IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-読取装置、出力装置及び画像形成装置 図1
  • 特開-読取装置、出力装置及び画像形成装置 図2
  • 特開-読取装置、出力装置及び画像形成装置 図3
  • 特開-読取装置、出力装置及び画像形成装置 図4
  • 特開-読取装置、出力装置及び画像形成装置 図5
  • 特開-読取装置、出力装置及び画像形成装置 図6
  • 特開-読取装置、出力装置及び画像形成装置 図7
  • 特開-読取装置、出力装置及び画像形成装置 図8
  • 特開-読取装置、出力装置及び画像形成装置 図9
  • 特開-読取装置、出力装置及び画像形成装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035850
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】読取装置、出力装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20240308BHJP
   G03B 27/50 20060101ALI20240308BHJP
   G03B 27/54 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H04N1/04 101
G03B27/50 A
G03B27/54 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140435
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(72)【発明者】
【氏名】芹川 将人
(72)【発明者】
【氏名】西田 陽治
【テーマコード(参考)】
5C072
【Fターム(参考)】
5C072AA01
5C072BA20
5C072CA05
5C072DA02
5C072DA04
5C072DA16
5C072DA17
5C072EA05
5C072LA02
5C072LA07
5C072LA18
5C072MA01
5C072MB01
5C072NA01
5C072NA04
5C072RA16
5C072WA02
5C072XA01
(57)【要約】
【課題】一つの光源から発せられた光を照射して被撮像物からの正反射光と拡散反射光を読み取り画像として得る。
【解決手段】光を照射する照射部と、被撮像物から反射した光を受光する受光部と、照射部により照射された光を反射面で反射させて照射領域にある被撮像物の表面に照射させ、被撮像物の表面で拡散反射した拡散反射光を読み取り画像として受光部に導く第1の光路と、照射部により照射された光を反射面で反射させて照射領域にある被撮像物の表面に照射させ、被撮像物の表面で正反射した正反射光を読み取り画像として受光部に導く第2の光路と、照射部及び反射面を収容し画像読み取りを行う際に副走査方向に沿って移動するキャリッジの移動方向における下流側で第1の光路と前記第2の光路とを切り替える切り替え手段と、を備えた。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射する照射部と、
被撮像物から反射した光を受光する受光部と、
前記照射部により照射された光を反射面で反射させて照射領域にある前記被撮像物の表面に照射させ、前記被撮像物の表面で拡散反射した拡散反射光を読み取り画像として前記受光部に導く第1の光路と、
前記照射部により照射された光を反射面で反射させて照射領域にある前記被撮像物の表面に照射させ、前記被撮像物の表面で正反射した正反射光を読み取り画像として前記受光部に導く第2の光路と、
前記照射部及び前記反射面を収容し画像読み取りを行う際に副走査方向に沿って移動するキャリッジの移動方向における下流側で前記第1の光路と前記第2の光路とを切り替える切り替え手段と、を備えた、
ことを特徴とする読取装置。
【請求項2】
前記切り替え手段は、前記照射部を回転させて前記第1の光路と前記第2の光路を切り替える、
ことを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
前記切り替え手段は、前記キャリッジに設けられた回転体と噛み合わされる欠歯歯車を有し、前記欠歯歯車が回転駆動されることで前記照射部を回転させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の読取装置。
【請求項4】
前記切り替え手段は、前記反射面を移動させて前記第1の光路と前記第2の光路を切り替える、
ことを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項5】
前記切り替え手段は、前記第2の光路に切り替えた場合、読み取り画像を補正する基準となる白基準板で反射される反射光を読み取って前記第2の光路への切り替えを調整する、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の読取装置。
【請求項6】
前記切り替え手段の移動量を検知する検知手段を備え、前記検知手段による検知量に基づいて前記第2の光路への切り替えを調整する、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の読取装置。
【請求項7】
前記検知手段は、前記切り替え手段を駆動する駆動手段が備える磁性体の回転を検知する回転検知手段である、
ことを特徴とする請求項6に記載の読取装置。
【請求項8】
前記切り替え手段は、所定の移動量で停止可能なロータリーソレノイドを備え、前記ロータリーソレノイドの回転量に基づいて前記第2の光路への切り替えを調整する、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の読取装置。
【請求項9】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の読取装置で読み取った正反射光に基づいて正反射度合いを出力する、
ことを特徴とする出力装置。
【請求項10】
請求項9に記載の出力装置を備え、前記読取装置で読み取った正反射度合いに基づいて形成した画像を出力する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取装置、出力装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿を支持する透明の板状部材と、板状部材に支持された原稿からの拡散反射光を読み取るために板状部材側から光を照射する第1の照射手段と、第1の照射手段により照射された光の拡散反射光を決められた位置に導く導光手段と、決められた位置において受ける光に応じた信号を生成する生成手段と、板状部材に支持された原稿からの正反射光成分の一部を読み取るために板状部材側から光を照射する第2の照射手段であって、当該正反射光成分の一部が導光手段により導かれ、決められた位置において生成手段により信号が生成されるように光を照射する第2の照射手段とを備え、第2の照射手段により照射される光の原稿への入射角度が、導光手段に導かれる正反射光の主光線の反射角度に対して0度でない傾きを有する読取装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-130444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、一つの光源から発せられた光を照射して被撮像物からの正反射光と拡散反射光を読み取り画像として得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の読取装置は、
光を照射する照射部と、
被撮像物から反射した光を受光する受光部と、
前記照射部により照射された光を反射面で反射させて照射領域にある前記被撮像物の表面に照射させ、前記被撮像物の表面で拡散反射した拡散反射光を読み取り画像として前記受光部に導く第1の光路と、
前記照射部により照射された光を反射面で反射させて照射領域にある前記被撮像物の表面に照射させ、前記被撮像物の表面で正反射した正反射光を読み取り画像として前記受光部に導く第2の光路と、
前記照射部及び前記反射面を収容し画像読み取りを行う際に副走査方向に沿って移動するキャリッジの移動方向における下流側で前記第1の光路と前記第2の光路とを切り替える切り替え手段と、を備えた、
ことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の読取装置において、
前記切り替え手段は、前記照射部を回転させて前記第1の光路と前記第2の光路を切り替える、
ことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の読取装置において、
前記切り替え手段は、前記キャリッジに設けられた回転体と噛み合わされる欠歯歯車を有し、前記欠歯歯車が回転駆動されることで前記照射部を回転させる、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の読取装置において、
前記切り替え手段は、前記反射面を移動させて前記第1の光路と前記第2の光路を切り替える、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の読取装置において、
前記切り替え手段は、前記第2の光路に切り替えた場合、読み取り画像を補正する基準となる白基準板で反射される反射光を読み取って前記第2の光路への切り替えを調整する、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の読取装置において、
前記切り替え手段の移動量を検知する検知手段を備え、前記検知手段による検知量に基づいて前記第2の光路への切り替えを調整する、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の読取装置において、
前記検知手段は、前記切り替え手段を駆動する駆動手段が備える磁性体の回転を検知する回転検知手段である、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の読取装置において、
前記切り替え手段は、所定の移動量で停止可能なロータリーソレノイドを備え、前記ロータリーソレノイドの回転量に基づいて前記第2の光路への切り替えを調整する、
ことを特徴とする。
【0013】
前記課題を解決するために、請求項9に記載の出力装置は、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の読取装置で読み取った正反射光に基づいて正反射度合いを出力する、
ことを特徴とする出力装置。
【0014】
前記課題を解決するために、請求項10に記載の画像形成装置は、
請求項9に記載の出力装置を備え、前記読取装置で読み取った正反射度合いに基づいて形成した画像を出力する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、9、10に記載の発明によれば、一つの光源から発せられた光を照射して被撮像物からの正反射光と拡散反射光を読み取り画像として得ることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、省スペースで照明角度の切り替えが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、キャリッジの移動方向における下流側で第1の光路と第2の光路とを切り替えることが可能となる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、省スペースで照明角度の切り替えが可能となる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、第2の光路への切り替えが適正になされているか確認することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、第2の光路への切り替えが適正になされているか確認することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、切り替え手段の回転量を検知することができる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、切り替え手段の回転量を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】読取装置を備えた画像形成装置の内部構成を示す断面模式図である。
図2】画像読取装置の内部構成を示す断面構成図である。
図3】光出射部が第2の位置に位置するキャリッジの内部構成を示す拡大断面模式図である。
図4】光出射部が第1の位置に位置するキャリッジの内部構成を示す拡大断面模式図である。
図5】(a)はキャリッジの内部構成を示す平面断面模式図、(b)は切り替え機構の構成を説明する図である。
図6】白基準板の配置を示す画像読取部の断面模式図である。
図7】(a)は変形例1に係る切り替え機構の回転量の調整を説明する図、(b)は変形例2に係る切り替え機構の回転量の調整を説明する図である。
図8】(a)はキャリッジがホームポジション位置から副走査方向へ移動してシートの読み取りを行う画像読取部を示す図、(b)はキャリッジが移動端からホームポジション位置に戻りながらシートの読み取りを行う画像読取部を示す図である。
図9】リフレクタが拡散反射位置に位置するキャリッジの内部構成を示す拡大断面模式図である。
図10】リフレクタが正反射位置に位置するキャリッジの内部構成を示す拡大断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【0025】
(1)画像形成装置の全体構成及び動作
図1は本実施形態に係る読取装置2を備えた画像形成装置1の内部構成を示す断面模式図、図2は読取装置2の内部構成を示す断面構成図である。
以下、図面を参照しながら、画像形成装置1の全体構成及び動作を説明する。
【0026】
(1.1)全体構成
画像形成装置1は、原稿等のシートSから画像を読み取って画像データに変換する読取装置2、読み取った画像データを記録媒体としての用紙に印刷する画像記録手段としての画像形成部3、ユーザーインターフェイスとしての操作情報部4、画像処理部5、を備えて構成されている。
【0027】
読取装置2は、シート積載部21と、自動シート送り部22と、画像読取部23とを備えて構成されている。自動シート送り部22は、シート積載部21に置かれたシートSを画像読取部23の読取位置に搬送し、画像読取部23のCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ等のイメージセンサ28で読み取られた画像は電気信号である画像データに変換される。また、プラテンガラスPG2(図2中 PG2参照)上に載置されたシートSは、キャリッジ25を副走査方向Xに順次移動させながらシートS全体の画像を読み取る。
【0028】
画像形成部3は、給紙装置32、露光装置33、感光体ユニット34、現像装置35、転写装置36、定着装置37を備えて構成され、画像処理部5から受け取った画像情報を給紙装置32から送り込まれた用紙P上にトナー像として形成する。
【0029】
読取装置2の前面側には、ユーザーインターフェイスとしての操作情報部4が配置されている。操作情報部4は、液晶表示パネル、各種操作ボタン、タッチパネル等を組み合わせて構成され、画像形成装置1の使用者は、操作情報部4を介して各種の設定や指示の入力を行う。また、液晶表示パネルを介して画像形成装置1の使用者へ各種情報を表示する。
【0030】
画像処理部5は、読取装置2で読み取られた画像及び外部機器(例えばパーソナルコンピュータ等)から送信された印刷情報から画像データを生成する。
【0031】
(1.2)画像形成部
画像形成部3では、画像形成のタイミングに合わせて給紙装置32から印刷ジョブで印刷の1枚毎に指定された用紙Pが画像形成部3へ送り込まれる。
【0032】
感光体ユニット34は、給紙装置32の上方に、それぞれが並列して設けられ、回転駆動する感光体ドラム341を備えている。露光装置33により静電潜像が形成されたそれぞれの感光体ドラム341上には、それぞれの現像装置35によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像が形成される。
【0033】
各感光体ユニット34の感光体ドラム341に形成された各色トナー像は、転写装置36の中間転写ベルト361上に順次静電転写(一次転写)され、各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。中間転写ベルト361上の重畳トナー像は、レジストローラ対321から送り出され、搬送ガイドにより案内された用紙Pに二次転写ローラ362によって一括転写される。
【0034】
定着装置37は一対の加熱モジュール371と加圧モジュール372の圧接領域によって定着ニップNF(定着領域)が形成される。
転写装置36においてトナー像が一括転写された用紙Pは、トナー像が未定着の状態で搬送ガイド363を介して定着装置37の定着ニップNFに搬送され、一対の加熱モジュール371と加圧モジュール372により、加熱と圧着の作用でトナー像が定着される。
【0035】
定着トナー像が形成された用紙Pは、切替ゲート374にガイドされ、第1排出ローラ対373から画像形成装置1上面の排紙トレイ部TR1に排出・収容される。また、両面印刷のために反転したり、画像記録面を上側にして排出する場合は、切替ゲート374で搬送路375に向って搬送方向が切り替えられる。
【0036】
(1.3)読取装置
シート積載部21は、被撮像物の一例としての画像が記録されたシートSが載置されるシートトレイ212を備えている。
自動シート送り部22は、シートトレイ212上に積載されたシートSを上から順に取り出すナジャーローラ221と、フィードローラ222及びリタードローラ223からなる分離部224を備えている。
分離部224では、フィードローラ222とリタードローラ223とが対となって、シートSが重なってニップ部Nに送り出された場合に、シートSを分離して(捌いて)、一枚ずつ画像読取部23に搬送する。
【0037】
シート搬送路H1には、シートSの搬送方向に対して、フィードローラ222の下流側の位置に、テイクアウェイローラ225が配置されている。テイクアウェイローラ225は、フィードローラ222で送り出されるシートSを、プレレジローラ226へ搬送する。
【0038】
プレレジローラ226の下流側には、シートSの搬送タイミングを調整するレジローラ227が配置されている。プレレジローラ226は停止しているレジローラ227にシートSの先端を突き当てた状態でループを形成して斜行を補正する。レジローラ227は読み取りの開始タイミングに合わせて回転駆動され、シートSはテイクアウェイローラ225及びプレレジローラ226でループを保持された状態でプラテンローラ228によって、読取ガラスPG1に押し当てられて表面を画像読取部23で読み取られる。
【0039】
読取ガラスPG1を通過したシートSは、シートガイドSGに案内されて裏面を読み取る読取センサ232へ搬送される。表面を画像読取部23で読み取られたシートSは、読取センサ232で裏面を読み取られながらシート搬送路H2内を搬送され、排出ローラ229でシート積載部21の下方に形成された排紙トレイ216に排出される。
【0040】
画像読取部23は、筐体24の上面にシートSが載置されるプラテンガラスPG2が配置され、筐体24の内部に、副走査方向(左右方向:X方向)に往復移動可能に設けられたキャリッジ25、キャリッジ26、結像レンズ27、イメージセンサ28が配置されて構成されたいわゆる縮小光学系の読取装置である。
画像読取部23は、図示するこれらの構成を主走査方向(奥行方向:Y方向)について幅がある。キャリッジ25、キャリッジ26、 結像レンズ27及びイメージセンサ28は、いずれも、主走査方向Yを長手とする細長い形状をしている。
【0041】
キャリッジ25は、シートSを読み取るときに、決められた速度で副走査方向Xに移動する。キャリッジ25は、シートSに光を照射する照射部を有するが、照射部については図3を参照して後述する。キャリッジ25は、ミラー254を有し、シートSが反射した光を反射する。反射された光は、イメージセンサ28に至る光路B1に導かれる。
【0042】
キャリッジ26は、シートSを読み取るときに、キャリッジ25の半分の速度で副走査方向Xに移動する。キャリッジ26は、ミラー261及びミラー262を有する。ミラー261 及び262は、ミラー254が反射した光を反射して光路B1に導く。結像レンズ27は、ミラー262が反射した光を決められた位置に結像させる。
【0043】
イメージセンサ28は、CCD(Charge Coupled Device)等の受光素子を有し、結像レンズ27により結像された光を受け、受けた光に応じたアナログの画像信号を生成する。
【0044】
シートSがプラテンガラスPG2上に載置された場合には、キャリッジ25を副走査方向Xに順次移動させながら1ラインごとに画像情報を読み取ることにより、シートSからの反射光をイメージセンサ28に導いてシートS全体の画像を読み取る。
【0045】
(2)画像読取部の要部構成と動作
図3は光出射部251が第1の光路を形成するように第1の位置に位置するキャリッジ25の内部構成を示す拡大断面模式図、図4は光出射部251が第2の光路を形成するように第2の位置に位置するキャリッジ25の内部構成を示す拡大断面模式図、図5(a)はキャリッジ25の内部構成を示す平面断面模式図、(b)は切り替え機構30の構成を説明する図である。
【0046】
(2.1)画像読取部の要部構成
画像読取部23は、光を照射する照射部の一例としての光出射部251と、第1の光路C1における反射面の一例としての拡散反射用リフレクタ252と、第2の光路C2における反射面の一例としての正反射用リフレクタ253と、読取領域となる照射領域R1からみて鉛直下方に配置され、第1の光路C1及び第2の光路C2の共通の光路C3における反射光をキャリッジ26に向かって反射するミラー254とを収容し、副走査方向(左右方向:X方向)に往復移動可能に設けられたキャリッジ25と、キャリッジ25の移動方向における下流側で第1の光路C1と第2の光路C2とを切り替える切り替え手段の一例としての切り替え機構30を備えている。
【0047】
キャリッジ25内では、光出射部251により照射された光を拡散反射用リフレクタ252で反射させて照射領域R1にある被撮像物としてのシートSの表面に照射させ、シートSの表面で拡散反射した拡散反射光を読み取り画像としてイメージセンサ28に導く第1の光路C1と、光出射部251により照射された光を正反射用リフレクタ253で反射させて照射領域R1にあるシートSの表面に照射させ、シートSの表面で正反射した正反射光を読み取り画像としてイメージセンサ28に導く第2の光路C2と、が切り替え可能となっている。
【0048】
光出射部251は、光源251aと、導光体251bと、出射面251cを有し、出射面251cから光を出射する。光源251aは、LED( Light Emitting Diode)等の光を発する光源である。導光体251bは、内部に光を透過させる透明な部材である。
【0049】
光出射部251は、光源251aの端部に回転軸251dを有する。光出射部251は、図3及び図4に示すように、回転軸251dのまわりに導光体251bが一体として回転する(図4中 矢印Q1で示す)ことで、出射面251cの一部が拡散反射用リフレクタ252に向く第1の位置(図3に示す)と、出射面251cが正反射用リフレクタ253に向く第2の位置(図4に示す)と、の間で回転可能となっている。
具体的には、光出射部251を第1の位置に位置させて拡散反射で画像を読み取り(以降、スキャンと記すことがある)した後、キャリッジ25がホームポジション位置P1に戻る際に、切り替え機構30(図3図4において不図示)で光出射部251を第2の位置に回転させて正反射で画像を読み取るように構成することができる。
【0050】
拡散反射用リフレクタ252は、図3に示すように、照射領域R1に対して、照射領域R1からミラー254に向かう光路C3に対して鈍角(図3中 Θ1で示す)になるように、第1の位置に位置する光出射部251の水平方向における側方で、正反射用リフレクタ253に比べて光路C3とは離隔して配置されている。
これにより、第1の位置に位置する光出射部251から出射する光は、一部が照射領域R1に直接照射され、一部は拡散反射用リフレクタ252で照射領域R1に光路C3に対して鈍角に照射され、シートSで反射する拡散反射光として光路C3に沿ってミラー254に向かう第1の光路C1を形成する。
【0051】
正反射用リフレクタ253は、図4に示すように、照射領域R1に対して、照射領域R1からミラー254に向かう光路C3に対してより鋭角(図4中 Θ2で示す)になるように、すなわち、照射領域R1とのなす角度が垂直に近く、第2の位置に位置する光出射部251の水平方向における側方で光路C3に近接して配置されている。
これにより、第2の位置に位置する光出射部251から出射する光は、正反射用リフレクタ253で照射領域R1に光路C3に対してより鋭角に照射され、シートSで反射する正反射光として光路C3に沿ってミラー254に向かう第2の光路C2を形成する。
【0052】
ミラー254は、図3及び図4に光路C3で示すように、読取領域となる照射領域R1からみて鉛直下方に配置されている。被撮像物としてのシートSで反射した光には、拡散反射光も正反射光も両方含まれ、共通の光路C3としてミラー254で反射されキャリッジ26を介してイメージセンサ28に導かれるようになっている。
尚、シートSの反射光は、拡散反射光及び正反射光の共通の光路である光路C3でイメージセンサ28に導かれるよう拡散反射用リフレクタ252と、正反射用リフレクタ253が配置されているが、光を照射するタイミングは異なっている。
【0053】
拡散反射用リフレクタ252と正反射用リフレクタ253のキャリッジ25内での相互の配置位置について更に説明すると、正反射用リフレクタ253は、拡散反射用リフレクタ252よりもミラー254に近く、第1の位置に位置する光出射部251から出射する光が入射しない位置に配置されている。これにより、第1の位置に位置する光出射部251から出射する拡散反射用の光が正反射用の光に重畳されないようになっている。
【0054】
(2.2)切り替え機構
キャリッジ25は主走査方向Yを長手とする細長い形状をしている。そのキャリッジ25内に配置されている光出射部251は、光源251a、導光体251b及び出射面251cが主走査方向Yを長手とする部材であり、図5(a)に示すように、回転軸251dで回転可能に支持されている。回転軸251dの一端には、回転体の一例としての歯車G1が装着され、歯車G1が回転駆動されることで、光出射部251が回転する。
【0055】
キャリッジ25の移動端P2には、図5(b)に示すように、欠歯歯車G2を含む歯車列Rと、駆動手段としてのモータMTからなる切り替え機構50が配置されている。欠歯歯車G2は、図5(b)に示すように、歯部G2aが形成されていない欠歯部G2bを有し、欠歯部G2bが移動するキャリッジ25の歯車G1を迎え入れる(図5(b)中 矢印で示す)位置になるようにスプリングSRとソレノイド51で保持される。
【0056】
キャリッジ25が画像を読み取りながら移動して、移動端P2で回転軸251dの一端に装着された歯車G1が欠歯歯車G2の欠歯部G2bに受け入れられると、モータMTが回転駆動され歯車列Rを介して欠歯歯車G2が回転して歯車G1と噛み合って光出射部251が回転する。これにより、例えば、第1の光路C1から第2の光路C2に切り替わる。
切り替え機構50は、ホームポジション位置P1(図6 参照)にも設けることが好ましい。切り替え機構50をホームポジション位置P1に設けることで、キャリッジ25が移動端P2からホームポジション位置P1に戻った際に、第1の光路C1に切り替えて拡散反射で画像読み取りを行うことができる。
【0057】
このように、切り替え機構50をキャリッジ25の外部となるキャリッジ25の移動方向における下流側に配置することで、切り替え機構50の駆動制御のためのハーネスの引き回しを低減するとともに、モータMTの重さによるキャリッジ25の傾きが発生することがない。また、移動するキャリッジ25の軽量化を図ることも可能となっている。
【0058】
(2.3)切り替え動作
図6は白基準板WRの配置を示す画像読取部23の断面模式図である。
切り替え機構30は、拡散反射で画像読み取りする第1の光路C1から正反射で画像読み取りする第2の光路C2に切り替えた場合、読み取り画像を補正する基準となる白基準板WRで反射される反射光を読み取って第2の光路C2への切り替えを調整する。具体的には、第2の光路C2で正反射で画像を読み取る前に、白基準板WRの略中心位置に移動して白基準板WRを照射して得られた信号から所定の光量が得られるように、光出射部251の回転量を調整する。白基準板WRは、図6に示すように、ホームポジション位置P1及びキャリッジ25の移動端P2の両方に設けることが好ましい。白基準板WRをホームポジション位置P1及びキャリッジ25の移動端P2に設けることで、拡散反射でスキャンした後、キャリッジ25を移動させることなく第2の光路C2に切り替えて正反射で画像読み取りを続行することができる。
【0059】
「変形例1」
図7(a)は変形例1に係る切り替え機構50の回転量の調整を説明する図である。
切り替え機構50は、光出射部251の回転軸251dの移動量(回転量)を検知する検知手段として磁界検知センサ55を備え、磁界検知センサ55による検知量に基づいて第2の光路C2への切り替えを調整する。具体的には、歯車G1に埋め込まれ歯車G1の回転方向と直交する方向に磁界を発生する磁性体Mと、磁性体Mに対向し磁界を90度位相が異なる正弦波電圧信号として検出して歯車G1の回転を検知する磁界検知センサ55と、を備え、磁界検知センサ55の検知量に基づいて光出射部251の回転量を調整する。
【0060】
このように、磁界検知センサ55で光出射部251の回転軸251dの回転量を検知して光出射部251の回転量を調整することで、白基準板WRからの信号に基づいて光出射部251の回転量を調整する動作は不要になる。これにより、キャリッジ25及びキャリッジ26の移動端P2及びホームポジション位置P1で第1の光路C1から第2の光路C2への切り替えが可能となる。
【0061】
「変形例2」
図7(b)は変形例2に係る切り替え機構50の回転量の調整を説明する図である。
切り替え機構50は、所定の回転量で停止可能なロータリーソレノイド56を備え、ロータリーソレノイド56の回転量に基づいて第2の光路C2への切り替えを調整する。具体的には、欠歯歯車G2の一端にロータリーソレノイド56を直接取り付けて、ロータリーソレノイド56の回転量で第2の光路C2への切り替えを調整する。ロータリーソレノイド56は、流す電流により細かく回転角度を変えることが可能なものを採用し、欠歯歯車G2の回転角度を微調整することが好ましい。
【0062】
このように、所定の回転量で停止可能なロータリーソレノイド56を欠歯歯車G2の一端に直接取り付けて光出射部251の回転量を調整することで、白基準板WRからの信号に基づいて光出射部251の回転量を調整する動作は不要になる。これにより、キャリッジ25及びキャリッジ26の移動端P2及びホームポジション位置P1で第1の光路C1から第2の光路C2への切り替えが可能となる。
【0063】
(2.4)読取動作
図8(a)はキャリッジ25がホームポジション位置P1から副走査方向Xへ移動してシートSの読み取りを行う画像読取部23を示す図、(b)はキャリッジ25が移動端P2からホームポジション位置P1に戻りながらシートSの読み取りを行う画像読取部23を示す図である。以下、図面を参照しながら、画像読取部23の読取動作について説明する。
「実施例1」
まず、画像読取部23は、第1の位置に位置した光出射部251を点灯させて、キャリッジ25とキャリッジ26を副走査方向Xの移動端P2まで移動させながら、1枚目のシートSを読み取り、拡散反射光の画像を示す画像データを生成する(図8(a)参照)。
【0064】
副走査方向Xの移動端P2まで移動したキャリッジ25は、移動端P2で回転軸251dの一端に装着された歯車G1が欠歯歯車G2の欠歯部G2bに受け入れられると、モータMTが回転駆動され欠歯歯車G2が回転する。これにより欠歯歯車G2が歯車G1と噛み合って光出射部251が回転して第1の光路C1から第2の光路C2に切り替わる。
続けて、キャリッジ25とキャリッジ26をホームポジション位置P1に戻しながらシートSを読み取り、シートSの正反射光の画像を示す画像データを生成する(図8(b)参照)。
【0065】
次に、キャリッジ25とキャリッジ26を副走査方向Xの移動端P2まで移動させて、切り替え機構50で光出射部251を回転させて第2の光路C2から第1の光路C1に切り替えた後、キャリッジ25とキャリッジ26をホームポジション位置P1に戻す。
【0066】
そして、再度、キャリッジ25とキャリッジ26を副走査方向Xの移動端P2まで移動させながら、2枚目のシートSを読み取り、拡散反射光の画像を示す画像データを生成する(図8(a)参照)。
副走査方向Xの移動端P2まで移動したキャリッジ25は、移動端P2で切り替え機構50で光出射部251が回転して第1の光路C1から第2の光路C2に切り替わり、キャリッジ25とキャリッジ26をホームポジション位置P1に戻しながら2枚目のシートSを読み取り、正反射光の画像を示す画像データを生成する(図8(b)参照)。
【0067】
尚、画像読取部23は、第2の位置に位置した光出射部251を点灯させて、キャリッジ25とキャリッジ26を副走査方向Xの移動端P2まで移動させながら、シートSを読み取って正反射光の画像を示す画像データを生成した後、移動端P2で切り替え機構50で第2の光路C2から第1の光路C1に切り替えて、キャリッジ25とキャリッジ26をホームポジション位置P1に戻しながらシートSを読み取り、拡散反射光の画像を示す画像データを生成するようにしてもよい。
【0068】
「実施例2」
まず、画像読取部23は、第1の位置に位置した光出射部251を点灯させて、キャリッジ25とキャリッジ26を副走査方向Xの移動端P2まで移動させながら、1枚目のシートSを読み取り、拡散反射光の画像を示す画像データを生成する(図8(a)参照)。
【0069】
副走査方向Xの移動端P2まで移動したキャリッジ25は、移動端P2で回転軸251dの一端に装着された歯車G1が欠歯歯車G2の欠歯部G2bに受け入れられると、欠歯歯車G2が回転して歯車G1と噛み合って光出射部251が回転して第1の光路C1から第2の光路C2に切り替わる。続けて、キャリッジ25とキャリッジ26をホームポジション位置P1に戻しながらシートSを読み取り、シートSの正反射光の画像を示す画像データを生成する(図8(b)参照)。
【0070】
次に、第2の光路C2のまま、キャリッジ25とキャリッジ26を副走査方向Xの移動端P2まで移動させながら、2枚目のシートSを読み取り、正反射光の画像を示す画像データを生成する(図8(a) 参照)。そして、移動端P2で切り替え機構50は光出射部251を回転させて第2の光路C2から第1の光路C1に切り替えた後、キャリッジ25とキャリッジ26をホームポジション位置P1に戻しながらシートSを読み取り、拡散反射光の画像を示す画像データを生成する(図8(b)参照)。
【0071】
尚、画像読取部23は、第2の位置に位置した光出射部251を点灯させて、キャリッジ25とキャリッジ26を副走査方向Xの移動端P2まで移動させながら、シートSを読み取って正反射光の画像を示す画像データを生成し、移動端P2で切り替え機構50で第2の光路C2から第1の光路C1に切り替えて、キャリッジ25とキャリッジ26をホームポジション位置P1に戻しながらシートSを読み取り、拡散反射光の画像を示す画像データを生成するようにしてもよい。
【0072】
「実施例3」
画像読取部23は、切り替え機構50をキャリッジ25の副走査方向Xの移動端P2及びホームポジション位置P1にそれぞれ設け、副走査方向Xの移動端P2及びホームポジション位置P1で第1の光路C1と第2の光路C2を切り替える。
具体的には、まず、第1の位置に位置した光出射部251を点灯させて、キャリッジ25とキャリッジ26を副走査方向Xの移動端P2まで移動させながら、1枚目のシートSを読み取り、拡散反射光の画像を示す画像データを生成する(図8(a)参照)。
【0073】
副走査方向Xの移動端P2まで移動したキャリッジ25は、移動端P2で光出射部251が回転して第1の光路C1から第2の光路C2に切り替わる。続けて、キャリッジ25とキャリッジ26をホームポジション位置P1に戻しながらシートSを読み取り、シートSの正反射光の画像を示す画像データを生成する(図8(b)参照)。
【0074】
次に、ホームポジション位置P1まで移動したキャリッジ25は、ホームポジション位置P1で光出射部251が回転して第2の光路C2から第1の光路C1に切り替わる。そして、キャリッジ25とキャリッジ26を副走査方向Xの移動端P2まで移動させながら、2枚目のシートSを読み取り、拡散反射光の画像を示す画像データを生成する(図8(a)参照)。
【0075】
副走査方向Xの移動端P2まで移動したキャリッジ25は、移動端P2で光出射部251が回転して第1の光路C1から第2の光路C2に切り替わり、キャリッジ25とキャリッジ26をホームポジション位置P1に戻しながらシートSを読み取り、シートSの正反射光の画像を示す画像データを生成する(図8(b)参照)。
【0076】
このように、本実施形態においては、一つの光出射部251をキャリッジ25の移動方向における下流側で回転させることで第1の光路C1と第2の光路C2を切り替えて、被撮像物としての複数枚のシートSに対して、拡散反射した光が示す画像と、正反射した光が示す画像とを分けて読み取っている。
そして、生成された2つの画像を示す画像データを用いて例えば光沢感が再現された1つの画像を得る処理を行う。光沢感を再現することにより画像中に表示された被撮像物の材質感、凸凹感も再現され、光沢感だけでなく広い意味での質感が再現された画像が生成されることになる。
【0077】
本実施形態の画像読取部23によれば、光出射部251により照射された光を拡散反射用リフレクタ252で反射させて照射領域R1にあるシートSの表面に照射させ、シートSの表面で拡散反射した拡散反射光を読み取り画像としてイメージセンサ28に導く第1の光路C1と、光出射部251により照射された光を正反射用リフレクタ253で反射させて照射領域R1にあるシートSの表面に照射させ、シートSの表面で正反射した正反射光を読み取り画像としてイメージセンサ28に導く第2の光路C2と、を切り替えることで、一つの光源から発せられた光を照射して被撮像物としてのシートSからの正反射光と拡散反射光を読み取り画像として得ることが可能となっている。
【0078】
「第2実施形態」
図9はリフレクタが拡散反射位置に位置するキャリッジ25Aの内部構成を示す拡大断面模式図、図10はリフレクタが正反射位置に位置するキャリッジ25Aの内部構成を示す拡大断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、第2実施形態に係る画像読取部23Aの構成と動作について説明する。
【0079】
第2実施形態に係る画像読取部23Aは、光出射部251により照射された光を反射させて照射領域にあるシートSの表面に照射させる反射面である反射用リフレクタ252Aを移動させて第1の光路C1と第2の光路C2を切り替える点で、光出射部251を回転させて第1の光路C1と第2の光路C2を切り替える第1実施形態の画像読取部23と異なっている。したがって、第1実施形態との共通部分については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0080】
キャリッジ25Aは、光を照射する照射部の一例としての光出射部251と、光出射部251により照射された光を反射させて照射領域にあるシートSの表面に照射させる反射用リフレクタ252Aと、読取領域となる照射領域R1からみて鉛直下方に配置され、シートSの表面で拡散反射した拡散反射光を読み取り画像としてイメージセンサ28に導く第1の光路C1とシートSの表面で正反射した正反射光を読み取り画像としてイメージセンサ28に導く第2の光路C2との共通の光路C3における反射光をキャリッジ26に向かって反射するミラー254とを有する。
【0081】
反射用リフレクタ252Aは、ガイド252aを有し、図9及び図10に示すように、ガイド252aに沿って移動する(図10中 矢印Q2で示す)ことで、キャリッジ25A内で、光路C3に対して鈍角(図9中 Θ1で示す)になる拡散反射位置と、光路C3に対してより鋭角(図10中 Θ2で示す)になる正反射位置のいずれかに位置するようになっている。
【0082】
光出射部251は、光源251aの端部に回転軸251dを有する。光出射部251は、反射用リフレクタ252Aの位置に合わせて、回転軸251dのまわりに導光体251bが一体として回転する(図10中 矢印Q1で示す)ことで、出射面251cの一部が第1の位置に位置する反射用リフレクタ252Aに向く第1の位置(図9に示す)と、出射面251cが第2の位置に位置する反射用リフレクタ252Aに向く第2の位置(図10に示す)のいずれかに位置するようになっている。
【0083】
このように、キャリッジ25A内では、光出射部251から照射された光を、拡散反射位置に位置する反射用リフレクタ252Aで反射させてシートSの表面で拡散反射した拡散反射光を読み取り画像としてイメージセンサ28に導く第1の光路C1と、正反射位置に位置する反射用リフレクタ252Aで反射させてシートSの表面で正反射した正反射光を読み取り画像としてイメージセンサ28に導く第2の光路C2と、を切り替え可能となっている。
【0084】
キャリッジ25Aにおける第1の光路C1と第2の光路C2を切り替える切り替え機構は、キャリッジ25Aの移動方向における下流側となる移動端P2及びホームポジション位置P1に設けられている。切り替え機構は、第1実施形態と同様に、欠歯歯車G2を含む歯車列Rと、モータMTから構成され、光出射部251を回転させて第1の位置と第2の位置に切り替える切り替え機構50と、例えば、反射用リフレクタ252Aの一端に取り付けられたカムフォロワー(不図示)を受け入れて反射用リフレクタ252Aを拡散反射位置と正反射位置のいずれかに切り替える切り替え機構50A(不図示)とで構成される。
【0085】
本実施形態の画像読取部23Aによれば、光出射部251により照射された光を拡散反射位置に位置する反射用リフレクタ252Aで反射させて照射領域R1にあるシートSの表面に照射させ、シートSの表面で拡散反射した拡散反射光を読み取り画像としてイメージセンサ28に導く第1の光路C1と、光出射部251により照射された光を正反射位置に位置する反射用リフレクタ252Aで反射させて照射領域R1にあるシートSの表面に照射させ、シートSの表面で正反射した正反射光を読み取り画像としてイメージセンサ28に導く第2の光路C2とをキャリッジ25の移動方向における下流端で切り替えることで、一つの光源から発せられた光を照射して被撮像物としてのシートSからの正反射光と拡散反射光を読み取り画像として得ることが可能となっている。
【符号の説明】
【0086】
1・・・画像形成装置
2・・・画像読取装置
21・・・シート積載部
22・・・自動シート送り部
23、23A・・・画像読取部
24・・・筐体
25・・・キャリッジ、251・・・光出射部、251a・・・光源、251b・・・導光体、251c・・・出射面、251d・・・回転支点、252・・・正反射用リフレクタ、253・・・拡散反射用リフレクタ、252A・・・反射用リフレクタ、254・・・ミラー
50、50A・・・切り替え機構、55・・・磁界検知センサ、56・・・ロータリーソレノイド
PG1・・・読取ガラス
PG2・・・プラテンガラス
SG・・・シートガイド
3・・・画像形成部
4・・・操作情報部
5・・・画像処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10