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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035762
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】二層プラスチックシートの成形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/154 20190101AFI20240307BHJP
   B29C 48/08 20190101ALI20240307BHJP
   B29C 48/305 20190101ALI20240307BHJP
   B29L 9/00 20060101ALN20240307BHJP
【FI】
B29C48/154
B29C48/08
B29C48/305
B29L9:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022150715
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】501230823
【氏名又は名称】京葉興業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松本 康裕
(72)【発明者】
【氏名】坂口 眞幸
【テーマコード(参考)】
4F207
【Fターム(参考)】
4F207AD05
4F207AD08
4F207AG03
4F207KA01
4F207KA17
4F207KB11
4F207KK64
4F207KK74
(57)【要約】
【課題】上層にカラーシート又は機能性シートなどのプラスチックシートを積層した二層プラスチックシートの成形方法の提供
【解決手段】二層プラスチックシートの成形において、Tダイ11aより扁平に押出されている基材樹脂11cの表面に、別工程で生産された該基材樹脂11cと相溶性のあるプラスチックカラーシート又はプラスチック防炎シートなどの積層プラスチックシート21aを、積層しながら完全に一体化する二層プラスチックシートの成形方法。
また、完全に一体化された前記二層プラスチックシートの間に、ヒータ機能または磁性機能などの特殊機能シート21bを包み込む成形方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に凸部を有する二層プラスチックシートを成形する方法であって、
溶融状態の基材樹脂を扁平に押出すTダイに対向させて、上部成形ロールとシート基盤成形ロールとを隙間を隔てて並設し、前記上部成形ロールに、前記二層プラスチックシートの表面に凸状を成形するために、前記凸部に対応する凹部を有する環状のベルト状モールドを巻き掛けられており、
前記Tダイ上部には、前記基材樹脂との相溶性のある積層プラスチックシートがあり、該Tダイより扁平に押出された該基材樹脂の上部に該積層プラスチックシートを重ねて、該積層プラスチックシートを該基材樹脂の溶融温度により溶かし、該基材樹脂と一体化させながら、
前記ベルト用モールドと前記シート基盤成形ロールとの間に挟持して送り出し、
表面に凸状を有する二層プラスチックシートを成形することを特徴とする二層プラスチックシートの成形方法。
【請求項2】
二層プラスチックシートを成形する方法であって、
溶融状態の基材樹脂を扁平に押出すTダイに対向させて、上部成形ロールと基盤成形ロールとを隙間を隔てて並設し、
前記Tダイ上部には、前記基材樹脂との相溶性のある積層プラスチックシートがあり、該Tダイより扁平に押出された該基材樹脂の上部に該積層プラスチックシートを重ねて、該積層プラスチックシートを該基材樹脂の溶融温度により溶かし、該基材樹脂と一体化させながら、
前記ベルト用モールドと前記シート基盤成形ロールとの間に挟持して送り出し、
二層プラスチックシート成形することを特徴とする二層プラスチックシートの成形方法。
【請求項3】
請求項1及び請求項2に記載する成形方法において、
二層プラスチックシートを成形する方法であって、
溶融状態の基材樹脂を扁平に押出すTダイに対向させて、上部成形ロールと基盤成形ロールとを隙間を隔てて並設し、
前記Tダイ上部には前記基材樹脂と相溶性のない特殊機能シート及び該基材樹脂との相溶性のある積層プラスチックシートがあり、該Tダイより扁平に押出された前記基材樹脂の上部に該特殊機能シート及び該積層プラスチックシートを送り出し、
前記基材樹脂の溶融温度により、該基材樹脂と該積層プラスチックシートが溶融して一体化し、該基材樹脂と相溶性のない前記特殊機能シートを包み込むことを特徴とする二層プラスチックの成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上層にカラーシート又は機能性シートなどのプラスチックシートを積層した二層プラスチックシートの成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
泥や砂などで滑りやすい地盤表面に敷く敷板(プラスチックシート)として、合板のコンパネや金属製敷板が使用されていた。合板は軽いが長期の使用には耐えない。また金属製敷板は長期使用に耐えるが重くて作業性と安全性に問題がある。そこで、軽くて弾性に富み、長期の繰返し使用に耐える敷板の要望が高まりつつあり、厚肉のプラスチック敷板が提案されていた。
【0003】
特許文献1には、表面に凸部を有する厚肉のプラスチックシート(プラスチック敷板)の成形方法と成形装置が提案されている。
Tダイから押出された溶融状態の樹脂をベルト状モールドと成形ロールの間で挟み込み、プラスチックシートのシート部と凸部を同時に成形する方法が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5338001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の方法では、成形される厚肉プラスチックシートは一色成形で、例えば黒色のプラスチックシートであれば、他の色に変える場合、大型押出機のスクリュー及びシリンダー、更にTダイまで、分解清掃をする必要がある。
【0006】
例えば、黒色から白色に変える場合、
前記大型押出機及び前記大型のTダイの分解清掃には、2日程度必要である。
押出機やTダイ内に、少しでも黒色の樹脂が残っていると白色プラスチックシートの表面に黒色の筋が残ることになる。
押出機の分解掃除には、押出機のスクリューを抜く必要があり、Tダイの分解掃除には、Tダイを分解して掃除する必要がある。
【0007】
仮に、押出機のスクリュー及びTダイの分解掃除を、時間をかけて済ませたとしても、 例えば白色プラスチックシートの生産では、バージン材料に白色顔料を入れて生産することになり、高価なバージン材料と高価な白色顔料を使用することになる。
【0008】
また、機能性プラスチックシートを生産するには、特許文献1の方法では、カラーシートと同様に材料入れ替えに時間がかかるのと、全ての材料を機能性材料にすると高価なプラスチックシートになる。
なお、機能性プラスチックシートには、防炎機能、滑り難い機能、滑り易い機能、光反射機能、光吸収機能、放射線遮断機能、導電性機能、抗菌性機能、防カビ性機能などが挙げられる。
【0009】
以上の技術課題に鑑み、
本発明では押出機及びTダイの分解清掃することなく、プラスチックカラーシート又は防炎などの機能性プラスチックシートを、表面層に一体化して積層した二層プラスチックシートを成形することにより、価格の抑えた機能性プラスチックシートの生産が可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
二層プラスチックシートの成形において、
Tダイより扁平に押出されている基材樹脂の表面に、
別工程で生産された該基材樹脂と相溶性のあるプラスチックカラーシート又はプラスチック防炎シートなどの機能性プラスチックシートを、積層しながら完全に一体化された二層プラスチックシートの成形をおこなうことに着眼した。
【0011】
また、この技術の応用例として、完全に一体化された前記二層プラスチックシートの間に、前記プラスチックシートとは相溶性のないヒータ機能又は磁性機能などのある特殊機能シートを包み込むことができることに着眼した。
【0012】
そこで、前記課題を解決するために創案された本発明は、
表面に凸部を有する二層プラスチックシートを成形する方法であって、
溶融状態の基材樹脂を扁平に押出すTダイに対向させて、上部成形ロールとシート基盤成形ロールとを隙間を隔てて並設し、前記上部成形ロールに、前記二層プラスチックシートの表面に凸状を成形するために、前記凸部に対応する凹部を有する環状のベルト状モールドを巻き掛けられており、
前記Tダイ上部には、前記基材樹脂との相溶性のある積層プラスチックシートがあり、該Tダイより扁平に押出された該基材樹脂の上部に該積層プラスチックシートを重ねて、該積層プラスチックシートを該基材樹脂の溶融温度により溶かし、該基材樹脂と一体化させながら、
前記ベルト用モールドと前記シート基盤成形ロールとの間に挟持して送り出し、
表面に凸状を有する二層プラスチックシートを成形することを特徴とする二層プラスチックシートの成形方法。
【0013】
また、二層プラスチックシートを成形する方法であって、
溶融状態の基材樹脂を扁平に押出すTダイに対向させて、上部成形ロールと基盤成形ロールとを隙間を隔てて並設し、
前記Tダイ上部には、前記基材樹脂との相溶性のある積層プラスチックシートがあり、該Tダイより扁平に押出された該基材樹脂の上部に該積層プラスチックシートを重ねて、該積層プラスチックシートを該基材樹脂の溶融温度により溶かし、該基材樹脂と一体化させながら、
前記ベルト用モールドと前記シート基盤成形ロールとの間に挟持して送り出し、
二層プラスチックシート成形することを特徴とする二層プラスチックシートの成形方法。
【0014】
また、二層プラスチックシートを成形する方法であって、
溶融状態の基材樹脂を扁平に押出すTダイに対向させて、上部成形ロールと基盤成形ロールとを隙間を隔てて並設し、
前記Tダイ上部には前記基材樹脂と相溶性のない特殊機能シート及び該基材樹脂との相溶性のある積層プラスチックシートがあり、該Tダイより扁平に押出された前記基材樹脂の上部に該特殊機能シート及び該積層プラスチックシートを送り出し、
前記基材樹脂の溶融温度により、該基材樹脂と該積層プラスチックシートが溶融して一体化し、該基材樹脂と相溶性のない前記特殊機能シートを包み込むことを特徴とする二層プラスチックの成形方法。
【発明の効果】
【0015】
材料価格面では、
6mm厚のプラスチックシートで、2mm白色層と4mm黒色層の二層プラスチックシートを仮定した場合、
前記2mm白色層は、バージン材料を使用する。
再生材では他の色が混入しているので、再生材の使用が難しい。
前記4mm黒色層は再生材料を使用する。
仮に再生材が150円/kg、バージン材300円/kgとすれば、
バージン材料は再生材料の約2倍近い価格になる。
【0016】
仮に20kgの6mmのプラスチックシートでは、全て白色のバージン材料とした場合、20kg×300円=6,000円/枚
二層プラスチックシートにした場合(白色層2mm、黒色層4mm)
(2mm:白色層、300円/kg、4mm:黒色層、150円/kg)
20×2÷6×300=2,000 20×4÷6×150=2,000
計4,000円/枚
6,000円の製品が4,000円の材料費で生産可能となる。
【0017】
設備面では、
大型の押出機及び大型のTダイの分解掃除が必要ない。
小型に押出機と小型のTダイの分解掃除で色替えや機能性材料への変更が可能である。
【0018】
基材樹脂が4mmの黒の再生樹脂で、積層バージン樹脂の色を変更するだけで、色替えが可能である。
プラスチックカラーシートの色変更が簡単、前記カラーシートの押出は小型押出機で行うので、色替えは簡単に行うことができる。
色替えしたカラーシートをロール巻きにして、溶融状態の基材樹脂の上に積層していくだけでプラスチックカラーシートの生産ができる。
【0019】
前記の小型押出成形機であれば、樹脂の色替え又は材料替えは、半日程度で行える。押出機の中の材料ロスも少なくて済む。
また、各種カラーシートを準備しておけば、受注に合わせたプラスチックカラーシートの生産ができる。
小型押出機で押出すロール巻き前記プラスチックカラーシートは、白色、緑色、青色等の色物シートの他に、防炎材料又は滑り止めなどのプラスチック機能シートが考えられる。
【0020】
プラスチックカラーシートだけでなく、前記プラスチック機能シートの材料は該プラスチックカラーシートの材料より、材料価格が更に高いため、安価な再生樹脂である黒色シートの上に、小型押出機で成形した該プラスチック機能シートを生産し、本技術を利用して一体化積層することにより安価で該プラスチック機能シートが積層されたプラスチックシートを生産することができる。
【0021】
応用例では、
更に、完全に一体化された前記基材樹脂11cと積層プラスチックシート21aの二層プラスチックシートの間に、ヒータ機能、磁性機能などの特殊機能シート21bを包み込むことができる。
これまでの方法では、プラスチックシートに溝を掘り、該特殊機能シート21bを該溝の中に入れ、その上から別のプラスチックシートを重ね、防水処理して、上下のプラスチックシートを固定して制作していたのを、本技術を利用すれば、完全に防水と同時に一体化できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の表面に凸部を有する二層プラスチックシートの成形装置の概略図
図2】矢印Aで示す部分の拡大図
図3】凸部を有する二層プラスチックシートの成形装置のベルト状モールド
図4】本発明の二層プラスチックシートの成形装置の概要図
図5】本発明の表面に凸部を有する二層プラスチックの内部に特殊機能シートを包み込む成形装置の概要図
図6】本発明の二層プラスチックシートの内部に特殊機能シートを包み込む成形装置の概要図
図7】本発明の成形装置に加熱ヒータを取付けた装置
図8】表面に凸部を有する三層プラスチックシートの成形装置の概要図
図9】三層プラスチックシートの成形装置の概要図
【発明を実施するための形態】
【0023】
上記課題を解決する本発明の成形方法及び成形装置の一例を図1図6に示す。
押出機11aにはTダイ11bがセットされ、該Tダイ11bの押出口に対向させて、凸部上部成形ロール12aとシート基盤成形ロール12bとが隙間を隔てて並設されている。
該凸部上部成形ロール12aの下部に、該シート基盤成形ロール12bと並んで成形補助ロール12cが設置されている。前記シート基盤成形ロール12bは前記凸部上部成形ロール12aより上流側に配置されている。
その後方に一対の成形保持ロール13a、13bが設置されている。さらにその後方には一対の引取ロール14a、14bが配置されている。
【0024】
前記凸部上部成形ロール12aと前記成形保持ロール13aに、前記凸部16aを成形するための複数の貫通孔15aを有する環状のベルト状モールド15が巻き掛けられている。前記凸部上部成形ロール12aと前記成形保持ロール13aのX方向への回転駆動により前記ベルト状モールド15がY方向に循環回転している。
該ベルト状モールド15の詳細は図3に示されている。該ベルト状モールド15には、プラスチックシートの凸状成形する貫通孔15がある。
【0025】
図1図2に示すように、押出機11aで約200℃~約300℃に練られた基材樹脂11cがTダイ11bから扁平状で押出され、循環回転している前記ベルト状モールド15と前記シート基盤成形ロール12bとの間に導かれる。
同時にロール状に巻かれた積層プラスチックシート21aが前記基材樹脂11cの上に積層されていく。
該基材樹脂11cと該積層プラスチックシート21aが完全に一体化される。
該積層プラスチックシート21aは、該基材樹脂11cと相溶性のある樹脂が用いられる。
【0026】
図4では、前記押出機11aで約200℃~約300℃に練られた樹脂が前記Tダイ11bから扁平状で押出され、前記積層プラスチックシート21aが扁平状に押出された前記基材樹脂11cの上に積層されていく。
前記積層プラスチックシート21aは、前記基材樹脂11cと相溶性のある樹脂が用いられる。
【0027】
図5図6では、前記Tダイ11bから扁平状に押出される前記基材樹脂11cの上に特殊機能シート21bを積層し、その上に前記積層プラスチックシート21aを積層していく。
前記特殊機能シート21bはヒータ機能、磁性機能など持つシートで、前記基材樹脂11cとは相溶性はなく、図6のC-C断面図のように、前記特殊機能シート21bは前記基材樹脂11cと前記積層プラスチック21aとの間に包み込まれる。
【0028】
前記ロール状に巻かれた積層プラスチックシート20a及び前記特殊機能シート20bはロール状でなく、長い板状シート又は板状シートを重ねて順次送込む方法でも良い。
【0029】
前記積層プラスチックシート21aの肉厚の違いによる積層テスト(表1)を行った。
積層テストは、前記基材樹脂及び該積層プラスチックシート21aに低密度ポリエチレンを使用して行った。
該積層プラスチックシート21aを積層する工程で、該積層プラスチックシート21aの肉厚が薄いと、押出された溶融状態の前記基材樹脂11cの上で、該積層プラスチックシート21aが溶けて流れることがあり、該積層プラスチックシート21aの肉厚が1.5mm以上必要であることが分かった。
【0030】
前記積層プラスチックシートが1.5mm以上あれば、前記Tダイ11bから扁平状に押出された前記基材樹脂の上に積層される。
【表1】
【0031】
図1図2に示すように、積層されたプラスチックシート16は、X方向に回転する上部成形ロール12aとシート基盤成形ロール12bにより、ベルト状モールド15の貫通孔15aと上部成形ロール12aからなる凸部空間に導かれ、
図1のB-B断面図のように、積層された前記プラスチックシート16に凸部16aが成形される。
【0032】
同様に、前記ベルト状モールド15が巻かれていない図4のケースでも、表面に凸状のない積層プラスチックシート21を積層したプラスチックシート16が連続的に成形されていく。
【0033】
図5図6に示すように、ヒータ機能や磁気機能などをプラスチックシートに持たせるために、
本発明の応用例として、前記基材樹脂11cの上に、ヒータ機能や磁気機能などを持たせた特殊機能シート21bを、更にその上に前記積層プラスチックシート21aを積層し、内部に前記特殊機能シート21bを包み込むようにして、前記基材樹脂11cと該積層プラスチックシート21aを完全に融着して一体化する。
図6のD-D断面図が、内部に前記特殊機能シート21bを内蔵したプラスチックシートである。
【0034】
図7は、前記積層プラスチックシート21aと前記基材樹脂11cとの該積層プラスチックシートの表面温度が低く接着性が悪い場合、事前に積層工程に入る前に、該積層プラスチックシートの上部表面又は下部表面を事前に加熱して、前記基材樹脂との接着性を向上させるために、上部加熱ヒータ30a及び/又は下部加熱ヒータ30bを設け、該積層プラスチックの表面温度を上げる。
【0035】
図8図9は、プラスチックシートの下部にも、上部と同様に、積層プラスチックシート120aを積層するケースで三層プラスチックシートの例を示している。
図8のD-D断面図には、プラスチックシート16の上部に積層プラスチックシート21a及び下部積層シート121aが積層された例で三層プラスチックシートを示している。
【0036】
前記積層プラスチックシート21aとして、カラーシート、防炎シート、滑り難いシート、滑り易いシート、光反射シート、光吸収シート、放射線遮断シート、導電性シート、抗菌性、防カビ性シートなどが挙げられる。
特殊機能シート21bとして、ヒータ機能、磁気機能、放射線遮断機能などが挙げられる。
【0037】
前記基材樹脂と前記積層プラスチックシートの相溶性については、次の表2の通りで、○印のある樹脂を使用することにより、相溶性により樹脂の融着のよる一体化が可能である。
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0038】
土木シート分野で環境に優しい色彩シート、イベント会場などでの防炎シート、その他多用途の機能、例えば保温シート、融雪マット、等の機能を持たせたプラスチックシート分野。
【符号の説明】
【0039】
11a 押出機
11b Tダイ
11c 基材樹脂
12a 上部成形ロール
12b シート基盤成形ロール
12c 成形補助ロール
13a 成形保持ロール
13b 成形保持ロール
14a 引取ロール
14b 引取ロール
15 ベルト状モールド
15a 貫通孔
16 プラスチックシート
16a 凸部
20a ロール状積層プラスチックシート
20b ロール状特殊機能シート
21a 積層プラスチックシート
21b 特殊機能シート
30a 上部加熱ヒータ
30b 下部加熱ヒータ
115 下部ベルト状モールド
120a 下部ロール状積層プラスチックシート
121a 下部積層プラスチックシート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9