(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035739
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】物品、吸収性物品の収容体、ウェットシート収容体、及び蚊に対する忌避効果の説明方法
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20240307BHJP
A61F 13/496 20060101ALI20240307BHJP
A61F 13/514 20060101ALI20240307BHJP
A01P 17/00 20060101ALI20240307BHJP
A01N 35/02 20060101ALI20240307BHJP
A01N 25/34 20060101ALI20240307BHJP
A61F 13/51 20060101ALN20240307BHJP
【FI】
A61F13/15 210
A61F13/15 142
A61F13/496
A61F13/514 120
A01P17/00
A01N35/02
A01N25/34 A
A61F13/51
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140394
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 大輔
(72)【発明者】
【氏名】柴田 彰
(72)【発明者】
【氏名】山口 正史
【テーマコード(参考)】
3B200
4H011
【Fターム(参考)】
3B200AA11
3B200BB21
3B200CA03
3B200DA21
3B200DD01
4H011AC06
4H011BB05
4H011DA07
(57)【要約】
【課題】吸収性物品の装着者の身体全体に対して、長時間に亘って蚊に対する忌避効果を付与することができる物品を提供することができる。
【解決手段】所定のブランド名(M1)、蚊に対する忌避効果を示す所定のマーク(M2)、及び、蚊の忌避成分の記載(M3)のうちの少なくとも一つの表示が付された収容部材(80)、及び収容部材(80)に収容され、吸収体(51)と蚊の忌避剤が設けられた吸収性物品(50)を有する吸収性物品収容体(5)の供給者が供給する、吸収性物品収容体(5)とは種類が異なる、蚊の忌避剤を有する物品(1)であって、物品(1)は、収容部材(20)を有し、物品(1)の収容部材(20)には、上記少なくとも一つの表示が付されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のブランド名、蚊に対する忌避効果を示す所定のマーク、及び、蚊の忌避成分の記載のうちの少なくとも一つの表示が付された収容部材、及び前記収容部材に収容され、吸収体と蚊の忌避剤が設けられた吸収性物品を有する吸収性物品収容体の供給者が供給する、前記吸収性物品収容体とは種類が異なる、蚊の忌避剤を有する物品であって、
前記物品は、収容部材を有し、
前記物品の前記収容部材には、前記少なくとも一つの表示が付されている
ことを特徴とする物品。
【請求項2】
請求項1に記載の物品であって、
前記吸収性物品は使い捨ておむつであり、
前記物品は、前記物品の前記収容部材に収容されたウェットシートを有する
ことを特徴とする物品。
【請求項3】
請求項2に記載の物品であって、
前記物品の前記収容部材は、前記使い捨ておむつが装着される部位以外の体の部位に、前記ウェットシートを使用することを促す表示を有する
ことを特徴とする物品。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の物品であって、
前記物品が有する前記蚊の忌避剤は、前記使い捨ておむつに設けられた前記蚊の忌避剤とは異なり、
前記物品が有する前記蚊の忌避剤の揮発性は、前記使い捨ておむつに設けられた前記蚊の忌避剤の揮発性よりも低い
ことを特徴とする物品。
【請求項5】
所定のブランド名、蚊に対する忌避効果を示す所定のマーク、及び、蚊の忌避成分の記載のうちの少なくとも一つの表示が付された収容部材と、前記収容部材に収容され、蚊の忌避剤を備えた第1製品とを有する第1製品収容体の供給者が供給する、前記第1製品収容体とは種類が異なる、吸収体及び蚊の忌避剤が設けられた吸収性物品を有する吸収性物品収容体であって、
前記少なくとも一つの表示が付され、前記吸収性物品を収容した収容部材を有する
ことを特徴とする吸収性物品収容体。
【請求項6】
請求項5に記載の吸収性物品収容体であって、
前記吸収性物品は、使い捨ておむつであり、
前記第1製品は、ウェットシートである
ことを特徴とする吸収性物品収容体。
【請求項7】
請求項6に記載の吸収性物品収容体であって、
前記第1製品収容体の前記収容部材は、前記使い捨ておむつが装着される部位以外の体の部位に、前記ウェットシートを使用することを促す表示を有する
ことを特徴とする吸収性物品収容体。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の吸収性物品収容体であって、
前記使い捨ておむつに設けられた前記蚊の忌避剤は、前記第1製品が有する前記蚊の忌避剤とは異なり、
前記使い捨ておむつに設けられた前記蚊の忌避剤の揮発性は、前記第1製品が有する前記蚊の忌避剤の揮発性よりも高い
ことを特徴とする吸収性物品収容体。
【請求項9】
所定のブランド名、蚊に対する忌避効果を示す所定のマーク、及び、蚊の忌避成分の記載のうちの少なくとも一つの表示が付された収容部材と、前記収容部材に収容され、蚊の忌避剤を備えた第1製品とを有する第1製品収容体の供給者が供給する、前記第1製品収容体とは種類が異なる、蚊の忌避剤を有するウェットシート収容体であって、
ウェットシートと、
前記少なくとも一つの表示が付され、前記ウェットシートを収容した収容部材と
を備えることを特徴とするウェットシート収容体。
【請求項10】
吸収体を備え、所定の忌避成分を有する蚊の忌避剤が設けられた吸収性物品と、前記吸収性物品を収容した収容部材とを有する吸収性物品収容体の供給者が供給するウェットシート収容体であって、
前記所定の忌避成分を有する蚊の忌避剤を含むウェットシートと、
前記ウェットシートを収容した収容部材と
を備えることを特徴とするウェットシート収容体。
【請求項11】
請求項10に記載のウェットシート収容体であって、
前記所定の忌避成分は、天然香料或いは単離香料を含んだ香料である
ことを特徴とするウェットシート収容体。
【請求項12】
請求項10又は11に記載のウェットシート収容体であって、
前記吸収性物品は、使い捨ておむつであり、
前記使い捨ておむつは、前記蚊の忌避剤が塗布された忌避剤配置領域と、前記蚊の忌避剤が塗布されていない忌避剤非配置領域とを有し、
前記ウェットシートは、全域が前記忌避剤配置領域である
ことを特徴とするウェットシート収容体。
【請求項13】
請求項10又は11に記載のウェットシート収容体であって、
前記所定の忌避成分は、揮発性を有する
ことを特徴とするウェットシート収容体。
【請求項14】
請求項10又は11に記載のウェットシート収容体であって、
前記所定の忌避成分を第1忌避成分としたとき、
前記ウェットシート或いは前記吸収性物品のいずれかが、前記第1忌避成分とは揮発性が異なる忌避成分である第2忌避成分をさらに有する
ことを特徴とするウェットシート収容体。
【請求項15】
請求項10又は11に記載のウェットシート収容体であって、
前記所定の忌避成分を第1忌避成分としたとき、
前記ウェットシートは、前記第1忌避成分よりも揮発性の低い忌避成分である第2忌避成分をさらに有し、
前記吸収性物品は、使い捨ておむつであり、
前記使い捨ておむつに設けられた前記蚊の忌避剤は、前記第2忌避成分を有していない
ことを特徴とするウェットシート収容体。
【請求項16】
所定のブランド名、蚊に対する忌避効果を示す所定のマーク、及び、蚊の忌避成分の記載のうちの少なくとも一つの表示が付された収容部材、及び前記収容部材に収容され、吸収体と蚊の忌避剤が設けられた吸収性物品を有する吸収性物品収容体を供給することと、
蚊の忌避剤を含むウェットシートと、前記少なくとも一つの表示が付され、前記ウェットシートを収容した収容部材とを有するウェットシート収容体を供給することと、
前記吸収性物品収容体を、WEBサイトにおいて表示することと、
前記ウェットシート収容体を、WEBサイトにおいて表示することと、
前記吸収性物品と、前記ウェットシートとを併用することによる蚊に対する忌避効果をWEBサイトにおいて説明することと
を備えることを特徴とする、蚊に対する忌避効果の説明方法。
【請求項17】
請求項16に記載の蚊に対する忌避効果の説明方法であって、
前記吸収性物品は、使い捨ておむつであり、
前記説明することは、前記使い捨ておむつが装着される部位以外の体の部位に、前記ウェットシートを使用することを促す説明をすることを含む
ことを特徴とする蚊に対する忌避効果の説明方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品、吸収性物品の収容体、ウェットシート収容体、及び蚊に対する忌避効果の説明方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、蚊などの害虫に対する忌避効果を備えた製品として、エアゾール、クリーム等の製剤や、ウェットティッシュ型の害虫忌避剤等が知られている。例えば、特許文献1には、使用時のべたつきを抑え、害虫忌避効果の持続性に優れたウェットティッシュ型の害虫忌避剤が開示されている。また、さらに近年では、蚊の忌避剤が設けられた使い捨ておむつ等の吸収性物品も検討されている。例えば、特許文献2には、着用者の虫刺さされを効果的に予防することができるパンツ型吸収性物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第4340015号公報
【特許文献2】特許第7095146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の害虫忌避剤は、通常、使用者が蚊などの害虫から身を守るために適宜使用するものであり、実際に使用した箇所においては、効果的に害虫忌避効果が得られると考えられる。一方で、特に特許文献2に開示された吸収性物品を着用するような乳幼児の場合は、乳幼児の保護者等が、蚊を媒介とする感染症から乳幼児を守るために気を配ることが多く、全身を予防する観点からより効果的な製品が求められる。特許文献2の吸収性物品を着用しただけでは、忌避効果の高い体の部位が限定され、吸収性物品が装着される部位から離れた部位は効果が弱くなってしまう虞や、吸収性物品の次の交換までに、付された忌避成分が蒸散し、時間経過と共に効果が薄れる虞もある。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、吸収性物品の装着者の体全体に対して、長時間に亘って蚊に対する忌避効果を付与することができる物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、所定のブランド名、蚊に対する忌避効果を示す所定のマーク、及び、蚊の忌避成分の記載のうちの少なくとも一つの表示が付された収容部材、及び前記収容部材に収容され、吸収体と蚊の忌避剤が設けられた吸収性物品を有する吸収性物品収容体の供給者が供給する、前記吸収性物品収容体とは種類が異なる、蚊の忌避剤を有する物品であって、前記物品は、収容部材を有し、前記物品の前記収容部材には、前記少なくとも一つの表示が付されていることを特徴とする物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、吸収性物品の装着者の身体全体に対して、長時間に亘って蚊に対する忌避効果を付与することができる物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1Aは、開封前のウェットシート収容体1の斜視図であり、
図1Bは、開封後のウェットシート収容体1の斜視図である。
【
図2】使い捨ておむつ収容体5の概略斜視図である。
【
図3】収容状態のおむつ50を背側から見た図である。
【
図4】
図4は、展開状態かつ伸張状態のおむつ50を肌側から見た概略平面図である。
【
図6】第1実施形態におけるウェットシート収容体1、及び使い捨ておむつ収容体5に付された表示を説明する図である。
【
図7】使い捨ておむつ50及びウェットシート10の蚊に対する忌避効果について説明する図である。
【
図8】第1実施形態のウェットシート収容体1の変形例を示す図である。
【
図9】第2実施形態におけるウェットシート収容体1、及び使い捨ておむつ収容体5に付された表示を説明する図である。
【
図10】蚊に対する忌避効果の説明方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1は、所定のブランド名、蚊に対する忌避効果を示す所定のマーク、及び、蚊の忌避成分の記載のうちの少なくとも一つの表示が付された収容部材、及び前記収容部材に収容され、吸収体と蚊の忌避剤が設けられた吸収性物品を有する吸収性物品収容体の供給者が供給する、前記吸収性物品収容体とは種類が異なる、蚊の忌避剤を有する物品であって、前記物品は、収容部材を有し、前記物品の前記収容部材には、前記少なくとも一つの表示が付されていることを特徴とする物品である。
【0010】
態様1のような物品によれば、同じ供給者が供給する、蚊の対する忌避効果を有する吸収性物品と、蚊の忌避剤を有する物品とを併用することで、吸収性物品の装着部位のみならず、装着者の体全体に対して、長時間に渡って蚊に対する忌避効果を得ることができる。
【0011】
態様2は、前記吸収性物品は使い捨ておむつであり、前記物品は、前記物品の前記収容部材に収容されたウェットシートを有する態様1に記載の物品である。
【0012】
態様2のような物品によれば、蚊の忌避剤が設けられたおむつを使用した場合、装着後すぐの忌避効果は高いが、装着時間が長くなるにつれて忌避効果が低下していくのに対し、ウェットシートは一回の効果時間はおむつよりも短いものの、時間を空けて何回も使用することで、改めて忌避効果を付与することができる。そのようなおむつとウェットシートとの併用による相乗効果によって、使用者に対し長時間蚊に対する忌避効果を与えることができる。
【0013】
態様3は、前記物品の前記収容部材は、前記使い捨ておむつが装着される部位以外の体の部位に、前記ウェットシートを使用することを促す表示を有する態様2に記載の物品である。
【0014】
態様3のような物品によれば、使い捨ておむつが装着される部位から離れたところにウェットシートを使用することで、おむつが装着される部位だけでなく、使用者の体全体に対する蚊の忌避効果を高めることができる。
【0015】
態様4は、前記物品が有する前記蚊の忌避剤は、前記使い捨ておむつに設けられた前記蚊の忌避剤とは異なり、前記物品が有する前記蚊の忌避剤の揮発性は、前記使い捨ておむつに設けられた前記蚊の忌避剤の揮発性よりも低い態様2又は3に記載の物品である。
【0016】
態様4のような物品によれば、使い捨ておむつに設けられた蚊の忌避剤は、忌避剤を揮発させることで忌避作用を生じさせるものであるため、おむつに設けられる忌避剤の揮発性は、物品が有する蚊の忌避剤の揮発性よりも高いものが求められる。
【0017】
態様5は、所定のブランド名、蚊に対する忌避効果を示す所定のマーク、及び、蚊の忌避成分の記載のうちの少なくとも一つの表示が付された収容部材と、前記収容部材に収容され、蚊の忌避剤を備えた第1製品とを有する第1製品収容体の供給者が供給する、前記第1製品収容体とは種類が異なる、吸収体及び蚊の忌避剤が設けられた吸収性物品を有する吸収性物品収容体であって、前記少なくとも一つの表示が付され、前記吸収性物品を収容した収容部材を有することを特徴とする吸収性物品収容体である。
【0018】
態様5のような吸収性物品収容体によれば、同じ供給者が供給する、蚊の忌避剤を有する第1製品と、蚊の忌避剤が設けられている吸収性物品とを併用することで、装着者の体全体に対して、長時間に亘って蚊に対する忌避効果を得ることができる。
【0019】
態様6は、前記吸収性物品は、使い捨ておむつであり、前記第1製品は、ウェットシートである態様5に記載の吸収性物品収容体である。
【0020】
態様6のような吸収性物品収容体によれば、蚊の忌避剤が設けられたおむつを使用した場合、装着後すぐの忌避効果は高いが、装着時間が長くなるにつれて忌避効果が低下していくのに対し、ウェットシートは一回の効果時間はおむつよりも短いものの、時間を空けて何回も使用することで、改めて忌避効果を付与することができる。そのようなおむつとウェットシートとの併用による相乗効果によって、使用者に対し長時間蚊に対する忌避効果を与えることができる。
【0021】
態様7は、前記第1製品収容体の前記収容部材は、前記使い捨ておむつが装着される部位以外の体の部位に、前記ウェットシートを使用することを促す表示を有する態様6に記載の吸収性物品収容体である。
【0022】
態様7のような吸収性物品収容体によれば、使い捨ておむつが装着される部位から離れたところにウェットシートを使用することで、おむつが装着される部位だけでなく、使用者の体全体に対する蚊の忌避効果を高めることができる。
【0023】
態様8は、前記使い捨ておむつに設けられた前記蚊の忌避剤は、前記第1製品が有する前記蚊の忌避剤とは異なり、前記使い捨ておむつに設けられた前記蚊の忌避剤の揮発性は、前記第1製品が有する前記蚊の忌避剤の揮発性よりも高い態様6又は7に記載の吸収性物品収容体である。
【0024】
態様8のような吸収性物品収容体によれば、使い捨ておむつに設けられた蚊の忌避剤は、忌避剤を揮発させることで忌避作用を生じさせるものであるため、おむつに設けられる忌避剤はより揮発性が高いものが求められる。
【0025】
態様9は、所定のブランド名、蚊に対する忌避効果を示す所定のマーク、及び、蚊の忌避成分の記載のうちの少なくとも一つの表示が付された収容部材と、前記収容部材に収容され、蚊の忌避剤を備えた第1製品とを有する第1製品収容体の供給者が供給する、前記第1製品収容体とは種類が異なる、蚊の忌避剤を有するウェットシート収容体であって、ウェットシートと、前記少なくとも一つの表示が付され、前記ウェットシートを収容した収容部材とを備えることを特徴とするウェットシート収容体である。
【0026】
態様9のようなウェットシート収容体によれば、同じ供給者が供給する、蚊の忌避剤を有する第1製品と、同様に蚊の忌避剤を有するウェットシートとを併用することで、第1製品によって得られる忌避効果のみならず、使用者の体全体に対して、長時間に亘って蚊に対する忌避効果を得ることができる。
【0027】
態様10は、吸収体を備え、所定の忌避成分を有する蚊の忌避剤が設けられた吸収性物品と、前記吸収性物品を収容した収容部材とを有する吸収性物品収容体の供給者が供給するウェットシート収容体であって、前記所定の忌避成分を有する蚊の忌避剤を含むウェットシートと、前記ウェットシートを収容した収容部材とを備えることを特徴とするウェットシート収容体である。
【0028】
態様10のようなウェットシート収容体によれば、ウェットシート及び吸収性物品における共通の忌避成分を用いて、使用者の体全体に対して蚊除けを行うことができる。
【0029】
態様11は、前記所定の忌避成分は、天然香料或いは単離香料を含んだ香料である態様10に記載のウェットシート収容体である。
【0030】
態様11のようなウェットシート収容体によれば、吸収性物品及びウェットシートに含まれる共通の忌避成分として刺激が少ない天然香料或いは単離香料を含む香料を使用することで、乳幼児も吸収性物品とウェットシートとを併用しやすくなり、体全体への忌避効果を高めることができる。
【0031】
態様12は、前記吸収性物品は、使い捨ておむつであり、前記使い捨ておむつは、前記蚊の忌避剤が塗布された忌避剤配置領域と、前記蚊の忌避剤が塗布されていない忌避剤非配置領域とを有し、前記ウェットシートは、全域が前記忌避剤配置領域である態様10又は11に記載のウェットシート収容体である。
【0032】
態様12のようなウェットシート収容体によれば、使い捨ておむつは装着する形状が決まっているため、装着した際に効果が出やすい位置に選択的に忌避剤が塗布されているのに対し、ウェットシートはどのような形で使用されるかは使用者に因るため、全体に忌避剤を含ませることでどこを使っても忌避効果を得ることができる。
【0033】
態様13は、前記所定の忌避成分は、揮発性を有する態様10から態様13のいずれかに記載のウェットシート収容体である。
【0034】
態様13のようなウェットシート収容体によれば、忌避成分が空気中に揮発することで、蚊を肌に寄せ付けにくくする。特に吸収性物品の場合、肌への刺激を回避するためにも、直接肌に忌避成分を付着させることによる忌避効果よりも、忌避成分を揮発させて効果をもたらすことが好ましい。
【0035】
態様14は、前記所定の忌避成分を第1忌避成分としたとき、前記ウェットシート或いは前記吸収性物品のいずれかが、前記第1忌避成分とは揮発性が異なる忌避成分である第2忌避成分をさらに有する態様10から態様13のいずれかに記載のウェットシート収容体である。
【0036】
態様14のようなウェットシート収容体によれば、ウェットシートと吸収性物品の使用方法の違いから、それぞれの忌避効果及び忌避効果時間が異なるため、ウェットシート及び吸収性物品のいずれかが共通の忌避成分とは揮発性が異なる忌避成分を有することで、効率よく忌避効果を得やすくなる。
【0037】
態様15は、前記所定の忌避成分を第1忌避成分としたとき、前記ウェットシートは、前記第1忌避成分よりも揮発性の低い忌避成分である第2忌避成分をさらに有し、前記吸収性物品は、使い捨ておむつであり、前記使い捨ておむつに設けられた前記蚊の忌避剤は、前記第2忌避成分を有していない態様10から態様13のいずれかに記載のウェットシート収容体である。
【0038】
態様15のようなウェットシート収容体によれば、使い捨ておむつを装着させる部位は刺激に弱いため、おむつの忌避剤は肌から離れたところに揮発性の高いものを設けることが好ましく、一方でウェットシートは直接肌と接触するため、揮発性の低い忌避剤であっても忌避効果を得られる。
【0039】
態様16は、所定のブランド名、蚊に対する忌避効果を示す所定のマーク、及び、蚊の忌避成分の記載のうちの少なくとも一つの表示が付された収容部材、及び前記収容部材に収容され、吸収体と蚊の忌避剤が設けられた吸収性物品を有する吸収性物品収容体を供給することと、蚊の忌避剤を含むウェットシートと、前記少なくとも一つの表示が付され、前記ウェットシートを収容した収容部材とを有するウェットシート収容体を供給することと、前記吸収性物品収容体を、WEBサイトにおいて表示することと、前記ウェットシート収容体を、WEBサイトにおいて表示することと、前記吸収性物品と、前記ウェットシートとを併用することによる蚊に対する忌避効果をWEBサイトにおいて説明することと
を備えることを特徴とする、蚊に対する忌避効果の説明方法である。
【0040】
態様16のような方法によれば、それぞれ蚊に対する忌避効果を有する吸収性物品とウェットシートとを併用した際の相乗効果を使用者に認識させることができる。
【0041】
態様17は、前記吸収性物品は、使い捨ておむつであり、前記説明することは、前記使い捨ておむつが装着される部位以外の体の部位に、前記ウェットシートを使用することを促す説明をすることを含む態様16に記載の蚊に対する忌避効果の説明方法である。
【0042】
態様17のような方法によれば、使い捨ておむつが装着される部位から離れたところにウェットシートを使用することで、おむつが装着される部位だけでなく、使用者の体全体に対する蚊の忌避効果を高めることができることを使用者に認識させる。
【0043】
===実施形態===
以下、先ず、本発明の実施形態に係る物品として、蚊の忌避剤を有する体拭きウェットシートが収容されたウェットシート収容体を例に挙げて説明する。
【0044】
<<<ウェットシート収容体1の基本構成>>>
図1Aは、開封前のウェットシート収容体1の斜視図であり、
図1Bは、開封後のウェットシート収容体1の斜視図である。
【0045】
ウェットシート収容体1は、複数枚のウェットシート10と、複数枚のウェットシート10を折り重ねた状態で収容した収容部材20と、を有する。
【0046】
ウェットシート10は、不織布や紙等からなる長方形状のシートが挙げられ、本実施形態では、200mm×150mmのサイズを有するシートである。ウェットシート10には、薬液が含浸されており、収容部材20内でウェットシート10が当該薬液を保持しやすいように、ウェットシート10として、例えば親水性繊維を含む不織布等を用いることが好ましい。
【0047】
収容部材20は、その上面の中央部に開口部21を有し、開口部21からウェットシート10が取り出される。
図1Aでは、形状が直方体形状であり、マチ付きのガゼット包装である収容部材20を例示する。ただし、収容部材20の形状及び包装形態は特に限定されるものではない。また、収容部材20は、収容部材20の外面から開口部21を覆うシール部材22を有する。シール部材22は、収容部材20の本体部に繰り返し接着及び剥離が可能な部材であることが好ましい。なお、初めてウェットシート収容体1を開封する際に、使用者がシール部材22をめくることにより、収容部材20の一部が切欠かれて、開口部21が形成されるとよい。そうすることで、使用前のウェットシート収容体1の密閉性がより確保される。
【0048】
収容部材20を形成する資材としては、ウェットシート10に含侵された薬剤が漏れないように液不透過性を有するものとし、樹脂フィルム等を例示できる。また、収容部材20を形成する資材は、ガスバリア性を有するものであっても、ガスバリア性を有さないものであってもよく、また、透明であっても不透明であってもよい。ガスバリア性を有さない資材としては、ポリエチレン(PE)の樹脂フィルム等が挙げられる。ガスバリア性を有する資材としては、アルミ箔フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)や2軸延伸ポリプロピレン(OPP)等の樹脂フィルムや、アルミ蒸着フィルム、透明蒸着フィルム等が挙げられる。
【0049】
ウェットシート10に含まれる薬液としては、当技術分野で採用さている公知の成分が挙げられ、天然化合物、合成化合物、無機物、有機物を含み、ウェットシートや化粧品で使用されている成分が好ましい。また、ウェットシート10は、蚊の忌避剤を有しており、忌避剤としては、天然由来成分であれば、p-メンタン-3.8-ジオール、イソプレゴール、メントールのようなモノテルペンアルコール類や、シトロネラール、シトラール、イオノンのようなテルペン系アルデヒド類、及びそれらの成分を含有するレモンユーカリ油、ハッカ油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ラベンダー油、ペパーミント油、テロンオイル等を例示できる。合成系であれば、幼児に対する安全性の高いイカリジンやN-アセチル-N-ブチル-・アラニンエチル(Trade name:IR3535)を例示できる。本実施形態では、シトロネラグラスから抽出した単離香料を採用した。これにより蚊よけ効果のある成分(シトロネラール)がウェットシート10に付与される。
【0050】
また、ウェットシート10が含有する忌避成分はシトロネラールのみに限らず、本実施形態では、さらにN-アセチル-N-ブチル-・アラニンエチル(Trade name:IR3535)を含んでいる。また、本発明はこれに限定されず、当該N-アセチル-N-ブチル-・アラニンエチル(Trade name:IR3535)ではなく、例えば、p-メンタン-3.8-ジオール等を含んでいてもよい。或いは、p-メンタン-3.8-ジオールやN-アセチル-N-ブチル-・アラニンエチル(Trade name:IR3535)等を含んで、シトロネラール等の香料を含まない構成であってもよい。なお、本実施形態のウェットシート10の1枚当たりの重量は40gであり、含水率は300%である。また、蚊の忌避剤がN-アセチル-N-ブチル-・アラニンエチルである場合のウェットシート10の坪量は、N-アセチル-N-ブチル-・アラニンエチルの含有量が10重量%のときは12g/m2、20重量%のときは24g/m2、30重量%のときは36g/m2となる。また、N-アセチル-N-ブチル-・アラニンエチルの含有量が10重量%の場合のウェットシート10の忌避効果は、4時間程度である。また、薬液の保持手段としては、所定の薬剤を不織布に塗布、浸漬すればよく、これによって必要量の成分が、不織布の繊維構造中に付着、取り込まれる。
【0051】
また、収容部材20は、ウェットシート10に含まれる蚊の忌避成分による忌避効果を示すマーク等を有しているが、詳細については後述する。
【0052】
<<<使い捨ておむつ収容体5の基本構成>>>
次に、本発明の実施形態に係る吸収性物品収容体の一例として、乳幼児用のパンツ型使い捨ておむつを収容した使い捨ておむつ収容体5を例に挙げて説明する。ただし、本実施形態にかかる使い捨ておむつは、上記に限定されず、大人用のパンツ型使い捨ておむつや、乳幼児用又は大人用のテープ型使い捨ておむつでも利用可能である。
【0053】
図2は、使い捨ておむつ収容体5の概略斜視図である。使い捨ておむつ収容体5は、本実施形態に係る吸収性物品の一例としての複数のパンツ型使い捨ておむつ50(以下、単に「おむつ50」ともいう。)と、複数のおむつ50を収容する収容部材80とを有する。おむつ50は、収容部材80に収容された状態で流通、保管される。
図2に示すように、本実施形態では、収容部材80におむつ50が収容された状態の使い捨ておむつ収容体5は、複数の面を有する略六面体であるが、これに限られず、他の多面体であってもよい。
【0054】
<<<パンツ型使い捨ておむつ(吸収性物品)50の基本構成>>>
図3は、収容状態のおむつ50を背側から見た図である。
図4は、展開状態かつ伸張状態のおむつ50を肌側から見た概略平面図である。
図5は、
図4中のA-A線での概略断面図である。なお、
図3のおむつ50は、自然状態のおむつ50であり、且つ、収容状態のおむつ50でもある。
【0055】
おむつ50の展開状態とは、パンツ型使い捨ておむつ50の両側部に設けられている一対の接合部52をそれぞれ分離し、おむつ50を開いて平面的に展開した状態である。おむつ50の伸張状態とは、おむつ50の皺が視認できなくなる程度まで、おむつ50が備える弾性部材を伸張させた状態を示す。具体的には、おむつ50を構成する各部材の寸法が、その部材単体の寸法(すなわち弾性部材の伸縮性が発現しない状態での寸法)と一致又はそれに近い寸法になるまで伸張させた状態を示す。
【0056】
パンツ型使い捨ておむつ50は、上下方向、幅方向、及び、前後方向を備え、おむつ50には胴回り開口BH及び一対の脚周り開口LHが形成されている(
図3参照)。前後方向において、着用者の腹側となる側を前側とし、着用者の背側となる側を後側とする。また、おむつ50は、
図5に示すように厚さ方向を有し、厚さ方向において着用者に接触する側を肌側とし、その逆側を非肌側とする。
【0057】
おむつ50は、吸収性本体51と、吸収性本体51よりも非肌側に配された胴回り部60,70を有する。本実施形態のおむつ50は、所謂3ピースタイプであり、胴回り部は腹側胴回り部60と背側胴回り部70を有し、腹側胴回り部60と背側胴回り部70よりも下側の吸収性本体51の部位では、その非肌側面が外部に露出している。
【0058】
図4及び
図5に示すように、吸収性本体51の長手方向の腹側の端部の非肌側面が、腹側胴回り部60の肌側面に接着剤等により接合されており、吸収性本体51の長手方向の後側の端部の非肌側面が、背側胴回り部70の肌側面に接着剤等により接合されている。
図4の展開状態のおむつ50から、腹側胴回り部60と背側胴回り部70が対向するように、折り部Fで吸収性本体51を二つ折りして、腹側胴回り部60の幅方向の両側部と背側胴回り部70の幅方向の両側部とを溶着(例えば熱溶着や超音波溶着)等により接合して一対の接合部52を形成することにより、おむつ50はパンツ型となる。折り部Fは、展開状態のおむつ50の長手方向の中央部に設けられる。
【0059】
吸収性本体51は、液透過性のトップシート55と、排泄物を吸収する吸収体56と、液不透過性のバックシート57と、外装シート58を備え、それぞれ接着剤等によって接着されている。吸収体56としては、パルプ繊維等の液体吸収性繊維に高吸収性ポリマーを含有させたものを所定の形状に成形したものを例示できる。吸収体56は、液透過性のティッシュペーパーや不織布等のコアラップシートで被覆されていてもよい。その他、吸収体56として、親水性のシートにSAP層を付着させたSAPシートや、液体吸収性繊維をエアレイド法によってシート状に成形したエアレイドシート等を例示できる。
【0060】
また、吸収性本体51は、幅方向の両側部において、長手方向(上下方向)に伸縮する脚周り弾性部材59(例えば糸ゴム)を有する。これにより、おむつ50は着用者の脚周りにフィットする。
【0061】
また、吸収性本体51は、幅方向の両側部において、肌側に起立可能な防漏壁部152を有する。例えば、外装シート58の幅方向の両側部がトップシート55の肌側面上に位置するように幅方向の内側に折り返されて、その折り返された部位に長手方向に伸縮する防漏壁弾性部材154(例えば糸ゴム)が設けられることにより、防漏壁部152が形成される。
【0062】
腹側胴回り部60及び背側胴回り部70は、
図5に示すように、それぞれ柔軟な不織布等からなる肌側シート61、71と非肌側シート62、72と、幅方向に伸縮する複数の胴回り弾性部材63、73(例えば糸ゴム)を有する。複数の胴回り弾性部材63、73は、胴回り部60、70において、上下方向に間隔を空けて並んで配されるとともに、幅方向に伸張した状態でシートに固定されている。したがって、腹側胴回り部60及び背側胴回り部70は幅方向に伸縮可能であり、着用者の胴回りにフィットする。
【0063】
また、
図4に示すように腹側胴回り部60は矩形形状を成す。一方、背側胴回り部70は矩形形状である接合部52から下側に延出した延出部74を有する。延出部74は、下側に向かって幅方向の長さが短くなった略台形形状を成す。
【0064】
以上、おむつ50の基本構成を説明したが、おむつ50の構成は上記に限定されるものではない。例えば、おむつ50が2ピースタイプのおむつであってもよく、腹側胴回り部60と背側胴回り部70が連続した1つの部材で形成されていたりしてもよい。また、胴回り弾性部材63,73や脚周り弾性部材59は、糸ゴムではなく、シート状の弾性部材(伸縮性フィルムや伸縮性不織布)であってもよい。
【0065】
<<虫の忌避剤AM>>
おむつ50には、虫の忌避剤AMが設けられている。虫の忌避剤AM(以下、「蚊の忌避剤AM」ともいう。)とは、蚊、蚋、ユスリカ、ハエ類等の害虫に対する忌避剤(虫よけ剤)であり、虫よけ効果のある成分を含む合成化合物や天然植物抽出物である。例えば、シトロネラール、1,8-シネオール、リナリルアセテート、ディート(N,N-ジエチル-3-メチルベンズアミド)、セスキテルペン、エチルブチルアセチルアミノプロピオン酸エチル、ピカリジン、ピレスロイド、シナモン、ローズマリー、ラベンダー、ペパーミント、ユーカリ、シトロネラ、レモンユーカリ、ツルシ等を用いることができる。蚊の忌避剤AMは、対象とする害虫や着用対象者に応じて選択可能である。本実施形態では、シトロネラグラスから抽出した単離香料を採用した。これにより蚊よけ効果のある成分(シトロネラール)がおむつ50に付与される。
【0066】
なお、蚊の忌避剤AMは、アレルゲンフリーの物質であることが好ましい。例えば、EU(欧州連合)の化粧品指令(76/768/EEC)において、アレルゲン物質としてラベル表示の義務付けが成されている26種類の物質が実質的に含まれていない(忌避剤AMにおける比率が1%以下である)ことが好ましい。また、忌避剤AMは、おむつ50に使用されるホットメルト接着剤の接着性能を阻害するものでないことが好ましい。
【0067】
図3における蚊の忌避剤AMは、蚊の忌避剤AMを塗布した領域を示す忌避剤配置領域AMでもある。本実施形態の蚊の忌避剤AMは、揮発性の物質であり、液体状で塗布されている。忌避剤配置領域AMには、虫除け効果のある成分を含む合成化合物や天然植物抽出物のみが塗布されていてもよく、適宜、虫除け効果のある成分(物質)に、適宜、溶媒等が加えられた液体が塗布されていてもよい。
【0068】
なお、本実施形態では、おむつ50に対して液体状の忌避剤AMを塗布したが、これに限られない。蚊の忌避剤AMが固形状であってもよく、マイクロカプセル等に忌避剤が内包された形状であってもよい。
【0069】
また、
図3に示すように、本実施形態では、おむつ50の背側に蚊の忌避剤AMが設けられており、具体的には、おむつ50の背側において、背側胴回り部70より下側(折り部F側)で、折り部Fより上側であり、幅方向における略中央部に忌避剤AMが設けられている。これによって、おむつ50の着用者の脚回りに対する忌避効果を発揮させやすくして、着用者の脚が蚊に刺される恐れを軽減させることができる。なお、本実施形態では、おむつ50の背側の吸収性本体51に蚊の忌避剤AMを設けたが、これに限られない。おむつ50において、着用者に対する忌避効果を発揮させる身体の部位に応じた部分に、適宜、蚊の忌避剤AMを設けることができる。また、より具体的には、本実施形態のおむつ50では、おむつ50の背側において、外装シート58の非肌側面に忌避剤AMが設けられている。忌避剤AMは、これに限らず、例えば、腹側胴回り部60の非肌側シート62の非肌側面や、背側胴回り部70の非肌側シート72の非肌面側等に設けられてもよい。このように、おむつ50のより非肌側の部位に忌避剤AMが設けられていることで、おむつ50の外部に忌避剤AMが放出されやすく、虫よけ効果を高めることができる。
【0070】
ただし、上記に限定されず、忌避剤AMは、例えば、外装シート58の肌側面や、バックシート57等に設けられていてもよい。また、忌避剤AMが設けられている資材は1つに限らず複数であってもよい。
【0071】
<<<使い捨ておむつ収容体5の収容部材80>>>
使い捨ておむつ収容体5の収容部材80は、樹脂(プラスチック)フィルムで形成されており、具体的には、ポリエチレン(PE)からなる樹脂フィルムで形成されている。なお、収容部材80を構成する材料としては、ポリエチレン(PE)に限らず、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)からなる合成樹脂フィルム等のフィルム状の素材から形成されていてもよい。
【0072】
また、収容部材80は、おむつ50に設けられた蚊の忌避剤AMによる忌避効果を示すマーク等を有しているが、詳細については後述する。
【0073】
===第1実施形態===
図6は、第1実施形態におけるウェットシート収容体1、及び使い捨ておむつ収容体(吸収性物品収容体)5に付された表示を説明する図である。
図6では、第1実施形態におけるウェットシート収容体1の正面(前面)、及び使い捨ておむつ収容体5の上面を示している。
【0074】
図6に示すように、第1実施形態の使い捨ておむつ収容体5は、収容部材80に所定のブランド名M1(ここでは、「Mamy Poko」)、蚊に対する忌避効果を示す所定のマークM2(ここでは、「ABC」の文字と蚊を撃退するような図柄)、及び、蚊の忌避成分の記載M3(ここでは、「蚊除け効果シトロネラール配合」)が付されている。また、使い捨ておむつ収容体5の供給者の表示S1も、収容部材80に付されている。
【0075】
所定のブランド名M1は、使い捨ておむつ50が店頭等で商品として販売される際のブランド名を意味し、購入者が当該ブランド名M1を認識することで、商品の包装形態等が異なる場合でも容易に一連の商品であることが分かる。
【0076】
蚊に対する忌避効果を示す所定のマークM2は、当該使い捨ておむつ50が有する蚊の忌避剤によって得られる忌避効果を使用者が即時に認識できるように、視覚的にも分かり易いマークであることが好ましい。例えば、本実施形態の所定のマークM2の「ABC」の文字部分は、「蚊よけ」や「蚊から守る」といった直接的な表現であることが好ましい。また、本実施形態では、蚊を撃退するような図柄(蚊の絵に斜線)があるが、蚊に対する忌避効果を示すマークM2として必ずしも図柄を含めなくてもよい。反対に、忌避効果を認識しやすいものであれば、図柄のみでも、或いは文字のみでもよい。
【0077】
本実施形態の蚊の忌避成分の記載M3は、本実施形態の使い捨ておむつ50が有する蚊の忌避剤の忌避成分が「シトロネラール」であるため、商品に蚊除け効果をもたらす「シトロネラール」が含まれていることが分かる記載となっているが、具体的な文言はこれに限られず、蚊の忌避成分が認識できる記載であればよい。また、上記の各記載M1~M3、及び供給者の表示S1については、本実施形態のように、使い捨ておむつ収容体5の正面(前面)に限らず、裏面(後面)や側面等に記載されていても良い。
【0078】
通常、本実施形態の使い捨ておむつ50を着用する乳幼児の場合、乳幼児の保護者や監督者が、蚊に刺されないように注力し、蚊を媒介とする感染症から乳幼児を守るよう務めることが多い。使い捨ておむつ50のような蚊の忌避成分を有する吸収性物品を装着した場合、装着した乳幼児は、蚊に対する忌避効果を得ることができるが、吸収性物品の装着のみでは忌避効果の高い体の部位が限定され、吸収性物品が装着される部位から離れた部位は効果が弱くなってしまう虞がある。また、吸収性物品の交換までに、吸収性物品に付された忌避成分が蒸散し、時間経過と共に効果が薄れてしまう虞もある。
【0079】
それに対し、本実施形態のウェットシート収容体1は、使い捨ておむつ収容体5の供給者(S1)が供給するウェットシート収容体であり、
図6に示すように、その収容部材20には、使い捨ておむつ収容体5と同様の所定のブランド名M1、蚊に対する忌避効果を示す所定のマークM2、及び、蚊の忌避成分の記載M3が付されている。すなわち、そのような表示により、使用者は、ウェットシート収容体1を見た際に、ウェットシート収容体1が使い捨ておむつ収容体5と同じブランドであり、且つ、同様の蚊に対する忌避効果を期待できる製品であることが容易に認識し易くなる。つまり、同じ供給者(S1)が供給する、蚊の忌避剤を有する使い捨ておむつ収容体5に収容された使い捨ておむつ50と、同様に蚊の忌避剤を有するウェットシート収容体1に収容されたウェットシート10とを併用することで、使用者は、使い捨ておむつ50によって得られる忌避効果のみならず、使用者の体全体に対して、長時間に亘って蚊に対する忌避効果を得ることができる。
【0080】
ここで、使い捨ておむつ50とウェットシート10とを併用した場合の効果を以下に説明する。
図7は、使い捨ておむつ50及びウェットシート10の蚊に対する忌避効果について説明する図である。
図7では、使い捨ておむつ50及びウェットシート10をそれぞれ使用した場合の、含有される蚊の忌避剤の単位面積当たりの揮散量と時間との関係を表している。揮散量が多いときほど、蚊に対する忌避効果が高く、揮散量が少なくなるにつれて忌避効果も弱まると考える。使い捨ておむつ50は、着用から始めの数時間は揮散量が多いものの、着用後4時間を経過した辺りから、揮散量は減少していっている。つまり、着用時間が長くなるにつれて、忌避効果が低下していくことが分かる。一方、ウェットシート10は、使用後すぐの揮散量は多いものの、長時間揮散させることは難しいため、ここでは約4時間毎に合計3回、新しいウェットシート10の使用を行った。ウェットシート10は一回の効果時間が使い捨ておむつ50よりも短いが、時間を空けて何回も使用することで、改めて忌避効果を付与することができるという利点がある。このように、使い捨ておむつ50とウェットシート10との併用による相乗効果によって、使用者の体全体に対し長時間に亘って蚊に対する忌避効果を与えることができる。
【0081】
また、本実施形態では、使い捨ておむつ収容体5の収容部材80には、所定のブランド名M1、蚊に対する忌避効果を示す所定のマークM2、及び、蚊の忌避成分の記載M3が付されていたが、本発明はこれに限らず、所定のブランド名M1、蚊に対する忌避効果を示す所定のマークM2、及び、蚊の忌避成分の記載M3のうちの少なくとも一つの表示が付されていればよい。その場合、ウェットシート収容体1の収容部材20には、使い捨ておむつ収容体5の収容部材80に付された表示と同じである上述の「少なくとも一つの表示」が付されていればよく、それにより、使用者は、ウェットシート収容体1と使い捨ておむつ収容体5が関連商品、或いは、同様の蚊に対する忌避効果を有する商品であることが認識しやすくなる。
【0082】
また、本実施形態では、使い捨ておむつ収容体5と、当該使い捨ておむつ収容体5の供給者(S1)が供給するウェットシート収容体1とを併用した場合を説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、本実施形態のウェットシート収容体1は、使い捨ておむつ収容体5の供給者(S1)が供給し、使い捨ておむつ収容体5とは種類が異なる、蚊の忌避剤を有する物品であればよい。例えば、そのような物品は、蚊の忌避剤を有し、且つ収容容器に収容されたクリーム状組成物やジェル状組成物、スプレー式の蚊の忌避剤などであってもよい。また、そのような物品の収容部材に、
図6に示す所定のブランド名M1、蚊に対する忌避効果を示す所定のマークM2、及び、蚊の忌避成分の記載M3のうちの少なくとも一つの表示が付されていれば、使用者及び購入検討者に同じブランド名の商品であることの安心感や、併用による忌避効果を認識させることができる。
【0083】
さらに、本実施形態では、使い捨ておむつ収容体5と、当該使い捨ておむつ収容体5の供給者(S1)が供給するウェットシート収容体1と、を併用した場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、使い捨ておむつ収容体(所謂、吸収性物品収容体)5は、
図6に示す所定のブランド名M1、蚊に対する忌避効果を示す所定のマークM2、及び、蚊の忌避成分の記載M3のうちの少なくとも一つの表示が付された収容部材と、該収容部材に収容されて、蚊の忌避剤を備えた製品(以下、「第1製品」ともいう)と、を有する第1製品収容体であればよく、本実施形態のウェットシート収容体1は、そのような第1製品収容体の供給者(S1)が供給し、且つ、当該第1製品収容体とは種類が異なるものであればよい。これにより、同じ供給者(S1)が供給する、蚊の忌避剤を有する第1製品と、同様に蚊の忌避剤を有するウェットシート10とを併用することで、第1製品によって得られる忌避効果のみならず、使用者の体全体に対して、長時間に亘って蚊に対する忌避効果を得ることができる。
【0084】
また、本実施形態のウェットシート10及び使い捨ておむつ50は、共通の忌避成分(以下、「所定の忌避成分」ともいう)としてシトロネラールをそれぞれ有しており、当該所定の忌避成分(シトロネラール)を有する蚊の忌避剤が設けられた使い捨ておむつ50と、同様に所定の忌避成分(シトロネラール)を有する蚊の忌避剤を含むウェットシート10とを併用することで、使用者の体全体に対して、同一の忌避成分によって蚊除けを促進することができる。
【0085】
また、当該所定の忌避成分は、シトロネラールのように単離香料を含んだ香料、或いは天然香料であることが好ましい。使い捨ておむつ50及びウェットシート10に含まれる共通の忌避成分として刺激が少ない天然香料或いは単離香料を含む香料を使用することで、乳幼児も使い捨ておむつ50とウェットシート10とを併用しやすくなり、乳幼児の体全体への忌避効果を高めることができる。
【0086】
また、そのような所定の忌避成分は、揮発性を有することが好ましく、当該忌避成分が空気中に揮発することで、蚊を肌に寄せ付けにくくする。特に使い捨ておむつ50などの吸収性物品を使用する場合、肌への刺激を低減させるためにも、直接肌に忌避成分を付着させることによる忌避効果よりも、忌避成分を揮発させて効果をもたらすことが好ましい。
【0087】
そして、本実施形態のウェットシート10及び使い捨ておむつ50が共通の忌避成分として有する所定の忌避成分(シトロネラール)を第1忌避成分としたとき、ウェットシート10は、第1忌避成分よりも揮発性の低い忌避成分である第2忌避成分をさらに有していてもよい。第2忌避成分としては、上述の忌避有効成分であるp-メンタン-3.8-ジオール、N-アセチル-N-ブチル-・アラニンエチル(Trade name:IR3535)等が挙げられる。なお、本発明における「揮発性」の比較は、混合物としての忌避成分(忌避剤)の比較ではなく、単一成分同士の比較を意味する。一方で、使い捨ておむつ50に設けられた蚊の忌避剤は、当該第2忌避成分を有していないことが好ましい。使い捨ておむつ50を装着させる部位は刺激に弱いため、基本的に使い捨ておむつ50の忌避剤は肌から離れたところに揮発性の高いものを設けることが好ましい。一方でウェットシート10は直接肌に触れて使用するものであるため、揮発性の低い忌避剤であっても肌に直接忌避剤を付着させることで忌避効果を得られる。
【0088】
また、上述の第2忌避成分は、第1忌避成分よりも揮発性の低い忌避成分に限らず、単に、第1忌避成分とは揮発性が異なる忌避成分であってもよい。また、ウェットシート10が第1忌避成分及び第2忌避成分を有する構成に限らず、ウェットシート10或いは使い捨ておむつ50のいずれかが、そのような第1忌避成分とは揮発性が異なる第2忌避成分をさらに有する構成であってもよい。本来、ウェットシート10と、使い捨ておむつ50のような吸収性物品とは、使用方法や使用可能部位も異なることから、それぞれの忌避効果及び忌避効果時間が異なっているが、ウェットシート10及び使い捨ておむつ50のいずれかが共通の忌避成分とは揮発性が異なる忌避成分を有することで、忌避作用をさらに補うことができ、効率よく忌避効果を得やすくなる。
【0089】
ここで、使い捨ておむつ50に設けられている蚊の忌避剤の配置領域(
図3参照)と、ウェットシート10が含む蚊の忌避剤の配置領域とを比較すると、使い捨ておむつ50は、蚊の忌避剤が塗布された忌避剤配置領域AMと、蚊の忌避剤が塗布されていない忌避剤非配置領域とを有している。使い捨ておむつ50における「忌避剤非配置領域」とは、使い捨ておむつ50における忌避剤配置領域AM以外の領域を意味する。一方でウェットシート10は、ウェットシート10の一部に忌避剤を塗布するものではなく、ウェットシート10に忌避剤を含む薬液を含侵させて形成されるものであるため、シートの全域が所謂忌避剤配置領域である。使い捨ておむつ50は装着する形状が決まっているため、装着した際に効果が出やすい位置に選択的に忌避剤が塗布されているのに対し、ウェットシート10は、使用時にどのような形で使用されるかは使用者に因るため、全体に忌避剤を含ませることでどこを使っても忌避効果を得ることができる。
【0090】
図8は、第1実施形態のウェットシート収容体1の変形例を示す図である。
図8に示すように、ウェットシート収容体1の収容部材20は、使い捨ておむつ50が装着される部位以外の体の部位に、ウェットシート10を使用することを促す表示M4を有している。ウェットシート10は、使い捨ておむつ50を交換する際に、臀部等を拭くことができるだけでなく、体全体に使用可能なシートである。ウェットシート収容体1が、このような使い捨ておむつ50が装着される部位以外の体の部位に、ウェットシート10を使用することを促す表示M4を有することで、使用者は使い捨ておむつ50の装着部位以外への使用を改めて認識することができる。また、使い捨ておむつ50が装着される部位から離れたところにウェットシート10を使用することで、おむつ50が装着される部位だけでなく、使用者の体全体に対する蚊の忌避効果を高めることができる。なお、本実施形態において、当該表示M4として、腕をウェットシート10で拭くような図柄を用いたが、何等これに限らず、使い捨ておむつ50が装着される部位以外の体の部位への使用を促すものであれば、図柄の内容は限定されない。また図柄ではなく、文字のみによる表示でもよく、図柄と文字との組み合わせ等でもよい。
【0091】
また、第1実施形態においては、ウェットシート収容体(物品)1と使い捨ておむつ収容体5は、蚊に対する共通の忌避成分を有しているが、これに限定されるものではない。すなわち、ウェットシート収容体(物品)1が有する蚊の忌避剤は、使い捨ておむつ50に設けられた蚊の忌避剤とは異なっていてもよい。そして、その場合、ウェットシート収容体(物品)1が有する蚊の忌避剤の揮発性は、使い捨ておむつ50に設けられた蚊の忌避剤の揮発性よりも低いことが望ましい。ウェットシート10に含まれる忌避成分は、揮発性が低くても肌に付着させた忌避成分によって蚊から守ることが可能であるが、使い捨ておむつ50に設けられた蚊の忌避剤は、忌避剤を揮発させることで忌避作用を生じさせるものが好ましい。そのため、使い捨ておむつ50に設けられる忌避剤の揮発性は、ウェットシート収容体(物品)1が有する蚊の忌避剤の揮発性よりも高いものが求められる。
【0092】
===第2実施形態===
図9は、第2実施形態におけるウェットシート収容体1、及び使い捨ておむつ収容体(吸収性物品収容体)5に付された表示を説明する図である。
図9では、第2実施形態におけるウェットシート収容体1の正面(前面)、及び使い捨ておむつ収容体5の上面を示している。
【0093】
図9に示すように、第2実施形態のウェットシート収容体1は、収容部材20に所定のブランド名M1、蚊に対する忌避効果を示す所定のマークM2、及び、蚊の忌避成分の記載M3が付されている。また、ウェットシート収容体1の供給者の表示S1も、収容部材20に付されている。各表示の詳細については、上述の第1実施形態における参照番号と同様の番号を付しているものは、同様の内容であるとする。
【0094】
一方で、本実施形態において、使い捨ておむつ収容体5は、ウェットシート収容体1の供給者(S1)が供給する使い捨ておむつ収容体5であり、
図9に示すように、その収容部材80には、ウェットシート収容体1と同様の所定のブランド名M1、蚊に対する忌避効果を示す所定のマークM2、及び、蚊の忌避成分の記載M3が付されている。また、使い捨ておむつ収容体5の供給者の表示S1も同様に収容部材80に付されている。よって、ウェットシート収容体1の使用者が乳幼児用の使い捨ておむつの使用を検討する際に、使い捨ておむつ収容体5を視認した時点で、ウェットシート収容体1と同じ供給者(S1)が供給し、且つ、ウェットシート収容体1と同様に蚊に対する忌避効果を有する製品であることが容易に認識可能である。
図7で説明した通り、ウェットシート収容体1に収容されているウェットシート10は、1回の使用による忌避効果の継続時間は使い捨ておむつ50よりも短いものの、時間を空けて何回も使用することで、使用者に改めて忌避効果を付与することができる。一方で使い捨ておむつ50は、装着後の忌避効果はウェットシート10よりも長いが、装着時間が長時間になるにつれて忌避成分が蒸散して効果が弱まり、また、装着部位から離れた部位に対しては、忌避効果を付与しにくい懸念もある。そのような懸念点をウェットシート10との併用による相乗効果により補い、使用者の体全体に対して、長時間に亘って蚊に対する忌避効果を付与することができる。
【0095】
また、本実施形態では、ウェットシート収容体1の収容部材20には、所定のブランド名M1、蚊に対する忌避効果を示す所定のマークM2、及び、蚊の忌避成分の記載M3が付されていたが、これに限らず、所定のブランド名M1、蚊に対する忌避効果を示す所定のマークM2、及び、蚊の忌避成分の記載M3のうちの少なくとも一つの表示が付されていればよい。その場合、使い捨ておむつ収容体5の収容部材80には、ウェットシート収容体1の収容部材20に付された表示と同じである上述の「少なくとも一つの表示」が付されていればよく、それにより、使用者は、ウェットシート収容体1と使い捨ておむつ収容体5が関連商品、或いは、同様の蚊に対する忌避効果を有する商品であることが認識しやすくなる。
【0096】
さらに、本実施形態では、ウェットシート収容体1と、当該ウェットシート収容体1の供給者(S1)が供給する使い捨ておむつ収容体5とを併用した場合を述べたが、これに限定されるものではなく、ウェットシート収容体1は、
図9に示す所定のブランド名M1、蚊に対する忌避効果を示す所定のマークM2、及び、蚊の忌避成分の記載M3のうちの少なくとも一つの表示が付された収容部材と、該収容部材に収容されて、蚊の忌避剤を備えた製品(以下、「第1製品」ともいう)と、を有する第1製品収容体であればよい。そして、本実施形態の使い捨ておむつ収容体5は、そのような第1製品収容体の供給者(S1)が供給し、且つ、当該第1製品収容体とは種類が異なる、吸収体及び蚊の忌避剤が設けられた吸収性物品を有する吸収性物品収容体であればよい。そのような吸収性物品収容体としては、例として、使い捨ておむつ以外に、生理用ナプキン、尿取りパッド等を収容した収容体が挙げられる。このように、同じ供給者(S1)が供給する、蚊の忌避剤を有する第1製品収容体と、同様に蚊の忌避剤を有する吸収性物品収容体とを併用することで、第1製品によって得られる忌避効果のみならず、使用者の体全体に対して、長時間に亘って蚊に対する忌避効果を得ることができる。
【0097】
また、第2実施形態のウェットシート収容体(第1製品収容体)1の収容部材20は、第1実施形態の変形例で説明したように、使い捨ておむつ50が装着される部位以外の体の部位に、ウェットシート10を使用することを促す表示(
図8の表示M4に相当)を有していてもよい。使い捨ておむつ50が装着される部位から離れたところにウェットシート10を使用することで、使い捨ておむつ50が装着される部位だけでなく、使用者の体全体に対する蚊の忌避効果を高めることができる。
【0098】
また、第2実施形態においても、ウェットシート(第1製品)10と使い捨ておむつ50とが蚊に対する共通の忌避成分を有することに限定されるものではない。すなわち、使い捨ておむつ50に設けられた蚊の忌避剤は、ウェットシート(第1製品)10が有する蚊の忌避剤とは異なっていてもよい。そして、その場合、使い捨ておむつ50に設けられた蚊の忌避剤の揮発性は、ウェットシート(第1製品)10が有する蚊の忌避剤の揮発性よりも高いことが望ましい。使い捨ておむつ50に設けられた蚊の忌避剤は、忌避剤を揮発させることで忌避作用を生じさせるものが好ましいため、使い捨ておむつ50に設けられる忌避剤の揮発性は、ウェットシート(第1製品)10が有する蚊の忌避剤の揮発性よりも高いものが求められる。
【0099】
===第3実施形態===
上述の第1及び第2実施形態で説明したように、ウェットシート収容体1の収容部材20及び使い捨ておむつ収容体5の収容部材80に記載されている表示から、使用者は、両製品を併用した場合の忌避効果を認識できるが、忌避効果のより詳細な説明や、多様な使用方法等、使用者に対して忌避効果の認識をより高める機会や情報を提供することが有用であると考える。第3実施形態では、上述の使い捨ておむつ収容体5とウェットシート収容体1とを併用することによる蚊に対する忌避効果の説明方法について述べる。
【0100】
図10は、蚊に対する忌避効果の説明方法のフロー図を示す。本実施形態における蚊に対する忌避効果の説明方法は、次の各ステップS101~S105を実施することによって行われる。
(S101)
所定のブランド名(M1)、蚊に対する忌避効果を示す所定のマーク(M2)、及び、蚊の忌避成分の記載(M3)のうちの少なくとも一つの表示が付された収容部材(80)、及び収容部材(80)に収容され、吸収体と蚊の忌避剤が設けられた吸収性物品(50)を有する吸収性物品収容体(5)を供給すること。
(S102)
蚊の忌避剤を含むウェットシート(10)と、ステップS101における少なくとも一つの表示が付され、ウェットシート(10)を収容した収容部材(20)とを有するウェットシート収容体(1)を供給すること。
(S103)
吸収性物品収容体(5)を、WEBサイトにおいて表示すること。
(S104)
ウェットシート収容体(1)を、WEBサイトにおいて表示すること。
(S105)
吸収性物品(50)と、ウェットシート(10)とを併用することによる蚊に対する忌避効果をWEBサイトにおいて説明すること。
【0101】
先ず、ステップS101及びS102において、同じ供給者が、上述の特徴を有する吸収性物品収容体5及びウェットシート収容体1を供給し、次に、当該吸収性物品収容体5及びウェットシート収容体1をそれぞれWEBサイトにおいて表示する(S103,S104)。WEBサイトにおいて表示することで、それぞれの製品の存在や、特徴、効果等を説明し、各製品単体での蚊に対する忌避効果を使用者、購入検討者等に認識させる。その際、各収容部材(20,80)における記載では認識しにくかった事項、或いは、記載していなかった事項等についても説明を行うことで、使用者は、各製品に対してさらに理解を深めることができる。例として、吸収性物品の場合は、着用した際の忌避剤による忌避作用を詳細に説明することも可能であり、ウェットシートの場合は、ウェットシートをお尻ふきとしてのみならず、全身に使用できることを分かり易く説明することもできる。さらに、当該吸収性物品収容体5に収容されている吸収性物品50と、ウェットシート収容体1に収容されているウェットシート10とを併用することによる蚊に対する忌避効果をWEBサイトにおいて説明する(S105)ことで、吸収性物品50とウェットシート10とを併用した際の相乗効果を使用者に認識させることができる。相乗効果を説明する際には、
図7において示したような、併用による時間的な効果もより具体的にアピールすることができる。
【0102】
また、吸収性物品収容体5に収容された吸収性物品50が、上述の実施形態で説明した使い捨ておむつである場合、本実施形態の「併用することによる蚊に対する忌避効果をWEBサイトにおいて説明すること」(S105)は、使い捨ておむつ50が装着される部位以外の体の部位に、ウェットシート10を使用することを促す説明をすることを含む。それにより、使い捨ておむつ50が装着される部位から離れたところにウェットシート10を使用することで、使い捨ておむつ50が装着される部位だけでなく、使用者の体全体に対する蚊の忌避効果を高めることができることを使用者に認識させることができる。
【0103】
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0104】
1 ウェットシート収容体(物品、第1製品収容体)
5 使い捨ておむつ収容体(吸収性物品収容体)
10 ウェットシート(第1製品)
20 収容部材
21 開口部
22 シール部材
50 使い捨てのおむつ(吸収性物品)
51 吸収性本体
52 接合部
55 トップシート
56 吸収体
57 バックシート
58 外装シート
59 脚周り弾性部材
60 腹側胴回り部
61 肌側シート
62 非肌側シート
63 胴回り弾性部材
70 背側胴回り部
71 肌側シート
72 非肌側シート
73 胴回り弾性部材
73 胴回り弾性部材
74 延出部
80 収容部材
152 防漏壁部
154 防漏壁弾性部材
BH 胴回り開口
LH 脚周り開口
F 折り部
AM 虫の忌避剤、忌避剤配置領域