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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035846
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/20 20180101AFI20240308BHJP
   B62J 6/04 20200101ALI20240308BHJP
   B62J 50/26 20200101ALI20240308BHJP
   B60Q 1/56 20060101ALI20240308BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20240308BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20240308BHJP
   F21W 103/50 20180101ALN20240308BHJP
【FI】
F21S43/20
B62J6/04
B62J50/26
B60Q1/56
F21V5/00 320
F21V5/04 450
F21W103:50
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140428
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】川隅 慎司
(72)【発明者】
【氏名】新井 由香
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA34
3K339AA42
3K339BA01
3K339BA03
3K339BA04
3K339BA22
3K339BA26
3K339CA25
3K339EA05
3K339FA02
3K339GA01
3K339GB21
3K339HA01
3K339JA21
3K339JA23
3K339KA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】デザイン性を確保しつつ、ライセンスプレートの全体に光を照射することができる鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】鞍乗型車両は、ライセンスプレートライト58から出射された光80、82、84、86を左右方向に収縮させた後、左右方向に拡散させるライセンスプレートライト用レンズ78を備える。ライセンスプレートライト用レンズ78は、左端部88に入射した光84を屈曲させてライセンスプレート42の右端部96に向けて照射すると共に、右端部90に入射した光86を屈曲させてライセンスプレート42の左端部98に向けて照射する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(12)の後部を覆うリヤカウル(40)と、ライセンスプレート(42)と、前記リヤカウル(40)に設けられ、前記ライセンスプレート(42)に光(80、82、84、86)を照射するライセンスプレートライト(58)とを備える鞍乗型車両(10)であって、
前記ライセンスプレートライト(58)から出射された前記光(80、82、84、86)を前記鞍乗型車両(10)の車幅方向に収縮させ、その後に前記車幅方向に拡散させるレンズ(78)を備え、
前記レンズ(78)は、前記車幅方向の一方の端部(88)に入射した前記光(80、84)を屈曲させて他方の端部(90)に向けて照射し、前記他方の端部(90)に入射した前記光(80、86)を屈曲させて前記一方の端部(88)に向けて照射する、鞍乗型車両(10)。
【請求項2】
請求項1記載の鞍乗型車両(10)において、
前記レンズ(78)の両端部(88、90)の厚みは、前記レンズ(78)の中央部(92)の厚みよりも大きい、鞍乗型車両(10)。
【請求項3】
請求項1記載の鞍乗型車両(10)において、
前記リヤカウル(40)には、前記ライセンスプレート(42)に向けて開口する照射口(94)が形成され、
前記照射口(94)の前記車幅方向の幅は、前記ライセンスプレートライト(58)から出射される前記光(80、82、84、86)の前記車幅方向の幅よりも短く、
前記レンズ(78)は、入射した前記光(80、82、84、86)を前記車幅方向に収縮させ、その後、前記レンズ(78)を透過した前記光(80、82、84、86)を前記照射口(94)に通過させる、鞍乗型車両(10)。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の鞍乗型車両(10)において、
前記ライセンスプレートライト(58)は、複数の光源(70、72、74)を有し、
複数の前記光源(70、72、74)は、前記車幅方向に沿って、所定の間隔を空けて配置されている、鞍乗型車両(10)。
【請求項5】
請求項4記載の鞍乗型車両(10)において、
複数の前記光源(70、72、74)は、前記ライセンスプレートライト(58)における前記車幅方向の中央部と、前記ライセンスプレートライト(58)における前記車幅方向の両側とに等間隔で配置され、
前記レンズ(78)は、前記車幅方向の中央部(92)を挟んで対称に形成されている、鞍乗型車両(10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、リヤカウルと、ライセンスプレートと、ライセンスプレートライトと、レンズとを備える鞍乗型車両が開示されている。ライセンスプレートライトは、リヤカウルの内部に配置されている。リヤカウルの下部には、照射口が形成されている。照射口には、レンズが配置されている。ライセンスプレートは、リヤカウルの下方に配置されている。ライセンスプレートライトから出射された光は、レンズに入射する。レンズは、入射した光を鞍乗型車両の車幅方向に拡散させてライセンスプレートに照射させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5163869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライセンスプレートとレンズとの距離が短くなると、レンズに入射した光を一層拡散させる必要がある。具体的には、照射口の車幅方向の幅を大きくすることで、レンズに入射した光を車幅方向に一層拡散させる。しかしながら、照射口の車幅方向の幅が大きくなると、鞍乗型車両のデザイン性が低下する。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様は、車体の後部を覆うリヤカウルと、ライセンスプレートと、前記リヤカウルに設けられ、前記ライセンスプレートに光を照射するライセンスプレートライトとを備える鞍乗型車両であって、前記鞍乗型車両は、前記ライセンスプレートライトから出射された前記光を前記鞍乗型車両の車幅方向に収縮させ、その後に前記車幅方向に拡散させるレンズを備え、前記レンズは、前記車幅方向の一方の端部に入射した前記光を屈曲させて他方の端部に向けて照射し、前記他方の端部に入射した前記光を屈曲させて前記一方の端部に向けて照射する。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、照射口の車幅方向の幅を大きくすることなく、レンズに入射した光を車幅方向に拡散させることができる。この結果、鞍乗型車両のデザイン性を確保しつつ、ライセンスプレートの全体に光を照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る鞍乗型車両の左側面図である。
図2図2は、鞍乗型車両の一部背面図である。
図3図3は、鞍乗型車両の一部底面図である。
図4図4は、図2のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5は、ライセンスプレートへの光の照射を概念的に示す図である。
図6図6は、実施例でのライセンスプレートへの光の照射を示す図である。
図7図7は、比較例でのライセンスプレートへの光の照射を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態に係る鞍乗型車両10の左側面図である。図2は、鞍乗型車両10の一部背面図である。図3は、鞍乗型車両10の一部底面図である。図4は、図2のIV-IV線に沿った断面図である。以下の説明では、鞍乗型車両10が前進する方向を前方として、前後、左右及び上下の方向を説明する。
【0010】
鞍乗型車両10は、二輪車等の鞍乗型車両である。以下の説明では、鞍乗型車両10が電動車両である場合について説明する。
【0011】
鞍乗型車両10は、車体フレーム12を備える。車体フレーム12は、ピボットフレーム14とリヤフレーム16とを有する。ピボットフレーム14には、ピボット軸部18が左右方向(車幅方向)に連結されている。ピボット軸部18の左端部には、左側のスイングアーム20Lの前部が軸支されている。ピボット軸部18の右端部には、右側のスイングアーム20Rの前部が軸支されている。
【0012】
スイングアーム20L、20Rの後部には、シャフト22が固定されている。シャフト22には、後輪24が回転可能に軸支されている。スイングアーム20L、20Rの後部は、リヤクッションユニット26L、26Rによって、リヤフレーム16に吊り下げられている。リヤクッションユニット26L、26Rの上方には、乗員が着座するシート28が配置されている。シート28は、リヤフレーム16に支持されている。
【0013】
車体フレーム12は、車体カバー30で覆われている。車体カバー30の内側で、且つ、シート28の下方には、バッテリ32が配置されている。バッテリ32は、リヤフレーム16に支持されている。車体カバー30の内側で、且つ、ステップフロア34の下方には、PCU(パワーコントロールユニット)36が配置されている。PCU36は、車体フレーム12に支持されている。後輪24の内側には、モータ38が配置されている。モータ38は、インホイールモータである。
【0014】
車体カバー30は、リヤカウル40を有する。リヤカウル40は、リヤフレーム16の後端部を覆う。リヤカウル40の下部には、ライセンスプレート42が設けられている。後輪24は、リヤフェンダ44によって上方から覆われている。ライセンスプレート42は、リヤカウル40とリヤフェンダ44との間に位置する。
【0015】
なお、図2に実線で示すように、ライセンスプレート42は、上下方向に延びる形状を有する。あるいは、ライセンスプレート42は、二点鎖線で示すように、左右方向に延びる形状を有する。以下の説明では、実線で示す形状のライセンスプレート42をライセンスプレート46とも呼称する。また、二点鎖線で示す形状のライセンスプレート42をライセンスプレート48とも呼称する。ライセンスプレート48の左右方向の幅は、ライセンスプレート46の左右方向の幅よりも長い。
【0016】
図4に示すように、リヤカウル40の内部には、第1ケース50と第2ケース52とが配置されている。第1ケース50は、第2ケース52の前方に配置されている。第1ケース50は、後方に開口している。第1ケース50と第2ケース52とは、リヤカウル40の内部で前後方向に連結されている。第1ケース50と第2ケース52との間には、内部空間54が形成される。
【0017】
リヤカウル40には、テールライト装置56と、ライセンスプレートライト58とが設けられている。
【0018】
テールライト装置56は、リヤカウル40の後部に設けられている。テールライト装置56は、テールライト光源(不図示)と、リフレクタ60と、インナレンズ62と、アウタレンズ64とを有する。テールライト光源、リフレクタ60及びインナレンズ62は、リヤカウル40の内部に配置されている。リフレクタ60は、図4の断面視で、第2ケース52の一部を円弧状にすることで形成される。インナレンズ62は、リフレクタ60と前後方向で向かい合うように、第2ケース52に嵌め込まれている。インナレンズ62は、赤色に着色されたレンズである。リヤカウル40の後部には、開口66が左右方向に形成されている(図2及び図3参照)。図4に示すように、開口66は、第1ケース50及び第2ケース52と向かい合うように形成されている。開口66は、アウタレンズ64で塞がれている。アウタレンズ64は、無色透明のレンズである。
【0019】
ライセンスプレートライト58は、内部空間54に配置されている。図4及び図5に示すように、ライセンスプレートライト58は、回路基板68と複数の光源70、72、74とを有する。回路基板68は、内部空間54で水平方向に配置されている。複数の光源70、72、74は、回路基板68の底面に配置されている。
【0020】
図5に示すように、複数の光源70、72、74は、回路基板68の底面において、左右方向に沿って、所定の間隔を空けて配置されている。具体的には、光源70は、回路基板68(ライセンスプレートライト58)における左右方向の中央部に配置されている。左側の光源72は、回路基板68の左側に配置されている。右側の光源74は、回路基板68の右側に配置されている。複数の光源70、72、74は、左右方向に沿って、等間隔で配置されている。複数の光源70、72、74は、LED光源である。
【0021】
図5では、3つの光源70、72、74を回路基板68の底面に配置した場合を図示している。ライセンスプレートライト58では、4個以上の光源を左右方向に等間隔で配置することも可能である。
【0022】
図4に示すように、ライセンスプレートライト58の下方には、第1ケース50と第2ケース52との隙間76が設けられている。この隙間76には、ライセンスプレートライト用レンズ78(レンズ)が嵌め込まれている。
【0023】
図5に示すように、ライセンスプレートライト用レンズ78は、ライセンスプレートライト58から出射された光80を左右方向に収縮させ、その後、左右方向に拡散させるように構成されている。なお、ライセンスプレートライト58から出射される光80は、光源70から出射される光82と、光源72から出射される光84と、光源74から出射される光86とである。図5では、光82を実線で図示し、光84を一点鎖線で図示し、光86を破線で図示している。また、図5では、光82、84、86の出射及び照射範囲等を概念的に図示している。
【0024】
ライセンスプレートライト用レンズ78において、左右方向の両端部(左端部88、右端部90)の厚みは、左右方向の中央部92の厚みよりも大きい。具体的には、ライセンスプレートライト用レンズ78の上面は、ライセンスプレートライト58と向かい合っている。ライセンスプレートライト用レンズ78の上面は、平坦な形状である。ライセンスプレートライト用レンズ78の両端部は、下方に向かって凸状に形成されている。ライセンスプレートライト用レンズ78の中央部92は、上方に向かって凹んでいる。従って、ライセンスプレートライト用レンズ78は、中央部92を挟んで、左右対称に形成されている。
【0025】
図4及び図5に示すように、リヤカウル40において、ライセンスプレートライト用レンズ78の下方の箇所には、照射口94が形成されている。照射口94は、ライセンスプレート42と向かい合うように、リヤカウル40の下部に形成されたスリットである。照射口94の左右方向の幅は、ライセンスプレートライト58から出射される光80の左右方向の幅よりも短いことが望ましい。なお、光80の左右方向の幅は、各光82、84、86に関して、左側の光から右側の光までの左右方向の距離をいう。
【0026】
図1に示すように、鞍乗型車両10において、バッテリ32は、PCU36に直流電力を供給する。PCU36は、バッテリ32から供給される直流電力を三相の交流電力に変換する。PCU36は、変換した交流電力をモータ38に供給する。モータ38は、交流電力が供給されることで回転する。これにより、後輪24は、シャフト22を中心に回転する。この結果、鞍乗型車両10が走行する。
【0027】
また、バッテリ32は、テールライト光源に直流電力を供給する。テールライト光源は、鞍乗型車両10の乗員によってブレーキ(不図示)が操作され、且つ、直流電力が供給されているときに、点灯する。テールライト光源からの光は、インナレンズ62及びアウタレンズ64(図4参照)を介して、赤色光として後方に照射される。
【0028】
さらに、バッテリ32は、ライセンスプレートライト58に直流電力を供給する。複数の光源70、72、74(図4及び図5参照)は、直流電力の供給によって発光する。複数の光源70、72、74から出射した光82、84、86は、ライセンスプレートライト用レンズ78に入射する。
【0029】
ライセンスプレートライト用レンズ78の両端部(左端部88、右端部90)は、下方に突出している。そのため、ライセンスプレートライト用レンズ78の左端部88に入射した光84は、右下方に屈曲する。図5に示すように、屈曲した光84は、ライセンスプレートライト用レンズ78の右端部90に向けて照射される。より詳しくは、屈曲した光84は、ライセンスプレートライト用レンズ78の右端部90と向かい合うライセンスプレート42の右端部96に向けて、左右方向に拡散して照射される。図5において、ライセンスプレートライト用レンズ78の左端部88からライセンスプレート42の右端部96に向かって延びる2本の一点鎖線の矢印の内側は、左右方向に拡散した光84の照射領域を示している。なお、図5では、一例として、左右方向に長いライセンスプレート48に光80を照射する場合を図示している。また、図6において、一点鎖線の内側は、各光82、84、86を含む光80の照射領域を図示している。
【0030】
ライセンスプレートライト用レンズ78の右端部90に入射した光86は、左下方に屈曲する。屈曲した光86は、ライセンスプレートライト用レンズ78の左端部88に向かって、左右方向に拡散して照射される。より詳しくは、屈曲した光86は、ライセンスプレートライト用レンズ78の左端部88と向かい合うライセンスプレート42の左端部98に向けて、左右方向に拡散して照射される。図5において、ライセンスプレートライト用レンズ78の右端部90からライセンスプレート42の左端部98に向かって延びる2本の破線の矢印の内側は、拡散した光86の照射領域を示している。
【0031】
ライセンスプレートライト用レンズ78の中央部92に入射した光82は、ライセンスプレート42の中央部に向かって、左右方向に拡散して照射される。図5において、ライセンスプレートライト用レンズ78の中央部92からライセンスプレート42の中央部に向かって延びる2本の実線の矢印の内側は、拡散した光82の照射領域を示している。
【0032】
このように、ライセンスプレートライト用レンズ78の左端部88からライセンスプレート42の右端部96に向かって光84が照射されると共に、ライセンスプレートライト用レンズ78の右端部90からライセンスプレート42の左端部98に向かって光86が照射される。このときに、光84と光86とは、ライセンスプレートライト用レンズ78とライセンスプレート42との間において、中央部92の下方で、左右方向に交差する。また、ライセンスプレートライト用レンズ78の中央部92からライセンスプレート42の中央部に向かって照射される光82は、光84と光86との交差箇所を通過する。
【0033】
この結果、ライセンスプレートライト用レンズ78を通過した光80(光82、84、86)は、ライセンスプレートライト用レンズ78とライセンスプレート42との間で、左右方向に収縮する。つまり、ライセンスプレートライト用レンズ78を通過した光80は、照射口94の付近で、左右方向に収縮する。その後、収縮した光80は、左右方向に拡散して、ライセンスプレート42に照射される。
【0034】
図6は、本実施形態でのライセンスプレート42への光80の照射(実施例)を示す説明図である。図7は、比較例でのライセンスプレート42への光100の照射を示す説明図である。比較例では、ライセンスプレートライト(不図示)からライセンスプレート42に向けて、単純に左右方向に光100を拡散させて照射させた場合を示している。
【0035】
上記のように、ライセンスプレート48は、ライセンスプレート46よりも左右方向の幅が広い。比較例では、左右方向に光100を単純に拡散させてライセンスプレート42に照射する。そのため、比較例では、左右方向で広範囲に光100を拡散させることができない。この結果、比較例では、ライセンスプレート48の全体に光100を照射することができない。
【0036】
これに対して、図5及び図6に示すように、実施例では、ライセンスプレートライト用レンズ78の左端部88に入射した光84を屈曲させ、ライセンスプレート42の右端部96に向けて照射すると共に、ライセンスプレートライト用レンズ78の右端部90に入射した光86を屈曲させ、ライセンスプレート42の左端部98に向けて照射する。これにより、ライセンスプレートライト58からの光80を左右方向で広範囲に拡散させることができる。この結果、実施例では、左右方向の幅が広いライセンスプレート48に対しても、ライセンスプレート48の全体に光80を照射することができる。しかも、ライセンスプレートライト用レンズ78は、入射した光80を左右方向に収縮させ、収縮した光80を照射口94に通過させる。これにより、照射口94の左右方向の幅が狭くても、ライセンスプレート42の全体に光80を照射することができる。
【0037】
上記の実施形態から把握し得る発明について、以下に記載する。
【0038】
本発明の態様は、車体(12)の後部を覆うリヤカウル(40)と、ライセンスプレート(42)と、前記リヤカウル(40)に設けられ、前記ライセンスプレート(42)に光(80、82、84、86)を照射するライセンスプレートライト(58)とを備える鞍乗型車両(10)であって、前記鞍乗型車両(10)は、前記ライセンスプレートライト(58)から出射された前記光(80、82、84、86)を前記鞍乗型車両(10)の車幅方向に収縮させ、その後に前記車幅方向に拡散させるレンズ(78)を備え、前記レンズ(78)は、前記車幅方向の一方の端部(88)に入射した前記光(80、84)を屈曲させて他方の端部(90)に向けて照射し、前記他方の端部(90)に入射した前記光(80、86)を屈曲させて前記一方の端部(88)に向けて照射する。
【0039】
本発明では、照射口の車幅方向の幅を大きくすることなく、レンズに入射した光を車幅方向に拡散させることができる。この結果、鞍乗型車両のデザイン性を確保しつつ、ライセンスプレートの全体に光を照射することができる。
【0040】
本発明の態様において、前記レンズ(78)の両端部(88、90)の厚みは、前記レンズ(78)の中央部(92)の厚みよりも大きければよい。
【0041】
これにより、上記の効果が容易に得られる。
【0042】
本発明の態様において、前記リヤカウル(40)には、前記ライセンスプレート(42)に向けて開口する照射口(94)が形成され、前記照射口(94)の前記車幅方向の幅は、前記ライセンスプレートライト(58)から出射される前記光(80、82、84、86)の前記車幅方向の幅よりも短く、前記レンズ(78)は、入射した前記光(80、82、84、86)を前記車幅方向に収縮させ、その後、前記レンズ(78)を透過した前記光(80、82、84、86)を前記照射口(94)に通過させればよい。
【0043】
これにより、照射口の車幅方向の幅が短くても、ライセンスプレートの全体に光を照射することができる。
【0044】
本発明の態様において、前記ライセンスプレートライト(58)は、複数の光源(70、72、74)を有し、複数の前記光源(70、72、74)は、前記車幅方向に沿って、所定の間隔を空けて配置されているとよい。
【0045】
これにより、車幅方向に拡散して光をライセンスプレートに照射しても、ライセンスプレートが暗くならない。
【0046】
本発明の態様において、複数の前記光源(70、72、74)は、前記ライセンスプレートライト(58)における前記車幅方向の中央部と、前記ライセンスプレートライト(58)における前記車幅方向の両側とに等間隔で配置され、前記レンズ(78)は、前記車幅方向の中央部(92)を挟んで対称に形成されていればよい。
【0047】
これにより、レンズが対称構造となるため、該レンズを作りやすくなる。
【0048】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0049】
10…鞍乗型車両 12…車体フレーム(車体)
40…リヤカウル 42…ライセンスプレート
58…ライセンスプレートライト
78…ライセンスプレートライト用レンズ(レンズ)
80、82、84、86…光 88…左端部(一方の端部)
90…右端部(他方の端部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7