(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035780
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】燃料エンジンを代替する電気駆動ユニット及び作業機械
(51)【国際特許分類】
H02K 5/00 20060101AFI20240307BHJP
H02K 11/33 20160101ALI20240307BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20240307BHJP
E01C 19/34 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
H02K5/00 Z
H02K11/33
H02K7/14 Z
E01C19/34 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039848
(22)【出願日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】202211071992.8
(32)【優先日】2022-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523093859
【氏名又は名称】重慶拓思動力科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHONGQING TUOSI ELECTRIC POWER TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Floor 4, Building 4, No. 6, Longjun Avenue, Longxing Town, Liangjiang New Area, Chongqing 401135, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】蒋 成林
【テーマコード(参考)】
2D052
5H605
5H607
5H611
【Fターム(参考)】
2D052AA03
2D052BC06
5H605AA01
5H605BB05
5H605BB10
5H605BB19
5H605CC09
5H605EA18
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607BB17
5H607CC05
5H607CC07
5H607DD08
5H607FF01
5H611AA09
5H611BB01
5H611BB06
5H611TT01
5H611UA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】燃料エンジンを代替する電気駆動ユニット及び作業機械を提供する。
【解決手段】電気駆動ユニットは、モータ100及び電池パック200を含む。モータはベースプレート600に設けられ、電池パックは支持フレーム400を介してモータの上部に支持され、モータの一側は電池パックの下方に位置して回避空間が形成される。電気駆動ユニットの一側の下部に従来の燃料エンジンのような回避空間を設けることにより、小型燃料エンジンの代替を実現することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ及び電池パックを含み、前記モータはベースプレートに設けられ、前記電池パックは支持フレームを介して前記モータの上部に支持される。前記モータの一側は前記電池パックの下方に位置して回避空間が形成される、ことを特徴とする燃料エンジンを代替する電気駆動ユニット。
【請求項2】
電気ユニットを更に含み、前記モータの軸方向の長さは短縮され、前記電気ユニットは、前記モータの前部と前記電池パックの下方に位置する部位に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料エンジンを代替する電気駆動ユニット。
【請求項3】
前記支持フレームは前記モータを囲んで成形され、前記ベースプレートはモータに位置する両側にはホルダーが設けられ、前記支持フレームの両側の下部は弾性体を通じて同側の前記ホルダーに設けられ、前記電気ユニットは前記支持フレームに固定される、ことを特徴とする請求項2に記載の燃料エンジンを代替する電気駆動ユニット。
【請求項4】
前記回避空間の一側に接する弾性体は同側のモータに近接する斜め上部まで上げられる、ことを特徴とする請求項3に記載の燃料エンジンを代替する電気駆動ユニット。
【請求項5】
前記モータは、ケーシング、回転軸、ステータコイル、アウターロータを含み、
前記回転軸は前記ケーシング内に回転可能に設けられ、回転軸の後端は前記ケーシングから突出し、
前記ステータコイルは前記回転軸を囲んで配置されて、前記ケーシング内に固定され、
前記アウターロータは、環状部、前記環状部の一端に設けられたエンドカバー部を含み、前記環状部内には永久磁石が貼り付けられて、同時に前記ステータコイルの周囲に配置し、アウターロータのエンドカバー部は前記回転軸に支持して固定されている、ことを特徴とする請求項2に記載の燃料エンジンを代替する電気駆動ユニット。
【請求項6】
前記回転軸の前端には前記ケーシングを貫通してクーリングファンが設けられ、前記ケーシングの前端には前記クーリングファンの外部を覆うファンカバーが設けられ、前記ファンカバーの正面には吸込み口が設けられ、ファンカバーとケーシングの連結部は周囲に沿って吹出し口が分布し、
前記アウターロータのエンドカバー部は前記環状部の前端に設けられ、エンドカバー部の周囲部は排気口が設けられ、エンドカバー部の内側には、円周方向に複数のブレードが囲んで設けられる、ことを特徴とする請求項5に記載の燃料エンジンを代替する電気駆動ユニット。
【請求項7】
前記電気ユニットはモータ駆動器及び制御器を含み、前記モータ駆動器の外側には放熱フィンが設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の燃料エンジンを代替する電気駆動ユニット。
【請求項8】
前記支持フレームの周囲には外観カバーが囲んで設けられ、前記外観カバーの前側には窓が設けられ、モータ駆動器の外側の放熱フィンは前記窓を通して露出している、ことを特徴とする請求項7に記載の燃料エンジンを代替する電気駆動ユニット。
【請求項9】
作業機械であって、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の電気駆動ユニットを用いる、ことを特徴とする作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常の動力技術の分野に関し、具体的には、燃料エンジンを代替する電気駆動ユニット及び作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題の深刻化に伴い、動力ユニットは燃料から電動化へとシフトしている。
【0003】
従来の小型燃料エンジンの特徴の1つは、その一側の下部が三角形に類似する回避空間を有することである。
図1に示すように、燃料エンジンaが作業機械b(例えば、プレートコンパクター、トロウエル、ティラー等)に搭載される場合、作業機械は、角度調節が可能なハンドルの付け根c(プレートコンパクター、トロウエル)、またはフレーム本体(ティラー)、及び他の機能部品が回避空間I内に設けられることにより、操作の柔軟性及び全体構造のコンパクト化と小型化が有利になる。
【0004】
中国特許公開CN112602255Aの明細書は電動動力ユニットを公開し、該電動動力ユニットは燃料エンジンを代替して各種の作業機械に搭載され、動力ユニットの小型化と汎用性をある程度で実現した。
【0005】
しかし、上記特許文献の明細書及び図面5Aを参照すると、この特許では、電気部品12としての電池121がモータ11の上部に配置され、電気部品12としての駆動部122がモータ11の側部に配置され、全体の電動動力ユニットはほぼ四角形であり、その下部の一側は従来の燃料エンジンの回避空間を有していないため、既存の燃料エンジンを完全に代替することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既存技術の欠点に対して、本発明は燃料エンジンを代替する電気駆動ユニット及び作業機械を提供し、その一側の下部に従来の燃料エンジンに類似する回避空間を設けることで、よりよく小型燃料エンジンに対する代替を実現することができる。
【0007】
一方、本発明は燃料エンジンを代替する電気駆動ユニットを提供し、モータ及び電池パックを含み、前記モータはベースプレートに取り付けられ、前記電池パックは支持フレームを介して前記モータの上部に支持され、前記モータの一側は前記電池パックの下に位置し、そこに回避空間が形成される。
【0008】
さらに、前記電気駆動ユニットは電気ユニットを含み、前記モータの軸方向の長さは短縮され、前記電気ユニットは前記モータの前部に設けられ、前記電池パックの下方に位置する。
【0009】
さらに、前記支持フレームは前記モータを囲んで成形され、前記ベースプレートに取り付けられたモータの両側にはそれぞれホルダーが設けられ、前記支持フレームの両側の下部は弾性体を介して同側の前記ホルダーに取り付けられる。前記電気ユニットは前記支持フレームに固定されている。
【0010】
さらに、前記回避空間に接する弾性体を同側のモータの斜め上部まで上げる。
【0011】
さらに、前記モータはケーシング、回転軸、ステータコイル、アウターロータを含み、
前記回転軸は前記ケーシング内に回転可能に設けられ、回転軸の後端は前記ケーシングから突出し、
前記ステータコイルは前記回転軸を囲んで配置されて、前記ケーシング内に固定され、
前記アウターロータは環状部及びエンドカバー部を含み、前記環状部内には永久磁石が貼り付けられ、同時に前記環状部は前記ステータコイルの周囲に配置され、アウターロータのエンドカバー部は前記回転軸に支持されて固定される。
【0012】
さらに、前記回転軸の前端には前記ケーシングを貫通してその先端にはクーリングファンが設けられ、前記ケーシングの前端には前記クーリングファンを覆うファンカバーが設けられ、前記ファンカバーの正面には吸込み口が設けられ、ファンカバーとケーシングの連結部は周囲に沿って吹出し口が設けられる;
前記アウターロータのエンドカバー部は前記環状部の前端に設けられ、エンドカバー部の周囲には排気口が設けられ、エンドカバー部の内側には円周方向に複数のブレードが囲んで設けられる。
【0013】
さらに、前記電気ユニットはモータ駆動器と制御器を含み、前記モータ駆動器の外側には放熱フィンが設けられる。
【0014】
さらに、前記支持フレームの周囲には外観カバーが囲んで設けられ、前記外観カバーの正面側には窓が設けられ、モータ駆動器の外側の放熱フィンは前記窓を通して露出している。
【0015】
本発明の有益な効果として、本出願は、前記電気駆動ユニット一側の下部に従来の燃料エンジンに類似する回避空間を設け、該回避空間内には電気駆動ユニットの如何なる部品も設けなく、前記電気駆動ユニットを作業機械に組み立てる際に、従来の燃料エンジンと同じく、作業機械の調節可能なハンドルの付け根、またはフレーム本体などを該回避空間内に設けることで、操作の柔軟性及び全体構造のシンプル化と小型化が有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の具体的な実施形態または従来技術の技術的解決策を具体的に詳細に説明するために、以下、具体的な実施形態または従来技術で使用する必要がある図面について簡単に説明する。図面全体を通して、同様の部品または一部は同様の符号を用いて表記する。図面において、各部品また一部は実際の縮尺では描かれてはいない。
【
図1】背景技術において、燃料エンジンが作業機械に搭載された際の模式図である。
【
図6】本発明の実施例におけるアウターロータの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の技術的解決策の実施例について詳細に説明する。以下の実施例は本発明の技術的解決策を詳細かつ明確にするためのものであり、そのため、例としてのみ用いられ、本発明の保護範囲を限定するために使用されるものではない。
【0018】
本出願で使用される技術用語または単語は、通常の意味または辞典的な意味で限定して解釈されるべきではない。「発明者が自分の発明を最適な方法で説明するために技術用語の概念を適切に定義する」という原則に基づいて、本発明の技術思想に適合するように意味と概念を解釈するのみである。
【0019】
図2-
図6に示すように、本発明の実施例は燃料エンジンを代替する電気駆動ユニットを提供し、モータ100と電池パック200を含む。
【0020】
モータ100はベースプレート600に設けられ、ベースプレート600も直接該電気駆動ユニットの搭載対象物とされる。
【0021】
電池パック200は、支持フレーム400を介してモータ100の上部に支持され、モータ100の一側は電池パック200の下方に位置し、回避空間Iを形成する。本実施例では、回避空間Iはモータ100の左側右側のどちらに設けられてもよく、具体的には、モータ100の出力軸の向きによって決定される。すなわち、モータ100の出力軸が向きを変えると、回避空間Iの向きもそれに応じて変化し、構造の全体が鏡像化される。
【0022】
本実施例では、支持フレーム400の上部はモータ100の周囲を密着して囲み、電池パック200の下部は支持フレーム400の上部を密着して囲んでいる。これにより、構造がコンパクトになり、該電気駆動ユニットの小型化を実現することに役に立つ。
【0023】
本実施例では、回避空間Iの断面はほぼ三角形を呈し、その形状及びサイズは従来の燃料エンジン下部の回避空間Iとほぼ一致する。具体的に
図4を参照すると、出力軸側から見る場合、作業機械の固定に用いる底部右側のボルトをG点として定義し、G点の水平方向に沿って上へ向かって傾斜45°の線をHに設定し、H線とベースプレートの水平延長線と右側最大の組立寸法の垂直投影線が三角形の回避空間Iを形成し、形成された回避空間I内には本電気駆動ユニットの部品は何も設けない。
【0024】
他の実施例では、該回避空間の断面も矩形、台形などの他の形状であってもよい。
【0025】
本出願は該電気駆動ユニット一側の下部に従来の燃料エンジンに類似する回避空間Iを設け、該回避空間I内には本電気駆動ユニットの部品は何も設けないで、それを作業機械に設ける際に、従来の燃料エンジンのように、作業機械の調節可能なハンドルの付け根、または作業機フレーム本体等を回避空間I内に設けられることにより、操作の柔軟性及び全体構造のシンプル化と小型化が有利になり、よりよく小型燃料エンジンを代替することが実現できる
【0026】
本実施例では、電気ユニット300を更に含み、モータ100の軸方向の長さは短縮され、電気ユニット300はモータ100の前部と電池パック200の下方に位置する部位に設けられる(本実施例では、モータ100の出力軸の一側を後部と定義し、モータ100の出力軸から離れた一側を前部と定義する)。前記電気ユニット300は、具体的には、モータ駆動器310(Power Drive Unit、PDUと略す)、制御器320を含み、モータ駆動器310と制御器320は電動分野で公知な電気部品に属するため、ここでは具体的には説明しない。
【0027】
従来技術では、電動動力ユニットの電池パック200はモータ100の頂部に設けられ、電気ユニット300はモータ100の周方向の側部に設けられる。空間の制限により、その側部は従来の燃料エンジンの回避空間Iを確保することができない。本出願は電池パック200の稼働時間とモータ100の出力パワーを低減することなく、電池パック200の全体の高さを圧縮し、モータ100の軸方向の長さを短くし、モータ100の側部の電気ユニット300をモータ100の前部に移動させることにより、従来の燃料エンジンに類似する回避空間Iを確保できるだけではなく、かつ同じ規格の燃料エンジンのサイズ制限を満たすため、更に装置の小型化を実現できる。
【0028】
本実施例では、支持フレーム400はモータ100を囲んで成形され、ベースプレート600はモータ100に位置する両側にはそれぞれホルダー410が設けられる。支持フレーム400の両側の下部は弾性体420により同側のホルダー410に設けられ、電気ユニット300は支持フレーム400に固定されている。
【0029】
本出願の電池パック200と電気ユニット300はそれぞれ支持フレーム400を介してベースプレート600に支持され、電池パック200と電気ユニット300はモータ100と直接接続しておらず、支持フレーム400はモータ100を囲んで成形され、空間の有効利用を実現できる。支持フレーム400の両側は弾性体420によって防振支持されるため、作業の振動による電池パック200と電気ユニット300に対する影響を減少できる
【0030】
好ましくは、回避空間Iの一側に接する弾性体420を同側のモータ100に接する斜め上部まで上げて、該側の弾性体420が三角形の回避空間Iを回避し、その空間の配置が更に合理的で、構造が更にコンパクトになる。
【0031】
好ましくは、両側の弾性体420は傾斜して設けられるため、両側の弾性体420の軸線が上方で交差する。電池パック200及び電気ユニット300の重心はそれぞれ両側の弾性体420の軸線の交差する下方の領域内に位置する。前記部品の重心を両側の弾性体420の軸線が交差する下方の領域内に制御することで、電池パック200及び電気ユニット300の安定的な支持を実現し、かつ電池パック200及び電気ユニット300が良好な防振効果を有し、振動が比較的大きい作業機械の使用要求を満たすことができる。
【0032】
モータ100の軸方向の長さを短縮するため、具体的には以下の手段を採用することができる。
【0033】
モータ100はアウターロータ構造を採用し、具体的には、
図5に示すように、モータ100はケーシング110、回転軸120、ステータコイル130、アウターロータ140を含み、回転軸120はケーシング110内に回転可能に設けられ、回転軸120の後端は前記ケーシング110から突出し、ステータコイル130は、回転軸120を囲んで配置されて、ケーシング110内に固定され、アウターロータ140は環状部141とエンドカバー部142を含み、環状部141内には永久磁石143が貼り付けられ、ステータコイル130の周囲に配置され、アウターロータ140のエンドカバー部142は回転軸120に支持されて固定される。
【0034】
アウターロータ140内の永久磁石143はネオジム焼結材料を採用し、モータ100の軸方向の長さを短縮すると共に、モータ100の出力パワーを保証することができる。
【0035】
モータ100の負荷が高い場合、発熱が大きく、モータ100の最大出力パワーが発熱によって制限を受ける状況が多いため、モータ100の冷却を実現するための措置を講じる必要がある。モータ100の冷却効率を高めるため、外気をモータ100の内部に直接導入すると、水とガスまたは塵埃が空気と共にモータ100の内部に吸い込まれ、モータ100が正常に運転できなくなる。密閉型のモータ100の内部の放熱のために、モータ100の内部と外部にそれぞれクーリングファンを設け、内/外の熱交換によってモータ100の冷却を実現する。しかし、モータ100の内部と外部にクーリングファンを設ける際にはモータ100の長さを増加する必要があるため、本発明のモータ100の軸方向の長さを短縮するという目的と明らかに矛盾する。
【0036】
モータ100の軸方向の長さを増加させないという条件の下で、モータ100の内部の放熱を実現するため、本実施例はモータ100のアウターロータ140とモータ100内部のクーリングファンを一体化するように設計する。具体的には、
図5と
図6を参照してよい。
【0037】
アウターロータ140のエンドカバー部142は環状部141の前端に設けられ、エンドカバー部142の周囲には排気口144が設けられ、エンドカバー部142の内側には、円周方向に複数のブレード145が囲んで設けられる。モータ100が作動すると、アウターロータ140の回転に従って、ブレード145はアウターロータの内部の空気を連動して高速回転させ、かつ遠心力の作用によって、排気口144から排出させ、排出された空気は、アウターロータ140の環状部141の外側を通ってアウターロータ140内に逆流し、モータ100内部の空気の循環を実現する。
【0038】
同時に、
図5を参照すると、回転軸120の前端には、ケーシング110を貫通してクーリングファン150を設け、ケーシング110の前端にはクーリングファン150の外部を覆うファンカバー160が設けられる。ファンカバー160の正面には吸込み口161が設けられ、ファンカバー160とケーシング110の連結部は周囲に沿って吹出し口162が分布する。アウターロータ140が回転すると、回転軸120を連動して回転させることで、ケーシング110の外部のクーリングファン150を連動して回転させる。クーリングファン150が回転すると、外気はファンカバー160の吸込み口161から進入し、更にケーシング110の外部の吹出し口162から排出される。
【0039】
モータ100の内部で循環する空気は、ステータコイル130の作動によって生じる熱を持ち出して、ケーシング110に伝達し、モータ100の外気はケーシング110を経由するとき、ケーシング110を再び温度を下げるため、内/外の熱交換を通じて、モータ100内部の冷却を実現する。
【0040】
本発明は、モータ100のアウターロータ140とモータ100内部のクーリングファンを一体的に設計することで、モータ100の内部には単独のクーリングファンを設ける必要がなくなるため、モータ100の放熱要件を満たし、かつモータ100の軸方向の長さを短縮することができる。
【0041】
本実施例では、モータ駆動器310の外側には放熱フィン311が設けられ、モータ駆動器310の放熱性能を高めることができる。好ましくは、支持フレーム400の周囲には外観カバー500が覆って設けられ、外観カバー500の前側には窓510が設けられ、モータ駆動器310の外側の放熱フィン311は窓510を通して露出しており、更に放熱性能を高めることができる。
【0042】
電気ユニット300をモータ100の前端に設ける場合、全体の電気駆動ユニットの軸方向での寸法を増加させないため、モータ100の長さを短縮することに加えて、電気ユニット300の内部素子とカプラのレイアウトを最適化することができ、電気ユニット300の厚さを可能な限り縮小させることができる。
【0043】
本発明の実施例は作業機械を提供し、上記の電気駆動ユニットを採用し、該作業機械は、作業機械、農業機械、園芸機械等を含み、例えば、プレートコンパクター、トロウエル、耕運機等である。
【0044】
なお、以上の各実施例は、単に本発明の技術的解決策を説明するためのものであり、それを制限するものではない。上記の実施例を参照して本発明について詳述したが、当業者であれば、上記の各実施例に記載の技術的解決策を修正し、またはその一部或いは全ての技術的特徴を均等で置換することができる。これらの修正又は置換は、対応する技術的解決策の本質を本発明の各実施例の技術的解決策の範囲から逸脱させず、いずれも本発明の保護範囲内と明細書の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
100-モータ;110-ケーシング;120-回転軸;130-ステータコイル;140-アウターロータ;141-環状部;142-エンドカバー部;143-永久磁石;144-排気口;145-ブレード;150-クーリングファン;160-ファンカバー;161-吸込み口;162-吹出し口;200-電池パック;300-電気ユニット;310-モータ駆動器;311-放熱フィン;320-制御器;400-支持フレーム;410-ホルダー;420-弾性体;500-外観カバー;510-窓;600-ベースプレート;I-回避空間