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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035905
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240308BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240308BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
G06F3/12 353
G06F3/12 305
G06F3/12 373
G06F3/12 344
B41J29/38 204
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140522
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】杉山 裕香
(72)【発明者】
【氏名】山崎 尚人
(72)【発明者】
【氏名】児玉 真里
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 公彦
(72)【発明者】
【氏名】劉 博
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CQ24
2C061CQ36
2C061HJ10
2C061HK07
2C061HK11
2C061HN19
2C061HN20
(57)【要約】
【課題】印刷作業において、印刷依頼の段階で定められた条件を満たす用紙の候補のすべてから用紙を作業者に選択させる場合と比べて、作業者に用紙を選択させる際の効率を向上させる。
【解決手段】情報処理システムを構成する管理サーバ10は、制御部11を備え、制御部11では、情報取得部101が、過去に受信した印刷依頼の情報である過去印刷依頼情報と、過去印刷依頼情報に基づき印刷装置が実行した印刷の履歴に関する印刷履歴情報と、新たに受信した印刷依頼の情報である新規印刷依頼情報とを取得し、候補抽出部104が、過去印刷依頼情報と、印刷履歴情報に含まれる印刷に使用された用紙の情報と、新規印刷依頼情報から特定される印刷媒体として使用し得る用紙の属性とに基づいて、新規印刷依頼情報に対応する印刷に使用する用紙の候補を抽出する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
過去に受信した印刷依頼の情報である過去印刷依頼情報と、当該過去印刷依頼情報に基づき印刷装置が実行した印刷の履歴に関する履歴情報と、新たに受信した印刷依頼の情報である新規印刷依頼情報とを取得し、
前記過去印刷依頼情報と、前記履歴情報に含まれる印刷に使用された用紙の情報と、前記新規印刷依頼情報から特定される印刷媒体として使用し得る用紙の属性とに基づいて、当該新規印刷依頼情報に対応する印刷に使用する用紙の候補を提示することを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、前記過去印刷依頼情報から特定される過去に受信した印刷依頼の依頼者と、前記履歴情報から特定される当該印刷依頼に基づき前記印刷装置が実行した印刷に使用された用紙の情報との組み合わせと、前記新規印刷依頼情報から特定される新たに受信した印刷依頼の受信者と当該印刷に使用し得る用紙の属性との組み合わせとに基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記用紙の属性は、当該用紙のサイズ、坪量、および質感のうち1または複数の情報を含むことを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、前記新規印刷依頼情報から特定される、前記印刷にかかる複数の要素に基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記1または複数のプロセッサは、前記複数の要素として、前記印刷にかかる品質、コスト、および納期に基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、
前記履歴情報および前記新規印刷依頼情報に基づいて、前記印刷にかかる品質、コスト、および納期の重み付けを行い、
前記重み付けの結果に基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1または複数のプロセッサは、
前記新たに受信した印刷依頼の受信者が在庫として保有する前記用紙の在庫に関する情報である在庫情報をさらに取得し、
前記在庫情報から特定される前記用紙の種類または銘柄ごとの保有期間にさらに基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1または複数のプロセッサは、前記重み付けの結果が、前記複数の要素のうち前記コストを重視するものである場合、前記保有期間を短縮化させ、かつ、前記印刷依頼の依頼価格を抑制し得る前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記1または複数のプロセッサは、前記履歴情報から特定される前記過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した印刷装置の情報と、前記新規印刷依頼情報から特定される前記新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る印刷装置の属性とに基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した印刷装置の情報から特定される当該印刷装置の属性には、当該印刷で使用された用紙の銘柄ごとの仕様、価格、および印刷速度を含み、前記新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る印刷装置の属性には、当該印刷で使用できる用紙の銘柄ごとの仕様、価格、および印刷速度を含むことを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記1または複数のプロセッサは、前記重み付けの結果が前記複数の要素のうち納期を重視するものである場合、前記履歴情報から特定される前記過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した印刷装置の属性と、前記新規印刷依頼情報から特定される前記新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る印刷装置の属性および納期とに基づいて、当該納期に間に合わせることができる印刷装置の候補と当該印刷装置で印刷できる用紙の候補とを提示することを特徴とする、
請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記1または複数のプロセッサは、前記重み付けの結果が前記複数の要素のうち前記品質を重視するものである場合、前記履歴情報から特定される前記過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した印刷装置の属性と、前記新規印刷依頼情報から特定される新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る印刷装置の属性とに基づいて、予め定められた品質を満たす印刷結果が期待できる印刷装置の候補と、当該印刷装置で印刷できる用紙の候補とを提示することを特徴とする、
請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記1または複数のプロセッサは、前記新たに受信した印刷依頼の依頼者と当該印刷依頼に基づく印刷に使用し得る用紙の属性との組み合わせと、前記過去に受信した印刷依頼の依頼者と当該印刷依頼に基づく印刷に使用された用紙の属性との組み合わせとが似ている場合、対応する前記新規印刷依頼情報と前記履歴情報との前記要素の違いに基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記1または複数のプロセッサは、
前記要素の違いとして、前記印刷依頼に基づく印刷にかかる品質、コスト、および納期のうち1または複数の要素の違いに基づいて、当該品質、コスト、および納期の重み付けを行い、
前記重み付けの結果に基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記1または複数のプロセッサは、前記要素の違いとして、前記品質の違いに基づいて、前記重み付けを行うことを特徴とする、
請求項14に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記1または複数のプロセッサは、前記品質の違いとして、
前記新規印刷依頼情報から特定される、前記依頼者が要求する品質が、前記履歴情報から特定される品質を上回っている場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうち品質を重視した重み付けを行い、
前記新規印刷依頼情報から特定される、前記依頼者が要求する品質が、前記履歴情報から特定される品質を下回っている場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうちコストを重視した重み付けを行うことを特徴とする、
請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記1または複数のプロセッサは、前記要素の違いとして、前記コストの違いに基づいて、前記重み付けを行うことを特徴とする、
請求項14に記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記1または複数のプロセッサは、前記コストの違いとして、
前記新規印刷依頼情報から特定される依頼価格が、前記履歴情報から特定される依頼価格を上回っている場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうち品質を重視した重み付けを行い、
前記新規印刷依頼情報から特定される依頼価格が、前記履歴情報から特定される依頼価格を下回っている場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうちコストを重視した重み付けを行うことを特徴とする、
請求項17に記載の情報処理システム。
【請求項19】
前記1または複数のプロセッサは、前記要素の違いとして、前記納期の違いに基づいて、前記重み付けを行うことを特徴とする、
請求項14に記載の情報処理システム。
【請求項20】
前記1または複数のプロセッサは、前記納期の違いとして、
前記新規印刷依頼情報から特定される前記依頼者が要求する納期が、前記履歴情報から特定される納期よりも短い場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうち納期を重視した重み付けを行い、
前記新規印刷依頼情報から特定される前記依頼者が要求する納期が、前記履歴情報から特定される納期よりも長い場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうち品質を重視した重み付けを行うことを特徴とする、
請求項19に記載の情報処理システム。
【請求項21】
コンピュータに、
過去に受信した印刷依頼の情報である過去印刷依頼情報と、当該過去印刷依頼情報に基づき印刷装置が実行した印刷の履歴に関する履歴情報と、新たに受信した印刷依頼の情報である新規印刷依頼情報とを取得する機能と、
前記過去印刷依頼情報と、前記履歴情報に含まれる印刷に使用された用紙の情報と、前記新規印刷依頼情報から特定される印刷媒体として使用し得る用紙の属性とに基づいて、当該新規印刷依頼情報に対応する印刷に使用する用紙の候補を提示する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷の分野では、印刷に用いられる用紙の種類や型番ごとの性質やコストといった用紙に関する情報を参照し、用紙の種類や型番を印刷者に提案する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-244333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような技術では、条件を満たす用紙の候補の中から印刷に適した用紙を選択する作業を作業者が行う必要があるため、用紙の候補の数によっては作業者の負担が増えて非効率を招くことになる。さらに、用紙を選択する際、作業者の経験や能力に依存することがあるため、作業者によっては非効率を招くことになる。
【0005】
本発明の目的は、印刷作業において、印刷依頼の段階で定められた条件を満たす用紙の候補のすべてから用紙を作業者に選択させる場合と比べて、作業者に用紙を選択させる際の効率を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、過去に受信した印刷依頼の情報である過去印刷依頼情報と、当該過去印刷依頼情報に基づき印刷装置が実行した印刷の履歴に関する履歴情報と、新たに受信した印刷依頼の情報である新規印刷依頼情報とを取得し、前記過去印刷依頼情報と、前記履歴情報に含まれる印刷に使用された用紙の情報と、前記新規印刷依頼情報から特定される印刷媒体として使用し得る用紙の属性とに基づいて、当該新規印刷依頼情報に対応する印刷に使用する用紙の候補を提示することを特徴とする、情報処理システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記過去印刷依頼情報から特定される過去に受信した印刷依頼の依頼者と、前記履歴情報から特定される当該印刷依頼に基づき前記印刷装置が実行した印刷に使用された用紙の情報との組み合わせと、前記新規印刷依頼情報から特定される新たに受信した印刷依頼の受信者と当該印刷に使用し得る用紙の属性との組み合わせとに基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載された発明は、前記用紙の属性は、当該用紙のサイズ、坪量、および質感のうち1または複数の情報を含むことを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記新規印刷依頼情報から特定される、前記印刷にかかる複数の要素に基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記複数の要素として、前記印刷にかかる品質、コスト、および納期に基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記履歴情報および前記新規印刷依頼情報に基づいて、前記印刷にかかる品質、コスト、および納期の重み付けを行い、前記重み付けの結果に基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、請求項5に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記新たに受信した印刷依頼の受信者が在庫として保有する前記用紙の在庫に関する情報である在庫情報をさらに取得し、前記在庫情報から特定される前記用紙の種類または銘柄ごとの保有期間にさらに基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、請求項6に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記重み付けの結果が、前記複数の要素のうち前記コストを重視するものである場合、前記保有期間を短縮化させ、かつ、前記印刷依頼の依頼価格を抑制し得る前記用紙の候補を提示することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記履歴情報から特定される前記過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した印刷装置の情報と、前記新規印刷依頼情報から特定される前記新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る印刷装置の属性とに基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、請求項8に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載された発明は、前記過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した印刷装置の情報から特定される当該印刷装置の属性には、当該印刷で使用された用紙の銘柄ごとの仕様、価格、および印刷速度を含み、前記新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る印刷装置の属性には、当該印刷で使用できる用紙の銘柄ごとの仕様、価格、および印刷速度を含むことを特徴とする、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記重み付けの結果が前記複数の要素のうち納期を重視するものである場合、前記履歴情報から特定される前記過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した印刷装置の属性と、前記新規印刷依頼情報から特定される前記新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る印刷装置の属性および納期とに基づいて、当該納期に間に合わせることができる印刷装置の候補と当該印刷装置で印刷できる用紙の候補とを提示することを特徴とする、請求項10に記載の情報処理システムである。
請求項12に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記重み付けの結果が前記複数の要素のうち前記品質を重視するものである場合、前記履歴情報から特定される前記過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した印刷装置の属性と、前記新規印刷依頼情報から特定される新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る印刷装置の属性とに基づいて、予め定められた品質を満たす印刷結果が期待できる印刷装置の候補と、当該印刷装置で印刷できる用紙の候補とを提示することを特徴とする、請求項10に記載の情報処理システムである。
請求項13に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記新たに受信した印刷依頼の依頼者と当該印刷依頼に基づく印刷に使用し得る用紙の属性との組み合わせと、前記過去に受信した印刷依頼の依頼者と当該印刷依頼に基づく印刷に使用された用紙の属性との組み合わせとが似ている場合、対応する前記新規印刷依頼情報と前記履歴情報との前記要素の違いに基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、請求項12に記載の情報処理システムである。
請求項14に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記要素の違いとして、前記印刷依頼に基づく印刷にかかる品質、コスト、および納期のうち1または複数の要素の違いに基づいて、当該品質、コスト、および納期の重み付けを行い、前記重み付けの結果に基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、請求項13に記載の情報処理システムである。
請求項15に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記要素の違いとして、前記品質の違いに基づいて、前記重み付けを行うことを特徴とする、請求項14に記載の情報処理システムである。
請求項16に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記品質の違いとして、前記新規印刷依頼情報から特定される、前記依頼者が要求する品質が、前記履歴情報から特定される品質を上回っている場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうち品質を重視した重み付けを行い、前記新規印刷依頼情報から特定される、前記依頼者が要求する品質が、前記履歴情報から特定される品質を下回っている場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうちコストを重視した重み付けを行うことを特徴とする、請求項15に記載の情報処理システムである。
請求項17に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記要素の違いとして、前記コストの違いに基づいて、前記重み付けを行うことを特徴とする、請求項14に記載の情報処理システムである。
請求項18に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記コストの違いとして、前記新規印刷依頼情報から特定される依頼価格が、前記履歴情報から特定される依頼価格を上回っている場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうち品質を重視した重み付けを行い、前記新規印刷依頼情報から特定される依頼価格が、前記履歴情報から特定される依頼価格を下回っている場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうちコストを重視した重み付けを行うことを特徴とする、請求項17に記載の情報処理システムである。
請求項19に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記要素の違いとして、前記納期の違いに基づいて、前記重み付けを行うことを特徴とする、請求項14に記載の情報処理システムである。
請求項20に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記納期の違いとして、前記新規印刷依頼情報から特定される前記依頼者が要求する納期が、前記履歴情報から特定される納期よりも短い場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうち納期を重視した重み付けを行い、前記新規印刷依頼情報から特定される前記依頼者が要求する納期が、前記履歴情報から特定される納期よりも長い場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうち品質を重視した重み付けを行うことを特徴とする、請求項19に記載の情報処理システムである。
請求項21に記載された発明は、コンピュータに、過去に受信した印刷依頼の情報である過去印刷依頼情報と、当該過去印刷依頼情報に基づき印刷装置が実行した印刷の履歴に関する履歴情報と、新たに受信した印刷依頼の情報である新規印刷依頼情報とを取得する機能と、前記過去印刷依頼情報と、前記履歴情報に含まれる印刷に使用された用紙の情報と、前記新規印刷依頼情報から特定される印刷媒体として使用し得る用紙の属性とに基づいて、当該新規印刷依頼情報に対応する印刷に使用する用紙の候補を提示する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、印刷作業において、印刷依頼の段階で定められた条件を満たす用紙の候補のすべてから用紙を作業者に選択させる場合と比べて、作業者に用紙を選択させる際の効率を向上させる情報処理システムを提供できる。
請求項2の本発明によれば、過去の印刷依頼実績から得られる印刷依頼の依頼者をキーとする用紙の候補の提示が可能となる。
請求項3の本発明によれば、過去の印刷履歴から得られる用紙のサイズ、坪量、および質感をキーとする用紙の候補の提示が可能となる。
請求項4の本発明によれば、印刷にかかる複数の要素を参照することで、取引上の事情や、依頼者の意図を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項5の本発明によれば、印刷における取引上の事情や、依頼者の事情を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項6の本発明によれば、印刷にかかる要素としての品質、コスト、および納期の各々の重要性やバランスを考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項7の本発明によれば、印刷における取引上の事情、依頼者の事情、および受信者側の事情を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項8の本発明によれば、印刷にかかる複数の要素のうちコストを考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項9の本発明によれば、印刷装置の属性を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項10の本発明によれば、印刷装置の属性として、使用できる用紙の銘柄ごとの仕様、価格、および印刷速度を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項11の本発明によれば、印刷にかかる複数の要素のうち納期を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項12の本発明によれば、印刷にかかる複数の要素のうち品質を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項13の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、類似する履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項14の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうち1以上の要素が相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項15の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうち品質が相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項16の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうち品質が相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示として、依頼者から要求される品質に応じた用紙の候補の提示が可能となる。
請求項17の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうちコストが相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項18の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうちコストが相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示として、依頼者から要求される品質に応じた用紙の候補の提示が可能となる。
請求項19の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうち納期が相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示が可能となる。
請求項20の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうち納期が相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示として、依頼者から要求される納期に応じた用紙の候補の提示が可能となる。
請求項21の本発明によれば、印刷作業において、印刷依頼の段階で定められた条件を満たす用紙の候補のすべてから用紙を作業者に選択させる場合と比べて、作業者に用紙を選択させる際の効率を向上させるプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】管理サーバの制御部の機能構成の一例を示す図である。
図5】受信者端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図6】画像形成装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図7】管理サーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】受信者端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】画像形成装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】データベースに記憶されている過去印刷依頼情報の具体例を示す図である。
図11】データベースに記憶されている印刷履歴情報の具体例を示す図である。
図12】データベースに記憶されている装置属性情報の具体例を示す図である。
図13】データベースに記憶されている用紙在庫情報の具体例を示す図である。
図14】データベースに記憶されている新規印刷依頼情報の具体例を示す図である。
図15】重み付けの基準の具体例を示す図である。
図16】用紙候補情報の具体例を示す図である。
図17】印刷に使用する用紙の候補の抽出に用いられる、新規印刷依頼情報と印刷履歴情報との要素の同異のパターンを一覧化した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(情報処理システムの構成)
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、管理サーバ10と、受信者端末30と、画像形成装置50-1乃至50-n(nは2以上の整数値)との各々とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。なお、画像形成装置50-1乃至50-nの各々を個別に説明する必要がない場合、これらをまとめて画像形成装置50と呼ぶ。
【0010】
管理サーバ10は、情報処理システム1の全体の管理をするサーバとしての情報処理装置である。管理サーバ10は、受信者端末30が過去に受信した印刷依頼の情報(以下、「過去印刷依頼情報」と呼ぶ。)と、過去印刷依頼情報に基づき画像形成装置50が実行した印刷の履歴に関する情報(以下、「印刷履歴情報」と呼ぶ。)とを取得する。また、管理サーバ10は、受信者端末30が新たに受信した印刷依頼の情報(以下、「新規印刷依頼情報」と呼ぶ。)を取得する。また、管理サーバ10は、画像形成装置50の属性に関する情報(以下、「装置属性情報」と呼ぶ。)を取得する。装置属性情報には、例えば、その画像形成装置50の性能、その画像形成装置50に既にセットされている用紙の情報等が含まれる。
【0011】
管理サーバ10は、取得した過去印刷依頼情報と、印刷履歴情報に含まれる、印刷に使用された印刷媒体としての用紙に関する情報(以下、「用紙使用履歴情報」と呼ぶ。)と、新規印刷依頼情報に含まれる、印刷媒体として使用し得る用紙の属性に関する情報(以下、「用紙属性情報」と呼ぶ。)とに基づいて、新規印刷依頼情報に対応する印刷に使用する用紙の候補に関する情報(以下、「用紙候補情報」と呼ぶ。)を生成する。用紙属性情報には、例えば、用紙のサイズ、坪量(用紙の1m(平方メートル)当たりの重量、あるいは用紙の厚さ)、質感(ユーザが用紙から得られる質感)などの情報が含まれる。
【0012】
さらに、管理サーバ10は、取得した装置属性情報に基づいて、新規印刷依頼情報に対応できる画像形成装置50の候補に関する情報(以下、「装置候補情報」と呼ぶ。)を生成する。管理サーバ10は、生成した用紙候補情報および装置候補情報を受信者端末30に向けて送信する。なお、管理サーバ10の処理の詳細については後述する。
【0013】
受信者端末30は、外部(例えば、顧客)または内部(例えば、企業内の社員)から新規印刷依頼情報を受信し、その新規印刷依頼情報に基づく印刷の指示を画像形成装置50に対して行う情報処理装置である。受信者端末30は、画像形成装置50に対する印刷の指示を行う前に、管理サーバ10に向けて新規印刷依頼情報および印刷履歴情報を送信する。その後、管理サーバ10から用紙候補情報や装置候補情報が送信されてくると、受信者端末30は、その用紙候補情報や装置候補情報に基づいて、画像形成装置50に対する印刷の指示を行うための情報(以下、「印刷指示情報」と呼ぶ。)を生成し、画像形成装置50に向けて送信する。本実施の形態では、受信者端末30を操作することで新規印刷依頼情報に基づく印刷を行う者のことを「受信者」と呼ぶ。なお、受信者端末30の処理の詳細については後述する。
【0014】
画像形成装置50は、受信者端末30からの印刷の指示に基づき印刷を行う情報処理装置である。また、画像形成装置50は、画像が形成された記録媒体を出力する出力装置でもある。例えば、画像形成装置50は、受信者端末30から印刷指示情報が送信されてくると、その印刷指示情報の内容に従って印刷対象の画像を用紙に形成する。また、画像形成装置50は、自機の装置属性情報を管理サーバ10に向けて送信する。画像形成装置50としては、例えば、トナー像を用紙の印刷面に形成するいわゆる電子写真方式の複合機や、インクを用紙の印刷面に吐出するいわゆるインクジェット方式のプリンタ等が挙げられる。なお、画像形成装置50の処理の詳細については後述する。
【0015】
上述の情報処理システム1の構成は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、管理サーバ10の機能の一部または全部を受信者端末30や画像形成装置50の機能としてもよいし、また、受信者端末30の機能の一部または全部を管理サーバ10や画像形成装置50の機能としてもよい。また、画像形成装置50の機能の一部または全部を管理サーバ10や受信者端末30の機能としてもよい。さらに、情報処理システム1を構成する管理サーバ10、受信者端末30、および画像形成装置50の各々の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0016】
(管理サーバのハードウェア構成)
図2は、管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。
管理サーバ10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0017】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて管理サーバ10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0018】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種情報を記憶するデータベースとして、例えば、過去印刷依頼情報および新規印刷依頼情報が記憶された依頼履歴DB131、印刷履歴情報が記憶された印刷履歴DB132、装置属性情報が記憶された装置DB133、受信者が在庫として保有する用紙の在庫に関する情報(以下、「用紙在庫情報」と呼ぶ。)が記憶された用紙在庫DB134等が格納されている。
【0019】
通信部14は、ネットワーク90を介して受信者端末30および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。
【0020】
(受信者端末のハードウェア構成)
受信者端末30のハードウェア構成は、図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成と同様の構成を備えている。すなわち、受信者端末30は、図2の制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々と同様の機能を有する、制御部、メモリ、記憶部、通信部、操作部、および表示部の各々を備えており、図示および説明を省略する。
【0021】
(画像形成装置のハードウェア構成)
図3は、画像形成装置50のハードウェア構成の一例を示す図である。
画像形成装置50は、図2の管理サーバ10のハードウェア構成のうち、制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々に対応するハードウェア構成を有している。
【0022】
すなわち、画像形成装置50は、CPU等のプロセッサで構成される制御部51と、RAM等の記憶領域で構成されるメモリ52と、HDDやSDD、半導体メモリ等の記憶領域で構成される記憶部53とを有している。記憶部53には、各種の情報を記憶するデータベースが格納されている。また、画像形成装置50は、ネットワーク90を介して、管理サーバ10、受信者端末30、および外部との間でデータの送受信を行う通信部54を有している。また、画像形成装置50は、タッチパネル等で構成される操作部55と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成される表示部56を有している。
【0023】
さらに、画像形成装置50は、これらの構成に加えて、読取部57と、画像形成部58とを有している。読取部57は、記録媒体としての用紙等の媒体(例えば、紙媒体の文書等)に記録された画像を読み取る。読取部57は、例えば光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式のスキャナや、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のスキャナ等で構成される。画像形成部58は、例えば、電子写真方式やインクジェット方式等により、記録媒体としての用紙の印刷面に、印刷対象の画像を形成する。そして、これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCIバス等で接続されている。
【0024】
(管理サーバの制御部の機能構成)
図4は、管理サーバ10の制御部11の機能構成の一例を示す図である。
管理サーバ10の制御部11では、情報取得部101と、重み付け部102と、比較部103と、候補抽出部104と、送信制御部105とが機能する。
【0025】
情報取得部101は、各種の情報を取得する。具体的には、情報取得部101は、受信者端末30、画像形成装置50、および外部の各々から送信されてきた情報を取得する。情報取得部101により取得される情報のうち、受信者端末30から送信されてくる情報としては、例えば、過去印刷依頼情報、印刷履歴情報、新規印刷依頼情報、用紙在庫情報などが挙げられる。また、情報取得部101により取得される情報のうち、画像形成装置50から送信されてくる情報としては、例えば、その画像形成装置50の装置属性情報などが挙げられる。
【0026】
情報取得部101により取得された過去印刷依頼情報および新規印刷依頼情報は、記憶部13(図2参照)の依頼履歴DB131に記憶されて管理される。また、取得された印刷履歴情報は、記憶部13の印刷履歴DB132に記憶されて管理される。また、取得された装置属性情報は、記憶部13の装置DB133に記憶されて管理される。また、取得された用紙在庫情報は、記憶部13の用紙在庫DB134に記憶されて管理される。
【0027】
重み付け部102は、予め定められた基準に従って、印刷にかかる複数の要素の重み付けを行う。例えば、印刷にかかる複数の要素として、品質、コスト、および納期が予め定められている場合、重み付け部102は、印刷履歴情報および新規印刷依頼情報に基づいて、印刷にかかる品質、コスト、および納期の重み付けを行う。なお、重み付けの基準の具体例については、図15を参照して後述する。
【0028】
比較部103は、新たに受信された印刷依頼の依頼者と、その印刷依頼に基づく印刷に使用し得る用紙の属性との組み合わせと、過去に受信された印刷依頼の依頼者と、その印刷依頼に基づく印刷に使用された用紙の属性との組み合わせとを比較する。具体的には、比較部103は、新規印刷依頼情報から特定される、過去の依頼にかかる依頼者と用紙属性情報との組み合わせと、過去印刷依頼情報および印刷履歴情報から特定される、新規の依頼にかかる依頼者と用紙属性情報との組み合わせとを比較する。
【0029】
候補抽出部104は、情報取得部101により取得された、過去印刷依頼情報と、印刷履歴情報に含まれる用紙使用履歴情報と、新規印刷依頼情報から特定される用紙属性情報とに基づいて、印刷に使用する用紙の候補を抽出する。具体的には、例えば、候補抽出部104は、過去に受信した印刷依頼の依頼者と過去の印刷に使用された用紙との組み合わせと、新たに受信した印刷依頼の受信者と新たな印刷に使用し得る用紙との組み合わせとに基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。なお、過去に受信した印刷依頼の依頼者は、過去印刷依頼情報から特定され、過去の印刷に使用された用紙は、印刷履歴情報から特定される。また、新たに受信した印刷依頼の受信者、および印刷に使用し得る用紙は、新規印刷依頼情報から特定される。
【0030】
また、候補抽出部104は、新規印刷依頼情報から特定される、印刷にかかる複数の要素に基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。ここで、「印刷にかかる複数の要素」としては、例えば、印刷にかかる品質、コスト、および納期が挙げられる。さらに、候補抽出部104は、重み付け部102が、印刷にかかる複数の要素に重み付けを行った場合には、その重み付けの結果に基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。また、候補抽出部104は、用紙在庫情報から特定される、受信者が在庫として保有する用紙の種類または銘柄ごとの保有期間に基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。
【0031】
また、候補抽出部104は、重み付け部102による重み付けの結果が、印刷にかかる複数の要素のうちコストを重視するものである場合には、用紙の保有期間を短縮化させ、かつ、印刷依頼の依頼価格を抑制し得る用紙の候補を抽出する。具体的には、候補抽出部104は、過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した画像形成装置50の装置属性情報と、新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る画像形成装置50の装置属性情報とに基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。
【0032】
過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した画像形成装置50の装置属性情報には、例えば、印刷で使用された用紙の銘柄ごとの仕様、価格、および印刷速度が含まれる。また、新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る画像形成装置50の装置属性情報には、例えば、印刷で使用できる用紙の銘柄ごとの仕様、価格、および印刷速度が含まれる。なお、過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した画像形成装置50の装置属性情報は、印刷履歴情報から特定される。また、新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る画像形成装置50の装置属性情報は、新規印刷依頼情報から特定される。
【0033】
また、候補抽出部104は、重み付け部102による重み付けの結果が、印刷にかかる複数の要素のうち納期を重視するものである場合には、その納期に間に合わせることができる画像形成装置50の候補と、その画像形成装置50で印刷できる用紙の候補とを抽出する。具体的には、候補抽出部104は、過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した画像形成装置50の装置属性情報と、新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る画像形成装置50の装置属性情報および納期とに基づいて、画像形成装置50の候補と用紙の候補とを抽出する。なお、過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した画像形成装置50の装置属性情報は、印刷履歴情報から特定される。また、新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る画像形成装置50の装置属性情報および納期は、新規印刷依頼情報から特定される。
【0034】
また、候補抽出部104は、重み付け部102による重み付けの結果が、印刷にかかる複数の要素のうち品質を重視するものである場合には、過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した画像形成装置50の装置属性情報と、新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る画像形成装置50の装置属性情報とに基づいて、予め定められた品質を満たす印刷結果が期待できる画像形成装置50の候補と、その画像形成装置50で印刷できる用紙の候補とを抽出する。なお、過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した画像形成装置50の装置属性情報は、印刷履歴情報から特定される。また、新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る画像形成装置50の装置属性情報は、新規印刷依頼情報から特定される。
【0035】
また、候補抽出部104は、比較部103による比較の結果として、新たに受信された印刷依頼の依頼者と、その印刷依頼に基づく印刷に使用し得る用紙の属性との組み合わせと、過去に受信された印刷依頼の依頼者と、その印刷依頼に基づく印刷に使用された用紙の属性との組み合わせとが似ていると判断された場合には、対応する新規印刷依頼情報と印刷履歴情報との要素の違いに基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。例えば、候補抽出部104は、「要素の違い」として、印刷依頼に基づく印刷にかかる品質、コスト、および納期のうち1または複数の要素の違いに基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。この場合、候補抽出部104は、重み付け部102による品質、コスト、および納期の違いについての重み付けの結果に基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。
【0036】
例えば、新規印刷依頼情報から特定される、依頼者が要求する品質が、印刷履歴情報から特定される品質を上回っている場合には、候補抽出部104が、品質を重視した重み付けの結果に基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。これに対して、新規印刷依頼情報から特定される、依頼者が要求する品質が、印刷履歴情報から特定される品質を下回っている場合には、候補抽出部104が、コストを重視した重み付けの結果に基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。
【0037】
また、例えば、「要素の違い」としてのコストの違いに基づく重み付けでは、新規印刷依頼情報から特定される依頼価格が、印刷履歴情報から特定される依頼価格を上回っている場合には、候補抽出部104が、品質を重視した重み付けの結果に基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。これに対して、新規印刷依頼情報から特定される依頼価格が、印刷履歴情報から特定される依頼価格を下回っている場合には、候補抽出部104が、コストを重視した重み付けの結果に基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。
【0038】
また、例えば、「要素の違い」として、納期の違いに基づく重み付けでは、新規印刷依頼情報から特定される依頼者が要求する納期が、印刷履歴情報から特定される納期よりも短い場合には、候補抽出部104が、納期を重視した重み付けの結果に基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。これに対して、新規印刷依頼情報から特定される依頼者が要求する納期が、印刷履歴情報から特定される納期よりも長い場合には、候補抽出部104が、品質を重視した重み付けの結果に基づいて、新たな印刷に用いる用紙の候補を抽出する。
【0039】
送信制御部105は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部105は、受信者端末30、画像形成装置50、および外部の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部105の制御により送信される情報のうち、受信者端末30に向けて送信される情報としては、例えば、用紙候補情報、装置候補情報などが挙げられる。
【0040】
(受信者端末の制御部の機能構成)
図5は、受信者端末30の制御部の機能構成の一例を示す図である。
受信者端末30の制御部では、情報取得部301と、送信制御部302と、表示制御部303とが機能する。
【0041】
情報取得部301は、各種の情報を取得する。具体的には、情報取得部301は、管理サーバ10、画像形成装置50、および外部から送信されてきた情報を取得する。情報取得部301により取得される情報のうち、管理サーバ10から送信されてくる情報としては、例えば、用紙候補情報、装置候補情報などが挙げられる。
【0042】
また、情報取得部301は、操作部を介して入力された情報を取得する。操作部を介して入力される情報としては、例えば、過去印刷依頼情報、印刷履歴情報、新規印刷依頼情報、および用紙在庫情報の各々を管理サーバ10に向けて送信するために入力された情報などが挙げられる。印刷履歴情報は、画像形成装置50から取得される。
【0043】
送信制御部302は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部302は、管理サーバ10、画像形成装置50、および外部に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部302の制御により送信される情報のうち、管理サーバ10に向けて送信される情報としては、例えば、過去印刷依頼情報、印刷履歴情報、新規印刷依頼情報などが挙げられる。また、送信制御部302の制御により送信される情報のうち、画像形成装置50に向けて送信される情報としては、例えば、印刷指示情報などが挙げられる。
【0044】
表示制御部303は、各種情報を表示部に表示する制御を行う。具体的には、表示制御部303は、管理サーバ10から送信されてきた情報、および画像形成装置50の各々から送信されてきた情報を表示部に表示する制御を行う。表示制御部303の制御により表示部に表示される情報としては、例えば、用紙候補情報、装置候補情報、印刷履歴情報などが挙げられる。
【0045】
(画像形成装置の制御部の機能構成)
図6は、画像形成装置50の制御部51の機能構成の一例を示す図である。
画像形成装置50の制御部51では、情報取得部501と、送信制御部502と、表示制御部503と、印刷制御部504とが機能する。
【0046】
情報取得部501は、各種の情報を取得する。具体的には、情報取得部501は、管理サーバ10、画像形成装置50、および外部から送信されてきた情報を取得する。情報取得部501により取得される情報のうち、受信者端末30から送信されてくる情報としては、例えば、印刷指示情報などが挙げられる。また、情報取得部501は、操作部を介して入力された情報を取得する。操作部を介して入力される情報としては、例えば、印刷を開始するために入力された情報などが挙げられる。
【0047】
送信制御部502は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部502は、管理サーバ10、受信者端末30、および外部に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部502の制御により送信される情報のうち、管理サーバ10に向けて送信される情報としては、例えば、装置属性情報などが挙げられる。装置属性情報が送信されるタイミングは特に限定されない。例えば、予め定められた時間ごと(例えば、3時間ごと、6時間ごと、12時間ごとなど)に装置属性情報が送信されるようにしてもよいし、管理サーバ10からの問い合わせに応じて装置属性情報が送信されるようにしてもよい。また、送信制御部502の制御により送信される情報のうち、受信者端末30に向けて送信される情報としては、例えば、印刷履歴情報などが挙げられる。
【0048】
表示制御部503は、各種情報を表示部に表示する制御を行う。具体的には、表示制御部303は、管理サーバ10から送信されてきた情報、および受信者端末30の各々から送信されてきた情報を表示部に表示する制御を行う。表示制御部503の制御により表示部に表示される情報としては、例えば、印刷指示情報などが挙げられる。
印刷制御部504は、受信者端末30から送信されてきた印刷指示情報に基づいて、印刷対象の画像を画像形成部58(図3参照)に印刷させる制御を行う。
【0049】
(管理サーバの処理の流れ)
図7は、管理サーバ10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
管理サーバ10は、受信者端末30から過去印刷依頼情報が送信されてくると(ステップ601でYES)、送信されてきた過去印刷依頼情報を取得し(ステップ602)、取得した過去印刷依頼情報をデータベース(例えば、図2の依頼履歴DB131)に記憶して管理する(ステップ603)。これに対して、過去印刷依頼情報が送信されてきていない場合(ステップ601でNO)、管理サーバ10は、過去印刷依頼情報が送信されてくるまでステップ601を繰り返す。
【0050】
管理サーバ10は、受信者端末30から印刷履歴情報が送信されてくると(ステップ604でYES)、送信されてきた印刷履歴情報を取得し(ステップ605)、取得した印刷履歴情報をデータベース(例えば、図2の印刷履歴DB132)に記憶して管理する(ステップ606)。これに対して、印刷履歴情報が送信されてきていない場合(ステップ604でNO)、管理サーバ10は、印刷履歴情報が送信されてくるまでステップ604を繰り返す。
【0051】
管理サーバ10は、受信者端末30から新規印刷依頼情報が送信されてくると(ステップ607でYES)、送信されてきた新規印刷依頼情報を取得し(ステップ608)、取得した新規印刷依頼情報をデータベース(例えば、図2の依頼履歴DB131)に記憶して管理する(ステップ609)。これに対して、新規印刷依頼情報が送信されてきていない場合(ステップ607でNO)、管理サーバ10は、新規印刷依頼情報が送信されてくるまでステップ607を繰り返す。
【0052】
管理サーバ10は、画像形成装置50から装置属性情報が送信されてくると(ステップ610でYES)、送信されてきた装置属性情報を取得し(ステップ611)、取得した装置属性情報をデータベース(例えば、図2の装置DB133)に記憶して管理する(ステップ612)。これに対して、装置属性情報が送信されてきていない場合(ステップ610でNO)、管理サーバ10は、装置属性情報が送信されてくるまでステップ610を繰り返す。
【0053】
管理サーバ10は、ステップ602で取得した過去印刷依頼情報と、ステップ605で取得した印刷履歴情報に含まれる用紙使用履歴情報と、ステップ608で取得した新規印刷依頼情報に含まれる用紙属性情報とに基づいて、用紙候補情報を生成する(ステップ613)。次に、管理サーバ10は、過去印刷依頼情報と、用紙使用履歴情報と、用紙属性情報と、ステップ611で取得した装置属性情報とに基づいて、装置候補情報を生成する(ステップ614)。次に、管理サーバ10は、ステップ613で生成した用紙候補情報と、ステップ614で生成した装置候補情報とを受信者端末30に向けて送信する(ステップ615)。
【0054】
(受信者端末の処理の流れ)
図8は、受信者端末30の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
受信者端末30は、管理サーバ10に向けて過去印刷依頼情報を送信するための入力操作が行われると(ステップ701でYES)、その過去印刷依頼情報を管理サーバ10に向けて送信する(ステップ702)。これに対して、過去印刷依頼情報を送信するための入力操作が行われていない場合(ステップ701でNO)、受信者端末30は、過去印刷依頼情報を送信するための入力操作が行われるまでステップ701を繰り返す。
【0055】
受信者端末30は、管理サーバ10に向けて印刷履歴情報を送信するための入力操作が行われると(ステップ703でYES)、その印刷履歴情報を管理サーバ10に向けて送信する(ステップ704)。これに対して、印刷履歴情報を送信するための入力操作が行われていない場合(ステップ703でNO)、受信者端末30は、印刷履歴情報を送信するための入力操作が行われるまでステップ703を繰り返す。
【0056】
受信者端末30は、管理サーバ10に向けて新規印刷依頼情報を送信するための入力操作が行われると(ステップ705でYES)、その新規印刷依頼情報を管理サーバ10に向けて送信する(ステップ706)。これに対して、新規印刷依頼情報を送信するための入力操作が行われていない場合(ステップ705でNO)、受信者端末30は、新規印刷依頼情報を送信するための入力操作が行われるまでステップ705を繰り返す。
【0057】
受信者端末30は、管理サーバ10から用紙候補情報が送信されてくると(ステップ707でYES)、送信されてきた用紙候補情報を取得する(ステップ708)。これに対して、用紙候補情報が送信されてきていない場合(ステップ707でNO)、受信者端末30は、用紙候補情報が送信されてくるまでステップ707を繰り返す。
【0058】
受信者端末30は、管理サーバ10から装置候補情報が送信されてくると(ステップ709でYES)、送信されてきた装置候補情報を取得する(ステップ710)。これに対して、装置候補情報が送信されてきていない場合(ステップ709でNO)、受信者端末30は、装置候補情報が送信されてくるまでステップ709を繰り返す。次に、受信者端末30は、ステップ708で取得した用紙候補情報と、ステップ710で取得した装置候補情報とに基づいて、印刷指示情報を生成し(ステップ711)、生成した印刷指示情報を画像形成装置50に向けて送信する(ステップ712)。
【0059】
(画像形成装置の処理の流れ)
図9は、画像形成装置50の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
画像形成装置50は、予め定められたタイミングで、自機の装置属性情報を管理サーバ10に向けて送信する(ステップ801)。画像形成装置50は、受信者端末30から印刷指示情報が送信されてくると(ステップ802でYES)、送信されてきた印刷指示情報を取得する(ステップ803)。これに対して、印刷指示情報が送信されてきていない場合(ステップ802でNO)、画像形成装置50は、印刷指示情報が送信されてくるまでステップ802を繰り返す。
【0060】
画像形成装置50は、ステップ803で取得した印刷指示情報の内容に従って、印刷対象の画像を用紙に形成し(ステップ804)、その印刷の結果を、印刷履歴情報として受信者端末30に向けて送信する(ステップ805)。
【0061】
(具体例)
図10は、データベースに記憶されている過去印刷依頼情報の具体例を示す図である。
図10に示すように、過去印刷依頼情報には、「顧客名」、「商品属性」、「用紙サイズ」、「カラー/白黒」、「坪量」、「質感」、「枚数」、「単価(円)」、「納期」、および「用紙指定」の各々の情報が含まれる。図10には、データベース(例えば、図2の依頼履歴DB131)に記憶されている過去印刷依頼情報の具体例として、顧客名が「a社」、商品属性が「ポスター」、用紙サイズが「A4」、カラー/白黒が「カラー」、坪量が「少し厚手」、質感が「光沢」、枚数が「500」、単価(円)が「5」、納期が「2022/1/13(2022年1月13日)」、および用紙指定が「AA製紙上質」であった過去印刷依頼情報と、顧客名が「b社」、商品属性が「雑誌」、用紙サイズが「A2」、カラー/白黒が「カラー」、坪量が「薄手」、質感が「光沢」、枚数が「250」、単価(円)が「2」、納期が「2022/2/12(2022年2月12日)」、および用紙指定が「なし」であった過去印刷依頼情報とが例示されている。
【0062】
図11は、データベースに記憶されている印刷履歴情報の具体例を示す図である。
図11に示すように、印刷履歴情報には、「顧客名」、「商品属性」、「用紙サイズ」、「カラー/白黒」、「坪量」、「質感」、「枚数」、「単価(円)」、「紙の種類」、「納期」、および「受注日時」の各々の情報が含まれる。図11には、データベース(例えば、図2の印刷履歴DB132)に記憶されている印刷履歴情報の具体例として、顧客名が「a社」、商品属性が「ポスター」、用紙サイズが「A4」、カラー/白黒が「カラー」、坪量が「少し厚手」、質感が「光沢」、枚数が「500」、単価(円)が「5」、紙の種類が「AA製紙上質」、納期が「2022/2/1(2022年2月1日)」、および受注日時が「2022/1/13(2022年1月13日)」であった印刷履歴情報と、顧客名が「b社」、商品属性が「雑誌」、用紙サイズが「A2」、カラー/白黒が「カラー」、坪量が「薄手」、質感が「光沢」、枚数が「250」、単価(円)が「2」、紙の種類が「BB製紙L」、納期が「2022/3/1(2022年3月1日)」、および受注日時が「2022/2/12(2022年2月12日)」であった印刷履歴情報とが例示されている。
【0063】
図12は、データベースに記憶されている装置属性情報の具体例を示す図である。
図12に示すように、装置属性情報には、「画像形成装置」、「品質」、「速度」、「カラー/白黒」、および「適用用紙」の各々の情報が含まれる。図12には、データベース(例えば、図2の装置DB133)に記憶されている装置属性情報の具体例として、画像形成装置が「プリンタA」、品質が「高」、速度が「150ppm」、カラー/白黒が「カラー」、および適用用紙が「BB製紙L」である装置属性情報と、画像形成装置が「プリンタB」、品質が「中」、速度が「100ppm」、カラー/白黒が「白黒」、および適用用紙が「AA製紙上質」である装置属性情報とが例示されている。
【0064】
図13は、データベースに記憶されている用紙在庫情報の具体例を示す図である。
図13に示すように、用紙在庫情報には、「紙の種類」、「質感」、「坪量」、「用紙サイズ」、および「廃棄までの期間」の各々の情報が含まれる。図13には、データベース(例えば、図2の用紙在庫DB134)に記憶されている用紙在庫情報の具体例として、紙の種類が「AA製紙上質」、質感が「マット」、坪量が「少し厚手」、用紙サイズが「A4」、および廃棄までの期間が「250日」である用紙在庫情報と、紙の種類が「BB製紙L」、質感が「光沢」、坪量が「薄手」、用紙サイズが「A3」、および廃棄までの期間が「120日」である用紙在庫情報とが例示されている。
【0065】
図14は、データベースに記憶されている新規印刷依頼情報の具体例を示す図である。
図14に示すように、新規印刷依頼情報には、「顧客名」、「商品属性」、「用紙サイズ」、「カラー/白黒」、「坪量」、「質感」、「枚数」、「単価(円)」、「納期」、および「用紙指定」の各々の情報が含まれる。図14には、データベース(例えば、図2の依頼履歴DB131)に記憶されている新規印刷依頼情報の具体例として、顧客名が「c社」、商品属性が「カレンダー」、用紙サイズが「B3」、カラー/白黒が「カラー」、坪量が「少し厚手」、質感が「マット」、枚数が「400」、単価(円)が「4」、納期が「2022/3/31(2022年3月31日)」、および用紙指定が「CC製紙L」である新規印刷依頼情報と、顧客名が「d社」、商品属性が「チラシ」、用紙サイズが「A4」、カラー/白黒が「カラー」、坪量が「薄手」、質感が「普通」、枚数が「1000」、単価(円)が「4」、納期が「2022/6/30(2022年6月30日)」、および用紙指定が「なし」である新規印刷依頼情報とが例示されている。
【0066】
図15は、重み付けの基準の具体例を示す図である。
図15に示すように、重み付けの基準には、「重み付け順位」が定められている。具体的には、重み付け順位の1位が「納期までの期間」、2位が「品質」、3位が「1枚当たりの平均単価」であることが定められている。すなわち、図15の例では、重み付けの順位の1位が納期、2位が品質、3位がコストであることが予め設定されている。
【0067】
また、重み付けの基準には、重み付け順位ごとの基準が定められている。例えば、重み付け順位が1位である「納期までの期間」の重み付けの基準として、納期までの標準的な日数が14日であることが設定されている。これは、納期が重視される場合、納期までの期間が、14日を超える場合と、14日である場合と、14日未満である場合とのいずれかであるかに基づいて、用紙および画像形成装置50の候補が抽出されることを示している。
【0068】
また、重み付け順位が2位である「品質」の重み付けの基準として、坪量の標準値が50g/mであることが設定されている。これは、品質が重視される場合、坪量が、50g/mを超える場合と、50g/mである場合と、50g/m未満である場合とのいずれかであるかに基づいて、用紙および画像形成装置50の候補が抽出されることを示している。具体的には、坪量が50g/mを超える場合には、質感が「光沢紙/マット」である用紙が候補として抽出され、坪量が50g/mまたはそれ未満である場合には、質感が「普通」である用紙が候補として抽出されることが示されている。
【0069】
また、重み付け順位が3位である「1枚当たりの平均単価」の重み付けの基準として、標準的な用紙の1枚当たりの単価が1円であることが設定されている。これは、コストが重視される場合、用紙の1枚当たりの単価が、1円を超える場合と、1円である場合と、1円未満である場合とのいずれかであるかに基づいて、用紙および画像形成装置50の候補が抽出されることを示している。
【0070】
図16は、用紙候補情報の具体例を示す図である。
図16に示すように、用紙候補情報には、「顧客名」、「商品属性」、「用紙サイズ」、「カラー/白黒」、「枚数」、「用紙指定」、「用紙名」、「坪量(g/m)」、「質感」、「仕上指定」、「後加工」、「予算指定」、「金額(千円)」、「納期」、および「受注日時」の各々の情報が含まれる。このうち、「仕上指定」および「後加工」は、印刷にかかる要素のうち「品質」を示す情報であり、「予算指定」および「金額(千円)」は、印刷にかかる要素のうち「コスト」を示す情報である。また、「納期」および「受注日時」は、印刷にかかる要素のうち「納期」を示す情報である。
【0071】
図16には、用紙候補情報の具体例として、顧客名が「a社」、商品属性が「ポスター」、用紙サイズが「A4」、カラー/白黒が「カラー」、枚数が「500」、用紙指定が「あり」、用紙名が「AA製紙上質」、仕上指定が「高品質」、後加工が「あり」、予算指定が「なし」、納期が「2022/2/1(2022年2月1日)」、および受注日時が「2022/1/13(2022年1月13日)」である用紙候補情報と、顧客名が「b社」、商品属性が「雑誌」、用紙サイズが「A5」、カラー/白黒が「カラー」、枚数が「250」、用紙指定が「なし」、坪量(g/m)が「52」、仕上指定および後加工が「なし」、予算指定が「あり」、金額(千円)が「200」、納期が「2022/3/1(2022年3月1日)」、および受注日時が「2022/2/12(2022年2月12日)」である用紙候補情報とが例示されている。
【0072】
図17は、印刷に使用する用紙の候補の抽出に用いられる、新規印刷依頼情報と印刷履歴情報との要素の同異のパターンを一覧化した図である。
図17には、新規印刷依頼情報と印刷履歴情報との要素のうち品質、コスト、および納期の同異のパターンとして8種類のパターンが挙げられている。具体的には、品質(Q)、コスト(C)、および納期(D)がすべて同じであるパターン(以下、「パターン1」と呼ぶ。)と、納期のみが異なるパターン(以下、「パターン2」と呼ぶ。)と、コストのみが異なるパターン(以下、「パターン3」と呼ぶ。)と、品質のみが異なるパターン(以下、「パターン4」と呼ぶ。)と、品質およびコストが異なるパターン(以下、「パターン5」と呼ぶ。)と、品質および納期が異なるパターン(以下、「パターン6」と呼ぶ。)と、コストおよび納期のみが異なるパターン(以下、「パターン7」と呼ぶ。)と、品質(Q)、コスト(C)、および納期(D)すべて異なるパターン(以下、「パターン8」と呼ぶ。)とがある。
【0073】
図17に示すパターン1乃至8のうち、パターン1の場合には、品質(Q)、コスト(C)、および納期(D)がすべて同じであるため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙の候補として過去の印刷履歴に沿った用紙が抽出される。また、パターン2のうち、過去の印刷履歴の納期よりも新たに受信した印刷依頼の納期の方が短い場合には、新たに受信した印刷依頼は納期に余裕がないといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙および画像形成装置50の候補として納期優先の用紙および画像形成装置50が抽出される。また、パターン2のうち、過去の印刷履歴の納期よりも新たに受信した印刷依頼の納期の方が長い場合には、新たに受信した印刷依頼は納期に余裕があるといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙および画像形成装置50の候補として品質優先の用紙および画像形成装置50が抽出される。
【0074】
また、パターン3のうち、過去の印刷履歴の予算の額よりも新たに受信した印刷依頼の予算の額の方が多い場合には、新たに受信した印刷依頼は予算に余裕があるといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙の候補として品質優先の用紙が抽出される。パターン3のうち、過去の印刷履歴の予算の額よりも新たに受信した印刷依頼の予算の額の方が少ない場合には、新たに受信した印刷依頼は予算に余裕がないといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙の候補としてコスト優先の用紙が抽出される。
【0075】
また、パターン4のうち、過去の印刷履歴の品質の要求よりも新たに受信した印刷依頼の品質の要求の方が高い場合には、新たに受信した印刷依頼は品質を重視しているといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙の候補として品質優先の用紙が抽出される。また、パターン4のうち、過去の印刷履歴の品質の要求よりも新たに受信した印刷依頼の品質の要求の方が低い場合には、新たに受信した印刷依頼は品質よりもコストを重視しているといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙の候補としてコスト優先の用紙が抽出される。
【0076】
また、パターン5のうち、過去の印刷履歴の品質の要求よりも新たに受信した印刷依頼の品質の要求の方が高く、かつ過去の印刷履歴の予算額よりも新たに受信した印刷依頼の予算額の方が大きい場合には、新たに受信した印刷依頼は品質を重視しているといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙の候補として品質優先かつ後加工(例えば、製本)で付加価値をつけることができるような用紙が抽出される。
【0077】
また、パターン5のうち、過去の印刷履歴の品質の要求よりも新たに受信した印刷依頼の品質の要求の方が高く、かつ過去の印刷履歴の予算額よりも新たに受信した印刷依頼の予算額の方が小さい場合には、新たに受信した印刷依頼は予算制限が厳しいが現状でベストとなるコストを望んでいるといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙の候補として、依頼者の品質要求に対応できる用紙が抽出される。
【0078】
また、パターン5のうち、過去の印刷履歴の品質の要求よりも新たに受信した印刷依頼の品質の要求の方が低い、または同程度であり、かつ過去の印刷履歴の予算額よりも新たに受信した印刷依頼の予算額の方が大きい場合には、新たに受信した印刷依頼は予算に余裕があるといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙の候補として品質優先の用紙が抽出される。
【0079】
また、パターン5のうち、過去の印刷履歴の品質の要求よりも新たに受信した印刷依頼の品質の要求の方が低い、または同程度であり、かつ過去の印刷履歴の予算額よりも新たに受信した印刷依頼の予算額の方が小さい場合には、新たに受信した印刷依頼は予算に余裕がないといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙の候補としてコスト優先の用紙が抽出される。
【0080】
また、パターン6のうち、過去の印刷履歴の品質の要求よりも新たに受信した印刷依頼の品質の要求の方が高く、かつ過去の印刷履歴の納期よりも新たに受信した印刷依頼の納期の方が長い場合には、新たに受信した印刷依頼は品質を重視しているといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙および画像形成装置50の候補として納期優先の用紙および画像形成装置50が抽出される。
【0081】
また、パターン6のうち、過去の印刷履歴の品質の要求よりも新たに受信した印刷依頼の品質の要求の方が高く、かつ過去の印刷履歴の納期よりも新たに受信した印刷依頼の納期の方が短い場合には、新たに受信した印刷依頼は品質および納期を重視しているといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙および画像形成装置50の候補として、依頼者の品質要求に対応できる用紙と、納期優先の画像形成装置50とが抽出される。
【0082】
また、パターン6のうち、過去の印刷履歴の品質の要求よりも新たに受信した印刷依頼の品質の要求の方が低い、または同程度であり、かつ過去の印刷履歴の納期よりも新たに受信した印刷依頼の納期の方が長い場合には、新たに受信した印刷依頼は品質および納期について特段の要求がないといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙および画像形成装置50の候補として、前回の印刷依頼にかかる印刷で使用された用紙、またはその用紙と同程度の用紙が抽出される。
【0083】
また、パターン6のうち、過去の印刷履歴の品質の要求よりも新たに受信した印刷依頼の品質の要求の方が低い、または同程度であり、かつ過去の印刷履歴の納期よりも新たに受信した印刷依頼の納期の方が短い場合には、新たに受信した印刷依頼は納期に余裕がないといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙および画像形成装置50の候補として納期優先の用紙および画像形成装置50が抽出される。
【0084】
また、パターン7のうち、過去の印刷履歴の予算額よりも新たに受信した印刷依頼の予算額の方が大きく、かつ過去の印刷履歴の納期よりも新たに受信した印刷依頼の納期の方が長い場合には、新たに受信した印刷依頼は予算および納期について余裕があるといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される画像形成装置50および用紙の候補として、納期までの期間内に稼動できる画像形成装置50と、その画像形成装置50が使用できる用紙とが抽出される。
【0085】
また、パターン7のうち、過去の印刷履歴の予算額よりも新たに受信した印刷依頼の予算額の方が大きく、かつ過去の印刷履歴の納期よりも新たに受信した印刷依頼の納期の方が短い場合には、新たに受信した印刷依頼は納期の余裕がないが予算については余裕があるといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される画像形成装置50および用紙の候補として、納期までの期間内に稼動できる画像形成装置50と、その画像形成装置50が使用できる用紙とが抽出される。
【0086】
また、パターン7のうち、過去の印刷履歴の予算額よりも新たに受信した印刷依頼の予算額の方が小さく、かつ過去の印刷履歴の納期よりも新たに受信した印刷依頼の納期の方が長い場合には、新たに受信した印刷依頼は予算に余裕がないが納期については余裕があるといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される画像形成装置50および用紙の候補として、在庫量が多い用紙や、在庫のロットが古い用紙などが抽出される。
【0087】
また、パターン7のうち、過去の印刷履歴の予算額よりも新たに受信した印刷依頼の予算額の方が小さく、かつ過去の印刷履歴の納期よりも新たに受信した印刷依頼の納期の方が短い場合には、新たに受信した印刷依頼は予算および納期に余裕がないといえる。このため、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される画像形成装置50および用紙の候補として、要求される予算および納期に対応できる用紙が抽出される。
【0088】
また、パターン8の場合は、品質(Q)、コスト(C)、および納期(D)がすべて異なるため、過去の印刷履歴を考慮することなく、新たに受信した印刷依頼にかかる印刷に使用される用紙および画像形成装置50の候補が抽出される。
【0089】
(他の実施の形態)
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した本実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した本実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、図1に示す情報処理システム1の構成、図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成、および図3に示す画像形成装置50のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0090】
また、図4に示す管理サーバ10の機能構成、図5に示す受信者端末30の機能構成、および図6に示す画像形成装置50の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは図4乃至図6の例に限定されない。
【0091】
また、図7に示す管理サーバ10の処理のステップ、図8に示す受信者端末30の処理のステップ、および図9に示す画像形成装置50の処理のステップの各々の順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、図10乃至図17に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0092】
例えば、上述の実施の形態では、印刷にかかる複数の要素としての品質、コスト、および納期に基づいた用紙の候補の抽出が行われるが、これに限定されない。品質、コスト、および納期以外の他の要素に基づいた用紙の候補の抽出が行われてもよい。例えば、印刷作業の熟練者が用紙を選択する際に考慮し得る要素として、季節や天候に伴う温度や湿度、印刷作業の依頼者や印刷物の納品先となる顧客の好みなどに基づいた用紙の候補の抽出が行われてもよい。
【0093】
(付記)
(((1)))
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
過去に受信した印刷依頼の情報である過去印刷依頼情報と、当該過去印刷依頼情報に基づき印刷装置が実行した印刷の履歴に関する履歴情報と、新たに受信した印刷依頼の情報である新規印刷依頼情報とを取得し、
前記過去印刷依頼情報と、前記履歴情報に含まれる印刷に使用された用紙の情報と、前記新規印刷依頼情報から特定される印刷媒体として使用し得る用紙の属性とに基づいて、当該新規印刷依頼情報に対応する印刷に使用する用紙の候補を提示することを特徴とする、
情報処理システム。
(((2)))
前記1または複数のプロセッサは、前記過去印刷依頼情報から特定される過去に受信した印刷依頼の依頼者と、前記履歴情報から特定される当該印刷依頼に基づき前記印刷装置が実行した印刷に使用された用紙の情報との組み合わせと、前記新規印刷依頼情報から特定される新たに受信した印刷依頼の受信者と当該印刷に使用し得る用紙の属性との組み合わせとに基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記用紙の属性は、当該用紙のサイズ、坪量、および質感のうち1または複数の情報を含むことを特徴とする、
(((1)))または(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1または複数のプロセッサは、前記新規印刷依頼情報から特定される、前記印刷にかかる複数の要素に基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
(((1)))乃至(((3)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((5)))
前記1または複数のプロセッサは、前記複数の要素として、前記印刷にかかる品質、コスト、および納期に基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記履歴情報および前記新規印刷依頼情報に基づいて、前記印刷にかかる品質、コスト、および納期の重み付けを行い、
前記重み付けの結果に基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
(((5)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記新たに受信した印刷依頼の受信者が在庫として保有する前記用紙の在庫に関する情報である在庫情報をさらに取得し、
前記在庫情報から特定される前記用紙の種類または銘柄ごとの保有期間にさらに基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
(((6)))に記載の情報処理システム。
(((8)))
前記1または複数のプロセッサは、前記重み付けの結果が、前記複数の要素のうち前記コストを重視するものである場合、前記保有期間を短縮化させ、かつ、前記印刷依頼の依頼価格を抑制し得る前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
(((7)))に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記1または複数のプロセッサは、前記履歴情報から特定される前記過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した印刷装置の情報と、前記新規印刷依頼情報から特定される前記新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る印刷装置の属性とに基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
(((6)))乃至(((8)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((10)))
前記過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した印刷装置の情報から特定される当該印刷装置の属性には、当該印刷で使用された用紙の銘柄ごとの仕様、価格、および印刷速度を含み、前記新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る印刷装置の属性には、当該印刷で使用できる用紙の銘柄ごとの仕様、価格、および印刷速度を含むことを特徴とする、
(((9)))に記載の情報処理システム。
(((11)))
前記1または複数のプロセッサは、前記重み付けの結果が前記複数の要素のうち納期を重視するものである場合、前記履歴情報から特定される前記過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した印刷装置の属性と、前記新規印刷依頼情報から特定される前記新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る印刷装置の属性および納期とに基づいて、当該納期に間に合わせることができる印刷装置の候補と当該印刷装置で印刷できる用紙の候補とを提示することを特徴とする、
(((10)))に記載の情報処理システム。
(((12)))
前記1または複数のプロセッサは、前記重み付けの結果が前記複数の要素のうち前記品質を重視するものである場合、前記履歴情報から特定される前記過去に受信した印刷依頼に基づく印刷を実行した印刷装置の属性と、前記新規印刷依頼情報から特定される新たに受信した印刷依頼に基づく印刷を実行し得る印刷装置の属性とに基づいて、予め定められた品質を満たす印刷結果が期待できる印刷装置の候補と、当該印刷装置で印刷できる用紙の候補とを提示することを特徴とする、
(((10)))に記載の情報処理システム。
(((13)))
前記1または複数のプロセッサは、前記新たに受信した印刷依頼の依頼者と当該印刷依頼に基づく印刷に使用し得る用紙の属性との組み合わせと、前記過去に受信した印刷依頼の依頼者と当該印刷依頼に基づく印刷に使用された用紙の属性との組み合わせとが似ている場合、対応する前記新規印刷依頼情報と前記履歴情報との前記要素の違いに基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
(((4)))乃至(((12)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((14)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記要素の違いとして、前記印刷依頼に基づく印刷にかかる品質、コスト、および納期のうち1または複数の要素の違いに基づいて、当該品質、コスト、および納期の重み付けを行い、
前記重み付けの結果に基づいて、前記用紙の候補を提示することを特徴とする、
(((13)))に記載の情報処理システム。
(((15)))
前記1または複数のプロセッサは、前記要素の違いとして、前記品質の違いに基づいて、前記重み付けを行うことを特徴とする、
(((14)))に記載の情報処理システム。
(((16)))
前記1または複数のプロセッサは、前記品質の違いとして、
前記新規印刷依頼情報から特定される、前記依頼者が要求する品質が、前記履歴情報から特定される品質を上回っている場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうち品質を重視した重み付けを行い、
前記新規印刷依頼情報から特定される、前記依頼者が要求する品質が、前記履歴情報から特定される品質を下回っている場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうちコストを重視した重み付けを行うことを特徴とする、
(((15)))に記載の情報処理システム。
(((17)))
前記1または複数のプロセッサは、前記要素の違いとして、前記コストの違いに基づいて、前記重み付けを行うことを特徴とする、
(((14)))に記載の情報処理システム。
(((18)))
前記1または複数のプロセッサは、前記コストの違いとして、
前記新規印刷依頼情報から特定される依頼価格が、前記履歴情報から特定される依頼価格を上回っている場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうち品質を重視した重み付けを行い、
前記新規印刷依頼情報から特定される依頼価格が、前記履歴情報から特定される依頼価格を下回っている場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうちコストを重視した重み付けを行うことを特徴とする、
(((17)))に記載の情報処理システム。
(((19)))
前記1または複数のプロセッサは、前記要素の違いとして、前記納期の違いに基づいて、前記重み付けを行うことを特徴とする、
(((14)))に記載の情報処理システム。
(((20)))
前記1または複数のプロセッサは、前記納期の違いとして、
前記新規印刷依頼情報から特定される前記依頼者が要求する納期が、前記履歴情報から特定される納期よりも短い場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうち納期を重視した重み付けを行い、
前記新規印刷依頼情報から特定される前記依頼者が要求する納期が、前記履歴情報から特定される納期よりも長い場合、前記重み付けとして、前記複数の要素のうち品質を重視した重み付けを行うことを特徴とする、
(((19)))に記載の情報処理システム。
(((21)))
コンピュータに、
過去に受信した印刷依頼の情報である過去印刷依頼情報と、当該過去印刷依頼情報に基づき印刷装置が実行した印刷の履歴に関する履歴情報と、新たに受信した印刷依頼の情報である新規印刷依頼情報とを取得する機能と、
前記過去印刷依頼情報と、前記履歴情報に含まれる印刷に使用された用紙の情報と、前記新規印刷依頼情報から特定される印刷媒体として使用し得る用紙の属性とに基づいて、当該新規印刷依頼情報に対応する印刷に使用する用紙の候補を提示する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0094】
(((1)))の本発明によれば、印刷作業において、印刷依頼の段階で定められた条件を満たす用紙の候補のすべてから用紙を作業者に選択させる場合と比べて、作業者に用紙を選択させる際の効率を向上させる情報処理システムを提供できる。
(((2)))の本発明によれば、過去の印刷依頼実績から得られる印刷依頼の依頼者をキーとする用紙の候補の提示が可能となる。
(((3)))の本発明によれば、過去の印刷履歴から得られる用紙のサイズ、坪量、および質感をキーとする用紙の候補の提示が可能となる。
(((4)))の本発明によれば、印刷にかかる複数の要素を参照することで、取引上の事情や、依頼者の意図を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
(((5)))の本発明によれば、印刷における取引上の事情や、依頼者の事情を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
(((6)))の本発明によれば、印刷にかかる要素としての品質、コスト、および納期の各々の重要性やバランスを考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
(((7)))の本発明によれば、印刷における取引上の事情、依頼者の事情、および受信者側の事情を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
(((8)))の本発明によれば、印刷にかかる複数の要素のうちコストを考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
(((9)))の本発明によれば、印刷装置の属性を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
(((10)))の本発明によれば、印刷装置の属性として、使用できる用紙の銘柄ごとの仕様、価格、および印刷速度を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
(((11)))の本発明によれば、印刷にかかる複数の要素のうち納期を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
(((12)))の本発明によれば、印刷にかかる複数の要素のうち品質を考慮した用紙の候補の提示が可能となる。
(((13)))の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、類似する履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示が可能となる。
(((14)))の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうち1以上の要素が相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示が可能となる。
(((15)))の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうち品質が相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示が可能となる。
(((16)))の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうち品質が相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示として、依頼者から要求される品質に応じた用紙の候補の提示が可能となる。
(((17)))の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうちコストが相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示が可能となる。
(((18)))の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうちコストが相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示として、依頼者から要求される品質に応じた用紙の候補の提示が可能となる。
(((19)))の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうち納期が相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示が可能となる。
(((20)))の本発明によれば、新たに受信した印刷依頼の内容が過去の履歴に含まれないが、印刷の要素のうち納期が相違する類似の履歴が含まれる場合、その履歴を利用した用紙の候補の提示として、依頼者から要求される納期に応じた用紙の候補の提示が可能となる。
(((21)))の本発明によれば、印刷作業において、印刷依頼の段階で定められた条件を満たす用紙の候補のすべてから用紙を作業者に選択させる場合と比べて、作業者に用紙を選択させる際の効率を向上させるプログラムを提供できる。
【符号の説明】
【0095】
1…情報処理システム、10…管理サーバ、11…制御部、30…受信者端末、50…画像形成装置、51…制御部、90…ネットワーク、101…情報取得部、102…重み付け部、103…比較部、104…候補抽出部、105…送信制御部、301…情報取得部、302…送信制御部、303…表示制御部、501…情報取得部、502…送信制御部、503…表示制御部、504…印刷制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17