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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035888
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】映像配信システム
(51)【国際特許分類】
   H04H 20/59 20080101AFI20240308BHJP
   H04N 21/238 20110101ALI20240308BHJP
   H04N 21/462 20110101ALI20240308BHJP
   H04N 21/647 20110101ALI20240308BHJP
   H04H 20/78 20080101ALI20240308BHJP
【FI】
H04H20/59
H04N21/238
H04N21/462
H04N21/647
H04H20/78
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140499
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安木 成次郎
(72)【発明者】
【氏名】本沢 邦朗
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA05
5C164FA23
5C164GA03
5C164SB21P
5C164TA14S
5C164TB41P
5C164UB21S
5C164UC27P
(57)【要約】
【課題】災害時などに送信される緊急情報を映像音声コンテンツと同一の伝送方法で配信すると、システムの遅延により、表示に遅延が生じ、視聴者への危険性が生じる。
【解決手段】本発明は、映像音声コンテンツを配信する配信システムと、ネット配信による映像コンテンツを受信する受信端末とからなる映像音声配信システムにおいて、災害時などに送信される緊急情報は映像音声コンテンツより低遅延で表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信により映像音声コンテンツを伝送路に配信する配信システムと、
配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、
前記配信システムは災害等の緊急時に緊急情報を前記映像音声コンテンツとは分離した伝送路で伝送し、
前記テレビ受信機は、前記緊急情報を映像音声コンテンツが送信される伝送路とは別の伝送路で受信することを特徴とした映像配信システム。
【請求項2】
請求項1において、前記テレビ受信機は受信した前記緊急情報を前記映像音声コンテンツに多重することを特徴とする映像配信システム。
【請求項3】
通信により映像音声コンテンツと災害等の緊急時に緊急情報を配信する配信システムと、
配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、
前記配信システムは前記映像音声コンテンツと前記緊急情報を異なるQoSとし、前記緊急情報は前記映像音声コンテンツより遅延が少なくなるサービスのパケットとすることを特徴とする映像配信システム。
【請求項4】
請求項3において、前記テレビ受信機は受信した前記緊急情報を前記映像音声コンテンツに多重することを特徴とする映像配信システム。
【請求項5】
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、
配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、
前記配信システムと前記テレビ受信機との間に配置される中間サーバで構成され、
前記配信システムは災害等の緊急時に緊急情報を前記中間サーバに送信し、
前記配信システムは災害等の緊急時に前記中間サーバへ指示を出し、
前記中間サーバは前記緊急情報の指示を受信すると、前記テレビ受信機へ緊急情報メッセージを送信することを特徴とした映像配信システム。
【請求項6】
請求項5において、前記テレビ受信機は受信した前記緊急情報メッセージを前記映像音声コンテンツに多重することを特徴とする映像配信システム。
【請求項7】
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、
配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、
前記配信システムと前記テレビ受信機との間に配置される中間サーバで構成され、
前記テレビ受信機は自身を示すIDと地域を示す地域条件を前記中間サーバに登録し、
前記配信システムは災害等の緊急時に緊急情報と災害が発生している地域情報を前記中間サーバに送信し、
前記中間サーバは災害等の緊急時に前記配信システムから送られてくる災害が発生している地域情報と登録されている地域の条件を比較して、災害等が発生している所望の地域の前記テレビ受信機へ緊急情報メッセージを送信することを特徴とした映像配信システム。
【請求項8】
請求項7において、前記テレビ受信機は受信した前記緊急情報メッセージを前記映像音声コンテンツに多重することを特徴とする映像配信システム。
【請求項9】
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、
配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機で構成され、
前記配信システムは緊急情報をテレビ受信機に登録し、
災害等の緊急時に、前記配信システムは緊急情報を特定するIDを前記テレビ受信機に送信することを特徴とした映像配信システム。
【請求項10】
請求項9において、前記テレビ受信機は緊急情報を特定するIDを受信するとIDにより特定された緊急情報を前記映像音声コンテンツに多重し表示することを特徴とする映像配信システム。
【請求項11】
請求項9において、前記配信システムと前記テレビ受信機との間に配置される中間サーバを有し、
前記配信システムは前記中間サーバを経由して前記緊急情報と前記緊急情報を特定するIDを前記テレビ受信機に送信することを特徴とする映像配信システム。
【請求項12】
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、
配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、
前記配信システムと前記テレビ受信機との間に配置される中間サーバで構成され、
前記中間サーバと前記テレビ受信機と間の接続を、映像音声コンテンツを視聴している間接続し、映像音声コンテンツ視聴が終了した際に、中間サーバとテレビ受信機と間の接続を切断することを特徴とした映像配信システム。
【請求項13】
請求項12において、前記配信システムは緊急情報メッセージを前記中間サーバに送信し、
前記中間サーバは前記テレビ受信機が前記配信システムからの映像音声コンテンツを再生している場合、緊急情報メッセージを前記テレビ受信機に送信することを特徴する映像配信システム。
【請求項14】
通信により配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、
映像音声コンテンツを前記テレビ受信機に配信する配信システムと、
前記配信システムと前記テレビ受信機との間に配置される制御サーバと、
前記制御サーバと前記テレビ受信機との間に配置される中間サーバと、
前記制御サーバは、前記配信システムから送信されるエリア情報を含む緊急情報を受信し、エリア情報を基に前記中間サーバを特定し、さらに、特定した前記中間サーバに緊急情報を送信し、
前記中間サーバはカバーするエリアに設置されているテレビ受信機へ緊急情報を送信することを特徴とした映像配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を配信するサーバシステム(配信システム)と、ネット配信による映像コンテンツを受信する受信端末(テレビ受信機)と、サーバシステムと受信端末の間に位置するサーバ(以下中間サーバと称する)により構成され、災害時などに送信される緊急情報を低遅延で表示する方法を提供する。以下、映像コンテンツとは、映像及び音声によって構成される映像音声コンテンツを示す。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークの進化により、動画配信サービスが多数実施されるようになった。特に、大型、大画面のテレビ受信機は、これまでの様に放送を受信するだけでなく、ネットワークに接続され、配信されてくる動画を再生することで、より高画質で臨場感のある映像を楽しむことが出来るようになった。これは、ネットワークの高速化、テレビ受信機の処理性能の向上よって可能となっており、今後は、更にネットワークにより提供される様々な映像コンテンツをテレビ受信機で表示、操作する機会が増加すると考えられる。
【0003】
一方で、ネット配信では、サーバ側のバッファ、受信側のバッファ、更には、ネットワークによる遅延が生じるため、放送波に比較して、映像音声の受信タイミングが遅れるという課題がある。通常のVOD再生ではユーザにとってこの遅延は問題とはならないが、例えば地震や津波、更には、暴風雨などの緊急情報の提示は、遅延してしまうと災害の察知が遅れ問題が生じる。例えば、地震速報など、緊急性の高い通報に対して、数十秒程度の遅延が発生すると致命的な事態が発生する可能性がある。
【0004】
この背景には、テレビのネット視聴時間が、以前より大幅に伸びており、視聴者がネット配信コンテンツを視聴している際に緊急事態が生じる確率が上がったことがある。今後は、更に、ネット視聴時間の拡大の傾向は大きくなるため、災害等の緊急情報の提示は、テレビへのネット配信でも重要な課題となっている。特に災害時の通知の遅延は人命にかかわる事でもあり、低遅延での緊急情報表示をネット視聴可能なテレビに装備することは極めて重要である。
【0005】
本発明では、ネット配信時の映像音声コンテンツが遅延するにもかかわらず、災害等の緊急時の表示を比較的低遅延で提示することができる送受信システムを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭60-160285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、放送では、極めて良好に災害時の緊急情報の表示が行われている。
【0008】
第11図に現在の放送における、緊急情報の表示に関する従来の放送システムの実施例を示す。放送番組コンテンツ11001は、エンコーダ11002に入力され画像圧縮されたいわゆるエンコード画像となる。この際に、災害等の緊急事態が生じた場合は、緊急情報11004をエンコーダ11002により映像信号に挿入する。エンコーダ11002の出力は、放送番組コンテンツに緊急情報のメッセージが重畳され、送信部11003によりテレビ受信機11100へ送信される。
【0009】
テレビ11100では、受信部11103により、映像信号を受信し、デコーダ11102により圧縮された画像を復元し、放送番組コンテンツ11101を再生する。この時に、緊急情報のメッセージが重畳されているため、視聴者に緊急情報を即座に伝えることができる。
【0010】
放送の場合は、上記の様に、ほとんど遅延が起こらないため、映像信号に重畳することで、緊急情報を即座に視聴者に伝えることができる。
【0011】
次に、ネットワークを使った映像配信システムの実施例を第12図に示す。配信サーバ12000にある配信コンテンツ12001は、放送時と同様に、エンコーダ12002により画像圧縮される。ここで、緊急情報12004は、エンコーダ12002に入力され、緊急情報メッセージが重畳される。エンコーダ12002の出力は、配信バッファ12003に入り、ネットワークに送出される。ネットワークでは、ネットワーク遅延12005を経て、テレビ受信機12100で受信される。テレビ受信機12100では、受信バッファ12103により受信した映像音声コンテンツをバッファリングし、デコーダ12102へ出力する。デコーダ12102では、圧縮された画像を復元し、配信コンテンツ12101が再生される。
【0012】
放送との違いは、配信バッファ12003、ネットワーク遅延12005、受信バッファ12103が存在している点であり、これらにより、映像音声コンテンツが再生されるタイミングが大きく遅延する。したがって、映像音声コンテンツに重畳された緊急情報も大幅に遅延することとなる。
【0013】
以上の様に、ネット配信の場合の緊急情報表示では下記の問題が生じる。
1)送信側、受信側のバッファによる遅延により、緊急情報表示が大幅に遅れる。
2)ネットワークは通常ベストエフォートであるため、ネットワーク遅延が変動し、最悪の場合は大きな遅延が生じる。
3)視聴者は、VOD視聴中に災害が起こったにもかかわらず、緊急情報メッセージで状況を知るのは、上記遅延が生じた後となる。
【0014】
以上の様に、ネット配信における緊急情報メッセージの提示タイミングは、実際に送信したいタイミングから大きな遅延が生じる。従って、視聴者は、実際の災害が起こった後、しばらくたった後、状況を知ることとなり、課題が生じる。
【0015】
本発明は、ネットワークによって配信される映像音声コンテンツを送信する配信サーバと、配信されてくる映像音声コンテンツを受信し再生するテレビ受信機と、緊急時に表示される緊急情報の表示を迅速に行うための中間サーバに関する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る映像配信システムは、通信により映像音声コンテンツを伝送路に配信する配信システムと、配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、前記配信システムは災害等の緊急時に緊急情報を前記映像音声コンテンツとは分離した伝送路で伝送し、前記テレビ受信機は、前記緊急情報を映像音声コンテンツが送信される伝送路とは別の伝送路で受信することを特徴とした。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明に基づく第1の実施例の説明図。
図2図2は、本発明に基づく第2の実施例の説明図。
図3図3は、本発明に基づく第2の実施例の応用例を示す図。
図4図4は、本発明に基づく中間サーバの説明図。
図5図5は、本発明に基づく第2の実施例のプロトコルの説明図。
図6図6は、本発明に基づく第2の実施例の詳細図。
図7図7は、本発明に基づく第3の実施例の説明図。
図8図8は、本発明に基づく第4の実施例の画面構成図。
図9図9は、本発明に基づく第4の実施例の説明図。
図10図10は、本発明に基づく第5の実施例の説明図。
図11図11は、従来の放送システムの説明図。
図12図12は、従来の映像配信システムの説明図。
図13図13は、通信プロトコルの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に関わる実施形態に関して、図面を参照して、詳細に説明する。
【0019】
そこで、本発明では、映像音声コンテンツの送信を行う配信サーバと映像音声コンテンツの受信を行うテレビ受信機の間で、映像音声コンテンツとは別系統で緊急情報を送信する方法、及び、配信サーバとテレビ受信機の間に中間サーバを設置し、中間サーバの機能を使って、より迅速に緊急情報を提示する方法を提供する。
【0020】
(第1の実施形態)
第1図に本発明に基づく第1の実施例を示す。配信システム1000とテレビ受信機1100で構成される。本実施例では、緊急情報メッセージを映像音声コンテンツに重畳せずに、別系統で伝送する。
【0021】
映像音声コンテンツは配信コンテンツである。配信コンテンツ1001は、エンコーダ1002で圧縮され、配信バッファ1003にて、ネットワークへ送出、配信または伝送される。配信コンテンツ1001はネットワークで、遅延1006が生じたのち、テレビ受信機1100の受信バッファ1103で受信される。受信バッファ1103は圧縮された映像信号をデコーダ1102へ入力し、デコーダ1102は画像を復元し映像音声コンテンツ1104を再生する。
【0022】
一方で、緊急情報1004は、送信部1005により配信コンテンツ1001系列とは別系統のネットワークに送信、配信または伝送される。したがって、緊急情報1004は映像音声コンテンツとは別系統で、低遅延1007を経由して、テレビ受信機1100で受信される。テレビ受信機1100では、受信部1105で受信し、緊急情報メッセージ1106を再生し、多重表示1101で映像音声コンテンツに緊急情報メッセージを多重、重畳またはオーバーレイし、最終的に通信コンテンツ1104を再生する。
【0023】
遅延1006のネッワークは一般のIPネッワークで、低遅延1007のネットワークは配信システムとテレビ受信機間に個別に設けられたネットワークで、例えば電話回線を示唆する。
【0024】
このように、本発明に基づく第1の実施例では、従来の映像配信システムと異なり、より高速なネットワークを使い別経路で、緊急情報メッセージを送信することで、映像音声コンテンツの遅延の影響を受けることがない。従って、緊急情報メッセージをより迅速にテレビ画面に表示することが可能となる。
【0025】
配信システム1000とテレビ受信機1100との間では、複数の既存の通信方式が適用可能であり、第13図に既存の通信プロトコルを示す。第13図は、配信システムとテレビ受信機の通信として利用可能と思われる代表的な通信方式として、(a)ポーリング方式、(b)ロングポーリング方式 (c)SSE (d)Websocketを示す。
【0026】
(a)ポーリング方式
テレビ受信機13101は、配信システム13102に対して一定時間毎にHTTPリクエスト13103により問い合わせを実施する。配信システム13102は、HTTPレスポンス13104により応答し、テレビ受信機13101は、一定時間待機13107を実施した後、再度、HTTPリクエスト13105を送信する。ここで、データ更新13109は、災害等の緊急情報メッセージの送信の実施を示す。テレビ受信機13101は、HTTPリクエスト13105に対応するHTTPレスポンス13106により緊急情報メッセージを受信する。テレビ受信機は、再度、一定時間待機13108を実施する。このように、ポーリング方式では、受信機は常に一定のタイミングで配信システムにリクエストを出す必要があり、また、緊急情報メッセージの送信実施も待機時間のため遅延する。
【0027】
(b)ロングポーリング方式
ポーリング方式を改善したロングポーリングに関して、説明する。テレビ受信機13201は、配信システム13202に対してHTTPリクエスト13203により問い合わせを実施する。配信システム13202は、即座に応答せず、データ更新13209が生じると、HTTPレスポンス13204により応答する。テレビ受信機13201は、待機せずに応答し、HTTPリクエスト13205を配信システムへ返す。配信システム13202は、データ更新13210が生じるまで応答を返さず、データ更新13210が生じた後、HTTPレスポンス13206を返す。テレビ受信機13201は、HTTPレスポンス13206を受信すると即座にHTTPリクエスト13207を返す。このようにロングポーリングでは、テレビ受信機側は頻繁にリクエストを出す必要が無い代わりに、サーバ側はデータ更新があると即座に応答する必要がある。
【0028】
(c)SSE(Server Sent Events)
テレビ受信機13301は、配信システム13302に対してHTTPリクエスト13303により問い合わせを実施する。その後、テレビ受信機13301は、待ち受け状態を維持し、配信システム13302からのイベントを受け付ける。配信システム13302は、データ更新13309が発生するとイベント13304を送信し、データ更新13310が発生するとイベント13305を送信し、更に、データ更新13311が発生するとイベント13306を送信する。このように、SSEでは、テレビ受信機は、データ更新があると即座に受信が可能となる。ただし、SSEでは、配信システム13302からテレビ受信機13301の一方向のみ情報が伝達される。
【0029】
(d)Websocket
テレビ受信機13401は、配信システム13402に対してハンドシェイク13403を確立することで、常時接続される。その後、テレビ受信機13401と配信システム13402は双方向通信が可能となる。配信システム13402は、データ更新13409が発生するとデータ13404を送信し、データ更新13410が発生するとデータ13405を送信する。また、テレビ受信機13401は、配信システム13402へのデータ送信が可能であり、テレビ受信機13401は、データ13406を配信システム13402へ送信する。以上のように、Websocketを使えば、データ更新があった場合に、即座に配信システム13402からテレビ受信機13401へデータを送信することができ、また、双方向通信が可能であるため、テレビ受信機13401から配信システム13402へデータを送信することも可能となる。
【0030】
以上、テレビ受信機と配信システム間の代表的な通信プロトコルを示した。ポーリング方式では、テレビ受信機が頻繁に配信システムへ問い合わせを行うため、受信機負荷が高くなる。ロングポーリングでは、テレビ受信機は待ち受け状態にあるため受信機負荷は低減されるが、配信システムは、テレビ受信機側からのリクエストを覚えておく必要があり、データ更新があると即座に応答を返すため、配信システム側の負荷が高くなる。SSEも同様に、テレビ受信機側からのリクエストをおぼえておく必要があり、配信システムの負荷は高くなり、更には、配信システムからテレビ受信機側への一方的な送信のみが実施される。最後にWebsocketによる方法は、テレビ受信機と配信システムがハンドシェイクすることで、双方が待ち受け、送信が可能であり、双方の負荷を下げることができる。
【0031】
よって、本発明に基づく第1の実施例においては、緊急情報メッセージの伝送は低遅延で実施される必要があるため、Websocketの様に遅延の少ない通信プロトコルを使って実装することが望ましい。
【0032】
また、1007低遅延については、QoS(Quality of Service)による優先制御と帯域制御が適用されているネットワークにおいて、緊急情報メッセージ1004について優先的にデータ送信する方法によっても実現可能である。例えば、IP電話を実現するVoIP (Voice Over IP)技術では、送信パケットの優先度の制御をパケットのヘッダーで指定している。本実施例において緊急情報メッセージ1004を送信する際に、QoS制御を適用し、優先的に送信し、1007低遅延を実現することができる。これにより、配信バッファ1003と送信部1005は同一のIPネッワークに情報(パケット、データ)を送信する。
【0033】
即ち、配信バッファ1003は通常パケットとし、送信部1005から送信するパケットはVoIP的な優先的にデータが伝送されるパケットとし、伝送されるパケットのサービスの違いによりそれぞれのパケットが遅延1006や低遅延1007とすることができる。
【0034】
以上の様に、本発明に基づく第1の実施例では、Websocket等の低遅延の通信プロトコルを使い、映像音声コンテンツとは別の伝送路を使用することで、緊急情報メッセージを極めて低遅延で表示することが可能となる。しかしながら、第1図における実施例では、遅延の影響を低減することは可能であるが、高速の専用のネットワークを別途使用することが必要となり、高コストとなるという問題が生じる。また、より多くのテレビ受信機に緊急情報メッセージを配信する必要が乗じた場合、配信システム側に大きな負荷がかかることは明白である。
【0035】
第2図に本発明に基づく第2の実施例を示す。
【0036】
本実施例では、高速の専用ネットワークを使うことなく、通常のインターネットにより、低遅延を実現し、更には、テレビ受信機の台数が大規模になった場合でも、配信システムの通信負荷を低減する。
本発明による第2の実施例では、災害等による緊急情報メッセージをテレビ受信機に提示する場合、通常、地震や水害などの災害は、地域が限られる特徴がある。この点に鑑み、災害が発生する地域のテレビ受信機に限定して緊急情報メッセージを提示することで、通信負荷を低減する。
【0037】
配信システム2000は、中間サーバ2300に接続されている。また、テレビ受信機2100、テレビ受信機2200が中間サーバ2300に接続される。
【0038】
配信コンテンツ2001は、エンコーダ2002により圧縮され、配信バッファ2003によりバッファリングされネットワークへ送信(配信または伝送)する。ネットワークに送信された圧縮されたコンテンツは、遅延2006を経由して、テレビ受信機2100へ送信される。テレビ受信機2100は、受信バッファ2103により圧縮されたコンテンツを受信し、デコーダ2102により圧縮されたコンテンツを展開し、多重表示部2105へ入力する。多重表示部2105では、緊急情報部2016より送信される緊急情報メッセージを多重、重畳またはオーバーレイして表示する。
【0039】
以上の動作は、既存の配信システムと同様となる。
【0040】
一方で、緊急情報部2004より出力される緊急情報メッセージは送信部2005に入力される。さらに、送信部2005から緊急情報メッセージは中間サーバ2300へ送信され、中間サーバ2300内に登録または記憶される。
【0041】
テレビ受信機2100では、送受信部2101と中間サーバ2300との間で通信を行い、テレビ受信機2100の設置されている地域等の情報を受信条件として中間サーバ2300に登録する。さらに、配信システム2000から中間サーバ2300へ、登録或いは記憶された緊急情報メッセージの送信を指示する。指示する際に、配信システム2000は、同時に地域等の受信条件を中間サーバ2300へ送信する。中間サーバは、条件に合った地域等のテレビ受信機2100へ緊急情報メッセージを送信する。
送信された緊急情報メッセージは、送受信部2101を経由して、緊急情報部2106へ入力される。緊急情報部2106は、緊急情報メッセージを多重表示部2105へ出力し、緊急情報メッセージを映像音声コンテンツに多重、重畳またはオーバーレイして表示する。
【0042】
第3図に、本発明に基づく第2の実施例において複数の配信システム、及び、複数のテレビ受信機に適用した例を示す。
【0043】
中間サーバ3300には、配信システム3000、配信システム3200、及び、テレビ受信機3100、テレビ受信機3400が接続されている。
【0044】
配信システム3000の配信コンテンツ3001は、エンコーダ3002により圧縮され、配信バッファ3003によりバッファリングされネットワークへ送信(配信または伝送)される。配信システム3200の配信コンテンツ3201は、エンコーダ3202により圧縮され、配信バッファ3203によりバッファリングされネットワークへ送信(配信または伝送)される。
【0045】
ネットワークに送信(配信または伝送)された圧縮されたコンテンツは、遅延3006を経由して、テレビ受信機3100及びテレビ受信機3400へ送信(配信または伝送)される。
【0046】
一方で、配信システム3000の緊急情報部3004より出力される緊急情報メッセージは送信部3005に入力される。さらに、送信部3005から緊急情報メッセージは中間サーバ3300へ送信(配信または伝送)され、中間サーバ3300内に登録される。同様に配信システム3200の緊急情報部3204より出力される緊急情報メッセージは送信部3205に入力される。さらに、送信部3205から緊急情報メッセージは中間サーバ3300へ送信され、中間サーバ3300内に登録される。
【0047】
テレビ受信機3100では、送受信部3101と中間サーバ3300で通信を行い、所定の条件で緊急情報メッセージを中間サーバより取り出す。取り出された、緊急情報メッセージは、送受信部3101を経由して、緊急情報部3106へ入力される。緊急情報部3106は、緊急情報メッセージを多重表示部3105へ出力し、緊急情報メッセージをコンテンツに多重、重畳またはオーバーレイして表示する。
【0048】
同様に、テレビ受信機3400では、送受信部3401と中間サーバ3300で通信を行い、所定の条件で緊急情報メッセージを中間サーバより取り出す。取り出された、緊急情報メッセージは、送受信部3401を経由して、緊急情報部3406へ入力される。緊急情報部3406は、緊急情報メッセージを多重表示部3405へ出力し、緊急情報メッセージをコンテンツに多重、重畳またはオーバーレイして表示する。
以上は、配信システム、テレビ受信機が夫々2つの場合を説明したが、更に多数の配信システム、テレビ受信機を接続することも可能であることは明白である。
【0049】
第4図に、本発明に基づく中間サーバの説明図を示す。
【0050】
本実施例では、より一般的に示せるように、配信システム、及び、テレビ受信機を夫々3つずつ中間サーバに接続している。配信システム4001、4002、4003は、中間サーバ4100に接続されており、送信(配信または伝送)される緊急情報メッセージの受信エリアを識別して所定のテレビ受信機4201、4202、4203へ送信(配信または伝送)する。
【0051】
本実施例での動作は、登録動作とイベント処理動作に分かれる。
【0052】
先ず、登録動作に関して説明する。
【0053】
配信システム4001、4002、4003は、中間サーバ4100に接続されている。配信システム4001は中間サーバ4100にある、メッセージメモリ4101へ緊急情報メッセージを登録または記憶する。同様に、配信システム4002は、中間サーバ4100にある、メッセージメモリ4102へ緊急情報メッセージを登録または記憶し、配信システム4003は中間サーバ4100にある、メッセージメモリ4103へ緊急情報メッセージを登録また記憶する。この登録または記憶は、送信登録メッセージ4004の形式のデータを配信システム4001、4002、4003からメッセージメモリ4101、4102、4103へ送信(配信または伝送)することで実施される。配信IDには、配信システムを識別する値が記載される。
【0054】
一方でテレビ受信機4201、テレビ受信機4202、テレビ受信機4203は、中間サーバ4100に接続されている。テレビ受信機4201は、中間サーバ4100にある条件設定メッセージ送信部4104に接続され、設置されている受信エリア4301がメッセージ受信条件として登録または記憶される。テレビ受信機4202、テレビ受信機4203は中間サーバ4100にある条件設定メッセージ送信部4105に接続され、設置されている受信エリア4302がメッセージ受信条件として登録または記憶される。この条件登録または記録は、条件登録メッセージ4204が、テレビ受信機4301、4302、4203から条件設定メッセージ送信部4104、4105に送信される。条件登録メッセージ4204の端末IDには各テレビを識別する値が記載されている。以上の動作により、緊急情報メッセージの中間サーバ4100への登録または記憶と、受信機が受信する条件の中間サーバ4100への登録または記憶が完了する。
【0055】
次にイベント処理動作を説明する。
【0056】
中間サーバ4100に緊急情報メッセージおよび受信条件が登録されている状態で、災害等の緊急事態が発生すると配信システムよりイベントが送出される。以下、3つの事例を示し動作を詳細に説明する。
【0057】
第1の事例では、配信システム4001が、受信エリア4301に災害が発生した場合に、緊急情報メッセージをテレビ4201へ送信(配信または伝送)する動作を説明する。
【0058】
配信システム4001は、イベントメッセージ4005の形式のデータを中間サーバ4100へ送信する。ここで、イベントメッセージ4005は、送信すべきターゲットとなる受信エリア4301が記載されている。イベントメッセージ4005の配信IDには、配信システム4001を識別する値が記載されている。配信システム4001から送信されたイベントメッセージは、条件イベント処理部4106に入力される。条件イベント処理部4106は、イベントメッセージと、条件設定メッセージ送信部4104、4105に登録されている条件を比較し、4104に登録されている条件と一致していることを確認し、メッセージメモリ4101に登録されている緊急情報メッセージをテレビ4201へ送信(配信または伝送)する。
【0059】
第2の事例では配信システム4003が、受信エリア4302に災害が発生した場合に、緊急情報メッセージをテレビ4202、4203へ送信(配信または伝送)する動作を説明する。
【0060】
配信システム4003は、イベントメッセージ4005の形式のデータを中間サーバ4100へ送信(配信または伝送)する。ここで、イベントメッセージ4005は、送信(配信または伝送)すべきターゲットとなる受信エリア4302が記載されている。イベントメッセージ4005の配信IDには、配信システム4003を識別する値が記載されている。配信システム4003から送信(配信または伝送)されたイベントメッセージ4005は、条件イベント処理部4106に入力される。条件イベント処理部4106は、イベントメッセージ4005と、条件設定メッセージ送信部4104、4105に登録されている条件を比較し、4105に登録されている条件と一致していることを確認し、メッセージメモリ4103に登録されている緊急情報メッセージをテレビ4202、4203へ送信する。
【0061】
第3の事例として配信システム4002が、受信エリア4302に災害が発生した場合に、緊急情報メッセージをテレビ4202、4203へ送信(配信または伝送)しない動作を説明する。
【0062】
配信システム4002は、イベントメッセージ4005の形式のデータを中間サーバ4100へ送信する。ここで、イベントメッセージ4005は、送信(配信または伝送)すべきターゲットとなる受信エリア4302が記載されている。配信IDには、配信システム4002を識別する値が記載されている。配信システム4002から送信されたイベントメッセージ4005は、条件イベント処理部4106に入力される。条件イベント処理部4106は、イベントメッセージ4005と、条件設定メッセージ送信部4104、4105に登録されている条件を比較し、4105に登録されている条件と一致していることを確認し、メッセージメモリ4102に登録されている緊急情報メッセージをテレビ4202、4203へ送信しようとするが、メッセージメモリ4102は、条件設定メッセージ送信部4105と接続されていないため、緊急情報メッセージの送信はされない。
【0063】
以上、いずれの事例も、条件設定メッセージ送信部4104、4105からテレビ受信機4201、4202、4203への送信は、送信メッセージ4205の形式のデータが送信される。送信メッセージ4205には、端末IDとして各テレビ受信機を示す値と、緊急情報メッセージが記載されている。
【0064】
第5図に本発明に基づく第2の実施例のプロトコルを説明する。
【0065】
配信システム5100は、中間サーバ5400へ送信登録メッセージ4004の形式で、緊急情報メッセージを登録5101を実施する。配信システム5200は、中間サーバ5400へ送信登録メッセージ4004の形式で、緊急情報メッセージを登録5201を実施する。配信システム5300は、中間サーバ5400へ送信登録メッセージ4004の形式で、緊急情報メッセージを登録5301を実施する。
【0066】
一方で、テレビ受信機5500は、中間サーバ5400へ条件登録メッセージ4204の形式で、受信エリア条件登録5501を実施する。テレビ受信機5600は、中間サーバ5400へ条件登録メッセージ4204の形式で、受信エリア条件登録5601を実施する。テレビ受信機5700は、中間サーバ5400へ条件登録メッセージ4204の形式で、受信エリア条件登録5701を実施する。
【0067】
以上の登録動作が完了した後、配信システム5100が、イベントメッセージ4005の形式で、受信エリアを指定してイベント5102を中間サーバ5400へ送信する。
【0068】
中間サーバ5400は、指定された受信エリアにあるテレビ5500へ送信メッセージ4205の形式で、緊急情報メッセージを送信する。
【0069】
第6図に本発明に基づく第2の実施例の中間サーバの異なる構成例を示す。
【0070】
本実施例では、第4図に示す、送信登録メッセージ4004が配信IDと緊急情報メッセージで構成され、イベントメッセージ4005が配信IDと受信エリアで構成され、条件登録メッセージ4204が端末IDと受信エリアで構成され、送信メッセージ4205が端末IDと緊急情報メッセージで構成されていることを利用して、より柔軟な緊急情報メッセージの表示システムを構成する。
【0071】
第6図に下部に説明の都合上、第4図に示す送信登録メッセージ4004、イベントメッセージ4005、条件登録メッセージ4204、送信メッセージ4205を再掲する。
【0072】
第6図において、送信登録メッセージ4004の配信IDと緊急情報メッセージと、条件登録メッセージ4204の端末IDと受信エリアから、イベントメッセージ4005の配信IDと受信エリアの情報を使って、送信メッセージ4205の緊急情報メッセージと端末IDの組を構成する方法を説明する。
【0073】
イベントメッセージ4005は配信IDと受信エリアで構成されるため、送信登録メッセージ4004の配信IDから緊急情報メッセージを特定し、条件登録メッセージ4204の受信エリアにより端末IDを特定し、端末IDと緊急情報メッセージの組を作り、送信メッセージ4205を構成した後、端末IDにより所定のテレビ受信機を選択し、所定の緊急情報メッセージを送信する。
【0074】
以上の動作を第6図に示す構成を用いて詳しく説明する。
【0075】
配信システム6001、6002、6003は、メッセージメモリ6211、6212、6213にそれぞれの送信登録メッセージを登録する。ここで、それぞれの送信登録メッセージは送信登録メッセージ4004の配信IDと緊急情報メッセージの形式である。
【0076】
一方で、テレビ受信機6101、6102、6103は、エリア条件メモリ6201にそれぞれの送信登録メッセージを登録する。ここで、条件登録メッセージ4204は、それぞれの端末IDと受信エリアの形式である。同様に、テレビ受信機6104、6105は、エリア条件メモリ6202にそれぞれの送信登録メッセージを登録する。また、テレビ受信機6106は、エリア条件メモリ6203に送信登録メッセージを登録する。
【0077】
配信システム6001、6002、6003からイベントメッセージが送信され条件イベント処理部6206に入力される。ここで、イベントメッセージはイベントメッセージ4005の配信ID+受信エリアの形式である。
【0078】
メッセージ制御部6204では、イベントメッセージ[配信ID+受信エリア]4005と登録されている送信登録メッセージ[配信ID+緊急情報メッセージ]4004とを比較して、配信IDが一致する緊急情報メッセージを送信制御部6207へ出力する。
【0079】
エリア制御部6205では、イベントメッセージ[配信ID+受信エリア]4005と登録されている条件登録メッセージ[端末ID+受信エリア]4204とを比較して、受信エリアが一致する端末IDを送信制御部へ6207へ出力する。
【0080】
送信制御部6207では、メッセージ制御部6204より出力される緊急情報メッセージと、エリア制御部6205より出力される端末IDを使って、送信メッセージ[緊急情報メッセージ+端末ID]4205を構成する。
【0081】
送信制御部6207では、送信メッセージを端末IDにより特定されるテレビ受信機へ緊急情報メッセージを送信する。
【0082】
第7図に本発明に基づく第3の実施例を示す。
【0083】
第3の実施例では、あらかじめ緊急情報メッセージをテレビ受信機内に保存することで、通信負荷を低減する。
【0084】
配信システム7001、7002、7003は映像音声コンテンツをネットワーク遅延7200を経由して配信する。映像音声コンテンツは、ネットワーク遅延7200より、受信バッファ7103により受信され、デコーダ7102により映像音声が再生され、多重表示部7101により、映像音声コンテンツと緊急情報メッセージが表示される。
【0085】
配信システム7001、7002、7003は、中間サーバ7300の受信部7301を経由して、エリア情報保存部7302、7303、7304にそれぞれ緊急情報メッセージを識別する緊急情報メッセージIDとエリア情報を保存する。
【0086】
一方で、テレビ受信機7100は、あらかじめ送信される緊急情報メッセージを受信部7105で受信し、メッセージメモリ7110に事前に緊急情報メッセージを保存する。緊急情報メッセージは、緊急情報メッセージID毎に、緊急情報メッセージ7111、7112、7113を保存する。ここで、テレビ受信機7100は、エリア情報送信部7108よりエリア情報を中間サーバ7300へ送信し、受信エリア条件登録部7307に登録する。
【0087】
次に、災害等の緊急情報メッセージを表示する必要が生じた場合は配信システム7001、7002、7003のいずれかが緊急情報メッセージの指示を中間サーバ7300へ送信する。この指示は、緊急情報メッセージIDとエリア情報を含んでいる。送信された指示に従って、中間サーバは、エリア制御部7306により所定のエリアを選定し、緊急情報メッセージIDを送信部7305を通して送信する。テレビ受信機7100では、送信された緊急情報メッセージIDを受信部7105で受信し、メッセージメモリ7110とメッセージ制御部7107から対応する緊急情報メッセージIDの緊急情報メッセージを選択し、緊急情報表示部7106へ送信する。緊急情報表示部7106は、緊急情報メッセージを多重表示部7101へ出力し、緊急情報メッセージをテレビ画面上に表示する。
【0088】
以上の動作により、緊急情報メッセージを表示する際に、中間サーバ7300は、テレビ受信機7100へ緊急情報メッセージを送信する必要は無く、緊急情報メッセージIDだけを送信することで通信負荷を低減する。
【0089】
第8図に本発明に基づく第4の実施例の画面構成を示す。
【0090】
本実施例では、緊急情報メッセージを、配信される動画コンテンツの視聴時に限り、緊急情報メッセージ提示可能な時間を制限することで、通信負荷を制限する。通常テレビ受信機で映像音声コンテンツを視聴する場合は、番組表8000からカーソル8001を使い所望のコンテンツを選択する。本発明に基づく第4の実施例では、このコンテンツの選択時は、緊急情報メッセージの提示を禁止する。また、本発明に基づく第4の実施例では、放送コンテンツを視聴している場合も、放送コンテンツにより緊急情報メッセージが重畳されて表示されるため、通信による緊急情報メッセージの提示を禁止する。以上の様に、本発明に基づく第4の実施例では、緊急情報メッセージを配信される動画コンテンツの視聴時に限ることで通信負荷を軽減する。
【0091】
番組表画面8000より、所望の配信コンテンツを選択すると、テレビ画面上には、通信映像音声コンテンツ表示画面8100が表示される。第4の実施例では、緊急情報メッセージ8101を映像画面上に重畳し表示する。
【0092】
第9図に本発明に基づく第4の実施例の通信プロトコルの説明図を示す。
【0093】
テレビ受信機9500は、配信コンテンツの映像の再生を開始すると、中間サーバ9400に対して、接続開始9501を実施する。中間サーバ9400とテレビ受信機9500は、Websocket等(図13に示したプロトコル)で通信が確立され、緊急情報メッセージを受信可能な状態となる。
【0094】
ここで、配信システム9100が緊急情報メッセージ9101を中間サーバ9400へ送信すると、中間サーバ9400とテレビ受信機9500は接続状態にあるため、中間サーバ9400から緊急情報メッセージ9401がテレビ受信機9500へ送信され、緊急情報メッセージが画面上に表示される。その後、テレビ受信機9500が、映像再生を終了すると切断9502が実施され中間サーバ9400とテレビ受信機9500の通信が切断される。その後、配信システム9100が中間サーバ9400へ緊急情報メッセージ9102が送信されると、中間サーバ9400とテレビ受信機9500は通信が切断されているため、緊急情報メッセージ9401はテレビ受信機9500へ送信されない。
【0095】
以上の様に、本発明に基づく第4の実施例では、緊急情報メッセージを受け取る機会を映像再生時に限定することで、中間サーバとテレビ受信機に接続数を減少する。この動作により、中間サーバの通信負荷を軽減する。
【0096】
第10図に本発明に基づく第5の実施例を示す。
【0097】
第5の実施例では、中間サーバを複数に分散することで、通信負荷を低減する。配信システム10001、10002、10003は、映像音声コンテンツをCDN10400へ送信する。CDNはコンテンツデリバリーネットワークのことで、映像音声コンテンツを効率よく配信するが、遅延が生じている。CDN10400を経由せず映像音声コンテンツをテレビ受信機に送付しても良い。
【0098】
一方、配信システム10001、10002、10003は、エリア制御サーバ(中間サーバ)10200内の緊急情報メッセージを受信制御部10201へエリア情報を含む緊急情報メッセージを送信し、エリアサーバ情報部10206に蓄積されたエリア情報と、緊急情報メッセージのエリア情報を比較し、緊急情報メッセージのエリア情報に基づき対応するエリアのエリア制御情報部10202、10203、10204に緊急情報メッセージ送信の指示を出す。エリア制御情報部10202、10203、10204は緊急情報メッセージの指示に従い、エリア中間サーバ10207、10208、10209のいずれかへ緊急情報メッセージを送信する。
【0099】
エリア中間サーバ10207は、エリア10107にあるテレビ受信機10101、10102、10103へ緊急情報メッセージを送信し、エリア中間サーバ10208は、エリア10108にあるテレビ受信機10104、10105、へ緊急情報メッセージを送信し、エリア中間サーバ10209は、エリア10109にあるテレビ受信機10106へ緊急情報メッセージを送信する。
【0100】
以上の様に、複数のエリア中間サーバを配置することで、一台当たりの中間サーバの負荷を低減する。
【0101】
(付記1)
通信により映像音声コンテンツを伝送路に配信する配信システムと、
配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、
前記配信システムは災害等の緊急時に緊急情報を前記映像音声コンテンツとは分離した伝送路で伝送し、
前記テレビ受信機は、前記緊急情報を映像音声コンテンツが送信される伝送路とは別の伝送路で受信することを特徴とした映像配信システム。
【0102】
(付記2)
付記1において、前記テレビ受信機は受信した前記緊急情報を前記映像音声コンテンツに多重することを特徴とする映像配信システム。
【0103】
(付記3)
通信により映像音声コンテンツと災害等の緊急時に緊急情報を配信する配信システムと、
配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、
前記配信システムは前記映像音声コンテンツと前記緊急情報を異なるQoSとし、前記緊急情報は前記映像音声コンテンツより遅延が少なくなるサービスのパケットとすることを特徴とする映像配信システム。
【0104】
(付記4)
付記3において、前記テレビ受信機は受信した前記緊急情報を前記映像音声コンテンツに多重することを特徴とする映像配信システム。
【0105】
(付記5)
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、
配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、
前記配信システムと前記テレビ受信機との間に配置される中間サーバで構成され、
前記配信システムは災害等の緊急時に緊急情報を前記中間サーバに送信し、
前記配信システムは災害等の緊急時に前記中間サーバへ指示を出し、
前記中間サーバは前記緊急情報の指示を受信すると、前記テレビ受信機へ緊急情報メッセージを送信することを特徴とした映像配信システム。
【0106】
(付記6)
付記5において、前記テレビ受信機は受信した前記緊急情報メッセージを前記映像音声コンテンツに多重することを特徴とする映像配信システム。
【0107】
(付記7)
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、
配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、
前記配信システムと前記テレビ受信機との間に配置される中間サーバで構成され、
前記テレビ受信機は自身を示すIDと地域を示す地域条件を前記中間サーバに登録し、
前記配信システムは災害等の緊急時に緊急情報と災害が発生している地域情報を前記中間サーバに送信し、
前記中間サーバは災害等の緊急時に前記配信システムから送られてくる災害が発生している地域情報と登録されている地域の条件を比較して、災害等が発生している所望の地域の前記テレビ受信機へ緊急情報メッセージを送信することを特徴とした映像配信システム。
【0108】
(付記8)
付記7において、前記テレビ受信機は受信した前記緊急情報メッセージを前記映像音声コンテンツに多重することを特徴とする映像配信システム。
【0109】
(付記9)
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、
配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機で構成され、
前記配信システムは緊急情報をテレビ受信機に登録し、
災害等の緊急時に、前記配信システムは緊急情報を特定するIDを前記テレビ受信機に送信することを特徴とした映像配信システム。
【0110】
(付記10)
付記9において、前記テレビ受信機は緊急情報を特定するIDを受信するとIDにより特定された緊急情報を前記映像音声コンテンツに多重し表示することを特徴とする映像配信システム。
【0111】
(付記11)
付記9において、前記配信システムと前記テレビ受信機との間に配置される中間サーバを有し、
前記配信システムは前記中間サーバを経由して前記緊急情報と前記緊急情報を特定するIDを前記テレビ受信機に送信することを特徴とする映像配信システム。
【0112】
(付記12)
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、
配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、
前記配信システムと前記テレビ受信機との間に配置される中間サーバで構成され、
前記中間サーバと前記テレビ受信機と間の接続を、映像音声コンテンツを視聴している間接続し、映像音声コンテンツ視聴が終了した際に、中間サーバとテレビ受信機と間の接続を切断することを特徴とした映像配信システム。
【0113】
(付記13)
付記12において、前記配信システムは緊急情報メッセージを前記中間サーバに送信し、
前記中間サーバは前記テレビ受信機が前記配信システムからの映像音声コンテンツを再生している場合、緊急情報メッセージを前記テレビ受信機に送信することを特徴する映像配信システム。
【0114】
(付記14)
通信により配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、
映像音声コンテンツを前記テレビ受信機に配信する配信システムと、
前記配信システムと前記テレビ受信機との間に配置される制御サーバと、
前記制御サーバと前記テレビ受信機との間に配置される中間サーバと、
前記制御サーバは、前記配信システムから送信されるエリア情報を含む緊急情報を受信し、エリア情報を基に前記中間サーバを特定し、さらに、特定した前記中間サーバに緊急情報を送信し、
前記中間サーバはカバーするエリアに設置されているテレビ受信機へ緊急情報を送信することを特徴とした映像配信システム。
【0115】
(付記15)
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機と、前記、配信システムは、災害等の緊急時に緊急情報メッセージを映像音声コンテンツとは分離した伝送路で伝送し、前記、テレビ受信機は、映像音声コンテンツとは別の伝送路で受信することを特徴とした映像配信システム。
【0116】
(付記16)
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機との間に、中間サーバを配置し、前記、配信システムは、災害等の緊急時に緊急情報メッセージを中間サーバに送信し、前記、配信システムは、災害等の緊急時に中間サーバへ指示を出し、緊急情報メッセージを中間サーバより、テレビ受信機へ送信することを特徴とした映像配信システム。
【0117】
(付記17)
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機との間に、中間サーバを配置し、中間サーバに複数のテレビ受信機が接続され、それぞれのテレビ受信機は、自身を示すIDと地域を示す地域条件を中間サーバに登録し、前記中間サーバは、災害等の緊急時に配信システムから送られてくる災害が発生している地域情報と中間サーバに登録されている地域の条件を比較して、所望の地域のテレビ受信機へ、緊急情報メッセージを送信することを特徴とした映像配信システム。
【0118】
(付記18)
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機との間に、中間サーバを配置し、前記配信システムが、中間サーバを経由して、緊急情報メッセージをあらかじめテレビ受信機に登録し、災害等の緊急時に緊急情報メッセージを特定するIDを送信することでテレビ受信機に緊急情報メッセージを表示することを特徴とした映像配信システム。
【0119】
(付記19)
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機との間に、中間サーバを配置し、中間サーバとテレビ受信機と間の接続を、映像音声コンテンツを視聴している間接続し、映像音声コンテンツ視聴が終了した際に、中間サーバとテレビ受信機と間の接続を切断することを特徴とした映像配信システム。
【0120】
(付記20)
通信により映像音声コンテンツを配信する配信システムと、配信される映像音声コンテンツを受信するテレビ受信機との間に、制御サーバと中間サーバを配置し、制御サーバが複数の中間サーバへ緊急情報メッセージを送信し、更に、中間サーバがカバーするエリアに設置されているテレビ受信機へ、緊急情報メッセージを送信することを特徴とした映像配信システム。
【符号の説明】
【0121】
1000 配信システム
1100 テレビ受信機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13