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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035913
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】充填ホース案内装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 57/00 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
F16L57/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140534
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000151346
【氏名又は名称】株式会社タツノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000431
【氏名又は名称】弁理士法人高橋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹澤 正浩
(72)【発明者】
【氏名】鶫 雄太
(72)【発明者】
【氏名】大戸 淑生
(72)【発明者】
【氏名】大内 敏彦
【テーマコード(参考)】
3H024
【Fターム(参考)】
3H024CA03
(57)【要約】
【課題】安全継手が分離した場合に、プラグ或いは充填ホースがケーシング先端の開口に係止してしまうことを防止して、水素充填装置の転倒、破損を防止することが出来る充填ホース案内装置の提供。
【解決手段】本発明の充填ホース案内装置(100)は、充填ホース(61)に接続されたプラグ(10)と水素充填装置側の部材であるソケット(20)を含む安全継手を有し、安全継手におけるプラグ(10)とソケット(20)は所定以上の引張荷重が作用した時に分離する機能を有しており、ケーシングを有し、当該ケーシングの先端(充填ホース61のFCV側)の開口には、回転可能或いは変形可能な部材(30)を支持する支持構造(50)が設けられている。そして回転可能或いは変形可能な部材(30)は弦巻状の弾性体(30B-1:スプリング或いは弦巻バネ)であるのが好ましい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填ホースに接続されたプラグと水素充填装置側の部材であるソケットを含む安全継手を有する水素充填装置に設けられ、前記安全継手は所定以上の引張荷重が作用した時に分離する機能を有しており、前記安全継手が分離した場合に分離後の充填ホースを案内する充填ホース案内装置において、
前記安全継手下方に、回転可能或いは変形可能な部材を支持する支持構造を配置したことを特徴とする充填ホース案内装置。
【請求項2】
前記変形可能な部材は弦巻状の弾性体である請求項1の充填ホース案内装置。
【請求項3】
前記回転可能な部材は、外径が中心軸方向について漸次変化して、外形が正弦曲線状のローラーで構成されている請求項1の充填ホース案内装置。
【請求項4】
前記回転可能な部材はローラーであり、当該ローラーは変形可能な材料で構成されており、ローラー支持構造においてプラグが係合した場合に、充填ホースを介して引張力がプラグに作用すると、当該引張力によりローラーを構成する材料が弾性変形をして、プラグのロッドが通過可能な寸法のスリットが形成されている請求項1の充填ホース案内装置。
【請求項5】
前記回転可能な部材は、2本のローラーで構成されており、
当該ローラーは充填ホース案内装置の正面側の径は大きく、基板側に行くにつれて漸次ローラーの径が滑らかに小さくなる請求項1の充填ホース案内装置。
【請求項6】
前記回転可能な部材は、1本のローラーで構成されており、
当該ローラーは、中心軸方向両端の径寸法が大きく、中心軸方向中央における径寸法が小さくなっており、径寸法は漸次滑らかに変化する様に構成されている請求項1の充填ホース案内装置。
【請求項7】
前記回転可能な部材は、コ字状に配置された中心軸回りを回転自在な複数の回転体で構成されている請求項1の充填ホース案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば燃料として用いられる水素ガス等の気体を充填するための充填装置(水素充填装置)で用いられ、緊急時に水素充填装置と充填ホースとを分離する機能を有する管継手(安全継手)が分離した場合に、分離後の充填ホースを案内する充填ホース案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、水素を燃料として走行する車両A(例えば燃料電池自動車FCV)では、図9で示す様に、水素充填設備で充填ホース201先端に設けた充填ノズル202と車両側充填口203を接続して、車両Aに搭載された水素タンク204に水素ガスを充填する。
極めて稀なケースではあるが、例えば水素充填作業をしている作業員の意識していない状態で車両A(FCV)が何らかの理由で発進してしまう場合が存在する。同様に極めて稀なケースではあるが、水素充填作業をしている車両A(FCV)に他の車両が衝突して、水素充填作業中の車両Aが作業員の意識しない状態で移動してしまう場合が存在する。水素充填中の車両Aが作業員の意識しない状態で発進し或いは移動してしまうと充填ホース201が引っ張られてしまい、水素充填装置200が転倒し破損して、可燃性の水素ガスが噴出して危険な状態になる。その様な事態を回避するため、緊急離脱用の管継手300(安全継手)を水素充填装置200と充填ホース201の間の領域に設け、充填ホース201に一定以上の引張荷重が作用すると管継手300を分離して、水素充填装置200の転倒と破損を防止している。
なお、上述した様に管継手300が分離することは極めて稀な事象であり、日常的に生じる訳ではない。
【0003】
ところで、充填ホース201に一定以上の引張荷重が掛からない場合であっても、充填ホース201が揺動すると、当該揺動によるモーメントが管継手300の車両側部材(プラグ)の充填ホース取付け部に作用し、当該取付け部を破損して、破損個所から水素ガスが漏出してしまう恐れがある。
それに対して、出願人は、充填ホース201の揺動によるモーメントにより安全継手300のプラグが破損してしまうことを防止する対策を提案している(特許文献1参照)。
【0004】
図10において、上述した管継手300(図10では破線の引き出し線により図示)は水素充填装置200のケーシング320内に内蔵されている。符号205は水素充填装置のケーシングの一部である。
管継手300は、充填ホース201に接続されたプラグ10(管継手のFCV側の部材:図1参照:図10では図示せず)と、水素充填装置側の部材であるソケット20(図1参照:図10では図示せず)を含み、所定以上の引張荷重が作用した時にはプラグがソケットから分離する(管継手300が分離する)。上述した従来技術(特許文献1参照)では、管継手300が分離した場合に、充填ホース201及びそれに結合されたプラグが通過するガイド部材(ケーシング320に内蔵:図10では図示せず)の中空部を経由して移動し、ケーシング320の下方の開口320Aから抜け出す様に構成されている。
しかし、FCVが予期せぬ発進や移動をする場合には、充填ホースを引っ張る力は垂直方向だけに作用するのではなく、水平方向(横方向)成分を有している。そのため、管継手300が分離した場合に、車両側部材10(プラグ)がケーシング320先端の開口320Aに引っ掛かる(係止する)恐れが存在する。そして、FCVが予期せぬ発進をして管継手300が分離した場合に、プラグ10がケーシング320先端の開口320Aに係止してしまうと、プラグ10とケーシング先端開口320Aとの係止箇所を介して、FCVが充填ホース201を引っ張る力が水素充填装置に伝達され、水素充填装置の転倒という事態を生じる恐れも存在する。
【0005】
また、充填ホース201のホース外周部には、スプリング、赤外線ファイバー、メッシュ等が配置されており、充填ホース201のカバーも存在するため、ケーシング先端開口320Aと係止し易い(引っ掛かり易い)。
すなわち、充填ホース201先端のプラグ10がケーシング320先端の開口320Aに係止することに加えて、充填ホース201がケーシング先端開口320Aに係止する事態が生じる可能性がある。
係る理由により、FCVの予期せぬ発進や移動に際して管継手300が分離しても、充填ホース201が水素充填装置に係止して、FCVが充填ホース201及び水素充填装置200(図9参照)を引っ張り、水素充填装置200を転倒、損傷させてしまう恐れがある。
そして上述した従来技術(特許文献1)では、その様な事態に対処することは意図されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6590159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、安全継手が分離した場合に、安全継手のプラグ或いは充填ホースがケーシング先端の開口に係止してしまうことを防止して、水素充填装置の転倒、破損を防止することが出来る充填ホース案内装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の充填ホース案内装置(100)は、
充填ホース(61)に接続されたプラグ(10:安全継手の車両側の部材)と水素充填装置側の部材であるソケット(20)を含む安全継手(300)を有する水素充填装置(200)に設けられ、前記安全継手(300)は所定以上の引張荷重が作用した時に分離する機能を有しており、前記安全継手(管継手)が分離した場合に分離後の充填ホースを案内する充填ホース案内装置(100、100-1~100-6)において、
前記安全継手(300)下方に、回転可能或いは変形可能な部材(30)を支持する支持構造(50)を配置したことを特徴としている。
そして前記回転可能或いは変形可能な部材(30)は弦巻状の弾性体(30B-1:スプリング或いは弦巻バネ)であるのが好ましい。
ここで、弦巻状の弾性体(30B-1)は、充填ホース(61)を介して作用する引張力によって弾性変形する様に設定することが好ましい。
なお本明細書において、安全継手を管継手と記載する場合がある。
【0009】
発明の充填ホース案内装置(100-2)において、
前記回転可能な部材(30)は、外径が中心軸方向について漸次変化して、外形(輪郭)が正弦曲線(sinカーブ)状のローラー(30B-2)で構成されているのが好ましい。
【0010】
また本発明の充填ホース案内装置(100-3)において、
前記回転可能な部材(30)はローラー(30B-3)であり、当該ローラー(30B-3)は変形可能な材料(例えばウレタン樹脂の様な樹脂或いは硬質スポンジ)で構成されているのが好ましい。
この場合、プラグ(10)のロッド(10D)が通過可能な寸法のスリット(SL)が形成されているのが好ましい。
【0011】
また本発明の充填ホース案内装置(100-4)において、
前記回転可能な部材(30)は、2本のローラー(30B-4:一対のローラー)で構成されており、
当該ローラー(30B-4)は充填ホース案内装置(100-4)の正面側(図5の左側)の径は大きく、基板(80:図1参照)側(図5の右側)に行くにつれて漸次ローラーの径が滑らかに小さくなるのが好ましい。
【0012】
本発明の充填ホース案内装置(100-5)において、
前記回転可能な部材(30)は、1本のローラー(鼓形状ローラー:30B-5)で構成されており、
当該ローラー(30B-5)は、中心軸方向両端の径寸法が大きく、中心軸方向中央における径寸法が小さくなっており、径寸法は漸次滑らかに変化する様に構成されていることを特徴としている。
【0013】
本発明の充填ホース案内装置(100-6)において、
前記回転可能な部材(30)は、コ字状に配置された中心軸回りを回転自在な複数の回転体(30-6)で構成されているのが好ましい。
回転体(30-6)の形状としては、例えばそろばん珠形状が好ましいが、球体であっても良いし、回転体であれば適用可能である。
隣接する回転体(30-6)間の隙間にプラグ(10)のロッド(10D)が係合しない様に、隣接する回転体(30-6)間の隙間がロッド(10D)の直径よりも大きいことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
前記安全継手(300)下方に回転可能或いは変形可能な部材(30)を支持する支持構造(50)が設けられているので、充填ホース(61)の揺動を抑制してプラグ(10)を保護するとともに、FCVにより引っ張られる充填ホース(61)の角度を規制して安全継手(300)が所定の引張荷重で離脱することが可能となる。したがって、例えば水素充填作業中に燃料電池車両(FCV)が発進しても、プラグ(10)とソケット(20)が分離して、水素充填装置本体には充填ホース(61)の引張力が作用しない。
そして、充填ホース(61)或いはその先端のプラグ(10)が前記回転可能或いは変形可能な部材(30)と接触しても、当該部材(30)が回転或いは変形して、プラグ(10)や充填ホース(61)が移動することで係合した(引っ掛かった)状態を解除することが出来る。
そのため、水素充填装置の破損を防止することが出来る。
【0015】
ここで、前記変形可能な部材(30)を弦巻状の弾性体(30B-1:スプリング或いは弦巻バネ)で構成すれば、プラグ(10)や水素充填ホース(61)が弦巻状の弾性体(30B-1)における円弧状の表面を滑動して、ローラー支持構造(50-1)に係合する(引っ掛かる)こと自体が防止される。
また、弦巻状の弾性体(30B-1)はどの方向にも自在に弾性変形する(撓む)ので、プラグ(10)や充填ホース(61)を、ローラー支持構造(50-1)との係合が解除される(引っ掛からなくなる)位置まで移動することが出来る。そして、弦巻状の弾性体(30B-1)自体を変形或いは移動させるための機構を別途設ける必要が無く、その分だけローラー支持構造(50-1)の製作の労力が軽減する。
さらに、弦巻状の弾性体(30B-1)の弾性係数を、プラグの離脱荷重より僅かに大きい荷重で弾性変形するように設定すれば、充填ホース(61)が弾性体(30B-1)の円弧表面に接触した際には当該円弧表面を滑動して充填ホース(61)の揺動を抑制し、燃料電池車両(FCV)の発進等による引張力が作用した際には弾性体(30B-1)が弾性変形して巻線間の間隔が拡大し、プラグ(10)或いはロッド(10D)が当該弾性体(30B-1)に挟み込まれることが防止される。
【0016】
ここで、ケーシング320は分離した充填ホース61の撓み、湾曲を抑制し、プラグ10がローラー支持構造50の外側に落下して充填ホース61がローラー支持構造50に引っ掛かる事態を防止しているが、ガイド部材(70)をローラー支持構造(50)近傍まで延在すれば、ガイド部材(70)がケーシング(320)の役割を果たすことができる。このような場合、本発明ではケーシング(320)を設けても良いが、省略することも可能である。
【0017】
また、本発明の充填ホース案内装置(100-2)において、前記回転可能な部材(30)の外径が中心軸方向について漸次変化して、外形(輪郭)が正弦曲線(sinカーブ)状のローラー(30B-2)で構成されていれば、ローラー(30B-2)とプラグ(10)が接触しても、ローラー(30B-2)が回転することにより、ローラー(30B-2)とプラグ(10)は係合してしまうこと(引っ掛かること)は無い。
また、ローラー(30B-2)の径が小さい部分をプラグ(10)のロッド(10D)が通過するような相対位置関係になれば、ローラー(30B-2)が回転しなくても、プラグ(10)とローラー(30B-2)とは離隔して係合解除されて、プラグ(10)がローラー支持構造(50-2)から抜け出ることが出来る。
【0018】
本発明の充填ホース案内装置(100-3)において、前記回転可能な部材(30)を樹脂(例えばウレタン樹脂)や硬質スポンジの様な変形可能な材料製のローラー(30B-3)で構成すれば、ローラー支持構造(50-3)とプラグ(10)が係合した場合に、充填ホース(61)を介して引張力がプラグ(10)に作用すると、当該引張力によりローラー(30B-3)を構成する変形可能な材料が弾性変形をして、プラグ(10)をローラー支持構造(50-3)から係合解除することが出来る。
ここで、前記ローラー(30B-3)にスリット(SL)を形成し、そのスリット(SL)の幅をプラグ(10)のロッド(10D)が通過可能な寸法に設定すれば、プラグ(10)がスリット(SL)に嵌合した際に、ロッド(10D)がスリット(SL)から外れなくなる事態を防止することが出来る。
【0019】
さらに本発明の充填ホース案内装置(100-4)において、前記回転可能な部材(30)を2本のローラー(30B-4:一対のローラー)で構成し、当該ローラー(30B-4)は充填ホース案内装置(100-4)の正面側(図5の左側)の径は大きく、基板(80)側(図5では右側)に行くにつれて漸次ローラーの径が滑らかに小さくなる様に構成すれば、プラグ(10)或いは充填ホース(61)がローラー(30B-4)に接触しても、ローラー(30B-4)が回転することにより係合しない。
また、ローラー(30B-4)間の空間(隙間)は、基板側(図5の右側)に行くほど大きくなり、ローラー(30B-4)とプラグ(10)或いは充填ホース(61)が接触すると、プラグ(10)或いは充填ホース(61)はローラー(30B-4)間の隙間が大きい基板側(図5の右側)に円滑に移動して、(ローラー支持構造50-4のローラー30B-4間の隙間から)抜け出ることが出来る。
【0020】
本発明の充填ホース案内装置(100-5)において、前記回転可能な部材(30)を1本のローラー(鼓形状ローラー:30B-5)で構成し、当該ローラー(30B-5)を、中心軸方向両端の径寸法が大きく、中心軸方向中央における径寸法が小さく、径寸法が漸次滑らかに変化する様に構成すれば、プラグ(10)がローラー(鼓形状ローラー:30B-5)に接触しても、当該ローラー(30B-5)が回転することにより、プラグ(10)とローラー(30B-5)は係合しない。
また、プラグ(10)がソケット(20)から外れて、充填ホース(61)及びプラグ(10)が引っ張られた際に、充填ホース(61)はローラー(鼓形状ローラー:30B-5)の径寸法が小さな軸方向中心部を移動する。軸方向中心部は空間が大きく、抵抗が少なく移動できるからである。そのため、プラグ(10)はローラー支持構造(50-5)と係合し難い(引っ掛かり難い)。
【0021】
そして本発明の充填ホース案内装置(100-6)において、前記回転可能な部材(30)を、コ字状に配置された中心軸回りを回転自在な複数の回転体(30-6)で構成すれば、プラグ(10)や充填ホース(61)が回転体(30-6)に接触しても、回転体(30-6)は回転軸回りに回転するので、プラグ(10)や充填ホース(61)が複数の回転体(30-6)と係合することは防止される。
ここで、隣接回転体(30-6)間の隙間がロッド(10D)の直径よりも大きければ、ロッド(10D)が隣接する回転体(30-6)の間に嵌合してしまう事態も防止される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態の概要を示す説明図である。
図2】本発明の第1実施形態におけるローラー支持構造を示す説明図である。
図3】本発明の第2実施形態の要部を示す説明図である。
図4】本発明の第3実施形態で用いられるローラーの説明図である。
図5】本発明の第4実施形態におけるローラー支持構造を示す説明図である。
図6】本発明の第5実施形態におけるローラー支持構造の概要を示す説明図である。
図7】本発明の第6実施形態におけるローラー支持構造を示す説明図である。
図8】本発明の実施形態におけるプラグの形状を示す説明図である。
図9】水素充填設備の概要を示す説明図である。
図10】安全継手が水素充填装置に取り付けられている状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態を説明する前に、図1を参照して図示の実施形態の概要を説明する。
図1ではケーシング320(矩形のケーシング本体であって、水素充填装置200側を除く部分:図10参照)の図示を省略している。
図1において、充填ホース61に接続されたプラグ10(安全継手の車両側の部材)と、水素充填装置側の部材であるソケット20を含む安全継手300が示されており、図9で示す様に、安全継手300は水素充填装置(200)に設けられている。安全継手300は、充填ホース61に所定以上の引張荷重が作用した時にプラグ10がソケット20から分離する(安全継手が分離する)機能を有している。
安全継手300が分離すると、充填ホース61及びプラグ10はガイド部材70の中空部を経由して移動し、ケーシング320の下方の開口320A(図10)から抜け出す様に構成されている。
安全継手300及びガイド部材70の下方には、本発明の実施形態に係る充填ホース案内装置100が設けられており、充填ホース案内装置100は回転可能或いは変形可能な部材であるローラー30A、30Bと、それを支持する支持構造50により構成されている。
プラグ10とソケット20はケーシング320内に収容されている。
図1において、実線の引き出し線で示すプラグ10は破線の引き出し線で示すソケット20に結合されている。
【0024】
水素ガスは水素充填装置(図1では図示せず)から水素ガス配管21を介してソケット20に供給され、その後、プラグ10、充填ホース61を経由して図示しない充填ノズル(図9の符号202)を介して、FCV車(図9)の水素タンク204(図9)内に充填される。
ケーシング320(図10)の先端(充填ホース61のFCV側:図1では下方)の開口320Aには、回転自在に配置された正面ローラー30Aと2個の側方ローラー30Bが配置されている。
図1のローラー支持構造50において、正面ローラー30Aの中心軸と隣接する2個の側方ローラー30Bの中心軸は直交しているが、正面ローラー30A及び側方ローラー30Bは各々の回転軸回りを回転自在に構成されている。
【0025】
図1で示す状態ではプラグ10とソケット20は結合しているが、プラグ10がソケット20から分離すると、プラグ10或いは充填ホース61はローラー支持構造50と接触する。それにより、正面ローラー30A及び/又は側方ローラー30Bが回転して、プラグ10或いは充填ホース61はケーシング開口320A(図10参照)の縁部或いはローラー支持構造50と係合することなく(引っ掛かることなく)、水素充填装置200から離隔する。そして、FCVにより引っ張られる方向(矢印F方向)に移動することで、プラグ10と充填ホース61は円滑にケーシング320を抜け出し、水素充填装置200が転倒して破損することは防止される。
また、安全継手300の下方にローラー支持構造(50)を設けることにより、充填ホース61の揺動を抑制してプラグを保護するとともに、FCVにより引っ張られる充填ホース61の角度を規制して安全継手300が所定の引張荷重で離脱することが可能となる。
【0026】
図1では図示を省略したケーシング320(図10)の水素充填装置200側(図1では右側)には、基板80が設けられており、ガイド部材70とローラー支持構造50は基板80に取り付けられている。
基板80側にはローラーは設けられていない。FCVに水素充填をする際には、水素充填装置200の正面側(図1の左側)或いはその側方にFCVを停車して水素充填を行い、基板80側すなわち水素充填装置200の裏側にFCVを停車して水素充填を行うことはない。そのため、FCVの発進等により充填ホース61が基板80側、水素充填装置200の裏側、に引っ張られることは無い。そのため、基板80側にはローラーを設ける必要が無い。
【0027】
図1において、ケーシング320の開口320A(図10)に正面ローラー30A及び側方ローラー30Bを設けることなく、開口320Aの断面積を大きくして、充填ホース61或いはプラグ10が先端開口に係止し難くする(引っ掛からない様にする)ことも可能である。
しかし、ケーシング320は基本的に小さくしたいという設計上の要請が存在する。ローラー支持構造50を設けず、かつケーシング320が大き過ぎる場合、FCVにより引っ張られる充填ホース61の角度はケーシング中心軸(鉛直軸)に対して大きくなる。これにより管継手300(図10)に作用する水平方向の力が大きくなり、所定の引張荷重ではプラグ10がソケット20から分離しない可能性がある。そのため、ケーシング320は可能な限り小さいことが望ましく、ケーシング320の先端開口320Aを大きくすることは出来ない。
ここで、ケーシング320の開口320A(図10)に滑らかなアールをつけても、ケーシングの板厚が小さいために曲率を小さくすることができない。その上、ホース外周部には、スプリング、赤外線ファイバー、メッシュ等が配置されているため、充填ホース61の表面には凹凸が存在する。したがって、ケーシングの開口が充填ホース61に作用する引張力により相対移動しない限りは、充填ホース61がケーシングの開口において係止してしまう。
図2図8の実施形態であれば、その様な問題は生じない。
【0028】
また、ケーシング320は分離した充填ホース61の撓み、湾曲を抑制し、プラグ10がローラー支持構造50の外側に落下して充填ホース61がローラー支持構造50に引っ掛かる事態を防止しているが、ガイド部材70をローラー支持構造50近傍まで延在すれば、ガイド部材70がケーシング320の役割を果たすことができる。このような場合、本発明ではケーシング320を設けても良いが、省略することも可能である。
【0029】
先ず、図2を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図2は第1実施形態の要部を示しており、図1におけるローラー支持構造50に相当する構造を示している。
図2において、第1実施形態に係る充填ホース案内装置100-1はローラー支持構造50-1を有し、ローラー支持構造50-1は、正面ローラー30A-1及び2個のスプリング30B-1(弦巻状の弾性体:弦巻バネ)を有している。
ローラー支持構造50-1は支持部材40-1を有しており、支持部材40-1は、正面部41-1、背面部42-1、上面部43-1を備えている。
正面ローラー30Aは、その両端部近傍において、正面部41-1における水素充填装置200側とは反対の面(図2では左側の面)に設けられた軸支部31により回転可能に支持されている。
図2における2個のスプリング30B-1は、各々の一端が正面部41-1に固定され、他端が背面部42-1に固定される。その固定は、例えば溶接等、従来公知の態様で行われる。
支持部材40-1の上面部43-1には大きな開口43A-1が形成されている。プラグ10とソケット20が分離した場合、分離したプラグ10とそれに接続された充填ホース61は当該開口43A-1を通過して、FCVにより引っ張られる方向(矢印F方向)に移動する。開口43-1の幅寸法(スプリング30B-1の長手方向の幅寸法)は、プラグ10が十分に通過出来る様に設定されている。
【0030】
図2の第1実施形態では、回転可能或いは変形可能な部材をスプリング30B-1で構成することにより、プラグ10や充填ホース61がスプリング30B-1と接触しても、スプリング30B-1の巻線における円弧上を滑動するため、ローラー支持構造50-1に係合する(引っ掛かる)こと自体を防止出来る。その際、プラグ10におけるロッド10Dは、スプリング30B-1の巻線間の隙間を通り抜けることが出来る。
また、スプリング30B-1自体の弾性(或いは可撓性)により、スプリング30B-1はどの方向にも自在に弾性変形する(撓む)ので、係止したプラグ10や充填ホース61は、ローラー支持構造50-1と係合解除する(引っ掛からなくなる)位置まで容易に移動することが出来る。
そしてスプリング30B-1はどの方向にも自在に弾性変形する(撓む)ため、スプリングを変形或いは移動させるための機構を別途設ける必要が無く、その分だけローラー支持構造50-1の製造の労力、コストが軽減される。
【0031】
図2の第1実施形態ではスプリング30B-1の弾性係数は、プラグ10或いは充填ホース61がスプリング30B-1に接触した際に、スプリング30B-1は変形せず、且つ、充填ホース61を介して作用する引張力により弾性変形する様に設定されている。そのため、プラグ10或いは充填ホース61がスプリング30B-1の円弧表面に接触した際には当該円弧表面を滑動する。そしてプラグ10或いは充填ホース61がスプリング30B-1に挟み込まれても、燃料電池車両FCVの発進等による引張力が作用すればスプリング30B-1が弾性変形して、プラグ10或いはロッド10Dがスプリング30B-1から抜け出ることが出来る。或いは、スプリング30B-1の巻線間の間隔が拡大して、プラグ10或いは充填ホース61がスプリング30B-1との係合が解除される。
【0032】
図2において、正面ローラー30A-1の下縁部は、支持部材40-1の正面部41-1の下縁41E-1よりも下方(図2の矢印D方向)に突出しており、その正面ローラー30A-1のつば部30T-1は正面部開口41A-1に挿入されている。正面ローラー30A-1が回転軸と中空の回転体を含む場合において、つば部30T-1を正面部開口41A-1に挿入すれば、中空の回転体が回転体軸方向に回転軸と相対移動することが規制される。
また、明確には図示されていないが、前方ローラー30A-1もスプリング30B-1と同様な弦巻バネに置換可能である。
図2の第1実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1を参照して説明したのと同様である。
【0033】
次に図3を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
図3の第2実施形態では、図2に示す第1実施形態のスプリング30B-1(弦巻バネ)に代えて、ローラーの外径がローラーの長手方向(中心軸方向)について漸次変化する側方ローラー30B-2を設けている。
図3において、第2実施形態に係る充填ホース案内装置100-2はローラー支持構造50-2を有しており、ローラー支持構造50-2は回転可能な部材である側方ローラー30B-2を有している。側方ローラー30B-2は2本設けられているが、図3では一方の側方ローラー30B-2のみを示す。
図3において、側方ローラー30B-2の外形(輪郭)は、長手方向(図示しない中心軸方向)について断面直径が正弦曲線(sinカーブ)状に漸次変化している。ここで、側方ローラー30B-2とその回転軸は一体に構成されていても良いし、側方ローラー30B-2を中空の回転体形状に構成し且つその回転軸とは別体に構成してもよい。
図示されていないが、ローラー支持構造50-2の一部を構成する支持部材を介して、側方ローラー30B-2は水素充填装置側の基板80(図1)に回転可能に支持されている。
【0034】
ローラー30B-2の外形(輪郭)は、その径寸法が正弦曲線(sinカーブ)状に変化する様に構成されているので、ローラー30B-2の径が小さい部分をプラグ10のロッド10Dが通過するような相対位置関係であれば、ローラー30B-2が回転しなくても、充填ホース61及びプラグ10がローラー支持構造50-2と係合することなく、抜け出ることが出来る。
図3の第2実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1図2を参照して説明したのと同様である。
【0035】
図4を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
図4の第3実施形態に係る充填ホース案内装置100-3と図1で示す充填ホース案内装置100とはローラー、特に側方ローラー30B-3が異なっている。
図4では側方ローラー30B-3を1本のみ図示しており、側方ローラー30B-3は、第3実施形態におけるローラー支持構造50-3の回転可能或いは変形可能な部材である。明確には図示されていないが、第3実施形態で用いられる側方ローラー30B-3は、樹脂(例えばウレタン樹脂)や硬質スポンジの様な変形可能な材料で構成することが出来る。
ローラー支持構造50-3において、側方ローラー30B-3にプラグ10が係合した場合に、充填ホース61を介して引張力がプラグ10に作用すると、当該引張力により側方ローラー30B-3を構成するウレタン樹脂や硬質スポンジの様な材料が弾性変形をして、プラグ10と側方ローラー30B-3との係合状態を解除することが出来る。
図4には明示されていないが、ローラー支持構造50-3の一部を構成する支持部材を介して、側方ローラー30B-3は水素充填装置側の基板80(図1)に回転可能に支持されている。
【0036】
図4において、ウレタン樹脂或いは硬質スポンジ製の側方ローラー30B-3には、軸方向(長手方向)略等間隔で例えば2箇所にスリットSLが形成されており、スリットSLはプラグ10のロッド10D(図2図3参照)が通過可能な幅寸法に設定されている。
上述した様に側方ローラー30B-3は変形可能な材料で構成されているので、プラグ10がスリットSLに嵌合した際に、ロッド10DがスリットSLから外れる様な力(充填ホース61を引っ張る力)が作用すると側方ローラー30B-3が変形するので、ロッド10DがスリットSLから外れなくなることはない。
図4の第3実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1図3を参照して説明したのと同様である。
【0037】
図1で示す充填ホース案内装置では3本のローラー30A、30Bが設けられており、当該3本のローラー30A、30Bは矩形の3辺を構成する様に配置されている。
しかし、本発明において、ローラーは3本に限定される訳ではなく、矩形の3辺を構成する配置には限定されない。
図5で示す第4実施形態の充填ホース案内装置100-4のローラー支持構造50-4では、回転可能な部材として2本の側方ローラー30B-4(一対のローラー)を有している。2本の側方ローラー30B-4は、図1の側方ローラー30Bに相当する。
ローラー支持構造50-4は支持部材40-4を有しており、支持部材40-4は正面部41-4、背面部42-4、側面部43-4を備え、側面部43-4は正面部41-4と背面部42-4を接続している。そして背面部42-4は図示しない基板80(図1)側に固定されている。
支持部材40-4の上面は開放されて開口40A-4を構成しており、プラグ10とソケット20が分離した場合、分離したプラグ10と充填ホース61は開口40A-4を通過して、FCVにより引っ張られる方向に移動する。
正面部41-4の長手方向(図5の左右方向)の両端部近傍には軸支部41A-4が設けられ、軸支部41A-4は2本の側方ローラー30B-4の一端を回転可能に支持している。背面部42-4の長手方向(図5で左右方向)の両端部近傍には、2本の側方ローラー30B-4の他端が回転可能に支持されている。ここで正面部41-4は、軸支部41A-4が配置された第1の部材41-41と、上方側に延在する第2の部材41-42を有しており、第1の部材41-41と第2の部材41-42は相互に直交する様に配置されている。
【0038】
図5において、2本の側方ローラー30B-4は充填ホース案内装置100-4の正面側(図5の左側)の径は大きく、基板80側(図5の右側)に向かって漸次ローラーの径が滑らかに小さくなる様に構成されている。そのため、2本の側方ローラー30B-4間の空間(或いは隙間の寸法)は、基板80側(図5の右側)に行くほど大きくなる。
2本の側方ローラー30B-4を上述の様に構成し、配置することにより、側方ローラー30B-4とプラグ10或いは充填ホース61が接触すると、プラグ10或いは充填ホース61は側方ローラー30B-4の回転により、或いは、側方ローラー30B-4の表面を滑動して、側方ローラー30B-4間の隙間寸法が大きい基板80側(図5の右側)に円滑に移動して、(ローラー支持構造50-4の)側方ローラー30B-4間の隙間から抜け出ることが出来る。
図5において、2本の側方ローラー30B-4は、それぞれ長手方向の両端部で支持されている。しかし、側方ローラー30B-4の大径側端部(図5では左端部)を支持する支持部材40-4、すなわち正面部41-4を省略して、いわゆる「片持ち」に構成することも可能である。但し、強度的には両端を支持する方が好ましい。
図5の第4実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1図4を参照して説明したのと同様である。
【0039】
次に図6を参照して、本発明の第5実施形態を説明する。
図6の第5実施形態に係る充填ホース案内装置100-5は、ローラー支持構造50-5を有しており、ローラー支持構造50-5は、回転可能な部材は1本の側方ローラー30B-5(鼓形状ローラー)で構成されている。
鼓形状ローラー30B-5は、中心軸方向両端の径寸法が大きく、中心軸方向中央における径寸法が小さくなっており、径寸法は漸次滑らかに変化する様に構成されている。
なお、鼓形状ローラー30B-5は、ローラー支持構造50-5の一部を介して、水素充填装置側の基板80(図1)に回転可能に支持される。
【0040】
鼓形状ローラー30B-5を図6で示す様に構成することにより、プラグ10がソケット20から外れて、充填ホース61及びプラグ10が図6の矢印S方向に引っ張られた際に、充填ホース61及びプラグ10は鼓形状ローラー30B-5の表面を滑動して、径寸法が小さな軸方向中心部を移動する。鼓形状ローラー30B-5の径寸法が小さな軸方向中心部は開放空間が大きく、抵抗が少なく移動できて、プラグ10はローラー支持構造50-5と係合し難い(引っ掛かり難い)。
そして、充填ホース61及びプラグ10が移動する際、プラグ10が鼓形状ローラー30B-5に接触しても、鼓形状ローラー30B-5が回転することによりプラグ10と鼓形状ローラー30B-5は係合することはない。
図6の第5実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1図5を参照して説明したのと同様である。
【0041】
図7を参照して、本発明の第6実施形態を説明する。
図7の第6実施形態に係る充填ホース案内装置100-6はローラー支持構造50-6を有し、ローラー支持構造50-6は複数(或いは多数)の回転体30-6(回転可能な部材)を設けている。
第6実施形態の充填ホース案内装置100-6では、図1の充填ホース案内装置100における正面ローラー30A、側方ローラー30Bが、複数(図7では全17個)の回転体30-6に置換されている。複数の回転体30-6の中心軸31-6は、図7においては一点鎖線で示されており、全体が概略コ字状になっている。複数の回転体30-6の各々は、中心軸31-6回りに回転自在である。
複数の回転体30-6におけるコ字状の回転軸31-6は、その両端部において、支持部材40-6を介して水素充填装置側の基板80(図1)に支持されている。
回転体30-6の形状としては、明確には示されないが、そろばん珠形状としている。しかし、球体であっても良いし、その他の形状であっても回転体形状であれば適用可能である。
明確には図示されていないが、隣接する回転体30-6間の隙間にプラグ10のロッド10Dが嵌合(係合)しない様に、隣接する回転体30-6間の隙間寸法はロッド10Dの径寸法よりも大きく設定している。
【0042】
図7の第6実施形態では、プラグ10や充填ホース61が複数の回転体30-6に接触すると、回転体30-6は回転軸31-6の回りに回転するので、プラグ10や充填ホース61が複数の回転体30-6と係合することは防止される。
そして、隣接する回転体30-6間の隙間がプラグ10のロッド10Dの直径よりも大きく設定されているので、ロッド10Dが隣接する回転体30-6の間に嵌合してしまう事態も防止される。
図7の第6実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1図6を参照して説明したのと同様である。
【0043】
図8は、図示の実施形態のプラグ10の変形例が示されており、図8におけるプラグ10は、本体部10A、中間部10B、テーパー部10C、ソケットとの接続側におけるロッド10Dを有している。テーパー部10Cは、中間部10Bから下端部(図8で下側端部)に向けて径寸法が徐々に減少しており、テーパー部10Cの下端部に充填ホース61が接続されている。
プラグ10における充填ホース61側をテーパー部10Cで構成することにより、プラグ10側と充填ホース61側に段部は存在しない。そのため、ソケット20とプラグ10が分離し、プラグ10がケーシング320の開口320A(図10)に配置された正面ローラー30A及び/又は側方ローラー30Bと接触しても、プラグ10の段部がローラー30A、30Bと係合してしまうことは無く、テーパー部10Cにより円滑にローラー30A、30Bと接触する。そのため、プラグ10はケーシング320から抜け出し易くなる。
【0044】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
【符号の説明】
【0045】
10・・・プラグ(安全継手の車両側の部材)
10D・・・ロッド
20・・・ソケット(安全継手の水素充填装置側の部材)
30・・・回転可能或いは変形可能な部材
30A・・・正面ローラー
30B・・・側方ローラー
30B-1・・・スプリング(弦巻状の弾性体)
30B-2・・・外形が正弦曲線状のローラー
30B-3・・・変形可能な材料で構成されたローラー
30B-4・・・正面側の径は大きく、基板側に行くにつれて漸次ローラーの径が滑らかに小さくなるローラー
30B-5・・・鼓形状ローラー
30-6・・・コ字状に配置された中心軸回りを回転自在な複数の回転体
50、50-1~50-6・・・回転可能或いは変形可能な部材を支持する支持構造
61・・・充填ホース
100、100-1~100-6・・・充填ホース案内装置
200・・・水素充填装置
320・・・ケーシング
320A・・・ケーシング下方の開口
SL・・・ローラーに形成されたスリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10