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特開2024-35813デバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器、電動カット工具及び電動カット工具のカット開度制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035813
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】デバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器、電動カット工具及び電動カット工具のカット開度制御方法
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20240307BHJP
   B26B 15/00 20060101ALI20240307BHJP
   H01H 13/00 20060101ALI20240307BHJP
   G01D 5/20 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
B25F5/00 B
B26B15/00
H01H13/00 E
G01D5/20 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023138951
(22)【出願日】2023-08-29
(31)【優先権主張番号】202310886484.3
(32)【優先日】2023-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211074536.9
(32)【優先日】2022-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202222356325.6
(32)【優先日】2022-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519195028
【氏名又は名称】東莞市嘉航実業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳元 八大
(72)【発明者】
【氏名】馬 先鵬
【テーマコード(参考)】
2F077
3C064
3C065
5G206
【Fターム(参考)】
2F077AA12
2F077FF02
2F077FF11
2F077FF24
2F077VV02
3C064AA06
3C064AA07
3C064AA20
3C064AB03
3C064AC02
3C064BA13
3C064BA33
3C064BA36
3C064BB52
3C064CA04
3C064CA24
3C064CA40
3C064CA54
3C064CA71
3C064CA72
3C064CA80
3C064CA81
3C064CB05
3C064CB17
3C064CB64
3C064CB71
3C065EA02
3C065EA26
5G206GS16
5G206KS10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、デバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器、電動カット工具及び電動カット工具のカット開度制御方法を開示する。
【解決手段】トリガと誘導性センサとの相対位置変化によって変化し得る誘導性センサのインダクタンスを取得する。インダクタンスの増減が線形であるため、インダクタンスの線形変化により、制御プロセッサは、トリガと誘導性センサとの相対位置情報を正確に取得し、ブレードストローク制御部材の位置情報を取得することができる。各位置ポイントは、いずれも現在のブレードの位置にマッピングすることができる。しかも、誘導性センサ及びトリガを制御検出として採用することで、取付時に、従来の線形ホールデバイスのモデル選択が特定された後、取付時に磁石のS極又はN極を確認する必要があり、生産効率に影響を与えるという問題をなくすことができ、取付の利便性がより良くなる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具に取り付けられる信号発生器を含むデバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器であって、
信号発生器は、基板、手動アクチュエータ、空芯インダクタ及び磁化器を含み、
手動アクチュエータは、基板に可動に接続され、
手動アクチュエータ及び基板のいずれにも固定部位が設けられ、
二つの固定部位は、手動アクチュエータの動きにより相対的に接近又は相対的に離間する移動が発生し、
空芯インダクタ及び磁化器は、それぞれ二つの固定部位に接続され、
磁化器は、二つの固定部位の相対的に接近又は相対的に離間する移動によって、空芯インダクタの中部に沿って挿入され、又は空芯インダクタの中部に沿って離間される、
ことを特徴とするデバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器。
【請求項2】
手動アクチュエータは、可動部材及びコネクタを含み、
可動部材は、コネクタを介して基板に可動に接続され、
手動アクチュエータの固定部位は、可動部材に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のデバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器。
【請求項3】
基板には、可動部材にドッキングされる第1復帰ばねが担持され、
可動部材は、第1復帰ばねによって復帰される、
ことを特徴とする請求項2に記載のデバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器。
【請求項4】
コネクタは、基板に固定され、コネクタには、回転軸構造が設けられ、可動部材は、回転軸構造を中心に回転し、
空芯インダクタは、基板の固定部位に固定して接続され、磁化器は、可動部材の固定部位に伝動可能に接続され、基板には、案内スリーブが設けられ、磁化器は、案内スリーブに案内可能に接続され、磁化器は、案内スリーブにより空芯インダクタの中央に沿って挿入され、又は空芯インダクタの中央に沿って離間され、
磁化器は、可動部材の固定部位に当接して接続され、磁化器には、案内スリーブにドッキングされる第2復帰ばねが設けられ、磁化器は、第2復帰ばねによって復帰される、
ことを特徴とする請求項3に記載のデバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器。
【請求項5】
コネクタは、基板に固定され、コネクタには、回転軸構造が設けられ、可動部材は、回転軸構造を中心に回転し、
固定部位は、可動部材の一端に設定され、可動部材の中部は、回転軸構造に回転可能に係合し、可動部材の他端は、手動実行端として機能する、
ことを特徴とする請求項3に記載のデバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器。
【請求項6】
コネクタは、基板に固定され、コネクタには、案内孔構造が設けられ、可動部材は、案内孔構造にスライド可能に接続され、可動部材の上端は、手動実行端として機能し、固定部位は、可動部材の下端に設けられる、
ことを特徴とする請求項3に記載のデバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器。
【請求項7】
電動カット工具のカット開度制御方法であって、
ブレードストローク制御部材が所定のルートで正方向の動き、逆方向の動き、又は正方向の動きと逆方向の動きとを交互に行う動きを行って誘導性センサとトリガとの相対位置が変化するようにブレードストローク制御部材を動かす第1ステップと、
誘導性センサがトリガの相対位置に応じて対応するインダクタンスを生成する第2ステップと、
制御プロセッサが誘導性センサのインダクタンスを取得し、当該インダクタンスに基づいてブレードストローク制御部材の現在の動き位置を判断し、トリガと誘導性センサとの現在の相対位置を判断し、判断された位置情報に基づいて、電気駆動アセンブリの電気駆動部材にブレードストローク制御部材の位置に対応する制御信号を出力する第3ステップと、
電気駆動アセンブリがブレードを指定された位置に到達させるように駆動して第1ブレードと第2ブレードとによって形成されるカット開度を変化させる第4ステップと、を含む、
ことを特徴とする電動カット工具のカット開度制御方法。
【請求項8】
誘導性センサは、電動カット工具本体に取り付けられる中空環状インダクタ又は誘導コイルであり、トリガは、ブレードストローク制御部材に取り付けられる磁化器であり、
又は、誘導性センサは、ブレードストローク制御部材に取り付けられる中空環状インダクタ又は誘導コイルであり、トリガは、電動カット工具本体に取り付けられる磁化器であり、
ブレードストローク制御部材が所定のルートで正方向の動きを行うとき、磁化器は、中空環状インダクタ又は誘導コイルに挿入される移動状態をなし、ブレードストローク制御部材が所定のルートで逆方向の動きを行うとき、磁化器は、中空環状インダクタ又は誘導コイルから脱出される移動状態をなし、
又は、ブレードストローク制御部材が所定のルートで正方向の動きを行うとき、磁化器は、中空環状インダクタ又は誘導コイルから脱出される移動状態をなし、ブレードストローク制御部材が所定のルートで逆方向の動きを行うとき、磁化器は、中空環状インダクタ又は誘導コイルに挿入される移動状態をなす、
ことを特徴とする請求項7に記載の電動カット工具のカット開度制御方法。
【請求項9】
制御プロセッサには、中空環状インダクタ又は誘導コイルと協働する発振回路が設けられ、磁化器の相対位置に応じて中空環状インダクタ又は誘導コイルによって生成されるインダクタンスは、発振周波数に対応して変換され、磁化器の変位量の変化は、発振周波数の変化に対応し、
ブレードストローク制御部材を動かすとき、特定の透磁率を有する磁化器の特定の変位量に応答して、特定の検出周波数帯域の周波数を出力し、
制御プロセッサは、当該特定の検出周波数帯域に位置する周波数を受信した後、当該周波数に対応するカット開度の出力を対応して制御する、
ことを特徴とする請求項8に記載の電動カット工具のカット開度制御方法。
【請求項10】
制御プロセッサのメモリには、特定の検出周波数帯域のすべての周波数点情報が予め記憶されており、各周波数点は、一つのカット開度に対応し、
発振周波数を受信した後、制御プロセッサは、まず、受信した発振周波数が当該特定の検出周波数帯域に位置しているか否かを特定し、当該特定の検出周波数帯域に位置している場合には、対応するカット開度情報を比較して取得し、対応するカット開度の出力を対応して制御し、当該特定の検出周波数帯域に位置していない場合には、カット角度制御を対応して出力せず、又は現在のカット角度制御を維持する、
ことを特徴とする請求項9に記載の電動カット工具のカット開度制御方法。
【請求項11】
前記特定の検出周波数帯域は、低周波数帯域である、
ことを特徴とする請求項9に記載の電動カット工具のカット開度制御方法。
【請求項12】
外部異物の影響を表すための静的動作周波数が設けられ、前記特定の検出周波数帯域の周波数は、静的動作周波数未満である、
ことを特徴とする請求項11に記載の電動カット工具のカット開度制御方法。
【請求項13】
前記特定の検出周波数帯域は、40KHz~55KHzであり、カット開度が徐々に小さく調整されるとき、特定の検出周波数帯域の周波数は、漸減するように表現される、
ことを特徴とする請求項12に記載の電動カット工具のカット開度制御方法。
【請求項14】
ブレードストローク制御部材は、電動カット工具本体に回転可能に設けられる引き金であり、
引き金が所定のルートで行われることで、磁化器は、中空環状インダクタ又は誘導コイルから脱出される方向に移動し、終点に到達するとき、磁化器は、前記中空環状インダクタ又は誘導コイルの開口に接近し、当該開口を部分的に封鎖する状態を形成し、
磁化器による開口の部分的な封鎖は、断面が磁化器の断面以上である異物が当該開口を通過できないことを満たす、
ことを特徴とする請求項8に記載の電動カット工具のカット開度制御方法。
【請求項15】
電動カット工具であって、
電動カット工具本体を含み、電動カット工具本体には、
互いに係合してカットする第1ブレード及び第2ブレードであって、カットされる物を係合してカットするための第1ブレード及び第2ブレードと、
少なくとも一つのブレードを駆動し、第1ブレードと第2ブレードとによって形成されるカット開度を調整するための電気駆動アセンブリと、
正方向の動きと逆方向の動きが形成されるように、所定のルートで往復可動に設けられるブレードストローク制御部材と、
トリガと
誘導性センサと、
誘導性センサによって生成されたインダクタンスを受信し、当該インダクタンスに基づいて、ブレードに対する電気駆動アセンブリの駆動距離及び駆動方向を制御するための制御プロセッサと、が設けられ、
ここで、トリガ又は誘導性センサは、ブレードストローク制御部材に取り付けられ、ブレードストローク制御部材が所定のルートで動くとき、ブレードストローク制御部材は、トリガ又は誘導性センサを動かすことにより、トリガと誘導性センサとの相対位置が変化するため、誘導性センサのトリガ誘導によって生成されるインダクタンスが変化する、
ことを特徴とする電動カット工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動カット工具の技術分野に関し、具体的には、デバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器、電動カット工具及び電動カット工具のカット開度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動剪定鋏ブレードの位置制御は、主にホール効果に基づくホールデバイスの磁石誘導により実現されている。その動作原理は以下のとおりである。ホール効果は、本質的には移動する荷電粒子が磁場でローレンツ力によって引き起こされる偏向である。荷電粒子(電子又は正孔)が固体材料中に拘束されるとき、この偏向によって、電流と磁場に垂直な方向に正と負の電荷が蓄積されるため、追加の横方向電場、すなわち、ホール電場が形成される。現代の技術により電場の起電力の大きさを検出することで、引き金磁石からホールデバイスまでの距離を判断することができるため、剪定鋏の引き金とブレード位置とが関連付けられ、剪定鋏のブレードの位置制御が実現される。
【0003】
線形ホール効果ICが磁束密度に比例的に応答するため、図7に示すように、線形ホールデバイスの信号出力範囲が0VからVoutであると仮定する。磁場が存在しない場合、アナログ出力駆動1/2はVoutである。南北磁極誘導は独特の電圧を生成するため、線形ホールデバイスのモデル選択が特定された後、取付時に磁石のS極又はN極を確認する必要がある。したがって、ブレードの位置を制御する方法としてホール素子の磁石誘導を用いる従来の電動剪定鋏は、取付の利便性の点で優れておらず、その制御部分を改善する必要がある。
【0004】
南北磁極誘導は、ホールデバイスの磁石誘導の直線性に影響を与える独特の電圧を生成し、ホールデバイスの磁石誘導によって電動鋏のブレードの位置制御を実現する場合、その直線性処理は、MCUプロセッサが複雑な数学的計算を実行する必要があり、自由に動かす効果を達成することは困難である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上記欠点を克服し、上記問題を解決できる技術的手段を提供することを目的とするものである。
【0006】
上記目的を実現するために、本発明によれば、電動工具に取り付けられる信号発生器を含むデバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器であって、
信号発生器は、基板、手動アクチュエータ、空芯インダクタ及び磁化器を含み、
手動アクチュエータは、基板に可動に接続され、
手動アクチュエータ及び基板のいずれにも固定部位が設けられ、
二つの固定部位は、手動アクチュエータの動きにより相対的に接近又は相対的に離間する移動が発生し、
空芯インダクタ及び磁化器は、それぞれ二つの固定部位に接続され、
磁化器は、二つの固定部位の相対的に接近又は相対的に離間する移動によって、空芯インダクタの中部に沿って挿入され、又は空芯インダクタの中部に沿って離間されるデバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器という技術的手段が提供される。
【0007】
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は以下のとおりである。前記手動アクチュエータを手動で駆動することにより、手動アクチュエータは、基板に可動に接続される位置を基準として動くため、手動アクチュエータ上の固定部位が動作することで、二つの固定部位は、手動アクチュエータの動きにより相対的に接近又は相対的に離間する移動が発生することが実現される。この構造的特徴を利用して、空芯インダクタ及び磁化器をそれぞれ二つの固定部位に接続することで、磁化器は、二つの固定部位の相対的に接近又は相対的に離間する移動によって、空芯インダクタの中部に沿って挿入され、又は空芯インダクタの中部に沿って離間される。手動アクチュエータの状態が引かれ、緩められる過程で、磁化器全体は、空芯インダクタの内部において対応する挿入、離脱の動作を行う。この動作により、空芯インダクタにおける磁化器材料の透磁率が変化するため、空芯インダクタのインダクタンスが変化する。すなわち、空芯インダクタと磁化器とを分離して取り付け、磁化器と空芯インダクタとの相対距離変化によって空芯インダクタンスのインダクタンスを変化させる目的を達成することができる。しかも、当該インダクタンスの変化は線形である。
【0008】
本発明によれば、電動カット工具のカット開度制御方法であって、
ブレードストローク制御部材が所定のルートで正方向の動き、逆方向の動き、又は正方向の動きと逆方向の動きとを交互に行う動きを行って誘導性センサとトリガとの相対位置が変化するようにブレードストローク制御部材を動かす第1ステップと、
誘導性センサがトリガの相対位置に応じて対応するインダクタンスを生成する第2ステップと、
制御プロセッサが誘導性センサのインダクタンスを取得し、当該インダクタンスに基づいてブレードストローク制御部材の現在の動き位置を判断し、トリガと誘導性センサとの現在の相対位置を判断し、判断された位置情報に基づいて、電気駆動アセンブリの電気駆動部材にブレードストローク制御部材の位置に対応する制御信号を出力する第3ステップと、
電気駆動アセンブリがブレードを指定された位置に到達させるように駆動して第1ブレードと第2ブレードとによって形成されるカット開度を変化させる第4ステップと、を含む電動カット工具のカット開度制御方法という技術的手段がさらに提供される。
【0009】
本発明によれば、電動カット工具であって、
電動カット工具本体を含み、電動カット工具本体には、
互いに係合してカットする第1ブレード及び第2ブレードであって、カットされる物を係合してカットするための第1ブレード及び第2ブレードと、
少なくとも一つのブレードを駆動し、第1ブレードと第2ブレードとによって形成されるカット開度を調整するための電気駆動アセンブリと、
正方向の動きと逆方向の動きが形成されるように、所定のルートで往復可動に設けられるブレードストローク制御部材と、
トリガと
誘導性センサと、
誘導性センサによって生成されたインダクタンスを受信し、当該インダクタンスに基づいて、ブレードに対する電気駆動アセンブリの駆動距離及び駆動方向を制御するための制御プロセッサと、が設けられ、
ここで、トリガ又は誘導性センサは、ブレードストローク制御部材に取り付けられ、ブレードストローク制御部材が所定のルートで動くとき、ブレードストローク制御部材は、トリガ又は誘導性センサを動かすことにより、トリガと誘導性センサとの相対位置が変化するため、誘導性センサのトリガ誘導によって生成されるインダクタンスが変化する電動カット工具という技術的手段がさらに提供される。
【0010】
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は以下のとおりである。電動カット工具、すなわち、電動カット工具のカット開度制御方法は、トリガと誘導性センサとの相対位置変化によって変化し得る誘導性センサのインダクタンスを取得する。インダクタンスの増減が線形であるため、制御プロセッサは、インダクタンスを判断した後、現在のトリガと誘導性センサとの相対位置情報を取得することができるため、ブレードの位置制御にマッピングされ、ブレードの位置とブレードストローク制御部材の呼応が実現される。
【0011】
インダクタンスの線形変化により、制御プロセッサは、トリガと誘導性センサとの相対位置情報を正確に取得し、ブレードストローク制御部材の位置情報を取得することができる。各位置ポイントは、いずれも現在のブレードの位置にマッピングすることができる。しかも、誘導性センサ及びトリガを制御検出として採用することで、取付時に、従来の線形ホールデバイスのモデル選択が特定された後、取付時に磁石のS極又はN極を確認する必要があり、生産効率に影響を与えるという問題をなくすことができ、取付の利便性がより良くなる。
【0012】
本発明のさらなる態様及び利点は、以下の説明において部分的に与えられ、いくつかは以下の説明から明らかになり、又は本発明の実施により知られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の実施例又は従来技術における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明において必要とされる図面を簡単に紹介する。明らかに、以下に記載される図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的労力を払うことなく、これらの図面に従って他の図面を得ることもできる。
【0014】
図1】本発明における信号発生器の第1実施例の構造を示す概略図である。
図2】本発明における信号発生器の第2実施例の構造を示す概略図である。
図3】本発明における信号発生器の第3実施例の構造を示す概略図である。
図4】本発明における信号発生器の第4実施例の構造を示す概略図である。
図5】本発明における信号発生器の第5実施例の構造を示す概略図である。
図6】本発明における電動工具の構造を示す概略図である。
図7】従来の線形ホール効果の線形変化を示す概略図である。
図8】本発明のカット開度制御方法のフローチャートである。
図9】本発明における電動カット工具の内部構造を示す概略図である。
図10】本発明における電動カット工具の他の内部構造を示す概略図である。
図11】本発明における信号調整回路の回路原理図である。
図12】本発明における信号調整回路に対応する波形変化の例を示す図である。
図13】本発明において周波数を変換して出力するフローチャートである。
図14】本発明において周波数を受信してカット角度を制御するフローチャートである。
図15】本発明における発振回路の回路原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下は、本発明の実施例の図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、記載された実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力をすることなく得る他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0016】
図1図6を参照して、本発明の実施例では、インダクタの磁化器40誘導によって実現されている。インダクタの構造は、一般に、骨格、巻線、シールドケース、封止材料、磁化器40などからなる。本発明は、磁化器40とコイルとの相対位置を変化させることに応じてインダクタンスを変化させるものである。磁化器40がコイルから完全に離脱したとき、空気が磁化器40の媒体として機能し、磁化器40がコイルの中央の隙間にゆっくりと挿入されるとき、インダクタンスも磁化器40の動きに伴って変化する。上記の原理によれば、磁化器40が図面に従って剪定鋏の引き金に固定され、コイルも対応する合理的な位置に固定される。具体的には、本発明によれば、電動工具に取り付けられる信号発生器を含むデバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器が採用される。信号発生器は、基板10、手動アクチュエータ20、空芯インダクタ30及び磁化器40を含む。手動アクチュエータ20は、基板10に可動に接続されている。手動アクチュエータ20及び基板10のいずれにも、固定部位が設けられている。二つの固定部位は、手動アクチュエータ20の動きにより相対的に接近又は相対的に離間する移動が発生する。空芯インダクタ30及び磁化器40は、それぞれ二つの固定部位に接続されている。磁化器40は、二つの固定部位の相対的に接近又は相対的に離間する移動によって空芯インダクタ30の中部に沿って挿入され、又は空芯インダクタ30の中部に沿って離間される。
【0017】
以上の技術的手段により、使用時には、前記手動アクチュエータ20を手動で駆動することにより、手動アクチュエータ20は、基板10に可動に接続される位置を基準として動く。手動アクチュエータ20は、可動部材21及びコネクタ22を含む。可動部材21は、コネクタ22を介して基板10に可動に接続されている。手動アクチュエータ20の固定部位は、可動部材21に設けられるため、手動アクチュエータ20上の固定部位が動作することで、二つの固定部位は、手動アクチュエータ20の動きにより相対的に接近又は相対的に離間する移動が発生することが実現される。手動アクチュエータ20の動きは、一般に、手で引く、回す、押圧、引っ張るなどを採用する。手動操作後の自己復帰を実現するために、基板10には、可動部材21にドッキングされる第1復帰ばね11が担持され、可動部材21は、第1復帰ばね11によって復帰される。この構造的特徴を利用して、空芯インダクタ30及び磁化器40を二つの固定部位にそれぞれ接続することで、磁化器40は、二つの固定部位の相対的に接近又は相対的に離間する移動によって、空芯インダクタ30の中部に沿って挿入され、又は空芯インダクタ30の中部に沿って離間され、磁化器40と空芯インダクタ30との相対位置が変化するため、インダクタンスが変化する。
【0018】
図1図2を参照して、図1図2は、本発明における信号発生器の第1実施例及び第2実施例である。可動部材21が基板10に回転可能に接続されることにより動きが実現される。コネクタ22は、基板10に固定され、コネクタ22には、回転軸構造23が設けられ、可動部材21は、回転軸構造23を中心に回転する。空芯インダクタ30及び磁化器40は、それぞれ可動部材21及び基板10に設けられてもよく、それぞれ基板10及び可動部材21に設けられてもよく、実際のニーズに応じて設けられる。
【0019】
図3を参照して、図3は、本発明における信号発生器の第3実施例である。当該構造を設けることにより、可動部材21が動くときに、固定部位の移動軌跡は円弧となり、その結果、磁化器40は、空芯インダクタ30の中部に沿って挿入され、又は空芯インダクタ30の中部に沿って離間されることができなくなる。これに対して、空芯インダクタ30は、基板10の固定部位に固定して接続され、磁化器40は、可動部材21の固定部位に伝動可能に接続され、基板10には、案内スリーブ12が設けられ、磁化器40は、案内スリーブ12に案内可能に接続され、磁化器40は、案内スリーブ12により空芯インダクタ30の中央に沿って挿入され、又は空芯インダクタ30の中央に沿って離間されるように設けられてもよい。案内スリーブ12の構造により、磁化器40の移動方向を制限することができる。磁化器40と可動部材21とは、伝動可能な接続を採用する。当接押動により押動を動かす場合、磁化器40には、案内スリーブ12にドッキングされる第2復帰ばね41が設けられ、磁化器40は、第2復帰ばね41によって復帰される。また、手動アクチュエータ20に引き金が引かれる構造を模擬させるために、固定部位は、可動部材21の一端に設定され、可動部材21の中部は、回転軸構造23に回転可能に係合し、可動部材21の他端は、手動実行端として機能することにより、手動で引くことによって手動アクチュエータ20を動作させることが達成される。
【0020】
図4図5を参照して、図4図5は、本発明における信号発生器の第4実施例及び第5実施例である。可動部材21が基板10にスライド可能に接続されることにより動きが実現される。コネクタ22は、基板10に固定され、コネクタ22には、案内孔構造24が設けられ、可動部材21は、案内孔構造24にスライド可能に接続され、可動部材21の上端は、手動実行端として機能し、固定部位は、可動部材21の下端に設けられる。同様に、空芯インダクタ30及び磁化器40は、それぞれ可動部材21及び基板10に設けられてもよく、それぞれ基板10及び可動部材21に設けられてもよい。
【0021】
図6を参照して、実際の適用では、インダクタンスの計算式に基づく。
L=N2μA/l
【0022】
ここで、Lはインダクタンス、Nはコイルの巻数、μは磁化器の透磁率、Aは磁化器の断面積、lはコイルの長さである。上記の式から得られるように、空芯インダクタ30のインダクタンスの大きさは、磁化器材料の透磁率に比例し、磁化器材料の透磁率が大きくなるとき、インダクタンスが増加し、その増加は線形となる。逆に、磁石材料の透磁率が小さくなるとき、インダクタンスが低下し、その低下も線形となる。これを電動工具に適用し、本発明によれば、電動工具が採用される。電動工具は、電動鋏、電動ペンチ、電動鋸などの電動工具であってもよく、上述したデバイスのインダクタンス特性に基づく信号発生器を含み、本体3をさらに含む。本体3の前端には、作業ヘッド1が設けられている。本体3の内部には、回路制御ユニット2が設けられている。信号発生器は、本体3に設けられ、しかも、信号発生器及び作業ヘッド1は、いずれも回路制御ユニット2に電気的に接続される。基板10が本体3と固定して係合し、又は基板10が本体3と直接一体化されることにより、空芯インダクタ30は、本体3の内部に設けられ、磁化器40は、手動アクチュエータ20の一端に設けられ、手動アクチュエータ20の他端は、手動実行端として本体3の外部に露出され、手動アクチュエータ20の中部は、本体3に可動に接続される。
【0023】
電動鋏を例として、その作業ヘッド1は、電動鋏ヘッドである。電動鋏の回路制御ユニット2に空芯インダクタ30が電気的に接続され、電動鋏の手動アクチュエータ20に磁化器40が取り付けられる。一般的な電動鋏の手動アクチュエータ20は、引き金構造である。手動アクチュエータ20が緩められる状態の場合、磁化器40は、空芯インダクタ30の内部から離脱される。
【0024】
手動アクチュエータ20が繰り返し実行されるとき、磁化器40は、空芯インダクタ30の内部において対応する挿入、離脱の動作を行うようになる。空芯インダクタ30の内部における磁化器40の動作速度は、手動アクチュエータ20が引かれる、解放されるなどの関連動作の速度に追従する。
【0025】
以上をまとめると、手動アクチュエータ20の状態が引かれ、緩められる過程で、磁化器40全体は、空芯インダクタ30の内部において対応する挿入、離脱の動作を行う。この動作により、空芯インダクタ30における磁化器材料の透磁率が変化するため、空芯インダクタ30のインダクタンスが変化する。しかも、当該インダクタンスの変化は線形である。
【0026】
したがって、ホール素子の使用による従来の技術的欠陥を克服するために、空芯インダクタ30と磁化器40とを分離して取り付け、磁化器40と空芯インダクタ30との相対距離変化によって空芯インダクタ30のインダクタンスを変化させる目的を達成することができる。この方法に基づいて、対応する信号調整回路で処理することにより、MCUは、インダクタンスの変化の検出に成功し、現在の手動アクチュエータ20の操作の動作幅を完璧に判断することができる。さらに重要なことに、MCUは、空芯インダクタ30に対する磁化器40の相対距離を完璧に検出することができる。各距離ポイントは、現在の電動鋏のブレード位置にマッピングすることができるため、電動鋏のブレード位置と手動アクチュエータ20の位置とが対応することが実現され、ブレード位置を自由に動かすことが実現される。
【0027】
図8図15を参照して、電動カット工具のカット開度制御方法は、
ブレードストローク制御部材が所定のルートで正方向の動き、逆方向の動き、又は正方向の動きと逆方向の動きとを交互に行う動きを行って誘導性センサとトリガとの相対位置が変化するようにブレードストローク制御部材を動かす第1ステップと、
誘導性センサがトリガの相対位置に応じて対応するインダクタンスを生成する第2ステップと、
制御プロセッサが誘導性センサのインダクタンスを取得し、当該インダクタンスに基づいてブレードストローク制御部材の現在の動き位置を判断し、トリガと誘導性センサとの現在の相対位置を判断し、判断された位置情報に基づいて、電気駆動アセンブリの電気駆動部材にブレードストローク制御部材の位置に対応する制御信号を出力する第3ステップと、
電気駆動アセンブリがブレードを指定された位置に到達させるように駆動して第1ブレードと第2ブレードとによって形成されるカット開度を変化させる第4ステップと、を含む。
【0028】
本カット開度制御方法は、トリガと誘導性センサとの相対位置変化によって変化し得る誘導性センサのインダクタンスを取得する。インダクタンスの増減が線形であるため、制御プロセッサは、インダクタンスを判断した後、現在のトリガと誘導性センサとの相対位置情報を取得することができるため、ブレードの位置制御にマッピングされ、ブレードの位置とブレードストローク制御部材との呼応が実現される。
【0029】
インダクタンスの線形変化により、制御プロセッサは、トリガと誘導性センサとの相対位置情報を正確に取得し、ブレードストローク制御部材の位置情報を取得することができる。各位置ポイントは、いずれも現在のブレードの位置にマッピングすることができる。しかも、誘導性センサ及びトリガを制御検出として採用することで、取付時に、従来の線形ホールデバイスのモデル選択が特定された後、取付時に磁石のS極又はN極を確認する必要があり、生産効率に影響を与えるという問題をなくすことができ、取付の利便性がより良くなる。
【0030】
制御プロセッサは、誘導性センサのインダクタンスをリアルタイムで取得することが好ましい。
【0031】
上記のカット開度制御方法に基づいて、以下の電動カット工具を革新的に得ることができる。又は、上記のカット開度制御方法は、以下の電動カット工具に基づいて革新的に得られると理解され得る。電動カット工具は、次のように設けられる。
【0032】
電動カット工具は、電動カット工具本体101を含む。電動カット工具本体101には、
互いに係合してカットする第1ブレード102及び第2ブレード103であって、カットされる物(枝など)を係合してカットするための第1ブレード102及び第2ブレード103と、
少なくとも一つのブレード(第1ブレード及び/又は第2ブレード)を駆動し、第1ブレード102と第2ブレード103とによって形成されるカット開度を調整するための電気駆動アセンブリ104と、
正方向の動きと逆方向の動きが形成されるように、所定のルートで往復可動に設けられるブレードストローク制御部材105と、
トリガ106と
誘導性センサ107と、
誘導性センサ107によって生成されたインダクタンスを受信し、当該インダクタンスに基づいて、ブレードに対する電気駆動アセンブリ104の駆動距離及び駆動方向を制御するための制御プロセッサ108と、が設けられる。
【0033】
ここで、トリガ106又は誘導性センサ107は、ブレードストローク制御部材105に取り付けられ、ブレードストローク制御部材105が所定のルートで動くとき、ブレードストローク制御部材105は、トリガ106又は誘導性センサ107を動かすことにより、トリガ106と誘導性センサ107との相対位置が変化するため、誘導性センサ107のトリガ106誘導によって生成されるインダクタンスが変化する。
【0034】
電動カット工具本体には、トランスミッション(不図示)がさらに設けられていることが好ましい。ブレードストローク制御部材は、トランスミッションの出力端に対応し、トランスミッションの入力端には、ユーザ制御器が設けられている。ユーザが押動、回す、引くなどによりユーザ制御器を操作するとき、トランスミッションは、機械的伝動を介して、ブレードストローク制御部材を対応して動かす。トランスミッションによりブレードストローク制御部材の応答量を変化させる(動く範囲を拡大し、又は動く範囲を縮小するなど)ことにより、ユーザは、カット開度を所望の開度大きさに制御することが容易になる。
【0035】
電気駆動アセンブリ104の電気駆動部材は、一般にモータである。モータにより動力を出力し、モータの正逆回転により、最終的に対応するブレードに正方向の動き、逆方向の動きを行わせることができる。モータは、一つのブレードのみを駆動してもよく、二つのブレードを同時に駆動してもよい。モータがブレードを駆動するとき、モータによって出力される動力は、ギアボックス111を通過した後に最終的にブレードに到達し、トルク、速度又は方向の変化を達成することができる。
【0036】
電気駆動アセンブリ104が一つのブレードのみを駆動する場合において、駆動されるブレードが第1ブレード102である場合、第1ブレード102は、可動ブレードに対応し、第2ブレード103は、固定ブレードに対応する。第2ブレード103は、電動カット工具本体101に取り付けられる。第1ブレード102が電気駆動アセンブリ104によって駆動される形態は回転であってもよい。第1ブレードは、回転軸を介して電動カット工具本体に回転可能に設けられ、又は電動カット工具本体上の回転軸に回転可能に設けられ、又は動力出力軸に接続される。当該動力出力軸は、モータの出力軸又はギアボックスの出力軸であってもよい。
【0037】
電気駆動アセンブリ104の電気駆動部材は、正逆方向駆動機能を有する電動プッシュロッド、エアシリンダ、油圧シリンダ、電動スピンドルなどであってもよい。
【0038】
誘導性センサ107は、一般的に用いられる可変ギャップ型誘導型センサ、可変面積型誘導型センサ、ソレノイド鉄挿入型誘導型センサを採用してもよい。
【0039】
ブレードストローク制御部材105の動く形態は、復帰機能付きボタンなどの押圧式、スライドスリーブ、スライドプッシュロッドなどの押動式、引き金、ノブ、回転可能なグリップなどの回転式などであってもよい。
【0040】
本電動カット工具のブレードストローク制御部材の具体的な動く形態及び誘導性センサの具体的な設定は、上に列挙した手段及び直接導出することができる類似の手段から任意に組み合わせることができ、組み合わせた電動カット工具の実施例の一つは、図9図10に示すことができる。
【0041】
ブレードストローク制御部材は、電動カット工具本体101に回転可能に設けられる引き金501である。誘導性センサは、電動カット工具本体101に取り付けられる中空環状インダクタ又は誘導コイル701である。トリガは、引き金に取り付けられる磁化器601である。引き金501が回転するとき、磁化器601は、中空環状インダクタ又は誘導コイル701に挿入される移動状態をなし、又は中空環状インダクタ又は誘導コイル701から脱出される移動状態をなす。
【0042】
引き金501が引かれるとき、磁化器601は、回転する引き金501によって駆動されることで、磁化器601と中空環状インダクタ又は誘導コイル701との相対位置が変化し、中空環状インダクタ又は誘導コイル701によって生成されるインダクタンスが変化する。制御プロセッサ108は、中空環状インダクタ又は誘導コイル701のインダクタンスを取得し、当該インダクタンスに基づいて引き金501の現在の回転位置を判断し、磁化器601と中空環状インダクタ又は誘導コイル701との相対位置を判断し、判断された位置情報に基づいて、ブレードストローク制御部材105の位置に対応する制御信号を電気駆動アセンブリ104の電気駆動部材に出力する(すなわち、ブレードを対応する位置に駆動する)ことにより、第1ブレード102と第2ブレード103とによって形成されるカット開度100が対応する開度に調整される。
【0043】
磁化器601と中空環状インダクタ又は誘導コイル701との相対位置は、次のように変化する。
【0044】
1)ブレードストローク制御部材が所定のルートで正方向の動きを行うとき、磁化器601は、中空環状インダクタ又は誘導コイル701に挿入される移動状態をなす。ブレードストローク制御部材が所定のルートで逆方向の動きを行うとき、磁化器601は、中空環状インダクタ又は誘導コイル701から脱出される移動状態をなす。
【0045】
又は、2)ブレードストローク制御部材が所定のルートで正方向の動きを行うとき、磁化器601は、中空環状インダクタ又は誘導コイル701から脱出される移動状態をなす。ブレードストローク制御部材が所定のルートで逆方向の動きを行うとき、磁化器601は、中空環状インダクタ又は誘導コイル701に挿入される移動状態をなす。
【0046】
前述のブレードストローク制御部材は、所定のルートで動きを行うが、本実施例では、引き金501は、電動カット工具本体101に支持されて回転し、正方向の動きは、引き金が引かれたときの引き金の回転方向であると理解され得る。
【0047】
カット開度調整動作の一つとして、引き金501が引かれるとき、第1ブレード102と第2ブレード103とのカット開度は、小さくなり、すなわちカットされる物に対するカット状態を示す。
【0048】
磁化器は、磁心、又は鉄、ニッケル、マンガンなどの透磁率が高い金属部材であることが好ましい。
【0049】
電動カット工具には、引き金501に対応する弾性部材109がさらに設けられていることが好ましい。ユーザが引き金501を引くとき、弾性部材109は、引き金501の力によって弾性変形し、ユーザが引き金501を緩めるとき、弾性部材109は、弾性変形によって復元されるため、自動的に復帰させるように引き金501を動かす。弾性部材は、圧縮ばね、引張ばね、ねじりばね、弾性片などの弾性を有する物体を採用してもよい。
【0050】
同様に、同一又は類似の実施形態として、磁化器601の取付位置と中空環状インダクタ又は誘導コイル701の取付位置とは、交換可能であってもよい。すなわち、磁化器601は、電動カット工具本体101に取り付けられ、中空環状インダクタ又は誘導コイル701は、引き金501に取り付けられる。
【0051】
本実施例において、制御プロセッサ108は、中空環状インダクタ又は誘導コイル701のインダクタンス情報をより正確に取得できるようにするために、制御プロセッサ(MCU)は、信号調整回路を有する。当該信号調整回路は、二次積分回路、検出回路及びオペアンプを含む。当該二次積分回路は、方形波を、正負の振幅が誘導性センサのインダクタンスの変化に伴って変化する正弦波に置き換えるために用いられる。検出回路は、二次積分回路に置き換えられた正弦波を相対的に安定した直流電圧に変更するために用いられる。オペアンプは、検出回路によって得られた直流電圧を増幅するために用いられる。最終的に制御プロセッサ(MCU)に入力されてサンプリング、AD変換が行われ、それにより、制御プロセッサ(MCU)は、磁化器と中空環状インダクタ又は誘導コイルとの相対位置をより正確に判断する。波形変化は、図12を参照することができる。図12に示す波形変化は、例として理解されるべきであり、波形変化は、周波数、振幅などのデータの変化に応じて変形することができることに留意すべきである。
【0052】
図11に示すように、二次積分回路は、抵抗負荷R2、抵抗負荷R8及び容量性負荷C5を含む。検出回路は、ダイオードD2、抵抗負荷R7及び容量性負荷C4を含む。HPWM端から、周波数1Mhz、振幅5V、デューティサイクル50%の矩形波を入力することを例とする。抵抗負荷R2、抵抗負荷R8、容量性負荷C5は、中空環状インダクタ又は誘導コイル(図11のJ1)と協働してこの方形波を、正負の振幅が中空環状インダクタ又は誘導コイルのインダクタンスの変化に伴って変化する正弦波に変換する。中空環状インダクタ又は誘導コイルのインダクタンスが増加するとき、正弦波の振幅は低下する。ダイオードD2は、わずかな導通状態にあり、前述の変換によって得られた正弦波は、当該検出回路を通過した後に相対的に安定した直流電圧になる。しかも、当該直流電圧は、前述の正弦波の正周期の振幅に追従する。最後的に、検出回路によって出力された微弱な直流電圧は、AMP0オペアンプに入り、AMP0オペアンプによって直流電圧が増幅され、制御プロセッサ(MCU)に入力されてサンプリング、AD変換が行われる。
【0053】
具体的には、図13図15を参照して、本実施例において、誘導性センサを電動カット工具のカット開度制御に適用する際に、その信頼性、安定性を良い状態にすることができ、カット開度の制御によく適合させることができるようにするために、制御プロセッサには、中空環状インダクタ又は誘導コイルと協働する発振回路が設けられている。磁化器の相対位置に応じて中空環状インダクタ又は誘導コイルによって生成されるインダクタンスは、発振周波数に対応して変換され、磁化器の変位量の変化は、発振周波数の変化に対応する。ブレードストローク制御部材を動かすとき、特定の透磁率を有する磁化器の特定の変位量に応答して、特定の検出周波数帯域の周波数を出力する。制御プロセッサは、当該特定の検出周波数帯域に位置する周波数を受信した後、当該周波数に対応するカット開度の出力を対応して制御する。
【0054】
インダクタンスの計算式に基づくと、
L=NμA/l
ここで、Lはインダクタンス、Nはコイルの巻数、μは磁化器の透磁率、Aは磁化器の断面積、lはコイルの長さである。
【0055】
長期間使用できる電動カット工具として、コイルは通常、正常に使用される場合に交換されることはなく、上記の式から得られるように、実際に適用される場合、インダクタンスは、主に磁化器の透磁率、磁化器の断面積及びコイルに入る磁化器の深さによって決まる。すなわち、特定の断面積及び特定の透磁率の磁化器で、コイルに入る距離が特定の範囲内の値(すなわち、上記特定の変位量)である場合、生成されるインダクタンスは特定のインダクタンスとなる。特定のインダクタンスが発振回路によって変換された後、特定の検出周波数帯域に位置する周波数が得られる。片手で持つことができる電動鋏に適用される場合、磁化器は、直径3mmの円柱状ニッケル-亜鉛フェライトであってもよい。
【0056】
電動カット工具のカット開度制御、特に剪定用電動カット工具のカット開度制御では、電動カット工具の作業環境は非常に複雑である。例えば、透磁率は同じであるが断面積が異なる破片が誤ってコイルに落下した場合、又は断面積は同じであるが透磁率が異なる破片が誤ってコイルに落下した場合、誤ったトリガで電動カット工具が誤ってカットするようにすると、怪我や損失を引き起こしやすいため、電動カット工具の制御システムは、怪我や紛失の発生が低下するように、トリガが入るか否かを非常に確実に、安定して識別する必要がある。したがって、特定の検出周波数帯域を設定することにより、制御プロセッサは、特定の検出周波数帯域に属する周波数を取得した場合のみ、対応するカット開度制御を行い、特定の検出周波数帯域外の周波数がカット開度制御に与える影響が排除され、カット開度制御の信頼性と安定性が効果的に向上する。
【0057】
上記の特定の検出周波数設定及び特定の検出周波数に対する制御プロセッサの制御は、制御の信頼性と安定性を向上させる前提において、自身が有するコイル、磁化器、発振回路、制御プロセッサなどのハードウェアを除き、余分なハードウェア制御を追加する必要はなく、制御プログラムのみについて対応する設定をすればよく、コストの低下にさらに有利である。
【0058】
さらに、制御プロセッサのメモリには、特定の検出周波数帯域のすべての周波数点情報が予め記憶されており、各周波数点は、一つのカット開度に対応する。発振周波数を受信した後、制御プロセッサは、まず、受信した発振周波数が当該特定の検出周波数帯域に位置しているか否かを特定し、当該特定の検出周波数帯域に位置している場合には、対応するカット開度情報を比較して取得し、対応するカット開度の出力を対応して制御する。さらに、発振周波数を受信した後、制御プロセッサは、受信した発振周波数が当該特定の検出周波数帯域に位置していないと特定した場合には、カット角度制御を対応して出力せず、又は現在のカット角度制御を維持する。
【0059】
カット角度制御を出力しないことは、カット開度を初期角度に復元させることであってもよい。例えば、初期角度が最大開度まで開くように設定されている場合、受信した発振周波数が特定の検出周波数帯域内の周波数ではない場合、制御プロセッサは、自動的にこの制御を実行する。すなわち、電気駆動アセンブリにより初期位置に復元させるようにブレードを制御することで、カット開度が初期最大角度に復元され、ブレードが安全かつタイムリーに撤退されて元の位置に戻されることが効果的に確保され、安全性が向上し、人体への二次損傷が効果的に回避され、電動カット工具への二次損傷が効果的に低下する。
【0060】
前記特定の検出周波数帯域は、低周波数帯域であることが好ましい。剪定用の電動カット工具として、そのカット力は大きく、特定の検出周波数帯域を低周波数帯域に設定し、変換後のパルス数が適度であり、特定の検出周波数をカウントしやすく、対応するカット開度をより正確に制御しやすくなるため、誘導性センサは、電動カット工具のカット開度制御に適用される場合の適用性がより良くなる。前記特定の検出周波数帯域は、40KHz-55KHzであることがより好ましい。カット開度が徐々に小さく調整されるとき、特定の検出周波数帯域の周波数は、漸減するように表現される。例えば、得られた周波数が55KHzである場合、それに対応して、カット開度は最大に制御され、得られた周波数が40KHzである場合、それに対応して、カット開度は最小に制御される。上記の周波数帯域範囲は低周波数帯域で、55KHzから40KHzに漸減する線形比例は、ブレード比例により近接する。上記の周波数帯域が電動カット工具のカット開度制御に適用される場合、その適用性はより良くなり、上記特定の検出周波数帯域の選択は、カット開度制御の精度の向上にさらに有利である。
【0061】
外部異物の影響を表すための静的動作周波数が設けられ、前記特定の検出周波数帯域の周波数は、静的動作周波数未満である。発振の振幅は、検出点が150%よりも大きい値であることが好ましく、干渉防止性能がより良くなる。特定の検出周波数帯域が40KHz~55KHzと選択される場合、静的動作周波数は、60KHzとすることが好ましい。特定の検出周波数帯域と静的動作周波数との間には、大きな安全マージンがある。しかも、剪定用の庭園電動カット工具のカット開度制御では、一般的な金属異物は、銅、鉄、アルミニウム、汚染物質の水、水質汚染、木の葉、油汁などであり、影響する周波数帯域は、静的動作点に近接し、設定することで一般的な異物の影響を効果的に回避することができる。すなわち、上記特定の検出周波数帯域及び静的動作周波数の設定と選択は、一方では、誘導性センサが電動カット工具のカット開度制御に適用される場合に良好な適用性と制御精度を有することを確保することができ、他方では、静的動作周波数を設定する際に大きな安全マージンを有することになる。
【0062】
発振回路は、図15に示すように、抵抗負荷R2は出力電流制限抵抗であり、中空環状インダクタ又は誘導コイル(図15のJ1)に接続され、検出点は、A点であってもよく、B点であってもよく、A点は、高電位周波数出力点であり、B点は、低電位周波数出力点であり、PWMにより周波数制御を行うことが好ましい。
【0063】
本発明の実施例において、ブレードストローク制御部材が所定のルートで行われることで、磁化器は、中空環状インダクタ又は誘導コイルから脱出される方向に移動し、終点に到達するとき、磁化器は、前記中空環状インダクタ又は誘導コイルの開口に接近し、当該開口を部分的に封鎖する状態を形成する。
【0064】
磁化器による開口の部分的な封鎖は、断面が磁化器の断面以上である異物が当該開口を通過できないことを満たす。
【0065】
例えば、弾性部材109及び引き金501を有する場合、かつ、引き金が緩められるとき、弾性部材は、元の位置に戻されるように引き金を動かし、引き金が元の位置に戻されることに対応して中空環状インダクタ又は誘導コイルから脱出される方向に移動するように磁化器601を動かす。引き金が緩められるとき、磁化器は、中空環状インダクタ又は誘導コイルから脱出される方向に向かって移動するが、引き金が完全に緩められた後(引き金が元の位置に完全に戻された後)、磁化器と中空環状インダクタ又は誘導コイルの開口との間に確保された間隔は、小さな間隔として保持され、当該小さな間隔は、断面が磁化器の断面以上である異物が通過できないようにする。
【0066】
引き金の戻される元の位置は、対応する制限部材を設定することで制限できるため、引き金が完全に緩められた後(引き金が元の位置に完全に戻された後)の磁化器とコイルの開口との間に確保された間隔が前述の小さな間隔として維持できるため、断面が磁化器の断面以上である異物が通過できないようにし、誤った識別によるトリガの発生が効果的に回避され、電動カット工具のカット開度制御に適用される場合、その安全性がより良くなる。
【0067】
なお、電動カット工具を製造する場合、本電動カット工具の電力消費部材(制御プロセッサ、電気駆動アセンブリの電気駆動部材など)に電力を供給して正常に動作させるために、本電動カット工具は、電源モジュール110をさらに含む。電源モジュール110は、主電源に接続されることで本電動カット工具の電力消費部材に電力を供給するように設けられてもよい。また、電源モジュール110は、付属のバッテリを介して本電動カット工具の電力消費部材に電力を供給するように設けられてもよい。
【0068】
制御プロセッサと電気駆動アセンブリとの通信は、有線であってもよく、無線であってもよい。その有線及び無線通信技術は、一般的な技術であり、ここでは説明を省略する。
【0069】
当業者にとって、本発明が上記の例示的な実施例の詳細に限定されないことは明らかであり、そして本発明の精神又は基本的特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で本発明を実現することができる。したがって、どのような観点から見ても、実施例は例示的かつ非限定的であるとみなされるべきであり、本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内にあるすべての変形は、本発明に包含されることが意図される。特許請求の範囲におけるいかなる図面表記も、それらが関連する特許請求の範囲を制限するものとみなされるべきではない。
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