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特開2024-35897電力管理装置、電力管理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035897
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】電力管理装置、電力管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240308BHJP
   H02J 3/14 20060101ALI20240308BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J3/14 130
H02J13/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140510
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】河部 行則
(72)【発明者】
【氏名】平下 英里
(72)【発明者】
【氏名】野村 啓幸
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
5L049
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AC09
5G064BA02
5G064CB08
5G064DA07
5G066AE03
5G066AE09
5G066JA07
5G066KA01
5G066KA12
5G066KB08
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】電力削減制御が適用される負荷設備における電力削減量を正確に算出することができる電力管理装置、電力管理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】電力削減制御が適用される負荷設備において使用される電力を管理する電力管理装置は、前記電力削減制御が適用されることによって前記負荷設備における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を取得する取得部と、前記取得部によって取得される前記電力削減率に基づいて、前記負荷設備における電力削減量を算出する演算部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力削減制御が適用される負荷設備において使用される電力を管理する電力管理装置であって、
前記電力削減制御が適用されることによって前記負荷設備における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を取得する取得部と、
前記取得部によって取得される前記電力削減率に基づいて、前記負荷設備における電力削減量を算出する演算部とを備える、
電力管理装置。
【請求項2】
前記負荷設備には、電気機器が含まれ、
前記取得部は、
前記電気機器の電力削減率と、前記電気機器の電力使用量とを取得し、
前記演算部は、
前記取得部によって取得される前記電気機器の電力削減率と、前記電気機器の電力使用量とに基づいて、前記負荷設備における電力削減量を算出する、
請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項3】
前記負荷設備には、少なくとも第1電気機器と、第2電気機器とが含まれ、
前記取得部は、
前記電力削減率として、少なくとも前記第1電気機器の電力削減率と、前記第2電気機器の電力削減率とを取得すると共に、
少なくとも前記第1電気機器の電力使用量と、前記第2電気機器の電力使用量とを取得し、
前記演算部は、
前記取得部によって取得される少なくとも前記第1電気機器の電力削減率と、前記第2電気機器の電力削減率と、前記第1電気機器の電力使用量と、前記第2電気機器の電力使用量とに基づいて、前記負荷設備における電力削減量を算出する、
請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項4】
前記負荷設備には、電気機器が含まれ、
前記取得部は、前記電気機器の電力削減率と、前記電気機器の定格電力とを取得し、
前記演算部は、
前記取得部によって取得される前記電気機器の電力削減率と、前記電気機器の定格電力とに基づいて、前記負荷設備における電力削減量を算出する、
請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項5】
前記負荷設備には、少なくとも第1電気機器と、第2電気機器とが含まれ、
前記取得部は、
前記電力削減率として、少なくとも前記第1電気機器の電力削減率と、前記第2電気機器の電力削減率とを取得すると共に、
少なくとも前記第1電気機器の定格電力と、前記第2電気機器の定格電力とを取得し、
前記演算部は、
前記取得部によって取得される少なくとも前記第1電気機器の電力削減率と、前記第2電気機器の電力削減率と、前記第1電気機器の定格電力と、前記第2電気機器の定格電力とに基づいて、前記負荷設備における電力削減量を算出する、
請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項6】
前記負荷設備には、電気機器が含まれ、
前記電気機器は、省エネ機器であり、
前記取得部は、
前記電気機器の電力使用量と、前記電気機器の代わりに前記負荷設備に導入され得る非省エネ機器の基準消費電力とを取得し、
前記演算部は、
前記取得部によって取得される前記電気機器の電力使用量と、前記非省エネ機器の基準消費電力とに基づいて、前記負荷設備における前記省エネ機器の導入による電力削減量を算出する、
請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項7】
前記電力削減制御が適用されることによる前記負荷設備における電力削減量と、
前記省エネ機器の導入による前記負荷設備における電力削減量とを識別可能に表示するための処理を行う表示処理部を備える、
請求項6に記載の電力管理装置。
【請求項8】
前記演算部によって算出される前記負荷設備における電力削減量を一定期間分積算する表示処理部を備え、
前記表示処理部は、
積算された一定期間単位の前記負荷設備における電力削減量を表示するための処理を行う、
請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項9】
電力削減制御が適用される負荷設備において使用される電力を管理する電力管理装置の電力管理方法であって、
前記電力削減制御が適用されることによって前記負荷設備における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得される前記電力削減率に基づいて、前記負荷設備における電力削減量を算出する演算ステップとを備える、
電力管理方法。
【請求項10】
電力削減制御が適用される負荷設備において使用される電力を管理する電力管理装置を構成するコンピュータに、
前記電力削減制御が適用されることによって前記負荷設備における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得される前記電力削減率に基づいて、前記負荷設備における電力削減量を算出する演算ステップとを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理装置、電力管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電力負荷設備の電力使用量を削減する電力削減システムについて記載されている。特許文献1に記載された技術では、電力量計が、電力負荷設備の全ての機器に供給される電力量を常時計測し、電力量計により計測された電力量は、電力負荷設備における電力使用量を算出するために用いられる。また、特許文献1に記載された技術では、電力削減効果を得るために、電力負荷設備の機器の制御パターンに、運転時間と休止時間とが設けられる。つまり、特許文献1に記載された技術では、電力負荷設備の機器の制御パターンに休止時間が設けられることによって、電力負荷設備の機器の制御パターンに休止時間が設けられない場合よりも、大きい電力削減効果が得られる。
詳細には、特許文献1の図4に記載された技術では、電力負荷設備の機器の運転時間中の電力使用量と電力負荷設備の機器の休止時間中の電力使用量との差が電力削減量として算出されている。
【0003】
ところで、電力負荷設備の機器の運転時間中と電力負荷設備の機器の休止時間中とでは、電力負荷設備の機器の運転条件が同一であるとは限らない。そのため、電力負荷設備の機器の運転時間中の電力使用量と電力負荷設備の機器の休止時間中の電力使用量との差を電力削減量として算出する特許文献1に記載された技術によっては、電力削減制御が適用される電力負荷設備における電力削減量を正確に算出できないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-274852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した点に鑑み、本発明は、電力削減制御が適用される負荷設備における電力削減量を正確に算出することができる電力管理装置、電力管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、電力削減制御が適用される負荷設備において使用される電力を管理する電力管理装置であって、前記電力削減制御が適用されることによって前記負荷設備における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を取得する取得部と、前記取得部によって取得される前記電力削減率に基づいて、前記負荷設備における電力削減量を算出する演算部とを備える、電力管理装置である。
【0007】
本発明の一態様は、電力削減制御が適用される負荷設備において使用される電力を管理する電力管理装置の電力管理方法であって、前記電力削減制御が適用されることによって前記負荷設備における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得される前記電力削減率に基づいて、前記負荷設備における電力削減量を算出する演算ステップとを備える、電力管理方法である。
【0008】
本発明の一態様は、電力削減制御が適用される負荷設備において使用される電力を管理する電力管理装置を構成するコンピュータに、前記電力削減制御が適用されることによって前記負荷設備における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得される前記電力削減率に基づいて、前記負荷設備における電力削減量を算出する演算ステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電力削減制御が適用される負荷設備における電力削減量を正確に算出することができる電力管理装置、電力管理方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の電力管理システム1の一例を示す図である。
図2】第1実施形態の電力管理システム1の第2例における負荷設備13の電気機器13Aの電力削減率と時間帯との関係の一例を示す図である。
図3】第1実施形態の電力管理システム1の第3例において表示処理部11Dによって行われる処理の結果として表示される負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の全体における電力削減量などの一例を示す図である。
図4】表示処理部11Dによって行われる負荷設備13における電力削減量を一定期間分(例えば1年分)積算する処理などの一例を示す図である。
図5図4に示す表をグラフ化した表示データの一例を示す図である。
図6】第1実施形態の電力管理装置11において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図7】第2実施形態の電力管理システム1の一例を示す図である。
図8】第3実施形態の電力管理システム1の一例を示す図である。
図9】第3実施形態の電力管理システム1の電力管理装置11の表示処理部11Dによって行われる処理の結果として表示される負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、本発明の電力管理装置、電力管理方法およびプログラムの第1実施形態について説明する。
【0012】
図1は第1実施形態の電力管理システム1の一例を示す図である。
図1に示す例では、電力管理システム1が、電力管理装置11と、負荷制御装置12と、負荷設備13とを備えている。負荷設備13には、例えば照明機器などのような電気機器13Aと、例えば空調などのような電気機器13A-2と、例えばインバータ制御の対象機器など(例えばモータ等)のような電気機器13A-3と、電力使用量測定部として機能する分電盤13Bとが含まれる。
図1に示す例では、3種類の電気機器13A、13A-2、13A-3が負荷設備13に含まれるが、他の例では、3以外の任意の数の種類の電気機器が負荷設備13に含まれていてもよい。
【0013】
図1に示す例では、分電盤13Bは、電気機器13Aと、電気機器13A-2と、電気機器13A-3とに接続されている。分電盤13Bは、例えば特許第5605656号の段落0066に記載された技術と同様の技術を用いることによって、電力使用量測定部として機能し、電気機器13Aにおける電力使用量と、電気機器13A-2における電力使用量と、電気機器13A-3における電力使用量とを計測する。更に、分電盤13Bは、電気機器13Aにおける電力使用量を示す情報と、電気機器13A-2における電力使用量を示す情報と、電気機器13A-3における電力使用量を示す情報とを電力管理装置11に送信する。
図1に示す例では、電気機器13A、13A-2、13A-3における電力使用量を計測する手段として分電盤13Bが用いられるが、他の例では、電気機器13A、13A-2、13A-3における電力使用量を計測する手段として他の手段(例えばスマートメータ等)が用いられてもよい。
【0014】
図1に示す例では、負荷制御装置12が、負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の電力削減制御を実行する。負荷制御装置12は、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術「建物内の既設電力線で機器を制御する省エネシステム」を用いることによって、負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の電力削減制御を実行する。
https://www.kawamura.co.jp/news/20220407-02/
【0015】
他の例では、上述した技術「建物内の既設電力線で機器を制御する省エネシステム」とは異なる技術(例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術など)を用いることによって、負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の電力削減制御を実行してもよい。
https://www2.panasonic.biz/jp/lighting/control/lightcontrol/select/
https://www.daikinaircon.com/i-touchmanager/schedule/index.html
https://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/air/products/control/ae200j/advantage_01.html
https://www.hitachi-gls.co.jp/products/control/remote/multifunction.html
https://panasonic.biz/appliance/air/control/paims/function.html
https://www.hitachi-ies.co.jp/environment/introduction/inv.htm
https://www.inverter.co.jp/enesave/calc.asp
https://www2.panasonic.biz/jp/air/eng/agri/animal/smartfan/inverter.html
【0016】
図1に示す例では、負荷制御装置12が、電力削減制御によって負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を示す情報を電力管理装置11に送信する。
電力管理装置11は、電力削減制御が適用される負荷設備13において使用される電力を管理する。電力管理装置11は、取得部11Aと、記憶部11Bと、演算部11Cと、表示処理部11Dとを備えている。
取得部11Aは、負荷制御装置12から送信された情報が示す電力削減制御によって負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を取得する。つまり、取得部11Aは、電力削減制御が適用されることによって負荷設備13における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を取得する。
また、取得部11Aは、負荷設備13の分電盤13Bから送信された情報が示す電気機器13Aにおける電力使用量と、電気機器13A-2における電力使用量と、電気機器13A-3における電力使用量とを取得する。
【0017】
記憶部11Bは、取得部11Aによって取得された情報を記憶する。
つまり、記憶部11Bは、電力削減制御によって電気機器13Aにおける電力使用量が削減される割合を示す電力削減率(電気機器13Aの電力削減率)と、電力削減制御によって電気機器13A-2における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率(電気機器13A-2の電力削減率)と、電力削減制御によって電気機器13A-3における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率(電気機器13A-3の電力削減率)とを記憶する。
また、記憶部11Bは、電気機器13Aにおける電力使用量と、電気機器13A-2における電力使用量と、電気機器13A-3における電力使用量とを記憶する。更に、記憶部11Bは、後述する(1)式を記憶する。
【0018】
演算部11Cは、取得部11Aによって取得される電力削減率などに基づいて、負荷設備13における電力削減量を算出する。
詳細には、第1実施形態の電力管理システム1の第1例では、演算部11Cが、取得部11Aによって取得された負荷設備13の電気機器13Aの電力削減率25%と、取得部11Aによって取得された負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量15Wと、下記の(1)式とに基づいて、負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量5W(=15W/(1-0.25)-15W)を算出する。
電力削減量=電力使用量/(1-電力削減率)-電力使用量 (1)
【0019】
演算部11Cは、取得部11Aによって取得された負荷設備13の電気機器13A-2の電力削減率20%と、取得部11Aによって取得された負荷設備13の電気機器13A-2における電力使用量60Wと、上記の(1)式とに基づいて、負荷設備13の電気機器13A-2における電力削減量15W(=60W/(1-0.20)-60W)を算出する。
また、演算部11Cは、取得部11Aによって取得された負荷設備13の電気機器13A-3の電力削減率0%と、取得部11Aによって取得された負荷設備13の電気機器13A-3における電力使用量100Wと、上記の(1)式とに基づいて、負荷設備13の電気機器13A-3における電力削減量0W(=100W/(1-0.00)-100W)を算出する。
更に、演算部11Cは、負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量5Wと、負荷設備13の電気機器13A-2における電力削減量15Wと、負荷設備13の電気機器13A-3における電力削減量0Wとを加算することによって、負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の全体における電力削減量20W(=5W+15W+0W)を算出する。
【0020】
上述した第1実施形態の電力管理システム1の第1例では、演算部11Cが、負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の全体における電力削減量20W(=5W+15W+0W)を算出するが、他の例では、演算部11Cが、負荷設備13の電気機器13A-3における電力削減量0Wを算出することなく、負荷設備13の電気機器13A、13A-2における電力削減量20W(=5W+15W)を算出してもよい。
【0021】
図1に示す例では、表示処理部11Dが、電力削減制御が適用されることによる負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3における電力削減量などを表示するための処理を行う。具体的には、表示処理部11Dは、例えば、電力削減制御が適用されることによる負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3における電力削減量などの表示データの生成などを行う。
また、表示処理部11Dは、演算部11Cによって算出される負荷設備13における電力削減量(=電力使用量/(1-電力削減率)-電力使用量)を一定期間分(例えば1年分)積算する処理を行う。更に、表示処理部11Dは、積算された一定期間単位(例えば1年単位)の負荷設備13における電力削減量を表示するための処理(例えば表示データの生成など)を行う。
【0022】
上述した第1実施形態の電力管理システム1の第1例では、演算部11Cが、ある特定の時刻(例えば14時など)の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の電力削減率に基づいて、その時刻における負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の電力削減量を算出するが、第1実施形態の電力管理システム1の第2例では、演算部11Cが、時間帯に応じて変動する負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の電力削減率に基づいて、各時間帯における負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の電力削減量を算出してもよい。
【0023】
図2は第1実施形態の電力管理システム1の第2例における負荷設備13の電気機器13Aの電力削減率と時間帯との関係の一例を示す図である。
図2に示す例では、5時~7時の時間帯における負荷設備13の電気機器13Aの電力削減率が25%である。また、5時~7時の時間帯における負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量が15Wである。その結果、演算部11Cは、5時~7時の時間帯における負荷設備13の電気機器13Aの電力削減量5W(=15W/(1-0.25)-15W)を算出する。
7時~10時の時間帯および15時~17時の時間帯における負荷設備13の電気機器13Aの電力削減率が50%である。また、7時~10時の時間帯および15時~17時の時間帯における負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量が10Wである。その結果、演算部11Cは、7時~10時の時間帯および15時~17時の時間帯における負荷設備13の電気機器13Aの電力削減量10W(=10W/(1-0.50)-10W)を算出する。
10時~15時の時間帯における負荷設備13の電気機器13Aの電力削減率が75%である。また、10時~15時の時間帯における負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量が5Wである。その結果、演算部11Cは、10時~15時の時間帯における負荷設備13の電気機器13Aの電力削減量15W(=5W/(1-0.75)-5W)を算出する。
【0024】
図3は第1実施形態の電力管理システム1の第3例において表示処理部11Dによって行われる処理の結果として表示される負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の全体における電力削減量などの一例を示す図である。
図3に示す例では、取得部11Aが、5時~7時の時間帯における負荷設備13の電気機器13Aの電力削減率25%、デマンド逼迫時における負荷設備13の電気機器13A-2の電力削減率50%、負荷設備13の電気機器13A-3の電力削減率0%等を取得する。また、取得部11Aは、負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3における電力使用量を取得する。
更に、演算部11Cは、取得部11Aによって取得された負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の電力削減率と、負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3における電力使用量と、記憶部11Bに記憶されている(1)式とに基づいて、負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の全体における電力削減量を算出する。
【0025】
詳細には、図3に示す例では、表示処理部11Dが、取得部11Aによって取得された0時~1時の時間帯における負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の全体における電力使用量と、演算部11Cによって算出された0時~1時の時間帯における負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の全体における電力削減量とを、図3に示すように表示するための処理を行う。
同様に、表示処理部11Dは、1時~2時の時間帯、2時~3時の時間帯、3時~4時の時間帯、4時~5時の時間帯、5時~6時の時間帯、6時~7時の時間帯、7時~8時の時間帯、8時~9時の時間帯、9時~10時の時間帯、10時~11時の時間帯、11時~12時の時間帯、12時~13時の時間帯、13時~14時の時間帯、14時~15時の時間帯、15時~16時の時間帯、16時~17時の時間帯、17時~18時の時間帯、18時~19時の時間帯、19時~20時の時間帯、20時~21時の時間帯、21時~22時の時間帯、22時~23時の時間帯および23時~24時の時間帯のそれぞれにおける負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の全体の電力使用量と電力削減量とを、図3に示すように表示するための処理を行う。
図3に示す電力削減量は省エネ効果に相当する。
【0026】
図4は表示処理部11Dによって行われる負荷設備13における電力削減量を一定期間分(例えば1年分)積算する処理などの一例を示す図である。図5図4に示す表をグラフ化した表示データの一例を示す図である。
図4および図5に示す例では、表示処理部11Dが、演算部11Cによって算出される負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の全体における各月の電力削減量(=電力使用量/(1-電力削減率)-電力使用量)を1年分積算する処理を行う。
具体的には、表示処理部11Dは、演算部11Cによって算出される負荷設備13における1月分の電力削減量2kWhと、負荷設備13における2月分の電力削減量2kWhと、負荷設備13における3月分の電力削減量2kWhと、負荷設備13における4月分の電力削減量1.5kWhと、負荷設備13における5月分の電力削減量1.5kWhと、負荷設備13における6月分の電力削減量2kWhと、負荷設備13における7月分の電力削減量3kWhと、負荷設備13における8月分の電力削減量3.5kWhと、負荷設備13における9月分の電力削減量3kWhと、負荷設備13における10月分の電力削減量3kWhと、負荷設備13における11月分の電力削減量1.5kWhと、負荷設備13における12月分の電力削減量2kWhとを加算(積算)することによって、負荷設備13における1年分の電力削減量27kWhを算出する。
【0027】
また、図4および図5に示す例では、表示処理部11Dが、分電盤13Bによって計測される負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量(瞬時値[W])と、分電盤13Bによって計測される負荷設備13の電気機器13A-2における電力使用量(瞬時値[W])と、分電盤13Bによって計測される負荷設備13の電気機器13A-3における電力使用量(瞬時値[W])とから、1か月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値[Wh])を算出する。
具体的には、表示処理部11Dは、分電盤13Bによって計測される負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量(瞬時値[W])と、分電盤13Bによって計測される負荷設備13の電気機器13A-2における電力使用量(瞬時値[W])と、分電盤13Bによって計測される負荷設備13の電気機器13A-3における電力使用量(瞬時値[W])とから、1月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値)7[Wh]と、2月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値)8[Wh]と、3月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値)7[Wh]と、4月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値)6[Wh]と、5月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値)5[Wh]と、6月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値)5[Wh]と、7月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値)7[Wh]と、8月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値)10[Wh]と、9月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値)10[Wh]と、10月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値)8[Wh]と、11月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値)6[Wh]と、12月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値)7[Wh]とを算出し、それらを加算(積算)することによって1年分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の合計の電力使用量(積算値)86[Wh]を算出する。
【0028】
図6は第1実施形態の電力管理装置11において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図6に示す例では、ステップS11において、取得部11Aが、負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の電力削減率を取得する。また、取得部11Aは、負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3における電力使用量を取得する。
ステップS12では、演算部11Cが、ステップS11において取得された負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の電力削減率と、ステップS11において取得された負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3における電力使用量と、図示しないステップにおいて記憶部11Bに記憶された(1)式とに基づいて、負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の全体における電力削減量を算出する。
ステップS13では、表示処理部11Dが、ステップS11において取得された負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3(の全体)における電力使用量と、ステップS12において算出された負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の全体における電力削減量とを表示するための処理を行う。
【0029】
上述したように第1実施形態の電力管理システム1では、負荷設備13の電気機器13A、13A-2、13A-3の全体における電力削減量が、特許文献1のように電気機器の運転条件が異なる時間帯の電力使用量を比較することなく算出されるため、電力削減制御が適用される負荷設備13における電力削減量を正確に算出することができる。
更に、第1実施形態の電力管理システム1では、図3および図5に示すような電力削減制御を適用することによる省エネ効果を表示可能であるため、負荷設備13の所有者・運営者などである事業者の満足度を向上させることができる。
【0030】
<第2実施形態>
以下、本発明の電力管理装置、電力管理方法およびプログラムの第2実施形態について説明する。
第2実施形態の電力管理システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の電力管理システム1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の電力管理システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の電力管理システム1と同様の効果を奏することができる。
【0031】
図7は第2実施形態の電力管理システム1の一例を示す図である。
図7に示す例では、電力管理システム1が、電力管理装置11と、負荷制御装置12と、負荷設備13とを備えている。負荷設備13には、例えば照明機器などのような電気機器13Aと、例えば空調などのような電気機器13A-2と、電力使用量測定部として機能する分電盤13Bとが含まれる。
図7に示す例では、2種類の電気機器13A、13A-2が負荷設備13に含まれるが、他の例では、2以外の任意の数の種類の電気機器が負荷設備13に含まれていてもよい。
【0032】
図7に示す例では、分電盤13Bは、電気機器13Aと、電気機器13A-2とに接続されている。分電盤13Bは、図1に示す分電盤13Bと同様に電力使用量測定部として機能し、電気機器13Aにおける電力使用量と、電気機器13A-2における電力使用量とを計測する。更に、分電盤13Bは、電気機器13Aにおける電力使用量を示す情報と、電気機器13A-2における電力使用量を示す情報とを電力管理装置11に送信する。
図7に示す例では、電気機器13A、13A-2における電力使用量を計測する手段として分電盤13Bが用いられるが、他の例では、電気機器13A、13A-2における電力使用量を計測する手段として他の手段(例えばスマートメータ等)が用いられてもよい。
【0033】
図7に示す例では、負荷制御装置12が、負荷設備13の電気機器13A、13A-2の電力削減制御を実行する。負荷制御装置12は、例えば上述した技術「建物内の既設電力線で機器を制御する省エネシステム」を用いることによって、負荷設備13の電気機器13A、13A-2の電力削減制御を実行する。
他の例では、上述した技術「建物内の既設電力線で機器を制御する省エネシステム」とは異なる技術を用いることによって、負荷設備13の電気機器13A、13A-2の電力削減制御を実行してもよい。
【0034】
図7に示す例では、負荷制御装置12が、電力削減制御によって負荷設備13の電気機器13A、13A-2における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を示す情報を電力管理装置11に送信する。
電力管理装置11は、電力削減制御が適用される負荷設備13において使用される電力を管理する。電力管理装置11は、取得部11Aと、記憶部11Bと、演算部11Cと、表示処理部11Dとを備えている。
取得部11Aは、負荷制御装置12から送信された情報が示す電力削減制御によって負荷設備13の電気機器13A、13A-2における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を取得する。
また、取得部11Aは、例えば負荷設備13の所有者・運営者などによって電力管理装置11に入力される電気機器13Aの定格電力と電気機器13A-2の定格電力とを取得する。
更に、取得部11Aは、負荷設備13の分電盤13Bから送信された情報が示す電気機器13Aにおける電力使用量と、電気機器13A-2における電力使用量とを取得する。
図7に示す例では、後述するように、表示処理部11Dが、電力削減制御が適用されることによる負荷設備13の電気機器13A、13A-2における電力削減量などを表示するための処理(詳細には、図3および図5に示すような電力使用量と電力削減量とを比較表示するための処理)を行うため、取得部11Aが電力使用量を取得する。
一方、電力使用量と電力削減量とを比較表示しない他の例では、分電盤13Bが電力使用量測定部としての機能を有さなくてもよく、取得部11Aが電力使用量を取得しなくてもよい。この例では、取得部11Aが電力管理システム1に予め入力された定格電力を取得することにより、分電盤13Bが電力使用量を実測する必要なく、電力削減量を算出することができる。
【0035】
図7に示す例では、記憶部11Bは、取得部11Aによって取得された情報を記憶する。
つまり、記憶部11Bは、電力削減制御によって電気機器13Aにおける電力使用量が削減される割合を示す電力削減率(電気機器13Aの電力削減率)と、電力削減制御によって電気機器13A-2における電力使用量が削減される割合を示す電力削減率(電気機器13A-2の電力削減率)とを記憶する。
また、記憶部11Bは、電気機器13Aの定格電力と、電気機器13A-2の定格電力を記憶する。更に、記憶部11Bは、後述する(2)式を記憶する。また、記憶部11Bは、電気機器13Aにおける電力使用量と、電気機器13A-2における電力使用量とを記憶する。
【0036】
演算部11Cは、取得部11Aによって取得される電力削減率などに基づいて、負荷設備13における電力削減量を算出する。
詳細には、第2実施形態の電力管理システム1の一例では、演算部11Cが、取得部11Aによって取得された負荷設備13の電気機器13Aの電力削減率25%と、取得部11Aによって取得された負荷設備13の電気機器13Aの定格電力20Wと、下記の(2)式とに基づいて、負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量5W(=20W×0.25)を算出する。
電力削減量=定格電力×電力削減率 (2)
【0037】
演算部11Cは、取得部11Aによって取得された負荷設備13の電気機器13A-2の電力削減率20%と、取得部11Aによって取得された負荷設備13の電気機器13A-2の定格電力75Wと、上記の(2)式とに基づいて、負荷設備13の電気機器13A-2における電力削減量15W(=75W×0.20)を算出する。
更に、演算部11Cは、負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量5Wと、負荷設備13の電気機器13A-2における電力削減量15Wとを加算することによって、負荷設備13の電気機器13A、13A-2の全体における電力削減量20W(=5W+15W)を算出する。
分電盤13Bが電力使用量測定部としての機能を有さない他の例では、演算部11Cが、電気使用量として、「定格電力×(1-電力削減率)」もしくは「定格電力-電力削減量」を簡易的に算出してもよい。この例では、分電盤13Bが電力使用量を実測する必要なく、電気使用量の概算値を簡易的に算出することができる。
【0038】
図7に示す例では、表示処理部11Dが、電力削減制御が適用されることによる負荷設備13の電気機器13A、13A-2における電力削減量などを表示するための処理を行う。具体的には、表示処理部11Dは、例えば、電力削減制御が適用されることによる負荷設備13の電気機器13A、13A-2における電力削減量などの表示データの生成などを行う。
また、表示処理部11Dは、演算部11Cによって算出される負荷設備13における電力削減量(=定格電力×電力削減率)を一定期間分(例えば1年分)積算する処理を行う。更に、表示処理部11Dは、積算された一定期間単位(例えば1年単位)の負荷設備13における電力削減量を表示するための処理(例えば表示データの生成など)を行う。
【0039】
第2実施形態の電力管理システム1の一例では、図3に示す例と同様に、負荷設備13の電気機器13A、13A-2の全体における電力削減量などが、表示処理部11Dによって行われる処理の結果として表示される。
【0040】
詳細には、図3に示す例と同様に、表示処理部11Dが、取得部11Aによって取得された0時~1時の時間帯における負荷設備13の電気機器13A、13A-2の全体における電力使用量と、演算部11Cによって算出された0時~1時の時間帯における負荷設備13の電気機器13A、13A-2の全体における電力削減量とを表示するための処理を行う。
同様に、表示処理部11Dは、1時~2時の時間帯、2時~3時の時間帯、3時~4時の時間帯、4時~5時の時間帯、5時~6時の時間帯、6時~7時の時間帯、7時~8時の時間帯、8時~9時の時間帯、9時~10時の時間帯、10時~11時の時間帯、11時~12時の時間帯、12時~13時の時間帯、13時~14時の時間帯、14時~15時の時間帯、15時~16時の時間帯、16時~17時の時間帯、17時~18時の時間帯、18時~19時の時間帯、19時~20時の時間帯、20時~21時の時間帯、21時~22時の時間帯、22時~23時の時間帯および23時~24時の時間帯のそれぞれにおける負荷設備13の電気機器13A、13A-2の全体の電力使用量と電力削減量とを表示するための処理を行う。
【0041】
また、第2実施形態の電力管理システム1の一例では、図4および図5に示す例と同様に、表示処理部11Dが、演算部11Cによって算出される負荷設備13の電気機器13A、13A-2の全体における各月の電力削減量(=定格電力×電力削減率)を1年分積算する処理を行う。
更に、表示処理部11Dは、分電盤13Bによって計測される負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量(瞬時値[W])と、分電盤13Bによって計測される負荷設備13の電気機器13A-2における電力使用量(瞬時値[W])とから、1か月分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2の合計の電力使用量(積算値[Wh])を算出する。
また、表示処理部11Dは、1月分~12月分のそれぞれの負荷設備13の電気機器13A、13A-2の合計の電力使用量(積算値)[Wh]を算出し、それらを加算(積算)することによって1年分の負荷設備13の電気機器13A、13A-2の合計の電力使用量(積算値)[Wh]を算出する。
【0042】
第2実施形態の電力管理装置11では、第1実施形態の電力管理装置11において実行される図6に示す処理と同様の処理が実行される。
具体的には、ステップS11において、取得部11Aが、負荷設備13の電気機器13A、13A-2の電力削減率を取得する。また、取得部11Aは、負荷設備13の電気機器13A、13A-2の定格電力を取得する。更に、取得部11Aは、負荷設備13の電気機器13A、13A-2における電力使用量を取得する。
ステップS12では、演算部11Cが、ステップS11において取得された負荷設備13の電気機器13A、13A-2の電力削減率と、ステップS11において取得された負荷設備13の電気機器13A、13A-2の定格電力と、図示しないステップにおいて記憶部11Bに記憶された(2)式とに基づいて、負荷設備13の電気機器13A、13A-2の全体における電力削減量を算出する。
ステップS13では、表示処理部11Dが、ステップS11において取得された負荷設備13の電気機器13A、13A-2(の全体)における電力使用量と、ステップS12において算出された負荷設備13の電気機器13A、13A-2の全体における電力削減量とを表示するための処理を行う。
【0043】
上述したように第2実施形態の電力管理システム1では、負荷設備13の電気機器13A、13A-2の全体における電力削減量が、特許文献1のように電気機器の運転条件が異なる時間帯の電力使用量を比較することなく算出されるため、電力削減制御が適用される負荷設備13における電力削減量を正確に算出することができる。
更に、第2実施形態の電力管理システム1では、図3および図5に示す例と同様に電力削減制御を適用することによる省エネ効果を表示可能であるため、負荷設備13の所有者・運営者などである事業者の満足度を向上させることができる。
【0044】
<第3実施形態>
以下、本発明の電力管理装置、電力管理方法およびプログラムの第3実施形態について説明する。
第3実施形態の電力管理システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の電力管理システム1と同様に構成されている。従って、第3実施形態の電力管理システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の電力管理システム1と同様の効果を奏することができる。
【0045】
図8は第3実施形態の電力管理システム1の一例を示す図である。
図8に示す例では、電力管理システム1が、電力管理装置11と、負荷制御装置12と、負荷設備13とを備えている。負荷設備13には、照明機器である電気機器13Aと、電力使用量測定部として機能する分電盤13Bとが含まれる。電気機器13Aは、省エネ機器(例えばLED照明機器)である。
図8に示す例では、1種類の電気機器13Aが負荷設備13に含まれるが、他の例では、1以外の任意の数の種類の電気機器が負荷設備13に含まれていてもよい。
【0046】
図8に示す例では、分電盤13Bは、省エネ機器(例えばLED照明機器)である電気機器13Aに接続されている。分電盤13Bは、図1に示す分電盤13Bと同様に電力使用量測定部として機能し、省エネ機器(例えばLED照明機器)である電気機器13Aにおける電力使用量を計測する。更に、分電盤13Bは、省エネ機器(例えばLED照明機器)である電気機器13Aにおける電力使用量を示す情報を電力管理装置11に送信する。
図8に示す例では、電気機器13Aにおける電力使用量を計測する手段として分電盤13Bが用いられるが、他の例では、電気機器13Aにおける電力使用量を計測する手段として他の手段(例えばスマートメータ等)が用いられてもよい。
【0047】
図8に示す例では、負荷制御装置12が、負荷設備13の電気機器13Aの電力削減制御を実行する。負荷制御装置12は、例えば上述した技術「建物内の既設電力線で機器を制御する省エネシステム」を用いることによって、負荷設備13の電気機器13Aの電力削減制御を実行する。
他の例では、上述した技術「建物内の既設電力線で機器を制御する省エネシステム」とは異なる技術を用いることによって、負荷設備13の電気機器13Aの電力削減制御を実行してもよい。
【0048】
図8に示す例では、負荷制御装置12が、電力削減制御によって負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を示す情報を電力管理装置11に送信する。
電力管理装置11は、電力削減制御が適用される負荷設備13において使用される電力を管理する。電力管理装置11は、取得部11Aと、記憶部11Bと、演算部11Cと、表示処理部11Dとを備えている。
取得部11Aは、負荷制御装置12から送信された情報が示す電力削減制御によって負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量が削減される割合を示す電力削減率を取得する。
また、取得部11Aは、負荷設備13の分電盤13Bから送信された情報が示す省エネ機器(例えばLED照明機器)である電気機器13Aにおける電力使用量を取得する。
他の例では、取得部11Aが、例えば負荷設備13の所有者・運営者などによって電力管理装置11に入力される電気機器13Aの定格電力を取得してもよい。
【0049】
図8に示す例では、取得部11Aが、省エネ機器(例えばLED照明機器)である電気機器13Aの代わりに負荷設備13に導入され得る非省エネ機器(例えば蛍光灯)の基準消費電力を取得する。非省エネ機器(例えば蛍光灯)の基準消費電力は、非省エネ機器(例えば蛍光灯)が、省エネ機器(例えばLED照明機器)である電気機器13Aと同一条件で使用される場合の非省エネ機器(例えば蛍光灯)における電力使用量に相当するものである。
非省エネ機器(例えば蛍光灯)の基準消費電力は、例えば下記のURLが示すwebサイトの記載などを参考にすることによって、例えば負荷設備13の所有者・運営者などによって電力管理装置11に入力される。
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/akari/build/
【0050】
記憶部11Bは、取得部11Aによって取得された情報を記憶する。
つまり、記憶部11Bは、電力削減制御によって電気機器13Aにおける電力使用量が削減される割合を示す電力削減率(電気機器13Aの電力削減率)を記憶する。
また、記憶部11Bは、省エネ機器(例えばLED照明機器)である電気機器13Aにおける電力使用量と、非省エネ機器(例えば蛍光灯)の基準消費電力とを記憶する。更に、記憶部11Bは、上述した(1)式を記憶する。
他の例では、記憶部11Bが、電気機器13Aの定格電力を記憶し、上述した(2)式を記憶してもよい。
【0051】
演算部11Cは、取得部11Aによって取得される電力削減率などに基づいて、負荷設備13における電力削減量を算出する。
詳細には、図8に示す例では、第1実施形態の電力管理システム1の第1例と同様に、演算部11Cが、取得部11Aによって取得された負荷設備13の電気機器13Aの電力削減率と、取得部11Aによって取得された負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量と、上述した(1)式とに基づいて、負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量(=電力使用量/(1-電力削減率)-電力使用量)を算出する。
【0052】
更に、図8に示す例では、演算部11Cが、取得部11Aによって取得される省エネ機器(例えばLED照明機器)である電気機器13Aの電力使用量と、非省エネ機器(例えば蛍光灯)の基準消費電力とに基づいて、負荷設備13における省エネ機器の導入による電力削減量を算出する。
具体的には、演算部11Cは、負荷設備13における省エネ機器の導入による電力削減量として、非省エネ機器(例えば蛍光灯)の基準消費電力から、省エネ機器(例えばLED照明機器)である電気機器13Aの電力使用量を減じたものを算出する。
演算部11Cによって算出される「負荷設備13における省エネ機器の導入による電力削減量」は、「省エネ機器の導入による省エネ効果」に相当する。
【0053】
図8に示す例では、演算部11Cが、負荷設備13の電気機器13Aの電力削減率と、負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量と、(1)式とに基づいて、負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量(=電力使用量/(1-電力削減率)-電力使用量)を算出するが、他の例では、演算部11Cが、負荷設備13の電気機器13Aの電力削減率と、負荷設備13の電気機器13Aの定格電力と、上述した(2)式とに基づいて、負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量(=定格電力×電力削減率)を算出してもよい。
【0054】
図8に示す例では、表示処理部11Dが、電力削減制御が適用されること、および、省エネ機器の導入による負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量などを表示するための処理を行う。具体的には、表示処理部11Dは、例えば、電力削減制御が適用されること、および、省エネ機器の導入による負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量などの表示データの生成などを行う。
また、表示処理部11Dは、電力削減制御が適用されることによる負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量(=電力使用量/(1-電力削減率)-電力使用量)、および、省エネ機器の導入による負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量を一定期間分(例えば1年分)積算する処理を行う。更に、表示処理部11Dは、積算された一定期間単位(例えば1年単位)の負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量を表示するための処理(例えば表示データの生成など)を行う。
【0055】
図9は第3実施形態の電力管理システム1の電力管理装置11の表示処理部11Dによって行われる処理の結果として表示される負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量の一例を示す図である。
図9に示す例では、表示処理部11Dが、取得部11Aによって取得された5時~6時の時間帯における負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量と、演算部11Cによって算出された5時~6時の時間帯における電力削減制御が適用されることによる負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量と、演算部11Cによって算出された5時~6時の時間帯における省エネ機器の導入による負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量とを、図9に示すように表示するための処理を行う。
同様に、表示処理部11Dは、6時~7時の時間帯、7時~8時の時間帯、8時~9時の時間帯、9時~10時の時間帯、10時~11時の時間帯、11時~12時の時間帯、12時~13時の時間帯、13時~14時の時間帯、14時~15時の時間帯、15時~16時の時間帯、16時~17時の時間帯、17時~18時の時間帯、18時~19時の時間帯、19時~20時の時間帯、20時~21時の時間帯および21時~22時の時間帯のそれぞれにおける負荷設備13の電気機器13Aの電力使用量と電力削減制御が適用されることによる電力削減量と省エネ機器の導入による電力削減量とを、図9に示すように表示するための処理を行う。
図9に示す電力削減制御が適用されることによる電力削減量と省エネ機器の導入による電力削減量とは省エネ効果に相当する。
【0056】
例えば下記のURLが示すwebサイトに記載されたZEB判定では、照明を消費電力の小さいものに変更したり、電力削減制御を導入したりすることにより、基準仕様と比較してどれだけ省エネ効果が得られるかが判定される。
省エネ効果を示したい負荷設備13の所有者・運営者などは、図9に示すようなグラフを表示することによって、どれだけ省エネできているかを示すことができる。
https://www.env.go.jp/earth/zeb/detail/01.html
【0057】
第3実施形態の電力管理装置11では、第1実施形態の電力管理装置11において実行される図6に示す処理と同様の処理が実行される。
具体的には、ステップS11において、取得部11Aが、負荷設備13の電気機器13Aの電力削減率を取得する。また、取得部11Aは、負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量を取得する。更に、取得部11Aは、省エネ機器(例えばLED照明機器)である電気機器13Aの代わりに負荷設備13に導入され得る非省エネ機器(例えば蛍光灯)の基準消費電力を取得する。
ステップS12では、演算部11Cが、ステップS11において取得された負荷設備13の電気機器13Aの電力削減率と、ステップS11において取得された負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量と、図示しないステップにおいて記憶部11Bに記憶された(1)式とに基づいて、電力削減制御が適用されることによる負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量を算出する。また、演算部11Cは、ステップS11において取得された省エネ機器(例えばLED照明機器)である電気機器13Aの電力使用量と、非省エネ機器(例えば蛍光灯)の基準消費電力とに基づいて、負荷設備13における省エネ機器の導入による電力削減量を算出する。
ステップS13では、表示処理部11Dが、ステップS11において取得された負荷設備13の電気機器13Aにおける電力使用量と、ステップS12において算出された電力削減制御が適用されることによる負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量と、負荷設備13における省エネ機器の導入による電力削減量とを表示するための処理を行う。
【0058】
上述したように第3実施形態の電力管理システム1では、負荷設備13の電気機器13Aにおける電力削減量が、特許文献1のように電気機器の運転条件が異なる時間帯の電力使用量を比較することなく算出されるため、電力削減制御が適用される負荷設備13における電力削減量を正確に算出することができる。
更に、第3実施形態の電力管理システム1では、図9に示すように電力削減制御を適用することによる省エネ効果と、省エネ機器の導入による省エネ効果とを表示可能であるため、負荷設備13の所有者・運営者などである事業者の満足度を向上させることができる。
【0059】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を組み合わせてもよい。
【0060】
なお、上述した実施形態における電力管理システム1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0061】
1…電力管理システム、11…電力管理装置、11A…取得部、11B…記憶部、11C…演算部、11D…表示処理部、12…負荷制御装置、13…負荷設備、13A…電気機器、13A-2…電気機器、13A-3…電気機器、13B…分電盤
図1
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図9