(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035866
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】路面状況検知装置、路面状況検知方法、電動二輪車、及び、路面状況検知システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240308BHJP
B62M 6/45 20100101ALI20240308BHJP
G01S 13/04 20060101ALI20240308BHJP
G01N 22/00 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
G08G1/00 J
B62M6/45
G01S13/04
G01N22/00 S
G01N22/00 U
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140464
(22)【出願日】2022-09-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003236
【氏名又は名称】弁理士法人杉浦特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(72)【発明者】
【氏名】小室 雅司
(72)【発明者】
【氏名】村田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】町田 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】野崎 貢
(72)【発明者】
【氏名】西浦 真平
【テーマコード(参考)】
5H181
5J070
【Fターム(参考)】
5H181AA05
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC12
5H181CC14
5H181EE11
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL09
5H181MC16
5J070AB24
5J070AC19
5J070AD02
5J070AE07
5J070AF03
5J070AK14
(57)【要約】
【課題】車両がスリップすることに起因する危険の発生を未然に防ぐ。
【解決手段】路面へ向けたセンサによってセンシングデータを取得し、センシングデータに含まれる電波の反射強度に応じて、走行中の路面に金属構造物が有るか否かを判断する、路面状況検知装置である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面へ向けたセンサによってセンシングデータを取得し、前記センシングデータに応じて、走行中の路面に金属構造物が有るか否かを判断する、
路面状況検知装置。
【請求項2】
電動二輪車に取り付けられる、
請求項1に記載の路面状況検知装置。
【請求項3】
前記センサが、前記路面へ向けてミリ波を照射して反射波を受信するミリ波センサであって、反射波の反射強度が所定の閾値を超える場合に、前記金属構造物が有ると判断する、
請求項1又は2に記載の路面状況検知装置。
【請求項4】
前記反射強度の時間的な変化に基づいて、前記金属構造物が有るか否かを判断する、
請求項3に記載の路面状況検知装置。
【請求項5】
前記反射強度に応じて、前記金属構造物の有無に関する評価値を出力する、
請求項3に記載の路面状況検知装置。
【請求項6】
路面へ向けたセンサによってセンシングデータを取得し、前記センシングデータに応じて、金属構造物が有るか否かを判断する、
路面状況検知方法。
【請求項7】
請求項1に記載の路面状況検知装置を有する、
電動二輪車。
【請求項8】
サーバと、複数の車両とを有し、
前記車両は、
位置情報を取得する位置情報取得部と、
路面へ向けたセンサによってセンシングデータを取得し、前記センシングデータに応じて、走行中の路面に金属構造物が有るか否かを判断する路面状況検知部と、
前記金属構造物の有無に関する路面状況情報を、前記位置情報と共に送信する第1通信部と、
を有し、
前記サーバは、
前記位置情報及び前記路面状況情報を受信する第2通信部と、
受信した前記位置情報に対応する前記路面状況情報をマッピング化したマップ情報を生成するマップ情報処理部と、
を有する、
路面状況検知システム。
【請求項9】
前記マップ情報が、前記第2通信部を介して前記車両に送信される、
請求項8に記載の路面状況検知システム。
【請求項10】
前記車両は、
前記マップ情報を参照して、前記位置情報取得部により取得された前記位置情報に対応する前記路面状況情報を読み出し、当該路面状況情報に応じた制御を行う制御部を有する、
請求項9に記載の路面状況検知システム。
【請求項11】
前記車両は電動自転車である、
請求項8から10の何れかに記載の路面状況検知システム。
【請求項12】
前記路面状況情報には、前記車両の補助駆動力に関する設定情報が含まれる、
請求項8から10の何れかに記載の路面状況検知システム。
【請求項13】
前記第1通信部により送信された前記位置情報及び前記路面状況情報が、携帯端末を介して、前記サーバに送信される、
請求項8から10の何れかに記載の路面状況検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面状況検知装置、路面状況検知方法、電動二輪車、及び、路面状況検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両が走行する路面には、アスファルトや砂利、土、コンクリート等の様々が素材の路面が存在する。それらの素材以外にも、マンホールの蓋に代表される金属製の構造物(以下、金属構造物と適宜、略称する。)も存在する。係る金属構造物は、路面の表面に露出するように設置される。車両が金属構造物上を通過する際には、アスファルト等を通過する場合に比べてスリップが生じ易い。車両のスリップを防止する技術として、下記の特許文献1には、車輪速度と路面に対する車両の速度とに基づいて、車両がスリップしている状態を検出し、検出結果に応じてブレーキのアンチロック制御を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ブレーキをかけた際にアンチロック制御が開始されるまでの間にも車両が金属構造物上を走行するため、車両のスリップを完全に防止できないという不都合がある。スリップが生じ易い金属構造物上で車両がスリップした場合、その一瞬のスリップをきっかけとして、車両の走行の安定性が急激に損なわれるため、スリップしている状態を検出した後に制御を行ったのでは、車両の安定性を回復することができない虞がある。また、車両がスリップすると、当該車両の後続を走行中の車両も巻き込まれてしまう虞もある。このように車両がスリップすると様々が危険が生じるため、車両がスリップすることに起因する危険の発生を未然に防ぐことが望まれる。
【0005】
本発明は、車両がスリップすることに起因する危険の発生を未然に防ぐことが可能な路面状況検知装置、路面状況検知方法、電動二輪車、及び、路面状況検知システムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
路面へ向けたセンサによってセンシングデータを取得し、センシングデータに含まれる電波の反射強度に応じて、走行中の路面に金属構造物が有るか否かを判断する、
路面状況検知装置である。
本発明は、上記の路面状況検知装置を有する電動二輪車でもよい。
【0007】
また、本発明は、
路面へ向けたセンサによってセンシングデータを取得し、センシングデータに含まれる電波の反射強度に応じて、金属構造物が有るか否かを判断する、
路面状況検知方法である。
【0008】
また、本発明は、
サーバと、複数の車両とを有し、
車両は、
位置情報を取得する位置情報取得部と、
路面へ向けたセンサによってセンシングデータを取得し、センシングデータに含まれる電波の反射強度に応じて、走行中の路面に金属構造物が有るか否かを判断する路面状況検知部と、
金属構造物の有無に関する路面状況情報を、位置情報と共に送信する第1通信部と、
を有し、
サーバは、
位置情報及び路面状況情報を受信する第2通信部と、
受信した位置情報に対応する路面状況情報をマッピング化したマップ情報を生成するマップ情報処理部と、
を有する、
路面状況検知システムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】第1の実施形態に係る電動自転車の電気的な構成例を説明する際に参照される図である。
【
図3】第1の実施形態に係るミリ波センサで取得されるセンシングデータの波形図である。
【
図4】第1の実施形態に係る電動自転車で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】第2の実施形態に係る路面状況検知システムの概略構成例を示す図である。
【
図6】第2の実施形態に係る路面状況検知システムで行われる処理の概要を説明するための図である。
【
図7】第2の実施形態に係る電動自転車の構成例を説明するための図である。
【
図8】第2の実施形態に係る電動自転車の別の構成例を説明するための図である。
【
図9】第2の実施形態に係るサーバの構成例を示すブロック図である。
【
図10】マップ情報の一例を説明するための図である。
【
図11】第2の実施形態に係る電動自転車で行われる処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図12】第2の実施形態に係るサーバで行われる処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図13】マップ情報を使用した処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図14】第2の実施形態の変形例を説明するための図である。
【
図15】第2の実施形態の変形例を説明するための図である。
【
図16】第3の実施形態に係る路面状況情報の一例を説明するための図である。
【
図17】第3の実施形態で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【
図18】第3の実施形態で行われる別の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図19】第3の実施形態の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態等について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態等は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容がこれらの実施形態等に限定されるものではない。説明は以下の順序で行う。
<第1の実施形態>
<第2の実施形態>
<第3の実施形態>
<変形例>
以下に説明する実施形態では、車両の一例として電動二輪車である電動自転車を例にして説明するが、本発明は、電動自転車以外の車両(電動バイク、電動自動車、三輪車、電動キックボード、電動以外の動力を有する車両等)に対しても適用可能である。但し、本発明は、比較的、自立姿勢が不安定になり易い二輪車に好適である。
【0011】
<第1の実施形態>
[電動自転車の構成例]
(外観例)
図1は、本実施形態に係る電動自転車(電動自転車1)の外観例を示す図である。以下の説明では特に断らない限り、
図1における紙面に向かう方向を基準にして、左右上下の方向を規定する。
図1の例では、右から左に向かう方向が電動自転車1の進行方向(前進)になる。
【0012】
電動自転車1は、車体10を有する。車体10は、フレーム11と、前輪12と、後輪13と、左右のハンドル部14と、サドル15と、クランク16と、ペダル17と、チェーン19とを有する。ハンドル部14の中央付近には、箱状の表示/入力部21が取り付けられる。
【0013】
フレーム11は、ヘッドパイプ111と、メインフレーム112と、立パイプ113と、フォーク114と、チェーンステー115とを有する。上下方向に延在するヘッドパイプ111は、前輪12を支持するフォーク114及びハンドル部14を、ヘッドパイプ111の軸を中心に回転自在に支持する。ハンドル部14を左右に回すことで、フォーク114に支持された前輪12の向きを左右に回転させることができる。
【0014】
メインフレーム112は、ヘッドパイプ111と立パイプ113とを連結する部材である。メインフレーム112の下端部(メインフレーム112及び立パイプ113の連結箇所)には、クランク16が取り付けられ、且つ、ドライブユニット60が取り付けられる。ドライブユニット60内には、制御装置(後述する制御装置41)、電動モータ(後述する電動モータ70)、各種センサ等が収納される。なお、ドライブユニット60の取り付け位置は適宜、変更可能である。ドライブユニット60の材料としては、樹脂や金属が挙げられる。
【0015】
ドライブユニット60の近傍には、レーダーを用いるセンサが装着されている。係るセンサは、例えば、ドップラー式レーダーセンサであり、より詳しくは、ミリ波センサ22である。ミリ波センサ22は、Txアンテナ(不図示)から電波であるミリ波を対象物に照射し、対象物からの反射波を受信するRxアンテナ(不図示)を有するセンサである。ここで、
図1に示すように、ミリ波センサ22は、電動自転車1が走行する路面に向けてミリ波を照射するように装着される。具体的には、電動自転車1が走行する場合に、ミリ波センサ22は、駆動輪である後輪13が走行する直前の路面に向けてミリ波を照射する。ミリ波センサ22は、所定の周期(例えば、100から200ミリ秒の間)でミリ波を路面に照射する。なお、ミリ波センサ22は、路面へ向けてミリ波を照射して、路面からの反射波を受信できる態様で、ドライブユニット60に内蔵されてもよい。
【0016】
立パイプ113は、サドル15を着脱可能に支持する。具体的には、立パイプ113には、サドル15を支持するシートポストが挿入されて固定される。本実施形態では、立パイプ113に、バッテリ50が着脱可能に取り付けられる。バッテリ50は、リチウムイオン電池等の充電可能な二次電池である。
【0017】
フォーク114は、前輪12を回転自在に支持する。前輪12を支持するフォーク114には、前照灯30が取り付けられる。
【0018】
チェーンステー115は、後輪13を回転自在に支持する。
【0019】
ハンドル部14には、一対のグリップ14Aと、グリップ14Aの下側に配置される一対のブレーキレバー14Bとが設けられる。グリップ14Aは、電動自転車1の運転手の手で握られる部分である。グリップ14Aに、握る力や押力を検知するグリップセンサが設けられてもよい。
【0020】
ブレーキレバー14Bは、前輪12及び後輪13の各々に取り付けられた、ブレーキ装置(不図示)の動作レバーである。一方のブレーキレバー14Bが操作されることで前輪12に取り付けられたブレーキ装置が駆動され、前輪12に対して機械的な制動力が付与される。他方のブレーキレバー14Bが操作されることで、後輪13に取り付けられたブレーキ装置が駆動され、後輪13に対して機械的な制動力が付与される。ブレーキレバー14Bには、ブレーキセンサが設けられており、ブレーキセンサがブレーキレバー14Bに対する操作を検出するようになっている。
【0021】
サドル15は、人が適切な姿勢で乗車した場合に、人が座る部分である。
【0022】
クランク16のクランク軸にペダル17が回転自在に固定される。ペダル17に踏力が加えられた場合、クランクアームがクランク軸を中心に回転し、当該回転による人力駆動力がスプロケット及びチェーン19を介して後輪13に伝達される。電動自転車1で後述するアシスト制御が行われる場合には、踏力に基づく人力駆動力と、当該人力駆動力に付加された電動モータ70による補助駆動力とが後輪13に伝達される。
【0023】
表示/入力部21は、例えば、バッテリ50の残量等を表示する表示部を有する。表示部は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイである。また、表示/入力部21は、前照灯30をオン/オフするボタンや、バッテリ50をオン/オフするスイッチ等のボタンを有する。ボタンは、タッチパネルディスプレイ等でもよい。
【0024】
(電気的な構成例)
図2は、電動自転車1の電気的な構成例を説明するための図である。電動自転車1は、制御装置41を有する。制御装置41は、例えば、ドライブユニット60内に収納される。制御装置41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を含んで構成されている。ROMには、CPUにより読み込まれ動作されるプログラム等が記憶されている。RAMは、CPUのワークメモリとして用いられる。CPUは、ROMに記憶されたプログラムにしたがい、様々な処理を実行してコマンドの発行を行うことによって電動自転車1全体の制御を行う。
【0025】
制御装置41は、機能ブロックとして、路面状況検知部41Aを有する。本実施形態では、路面状況検知部41Aが路面状況検知装置として機能する。路面状況検知部41Aは、センシングデータを取得し、センシングデータに含まれる電波強度に応じて、電動自転車1の走行中の路面に金属構造物(例えば、マンホールの蓋)が有るか否かを判断する、センシングデータは、ミリ波センサ22で取得されるセンシングデータであり、具体的には、ミリ波センサ22で受信される電波の反射強度である。
【0026】
制御装置41には、上述した、表示/入力部21、ミリ波センサ22、前照灯30、バッテリ50、及び、電動モータ70が接続されている。また、制御装置41には、車速センサ81、クランク回転センサ82、踏力センサ83、及び、モータ回転センサ84が接続されている。
【0027】
車速センサ81は、電動自転車1の速度を検出するセンサである。車速センサ81は、検出した電動自転車1の速度を示す速度情報を制御装置41に出力する。車速センサ81は、例えば、前輪12又は後輪13の回転から電動自転車1の速度を検出し、速度を示す速度情報を制御装置41に出力するホイルセンサ等のセンサである。
【0028】
クランク回転センサ82は、単位時間当たりのクランク16の回転数を検出するセンサである。クランク回転センサ82は、例えば、歯車状の回転体と、回転体の歯を挟むように配置された光出射部と受光部とを有する構成により実現される。クランク回転センサ82は、検出したクランク16の回転数を示すクランク回転数情報を制御装置41に出力する。
【0029】
踏力センサ83は、磁歪式のトルクセンサであり、ペダル17への人力駆動力に基づいてクランク16が回転することにより発生する人力駆動力を検出する。踏力センサ83は、例えば、コイルと、磁歪発生部とを有する。例えば、ペダル17に踏力が加えられて人力駆動力が発生した場合に、磁歪発生部に歪みが発生する。磁歪発生部には、透磁率が増加する部位と減少する部位とが発生する。踏力センサ83は、このコイルのインダクタンス差を検出することで、人力駆動力を検出する。踏力センサ83は、検出した人力駆動力を示す踏力情報を制御装置41に出力する。
【0030】
モータ回転センサ84は、例えば、電動モータ70の回転軸の近傍に配置される。モータ回転センサ84は、電動自転車1の加速度に関する情報を出力する。モータ回転センサ84は、例えば、電動モータ70の単位時間当たりの回転数を検出し、モータ回転数情報を出力するホールICセンサである。モータ回転数情報は、電動モータ70の単位時間当たりの回転数に基づいて電動自転車1の加速度を算出することができる情報である。
【0031】
具体的には、モータ回転センサ84は、電動モータ70の回転軸と一体的に回転する磁石と、ホールICとを有する。ホールICは、磁石の回転に応じて変化する磁界の変化を検出することで、単位時間当たりの磁石の回転数、すなわち、電動モータ70の回転数を検出する。
【0032】
以上説明した、車速センサ81、クランク回転センサ82、踏力センサ83、及び、モータ回転センサ84の構成は一例であり、車速、クランク16の回転数、人力駆動力、電動自転車1の加速度を検出できるのであれば、どのような構成であってもよい。
【0033】
[電動自転車で行われるアシスト制御について]
本実施形態に係る電動自転車1では、踏力に基づく人力駆動力に対して電動モータ70による補助駆動力が付加されることで、運転手が電動自転車1を楽に運転できるようにするアシスト制御が行われる。
【0034】
アシスト制御は、例えば、踏力センサ83で検知したペダル17への踏力が所定値より大きい場合に制御装置41による制御によって実行される。制御装置41は、ペダル17への踏力と電動自転車1の速度とに基づいて、電動モータ70が生成する補助駆動力の大きさを決定する。ペダル17への踏力は、踏力センサ83による検知結果から得られる。例えば、電動自転車1の速度は、車速センサ81による検知結果から得られる。
【0035】
補助駆動力は、電動自転車1の走行速度に応じて異なるが、例えば、ペダル17への踏力の2倍以下の大きさに設定される。例えば、制御装置41は、電動自転車1の走行速度が時速10km未満の場合に、電動モータ70を駆動することで、ペダル17への踏力の2倍以下の補助駆動力を発生させる。制御装置41は、速度が時速24km以上の場合は、電動モータ70に補助駆動力を発生させない。制御装置41は、速度が時速10km以上24km未満の場合には、電動モータ70を駆動することで、速度に応じて定められた補助駆動力を発生させる。
【0036】
[金属構造物が検知された場合に電動自転車で行われる制御について]
上述したような電動自転車1が当該金属構造物上を走行すると、アスファルト等の路面に対して電動自転車1がスリップする虞が相対的に高くなる。特に、金属構造物が雨等によって湿っている場合には、電動自転車1がスリップする虞が一層、高くなる。さらに、電動自転車1が金属構造物上を走行した際に上述したアシスト制御が行われ補助駆動力が付与されると、補助駆動力が付与された車輪がスリップする虞が高くなるばかりでなく、スリップにより電動自転車1が転倒した場合に、運転手が大きな怪我をする虞が高くなる。そこで、本実施形態では、走行中の路面に金属構造物が検知された場合に、予め電動自転車1に設定されている制御内容を中止したり変更したりする。例えば、走行中の路面に金属構造物が検知された場合に、アシスト制御で付与される補助駆動力の大きさを小さくしたり、アシスト制御そのものを実行しないようにする。以下、具体的に説明する。
【0037】
(電波強度の一例)
図3は、ミリ波センサ22で取得され、ミリ波センサ22から制御装置41に出力されるセンシングデータである電波反射強度データの波形図である。
図3のグラフにおいて、横軸は時間(秒)を示し、縦軸は電波の反射強度(任意単位)を示す。
【0038】
図3に示すように、電波の反射強度に対して閾値THが設定される。路面状況検知部41Aは、ミリ波センサ22から供給されるセンシングデータに含まれる反射強度が閾値THを超えた場合に、走行中の路面に金属構造物が有ると判断する。反対に、反射強度が閾値TH以下の場合は、路面状況検知部41Aは、走行中の路面に金属構造物が無いと判断する。
【0039】
路面状況検知部41Aが路面に金属構造物が有ると判断した場合、制御装置41は、駆動輪である後輪13がこれから金属構造物上を走行すると判断する。そこで、制御装置41は、アシスト制御が行われる条件であれば、当該アシスト制御における補助駆動力の大きさを小さくすることで、補助駆動力を制限する。制御装置41は、アシスト制御が行われないようにしてもよい。これにより、金属構造物上を電動自転車1が走行する際に補助駆動力が付与されて電動自転車1が転倒してしまうことを未然に防ぐことができる、若しくは、電動自転車1が転倒するリスクを小さくすることができる。
【0040】
(処理の流れ)
図4は、第1の実施形態に係る電動自転車1で行われる処理の流れを示すフローチャートである。以下に説明する処理は、特に断らない限り、制御装置41(路面状況検知部41Aを含む)により行われる。
【0041】
処理が開始されると、ステップST1では、ミリ波センサ22から出力されたセンシングデータが制御装置41に入力され、制御装置41により取得される。そして、処理がステップST2に進む。
【0042】
ステップST2では、路面状況検知部41Aが、ミリ波センサ22で計測されたセンシングデータに基づいて路面状況を判断する。具体的には、路面状況検知部41Aは、ミリ波センサ22で計測された電波の反射強度が閾値THを超えたか否かを判断することで、路面に金属構造物が有るか否かを判断する。そして、処理がステップST3に進む。
【0043】
ステップST3では、ステップST2の判断処理の結果に応じて処理が分岐する。路面に金属構造物が無い場合には、ステップST3の判定がNoとなり、処理がステップST1に戻る。そして、次の周期でミリ波センサ22により計測されるセンシングデータが制御装置41に入力される。
【0044】
路面に金属構造物が有る場合には、ステップST3の判定がYesとなり、処理がステップST4に進む。ステップST4では、路面に金属構造物が有ることから、制御装置41は、アシスト制御が行われる条件であれば、当該アシスト制御における補助駆動力の大きさを小さくする。若しくは、制御装置41は、アシスト制御が行われないようにする。そして、処理がステップST1に戻る。
【0045】
[本実施形態により得られる効果]
以上説明した本実施形態によれば、下記の効果が得られる。
金属構造物上を電動自転車が走行する際に補助駆動力が付与されて電動自転車が転倒してしまうことを未然に防ぐことができる、若しくは、電動自転車が転倒するリスクを小さくすることができる。
電動自転車が転倒してしまうことを未然に防ぐことができるので、転倒により電動自転車の運転手が怪我をしてしまうことを防止できる。
【0046】
[第1の実施形態の変形例]
本実施形態は、例えば、下記の変形例が可能である。
上述した説明では、路面状況検知部41Aが、電波の反射強度が閾値THを超えた場合に、走行中の路面に金属構造物が有ると判断したが、これに限定されることはない。例えば、路面状況検知部41Aが、反射強度の時間的な変化に応じて、走行中の路面に金属構造物が有るか否かを判断するようにしてもよい。具体的には、反射強度の時間的な変化として、一定時間以上、反射強度が閾値を超えた場合に、路面状況検知部41Aが、スリップを誘発する金属構造物が有ると判断するようにしてもよい。反射強度が瞬間的に閾値THを超えた場合であっても、比較的小さな金属構造物(例えば、小さなマンホールの蓋)、換言すれば、後輪13が当該金属構造物と接触する時間が小さく、スリップが発生しづらい金属構造物の可能性がある。このように、スリップが発生しづらい路面状況で補助駆動力が制限されたりすることは好ましくない。一方で、一定時間以上、反射強度が閾値を超えた場合は、比較的大きな金属構造物、換言すれば、後輪13が当該金属構造物と接触する時間が大きく、スリップが発生し易い金属構造物の可能性が高い。すなわち、一定時間以上、反射強度が閾値を超えた場合に金属構造物が有ると判断することで、スリップが発生しづらい路面状況では補助駆動力が制限されず、スリップが発生し易い路面状況では補助駆動力を適切に制限することができる。
【0047】
反射強度の時間的変化として、所定の時間単位(フレーム)における反射強度の波形の特徴を用いてもよい。例えば、1フレームにおいて反射強度が閾値THを超えており、且つ、閾値THを超えている間の、あるいは閾値THを超えた後の所定期間の反射強度の波形のP-P値(Peak-to-Peak)の変化が小さい場合、金属構造物が存在し、且つ、金属構造物の表面が滑らかであり、スリップが特に発生し易い路面状況と判断することができる。この場合には、補助駆動力の制限を強くしたり、アシスト制御を実行しないようにする。一方で、1フレームにおいて反射強度が閾値THを超えていても、閾値THを超えている間の、あるいは閾値THを超えた後の所定期間の反射強度の波形のP-P値の変化が大きい場合には、金属構造物の表面がざらざら(でこぼこ)しており、摩擦が大きく、比較的スリップが発生しづらい路面状況と判断することができる。この場合には、補助駆動力の制限を弱めるようにしてもよい。なお、本例の場合は、金属構造物の表面の特徴を高精度で判断するためにも、ミリ波センサ22の分解能(ミリ波の照射周期)を極力、小さくすることが好ましい。
【0048】
反射強度に対して、複数の閾値が設定されてもよい。そして、路面状況検知部41Aは、複数の閾値のそれぞれを超えたか否かに応じた評価値を算出するようにしてもよい。例えば、反射強度に対して閾値TH1、TH2、TH3(但し、TH1<TH2<TH3)が設定される。路面状況検知部41Aは、反射強度が閾値TH1以下、反射強度が閾値TH1より大きく閾値TH2以下、反射強度が閾値TH2より大きく閾値TH3以下、及び、反射強度が閾値TH3より大きい、のそれぞれのパターンに対応する評価値を出力するようにしてもよい。そして、制御装置41が、評価値に応じた制御(例えば、補助駆動力の制限の強さを評価値に応じて可変する制御)を行うようにしてもよい。
【0049】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態の説明において、上述した説明における同一または同質の構成については同一の参照符号を付し、重複した説明が適宜、省略される。また、特に断らない限り、第1の実施形態で説明した事項は第2の実施形態に対して適用することができる。第3の実施形態以降についても同様である。
【0050】
[路面状況検知システム]
(全体構成例)
第2の実施形態は、路面状況検知システムに関する実施形態である。
図5は、第2の実施形態に係る路面状況検知システム(路面状況検知システム1000)の概略構成例を示す図である。
【0051】
路面状況検知システム1000は、道路RD上を走行する複数の車両と、それぞれの車両と通信可能なクラウドサーバ(以下、サーバ100と適宜、称する)とを有する。路面状況検知システム1000を構成する車両は、例えば、電動自転車であり、
図5の例では、電動自転車1A、1B、1C、及び、1Dが示されている。勿論、路面状況検知システム1000を構成する電動自転車の台数は4台に限定されることはない。なお、電動自転車1A、1B、1Cは互いに共通する構成を有しているが、電動自転車1Dは、後述する通り、ミリ波センサ22と路面状況検知部41Aを備えていない点で電動自転車1A、1B、1Cと構成が異なる。電動自転車1A、1B、及び、1Cを区別する必要がない場合は、電動自転車1A等と適宜、総称する。
【0052】
図6を参照しながら、路面状況検知システム1000で行われる処理について概略的に説明する。電動自転車1A等は、第1の実施形態と同様にして、走行中の路面に金属構造物が有るか否かを判断する。そして、電動自転車1A等は、判断結果に対応する情報として路面状況情報を生成する。本実施形態に係る路面状況情報は、走行中の路面に金属構造物が有ることを示す情報である。路面状況情報に、走行中の路面に金属構造物が無いことを示す情報が含まれてもよい。そして、電動自転車1A等は、路面状況情報を、金属構造物の有無を判断した際の位置情報と共にサーバ100に送信する。
【0053】
電動自転車1A等から送信された路面状況情報及び位置情報が、サーバ100により受信される。サーバ100は、受信した路面状況情報及び位置情報をマッピング化したマップ情報を生成する。マップ情報は、位置情報に対応する場所に金属構造物が有ることを示す情報である。マップ情報に、位置情報に対応する場所に金属構造物が無いことを示す情報が含まれてもよい。サーバ100により生成されたマップ情報は、電動自転車1A、1B、1C、及び、1Dに対して送信される。電動自転車1A、1B、1C、及び、1Dは、受信したマップ情報を利用した制御を行う。例えば、電動自転車1A、1B、1C、及び、1Dの制御装置41は、マップ情報を参照して、位置情報に対応する路面状況情報を読み出し、当該路面状況情報に応じた制御を行う。なお、マップ情報は、所定のウェブサイトにアップロードされてもよいし、有償又は無償で、電動自転車以外の電子機器に配信されてもよい。
【0054】
(電動自転車の構成例)
図7は、第2の実施形態に係る電動自転車1Aの構成例を示すブロック図である。なお、以下に説明する電動自転車1Aの構成例は、電動自転車1B及び電動自転車1Cに対しても適用可能である。
【0055】
電動自転車1Aは、第1の実施形態に係る電動自転車1と略同様の構成要素を有する。構成的に異なる点は、電動自転車1Aが、位置センサ85(位置情報取得部の一例)及び通信部86(第1通信部の一例)を有する点である。位置センサ85及び通信部86は、制御装置41に接続されている。また、電動自転車1Aの制御装置41は記憶部41Bを有している。
【0056】
位置センサ85は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)と称されるシステムを利用して、電動自転車1Aの現在位置の測位を行う測位部である。位置センサ85は、例えば周期的に位置情報を検出する。位置センサ85により検出された位置情報は、制御装置41に出力される。
【0057】
通信部86は、例えば、LTE(Long Term Evolution)や4G(Generation)(第4世代移動通信システム)、5G(第5世代移動通信システム)等の通信規格に基づいて、サーバ100と無線通信を行う。通信部86は、制御装置41で生成された路面状況情報を、位置情報と共にサーバ100に送信する。また、通信部86は、サーバ100から送信されたマップ情報を受信する。通信部86は、通信規格に対応する変調/復調処理やエラー訂正処理等を行う。通信部86が、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行うようにしてもよい。
【0058】
制御装置41の記憶部41Bは、例えば、SSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等により構成された記憶媒体である。記憶部41Bには、サーバ100から送信されたマップ情報が記憶される。
【0059】
図8は、第2の実施形態に係る電動自転車1Dの構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、電動自転車1Dは、電動自転車1Aと同様に位置センサ85、通信部86及び記憶部41Bを有している。但し、上述したように、電動自転車1Dは、ミリ波センサ22及び路面状況検知部41Aを有していない。
【0060】
(サーバの構成例)
図9は、本実施形態に係るサーバ100の内部構成例を示すブロック図である。
図9に示すように、サーバ100は、バスにより相互接続されているサーバ制御部131、サーバ記憶部132、入力部133、サーバ通信部134(第2通信部の一例)及び出力部135を有している。
【0061】
サーバ制御部131は、例えば、CPU、RAM及びROM等で構成されている。ROMには、CPUにより読み込まれ動作されるプログラム等が記憶されている。RAMは、CPUのワークメモリとして用いられる。CPUは、ROMに記憶されたプログラムにしたがい、様々な処理を実行してコマンドの発行を行うことによってサーバ100全体の制御を行う。
【0062】
サーバ制御部131は、機能ブロックとして、マップ情報処理部131Aを有している。マップ情報処理部131Aは、電動自転車1A等から送信され、サーバ通信部134により受信された位置情報に対応する路面状況情報をマッピング化したマップ情報を生成する。また、マップ情報処理部131Aは、マップ情報MPを更新したり、リサイズする等、マップ情報に対する各種の処理を行う。
【0063】
サーバ記憶部132は、例えば、HDD、SSD、半導体メモリ等により構成された記憶媒体である。サーバ記憶部132には、画像データ、動画データ、音声データ、テキストデータ等のコンテンツデータの他、プログラム(例えば、アプリケーション)等のデータが適宜、保存される。また、サーバ記憶部132には、マップ情報処理部131Aで生成されたマップ情報が記憶される。
【0064】
入力部133は、サーバ100に対して各種情報を入力するための装置である。入力部133により情報が入力されると、サーバ制御部131は、その入力情報に対応した各種処理を行う。入力部133は、マウス及びキーボードの他、マイクロホン、各種センサ、タッチパネル、モニタと一体に構成されたタッチスクリーン、物理ボタン等でもよい。なお、サーバ100への各種情報の入力は、サーバ通信部134を介して行われる構成であってもよい。
【0065】
サーバ通信部134は、所定の通信規格により他の装置(例えば、電動自転車1A等)やインターネットと通信する通信モジュールである。通信方法としては、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)等の無線LAN、LTE、5G、Bluetooth(登録商標)等が挙げられる。
【0066】
出力部135は、サーバ100から各種情報を出力するための装置である。出力部135は、例えば、画像や映像を表示するディスプレイ(表示デバイス)、スピーカ等の音を出力する出力デバイスで構成されている。なお、サーバ100からの各種情報の出力は、サーバ通信部134を介して行われる構成であってもよい。
【0067】
サーバ制御部131は、例えば、サーバ記憶部132に記憶されているプログラム(例えば、アプリケーション)を読み出し実行することで各種処理を行う。つまり、サーバ100は、コンピュータとしての機能を有している。
【0068】
なお、プログラム(例えば、アプリケーション)及びデータは、サーバ記憶部132に記憶されていなくてもよい。例えば、サーバ100が読み取り可能な記憶媒体に記憶されているプログラムやデータを読み出して使用するものでもよい。この記憶媒体としては、例えば、サーバ100に対して着脱自在な光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ、HDDなどがあげられる。また、インターネット等のネットワークに接続された装置(例えば、クラウドストレージ)にプログラムやデータを記憶させておき、サーバ100がそこからプログラムやデータを読み出して実行するようにしてもよい。また、プログラムは、例えば、既存のアプリケーションに、処理の一部または全てを追加するプラグインプログラムであってもよい。
【0069】
[マップ情報の一例]
図10は、本実施形態に係るマップ情報(マップ情報MP)を示す。例えば、マップ情報処理部131Aは、所定の地図データを使用し、電動自転車1A等から送信された位置情報に対応する位置に、金属構造物の存在を示す路面状況情報を対応付けるようにしてマップ情報MPを生成する。
図10に示すマップ情報MPでは、位置情報PAに対応する位置に、金属構造物が有ることを示す路面状況情報MAが対応付けられている。また、位置情報PBに対応する位置に、金属構造Bが有ることを示す路面状況情報MBが対応付けられている。また、位置情報PCに対応する位置に、金属構造物が有ることを示す路面状況情報MCが対応付けられている。また、位置情報PDに対応する位置に金属構造物が有ることを示す路面状況情報MDが対応付けられている。マップ情報MPにおいて、所定の位置情報に路面状況情報が対応付けられていない場合は、その位置に金属構造物が無いことを示している。
【0070】
マップ情報MPは、例えば所定の単位で生成される。所定の単位は、都道府県、市町村、所定の面積等、適宜、設定できる。サーバ100から電動自転車1A等や電動自転車1Dに対してマップ情報MPが送信されるときは、送信データ量を抑制するために、電動自転車1A等や電動自転車1Dの位置情報周辺のマップ情報MPが送信されるように、マップ情報MPが適宜、リサイズされてもよい。
【0071】
[処理の流れ]
(電動自転車で行われる処理)
図11は、本実施形態に係る電動自転車1A、1B、1Cで行われる処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップST1からST4までの処理は、既に
図4を参照して説明しているため、重複した説明を省略する。ステップST4の処理が行われた後、処理がステップST5に進む。
【0072】
ステップST5では、路面状況検知部41Aで金属構造物が有ると判断されたことが制御装置41に通知される。制御装置41は、金属構造物が有ると判断された時点における位置情報を位置センサ85から取得する。そして、制御装置41は、金属構造物が有ることを示す路面状況情報を生成し、生成した路面状況情報と取得した位置情報とを対応付ける。そして、制御装置41は、通信部86を制御して、位置情報及び当該位置情報に対応付けられた路面状況情報をサーバ100に送信する。例えば、位置情報PA、及び、位置情報PAに対応する位置に金属構造物が有ることを示す路面状況情報MAがサーバ100に送信される。
【0073】
なお、電動自転車1Dは、ミリ波センサ22及び路面状況検知部41Aを有していないため、上述した処理を行わない。
【0074】
(サーバで行われる処理)
図12は、本実施形態に係るサーバ100で行われる処理の流れを示すフローチャートである。ステップST11では、サーバ制御部131が、位置情報及び当該位置情報に対応付けられた路面状況情報をサーバ通信部114で受信したか否かを判断する。受信していないと判断した場合(Noの場合)は、処理がステップST11に戻り、ステップST11の処理が繰り返される。受信したと判断した場合(Yesの場合)は、処理がステップST12に進む。
【0075】
ステップST12では、サーバ通信部134で受信した位置情報及び当該位置情報に対応付けられた路面状況情報が、サーバ制御部131に伝送される。サーバ制御部131のマップ情報処理部131Aは、位置情報に対応する位置に金属構造物が有ることを示す路面状況情報を対応付けるようにして、マップ情報MPを更新する。例えば、所定の地図データにおける位置情報PAに対応する位置に、金属構造物が有ることを示す路面状況情報MAを対応付けるようにして、マップ情報MPを更新する。既に、位置情報PAに対応する位置に金属構造物が有ることを示す路面状況情報MAが対応付けられている場合には、マップ情報MPが更新されないようにしてもよい。そして、処理がステップST13に進む。
【0076】
ステップST13では、サーバ制御部131がサーバ通信部134を制御することで、更新後のマップ情報MPを所定の電動自転車に送信する。例えば、位置情報PA及び位置情報PAに登録された路面状況情報MAの送信元である電動自転車に対して、マップ情報MPを送信する。更新後のマップ情報MPは、予め登録された電動自転車、例えば、マップ情報MPの提供サービスを受ける資格のある電動自転車に対して送信されるようにしてもよい。サーバ100から送信されたマップ情報MPは、マップ情報MPを受信した電動自転車の記憶部41Bに記憶される。
【0077】
なお、本例では、マップ情報MPが更新されたことをトリガーとして電動自転車にマップ情報MPが送信されるようにしたが、これに限定されない。例えば、サーバ100から所定の電動自転車に対して、更新の有無に関わらずマップ情報MPが周期的に送信されるようにしてもよい。マップ情報MPが周期的に送信されるようにしつつ、マップ情報MPが更新された場合には、割り込み処理によって更新後のマップ情報MPが送信されるようにしてもよい。
【0078】
(マップ情報を使用した制御)
図13は、マップ情報MPを使用した制御の一例を説明するためのフローチャートである。以下に説明する処理は、電動自転車1A、1B、1C及び1Dによって行われ得る。
【0079】
ステップST21では、制御装置41が、位置センサ85から現在の位置情報を取得する。そして、処理がステップST22に進む。
【0080】
ステップST22では、制御装置41が、取得した現在の位置情報(電動自転車の位置情報)を基準に、電動自転車の現在の位置あるいは進行方向に金属構造物が有るか否かをマップ情報MPを参照して判断する。例えば、制御装置41は、現在の位置情報若しくは当該位置情報に対して進行方向に沿った前方の位置の位置情報に、路面状況情報が対応付けられているか否かを判断することで、金属構造物の有無を判断する。路面状況情報がない、すなわち、金属構造物が無いと判断した場合(Noの場合)は、処理がステップST21に戻る。そして、次の周期でその時点での位置情報を取得する。その位置情報を基準に、マップ情報MPを参照して、電動自転車の現在の位置あるいは進行方向に路面状況情報がある、すなわち、金属構造物が有ると判断した場合(Yesの場合)は、処理がステップST23に進む。
【0081】
ステップST23では、電動自転車の進行方向に金属構造物が有ることから、補助駆動力を小さくする制御(上述したステップST4と同様の制御)が行われる。そして、処理がステップST21に戻る。
【0082】
[本実施形態により得られる効果]
本実施形態に係る路面状況検知システムによれば、マップ情報を用いることで、スリップする危険のある場所の位置を、サーバを介して自車以外の電動自転車と共有することができる。これにより、同じ場所を通過する他の電動自転車に対してもスリップの危険があることを予め提示することができる。
また、例えば、電動自転車1Dのように、ミリ波センサ22及び路面状況検知部41Aを有しない電動自転車であっても、通信部86を有していれば、マップ情報MPを取得することができる。そして、マップ情報MPと自身の位置情報とを参照することで、走行中の路面に金属構造物が有るか否かを判断することができる。金属構造物が有る場合には、補助駆動力を小さくする等の適切な制御を行うことができる。
【0083】
[第2の実施形態の変形例]
電動自転車1A等のように、ミリ波センサ22及び路面状況検知部41Aを有する場合には、
図14に示すように、ステップST1及びST2に係る処理と、ステップST21に係る処理がパラレルに行われてもよい。すなわち、マップ情報MPを参照しながら金属構造物の有無を判断しつつ、ミリ波センサ22のセンシングデータに基づいて金属構造物の有無を判断する処理が行われてもよい。金属構造物が新設される等によってマップ情報MPに路面状況情報が反映されていない場合であっても、ミリ波センサ22のセンシングデータに基づいて当該金属構造物の存在を判断することができる。
【0084】
通信部86は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行う通信部であってもよい。例えば、
図15に示すように、電動自転車1A等や1Dの通信部86と、電動自転車1A等の運転手のスマートフォン(スマートフォン200)が有する通信部(通信部201)との間で、近距離無線通信が行われるようにしてもよい。電動自転車1A等の通信部86からスマートフォン200の通信部201に対して、位置情報及び路面状況情報が送信される。そして、スマートフォン200の通信部201からサーバ100に対して、4Gや5G等の通信規格に基づく通信によって位置情報及び路面状況情報が送信される。サーバ100から送信されたマップ情報MPについても同様に、スマートフォン200の通信部201を介して電動自転車1A等や1Dに送信される。このように、電動自転車とサーバとの間で、スマートフォン等の携帯端末を介した通信が行われるようにしてもよい。
【0085】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態では、
図16に示すように、路面状況情報に、金属構造物が有ることを示す情報の他に、制御情報、具体的には、補助駆動力に関する設定情報が含まれている。補助駆動力に関する設定情報は、例えば、補助駆動力をどれほど制限するかを示す情報や、補助駆動力そのものの数値情報である。
【0086】
図17は、第3の実施形態で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図17に示す処理は、例えば、電動自転車1A、1B、1C及び1Dによって行われ得る。
【0087】
ステップST31では、制御装置41が、位置センサ85から位置情報を取得する。位置情報の取得は、例えば、周期的に行われる。そして、処理がステップST32に進む。
【0088】
ステップST32では、制御装置41が、記憶部41Bに記憶されているマップ情報MPを参照して、ステップST31で取得した位置情報に路面状況情報が対応付けられているか否かを判断する。路面状況情報が対応付けられていない場合(Noの場合)は、処理がステップST31に戻り、ステップST31の処理が繰り返される。路面状況情報が対応付けられている場合(Yesの場合)は、処理がステップST32に進む。
【0089】
ステップST33では、制御装置41が、路面状況情報の内容を解釈する。具体的には、制御装置41は、路面状況情報に含まれる、補助駆動力に関する設定情報を読み出す。そして、制御装置41は、読み出した補助駆動力を設定するように電動モータ70に流す電流等を制御する。
【0090】
本実施形態によれば、金属構造物の有無だけでなく、補助駆動力に関する設定情報を路面状況情報に含ませることで、電動自転車側で、補助駆動力の制限等に関する演算を行う必要がないので処理を簡素化できる。
【0091】
なお、路面状況情報に含まれる補助駆動力に関する設定情報がそのまま適用されずに、補正されてもよい。補正は、例えば、電動自転車の形状(例えば、タイヤの太さや重量)、路面の状況(ウェット若しくはドライ)等に応じて行われる。
【0092】
例えば、
図18に示すように、ステップST33に係る処理では、補助駆動力が適宜、補正されて電動自転車に設定される。ステップST33に続く、ステップST34では、ステップST33で設定された補助駆動力が補正されたものであるか否かが判断される。設定された補助駆動力が補正されたものでない場合(Noの場合)は、処理がステップST31に戻る。設定された補助駆動力が補正されたものである場合(Yesの場合)は、処理がステップST35に進む。
【0093】
ステップST35では、制御装置41が、補正後の補助駆動力の設定情報を含む路面状況情報を生成する。そして、制御装置41は、生成した路面状況情報を位置情報と共にサーバ100に送信する。サーバ100のマップ情報処理部131Aは、補正後の補助駆動力の設定情報をマップ情報MPに反映させる処理を行う。
【0094】
[第3の実施形態の変形例]
補助駆動力の設定情報等の制御情報は、車車間通信(Vehicle to Vehicle)によって、自車の後続を走行する後続車両に送信されるようにしてもよい。例えば、
図19に示すフローチャートにおいて、上述したステップST31、ST32及びST33に係る処理が電動自転車1Aによって行われたとする。ステップST33に続いて、ステップST37に係る処理が行われる。ステップST37では、電動自転車1Aが、後続車両(例えば、電動自転車1B)と通信部86を用いた車車間通信を行い、電動自転車1Bに対して路面状況情報を通知する。そして、処理がステップST38に進む。
【0095】
ステップST38では、電動自転車1Aから路面状況情報を受け取った電動自転車1Bが、路面状況情報に含まれる制御情報(例えば、補助駆動力の設定情報)に基づいて、補助駆動力を制限する。
【0096】
以上の処理によって、スリップする危険のある場所を通過する後続車両に対して、既にその場所を通過した先行車両で実行された補助駆動力の制御内容を通知することができる。後続車両が当該制御内容と同様の制御(例えば、補助駆動力の制限)を実行することにより、先行車両に倣って、スリップする危険のある場所を安全に通過することが可能となる。
【0097】
なお、
図19に示す処理において、後続車両がスリップする危険のある場所を通過する際に、車車間通信によって通知された先行車両の制御内容を基準とした上で、後続車両が通過する時点の路面状況に応じて、先行車両の制御内容を補正してもよい。そして、後続車両が補正後の制御内容を実行するようにしてもよい。これにより、後続車両でより適切な制御が行われるようにすることができる。補正後の制御内容を路面状況情報に含ませた上で位置情報と共にサーバ100に送信されてもよい。そして、位置情報及び補正後の制御内容を含む路面状況情報がマップ情報MPに反映されてもよい。このマップ情報が、後続車両のさらに後方を走行中の電動自転車に共有されるようにしてもよい。
【0098】
<変形例>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0099】
上述した実施形態では、金属構造物が検知された場合や、位置情報に対応付けられた路面状況情報がある場合の制御として、補助駆動力の制限を例にしたが、制御内容はこれに限定されることはない。例えば、ブレーキが電動ブレーキ等の制動力の制御が可能なものの場合は、補助駆動力の制限と共に(若しくは補助駆動力の制限と独立して)、電動ブレーキの制動力をやや弱める制御が行われるようにしてもよい。急ブレーキが行われると電動自転車のスリップを誘発しやすいが、電動ブレーキの制動力をやや弱める制御が行われることでスリップする危険を低減できる。
【0100】
上述した実施形態において、ミリ波センサは他のセンサであってもよいし、センシングデータは電波の反射強度以外であってもよい。例えば、ミリ波センサはカメラでもよい。但し、カメラの場合は汚れに弱く、データ量が大きく処理負荷が大きくなることから、好ましくは、ミリ波センサが適用される。
【0101】
上述した実施形態では、金属構造物の一例としてマンホールの蓋を例にして説明したが、グレーチング、踏切の線路、道路工事の際に設置される鉄板等に対しても本発明を適用できる。
【0102】
金属構造物の有無だけでなく、反射強度の波形に特徴があれば、他の構造物の有無や、金属構造物の詳細(ウェットな状態かドライな状態か等)の検知も可能である。
【0103】
上述した実施形態では、路面状況検知部が制御装置に組み込まれていたが、独立の路面状況検知装置(単体のIC(Integrated Circuit))として構成することも可能である。
【0104】
上述した実施形態において、電動自転車の停止中は、ミリ波センサの動作を停止し消費電力を小さくするようにしてもよい。また、ミリ波センサを動作させ、上述した実施形態で説明した処理を行うモードを、路面状況検知モードとしてオン/オフできるようにしてもよい。
【0105】
上述した実施形態において、制御装置は、機械学習を行うことで得られる学習モデルを利用して検知対象物(例えば金属構造物)の有無や状態を判断するようにしてもよい。例えば、電波の反射強度や反射強度の波形と金属構造物の有無や金属構造物の状態との関係を機械学習することで、上記の学習モデルが得られる。
【0106】
上述した実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値等は、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることや入れ替えることが可能である。また、1つのものを2つ以上に分けることも可能であり、2つ以上のものを1つに纏めることも可能である。さらに、一部を省略することも可能である。
【符号の説明】
【0107】
1、1A、1B、1C、1D・・・電動自転車
22・・・ミリ波センサ
41・・・制御装置
41A・・・路面状況検知部
85・・・位置センサ
86・・・通信部
100・・・サーバ
131A・・・マップ情報処理部
134・・・サーバ通信部
200・・・スマートフォン
1000・・・路面状況検知システム
MA、MB、MC、MD・・・路面状況情報
MP・・・マップ情報
PA、PB、PC、PD・・・位置情報
【手続補正書】
【提出日】2022-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられ、路面へ向けてミリ波を照射して反射波を受信するミリ波センサによってセンシングデータを取得し、前記センシングデータに含まれる反射波の反射強度が所定の閾値を超える場合に、前記車両が走行中の路面に、前記車両がその上を走行する金属構造物が有ると判断し、
前記金属構造物が有ると判断した場合に、前記車両の駆動力及び/又は制動力を制御する、
路面状況検知装置。
【請求項2】
電動二輪車に取り付けられる、
請求項1に記載の路面状況検知装置。
【請求項3】
前記反射強度の時間的な変化に基づいて、前記金属構造物が有るか否かを判断する、
請求項1に記載の路面状況検知装置。
【請求項4】
前記反射強度に応じて、前記金属構造物の有無に関する評価値を出力する、
請求項1に記載の路面状況検知装置。
【請求項5】
車両に取り付けられ、路面へ向けてミリ波を照射して反射波を受信するミリ波センサによってセンシングデータを取得し、前記センシングデータに含まれる反射波の反射強度が所定の閾値を超える場合に、前記車両が走行中の路面に、前記車両がその上を走行する金属構造物が有ると判断し、
前記金属構造物が有ると判断した場合に、前記車両の駆動力及び/又は制動力を制御する、
路面状況検知方法。
【請求項6】
請求項1に記載の路面状況検知装置を有する、
電動二輪車。
【請求項7】
サーバと、複数の車両とを有し、
前記車両は、
位置情報を取得する位置情報取得部と、
路面へ向けてミリ波を照射して反射波を受信するミリ波センサによってセンシングデータを取得し、前記センシングデータに含まれる反射波の反射強度が所定の閾値を超える場合に、前記車両が走行中の路面に、前記車両がその上を走行する金属構造物が有ると判断し、前記金属構造物が有ると判断した場合に、前記車両の駆動力及び/又は制動力を制御する制御装置と、
前記金属構造物の有無に関する路面状況情報を、前記位置情報と共に送信する第1通信部と、
を有し、
前記サーバは、
前記位置情報及び前記路面状況情報を受信する第2通信部と、
受信した前記位置情報に対応する前記路面状況情報をマッピング化したマップ情報を生成するマップ情報処理部と、
を有する、
路面状況検知システム。
【請求項8】
前記マップ情報が、前記第2通信部を介して前記車両に送信される、
請求項7に記載の路面状況検知システム。
【請求項9】
前記制御装置は、
前記マップ情報を参照して、前記位置情報取得部により取得された前記位置情報に対応する前記路面状況情報を読み出し、当該路面状況情報が、前記金属構造物が有ることを示す場合に前記車両の駆動力及び/又は制動力を制御する、
請求項8に記載の路面状況検知システム。
【請求項10】
前記車両は電動自転車である、
請求項7から9の何れかに記載の路面状況検知システム。
【請求項11】
前記路面状況情報には、前記金属構造物の有無に関する情報の他に、前記電動自転車の補助駆動力に関する設定情報が含まれる、
請求項10に記載の路面状況検知システム。
【請求項12】
前記第1通信部により送信された前記位置情報及び前記路面状況情報が、携帯端末を介して、前記サーバに送信される、
請求項7から9の何れかに記載の路面状況検知システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、
車両に取り付けられ、路面へ向けてミリ波を照射して反射波を受信するミリ波センサによってセンシングデータを取得し、センシングデータに含まれる反射波の反射強度が所定の閾値を超える場合に、車両が走行中の路面に、車両がその上を走行する金属構造物が有ると判断し、
金属構造物が有ると判断した場合に、車両の駆動力及び/又は制動力を制御する、
路面状況検知装置である。
本発明は、上記の路面状況検知装置を有する電動二輪車でもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、本発明は、
車両に取り付けられ、路面へ向けてミリ波を照射して反射波を受信するミリ波センサによってセンシングデータを取得し、センシングデータに含まれる反射波の反射強度が所定の閾値を超える場合に、車両が走行中の路面に、車両がその上を走行する金属構造物が有ると判断し、
金属構造物が有ると判断した場合に、車両の駆動力及び/又は制動力を制御する、
路面状況検知方法である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本発明は、
サーバと、複数の車両とを有し、
車両は、
位置情報を取得する位置情報取得部と、
路面へ向けてミリ波を照射して反射波を受信するミリ波センサによってセンシングデータを取得し、センシングデータに含まれる反射波の反射強度が所定の閾値を超える場合に、車両が走行中の路面に、車両がその上を走行する金属構造物が有ると判断し、金属構造物が有ると判断した場合に、車両の駆動力及び/又は制動力を制御する制御装置と、
金属構造物の有無に関する路面状況情報を、位置情報と共に送信する第1通信部と、
を有し、
サーバは、
位置情報及び路面状況情報を受信する第2通信部と、
受信した位置情報に対応する路面状況情報をマッピング化したマップ情報を生成するマップ情報処理部と、
を有する、
路面状況検知システムである。