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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035885
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】通水コネクタ
(51)【国際特許分類】
   F16L 21/08 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
F16L21/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140494
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高村 象平
【テーマコード(参考)】
3H015
【Fターム(参考)】
3H015EA05
(57)【要約】
【課題】片手で簡単に接続できる通水コネクタを提供する。
【解決手段】スタッドピン20と、送水コネクタ30と、受水コネクタ60と、を備える通水コネクタ100であって、送水コネクタ30は、表面39から突出した円錐台状の送水部50を備え、受水コネクタ60は、送水コネクタ30の表面に当接する当接面66から窪んだ円錐状の凹部71である受水部70と、スタッドピン20に嵌合する嵌合穴67と、を備え、受水コネクタ60の嵌合穴67がスタッドピン20に嵌合する際に受水部70の円錐状の内周面が送水部30の円錐状の外周面に嵌まり込み、送水部30の送水口54と受水部70の底面の受水口73とが連通する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物に固定されるスタッドピンと、
前記スタッドピンに固定される送水コネクタと、
前記スタッドピンと前記送水コネクタに嵌め合わされる受水コネクタと、を備える通水コネクタであって、
前記送水コネクタは、表面から突出した円錐台状の送水部を備え、
前記スタッドピンは、前記送水コネクタを貫通して前記送水コネクタの前記表面から突出し、
前記受水コネクタは、前記送水コネクタの前記表面に当接する当接面から窪んだ円錐状の凹部である受水部と、前記スタッドピンに嵌合する嵌合穴と、を備え、
前記受水コネクタの前記嵌合穴が前記スタッドピンに嵌合する際に前記受水部の円錐状の内周面が前記送水部の円錐状の外周面に嵌まり込み、前記送水部の先端の送水口と前記受水部の底面の受水口とが連通すること、
を特徴とする通水コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の通水コネクタであって、
前記送水コネクタは、前記送水口と連通し、送水ホースが接続される送水ホース接続部が前記スタッドピンの延びる方向と直交する外面に設けられ、
前記受水コネクタは、前記受水口と連通し、受水ホースが接続される受水ホース接続部が前記スタッドピンの延びる方向と直交する外面に設けられること、
を特徴とする通水コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の通水コネクタであって、
前記送水コネクタと前記受水コネクタのいずれか一方には爪が設けられ、他方には前記爪が係合する溝が設けられ、
前記受水コネクタは、前記受水コネクタの前記嵌合穴が前記スタッドピンに嵌合する際に前記受水コネクタに設けられた爪又は溝が前記送水コネクタに設けられた溝又は爪に係合して前記送水コネクタに嵌め合わされること、
を特徴とする通水コネクタ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の通水コネクタであって、
前記送水部は、円錐台と前記円錐台の先端から突出した円柱とで構成され、
前記受水部は、円錐状の前記凹部と、前記凹部の底面に設けられた丸穴とで構成され、
前記円柱の外円筒面と前記丸穴の内円筒面との間にOリングが取付けられており、
前記受水コネクタの前記嵌合穴が前記スタッドピンに嵌合する際に前記受水部の円錐状の前記内周面と前記丸穴の前記内円筒面とが前記送水部の円錐状の前記外周面と前記円柱の前記外円筒面とに嵌まり込み、前記送水部の先端の前記送水口と前記受水部の底面の前記受水口とが連通すること、
を特徴とする通水コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の外装品を洗浄するウオッシャノズルに洗浄用の水を供給する給水ラインに用いられる通水コネクタの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両のヘッドランプのウオッシャに水を供給するホースに用いられるコネクタが開示されている。このコネクタは、装着筒とロック部材との間にホースを差込み、ロック部材又はホースを引き上げることにより、ホースをコネクタに固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5896370号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、バンパにカメラを取付ける車両が用いられている。このような車両では、バンパにカメラの洗浄を行うウオッシャノズルが配置されている。ウオッシャノズルから噴出させる水は、ボデー側から供給するので、ボデー側の給水ノズルとウオッシャノズルとをホース等で接続することが必要となる。この接続は、バンパをボデーに取付ける工程の中で行われる。特許文献1に記載された従来技術のコネクタでホースの接続を行う場合には両手でホースをコネクタに接続する必要がある。このため、例えば、バンパを仮置きした状態でホースの接続を行い、その後、パンパを組み付ける必要があり、組み立てに時間が掛かる場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、片手で簡単に接続できる通水コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の通水コネクタは、構造物に固定されるスタッドピンと、前記スタッドピンに固定される送水コネクタと、前記スタッドピンと前記送水コネクタに嵌め合わされる受水コネクタと、を備える通水コネクタであって、前記送水コネクタは、表面から突出した円錐台状の送水部を備え、前記スタッドピンは、前記送水コネクタを貫通して前記送水コネクタの前記表面から突出し、前記受水コネクタは、前記送水コネクタの前記表面に当接する当接面から窪んだ円錐状の凹部である受水部と、前記スタッドピンに嵌合する嵌合穴と、を備え、前記受水コネクタの前記嵌合穴が前記スタッドピンに嵌合する際に前記受水部の円錐状の内周面が前記送水部の円錐状の外周面に嵌まり込み、前記送水部の先端の送水口と前記受水部の底面の受水口とが連通すること、を特徴とする。
【0007】
このように、送水コネクタがスタッドピンを介して構造物に固定され、スタッドピンと送水部とが送水コネクタの表面から突出しているので、受水コネクタの嵌合穴をスタッドピンに嵌合させ、受水コネクタを送水コネクタに押し込むことにより受水コネクタの受水口と送水コネクタの送水口とを連通させることができる。これにより、片手で簡単に受水コネクタを送水コネクタに接続することができる。
【0008】
本発明の通水コネクタにおいて、前記送水コネクタは、前記送水口と連通し、送水ホースが接続される送水ホース接続部が前記スタッドピンの延びる方向と直交する外面に設けられ、前記受水コネクタは、前記受水口と連通し、受水ホースが接続される受水ホース接続部が前記スタッドピンの延びる方向と直交する外面に設けられてもよい。
【0009】
このように、送水ホース接続部と、受水ホース接続部とが前記スタッドピンの延びる方向と直交する各外面にそれぞれ設けられるので、受水コネクタの送水コネクタへの押し込み方向のスペースが少ない場所でも通水コネクタを配置できる。
【0010】
本発明の通水コネクタにおいて、前記送水コネクタと前記受水コネクタのいずれか一方には爪が設けられ、他方には前記爪が係合する溝が設けられ、前記受水コネクタは、前記受水コネクタの前記嵌合穴が前記スタッドピンに嵌合する際に前記受水コネクタに設けられた爪又は溝が前記送水コネクタに設けられた溝又は爪に係合して前記送水コネクタに嵌め合わされてもよい。
【0011】
受水コネクタの送水コネクタへの嵌合が終了すると爪が溝に係合するので、受水コネクタと送水コネクタとの嵌合状態を容易に確認でき、組付け作業を容易にすることができる。また、爪嵌合構造により受水コネクタを送水コネクタに押圧する荷重が大きくなる。これにより、受水コネクタと送水コネクタとの接続状態がより確実に保持される。
【0012】
本発明の通水コネクタにおいて、前記送水部は、円錐台と前記円錐台の先端から突出した円柱とで構成され、前記受水部は、円錐状の前記凹部と、前記凹部の底面に設けられた丸穴とで構成され、前記円柱の外円筒面と前記丸穴の内円筒面との間にOリングが取付けられており、前記受水コネクタの前記嵌合穴が前記スタッドピンに嵌合する際に前記受水部の円錐状の前記内周面と前記丸穴の前記内円筒面とが前記送水部の円錐状の前記外周面と前記円柱の前記外円筒面とに嵌まり込み、前記送水部の先端の前記送水口と前記受水部の底面の前記受水口とが連通するようにしてもよい。
【0013】
この構成により、送水部と受水部との間の水漏れをより効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、片手で簡単に接続できる通水コネクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態の通水コネクタが取付けられた車両の後部の分解斜視図である。
図2】実施形態の通水コネクタの斜視図であり、図1に示すA部の詳細図である。
図3】実施形態の通水コネクタの分解斜視図である。
図4】実施形態の通水コネクタの断面図であって、図2に示すB-B断面である。
図5】他の実施形態の通水コネクタの送水部と受水部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら実施形態の通水コネクタ100について説明する。各図に示す矢印FR、矢印UP、矢印RHは、通水コネクタ100の前側、上側、右側をそれぞれ示している。また、各矢印FR、UP、RHの反対方向は、後側、下側、左側を示す。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、通水コネクタ100の前後方向の前後、左右方向の左右、上下方向の上下を示すものとする。また、通水コネクタ100は、前側が車両前方(進行方向)、上側が車両上方、右側が車両右方となるように車両200に取付けられる。従って、通水コネクタ100が車両200に取付けられた場合には、通水コネクタ100の前側、上側、右側は、車両前方、車両上方、車両右方となる。
【0017】
図1に示すように、通水コネクタ100は、ボデー10のロアバック11に設けられたホースグロメット12に接続された送水ホース13と、リアバンパ14に設けられた後方カメラ15のウオッシャノズル16に接続された受水ホース17と、を接続し、ボデー10から後方カメラ15のウオッシャノズル16に洗浄用の水を給水する給水ラインに用いられる。尚、図1は、通水コネクタ100が取付けられた車両200の後部の分解斜視図であり、リアバンパ14は、矢印91の様にロアバック11に組付けられる。
【0018】
図2に示すように、通水コネクタ100は、スタッドピン20と、送水ホース13が接続される送水コネクタ30と、受水ホース17が接続される受水コネクタ60とで構成される。
【0019】
次に図3図4を参照しながら通水コネクタ100の詳細構造について説明する。図3に示すように、スタッドピン20は金属製で、頭部21と、根元部22と、先端部23とを備えている。頭部21は、円板形状で、構造物であるボデー10のロアバック11の後端面に溶接などで固定されている。根元部22と先端部23とは、頭部21の後面に立設された丸棒部材である。頭部21の側の根元部22には送水コネクタ30が嵌まり込み、先端部23には受水コネクタ60が嵌まり込む。
【0020】
送水コネクタ30は樹脂の一体成形品で、基体部31と、基体部31の上部で前方に向かって突出する上脚部32と、基体部31の下部で前方に向かって突出する下脚部33とを備えている。基体部31の上面と下面には左右方向に延びる溝34、35がそれぞれ設けられている。基体部31の下部には送水ホース接続部40が下方向に向かって突出している。送水ホース接続部40の外側には送水ホース13が差し込まれている。基体部31の後側の上半の左右の端部には、受水コネクタ60の側面をガイドする四角断面のガイドバー37が後方に向かって突出している。左右のガイドバー37の間の表面39にはスタッドピン20の根元部22に嵌合する貫通穴38が設けられている。基体部31の表面39の貫通穴38の下側には、表面39から後方に向かって突出する円錐台状の送水部50が設けられている。
【0021】
送水部50は、表面39から突出した円錐台51と、円錐台51の先端から後方に向かって突出した円柱52とで構成されている。円柱52の外円筒面にはOリング53が取付けられている。送水部50の円柱52の先端には送水ホース接続部40と連通する送水口54が設けられている。
【0022】
受水コネクタ60は樹脂の一体成形品で、本体61と、本体61の上部に設けられた上係合アーム62と、本体61の下部に設けられて前端が二股に分かれた下係合アーム64と、を備えている。二股に分かれた下係合アーム64の前端は、送水コネクタ30に接続された送水ホース13の左右に差し込まれる。本体61の右端面には受水ホース接続部68が右方向に向かって突出している。受水ホース接続部68の外側には受水ホース17が差し込まれている。
【0023】
上係合アーム62の前端には、送水コネクタ30の上面に設けられた溝34に係合する爪63が設けられている。また、下係合アーム64の各前端には、送水コネクタ30の下面に設けられた溝35に係合する爪65がそれぞれ設けられている。図4に示すように、上係合アーム62は弾性ヒンジ62bで本体61と接続されており、後端部62aを下に押圧すると先端の爪63が上に移動する。同様に、下係合アーム64は弾性ヒンジ64bで本体61と接続されており、後端部64aを上に押圧すると各前端の爪65が下に移動する。つまり、上係合アーム62と下係合アーム64の各後端部62a、64aを上下に挟み込むと前端の爪63、65が上下に開き、各後端部62a、64aを開放すると前端の爪63、65が上下に閉じる。
【0024】
送水コネクタ30に嵌め合わされた際に送水コネクタ30の表面39と当接する当接面66の上半の中央には、スタッドピン20の先端部23が嵌合する嵌合穴67が設けられている。嵌合穴67の下側には、当接面66から後方に向かって窪んだ受水部70が設けられている。受水部70は、当接面66から後方に向かって窪んだ円錐状の凹部71と、凹部71の底面に設けられた有底の丸穴72とで構成されている。受水部70の丸穴72の底面には受水ホース接続部68と連通する受水口73が設けられている。
【0025】
次に以上のように構成された通水コネクタ100の組立手順について説明する。図3に示すように、最初に、ロアバック11の後端面の所定の位置にスタッドピン20を溶接等で固定する。
【0026】
次に、図3の矢印92に示すように、送水コネクタ30の貫通穴38にスタッドピン20の先端部23を挿入し、スタッドピン20の根元部22が貫通穴38に嵌合するように、送水コネクタ30を図3中の矢印93に示すように車両前方に向かって押し付ける。そして、図4に示すように、基体部31の上脚部32がスタッドピン20の頭部21の後面に当接し、下脚部33がロアバック11の後端面に当接するまで、送水コネクタ30をスタッドピン20の根元部22に押し込む。これにより、送水コネクタ30はスタッドピン20に固定されると共にロアバック11に固定される。送水コネクタ30がスタッドピン20に固定されると、図3中の破線及び図4に示すように、スタッドピン20の先端部23は、貫通穴38を貫通して送水コネクタ30の表面39から後方に向かって突出する。
【0027】
次に、上係合アーム62と下係合アーム64の各後端部62a、64aを上下に挟み込んで前端の爪63、65を上下に開いた状態で、図3中の矢印94に示すように、受水コネクタ60の嵌合穴67にスタッドピン20の先端部23を挿入する。そして、各後端部62a、64aを開放すると爪63、65は送水コネクタ30の上面と下面とに当接した状態となる。
【0028】
そして、図3中の矢印95に示すように、受水コネクタ60を送水コネクタ30に向かって押し付けて嵌合穴67にスタッドピン20の先端部23を嵌合させていくと、受水部70の円錐状の凹部71の内周面が送水部50の円柱52の外円筒面にガイドされて、受水部70の丸穴72と送水部50の円柱52とが同軸状となる。また、受水部70の円錐状の凹部71と送水部50の円錐台51とが同軸状となる。そして、円柱52の外円筒面に配置されたOリング53が丸穴72の内円筒面との間でつぶされて、円柱52の外円筒面と丸穴72の内円筒面とが水密に接続される。この際、爪63、65の先端は、送水コネクタ30の上面と下面とに当接しながら前方に移動していく。
【0029】
そして、受水コネクタ60の当接面66が送水コネクタ30の表面39に当接するまで、受水コネクタ60を送水コネクタ30に向かって押し付けると、受水コネクタ60の嵌合穴67はスタッドピン20の先端部23に嵌合し、受水コネクタ60はスタッドピン20に固定される。受水コネクタ60は、スタッドピン20の先端部23との間の嵌合力によりスタッドピン20に嵌め合わされた状態を保持する。
【0030】
また、受水コネクタ60の当接面66が送水コネクタ30の表面39に当接すると、上係合アーム62と下係合アーム64の各爪63、65が送水コネクタ30の溝34、35に嵌まり込んで係合する。これにより、受水コネクタ60と送水コネクタ30との接続状態が保持される。
【0031】
このように、受水コネクタ60の当接面66が送水コネクタ30の表面39に当接すると、図4に示すように、受水部70の凹部71の円錐状の内周面と丸穴72の内円筒面とが送水部50の円柱52の外円筒面と円錐台51の円錐状の外周面とにそれぞれ嵌まり込む。そして、送水部50の先端の送水口54と受水部70の丸穴72の底面に設けられた受水口73とが連通する。また、爪63、65が送水コネクタ30の溝34、35に係合することにより、受水コネクタ60と送水コネクタ30との接続状態が保持される。
【0032】
送水口54は送水ホース13が差し込まれた送水ホース接続部40と連通しており、受水口73は受水ホース17が差し込まれた受水ホース接続部68と連通している。従って、上記のように、送水コネクタ30に受水コネクタ60を嵌め合わせると、送水ホース13と受水ホース17とが連通する。これにより、送水ホース13から通水コネクタ100を通って受水ホース17にウオッシャノズル16を洗浄する洗浄用の水を給水することができる。
【0033】
以上説明した通水コネクタ100は、送水コネクタ30がスタッドピン20を介してロアバック11に固定され、スタッドピン20と送水部50とが送水コネクタ30の表面39から突出しているので、受水コネクタ60の嵌合穴67をスタッドピン20に嵌合させ、受水コネクタ60を送水コネクタ30に押し込むことにより受水コネクタ60の受水口73と送水コネクタ30の送水口54とを連通させることができる。これにより、片手で簡単に受水コネクタ60を送水コネクタ30に接続することができる。
【0034】
また、通水コネクタ100は、送水ホース接続部40と、受水ホース接続部68とがスタッドピン20の延びる方向と直交する下面、右側面にそれぞれ設けられるので、受水コネクタ60の送水コネクタ30への押し込み方向である車両前後方向のスペースが少ない場所でも通水コネクタ100を配置できる。尚、送水ホース接続部40と受水ホース接続部68とは、スタッドピン20の延びる方向と直交する外面に設けられていれば良く、例えば、送水ホース接続部40を送水コネクタ30の上面に設け、受水ホース接続部68を左側面に設けるようにしてもよい。
【0035】
また、受水コネクタ60の送水コネクタ30への嵌合が終了すると各爪63,65が各溝34、35に係合するので、受水コネクタ60と送水コネクタ30との嵌合状態を容易に確認でき、組付け作業を容易にすることができる。また、爪嵌合構造により受水コネクタ60を送水コネクタ30に押圧する荷重が大きくなる。これにより、受水コネクタ60と送水コネクタ30との接続状態がより確実に保持される。
【0036】
更に、円柱52の外円筒面にOリング53を配置して円柱52の外円筒面と丸穴72の内円筒面とを水密に接続できるので、送水部50と受水部70との間の水漏れをより効果的に抑制することができる。
【0037】
次に図5を参照しながら他の実施形態の通水コネクタ110について説明する。図5は、通水コネクタ110の送水部150と受水部170の断面を示す。尚、通水コネクタ110の図5に示す以外の部分は、先に図1~4を参照して説明した通水コネクタ100と同一構造であるから、図示と説明は省略する。
【0038】
図5に示すように、通水コネクタ110の送水部150は、表面139から突出する円錐台151で構成され図3、4に示す円柱52とOリング53とを有さない。また、受水部170は、当接面166から後方に向かって窪んだ円錐状の凹部171で構成され、図3、4に示す丸穴72を有さない。円錐台151の先端には、送水口154が設けられ、凹部171の底面には、受水口173が設けられている。
【0039】
先に説明した通水コネクタ100と同様、受水コネクタ160の当接面166が送水コネクタ130の表面139に当接すると、受水部170の凹部171の円錐状の内周面が送水部150の円錐台151の円錐状の外周面に嵌まり込む。これにより、送水部150の先端の送水口154と受水部170の底面に設けられた受水口173とが連通する。送水ホース13から流入し、円錐台151の送水口154から噴出した水は、凹部171の円錐状の内周面で受け止められ、受水部170の底面に設けられた受水口173から受水ホース17に向かって流出する。
【0040】
このように、送水部150を円錐台151とし、受水部170を円錐状の凹部71とすることにより、送水部150の送水口154から噴出した水を凹部171の円錐状の内周面で集めて受水口173から流出させるので、送水部150と受水部170との間の水漏れを抑制することができる。
【0041】
通水コネクタ110は、通水コネクタ100よりも送水部150と受水部170との間で若干の水漏れが発生するが、構成が簡単で、且つ、片手で簡単に受水コネクタ160を送水コネクタ130に接続することができる。
【0042】
以上、説明した通水コネクタ100では、受水コネクタ60は、送水コネクタ30の溝34、35に係合する爪63、65がそれぞれ設けられた上係合アーム62、下係合アーム64を備えすることとして説明したがこれに限らない。例えば、受水コネクタ60が上係合アーム62のみを備え、送水コネクタ30が上面の溝34のみを備えるようにしてもよい。更に、受水コネクタ60が上係合アーム62、下係合アーム64を備えず、送水コネクタ30が溝34、35を備えないように構成してもよい。これにより、構成をより簡便にすることができる。
【0043】
また、以上説明した通水コネクタ100では、受水コネクタ60に前端に爪63、65を備える上係合アーム62、下係合アーム64を設け、送水コネクタ30の上面と下面とに溝34、35を設けることとして説明したが、これに限らない。例えば、送水コネクタ30に後端に爪を有する係合アームを設け、受水コネクタ60に爪が係合する溝を設けるようにしてもよい。
【0044】
以上の説明では、通水コネクタ100、110は、ボデー10のロアバック11からリアバンパ14に取り付けられた後方カメラ15のウオッシャノズル16に洗浄用の水を給水する給水ラインに用いられるとして説明したが、これに限らない。例えば、ボデー10の前部構造からボデー前方のフォグランプのウオッシャノズルに洗浄用の水を供給する給水ラインに用いてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 ボデー、11 ロアバック、12 ホースグロメット、13 送水ホース、14 リアバンパ、15 後方カメラ、16 ウオッシャノズル、17 受水ホース、20 スタッドピン、21 頭部、22 根元部、23 先端部、30、130 送水コネクタ、31 基体部、32 上脚部、33 下脚部、34、35 溝、37 ガイドバー、38 貫通穴、39、139 表面、40 送水ホース接続部、50、150 送水部、51、151 円錐台、52 円柱、53 Oリング、54、154 送水口、60、160 受水コネクタ、61 本体、62 上係合アーム、62a、64a 後端部、62b、64b 弾性ヒンジ、63、65 爪、64 下係合アーム、66、166 当接面、67 嵌合穴、68 受水ホース接続部、70、170 受水部、71、171 凹部、72 丸穴、73、173 受水口、100、110 通水コネクタ。
図1
図2
図3
図4
図5