(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035822
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】中空シリカ粒子、その製造方法、及び中空シリカ分散液
(51)【国際特許分類】
C01B 33/18 20060101AFI20240307BHJP
C08F 2/18 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
C01B33/18 Z
C08F2/18
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023141080
(22)【出願日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】10-2022-0111654
(32)【優先日】2022-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】318007591
【氏名又は名称】ケーシーテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イ, ユ ジン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ジュン タク
(72)【発明者】
【氏名】イ, ヘ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ハン, ジェ ヒ
【テーマコード(参考)】
4G072
4J011
【Fターム(参考)】
4G072AA25
4G072BB16
4G072DD05
4G072DD06
4G072GG01
4G072GG03
4G072HH30
4G072JJ47
4G072MM31
4G072RR21
4G072TT01
4G072TT04
4G072TT05
4G072UU30
4J011JB02
4J011PA47
(57)【要約】
【課題】高いシェルの緻密度を有する中空シリカ粒子、その製造方法、及び中空シリカ分散液を提供する。
【解決手段】中空シリカ粒子は、中空のコアと、前記コアを取り囲むシリカシェルとを含み、前記シリカシェルは、非化学量論的(Non-stoichiometric)シリカを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空のコアと、
前記コアを取り囲むシリカシェルと、
を含み、
前記シリカシェルは、非化学量論的(Non-stoichiometric)シリカを含む、中空シリカ粒子。
【請求項2】
前記シリカシェルは、RxSiO2-x(0<x<0.5)由来のSiO2-x(0<x<0.5)を含む、請求項1に記載の中空シリカ粒子。
【請求項3】
前記シリカシェルは、RxSiO2-x(0<x<0.5)及びSiO2-x(0<x<0.5)を含む、請求項1に記載の中空シリカ粒子。
【請求項4】
前記Rは、ビニール基、フェニル基、フェニルアミノ基、メルカプト基、アルキル基、及びフッ素基からなる群より選択される少なくともいずれか1つを含む、請求項2又は3に記載の中空シリカ粒子。
【請求項5】
前記シリカシェルは、緻密度が2g/cm3以上5g/cm3以下である、請求項1に記載の中空シリカ粒子。
【請求項6】
前記コアの平均直径は100nm以下であり、
前記シリカシェルの平均厚さは20nm以下であり、
前記中空シリカ粒子の平均直径は30nm~100nmである、請求項1に記載の中空シリカ粒子。
【請求項7】
前記中空シリカ粒子の表面積は20m2/g~70m2/gである、請求項1に記載の中空シリカ粒子。
【請求項8】
コアを準備するステップと、
前記コア上にシリカシェルを形成してコアシェル粒子を準備するステップと、
前記コアシェル粒子をか焼してコアを除去するステップと、
を含み、
前記コア上にシリカシェルを形成してコアシェル粒子を準備するステップは、
前記コアが分散した分散液を準備するステップと、
前記分散液にシリカ前駆体を投入してコアシェルの形成溶液を準備するステップと、
前記コアシェルの形成溶液にシランカップリング剤を添加するステップと、
前記シランカップリング剤が添加されたコアシェルの形成溶液を乾燥させるステップと、
を含む、中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項9】
前記コアを準備するステップは、
陽イオン界面活性剤及びモノマーを合成してコアを準備するステップを含み、
前記陽イオン界面活性剤は、
CTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)、DTAB(臭化ドデシルトリメチルアンモニウム)、TTAB(臭化トリメチルテトラデシルアンモニウム)、CTAC(塩化セチルトリメチルアンモニウム)、CDEAB(臭化セチルジメチルアンモニウム)、OTAB(臭化オクタデシルトリメチルアンモニウム)、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、CAS(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、AS(アルキル硫酸エステル塩)、AES(アルキルエーテル硫酸エステル塩)、AOS(α-オレフィンスルホン酸塩)、及びSAS(アルキルスルホン酸ナトリウム)からなる群より選択される少なくともいずれか1つを含み、
前記モノマーは、スチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びアセテートビニルからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含む、請求項8に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項10】
前記陽イオン界面活性剤及びモノマーを合成してコアを準備するステップは、
蒸留水に前記陽イオン界面活性剤及び前記モノマーを入れて窒素パージして混合物を準備するステップと、
前記混合物を50℃~90℃の温度範囲で加熱した後、窒素の雰囲気下で重合開始剤を投入し、10時間~48時間撹拌して重合溶液を準備するステップと、
前記重合溶液を有機溶媒で洗浄した後、60℃~120℃の温度範囲で10時間~48時間の間乾燥するステップと、
を含む、請求項8に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項11】
前記シリカ前駆体は、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ-sec-ブトキシシラン、テトラ-tert-ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、トリビニルメトキシシラン、及びトリビニルエトキシシランからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含む、請求項8に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項12】
前記シランカップリング剤は、ビニール基シラン、フェニル基シラン、メルカプト基シラン、アルキル基シラン、及びフッ素基シランからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含み、
前記ビニール基シランは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、及びビニルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含み、
前記フェニル基シランは、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジエトキシジフェニルシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、及びメチルフェニルジクロロシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含み、
前記メルカプト基シランは、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、及び2-メルカプトエチルメチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含み、
前記アルキル基シランは、トリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジペンチルジメトキシシラン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジオクチルジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジペンチルジエトキシシラン、ジヘキシルジエトキシシラン、及びジオクチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含み、
前記フッ素基シランは、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、及びヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含む、請求項8に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項13】
前記コアシェル粒子をか焼してコアを除去するステップは、前記コアシェル粒子を50
0℃以上800℃未満の温度範囲で5時間~12時間の間に行う、請求項8に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項14】
前記コアシェル粒子をか焼してコアを除去するステップを介して、
前記シリカシェルのRxSiO2-x(0<x<0.5)構造がSiO2-x(0<x<0.5)構造に変換される、請求項8に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項15】
請求項1~7のいずれか一項に記載の中空シリカ粒子と、
表面処理剤と、
有機溶媒と、
を含む、中空シリカ分散液。
【請求項16】
前記表面処理剤は、ビニール基シラン、フェニル基シラン、メルカプト基シラン、アルキル基シラン、及びフッ素基シランからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含む、請求項15に記載の中空シリカ分散液。
【請求項17】
前記ビニール基シランは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、及びビニルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含み、
前記フェニル基シランは、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジエトキシジフェニルシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、及びメチルフェニルジクロロシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含み、
前記メルカプト基シランは、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、及び2-メルカプトエチルメチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含み、
前記アルキル基シランは、トリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジペンチルジメトキシシラン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジオクチルジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジペンチルジエトキシシラン、ジヘキシルジエトキシシラン、及びジオクチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含み、
前記フッ素基シランは、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、及びヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含む、請求項16に記載の中空シリカ分散液。
【請求項18】
前記中空シリカ粒子は、前記中空シリカ分散液のうち1重量%~25重量%であり、
前記表面処理剤は、前記中空シリカ分散液のうち5重量%~50重量%である、請求項15に記載の中空シリカ分散液。
【請求項19】
前記中空シリカ粒子は、前記表面処理剤によって表面改質されたものである、請求項15に記載の中空シリカ分散液。
【請求項20】
前記有機溶媒は、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン又はエチル乳酸塩、グリコールエーテル誘導体、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、又は、ジエチレングリコールジメチルエーテルと、グリコールエーテルエステル誘導体、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と、カルボン酸塩、エチルアセテート、n-ブチルアセテート、及び酢酸アミルと、2塩基性酸のカルボン酸塩、しゅう酸ジエチル、及びマロン酸ジエチルと、グリコールのジカルボン酸、エチレングリコールジアセテート、及びプロピレングリコールジアセテートと、ヒドロキシカルボン酸塩、メチル乳酸塩、乳酸エチル、グリコール酸エチル、及びエチル-3-ヒドロキシプロピオン酸と、ケトンエステル、メチルピルビン酸又はエチルピルビン酸と、アルコキシカルボン酸エステル、例えば、メチル3-メトキシプロピオン酸、エチル3-エトキシプロピオン酸、エチル2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸、又は、メチルエトキシプロピオン酸と、ケトン誘導体、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン又は2-ヘプタノンと、ケトンエーテル誘導体、ジアセトンアルコールメチルエーテルと、ケトンアルコール誘導体、アセトル又はジアセトンアルコールと、ケタール又はアセタール、1、3-ジオキソラン及びジエトキシプロパンと、ラクトン、ブチロラクトン、及びガンマバレロラクトンと、アミド誘導体、ジメチルアセトアミド又はジメチルホルムアミド、アニソールと、その混合物からなる群より選択された少なくとも1つ以上を含む、請求項15に記載の中空シリカ分散液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空シリカ粒子、その製造方法、及び中空シリカ分散液に関する。
【背景技術】
【0002】
シリカは様々な応用分野に使用される基盤物質であって、コアの部分に中空いている空間が存在する中空シリカ粒子は、中空部分に様々な有用物質を担持することができるため様々な産業分野に応用できる可能性が高い。シリカシェルの中に空気層を内包している中空シリカ粒子は、低い屈折素材でディスプレイの最外角層にコーティングして反射防止、眩しい防止の効果がある。
【0003】
中空シリカ粒子の製造方法として、フッ化マグネシウムがシリカにドープされた中空複合体で、平均粒径が20~500nmである中空複合体の製造方法が挙げられる。これは、ゾルゲル法によってシリカ粒子のコアとシェルを製造した後前記コアを除去する方法により中空粒子を製造する方法に関する。
【0004】
また、ポリオール溶媒を用いて銀ナノ結晶を合成するステップと、前記銀ナノ結晶にシリカをコーティングして銀シリカコアシェルナノ粒子を合成するステップ、及び前記銀シリカコアシェルナノ粒子の銀コアをエッチングするステップで構成される中空シリカ粒子の製造方法もある。
【0005】
一方、中空シリカ粒子は、低い液体透過性及び後工程を耐えるために、高いシェルの緻密度を有することが重要である。
【0006】
そのため、中空シリカシェルの緻密度を改善するために多くの研究がなされているが、シェルの緻密度が改善された中空シリカ粒子分散液を製造することに数多い困難がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するためのもので、本発明の目的は、高いシェルの緻密度を有する中空シリカ粒子、その製造方法、及び中空シリカ分散液を提供することにある。
【0008】
しかし、本発明が解決しようとする課題は以上で言及したものなどに制限されず、言及されない更なる課題は、下記の記載によって当該分野の当業者にとって明確に理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る中空シリカ粒子は、中空のコアと、前記コアを取り囲むシリカシェルとを含み、前記シリカシェルは、非化学量論的(Non-stoichiometric)シリカを含む。
【0010】
一実施形態において、前記シリカシェルは、RxSiO2-x(0<x<0.5)由来のSiO2-x(0<x<0.5)を含む。
【0011】
一実施形態において、前記シリカシェルは、RxSiO2-x(0<x<0.5)及びSiO2-x(0<x<0.5)を含む。
【0012】
一実施形態において、前記Rは、ビニール基、フェニル基、フェニルアミノ基、メルカプト基、アルキル基、及びフッ素基からなる群より選択される少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0013】
一実施形態において、前記シリカシェルは、緻密度が2g/cm3以上5g/cm3以下であってもよい。
【0014】
一実施形態において、前記コアの平均直径は100nm以下であり、前記シリカシェルの平均厚さは20nm以下であり、前記中空シリカ粒子の平均直径は30nm~100nmであってもよい。
【0015】
一実施形態において、前記中空シリカ粒子の表面積は20m2/g~70m2/gであってもよい。
【0016】
本発明の他の実施形態に係る中空シリカ粒子の製造方法は、コアを準備するステップと、前記コア上にシリカシェルを形成してコアシェル粒子を準備するステップと、前記コアシェル粒子をか焼してコアを除去するステップを含み、前記コア上にシリカシェルを形成
してコアシェル粒子を準備するステップは、前記コアが分散した分散液を準備するステップと、前記分散液にシリカ前駆体を投入してコアシェルの形成溶液を準備するステップと、前記コアシェルの形成溶液にシランカップリング剤を添加するステップと、前記シランカップリング剤が添加されたコアシェルの形成溶液を乾燥させるステップとを含む。
【0017】
一実施形態において、前記コアを準備するステップは、陽イオン界面活性剤及びモノマーを合成してコアを準備するステップを含むことができる。
【0018】
一実施形態において、前記陽イオン界面活性剤は、CTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)、DTAB(臭化ドデシルトリメチルアンモニウム)、TTAB(臭化トリメチルテトラデシルアンモニウム)、CTAC(塩化セチルトリメチルアンモニウム)、CDEAB(臭化セチルジメチルアンモニウム)、OTAB(臭化オクタデシルトリメチルアンモニウム)、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、CAS(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、AS(アルキル硫酸エステル塩)、AES(アルキルエーテル硫酸エステル塩)、AOS(α-オレフィンスルホン酸塩)、及びSAS(アルキルスルホン酸ナトリウム)からなる群より選択される少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0019】
一実施形態において、前記モノマーは、スチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びアセテートビニルからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0020】
一実施形態において、前記陽イオン界面活性剤及びモノマーを合成してコアを準備するステップは、蒸留水に前記陽イオン界面活性剤及び前記モノマーを入れて窒素パージして混合物を準備するステップと、前記混合物を50℃~90℃の温度範囲で加熱した後、窒素の雰囲気下で重合開始剤を投入し、10時間~48時間撹拌して重合溶液を準備するステップと、前記重合溶液を有機溶媒で洗浄した後、60℃~120℃の温度範囲で10時間~48時間の間乾燥するステップとを含む。
【0021】
一実施形態において、前記シリカ前駆体は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ-sec-ブトキシシラン、テトラ-tert-ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、トリビニルメトキシシラン、及びトリビニルエトキシシランからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0022】
一実施形態において、前記シランカップリング剤は、ビニール基シラン、フェニル基シラン、メルカプト基シラン、アルキル基シラン、及びフッ素基シランからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0023】
一実施形態において、前記ビニール基シランは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、及びビニルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0024】
一実施形態において、前記フェニル基シランは、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジエトキシジフェニルシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、及びメチルフェニルジクロロシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0025】
一実施形態において、前記メルカプト基シランは、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、及び2-メルカプトエチルメチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0026】
一実施形態において、前記アルキル基シランは、トリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジペンチルジメトキシシラン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジオクチルジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジペンチルジエトキシシラン、ジヘキシルジエトキシシラン、及びジオクチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0027】
一実施形態において、前記フッ素基シランは、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、及びヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0028】
一実施形態において、前記コアシェル粒子をか焼してコアを除去するステップは、前記
コアシェル粒子を500℃以上800℃未満の温度範囲で5時間~12時間の間に行うことができる。
【0029】
一実施形態において、前記コアシェル粒子をか焼してコアを除去するステップを介して
、前記シリカシェルのRxSiO2-x(0<x<0.5)構造がSiO2-x(0<x<0.5)構造に変換されることができる。
【0030】
本発明の更なる実施形態に係る中空シリカ分散液は、中空シリカ粒子と、表面処理剤と、有機溶媒とを含む。
【0031】
一実施形態において、前記表面処理剤は、ビニール基シラン、フェニル基シラン、メルカプト基シラン、アルキル基シラン、及びフッ素基シランからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0032】
一実施形態において、前記ビニール基シランは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、及びビニルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0033】
一実施形態において、前記フェニル基シランは、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジエトキシジフェニルシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、及びメチルフェニルジクロロシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0034】
一実施形態において、前記メルカプト基シランは、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、及び2-メルカプトエチルメチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0035】
一実施形態において、前記アルキル基シランは、トリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジペンチルジメトキシシラン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジオクチルジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジペンチルジエトキシシラン、ジヘキシルジエトキシシラン、及びジオクチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0036】
一実施形態において、前記フッ素基シランは、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、及びヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0037】
一実施形態において、前記中空シリカ粒子は、前記中空シリカ分散液のうち1重量%~25重量%であっておよい。
【0038】
一実施形態において、前記表面処理剤は、前記中空シリカ分散液のうち5重量%~50重量%であってもよい。
【0039】
一実施形態において、前記中空シリカ粒子は、前記表面処理剤によって表面改質されたものであってもよい。
【0040】
一実施形態において、前記有機溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン又はエチル乳酸塩、グリコールエーテル誘導体、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、又は、ジエチレングリコールジメチルエーテルと、グリコールエーテルエステル誘導体、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と、カルボン酸塩、エチルアセテート、n-ブチルアセテート、及び酢酸アミルと、2塩基性酸のカルボン酸塩、しゅう酸ジエチル、及びマロン酸ジエチルと、グリコールのジカルボン酸、エチレングリコールジアセテート、及びプロピレングリコールジアセテートと、ヒドロキシカルボン酸塩、メチル乳酸塩、乳酸エチル、グリコール酸エチル、及びエチル-3-ヒドロキシプロピオン酸と、ケトンエステル、メチルピルビン酸又はエチルピルビン酸と、アルコキシカルボン酸エステル、例えば、メチル3-メトキシプロピオン酸、エチル3-エトキシプロピオン酸、エチル2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸、又は、メチルエトキシプロピオン酸と、ケトン誘導体、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン又は2-ヘプタノンと、ケトンエーテル誘導体、ジアセトンアルコールメチルエーテルと、ケトンアルコール誘導体、アセトル又はジアセトンアルコールと、ケタール又はアセタール、1、3-ジオキソラン及びジエトキシプロパンと、ラクトン、ブチロラクトン、及びガンマバレロラクトンと、アミド誘導体、ジメチルアセトアミド又はジメチルホルムアミド、アニソールと、その混合物からなる群より選択された少なくとも1つ以上を含むことができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明の一実施形態に係る中空シリカ粒子は、低い液体透過性及び後工程を耐えるために高いシェルの緻密度を有することができる。
【0042】
本発明の一実施形態に係る中空シリカ粒子の製造方法により、高いシェル密度を調節して高いシェルの緻密度を有する中空シリカ粒子を製造することができる。この粒子の表面処理を介して分散液製造が可能になり、この分散液を適用したコーティング層の場合、ヘイズ(Haze)、反射率、硬度特性の改善される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明の一実施形態に係る中空シリカ分散液の製造工程を概略的に示したフローチャートである。
【
図2】
図1のコア準備ステップの細部工程を概略的に示したフローチャートである。
【
図3】
図1のコアシェル粒子準備ステップの細部工程を概略的に示したフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態に係るシリカシェルの構造の変換を説明するための図である。
【
図5】本発明の実施例1~4、比較例1~3による中空シリカ粒子のTEMイメージである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、添付の図面を参照して実施例について詳説する。しかし、本明細書で開示する特定の構造的又は機能的な説明は単に実施例を説明するための目的として例示したものであり、実施例は様々な異なる形態で実施され、本発明は本明細書で説明した実施例に限定されるものではない。実施例に対する全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれているものと理解されなければならない。
【0045】
実施例で用いられる用語は、単に、説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されることはない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0046】
異なるように定義さがれない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0047】
また、添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関係なく、同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。実施例の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が実施例の要旨を不要に曖昧にするものと判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0048】
また、実施例の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該の構成要素の本質や順番、又は順序などが限定されない。
【0049】
いずれかの実施例に含まれる構成要素と共通の機能を含む構成要素は、他の実施例で同じ名称を用いて説明することにする。逆の記載がない以上、いずれかの実施例に記載した説明は他の実施例にも適用され、重複する範囲で具体的な説明は省略することにする。
【0050】
以下、本発明の中空シリカ粒子、その製造方法、及び中空シリカ分散液に対して実施例及び図面を参照して具体的に説明する。しかし、本発明がこのような実施例及び図面に制限されることはない。
【0051】
本発明の一実施形態に係る中空シリカ粒子は、中空のコア、及び前記コアを取り囲むシリカシェルを含み、前記シリカシェルは、非化学量論的(Non-stoichiometric)シリカを含んでもよい。
【0052】
一実施形態において、前記シリカシェルは、SiとOの比率が1:2であるSiO2でない、1:2よりも低い比率である非化学量論的(Non-stoichiometric)の組成であってもよい。
【0053】
従って、前記シリカシェルの構造は、非整列的(disorder)な構造又はしわになっている(crumpled)形態であってもよい。
【0054】
本発明の一実施形態に係る中空シリカ粒子は、非化学量論的なシリカを含むことによって、低い液体透過性及び後工程を耐えるために高いシェルの緻密度を有することができる。
【0055】
一実施形態において、前記シリカシェルは、RxSiO2-x(0<x<0.5)由来のSiO2-x(0<x<0.5)を含んでもよい。
【0056】
一実施形態において、前記シリカシェルは、RxSiO2-x(0<x<0.5)及びSiO2-x(0<x<0.5)を含んでもよい。
【0057】
一実施形態において、RxSiO2-x(0<x<0.5)で前記Rは、ビニール基、フェニル基、フェニルアミノ基、メルカプト基、アルキル基、及びフッ素基からなる群より選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0058】
例えば、前記シリカシェルは、か焼過程中にRxSiO2-x(R=alkyl moe
try、CH3CH2...など)構造でSiO2-x(0<x<0.5)構造で化学的変換(chemical transformation)がなされる(即ち、酸素欠乏(oxygen deficiency)構造に変換)。か焼後の最終物質は、シェル構造
が細密化されながら(熱処理過程中に酸素と反応)緻密化されたほとんどのTEOS構造が酸素欠乏構造のSiO2-x(0<x<0.5)になる。
【0059】
一実施形態において、前記ビニール基シランは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、及びビニルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0060】
一実施形態において、前記フェニル基シランは、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジエトキシジフェニルシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、及びメチルフェニルジクロロシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0061】
一実施形態において、前記メルカプト基シランは、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、及び2-メルカプトエチルメチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0062】
一実施形態において、前記アルキル基シランは、トリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジペンチルジメトキシシラン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジオクチルジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジペンチルジエトキシシラン、ジヘキシルジエトキシシラン、及びジオクチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0063】
一実施形態において、前記フッ素基シランは、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、及びヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0064】
中空シリカ分散液の代表的なサンプルを収集して走査電子顕微鏡(SEM)で中空シリカ分散液の直径を測定してもよい。そして、中空部分の内径は透過電子顕微鏡写真(TEM)で測定してもよい。
【0065】
一実施形態において、前記シリカシェルは、緻密度が2g/cm3以上5g/cm3以下であってもよい。
【0066】
一実施形態において、前記コアの平均直径は、100nm以下、10nm~100nm、10nm~80nm、10nm~50nm、10nm~30nm、30nm~100nm、30nm~50nm、50nm~100nm、又は、80nm~100nmであってもよい。
【0067】
一実施形態において、前記コアの平均直径が10nm未満の場合、中空シリカ分散液の屈折率が高まるという問題が発生し、粒子の凝集による分散性の制御が困難になる。100nm超過の場合、ヘイズ(haze)が高まって透明性が低下し、シェルの強度が低下してフィルムに充填するときシェルが壊れる恐れがある。コアの平均直径により最終的に製造される中空シリカの平均直径が決定され、コアの平均直径を制御して最終的に製造される中空シリカの平均直径を制御し得る。
【0068】
一実施形態において、前記シリカシェルの平均厚さは20nm以下、18nm以下、15nm以下、13nm以下、10nm以下、8nm以下、又は、5nm以下であってもよい。
【0069】
一実施形態において、前記シェルの平均厚さが1nm未満の場合、中空シリカ分散液の製造時にコアが除去されるとき共に除去されるという問題があり、20nm超過の場合、中空シリカ分散液が不透明になり、シリカの比率が高くなることでシリカ自体の特性が発現して問題が発生する恐れがある。
【0070】
一実施形態において、前記中空シリカ粒子の平均直径は30nm~100nm、30nm~80nm、30nm~50nm、50nm~100nm、50nm~80nm、又は、80nm~100nmであってもよい。
【0071】
一実施形態において、前記中空シリカ粒子の表面積は、20m2/g~70m2/g、20m2/g~60m2/g、20m2/g~50m2/g、20m2/g~40m2/g、20m2/g~30m2/g、30m2/g~60m2/g、30m2/g~50m2/g、30m2/g~40m2/g、40m2/g~70m2/g、40m2/g~60m2/g、40m2/g~50m2/g、50m2/g~70m2/g、50m2/g~60m2/g、又は60m2/g~70m2/gであってもよい。
【0072】
一実施形態において、前記シェルの気孔体積(pore volume)は、0.1cm3/g~0.7cm3/gであってもよい。好ましくは、前記シェルの気孔体積は0.1cm3/g~0.5cm3/g、0.2cm3/g~0.7cm3/g、0.2cm3/g~0.6cm3/g、0.3cm3/g~0.7cm3/g、0.2cm3/g~0.5cm3/g又は0.4cm3/g~0.5cm3/gであってもよい。
【0073】
一実施形態において、前記シェルの気孔体積が0.1cm3/g未満の場合、粒子間凝集による分散性低下の問題があり、0.7cm3/g超過の場合、樹脂及び溶剤の浸透で後工程に耐え難く、シェルの強度が低下して中空シリカの構造が壊れるという問題がある。
【0074】
本発明の他の実施例に係る中空シリカ粒子の製造方法は、コアを準備するステップと、前記コア上にシリカシェルを形成してコアシェル粒子を準備するステップと、前記コアシェル粒子をか焼してコアを除去するステップとを含む。
【0075】
本発明の一実施形態に係る中空シリカ粒子の製造方法により、高いシェル密度を調節して高いシェルの緻密度を有する中空シリカ粒子を製造し得る。
【0076】
図1は、本発明の一実施形態に係る中空シリカ分散液の製造工程を概略的に示したフローチャートである。
【0077】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る中空シリカ分散液の製造方法は、コア準備ステップS110、コアシェル粒子準備ステップS120、及び中空シリカ粒子準備ステップS130を含む。
【0078】
一実施形態において、前記コア準備ステップS110は、陽イオン界面活性剤及びモノマーを合成してコアを準備する。
【0079】
一実施形態において、前記コアを準備するステップは、陽イオン界面活性剤及びモノマーを合成してコアを準備するステップを含んでもよい。
【0080】
一実施形態において、前記陽イオン界面活性剤及びモノマーを合成してコアを準備するステップは、蒸留水に前記陽イオン界面活性剤及び前記モノマーを入れて窒素パージして混合物を準備するステップと、前記混合物を50℃~90℃の温度範囲で加熱した後、窒素の雰囲気下で重合開始剤を投入し10時間~48時間撹拌して重合溶液を準備するステップと、前記重合溶液を有機溶媒で洗浄した後60℃~120℃の温度範囲で10時間~48時間の間乾燥するステップと、を含む。
【0081】
図2は、
図1のコア準備ステップの細部工程を概略的に示したフローチャートである。
【0082】
図2を参照すると、本発明のコア準備ステップS110は、混合物準備ステップS111、重合溶液準備ステップS112、及び洗浄及び乾燥ステップS113を含む。
【0083】
一実施形態において、前記混合物準備ステップS111は、蒸留水に前記陽イオン界面活性剤及び前記モノマーを入れて窒素パージして混合物を準備するステップである。
【0084】
好ましくは、蒸留水と陽イオン界面活性剤を入れて撹拌し窒素パージした後60℃~100℃の温度範囲、最も好ましくは、90℃でモノマーを入れて撹拌して混合物を準備する。
【0085】
一実施形態において、前記陽イオン界面活性剤は、CTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)、DTAB(臭化ドデシルトリメチルアンモニウム)、TTAB(臭化トリメチルテトラデシルアンモニウム)、CTAC(塩化セチルトリメチルアンモニウム)、CDEAB(臭化セチルジメチルアンモニウム)、OTAB(臭化オクタデシルトリメチルアンモニウム)、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、CAS(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、AS(アルキル硫酸エステル塩)、AES(アルキルエーテル硫酸エステル塩)、AOS(α-オレフィンスルホン酸塩)及びSAS(アルキルスルホン酸ナトリウム)からなる群より選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0086】
一実施形態において、前記陽イオン界面活性剤は、10、000~2、500、000の分子量(Mw)を有してもよい。好ましくは、100、000~2、000、000、200、000~1、500、000、200、000~1、000、000であってもよい。
【0087】
一実施形態において、前記モノマーは、スチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びアセテートビニルからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。好ましくは、前記モノマーは、ポリスチレンであってもよい。
【0088】
一実施形態において、前記モノマー、前記陽イオン界面活性剤の混合比率は、1:0.00001~1:0.001であってもよい。前記モノマー、前記陽イオン界面活性剤の混合比率が1:0.00001未満の場合、重合されたポリスチレン(Polystyrene)粒子の周辺を十分に取り囲まず、立体障害の効果が少なくて凝集する問題が発生し、1:0.001超過の場合、界面活性剤が重合前溶液に溶けずに粘度が高くて均一なポリスチレン粒子を形成し難しいという問題が発生する。
【0089】
一実施形態において、前記モノマーに比べて前記陽イオン界面活性剤の混合比率が高ければ、前記コアの平均直径が小さくなり、前記シリカシェルの厚さは厚くなることにより、前記モノマーに比べて前記陽イオン界面活性剤の混合比率が低くなれば、前記コアの平均直径が大きくなり、前記シリカシェルの厚さは薄くなる。
【0090】
一実施形態において、前記重合溶液準備ステップS112は、前記混合物を50℃~90℃の温度範囲で加熱した後、窒素の雰囲気下で重合開始剤を投入し10時間~48時間撹拌して重合溶液を準備するステップである。好ましくは、70℃~90℃の温度範囲、最も好ましくは、90℃到達後窒素の雰囲気下で重合開始剤を投入する。
【0091】
一実施形態において、前記重合開始剤は、2、2’’-アゾビス(2-プロピオンアミ
ジン)ジヒドロクロライド(AIBA)、2、2-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2、2-アゾビス(2-メチルイソブチロニトリル)、2、2-アゾビス(2、4-ジメチルバレロニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、クメンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、o-クロロベンゾイルパーオキサイド、o-メトキシベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサン酸、及びt-ブチルパーオキシイソ酪酸エステルからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0092】
一実施形態において、前記洗浄及び乾燥ステップS113は、前記重合溶液を有機溶媒で洗浄した後60℃~120℃の温度範囲で10時間~48時間の間に乾燥するステップである。好ましくは、70℃~100℃の温度範囲、最も好ましくは、80℃で24時間の間に乾燥させてもよい。
【0093】
一実施形態において、前記有機溶媒は、エタノール、メタノール、クロロホルム、クロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロエタン、及びジメチルスルホキシドからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。好ましくは、エタノールで重合溶液を洗浄してコアを収得することができる。
【0094】
一実施形態において、前記コア上にシリカシェルを形成してコアシェル粒子を準備するステップは、前記コアが分散した分散液を準備するステップと、前記分散液にシリカ前駆体を投入してコアシェルの形成溶液を準備するステップと、前記コアシェルの形成溶液にシランカップリング剤を添加するステップと、前記シランカップリング剤が添加されたコアシェルの形成溶液を乾燥するステップとを含む。
【0095】
図3は、
図1のコアシェル粒子準備ステップの細部工程を概略的に示したフローチャートである。
【0096】
図3を参照すると、本発明のコアシェル粒子準備ステップは、分散液準備ステップS121、コアシェルの形成溶液準備ステップS122、シランカップリング剤添加ステップS123、コアシェルの形成溶液乾燥ステップS124を含む。
【0097】
一実施形態において、前記分散液準備ステップS121は、前記コアを蒸留水に希釈し、塩基性物質を添加して分散液を準備するステップである。
【0098】
一実施形態において、前記塩基性物質は、アンモニア数、アンモニウムメチルプロパノール(ammonium methyl propanol;AMP)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(tetra methyl ammonium hydroxide;TMAH)、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、イミダゾール、及びその塩からなる群より選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0099】
一実施形態において、前記分散液のpHが7~12の範囲で調節してもよい。好ましくは、前記分散液のpHが8~11であってもよい。
【0100】
一実施形態において、前記分散液のpHが低くなれば中性に近づいて、シランの加水分解、縮合反応に困難が生じ、シェルの形成が均一にならず、前記コアシェル反応溶液の温度が高ければ、シランの加水分解、縮合反応の速度が速くなってコアの周辺にシリカを形成することなく個別的な球状のシリカが形成される可能性が高い。
【0101】
一実施形態において、前記コアシェルの形成溶液準備ステップS122は、前記分散液にシリカ前駆体を投入してコアシェルの形成溶液を準備するステップである。
【0102】
例えば、前記分散液を20℃~50℃の温度範囲で加熱した後、シリカ前駆体を投入してコアシェルの形成溶液を準備する。好ましくは、30℃~50℃の温度範囲、最も好ましくは、30℃に到達した後シリカ前駆体を投入することができる。
【0103】
一実施形態において、前記シリカ前駆体は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ-sec-ブトキシシラン、テトラ-tert-ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、トリビニルメトキシシラン、及びトリビニルエトキシシランからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0104】
一実施形態において、前記シランカップリング剤添加ステップS123は、前記コアシェルの形成溶液にシランカップリング剤を添加するステップである。
【0105】
一実施形態において、前記シランカップリング剤は、ビニール基シラン、フェニル基シラン、メルカプト基シラン、アルキル基シラン、及びフッ素基シランからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0106】
一実施形態において、前記ビニール基シランは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、及びビニルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0107】
一実施形態において、前記フェニル基シランは、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジエトキシジフェニルシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、及びメチルフェニルジクロロシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0108】
一実施形態において、前記メルカプト基シランは、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、及び2-メルカプトエチルメチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0109】
一実施形態において、前記アルキル基シランは、トリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジペンチルジメトキシシラン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジオクチルジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジペンチルジエトキシシラン、ジヘキシルジエトキシシラン、及びジオクチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0110】
一実施形態において、前記フッ素基シランは、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、及びヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0111】
中空シリカシェルの緻密度を改善するために、シリカシェルの合成時にシランカップリング剤を添加してシェル密度を調節することができる。この粒子の表面処理を介して分散液製造が可能になり、この分散液を適用したコーティング層の場合、ヘイズ(Haze)、反射率、硬度特性が改善される効果がある。
【0112】
一実施形態において、前記コアシェルの形成溶液乾燥ステップS124は、前記コアシェルの形成溶液を乾燥してコアシェル粒子を収得することができる。
【0113】
一実施形態において、前記コアシェル粒子をか焼してコアを除去するステップS130
は、前記コアシェル粒子を500℃以上800℃未満、500℃以上700℃未満、500℃以上600℃未満、600℃以上800℃未満、600℃以上700℃未満、700℃以上800℃未満、の温度範囲で5時間~12時間の間に行ってもよい。
【0114】
本発明において、コアを除去するステップで、シリカシェルの空いている空間が充填されてシェルの緻密度が増加し、気孔体積及び表面積が減少する。
【0115】
一実施形態において、前記か焼温度が500℃未満の場合、コアが除去されないという
問題が生じ、800℃超過の場合、粒子どうしが凝集するという問題が生じる。
【0116】
一実施形態において、前記コアシェル粒子をか焼してコアを除去するステップにより、
前記シリカシェルのRxSiO2-x(0<x<0.5)構造がSiO2-x(0<x<0.5)構造に変換されることができる。
【0117】
図4は、本発明の一実施形態に係るシリカシェルの構造の変換を説明するための図である。
【0118】
図4に示すように、シリカシェルは、か焼過程中においてR
xSiO
2-x(R=alk
yl moetry、CH
3CH
2...など)構造でSiO
2-x(0<x<0.5)構造で化学的変換(chemical transformation)が行われてもよい(即ち、酸素欠乏構造に変換)。か焼後に最終物質は、シェル構造が細密化されながら(
熱処理過程のうち酸素と反応)緻密化されたほとんどのTEOS構造のSiO
2-x(0<x<0.5)になる。即ち、単にSiO
2ではない酸素欠乏構造の非化学量論的なSiO
2-x(0<x<0.5)であってもよい。
【0119】
一実施形態において、前記か焼過程中に、全てのRxSiO2-x構造がSiO2-x(0
<x<0.5)の構造に化学的変換されて前記Rに表現される官能基が中空シリカ粒子のシリカシェルに全く含まれなくてもよく、これとは反対に、か焼工程の時間/温度調節を
介して、意図的に前記Rに表現される官能基を中空シリカ粒子のシリカシェルに含ませてもよい。
【0120】
このようなシリカシェルの構造的/構成的な差によって中空シリカの緻密度を制御することができ、その後本発明の中空シリカ粒子を分散液で実現したとき、中空シリカ分散液の屈折率を制御することができる。
【0121】
特に、前記か焼過程中に全てのRxSiO2-xの構造がSiO2-x(0<x<0.5)
の構造に化学的変換された場合、屈折率1.25未満の極めて低い屈折率を実現することができ、これとは反対に、前記Rに表現される官能基が中空シリカ粒子のシリカシェルに一部残っている場合、中空シリカシェルが表面改質されるという効果があり、分散性の向上などの長所がある。
【0122】
本発明の一実施形態に係る中空シリカの製造方法は、低い液体透過性及び後工程が耐えられるように高いシェルの緻密度を有し得る。
【0123】
本発明他の実施例に係る中空シリカ分散液は、本発明の一実施形態に係る中空シリカ粒子、表面処理剤、及び有機溶媒を含む。
【0124】
一実施形態において、前記表面処理剤は、ビニール基シラン、フェニル基シラン、メルカプト基シラン、アルキル基シラン、及びフッ素基シランからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0125】
一実施形態において、前記ビニール基シランは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、及びビニルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0126】
一実施形態において、前記フェニル基シランは、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジエトキシジフェニルシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、及びメチルフェニルジクロロシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0127】
一実施形態において、前記メルカプト基シランは、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、及び2-メルカプトエチルメチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0128】
一実施形態において、前記アルキル基シランは、トリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジペンチルジメトキシシラン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジオクチルジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジペンチルジエトキシシラン、ジヘキシルジエトキシシラン、及びジオクチルジエトキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0129】
一実施形態において、前記フッ素基シランは、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、及びヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシランからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0130】
一実施形態において、前記中空シリカ粒子は、前記中空シリカ分散液のうち1重量%~25重量%であってもよい。
【0131】
一実施形態において、前記表面処理剤は、前記中空シリカ分散液のうち5重量%~50重量%であってもよい。
【0132】
一実施形態において、前記中空シリカ粒子は、前記表面処理剤によって表面改質されたものであってもよい。
【0133】
一実施形態において、前記有機溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン又はエチル乳酸塩、グリコールエーテル誘導体、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、又は、ジエチレングリコールジメチルエーテル;グリコールエーテルエステル誘導体、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA);カルボン酸塩、エチルアセテート、n-ブチルアセテート及び酢酸アミル;2塩基性酸のカルボン酸塩、しゅう酸ジエチル及びマロン酸ジエチル;グリコールのジカルボン酸、エチレングリコールジアセテート及びプロピレングリコールジアセテート;及びヒドロキシカルボン酸塩、メチル乳酸塩、乳酸エチル、グリコール酸エチル、及びエチル-3-ヒドロキシプロピオン酸;ケトンエステル、メチルピルビン酸又はエチルピルビン酸;アルコキシカルボン酸エステル、例えば、メチル3-メトキシプロピオン酸、エチル3-エトキシプロピオン酸、エチル2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸、又は、メチルエトキシプロピオン酸;ケトン誘導体、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン又は2-ヘプタノン;ケトンエーテル誘導体、ジアセトンアルコールメチルエーテル;ケトンアルコール誘導体、アセトル又はジアセトンアルコール;ケタール又はアセタール、1、3-ジオキソラン及びジエトキシプロパン;ラクトン、ブチロラクトン及びガンマバレロラクトン;アミド誘導体、ジメチルアセトアミド又はジメチルホルムアミド、アニソール;及びその混合物からなる群より選択された少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0134】
一実施形態において、前記中空シリカ分散液のD50値は10nm~200nmであってもよい。
【0135】
好ましくは、前記中空シリカ分散液のD50値は10nm~180nm、10nm~150nm、10nm~100nm、10nm~150nm、10nm~30nm、50nm~200nm、50nm~180nm、50nm~150nm、50nm~100nm、50nm~80nm、80nm~200nm、80nm~150nm、80nm~130nm、80nm~100nm、100nm~200nm、100nm~150nm、100nm~130nm、150nm~200nm又は180nm~200nmであってもよい。
【0136】
一実施形態において、前記中空シリカ分散液のD50値が10nm未満の場合、中空シリカ分散液の屈折率が高まるという問題が発生し、粒子の凝集による分散性の制御が難しい。200nm超過の場合、ヘイズ(haze)が高まって透明性が低下し、シェルの強度が低下してフィルムに充填するときシェルが壊れる恐れがある。
【0137】
一実施形態において、前記中空シリカ分散液のD50値は、粒子サイズ分布の中央値に定義されてもよい。
【0138】
中空シリカ分散液の代表的なサンプルを収集して走査電子顕微鏡(SEM)で中空シリカ分散液の直径を測定することができる。そして、中空部分の内径は、透過電子顕微鏡写真(TEM)で測定してもよい。
【0139】
本発明の中空シリカ分散液は、基材に適用した後固体フィルムに転換される、中空シリカを含んでいるいずれあの液体、液化可能、又はマスチック(mastic)組成物を示すもので、前記中空シリカ分散液はいずれかの構造物表面の内部又は外部に適用されてもよい。
【0140】
本発明の中空シリカ分散液は、先に説明したような高透明、低反射率、眩しい防止効果を有する中空シリカ分散液とレジン、有機溶媒などを混合して製造することができる。
【0141】
前記中空シリカ分散液との屈折率を調節して透明な組成物を作るためには、レジンの屈折率は1.5未満であることが好ましく、好ましくは、UV硬化性樹脂のうち中空粒子と屈折率類似の樹脂を選択して使用したことが好ましい。
【0142】
一実施形態において、前記V硬化性樹脂は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくともいずれかを含んでもよい。
【0143】
一実施形態において、前記中空シリカ分散液には、ハードコーティング剤、UV遮断剤、又はIR遮断剤をさらに含んでもよく、前記添加剤は、周知のものを使用し、その他の場合は、追加的な機能を付与する添加剤をさらに含んでもよい。
【0144】
一実施形態において、前記中空シリカ分散液はいずれかのコーティング組成物であってもよく、いずれかの基材に適用されてもよい。
【0145】
本発明の中空シリカ分散液は、偏光フィルム、プリズムシート、ARシートなどのディスプレイ用の光学部材を製造するために用いてもよい。
【0146】
本発明の更なる実施例に係る拡散フィルムは、本発明の一実施形態に係る中空シリカ分散液及び他の実施例に係る中空シリカ分散液の製造方法によって製造された中空シリカ分散液の硬化体を含む。
【0147】
一実施形態において、前記拡散フィルムの透過率は94%以上であり、ヘイズ(Haze)は1.2%以下であり、反射率は0.8%以下であってもよい。
【0148】
一実施形態において、基材を準備し、前記基材に本発明の一実施形態に係る中空シリカ分散液を積層又は塗布してUV硬化させ、コーティング層を形成することにより硬化体を製造することができる。
【0149】
一実施形態において、前記コーティング方法は、グラビアコーティング、オフセットグラビアコーティング、2個及び3個のロール加圧コーティング(roll pressure coating)、2個及び3個のロールリバースコーティング(roll reverse coating)、浸漬コーティング、1個及び2個のロールキスコーティング、トレーリングブレードコーティング(trailing balde coating)、ニップコーティング(nip coating)、フレキソ・コーティング(flexographic coating)、反転ナイフコーティング(inverted knife coating)、ポリッシングバーコーティング(polishing bar coating)及び巻き線形ドクターコーティング(wire wound doctor coating)からなる群より選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。コーティング後にコーティング層をUV光線で硬化させ、硬化処理は10秒~1時間の間に完結することができる。
【0150】
本発明の一実施形態に係る拡散フィルムは、携帯電話、タブレットPC、PDP、ノート型パソコン、モニター、TVのバックライトユニットに組み込まれる拡散フィルムを製造するために用いられる。
【0151】
本発明の一実施形態に係る中空シリカ分散液の硬化体を含む拡散フィルムは、透過率が高くて反射率は低く、光学的に優れた特性を実現することができる。
【0152】
本発明の更なる実施例に係るディスプレイ用光学部材は、本発明の一実施形態の拡散フィルムを含む。
【0153】
本発明の一実施形態に係る拡散フィルムは、携帯電話、タブレットPC、PDP、ノート型パソコン、モニター、TVのバックライトユニットに組み込まれる光学部材に適用されてもよい。
【0154】
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳しく説明する。
【0155】
但し、下記の実施例は本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の内容が下記の実施例に限定されることはない。
【0156】
[製造例]
コア製造
500mlの3口フラスコに蒸留水と陽イオン界面活性剤CTAB(Cetyltrimetylammonium bromide)を入れて撹拌した。50℃まで昇温しながら窒素の雰囲気を作る。50℃にスチレンモノマー(styrene monomer)を入れて30分撹拌して混合物を準備した。重合開始剤として2、2’’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(2、2’’-Azobis(2-methylpropionamidine)dihydrochloride;AIBA)を入れて24時間の間撹拌して重合溶液を準備した。
【0157】
重合の完了した溶液をエタノールで洗浄した後、80℃オーブンに24時間の間乾燥させてポリスチレン(PS)粒子を製造した。
【0158】
[実施例1]フェニル基を有するシランカップリング剤を利用した中空シリカ
500ml3口フラスコにポリスチレン(PS)溶液7.5gを蒸留水280gに希釈した後、アンモニア数を添加してpH10に滴定した。30℃の温度でシリカ前駆体(シラン化合物)12gを添加して12時間の間撹拌してコアシェルの形成溶液を準備した。その後、コアシェルの形成溶液にシランカップリング剤として下記の構造式(1)に表示されるフェニル基シランカップリング剤であるフェニルトリメトキシシラン(phenyltrimethoxysilane;PTMS)1gを入れてシランカップリング剤が添加されたコアシェルの形成溶液を準備した。
【0159】
【0160】
前記シランカップリング剤が添加されたコアシェルの形成溶液を80℃オーブンで24時間の間乾燥させた。乾燥されたコアシェル粉末は、電気炉で500℃で5時間の間にか
焼を行ってシェルの緻密化過程を経て中空シリカ粉末を収得した。
【0161】
[実施例2]ビニール基を有するシランカップリング剤を利用した中空シリカ
シランカップリング剤として下記の構造式(2)に表示されるビニール基シランカップリング剤であるビニルトリメトキシシラン(Vinyl trimethoxy silane;VTMS)を使用したことを除いては、実施例1と同じ方法を用いて中空シリカ粉末を取得した。
【0162】
【0163】
[実施例3]メルカプト基を有するシランカップリング剤を利用した中空シリカ
シランカップリング剤として下記の構造式(3)に表示されるメルカプト基シランカップリング剤である3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(Mecaptopropyltrimethoxysilane;MPTMS)を使用したことを除いては、実施例1と同じ方法を用いて中空シリカ粉末を取得した。
【0164】
【0165】
[実施例4]アルキル基を有するシランカップリング剤を利用した中空シリカ
シランカップリング剤として下記の構造式(4)に表示されるアルキル基シランカップリング剤であるオクチルトリエトキシシラン(Octyltriethoxiysilane;OTES)を使用したことを除いては、実施例1と同じ方法を用いて中空シリカ粉末を取得した。
【0166】
【0167】
[比較例1]メタクリル基を有するシランカップリング剤を利用した中空シリカ
シランカップリング剤として下記の構造式(5)に表示されるメタクリル基シランカップリング剤である3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレート(3-trimethoxysilylprolyl methacrylate;MPS)を使用したことを除いては、実施例1と同じ方法を用いて中空シリカ粉末を取得した。
【0168】
【0169】
[比較例2]エポキシ基を有するシランカップリング剤を利用した中空シリカ
シランカップリング剤として下記の構造式(6)に表示されるエポキシ基シランカップリング剤であるグリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Glycidoxypropyl trimethoxysilane;GPTMS)を使用したことを除いては、実施例1と同じ方法を用いて中空シリカ粉末を取得した。
【0170】
【0171】
[比較例3]アミノ基を有するシランカップリング剤を利用した中空シリカ
シランカップリング剤として下記の構造式(7)に表示されるアミノ基シランカップリング剤であるアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン(Aminoethylaminopropyl trimethoxysilane;APTMS)使用したことを除いては、実施例1と同じ方法を用いて中空シリカ分散液を取得した。
【0172】
【0173】
下記の表1は本発明の実施例1~4、比較例1~3によるシランカップリング剤の種類を示したものである。
【0174】
【0175】
下記の表2は、本発明の実施例1~4、比較例1~3による中空シリカのシェル密度を示したものである。
【0176】
【0177】
図5は、本発明の実施例1~4、比較例1~3による中空シリカ粒子のTEMイメージである。
【0178】
表1及び
図5を参照すると、比較例1~3の中空シリカは複数のシェルが破損したことを確認することができる。
【0179】
以上、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順に実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合せられたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されても適切な結果を達成することができる。
【0180】
従って、他の実現、他の実施例、及び特許請求の範囲と均等なものなども後述する請求の範囲の範囲に属する。