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特開2024-35836薄膜トランジスタ、電界発光表示装置及び駆動トランジスタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035836
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】薄膜トランジスタ、電界発光表示装置及び駆動トランジスタ
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20240307BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240307BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240307BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20240307BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
H01L29/78 617N
H01L29/78 618B
H01L29/78 619B
H01L29/78 617K
G09F9/30 365
G09F9/30 338
G09F9/30 349C
G09F9/30 348A
G09G3/3233
G09G3/20 624B
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023142727
(22)【出願日】2023-09-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0111629
(32)【優先日】2022-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハン, ヨンフン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジフン
【テーマコード(参考)】
5C080
5C094
5C380
5F110
【Fターム(参考)】
5C080AA06
5C080AA10
5C080BB05
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ05
5C080JJ06
5C080KK07
5C080KK20
5C080KK23
5C080KK43
5C080KK49
5C080KK50
5C094AA24
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA13
5C094DB04
5C094ED15
5C094FA01
5C094FA02
5C094JA08
5C380AA01
5C380AB06
5C380AB18
5C380AC08
5C380AC11
5C380AC12
5C380AC13
5C380BA21
5C380CA08
5C380CB01
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC39
5C380CC64
5C380CD016
5C380CE19
5F110AA04
5F110AA09
5F110BB01
5F110CC02
5F110DD12
5F110DD13
5F110DD14
5F110EE01
5F110EE02
5F110EE03
5F110EE04
5F110EE06
5F110EE14
5F110EE30
5F110FF02
5F110FF03
5F110FF09
5F110GG01
5F110GG02
5F110GG13
5F110GG15
5F110HJ13
5F110HK01
5F110HK02
5F110HK03
5F110HK04
5F110HK06
5F110HK21
5F110HL01
5F110HL02
5F110HL03
5F110HL04
5F110HL06
5F110HL11
5F110NN03
5F110NN23
5F110NN24
5F110NN44
5F110NN71
5F110NN74
5F110NN78
5F110QQ11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】閾値電圧以下スイング(Subthreshold Swing;SS)値を増加させることができ、サブスレシホールド電圧を増加させ、ベゼル幅の増加なしに低階調斑を改善する薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】薄膜トランジスタは、半導体層124、半導体層上に配置されるゲート絶縁層115c、ゲート絶縁層上に配置され、2個以上に分離された第1ゲート電極121a、ゲート電極上に配置される層間絶縁層115d、層間絶縁層上に配置され、半導体層のソース領域124s及びドレイン領域124dとそれぞれ電気的に接続するソース電極122及びドレイン電極123及び第1ゲート電極の上部に配置される第2ゲート電極121bを含み、ソース領域及びドレイン領域の間は、チャネル領域を構成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層;
前記半導体層上に配置される第1絶縁層;
前記第1絶縁層上に配置され、2個以上に分離された第1ゲート電極;
前記第1ゲート電極上に配置される第2絶縁層;
前記第2絶縁層上に配置され、前記半導体層のソース領域及びドレイン領域とそれぞれ電気的に接続するソース電極及びドレイン電極;並びに
前記第1ゲート電極の上部に配置される第2ゲート電極を含み、
前記ソース領域及び前記ドレイン領域の間は、チャネル領域を構成する、薄膜トランジスタ。
【請求項2】
前記第2ゲート電極は、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の間の前記第2絶縁層上に配置される、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項3】
前記2個以上に分離された第1ゲート電極は、互いに一定間隔離隔されており、前記第2ゲート電極は、前記一定間隔を覆うように前記第1ゲート電極の上部に配置される、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項4】
前記第1ゲート電極の外側の前記半導体層は、前記ソース領域及び前記ドレイン領域を構成し、前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極の下部の前記半導体層は、前記チャネル領域を構成する、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項5】
1つの第1ゲート電極の外側縁と、前記ソース領域と前記チャネル領域の間の境界とはセルフ-アライン(self-align)され、且つ、別の第1ゲート電極の外側縁と、前記ドレイン領域と前記チャネル領域の間の境界とはセルフ-アラインされる、請求項4に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項6】
前記第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極の少なくとも一部と重畳する、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項7】
前記第2ゲート電極は、コンタクトホールを通して前記第1ゲート電極と電気的に接続する、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項8】
前記第2絶縁層は、前記第1絶縁層の厚さに比して相対的に厚い厚さを有する、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項9】
基板上に配置される第1薄膜トランジスタ及び第2薄膜トランジスタ;並びに
前記第1薄膜トランジスタ及び第2薄膜トランジスタの上部に配置される発光素子を含み、
前記第1薄膜トランジスタは、
前記基板上に配置される第1半導体層;
前記第1半導体層上に配置されるゲート絶縁層;
前記ゲート絶縁層上に配置され、2個以上に分離された第1ゲート電極;
前記第1ゲート電極上に配置される層間絶縁層;
前記層間絶縁層上に配置され、前記第1半導体層のソース領域及びドレイン領域とそれぞれ電気的に接続する第1ソース電極及び第1ドレイン電極;及び
前記第1ゲート電極の上部に配置される第2ゲート電極を含み、
前記ソース領域及び前記ドレイン領域の間は、チャネル領域を構成し、
前記第2薄膜トランジスタは、
前記基板上に配置される第2半導体層;
前記第2半導体層上に配置される前記ゲート絶縁層;
前記ゲート絶縁層上に配置される第3ゲート電極;
前記第3ゲート電極上に配置される前記層間絶縁層;及び
前記層間絶縁層上に配置される第2ソース電極及び第2ドレイン電極を含む、電界発光表示装置。
【請求項10】
前記基板上に配置される第1遮光層;
前記第1遮光層上に配置される第1バッファ層;
前記第1バッファ層上に配置される第2遮光層;及び
前記第2遮光層上に配置される第2バッファ層をさらに含む、請求項9に記載の電界発光表示装置。
【請求項11】
前記第1遮光層及び前記第2遮光層は、前記第1薄膜トランジスタの下部に配置される、請求項10に記載の電界発光表示装置。
【請求項12】
前記第2ゲート電極は、前記第1薄膜トランジスタの前記第1ソース電極及び前記第1ドレイン電極の間の前記層間絶縁層上に配置される、請求項9に記載の電界発光表示装置。
【請求項13】
前記2個以上に分離された第1ゲート電極は、互いに一定間隔離隔されており、前記第2ゲート電極は、前記一定間隔を覆うように前記第1ゲート電極の上部に配置される、請求項9に記載の電界発光表示装置。
【請求項14】
前記第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極の少なくとも一部と重畳する、請求項9に記載の電界発光表示装置。
【請求項15】
前記第2ゲート電極は、コンタクトホールを通して前記第1ゲート電極と電気的に接続する、請求項9に記載の電界発光表示装置。
【請求項16】
前記層間絶縁層は、前記ゲート絶縁層の厚さに比して相対的に厚い厚さを有する、請求項9に記載の電界発光表示装置。
【請求項17】
前記第1薄膜トランジスタは、駆動トランジスタを含む、請求項9に記載の電界発光表示装置。
【請求項18】
前記第2薄膜トランジスタは、スイッチングトランジスタ、スキャントランジスタ、センシングトランジスタ及びゲートインパネル(Gate In Panel;GIP)トランジスタを含む、請求項9に記載の電界発光表示装置。
【請求項19】
互いに直列に連結された2個以上の第1薄膜トランジスタ及び一つの第2薄膜トランジスタを含み、
前記2個以上の第1薄膜トランジスタのそれぞれ及び前記第2薄膜トランジスタは共通アクティブ領域を有し、
前記2個以上の第1薄膜トランジスタそれぞれの第1ゲート電極、及び前記第2薄膜トランジスタの第2ゲート電極は、前記共通アクティブ領域の同一側に配置され、
前記第2薄膜トランジスタの第2ゲート電極と前記共通アクティブ領域との間の距離は、前記2個以上の第1薄膜トランジスタそれぞれの第1ゲート電極と前記共通アクティブ領域との間の距離より大きい、駆動トランジスタ。
【請求項20】
前記共通アクティブ領域は、ソース領域、ドレイン領域及びチャネル領域を含み、前記チャネル領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に構成される、請求項19に記載の駆動トランジスタ。
【請求項21】
前記2個以上の第1薄膜トランジスタの第1ゲート電極は、互いに一定間隔離隔されて配置され、前記第2薄膜トランジスタの第2ゲート電極は、前記一定間隔を覆うように前記第1ゲート電極それぞれの上部に配置される、請求項19に記載の駆動トランジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界発光表示装置に関し、より詳細には、デュアルゲート構造の薄膜トランジスタ、電界発光表示装置及び駆動トランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、本格的な情報化時代に入るに伴い、電気的情報信号を視覚的に表示する表示装置分野が急速に発展しており、様々な表示装置に対して、薄型化、軽量化及び低消費電力化等の性能を開発させるための研究が続いている。
【0003】
代表的な表示装置として、液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)及び有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display;OLED)等がある。
【0004】
この中で、有機発光表示装置を含む電界発光表示装置は、自体発光型表示装置であって、液晶表示装置とは異なり別途の光源が不要であり、軽量薄型に製造が可能である。また、電界発光表示装置は、低電圧駆動により消費電力の側面で有利であるだけではなく、色相具現、応答速度、視野角(viewing angle)、コントラスト比(Contrast Ratio;CR)にも優れており、多様な分野で活用が期待されている。
【0005】
電界発光表示装置は、アノード(anode)とカソード(cathode)と称された2つの電極の間に有機物を使用した発光層を配置して構成される。そして、アノードでの正孔を発光層に注入させ、カソードでの電子を発光層に注入させると、注入された電子と正孔が互いに再結合(recombination)しながら発光層で励起子(exciton)を形成して発光して画像を表示することとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、駆動トランジスタでの閾値電圧以下スイング(Subthreshold Swing;SS)を増加させた薄膜トランジスタ及びそれを有する電界発光表示装置を提供することである。
【0007】
本明細書の課題は、以上において言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述したような課題を解決するために、本発明の一実施例に係る薄膜トランジスタは、半導体層、前記半導体層上に配置される第1絶縁層、前記第1絶縁層上に配置され、2個以上に分離された第1ゲート電極、前記第1ゲート電極上に配置される第2絶縁層、前記第2絶縁層上に配置され、前記半導体層のソース領域及びドレイン領域とそれぞれ電気的に接続するソース電極及びドレイン電極、及び前記第1ゲート電極の上部に配置される第2ゲート電極を含み、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の間は、チャネル領域を構成することができる。
【0009】
前述したような課題を解決するために、本発明の一実施例に係る電界発光表示装置は、基板上に配置される第1薄膜トランジスタ及び第2薄膜トランジスタ、及び前記第1薄膜トランジスタ及び第2薄膜トランジスタの上部に配置される発光素子を含み、前記第1薄膜トランジスタは、前記基板上に配置される半導体層、前記半導体層上に配置されるゲート絶縁層、前記ゲート絶縁層上に配置され、2個以上に分離された第1ゲート電極、前記第1ゲート電極上に配置される層間絶縁層、前記層間絶縁層上に配置され、前記半導体層のソース領域及びドレイン領域とそれぞれ電気的に接続するソース電極及びドレイン電極、及び前記第1ゲート電極の上部に配置される第2ゲート電極を含み、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の間は、チャネル領域を構成し、前記第2薄膜トランジスタは、前記基板上に配置される半導体層、前記半導体層上に配置される前記ゲート絶縁層、前記ゲート絶縁層上に配置されるゲート電極、前記ゲート電極上に配置される前記層間絶縁層、及び前記層間絶縁層上に配置されるソース電極及びドレイン電極を含むことができる。
【0010】
前述したような課題を解決するために、本発明の一実施例に係る駆動トランジスタは、互いに直列に連結された2個以上の第1薄膜トランジスタ及び一つの第2薄膜トランジスタを含み、前記2個以上の第1薄膜トランジスタ及び前記第2薄膜トランジスタそれぞれは共通アクティブ領域を有し、前記2個以上の第1薄膜トランジスタ及び前記第2薄膜トランジスタそれぞれの第1ゲート電極と第2ゲート電極は、前記共通アクティブ領域の同一側に配置され、前記第2薄膜トランジスタの第2ゲート電極と前記共通アクティブ領域との間の距離は、前記2個以上の第1薄膜トランジスタそれぞれの第1ゲート電極と前記共通アクティブ領域との間の距離より大きくてよい。
【0011】
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、駆動トランジスタに対して、3個以上の直列薄膜トランジスタ構造に変更して誘電体の厚さを増加させることで閾値電圧以下スイング(Subthreshold Swing;SS)値を増加させることを特徴とする。そこで、ベゼル幅の増加なしに低階調斑を改善できるようになる。
【0013】
本発明に係る効果は、以上において例示された内容により制限されず、さらに多様な効果が本発明内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例の電界発光表示装置の概略的な構成図である。
図2図1の電界発光表示装置に対するサブ画素の回路図である。
図3図1の電界発光表示装置の平面図である。
図4図3のI-I’線に沿った断面図である。
図5図3のII-II’線に沿った断面図である。
図6】ゲート電圧に対するドレイン電流を示す薄膜トランジスタの特性グラフである。
図7a図4の薄膜トランジスタの製造工程の一部を順次に示す断面図である。
図7b図4の薄膜トランジスタの製造工程の一部を順次に示す断面図である。
図7c図4の薄膜トランジスタの製造工程の一部を順次に示す断面図である。
図7d図4の薄膜トランジスタの製造工程の一部を順次に示す断面図である。
図7e図4の薄膜トランジスタの製造工程の一部を順次に示す断面図である。
図7f図4の薄膜トランジスタの製造工程の一部を順次に示す断面図である。
図8】本発明の他の一実施例に係る薄膜トランジスタを例に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると、明確になるだろう。しかし、本発明は、以下において開示される実施例に制限されるものではなく、互いに異なる多様な形状に具現され、単に、本実施例は、本発明の開示が完全なものとなるようにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇により定義されるだけである。
【0016】
本発明の実施例を説明するための図面に開示された形状、面積、比率、角度、個数等は、例示的なものであるので、本発明は、図示された事項に制限されるものではない。明細書全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。また、本発明を説明するにあたって、関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本発明上において言及された「含む」、「有する」、「なされる」等が使用される場合、「~だけ」が使用されない以上、他の部分が加えられ得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0017】
構成要素を解釈するにあたって、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0018】
位置関係についての説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~隣に」等と二部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない以上、二部分の間に一つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0019】
素子または層が他の素子または層の「上(on)」と称されるものは、他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子を介在した場合をいずれも含む。
【0020】
また、第1、第2等が多様な構成要素を述べるために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語により制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。従って、以下において言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0021】
明細書全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。
【0022】
図面で示された各構成の面積及び厚さは、説明の便宜のために示されたものであり、本発明は、示された構成の面積及び厚さに必ずしも制限されるものではない。
【0023】
本発明の様々な実施例のそれぞれの特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立して実施可能であってもよく、関連関係で共に実施してもよい。
【0024】
以下においては、添付の図面を参照して、本発明の多様な実施例を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施例の電界発光表示装置の概略的な構成図である。
【0026】
図1を参照すると、本発明の一実施例の電界発光表示装置100は、複数のサブ画素SPを含む表示パネルPN、表示パネルPNに各種の信号を供給するゲートドライバGDとデータドライバDD及びゲートドライバGDとデータドライバDDを制御するタイミングコントローラTCを含むことができる。
【0027】
ゲートドライバGDは、タイミングコントローラTCから提供された複数のゲート制御信号GCSによって複数のスキャン配線SLに複数のスキャン信号を供給できる。複数のスキャン信号は、第1スキャン信号SCAN1及び第2スキャン信号SCAN2を含むことができる。
【0028】
データドライバDDは、タイミングコントローラTCから提供された複数のデータ制御信号DCSによってタイミングコントローラTCから入力される映像データRGBを基準ガンマ電圧を利用してデータ信号Vdataに変換できる。そして、データドライバDDは、変換されたデータ信号Vdataを複数のデータ配線DLに供給できる。
【0029】
タイミングコントローラTCは、外部から入力された映像データRGBを整列してデータドライバDDに供給し、外部から入力される同期信号SYNCを利用してゲート制御信号GCS及びデータ制御信号DCSを生成できる。
【0030】
図2は、図1の電界発光表示装置に対するサブ画素の回路図である。
【0031】
図2を参照すると、複数のサブ画素SPそれぞれの画素回路は、第1乃至第6トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6及びキャパシタCstを含むことができる。ここで、図2は、第1乃至第6トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6及びキャパシタCstの6T1Cのサブ画素SP構造を例に挙げて説明しているが、本発明は、トランジスタ及びキャパシタの数に制限されない。
【0032】
第1トランジスタT1は、第2スキャン配線SLと連結され、第2スキャン配線SLを通して供給される第2スキャン信号SCAN2により制御され得る。第1トランジスタT1は、データ信号Vdataを供給するデータ配線DLとキャパシタCstとの間に電気的に連結され得る。
【0033】
第2トランジスタT2は、高電位電源信号EVDDが供給される高電位電源配線PLと第5トランジスタT5との間に電気的に連結され得る。そして、第2トランジスタT2のゲート電極は、キャパシタCstと電気的に連結され得る。
【0034】
そして、第3トランジスタT3は、第1スキャン配線SLを通して供給される第1スキャン信号SCAN1により制御され得、第2トランジスタT2の閾値電圧を補償でき、第3トランジスタT3は、補償トランジスタと称され得る。
【0035】
第4トランジスタT4は、キャパシタCstと初期化信号Viniが供給される初期化信号配線ISLに電気的に連結され得る。また、第4トランジスタT4は、発光制御信号配線ESLを通して供給される発光制御信号EMにより制御され得る。
【0036】
また、第5トランジスタT5は、第2トランジスタT2と発光素子130との間に電気的に連結される一方、発光制御信号配線ESLを通して供給される発光制御信号EMにより制御され得る。
【0037】
第6トランジスタT6は、初期化信号Viniが供給される初期化信号配線ISLと発光素子130のアノードとの間に電気的に連結され、第1スキャン配線SLを通して供給される第1スキャン信号SCAN1により制御され得る。
【0038】
以上においては、サブ画素SPそれぞれの画素回路が第1乃至第6トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6及びキャパシタCstを含んで構成される場合を例に説明しているが、前述したように、本発明は、これに制限されるものではない。
【0039】
一方、本発明においては、駆動トランジスタである第2トランジスタT2の場合に、他のトランジスタT1、T3、T4、T5、T6とは異なり3個以上の直列薄膜トランジスタ構造を有するように構成することを特徴とする。即ち、第2トランジスタT2は、2個以上の第1ゲート電極と一つの第2ゲート電極を形成して3個以上の直列薄膜トランジスタ構造を有するように構成することを特徴とする。図2においては、第1ゲート電極それぞれによる両側の第2-1トランジスタT2-1の間に第2ゲート電極による第2-2トランジスタT2-2が直列に配置された場合を例に挙げているが、これに制限されない。また、本発明においては、第2ゲート電極による第2-2トランジスタT2-2が第1ゲート電極による第2-1トランジスタT2-1よりゲート電極と半導体層との間に介在される誘電層(絶縁層)の厚さがさらに厚いことを特徴とする。
【0040】
以下において、図3乃至図5を参照して、本発明の一実施例に係る電界発光表示装置の画素構造をより詳細に説明する。
【0041】
図3は、図1の電界発光表示装置の平面図である。
【0042】
図4は、図3のI-I’線に沿った断面図である。
【0043】
図5は、図3のII-II’線に沿った断面図である。
【0044】
図3は、一つのサブ画素の一部を示している。
【0045】
図4においては、説明の便宜のために、図3のI-I’線に沿った駆動トランジスタ120と共にスイッチングトランジスタ130の断面構造を示している。即ち、図4の左側は、駆動トランジスタ120の断面構造を示し、図4の右側は、スイッチングトランジスタ130の断面構造を例に示している。ただし、本発明は、これに制限されず、スイッチングトランジスタ130以外にスキャントランジスタ、センシングトランジスタ、ゲートインパネル(Gate In Panel;GIP)トランジスタ等を含むことができる。
【0046】
参考までに、駆動トランジスタ120は、発光素子の駆動電流を制御する薄膜トランジスタであり、スキャントランジスタは、スキャン信号によりスイッチング(switching)される薄膜トランジスタである。また、センシングトランジスタは、センシング信号によりスイッチング(switching)される薄膜トランジスタで外部補償パネルに適用され得、GIPトランジスタは、従来のゲート駆動ICを代替する薄膜トランジスタである。
【0047】
本発明は、高い移動度(mobility)と低い漏れ電流(off current)の特性を有する酸化物(oxide)薄膜トランジスタを利用して表示パネルの優れた特性を確保している。即ち、酸化物薄膜トランジスタを利用すると、低電力、安定性及び原価節減だけではなく、大面積表示パネルの作製にも有利である。特に、表示領域と同様に非表示領域の駆動回路を酸化物薄膜トランジスタで構成する場合には、工程数及びコストが節減される利点がある。ただし、本発明は、酸化物薄膜トランジスタに制限されるものではない。
【0048】
一方、薄膜トランジスタを含む本発明の実施例に係る表示装置は、スマートフォン、携帯電話、スマートウォッチ、ナビゲーション装置、ゲーム機、TV、車両用ヘッドユニット(unit)、ノートパソコン、ラップトップパソコン、タブレット(Tablet)PC、PMP(Personal Media Player)、PDA(Personal Digital Assistants)等の電子装置に具現され得る。また、電子装置は、フレキシブル装置であってよい。以下においては、表示装置として電界発光表示装置を例に挙げて説明するが、本発明は、電界発光表示装置に制限されるものではない。
【0049】
図3乃至図5を参照すると、基板110の上部に薄膜トランジスタ120、130が配置され得る。
【0050】
前述したように、薄膜トランジスタ120、130は、駆動トランジスタ120及びスイッチングトランジスタ130を含むことができる。
【0051】
基板110は、上部に配置される電界発光表示装置の構成要素を支持及び保護する役割を果たす。
【0052】
近年、プラスチックのようなフレキシブル特性を有する延性の物質としてフレキシブル基板110を使用することができる。
【0053】
フレキシブル基板110は、ポリエステル系高分子、シリコーン系高分子、アクリル系高分子、ポリオレフィン系高分子、及びこれらの共重合体からなる群のうち一つを含むフィルム形態であってよい。
【0054】
基板110上に第1遮光層125aが配置され得る。
【0055】
第1遮光層125aは、駆動トランジスタ120の下部に配置され得る。ただし、本発明は、これに制限されず、スイッチングトランジスタ130の下部にも第1遮光層が配置され得る。
【0056】
第1遮光層125aは、駆動トランジスタ120の半導体層124に外部の光が流入することを遮断するために、遮光機能を有する金属材料で形成され得る。
【0057】
第1遮光層125aは、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、モリブデン(Mo)及び銅(Cu)等の不透明金属のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または複層構造に形成され得る。
【0058】
第1遮光層125aが配置された基板110上に順に第1、第2バッファ層115a、115bが配置され得る。
【0059】
第1、第2バッファ層115a、115bは、基板110から流入する水分や酸素等を含む異物を遮断するために、単一絶縁層または複数の絶縁層が積層された構造に形成され得る。第1、第2バッファ層115a、115bは、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、酸化アルミニウム(AlOx)等のような無機絶縁物質の単層または複層構造に形成され得る。第1、第2バッファ層115a、115bは、薄膜トランジスタの種類によって削除されてもよい。
【0060】
第1バッファ層115a上に第2遮光層125bが配置され得る。
【0061】
第2遮光層125bは、駆動トランジスタ120の下部に配置され得る。ただし、本発明は、これに制限されず、スイッチングトランジスタ130の下部にも第2遮光層が配置され得る。
【0062】
第2遮光層125bは、駆動トランジスタ120の半導体層124に外部の光が流入することを遮断するために、遮光機能を有する金属材料で形成され得る。
【0063】
第2遮光層125bは、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、モリブデン(Mo)及び銅(Cu)等の不透明金属のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または複層構造に形成され得る。
【0064】
第2遮光層125b上に第2バッファ層115bが配置され得る。
【0065】
このとき、第2バッファ層115bは、基板110から流入する水分や酸素等を含む異物を遮断するために、単一絶縁層または複数の絶縁層が積層された構造に形成され得る。第2バッファ層115bは、シリコン酸化物、シリコン窒化物、酸化アルミニウム等のような無機絶縁物質の単層または複層構造に形成され得る。第2バッファ層115bは、薄膜トランジスタの種類によって削除されてもよい。例えば、第2バッファ層115bは、シリコン酸化物で構成されることが好ましいが、本発明は、これに制限されない。
【0066】
第2バッファ層115bの上部に薄膜トランジスタ120、130が配置され得る。
【0067】
前述したように、図4の左側の薄膜トランジスタは、駆動トランジスタ120であり、図4の右側の薄膜トランジスタは、スイッチングトランジスタ130であってよい。ただし、本発明は、これに制限されず、センシングトランジスタ及び補償回路等も電界発光表示装置に含まれ得る。
【0068】
スイッチングトランジスタ130は、ゲート配線に供給されるゲートパルスによりターン-オンされ、データ配線に供給されるデータ電圧を駆動トランジスタ120のゲート電極121a、121bに伝送することができる。
【0069】
駆動トランジスタ120は、スイッチングトランジスタ130から伝達を受けた信号により電源配線を通して伝達される電流をアノードに伝達し、アノードに伝達される電流により発光を制御できる。
【0070】
駆動トランジスタ120は、第1、第2ゲート電極121a、121b、半導体層124、ソース電極122及びドレイン電極123を含むことができる。
【0071】
スイッチングトランジスタ130は、ゲート電極131、半導体層134、ソース電極132及びドレイン電極133を含むことができる。
【0072】
半導体層124、134は、酸化物半導体で構成できる。高い移動度と低い漏れ電流(off current)の特性を有する酸化物薄膜トランジスタを利用すれば表示パネルの優れた特性を確保することができる。特に、表示領域と同様にGIP領域の駆動部薄膜トランジスタを酸化物薄膜トランジスタで構成する場合に工程数及びコストが節減される利点がある。ただし、本発明は、半導体層124、134として酸化物半導体に制限されるものではない。
【0073】
酸化物半導体は、移動度と均一度に優れた特性を有している。このとき、酸化物半導体は、4元系金属酸化物であるインジウムスズガリウム亜鉛酸化物(InSnGaZnO)系材料、3元系金属酸化物であるインジウムガリウム亜鉛酸化物(InGaZnO)系材料、インジウムスズ亜鉛酸化物(InSnZnO)系材料、アルミニウム亜鉛酸化物(InAlZnO)系材料、スズガリウム亜鉛酸化物(SnGaZnO)系材料、アルミニウムガリウム亜鉛酸化物(AlGaZnO)系材料、インジウムスズアルミニウム亜鉛酸化物(SnAlZnO)系材料、2元系金属酸化物であるインジウム亜鉛酸化物(InZnO)系材料、スズ亜鉛酸化物(SnZnO)系材料、アルミニウム亜鉛酸化物(AlZnO)系材料、亜鉛マグネシウム酸化物(ZnMgO)系材料、スズマグネシウム酸化物(SnMgO)系材料、インジウムマグネシウム酸化物(InMgO)系材料、インジウム酸化物(InO)系材料、スズ酸化物(SnO)系材料、インジウムガリウム酸化物(InGaO)系材料、亜鉛酸化物(ZnO)系材料等で構成でき、それぞれの元素の組成比率は制限されない。
【0074】
半導体層124、134は、p型またはn型の不純物を含むソース領域124s、134s、ドレイン領域124d、134d、及びソース領域124s、134sとドレイン領域124d、134dとの間のチャネル領域(channel region)124c、134cを含むことができ、チャネル領域124c、134cと隣接したソース領域124s、134s及びドレイン領域124d、134dの間には、低濃度ドーピング領域をさらに含むこともできるが、これに制限されない。
【0075】
ソース領域124s、134s及びドレイン領域124d、134dは、不純物が高濃度でドーピングされた領域であり、薄膜トランジスタ120、130それぞれのソース電極122、132及びドレイン電極123、133がそれぞれ接続され得る。
【0076】
不純物イオンは、p型不純物またはn型不純物を利用できるが、p型不純物は、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)のうち一つであってよく、n型不純物は、リン(P)、ヒ素(As)及びアンチモン(Sb)のうち一つであってよいが、これに制限されない。
【0077】
チャネル領域124c、134cは、n-MOSまたはp-MOSの薄膜トランジスタ構造によって、n型不純物またはp型不純物でドーピングされ得る。
【0078】
半導体層124、134上にゲート絶縁層115cが配置され得る。
【0079】
ゲート絶縁層115cは、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)の単一層またはこれらの多重層で構成され、駆動トランジスタ120の半導体層124に流れる電流が第1、第2ゲート電極121a、121bに流れないように第1、第2ゲート電極121a、121bと半導体層124との間に配置され得る。また、ゲート絶縁層115cは、スイッチングトランジスタ130の半導体層134に流れる電流がゲート電極131に流れないようにゲート電極131と半導体層134との間に配置され得る。シリコン酸化物は、金属よりは延性に劣るが、シリコン窒化物に比しては延性に優れ、その特性によって単一層または複数層に形成することができる。ゲート絶縁層115cは、シリコン酸化物で構成することが好ましいが、これに制限されない。
【0080】
ゲート電極121a、121b、131は、導電性金属である銅(Cu)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、及びネオジム(Nd)等や、これに対する合金で単一層または多重層に構成され得るが、これに制限されない。
【0081】
ソース電極122、132及びドレイン電極123、133は、導電性金属であるアルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及びネオジム(Nd)等の金属材料やこれに対する合金で単一層または多重層に構成し得るが、これに制限されない。
【0082】
ゲート電極121a、121b、131とソース電極122、132及びドレイン電極123、133の間に層間絶縁層115dが配置され得る。ここで、層間絶縁層115dは、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)の単一層またはこれらの多重層で構成され得る。
【0083】
このとき、駆動トランジスタ120のソース電極122は、第1コンタクトホール140aを通して半導体層124のソース領域124sと電気的に接続し、駆動トランジスタ120のドレイン電極123は、第2コンタクトホール140bを通して半導体層124のドレイン領域124dと電気的に接続できる。また、駆動トランジスタ120のドレイン電極123は、第3コンタクトホール140cを通して第2遮光層125bに電気的に接続できる。
【0084】
そして、スイッチングトランジスタ130のソース電極132は、第4コンタクトホールを通して半導体層134のソース領域134sと電気的に接続し、ドレイン電極133は、第5コンタクトホールを通して半導体層134のドレイン領域134dと電気的に接続できる。
【0085】
一方、本発明の一実施例に係る駆動トランジスタ120は、互いに異なる厚さの誘電層を有する3個の直列薄膜トランジスタ構造、即ち、具体的に同じ厚さを有する2個の第2-1トランジスタ及び第2-1トランジスタとは異なる厚さを有する1個の第2-2トランジスタを有することを特徴とする。即ち、既存の薄膜トランジスタを互いに異なる厚さの誘電層を有する3個の直列薄膜トランジスタ構造に変更することを特徴とする。ただし、本発明は、これに制限されず、本発明の駆動トランジスタは、互いに異なる厚さの誘電層を有する4個以上の直列薄膜トランジスタ構造を有し得る。
【0086】
このために、本発明の一実施例は、既存のゲート電極層に位置する2個の第1ゲート電極121a及びソース電極122及びドレイン電極123と同じ層に位置する一つの第2ゲート電極121bを含むことを特徴とする。
【0087】
2個の第1ゲート電極121aは、互いに一定の間隔(空間)離隔されており、離隔された間隔を覆うように第1ゲート電極121aの上部に第2ゲート電極121bが配置され得る。
【0088】
このとき、第1ゲート電極121aの外側の半導体層124は、ソース領域124s及びドレイン領域124dを構成し、第1ゲート電極121a及び第2ゲート電極121bの下部の半導体層124は、チャネル領域124cを構成することを特徴とする。また、第1ゲート電極121aの一側縁とソース領域124sとチャネル領域124cの間及び第1ゲート電極121aの他の一側縁とドレイン領域124dとチャネル領域124cの間は、セルフ-アライン(self-align)を形成することを特徴とする。
【0089】
第2ゲート電極121bは、第1ゲート電極121aの少なくとも一部と重畳し得るが、これに制限されない。第2ゲート電極121bは、ソース電極122とドレイン電極123との間に配置され得る。
【0090】
第2ゲート電極121bは、第6コンタクトホール140fを通して第1ゲート電極121aと電気的に接続できる。
【0091】
第2ゲート電極121bは、ソース電極122とドレイン電極123層に位置するにつれ第1ゲート電極121aに比して相対的にチャネル領域124cとの距離が離れるように配置されることを特徴とする。即ち、第1ゲート電極121aとチャネル領域124cとの間には、一つの層の誘電層、即ち、ゲート絶縁層115cだけが配置(介在)されるのに対し、第2ゲート電極121bとチャネル領域124cとの間には、2層の誘電層、即ち、ゲート絶縁層115c及び層間絶縁層115dが配置(介在)され得る。従って、互いに異なる厚さの誘電層を有する3個の直列薄膜トランジスタ構造を構成でき、第2ゲート電極121bとチャネル領域124cとの間は、既存より誘電層の厚さが厚く、キャパシタンスの減少で閾値電圧以下スイング(Subthreshold Swing;SS)が増加し得る。特に、駆動トランジスタ120以外の他のトランジスタでは、ゲート絶縁層115cだけが誘電層として適用され得、既存と同じ厚さのゲート絶縁層115cの使用でベゼル幅の増加なしに低階調斑を改善できるようになる。
【0092】
参考までに、SSは、電流を10倍増加させるのに必要なゲート電圧増加量程度と解釈できる。即ち、このSSが小さいほど少しだけゲート電圧を上げても、電流の量が指数的に速く増加するという意味であり、さらに速く素子がオン/オフ(on/off)され得る。
【0093】
即ち、現在、表示装置のイシュー(issue)のうち一つは、低階調で表現される斑である。低階調で表現される斑の原因は、駆動トランジスタの閾値電圧以下領域での大きな電流差と見られる。該当領域は、ゲート電圧によるドレイン電流の変化が大きくて補償で制御しやすくない。即ち、駆動トランジスタの低いSSによって低階調斑が発生し得る。SS増加のために、半導体層と遮光層との間のキャパシタンスを増加させるためにバッファ層の厚さを減少させる場合、半導体層と遮光層の断線が問題になり得る。また、SS増加のために、半導体層とゲート電極との間のキャパシタンスを減少させるためにゲート絶縁層の厚さを増加させる場合、GIP駆動電流の減少でベゼル幅が増加し得る。即ち、駆動トランジスタのゲート絶縁層の厚さを増加させる場合、GIPトランジスタのゲート絶縁層もまた厚さが増加してGIP駆動電流が減少し、ベゼル幅が増加することとなる。
【0094】
そこで、本発明は、駆動トランジスタ120の構造変更を通してGIP駆動電流の損失なしに駆動トランジスタ120のSSだけを増加させることを特徴とする。即ち、本発明においては、駆動トランジスタ120を互いに異なる厚さの誘電層を有する3個以上の直列薄膜トランジスタ構造に変更することを特徴とする。そこで、第1ゲート電極121aによる両側の第2-1トランジスタ(図2のT2-1)は、既存のゲート絶縁層115c、即ち、例えば、約1500Åの厚さのゲート絶縁層115cを適用し、両側の第2-1トランジスタT2-1の間の第2ゲート電極121bによる第2-2トランジスタ(図2のT2-2)は、例えば、約1500Åの厚さのゲート絶縁層115c以外に、例えば、約2000-3000Åの厚さの層間絶縁層115dをさらに適用できる。
【0095】
これによって、第2-2トランジスタT2-2の場合は、第2ゲート電極121bとチャネル領域124cとの間のキャパシタンス減少でゲート変調(gate modulation)能力が減少して駆動トランジスタ120のSSが増加することとなる。
【0096】
図6は、ゲート電圧に対するドレイン電流を示す薄膜トランジスタの特性グラフである。
【0097】
図6の実線は、比較例の駆動トランジスタのトランスファ特性を示し、図6の点線は、本発明の一実施例に係る駆動トランジスタのトランスファ特性を例に挙げて示している。即ち、図6の実線は、単一厚さの誘電層を有する既存の駆動トランジスタのトランスファ特性を示し、図6の点線は、互いに異なる2個の厚さの誘電層を有する本発明の一実施例に係る駆動トランジスタのトランスファ特性を示している。
【0098】
図6を参照すると、比較例に比して本発明の一実施例の駆動トランジスタのトランスファ曲線が閾値電圧以下でさらに緩やかなことが分かる。即ち、比較例の場合の閾値電圧以下スイング(Subthreshold Swing;SS)は0.25であるのに対し、本発明の一実施例の場合のSSは0.60であり、約140%増加したことが分かる。
【0099】
参考までに、SSは、電流を10倍増加させるのに必要なゲート電圧増加量程度と解釈できる。即ち、このSSが小さいほど少しだけゲート電圧を上げても、電流の量が指数的に速く増加するという意味であり、さらに速く素子がオン/オフ(on/off)され得る。
【0100】
例えば、SSは、図6のトランスファ曲線で1nA、即ち、1×10-9Aで10nA、即ち、1×10-8Aの範囲でのトランスファ曲線の傾きの逆数と見られる。参考までに、図6においては、本発明の一実施例の駆動トランジスタのSSだけを示したが、比較例の駆動トランジスタの場合にも同一に適用できる。
【0101】
このように、本発明の一実施例は、GIP駆動能力の低下なしに選択的に駆動トランジスタの誘電層の厚さを増加させることでSSを増加させ得るようになる。そこで、半導体層の断線等の工程イシュー及びベゼル幅の増加なしに低階調斑を改善できるようになる。
【0102】
一方、本発明は、第1ゲート電極パターンを形成した後に半導体層にイオンドーピングをしてソース領域及びドレイン領域を形成し、第1ゲート電極パターンをパターニングして複数の第1ゲート電極を形成することを特徴とする。このとき、本発明は、半導体層のイオンドーピング時、第1ゲート電極パターンをマスクとして利用することでチャネルの長さが第1ゲート電極パターンの幅と一致するセルフ-アラインが可能であることを特徴とする。また、本発明は、第1ゲート電極を形成した後にソース電極及びドレイン電極を形成するとき、複数の第1ゲート電極の上部に第2ゲート電極を形成することを特徴とし、それを次の本発明の製造工程を通して詳細に説明する。
【0103】
図7a乃至図7fは、図4の薄膜トランジスタの製造工程の一部を順次に示す断面図である。
【0104】
図7a乃至図7fは、駆動トランジスタ及びスイッチングトランジスタの製造工程を例に挙げて示す断面図であり、左側は、駆動トランジスタの製造工程を順次に示し、右側は、スイッチングトランジスタの製造工程を順次に示している。
【0105】
図7aを参照すると、基板110上に第1遮光層125aを形成することができる。
【0106】
近年、プラスチックのようなフレキシブル特性を有する延性の物質としてフレキシブル基板110を使用することができる。
【0107】
フレキシブル基板110は、ポリエステル系高分子、シリコーン系高分子、アクリル系高分子、ポリオレフィン系高分子、及びこれらの共重合体からなる群のうち一つを含むフィルム形態であってよい。
【0108】
第1遮光層125aは、駆動トランジスタの下部に配置され得る。ただし、本発明は、これに制限されず、スイッチングトランジスタの下部にも第1遮光層が配置され得る。
【0109】
第1遮光層125aは、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、モリブデン(Mo)及び銅(Cu)等の不透明金属のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または複層構造に形成され得る。
【0110】
次に、第1遮光層125aが形成された基板110上に第1バッファ層115aが形成され得る。第1バッファ層115aは、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、酸化アルミニウム(AlOx)等のような無機絶縁物質の単層または複層構造に形成され得る。
【0111】
次に、第1バッファ層115a上に第2遮光層125bが形成され得る。
【0112】
第2遮光層125bは、駆動トランジスタの下部に配置され得る。ただし、本発明は、これに制限されず、スイッチングトランジスタの下部にも第2遮光層が配置され得る。
【0113】
第2遮光層125bは、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、モリブデン(Mo)及び銅(Cu)等の不透明金属のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または複層構造に形成され得る。
【0114】
第2遮光層125bは、第1遮光層125aの一部と重畳するように形成され得る。
【0115】
次に、第2遮光層125b上に第2バッファ層115bが形成され得る。
【0116】
第2バッファ層115bは、シリコン酸化物、シリコン窒化物、酸化アルミニウム等のような無機絶縁物質の単層または複層構造に形成され得る。
【0117】
次に、第2バッファ層115b上に半導体層124、134が形成され得る。
【0118】
半導体層124、134は、酸化物半導体で形成することができるが、これに制限されず、非晶質シリコンや多結晶シリコンで形成することができる。
【0119】
半導体層124、134は、駆動トランジスタ半導体層124及びスイッチングトランジスタ半導体層134を含むことができる。
【0120】
駆動トランジスタ半導体層124は、第2遮光層125bの一部と重畳するように形成され得る。
【0121】
次に、図7bを参照すると、半導体層124、134上にゲート絶縁層115cを形成することができる。
【0122】
ゲート絶縁層115cは、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)の単一層またはこれらの多重層で形成することができる。
【0123】
次に、ゲート絶縁層115c上の駆動トランジスタ半導体層124の上部に第1ゲート電極パターン121Pを形成すると同時に、スイッチングトランジスタ半導体層134の上部にゲート電極131を形成することができる。
【0124】
第1ゲート電極パターン121Pは、駆動トランジスタ半導体層124の中央部と重畳するように形成され得る。
【0125】
第1ゲート電極パターン121Pとゲート電極131は、導電性金属である銅(Cu)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、及びネオジム(Nd)等や、これに対する合金で単一層または多重層に形成され得るが、これに制限されない。
【0126】
次いで、図7cを参照すると、第1ゲート電極パターン121Pとゲート電極131をマスクとして、半導体層124、134の所定の領域にイオンを注入してソース領域124s、134s及びドレイン領域124d、134dを形成することができる。
【0127】
不純物イオンは、p型不純物またはn型不純物を利用でき、p型不純物は、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)のうち一つであってよく、n型不純物は、リン(P)、ヒ素(As)及びアンチモン(Sb)のうち一つであってよいが、これに制限されない。
【0128】
このとき、ソース領域124s、134s及びドレイン領域124d、134dは、不純物が高濃度で注入された領域であり、ソース領域124s、134s及びドレイン領域124d、134dの間にイオンが注入されていないチャネル領域124c、134cが形成され得る。
【0129】
チャネル領域124c、134cと隣接したソース領域124s、134s及びドレイン領域124d、134dの間には、低濃度ドーピング領域をさらに含むこともできるが、これに制限されない。
【0130】
このとき、第1ゲート電極パターン121Pの外側の駆動トランジスタ半導体層124は、駆動トランジスタソース領域124s及びドレイン領域124dを構成し、ゲート電極131の外側のスイッチングトランジスタ半導体層134は、スイッチングトランジスタソース領域134s及びドレイン領域134dを構成することができる。
【0131】
即ち、第1ゲート電極パターン121Pの外側縁と駆動トランジスタソース領域124sとチャネル領域124cの間及び第1ゲート電極パターン121Pの外側縁と駆動トランジスタドレイン領域124dとチャネル領域124cの間は、セルフ-アラインを形成することができる。また、ゲート電極131の外側縁とスイッチングトランジスタソース領域134sとチャネル領域134cの間及びゲート電極131の外側縁とスイッチングトランジスタドレイン領域134dとチャネル領域134cの間は、セルフ-アラインを形成することができる。
【0132】
次いで、図7dを参照すると、第1ゲート電極パターン121Pをパターニングして複数になされた第1ゲート電極121aを形成することができる。
【0133】
図7dは、第1ゲート電極パターン121Pの中央部分の一部を除去して2個の第1ゲート電極121aを形成した場合を例に挙げているが、これに制限されず、両側縁を除く一部を除去して3個以上の第1ゲート電極121aを形成することができる。
【0134】
これによって2個の第1ゲート電極121aの間はゲート絶縁層115cが露出され得、露出されたゲート絶縁層115cの下部に駆動トランジスタ半導体層124のチャネル領域124cが位置し得る。
【0135】
2個の第1ゲート電極121aは、互いに一定の間隔(空間)離隔され得る。
【0136】
次に、図7eを参照すると、第1ゲート電極121aとゲート電極131上に層間絶縁層115dを形成することができる。
【0137】
層間絶縁層115dは、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)の単一層またはこれらの多重層で形成することができ、ゲート絶縁層115cより相対的に厚い厚さに形成することができる。
【0138】
次に、ゲート絶縁層115cと層間絶縁層115dを選択的に除去して駆動トランジスタ半導体層124のソース領域124sを露出させる第1コンタクトホール140a及びドレイン領域124dを露出させる第2コンタクトホール140bを形成することができる。また、第2バッファ層115bとゲート絶縁層115c及び層間絶縁層115dを選択的に除去して第2遮光層125bを露出させる第3コンタクトホール140cを形成することができる。
【0139】
また、ゲート絶縁層115cと層間絶縁層115dを選択的に除去してスイッチングトランジスタ半導体層134のソース領域134sを露出させる第4コンタクトホール140d及びドレイン領域134dを露出させる第5コンタクトホール140eを形成することができる。
【0140】
次に、図7fを参照すると、層間絶縁層115d上にソース電極122、132とドレイン電極123、133及び第2ゲート電極121bを形成することができる。
【0141】
ソース電極122、132とドレイン電極123、133及び第2ゲート電極121bは、導電性金属であるアルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及びネオジム(Nd)等の金属材料やこれに対する合金で単一層または多重層に形成することができるが、これに制限されない。
【0142】
このとき、駆動トランジスタのソース電極122は、第1コンタクトホール140aを通して駆動トランジスタ半導体層124のソース領域124sと電気的に接続できる。また、駆動トランジスタのドレイン電極123は、第2コンタクトホール140bを通して駆動トランジスタ半導体層124のドレイン領域124dと電気的に接続する一方、第3コンタクトホール140cを通して第2遮光層125bに電気的に接続できる。
【0143】
そして、スイッチングトランジスタのソース電極132は、第4コンタクトホール140dを通してスイッチングトランジスタ半導体層134のソース領域134sと電気的に接続し、スイッチングトランジスタのドレイン電極133は、第5コンタクトホール140eを通してスイッチングトランジスタ半導体層134のドレイン領域134dと電気的に接続できる。
【0144】
第2ゲート電極121bは、2個の第1ゲート電極121aの間の離隔された間隔を覆うように第1ゲート電極121aの上部に配置され得る。
【0145】
このとき、第1ゲート電極121aの外側の駆動トランジスタ半導体層124は、ソース領域124s及びドレイン領域124dを構成し、第1ゲート電極121a及び第2ゲート電極121bの下部の駆動トランジスタ半導体層124は、チャネル領域124cを構成することができる。第1ゲート電極121aの外側縁と駆動トランジスタ半導体層124のソース領域124sとチャネル領域124cの間及び第1ゲート電極121aの外側縁と駆動トランジスタ半導体層124のドレイン領域124dとチャネル領域124cの間は、セルフ-アライン(self-align)を形成することができる。
【0146】
第2ゲート電極121bは、第1ゲート電極121aの少なくとも一部と重畳し得るが、これに制限されない。第2ゲート電極121bは、ソース電極122とドレイン電極123との間に配置され得る。
【0147】
第2ゲート電極121bは、第6コンタクトホールを通して第1ゲート電極121aと電気的に接続できる。
【0148】
一方、本発明の駆動トランジスタは、3個以上の直列薄膜トランジスタ構造を有するように構成することを特徴とし、このうち4個の直列薄膜トランジスタ構造を有する場合を図8を参照して詳細に説明する。
【0149】
図8は、本発明の他の一実施例に係る薄膜トランジスタを例に示す断面図である。
【0150】
図8の実施例は、前述した図3乃至図5の実施例と比較して3個の第1ゲート電極221aで構成されたことのみが異なるだけで、他の構成は実質的に同一であるので、重複した説明は省略する。同じ構成に対しては、同じ図面符号を使用する。
【0151】
図8においては、説明の便宜のために、駆動トランジスタの断面構造だけを示しており、スイッチングトランジスタ、スキャントランジスタ、センシングトランジスタ及びGIPトランジスタは、前述した一実施例と実質的に同一である。
【0152】
図8を参照すると、基板110上に第1遮光層125aが配置され得る。
【0153】
第1遮光層125aは、駆動トランジスタの下部に配置され得る。
【0154】
第1遮光層125aが配置された基板110上に順に第1、第2バッファ層115a、115bが配置され得る。
【0155】
第1バッファ層115a上に第2遮光層125bが配置され得る。
【0156】
第2遮光層125bは、駆動トランジスタの下部に配置され得る。
【0157】
第2遮光層125b上に第2バッファ層115bが配置され得る。
【0158】
第2バッファ層115bの上部に駆動トランジスタが配置され得る。
【0159】
駆動トランジスタは、第1、第2ゲート電極221a、221b、半導体層124、ソース電極122及びドレイン電極123を含むことができる。
【0160】
半導体層124は、p型またはn型の不純物を含むソース領域124s、ドレイン領域124d、及びソース領域124sとドレイン領域124dとの間のチャネル領域124cを含むことができ、チャネル領域124cと隣接したソース領域124s及びドレイン領域124dの間には、低濃度ドーピング領域をさらに含むこともできるが、これに制限されない。
【0161】
ソース領域124s及びドレイン領域124dは、不純物が高濃度でドーピングされた領域であり、駆動トランジスタのソース電極122及びドレイン電極123がそれぞれ接続され得る。
【0162】
半導体層124上にゲート絶縁層115cが配置され得る。
【0163】
ゲート電極221a、221bとソース電極122及びドレイン電極123の間に層間絶縁層115dが配置され得る。
【0164】
駆動トランジスタのソース電極122は、第1コンタクトホールを通して半導体層124のソース領域124sと電気的に接続し、駆動トランジスタのドレイン電極123は、第2コンタクトホールを通して半導体層124のドレイン領域124dと電気的に接続できる。また、駆動トランジスタのドレイン電極123は、第3コンタクトホールを通して第2遮光層125bに電気的に接続できる。
【0165】
一方、本発明の他の一実施例に係る駆動トランジスタは、互いに異なる厚さの誘電層を有する4個の直列薄膜トランジスタ構造を有することを特徴とする。
【0166】
このために、本発明の他の一実施例は、既存のゲート電極層に位置する3個の第1ゲート電極221a及びソース電極122とドレイン電極123層に位置する一つの第2ゲート電極221bを含むことを特徴とする。
【0167】
3個の第1ゲート電極221aは、互いに一定の間隔(空間)離隔されており、離隔された間隔を覆うように第1ゲート電極221aの上部に第2ゲート電極221bが配置され得る。
【0168】
このとき、第1ゲート電極221aの外側の半導体層124は、ソース領域124s及びドレイン領域124dを構成し、第1ゲート電極221a及び第2ゲート電極221bの下部の半導体層124は、チャネル領域124cを構成することを特徴とする。また、第1ゲート電極221aの外側縁とソース領域124sとチャネル領域124cの間及び第1ゲート電極221aの外側縁とドレイン領域124dとチャネル領域124cの間は、セルフ-アライン(self-align)を形成することを特徴とする。
【0169】
第2ゲート電極221bは、第1ゲート電極221aの少なくとも一部と重畳し得るが、これに制限されない。第2ゲート電極221bは、ソース電極122とドレイン電極123との間に配置され得る。
【0170】
前述したように、第2ゲート電極221bは、第6コンタクトホールを通して第1ゲート電極221aと電気的に接続できる。
【0171】
一方、表示装置が電界発光表示装置である場合、薄膜トランジスタの上部にアノード、発光部及びカソードを含む発光素子が配置され得る。
【0172】
発光部は、光を発光する役割を果たすが、正孔注入層(Hole Injection Layer;HIL)、正孔輸送層(Hole Transport Layer;HTL)、発光層、電子輸送層(Electron Transport Layer;ETL)、電子注入層(Electron Injection Layer;EIL)のうち少なくとも一つの層を含むことができ、電界発光表示装置の構造や特性によって一部の構成要素は省略されてもよい。ここで、発光層は、電界発光層及び無機発光層を適用することも可能である。
【0173】
また、発光素子の上部に封止層が配置され得る。
【0174】
封止層を具体的に説明すると、発光素子が形成された基板110の上面に1次保護膜と有機膜及び2次保護膜が順に形成されて封止手段である封止層を構成することができる。ただし、封止層を構成する無機膜と有機膜の数は、これに制限されない。
【0175】
1次保護膜の場合、無機絶縁膜からなっており、下部段差によってスタックカバレッジ(stack coverage)がよくないが、有機膜が平坦化の役割を果たすため、2次保護膜は下部膜による段差に影響を受けない。また、ポリマーからなる有機膜の厚さが十分に厚いため、異物によるクラック(crack)も補完でき、異物防止層と称され得る。
【0176】
2次保護膜を含む基板110の前面には、封止のために多層になされた保護フィルムが対向して位置し得、封止層と保護フィルムとの間には、透明で接着特性を有する粘着剤が介在され得る。
【0177】
保護フィルム上には、外部から入射した光の反射を防ぐための偏光板が貼り付けられ得るが、これに制限されない。
【0178】
本発明の実施例に係る薄膜トランジスタ及びそれを有する電界発光表示装置は、下記のように説明され得る。
【0179】
本発明の一実施例に係る薄膜トランジスタは、半導体層、前記半導体層上に配置される第1絶縁層、前記第1絶縁層上に配置され、2個以上に分離された第1ゲート電極、前記第1ゲート電極上に配置される第2絶縁層、前記第2絶縁層上に配置され、前記半導体層のソース領域及びドレイン領域とそれぞれ電気的に接続するソース電極及びドレイン電極、及び前記第1ゲート電極の上部に配置される第2ゲート電極を含み、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の間は、チャネル領域を構成することができる。
【0180】
本発明の他の特徴によれば、前記第2ゲート電極は、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の間の前記第2絶縁層上に配置され得る。
【0181】
本発明のまた他の特徴によれば、前記2個以上に分離された前記第1ゲート電極は、互いに一定間隔離隔されており、前記第2ゲート電極は、前記離隔された間隔を覆うように前記第1ゲート電極の上部に配置され得る。
【0182】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第1ゲート電極の外側の前記半導体層は、前記ソース領域及び前記ドレイン領域を構成し、前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極の下部の前記半導体層は、前記チャネル領域を構成することができる。
【0183】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第1ゲート電極の外側縁と前記ソース領域と前記チャネル領域の間及び前記第1ゲート電極の他の外側縁と前記ドレイン領域と前記チャネル領域の間は、セルフ-アライン(self-align)を形成することができる。
【0184】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極の少なくとも一部と重畳し得る。
【0185】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第2ゲート電極は、コンタクトホールを通して前記第1ゲート電極と電気的に接続できる。
【0186】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第2絶縁層は、前記第1絶縁層の厚さに比して相対的に厚い厚さを有し得る。
【0187】
本発明の一実施例に係る電界発光表示装置は、基板上に配置される第1薄膜トランジスタ及び第2薄膜トランジスタ、及び前記第1薄膜トランジスタ及び第2薄膜トランジスタの上部に配置される発光素子を含み、前記第1薄膜トランジスタは、前記基板上に配置される半導体層、前記半導体層上に配置されるゲート絶縁層、前記ゲート絶縁層上に配置され、2個以上に分離された第1ゲート電極、前記第1ゲート電極上に配置される層間絶縁層、前記層間絶縁層上に配置され、前記半導体層のソース領域及びドレイン領域とそれぞれ電気的に接続するソース電極及びドレイン電極、及び前記第1ゲート電極の上部に配置される第2ゲート電極を含み、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の間は、チャネル領域を構成し、前記第2薄膜トランジスタは、前記基板上に配置される半導体層、前記半導体層上に配置される前記ゲート絶縁層、前記ゲート絶縁層上に配置されるゲート電極、前記ゲート電極上に配置される前記層間絶縁層、及び前記層間絶縁層上に配置されるソース電極及びドレイン電極を含むことができる。
【0188】
本発明の他の特徴によれば、電界発光表示装置は、前記基板上に配置される第1遮光層、前記第1遮光層上に配置される第1バッファ層、前記第1バッファ層上に配置される第2遮光層及び前記第2遮光層上に配置される第2バッファ層をさらに含むことができる。
【0189】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第1遮光層及び前記第2遮光層は、前記第1薄膜トランジスタの下部に配置され得る。
【0190】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第2ゲート電極は、前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極及び前記ドレイン電極の間の前記層間絶縁層上に配置され得る。
【0191】
本発明のまた他の特徴によれば、前記2個以上に分離された前記第1ゲート電極は、互いに一定間隔離隔されており、前記第2ゲート電極は、前記離隔された間隔を覆うように前記第1ゲート電極の上部に配置され得る。
【0192】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極の少なくとも一部と重畳し得る。
【0193】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第2ゲート電極は、コンタクトホールを通して前記第1ゲート電極と電気的に接続できる。
【0194】
本発明のまた他の特徴によれば、前記層間絶縁層は、前記ゲート絶縁層の厚さに比して相対的に厚い厚さを有し得る。
【0195】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第1薄膜トランジスタは、駆動トランジスタを含むことができる。
【0196】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第2薄膜トランジスタは、スイッチングトランジスタ、スキャントランジスタ、センシングトランジスタ及びゲートインパネル(Gate In Panel;GIP)トランジスタを含むことができる。
【0197】
本発明の一実施例に係る駆動トランジスタは、互いに直列に連結された2個以上の第1薄膜トランジスタ及び一つの第2薄膜トランジスタを含み、前記2個以上の第1薄膜トランジスタ及び前記第2薄膜トランジスタそれぞれは共通アクティブ領域を有し、前記2個以上の第1薄膜トランジスタ及び前記第2薄膜トランジスタそれぞれの第1ゲート電極と第2ゲート電極は、前記共通アクティブ領域の同一側に配置され、前記第2薄膜トランジスタの第2ゲート電極と前記共通アクティブ領域との間の距離は、前記2個以上の第1薄膜トランジスタそれぞれの第1ゲート電極と前記共通アクティブ領域との間の距離より大きくてよい。
【0198】
本発明の他の特徴によれば、前記共通アクティブ領域は、ソース領域、ドレイン領域及びチャネル領域を含むことができ、前記チャネル領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に構成され得る。
【0199】
本発明のまた他の特徴によれば、前記2個以上の第1薄膜トランジスタの第1ゲート電極は、互いに一定距離離隔されて配置され得、前記第2薄膜トランジスタの第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極それぞれの上部に所定の間隔を置いて配置され得る。
【0200】
以上、添付の図面を参照して、本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は、必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を外れない範囲内で多様に変形実施され得る。従って、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を制限するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が制限されるものではない。それゆえ、以上において記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、制限的ではないものと理解すべきである。本発明の保護範囲は、下記の請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f
図8