(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035759
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】釣り用浮子
(51)【国際特許分類】
A01K 93/00 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
A01K93/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022150710
(22)【出願日】2022-09-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】522372784
【氏名又は名称】中川 義浩
(72)【発明者】
【氏名】中川 義浩
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307HA03
2B307HA09
2B307HA27
2B307HA46
2B307HA47
2B307HA51
(57)【要約】
【課題】浮子の目的は、釣糸で結ばれた釣針が海水に入っていく位置に運ぶ事と、浮子の変化(主に沈む)で魚が釣れたかどうかを知る事である。しかしながら、釣針と浮子が釣糸で張った状態でないと浮子は変化しない。また、魚に違和感を与えない様に浮子の変化する力を小さくする必要がある。それら課題を解決した釣り用浮子を提供する。
【解決手段】本発明の釣り用浮子は、浮子が海水に着水し、釣糸で結ばれた釣針が沈んでいく中で、釣糸に取り付けられた検出物体が浮子内部のセンサを通過する度に規則性のある信号を発信する。魚が釣れ、その規則性のある信号が変化する事で、釣り人に魚が釣れた事を知らせてくれるため、釣糸が張った状態にならなくても、浮子の変化を小さくするための浮力調整も気にせずに、常に釣針を監視出来る事を特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮子1の中心部に釣針2を結んだ釣糸3を通した中通し玉浮子を使用する魚釣りにおいて、浮子1の内部に発光ダイオード4とフォトトランジスタ5が向かいあった光センサ4・5と発光体6とセンサ信号を発光体信号に変換する電気回路7およびそれらを駆動する電池8を収納しており、釣糸3に検出物体9を1個から規則性のある間隔で多数個取り付けており、その検出物体9が向かいあった光センサ4・5を通過する度に発光体6を点灯または消灯もしくは点滅する様にした、釣り用浮子
【請求項2】
光センサ4・5をホール素子4と磁石5が向かいあった磁気センサ4・5に変更を基本とするが、検出物体9が磁力を発生するものを使用する場合は、必ずしも磁石5は必要でない、請求項1の釣り用浮子
【請求項3】
センサ信号を外部に発信する無線の電気回路7に変更し、浮子1内部の発光体6はあってもなくてもよい、請求項1または請求項2の釣り用浮子
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規則性のある間隔で検出物体を取り付けた釣糸を使用し、検出物体が浮子内部のセンサを通過する度に信号を発信させる。魚が釣れた場合、信号の発信の規則性が変化するため、主に沈むなどの浮子の変化を必要とせず、センサ信号で魚が釣れた事を知る事が出来る。
【背景技術】
【0002】
浮子の目的は、釣り人が狙いの位置に釣針を運ぶ事と浮子が主に沈む変化で釣り人に魚が釣れたと知らせる事である。そのため、浮子を変化させるために、釣針から浮子は釣糸で引張力を有する関係(いわゆる、釣糸が張った状態)にする事が必要であった。また、浮子の変化する力が大きい時は、魚に違和感を与える問題があった。
【0003】
釣糸が張られた状態になるまでは、浮子に変化はないため、その間に魚が釣れたかどうかは分からない。また、浮子の変化させる力が大きく魚が違和感を持ち釣れない事も多い。海中は様々な流れがあるので釣糸が張った状態にするのがむずかしく、釣り人は釣糸におもりを付けたり、魚に違和感を与えない様に浮子が容易に沈むなどの変化する力を小さくするため、浮子の浮力調整をする必要があった。
【0004】
釣糸が張った状態にする調整および浮子の浮力調整が必要であり、魚釣りは釣り人の経験による技術力に大きく左右される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
浮子の内部にセンサを設けて、魚が釣れた場合に信号を発信する特許文献は、いずれも浮子の変化を感知する構造である。
【特許文献1】特開1992-349839号公報
【特許文献2】特開1999-215942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
魚が釣れた事を知るために、浮子が沈むなどの浮子の変化を釣り人は観察している。しかしながら、浮子の変化させるためには以下の問題があった。
【0007】
釣針と浮子は繋がっている釣糸で引張力を有する関係(いわゆる、釣糸が張った状態)にする必要があるが、その状態になるまでは、魚が釣れた事が分からない問題があった。また、浮子の変化できる状態になったとしても、浮子が変化させるのに大きい力が必要であれば、魚に違和感を与える問題があった。
【0008】
浮子の変化ではなく、釣竿や釣糸の変化で、魚が釣れた事を知る方法もあるが、これも同様で、釣竿と釣針を結んだ釣糸が張った状態に調整する必要がある。
【0009】
釣り人は、浮子の変化する力を小さくするため、浮子の浮力を調整したり、釣針が所定の海中深さに行く様に釣糸におもりを付けたり、浮子止めをつけたり、また釣糸を張った状態にするために、釣糸のサイズ・材料を選定したり様々な工夫を行う。釣りの成果は釣り人の技術力の差が出る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
浮子の中心部に釣針を結んだ釣糸を通し、内部にセンサを設けた中通し玉浮子である。釣糸に規則性のある間隔で検出物体を設け、その検出物体が浮子内部のセンサを通過する度に、信号を発生させる釣り用浮子とした。釣針と釣糸が何も変化なく沈んでいく時は、規則性のある信号であるが、魚が釣れた場合、信号の規則性に変化が発生するため、釣り人はその変化で釣れた事が分かる。すなわち、釣糸が沈んでいく途中でも釣れた事が分かる事で、いろいろな海中深さにいる魚にも浮子の変化に必要な力が不要であり、魚に違和感を与えず釣る事が出来る。
【発明の効果】
【0011】
釣り人は浮子の変化を見る事なく、浮子から発信される規則性のある信号の変化で魚が釣れたかどうかを判断する事となる。
【0012】
本発明の釣り用浮子は、釣針が沈んでいく始めから規則性のある信号の変化を確認する事が出来、釣針と浮子が釣糸で張った状態にする必要もない。釣竿で魚が釣れた事を感知する手法においても釣針と釣竿は釣糸で張った状態にする必要があるが、本発明の釣り用浮子はこれも不要である。よって、様々な道具や経験に基づく様々な調整を大幅に低減する事が出来る。この浮子は、釣り人の技術力の差を埋める利点がある。
【図面の簡単な説明】
)
【0013】
【
図4】本発明の発光体へ信号を変換させる基本電気回路図である。
【
図5】本発明の浮子内部のセンサ信号を浮子の外部に送信から受信し表示までの基本ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は中心部に釣糸を通した浮子(中通し玉浮子)を使用する。
図1は本発明の説明のための斜視断面図である。プラスチック製の浮子1であり、上ケース1aと下ケース1bと中心部のパイプ10に分割されており、浮子内部に水が浸入してこない様にOリング11で密封された構造体である。
【0015】
以下に、本発明の請求項1の形態について説明する。浮子1の内部には、パイプ10を挟む様に発光ダイオード4,フォトトランジスタ5が向かいあっている。発光体6とセンサ信号を発光体信号に変換する電気回路7とそれを駆動させる電池8を収納している。釣糸3で結ばれた釣針2が海中に沈んでいくと釣糸3に取り付けられている検出物体9も同時に海中に沈んでいく。検出物体9が向かい合ったセンサ4・5を通過する度に感知して発光体6から信号を出す釣り用浮子である。釣糸3に結ばれた釣針2が海中に沈んでいく時に、スムーズにするため、海面上に浮子1が大きく出ない様に浮力調整用おもり12を付けている。
【0016】
図2が釣り構成図で釣竿13から魚までの関係を示したものである。釣糸3で結ばれた釣針2が海中に沈んでいく。釣糸3に規則性のある間隔で多数個の検出物体9が取り付けられており、その検出物体9がセンサ4・5を通過する度に発光体6から信号を出す。釣竿13から釣針2までの釣糸3が張った状態にする必要はなく、浮子1内部の発光体6からの規則性のある信号の変化により、魚が釣れた事が分かる魚釣り手法である。釣針2が海中に沈んでいく速度が遅い場合はおもり14を追加する。追加しても規則性のある間隔で信号は発信されるので何ら問題はない。
【0017】
請求項1に記載の検出物体9が1個の場合の使い方を
図3の実施例断面図に示す。この場合は、釣針2が所定の海中深さに来た時に軽接触の浮子止め15で止まり、その時に検出物体9がセンサ4・5を通過する位置となる様に取り付けられており、センサ4・5が感知し信号を発信する。魚が釣れた時に軽接触の浮子止め15が外れ、発光体6の信号が変化する仕組みである。浮子1と釣竿13間の釣糸3が張った状態を気にせずに魚が釣りたい場合に有効である。
【0018】
センサについて、請求項1の光センサ4・5の場合は発光ダイオード4とフォトトランジスタ5の組合せであったが、請求項2に記載の磁気センサ4・5の場合はホール素子4と磁石5の組合せである。パイプ10内部に釣糸3が通過している時は、センサ4・5は感知しないが、釣糸3に取り付けられている検出物体9が通過する度にセンサ4・5が感知する様にするのは光センサ4・5と磁気センサ4・5ともに同一である。検出物体9は、光センサ4・5の場合は光を遮断する障害物の役割となり、磁気センサ4・5の場合は、磁力を増幅させる役割になる。検出物体9が磁力を有するものを使用する場合は、磁石5は必ずしも必要ではない。
【0019】
検出物体9は、
図1・
図2・
図3では糸状のものを示しているが、役割を満足するものであれば材料・形状はなんでも良い。パイプ10については、光センサ4・5の場合は透明である事が必要であり、磁気センサ4・5の場合は非磁性である事が必要である。
【0020】
図4は請求項1の検出物体9が光センサ4・5を通過する度に発光体6が点灯する電気回路図を示している。消灯は配線の変更,点滅はタイマ回路を追加する事で対応が可能である。発光体6は2個としているが数に制約はない。
【0021】
請求項3は、漁師などの船釣りにおける浮子1を多く使用したい場合を想定している。大きさの制約はないが浮子1自体が大きく出来るので、センサ4・5信号を外部に送信させる電気回路7を浮子内部に入れる事が可能になる。
図5にセンサ4・5信号を浮子外部に送信から受信し表示までの基本ブロック図を示す。浮子外部にセンサ4・5信号を飛ばす無線回路に変更する事により、別の場所で魚が釣れた事を集中管理する事が出来る様になる。よって、浮子1内部の発光体6は必ずしも必要ではなく、あってもなくても良い。本発明の基本の考え方は請求項1と同じである。
【符号の説明】
【0022】
1 浮子
1a 上ケース
1b 下ケース
2 釣針
3 釣糸
4 センサ(発光ダイオード もしくは ホール素子)
5 センサ(フォトトランジスタ もしくは 磁石)
6 発光体
7 センサ信号を発光体信号に変換する電気回路 もしくは センサ信号を外部に発信する無線の電気回路
8 電池
9 検出物体
10 パイプ
11 Oリング
12 浮力調整用おもり
13 釣竿
14 おもり
15 軽接触の浮子止め
【手続補正書】
【提出日】2023-08-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
センサ信号を発光体信号に変換する電気回路7を、外部に発信する無線の電気回路7に変更し、浮子1内部の発光体6はあってもなくてもよい、請求項1または請求項2の釣り用浮子