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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035829
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】尿分析
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/493 20060101AFI20240307BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20240307BHJP
   G01N 33/70 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
G01N33/493 A
G01N33/68
G01N33/70
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023142088
(22)【出願日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】63/403,424
(32)【優先日】2022-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/235,318
(32)【優先日】2023-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523335346
【氏名又は名称】アウトセンス ダイアグノスティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ヤーラ カップ-バルネア
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA15
2G045AA36
2G045CB03
2G045DA36
2G045DA42
2G045FA13
2G045FA29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】被験者の尿中の上昇したクレアチニンを検出および分類するための装置および方法を提供する。
【解決手段】便器に結合され、被験者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを検出するように構成される、1または複数のセンサと、1または複数のセンサから1または複数の尿関連パラメータを受信し、被験者の尿が上昇したクレアチニン濃度を有する時点を決定し、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因を決定するように構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、を含む装置および方法が説明される。他の適用も記載される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器に結合され、尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを検出するように構成される、1または複数のセンサと、
前記1または複数のセンサから前記1または複数の尿関連パラメータを受信し、
前記1または複数の尿関連パラメータに基づいて前記尿が所定のクレアチニン濃度を有するかどうかを決定し、
前記1または複数の尿関連パラメータに基づいて前記所定のクレアチニン濃度の原因を決定する
ように構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記1または複数のセンサは、前記便器内への前記尿の排泄の後に、任意の人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく、前記尿に関連する前記1または複数の尿関連パラメータを検出するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1または複数のセンサは、可視光を検出するように構成される1または複数の光センサを備え、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、前記検出された可視光内の、所定の波長範囲を中心とする吸光度ピークを検出することによって、前記尿中のクレアチニンの濃度を導出するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、出力デバイスとともに使用するように構成され、前記所定のクレアチニン濃度の前記原因を決定することに応答して、前記コンピュータプロセッサは、推奨を示す前記出力デバイスでの出力を生成するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コンピュータプロセッサは、前記尿が上昇した濃度の尿中NT-タイチンを有することを検出するように構成され、前記尿が前記上昇した濃度の尿中NT-タイチンを有することを検出することに少なくとも部分的に応答して、前記所定のクレアチニン濃度の前記原因が異化プロセスであることを決定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、出力デバイスとともに使用するように構成され、前記所定のクレアチニン濃度の前記原因が異化プロセスであると決定することに応答して、前記コンピュータプロセッサは、運動推奨を示す前記出力デバイスでの出力を生成するように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記コンピュータプロセッサは、前記尿の比重を検出するように構成され、それに少なくとも部分的に応答して、前記所定のクレアチニン濃度の前記原因を決定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記尿の前記比重が低いと決定することに少なくとも部分的に応答して、前記コンピュータプロセッサは、前記所定のクレアチニン濃度の前記原因が腎機能障害であると決定するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、出力デバイスとともに使用するように構成され、前記所定のクレアチニン濃度の前記原因が腎機能障害であると決定することに応答して、前記コンピュータプロセッサは、医学的注意を求めるための推奨である前記出力デバイスでの出力を生成するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記コンピュータプロセッサは、尿の尿中NT-タイチンの濃度を検出するようにさらに構成され、尿中NT-タイチンの前記濃度および前記尿の前記比重が両方とも正常範囲内であると決定することに少なくとも部分的に応答して、前記コンピュータプロセッサは、前記所定のクレアチニン濃度の前記原因が食事であると決定するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記尿の前記比重が上昇していると決定することに少なくとも部分的に応答して、前記コンピュータプロセッサは、前記所定のクレアチニン濃度の前記原因が腎機能障害または脱水のいずれかであると決定するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記コンピュータプロセッサは、前記尿中のタンパク質のレベルを決定するように構成され、それに少なくとも部分的に応答して、前記所定のクレアチニン濃度の前記原因を決定するように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記コンピュータプロセッサは、前記尿の泡立ちおよび/または濁度を示すパラメータを導出するように構成され、前記導出されたパラメータに基づいて前記尿中のタンパク質のレベルを決定するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記尿の前記比重が上昇しており、前記尿中のタンパク質の前記レベルが上昇していると決定することに少なくとも部分的に応答して、前記コンピュータプロセッサは、前記所定のクレアチニン濃度の前記原因が腎機能障害であると決定するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記尿の前記比重が上昇しており、前記尿中のタンパク質の前記レベルが正常であると決定することに少なくとも部分的に応答して、前記コンピュータプロセッサは、前記所定のクレアチニン濃度の前記原因が脱水であると決定するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記コンピュータプロセッサは、前記尿中のタンパク質のレベルを決定するように構成され、それに少なくとも部分的に応答して、前記所定のクレアチニン濃度の前記原因を決定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記コンピュータプロセッサは、前記尿の泡立ちおよび/または濁度を示すパラメータを導出するように構成され、前記導出されたパラメータに基づいて前記尿中のタンパク質のレベルを決定するように構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
尿サンプルに関連する1または複数の尿関連パラメータを検出することと、
前記尿サンプルが上昇したクレアチニン濃度を有するかどうかを決定することと、
前記上昇したクレアチニン濃度の原因を決定することと、
を含む、方法。
【請求項19】
第1の光スペクトルについての第1の強度値と、第2の光スペクトルについての第2の強度値と、の比較を実行することと、
前記比較に基づいて前記上昇したクレアチニン濃度を計算することと、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
被験者の尿が便器内に配置されている間、前記便器から受光するように構成される、1または複数の光センサと、
前記受光された光を分析することによって、所定の範囲内にある前記受光された光内の少なくとも2つのスペクトル帯域の光強度を決定し、
前記受光された光内の前記少なくとも2つのスペクトル帯域の前記強度の比を決定し、
それに応答して、前記被験者が尿内でクレアチニンを上昇させたことを決定する
ように構成される、コンピュータプロセッサと、
を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2022年9月2日に出願された米国仮出願第63/403,424号、および2023年8月17日に出願された米国特許出願第18/235,318号の優先権の利益を主張し、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明のいくつかの適用は、一般に、身体排泄物の分析に関する。具体的には、本発明のいくつかの適用は、被験者の尿中の上昇したクレアチニンを検出および分類するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
クレアチニンは、(例えば、肉を食べることによって)摂取される筋肉の通常の老廃物であるとともに、自己由来の筋肉異化作用の通常の老廃物でもある。健康な腎臓は、血液からクレアチニンを除去し、クレアチニンは、尿中に含まれて身体を離れる。クレアチニンは、全身の水分全体に分布する比較的小さな分子(60ダルトン)である。尿中のクレアチニンの濃度は、筋肉代謝、食事、水分補給状態、および腎臓が糸球体濾過を行う能力を示し得る。健康な人の生理学的クレアチニン濃度は、体の大きさおよび筋肉量に応じて変化し得るが、尿中の正常なクレアチニン濃度は、多くの場合、0.2から3.2g/Lの範囲内である。
【発明の概要】
【0004】
本発明のいくつかの適用によれば、センサモジュールは、便器の内部に配置され、1または複数の尿関連パラメータを検出するように構成される、1または複数のセンサを含む。いくつかの適用では、1または複数のセンサは、身体排泄物が被験者によって便器内に排泄されている間に、前述のパラメータの少なくともいくつかを検出する。代替的にまたは追加的に、1または複数のセンサは、被験者による排泄の後に、身体排泄物が便器内に配置されるとき、前述のパラメータの少なくともいくつかを検出する。いくつかの適用では、センサは、RGBカメラ、スペクトルカメラ、および/またはハイパースペクトルカメラなどの、撮像構成要素を含む。代替的にまたは追加的に、1または複数のセンサは、身体排泄物から受光するように構成される、1または複数の光センサを含んでもよい。いくつかの適用では、センサモジュールは、1または複数の照射構成要素を含む。それぞれの適用によれば、そのような照射構成要素は、所与のスペクトル帯域(例えば、LEDおよび/またはレーザ)で身体排泄物を照射するように構成される照明構成要素、および/または広帯域光源を含む。いくつかの適用では、広帯域光源は、1または複数のバンドパスフィルタ(放射光および/または検出光をフィルタするために使用され得る)と組合せて使用される。いくつかの適用では、コンピュータプロセッサは、1または複数のセンサから1または複数の尿関連パラメータを受信する。いくつかの適用では、1または複数の尿関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて、コンピュータプロセッサは、被験者がクレアチニンを上昇させたと決定する。いくつかの適用では、コンピュータプロセッサは、(a)被験者の食事から生じるクレアチニンの上昇(例えば、肉を過度に摂取すること)、(b)異化プロセスから生じるクレアチニンの上昇(すなわち、過剰な運動に対するストレス応答によって引き起こされ得る被験者の筋肉の崩壊)、(c)脱水から生じるクレアチニンの上昇、および/または(d)腎機能障害から生じるクレアチニンの上昇(すなわち、糸球体濾過の問題)を区別することによって、被験者の上昇したクレアチニンの可能性のある原因を決定する。いくつかの適用では、センサは、可視範囲内の光を検出するように構成され、コンピュータプロセッサは、可視範囲内で検出される光に基づいて、被験者がクレアチニンを上昇させたことを決定するように構成される。いくつかの適用では、便器は、広帯域光で照明され、被験者がクレアチニンを上昇させたことを決定するために、所与のスペクトル範囲内の光の吸収が検出される。いくつかの適用では、コンピュータプロセッサは、500nmと570nmとの間、510nmと550nmとの間、または別の範囲などの、所定の波長範囲を中心とする吸光度ピークを検出することによって、クレアチニンの濃度を導出する。いくつかの適用では、コンピュータプロセッサは、他の波長での吸光度に対する、上記の吸光度ピークでの吸光度に基づいてクレアチニンの濃度を導出する。いくつかの適用では、コンピュータプロセッサは、可視光範囲内、例えば、350nmと700nmとの間のスペクトル範囲内の、クレアチニンの光学的サインを識別する。いくつかのそのような適用では、コンピュータプロセッサは、(a)クレアチニンが吸光度ピークを有すると予想される当該範囲内の波長帯域(例えば、500nmと570nmとの間、および/または510nmと550nmとの間)における光強度と、(b)クレアチニンが最小吸光度を有すると予想される当該範囲内の波長帯域(例えば、600と680nmとの間、および/または360nmと440nmとの間)における光強度と、の比率を検出する。代替的または追加的に、1または複数のセンサは、近赤外および/または中赤外範囲の光を検出するように構成され、コンピュータプロセッサは、近赤外および/または中赤外範囲で検出される光に基づいて、被験者がクレアチニンを上昇させたことを決定するように構成される。
【0005】
上記のように、いくつかの適用では、被験者がクレアチニンを上昇させたと決定することに従い、コンピュータプロセッサは、(a)被験者の食事から生じるクレアチニンの上昇(例えば、肉を過度に摂取すること)、(b)異化プロセスから生じるクレアチニンの上昇(すなわち、過剰な運動に対するストレス応答によって引き起こされ得る被験者の筋肉の崩壊)、(c)脱水から生じるクレアチニンの上昇、および/または(d)腎機能障害から生じるクレアチニンの上昇(すなわち、糸球体濾過の問題)を区別することによって、被験者の上昇したクレアチニンの可能性のある原因を決定する。
【0006】
いくつかの適用では、決定されたクレアチニンの上昇の原因に基づいて、コンピュータプロセッサは、例えば、推奨される生活様式の変化を示す出力を生成する。例えば、コンピュータプロセッサは、被験者が(食事から生じるクレアチニンの上昇を検出することに応答して)食事に変更を加えることを考慮すべきであること、被験者が(例えば、異化プロセスから生じるクレアチニンの上昇を検出することに応答して)運動計画を修正することを考慮すべきであること、被験者が(例えば、脱水から生じるクレアチニンの上昇を検出することに応答して)より多く水分摂取すべきであること、および/または被験者が(例えば、脱水または腎機能障害から生じるクレアチニンの上昇を検出することに応答して)医学的注意を求めるべきであること、の推奨を示すユーザインターフェース装置での出力を生成してもよい。
【0007】
いくつかの適用では、センサモジュールおよび/またはユーザインターフェース装置は、リモートサーバと通信する。例えば、装置は、被験者からの介入なしに通信ネットワークを介して医師または保険会社と通信してもよい。医師または保険会社は、出力を評価し、さらなる試験または介入が被験者に適切であるかどうかを決定してもよい。いくつかの適用では、受信されたセンサ信号に関連するデータがメモリに記憶される。定期的に、被験者は、記憶されたデータを、医療施設(例えば、医師のオフィス、または薬局)または保険会社などの施設に提出してもよく、また、施設におけるコンピュータプロセッサは、ある期間にわたって取得された被験者の複数の身体排泄物に関連するデータのバッチに対して上記の分析を実行してもよい。
【0008】
したがって、本発明のいくつかの適用によれば、
便器に結合され、尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを検出するように構成される、1または複数のセンサと、
1または複数のセンサから1または複数の尿関連パラメータを受信し、
被験者の尿が上昇したクレアチニン濃度を有する時点を決定し、
上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因を決定する
ように構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、
を備える、装置が提供される。
【0009】
いくつかの適用では、1または複数のセンサは、便器内への尿の排泄の後に、いかなる人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく、被験者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを検出するように構成される。
【0010】
いくつかの適用では、1または複数のセンサは、可視光を検出するように構成される1または複数の光センサを備え、コンピュータプロセッサは、検出された可視光内の、500nmと570nmとの間を中心とする吸光度ピークを検出することによって、被験者の尿中のクレアチニンの濃度を導出するように構成される。
【0011】
いくつかの適用では、1または複数のセンサは、可視光を検出するように構成される1または複数の光センサを含み、コンピュータプロセッサは、
受光された光を分析することによって、350nmと700nmとの範囲内にある受光された光内の少なくとも2つのスペクトル帯域の光強度を決定し、
受光された光内の少なくとも2つのスペクトル帯域の強度の比を決定する
ことによって、被験者の尿中のクレアチニンの濃度を導出するように構成される。
【0012】
いくつかの適用では、装置は、出力デバイスとともに使用するように構成され、クレアチニン濃度の可能性のある原因を決定することに応答して、コンピュータプロセッサは、被験者による生活習慣変更の推奨を示す出力デバイスでの出力を生成するように構成される。
【0013】
いくつかの適用では、コンピュータプロセッサは、被験者の尿が上昇した濃度の尿中NT-タイチンを有することを検出するように構成され、被験者の尿が上昇した濃度の尿中NT-タイチンを有することを検出することに少なくとも部分的に応答して、クレアチニン濃度の可能性のある原因が異化プロセスであることを決定するように構成される。
【0014】
いくつかの適用では、装置は、出力デバイスとともに使用するように構成され、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因が異化プロセスであると決定することに応答して、コンピュータプロセッサは、被験者が運動計画を修正すべきであることを示す出力デバイスでの出力を生成するように構成される。
【0015】
いくつかの適用では、1または複数のセンサは、190nmと250nmとの間の範囲の光を検出するように構成される、1または複数の光センサを含み、コンピュータプロセッサは、190nmと250nmとの間の範囲内のNT-タイチンの光学的サインを検出することによって、被験者の尿が上昇した濃度の尿中NT-タイチンを有することを検出するように構成される。
【0016】
いくつかの適用では、コンピュータプロセッサは、被験者の尿の比重を検出するように構成され、それに少なくとも部分的に応答して、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因を決定するように構成される。
【0017】
いくつかの適用では、被験者の尿の比重が低いと決定することに少なくとも部分的に応答して、コンピュータプロセッサは、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因が腎機能障害であると決定するように構成される。
【0018】
いくつかの適用では、装置は、出力デバイスとともに使用するように構成され、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因が腎機能障害であると決定することに応答して、コンピュータプロセッサは、被験者が医学的注意を求めるべきであることを示す出力デバイスでの出力を生成するように構成される。
【0019】
いくつかの適用では、コンピュータプロセッサは、被験者の尿の尿中NT-タイチンの濃度を検出するようにさらに構成され、尿中NT-タイチンの濃度および被験者の尿の比重が両方とも正常範囲内であると決定することに少なくとも部分的に応答して、コンピュータプロセッサは、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因が食事であると決定するように構成される。
【0020】
いくつかの適用では、装置は、出力デバイスとともに使用するように構成され、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因が食事であると決定することに応答して、コンピュータプロセッサは、被験者が食事を変更すべきであることを示す出力デバイスでの出力を生成するように構成される。
【0021】
いくつかの適用では、被験者の尿の比重が上昇していると決定することに少なくとも部分的に応答して、コンピュータプロセッサは、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因が腎機能障害または脱水のいずれかであると決定するように構成される。
【0022】
いくつかの適用では、コンピュータプロセッサは、被験者の尿中のタンパク質のレベルを決定するように構成され、それに少なくとも部分的に応答して、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因を決定するように構成される。
【0023】
いくつかの適用では、コンピュータプロセッサは、被験者の尿の泡立ちおよび/または濁度を示すパラメータを導出するように構成され、導出されたパラメータに基づいて被験者の尿中のタンパク質のレベルを決定するように構成される。
【0024】
いくつかの適用では、被験者の尿の比重が上昇しており、被験者の尿中のタンパク質のレベルが上昇していると決定することに少なくとも部分的に応答して、コンピュータプロセッサは、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因が腎機能障害であると決定するように構成される。
【0025】
いくつかの適用では、装置は、出力デバイスとともに使用するように構成され、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因が腎機能障害であると決定することに応答して、コンピュータプロセッサは、被験者が医学的注意を求めるべきであることを示す出力デバイスでの出力を生成するように構成される。
【0026】
いくつかの適用では、被験者の尿の比重が上昇しており、被験者の尿中のタンパク質のレベルが正常であると決定することに少なくとも部分的に応答して、コンピュータプロセッサは、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因が脱水であると決定するように構成される。
【0027】
いくつかの適用では、装置は、出力デバイスとともに使用するように構成され、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因が脱水であると決定することに応答して、コンピュータプロセッサは、被験者がより多く水分摂取すべきであることを示す出力デバイスでの出力を生成するように構成される。
【0028】
いくつかの適用では、コンピュータプロセッサは、被験者の尿中のタンパク質のレベルを決定するように構成され、それに少なくとも部分的に応答して、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因を決定するように構成される。
【0029】
いくつかの適用では、コンピュータプロセッサは、被験者の尿の泡立ちおよび/または濁度を示すパラメータを導出するように構成され、導出されたパラメータに基づいて被験者の尿中のタンパク質のレベルを決定するように構成される。
【0030】
いくつかの適用では、被験者の尿中のタンパク質のレベルが上昇していると決定することに少なくとも部分的に応答して、コンピュータプロセッサは、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因が腎機能障害であると決定するように構成される。
【0031】
いくつかの適用では、装置は、出力デバイスとともに使用するように構成され、上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因が腎機能障害であると決定することに応答して、コンピュータプロセッサは、被験者が医学的注意を求めるべきであることを示す出力デバイスでの出力を生成するように構成される。
【0032】
さらに、本発明のいくつかの適用によれば、
1または複数のセンサを使用し、被験者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを検出することと、
1または複数のセンサから1または複数の尿関連パラメータを受信し、
被験者の尿が上昇したクレアチニン濃度を有する時点を決定し、
上昇したクレアチニン濃度の可能性のある原因を決定する、
少なくとも1つのコンピュータプロセッサを使用することと、
を含む、方法が提供される。
【0033】
さらに、本発明のいくつかの適用によれば、
被験者の尿が便器内に配置されている間、便器から受光するように構成される、1または複数の光センサと、
受光された光を分析することによって、350nmと700nmとの範囲内にある受光された光の内の少なくとも2つのスペクトル帯域の光強度を決定し、
受光された光の内の少なくとも2つのスペクトル帯域の強度の比を決定し、
それに応答して、被験者が尿内でクレアチニンを上昇させたことを決定する
ように構成される、コンピュータプロセッサと、
を備える、装置が提供される。
【0034】
本発明は、図面と併せて、以下の実施形態の詳細な説明からより完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本開示のいくつかの適用による、身体排泄物を分析するための装置の概略図である。
図2】本開示のいくつかの適用による、被験者の尿に対して実行される分析のステップを示すフローチャートである。
図3】本開示のいくつかの適用による、被験者の尿に対して実行される分析のステップを示すフローチャートである。
図4】身体排泄物を分析するための装置を含むトイレの例を示す図である。
図5】身体排泄物を分析するための装置を含むトイレの別の例を示す図である。
図6】身体排泄物を分析するための装置の別の例を示す図である。
図7】身体排泄物を分析するための装置のコントローラの例を示す図である。
図8図1図7の例によるフローチャートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
〔実施形態の詳細な説明〕
図示のように、いくつかの適用では、装置20が便器23の内部に配置されたセンサモジュール22を含む。例えば、装置20は便器23のリムによって支持されるか、またはそれに近接して配置されてもよい。いくつかの適用のために、センサモジュール22(および/または装置の追加の構成要素)は便器23に一体化されてもよい。例えば、センサモジュール22は便器23内の窓が便器23の内部を見ることができるように、便器の基部内に配置されてもよい。センサモジュール22は、1つ以上のセンサ24を含む。いくつかの適用では、1つまたは複数のセンサ24が1つまたは複数の尿関連パラメータ(排尿頻度、尿量、尿色、および/または尿濃度など)を検出するように、および/または1つまたは複数の便関連パラメータ(便の形状、サイズ、固さなど)を検出するように構成される。いくつかの適用では、1つまたは複数のセンサ24が、身体排泄物が被験者によって便器23内に排泄されている間に、前述のパラメータの少なくともいくつかを検出する。代替的に又は追加的に、被験者によるその排泄の後に、身体排泄物が便器23内に配置されるとき、1つ以上のセンサ24は、前述のパラメータの少なくともいくつかを検出する。いくつかの適用では、センサ24が可視範囲内の光を検出するように構成されたRGB(赤、緑、青)カメラ、スペクトルカメラ、および/またはハイパースペクトルカメラなどの撮像構成要素を含む。スペクトルカメラは、赤外線、可視スペクトル、紫外線、x線、または上記の何らかの組み合わせを含む複数の範囲の波長または帯域の光を検出するように構成され得る。スペクトルカメラは可視帯域および非可視帯域の画像データを同時に取得するように、可視範囲外からの照明を取得するように、または特定のスペクトル範囲を捕捉するための光学フィルタの使用を取得するように構成され得る。スペクトルカメラは、画像内の各ピクセルのための複数の波長帯域のデータ値を出力するように構成され得る。同様の例では、ハイパースペクトルカメラが画像内の各ピクセルについてスペクトル全体を取得するように構成され得る。
【0037】
代替的に又は追加的に、1つ以上のセンサは、身体排泄物から光を受け取るように構成された1つ以上の光センサを含んでもよい。いくつかの適用では、センサモジュール22が1つまたは複数の照明構成要素25を含む。それぞれの用途に従って、そのような照明構成要素は所与のスペクトル帯域(例えば、LEDおよび/またはレーザ)で身体排泄物を照明するように構成された照明構成要素、および/または広帯域光源を含む。いくつかの適用では、広帯域光源が1つまたは複数のバンドパスフィルタ(放射光および/または検出光をフィルタリングするために使用され得る)と組み合わせて使用される。
【0038】
いくつかの適用では、コンピュータプロセッサが1つまたは複数のセンサから1つまたは複数の尿関連パラメータを受信し、かつ/または1つまたは複数のセンサから1つまたは複数の便関連パラメータを受信する。それぞれの適用例によれば、本明細書に記載の分析を実行するコンピュータプロセッサは、ハウジング30の内部に配置されたコンピュータプロセッサ28(センサモジュール22を収容することもできる)、またはセンサモジュール22と通信する異なるコンピュータプロセッサである。
【0039】
いくつかの適用では、装置20は、ハウジング30の内側の便器の外側に配置された電源(例えば、バッテリまたは他の電源)を含む。代替的に又は追加的に、センサモジュール22は主電源(例えば、ユーティリティ電源)に接続される。いくつかの適用では、電源およびセンサモジュール22が有線または無線で接続される。それぞれの適用例によれば、本明細書に記載の分析を実行するコンピュータプロセッサは、便器23(例えば、ハウジング30(センサモジュール22を収容することもできる)の内部に配置されたコンピュータプロセッサ28)の内部に、または遠隔に配置される。例えば、図示のように、センサモジュール22は、コンピュータプロセッサを含むユーザインターフェース装置32と無線で通信することができる。そのようなユーザインターフェース装置は電話機34、タブレットコンピュータ36、ラップトップコンピュータ38、または異なる種類のパーソナルコンピューティングデバイスを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの適用では、ユーザインターフェース装置は、ユーザがセンサモジュール22と対話する入力デバイスおよび出力デバイスの両方として動作する。センサモジュール22は、データをユーザインターフェース装置に送信することができ、ユーザインターフェース装置のコンピュータプロセッサは、受信されたデータを分析するように構成されたプログラムを実行することができる。
【0040】
いくつかの適用では、センサモジュール22および/またはユーザインターフェース装置32が(図7のネットワーク346によって示されるように)リモートサーバと通信する。例えば、装置は、被験者からの介入なしに、通信ネットワークを介して、医師または保険会社と通信することができる。医師または保険会社は結果を評価し、さらなる試験または介入が被験者に適切であるかどうかを決定することができる。いくつかの適用では、受信されたセンサ信号に関するデータがメモリに記憶される。例えば、メモリは便器23の内部(例えば、センサユニットの内部)、ハウジング30の内部、又は遠隔に配置されてもよい。定期的に、被験者は記憶されたデータを、医療施設(例えば、医師のオフィス、または薬局)または保険会社などの施設に提出することができ、次いで、施設におけるコンピュータプロセッサは、ある期間にわたって取得された被験者の複数の身体排泄物に関するデータのバッチに対して上記の分析を実行することができる。
【0041】
本明細書に記載の装置および方法は、被験者が身体の排泄物に物理的に触れる必要がないスクリーニング試験を含むことに留意されたい。さらに、いくつかの適用では、被験者が、例えば、デバイスを設置するために、またはデバイスのバッテリを交換または再充電するために、専用の感知装置の任意の部分に定期的に触れることのみを必要とされる。(被験者はユーザインターフェース装置を取り扱ってもよいが、これは感知装置を使用しないときでも被験者が取り扱うデバイス(電話機34、タブレットコンピュータ36、ラップトップコンピュータ38、または異なる種類のパーソナルコンピューティングデバイスなど)であってもよいことに留意されたい。いくつかの適用のために、本明細書に記載される装置および方法は、排泄物の分析、および/または被験者が脱水およびその分類に苦しんでいるという判断を容易にするために、被験者が便器23に身体排泄物を放出した後に、便器23に何も加えることを必要としない。いくつかの適用では、被験者が便器23内に装置を設置した後、いかなる動作も実行する必要がない。検査は自動であり、装置によって処理され、被験者の排泄物の監視は異常が検出されない限り、被験者にとって継ぎ目なく、被験者による遵守を必要としない。
【0042】
いくつかの適用では、被験者が便器23内に身体排泄物を排泄した後(および任意選択的に、被験者が身体排泄物の排泄を終了し、身体排泄物が便器23の水内に少なくとも部分的に配置された後)、身体排泄物は排泄後に、いかなる人によっても行われる動作を必要とすることなく、便器23からの反射光および/または透過光を受け取ることによって撮像される。いくつかの適用では、身体排泄物が便器23への身体排泄物の排泄中に分析される。すなわち、被験者と便器23との間に排泄物が落下している間に、センサデータを収集することができる。
【0043】
いくつかの適用では、被験者の各排泄について、何等かの所見がある場合、装置は例えば、ユーザインターフェース装置32等の出力デバイスを介して、その所見を被験者に報告する。いくつかの適用のために、出力デバイスは装置20に組み込まれた出力構成要素(例えば、光(例えば、発光ダイオード(LED))またはスクリーン)を含む。
【0044】
いくつかの適用では、センサモジュール22は便器23の内部に配置される。いくつかの適用では、センサモジュール22が撮像構成要素を含み、撮像構成要素は被験者によって排泄された身体排泄物から光を受け取るように構成され、便器23の内部に配置される1つまたは複数の光センサを含む。いくつかの適用では、センサモジュール22が耐水性ハウジング内に収容される。いくつかの適用では、センサモジュール22の下には撮像構成要素が取り付けられ、センサモジュール22の表面が透明で耐水性のカバーで覆われている。図1は、便器23内の水の水位の上方に配置されたセンサモジュール22を示していることに留意されたい。しかしながら、いくつかの適用では、センサモジュール22の少なくとも一部分(例えば、センサモジュール22全体)は便器23内の水中に浸漬される。
【0045】
いくつかの適用では、センサモジュール22が(たとえば、図7にセンサ356として示されるように、またはセンサモジュール22に含まれるように)被験者センサを含む。いつ被験者センサは被験者がトイレの上または近傍にいたか、および/または被験者が便器23内に排便および/または排尿したかどうかを検出するように構成される。例えば、被験者センサは、便、尿、被験者、または便器23内の水の動きを感知するように構成された動きセンサを含むことができる。代替的に又は追加的に、被験者センサは、バスルーム内の光がスイッチオンされたとき、又は被験者がトイレに座ったときを検出するように構成された光センサを含むことができる。いくつかの適用では、身体排泄物からの光を検出するために使用される光センサも、前述の機能のために使用される。いくつかのそのような用途の場合、センサモジュール22は、(センサモジュール22が低減された量の電力を使用するように)ほとんどの時間スタンバイモードにあるように構成される。センサモジュール22は、被験者がトイレの上または近傍にいること、および/または被験者が便器23に排便および/または排尿したことを検出することに応答して、オンに切り換えられる。いくつかの適用では、センサモジュール22の撮像および/または感知構成要素は、被験者がトイレの上または近傍にあること、および/または被験者が便器23内に排便および/または排尿したことを検出したことに応答して、データを取得する。いくつかの適用では、被験者がセンサモジュール22を手動でスイッチする。
【0046】
いくつかの適用では、1つまたは複数の尿関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて、コンピュータプロセッサは、被験者が上昇したクレアチニン(例えば、所定のクレアチニンレベルを上回る試料中のクレアチニン)を有すると決定する。いくつかの適用では、コンピュータプロセッサが、(a)被験者の食事から生じる(例えば、過度の肉の摂取から生じる)クレアチニンの上昇、(b)異化プロセスから生じる(すなわち、過度の運動に対するストレス応答によって引き起こされ得る被験者の筋肉の破壊)、(c)脱水から生じる、および/または(d)腎機能障害(すなわち、糸球体濾過の問題)から生じるクレアチニンの上昇の可能性のある原因を識別することによって、被験者のクレアチニン上昇の可能性のある原因を決定する。
【0047】
いくつかの用途では、1つまたは複数のセンサ24が、可視範囲内の光を検出するように構成され、コンピュータプロセッサは可視範囲内で検出される光に基づいて、被験者のクレアチニンが上昇したと決定するように構成される。いくつかの適用では、便器23が広帯域光で照明され、被験者のクレアチニンが上昇していると決定するために、所与のスペクトル範囲内の光の吸収が検出される。いくつかのそのような用途では、コンピュータプロセッサが500nm~570nm(例えば、510nm~550nm)を中心とする吸光度ピークを検出することによって、クレアチニンの濃度を導出する。いくつかの適用では、コンピュータプロセッサが、他の波長での吸光度に対する、上記の吸光度ピークでの吸光度に基づいて、クレアチニンの濃度を導出する。いくつかの適用では、コンピュータプロセッサが可視光範囲内、例えば、350nm~700nmのスペクトル範囲内のクレアチニンの光学的サインを識別する。いくつかのそのような用途では、コンピュータプロセッサが(a)クレアチニンが吸光度ピークを有すると予想されるこの範囲内の波長帯域(例えば、500nm~570nm、および/または510nm~550nm)における光強度と、(b)クレアチニンが最小吸光度を有すると予想されるこの範囲内の波長帯域(例えば、600~680nm、および/または360nm~440nm)における光強度との比率を検出する。
【0048】
代替的または追加的に、1つまたは複数のセンサは、近赤外および/または中赤外範囲の光を検出するように構成され、コンピュータプロセッサは、近赤外および/または中赤外範囲で検出される光に基づいて、被験者がクレアチニンを上昇させたことを決定するように構成される。例えば、コンピュータプロセッサは、2260~3000nmを中心とするスペクトルバンドにおける光強度、および/または1370~1410年nmを中心とするスペクトルバンドにおける光強度を検出することによって、クレアチニンの濃度を導出する。
【0049】
いくつかの適用では、コンピュータプロセッサは、閾値を超える尿中のクレアチニン濃度を検出することによって、被験者のクレアチニンが上昇していると判定する。例えば、閾値は3.3~4g/L、例えば、3.5g/L、または3.7g/Lの濃度であってもよい。上記のように、いくつかの適用について、被験者がクレアチニンを上昇させたと決定することに従い、コンピュータプロセッサは、(a)被験者の食事から生じるクレアチニンの上昇(例えば、肉を過度に摂取すること)、(b)異化プロセスから生じるクレアチニンの上昇(すなわち、過剰な運動に対するストレス応答によって引き起こされ得る、被験者の筋肉の分解)、(c)脱水から生じるクレアチニンの上昇、および/または(d)腎機能障害(すなわち、糸球体濾過の問題)から生じるクレアチニンの上昇を区別することによって、被験者のクレアチニンの上昇の可能性のある原因を決定する。
【0050】
図2Aを参照すると、それは、本発明のいくつかの適用に従って、被験者の尿に対して実行される分析のステップを示すフローチャートである。いくつかの適用のために、第1のステップ40において、コンピュータプロセッサは、例えば、上述のスペクトル分析方法を使用して、被験者がクレアチニンを上昇させたことを決定する。続いて、ステップ42において、コンピュータプロセッサは、例えば、(a)被験者の食事から生じるクレアチニンの上昇(例えば、肉の摂取が多すぎる)、(b)異化プロセスから生じるクレアチニンの上昇(すなわち、過剰な運動に対するストレス応答によって引き起こされ得る被験者の筋肉の崩壊)、(c)脱水から生じるクレアチニンの上昇、および/または(d)腎機能障害(すなわち、糸球体濾過の問題)を区別することによって、クレアチニンの上昇の可能性のある原因を決定する。いくつかの適用では、ステップ42で決定されたクレアチニン上昇の原因に基づいて、コンピュータプロセッサはステップ44で出力を生成する。いくつかの適用では、コンピュータプロセッサが推奨されるライフスタイルの修正を示す出力を生成する。例えば、コンピュータプロセッサは、ユーザインターフェース装置上に、被験者が(食事から生じるクレアチニンの上昇を検出することに応答して)食事に変更を加えることを考慮すべきであること、被験者が(例えば、過剰な運動へのストレス応答によって引き起こされ得るクレアチニンの上昇を検出することに応答して)運動計画を修正することを考慮すべきであること、被験者が(例えば、脱水から生じるクレアチニンの上昇を検出することに応答して)より多く水分を取るべきであること、および/または被験者が(例えば、脱水または腎機能障害から生じるクレアチニンの上昇を検出することに応答して)医学的注意を求めるべきであることを示す出力を生成することができる。
【0051】
上述のように、いくつかの適用では、センサモジュール22および/またはユーザインターフェース装置がリモートサーバと通信する。例えば、装置は、被験者からの介入なしに、通信ネットワークを介して医師または保険会社と通信してもよい。医師または保険会社は出力を評価し、さらなる試験または介入が被験者に適切であるかどうかを決定してもよい。いくつかの適用では、受信されたセンサ信号に関するデータがメモリに記憶される。例えば、メモリは便器の内部(例えば、センサユニットの内部)、ハウジング30の内部、又は遠隔に配置されてもよい。被験者は、定期的に、記憶されたデータを医療施設(例えば、医師のオフィス、または薬局)または保険会社などの施設に提出することができ、次いで、施設におけるコンピュータプロセッサは、ある期間にわたって取得された被験者の複数の身体排泄物に関するデータのバッチに対して上記の分析を実行してもよい。
【0052】
ここで図2Bを参照されたい。図2は、本発明のいくつかの適用に従って、クレアチニン上昇の可能性のある原因を決定する(すなわち、図2Aのステップ42)ために実行される一連の試テストを示すフローチャートである。これらのステップが実行される順序は、図2Bに示される順序に必ずしも従わないことに留意されたい。加えて、場合によっては、クレアチニン上昇の可能性のある原因を決定するために、図2Bに示されるステップの一部のみが実行される。本開示の範囲は、上昇したクレアチニンの可能性のある原因を決定するために、図2Bを参照して説明したステップのうちの1つまたは複数のステップを任意の順序で実行することを含む。
【0053】
クレアチニン上昇の可能性のある原因の1つは、異化プロセス(すなわち、過度の運動に対するストレス応答によって引き起こされ得る、ヒトの筋肉の崩壊)である。多くの場合、そのような異化プロセスはまた、尿中タイチンN断片(NT-タイチンとしても知られる)へのタイチンの分解をもたらす。したがって、被験者の上昇したクレアチニンの原因が過度の運動である場合、被験者はまた、上昇した尿中NT-タイチンを示すことが予想される。いくつかの適用では、ステップ42aにおいて、コンピュータプロセッサは、被験者の尿で尿中NT-タイチンの濃度が上昇しているかどうかを判定する。いくつかのそのような用途では、1つ以上のセンサ24が、190nm~250nm(例えば、200nm~240nm)の範囲の光を検出するように構成される。この範囲内で、NT-タイチンは、約200nmにピーク、210~230nmにトラフ、および約240nmに別のピークを含む光学的サインを有する。いくつかの適用では、コンピュータプロセッサが、他の波長での吸光度と比較して、上記の光学的サインを示す吸光度に基づいて尿中NT-タイチン濃度を導出する。いくつかの適用では、被験者の尿中NT-タイチンが上昇したと判定したことに応答して(例えば、尿中NT-タイチンの濃度が所定の閾値、例えば1.5~20ng/mlの閾値を超えることを検出することによって)、コンピュータプロセッサは被験者のクレアチニンの上昇が異化プロセスによって少なくとも部分的に引き起こされたと判定する(ステップ42b)。
【0054】
尿比重は、水密度と比較した尿密度の比を測定することによって、尿中の溶質の濃度を測定する。いくつかの適用ではステップ42cにおいて、コンピュータプロセッサは被験者の尿比重を測定する。健康な成人の尿は、多くの場合、1.010~1.030の範囲の比重を有する。いくつかの適用ではセンサモジュール22が被験者の尿による光の吸収を示す信号を生成するように構成され、コンピュータプロセッサは信号に基づいて被験者の尿の比重を導出する。いくつかの適用では、コンピュータプロセッサが被験者の尿によるシアン緑色光(例えば、480~520nmの波長帯域内の光)の吸収を示すセンサ信号に基づいて、被験者の尿の比重を導出する。
【0055】
クレアチニン上昇の2つの可能性のある原因は、脱水および/または腎機能障害である。いくつかの適用では、これらの状態の両方が、クレアチニン濃度の上昇に加えて、被験者の尿の異常な尿比重を生じさせる。腎機能障害は尿比重の上昇または低下を引き起こし得るが、脱水はしばしば、尿比重の上昇を引き起こす。食物因子(例えば、過度の肉の摂取)は、典型的には尿比重の上昇をもたらさない。したがって、コンピュータプロセッサが被験者の尿比重が所定の範囲内(例えば、1.010~1.030の範囲内)であり、被験者が尿中NT-タイチンの上昇を有さないと決定する場合、いくつかの適用について、コンピュータプロセッサは、クレアチニンの上昇の可能性のある原因が食事であると決定する(ステップ42d)。コンピュータプロセッサが、被験者の尿比重が所定の正常範囲(例えば、1.010以下の閾値、例えば、1.010または1.005などの所定の閾値未満である)と比較して減少していると判定した場合、いくつかの適用について、コンピュータプロセッサは、クレアチニン上昇の可能性のある原因が腎機能障害であると判定する(ステップ42e)。
【0056】
コンピュータプロセッサが被験者の尿比重が所定の正常範囲(例えば、1.030以上、例えば、1.030、1.035、または1.040である閾値などの所定の閾値を上回る)に対して上昇していると決定した場合、上昇したクレアチニンの原因は、腎機能不全または脱水のいずれかであり得る。いくつかの適用では、脱水によって引き起こされるクレアチニンの上昇と腎機能障害によって引き起こされるクレアチニンの上昇とを区別するために、コンピュータプロセッサは被験者の尿中にタンパク質(例えば、アルブミン)のレベルが上昇しているかどうかを判定する(ステップ42f)。タンパク質(例えば、アルブミン)は、通常、血液中に豊富である。しばしば、腎機能障害は尿タンパク質(例えば、アルブミン)の上昇を引き起こすが、脱水は尿タンパク質(例えば、アルブミン)の上昇を引き起こさない。
【0057】
腎臓に問題がある場合はタンパク質が尿中に漏出する可能性があり、そのため、尿中の大量のタンパク質はしばしば、腎臓疾患を示す。尿中のタンパク質は光学的サインを有さない傾向があるが、タンパク質は尿の表面張力を低下させる石けん様効果を有するので、被験者の尿中のタンパク質の存在が尿の泡立ちを引き起こし得ることが観察されている。尿の排泄は液体内の分子と表面との間の静電力の相互作用を引き起こし、尿中の空気の分散の結果として気泡の形成をもたらす。いくつかの適用では、コンピュータプロセッサが被験者の尿の泡立ちおよび/もしくは濁り、ならびに/または尿の泡立ちおよび/もしくは濁りの量を示すセンサ信号を検出するように構成され、被験者がそれに少なくとも部分的に応答して、被験者の尿中のタンパク質濃度が上昇していることを決定するように構成される。代替的に又は追加的に、コンピュータプロセッサは被験者の尿の泡立ち及び/又は濁り、及び/又は尿の泡立ち及び/又は濁りの量に応答して、被験者の尿中のタンパク質の濃度を推定するように構成される。いくつかのそのような用途では、コンピュータプロセッサが尿の不透明度を検出することによって尿の濁度を推定するように構成される。いくつかの適用では、コンピュータプロセッサが尿の上の泡層の高さを測定し、それに応答して、被験者がその尿中のタンパク質濃度が上昇していることを決定し、および/または被験者の尿中のタンパク質濃度を推定するように構成される。
【0058】
いくつかの適用では被験者がその尿中に高い濃度のタンパク質を有するという指標を検出することに応答して(例えば、閾値を超える不透明度のレベル、閾値を超える発泡のレベル、および/または閾値を超える濁度のレベルを検出することによって、閾値を超えるタンパク質の濃度を導出することによって)、コンピュータプロセッサはクレアチニン上昇原因が腎機能不全であると決定する(ステップ42e)。いくつかの適用では、被験者が尿中に高濃度のタンパク質を有さないという指標を検出することに応答して、被験者の尿比重が上昇していることと組み合わせて、コンピュータプロセッサは高クレアチニンの原因が脱水であると決定する(ステップ42g)。
【0059】
図4および図5は、身体排泄物を分析するための装置を含む例示的なトイレ10を示す。トイレ10は生体認証トイレデータ収集装置200を含むことができ、これは、装置20およびセンサモジュール22について本明細書に記載される構造および機能を使用して構成することができる。生体認証トイレデータ収集装置200は、取り外し可能であってもよい。生体認証トイレデータ収集装置200は、実施例4および実施例5の例示的なトイレ10のいずれかに組み込まれるか、または物理的に結合され得る。例えば、便器のトイレ10を通る取り付け穴は、生体認証トイレデータ収集装置200のセンサ部分を生体認証トイレデータ収集装置200の処理および/またはバッテリ部分から分離することができる。センサ部分に結合された取り付けロッドは取り付け穴を通過し、生体認証トイレデータ収集装置200の処理および/またはバッテリ部分にねじ込まれるか、またはそうでなければ結合し得る。生体認証トイレデータ収集装置200はまた、磁気的に搭載されてもよい。生体認証トイレデータ収集装置200のセンサ部分は、生体認証トイレデータ収集装置200の処理および/またはバッテリ部分を含む第2の磁石を引き付ける1つの磁石を含んでもよい。データは2つの部分の間で誘導的に、または別の無線技術によって交換され得る。他の実施例では、生体認証トイレデータ収集装置200が便座アセンブリに組み込まれてもよい。図5は、生体認証トイレデータ収集装置200をトイレの縁の下に取り付けるようなものを示す。
【0060】
他の実施例では、生体認証トイレデータ収集装置200が挿入モールから作成され、透明または半透明の窓で覆われた生体認証トイレデータ収集装置200の空洞内に取り付けられてもよい。
【0061】
図4は、タンク11、ペデスタル21(またはベース)、シートアセンブリ17、および連結または取り付けアセンブリを含むスカート付きトイレ10の例示的な実施形態を示す。タンク11は、動作(または洗浄)サイクル中に使用される水を貯蔵するための中空容器12と、容器12への選択的アクセスを提供するための蓋(またはカバー)13と、作動時に動作サイクルを開始するように構成されたアクチュエータ14とを含むことができる。アクチュエータ14またはフラッシュ機構は、所定の距離だけ押し下げられた(または引かれた)ときに、またはタッチされたときに作動するように構成されたボタン、または所定の角度移動を回転させたときに作動するように構成されたレバー、またはユーザによる入力操作に基づいて作動するように構成された任意の適切なデバイスであり得る。アクチュエータ14は、複数のフラッシュタイプが選択され得るように、複数のボタン、レバー、または入力を含み得る。フラッシュタイプは、低容量フラッシュ及び高容量フラッシュを含むことができる。媒体体積フラッシュもまた含まれ得る。
【0062】
タンク、ペデスタル、シートアセンブリ、および内部部品(トラップウェイおよび他の特徴を含む)の形状および構成は本明細書に示され、説明される実施形態とは異なり得、本明細書に開示される実施形態は限定として意図されないことに留意されたい。トイレの様々な構成要素は、ガラス質磁器から作製することができる。トイレの様々な構成要素はポリマーであってもよく、型で成形されてもよく、そうでなければトイレに固定されてもよい。例えば、トイレ10の例示的な実施形態は、ペデスタル21とは別個に形成され、後にペデスタルに結合されるタンク11を備えて構成されるように示されているが、タンクはワンピース設計としてペデスタルと一体に形成されてもよいことに留意されたい。換言すれば、トイレは、ワンピース設計、ツーピース設計、または任意の適切な構成を有することができる。本明細書に開示されるトイレは多種多様なスカート付きトイレ構成を有することができ、そのような構成はすべて、本明細書に包含されることが意図される。したがって、様々なトイレ特徴の以下の説明は1つの可能な実施形態の例示としてのみ意図され、同様の概念または特徴が様々な他の実施形態に含まれ得ることが、本説明を精査する者によって理解されるべきである。
【0063】
タンク11はホース(例えば、線、チューブ)などから連結された水供給源から水を受け取るように構成された入口開口部を含むことができる。タンク11はまた、入口開口部を通って給水部からタンク11内への水の流れを制御するように構成された入口弁アセンブリまたは他の装置を含むことができる。タンク11内には、動作サイクル後にタンク11のタンク11を再充填するためにバルブを開き、タンク11内の水が予め事前設定された体積または高さに達したときにバルブを閉じることなどによって、入口弁アセンブリを制御するためのフロート装置が設けられてもよい。タンク11はまた、アクチュエータ14の活性化時にタンクのタンク11内に貯蔵された水をペデスタル21に移送する(例えば、導く)ように構成された出口開口部を含んでもよい。ペデスタル21は、便器23を含んでもよい。タンク11は、出口開口部を通ってタンクからペデスタル21への水の流れを制御するように構成された出口弁アセンブリまたは他の装置を含んでもよい。
【0064】
トイレ10のペデスタル21(または基部)は、開口部の上端に上端リムによって形成された開口部を有する便器23を形成するように構成された任意の適切な形状を有する壁122を含んでもよい。ペデスタル21はまた、リムによって形成された開口部を有するボウルを一緒に形成する様々な形状を有する複数の壁を含むように構成されてもよい。ペデスタルの壁122は、ボウル23から下方および/または後方に延びて、ペデスタル21およびトイレ10を支持するように構成された下部125を形成してもよい。下部125は壁122の端部(例えば、下側リム)によって形成されてもよく、または壁の1つ以上の端部から概ね水平面内に延在する部材を含んでもよい。ペデスタル21はまた、壁122の2つの側面の間(または2つの対向する壁の間)に延在し、ボウル23の後方(または後ろ)に提供されるトップ部材124を含むことができ、トップ部材124は、タンク11を支持するためのプラトー、例えばタンク11の底面を形成する。トップ部材124はタンク11がペデスタル21に結合される(またはその上に置かれる)ときなど、タンク11の出口開口部と整列され得る入口開口部を含むことができ、水はトイレがアクチュエータ14を介して作動されるとき、タンク11からタンクの出口開口部を通ってペデスタル21に、ペデスタル21の入口開口部を通って選択的に移送される(例えば、伝導される)。出口弁アセンブリは、タンクからペデスタルへの水の流れを制御することができる。トイレはまた、タンク11とペデスタル21との間に設けられて漏れを防止するガスケットまたはシールを含むことができる。例えば、タンクの出口開口部とペデスタルの入口開口部との間にガスケットを設けて、タンクとペデスタルとの間の漏れを防止してもよい。
【0065】
ペデスタル21のトップ部材124によって形成されるプラトーはまた、便器10のペデスタル21へのシートアセンブリ17の結合を提供してもよい。例えば、トップ部材124は1つ又は2つ以上の開口部を含むことができ、各開口部はシートアセンブリ17をペデスタル21のトップ部材124に結合(例えば、取り付け)するための締結装置(例えば、ボルト、ねじ等)を受容するように構成される。別の例として、トップ部材124はその中に一体的に形成された(すなわち、ペデスタル21に接続または結合された)1つまたは複数の締結装置(例えば、ボルト、凹部ナットなど)を含んでもよく、締結装置は、シートアセンブリ17の少なくとも一部分をペデスタル21に結合または固定するために使用されてもよい。
【0066】
ペデスタル21のトップ部材124はまた、生体認証トイレデータ収集装置200を支持するように成形されてもよく、これは、装置20およびセンサモジュール22について本明細書で説明される構造および機能を使用して構成されてもよい。トイレデータ収集装置200は、トップ部材124によって支持されるように構成された少なくとも1つの支持要素を含むことができる。トップ部材124は1つまたは2つ以上の開口部を含んでもよく、各開口部はトイレデータ収集装置200をペデスタル21のトップ部材124に結合(例えば、取り付け)するための締結デバイス(例えば、ボルト、ねじなど)を受容するように構成される。別の例として、トップ部材124はその中に一体的に形成された(すなわち、すでにペデスタル21に接続または結合されて提供された)1つまたは複数の締結装置(例えば、ボルト、凹部ナットなど)を含むことができ、締結装置は、トップ部材124の少なくとも一部分をペデスタル21に結合または固定するために使用され得る。トイレデータ収集装置200は、トップ部材124の表面上に載置され、摩擦またはバネ力によって適所に保持されてもよい。
【0067】
ペデスタル21のボウル23はレセプタクル(例えば、サンプ)および出口開口部を含むように構成されてもよく、水および廃棄物は、アクチュエータ14の起動時などに出口開口部を通して除去されるまで、レセプタクル内に収集される。ペデスタル21はまた、ボウル23の出口開口部または排泄出口を排水管または土壌管に接続する、トラップウェイなどのペデスタル内部通路を含んでもよい。通路またはトラップウェイは一般に、第1の部分と、第2の部分と、第1および第2の部分を分離する堰とを含む。通路の第1の部分はボウル23の出口開口部から、堰に対して上向きに斜めの角度で延びてもよい。通路の第2の部分は堰から下向きに、排水管または汚水管などの出口装置まで延在することができる。
【0068】
トイレ10の動作サイクル(例えば、水洗サイクル)の間に、水(及び排泄物)は水が堰を通過して、トラップウェイの第2の部分に入ることを禁止するように、(ボウルの容器に加えて)トラップウェイの第1の部分に収集される。フラッシングサイクルは、アクチュエータ14の作動時に開始することができる。アクチュエータが作動すると、追加の水(例えば、真水および/または中水)がペデスタル21のボウル23に排泄され、その結果、洗浄動作および汚水管を通る排泄物の除去がもたらされる。洗浄サイクルは、洗浄動作及び排泄物除去を支援するサイホンの生成を含むことができる。
【0069】
シートアセンブリ17は、カバー部材18(例えば、蓋)と、シート部材19(例えば、リング部材)と、ヒンジとを含んでもよい。シート部材19は開口部を取り囲む環状部材を含むように構成されてもよく、環状部材はトイレ10のユーザのための座面を提供する。シート部材19はまた、ヒンジに旋回可能に結合(例えば、取り付け)されてもよく、シート部材は、第1の下降位置または着座位置と第2の上昇位置または直立位置との間など、ヒンジを中心に回転(または旋回)してもよい。カバー部材18は、円形、楕円形、または任意の他の適切な形状であってもよい。典型的には、カバー部材の外面の輪郭または形状がシートアセンブリおよび便器の美観を改善するために、シート部材の外面の輪郭に一致するように(すなわち、実質的に類似するように)構成される。カバー部材18はまた、ヒンジに結合されてもよく、カバー部材は、第1の下降位置または下方位置と第2の上昇位置または直立位置との間など、ヒンジを中心に回転(または旋回)してもよい。カバー部材18は下方位置においてシート部材19の上方に設けられ、それによってシート部材19の開口部を覆うとともに、ペデスタル21のボウル23の内部を隠すことができる。カバー部材18が直立位置にあるとき、カバー部材18はタンク11の外面に凭れるように構成されてもよく、その結果、カバー部材18は、ユーザがシート部材19に着座するために直立位置に留まる。一代替形態では、シートアセンブリ17が窓の後ろに取り付けられたトイレデータ収集装置200を含むことができる。
【0070】
以下に説明するように、シート部材19および/またはカバー部材18はセンサおよび/または洗浄サイクルまたは洗浄サイクルの特定の部分を開始するための駆動機構に結合されてもよく、これはタンク11からの水の放出または洗浄アセンブリの構成要素の作動を伴ってもよい。
【0071】
図5は、本開示の別の例示的な実施形態によるスカートなしトイレ110を示す。本開示全体を通して、「トイレ10」は、図1のトイレ10または図20のトイレ110を代替的に参照するために使用され得る。すなわち、トイレ10とトイレ110の両方に以下の実施形態を適用してもよい。トラップウェイ15を含む内部部品は、スカートなしトイレ20のペデスタル21内に見える。本明細書に記載の装置、方法、およびシステムはスカート付きトイレおよびスカートなしトイレの両方を含み、かつ/またはそれらと共に使用され得ることに留意されたい。
【0072】
図5はまた、フラッシュサイクルの作動のためにユーザからの入力を受け取るように構成されたフラッシュレバー126を含む。水洗レバー126は、タンク11から便器23内に水を排泄するためのフラッパなどの出口弁に物理的に接続されてもよい。フラッシュレバー126はまた、フラッシュレバー126に関連付けられた(例えば、内部の)センサがユーザの検出またはフラッシュレバー126の動きを示すデータを生成し得るように、コントローラに電気的に接続されてもよい。コントローラは、それに応答して、出口弁を開くためのコマンドを生成することができる。
【0073】
アクチュエータ14またはフラッシュレバー126はまた、本明細書に記載されるフラッシュアセンブリのいずれかと接続されるか、または連通してもよい。すなわち、出口弁の動作に加えて、アクチュエータ14または水洗レバー126へのユーザ入力は、以下の洗浄アセンブリにおいて1つまたは複数の動作を生じさせてもよい。いくつかの実施例では、アクチュエータ14へのユーザ入力が最初にフラッシュアセンブリを動作させ、次いで、出口弁の動作を引き起こしてもよい。他の実施例では、フラッシュアセンブリおよび出口弁が同時にまたは実質的に同時に作動する。「実質的に同時に」とは、時間が洗浄サイクルの時間と比較して相対的に小さくなるような時間内を意味することができる。時間の例としては、1秒、100ミリ秒、または10ミリ秒を含み得る。洗浄アセンブリの動作によって、(ボウルの容器に加えて)トラップウェイの第1の部分に集められた水を、堰を通過させてトラップウェイの第2の部分に入れることができる。
【0074】
フラッシュレバー126またはアクチュエータ14は、洗浄サイクルのためのユーザ入力を示す出力信号を生成するように構成された様々な他のセンサタイプを含むか、またはそれと置き換えられてもよい。磁気センサは作動に応答して電子信号(たとえば、センサデータ)を生成するために、フラッシュレバー126またはアクチュエータ14に組み込まれてもよい。磁気センサは動きを検出するために、フラッシュレバー126またはアクチュエータ14(例えば、ホール効果センサ)に埋め込まれてもよい。光学センサはユーザの近くの動き(例えば、手のジェスチャ、手またはユーザの存在)を検出してもよい。フラッシュレバー126またはアクチュエータ14は、リードセンサまたは動きを検出する他の機械的センサに連結されてもよい。
【0075】
フラッシュレバー126またはアクチュエータ14は、ユーザが押して出力信号を生成することができるボタンまたは複数のボタンを含むことができる。フラッシュレバー126またはアクチュエータ14に加えて、またはその代わりに、タッチスクリーンがユーザ入力を受信し、出力信号を生成してもよい。いくつかの実施例では、タッチスクリーンは容量性であってもよい。他の静電容量センサが、トイレ10上に直接組み込まれてもよい。
【0076】
フラッシュレバー126またはアクチュエータ14は、リモコンなどの別の入力デバイスとの通信を含むことができる。リモコンはバッテリで動作し、コントローラまたはフラッシュレバー26またはアクチュエータ14と通信する、独立型デバイスであってもよい。外部入力デバイスは、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、または他のモバイルデバイスであってもよい。
【0077】
これらの例のいずれにおいても、フラッシュレバー126、アクチュエータ14、または独立型デバイスは、トイレデータ収集装置200におけるデータの収集をリセットするか、またはそうでなければ影響を及ぼすために、トイレデータ収集装置200と通信することができる。例えば、水洗レバー126、アクチュエータ14、または独立型デバイスによって洗浄サイクルが開始されると、トイレデータ収集装置200は身体排泄物についての現在の任意のデータの収集を停止し、待機状態に戻ってもよい。待機状態において、トイレデータ収集装置200は被験者(ユーザ)がトイレ10の上または近傍にいるとき、および/または被験者が便器23に排便および/または排尿したかどうかを被験者センサが検出するのを待ってもよい。すなわち、トイレデータ収集装置200は、水洗レバー126によって待機状態に置かれ、便、尿、被験者、または便器23内の水の動きを感知するように構成されたモーションセンサに基づいて、待機状態からデータ収集モードに移行してもよい。代替的に又は追加的に、トイレデータ収集装置200は、バスルーム内の光がいつスイッチオンされたか、又はいつ被験者がトイレに座ったかを検出するように構成された光センサに基づいて、待機状態からデータ収集モードに戻ってもよい。
【0078】
図6は、身体排泄物を分析するための例としてのトイレデータ収集装置200のより詳細な図を示す。トイレデータ収集装置200は、トイレデータ収集装置200を最小限の可動部品でトイレ10のリムに固定するための1つ以上の機構を含んでもよい。トイレ、特にトイレリムは、様々なサイズ及び幅で入手可能である。加えて、トイレリムの幅は、トイレの周囲に沿って変化してもよい。したがって、データ収集装置は、様々なサイズのトイレリムに適合するように調整可能であってもよい。第1の実施形態では、バネ仕掛けのスリーブによって、収集装置を様々なリムサイズに調整することができる。第2の実施形態では、モジュール式エクステンダによって、異なるリムサイズに対応するように交換可能であってもよい。第3の実施形態では、収集装置は可撓性であり、リムのサイズに合わせることができる。
【0079】
図6は、トイレ10に対して非装着位置にあるトイレデータ収集装置200を示す。データ収集装置200は、第1の区画221および第2の区画222を含み得る。第1の区画221は、ブリッジ230によって第2の区画222に結合される。第2の区画222は、別のデバイスとインターフェースするためのデータポート226を含んでもよい。追加の、異なる、またはより少ない構成要素が含まれてもよい。
【0080】
ブリッジ230は、内側エクステンダ223が外側エクステンダ224内に嵌合するように、スリーブとして外側エクステンダ224および内側エクステンダ223を含む。内側エクステンダ223は、第1の区画221に結合されてもよい。外側エクステンダ224は、第2の区画222に結合されてもよい。外側エクステンダ224の内部のバネは、内側エクステンダ223を押して、外側エクステンダ224内でより遠くにスライドするように構成されてもよい。バネは、外側エクステンダ224に対して内側エクステンダ223を引っ張ってもよい。バネは、内側エクステンダ223をリム12に向かって引っ張ってもよい。バネは、内側エクステンダ223および/または外側エクステンダ224に加えられる力が一定である必要がある一定の力のバネであってもよい。他の実施例は、バネによって加えられる力が内側エクステンダ223と外側エクステンダ224との間の相対距離に比例するプログレッシブスプリングを含んでもよい。1つまたは複数のプログレッシブスプリングバネは、内側エクステンダ223と外側エクステンダ224との相対位置に応じて可変であるバネ定数を含む。一代替形態では、内側エクステンダ223および/または外側エクステンダ224が内側エクステンダ223と外側エクステンダ224とを一緒に押圧することを可能にするが、一部分ではないラチェット装置を含む。ラチェット機構は、解放ボタンを介して解放されてもよい。
【0081】
第2の実施形態では、ブリッジがモジュール式または交換式である。ブリッジは、第1のサイズのブリッジが取り外され、第2のサイズのブリッジと交換され得るように、交換可能であり得る。ブリッジは、第1の区画221および第2の区画222から取り外し可能であってもよい。ブリッジは、第1の区画221および第2の区画222のそれぞれの凹部にスナップ嵌めすることができる。ブリッジは、スクリュー、ピン、バネ、または別の締結具を使用して、第1の区画221および/または第2の区画222に締結され得る。ブリッジは、第1の区画221および/または第2の区画222に磁気的に結合され得る。
【0082】
ユーザは、ブリッジを交換して、特定のリムに適合するブリッジを選択することができる。ブリッジ31の特定のサイズは、リムの幅に基づいて選択することができる。例えば、ユーザはリムの幅を測定し、それに対応する幅のブリッジを有する収集装置20を注文することができる。一例では、ユーザがトイレの特定のモデルに従って電話またはウェブサイト上で注文を行うことができ、ブリッジのサイズはそのトイレのモデルに従って検索される。
【0083】
内側エクステンダ223および/または第1の区画221はリムを押圧して、データ収集装置200をトイレ10に保持するように構成されたバンパまたはグリップ225を含むことができる。ユーザは、内側エクステンダ223および外側エクステンダ224を互いに向かって手動で押して、グリップ225をリム12に接触させ、データ収集装置200をトイレ10に保持することができる。
【0084】
第1の区画221は少なくとも1つの回路構成要素を含み、第2の区画222は、少なくとも1つの回路構成要素を含む。ブリッジ230は、第1の区画221の回路と第2の区画222の回路との間の電力および/または通信を提供するためのワイヤ、トレース、または他の導体を含む。
【0085】
ブリッジ230は、内側エクステンダ223と外側エクステンダ224との相対移動によってサイズが変更するので、導体は調整可能であるべきである。いくつかの実施例では、導体が伸長または収縮するように構成されたリボンケーブルを備えていてもよい。いくつかの実施例では、ブリッジ230のサイズが変更するにつれて、ワイヤがキャビティ内で移動するように、導体がブリッジ内にループ状またはスラック状の配線を備えていてもよい。いくつかの実施例では、導体が内側エクステンダ223および外側エクステンダ224上のトレースを含んでもよく、内側エクステンダ223および外側エクステンダ224が物理的な伝導および電気的な伝導を維持するように、平行な方向に互いに対してスライドし、内側エクステンダ223が外側エクステンダ224に対して移動する。
【0086】
言い換えると、ブリッジ230のサイズが調整されると、ブリッジ230のサイズの調整に応じて、1つまたは複数の導電体(たとえば、電力接続および/またはデータ接続)も変更される。いくつかの実施例では、1つまたは複数の導電体がブリッジ230の第1のサイズ(たとえば、縮小サイズ)に対応する第1の電気接続と、ブリッジ230の第2のサイズ(たとえば、拡張サイズ)に対応する第2の電気接続とを含む。
【0087】
図7は、身体排泄物を分析するための本明細書に記載の実施形態のいずれかの例示的な制御システム100を示す。コントローラ100は、プロセッサ300と、メモリ352と、デバイスと、またはインターネットおよび/または他のネットワーク346とインターフェースするための通信インターフェース353とを含み得る。通信インターフェース353に加えて、センサインターフェースは、本明細書に記載のセンサからのデータまたは任意のソースからのデータを受信するように構成されてもよい。コントローラ100は、統合ディスプレイ350、または他の出力デバイスを含んでもよい。制御システムの構成要素は、バス348を使用して通信することができる。制御システムはユーザ入力、システム特性、および本明細書で説明される値のいずれかを受信するために、ワークステーションまたは別の外部装置(たとえば、制御パネル)および/またはデータベースに接続され得る。
【0088】
図8は、制御システム100を使用する生体認証データ収集装置の動作の例示的なフローチャートを示す。追加の、異なる、またはより少ない動作が実行されてもよい。
【0089】
動作S101において、トイレデータ収集装置200は排泄物データが収集されていない待機状態であり、被験者センサ356から近接データを受信する。被験者センサ356からのデータは、ユーザがトイレに近づいたこと、トイレに座ったこと、またはトイレに近接していることを示す。被験者センサ356はユーザの存在、動き、温度、または他の特性を検出することができる。被験者センサ356は、ユーザの顔を検出してもよい。被験者センサ356は、ユーザの識別情報を検出してもよい。
【0090】
被験者センサ356は無線通信プロトコルを使用してユーザの識別情報を受信するために、ユーザのパーソナルデバイス(例えば、電話機)と通信し得る。無線通信の例としては、Bluetooth(登録商標)として知られるプロトコルのファミリーを含む。Bluetooth(登録商標)プロトコル、または別のアドホックネットワークは、ユーザ介入なしに直接接続プローブを可能にし得る。たとえば、ネットワークデバイスの別の例であるBluetooth(登録商標)トランシーバは、アドホック接続のために利用可能であるとしてBluetooth(登録商標)トランシーバの存在を知らせる情報のパケットを送信またはブロードキャストしてもよい。方向接続プローブの存在、または別の言い方をすれば、ネットワークデバイスの無線機がモバイル機器から方向接続プローブを受信する機能が、モバイル機器が近接していることを示す。無線通信の他実施例は、無線周波数識別(RFID)または近距離無線通信(NFC)を含む。これらの短距離通信信号は、モバイル機器が受信機の近くを通過するときに受信され得る。
【0091】
動作S103において、制御システム100は、被験者センサ356によって受信されたデータに応答して、データ収集モードを開始する。データ収集モードでは、排泄物センサ24が便器23内またはトイレデータ収集装置200の近傍(例えば、空気中)にあり得る尿および/または便についてのデータを生成する。排泄物センサ24は、1つまたは複数の波長範囲の光に基づいてデータを生成することができる。排泄物センサ24は、複数の波長範囲に渡る光を検出することができる。各々が特定の異なる波長範囲でプログラムされるか、さもなければ特定の異なる波長範囲を被験者とする複数のセンサが使用されてもよい。プロセッサ300は、プログラミングデバイス(例えば、電話機34、タブレットコンピュータ36、ラップトップコンピュータ38など)に有線で接続されたデータポート226を介して、各範囲の最小波長および最大波長を含む波長範囲を分析するための1つまたは複数のアルゴリズムでプログラムされてもよい。
【0092】
動作S105において、制御システム100は、第1の波長範囲のデータをメモリ252に記憶する。データは、1つまたは複数の画素強度を含み得る。第1の波長範囲は、化合物の最大吸光度に関連する波長帯域であってもよい。例えば、クレアチニンは吸光度ピーク(例えば、500nm~570nm、および/または510nm~550nm)を有すると予想される。
【0093】
動作S107において、制御システム100は、第2の波長範囲のデータをメモリ252に記憶する。データは、1つまたは複数の画素強度を含み得る。第2の波長範囲は、化合物の最小吸光度に関連する波長帯域であってもよい。例えば、クレアチニンが最小吸光度(例えば、600~680nm、及び/又は360~440nm)を有すると予想される波長帯域における光強度。
【0094】
動作S109において、制御システム100は、第1の波長範囲のデータを第2の波長範囲のデータと比較する。例えば、制御システム100は、第2の波長範囲の値に対する第1の波長範囲からの値の比率を計算してもよい。
【0095】
1つの代替として、制御システム100は、データを第1の波長範囲または第2の波長範囲と所定の値と比較してもよい。
【0096】
動作S111において、制御システム100は、比較に基づいて状態を特定する。状態は、ユーザが化合物の濃度を上昇させることであってもよい。制御システム100は、比較から識別された状態に応答して、ユーザに対する推奨を含むメッセージを生成することもできる。推奨は特定の食品の変更(例えば、食品)であってもよい。推奨は医学的であってもよい(例えば、医療専門家を訪問し、さらなる医学的検査を求める)。水の摂取量を増やすことが推奨されてもよい。
【0097】
任意選択的に、制御システムは、入力装置355を含んでもよい。入力デバイスは、ボタン、タッチスクリーン、キーボード、音声入力のためのマイクロフォン、ジェスチャ入力のためのカメラ、および/または別の機構など、ユーザ入力のいずれかを含み得る。
【0098】
任意選択で、制御システムは命令342を有する非一時的コンピュータ媒体341を受信し、読み取るためのドライブユニット340を含むことができる。追加の、異なる、またはより少ない構成要素が含まれてもよい。プロセッサ300は、本明細書で説明するアルゴリズムを実行するためにメモリ352に記憶された命令342を実行するように構成される。ディスプレイ350は、インジケータまたは他の画面出力デバイスであってもよい。ディスプレイ350は、ユーザ入力装置355と組み合わせてもよい。
【0099】
プロセッサ300は、汎用または特定用途プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、1つまたは複数のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)、1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、処理構成要素、または他の適切な処理構成要素のグループであり得る。プロセッサ300はメモリ352に記憶された、または他のコンピュータ読み取り可能媒体(例えば、組み込みフラッシュメモリ、ローカルハードディスクストレージ、ローカルROM、ネットワークストレージ、リモートサーバなど)から受信されたコンピュータコードまたは命令を実行するように構成される。プロセッサ300は、ネットワーク、分散処理、またはクラウドコンピューティングに関連するような、単一の装置または装置の組合せであってもよい。
【0100】
メモリ352は、本開示で説明する様々なプロセスを完了および/または容易にするためのデータおよび/またはコンピュータコードを記憶するための1つまたは複数のデバイス(たとえば、メモリユニット、メモリーデバイス、記憶デバイスなど)を含み得る。メモリ352は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードドライブ記憶装置、一時記憶装置、不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、光メモリ、またはソフトウェアオブジェクトおよび/もしくはコンピュータ命令を記憶するための任意の他の適切なメモリを含み得る。メモリ352は、データベース構成要素、オブジェクトコード構成要素、スクリプト構成要素、または本開示で説明する様々な動作および情報構造をサポートするための任意の他のタイプの情報構造を含み得る。メモリ352は処理回路を介してプロセッサ300に通信可能に接続され得、本明細書で説明する1つまたは複数のプロセスを(たとえば、プロセッサ300によって)実行するためのコンピュータコードを含み得る。例えば、メモリ352は、グラフィックス、ウェブページ、HTMLファイル、XMLファイル、スクリプトコード、シャワー構成ファイル、または表示のためのグラフィカルユーザインターフェースを生成する際に使用するための、および/または指令、制御、もしくは通信決定を行うためのユーザインターフェース入力を解釈する際に使用するための他のリソースを含んでもよい。
【0101】
入口ポートおよび出口ポートに加えて、通信インターフェース353は任意の動作可能な接続(例えば、データポート226)を含んでもよい。動作可能な接続は、信号、物理的通信、および/または論理通信が送信および/または受信され得る接続であってもよい。動作可能な接続は、物理インターフェース、電気インターフェース、および/またはデータインターフェースを含んでもよい。通信インターフェース353は、ネットワークに接続されてもよい。ネットワークは、有線ネットワーク(たとえば、イーサネット(登録商標))、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ワイヤレスネットワーク、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。無線ネットワークは、セルラー電話ネットワーク、802.11、802.16、802.20、またはWiMaxネットワーク、装置のBluetooth(登録商標)ペアリング、またはBluetooth(登録商標)メッシュネットワークであってもよい。更に、ネットワークはインターネットなどの公衆ネットワーク、イントラネットなどのプライベートネットワーク、またはそれらの組合せであってもよく、TCP/IPベースのネットワーキングプロトコルを含むがこれらに限定されない、現在利用可能であるか、または後に開発される様々なネットワーキングプロトコルを利用してもよい。
【0102】
コンピュータ読み取り可能な媒体(たとえば、メモリ352)は単一の媒体であるように示されているが、「コンピュータ読み取り可能な媒体」という用語は集中型または分散型データベースなどの単一の媒体または複数の媒体、および/または1つまたは複数の命令セットを記憶する関連するキャッシュおよびサーバを含む。「コンピュータ読み取り可能な媒体」という用語はまた、プロセッサによる実行のための命令のセットを記憶、符号化、または搬送することが可能でまたはコンピュータシステムに本明細書で開示される方法または動作のうちの任意の1つまたは複数を実行させる、任意の媒体を含むものとする。
【0103】
特定の非限定的な例示的実施形態では、コンピュータ読み取り可能な媒体が1つまたは複数の不揮発性読み出し専用メモリを収容するメモリカードまたは他のパッケージなどのソリッドステートメモリを含むことができる。さらに、コンピュータ読み取り可能な媒体は、ランダムアクセスメモリまたは他の不揮発性再書き込み可能メモリであり得る。さらに、コンピュータ読み取り可能な媒体は、伝送媒体を介して通信される信号などの搬送波信号をキャプチャするために、ディスクまたはテープなどの磁気光学または光学媒体または他の記憶デバイスを含むことができる。電子メールまたは他の自己完結型情報アーカイブまたはアーカイブのセットへのデジタルファイル取り付けは、有形の記憶媒体である配信媒体と見なされ得る。したがって、本開示は、データまたは命令が記憶され得る、コンピュータ読み取り可能な媒体または配信媒体、ならびに他の均等物および後続媒体のうちの任意の1つまたは複数を含むと考えられる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、すべての有形コンピュータ読み取り可能な媒体を含む、非一時的であり得る。
【0104】
代替実施形態では、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックアレイ、および他のハードウェア装置などの専用ハードウェア実施形態は本明細書で説明する方法のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。様々な実施形態の装置およびシステムを含むことができるアプリケーションは、様々な電子およびコンピュータシステムを広く含むことができる。本明細書で説明する1つまたは複数の実施形態は、モジュール間で、モジュールを介して、または特定用途向け集積回路の一部として通信することができる、関連する制御およびデータ信号を有する2つ以上の特定の相互接続されたハードウェアモジュールまたはデバイスを使用して、機能を実行することができる。したがって、本システムは、ソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェア実装を包含する。
【0105】
本明細書に記載される実施形態の例示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。図示は、本明細書に記載の構造または方法を利用する装置およびシステムの要素および特徴のすべての完全な説明としての役割を果たすことを意図するものではない。多くの他の実施形態は、本開示を検討すると当業者には明らかであり得る。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的および論理的な置換および変更が行われ得るように、他の実施形態が利用され、本開示から導出され得る。加えて、図示は単に代表的なものであり、縮尺通りに描かれていない場合がある。図中の特定の割合は誇張されているが、他の割合は最小化されている。したがって、本開示および図面は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきである。
【0106】
本明細書は多くの詳細を含むが、これらは本発明の範囲または特許請求され得るもの限定として解釈されるべきではなく、むしろ本発明の特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別々の実施形態の文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、または任意の適切な組み合わせで実行することもできる。さらに、特徴は特定の組み合わせで作用するものとして上述されてもよく、最初にそのように特許請求されたものとしてさえも、特許請求された組み合わせからの1つまたは複数の特徴は場合によってはその組み合わせから切り離されてもよく、特許請求された組み合わせはサブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。
【0107】
本開示の1つまたは複数の実施形態は、本明細書では単に便宜上、かつ本出願の範囲を任意の特定の発明または発明概念に自発的に限定することを意図することなく、「発明」という用語によって、個々におよび/またはまとめて言及され得る。さらに、本明細書では特定の実施形態を例示し説明してきたが、同じまたは同様の目的を達成するように設計された任意の後続の構成を、示された特定の実施形態に置き換えることができることを理解されたい。本開示は、様々な実施形態の任意のおよびすべての後続の適応または変形を網羅することが意図される。上記の実施形態、および本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態の組み合わせは、説明を検討することによって当業者に明らかになるのであろう。
【0108】
本明細書で説明する本発明の適用は、ユーザインターフェース装置32のコンピュータプロセッサ、ハウジング30内に配置されたコンピュータプロセッサ28、または遠隔クラウドベースのコンピュータプロセッサなどの、コンピュータまたは任意の命令実行システムによって、またはそれらと関連して使用するためのプログラムコードを提供する、コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体(たとえば、非一時的コンピュータ可読媒体)からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。本説明の目的のために、コンピュータ使用可能またはコンピュータ読み取り可能な媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれに関連して使用するためのプログラムを備える、保存する、通信する、伝播する、または移送することができる任意の装置であってもよい。媒体は、電子、磁気、光、電磁、赤外線、または半導体のシステム(あるいは装置またはデバイス)、あるいは伝播媒体とすることができる。いくつかの適用では、コンピュータ使用可能またはコンピュータ読み取り可能な媒体が非一時的コンピュータ使用可能またはコンピュータ読み取り可能な媒体である。
【0109】
コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、半導体またはソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、剛性磁気ディスク、および光ディスクを含む。光ディスクの現在の例は、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、コンパクトディスク読み取り/書込み(CD-R/W)、およびDVDを含む。一部のアプリケーションでは、クラウドストレージが使用される。
【0110】
プログラムコードを記憶および/または実行するのに適したデータ処理システムは、システムバスを介して、メモリ要素(例えば、ユーザインターフェース装置32のメモリ)に直接または間接的に結合された少なくとも1つのプロセッサ(例えば、ユーザインターフェース装置32のコンピュータプロセッサ、ハウジング30内に配置されたコンピュータプロセッサ28、または遠隔クラウドベースのコンピュータプロセッサ)を含む。メモリ要素はプログラムコードの実際の実行中に使用されるローカル・メモリ、大容量ストレージ、および、実行中に大容量ストレージからコードを取り出さなければならない回数を削減するために少なくとも一部のプログラムコードの一時ストレージを提供する、キャッシュ・メモリを含むことができる。システムはプログラム記憶装置上の本発明の命令を読み取り、これらの命令に従い、本発明の実施形態の方法を実行することができる。
【0111】
ネットワークアダプタは、プロセッサが介在するプライベートまたはパブリックネットワークを介して、他のプロセッサまたはリモートプリンタまたは記憶装置に結合されることを可能にするように、プロセッサに結合され得る。モデム、ケーブル・モデム、およびイーサネット(登録商標)・カードは、現在使用可能なネットワークアダプタのタイプの一例に過ぎない。
【0112】
本発明の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、およびCプログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで記述され得る。
【0113】
本明細書で説明されるアルゴリズムは、コンピュータプログラム命令によって実行され得ることが理解されるのであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータのプロセッサ(例えば、ユーザインターフェース装置32のコンピュータプロセッサ、ハウジング30内に配置されたコンピュータプロセッサ28、または遠隔クラウドベースのコンピュータプロセッサ)または他のプログラマブルデータ処理装置を介して実行される命令が本出願で説明されるアルゴリズムで指定される機能/動作を実行するための手段を作成するように、マシンを生成することができる。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体(例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体)に記憶されてもよく、コンピュータ可読媒体はコンピュータまたは他のプログラム可能なデータプロセッシング装置が特定の方法で機能するように指示することができ、その結果、コンピュータ可読媒体に記憶された命令は、アルゴリズムにおいて指定された機能/動作を実行する命令手段を含む製品を生成する。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上にロードされて、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令が本出願で説明されるアルゴリズムにおいて指定される機能/動作を実行するためのプロセスを提供するように、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータ実行プロセスを生成することができる。
【0114】
本明細書で説明するコンピュータプロセッサは、典型的には専用コンピュータを生成するためのコンピュータプログラム命令でプログラムされたハードウェアデバイスである。例えば、本明細書に記載のアルゴリズムを実行するようにプログラムされた場合、コンピュータプロセッサは、典型的には専用の身体排泄物分析コンピュータプロセッサとして機能する。典型的には、コンピュータプロセッサによって実行される本明細書に記載の動作が、実際の物理的物品であるメモリの物理的状態を、使用されるメモリの技術に応じて異なる磁気極性、電荷などを有するように変換する。
【0115】
当業者であれば、本発明は、上記で具体的に示され、説明されたものに限定されないことを理解するのであろう。むしろ、本発明の範囲は、上述の様々な特徴の組み合わせおよびサブコンビネーションの両方、ならびに上述の説明を読めば当業者が思いつく、先行技術にないその変形および修正を含む。
【0116】
前述の詳細な説明は限定的ではなく例示的であると見なされることが意図され、すべての等価物を含む以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義することが意図されることが理解される。特許請求の範囲はその旨記載されない限り、記載された順序または要素に限定されると解釈されるべきではない。したがって、以下の特許請求の範囲およびその均等物の範囲および趣旨に含まれるすべての実施形態は、本発明として特許請求される。
図1
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図8
【外国語明細書】