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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035795
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】WIMセンサを有するWIMシステム
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/03 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
G01G19/03
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023111116
(22)【出願日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】22193714
(32)【優先日】2022-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】502281471
【氏名又は名称】キストラー ホールディング アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビルク ハイレジラッシー
(57)【要約】
【課題】従来のWIMセンサの配置よりも高い測定精度を有し、より経済的なWIMシステムを提供すること。
【解決手段】本発明によれば、少なくとも1つのWIMセンサ2を有するWIMシステム1が提供され、WIMセンサ2は、車道表面5と同一平面で、車道4のレーン3内に配置される。レーン3は、車両7のための走行方向6を有し、WIMセンサ2は、長さ25を伴う長手軸8に沿ったロングデザインである。WIMセンサ2は、長手軸8に沿って互いに離れて間隔を空けられた複数の測定区域Mを有し、各測定区域Mは、WIMセンサ2に及ぼされる力Fを個々に決定するようにセット・アップされる。長手軸8は、走行方向6に沿ってWIMセンサ2の上方を通過する車両7の車輪13が、少なくとも3つの隣接する測定区域M、M、Mにより測定信号S、S、Sとして検出され得るように、走行方向6とのアラインメント角度20を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのWIMセンサ(2)を有するWIMシステム(1)であって、前記WIMセンサ(2)は、車道表面(5)と同一平面で、車道(4)のレーン(3)内に配置され、前記レーン(3)は、車両(7)のための走行方向(6)を有し、前記WIMセンサ(2)は、長手軸(8)に沿ったロングデザインであり、且つ前記長手軸(8)に沿って長さ(25)を有し、前記WIMセンサ(2)は、前記長手軸(8)と直角で前記車道表面(5)に平行な幅(24)を有し、前記WIMセンサ(2)は、その長手軸(8)に沿って互いに離れて間隔を空けられた複数の測定区域(M)を有し、各測定区域(M)は、前記測定区域(M)の領域内で前記WIMセンサ(2)に及ぼされる力(F)を個々に決定するように、またそれを測定信号(S)として提供するようにセット・アップされている、WIMシステム(1)において、
前記走行方向(6)に沿って前記WIMセンサ(2)の上を通過して前記WIMセンサ(2)に力(F)を及ぼす車両(7)の車輪(13)が、少なくとも3つの隣接する測定区域(M、M、M)によって測定信号(S、S、S)として検出され得るように、前記長手軸(8)が前記走行前記方向(6)とアラインメント角度(20)を形成していることを特徴とする、WIMシステム(1)。
【請求項2】
前記レーン(3)上の車両(7)の存在を決定するようにセット・アップされた少なくとも1つの存在センサ(11)をさらに有し、各2つの隣接する測定区域(M、M、i=j±1)が、互いから、前記WIMセンサ(2)の前記長手軸(8)に沿って距離(dij)を有している、請求項1に記載のWIMシステム(1)。
【請求項3】
各測定区域(M)は、少なくとも1つの測定要素(16)を有し、前記測定要素(16)は、圧電測定要素、又はピエゾ抵抗測定要素、又は歪みゲージを伴う測定要素、又は光学ファイバ内に導入されたファイバ光学測定要素である、請求項2に記載のWIMシステム(1)。
【請求項4】
前記WIMセンサ(2)は、前記長手軸(8)に沿って伸長された輪郭部(17)を有し、又は
前記WIMセンサ(2)は、実質的に前記長手軸(8)に沿って形成される空間(18)を伴う、前記長手軸(8)に沿って伸長された輪郭部(17)を有し、各測定要素(16)は、前記空間(18)内で予荷重をかけられて配置される、請求項2又は3に記載のWIMシステム(1)。
【請求項5】
前記存在センサ(11)は、誘導ループ;レーザ・センサ又はカメラ又はLIDARなどの光学センサ;RADAR;前記走行方向(6)に対して45°から90°の間のアラインメント角度(20)で配置される追加的なWIMセンサ、のうちの1つであり得る、請求項2から4までのいずれか一項に記載のWIMシステム(1)。
【請求項6】
前記アラインメント角度(20)は、前記車輪(13)の車輪接地面の幅(10)である分母と、前記長手軸(8)に沿った長さ(dik)である分子との商の逆余弦以下であり、また前記長さ(dik)は、少なくとも3つの測定区域(M、M、M)にわたって伸びている、請求項2から5までのいずれか一項に記載のWIMシステム(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの評価ユニット(15)をさらに有し、前記評価ユニット(15)は、前記車輪(13)が通過するときに提供される前記測定信号(S)の平均値(MS)を形成及び提供するようにセット・アップされている、請求項2から6までのいずれか一項に記載のWIMシステム(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの評価ユニット(15)をさらに有し、前記評価ユニット(15)は、少なくとも2つの測定区域(M、M)についての差時間(tij)を決定するようにセット・アップされ、前記差時間(tij)は、前記少なくとも2つの測定区域(M、M)のそれぞれの前記測定信号(S、S)の時間差である、請求項2から6までのいずれか一項に記載のWIMシステム(1)。
【請求項9】
前記アラインメント角度(20)は、35°よりも小さい、請求項8に記載のWIMシステム(1)。
【請求項10】
前記評価ユニット(15)は、車輪(13)が通過するときに提供される前記測定信号(S)の前記平均値(MS)からの偏差(DS)を形成及び提供するように適合され、前記偏差(DS)は、標準偏差であり、又は分散であり、又は最大偏差であり、又は前記標準偏差に比例しており、又は前記分散に比例しており、又は前記最大偏差に比例しており、又は他の確率論的ばらつき指標である、請求項7に記載のWIMシステム(1)。
【請求項11】
前記評価ユニット(15)は、前記走行方向(6)への前記少なくとも2つの測定区域(M、M)の前記距離(dij)の射影と、関連する前記差時間(tij)とから、車輪スピード(vij)を形成及び提供するようにセット・アップされている、請求項8及び10の組み合わせに記載のWIMシステム(1)。
【請求項12】
前記評価ユニット(15)は、分類信号(21)を形成及び提供するように適合され、
前記分類信号(21)は、前記偏差(DS)が、あらかじめ規定されたしきい値を上回る場合、及び/又は、少なくとも2つの形成された車輪スピード(vij、vjk)が、あらかじめ規定されたしきい値よりも大きい値だけ互いに異なる場合、及び/又は、少なくとも2つの測定信号(Mi、Mj)が、あらかじめ規定されたしきい値よりも大きい値だけ互いに異なる場合に、第1の値を呈し、また
前記分類信号(21)は、前記偏差(DS)が、あらかじめ規定されたしきい値よりも下回る、若しくは前記しきい値に等しい場合、及び/又は、少なくとも2つの形成された車輪スピード(vij、vjk)が、あらかじめ規定されたしきい値よりも小さい値だけ互いに偏倚する、若しくは厳密に前記しきい値だけ互いに偏倚する場合、及び/又は、少なくとも2つの測定信号(Mi、Mj)が、あらかじめ規定されたしきい値よりも大きい値だけ互いに偏倚する、若しくは厳密に前記しきい値だけ互いに偏倚する場合に、第2の値を呈し、
前記分類信号(21)の前記第1の値は、前記分類信号(21)の前記第2の値とは異なる、請求項11に記載のWIMシステム(1)。
【請求項13】
請求項2から12までの一項に記載のWIMシステム(1)を使用して、測定される車輪力(F)における信頼度の指標を決定するための方法であって、
前記WIMセンサ(2)が配置される前記レーン上の車両の存在が検出され、
車輪力(F)が、前記WIMセンサ(2)の上方を通過する車輪(13)により前記WIMセンサ(2)に及ぼされる場合に、以下のステップ、すなわち:
i.横断される各測定区域(M)の前記車輪力(F)が、測定信号(S)として提供されるステップと、
ii.信頼度レベル(22)が、とりわけ、少なくとも3つの前記測定信号(S、S、S)の差にしたがってセットされ、又は、少なくとも3つの測定信号(S、S、S)のアベレージ値(MS)が形成され、信頼度レベル(22)が、前記車輪(13)が通過するときに提供される前記測定信号(S)の偏差(DS)にしたがってセットされ、前記偏差(DS)は、前記標準偏差であり、又は前記分散であり、又は前記最大偏差であり、又は前記標準偏差に比例しており、又は前記分散に比例しており、又は前記最大偏差に比例しており、又は他の確率論的ばらつき指標である、ステップと
が実施される、方法。
【請求項14】
i.差時間(tij)が、少なくとも2つの測定区域(M、M)について決定されるステップと、
ii.前記差時間(tij)が、前記少なくとも2つの測定区域(M、M)の前記それぞれの測定信号(S、S)の時間差である、ステップと、
iii.車輪スピード(vij)が、前記走行方向に沿った前記少なくとも2つの測定区域(M、M)の距離(dij)、及び関連する差時間(tij)から形成されるステップと、
iv.前記信頼度レベル(22)が、さらには、少なくとも2つの車輪スピード(vij、vkl)の確率論的ばらつき指標によりセットされるステップと
を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記存在センサ(11)は、前記走行方向(6)に対して45°から90°の間のアラインメント角度(20)で配置される追加的なWIMセンサであり、
前記車輪は、前記存在センサ(11)も通過し、
前記存在センサ(11)は、少なくとも1つの力(fp)と、前記存在センサ(11)の少なくとも1つの対応する測定信号(P)とを決定する少なくとも1つの測定区域を有し、
前記信頼度レベル(22)は、とりわけ前記少なくとも3つの測定信号(S、S、S)と、前記存在センサ(11)により決定される前記測定信号(P)との差にしたがってセットされ、又は、少なくとも3つの測定信号(S、S、S)と、前記存在センサ(11)により決定される前記測定信号(P)とのアベレージ値(MS)が形成され、前記信頼度レベル(22)は、前記偏差(DS)にしたがってセットされる、請求項12から14までのいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、WIM(走行車両重量計測(Weigh in Motion))システムであって、WIMシステムの測定精度が改善されるように車道内に配置される少なくとも1つのWIMセンサを有している、WIMシステムに関係する。
【背景技術】
【0002】
WIM(走行車両重量計測)システムは、少なくとも1つのWIMセンサを有する。WIMセンサは、車両が、車道のセクション上で運転される間に、車両の車輪により車道のセクションの表面に及ぼす力を測定する。簡単のため、車道のセクションを、ただ単に車道と呼称することになる。車道は、少なくとも1つのレーン(車線)を有する。レーンは、車両についての走行の方向を有している。本文書における車両は、運転方向と直角をなして離れて間隔を空けられる、車軸ごとに2つの車輪を有している、少なくとも2つの車軸を有している車両を指す。車輪は、シングル・タイヤ、スーパー・シングル・タイヤ、又はダブル・タイヤを有していることがある。1つの車軸の車輪が、2つのトラックにおいてレーンに触れており、それらのトラックは、運転方向に平行であり、本質的には車軸上の車輪の間隔に等しい、運転方向と直角をなす間隔を有しているということは、よくあることである。
【0003】
WIMシステムは、車両識別、速度測定、又は車両存在測定のために、追加的なセンサを有していることがある。WIMセンサは、車道の表面と同一平面で(すなわち面一で)、道路内に配置される。通常、WIMセンサは、伸長された外形を有しており、そのWIMセンサは、トラックと直角をなす伸長を伴って配置される。通常、WIMセンサは、車輪の少なくとも1つのトラックがWIMセンサを通過するような方式で配置される。
【0004】
WIMセンサは、通常、車両の車輪力、又は車軸力、又は総重量を決定するために使用される。車輪力は、車輪により車道表面に及ぶ、車両の総重量の幾分かに対応する。車軸力は、車軸の車輪のすべての車輪力の和である。総重量は、車両のすべての車軸のすべての車軸力の和である。力が、道路内に配置されるWIMセンサに及ぶ場合、WIMセンサ内に配置される測定要素は、道路に及ぼされる力に比例するWIM信号を提供している。
【0005】
伸長された輪郭部を有しているWIMセンサは、欧州特許出願公開第0491655A1号、欧州特許出願公開第2372322A1号、欧州特許出願公開第2737465A1号、又は欧州特許出願公開第0654654A1号から知られている。WIMセンサは、伸長の方向に沿って互いに離れて間隔を空けられて配置された測定要素を有している。測定要素は、別個の測定信号を提供することがある。測定要素の測定される信号を別個に識別することにより、車両のトラックの位置、すなわち、WIMセンサを横切る車輪の位置を決定する(determine;判定する)ことが可能である。
【0006】
加えて、欧州特許出願公開第0654654A1号から、いくつかのWIMセンサが、車道内に配置され、WIMシステムの一部である、レイアウトが知られている。
【0007】
横切るときに車輪がWIMセンサに及ぼす力の測定は、車両の重量の次に、さらには、WIMセンサの前の道路の状況に依存している。さらには、ブレーキ及び加速操縦は、重量測定に影響を与える。それゆえ、良好な測定精度を有するように、通常、いくつかのWIMは、運転方向に離れて間隔を空けられて、道路内に配置される。同じ車輪のいくつかの測定量を取得することにより、測定精度は、例えば標準的な統計的方法により、増すことがある。
【0008】
しかしながら、WIMセンサは高価であり、そうして、運転方向に離れて間隔を空けられたいくつかのWIMセンサを有するWIMシステムの改善された測定精度は高価になる。WIMセンサそれ自体が高価であり、加えて、車道内の設置は、いくつかの切削が車道内でなされることを要し、そのことは、コスト及び時間の両方がかかる。
【0009】
それゆえ、レーンごとに運転方向に離れて間隔を空けられた2つ又は3つのWIMセンサを単に配置することは、非常によくあることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0491655A1号
【特許文献2】欧州特許出願公開第2372322A1号
【特許文献3】欧州特許出願公開第2737465A1号
【特許文献4】欧州特許出願公開第0654654A1号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】「NIST Handbook 44 - Specifications, Tolerances, and Other Technical Requirements for Weighing and Measuring Devices (as adopted by the 106th National Conference on Weights and Measures 2021), published 2022」米国国立標準技術研究所、米国商務省
【非特許文献2】Burnosら「Accuracy criteria for evaluation of weigh-in-motion systems」、Metrology and Measurement Systems 24、743~754頁、2018年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
運転方向に離れて間隔を空けられた2つのWIMセンサの配置よりも、より高い測定精度を有している、より経済的なWIMシステムを提供することが、本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
課題のうちの少なくとも1つは、独立請求項の構成により解決される。
【0014】
本発明のWIMシステムは、少なくとも1つのWIMセンサを有する。WIMセンサは、車道表面と同一平面で、車道のレーン内に配置される。
【0015】
本説明の文脈におけるレーンは、車両についての走行の方向を有している。レーンは、通常、走行の方向に動く車両の単一の進路のために使用される。車道は、レーン標示により分離されることがある、いくつかのレーンを有していることがある。異なるレーンは、走行の異なる方向、例えば、走行の対向する方向を有していることがある。WIMセンサは、長手軸に沿ったロングデザイン(長い設計又は意匠)であり、長手軸に沿った長さを有している。WIMセンサは、長手軸と直角をなし車道表面に平行な幅を有している。WIMセンサの幅は、通常、長手軸に沿ったWIMセンサの長さよりもはるかに小さい。通常、その幅は、その長さよりも少なくとも5倍小さい。WIMセンサは、そのWIMセンサの長手軸に沿って互いに離れて間隔を空けられた複数の測定区域を有している。各測定区域は、測定区域の領域内でWIMセンサに及ぼされる力を個々に決定するように、及び、その力を測定信号として提供するようにセット・アップされる。このようにして、及ぼされる力の位置が決定され得る。力が2つの測定区域の中間に及ぼされる場合、WIMセンサに及ぼされる力の位置を決定することが可能でさえある。及ぼされる力は、通常、その上、隣接する測定区域に部分的に伝達される。
【0016】
本発明にしたがえば、長手軸は、走行の方向に沿ってWIMセンサの上方を通過する車両の車輪が、少なくとも3つの隣接する測定区域の測定信号として検出されるように、走行の方向とのアラインメント角度を形成する。1つの測定信号が、各測定区域内で検出される。車輪は、その車輪が通過する少なくとも3つの測定区域上でWIMセンサに力を及ぼしている。本説明の語意における車輪は、少なくとも155mmの幅を伴う自走式陸上車両の車輪である(1mm(ミリメートル)は10-3メートルである)。より小さい車輪幅が実在するが、そのような車輪幅を有している車両は、本説明の文脈において関心事ではないものである。必要なアラインメント角度は、それゆえ、走行の方向に動くときの車輪の接地面幅、及び、3つの測定区域のうちの最も外のもの同士の間の距離により、直接決定される。接地面幅は、車道表面と実際に接触している、車両の車輪の一部分である。
【0017】
WIMシステムを使用して、測定される車輪力における信頼度の尺度(又は指標)を決定するための方法であって、車輪力が、WIMセンサの上方を通過する車輪によりWIMセンサに及ぼされる、方法が説明される。横断される各測定区域の車輪力が、測定信号として提供される。信頼度レベルが、とりわけ(among another)、少なくとも3つの測定信号の差にしたがってセットされ、又は、少なくとも3つの測定信号のアベレージ値が形成され、信頼度レベルが、車輪が通過するときに提供される測定信号の偏差にしたがってセットされる。
【0018】
偏差は、標準偏差であり、又は、分散であり、又は、最大偏差であり、又は、標準偏差に比例し、又は、分散に比例し、又は、最大偏差に比例する。偏差は、さらには、別の確率論的ばらつき尺度(又は指標)であることがある。
【0019】
以下に、WIMシステム及び方法の詳細が説明される。以下の実施例において説明される構成は、それぞれの実施例について排他的に説明されるものではないということに留意されるべきである。構成の組み合わせが可能でないということが明示的に述べられない限り、説明される実施例の構成は、なおも組み合わされ得る。
【0020】
1つの好ましい実施例において、WIMシステムは、レーン上の車両の存在を決定するようにセット・アップされる、少なくとも1つの存在センサを有する。レーンは、WIMセンサが内に配置される、前述のレーンである。このようにして、レーン上の車両の存在が検出され得る。走行方向に沿って走行する大部分の車両の車輪パッチは、車輪の通常のトラックと呼ばれる、全く異なる位置において、レーンを進み行く。このトラックは、知られており、レーンによっては、さらにはトラック溝と呼ばれる、悪名高い車輪轍の原因となる。走行方向と直角をなす方向におけるWIMセンサの制限された長さに起因して、レーン上で運転されるときに大部分の車両の車輪パッチが進み行く車輪トラック内で車輪が走行していない場合、レーン上の車両の車輪は、WIMセンサを横切らないことがある。この事例におけるWIMセンサは、車輪がWIMセンサを通過していないので、いかなる測定信号も検出しないことになる。しかしながら、存在センサは、レーン上の車両の存在を測定することになる。このようにして、存在が検出されたが、WIMセンサにより測定信号が獲得されない、又は、不満足に獲得された場合、車両は、そのことにしたがって、評価ユニットによりマーキングされ得る。そのようなマーキングされた車両は、特別な光サインにより交通から分離され、特別な場所の方に至ることがあり、その場所において、その車両の重量は、例えば静的な車両計器による普通の様式で決定されることがある。
【0021】
評価ユニットによるマーキングは、車両、又は、車両の一部、例えばライセンス・プレートの画像をとることを含むことがある。
【0022】
WIMセンサにおいて、各2つの隣接する測定区域は、互いからのWIMセンサの長手軸に沿った距離を有している。各測定区域は、少なくとも1つの測定要素を有する。
【0023】
測定要素は、圧電測定要素、又は、ピエゾ抵抗測定要素、又は、歪みゲージを伴う測定要素、又は、光学ファイバ内に導入されるファイバ光学測定要素である。当然ながら、これらの測定要素のうちのいくつかが、測定区域内に存在することがあり、それらの測定要素の測定信号は、測定区域の1つの測定信号に組み合わされることがある。測定要素は、その測定要素に及ぼされる力を検出する。測定要素は、一般的には力変換器である。当業者は、容量性力変換器、又は他のものに類する、上記で一度述べられたものとは異なる、及び、力変換器において使用される、他の好適な力検出技法を考え付くことがある。
【0024】
好ましい実施例において、WIMセンサは、長手軸に沿って伸長された輪郭部を有する。長い輪郭部は有益であり、なぜならば、WIMセンサの装着は、輪郭部が全体として車道表面内に配置される場合に、簡単であるからである。代替法として、長手軸に関して互いの隣にある、2つのより短い輪郭部が使用されることがある。
【0025】
特に好ましい実施例において、WIMセンサは、実質的に長手軸に沿って形成される空間を伴う、長手軸に沿って伸長された輪郭部を有する。各測定要素は、好ましくは、空間内で予荷重をかけられる。輪郭部は、空間を包囲する。輪郭部の内側の空間は、環境、及び、湿気又は埃などの環境外乱から保護される。加えて、測定要素に予荷重を付与することにより、輪郭部と測定要素との間には、力検知方向において間隙は存在しない。このことによって、道路に及ぼされる力、及び、測定要素の測定信号の、より良好な比例性が結果的に生じる。
【0026】
好ましくは、空間を有している輪郭部は、伝導性材料、例えば金属から作製される。そのような輪郭部は、測定信号を妨害することがある、外側の電磁妨害からの電磁遮蔽をもたらす。
【0027】
1つの実施例において、存在センサは、誘導ループ、又は、レーザ・センサ、カメラ、LIDARなどの光学センサである。存在センサは、さらには、RADARであることがある。好ましくは、存在センサは、走行の方向に対して45°から90°の間のアラインメント角度に配置される、追加的なWIMセンサである。追加的なWIMセンサはWIMセンサと同じ評価ユニットを使用することがあるので、このことは有利である。存在センサは、運転方向と直角をなすレーンの幅全部を事実上カバーする。存在センサは、それゆえ、レーン上の車両の存在を検出することができる。このことはWIMシステムにおいて有益であり、なぜならば、運転方向に関してレーン内のWIMセンサの角度を付けられた配置に起因して、WIMセンサは、通常、運転方向と直角をなして、完全にレーンをカバーしないからである。車両の大部分の車輪は、同じトラックにおいて運転される傾向があるが、通常使用されるトラック内にない運転される車両は、WIMセンサからそれることがある。この事例において、それらの車両の存在は、それでもなお存在センサにより検出される。
【0028】
(部分的に)WIMセンサからそれた、3つの測定信号が利用可能でないそれぞれの車両は、異なって処理され得る。例えば、3つの測定信号が車両に利用可能でない場合、その車両は、識別手段により識別されることがある。識別手段は、車両、又は、車両の一部のピクチャをとるカメラ(示されない)であることがある。
【0029】
3つの測定信号が車両に利用可能でない場合、案内システムにより検査現場に車両を案内することも可能である。案内システムは、交通シグナライゼーション(traffic signalization)を含むことがある。案内システムは、さらには、ナンバー・プレートの写真が識別手段により以前にとられた場合に、識別された車両のナンバー・プレートを示すことがある。検査現場は、静的な車両計器を含むことがある。
【0030】
好ましくは、アラインメント角度は、車輪の車輪接地面の幅である分母、及び、長手軸に沿った長さである分子の、商の逆余弦(アークコサイン)以下であり、その長さは、少なくとも3つの測定区域にわたって伸びる。このようにして、WIMセンサが内に配置されるトラック内で運転方向に沿って走行する車輪は、少なくとも3つの測定区域の上方で運転されることになる。
【0031】
アラインメント角度は、ゼロであるように選択されることがある、すなわち、WIMセンサは長手のものであり、軸は走行の方向に平行であるということを留意すべきである。
【0032】
正のアラインメント角度のみが本発明の説明で述べられるものの、同じ絶対値の負のアラインメント角度が、同じ効果を有しているということが理解される。角度が測定される方向は指定されないので、負及び正の角度は互換的である。
【0033】
好ましい実施例において、WIMシステムは、少なくとも1つの評価ユニットを有し、評価ユニットは、車輪が通過するときに提供される測定信号の平均値を形成及び提供するようにセット・アップされる。測定信号の平均値は、測定信号の和をとり、和をとられた測定信号の数で和を除算することにより算出されることがある。
【0034】
評価ユニットは、好ましい実施例において、平均値からの、車輪が通過するときに提供される測定信号の偏差を形成及び提供するための手段を有する。平均値からの偏差は、標準偏差であり、又は、分散であり、又は、最大偏差であり、又は、標準偏差に比例し、又は、分散に比例し、又は、最大偏差に比例する。当業者は、さらには、別の確率論的ばらつき尺度を使用することがある。
【0035】
好ましくは、評価ユニットは、少なくとも2つの測定区域についての差時間を決定するようにセット・アップされ、差時間は、少なくとも2つの測定区域のそれぞれの測定信号の時間差である。
【0036】
好ましくは、アラインメント角度は、35°よりも小さい。測定区域は、それゆえ、より大きな90°のアラインメント角度に対してよりも、走行の方向に互いからより遠く散らされる。このことは、差時間が、より高い正確さで決定され得るという利点を有している。差の相対的な測定の正確さは、時間測定の測定の不確かさが、一定の時間量であるときに増大する。90°の辺りのアラインメント角度の事例において、このことによって、差時間が、主として、時間測定精密度により左右されるという、不都合な影響が結果的に生じることになる。
【0037】
評価ユニットは、好ましくは、車輪スピードを、走行の方向への少なくとも2つの測定区域の距離の射影(projection)、及び、関連付けられる差時間から形成及び提供するようにセット・アップされる。車輪スピードは、交通違反、又はそれに類することを識別するために、WIMシステムにおいて使用されることがある。車輪スピードは、さらには、車両が制動又は加速しているかどうかを決定するために使用されることがあり、それらの制動及び加速の両方は、WIMセンサに及ぼされる車輪力に影響力をもつことになる。
【0038】
評価ユニットは、好ましくは、分類信号を形成及び提供するように適合させられる。
【0039】
分類信号は、WIMセンサに力を及ぼす車輪を、2つのグループ:良好な品質の測定量がとられた車輪、又は、測定量が良好な品質ではない車輪に分類するために使用される。当業者は、良好な品質の測定量と、良好でない品質の測定量との間の境界を規定しなければならない。このことは、互いからの同じ車輪の測定される値の最大許容偏差を使用することにより行われることがある。良好な品質の測定量と、良好でない品質の測定量との間の境界は、さらには、車両の重量測定に関する地方条例又はハンドブックにおいて与えられることがある。地方条例は、例えば、「NIST Handbook 44 - Specifications, Tolerances, and Other Technical Requirements for Weighing and Measuring Devices (as adopted by the 106th National Conference on Weights and Measures 2021), published 2022」米国国立標準技術研究所、米国商務省において、又は、Burnosらによる論文「Accuracy criteria for evaluation of weigh-in-motion systems」、Metrology and Measurement Systems 24、743~754頁、2018年において述べられている。
【0040】
分類信号は、偏差が、あらかじめ規定されたしきい値を上回る場合、第1の値を呈する。分類信号は、偏差が、あらかじめ規定されたしきい値よりも下回る、又は、このしきい値に等しい場合、第2の値を呈する。
【0041】
代替的には、分類信号は、少なくとも2つの形成される車輪スピードが、あらかじめ規定されたしきい値よりも大きく互いに異なる、及び/又は、少なくとも2つの測定信号が、あらかじめ規定されたしきい値よりも大きく互いに異なる場合、第1の値を呈する。分類信号は、少なくとも2つの形成される車輪スピードが、あらかじめ規定されたしきい値よりも小さく互いに偏倚する、若しくは、厳密にこのしきい値だけ互いに偏倚する、及び/又は、少なくとも2つの測定信号が、あらかじめ規定されたしきい値よりも大きく互いに偏倚する、若しくは、厳密にこのしきい値だけ互いに偏倚する場合、第2の値を呈する。
【0042】
熟達者は、さらには、分類信号をセットするために、偏差、車輪スピード、及び測定信号に関する要件の組み合わせを使用することがある。
【0043】
車輪スピードが、あらかじめ規定された値よりも大きく偏倚する場合、車両は、制動又は加速していることがあり、それらの制動及び加速の両方は、測定信号に影響力をもつことになる。測定信号は、この事例において、均一な直線的な動きを伴う車輪が道路に及ぼすことになる力と一致していない。車輪により通過される測定区域の測定信号が、WIMセンサを通過する1つの車輪に対して偏倚する場合、車輪の突然の運転操縦が起こった、又はそれに類することがあったということである。当然ながら、当業者は、それぞれの測定区域の較正が正しいかどうかを常にチェックすべきである。しかしながら、WIMセンサは、一般的な実践にしたがって、正しく特性を把握され、較正されるということが想定される。
【0044】
分類信号の第1の値は、分類信号の第2の値とは異なる。あらかじめ規定されたしきい値は、さらには、パーセントでの(percentual)差であることがある。
【0045】
分類信号は、WIMセンサによる不満足な測定を指示するために使用されることがある。それぞれの車両は、そのことにしたがって、評価ユニットによりマーキングされ得る。そのようなマーキングされた車両は、分類信号の値にしたがって、特別な光サインにより交通から分離され、特別な場所の方に至ることがあり、その場所において、その車両の重量は、例えば静的な車両計器による普通の様式で決定されることがある。
【0046】
上記で説明されたWIMシステムを使用して、測定される車輪力における信頼度の尺度を決定するための方法が、以下に説明される。車輪力が、WIMセンサの上方を通過する車輪によりWIMセンサに及ぼされる。横断される各測定区域の車輪力が、測定信号として提供される。
【0047】
信頼度レベルが、とりわけ、少なくとも3つの測定信号の差にしたがってセットされ、又は、少なくとも3つの測定信号のアベレージ値が形成され、信頼度レベルが、車輪が通過するときに提供される測定信号の偏差にしたがってセットされ、偏差は、標準偏差であり、又は、分散であり、又は、最大偏差であり、又は、標準偏差に比例し、又は、分散に比例し、又は、最大偏差に比例し、又は、別の確率論的ばらつき尺度である。
【0048】
信頼度レベルは、それぞれのあらかじめ規定されたしきい値により分離される、異なるあらかじめ規定された区間を含むことがある。信頼度レベルは、さらには、連続的な尺度であることがある。
【0049】
測定される車輪力における信頼度の尺度を決定するための好ましい方法において、差時間が、少なくとも2つの測定区域について規定される。差時間は、少なくとも2つの測定区域のそれぞれの測定信号の時間差である。車輪スピードが、走行の方向に沿った少なくとも2つの測定区域の距離、及び、関連付けられる差時間から形成される。信頼度レベルが、加えて、又は代替的には、少なくとも2つの車輪スピードの確率論的ばらつき尺度によりセットされる。
【0050】
好ましくは、信頼度レベルは、3つの測定信号があらかじめ規定された不確かさ範囲の中で等しい、又は、偏差があらかじめ規定された値よりも下である場合、第1の値にセットされる。
【0051】
方法は、WIMシステムが、走行の方向に対して45°から90°の間のアラインメント角度で配置された、追加的なWIMセンサの形態で存在センサを有するということを含むことがある。追加的なWIMセンサは、同じレーン内に、及び、WIMセンサから離れて間隔を空けられて、運転方向に配置される。通過する車両の車輪は、さらには、存在センサを通過する。存在センサは、少なくとも1つの力、及び、存在センサの少なくとも1つの対応する測定信号を決定する、少なくとも1つの測定区域を有している。信頼度レベルは、少なくとも3つの測定信号と存在センサにより決定される測定信号との差にしたがってセットされる。代替的には、信頼度レベルは、少なくとも3つの測定信号、及び、存在センサにより決定される測定信号の、アベレージ値の形成される偏差にしたがってセットされる。信頼度レベルによって、ユーザが、WIMシステムの重量測定の品質を容易に決定することが可能となる。
【0052】
説明される方法及びシステムによって、レーンを通過する車両の大部分について、車輪がWIMセンサに及ぼす力のいくつかの個々の測定量を生むことが可能となり、そのことによって、運転方向と直角をなして配置された2つのWIMセンサのみを有しているWIMシステムの標準的な構成によるよりも、決定される力のより高い精度が可能となる。同様の精度は、単に、運転方向に離れて間隔を空けられ、長手軸が運転方向と直角をなす様態で配置されたいくつかのWIMセンサを配置することにより、はるかに高いコストにおいて達成され得る。
【0053】
実施例を解説するために使用される図面は、概略的な表現であり、次のものを示す。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】上面視図におけるWIMシステムの実施例の例解の図である。
図2】上面視図におけるWIMシステムの別の実施例の例解の図である。
図3図2のWIMセンサの長手軸に沿った側面視図断面における、WIMシステムの実施例の例解の図である。
図4図2のWIMセンサの運転方向と直角をなす軸に沿った断面における、運転方向における視図における、WIMシステムの実施例の例解の図である。
図5図1におけるWIMセンサの例解の拡大視図である。
図6】WIMシステムを使用して、測定される車輪力における信頼度の尺度を決定するための方法の実施例の略図である。
図7】WIMシステムを使用して、測定される車輪力における信頼度の尺度を決定するための方法の好ましい実施例の略図である。
図8】道路の上面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1及び図2は、道路表面上の、上面視図における、本発明にしたがったWIMシステム1の実施例を示す。少なくとも1つのWIMセンサ2が、車道表面5と同一平面で、車道4のレーン3内に配置される。走行の方向6に動く車両7が示される。WIMセンサ2の長手軸8は、走行の方向6とアラインメント角度10を形成する。図2は、ゼロのアラインメント角度20を伴う実施例を示す一方、図1は、ゼロとは異なるアラインメント角度20を示す。アラインメント角度20は、明確さのため、図1及び図2において参照符を付けられないが、図5において示される、図1のWIMセンサ2の拡大視図において、より良好に可視的である。トラック9が、概略的に示され、車両7の大部分の車輪13が車輪13の接地面10によって道路表面5への接触を有している位置を指示する。本発明は、2レーン3車道4に制限されないことに留意すべきである。さらには、単レーン3車道4、又は、別の数のレーン3を伴う車道4が、WIMシステム1を装備されることがある。WIMセンサ2は、評価ユニット15に接続される。
【0056】
図3は、図2の走行の方向6に平行な、及び、高さ方向23に平行な、断面視図を示す。断面軸が、図2における線AA’により印される。高さ方向23は、道路表面5と直角をなす。明確さのため、WIMセンサ2は、ゼロのアラインメント角度20を伴って示され、すなわち、WIMセンサ2は、運転方向6に平行にアラインメントされる。WIMセンサ2は、車道表面5と同一平面で、車道4内に配置される。WIMセンサ2は、それぞれの距離dij、djkだけ、長手軸8の方向に離れて間隔を空けられる、少なくとも3つの測定区域M、M、Mを有する。WIMセンサ2に沿って走行する車両7の車輪13(車両7は示されない)は、WIMセンサ2の測定区域Mに力Fを及ぼす。WIMセンサ2は、評価ユニット15に接続される。WIMセンサ2の長さ25は、そのWIMセンサ2の幅24よりも高く、幅24は、図4の視図において示される。
【0057】
図4は、図2の走行の方向6と直角をなし高さ方向23に平行な断面視図を示す。断面は、図2における線BB’により印される。示される実施例において、WIMセンサ2は、車輪13又は車両7の接地面の幅10よりも短い幅24を有している。車両7は、走行の方向6において走行している。WIMセンサ2は、輪郭部17を有する。輪郭部17は、図4において示される実施例において、実質的に長手軸8(示されない)に沿って形成される空間18を有する。しかしながら、空間を伴わない輪郭部も選択されることがある。
【0058】
各測定区域Mは、図4において示されるように、少なくとも1つの測定要素16を有する。好ましくは、各測定要素16は、空間18内で予荷重をかけられて配置される。
【0059】
好ましくは、輪郭部17は、伝導性材料、例えば金属から作製される。
【0060】
図5は、上面視図におけるWIMセンサ2の詳細視図を示す。WIMセンサ2は、車道表面5と同一平面で、車道4のレーン6内に配置される。WIMセンサ2は、長手軸8と直角をなし車道表面5に平行な幅24を有している。WIMセンサ2の幅24は、通常、WIMセンサ2の長さ25よりも相当に(significally)小さく、例えば、その長さよりも少なくとも5倍小さい。WIMセンサ2は、そのWIMセンサ2の長手軸8に沿って互いに離れて間隔を空けられた複数の測定区域M、M、Mを有している。長手方向における2つの隣接する測定区域M、Mの間の距離dijは、WIMセンサ2の供給者の生産者により与えられる。トラック9が示され、そのトラック9において、車両7の大部分の車輪13(示されない)は、レーン3上で運転される傾向がある。
【0061】
アラインメント角度20は、走行の方向6に平行にWIMセンサ2の上方を通過する車両7の車輪13が、少なくとも3つの隣接する測定区域Mi、Mj、Mkの測定信号Si、Sj、Skとして検出されるように選択される。車輪13は、少なくとも155mmの接地面の幅10を有している。
【0062】
それゆえ、アラインメント角度20は、車輪13の車輪接地面の幅10である分母、及び、長手軸8に沿った距離dikである分子の、商の逆余弦以下であり、長さdikは、少なくとも3つの測定区域M、M、Mにわたって伸びる。
【0063】
図1、及び図2、及び図7から図8において、WIMシステム1は、好ましくは、レーン3上の車両7の存在を決定するようにセット・アップされる、少なくとも1つの存在センサ11を有する。存在センサ11は、走行の方向6においてWIMセンサ11から離れて間隔を空けられて配置される。存在センサ11は、走行方向6に関して、WIMセンサ2の前又は後のいずれかに配置されることがある。
【0064】
図において示される好ましい実施例において、存在センサ11は、図では90°が例示的に示された45°から90°の間の、走行の方向6に向かって、追加的なWIMセンサの伸長された軸のアラインメント角度で配置された追加的なWIMセンサである。追加的なWIMセンサの90°以外のアラインメント角度を伴う配置が、本明細書において引用される現況技術において例示的に示される。
【0065】
車両7、又はむしろ、その車両7の車輪13が、WIMセンサ2が配置されたトラック9からそれてしまい、3つの測定信号S、S、Sが車両7に利用可能でない場合、車両7は、図8において示されるように、案内システム26により検査現場27に案内されることがある。案内システム26は、交通シグナライゼーションを含むことがある。検査現場は、静的な車両計器を有することがある。
【0066】
WIMシステム1のWIMセンサ2は、例えば図1図2、及び図9において示される、少なくとも1つの評価ユニット15を有する。評価ユニット15は、図6において示されるように、車輪13がWIMセンサ2を通過するときに提供される測定信号Sの平均値MSを形成及び提供するようにセット・アップされる。
【0067】
評価ユニット15は、好ましい実施例において、図6において示されるように、平均値MSからの、提供される測定信号Sの偏差DSを形成及び提供するための手段を有する。
【0068】
好ましくは、評価ユニット15は、図6において示されるように、少なくとも2つの測定区域M、Mについての差時間tijを決定するようにセット・アップされる。図6において、車輪スピードvijが、走行の方向6への少なくとも2つの測定区域M、Mの距離dijの射影、及び、関連付けられる差時間tijから算出され、vij=dij・cos(α)/tijであり、αは、アラインメント角度20である。評価ユニット15は、好ましくは、図6図7、及び図8内に示された分類信号21を形成及び提供するように適合させられる。
【0069】
当然ながら、さらには、道路内に配置された追加的なWIMセンサ(示されない)を含むことがある、車輪スピードvijを算出するためのより複雑な体系が想像されることがある。知られている手立てで配置されたWIMセンサを伴うWIMシステム1は、欧州特許出願公開第0654654A1号の図11図12図15、又は図16、及び、対応する段落において示されるようなWIMセンサ配置の前又は後方に、本発明にしたがって配置されたWIMセンサ2を含んでもよい。
【0070】
図8において、分類信号21は、WIMセンサ2による不満足な測定を指示するために使用される。それぞれの車両7は、分類信号21の値にしたがって、特別な光サイン26により交通から分離され、特別な場所27の方に至り得るものであり、その場所において、その車両7の重量は、例えば静的な車両計器27による普通の様式で決定されることがある。
【0071】
WIMシステム1を使用して、測定される車輪力Fにおける信頼度の尺度を決定するための方法が、図6において概略的に示される。測定信号Si、Sj、Skが、評価ユニットに提供される。平均値MSが、評価ユニット15により決定される。加えて、示される実施例において、偏差DSが、評価ユニット15により決定される。測定区域Mi、Mj、Mkの知られている距離dij、djk、及び、知られているアラインメント角度20から、車両スピードvijが、評価ユニット15により決定される。
【0072】
評価ユニット15は、図6において示される分類信号21を決定するように、及び、交通案内システム26に分類信号21を提供するように適合させられる。
【0073】
図6において示される評価ユニット15は、加えて、信頼度レベル22を決定し、例えばディスプレイ28を介して、ユーザ(示されない)にその信頼度レベル22を提供するように適合させられる。ディスプレイは、さらには、次のもの:測定信号M、M、M、平均値MS、偏差DS、車両スピードvij、時間差tij、分類信号21、信頼度レベル22のうちの任意のものの表現を示すことがある。
【0074】
信頼度レベル22は、例えば図6及び図7において示されるようにセットされる。信頼度レベル22は、分類信号21と同様にセットされるが、車両7の分類のためにとは異なって使用されることがある。
【0075】
WIMセンサ2は、例えば図6及び図7において示されるように、通過する間にWIMセンサ2に力F、F、Fを及ぼす車輪13の測定信号Si、Sj、Skを提供する。信頼度レベル22は、上記で解説されたようにセットされる。信頼度レベル22によって、ユーザが、WIMシステム1の重量測定の品質を容易に決定することが可能となる。
【0076】
図7において、実施例は、図6の実施例と同様であり、存在センサ11が、WIMシステム1内に存在する。存在センサ11は、例えば存在センサ11が追加的なWIMセンサである事例では、追加的なWIMセンサに及ぼされる力fpに比例する力信号Pの形式における、信号Pとして車両7の存在を検出している。
【0077】
本発明の異なる態様及び実施例は、可能な場合に組み合わされ得るものであり、上記で説明された実施例のそのような組み合わせから結果的に生じる実施例は、なおも本発明の一部であるということが理解される。構成の組み合わせが可能でないということが明示的に述べられない限り、説明される実施例の構成は、組み合わされることがある。
【符号の説明】
【0078】
1 WIMシステム
2 WIMセンサ
3 レーン
4 車道
5 車道表面
6 走行の方向
7 車両
8 長手軸
9 トラック
10 車輪接地面の幅
11 存在センサ
13 車輪
15 評価ユニット
16 測定要素
17 輪郭部
18 空間
20、α アラインメント角度
21 分類信号
22 信頼度レベル
23 高さ方向
24 幅
25 長さ
26 案内システム/交通シグナリング
27 場所/計器
ij、djk 距離
DS 偏差
、F、F 力、車輪力
fp 力、車輪力
、M、M 測定区域
MS 平均値
P 測定信号
、S、S 測定信号
ij 差時間
ij 車輪スピード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】