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  • 特開-筆記具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035703
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】筆記具
(51)【国際特許分類】
   B43K 23/08 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
B43K23/08 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140324
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 優希
(57)【要約】
【課題】筆記具の軸筒にキャップを装着する際の摩擦力を低減する。
【解決手段】軸筒の外周面のうち、キャップに被覆される部分である外周先端部と、外周先端部の後端を底辺とし、先端側を頂点として周方向に対称となり、外周先端部よりも厚さを増して延びる第一山部が周方向に並んで冠歯車状に形成された第一冠歯車部と、キャップの内周面の後端近傍を底辺とし、後端側を頂点として周方向に対称となり、キャップの内周面よりも厚さを増して延びる第二山部が周方向に並んで冠歯車状に形成された第二冠歯車部と、を備え、キャップが軸筒に装着された状態で、第一冠歯車部と第二冠歯車部は、周方向及び軸筒の長手方向に隙間を有しつつ噛み合う、筆記具。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸筒と、
前記軸筒の先端に装着されるキャップと、
前記軸筒の外周面のうち、前記キャップに被覆される部分である外周先端部と、
前記外周先端部の後端を底辺とし、先端側を頂点として周方向に対称となり、前記外周先端部よりも厚さを増して延びる第一山部が周方向に並んで冠歯車状に形成された第一冠歯車部と、
前記第一山部と前記軸筒の先端との間において外方へ突出した外周突起部と、
前記キャップの内周面の後端近傍を底辺とし、後端側を頂点として周方向に対称となり、前記キャップの内周面よりも厚さを増して延びる第二山部が周方向に並んで冠歯車状に形成された第二冠歯車部と、
前記キャップが前記軸筒に装着された際に前記外周突起部と係合する、内方へ突出した内周突起部と、
を備え、
前記キャップが前記軸筒に装着された状態で、前記第一冠歯車部と前記第二冠歯車部は、周方向及び前記軸筒の長手方向に隙間を有しつつ噛み合う、
筆記具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記具等のキャップを着脱可能に装着するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
サインペン、マーカーなどの筆記具は、軸筒内に格納されたインクが不用意に揮発するのを防止するため、軸筒へのキャップの装着構造では、気密性が重視された設計になっている。また、キャップが軸筒から容易に脱落しない程度に、キャップと軸筒との装着力は強い方が好ましい。
【0003】
たとえば特許文献1及び特許文献2には軸筒の筆記先端側の外周に山形状突起を設けるとともに、キャップ内周面には谷形状凹溝を設け、キャップを捻じりながら外すことにより該キャップ内の谷形状凹溝が軸筒外周の山形状突起の側面で押し上げられ、キャップが軸筒から離隔して行くように構成したものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-301381号公報
【特許文献2】特開平10-151890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の構造は谷形状凹溝と山形状突起がかみ合い、山形状突起に沿って谷形状凹溝が摺動するため、摩擦力が大きくなってしまいキャップが開閉しづらいという問題があった。
【0006】
上記事情に鑑み、本開示の実施態様は、軸筒にキャップを装着する際の摩擦力を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第一態様の筆記具は、軸筒と、前記軸筒の先端に装着されるキャップと、前記軸筒の外周面のうち、前記キャップに被覆される部分である外周先端部と、前記外周先端部の後端を底辺とし、先端側を頂点として周方向に対称となり、前記外周先端部よりも厚さを増して延びる第一山部が周方向に並んで冠歯車状に形成された第一冠歯車部と、前記第一山部と前記軸筒の先端との間において外方へ突出した外周突起部と、前記キャップの内周面の後端近傍を底辺とし、後端側を頂点として周方向に対称となり、前記キャップの内周面よりも厚さを増して延びる第二山部が周方向に並んで冠歯車状に形成された第二冠歯車部と、前記キャップが前記軸筒に装着された際に前記外周突起部と係合する、内方へ突出した内周突起部と、を備え、前記キャップが前記軸筒に装着された状態で、前記第一冠歯車部と前記第二冠歯車部は、周方向及び前記軸筒の長手方向に隙間を有しつつ噛み合う。
【0008】
この筆記具によれば、軸筒にキャップが装着された際に、軸筒の第一山部と、キャップの内周面の第二山部とが周方向に隙間を有しつつ噛み合う。これにより、軸筒とキャップとを捩じることにより、キャップの内周面の第二山部と軸筒の第一山部とが互いに接触して、キャップが軸筒から離れる方向に移動する。
【0009】
また、これにより、キャップを軸筒に装着する際に、第一山部と第二山部とが接触することにより発生する摩擦力を低減することができる。
【0010】
また、この筆記具によれば軸筒にキャップが装着された際に、第一山部と、第二山部とが長手方向に隙間を有しつつ噛み合う。
【0011】
これにより、キャップを軸筒に装着する際及びキャップを軸筒から取り外す際に、第一山部の頂部と第二冠歯車部の歯底部分とが、また第二山部の頂部と第一冠歯車部の歯底部分とが接触することにより発生する摩擦力を、低減することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る筆記具によれば、軸筒にキャップを装着する際の摩擦力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の第一実施形態に係る筆記具の一例を説明する図であり、(A)は軸筒にキャップが装着されている状態を示す図、(B)は軸筒からキャップを外した状態を示す図、(C)は、キャップを1B-1B方向から視た断面図である。
図2】本開示の第一実施形態に係る筆記具の一例を説明する図であり、軸筒にキャップが装着された状態における外周突起部、内周突起部、第一冠歯車部及び第二冠歯車部の関係を示す断面図である。
図3】本開示の第一実施形態に係る筆記具において、軸筒からキャップが外れる際の第一冠歯車部と第二冠歯車部との状態を示す図であり、(A)は、軸筒にキャップが装着されている状態を示す展開図、(B)は、キャップを回転させて第一山部が第二山部に接触した状態を示す展開図、(C)は、キャップの第二山部が第一山部に案内されて軸筒の先端側に移動する展開図、(D)は、軸筒からキャップが外れた状態を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面において、同一又は等価な構成要素及び部品には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0015】
[第一実施形態]
(構成)
図1(A)及び図2に示すように、第一実施形態に係る筆記具10は、軸筒20と、軸筒20の先端に装着される合成樹脂製のキャップ40を備えた、いわゆるサインペンである。
【0016】
軸筒20は、内部にインクが収容され、長手方向(図面左右方向)に延びる筒状の部材であり、図1(B)に示されるように、先端にペン先14が設けられている。このペン先14は、一例としてフェルトなど毛細管効果を有する部材で形成されており、軸筒20の先端において、軸筒20の内部に収容されたインクを滲出する。
【0017】
また、軸筒20の先端側Fの外周面には、キャップ40に被覆される部分である外周先端部22が形成されている。本実施形態において、外周先端部22は、後端側で段差を有しながら軸筒20よりも小径とされた筒状部分であり、図2に示すように、先端側Fからペン先14ごとキャップ40に覆われる。
【0018】
また、本実施形態における外周先端部22は、外周先端部22の後端に形成された第一冠歯車部24と、第一山部26と軸筒20の先端との間において外方へ突出した外周突起部28とを有している。第一冠歯車部24には、第一山部26が周方向Rに並んで冠歯車状に形成されている。
【0019】
第一山部26は、図3(A)に示されるように、外周先端部22の後端を底辺26Bとし、先端側Fを頂点26Tとして周方向Rに対称となり、外周先端部22よりも厚さを増して延びる部分である。言い換えれば、第一山部26は、外周先端部22の後端を底辺26Bとし、先端側Fを頂点26Tとすることによって、略二等辺三角形状を呈した部分である。この第一山部26が、冠歯車状に並ぶことによって第一冠歯車部24が形成される。
【0020】
なお、本実施形態において、第一山部26の頂点26Tと底辺26Bとを繋ぐ傾斜面26Sは、図3(A)に示されるように、直線状を呈している。
【0021】
また、本実施形態において、第一山部26は、周方向Rに等間隔に並んで4個形成されており、それぞれの第一山部26は、周方向Rに連なっている。言い換えれば、隣り合う第一山部26の間は、底辺26B(外周先端部22の後端)の両端同士で繋がっている。なお、以後の説明において、この隣り合う第一山部26同士の底辺26Bを、「歯底26L」と称する場合がある。
【0022】
外周突起部28は、図1(B)に示されるように、後述する内周突起部48と係合する部分であり、一例として外周先端部22の外周面から外方に向かって突出した突起が、外周面を周方向Rに一周亘ることにより環状に形成されている。
【0023】
また、本実施形態におけるキャップ40は、図1(C)に示されるように、内周面42に第二冠歯車部44と、内周突起部48とを有し、第二冠歯車部44には、第二山部46が周方向Rに並んで冠歯車状に形成されている。
【0024】
第二山部46は、図1(C)及び図3(A)に示されるように、内周面42の後端近傍を底辺46Bとし、後端側を頂点46Tとして周方向Rに対称となり、内周面42の他の部分よりも厚さを増して延びる部分である。言い換えれば、第二山部46は、内周面42の後端近傍を底辺46Bとし、後端側を頂点46Tとすることによって、略二等辺三角形状を呈する部分である。この第二山部46が、冠歯車状に並ぶことによって第二冠歯車部44が形成される。
【0025】
なお、本実施形態において、第二山部46の頂点46Tと底辺46Bとを繋ぐ傾斜面46Sは、図3に示されるように、直線状を呈している。
【0026】
また、本実施形態において、第二山部46は、周方向Rに等間隔に並んで4個形成されており、それぞれの第二山部46は、周方向Rに連なっている。言い換えれば、隣り合う第二山部46の間は、底辺46B(内周面42の後端近傍)の両端同士で繋がっている。なお、以後の説明において、この隣り合う第二山部46同士の底辺46Bを、「歯底46L」と称する場合がある。また、本実施形態における、「内周面42の後端近傍」の位置については、後述する。
【0027】
また、本実施形態において、図3に示されるように、第二山部46は、展開して視た場合に第一山部26と略同等の形状を呈している。言い換えれば、第一山部26と第二山部46とは、互いに周方向R及び長手方向(図3における図面上下方向)の大きさが略同等となっている。
【0028】
内周突起部48(図1(C)参照)は、外周突起部28と係合する部分であり、一例として内周後端部の内周面42から内方に向かって突出した突起が、内周面42を周方向Rへ環状に並べられて形成されている。なお、内周突起部48の個数は、適宜設定されるが、本実施形態では、図1に示されるように、4個形成されている。
【0029】
ここで、本実施形態における筆記具10では、図2及び図3(A)に示すようにキャップ40が軸筒20に装着された状態で、第一冠歯車部24と第二冠歯車部44は、周方向R及び軸筒20の長手方向に隙間D2を有しつつ噛み合う形状とされている。言い換えれば、キャップ40が軸筒20に装着された状態で、第一山部26の頂点26Tは、第二山部46の頂点46Tよりも軸筒20の先端側にある。
【0030】
このように本実施形態における筆記具10は、キャップ40が軸筒20に装着された状態で、第一山部26と第二山部46とは、周方向Rに隙間D1と長手方向の隙間D2を有しながら、長手方向に長さH1だけ重なり合いながら噛み合う(図3(B)も参照)。
【0031】
また、本開示における「内周面42の後端近傍」とは、キャップ40が軸筒20に装着された状態で、第二山部46と第一山部26が長手方向に隙間D2を有している状態で噛み合う位置として設定される。
【0032】
なお、本実施形態では、図2に示すように、キャップ40が軸筒20の先端に装着された状態において、外周突起部28と内周突起部48との長手方向の距離H2は、第一山部26と第二山部46とが重なり合う長さH1よりも短い。
【0033】
続いて、本実施形態における筆記具10において、軸筒20からキャップ40が取り外される様子及び軸筒20にキャップ40を取付ける様子を、図3を適宜参照しながら説明する。なお、図3に示される展開図は、先端外周部及びキャップ40の内周面42について360°を超えて示しており、各図における左側の端と、右側の端は、一致しない。
【0034】
図3(A)に示されるように、軸筒20の先端にキャップ40が装着された状態では、第一冠歯車部24と第二冠歯車部44は、周方向R及び軸筒20の長手方向に隙間D2を有しつつ噛み合っている。
【0035】
次に、キャップ40を捩じって周方向Rのいずれか一方に回転させることにより、図3(B)に示されるように、第一山部26の傾斜面26Sと第二山部46の傾斜面46Sとが互いに接触する。このように、キャップ40の内周面42の第二山部46と軸筒20の外周先端部22の第一山部26とが接触長さL1の長さだけ接触することにより、第一山部26の傾斜面26Sに第二山部46が案内され、キャップ40が先端側F(離れる方向)に移動する。
【0036】
そして、上述の通り外周突起部28と内周突起部48との距離H2が長さH1よりも短く設計されているため、図3(C)に示されるようにキャップ40が先端側Fに長さH1の分移動した場合には、内周突起部48が外周突起部28を乗越える。これにより、キャップ40と軸筒20との係合が解消されるため、図3(D)に示されるように、キャップ40は、軸筒20から取り外される。
【0037】
次に、キャップ40を軸筒20に装着する際は、まず図3(D)に示されるように、第一山部26の頂点26Tと第二山部46の頂点46Tとが近づく。ここで、第一山部26の頂点26Tと第二山部46の頂点46Tとが向かい合った状態で近づく場合でも、図3(C)に示されるように、第一山部26の頂点26Tと第二山部46の頂点46Tとが突き合った後、第二山部46が第一山部26の傾斜面26Sに案内される。すなわち、キャップ40は、周方向Rのいずれか一方に回転する。
【0038】
そして、さらにキャップ40を押し込むことにより、内周突起部48が外周突起部28を乗り越え、キャップ40が外周先端部22に装着された状態(図3(B)に示される状態)となる。
【0039】
なお、本実施形態に係る筆記具10では、図3(A)に示されるように、キャップ40が軸筒20に装着された状態において、第一山部26と第二山部46との間には、周方向R及び軸筒20の長手方向に隙間D2を有している。このため、本実施形態に係る筆記具10では、キャップ40を軸筒20に装着する際に、軸筒20とキャップ40との相対的な周方向Rの角度によっては、第一山部26の頂点26Tと第二山部46の頂点46Tとが突き合わない場合や、第一山部26と第二山部46とが接触しない場合がある。
【0040】
(作用及び効果)
ここで、本実施形態に係る筆記具10では、第一冠歯車部24と第二冠歯車部44は、周方向R及び軸筒20の長手方向に隙間D2を有しつつ噛み合うことにより、第一山部26の傾斜面26Sと第二山部46の傾斜面46Sとは、接触長さL1で接触する。言い換えれば、第一山部26の傾斜面26Sと第二山部46の傾斜面46Sとが接触する長さは、第一山部26及び第二山部46の傾斜面の長さL0よりも小さくなる。
【0041】
これにより、キャップ40を軸筒20に装着する際及びキャップ40を軸筒20から取り外す際に、第一山部26の頂部と第二冠歯車部44の歯底46L部分とが、また第二山部46の頂部と第一冠歯車部24の歯底26L部分とが接触することにより発生する摩擦力を低減することができる。
【0042】
また、本実施形態に係る筆記具10では、キャップ40を軸筒20に装着する際において、第一山部26は、第一山部26を挟んで周方向Rの両側にある第二山部46のうち、いずれか一方としか接触しないか、又は両方とも接触しない。
【0043】
これにより、キャップ40を軸筒20に装着する際に、第一山部26が、第一山部26を挟んで両側にある第二山部46の両方と接触する際と比べて、第一山部26の傾斜面26Sと第二山部46の傾斜面46Sとが接触することにより発生する摩擦力を低減することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る筆記具10では、キャップ40が軸筒20に装着された状態において、第一山部26と第二山部46との間には、周方向R及び軸筒20の長手方向に隙間D2を有しているため、キャップ40を軸筒20に装着する際において、第一山部26と第二山部46とが接触する可能性が減少する。このため、キャップ40を軸筒20に装着する際において、第一山部26の傾斜面26Sと第二山部46の傾斜面46Sとが接触することにより摩擦力が発生する可能性を低減することができる。
【0045】
(変形例)
なお、上述の説明では、第一山部26及び第二山部46は、周方向Rに等間隔に並ぶことによって冠歯車状とされていたが、キャップ40が軸筒20に装着された際に、第一山部26と第二山部46とが軸方向及び周方向Rに隙間を有していれば、これに限らない。たとえば、第一山部26と第二山部46とは、それぞれ周方向Rに不等間隔に並んでもよい。また、上述の説明では、第一山部26及び第二山部46は、それぞれ底辺46B側が繋がって並んでいたが、これに限らず、キャップ40が軸筒20に装着された際に、第一山部26と第二山部46とが軸方向及び周方向Rに隙間を有していれば、周方向Rに隙間を有して並んでいてもよい。すなわち、本開示における「冠歯車状」とは、第一山部26又は第二山部46が周方向Rに不等間隔に並んでいる場合も含む。
【0046】
また、上述の説明では、第一山部26及び第二山部46は、それぞれ同等の形状とされていたが、キャップ40が軸筒20に装着された際に、第一山部26と第二山部46とが軸方向及び周方向Rに隙間を有していれば、これに限らない。例えば、第一山部26と第二山部46とのうち、いずれか一方がいずれか他方よりも、周方向R又は長手方向に大きく形成されていてもよい。
【0047】
また、上述の説明では、第一山部26及び第二山部46は、それぞれ同じ個数だけ形成されていたが、キャップ40が軸筒20に装着された際に、第一山部26と第二山部46とが軸方向及び周方向Rに隙間を有していれば、これに限らない。例えば、第一山部26の形成された個数が第二山部46の形成された個数よりも多くてもよく、また第一山部26の形成された個数が第二山部46の形成された個数よりも少なくてもよい。
【0048】
このように、キャップ40が軸筒20に装着された際に、第一山部26と第二山部46とが軸方向及び周方向Rに隙間D1を有していれば、第一山部26及び第二山部46の形状については適宜設計が可能であり、第一実施形態と同様の効果を有する。
【0049】
また、本開示に係る筆記具10は、サインペンに限らず、マーキングペン、ボールペン、筆ペンなど、軸筒20の先端にキャップ40が装着される筆記具10であれば本開示に係る技術を適用可能である。
【0050】
以上、添付図面を参照しながら本開示の実施形態を説明したが、本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、軸筒の先端にキャップが装着される筆記具に利用可能である。
【符号の説明】
【0052】
10 筆記具 14 ペン先
20 軸筒 22 外周先端部
26B 底辺 26T 頂点
26 第一山部 26S 傾斜面
24 第一冠歯車部 28 外周突起部
26I 変曲点 40 キャップ
42 内周面 46B 底辺
46T 頂点 46 第二山部
46S 傾斜面 44 第二冠歯車部
48 内周突起部
図1
図2
図3