(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035787
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】振動呈示装置および入力装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240307BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240307BHJP
B06B 1/04 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
G06F3/041 480
G06F3/01 560
B06B1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077728
(22)【出願日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】P 2022139601
(32)【優先日】2022-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000220125
【氏名又は名称】東京パーツ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】澤口 貴見
【テーマコード(参考)】
5D107
5E555
【Fターム(参考)】
5D107AA16
5D107CC09
5D107DD12
5E555AA08
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC30
5E555CA13
5E555CB12
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】異音の発生や過振動による破損を防止することが可能な振動呈示装置および入力装置を提供する。
【解決手段】入力装置1は、振動呈示装置2を有する。振動呈示装置2は、ベース10とベース10と対向するキャリア20との間に、振動源であるアクチュエータ50と、主振動規制部材(板バネ30等)と、副振動規制部材60と、を有する。副振動規制部材60に弾性支持部62を設けてキャリア20に常時押圧力Fを加えることで、不要振動や異音の発生を防止することができる。また、副振動規制部材60に、過振動規制部を設けることで、過振動による破損を防止することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者に対して振動を呈示する振動呈示装置であって、
前記振動呈示装置は、
ベースと、
少なくとも一部が前記ベースと対向するように設けられるキャリアと、
前記キャリアを前記ベースに対して振動可能かつ脱着不可能に固定する主振動規制部材と、
副振動規制部材と、
前記キャリアを振動させる振動源と、を有し、
前記副振動規制部材は、
取付部と、
弾性支持部と、
過振動規制部と、を一体に備え、
前記副振動規制部材は、前記取付部で前記ベースもしくは前記キャリアの一方に取付けられ、
前記弾性支持部は、前記ベースもしくは前記キャリアの他方に弾性的に係合しており、
前記過振動規制部は、前記ベースもしくは前記キャリアの前記他方と非接触である、
ことを特徴とする振動呈示装置。
【請求項2】
前記弾性支持部は、
前記取付部の前記他方側に前記取付部と一体に設けられたバネであり、
前記他方における前記一方との対向面に対し、押圧力を加える、
ことを特徴とする請求項1に記載の振動呈示装置。
【請求項3】
前記弾性支持部は、前記他方と摺接している、
ことを特徴とする請求項1に記載の振動呈示装置。
【請求項4】
前記バネは、前記他方における前記一方との対向面と摺接している、
ことを特徴とする請求項2に記載の振動呈示装置。
【請求項5】
前記過振動規制部は、
上下方向(Z方向)の過振動を防止する上下方向過振動規制部と、
左右方向(X方向)の過振動を防止する左右方向過振動規制部と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の振動呈示装置。
【請求項6】
前記過振動規制部および前記他方のいずれとも異なる他の部材が、前記過振動規制部と前記他方との間に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の振動呈示装置。
【請求項7】
前記主振動規制部材は、振動容易方向を一方向のみに限定する板バネである、
ことを特徴とする請求項1に記載の振動呈示装置。
【請求項8】
前記振動源は、一方向のみに振動するソレノイドである、
ことを特徴とする請求項1に記載の振動呈示装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の振動呈示装置と、
前記キャリアに設けられたスイッチと、を有する、
ことを特徴とする入力装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の振動呈示装置と、
前記キャリアに設けられたタッチパネルと、を有する、
ことを特徴とする入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、タッチ式入力装置に使用され、操作者に触覚フィードバックを与える振動呈示装置および入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
触覚フィードバックを与える振動呈示装置として、例えば、特許文献1には、タッチセンサ203と、操作パネル204と、タッチセンサ203と操作パネル204とを載置するパネル固定金具208と、固定部205と、パネル固定金具208を固定部205に支持する支持部材(板バネ206)と、操作パネル204を振動させるアクチュエータ207と、を備えたタッチパネル201が記載されている(
図6参照)。
このタッチパネル201において、支持部材(板バネ206)は一軸方向(X方向)にのみバネ性を有するため、操作パネル204の振動方向のバラツキを低減できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているようなタッチパネル201を、例えば、車載用途(カーナビ 等)に用いた場合、操作パネル204が板バネ206のみによって支持されているため、走行に伴って生じる微小な不要振動による振動音(いわゆる、ビビリ音)が発生する可能性がある。また、操作パネルに強い衝撃が加わった場合、板バネ206が弾性限度を超えて変形してしまい、操作パネル204が静止位置(通常位置)に復帰しなくなる可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、従来技術が抱える上記課題を解決し得る振動呈示装置および入力装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記の課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用することができる。また、本発明の態様あるいは技術的特徴は以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、あるいはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものである。
【0007】
本発明の実施態様は、
操作者に対して振動を呈示する振動呈示装置であって、
前記振動呈示装置は、
ベースと、
少なくとも一部が前記ベースと対向するように設けられるキャリアと、
前記キャリアを前記ベースに対して振動可能かつ脱着不可能に固定する主振動規制部材と、
副振動規制部材と、
前記キャリアを振動させる振動源と、を有し、
前記副振動規制部材は、
取付部と、
弾性支持部と、
過振動規制部と、を一体に備え、
前記副振動規制部材は、前記取付部で前記ベースもしくは前記キャリアの一方に取付けられ、
前記弾性支持部は、前記ベースもしくは前記キャリアの他方に弾性的に係合しており、
前記過振動規制部は、前記ベースもしくは前記キャリアの前記他方と非接触である、
ことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の他の実施態様では、さらなる特徴として、
「前記弾性支持部は、
前記取付部の前記他方側に前記取付部と一体に設けられたバネであり、
前記他方における前記一方との対向面に対し、押圧力を加えること」、
「前記弾性支持部は、前記他方と摺接していること」、
「前記バネは、前記他方における前記一方との対向面と摺接していること」、
「前記過振動規制部は、
上下方向(Z方向)の過振動を防止する上下方向過振動規制部と、
左右方向(X方向)の過振動を防止する左右方向過振動規制部と、を備えること」、
「前記過振動規制部および前記他方のいずれとも異なる他の部材が、前記過振動規制部と前記他方との間に設けられていること」、
「前記主振動規制部材は、振動容易方向を一方向のみに限定する板バネであること」、
「前記振動源は、一方向のみに振動するソレノイドであること」、
「上記に記載の振動呈示装置と、
前記キャリアに設けられたスイッチと、を有する、入力装置であること」
「上記に記載の振動呈示装置と、
前記キャリアに設けられたタッチパネルと、を有する、入力装置であること」、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、不要振動による異音の発生や過振動による破損を防止することが可能な振動呈示装置および入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態例に係る入力装置の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態例に係る振動呈示装置の斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態例に係る振動呈示装置からキャリアを除いた斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態例に係る振動呈示装置における副振動規制部材の(a)斜視図、(b)正面図である。
【
図5】本発明の実施形態例に係る振動呈示装置における副振動規制部材の(a)正面図、(b)正面図である。
【
図6】従来の実施例に係る振動呈示装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書では、
図1等において、入力装置の長手方向に対して平行な方向を「左右方向(X方向)」と呼び、振動呈示装置の短手方向に対して平行な方向を「前後方向(Y方向)」と呼び、振動呈示装置の高さ方向を「上下方向(Z方向)」と呼ぶ。
図4(b)において、上方向を単に「上方向」、下方向を単に「下方向」、左方向を単に「左方向」、右方向を単に「右方向」と呼ぶ。
なお、上下左右方向は、実際の機器に組み込まれたときの位置関係や方向とは必ずしも一致しない。
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に説明する。
【0013】
本発明の実施形態例に係る振動呈示装置および入力装置を
図1から
図5を用いて説明する。なお、
図4(a)において、説明を容易とするために、キャリア20の一部を切り欠いている。
【0014】
入力装置1は、振動呈示装置2と、振動呈示装置2に載置されたタッチパネル40より構成される。
【0015】
振動呈示装置2は、ベース10と、ベース10と対向するキャリア20と、ベース10とキャリア20とを振動可能に接続する板バネ30と、キャリア20を振動させる振動源であるアクチュエータ50と、ベース10上に固定されてキャリア20と係合する副振動規制部材60と、を有する。
【0016】
ベース10は、薄い金属板をプレス加工することによって形成され、左右方向(X方向)に長く、前後方向(Y方向)に短い略直方体形状となっている。ベース10の左右方向(X方向)両端には、上方向に立ち上げられた板バネ固定部11が設けられており、後述の板バネ30がねじ止め等の方法によって固定される。また、前後方向(Y方向)の略両端には、上方向に立ち上げられた副振動規制部材固定部12がそれぞれ2つずつ設けられており、後述の副振動規制部材60がねじ止め等の方法によって固定される。また、ベース10の前後方向(Y方向)の略両端には、複数の貫通孔13が設けられており、車両のダッシュボード内の筐体(不図示)等に、ねじ止め等の方法によって固定される。
【0017】
キャリア20は、ベース10と同じく薄い金属板をプレス加工することによって形成され、ベース10と略同形の外形を有し、ベース10の上面10aと対向するようにベース10上に設けられている。キャリア20の左右方向(X方向)両端には、下方向に立ち下げられた板バネ固定部21が設けられており、後述の板バネ30がねじ止め等の方法によって固定される。キャリア20の略四隅には、貫通孔22が設けられており、後述のタッチパネル40等がねじ止め等の方法により、キャリア20の上面に固定される。なお、本実施形態例では、ベース10およびキャリア20は、薄い金属板としているが、これに限られない。ベース10およびキャリア20は、樹脂でもよく、剛性を有するものであるならば適用可能である。
【0018】
キャリア20の四隅には、キャリア20の下方に舌片部23が形成されている。舌片部23は、キャリア20から下方に伸びる垂下部23aと、垂下部23aの下端から前後方向(Y方向)外方に延びる水平部23bと、から構成される。舌片部23は、後述の副振動規制部材60と協働することで、キャリア20の過振動を防止する。
【0019】
板バネ30は薄い樹脂板等からなり、特定の方向に弾性を有する。本実施形態例においては、左右方向(X方向)が振動容易方向となり、前後方向(Y方向)および上下方向(Z方向)が振動困難方向となる。板バネ30の上下方向(Z方向)略両端には、係止部31が設けられている。本実施形態例においては、係止部31はねじ止め用の孔である。板バネ30の一端の係止部31がベース10の板バネ固定部11にねじ止め等の方法で固定され、板バネ30の他端の係止部31がキャリア20の板バネ固定部21にねじ止め等の方法で固定される。それに伴い、ベース10およびキャリア20が脱着不可能に連結される。この時、板バネ30が有する弾性により、キャリア20がベース10上において、左右方向(X方向)にのみ振動可能に保持される。本実施形態例においては、板バネ30が、本発明における主振動規制部材に相当する。なお、本実施形態例では、主振動規制部材は、板バネ30としているが、これに限られない。主振動規制部材は、コイルバネやゴム 等、キャリア20をベース10に対して振動可能かつ脱着不可能に固定するものであれば、適用可能である。
【0020】
タッチパネル40は、液晶ディスプレイ41のような表示装置と、タッチパッドのような入力位置検知の機能を有するタッチセンサと、を組み合わせた入力装置であり、地図情報等の画像情報を液晶ディスプレイに表示すると共に、操作者がタッチする領域を検出することで、操作者の操作意思を検出する。
【0021】
アクチュエータ50は、略矩形状である樹脂枠51と、樹脂枠51の一方の長辺に固定された固定片52と、樹脂枠51の他方の長辺に固定された可動片53と、固定片52側に装着されたソレノイド54と、を備える。可動片53は、剛性のある磁性材料からなり、一部がソレノイド54の先端と所定の間隔を開けて対向している。また、固定片52はベース10の上面10aにねじ止め等の方法によって固定され、可動片53はキャリア20の下面20aにねじ止め等の方法によって固定されている。
【0022】
アクチュエータ50は、ソレノイド54に電流がオンおよびオフされると、可動片53がソレノイド54に吸引および離されることによって、左右方向(X方向)に振動する。それに伴い、可動片53に固定されたキャリア20上のタッチパネル40も左右方向(X方向)に振動し、操作者に対して、操作に対応した触覚を呈示する。なお、アクチュエータは、ソレノイドに限定されず、例えば、偏心分銅を設けたモータや、圧電素子、他の直動アクチュエータ等でもよい。
【0023】
ベース10の略四隅には、それぞれ副振動規制部材60が固定されている。副振動規制部材60は、剛性を有する樹脂等から形成され、取付部61と、弾性支持部62と、拡張部63と、を備える。
【0024】
取付部61は、副振動規制部材60をベース10に固定するための部位である。取付部61には、取付孔61aが設けられており、ベース10に設けられた副振動規制部材固定部12にねじ止め等の方法で固定される。
【0025】
取付部61の左右方向(X方向)の一端(
図4(a)では左側端)には、上方に立設した連結部62aが設けられている。また、連結部62aから、片持ち梁形状のバネ部62bが、取付部61の上面と対向するように伸びている。バネ部62bの自由端62ba付近には、突出部62bbが設けられている。本実施形態例では、連結部62aと、自由端62baを有するバネ部62bと、突出部62bbが、本発明における弾性支持部62に相当する。弾性支持部62は、バネ部62bが片持ち梁形状であることによって、上下方向に強い弾性を有する。
【0026】
バネ部62b上に設けられた突出部62bbが、キャリア20の下面20aに当接することにより、キャリア20に対し上下方向(Z方向)上方に向かう押圧力Fを加えている。押圧力Fが常時加えられることにより、キャリア20に生じる不要振動や振動音(ビビリ音)の発生を効果的に防止することができる。また、突出部62bbは、キャリア20の下面20aに摺接しているため、キャリア20に押圧力Fを加えつつも、キャリア20の左右方向(X方向)振動を妨げることが無い。
【0027】
取付部61の左右方向(X方向)の他端(
図4(a)では右側端)には、取付部61の一部を左右方向(X方向)に拡張した拡張部63が設けられている。拡張部63を設けることによって、取付部61および拡張部63に垂直面63aおよび水平面63bが形成される。
【0028】
垂直面63aは、キャリア20の舌片部23の水平部23bの側面と対向している。キャリア20が左右方向(X方向)の過振動を生じた場合、舌片部23の水平部23bが垂直面63aと接触することで、キャリア20がそれ以上の振動変位を生じることを防止する。垂直面63aが、本発明における左右方向過振動規制部に相当する。本実施形態例では、一つの副振動規制部材60では、左右方向(X方向)のいずれか一方向の過振動しか防止できないが(
図4(a)では左方向の過振動しか防止できない)、
図1-3に示すように、左右方向(X方向)において逆向きである他の副振動規制部材60と組合わせることで、左右いずれの方向の過振動も防止することが可能となる。
【0029】
水平面63bは、キャリア20の舌片部23の水平部23bの上面と対向している。キャリア20が上下方向(Z方向)の過振動を生じた場合、舌片部23の水平部23bが水平面63bと接触することで、キャリア20がそれ以上の振動変位を生じることを防止する。本実施形態例では、水平面63bでは、上方への過振動しか防止できないが、連結部62aの上端62aaおよび取付部61の上面に設けられた凸部61bが、それぞれ、キャリア20の下面20aおよびバネ部62bの下面に接触することで、キャリア20がそれ以上の下方への振動変位を生じることを防止する。水平面63bと、連結部の上端62aaと、凸部61bが、本発明における上下方向過振動規制部に相当する。前述の左右方向過振動規制部と併せて本発明における過振動規制部となる。
【0030】
副振動規制部材60は、キャリア20に発生する不要振動や振動音の発生を防止する弾性支持部62と、キャリア20の上下方向および左右方向の過振動を防止する過振動規制部と、を一体に有している。したがって、想定される使用環境に応じて、不要振動防止、過振動防止の程度を容易に変更可能である。
【0031】
例えば、舗装された路面上を走行する通常の乗用車に、本実施形態例の振動呈示装置を適用する場合、大きな振動が頻繁に加わることを想定する必要が無いが、振動呈示時には、比較的大きな振動振幅を得られることが望ましい。したがって、弾性支持部の厚みTsを比較的薄くし、また、垂直面63aと舌片部23の水平部23bとの間隔Dxを長くとるように設計された副振動規制部材60を用いるとよい。図示すると
図5(a)のようになる。
【0032】
また、未舗装の地面上で用いられる工事車両等に本実施形態例の振動呈示装置を適用する場合、比較的大きな振動が常時加わっていることを想定する必要がある。したがって、まずは弾性支持部の厚みTsを厚くするとよい。また、垂直面63aと舌片部23の水平部23bとの間隔Dxを狭くすることで、振動呈示時に副振動規制部材60の垂直面63aとキャリア20の水平部23bをあえて衝突させ、大きな衝撃力を得ることができるようにするとよい。図示すると
図5(b)のようになる。
【0033】
前述のように、不要振動防止、過振動防止の程度を適切に選択する場合でも、単に副振動規制部材60のみを変更すればよく、他の部材に変更を加える必要が無い。したがって、想定される使用環境に応じた仕様変更を容易に実施することができる。
【0034】
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は、上述に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において、上述以外にも種々変形して実施することが可能である。
【0035】
本発明の実施形態例では、副振動規制部材60をベース10に取付け、弾性支持部62をキャリア20の下面20aに摺接する構成としていたが、逆でもよい。すなわち、副振動規制部材60の取付部61をキャリア20の下面20aに取付け、弾性支持部62をベース10の上面10aに摺接させてもよい。
【0036】
本発明の実施形態例では、弾性支持部62は片持ち梁形状のバネとしていたが、これに限られない。弾性支持部62は、例えば、コイルばね形状や両持ち梁形状の板バネ等、上下方向(Z方向)の弾性を有するものならなんでもよい。また、弾性支持部62は、キャリア20に摺接ではなく、キャリア20に固定されていてもよい。この場合、キャリア20の振動振幅に制限がかかることになるが、不要振動に対する防止効果はより高まる。
【0037】
本発明の実施形態例では、過振動規制部(垂直面63a、水平面63b)と舌片部23は空間を介して非接触であるが、過振動規制部(垂直面63a、水平面63b)と舌片部23の間に他の部材を有していてもよい。例えば、スプリング、ゴム、スポンジ等、弾性を有する部材を設けた場合、過振動規制時の衝撃が緩和される。また、剛性や耐衝撃性のある部材を設けた場合、過振動規制時に生じる過振動規制部および舌片部23の摩耗を防止することができる。
【0038】
本発明の実施形態例では、タッチパネル40を用いた入力装置としていたが、これに限られない。キャリア20上にタッチセンサやプッシュスイッチといった他のスイッチ等を載置し、振動呈示機能を有するスイッチとしてもよい。また、タッチパネルやスイッチ等をベース10の上面10aと平行するように設け、主振動規制部材30でベース10に固定し、副振動規制部材60を係合する構成としてもよい。この場合、タッチパネルやスイッチ等を収容する筐体が本願発明におけるキャリアとして機能する。
【符号の説明】
【0039】
1 入力装置
2 振動呈示装置
10 ベース
10a 上面
11 板バネ固定部
12 副振動規制部材固定部
13 貫通孔
20 キャリア
20a 下面
21 板バネ固定部
22 貫通孔
23 舌片部
23a 垂下部
23b 水平部
30 板バネ(主振動規制部材)
31 係止部
40 タッチパネル
41 液晶ディスプレイ
50 アクチュエータ
51 樹脂枠
52 固定片
53 可動片
54 ソレノイド
60 副振動規制部材
61 取付部
61a 取付孔
61b 凸部
62 弾性支持部
62a 連結部
62aa 連結部の上端
62b バネ部
62ba 自由端
62bb 突出部
63 拡張部
63a 垂直面
63b 水平面
201 タッチパネル
203 タッチセンサ
204 操作パネル
205 固定部
206 支持部材
207 アクチュエータ
208 パネル固定金具
F 押圧力
Ts 弾性支持部の厚み
Dx 間隔