請求項9】
コンピュータが、
アプリケーションの利用要求を第1の利用者から取得し、
前記第1の利用者に、要求された前記アプリケーションを実行するための管理領域を設定し、
前記第1の利用者に対して設定された前記管理領域に、要求された前記アプリケーションを提供する、
処理を実行する情報提供方法。
【請求項10】
コンピュータに、
アプリケーションの利用要求を第1の利用者から取得し、
前記第1の利用者に、要求された前記アプリケーションを実行するための管理領域を設定し、
前記第1の利用者に対して設定された前記管理領域に、要求された前記アプリケーションを提供する、
処理を実行させる情報提供プログラム。
【請求項11】
アプリケーションを提供する情報提供装置から、前記アプリケーションを実行するための管理領域の設定を受信する受信部と、
前記情報提供装置により提供された複数のアプリケーションを、前記管理領域で実行する実行部と、
前記複数のアプリケーションそれぞれに対して、各アプリケーションを実行する利用者ごとの利用権限を付与する付与部と、
を備える情報管理装置。
【請求項12】
前記付与部は、
前記複数のアプリケーションそれぞれに対して、各アプリケーションの利用者数に応じてアプリケーションが提供する利用画面数、利用人数、または利用データ数の少なくともいずれかを設定した前記利用権限を付与する、
請求項11に記載の情報管理装置。
【請求項13】
前記複数のアプリケーションそれぞれに対して設定した利用権限、前記複数のアプリケーションそれぞれを利用する利用者に関する利用者情報、および前記複数のアプリケーションそれぞれを利用する前記利用者が変更されたことを示す変更情報を、前記情報提供装置に送信する送信部、
をさらに備える請求項11または12に記載の情報管理装置。
【請求項14】
前記送信部は、
前記複数のアプリケーションそれぞれに収容された複数の利用者に対して、前記複数の利用者それぞれが要求するアプリケーションの実行によって出力されるデータを送信する、
請求項13に記載の情報管理装置。
【請求項15】
コンピュータに、
アプリケーションを提供する情報提供装置から、前記アプリケーションを実行するための管理領域の設定を受信し、
前記情報提供装置により提供された複数のアプリケーションを、前記管理領域で実行し、
前記複数のアプリケーションそれぞれに対して、各アプリケーションを実行する利用者ごとの利用権限を付与する、
処理を実行させる情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、情報管理装置および情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードウェア等から送信される計測値や設定値などを表示させるウェブアプリケーション(適宜、単に「アプリケーション」)が知られている。例えば、管理会社は、開発会社からアプリケーションを購入し、管理会社が管理するシステムやプラント等の管理対象にセンサ等を設置する各ユーザに、アプリケーションによるサービスを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-050323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、アプリケーションを利用者に提供する上で改善の余地がある。例えば、管理会社は、利用者の多少に関わらず、複雑で機能が多いアプリケーションを一律に運用するなど、運用負荷が高く、また利用者のアプリケーション費用の負担が大きくなる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、アプリケーションの利用要求を第1の利用者から取得する取得部と、前記第1の利用者に、要求された前記アプリケーションを実行するための管理領域を設定する設定部と、前記第1の利用者に対して設定された前記管理領域に、要求された前記アプリケーションを提供する提供部と、を備える情報提供装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、コンピュータが、アプリケーションの利用要求を第1の利用者から取得し、前記第1の利用者に、要求された前記アプリケーションを実行するための管理領域を設定し、前記第1の利用者に対して設定された前記管理領域に、要求された前記アプリケーションを提供する、処理を実行する情報提供方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、コンピュータに、アプリケーションの利用要求を第1の利用者から取得し、前記第1の利用者に、要求された前記アプリケーションを実行するための管理領域を設定し、前記第1の利用者に対して設定された前記管理領域に、要求された前記アプリケーションを提供する、処理を実行させる情報提供プログラムを提供する。
【0009】
また、本発明は、アプリケーションを提供する情報提供装置から、前記アプリケーションを実行するための管理領域の設定を受信する受信部と、前記情報提供装置により提供された複数のアプリケーションを、前記管理領域で実行する実行部と、前記複数のアプリケーションそれぞれに対して、各アプリケーションを実行する利用者ごとの利用権限を付与する付与部と、を備える情報管理装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、コンピュータに、アプリケーションを提供する情報提供装置から、前記アプリケーションを実行するための管理領域の設定を受信し、前記情報提供装置により提供された複数のアプリケーションを、前記管理領域で実行し、前記複数のアプリケーションそれぞれに対して、各アプリケーションを実行する利用者ごとの利用権限を付与する、処理を実行させる情報管理プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態1に係る各装置の構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態1に係る全体管理サーバの管理情報記憶部の一例を示す図である。
図4】実施形態1に係るアプリケーションサーバのアプリケーション情報記憶部の一例を示す図である。
図5】実施形態1に係る情報処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6】実施形態2に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図7】実施形態2に係るアプリケーション提供者の表示画面の具体例を示す図である。
図8】実施形態2に係るアプリケーション管理者の表示画面の具体例を示す図である。
図9】実施形態2に係るアプリケーション利用者の表示画面の具体例を示す図である。
図10】実施形態2に係る情報処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図11】ハードウェア構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態に係る情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、情報管理装置および情報管理プログラムを、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0014】
〔実施形態1〕
実施形態1では、分散設置されるアプリケーションの管理処理について説明する。以下では、実施形態1に係る情報処理システム100-1の構成、各装置の構成、処理の流れを順に説明し、最後に実施形態1の効果を説明する。
【0015】
〔1.情報処理システム100-1の構成〕
図1を用いて、実施形態1に係る情報処理システム100-1の構成を詳細に説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システム100-1の構成例を示す図である。以下に、情報処理システム100-1全体の構成例、情報処理システム100-1の処理、参考技術の情報処理システムの問題点を順に説明し、最後に情報処理システム100-1の効果について説明する。なお、実施形態1では、プラントに設置されるデバイスであるプラント機器を使用する工場生産遠隔監視を一例にして説明するが、デバイスや利用分野を限定するものではなく、電力モニタ、風力発電、上下水モニタ、河川監視等の環境計測遠隔監視に適用することもできる。
【0016】
(1-1.情報処理システム100-1全体の構成例)
情報処理システム100-1は、情報提供装置である全体管理サーバ10、情報管理装置であるアプリケーションサーバ20(20A、20B、20C、・・・)および利用者端末30(30A、30B、30C、・・・)を有する。ここで、全体管理サーバ10およびアプリケーションサーバ20は、クラウド環境に構築される。また、アプリケーションサーバ30A、30B、30C、・・・は、情報処理システム100-1全体を管理するアプリケーション提供者(適宜、単に「提供者」)Pによって作成された管理領域A、管理領域B、管理領域C、・・・にそれぞれ設置される。
【0017】
図1に示した情報処理システム100-1には、複数台の全体管理サーバ10が含まれてもよい。また、全体管理サーバ10は、アプリケーションサーバ20と統合された構成であってもよい。なお、全体管理サーバ10およびアプリケーションサーバ20は、クラウド環境に構築されるサーバ装置に限定されるものではなく、オンプレミス環境に構築される物理サーバ、仮想マシン、コンテナ等であってもよい。
【0018】
(1-2.情報処理システム100-1全体の処理:アプリケーション分割提供処理)
以下では、上記のような情報処理システム100-1において、アプリケーションの分割提供処理について説明する。
【0019】
(1-2-1.アプリケーション設定処理)
全体管理サーバ10は、クラウド環境の管理領域ごとにアプリケーションをインストールする(図1(1)参照)。例えば、全体管理サーバ10は、提供者Pと契約した代理店等のアプリケーション管理者(適宜、単に「管理者」)Mに設定された管理領域ごとに、管理者Mが要求したアプリケーションをインストールする。
【0020】
(1-2-2.アプリケーション領域設定処理)
全体管理サーバ10は、クラウド環境の管理領域をさらに管理者Mが要求したアプリケーションを構成する複数のアプリケーション領域に分割し、各アプリケーション領域に分割したアプリケーションをインストールすることができる(図1(2)参照)。例えば、全体管理サーバ10は、収容するアプリケーション利用者(適宜、単に「利用者」)Uの契約状況(例:サブスクリプション契約等)に対応する複数のアプリケーション領域を設定する。このとき、アプリケーションサーバ20は、収容する利用者Uの契約状況ごとに利用権限を付与することができる。例えば、アプリケーションサーバ20Aは、アプリケーション領域A-aに収容される利用者UA-a1、・・・には、利用画面数3、利用者数5、利用データ数50の利用権限を付与し、アプリケーション領域A-bに収容される利用者UA-b1、・・・には、利用画面数6、利用者数10または利用データ数100の少なくともいずれかの利用権限を付与する。
【0021】
(1-2-3.データ送受信処理)
アプリケーションサーバ20は、アプリケーション領域単位で利用者Uが使用する利用者端末30との間でデータの送受信を実行する(図1(3)参照)。例えば、アプリケーションサーバ20Aは、アプリケーション領域A-aに収容される利用者UA-a1、・・・が使用する利用者端末30A-a1、・・・とデータを送受信し、アプリケーション領域A-bに収容される利用者UA-b1、・・・が使用する利用者端末30A-b1、・・・とデータを送受信する。
【0022】
(1-3.参考技術の情報処理)
以下では、参考技術としての情報処理の概要について説明した上で、参考技術の問題点について説明する。
【0023】
(1-3-1.参考技術の情報処理の概要)
参考技術の情報処理では、アプリケーション管理者は、アプリケーションを作成し、1つのアプリケーションにて多くのアプリケーション利用者にサービスを提供する。このとき、1つのアプリケーションが1つのプラットフォームに対応する。
【0024】
また、参考技術の情報処理では、アプリケーション管理者は、オーダーがあったアプリケーション利用者向けのアプリケーションをアプリケーション提供者から仕入れ、当該アプリケーション利用者向けにエンジニアリング作業を実施する。このとき、アプリケーション管理者は、アプリケーション利用者から複数のオーダーがあった場合、都度オーダーを実施し、エンジニアリングを実施する。
【0025】
(1-3-2.参考技術の情報処理の問題点)
参考技術の情報処理では、以下のような問題点がある。第1に、参考技術の情報処理では、アプリケーション管理者は、アプリケーション利用者が少なくても、複雑で機能が多いアプリケーションを作成し、多くの要望を取り込まなくてはならない。第2に、参考技術の情報処理では、アプリケーション管理者は、アプリケーション利用者が多くいないとシステムの長期的な継続が困難である。第3に、参考技術の情報処理では、全アプリケーション利用者が1つのアプリケーションを利用しているため、特定のアプリケーション利用者がアプリケーション利用時に大きな負荷を与える等してシステム動作を不安定にさせると、同時に全アプリケーション利用者が影響を受ける。第4に、参考技術の情報処理では、特定のアプリケーション利用者向けに機能拡張をする場合、すべてのアプリケーション利用者に適用され、他のアプリケーション利用者は不必要な機能の費用負担をすることになる。第5に、参考技術の情報処理では、アプリケーション管理者は、アプリケーションをアプリケーション利用者へ直接提供したい場合でも、アプリケーション提供者からアプリケーション利用者に対して、管理領域および当該管理領域を管理するライセンス情報を払い出す必要がある。以上より、参考技術の情報処理では、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することが難しい。
【0026】
(1-4.情報処理システム100-1の改善点)
以下では、実施形態1に係る情報処理システム100-1の概要について説明した上で、情報処理システム100-1の改善点について説明する。
【0027】
(1-4-1.情報処理システム100-1の概要)
情報処理システム100-1では、全体管理サーバ10は、アプリケーションの利用要求を管理者Mから取得し、管理者Mに、当該アプリケーションを構築する管理領域を設定し、管理者Mの管理領域に構築されたアプリケーションサーバ20に、要求された当該アプリケーションを提供する。
【0028】
また、情報処理システム100-1では、アプリケーションサーバ20は、アプリケーションの管理に関するライセンス情報を全体管理サーバ10から受信し、当該ライセンス情報に基づいて、全体管理サーバ10が分割した管理領域のアプリケーション領域それぞれにインストールされた複数のアプリケーションを実行し、複数のアプリケーションそれぞれに対して利用者Uの利用権限を設定する。
【0029】
すなわち、情報処理システム100-1は、アプリケーションを複数インストールし、個別にサービスを提供し、そのアプリケーションを監視するシステムである。また、情報処理システム100-1は、クラウド環境等の専門的な知識がなくともアプリケーションの管理を代理店等の管理者Mに一任することができるシステムである。
【0030】
(1-4-2.情報処理システム100-1の改善点)
情報処理システム100-1では、以下のような改善点が期待できる。第1に、情報処理システム100-1では、アプリケーションの機能を絞り、小規模で複数設置することができる。第2に、情報処理システム100-1では、利用者Uが少なくても、大きなプラットフォームの維持が不要でコストメリットがあるとともに、複数のアプリケーションを設置できるので、多くの利用者Uを収容可能となる。第3に、情報処理システム100-1では、ソフトウェアの不具合や過負荷によるアプリケーション停止が起こったとしても、アプリケーションが分散しているので、同時にすべてのアプリケーションが停止しない。第4に、情報処理システム100-1では、特定の機能拡張が小規模、または利用者U単位で適用が可能となる。第5に、情報処理システム100-1では、代理店等の管理者Mに管理領域を切り売りが可能となり、システム全体のビジネス拡大がしやすくなる。以上より、情報処理システム100-1では、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することができる。
【0031】
〔2.情報処理システム100-1の各装置の構成〕
図2を用いて、図1に示した情報処理システム100-1が有する各装置の機能構成について説明する。図2は、実施形態1に係る各装置の構成例を示すブロック図である。以下では、実施形態1に係る情報処理システム100-1全体の構成例を説明した上で、実施形態1に係る全体管理サーバ10、アプリケーションサーバ20および利用者端末30の構成例について詳細に説明する。
【0032】
(2-1.情報処理システム100-1全体の構成例)
図2に示すように、情報処理システム100-1は、全体管理サーバ10、複数のアプリケーションサーバ20および複数の利用者端末30を有する。全体管理サーバ10とアプリケーションサーバ20とは、クラウド環境の所定の通信網によって通信可能に接続される。また、利用者端末30は、インターネット回線等の通信網Nによって通信可能に接続される。
【0033】
なお、全体管理サーバ10およびアプリケーションサーバ20は、クラウド環境に構築されるサーバ装置に限定されるものではなく、オンプレミス環境に構築される物理サーバ、仮想マシン、コンテナ等であってもよい。
【0034】
(2-2.全体管理サーバ10の構成例)
まず、図2を用いて、情報提供装置である全体管理サーバ10の構成例について説明する。全体管理サーバ10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。なお、全体管理サーバ10は、情報処理システム100-1のシステム提供者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0035】
(2-2-1.通信部11)
通信部11は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部11は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部11は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0036】
(2-2-2.記憶部12)
記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。記憶部12は、管理情報記憶部12aを有する。ここで、記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等で実現され得る。なお、図2の例では、記憶部12は、全体管理サーバ10の内部に設置されているが、全体管理サーバ10の外部に設置されてもよいし、複数の記憶部が設置されていてもよい。
【0037】
(2-2-2-1.管理情報記憶部12a)
管理情報記憶部12aは、後述する制御部13の通知部13fによって通知される管理者ライセンス情報等の管理情報を記憶する。ここで、図3を用いて、管理情報記憶部12aが記憶する情報の一例を説明する。図3は、実施形態1に係る全体管理サーバ10の管理情報記憶部12aの一例を示す図である。図3の例において、管理情報記憶部12aは、「管理領域識別情報」、「アプリケーション識別情報」、「管理者ライセンス情報」、「管理者識別情報」といった項目を有する。
【0038】
「管理領域識別情報」は、管理領域を識別するための識別情報を示し、例えば管理領域の識別番号や識別記号である。「アプリケーション識別情報」は、アプリケーションを識別するための識別情報を示し、例えばアプリケーションサーバ20の識別番号や識別記号である。「管理者ライセンス情報」は、管理者Mに付与するアプリケーションの管理を可能とするライセンス情報を示し、例えば所定のコマンド情報である。「管理者識別情報」は、管理者Mを識別するための識別情報を示し、例えば代理店の識別番号や識別記号である。
【0039】
すなわち、図3では、管理領域識別情報「管理領域A」によって識別される管理領域について、アプリケーション識別情報「アプリケーションA」で識別されるアプリケーションがインストールされ、管理者Mに付与した管理者ライセンス情報が「ML-A001」であり、管理者Mが管理者識別情報「MID-A」で識別される例を示す。また、同様に、管理領域識別情報「管理領域B」によって識別される管理領域について、アプリケーション識別情報「アプリケーションB」で識別されるアプリケーションがインストールされ、管理者Mに付与した管理者ライセンス情報が「ML-B001」であり、管理者Mが管理者識別情報「MID-B」で識別される例と、管理領域識別情報「管理領域C」によって識別される管理領域について、アプリケーション識別情報「アプリケーションC」で識別されるアプリケーションがインストールされ、管理者Mに付与した管理者ライセンス情報が「ML-C001」であり、管理者Mが管理者識別情報「MID-C」で識別される例を示す。
【0040】
(2-2-3.制御部13)
制御部13は、当該全体管理サーバ10全体の制御を司る。制御部13は、取得部13a、設定部13b、提供部13c、収集部13d、生成部13eおよび通知部13fを有する。ここで、制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現され得る。
【0041】
(2-2-3-1.取得部13a)
取得部13aは、アプリケーションの利用要求を第1の利用者である管理者Mから取得する。具体的な例を用いて説明すると、取得部13aは、管理者Mである代理店AからアプリケーションAの利用要求を取得し、管理者Mである代理店BからアプリケーションBの利用要求を取得し、管理者Mである代理店CからアプリケーションCの利用要求を取得する。また、取得部13aは、管理者Mから必要なリソースに関する情報を取得してもよい。例えば、取得部13aは、管理者Mから収容する利用者数、データ数等のリソースに関する情報を取得してもよい。
【0042】
(2-2-3-2.設定部13b)
設定部13bは、第1の利用者である管理者Mに、要求されたアプリケーションを実行するための管理領域を設定する。例えば、設定部13bは、クラウド環境を提供するクラウドシステムのリソースを分割して割り当てた管理領域を生成する。また、設定部13bは、第1の利用者である管理者Mに対して生成された管理領域を分割して、管理領域内に複数領域(アプリケーション領域)を生成する。
【0043】
具体的な例を用いて説明すると、設定部13bは、管理者Mである代理店Aが要求するリソースに応じて、クラウド環境にアプリケーションAを実行するための管理領域Aを設定し、管理者Mである代理店Bが要求するリソースに応じて、クラウド環境にアプリケーションBを実行するための管理領域Bを設定し、管理者Mである代理店Cが要求するリソースに応じて、クラウド環境にアプリケーションCを実行するための管理領域Cを設定する。さらに、設定部13bは、管理者Mである代理店Aの要求に応じて、管理領域Aを分割して、管理領域A内にアプリケーション領域A-a、アプリケーション領域A-bを生成する。
【0044】
(2-2-3-3.提供部13c)
提供部13cは、第1の利用者である管理者Mに対して設定された管理領域に、要求されたアプリケーションを提供する。このとき、提供部13cは、管理者Mの管理領域に構築されたアプリケーションサーバ20に、要求されたアプリケーションをインストールしてもよいし、要求されたアプリケーション情報をアプリケーションサーバ20に送信し、アプリケーションサーバ20にインストールさせるようにしてもよい。
【0045】
また、クラウド環境において、提供部13cは、管理領域に割り当てられたリソースを用いてアプリケーションサーバ20として生成された仮想マシンに、アプリケーションをインストールする。一方、提供部13cは、複数領域それぞれに構築された、物理サーバである複数のアプリケーションサーバ20それぞれに、第1の利用者である管理者Mが要求したアプリケーションを構成する複数のアプリケーションそれぞれをインストールしてもよい。このとき、提供部13cは、複数領域ごとに異なるアプリケーションをインストールすることもできる。具体的な例を用いて説明すると、提供部13cは、管理領域A内のアプリケーション領域aにはアプリケーションAをインストールし、アプリケーション領域bにはアプリケーションBをインストールすることもできる。
【0046】
(2-2-3-4.収集部13d)
収集部13dは、アプリケーションサーバ20から各種情報を収集する。なお、収集部13dの処理の詳細については、実施形態2において後述する。
【0047】
(2-2-3-5.生成部13e)
生成部13eは、アプリケーションサーバ20や利用者端末30に通知する連絡情報を生成する。なお、生成部13eの処理の詳細については、実施形態2において後述する。
【0048】
(2-2-3-6.通知部13f)
通知部13fは、アプリケーションサーバ20や利用者端末30に連絡情報を通知する。なお、通知部13fの処理の詳細については、実施形態2において後述する。
【0049】
(2-3.アプリケーションサーバ20の構成例)
図2を用いて、情報管理装置であるアプリケーションサーバ20の構成例について説明する。アプリケーションサーバ20は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。なお、アプリケーションサーバ20は、情報処理システム100-1のシステム提供者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0050】
(2-3-1.通信部21)
通信部21は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部21は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部21は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0051】
(2-3-2.記憶部22)
記憶部22は、制御部23が動作する際に参照する各種情報や、制御部23が動作した際に取得した各種情報を記憶する。記憶部22は、アプリケーション情報記憶部22aを有する。ここで、記憶部22は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等で実現され得る。なお、図2の例では、記憶部22は、アプリケーションサーバ20の内部に設置されているが、アプリケーションサーバ20の外部に設置されてもよいし、複数の記憶部が設置されていてもよい。
【0052】
(2-3-2-1.アプリケーション情報記憶部22a)
アプリケーション情報記憶部22aは、後述する制御部23の付与部23cによって付与された利用者Uの利用権限等のアプリケーション情報を記憶する。ここで、図4を用いて、アプリケーション情報記憶部22aが記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係るアプリケーションサーバ20のアプリケーション情報記憶部22aの一例を示す図である。図4の例において、アプリケーション情報記憶部22aは、「アプリケーション識別情報」、「アプリケーション領域識別情報」、「利用権限」、「利用者識別情報」、「利用者ライセンス情報」、「利用者所在情報」といった項目を有する。
【0053】
「アプリケーション識別情報」は、アプリケーションを識別するための識別情報を示し、例えばアプリケーションサーバ20の識別番号や識別記号である。「アプリケーション領域識別情報」は、アプリケーション領域を識別するための識別情報を示し、例えばアプリケーション領域の識別番号や識別記号、アプリケーション領域の階層構造等である。「利用権限」は、利用者Uに付与されたアプリケーションの利用可能な範囲を示し、例えば利用画面数、利用人数、利用データ数等である。「利用者識別情報」は、利用者Uを識別するための識別情報を示し、例えば利用者Uの識別番号や識別記号である。「利用者ライセンス情報」は、利用者Uに付与するアプリケーションの利用を可能とするライセンス情報を示し、例えば所定のパスワードである。「利用者所在情報」は、利用者Uがアプリケーションを利用する際にアクセスするアプリケーション利用画面の所在情報を示し、例えば利用者Uの「お客様ページ」のURL(Uniform Resource Locator)である。
【0054】
すなわち、図4では、アプリケーション識別情報「アプリケーションA」によって識別されるアプリケーションについて、アプリケーション領域識別情報「アプリケーション領域a」で識別されるアプリケーション領域の利用権限が、利用画面数「3画面」、利用人数「5人」、利用データ数「50データ」であり、{利用者識別情報「UID-a001」、利用者ライセンス情報「UL-a001」、利用者所在情報「URL-a001」、・・・}、{利用者識別情報「UID-a002」、利用者ライセンス情報「UL-a002」、利用者所在情報「URL-a002」、・・・}、・・・の利用者Uが収容されている例を示す。また、同様に、アプリケーション識別情報「アプリケーションB」によって識別されるアプリケーションについて、アプリケーション領域識別情報「アプリケーション領域b」で識別されるアプリケーション領域の利用権限が、利用画面数「6画面」、利用人数「10人」、利用データ数「100データ」であり、{利用者識別情報「UID-b001」、利用者ライセンス情報「UL-b001」、利用者所在情報「URL-b001」、・・・}、{利用者識別情報「UID-b002」、利用者ライセンス情報「UL-b002」、利用者所在情報「URL-b002」、・・・}、・・・の利用者Uが収容されている例を示す。
【0055】
(2-3-3.制御部23)
制御部23は、当該アプリケーションサーバ20全体の制御を司る。制御部23は、受信部23a、実行部23b、付与部23cおよび送信部23dを有する。ここで、制御部23は、例えば、CPUやMPU等の電子回路やASICやFPGA等の集積回路により実現され得る。
【0056】
(2-3-3-1.受信部23a)
受信部23aは、アプリケーションを提供する情報提供装置である全体管理サーバ10から、当該アプリケーションを実行するための管理領域の設定を受信する。具体的な例を用いて説明すると、受信部23aは、全体管理サーバ10から送信された、アプリケーションAをアプリケーション領域aで実行し、管理することができる管理者ライセンス情報「UL-a001」を受信する。
【0057】
また、受信部23aは、デバイスから各種情報を受信する。例えば、受信部23aは、プラントに設置されたセンサ機器等のプラント機器が送信したセンサ値を受信する。また、受信部23aは、利用者端末30から各種情報を受信する。例えば、受信部23aは、利用者端末30からプラントにおいて取得されたプラント情報の演算方式の変更に関する要求を受信する。
【0058】
(2-3-3-2.実行部23b)
実行部23bは、全体管理サーバ10により提供された複数のアプリケーションを、管理領域で実行する。具体的な例を用いて説明すると、実行部23bは、全体管理サーバ10から送信された、アプリケーション領域aにインストールされたアプリケーションA、アプリケーション領域bにインストールされたアプリケーションAをそれぞれ実行する。
【0059】
(2-3-3-3.付与部23c)
付与部23cは、複数のアプリケーションそれぞれに対して、各アプリケーションを実行する利用者ごとの利用者権限を付与する。例えば、付与部23cは、複数のアプリケーションそれぞれに対して、各アプリケーションの利用者数に応じてアプリケーションが提供する利用画面数、利用人数、または利用データ数の少なくともいずれかを設定した利用権限を付与する。具体的な例を用いて説明すると、付与部23cは、アプリケーション領域aに収容される利用者U-aに対しては、最小単位である利用権限{利用画面数「3画面」、利用人数「5人」、利用データ数「50データ」}を付与し、アプリケーション領域bに収容される利用者U-bに対しては、最小単位の倍のリソースである利用権限{利用画面数「6画面」、利用人数「10人」、利用データ数「100データ」}を付与する。
【0060】
(2-3-3-4.送信部23d)
送信部23dは、複数のアプリケーションそれぞれに対して設定した利用権限、複数のアプリケーションそれぞれを利用する利用者Uに関する利用者情報、および複数のアプリケーションそれぞれを利用する利用者Uが変更されたことを示す変更情報を、全体管理サーバ10に送信する。また、送信部23dは、複数のアプリケーションそれぞれに収容された複数の利用者Uに対して、複数の利用者Uそれぞれが要求するアプリケーションの実行によって出力されるデータを送信する。具体的な例を用いて説明すると、送信部23dは、アプリケーション領域aにインストールされたアプリケーションAに利用者UA-a1、UA-a2、・・・が収容されている場合、利用者UA-a1、UA-a2、・・・がそれぞれ要求する、アプリケーションAの実行に用いられるそれぞれのプラント情報の演算方式A1、A2、・・・で算出した演算データを送信する。
【0061】
(2-4.利用者端末30の構成例)
図2を用いて、利用者端末30の構成例について説明する。例えば、利用者端末30は、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、スマートフォン、タブレット型端末、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。利用者端末30は、送受信部31を有する。
【0062】
(2-4-1.送受信部31)
送受信部31は、各種情報を送信する。例えば、送受信部31は、アプリケーションサーバ20に利用権限の変更要求を送信する。また、送受信部31は、各種情報を受信する。例えば、送受信部31は、アプリケーションサーバ20が送信したプラントにおけるプラント情報(プラント機器の計測値、設定値、演算値等)を受信する。
【0063】
〔3.情報処理システム100-1の処理の流れ〕
図5を用いて、実施形態1に係る情報処理システム100-1の処理の流れについて説明する。図5は、実施形態1に係る情報処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、下記のステップS101~S108の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS101~S108の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0064】
(3-1.管理領域分割処理)
全体管理サーバ10は、管理領域を分割する(ステップS101)。例えば、全体管理サーバ10は、管理者Mである代理店A、B、C、・・・に対応する、クラウド基盤上の管理領域A、管理領域B、管理領域C、・・・に分割する。また、全体管理サーバ10は、管理者Mに割り当てられた管理領域をさらに分割することもできる。例えば、全体管理サーバ10は、管理者Mである代理店Aに対応する、クラウド基盤上の管理領域Aをさらに分割し、アプリケーション領域A-a、アプリケーション領域A-bを生成することもできる。
【0065】
(3-2.アプリケーション提供処理)
全体管理サーバ10は、アプリケーションを提供する(ステップS102)。例えば、全体管理サーバ10は、クラウド基盤上の管理領域A、管理領域B、管理領域C、・・・それぞれに構築されたアプリケーションサーバ20に、アプリケーションA、アプリケーションB、アプリケーションC、・・・をインストールする。このとき、全体管理サーバ10は、アプリケーションのインストール情報をアプリケーションサーバ20に送信し、アプリケーションサーバ20にアプリケーションのインストールを実行させてもよい。
【0066】
(3-3.利用権限設定処理)
アプリケーションサーバ20は、アプリケーション領域ごとに利用権限を設定する(ステップS103)。例えば、アプリケーションサーバ20は、利用者Uの注文(ライセンス購入等)に対して、アプリケーション領域a、アプリケーション領域bそれぞれに対して、利用画面数、利用人数、利用データ数等の利用権限を設定する。
【0067】
(3-4.ライセンス状況通知処理)
アプリケーションサーバ20は、全体管理サーバ10にライセンス状況を通知する(ステップS104)。例えば、アプリケーションサーバ20は、アプリケーションサーバ20が管理するライセンス状況(利用者Uに対するライセンスの割当て状況)を定期的に全体管理サーバ10に通知する。したがって、全体管理サーバ10は、アプリケーション提供下の利用者Uのライセンス情報をすべて閲覧することができる。
【0068】
(3-5.データ送受信処理)
アプリケーションサーバ20および利用者端末30(30-a、30-b)は、データを送受信する(ステップS105)。例えば、アプリケーションサーバ20は、利用者端末30-aとの間では演算データA-aを送受信し、利用者端末30-bとの間では演算データA-bを送受信する。
【0069】
〔4.実施形態1の効果〕
最後に、実施形態1の効果について説明する。以下では、実施形態に係る処理に対応する効果1~4について説明する。
【0070】
(4-1.効果1)
第1に、上述した実施形態1に係る処理では、アプリケーションの利用要求を管理者Mから取得し、管理者Mに、要求された当該アプリケーションを実行するための管理領域を設定し、管理者Mに対して設定された管理領域に、要求された当該アプリケーションを提供する。このため、本処理では、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することができる。
【0071】
(4-2.効果2)
第2に、上述した実施形態1に係る処理では、管理者Mに対して生成された管理領域を分割して、管理領域内に複数のアプリケーション領域を生成し、要求されたアプリケーションを構成する複数のアプリケーションそれぞれを複数のアプリケーション領域それぞれにインストールする。このため、本処理では、クラウド基盤上で管理領域をさらに分割することによって、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することができる。
【0072】
(4-3.効果3)
第3に、上述した実施形態1に係る処理では、クラウド環境を提供するクラウドシステムのリソースを分割して割り当てた管理領域を生成し、管理領域に割り当てられたリソースを用いてアプリケーションサーバ20として生成された仮想マシンに、当該アプリケーションをインストールする。このため、本処理では、クラウド基盤上で、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することができる。
【0073】
(4-4.効果4)
第4に、上述した実施形態1に係る処理では、管理領域を分割して、管理領域内に複数のアプリケーション領域を生成し、複数のアプリケーション領域それぞれに構築された複数のアプリケーションサーバ20それぞれに、管理者Mが要求した複数のアプリケーションそれぞれをインストールする。このため、本処理では、物理サーバ内の管理領域をさらに分割することによって、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することができる。
【0074】
〔実施形態2〕
実施形態2では、実施形態1のアプリケーションの管理処理において、各種情報の通知処理について説明する。以下では、実施形態2に係る機器管理システム100-2の構成、各装置の構成、処理の流れを順に説明し、最後に実施形態2の効果を説明する。なお、実施形態1と共通する構成や処理については説明を省略する。
【0075】
〔1.情報処理システム100-2の構成〕
図6を用いて、実施形態2に係る情報処理システム100-2の構成を詳細に説明する。図6は、実施形態2に係る情報処理システム100-2の構成例を示す図である。以下に、情報処理システム100-2全体の構成例、情報処理システム100-2の処理、参考技術の機器管理システムの問題点を順に説明し、最後に情報処理システム100-2の効果について説明する。
【0076】
(1-1.情報処理システム100-2全体の構成例)
情報処理システム100-2は、情報提供装置である全体管理サーバ10、情報管理装置であるアプリケーションサーバ20(20A、・・・)および利用者端末30(30A、・・・)を有する。ここで、全体管理サーバ10およびアプリケーションサーバ20は、クラウド環境に構築される。また、アプリケーションサーバ30A、・・・は、情報処理システム100-2全体を管理する提供者Pによって作成された管理領域A、・・・にそれぞれ設置される。
【0077】
図6に示した情報処理システム100-2には、複数台の全体管理サーバ10が含まれてもよい。また、全体管理サーバ10は、アプリケーションサーバ20と統合された構成であってもよい。なお、全体管理サーバ10およびアプリケーションサーバ20は、クラウド環境に構築されるサーバ装置に限定されるものではなく、オンプレミス環境に構築される物理サーバ、仮想マシン、コンテナ等であってもよい。
【0078】
(1-2.情報処理システム100-2全体の処理:情報通知処理)
以下では、上記のような情報処理システム100-2において、各種情報の通知処理について説明する。
【0079】
(1-2-1.データ送受信処理)
アプリケーションサーバ20は、アプリケーション領域単位で利用者Uが使用する利用者端末30とデータの送受信を実行する(図6(1)参照)。例えば、アプリケーションサーバ20Aは、利用者UA-a1、・・・が使用する利用者端末30A-a1、・・・とデータを送受信し、利用者UA-b1、・・・が使用する利用者端末30A-b1、・・・とデータを送受信する。
【0080】
(1-2-2.情報取得処理)
全体管理サーバ10は、アプリケーションサーバ20から利用者情報、アプリケーションの稼働情報を取得する(図6(2)参照)。例えば、全体管理サーバ10は、アプリケーションサーバ20Aから、アプリケーションサーバ20Aに収容される利用者Uの利用者名、URL、パスワード等の利用者情報を取得する。また、全体管理サーバ10は、アプリケーションサーバ20Aから、アプリケーションサーバ20Aに収容される利用者Uの1日当たりの利用データ数等のアプリケーションの稼働情報を取得する。
【0081】
(1-2-3.連絡情報通知処理)
全体管理サーバ10は、利用者Uのアプリケーション利用画面に連絡情報を通知する(図6(3)参照)。例えば、全体管理サーバ10は、収容するアプリケーション利用者Uのライセンス情報の有効期限が近付いている場合には、利用者Uに対してライセンス情報の更新を促す連絡情報を通知する。また、全体管理サーバ10は、管理者Mのアプリケーション管理画面に連絡情報を通知したり、管理者Mのアプリケーション管理画面および利用者Uのアプリケーション利用画面に連絡情報を通知したりすることができる。例えば、全体管理サーバ10は、提供するアプリケーションのアップデート情報がある場合には、管理者Mに対してアプリケーションのアップデートを促す連絡情報を通知する。また、全体管理サーバ10は、クラウド環境の管理領域の緊急メインテナンスを実行する場合には、管理者Mおよび利用者Uに対して障害に対応するメインテナンスの開始時刻と終了時刻を知らせる連絡情報を通知する。
【0082】
(1-3.参考技術の情報処理の問題点)
参考技術の情報処理では、アプリケーション提供者からアプリケーション管理者およびアプリケーション利用者へ通知をしたい場合、アプリケーション利用者への通知は、アプリケーション管理者からアプリケーション利用者へと間接的な連絡となり、緊急的、即時的、広域的な情報連絡が難しいという問題点がある。以上より、参考技術の情報処理では、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することが難しい。
【0083】
(1-4.情報処理システム100-2の改善点)
以下では、実施形態2に係る情報処理システム100-2の概要について説明した上で、情報処理システム100-2の改善点について説明する。
【0084】
(1-4-1.情報処理システム100-2の概要)
情報処理システム100-2では、管理者Mの管理者情報と、アプリケーションを利用する利用者Uの利用者情報とを収集し、通知する連絡情報に基づいて、管理者Mに対する通知、利用者Uに対する通知および管理者Mと利用者Uとに対する通知のいずれかを実行する。
【0085】
すなわち、情報処理システム100-2は、情報の連絡通知を「提供者P→利用者U」、「提供者P→管理者M」のように提供者Pから直接、伝達することができるシステムである。
【0086】
(1-4-2.情報処理システム100-2の改善点)
情報処理システム100-2では、利用者U、管理者Mおよび提供者Pの相互情報により、緊急的、即時的、広域的な情報連絡が可能となり、ウェブアプリケーションの運用がスムーズに実施する改善点が期待できる。すなわち、情報処理システム100-2では、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することができる。
【0087】
〔2.情報処理システム100-2の各装置の構成〕
以下では、図6に示した情報処理システム100-2が有する全体管理サーバ10の機能構成について説明する。なお、情報処理システム100-2全体の構成例、アプリケーションサーバ20および利用者端末30の構成例については、図2に示した実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0088】
(2-1.全体管理サーバ10の構成例)
全体管理サーバ10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。なお、全体管理サーバ10は、機器管理システム100-2のシステム提供者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0089】
(2-1-1.通信部11)
通信部11は、他の装置との間でのデータ通信を司る。なお、通信部11は、図2に示した実施形態1と同様の処理を行うので説明を省略する。
【0090】
(2-1-2.記憶部12)
記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。なお、記憶部12は、図2に示した実施形態1と同様の処理を行うので説明を省略する。
【0091】
(2-1-3.制御部13)
制御部13は、当該全体管理サーバ10全体の制御を司る。制御部13は、図2と同様に、取得部13a、設定部13b、提供部13c、収集部13d、生成部13eおよび通知部13fを有する。ここで、制御部13は、例えば、CPUやMPU等の電子回路やASICやFPGA等の集積回路により実現され得る。
【0092】
(2-1-3-1.取得部13a)
取得部13aは、各種情報を取得する。なお、取得部13aの処理の詳細については、上述した実施形態1と共通するので、説明を省略する。
【0093】
(2-1-3-2.設定部13b)
設定部13bは、管理領域を設定する。なお、設定部13bの処理の詳細については、上述した実施形態1と共通するので、説明を省略する。
【0094】
(2-1-3-3.提供部13c)
提供部13cは、アプリケーションを提供する。なお、提供部13cの処理の詳細については、上述した実施形態1と共通するので、説明を省略する。
【0095】
(2-1-3-4.収集部13d)
収集部13dは、第1の利用者である管理者Mの第1利用者情報と、アプリケーションを利用する第2の利用者である利用者Uの第2利用者情報とを収集する。例えば、収集部13dは、管理者Mのアプリケーション管理画面の所在情報、利用者Uのアプリケーション利用画面の所在情報等を収集する。
【0096】
具体的な例について説明すると、収集部13dは、アプリケーションAの管理者Mである代理店Aの「顧客管理ページ」のURL「URL-A」、利用者UA-a1の「お客様ページ」のURL「URL-a001」、利用者UA-b1の「お客様ページ」のURL「URL-b001」等を、アプリケーションサーバ20Aを介して収集する。
【0097】
(2-1-3-5.生成部13e)
生成部13eは、連絡情報を生成する。例えば、生成部13eは、連絡情報として、定期もしくは緊急のメインテナンスに関するメインテナンス情報、利用者Uのライセンスの有効期限に関する利用者ライセンス情報またはアプリケーションの更新に関するアプリケーション更新情報を生成する。
【0098】
(2-1-3-6.通知部13f)
通知部13fは、アプリケーションを利用する管理者Mまたは利用者Uに通知する通知の種別(例:メインテナンス情報、ライセンスの有効期限、アプリケーションのアップデート)に基づき、管理者Mに対する通知または利用者Uに対する通知の少なくともいずれかを実行する。
【0099】
例えば、通知部13fは、アプリケーションの実行に関する障害が発生した場合には、障害に対応するメインテナンスに関するメインテナンス情報を、管理者Mおよび利用者Uに対して通知する。具体的な例について説明すると、通知部13fは、クラウド基盤の障害が発生した場合には、「緊急メインテナンスを実行します。」等のメインテナンス情報を、管理者Mのアプリケーション管理画面および利用者Uのアプリケーション利用画面に通知する。
【0100】
また、通知部13fは、利用者Uが利用するアプリケーションのライセンスの有効期限の所定期間前に、ライセンスの更新を促す情報を、利用者Uに対して通知する。具体的な例について説明すると、通知部13fは、利用者Uのライセンスの有効期限の1ヵ月前に、「○月△日の0:00に、アプリケーションAのライセンスが失効します。」等の利用者ライセンス情報を、利用者Uのアプリケーション利用画面に通知する。
【0101】
また、通知部13fは、管理者Mが管理するアプリケーションのアップデートに関する情報を、管理者Mに対して通知する。具体的な例について説明すると、通知部13fは、アプリケーションのアップデートが可能な場合には、「アプリケーションAの最新版が公開されました。」等のアプリケーション更新情報を、管理者Mのアプリケーション管理画面に通知する。
【0102】
(2-2.表示画面の具体例)
図7図9を用いて、全体管理サーバ10の生成部13eが生成する表示画面の具体例について説明する。以下では、アプリケーション提供者Pの表示画面、アプリケーション管理者Mの表示画面、アプリケーション利用者Uの表示画面の順に説明する。
【0103】
(2-2-1.アプリケーション提供者Pの表示画面)
図7を用いて、アプリケーション提供者Pの表示画面の具体例について説明する。図7は、実施形態2に係るアプリケーション提供者Pの表示画面の具体例を示す図である。以下では、「アプリケーション提供システム 管理画面」における「通知先」、「管理領域」、「通知先一覧」、「通知メッセージ」の順に説明する。
【0104】
(2-2-1-1.通知先)
図7に示すように、全体管理サーバ10は、連絡情報の通知先を選択可能に表示する。図7の例では、全体管理サーバ10は、通知先として、管理者Mである「代理店」、利用者Uである「ユーザ」を、それぞれラジオボタンで選択可能に表示する。このとき、提供者Pは、「代理店」、「ユーザ」、「代理店」および「ユーザ」の通知先の選択することができる。
【0105】
(2-2-1-2.管理領域)
図7に示すように、全体管理サーバ10は、通知先の管理領域を選択可能に表示する。図7の例では、全体管理サーバ10は、「管理領域A」等の管理領域の識別番号等を選択可能なプルダウンメニューを表示する。
【0106】
(2-2-1-3.通知先一覧)
図7に示すように、全体管理サーバ10は、上述の通知先、管理領域で選択されたアプリケーションの管理者Mや利用者Uの一覧を表示する。図7の例では、全体管理サーバ10は、通知先「ユーザ」、管理領域「管理領域A」が選択されているので、管理領域Aに設定されているアプリケーションサーバ20のアプリケーションAを利用する利用者Uの一覧(ユーザID、ユーザライセンスID、ユーザURL等)を表示する。このとき、提供者Pは、チェックボックス等にチェックを入れることによって、通知する利用者Uを選択することができる。
【0107】
(2-2-1-4.通知メッセージ)
図7に示すように、全体管理サーバ10は、上述の通知先一覧で選択された通知先に通知する連絡情報の入力画面を表示する。図7の例では、全体管理サーバ10は、提供者Pによって通知メッセージが入力可能なテキストボックスを表示する。このとき、提供者Pは、テキストボックスに「○月△日の0:00に、アプリケーションAのライセンスが失効します。」等のメッセージを直接入力することができる。
【0108】
(2-2-1-5.その他)
全体管理サーバ10は、通知メッセージの内容に応じて、通知先を決定することもできる。例えば、全体管理サーバ10は、クラウド環境の障害が発生した場合には、緊急メインテナンスを実行する連絡情報の通知先を、管理者Mおよび利用者Uに決定することもできる。また、全体管理サーバ10は、利用者Uの利用者情報を用いて連絡情報を自動生成することもできる。例えば、全体管理サーバ10は、利用者Uのアプリケーションの利用者ライセンスの有効期限の1ヵ月前に、利用者Uごとに利用者ライセンスの更新を促す通知メッセージを生成することもできる。
【0109】
(2-2-2.アプリケーション管理者Mの表示画面)
図8を用いて、アプリケーション管理者Mの表示画面の具体例について説明する。図8は、実施形態2に係るアプリケーション管理者Mの表示画面の具体例を示す図である。以下では、「顧客管理ページ 代理店A(管理領域A)」における「利用者管理情報」、「通知管理情報」の順に説明する。
【0110】
(2-2-2-1.利用者管理情報)
図8に示すように、全体管理サーバ10は、管理者Mが管理するアプリケーションに収容される利用者Uの利用者情報を表示する。図8の例では、全体管理サーバ10は、管理者Mである代理店AのアプリケーションAに収容される利用者Uの利用者情報(ユーザID、ユーザライセンスID、ユーザURL等)を、「アプリケーション領域a」、「アプリケーション領域b」ごとに表示する。
【0111】
(2-2-2-2.通知管理情報)
図8に示すように、全体管理サーバ10は、管理者Mに通知された通知メッセージを表示する。図8の例では、全体管理サーバ10は、提供者Pからの通知メッセージである「全体管理サーバからのメッセージ」、利用者Uからの通知メッセージである「顧客からのメッセージ」をそれぞれ表示し、通知メッセージがない場合には、「新しい受信メッセージはありません。」等のメッセージを表示する。このとき、管理者Mは、「通知確認」のボタンをクリック操作することで、受信メッセージの有無の問合せを全体管理サーバ10にすることができる。また、管理者Mは、「通知作成」のボタンをクリック操作することで、利用者Uに対する通知メッセージの作成画面を表示し、通知メッセージを作成することもできる。
【0112】
(2-2-2-3.その他)
管理者Mは、「利用者管理情報」における利用者Uの利用者情報をクリック操作することで、利用者Uに対する利用者情報の設定画面を表示し、利用者情報やアプリケーションの利用権限の設定を変更することもできる。
【0113】
(2-2-3.アプリケーション利用者Uの表示画面)
図9を用いて、アプリケーション利用者Uの表示画面の具体例について説明する。図9は、実施形態2に係るアプリケーション利用者Uの表示画面の具体例を示す図である。以下では、「アプリケーションA お客様ページ」における「表示画面」、「受信メッセージ確認」の順に説明する。
【0114】
(2-2-3-1.表示画面)
図9に示すように、全体管理サーバ10は、アプリケーションに関する表示画面を選択可能に表示する。図9の例では、全体管理サーバ10は、表示画面として、アプリケーションの実行状況を表示する「アプリケーション」、提供者Pや管理者Mから受信した通知メッセージを表示する「受信メッセージ」、利用者Uの利用者情報を表示する「お客様情報」を、それぞれラジオボタンで選択可能に表示する。このとき、提供者Pは、複数の表示画面を選択することもできる。
【0115】
(2-2-3-2.受信メッセージ確認)
図9に示すように、全体管理サーバ10は、提供者Pや管理者Mから受信した通知メッセージを表示する。図9の例では、全体管理サーバ10は、表示画面「受信メッセージ」の選択をもとに、提供者Pからの通知メッセージである「システムからのメッセージ」、管理者Mからの通知メッセージである「アプリケーションからのメッセージ」をそれぞれ表示し、通知メッセージがない場合には、「新しい受信メッセージはありません。」等のメッセージを表示する。なお、図9の例では、全体管理サーバ10は、図7のアプリケーション提供者Pの表示画面で作成した「○月△日の0:00に、アプリケーションAのライセンスが失効します。」のメッセージを提供者Pからの通知メッセージとして受信している。このとき、利用者Uは、「通知確認」のボタンをクリック操作することで、受信メッセージの有無の問合せを全体管理サーバ10やアプリケーションサーバ20にすることができる。また、利用者Uは、「通知作成」のボタンをクリック操作することで、管理者Mに対する通知メッセージの作成画面を表示し、通知メッセージを作成することもできる。
【0116】
(2-2-3-3.その他)
管理者Mは、表示画面として「お客様情報」を選択することで、利用者Uの利用者情報の設定画面を表示し、利用者情報の設定を変更することもできる。また、管理者Mは、管理者Mに対する通知メッセージを送信することによって、アプリケーションの利用権限の変更要求や、アプリケーションの不具合の報告をすることもできる。
【0117】
〔3.情報処理システム100-2の処理の流れ〕
図10を用いて、実施形態2に係る情報処理システム100-2の処理の流れについて説明する。図10は、実施形態2に係る情報処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、下記のステップS201~S207の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS201~S207の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0118】
(3-1.データ送受信処理)
アプリケーションサーバ20および利用者端末30(30-a、30-b)は、データを送受信する(ステップS201)。例えば、アプリケーションサーバ20は、利用者端末30-aとの間では演算データA-aを送受信し、利用者端末30-bとの間では演算データA-bを送受信する。
【0119】
(3-2.情報収集処理)
全体管理サーバ10は、アプリケーションサーバ20から利用者情報を収集する(ステップS202)。例えば、全体管理サーバ10は、アプリケーションサーバ20から利用者Uの利用者情報として、利用者Uのアプリケーション利用画面の所在情報を収集する。また、全体管理サーバ10は、アプリケーションサーバ20から稼働情報を収集する(ステップS203)。例えば、全体管理サーバ10は、アプリケーションサーバ20から利用者Uが利用しているアプリケーションの1日当たりのデータ数を収集する。
【0120】
(3-3.連絡情報生成処理)
全体管理サーバ10は、連絡情報を生成する(ステップS204)。例えば、全体管理サーバ10は、メインテナンス、ライセンスの有効期限、アプリケーションのアップデートに関する連絡情報を生成する。
【0121】
(3-4.通知先選択処理)
全体管理サーバ10は、連絡情報の通知先を選択する(ステップS205)。例えば、全体管理サーバ10は、メインテナンスに関する連絡情報の通知先を管理者Mおよび利用者U、ライセンスの有効期限に関する連絡情報の通知先を利用者U、アプリケーションのアップデートに関する連絡情報の通知先を管理者Mのように、通知内容によって選択する。このとき、提供者Pは、連絡情報の通知先を指定することもできる。
【0122】
(3-5.連絡情報通知処理)
全体管理サーバ10は、アプリケーションサーバ20に連絡情報を通知する(ステップS206)。例えば、全体管理サーバ10は、アプリケーションサーバ20にメインテナンスに関する連絡情報やアプリケーションのアップデートに関する連絡情報を通知する。また、全体管理サーバ10は、利用者端末30に連絡情報を通知する(ステップS207)。例えば、全体管理サーバ10は、利用者端末30にメインテナンスに関する連絡情報やライセンスの有効期限に関する連絡情報を通知する。
【0123】
〔4.実施形態2の効果〕
最後に、実施形態2の効果について説明する。以下では、実施形態に係る処理に対応する効果1~4について説明する。
【0124】
(4-1.効果1)
第1に、上述した実施形態に係る処理では、通知の種別に基づき、管理者Mに対する通知または利用者Uに対する通知の少なくともいずれかを実行する。このため、本処理では、緊急的、即時的、広域的な情報連絡をすることによって、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することができる。
【0125】
(4-2.効果2)
第2に、上述した実施形態に係る処理では、アプリケーションの実行に関する障害が発生した場合には、障害に対応するメインテナンスに関するメインテナンス情報を、管理者Mおよび利用者Uに対して通知する。このため、本処理では、管理者Mおよび利用者Uに対する緊急的、即時的、広域的な情報連絡をすることによって、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することができる。
(4-3.効果3)
第3に、上述した実施形態に係る処理では、利用者Uが利用するアプリケーションのライセンスの有効期限の所定期間前に、ライセンスの更新を促す情報を、利用者Uに対して通知する。このため、本処理では、利用者Uに対する緊急的、即時的、広域的な情報連絡をすることによって、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することができる。
(4-4.効果4)
第4に、上述した実施形態に係る処理では、管理者Mが管理するアプリケーションのアップデートに関する情報を、管理者Mに対して通知する。このため、本処理では、管理者Mに対する緊急的、即時的、広域的な情報連絡をすることによって、アプリケーションを利用者ごとに効果的に管理することができる。
【0126】
〔その他〕
開示される技術特徴の組合せのいくつかの例を以下に記載する。
【0127】
(1)アプリケーションの利用要求を第1の利用者から取得する取得部と、前記第1の利用者に、要求された前記アプリケーションを構築する管理領域を設定する設定部と、前記第1の利用者に対して設定された前記管理領域に、要求された前記アプリケーションを提供する提供部と、を備える情報提供装置。
【0128】
(2)前記設定部は、前記第1の利用者に対して生成された前記管理領域を分割して、前記管理領域内に複数領域を生成し、前記提供部は、要求された前記アプリケーションを構成する複数のアプリケーションそれぞれを前記複数領域それぞれにインストールする、(1)に記載の情報提供装置。
【0129】
(3)前記設定部は、クラウド環境を提供するクラウドシステムのリソースを分割して割り当てた前記管理領域を生成し、前記提供部は、前記管理領域に割り当てられたリソースを用いて情報管理装置として生成された仮想マシンに、前記アプリケーションをインストールする、(2)に記載の情報提供装置。
【0130】
(4)前記設定部は、前記管理領域を分割して、前記管理領域内に複数領域を生成し、前記提供部は、前記複数領域それぞれに構築された複数の情報管理装置それぞれに、前記第1の利用者が要求した複数のアプリケーションそれぞれをインストールする、(1)に記載の情報提供装置。
【0131】
(5)通知の種別に基づき、第1の利用者に対する通知または第2の利用者に対する通知の少なくともいずれかを実行する通知部、をさらに備える(1)~(4)のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【0132】
(6)前記通知部は、前記アプリケーションの実行に関する障害が発生した場合には、前記障害に対応するメインテナンスに関するメインテナンス情報を、前記第1の利用者および前記第2の利用者に対して通知する、(5)に記載の情報提供装置。
【0133】
(7)前記通知部は、前記第2の利用者が利用する前記アプリケーションのライセンスの有効期限の所定期間前に、前記ライセンスの更新を促す情報を、前記第2の利用者に対して通知する、(5)または(6)に記載の情報提供装置。
【0134】
(8)前記通知部は、前記第1の利用者が管理する前記アプリケーションのアップデートに関する情報を、前記第1の利用者に対して通知する、(5)~(7)のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【0135】
(9)コンピュータが、アプリケーションの利用要求を第1の利用者から取得し、前記第1の利用者に、要求された前記アプリケーションを構築する管理領域を設定し、前記第1の利用者に対して設定された前記管理領域に、要求された前記アプリケーションを提供する、処理を実行する情報提供方法。
【0136】
(10)コンピュータに、アプリケーションの利用要求を第1の利用者から取得し、前記第1の利用者に、要求された前記アプリケーションを構築する管理領域を設定し、前記第1の利用者に対して設定された前記管理領域に、要求された前記アプリケーションを提供する、処理を実行させる情報提供プログラム。
【0137】
(11)アプリケーションを提供する情報提供装置から、前記アプリケーションを実行するための管理領域の設定を受信する受信部と、前記情報提供装置により提供された複数のアプリケーションを、前記管理領域で実行する実行部と、前記複数のアプリケーションそれぞれに対して、各アプリケーションを実行する利用者ごとの利用権限を付与する付与部と、を備える情報管理装置。
【0138】
(12)前記付与部は、前記複数領域のサイズに応じた利用画面数、利用人数、または利用データ数の少なくともいずれかを設定した前記利用権限を付与する、(11)に記載の情報管理装置。
【0139】
(13)前記複数のアプリケーションそれぞれに対して設定した利用権限、前記複数のアプリケーションそれぞれを利用する利用者に関する利用者情報、および前記複数のアプリケーションそれぞれを利用する前記利用者が変更されたことを示す変更情報を、前記情報提供装置に送信する送信部、をさらに備える(11)または(12)に記載の情報管理装置。
【0140】
(14)前記送信部は、前記複数のアプリケーションそれぞれに収容された複数の利用者に対して、前記複数の利用者それぞれが要求するアプリケーションの実行によって出力されるデータを送信する、(13)に記載の情報管理装置。
【0141】
(15)コンピュータに、アプリケーションを提供する情報提供装置から、前記アプリケーションを実行するための管理領域の設定を受信し、前記情報提供装置により提供された複数のアプリケーションを、前記管理領域で実行し、前記複数のアプリケーションそれぞれに対して、各アプリケーションを実行する利用者ごとの利用権限を付与する、処理を実行させる情報管理プログラム。
【0142】
〔システム〕
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0143】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0144】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0145】
〔ハードウェア〕
次に、情報提供装置である全体管理サーバ10のハードウェア構成例を説明する。なお、アプリケーションサーバ20等の他の装置も同様のハードウェア構成とすることができる。図11は、ハードウェア構成例を説明する図である。図11に示すように、全体管理サーバ10は、通信装置10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、図11に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0146】
通信装置10aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、図2に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0147】
プロセッサ10dは、図2に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10b等から読み出してメモリ10cに展開することで、図2等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、全体管理サーバ10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、取得部13a、設定部13b、提供部13c、収集部13d、生成部13e、通知部13f等と同様の機能を有するプログラムをHDD10b等から読み出す。そして、プロセッサ10dは、取得部13a、設定部13b、提供部13c、収集部13d、生成部13e、通知部13f等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0148】
このように、全体管理サーバ10は、プログラムを読み出して実行することで各種処理方法を実行する装置として動作する。また、全体管理サーバ10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいうプログラムは、全体管理サーバ10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0149】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【符号の説明】
【0150】
10 全体管理サーバ
11 通信部
12 記憶部
12a 管理情報記憶部
13 制御部
13a 取得部
13b 設定部
13c 提供部
13d 収集部
13e 生成部
13f 通知部
20 アプリケーションサーバ
21 通信部
22 記憶部
22a アプリケーション情報記憶部
23 制御部
23a 受信部
23b 実行部
23c 付与部
23d 送信部
30 30A 30B 30C 利用者端末
31 送受信部
100-1 100-2 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11