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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035667
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】撮像装置及び携帯式電子機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20240307BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20240307BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20240307BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/04 E
H04N5/225 100
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140268
(22)【出願日】2022-09-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】521553690
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス (ナンネイ) カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】色摩 和雄
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 高
【テーマコード(参考)】
2H044
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H044BE02
2H044BE09
2K005CA02
2K005CA23
2K005CA44
2K005CA46
2K005CA53
2K005CA60
5C122EA05
5C122EA06
5C122EA41
5C122EA54
5C122FE02
5C122GE11
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】本発明の実施例は、光学技術分野に関し、特に撮像装置及び携帯式電子機器に関する。
【解決手段】当該撮像装置は、サスペンションワイヤーの代わりに支承部と磁性流体を使用し、環状磁場を有する磁性部品に対する磁性流体の磁気吸引効果を利用し、ジッター時のレンズアセンブリのブレーキを実現し、リップルと副次共振を有効に抑え、レンズの重量によりサスペンションワイヤーが破損するか永久変形する問題を解決し、レンズアセンブリを迅速に復帰でき、撮像装置の体積と重量を減少し、手ブレ補正性能を向上させ、撮像装置の撮影品質を向上させる。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズアセンブリ及び防振機構を備え、前記防振機構は、ベース、キャリア、駆動部材及び支承部を含み、前記レンズアセンブリが前記キャリアに固定され、前記駆動部材はコイルと磁石を含み、前記コイルと前記磁石のうちの一つが前記ベースに固定され、もう一つが前記キャリアに固定され、前記駆動部材は前記キャリアを前記ベースに対して光軸に垂直な方向に移動するように駆動し、前記支承部は前記キャリアと前記ベースの間に設けられて前記キャリアの移動をサポートし、
前記防振機構は前記ベースおよび/または前記キャリアに設けられた磁性流体をさらに含む、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記駆動部材は、第1駆動部材と第2駆動部材とを含み、前記第1駆動部材は、前記キャリアを第1方向に平行に移動するように駆動し、前記第2駆動部材は、前記キャリアを第2方向に平行に移動するように駆動し、前記第1方向と前記第2方向は互いに垂直である、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1駆動部材は、前記キャリアに固定された第1磁石及び前記ベースに固定された第1コイルを含み、前記第2駆動部材は、前記キャリアに固定された第2磁石及び前記ベースに固定された第2コイルを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1駆動部材は、前記ベースに固定された第1磁石及び前記キャリアに固定された第1コイルを含み、前記第2駆動部材は、前記ベースに固定された第2磁石及び前記キャリアに固定された第2コイルを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記磁性流体は、前記第1コイルの短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第1コイルの両側に設けられた2つの第1磁性流体と、前記第2コイルの短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第2コイルの両側に設けられた2つの第2磁性流体とを含む、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記磁性流体は、前記第1磁石の短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第1磁石の両側に設けられた2つの第3磁性流体と、前記第2磁石の短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第2磁石の両側に設けられた2つの第4磁性流体とを含む、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記駆動部材は、前記磁石の前記コイルから離れた側に固定されたヨークと、前記コイルの前記磁石から離れた側に固定された第5磁性流体とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記支承部はボールである、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記キャリアの前記ベースから離れた側に設けられたピント調整機構をさらに備え、前記ピント調整機構は、前記レンズアセンブリを光軸方向に沿って移動するように駆動することで合焦を実現する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
屈曲式の光学機構をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項11】
沈胴するズーム機構をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
機器本体と、請求項1~11のいずれか1項に記載の撮像装置とを含む、
ことを特徴とする携帯式電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、光学技術分野に関し、特に撮像装置及び携帯式電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮影技術の発展に伴い、手ブレ補正やオートフォーカスなどの機能を持つ撮像装置は、カメラだけでなく、携帯電話やタブレット端末、ノートパソコンなど様々な携帯式電子機器に広く採用されている。現在、手ブレ補正においては、一般的に、レンズの光軸に垂直な方向にサスペンションワイヤーを使用して力を与えることで、レンズを支持する。
【0003】
しかし、フォーカス範囲が広い撮像装置では、レンズ駆動範囲とレンズ重量が大きいと、サスペンションワイヤーに応力集中による損傷や永久変形の問題が生じたり、落下によるサスペンションワイヤーの曲げ、断裂、離脱が発生して撮像装置の故障を引き起こしたりし、サスペンションワイヤーのサイズを大きくしてサスペンションワイヤーの強度を高めるには、サスペンションの強度に見合うよう推力を高める為に磁石の体積も大きくする必要があるため、撮像装置の体積も大きくなる。また、レンズや撮像素子の体積を大きくすることで撮影品質を向上させると、レンズの重量も大きくなるため、レンズが傾く可能性があり、また、電子機器の小型化設計のコンセプトにも反しており、そして、サスペンションワイヤーを支持するものは本質的にバネサスペンション構造であり、そのバネ特性が調整されにくく、これはブレ補正の制御には不利であり、ジッター時に第一共振点をはじめとし副次共振が発生することによって、撮像装置の制御性能を低下させる懸念もある。
【0004】
したがって、上記の問題を解決するための撮像装置及び携帯式電子機器を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、レンズブレの過程で発生するリップルや副次共振がレンズを素早く復帰できなく、破損しやすく、体積が大きく、重量が大きく、かつ手ブレ補正性能が低いことにより撮影品質が低下してしまうなどの問題を解決するための撮像装置及び携帯式電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の実施形態には、撮像装置が提供され、
レンズアセンブリ及び防振機構を備え、前記防振機構は、ベース、キャリア、駆動部材及び支承部を含み、前記レンズアセンブリが前記キャリアに固定され、前記駆動部材はコイルと磁石を含み、前記コイルと前記磁石のうちの一つが前記ベースに固定され、もう一つが前記キャリアに固定され、前記駆動部材は前記ベースに対して光軸に垂直な方向に移動するように前記キャリアを駆動し、前記支承部は前記キャリアと前記ベースの間に設けられて前記キャリアの移動をサポートし、前記防振機構は前記ベースおよび/または前記キャリアに設けられた磁性流体をさらに含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、、前記駆動部材は、第1駆動部材と第2駆動部材とを含み、前記第1駆動部材は、前記キャリアを第1方向に平行に移動するように駆動し、前記第2駆動部材は、前記キャリアを第2方向に平行に移動するように駆動し、前記第1方向と前記第2方向は互いに垂直である。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記第1駆動部材は、前記キャリアに固定された第1磁石及び前記ベースに固定された第1コイルを含み、前記第2駆動部材は、前記キャリアに固定された第2磁石及び前記ベースに固定された第2コイルを含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記第1駆動部材は、前記ベースに固定された第1磁石及び前記キャリアに固定された第1コイルを含み、前記第2駆動部材は、前記ベースに固定された第2磁石及び前記キャリアに固定された第2コイルを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記磁性流体は、前記第1コイルの短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第1コイルの両側に設けられた2つの第1磁性流体と、前記第2コイルの短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第2コイルの両側に設けられた2つの第2磁性流体とを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記磁性流体は、前記第1磁石の短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第1磁石の両側に設けられた2つの第3磁性流体と、前記第2磁石の短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第2磁石の両側に設けられた2つの第4磁性流体とを含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記駆動部材は、前記磁石の前記コイルから離れた側に固定されたヨークと、前記コイルの前記磁石から離れた側に固定された第5磁性流体とを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記支承部はボールである。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記キャリアの前記ベースから離れた側に設けられたピント調整機構をさらに備え、前記ピント調整機構は、前記レンズアセンブリを光軸方向に沿って移動するように駆動することで合焦を実現する。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記キャリアの前記ベースから離れた側に設けられたピント調整機構をさらに備え、前記ピント調整機構は、前記防振機構を駆動することで合焦を実現する。
【0016】
いくつかの実施形態において、屈曲式の光学機構をさらに備える。
【0017】
いくつかの実施形態において、沈胴するズーム機構をさらに備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有益な効果は以下のことにある。
【0019】
レンズアセンブリをベースに対して移動可能なキャリアに固定し、駆動部材はコイルと磁石を含み、コイルと磁石のうちの一つがベースに固定され、もう一つがキャリアに固定され、駆動部材はキャリアをベースに対して光軸に垂直な方向に移動するように駆動でき、キャリアとベースの間に支承部が設けられ、支承部はキャリアの運動をサポートすることに用いられ、防振機構はベースおよび/またはキャリアに設けられた磁性流体をさらに含み、このように、サスペンションワイヤーの代わりに支承部と磁性流体を使用し、環状磁場を有する磁性部品に対する磁性流体の磁気吸引効果を利用し、ジッター時のレンズアセンブリのブレーキを実現し、リップルと副次共振を有効に抑え、レンズの重量によりサスペンションワイヤーが破損するか永久変形する問題を解決し、レンズアセンブリを迅速に復帰でき、撮像装置の体積と重量を減少し、手ブレ補正性能を向上させ、撮像装置の撮影品質を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
一つ又は複数の実施例は、対応する添付の図面における図で例示的に説明されるが、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、添付の図面において同じ符号で示す部品は類似する部品であり、特に断りのない限り、添付の図面における図は縮尺に制限されない。
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置の防振機構の構造を示す図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置の防振機構の斜視分解図を示す図である。
図3a図3aは、本発明の第1実施形態に係る撮像装置の防振機構のキャリアの構造を示す図である。
図3b図3bは、本発明の第1実施形態に係る撮像装置の防振機構のベースの構造を示す図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置の防振機構のベースの正面を示す図である。
図5図5は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置の防振機構の正面を示す図である。
図6図6は、図5におけるAA’線に沿った断面構造を示す図である。
図7a図7aは、本発明の第1実施形態に係る撮像装置の防振機構における磁性流体をベースに設置した模式図である。
図7b図7bは、本発明の第1実施形態に係る撮像装置の防振機構はレンズを第1方向に移動させたときに磁性流体が第1磁石に対し付勢する模式図である。
図7c図7cは、本発明の第1実施の形態に係る撮像装置の防振機構はレンズを第1方向の逆方向に移動させたときに磁性流体が第1磁石に対し付勢する模式図である。
図8a図8aは、本発明の第1実施形態に係る撮像装置の防振機構における磁性流体をキャリアに設置した模式図である。
図8b図8bは、本発明の第1実施形態に係る撮像装置の防振機構はレンズを第1方向に移動させたときに磁性流体が第1コイルに対し付勢する模式図である。
図8c図8cは、本発明の第1実施形態に係る撮像装置の防振機構はレンズを第1方向の逆方向に移動させたときに磁性流体が第1コイルに対し付勢する模式図である。
図9a図9aは、本発明の第1実施形態の別の磁性流体の設置形態を示す図である。
図9b図9bは、本発明の第1実施形態のさらに別の磁性流体の設置形態を示す図である。
図10図10は、本発明の第1実施形態に係るピント調整機構を有する撮像装置を示す図である。
図11図11は、本発明の第1実施形態に係る屈曲式の光学機構を有する撮像装置を示す図である。
図12図12は、本発明の第1実施形態に係る沈胴するズーム機構を有する撮像装置を示す図である。
図13図13は、本発明の第1実施形態に係る携帯式電子機器の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明実施形態の目的、技術考案及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳しく説明する。しかしながら、本発明の各実施形態において、本発明に対する理解を便宜にするために、多くの技術的細部まで記載されているが、これらの技術的細部および以下の各実施形態に基づく種々の変化及び修正がなくても、本発明が保護しようとする技術考案を実現可能であることは、当業者にとっては自明なことである。
【0022】
本発明の実施形態において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「底」、「内」、「外」、「中」、「垂直」、「水平」、「横」、「縦」などの用語は、図麺に示す方位または位置関係に基づく方位または位置関係を示す。これらの用語は、主として、本発明およびその実施形態をよりよく説明するためのものであり、指示された装置、要素、または構成部分が特定の方位を有するか、または特定の方位で構成され、操作されなければならないことを限定するためには使用されない。
【0023】
また、上記の部分的な用語は、方位または位置関係を表す以外に、他の意味を表すためにも使用することができる。例えば、用語「上」は、場合によっては依存関係または接続関係を表すためにも使用することができる。当業者にとって、これらの用語の本発明における具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0024】
さらに、用語「取付」、「設置」、「設定」、「開設」、「接続」、「相連」は広義に理解されなければならない。例えば、固定接続、取り外し可能接続、または一体的な構造であってもよい。機械的接続、または電気的接続であってもよい。直接接続されていてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよく、2つの装置、要素、または構成要素間の内部の接続でもよい。当業者にとって、上記の用語の本発明における具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0025】
さらに、「第1」、「第2」などの用語は、主に、指示されたデバイス、要素、または構成要素の相対的な重要性と量を表明または闇示するためのものではなく、異なるデバイス、要素、または構成要素を区別するために使用される(特定の種類と構成は同じでも異なる場合もある)。特に説明がない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0026】
以下、本実施形態の撮像装置、カメラ、携帯式電子機器の実現の細部を具体的に説明し、以下は理解を容易にするために提供される実現の細部であり、本プログラムの実施に必要なものではない。
【0027】
本発明の第1実施形態における撮像装置100の構造を示す図は図1~3のように、
レンズアセンブリ1及び防振機構2を備え、防振機構2は、ベース21、キャリア22、駆動部材23及び支承部222を含み、レンズアセンブリ1がキャリア22に固定され、駆動部材23はコイル231と磁石232を含み、コイル231と磁石232のうちの一つがベース21に固定され、もう一つがキャリア22に固定され、駆動部材23はキャリア22をベース21に対して光軸3に垂直な方向に移動するように駆動し、支承部222はキャリア22とベース21の間に設けられてキャリア22の移動をサポートし、防振機構2はベース21および/またはキャリア22に設けられた磁性流体24をさらに含む。
【0028】
本発明の第1実施形態は、先行技術に比べて、サスペンションワイヤーの代わりに支承部222と磁性流体24を使用し、環状磁場を有する磁性部品に対する磁性流体24の磁気吸引効果を利用し、ジッター時のレンズアセンブリ1のブレーキを実現し、リップルと副次共振を有効に抑え、レンズ1の重量によりサスペンションワイヤーが破損するか永久変形する問題を解決し、レンズアセンブリ1を迅速に復帰でき、撮像装置100の体積と重量を減少し、手ブレ補正性能を向上させ、撮像装置100の撮影品質を向上させるものである。
【0029】
具体的には、レンズアセンブリ1はレンズ11と鏡筒12を含み、レンズ11は鏡筒12に固定され、ベース21とキャリア22は角丸多辺形になっている。
【0030】
前述構造において、無通電状態でも、コイル231および/または磁石232は磁性流体24に引き寄せられ、すなわち磁性流体24の磁力は、弾性力と同様にレンズアセンブリ1を撮像装置100の光軸3に引き戻すことも可能である。
【0031】
理解できるように、コイル231と磁石232のうちの一つがベース21に固定され、もう一つがキャリア22に固定されることは、コイル231がベース21に固定され、磁石232がキャリア22に固定されること、または、コイル231がキャリア22に固定され、磁石232がベース21に固定されることを含み、また、磁性流体24がベース21および/またはキャリア22に設置されることは、磁性流体24がベース21に設置されること、または、磁性流体24がキャリア22に設置されること、または、磁性流体24がベース21及びキャリア22に設置されることを含み、本発明の第1実施例では、コイル231がベース21に固定され、磁石232がキャリア22に固定され、磁性流体24がベース21に設置されることを例にして説明する。
【0032】
好ましくは、支承部222はボールであり、駆動部材23はボイスコイルモータである。
【0033】
理解できるように、先行技術では、レンズアセンブリ1の支持にサスペンションワイヤーを用いる場合、駆動範囲が広い時またはレンズアセンブリ1の重量が大きい時に、サスペンションワイヤーが応力集中により破損するか永久変形しやすくなり、あるいは、撮像装置100が落下するときに、サスペンションワイヤーにも曲がると断裂する状況などが発生し、これに対し、本実施形態で提供するボールを支持部品として用いることにより、防振機構2のレンズアセンブリ1に対する支持がより強固となり、さらに、サスペンションワイヤーの代わりにボールを支持部品として使用するため、レンズアセンブリ1にジッターが発生した時に、副次共振現象も有効に抑制でき、レンズ1の信頼性を高めることができる。
【0034】
具体的には、本実施例では、コイル231は第1コイル2311と第2コイル2312を含み、磁石232は第1磁石2321と第2磁石2322を含み、防振機構2はヨーク233をさらに含み、ヨーク233は第1ヨーク2331と第2ヨーク2332を含み、ここで、第1コイル2311、第1磁石2321と第1ヨーク2331が第1駆動部材を構成しており、第2コイル2312、第2磁石2322と第2ヨーク2332が第2駆動部材を構成している。
【0035】
さらに、ベース21には第1固定溝212と第2固定溝213が設けられ、キャリア22には第1取付溝223と第2取付溝224が設けられ、ここで、第1固定溝212の内部に第1コイル2311が設置され、第2固定溝213の内部に第2コイル2312が設置され、第1取付溝223の内部に第1磁石2321と第1ヨーク2331が設置され、また第1ヨーク2331は第1磁石2321の第1コイル2311から離れた側に位置し、第1コイル2311が通電されると、第1磁石2321には第1方向P1に沿った力または第1方向P1の逆方向に沿った力を与え、第2磁石2322と第2ヨーク2332は第2取付溝224の内部に設置され、また第2ヨーク2332は第2磁石2322の第2コイル2312から離れた側に位置し、第2コイル2312が通電されると、第2磁石2322には第2方向P2に沿った力または第2方向P2の逆方向に沿った力を与え、このように、第1コイル2311と第2コイル2312の電流を調整することで、第1磁石2321と第2磁石2322にかかる磁力の大きさと方向を変え、キャリア22を光軸3に垂直な平面内で移動させ、ひいてはレンズアセンブリ1を光軸3に垂直な平面内で移動させるようにすることができる。
【0036】
再び図2を参照すると、本実施例では、ヨーク233は、第3ヨーク2333と第4ヨーク2334をさらに含み、第3ヨーク2333は第1固定溝212内に位置し、また第1コイル2311の第1磁石2321から離れた側に設置され、第4ヨーク2334は第2固定溝213内に位置し、また第2コイル2312の第2磁石2322から離れた側に設置されている。
【0037】
本実施例では、駆動部材23はベース21に設置されたフレキシブル基板234をさらに含み、フレキシブル基板234は、第1コイル2311と第2コイル2312を接続し、第1コイル2311と第2コイル2312に電力を供給するために使用されている。
【0038】
図2図6を併せて参照すると、本実施例では、磁性流体24は4つあり、2つの第1磁性流体241と2つの第2磁性流体242を含み、第1固定溝212の両側に2つの第1流体収容溝214が設置され、第2固定溝213の両側に2つの第2流体収容溝215が設置され、ここで、2つの第1磁性流体241はそれぞれに2つの第1流体収容溝214に設置され、他の2つの第2磁性流体242はそれぞれに2つの第2流体収容溝215に設置され、すなわち、2つの第1磁性流体241は第1コイル2311の短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに第1コイル2311の両側に設けられ、2つの第2磁性流体242は第2コイル2312の短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに第2コイル2312の両側に設けられている。
【0039】
図7を併せて参照すると、図7(a)はレンズアセンブリ1が安定している時、第1コイル2311と第1磁石2321の位置を示す図であり、この時、第1コイル2311は第1磁石2321と向き合い、図7(b)において、レンズアセンブリ1が力によってジッターが発生し、また第1方向P1に向かって移動するときに、第1磁石2321は第1方向P1に向かって移動し、また一つの第1磁性流体241と向かい合うまで移動し、この時、この第1磁性流体241は第1磁石2321を引き寄せ、第1磁石2321に第1磁力F1を与え、レンズアセンブリ1が第1方向P1に向かってそれ以上移動することを阻止し、ジッター時にレンズアセンブリ1が第1方向P1に向かって移動する距離を短くし、図7(c)では、レンズアセンブリ1が力によってジッターが発生し、また第1方向P1の逆方向に向かって移動するときに、第1磁石2321が第1方向P1の逆方向に向かって移動し、またもう一つの第1磁性流体241と向かい合うまで移動し、この時、この第1磁性流体241は第1コイル2311を引き寄せ、第1磁石2321に第2磁力F2を与え、レンズアセンブリ1が第1方向P1の逆方向に向かってさらに移動することを阻止し、ジッター時にレンズアセンブリ1が第1方向P1の逆方向に向かって移動する距離を短くし、これにより、レンズアセンブリ1が第1方向P1またはその逆方向にジッターが発生した時、第1コイル2311の両側に位置する第1磁性流体241はジッターを抑える役割を果たすことが可能である。
【0040】
理解できるように、レンズアセンブリ1が第2方向P2またはその逆方向にジッターが発生した時、第2コイル2312の両側に位置する2つの第2磁性流体242はジッターを抑制する役割を果たすこともでき、レンズアセンブリ1が他の方向にジッターが発生した時、4つの磁性流体24と一緒に作用してレンズアセンブリ1の任意の方向におけるジッターを抑制できる。
【0041】
他のいくつかの実施例では、磁性流体24がキャリア22に設けられた場合、第1磁石2321の短軸に平行な方向に沿って第1磁石2321の両側に2つの第1磁性流体241をそれぞれに設け、第2磁石2322の短軸に平行な方向に沿って第2磁石2322の両側に2つの第2磁性流体242をそれぞれに設けることも可能である。
【0042】
図8を併せて参照すると、具体的には、磁性流体24をキャリア22に設ける場合、第1コイル2311と第1磁石2321を例にとると、図8(a)は、レンズアセンブリ1が安定している時、第1コイル2311と第1磁石2321の位置を示す図であり、この時、第1コイル2311は第1磁石2321と向き合っており、図8(b)では、レンズアセンブリ1が力によってジッターが発生し、また第1方向P1に向かって移動する場合、第1磁石2321が第1コイル2311に対して第1方向P1に向かって移動し、また第1コイル2311が一つの第1磁性流体241と向かい合うまで移動し、この時、この第1磁性流体241が第1コイル2311を引き寄せ、第1コイル2311に第3磁力F3を与え、第1コイル2311がベース21に固定されているため、第3磁力の反作用力で第1磁石2321を制動(ブレーキをかける)し、レンズアセンブリ1が第1方向P1に向かってさらに移動することを阻止し、ジッター時のレンズアセンブリ1が第1方向P1に向かって移動する距離を短くし、図8(c)では、レンズアセンブリ1が力によってジッターが発生し、また第1方向P1の逆方向に向かって移動する場合、第1磁石2321が第1方向P1の逆方向に向かって移動し、また第1コイル2311がもう一つの第1磁性流体241と向かい合うまで移動し、この時、この第1磁性流体241が第1コイル2311を引き寄せ、第1コイル2311に第4磁力F4を与え、レンズアセンブリ1が第1方向P1の逆方向に向かってさらに移動することを阻止し、ジッター時にレンズアセンブリ1が第1方向P1の逆方向に向かって移動する距離を短くし、これにより、レンズアセンブリ1が第1方向P1またはその逆方向にジッターが発生した時、第1磁石2321の両側に位置する第1磁性流体241はジッターを抑制する役割を果たすことが可能である。
【0043】
理解できるように、レンズアセンブリ1が第2方向P2またはその逆方向にジッターが発生した時、第2磁石2322の両側に位置する2つの第2磁性流体242も、ジッターを抑制する役割を果たすることができ、レンズアセンブリ1のジッター方向が他の方向である場合、4つの磁性流体24は一緒に作用してレンズアセンブリ1の任意の方向におけるジッターを抑制することができる。
【0044】
図9を併せて参照すると、他のいくつかの実施例では、ヨーク233は第3ヨーク2333と第4ヨーク2334を含まなく、磁性流体24は2つであり、一つの磁性流体24は第1コイル2311の第1磁石2321から離れた側に設置され、もう一つの磁性流体24は第2コイル2312の第2磁石2322から離れた側に設置されている。
【0045】
具体的には、第1コイル2311と第1磁石2321を例にとると、本実施例では、一つの磁性流体24が第3ヨーク2333を置き換え、この場合、キャリア22の可動範囲内で、第1磁石2321を制御性の良好なバネとして使用でき、この場合は、第1コイル2311の両側に磁性流体24を設置する必要がなく、撮像装置の部品点数をさらに削減でき、これにより、撮像装置の重量を減らし、撮像装置の軽量化設計を実現することが可能となる。
【0046】
好ましくは、第2コイル2312と第1第2磁石2322についても、第4ヨーク2334の代わりに一つの磁性流体24を使用でき、第3ヨーク2333の代わりに磁性流体24を使用するのと同じ有益な効果が得られる。
【0047】
理解できるように、第1ヨーク2331、第2ヨーク2332の代わりに磁性流体24を用いることも可能であり、本発明の実施例では、これについて特に限定されていない。
【0048】
本実施例では、防振機構2はケース25をさらに含み、ベース21がケース25と共に収容空間を囲んで形成し、前述キャリア22と駆動部材23の両方はこの収容空間に位置し、ケース25には貫通孔が設けられ、レンズアセンブリ1がその貫通孔を通って収容空間から延出する。
【0049】
図10を併せて参照すると、本実施例では、撮像装置はピント調整機構51をさらに含み、ピント調整機構51はキャリア22のベース21から離れた側に設けられ、ピント調整機構51は防振機構2を駆動することで合焦を実現し、防振機構2とピント調整機構51でレンズ駆動装置50を構成している。
【0050】
図11を併せて参照すると、本実施例では、撮像装置は屈曲式の光学機構60をさらに含み、屈曲式の光学機構60は、光軸3の延伸方向を変えることに用いられるプリズム61と導光レンズ62を含み、レンズ駆動装置50は導光レンズ62のプリズム61から離れた一端に設けられ、このように、プリズム61に垂直に入射した光がプリズム61で屈折され、そして、導光レンズ62を経由してレンズ駆動装置50のレンズアセンブリ1に入り、レンズ駆動装置50中のピント調整機構51と防振機構2によって調整され、最後に撮像素子に出射するようになっている。
【0051】
理解できるように、屈曲式の光学機構60は、ペリスコピックカメラレンズとすることができ、屈曲式の光学機構60は長光路の光学系に多く用いられ、屈曲式の光学機構60をスマートフォンなどの携帯式端末に適用すると、低背化した携帯式端末でも長光路が得られるため、望遠撮影が実現でき、屈曲式の光学機構60は受けたジッターの影響がより大きいが、本実施例で提供する防振機構2は、屈曲式の光学機構60に対して高精度なジッター補正を行うことが可能となるため、撮像装置の実用性を大幅に向上させる。
【0052】
図12を併せて参照すると、本実施例では、撮像装置は沈胴するズーム機構70をさらに含み、沈胴するズーム機構70は駆動モーター71によって駆動されると光軸3に沿って沈胴することが可能である。
【0053】
理解できるように、沈胴するズーム機構70は光学レンズの位置を移動させて焦点距離を変える望遠カメラシステムまたは光学ズームシステムであり、前述屈曲式の光学機構60と同様に、沈胴するズーム機構70も受けたジッターの影響がより大きく、本実施例で提供する防振機構2により、高精度なジッター補正を行うことが可能となり、撮像装置の実用性を向上させることができる。
【0054】
先行技術では、サスペンションワイヤーを用いてレンズアセンブリ1を支持すると、サスペンションワイヤーを曲げないとレンズアセンブリ1を駆動できなく、実用上、スマートフォンなどの携帯式端末に沈胴するズーム機構70を適用する時、沈胴するズーム機構70を低背化する必要があり、この時、本実施例で提供するベース21、キャリア22と支承部222を用いることにより、さらに低背化設計が可能になり、前述沈胴するズーム機構70をスマートフォンにスムーズに搭載できる。
【0055】
本発明の第2実施形態は携帯式電子機器200に関するものであり、図13に示すように、機器本体210と前述第1実施形態の撮像装置100を含む。
【0056】
上記の各実施例は本発明を実現するための具体的な実施例であるが、実際の応用において、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、形式及び細部に対する種々の変更を行うことができることは、当業者であれば理解できるはずである。
【符号の説明】
【0057】
1 … レンズアセンブリ
11 … レンズ
12 … 鏡筒
2 … 防振機構
21 … ベース
211 … 第1収容溝
212 … 第1固定溝
213 … 第2固定溝
214 … 第1流体収容溝
215 … 第2流体収容溝
22 … キャリア
221 … 第2収容溝
222 … 支承部
223 … 第1取付溝
224 … 第2取付溝
23 … 駆動部材
231 … コイル
2311 … 第1コイル
2312 … 第2コイル
232 … 磁石
2321 … 第1磁石
2322 … 第2磁石
233 … ヨーク
2331 … 第1ヨーク
2332 … 第2ヨーク
2333 … 第3ヨーク
2334 … 第4ヨーク
234 … フレキシブル基板
24 … 磁性流体
241 … 第1磁性流体
242 … 第2磁性流体
25 … ケース
3 … 光軸
50 … レンズ駆動装置
51 … ピント調整機構
60 … 屈曲式の光学機構
61 … プリズム
62 … 導光レンズ
70 … 沈胴するズーム機構
71 … 駆動モーター
100 … 撮像装置
200 … 携帯式電子機器
210 … 機器本体
P1 … 第1方向
P2 … 第2方向
F1 … 第1磁力
F2 … 第2磁力
F3 … 第3磁力
F4 … 第4磁力
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズアセンブリ及び防振機構を備え、前記防振機構は、ベース、キャリア、駆動部材及び支承部を含み、前記レンズアセンブリが前記キャリアに固定され、前記駆動部材はコイルと磁石を含み、前記コイルと前記磁石のうちの一つが前記ベースに固定され、もう一つが前記キャリアに固定され、前記駆動部材は前記キャリアを前記ベースに対して光軸に垂直な方向に移動するように駆動し、前記支承部は前記キャリアと前記ベースの間に設けられて前記キャリアの移動をサポートし、
前記防振機構は磁性流体をさらに含み、
前記駆動部材は、第1駆動部材と第2駆動部材とを含み、
前記第1駆動部材は、前記キャリアに固定された第1磁石及び前記ベースに固定された第1コイルを含み、前記第2駆動部材は、前記キャリアに固定された第2磁石及び前記ベースに固定された第2コイルを含み、又は、前記第1駆動部材は、前記ベースに固定された第1磁石及び前記キャリアに固定された第1コイルを含み、前記第2駆動部材は、前記ベースに固定された第2磁石及び前記キャリアに固定された第2コイルを含み、
前記磁性流体は、前記第1コイルの短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第1コイルの両側に設けられた2つの第1磁性流体と、前記第2コイルの短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第2コイルの両側に設けられた2つの第2磁性流体とを含み、又は、前記磁性流体は、前記第1磁石の短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第1磁石の両側に設けられた2つの第3磁性流体と、前記第2磁石の短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第2磁石の両側に設けられた2つの第4磁性流体とを含む、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1駆動部材は、前記キャリアを第1方向に平行に移動するように駆動し、前記第2駆動部材は、前記キャリアを第2方向に平行に移動するように駆動し、前記第1方向と前記第2方向は互いに垂直である、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記駆動部材は、前記磁石の前記コイルから離れた側に固定されたヨークと、前記コイルの前記磁石から離れた側に固定された第5磁性流体とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記支承部はボールである、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記キャリアの前記ベースから離れた側に設けられたピント調整機構をさらに備え、前記ピント調整機構は、前記レンズアセンブリを光軸方向に沿って移動するように駆動することで合焦を実現する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
屈曲式の光学機構をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
沈胴するズーム機構をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
機器本体と、請求項1~のいずれか1項に記載の撮像装置とを含む、
ことを特徴とする携帯式電子機器。
【請求項9】
レンズアセンブリ及び防振機構を備え、前記防振機構は、ベース、キャリア、駆動部材及び支承部を含み、前記レンズアセンブリが前記キャリアに固定され、前記駆動部材はコイルと磁石を含み、前記コイルと前記磁石のうちの一つが前記ベースに固定され、もう一つが前記キャリアに固定され、前記駆動部材は前記キャリアを前記ベースに対して光軸に垂直な方向に移動するように駆動し、前記支承部は前記キャリアと前記ベースの間に設けられて前記キャリアの移動をサポートし、
前記防振機構は前記ベースおよび/または前記キャリアに設けられた磁性流体をさらに含み、
前記駆動部材は、前記磁石の前記コイルから離れた側に固定されたヨークと、前記コイルの前記磁石から離れた側に固定された第5磁性流体とを含む、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
前記駆動部材は、第1駆動部材と第2駆動部材とを含み、前記第1駆動部材は、前記キャリアを第1方向に平行に移動するように駆動し、前記第2駆動部材は、前記キャリアを第2方向に平行に移動するように駆動し、前記第1方向と前記第2方向は互いに垂直である、
ことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第1駆動部材は、前記キャリアに固定された第1磁石及び前記ベースに固定された第1コイルを含み、前記第2駆動部材は、前記キャリアに固定された第2磁石及び前記ベースに固定された第2コイルを含み、又は、前記第1駆動部材は、前記ベースに固定された第1磁石及び前記キャリアに固定された第1コイルを含み、前記第2駆動部材は、前記ベースに固定された第2磁石及び前記キャリアに固定された第2コイルを含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記磁性流体は、前記第1コイルの短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第1コイルの両側に設けられた2つの第1磁性流体と、前記第2コイルの短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第2コイルの両側に設けられた2つの第2磁性流体とを含み、又は、前記磁性流体は、前記第1磁石の短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第1磁石の両側に設けられた2つの第3磁性流体と、前記第2磁石の短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第2磁石の両側に設けられた2つの第4磁性流体とを含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記支承部はボールである、
ことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記キャリアの前記ベースから離れた側に設けられたピント調整機構をさらに備え、前記ピント調整機構は、前記レンズアセンブリを光軸方向に沿って移動するように駆動することで合焦を実現する、
ことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項15】
屈曲式の光学機構をさらに備える、
ことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項16】
沈胴するズーム機構をさらに備える、
ことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項17】
機器本体と、請求項9~16のいずれか1項に記載の撮像装置とを含む、
ことを特徴とする携帯式電子機器。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズアセンブリ及び防振機構を備え、前記防振機構は、ベース、キャリア、駆動部材及び支承部を含み、前記レンズアセンブリが前記キャリアに固定され、前記駆動部材はコイルと磁石を含み、前記コイルと前記磁石のうちの一つが前記ベースに固定され、もう一つが前記キャリアに固定され、前記駆動部材は前記キャリアを前記ベースに対して光軸に垂直な方向に移動するように駆動し、前記支承部は前記キャリアと前記ベースの間に設けられて前記キャリアの移動をサポートし、
前記防振機構は磁性流体をさらに含み、
前記駆動部材は、第1駆動部材と第2駆動部材とを含み、
前記第1駆動部材は、前記キャリアに固定された第1磁石及び前記ベースに固定された第1コイルを含み、前記第2駆動部材は、前記キャリアに固定された第2磁石及び前記ベースに固定された第2コイルを含み、又は、前記第1駆動部材は、前記ベースに固定された第1磁石及び前記キャリアに固定された第1コイルを含み、前記第2駆動部材は、前記ベースに固定された第2磁石及び前記キャリアに固定された第2コイルを含み、
前記磁性流体は、前記第1コイルの短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第1コイルの両側に設けられた2つの第1磁性流体と、前記第2コイルの短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第2コイルの両側に設けられた2つの第2磁性流体とを含み、又は、前記磁性流体は、前記第1磁石の短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第1磁石の両側に設けられた2つの第3磁性流体と、前記第2磁石の短軸方向に平行な方向に沿ってそれぞれに前記第2磁石の両側に設けられた2つの第4磁性流体とを含む、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1駆動部材は、前記キャリアを第1方向に平行に移動するように駆動し、前記第2駆動部材は、前記キャリアを第2方向に平行に移動するように駆動し、前記第1方向と前記第2方向は互いに垂直である、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記駆動部材は、前記磁石の前記コイルから離れた側に固定されたヨークと、前記コイルの前記磁石から離れた側に固定された第5磁性流体とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記支承部はボールである、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記キャリアの前記ベースから離れた側に設けられたピント調整機構をさらに備え、前記ピント調整機構は、前記レンズアセンブリを光軸方向に沿って移動するように駆動することで合焦を実現する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
屈曲式の光学機構をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
沈胴するズーム機構をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
機器本体と、請求項1~7のいずれか1項に記載の撮像装置とを含む、
ことを特徴とする携帯式電子機器。