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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035750
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】清掃装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 7/00 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
A47L7/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140413
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】奥村 明彦
(72)【発明者】
【氏名】能勢 文仁
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 悠太
(72)【発明者】
【氏名】吉村 唯花
(57)【要約】      (修正有)
【課題】液体濡れによる電気部品の故障を抑制することが可能な清掃装置を提供することである。
【解決手段】清掃装置は、吸引力を発生させる電動送風機を有する本体部11と、吸引した液体を貯留するタンク部12と、空気及び液体を吸引するための吸引口を有するノズル部と、ノズル部と本体部12とを接続するホース8と、を備え、本体部11は、左右方向の一方側にホース8と接続するための接続部331を備え、電動送風機とタンク部12とを連通させる連通部は、左右方向のうち接続部331側に寄っている。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引力を発生させる電動送風機を有する本体部と、
吸引した液体を貯留するタンク部と、
空気及び液体を吸引するための吸引口を有するノズル部と、
前記ノズル部と前記本体部とを接続するホースと、
を備え、
前記本体部は、左右方向の一方側に前記ホースと接続するための接続部を備え、
前記電動送風機と前記タンク部とを連通させる連通部は、前記左右方向のうち前記接続部側に寄っている、
清掃装置。
【請求項2】
前記接続部は、前記本体部の下部側に位置する、
請求項1に記載の清掃装置。
【請求項3】
前記タンク部は前後方向の一方側に寄っており、
前記ノズル部は液体を吐出する吐出口を有し、
吐出用の液体を貯留する吐出用タンク部が前記ノズル部に設けられ、
前記吐出用タンク部及び前記ノズル部の少なくとも一方は、前記吐出用タンク部の底面が設置面と対向する状態で、前記本体部の前後方向の他方側にて保持される、
請求項1又は2に記載の清掃装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被清掃面を清掃する清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出する清掃装置として吸引ユニット21を収容する装置本体2であって、吸引ホース8が接続されている側に、汚水が汚水タンク6に流入する下流端部222が位置し、吸引ホース8が接続されている側とは反対側に、吸引ユニット21の吸引口と連通する上流端部233が位置する清掃装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-66532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の清掃装置は、液体を吸引可能な装置であるため、電気部品が液体で濡れることを避ける対策が必要であるが、装置が転倒した場合に吸引ユニットに汚水が進入するおそれがある。
本発明は、液体濡れによる電気部品の故障を抑制することが可能な清掃装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る清掃装置は、吸引力を発生させる電動送風機を有する本体部と、吸引した液体を貯留するタンク部と、空気及び液体を吸引するための吸引口を有するノズル部と、前記ノズル部と前記本体部とを接続するホースと、を備え、前記本体部は、左右方向の一方側に前記ホースと接続するための接続部を備え、前記電動送風機は、前記左右方向のうち前記接続部側に寄っている。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、液体濡れによる電気部品の故障を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】清掃装置の斜視図であり、(a)は前左側上方から見た図であり(b)は後右上方から見た図である。
図2】装置本体の本体部からタンク部を引き出した状態の斜視図であり、(a)は前右下方から見た図であり、(b)は後左下方から見た図である。
図3】(a)は本体部において後ケースを後方に移動させた状態を後右上方から見た斜視図であり、(b)は前ケースから操作部と回路部と電源部と排出流路形成部材を後方に移動させた状態を後右上方から見た斜視図である。
図4】(a)は本体部において後ケースを後方に移動させた状態を前右上方から見た斜視図であり、(b)は前ケースから操作部と回路部と電源部と排出流路形成部材を後方に移動させた状態を前右上方から見た斜視図である。
図5】ケースの分解状態の斜視図であり、(a)は前左下方から見た図であり、(b)は後左下方から見た図である。
図6】装置本体における送風部の中心軸を通る断面を右側から見た断面図である。
図7】電源部の分解状態の斜視図であり、(a)は後右下方から見た図であり、(b)は前左下方から見た図である。
図8】吸引流路形態部材の斜視図であり、(a)は後左上方から見た図であり、(b)は前左上方から見た図である。
図9】排出流路形成部材の分解状態の斜視図であり、(a)は前右上方から見た図であり、(b)は後右下方から見た図である。
図10】(a)はハンドツールの装着状態を左下方側から見た斜視図であり、(b)は後側から見た装置本体であって装着状態のハンドツール(ホースを除く)を仮想線で示す図である。
図11】分解状態の吸引用タンク斜視図であり、(a)は前右上方から見た図であり、(b)は後右下方から見た図である。
図12】(a)は上タンク本体を上方から見た図であり、(b)は下タンク本体を上方から見た図である。
図13】(a)はフロートの収容部分を示す断面斜視図であり、(b)は収容部形成部材を前左下方から見た斜視図であり、(c)は収容部形成部材を後左上方から見た斜視図である。
図14】清掃装置における吸引用タンク部での断面を前方から見た図である。
図15】ハンドツールの断面を左側から見た図である。
図16】ハンドツールの分解状態を後左上方から見た斜視図である。
図17】ハンドツールの分解状態を前左下方から見た斜視図である。
図18】重心位置を説明する図であり、(a)は後方から見た図であり、(b)は左側から見た図である。
図19】(a)は清掃装置が後側に傾いた状態を右側から見た図であり、(b)は清掃装置が左側に傾いた状態を前側から見た図である。
【0008】
<実施形態>
1.全体構成
清掃装置Xは、ごみ、空気及び液体を吸引可能な、所謂、湿式掃除装置である。
清掃装置Xは、図1に示すように、装置本体1とハンドツール7とホース8とを備える。
清掃装置Xは、ハンドツール7の吐出口720aからタンク部75内の液体を吐出し、吐出した液体と共に空気とゴミと(以下、単に「液体等」ともいう)をハンドツール7の吸引口736aから吸引し、ホース8を通って吸引された液体(ごみを含む)を装置本体1のタンク部12に貯留する。
清掃装置Xは、液体を吐出せずに、被清掃面にある液体等をハンドツール7から吸引し、吸引された液体等を装置本体1のタンク部12に貯留することも可能である。
液体には、例えば、ランニングコストを抑えることができる水を利用できる他、洗浄能力を高める洗浄剤を含む水や洗浄能力の高い有機溶剤(例えば、アルコール)、水の電気分解により生成される電解水、次亜塩素酸を含む電解水等を利用できる。
【0009】
ここで、吸引した液体を貯留するタンク部12と、吐出する液体を貯留するタンク部75とを区別するために、便宜上、吸引側のタンクに「吸引用」を付し、吐出側のタンクに「吐出用」を付す。
また、装置本体1において、便宜上、吸引用タンク部12が存在する側を前側とし、前後方向と上下方向とに直交する方向を左右方向とする。吸引用タンク部12を正面に見た状態で、向かって右側を左右方向の右側とする。
以下、各部について詳細に説明する。
【0010】
2.装置本体
(1)概略
図2に示すように、装置本体1は、液体等を吸引する本体部11と、吸引した液体を貯留する吸引用タンク部12とを備える。
図3に示すように、本体部11のケース21内には、電動送風機、操作スイッチ251、バッテリ、回路、吸引流路、排出流路等が収容される。ここでは、電動送風機は送風部23として、操作スイッチ251は操作部25として、バッテリは電源部27として、回路は回路部29として収容されている。
ホース8と接続する本体側接続部331から吸引用タンク部12に繋がる吸引流路は前ケース51と吸引流路形成部材33とで構成され、送風部23から装置外部へと繋がる排出流路は排出流路形成部材35で構成される。なお、ホース8との接続部331は、ハンドツール7側のホース8との接続部と区別するために、便宜上、装置本体1の接続部に「本体側」を付し、ハンドツール7側の接続部に「ツール側」を付している。
以下、各部について説明する。
【0011】
(2)本体部
(2-1)ケース
ケース21は複数個の部材から構成されている。ケース21は、図2及び図3に示すように、前側の前ケース51と後側の後ケース53とを備える。
ケース21は、吸引用タンク部12を前側から出し入れ可能に収容する吸引用タンク収容部47を前側に、液体等を吸引するために必要な機能部を収容する機能収容部49を後側内部に、ハンドル部43を上側にそれぞれ有し、ハンドツール7を保持するための保持部39が後面に設けられている。
なお、図2において、吸引用タンク収容部47の引き出し線を、ケース21の壁部等を示す引き出し線と区別するために、矢印としている。
【0012】
(2-1-1)前ケース
図5に示すように、前ケース51は、ケース21において吸引用タンク収容部47と機能収容部49とを区画する区画壁510と、区画壁510の周囲を囲う前周壁511と、前周壁511の上部に形成された前ハンドル部512とを有している。なお、前周壁511や前ハンドル部512と、後ケース53の周壁531や後ハンドル部532と区別するために、便宜上、前ケース51側には「前」を付し、後ケース53側には「後」を付している。
【0013】
(2-1-1-1)区画壁
区画壁510は、垂直状(左右方向及び上下方向に広がる)をしている。区画壁510は上下方向に長い矩形状をしている。
区画壁510は、ハンドツール7から液体等を吸引用タンク部12側に吸引するための吸引部510aと、吸引用タンク部12から空気を排出するための排出部510bとを有している。吸引部510aと排出部510bは前側に延伸する筒部により構成されている。
区画壁510は、回路部29の上側に位置し且つ回路部29よりも後側に延伸する延伸部510cを有する。延伸部510cは、前ケース51と後ケース53との突き合せ部分(結合部分)の下方に位置し、突き合せ部分からケース21内に浸入した液体が回路部29側に流れるのを防止する。
区画壁510は、吸引流路形成部材33の上流側端部を前側から支持する支持部510fを有する。支持部510fは、吸引流路形成部材33の前側の外周面に対応した欠け部分を有している。これにより、吸引流路形成部材33の上流側端部を位置決め状態で支持できる。
【0014】
区画壁510は、吸引用タンク部12に貯留する液量を検知するための液量検知部31(図3の(b)参照)を収容する液量検知収容部510dや、吸引用タンク部12の結合部613(図11参照)との干渉を避けるための凹部510eを有している。
液量検知収容部510dは前側へと凹入する凹入部により構成される。これにより、液量検知部31を吸引用タンク部12側に近づけることができ、検知性能を高めることができる。また、液量検知収容部510dは送風部23と吸引流路の上流端部との間に位置し、ケース21の空間を有効に利用している。なお、液量検知部31は、他の検知部と区別するために、便宜上「液量」を付している。
【0015】
(2-1-1-2)前周壁
図5に示すように、前周壁511は、上壁513、下壁514、左側壁515及び右側壁516を有し、前後方向から見ると矩形枠状をしている。なお、左側壁515と右側壁516とは、区別する必要がない場合は側壁515,516とする。
上壁513は、図4の(a)及び図5の(a)に示すように、区画壁510の上端から前側に延伸する上内壁部513aと、上内壁部513aの前端から上側に延伸する上前壁部513bと、上前壁部513bの上端から後側に延伸する上外壁部513cとを有する。
下壁514は、区画壁510の下端から前側に延伸する下壁部514aと、下壁部514aの前端から下側に延伸する下前壁部514bと、下壁部514aから下方に延伸するリブ部514cとを有する。
側壁515,516は、区画壁510の左右端から前側に延伸する側内壁部515a,516aと、側内壁部515a,516aの前端から左右の外方側に延伸する側前壁部515b,516bと、側前壁部515b,516bの左右外方端から後側に延伸する側外壁部515c,516cとを有する。
【0016】
上壁513は、図5の(a)に示すように、吸引用タンク部12を出し入れする際のガイド部513dと、吸引用タンク部12の装着状態をロックするためのケース側ロック部513eを有している。
下壁514は、図4の(a)に示すように、吸引用タンク部12を出し入れする際のガイド部514dと、吸引用タンク部12の装着状態をロックするためのケース側ロック部514eを有している。
左側壁515は、図5に示すように、ホース8を接続するための本体側接続部331用の欠け部515dを有している。右側壁516は、電源部27用の欠け部516dを有している。
【0017】
(2-1-2)後ケース
図5に示すように、後ケース53は、後壁530と、後壁530の周囲を囲う後周壁531と、後周壁531の上部に形成された後ハンドル部532とを有している。
【0018】
(2-1-2-1)後壁
後壁530は、垂直状(左右方向及び上下方向に広がる)をしている。後壁530は上下方向に長い矩形状をしている。
後壁530は、電源部27のバッテリ271を図外の充電ジャックにより充電するための接続端子部28(図4の(a)参照)が取り付けられる端子取付部530aを有している。端子取付部530aは、後壁530の端子孔の周縁から前側に筒状に延伸する。なお、端子孔にはキャップ体283(図1の(b)参照)が取り外し可能に設けられている。
後壁530は、電源部27を後側から支持する支持部530bと、吸引流路形成部材33の本体側接続部331を支持する支持部530cとを有している。支持部530b,530cは、電源部27や吸引流路形成部材33の後側の外周面に対応した欠け部分を有している。これにより、電源部27及び吸引流路形成部材33を位置決め状態で支持できる。
後壁530は、送風部23の後側部分に、後方に段付き状に突出する突出部530fを有し、ハンドツール7を保持する保持部(保持部材)39(図3の(a)参照)が突出部530fに後側から嵌合する状態で取り付けられる。
【0019】
(2-1-2-2)後周壁
後周壁531は、図5に示すように、上壁533、下壁534、左側壁535及び右側壁536を有し、前後方向から見ると矩形枠状をしている。なお、左側壁535と右側壁536は、区別する必要がない場合は側壁535,536とする。
下壁534は、側壁535,536の下端よりも上側に位置し、送風部23から排出される空気をケース21の外部に排出するための1個又は複数個の排出口534aと、下方に延伸するリブ部534bとを有する。
左側壁535は、ホース8を接続するための本体側接続部331用の欠け部535aを有している。右側壁536は電源部27用の欠け部536aを有している。
【0020】
(2-1-3)ハンドル部
図3及び図4に示すように、前ハンドル部512は、上壁513の後部を左右方向に沿って設けられている。ここでは、上壁513の左右両端から上方に逆「U」字状に延伸する。
後ハンドル部532は、上壁533の前部を左右方向に沿って設けられている。ここでは、上壁533の左右両端から上方に逆「U」字状に延伸する。
前ハンドル部512及び後ハンドル部532は、操作部25用の欠け部512a,532aを有している。
なお、前ケース51に後ケース53が固定されると、前ハンドル部512と後ハンドル部532とで、ハンドル部43(図2参照)が構成されると共に操作部25を収容する収容部が構成される。
【0021】
(2-2)送風部
図3に示すように、送風部23は、ケース21内の上側であって左右方向の一方側(ここでは、左側である)に位置する。送風部23は、排出流路形成部材35の送風カバー部351により覆われている。
図6に示すように、送風部23は、電動送風機235と、電動送風機235を収容するケーシング230と、吸引用タンク部12と連通する連通部とを有する。
ケーシング230は、前側に位置する段付き状の筒状体231と、後側に位置するカバー体232とを有する。
筒状体231の前側部分231aには、貫通孔が形成され、当該貫通孔を開閉する開閉弁233が設けられている。連通部は、前側部分231aの貫通孔231bにより構成される。
なお、開閉弁233は、電動送風機235が駆動すると開状態とし、駆動が停止すると閉状態とする。なお、開閉弁233は、前後方向に移動して貫通孔を開閉する。
カバー体232には、電動送風機235が吸引した空気をケーシング230外に排出するための排出口232aを有している。
送風部23は、ケーシング230の前側部分231aが区画壁510の排出部510bから前側に突出し、筒状体231の段差部分が区画壁510に当接する状態で、ケーシング230が区画壁510にねじ等を利用して固定される。
なお、吸引用タンク部12が装着されると、ケーシング230の前側部分231aが吸引用タンク部12内に位置する。
【0022】
(2-3)操作部
図4に示すように、操作部25は、運転開始等の操作スイッチ251、報知手段253等を操作基板に備える。報知手段253は、吸引用タンク部12内の満水を報知する報知手段、吸引用タンク部12が正規の位置に装着されていない状態で操作スイッチ251が操作されたときに報知する報知手段、バッテリの充電が必要なことを報知する報知手段等を含む。
操作部25は、操作基板が前ハンドル部512の欠け部512aと後ハンドル部532の欠け部532aに嵌合状態で取り付けられる。なお、操作基板は保護シート256により覆われている。
【0023】
(2-4)電源部
図3に示すように、電源部27は、ケース21内の上下方向の中間であって左右方向の他方側(ここでは、右側である)に位置する。電源部27は左右方向に延伸しており、電源部27の重心G2(図18の(a)参照)が左右方向の中央よりも他方側に位置している。
電源部27は、吸引流路形成部材33の後側に位置し、電源部27の重心G2(図18の(b)参照)は、区画壁510よりも後側に位置している。電源部27は、区画壁510と吸引流路形成部材33にねじ等を利用して固定される。
【0024】
図7に示すように、電源部27は、バッテリ271と、バッテリ271を出し入れ(挿抜)可能に収容するバッテリケース272と、バッテリケース272の出入口272aを開閉する扉体273と、バッテリケース272へのバッテリ271の挿入(装着)を検知するバッテリ検知部274と、バッテリケース272内のバッテリ271と電気的に接続する接続端子275とを備える。なお、バッテリ検知部274は、他の検知部と区別するために「バッテリ」を付している。
【0025】
バッテリ271は、長尺状をし、左右方向の一端側が細くなる段差部271aを有し、バッテリケース272の接続端子275と接続するための接続孔271bを段差部271aに有している。
バッテリケース272は、複数の部材により構成されている。ここでは、バッテリ271の挿入方向の奥側に位置する端ケース体276と、挿入方向の下側に位置する下ケース体277と、挿入方向の上側に位置する上ケース体278とを有する。
【0026】
端ケース体276には接続端子275が設けられ、下ケース体277にはバッテリ検知部274を収容するための筒状の収容部277aが設けられている。なお、収容部277aは下方側が開放しているため、液体が収容部277a内に入りにくい。
下ケース体277と上ケース体278は、端ケース体276と反対側の端部に周方向の外方に張り出す張出部277c,278cを有し、当該張出部277c,278cの軸部277e,278eにより扉体273が開閉可能に支持される。なお、軸部277e,278eは上下方向に延伸する。扉体273は、前側で支持され、後側が開閉する。これにより、バッテリケース272に吸引用タンク部12の液体が入り難くできる。
【0027】
(2-5)回路部
図3に示すように、回路部29は、ケース21内の上部側であって左右方向の他方側(ここでは、右側である)に位置する。より具体的には、回路部29は、延伸部510cの下側であって、電源部27の上側に位置している。回路部29は、吸引流路形成部材33の後側に位置する。回路部29は、吸引流路形成部材33と離間する(接触しない)状態で、ねじ等を利用して区画壁510に固定されている。これにより、吸引流路の振動が回路部29に伝わり難くできる。
【0028】
回路部29は、バッテリ271から供給される電力から駆動電力を生成し、電動送風機235のモータ、傾斜検知部30、液量検知部31、バッテリ検知部274、操作部25、着脱検知部36等の駆動部に供給する。
回路部29は、使用者の操作部25の操作にしたがって各駆動部を駆動する。回路部29は、使用中に、本体部11の傾斜が閾値を超えることを傾斜検知部30が検知すると、電動送風機235の駆動を停止する。回路部29は、使用中に、吸引用タンク部12内の液量が閾値を超えると電動送風機235の駆動を停止する。回路部29は、操作部25が操作された際に吸引用タンク部12が装着されていることを着脱検知部36が検知していると電動送風機235を駆動したり、使用中に吸引用タンク部12が非装着(脱状態)になることを着脱検知部36が検知すると電動送風機235の駆動を停止したりする。回路部29は、バッテリ279の充電が閾値より低くなると操作部25の報知手段253を駆動する。なお、上記回路部29の機能は制御部が行うとしてもよい。
回路部29は、複数の電子部品291を回路基板293に実装することで、上記機能を行う。なお、傾斜検知部30は、加速度センサ等を利用でき、回路基板293に実装され、着脱検知部36は、接触式のスイッチ等を利用でき、前ケース51のボス孔を利用して設けられている(図2の(a)参照)。
【0029】
(2-6)液量検知部
図3の(b)に示すように、液量検知部31は、ケース21内の上下方向の中間であって左右方向の一方側(ここでは、右側である)に位置する。より具体的には、液量検知部31は、送風部23の下側であって、「L」字状をする吸引流路形成部材33の左右方向に延伸する部分の上側に位置している。
図6に示すように、液量の検知は、吸引用タンク部12内のフロート63を検知する。より具体的には、フロート63内の磁石(の磁気)を検知する磁気センサ311により行われる。
液量検知部31は、磁気センサ311が検知基板313に実装されてなり、区画壁510の液量検知収容部510dに収容されている。
【0030】
(2-7)吸引流路形成部材
図3の(b)に示すように、吸引流路形成部材33は、後方から見ると「L」字状をし、ケース21の下部と右部(左右方向の他方側の部分)とに亘って配されている。つまり、ハンドツール7から吸引した空気等は、装置本体1の下部であって左右方向の一方側(左側)から装置本体1内に入り、左右方向を他方側(右側)に進んだ後、上部側に向かって進み、上部側の吸引部510a(図2の(a)参照)からタンク部12に入る(この流路が「吸引流路」である)。
吸引流路形成部材33は、区画壁510に固定され、区画壁510とで吸引流路を形成する。
【0031】
図8に示すように、吸引流路形成部材33は、ホース8と接続する本体側接続部331と、本体側接続部331に接続し且つ区画壁510とで吸引流路を形成する吸引流路形成部332とを有する。吸引流路形成部材33は、ねじ等を利用して区画壁510に固定される。
なお、ホース8側の接続部(接続具83)と区別するために、便宜上「本体側」を付している。
本体側接続部331は、左右方向の他端側、つまり、送風部23が位置する側であってケース21の下部側に位置している。
本体側接続部331は、円筒部分331aと、ケース21の吸引口(前ケース51の欠け部515dと後ケース53の欠け部535a)に嵌合する嵌合部分331bと、ホース8のホース側接続具83の接続を案内する案内部分331cと、ホース側接続具83の接続状態をロックするためのロック部分331dとを有している。
嵌合部分331bは円筒部分331aの外周に形成された溝部分により構成される。案内部分331cは、円筒部分331aの内周面に形成され且つ筒軸方向に沿って延伸する溝部分により構成される。ロック部分331dは、案内部分331cの奥側端から周方向に沿って延伸する長孔部分により構成される。
なお、ホース8のホース側接続具83は、外周の凸状のロック部88が案内部分331cに位置する状態で左右方向の他方側から押し込まれ、ロック部88が案内部分331cの奥側に位置する状態で周方向に回転される。これにより、ホース8との接続状態がロックされる。
吸引流路形成部332は、筒軸と直交する断面において、一部が欠けた半筒状をしている。吸引流路形成部332は、開口側端部に平坦部分332aを有し、密閉性を高めている。
【0032】
(2-8)排出流路形成部材
図3に示すように、排出流路形成部材35は、「L」字状をし、ケース21の左部(左右方向の一方側の部分)と下部に亘って配されている。つまり、吸引用タンク部12内の空気は、装置本体1の上部であって左右方向の一方側(左側)の送風部23のケーシング230から装置本体1内に入り、下方に進んだ後、左右方向の他方側(右側)に向かって進み、ケース21(後ケース53)の排出口534aから外部へと出る(この流路が「排出流路」である)。
排出流路形成部材35は、ねじ等を利用して区画壁510に固定されている。排出流路形成部材35は、吸引流路形成部材33と離間する(接触しない)状態で、設けられている。これにより、振動及び騒音を抑制できる。排出流路形成部材35は、電源部27と離間する(接触しない)状態で、設けられている。これにより、電源部27に排出流路形成部材35の振動が伝わるのを抑制できる。
【0033】
図9に示すように、排出流路形成部材35は、送風部23の後部側を覆う送風カバー部351と、送風カバー部351から排出口534aまでの流路を構成する排出流路形成部353とを有する。
排出流路形成部353は、「L」字状をしている。排出流路形成部353は、前側に位置する流路前形成体355と、後側に位置する流路後形成体357とを備える。
【0034】
送風カバー部351は送風カバー体により構成される。なお、送風カバー体の符号を「351」とする場合もある。
送風カバー体351は、前側が開口する有底筒状をする本体部351aと、本体部351aの後壁に形成された貫通孔351bと、貫通孔351bの周縁から後方に筒状に延伸する筒部351cと、本体部351aの周壁の下壁に形成された貫通孔351dと、貫通孔351dの周辺に形成された嵌合部351eとを有する。
後壁の貫通孔351bは、送風部23(電動送風機235)の配線を導出するためのものであり、筒部351cの欠け部351fに配線が配される。
筒部351cは、図5の(a)に示す後ケース53の後壁530のリブ530gと嵌合する。これにより、送風部23と排出流路の密閉性を高めている。
貫通孔351dは、送風カバー体351と排出流路形成部353とを連通させる。
嵌合部351eは、後側の辺が開口する「コ」字状し、横断面形状が溝状に構成されている。
【0035】
流路前形成体355は、「L」字状をする中心軸と直交する断面形状が後側に開放する「コ」字状をする前本体部355aと、前本体部352aの上端に形成され且つ送風カバー体351の嵌合部351eに嵌合する嵌合部355bと、排出流路において送風カバー体351と反対側の端部に形成された排気用の貫通孔355cと、貫通孔355cの周囲から下方に延伸する前フード部355dとを有している。
嵌合部355bは外側に突出する突条をし、送風カバー体352の溝状の嵌合部351eに後側から挿入する。
流路前形成体355は、嵌合部355bの下側に前側へと延伸する延伸部355eを有している。延伸部355eは、電源部27のバッテリケース272に左右方向から近接又は当接する。これにより、バッテリケース272にバッテリ271を挿入する際の負荷の一部を延伸部355eで受けることができる。
流路前形成体355は、嵌合部355bの下側に、前後及び左右方向に延伸する受け部355fを有している。これにより、結露等により送風カバー体351の内部に溜まった水分が電源部27の接続端子275側(バッテリ271側)に流れるのを防止できる。
【0036】
流路後形成体357は、「L」字状をする中心軸と直交する断面形状が前側に開放する「コ」字状をする後本体部357aと、後本体部357aの上端に形成され且つ送風カバー体351の嵌合部351eの後側を覆う蓋部357bと、前フード部355dに合わせて下方に延伸する後フード部357cとを有する。
【0037】
流路前形成体355と流路後形成体357は、係合部355g,357dが係合することで結合する。
前フード部355d及び後フード部357cは、後ケース53の下壁534の近傍まで延伸している。これにより、排出流路形成部353の貫通孔355cから流出した空気の多くが後ケース53の排出口534aに案内される。
【0038】
(2-9)保持部
保持部39は、図10に示すように、ハンドツール7を保持する。保持部39は、ケース21の後面の上部であって左右方向の一方側に設けられている。
図3の(a)に示すように、保持部39は、ベース部分391と、ベース部分391に設けられたハンドツール7を保持する保持部分393,395とを有している。
ベース部分391は、高さの低い箱状をし、後ケース53の突出部530f(図5の(b)参照)に後側から嵌合する。後ケース53は、送風部23の収容空間を確保するために突出部530fを有しているが、当該突出部530fを利用して保持部39が設けられているため、意匠性が向上する。
【0039】
図10に示すように、保持部39は、ハンドツール7の被保持部(係合部)734aが係合する係合部分393と、吐出用タンク部75を左右から保持(位置規制)する保持部分(位置規制部)395とで構成されている。なお、係合部分の符号も「393」を使用する。
係合部分393は、ベース部分391から後方に突出する凸部分の凹入部分により構成されている。ハンドツール7の被保持部(係合部)734aは、係合部分393に上方から嵌合(進入)する。なお、係合部分393とハンドツール7の被保持部(係合部)734aの係合関係は凹凸が反対であってもよい。
【0040】
保持部分395は、ベース部分391から吐出用タンク部75の左右両側に突出する突出部分395a,395bにより構成されている。ここでは、保持部分395は、上下方向から見ると「U」字状をしている。
突出部分395bは、図10の(b)に示すように、ツール本体部71の操作部716と吐出用タンク部75との間に位置している。これにより、ハンドツール7が装置本体1に保持されている状態では、操作部716を操作できず、操作部716が何かと干渉して誤動作することを防止できる。なお、突出部分395bは、操作部716と吐出用タンク部75との間に位置し、操作部716と吐出用タンク部75とを仕切る仕切部として機能する。したがって、保持部分395は、仕切部(395b)を保持部分395の一部として有している。
【0041】
(3)吸引用タンク部
図2に示すように、吸引用タンク部12は、本体部11が吸引した液体を貯留する吸引用タンク60と、吸引した液体等が流入するための流入口60aと、吸引用タンク60内の空気を排出するため排出口60bとを少なくとも有する。
なお、吸引用タンク60が本体部11に装着された状態では、流入口60a内に本体部11の吸引部510aが進入し、排出口60bには送風部23の筒状体231が進入する。
吸引用タンク60は、上下方向と左右方向とに長い箱状をし、上タンク61と下タンク62とを備える。吸引された液体は、主に下タンク62に貯留し、吸引用タンク60の貯留部を構成する。
流入口60aと排出口60bとは、上タンク61の後面であって左右に離間して設けられている。これにより、液体の貯留量を増やすことができる。
吸引用タンク部12(下タンク62)は、吸引用タンク60の液位を検知するためのフロート63(図14参照)を上下動可能にフロート収容部65に備える。
【0042】
図11に示すように、吸引用タンク60は、装置本体1に装着された際に装着状態をロックするタンク側ロック部612,622を上タンク61と下タンク62とに有している。タンク側ロック部612,622は、上下方向に移動可能に支持され、上下方向の外方へ付勢されている。吸引用タンク60が装着されると、タンク側ロック部612,622である凸部分が、ケース21のケース側ロック部513e,514eである凹入部分(図4の(a)、図5の(a)参照)に係合する。
図11に示すように、吸引用タンク60は、上タンク61と下タンク62とを分離可能に結合する結合部613,623を上タンク61と下タンク62とに有している。ここでは、上タンク61の結合部(係合部)613が左右方向の回転軸周りに回転して、下タンク62の結合部(係合部)623に係合する。なお、係合関係は上下反対であってもよい。
【0043】
上タンク61は上タンク本体610と上前カバー611とを備える。下タンク62は下タンク本体620と下前カバー621とを備える。
上前カバー611と下前カバー621は、タンク側ロック部612,622や結合部613,623用の欠け部611a,611b,621aや貫通孔621bを有している。
上前カバー611の上タンク本体610への取り付け及び下前カバー621の下タンク本体620への取り付けは、係合部614,615,624,625により行われる。
【0044】
図11の(b)に示すように、上タンク本体610は、上下方向及び前後方向に広がる複数枚の上仕切板部616を左右方向に間隔を置いて交互に有している。上仕切板部616は、左右方向において、流入口60aと排出口60bとの間に位置する。
図12の(a)に示すように、上タンク本体610の前壁からは2枚の上仕切板部616aが後壁の手前まで延伸し、後壁からは1枚の上仕切板部616bが2枚の上仕切板部616aの間を前壁の手前まで延伸する。
これにより、流入口60aから流入した液体が排出口60bから送風部23側に入るのを防止できる。また、吸引用タンク60内を空気がスムーズに流れることとなり、電動送風機235の負荷を小さくできる。
上仕切板部616は、その主面が流入口60aと排出口60bとを結ぶ方向(左右方向)と直交するように、設けられている。これにより、流入口60aから流入した液体のしぶきが流入口60a側に届くのを規制できる。
【0045】
図11の(a)に示すように、下タンク本体620は、上下方向及び前後方向に広がる複数枚の下仕切板部626を左右方向に間隔を置いて有し、左右の下仕切板部626の間にフィルタ64を有している。なお、下仕切板部626は、左右方向において、流入口60aと排出口60bとの間に位置する。
図12の(b)に示すように、下タンク本体620の前壁からは2枚の下仕切板部626が後壁の手前まで延伸している。下仕切板部626及びフィルタ64は、その主面が流入口60aと排出口60bとを結ぶ方向(左右方向)と直交するように、設けられている。これにより、液面の変動を小さくできる。
【0046】
フィルタ64は、フロート収容部65の上流側(流入口60a側)に設けられている。これにより、ごみがフロート収容部65に流れるのを防止できる。
フィルタ64は、流入口60aの下流側で、吸引用タンク60に流入した液体が通過するように配されている。これにより、流入口60aから流入した液体が下流側に流れる場合、フィルタ64を通過することになる。
フィルタ64は、図13の(a)に示すように、吸引用タンク60の底面(下タンク本体620の底面)から、貯留する液体の最高液位よりも上方までの領域に亘って設けられている。これにより、フィルタ64よりも下流側に貯留されるほとんどの液体がフィルタ64を通過することとなる。したがって、フロート63を上下動させる液体にはごみ等が少なく、フロート63の上下動がスムーズに行われる。なお、フィルタ64は、吸引用タンク60内を、ごみの含有が多い液体を貯留する領域と、ごみの含有が少ない液体を貯留する領域とに区画する。つまり、フィルタ64は、流入口60aの下流側と、フロート収容部65の上流側とを区画する。
【0047】
図13の(a)に示すように、フィルタ64は保持部627により保持される。保持部627は、前壁から後壁に向かって延伸する前保持部627aと、後壁に設けられた後保持部627bとを有する。
前保持部627aは、上下方向と前後方向とに広がる板部分627cと、板部分627cの後端に設けられた溝部分627dとを有する。後保持部627bは、溝部分(符号627bを利用する)により構成されている。溝部分627d,627bは上下方向に延伸している。これにより、フィルタ64を上下方向に挿抜可能であって着脱可能に取り付けられる。これにより、フィルタ64の洗浄が容易となる。
図14に示すように、上タンク61の上仕切板部616と、下タンク62の下仕切板部626とフィルタ64とが上下方向に近接している。これにより、フィルタ64を上下方向に固定する専用の固定部を設けることなく、フィルタ64が上側に抜けるのを防止できる。
【0048】
図12の(b)に示すように、下タンク62(下タンク本体620)は、下タンク本体620とでフロート収容部65を形成する収容部形成部材66を備える。フロート63は、左右方向において流入口60aが存在する側と反対側に配される。より具体的には、排出口60bの下方に配される。
これにより、流入口60aとフロート63とは、液体の貯留流路の両端に位置し、フィルタ64の配置位置の自由度が広がる。
【0049】
図13に示すように、フロート収容部65は、下タンク本体620の後壁と、左壁と、底壁と、後壁から上下に亘って前側に延伸する延伸板部628と、収容部形成部材66における下タンク本体620の後壁と対向する前対向部661と、収容部形成部材66における前対向部661の上端から後側に延伸し底部と対向する上対向部662とで構成され、上下方向に長い直方体状をしている。
収容部形成部材66は、少なくとも、ベース部663と、ベース部663の後端から立設する前対向部(立設板部)661と、上対向部662とを有する。
ベース部663は貫通孔663aを有し、図14に示すように、当該貫通孔663aを挿通するねじ69により下タンク本体620の底壁に固定される。なお、収容部形成部材66は、ドライバ等を利用することで、取り外し可能であり、フロート63や収容部形成部材66やフロート収容部65の洗浄を容易に行える。
収容部形成部材66は、前対向部661とベース部663とに跨るリブ部664を有している。これにより、収容部形成部材66が補強される。
収容部形成部材66は、上下方向に延伸する貫通溝661aを前対向部661に有している。これにより、フロート収容部65に液体が流入可能となる。
収容部形成部材66は、下タンク本体620の延伸板部628に当接する当接部665と、延伸板部628の上端に嵌合する嵌合部666と、下タンク本体620の左壁の溝部629に挿入して嵌合する嵌合部667とを有する。これにより、収容部形成部材66が位置決めされる。
【0050】
フロート63は、ケース630とケース630内に収容された検知源である磁石635(図6参照)とを備える。なお、フロート63は、液量検知部31により検知される検知対象物である。
ケース630は、直方体状(箱状)をし、外周面に突起631を有している。突起631は1個以上ある。
突起631は、ケース630の下面又は上面の少なくとも一方に設けられている。突起631は、右面/又は左面の少なくとも一方に設けられている。突起631は、前面又は後面の少なくとも一方に設けられている。これにより、フロート63が、フロート収容部65を構成する面に密着して、上下動しなくなることを防止できる。
突起631は各面において、上下方向に間隔をおいて2個以上あるのが好ましい。なお、面が大きい場合は、3個以上が好ましい。先端は、半球状が好ましい。
突起631は、設けられている面に対して、面を2等分又は4等分した区画それぞれに設けられている。これにより、面の大きさによって適宜突起数を選択できる。
【0051】
3.ハンドツール
ハンドツール7は、図15に示すように、ツール本体部71と吐出用タンク部75とを備える。吐出用タンク部75はツール本体部71に対して取り外し可能に構成されている。ハンドツール7は、ツール本体部71の操作部716の操作により、吐出用タンク部75内の液体を吐出して、ホース8からの吸引により吐出した液体とゴミ等を含む空気を吸引する。
ここで、ハンドツール7の説明において、上下方向と直交し且つ液体を吐出する方向を前後方向とし、吐出する側を前側とし、上下方向と前後方向とに直交する方向を幅方向とする場合がある。
なお、ハンドツール7が装置本体1に装着された状態では、ハンドツール7の前後方向は装置本体1の左右方向と一致し、ハンドツール7の幅方向は装置本体1の前後方向と一致する。
【0052】
(1)ツール本体部
ツール本体部71は、図15に示すように、装置本体1(本体部11)と連通する吸引口736aと液体を吐出するための吐出口720aとを有するノズル部700と、ノズル部700に設けられるハンドル部739と、吐出用タンク部75内の液体を吐出口720aから吐出させるための操作を受け付ける操作部716とを備える。
ここで、吸引口736aのある面を清掃面とし、ハンドツール7の使用の際に、清掃面を被清掃面に対向させて使用する。
ノズル部700は前後方向(第1方向)の前側(一方側)に、ハンドル部739は前後方向(第1方向)の前側(一方側)にそれぞれ位置する。
図16及び図17に示すように、ツール本体部71は、ベース体710とカバー体730とを有している。
【0053】
(1-1)ベース体
図16に示すように、ベース体710は、ベース板部712と、ベース板部712の前部から立設する立設板部713とを有している。ベース板部712には吐出部714が取り付けられ、立設板部713にはブラシ部725が取り付けられている。
吐出部714は、電動式又は手動式を利用でき、ここでは手動式であり、所謂、トリガスプレーである。吐出部714は、ポンプ部715と操作部716と吐出ノズル部717とを有する。ここでの吐出部714は、吐出ノズル部717から吐出される液体を霧状にするための噴霧ノズル部720を有している。
図15に示すように、ポンプ部715は、操作部716の操作により、ステージング718内のプランジャ719が移動して、ステージング718内の液体を吐出ノズル部717に押し出す。
噴霧ノズル部720は、吐出ノズル部717に対して吐出方向に移動可能に支持された有底筒状をし、底部分に外側に向かって狭くなる円錐状の吐出口720aを有している。吐出ノズル部717の先端には、吐出する液体に回転力を与えるための溝部が形成されており、吐出口720a(噴霧ノズル部720)を吐出ノズル部717の先端に近づけると霧状で吐出され、吐出口720aを先端から遠ざけると液状で吐出される。なお、噴霧ノズル部720は吐出ノズル部717の外周に螺合し、回転することで吐出口720aが吐出ノズル部717に遠近する。
操作部716は吐出用タンク部75と対向するように設けられている。操作部716はハンドル部739と吐出用タンク部75との間に位置する。操作部716は、後ろ下がりに傾斜し、中間部位で回動可能にベース体710に支持されている(図16参照)。なお、操作部716は、吐出用タンク部75内の液体を吐出させるための操作を受け付ける受付部でもある。
吐出用タンク部75内の液体は、チューブ721を介して供給される。なお、チューブ721の下端には、貫通孔付きの錘722が取り付けられている。
【0054】
(1-2)カバー体
図15に示すように、カバー体730は、ホース8と接続され、内部に吸引流路736を有している。
カバー体730は、図17に示すように、ベース体710に取り付けられた吐出部714等を覆うカバー本体731と、カバー本体731の前部側の上壁部731a(図15参照)を覆う外側カバー体732と、カバー本体731内であって吐出部714を覆う内側上カバー体733と、カバー本体731の右壁部731bの内側に設けられた内側右カバー体734と、カバー本体731の左壁部731cの内側に設けられた内側左カバー体735とを備える。なお、カバー本体731とベース体710とで、吐出部714を収容する収容部又は筐体を構成する。
【0055】
図17に示すように、カバー本体731は、ベース体710が取り付けられる取付部738と、使用の際に使用者が把持するハンドル部739とを有する。なお、取付部738はカバー本体731の前側部分に、ハンドル部739はカバー本体731の後側部分にそれぞれ位置する。
取付部738は、上壁部731aと一対の側壁部731b,731cとを有し、一対の側壁部731b,731cに設けられた内側右カバー体734と内側左カバー体735に、ねじ等によりベース体710が取り付けられる。
【0056】
図15に示すように、ハンドル部739は、筒状をし、その上端の開口739bが露出する状態で、取付部738の上壁部731aの下端に接続している。これにより、ハンドル部739の内部が、上壁部731aと外側カバー体732との間に形成される空間と連通し、吸引流路736や吸引部が形成される。なお、吸引口736aは、図17に示すように、外側カバー体732の前壁部732aに設けられている。
ハンドル部739の筒軸は後ろ下がりに傾斜し、ハンドル部739は、操作部716の後方に位置している。これにより、使用者は、ハンドル部739を把持した状態で、操作部716の操作が容易に行える。
特に、吸引口736aのある清掃面を水平にした場合に、ハンドル部739の筒軸と平行な仮想線Aは、水平(図15中の仮想線Bである)に対して鋭角の角度Cで延びている。角度Cは、20~50度の範囲内が好ましい。これにより、水平な被清掃面の清掃の際の操作性を向上できる。
なお、操作部716は、吐出用タンク部75の後方に位置し、操作部716と吐出用タンク部75との間の隙間は、使用者がハンドル部739を把持した状態で、操作部716の操作が可能なように構成されている。
【0057】
ハンドル部739は、操作部716と反対側に突出する突出部739aを有している。これにより、使用者がハンドル部739を把持した際に、被清掃面を押し当てたり、被清掃面に沿ってハンドツール7を移動させたりする際の操作性が向上する。突出部739aは、ハンドル部739の筒軸が延伸する延伸方向と交差する方向に突出する指掛部により構成される。ここでは、突出部739aは、筒軸と直交する方向に延伸する部分を有する。
図15に示すように、ハンドル部739の筒軸と平行な方向(仮想線A)と直交する仮想線であって突出部(指掛部)739aを通る仮想線Dは、操作部716と交差する。これにより、親手を指掛部に掛けやすくできる。
【0058】
図17に示すように、ハンドル部739はホース8と接続するためのツール側接続部741を下端部に有している。ツール側接続部741は、ホース8の接続具85のロック部88を内部に案内するための溝状の案内部分741aと、接続具85の抜けを防止するための貫通孔状のロック部分741bとを「L」字状に有している。なお、案内部分741aは、ハンドル部739の筒軸方向に沿って形成され、ロック部分741bは周方向に沿って形成されている。
【0059】
ブラシ部725は、ベース部分725aと、ベース部分725aに設けられたブラシ725bとを備える。ブラシ部725は吐出部714の吐出口720aの下方に配されている。
【0060】
内側右カバー体734は、ハンドツール7を装置本体1に取り付ける(保持される)ための被保持部734aを有している。ここでは、ノズル部700は、吐出口720aが前側(装置本体1の左右方向の他方側である)を向くように保持される。被保持部734aは、図10の(a)に示すように、装置本体1の保持部分393の凹入部分に上側から挿入して係合する係合部により構成されている。
ハンドツール7の被保持部734aと装置本体1の保持部分393とは、ハンドツール7が保持された際に、カバー体730の右壁部731bが、装置本体1の保持部39のベース部分391と当接する(図10の(a)参照)ように、構成されている。これにより、ハンドツール7の装着(保持)状態が安定する。
【0061】
(2)吐出用タンク部
図16に示すように、吐出用タンク部75は、タンク部751と、タンク部751をベース体710に取り付けるための取付部753とを有する。
図15に示すように、吐出用タンク部75の前端は、ノズル部700の前面(清掃面)と面一又は前面よりも後方に位置する。なお、前端は、カバー体730の前端縁を含む面に相当する。
これにより、使用の際に清掃面を被清掃面に対向させると、吐出用タンク部75が被清掃面と反対側に位置することとなり、吐出用タンク部75が清掃作業の邪魔になるのを防止できる。
タンク部751は、取付部753側に位置する上部分751aと、上部分751aの下方に位置する下部分751bとを一体に有する。
図15に示すように、上部分751aは上下方向に延伸する筒状をし、操作部716との間に空間が存在する。上部分751aの下端は、操作部716の下端と略同じ位置又は操作部716の下端よりも下側に位置する。これにより、操作部716の操作の際に吐出用タンク部75が邪魔になるようなことを抑制できる。
下部分751bは、上部分751aから下方に移るにしたがって後方(ハンドル部739)側に膨出する。これにより、使用者の操作性を害することなく、吐出用タンク部75を大きくできる。下部分751bにおける上部であって後部側は、操作部716との間に操作用の空間を確保するように形成されている。
つまり、側方(幅方向)から見たとき(図15である)に、ノズル部700が前後方向の前側に位置し、ハンドル部739が前後方向の後側に位置し、ハンドル部739と吐出用タンク部75との間隔が、後側に向かって移るにしたがって大きくなる。これにより、ホース8の筒軸がハンドル部739の筒軸の延長上になるように接続される場合、ホース8との接続部の空間が大きくなり、ホース8の取り外し作業がしやすくできる。
ハンドル部379(カバー本体731)の下端が、吐出用タンク7部5の下端よりも上側に位置するため、ホース8の取り外し作業の際に吐出用タンク部75と干渉し難くできる。
【0062】
下部分751bは、図17に示すように、ハンドツール7を載置する際に載置面に載置される平坦面を有する底部751cを有している。これにより、ハンドツール7単独で載置可能となり、利便性を向上できる。特に、下部分751bにおいて、ハンドル部739が存在する後部側が前部側より幅が大きく構成されているため、安定性を向上できる。なお、底部751cは、中央部が凹入しているが、周辺部が載置面と当接する平坦面となる。
吐出用タンク部75の底部(平坦面)751cが水平面に載置された状態では、ノズル部700の吐出部714と吐出用タンク部75とが上下方向に並び、ハンドル部739と吐出用タンク部75とが水平方向に並ぶ。
【0063】
取付部753は、ベース板部712の取付部712aに取り付けられる。取り付けは、吐出用タンク部75の取付部753の溝部分と、ベース体710の取付部712aの凸部分とが係合することで行われる。
【0064】
4.ホース
ホース8は、図1に示すように、ホース体81と、ホース体81の両端に設けられたホース側接続具83,85とを備える。ホース8が接続する相手側の接続部と区別するために「ホース側」を便宜上付している。
ホース側接続具83は、装置本体1の吸引流路形成部材33の本体側接続部331に取り外し可能に取り付けられ、ホース側接続具85は、ハンドツール7のツール側接続部741に取り外し可能に取り付けられる。
ホース側接続具83,85は、図16に示すように、ホース体81に接続される接続部86と、相手側の接続部331,741に嵌合する嵌合部87と、嵌合部87に設けられたロック部88とを有する。ロック部88は、凸部により構成され、相手側の接続部337,741の案内部分331c,741aやロック部分331d,741b内を進む。
【0065】
5.重心位置
清掃装置Xは、図18に示すように、吐出用タンク部75及び吸引用タンク部12に液体が貯留されていない状態であってハンドツール7が保持されている状態では、全体の重心G0は、上下方向、前後方向及び左右方向において、中央部に位置する。ハンドル部43は、略重心G0の上方又はその付近に位置するため、持ち運びしやすくできる。液体が貯留されると、重心G0は下方に下がる。これにより、載置面に載置した状態が安定する。
なお、吸引用タンク部12に液体が貯留されていない状態であってハンドツール7が保持されていない状態(つまり、使用者がハンドツール7を保持している状態)であっても、全体の重心G0は、上下方向、前後方向及び左右方向において、中央部に位置する。ハンドル部43は、略重心G0の上方又はその付近に位置するため、持ち運びしやすくできる。
送風部23の重心G1は、左右方向の一方側(右側)であって前後方向の中央の上部に位置する。電源部27の重心G2は、左右方向の他方側(左)であって後部側の上下方向の中央よりも下側に位置する。これにより、送風部23と電源部27の重心位置が左右方向に離れるため、全体の重心G0が左右方向の中央側に位置することになる。
【0066】
吐出用タンク部75の重心G3は当該タンクの中央にある。ハンドツール7の重心G4は、吐出用タンク部75を装着した状態であって液体の貯留されていない状態では、吐出用タンク部75の上側であって、ハンドツール7の前後方向の前側(装置本体1では左右方向である)に位置する。本体部11の保持部39の係合部分393は、ハンドツール7の重心G4の近傍と係合することとなり、安定した状態でハンドツール7を保持できる。なお、吐出用タンク部75に液体が貯留されると、全体の重心G4は前側に移動し、保持部39の係合部分393に近づく。
また、ハンドツール7の重心G4は、吐出用タンク部75の重心G3に対して、前後方向及び左右方向においてその上方に位置する。したがって、吐出用タンク部75に液体が貯留し、吐出用タンク部75の重心G3が下方に下がっても、重量バランスが大きく変化することがなく、また、本体部11の係合部分393に下方への負荷が作用し、ハンドツール7を外れ難く保持できる。
【0067】
6.使用
清掃装置Xは、装置本体1の後側でハンドツール7を保持部39で保持している。この状態では、ハンドツール7の吐出用タンク部75の底面は、被載置面と間隔をおいて対向している。このため、図19の(a)に示すように、清掃装置X又は本体部11が左右方向を回転軸として後側に傾斜した際に、ハンドツール7の吐出用タンク部75やホース8(図示省略)が載置面と当接するため、転倒し難くできる。
特に、装置本体1は、前側に吸引用タンク部12が配されているため、後側に転倒すると、吸引用タンク部12内の液体が、送風部23、電源部27、回路部29側に流れるおそれがあるため、後側に転倒し難い構造は特に好ましい。
清掃装置Xは、本体部11の下部側であって左右方向の他方側(左側)でホース8と接続する。このため、図19の(b)に示すように、清掃装置X又は本体部11が前後方向を回転軸として左側に傾斜した際に、ホース8や接続部分が載置面と当接するため、転倒し難くできる。
【0068】
7.液体
吐出用の液体として、油等の汚れを落とすことができ、吸引後に吸引用タンク部12内で泡が早期に小さく(体積が小さく)なるものが好ましい。
以下、清掃装置(リンサークリーナー)1で使用される液体として適した洗剤について説明する。なお、液体は、液剤を水で薄めた(希釈した)ものである。
【0069】
(1)消泡性試験
消泡性試験の概要は、以下である。
・使用装置 ・・・ ダイヤフラムポンプ
電装産業株式会社製 DSA-2F-12W
・・・ メスシリンダー 100mL、500mL
・・・ チューブ 直径3mm
・・・ 吐出ノズル 発射口直径0.5mm
・試験方法
(a)液剤を100倍に希釈した洗浄液を調製する。
(b)100mL、500mLのメスシリンダーを純水で濡らす。
(c)100mLのメスシリンダーに30mLの洗浄液を準備する。
(d)洗浄液を38.2cmの高さから、250mL/minの速さで、500mLのメスシリンダーに連続的に滴下する。
・評価
滴下後に発生した泡の体積により評価する。
その結果を表1に示す。
【表1】
表1から、洗剤A,Bは、滴下直後(0秒)の体積が50mL以下の45mLであり、泡の発生量(初期泡立ち)を抑えられている。洗剤Aは、滴下直後の体積に対して、約3秒後に1/2に、約4秒後に1/3に、約8秒後に1/4に体積が減少している。
洗剤Bは、滴下直後の体積に対して、8秒後に1/2に、約16秒後に1/3に、21秒後に1/4に体積が減少している。
このように、洗剤A,Bは、食器用合成洗剤と比較して、初期泡立ちも小さく(抑泡性)、破泡するスピードが速く、吸引用タンク部12内での泡の量を抑制できる。
【0070】
(2)洗浄性
洗浄試験の概要は、以下である。
・試験対象 ・・・ 株式会社サンゲツ製 タイルカーペットNT-367
(50×50cm ポロプロピレン)
・装置 ・・・ アイリスオーヤマ株式会社製 リンサークリーナーRNS-300
・試験方法
(a)タイルカーペットの10×10cmの範囲に汚れ1mLを滴下する。
(b)キムタオル(日本製紙クレシア株式会社製)で余分な汚れを拭きとり、5分間静置する。
(c)洗剤5mLを滴下し、リンサークリーナー付属のブラシで20回こすり洗いをしてリンサークリーナーで吸引する。
(d)洗剤の滴下から吸引までの操作(上記の(c)である)を汚れが落ちるまで繰り返し、その繰り返し回数を洗浄回数とする。
その結果を、表2に示す。
【表2】

表2から、洗剤A及びサンプルAは、ラー油及びミートソースの油汚れに対して高い洗浄能力を有している。この観点からは、洗剤Aは、洗浄性と消泡性に優れている。
【0071】
(3)乳化・分散性試験
乳化・分散性試験の概要は、以下である。
・使用装置 ・・・ 振とう機(ヤマト科学株式会社製 Shaker SA300)
・ラー油 ・・・ エスビー食品株式会社製
・試験方法
(a)ねじ口試験管に純水20mL、ラー油0.5mLを加えて攪拌する。
(b)液剤(洗剤)0.5mLを加え、ねじ口試験管を横向きに寝かして振とう機にセットする。
(c)振とう数300rpmで90秒間振とうする。
(d)振とう直後、60秒後の状態で評価する。
・評価
× ・・・ 完全に分離が進行している状態
△ ・・・ 分離が進行している状態
〇 ・・・ ほとんど分離状態
◎ ・・・ 完全に分散
その結果を表3に示す。
【表3】

表3から、洗剤Aは、乳化・分散性において、食器用合成洗剤と同等の性能を有することが把握できる。
【0072】
(4)まとめ
以上のことから、清掃装置1に使用する洗剤として、消泡性の観点から、洗剤A,Bが好ましい。さらに、洗浄性、乳化・分散性の観点から洗剤Aが好ましい。
【0073】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても実施形態に関連する発明に含まれる。
【0074】
<変形例>
1.装置本体
(1)本体部
(1-1)ケース
ケース21は、前ケース51と後ケース53との2部材で構成されていたが、3部材以上で構成されてもよいし、左右方向又は上下方向の複数部材から構成されてもよい。
ハンドル部43は、ケース21の上壁513,533との間に貫通部が形成できるように、ケース21の左右方向の両端から上方に延伸しているが、貫通部に代えて凹入部が形成されるようにしてもよい。
ハンドル部43は、左右方向に沿って設けられているが、左右方向の中央を前後方向沿って設けられてもよい。
ハンドル部43に操作部25が設けられているが、ケース21の側壁や上壁に設けられてもよい。この場合、ハンドル部43は前ケース51や後ケース53等の1つの部材に設けられてもよい。
ハンドル部43の位置は、装置本体1の重心位置に着目しない場合は、前後方向の中央以外の位置に形成されてもよい。
【0075】
(1-2)送風部
電動送風機235の回転軸が前後方向に延伸しているが、左右方向、上下方向又はこれら交差する方向に延伸してもよい。
送風部23の位置は、他の部位との位置関係、重心位置に着目しない場合は、左右方向の一端側であって上部側以外の位置に配されてもよい。
送風部23は、開閉弁233をケーシング230に備えていたが、開閉弁を専用の筒体に設け、別構造としてもよい。
(1-3)操作部
報知手段253は、吸引用タンク部12の満水、未装着、バッテリ271の充電不足等を使用者に報知できればよく、例えば、LED等の点灯又は点滅、点灯色の変化、ブザー、音声等の音発生を利用できる。なお、回路部は報知手段に報知させるため、これらで報知部としてもよい。
【0076】
(1-4)電源部
電源部27は、バッテリ271を備えているが、電気コードを使用する場合の課題に着目しない場合は、バッテリ271を備えずに電気コードを備えてもよい。
電源部27は、バッテリ271と電気コードとを備えてもよい。この場合、電気コードからバッテリを充電するように構成してもよいし、バッテリを挿抜不可としてもよい(バッテリをそのまま装着して充電する)。
電源部27の位置は、他の部位との位置関係、重心位置に着目しない場合は、上下方向の中間であって左右方向の他端側以外の位置に配されてもよいし、バッテリが長尺状の場合、その延伸方向(長手方向)を左右方向以外に配してもよい。
電源部27は、送風部23と回路部29の近傍に配されていたが、これを接続する配線に着目しない場合、送風部23と回路部29の近傍に配されなくてもよい。
電源部27と操作部25とを1枚の基板で構成してもよい。
【0077】
(1-5)回路部
回路部29の位置は、他の部位との位置関係、重心位置に着目しない場合は、上下方向の上部側であって左右方向の他端側以外の位置に配されてもよい。
回路部29は、送風部23と電源部27の近傍に配されていたが、これを接続する配線に着目しない場合、送風部23と電源部27の近傍に配されなくてもよい。
回路部29は、例えば、電力生成回路部と、制御回路部とを別々の基板に備えてもよい。
(1-6)吸引流路及び排出流路
吸引流路と排出流路は、前後方向に逆に配されてもよいし、その配置、形状は特に限定するものではない。
【0078】
(1-7)保持部
保持部39は、ハンドツール7の保持方法、保持したハンドツール7の重心位置等に着目しない場合、他の位置でハンドツール7を保持してもよいし、1か所で保持してもよい。
ケース21は、保持部39のベース部分391が取り付けられる部分に突出部530fを有していたが、突出部を有さなくてもよいし、凹入部を有してもよい。なお、突出部530fの場合、装置の見た目の前後方向寸法を小さくできる。
保持部39は、ベース部分391と保持部分393,395を有し、ベース部分391がケース21に取り付けられているが、保持部分を直接ケースに取り付けてよいし、保持部分をケース(後ケース)と一対成形品として構成されてもよい。
保持部39は、ハンドツール7を上下の2箇所で保持しているが、他の方向の2箇所で保持してもよい。例えば、ノズル部700に対して吐出用タンク部75が前後方向に着脱可能に設けられている場合は前後方向の2箇所で保持してもよい。
保持部39は、ハンドツール7を上下の2箇所で保持しているが、3箇所以上で保持してもよいし、ハンドツール7の保持状態の安定性に着目しない場合、1箇所で保持してもよい。
保持部39は、ノズル部700に対して2箇所で保持してもよいし、吐出用タンク部75に対して2箇所で保持してもよい。
仕切部の機能を有する突出部分395bは、操作部716と吐出用タンク部75との間に位置すればよい。仕切部は、突出部分395bと別に設けられてもよい。また、別の構造で操作部716の誤操作を防止する場合、仕切部を有しなくてもよい。
【0079】
(2)吸引用タンク部
(2-1)全体
吸引用タンク部12は本体部11に対して着脱可能であったが、本体部11から独立して設けられてもよいし、本体部11に固定的に設けられてもよい。本体部11に固定される場合、水抜き用の栓を設けることで実施できる。
吸引用タンク部12は、本体部11の前側に配されているが、吸引用タンク部12を前側に配置することに着目しない場合、左右方向や上下方向の一方側に配されてもよい。
吸引用タンク12部は、前側から見たときに、方形状であってもよいし、上下に長い矩形状であってもよいし、左右や前後に長い矩形状であってもよい。
吸引用タンク部12は、送風部23、電源部27との位置関係に着目して、装置本体1の重心が前後方向の中央側に位置するように構成されているが、位置関係に着目しない場合は、重心が前後方向の中央に位置しないように構成されてもよい。
【0080】
(2-2)フィルタ
吸引用タンク部12は、フロート63を備えない場合、フィルタを備えなくてもよいし、フロート63を備える場合において、フロート63がごみにより上下動がスムーズに行えない課題に着目しない場合、フィルタを備えなくてもよい。
1枚フィルタ64は、フロート収容部65よりも下流側又は上流側に備えてもよいし、複数のフィルタの内、一部をフロート収容部65の上流側に、残りをフロート収容部65の下流側にそれぞれ備えてもよい。
吸引用タンク部12は、一対の下仕切板部626の間にフィルタ64を有していたが、下仕切板部626の上流側や下流側にフィルタ64を有してもよいし、上流側と下流側とに2枚のフィルタ64を有してもよい。なお、下仕切板部626は、フロート収容部65の下流側に位置してもよい。
【0081】
(2-3)フロート
フロート63は、フロート収容部65に収容されているが、例えば、紐体を介して吸引用タンク部12に取り付けられてもよい。この場合、フロート63は突起631を有してもよいし、有しなくてもよい。
フロート63は、前後方向の寸法が一番小さい直方体状をしているが、上下方向又は左右方向の寸法が一番小さい直方体状をしてもよいし、他の形状でもよい。なお、検知精度を考慮すると、内部の検知源は、液量検知部と対向する面が大きい方が好ましい。
【0082】
2.ハンドツール
(2-1)全体
ハンドツール7が本体部11に保持された状態では、ハンドツール7のハンドル部739、操作部716、吐出用タンク部75が本体部11の左右方向に配されているが、左右方向に並ばなくてもよい。
ハンドツール7は、ノズル部700に吐出用タンク部75を備えているが、吐出用の液体を、ノズル部700に取り付けられていないタンクから供給してもよいし、水道水の蛇口に接続されたホースから供給してもよい。
ノズル部700には、ハンドル部739が設けられていたが、ハンドル部739が設けられてなくてもよい。この場合、例えば吐出用タンク部75にハンドル部739を設けることで実施できる。
【0083】
(2-2)ノズル部
ノズル部700は、吐出口720aと吸引口736aを有しているが、例えば、吐出部714を別体で構成する場合、ノズル部は、吐出部を有さず、吸引口を有するとしてもよい。つまり、吐出部に関連しない場合(発明)では、吐出部を有しなくてもよい。
ノズル部700は、吸引口736aを吐出口720aに対して、上下方向、左右方向、前後方向又はこれらと交差する方向に有してもよい。また、吸引口736aは、吐出口720aに対して、上下方向、左右方向、前後方向又はこれらと交差する方向の両側に有してもよいし、吐出口の囲繞するように複数個設けられてもよい。つまり、吸引口を複数箇所に有してもよい。また、1箇所に形成された複数の連通口により1つの吸引口を構成するとしてもよい。
ノズル部700は保持部39により保持された状態では、本体部11の後側に配されているが、吸引用タンク部12が前側以外の位置に配される場合は、本体部11に対して、吸引用タンク部12と反対側に配されてもよいし、隣接する2面に吸引用タンク部12とハンドツール7を備えてもよい。
【0084】
(2-3)操作部
操作部716は、てこを利用したレバー型であったが、他の形態(型)であってもよい。例えば、吐出機構が電動の場合スイッチを有する構造であってもよい。この場合、操作部716は、ハンドル部739と吐出用タンク部75との間に位置してもよいし、位置しなくてもよい。なお、吐出用タンク部75を有しない場合、操作部716はハンドル部739の前側(ノズル部側)に位置するのが好ましい。
【0085】
(2-4)ハンドル部
ハンドル部739は、吸引口736aの開口端縁を含む仮想面を水平にした場合に、水平方向に対して鋭角の角度で延びているが、その角度は20~50度が好ましい。なお、ハンドル部739は、仮想面を水平にした場合に水平方向と平行であってもよい。
ハンドル部739の突出部739aは、ハンドル部739の筒軸の延伸方向と直交する方向に突出してもよいし、直交する方向に対して傾斜する方向に突出してもよい。突出部739aはハンドル部739の操作性に着目しない場合、ハンドル部739は突出部739aを有しなくてもよい。
ハンドル部739は、筒状をし、内部に吸引流路を形成しているが、吸引経路を形成する部材と別構造としてもよい。
【0086】
(2-5)吐出用タンク部
吐出用タンク部75はノズル部700に対して着脱可能であったが、ノズル部700から独立して設けられてもよいし、固定的に設けられてもよい。独立して設ける場合、チューブ等の配管により接続することで実施できる。固定的に設ける場合、吐出用タンク部75に少なくとも補給口を設けることで実施でき、補給口を塞ぐキャップを設けてもよい。
吐出用タンク部75は、容器の下部が大きな形状をしていたが、その形状は特に限定するものではない。但し、容器の下部が大きい方が、載置面に載置させる場合は、安定性がよい。
【0087】
3.ホース
ホース8は、ハンドツール7又は装置本体1との着脱可能な接続構造は、実施形態以外に、例えば、螺合構造、カプラ等の係合構造、バンド等の締結構造であってもよい。
ホース8は、ハンドツール7又は装置本体に直接接続する構造であってもよい。この場合、拡径可能なホース体をハンドツール又は装置本体1の接続部に嵌合するだけの構造であってもよい。
ホースは、ハンドツール7又は装置本体1に固定されてもよい。
【0088】
<<発明>>
実施形態及び変形例を一例として、少なくとも、以下の発明が含まれる。
<発明1>
1.先行技術
特開2021-66532号公報には、吸引ユニット21を収容する装置本体2であって、吸引ホース8が接続されている側に、汚水が汚水タンク6に流入する下流端部222が位置し、吸引ホース8が接続されている側とは反対側に、吸引ユニット21の吸引口と連通する上流端部233が位置する清掃装置が開示されている。
しかしながら、上述のような清掃装置は、液体を吸引可能な装置であるため、電気部品が液体で濡れることを避ける対策が必要であるが、装置が転倒した場合に吸引ユニット21に汚水が進入するおそれがあるといった問題がある(以下、便宜上、「第1の課題」とする)。
発明1に係る清掃装置は、液体濡れによる電気部品の故障を抑制することが可能な清掃装置を実現することを目的とする。
【0089】
2.発明1
(1)第1の清掃装置
第1の清掃装置は、
吸引力を発生させる電動送風機を有する本体部と、
吸引した液体を貯留するタンク部と、
空気及び液体を吸引するための吸引口を有するノズル部と、
前記ノズル部と前記本体部とを接続するホースと、
を備え、
前記本体部は、左右方向の一方側に前記ホースと接続するための接続部を備え、
前記電動送風機と前記タンク部とを連通させる連通部は、前記左右方向のうち前記接続部側に寄っている。
これにより、本体部が、電動送風機が下側になるような左右方向に転倒(前後方向を回転軸する回転)するのを防止でき、連通部側にタンク部の水が流れ難くできる。
接続部は、ホースを着脱可能又は着脱不可能に接続してもよい。なお、接続方法は特に限定するものではない。
タンク部は、本体部に着脱可能又は着脱不可能に設けられてもよいし、他の部材に設けられてもよいし、独立して設けられてもよい。なお、タンク部の一例が、吸引用タンク部である。
電動送風機の位置は、上下方向又は前後方向において、接続部と同じ位置であってもよいし、異なる位置であってもよい。
ノズル部は、吸引口を有していればよく、他の構成、例えば、吐出口やブラシ部を有してもよいし、有してなくてもよい。
連通部は、電動送風機を収容するケーシングにあってもよいし、ケーシングに取り付けられ且つタンク部内に挿入される部材にあってもよいし、タンク部にあってもよいし、タンク部に取り付けられ且つケーシングに挿入される部材内にあってもよいし、タンク部に取り付けられ且つケーシングに連通する部材内に挿入される部材にあってもよい。
液体は、水道水等の水、洗浄能力を高める洗浄剤を含む水や洗浄能力の高い有機溶剤(例えば、アルコール)、水の電気分解により生成される電解水、次亜塩素酸を含む電解水等を利用できる。また、実施形態の洗剤を含む液体を利用してもよいし、利用しなくてもよい。
【0090】
(2)第2の清掃装置
第2の清掃装置は、第1の清掃装置において、
前記接続部は、前記本体部の下部側に位置する。
これにより、本体部が左右方向に傾斜すると、接続部又はホースの本体側部分が設置面と当接することとなり、本体部の左右方向の傾斜及び転倒を抑制できる。
接続部は、本体部の外側でホースと接続してもよいし、内側でホースと接続してもよい。
下部側は、本体部における上下方向の中央よりも下側であるが、本体部が転倒前の傾斜状態で設置面と当接可能な位置であればよい。
【0091】
(3)第3の清掃装置
第3の清掃装置は、第1又は第2の清掃装置において、
前記タンク部は前後方向の一方側に寄っており、
前記ノズル部は液体を吐出する吐出口を有し、
吐出用の液体を貯留する吐出用タンク部が前記ノズル部に設けられ、
前記吐出用タンク部及び前記ノズル部の少なくとも一方は、前記吐出用タンク部の底面が設置面と対向する状態で、前記本体部の前後方向の他方側にて保持される。
これにより、本体部が、前後方向の他方側に転倒するのを防止できる。
吐出用タンク部及びノズル部の少なくとも一方は、左右方向の一方側、中央側、他方側で保持されてもよい。吐出用タンク部及びノズル部の少なくとも一方は、吐出用タンク部であってもよいし、ノズル部であってもよいし、吐出用タンク部とノズル部とであってもよい。保持方法は、実施形態と同じであってもよいし、異なってもよい。
吐出用タンク部は、底面が設置面と接触する又は接触しない状態で保持されてもよい。
吐出用タンク部の底面は、前後方向の他方側に本体部が傾斜した際に、少なくとも底面の一部が設置面と当接(接触)すればよく、平坦面であってもよいし、湾曲面(曲面)であってもよいし、傾斜面であってもよい。
【0092】
<発明2>
1.先行技術
特開2021-66532号公報には、吸引ユニット21を収容する装置本体2であって、汚水が汚水タンク6に流入する吸引口601と、吸引ユニット21の吸引口601と連通する排出口603とを有する汚水タンク6とを備えた清掃装置が記載されている。
この汚水タンク6には、汚水タンク6内の液位が高くなると、フロート61が回動によって排出口603を塞ぐ。
しかしながら、上述のような清掃装置は、開閉弁611と比べて浮球613を下側に配する必要があるため、汚水タンク6の内底と浮球613との距離を離さなければ汚水タンク6内に収容できる汚水量が少なくなってしまう。逆に、距離を離すと大型化するという問題がある(以下、便宜上、「第2の課題」とする)。
発明2に係る清掃装置は、タンク部の大型化を抑えながらもタンク部に貯留できる液量を多くすることが可能な清掃装置を実現することを目的とする。
【0093】
2.発明2
(1)第1の清掃装置
第1の清掃装置は、
吸引力を発生させる電動送風機を有する本体部と、
吸引した液体を貯留するタンク部と、
前記タンク部内の液位に応じて上下する検知対象物を検知する検知部と、
を備え、
前記検知部により前記検知対象物が検知されると、前記電動送風機を停止する。
これにより、液位に応じて上下する検知対象物の検知により吸引を停止させることができるので、タンク部に貯留できる液量を従来より多くすることができる。
検知部は、検知対象物を検知でればよく、磁力を検知するセンサ、タンク部を透明とし且つ検知対象物からの反射光を検知する光センサ、タンク部を透明とし且つ透過光の検知対象物による遮蔽の有無を検知する光センサ等を利用できる。
検知対象物は、検知される検知源そのものであってもよいし、検知源(一例が磁石である)と当該検知源を収容するケースとから構成されてもよい。
タンク部は、本体部に着脱可能又は着脱不可能に設けられてもよい。また、タンク部は吸引した液体を貯留できればよく、その形状、構造等は特に限定するものではない。タンク部の一例が、吸引用タンク部である。
液体は、水道水等の水、洗浄能力を高める洗浄剤を含む水や洗浄能力の高い有機溶剤(例えば、アルコール)、水の電気分解により生成される電解水、次亜塩素酸を含む電解水等を利用できる。また、実施形態の洗剤を含む液体を利用してもよいし、利用しなくてもよい。
【0094】
(2)第2の清掃装置
第2の清掃装置は、第1の清掃装置において、
前記タンク部は、
吸引された液体が流入する流入口と、
前記検知対象物が収容される収容部と、
前記流入口より下流側に配され、吸引された液体が通過するフィルタと、
を有する。
これにより、流入した液体からゴミを容易に分離できる。フィルタは、検知対象物の上流側に配されてもよいし、下流側に配されてもよい。
フィルタは、タンク部に対して着脱可能又は着脱不可能に設けられてもよいし、本体部のける流入口より下流側に位置する部位に着脱可能又は着脱不可能に設けられてもよい。
【0095】
(3)第3の清掃装置
第3の清掃装置は、第1又は第2の清掃装置において、
前記フィルタは、前記流入口の下流側と前記検知対象物の上流側とを区画する。
これにより、検知対象物が、流入した液体に含まれるゴミによって、上下の動きが悪くなるのを防止できる。
【0096】
(4)第4の清掃装置
第4の清掃装置は、第1~第3の清掃装置において、
前記検知対象物の外面及び/又は前記収容部の内壁には、1以上の突起が設けられる。
これにより、検知対象物の動きが悪くなるのを防止できる。つまり、流入した汚水には、色々なゴミが含まれる可能性があるため、検知対象物が内壁に沿って摺動する場合に、ゴミが引っかかりとなって、動きが悪くなるのを防止できる。また、検知対象物が、収容部の内壁に密着(面接触)するのを防止できる。
突起の個数、形状、設ける位置等は、特に限定するものでない。
【0097】
(5)第5の清掃装置
第5の清掃装置は、第4の清掃装置において、
前記検知対象物は、箱形状であり、上面又は下面の少なくとも一方に、前記突起が設けられる。
これにより、収容部の上壁又は下壁に密着するのを防止できる。
上面又は下面の少なくとも一方に設けられた突起は、1個でもよいし、複数個でもよい。突起は、上面又は下面以外の面に設けられてもよいし、設けられてなくてもよい。
【0098】
(6)第6の清掃装置
第6の清掃装置は、第4又は第5の清掃装置において、
前記検知対象物は、箱形状であり、側面に突起が設けられる。
これにより、収容部の側壁に密着するのを防止できる。
側面の突起は、1個でもよいし、複数個でもよい。突起は、複数の側面のうち、少なくとも1面に設けられている。
【0099】
(7)第7の清掃装置
第7の清掃装置は、第6の清掃装置において、
前記突起は、面を2等分した区画部分のそれぞれに設けられる。
これにより、突起が離間することととなり、当該面と収容部の面とが平行になり易く、検知対象物の上下動がスムーズとなる。2等分する境界線上に突起が設けられてもよいし、設けられてなくてもよい。なお、収容部の面に上下に離間して突起を設けると、検知対象物が上下方向に対して傾斜した際に、検知対象物の上面又は下面が、突起に引っ掛かる恐れがある。
【0100】
(8)第8の清掃装置
前記突起は、面を4等分した区画部分のそれぞれに設けられる。
これにより、突起が離間することととなり、当該面と収容部の面とが平行になり易く、検知対象物の上下動がスムーズとなる。4等分する境界線上に突起が設けられてもよいし、設けられてなくてもよい。
【0101】
<発明3>
1.先行技術
特開2021-66532号公報には、吸引力を発生させる吸引ユニット21を有する装置本体と、空気及び液体を吸引するための吸引部42を有するハンドツール4と、吸引した汚水を貯留する汚水タンク6とを備える清掃装置が記載されている。
しかしながら、上述のような清掃装置は、液体を吸引可能な装置であるため、電気部品が液体で濡れることを避ける対策が必要であるといった問題がある(以下、便宜上、「第3の課題」とする)。
発明3に係る清掃装置は、異常が発生することを抑制することが可能な清掃装置を実現することを目的とする。
【0102】
2.発明3
(1)第1の清掃装置
第1の清掃装置は、
空気及び液体を吸引可能であって、吸引力を発生させる電動送風機を有する本体部と、
吸引した液体を貯留するタンク部と、
異常を検知する検知部と、
を備え、
前記検知部により前記異常が検知されると、前記電動送風機を停止する。
これにより、異常に起因するトラブルの発生を抑制できる。また。異常によるトラブルを抑制できる。
ここでの「異常」には、装置の使用中において、本体部が傾斜すること、電動送風機や電源部が高温になること、タンク部内の液体の液位が高くなること、本体部からタンク部が外れること等がある。なお、タンク部の一例は、実施形態の吸引用タンク部である。
電動送風機が駆動していない(不使用)状態で、異常が検知され、電動送風機の駆動操作がされた場合、電動送風機が一旦駆動した後に停止させてもよいし、電動送風機を駆動させないで停止状態としてもよい。この際、使用者に停止状態が分かるように報知してもよいし、しなくてもよい(停止しているため、使用者は停止状態を把握できる)。
液体は、水道水等の水、洗浄能力を高める洗浄剤を含む水や洗浄能力の高い有機溶剤(例えば、アルコール)、水の電気分解により生成される電解水、次亜塩素酸を含む電解水等を利用できる。また、実施形態の洗剤を含む液体を利用してもよいし、利用しなくてもよい。
【0103】
(2)第2の清掃装置
第2の清掃装置は、第1の清掃装置において、
前記検知部は、前記本体部の傾きを検知する傾きセンサを有し、
前記傾きセンサにより前記本体部の傾きが検知されると、前記電動送風機を停止する。
これにより、本体部が傾いた状態で、電動送風機が駆動するのを防止できる。また、そのまま傾斜して本体部が転倒する際にも電動送風機は停止した状態となる。
【0104】
(3)第3の清掃装置
第3の清掃装置は、第1又は第2の清掃装置において、
前記検知部は、前記タンク部が前記本体部に装着されている状態を検知する着脱センサを有し、
前記着脱センサにより前記タンク部が前記本体部に装着されていることが検知されていない場合、前記電動送風機を停止する。
これにより、使用中に本体部からタンク部が外れた(本体部から離間せずに、正規の状態で装着されていない状態を含む)際に、電動送風機が駆動するのを防止できる。
ここでの検知は、装着状態の信号がない場合と、外れた状態の信号がある場合とを含む。
【0105】
(4)第4の清掃装置
第4の清掃装置は、第1~第3の清掃装置において、
前記検知部により異常が検知されると、報知する報知部を備える。
これにより、使用者は装置が異常状態であることを知りやすくできる。報知部は、LED等の点灯又は点滅、点灯色の変化、ブザー、音声等の音発生を含む。
【0106】
<発明4>
1.先行技術
特開2021-66532号公報には、吸引力を発生させる吸引ユニット21を有する装置本体と、吸引した汚水を貯留する汚水タンク6とを備える清掃装置が記載されている。この清掃装置では、電気コード26を用いて電源から電力が供給される。
しかしながら、上述のような清掃装置は、電気コード26により、使用者が持ち運びできる範囲が限られてしまうため、持ち運びし難いといった問題がある(以下、便宜上、「第4の課題」とする)。
発明4に係る清掃装置は、持ち運びのし易さを向上させることが可能な清掃装置を実現することを目的とする。
【0107】
2.発明4
(1)第1の清掃装置
第1の清掃装置は、
吸引力を発生させる電動送風機を有する本体部と、
吸引した液体を貯留するタンク部と、
を備え、
前記本体部の上側にハンドル部を有し、
前記本体部の前側に前記タンク部が配され、
前記本体部の左右方向の一方側に重心が位置するよう前記電動送風機が配されるとともに、前記左右方向の他方側に重心が位置するようバッテリが配される。
これにより、重量バランスが良くなり、持ち運びがし易くできる。
電動送風機とバッテリは、左右方向の一方側と他方側に配されれば良く、上下方向については特に限定するものではない。
バッテリは、重心が左右方向の一方側にあればよく、その種類、形態、形状等は特に限定するものではない。
電動送風機は、回転軸が、前後方向、上下方向、左右方向、又はこれらと交差する方向の何れかに延伸する状態で配されている。
タンク部は、本体部に対して着脱可能又は着脱不可能に取り付けられてもよい。タンク部の重心位置は特に限定するものではない。タンク部の一例は、実施形態の吸引用タンク部である。
ハンドル部は、左右方向、前後方向又はこれと交差する方向に延びるように設けられてもよい。前後方向に延びる場合は、左右方向の中間領域に設けられるのが好ましい。
液体は、水道水等の水、洗浄能力を高める洗浄剤を含む水や洗浄能力の高い有機溶剤(例えば、アルコール)、水の電気分解により生成される電解水、次亜塩素酸を含む電解水等を利用できる。また、実施形態の洗剤を含む液体を利用してもよいし、利用しなくてもよい。
【0108】
(2)第2の清掃装置
第2の清掃装置は、第1の清掃装置において、
前記ハンドル部は、前記左右方向に延びるよう設けられる。
これにより、重量バランスの良い位置を把持しやすくできる。
【0109】
(3)第3の清掃装置
第3の清掃装置は、第1又は第2の清掃装置において、
前記本体部の左右方向において、前記電動送風機の位置とは反対側である他方側において、前記電動送風機を駆動するための回路部が配される。
これにより、回路部とバッテリ、回路部と電動送風機とを近づけた状態で配置できる。なお、これらが近づくことで、配線等を短くできる。
【0110】
(4)第4の清掃装置
第4の清掃装置は、第3の清掃装置において、
前記バッテリは、前記回路部より下側に存在する。
これにより、装置の重心が下がり、載置状態を安定化できる。
【0111】
(5)第5の清掃装置
第5の清掃装置は、第1~第4の清掃装置において、
前記バッテリの着脱方向は、前記左右方向に沿っている。
これに、長尺のバッテリを利用しても、前後方向の装置の寸法が大きくなるのを規制できる。
【0112】
(6)第6の清掃装置
第6の清掃装置は、第1~第5の清掃装置において、
前記本体部は、前記電動送風機の排気を外部に排出する排出口を有し、
前記本体部内には、前記排出口に向けて排気を導く排出流路が配され、
前記排気流路は、前記バッテリ又は前記バッテリを収容する収容部を支持する。
これにより、バッテリ又は収容部を支持する支持部を別途設けるよりも、構造を簡素化できる。
【0113】
<発明5>
1.先行技術
特開2021-66532号公報には、吸引ユニット21を収容する装置本体2であって、汚水が汚水タンク6に流入する吸引口601と、吸引ユニット21の吸引口と連通する排出口603とを有する汚水タンク6を備えた清掃装置が記載されている。
この汚水タンク6には、汚水タンク6内の液位が高くなると、フロート61が回動によって排出口603を塞ぐ。
しかしながら、フロートを利用する場合、タンクの内壁に密着するという問題がある(以下、便宜上、「第5の課題」とする)。
発明5に係る清掃装置は、タンク部内のフロートの動きをスムーズにできる清掃装置を実現することを目的とする。
【0114】
2.発明5
(1)第1の清掃装置
第1の清掃装置は、
吸引力を発生させる電動送風機を有する本体部と、
吸引した液体を貯留するタンク部と、
前記タンク部内の液位に応じて上下する検知対象物を検知する検知部と、
を備え、
前記検知対象物又は前記検知対象物を収容する収容部は、突起を有する。
これにより、検知対象物が収容部に密着するのを防止できる。
【0115】
<発明6>
1.先行技術
特開2021-66532号公報には、吸引力を発生させる吸引ユニット21を有する装置本体と、吸引した汚水を貯留する汚水タンク6とを備える清掃装置が記載されています。この清掃装置では、電気コード26を用いて電源から電力が供給される。
しかしながら、上述のような清掃装置は、電気コード26により、使用者が持ち運びできる範囲が限られてしまうといった問題がある(以下、便宜上、「第6の課題」とする)。
発明6に係る清掃装置は、持ち運びの範囲が制限されない清掃装置を実現することを目的とする。
【0116】
2.発明6
(1)第1の清掃装置
第1の清掃装置は、
吸引力を発生させる電動送風機と、前記電動送風機を駆動させるためのバッテリとを本体部に備え、前記バッテリは充放電可能である。
これにより、電気コードが不要となり、持ち運びの範囲が広がる。
【0117】
<その他>
各発明の発明特定事項は、他の発明の発明特定事項により限定されるものではない。また、各発明は、他の発明の発明特定事項を含んでもいいし、実施形態に記載の構成を含んでもいい。
【符号の説明】
【0118】
X 清掃装置
1 装置本体
7 ハンドツール
8 ホース
11 本体部
12 吸引用タンク部(タンク部)
235 電動送風機
331 本体側接続部(接続部)
700 ノズル部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2023-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引力を発生させる電動送風機を有する本体部と、
吸引した液体を貯留するタンク部と、
空気及び液体を吸引するための吸引口を有するノズル部と、
前記ノズル部と前記本体部とを接続するホースと、
を備え、
前記本体部は、左右方向の一方側の側面における下部側に、前記ホースと接続するための接続部を備え、
前記電動送風機と前記タンク部とを連通させるための貫通孔は、前記タンク部の前記左右方向のうち前記接続部側に寄っている、
清掃装置。
【請求項2】
前記タンク部は前後方向の一方側に寄っており、
前記ノズル部は液体を吐出する吐出口を有し、
吐出用の液体を貯留する吐出用タンク部が前記ノズル部に設けられ、
前記吐出用タンク部及び前記ノズル部の少なくとも一方は、前記吐出用タンク部の底面が設置面と対向する状態で、前記本体部の前後方向の他方側にて保持される、
請求項に記載の清掃装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引力を発生させる電動送風機を有する本体部と、
吸引した液体を貯留するタンク部と、
空気及び液体を吸引するための吸引口を有するノズル部と、
前記ノズル部と前記本体部とを接続するホースと、
を備え、
前記本体部は、左右方向の一方側の側面における下部側に、前記ホースと接続するための接続部を備え、
前記電動送風機と前記タンク部とを連通させるための貫通孔は、前記タンク部の前記左右方向のうち前記接続部側に寄っており
前記ノズル部から空気及び液体を前記タンク部に吸引するための吸引部の出口は、前記タンク部の前記左右方向のうち前記接続部とは反対側に寄っている、
清掃装置。
【請求項2】
前記タンク部は前後方向の一方側に寄っており、
前記ノズル部は液体を吐出する吐出口を有し、
吐出用の液体を貯留する吐出用タンク部が前記ノズル部に設けられ、
前記吐出用タンク部及び前記ノズル部の少なくとも一方は、前記吐出用タンク部の底面が設置面と対向する状態で、前記本体部の前後方向の他方側にて保持される、
請求項1に記載の清掃装置。