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特開2024-35921コミュニケーション支援サーバ、コミュニケーション支援システム、コミュニケーション支援方法、及びコミュニケーション支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035921
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】コミュニケーション支援サーバ、コミュニケーション支援システム、コミュニケーション支援方法、及びコミュニケーション支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20240101AFI20240308BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140547
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】519185155
【氏名又は名称】株式会社Aill
(74)【代理人】
【識別番号】100187322
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】豊嶋 千奈
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】スケジュールに関する有益な情報を提示しコミュニケーションの円滑化を図る。
【解決手段】
第1のユーザが使用する第1端末装置411aと第2のユーザが使用する第2端末装置411bとの間のカレンダー共有サービスとチャットサービスを提供するコミュニケーション支援サーバであって、第1端末装置411aからスケジュール情報を取得して第1のユーザに紐づけて記憶するカレンダー管理部212と、スケジュール情報の内容を解析したスケジュール解析結果を生成するスケジュール解析部213と、スケジュール解析結果に基づいて、第1のユーザ/第2のユーザに対してスケジュール情報に関するアシストが必要か否かを判定するアシスト要否判定部215と、アシストが必要と判定された場合に、スケジュール解析結果に基づいてアシストメッセージを生成するアシストメッセージ生成部216と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザが使用する第1端末装置と第2のユーザが使用する第2端末装置との間のカレンダー共有サービスとチャットサービスを提供するコミュニケーション支援サーバであって、
前記第1端末装置からスケジュール情報を取得して前記第1のユーザに紐づけて記憶するカレンダー管理部と、
前記スケジュール情報の内容を解析したスケジュール解析結果を生成するスケジュール解析部と、
前記スケジュール解析結果に基づいて、前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに対して前記スケジュール情報に関するアシストが必要か否かを判定するアシスト要否判定部と、
前記アシスト要否判定部がアシストを必要と判定した場合に、前記スケジュール解析結果に基づいて前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに送信するためのアシストメッセージを生成するアシストメッセージ生成部と、
を備えるコミュニケーション支援サーバ。
【請求項2】
さらに、前記第1端末装置及び/又は前記第2端末装置から受信したメッセージの内容を解析したメッセージ解析結果を生成するメッセージ解析部を備え、
前記アシスト要否判定部は、さらに前記メッセージ解析結果に基づいて、前記第1のユーザ又は前記第2のユーザに対して前記スケジュール情報に関するアシストが必要か否かを判定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のコミュニケーション支援サーバ。
【請求項3】
前記アシストメッセージ生成部は、前記アシスト要否判定部がアシストを必要と判定した場合に、さらに前記メッセージ解析結果に基づいて前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに送信するためのアシストメッセージを生成する
ことを特徴とする、請求項2に記載のコミュニケーション支援サーバ。
【請求項4】
前記メッセージ解析部は、前記メッセージ解析結果を用いて前記第1のユーザが前記第2のユーザに対して持つ第1の好感度及び前記第2のユーザが前記第1のユーザに対して持つ第2の好感度を算出し、
前記アシスト要否判定部は、前記第1の好感度及び/又は前記第2の好感度に基づいて、前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに対して前記チャットサービスにおけるメッセージの入力に関するアシストが必要か否かを判定する、
ことを特徴とする請求項2に記載のコミュニケーション支援サーバ。
【請求項5】
スケジュール解析結果
前記メッセージ解析部は、さらに前記スケジュール解析結果を用いて前記第1の好感度及び前記第2の好感度を算出する、
ことを特徴とする請求項4に記載のコミュニケーション支援サーバ。
【請求項6】
前記メッセージ解析部は、
前記第1の好感度及び前記第2の好感度の経時変化を算出し、
前記アシスト要否判定部は、さらに前記第1の好感度及び前記第2の好感度の経時変化に基づいて、前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに対して前記チャットサービスにおけるメッセージの入力に関するアシストが必要か否かを判定する、
ことを特徴とする請求項4に記載のコミュニケーション支援サーバ。
【請求項7】
前記スケジュール解析部は、
前記スケジュール解析結果を用いて、前記スケジュール情報に関して前記第2のユーザに期待される関与の度あいとして期待関与度を算出し、
前記アシスト要否判定部は、さらに前記期待関与度に基づいて、前記第1のユーザ又は前記第2のユーザに対して前記チャットサービスにおけるメッセージの入力に関するアシストが必要か否かを判定する、
請求項2に記載のコミュニケーション支援サーバ。
【請求項8】
前記スケジュール情報の真意に関する質問情報を生成する質問情報生成部をさらに備え、
前記アシスト要否判定部は、前記スケジュール解析結果に基づいて、前記第1のユーザに前記スケジュール情報の真意を確認する必要の有無を判定し、
前記質問情報生成部は、前記第1のユーザに前記スケジュール情報の真意を確認する必要があると判定された場合に、前記第1のユーザに送信するための質問情報を生成する、
請求項1に記載のコミュニケーション支援サーバ。
【請求項9】
前記アシストメッセージは、休暇取得を促すメッセージを含む、
請求項1に記載のコミュニケーション支援サーバ。
【請求項10】
前記アシストメッセージは、育児休暇取得を促すメッセージを含む、
請求項1に記載のコミュニケーション支援サーバ。
【請求項11】
第1のユーザが使用する第1端末装置と第2のユーザが使用する第2端末装置との間のカレンダー共有サービスとチャットサービスを提供するコミュニケーション支援システムであって、
前記第1端末装置からスケジュール情報を取得して前記第1のユーザに紐づけて記憶するカレンダー管理部と、
前記スケジュール情報の内容を解析したスケジュール解析結果を生成するスケジュール解析部と、
前記スケジュール解析結果に基づいて、前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに対して前記スケジュール情報に関するアシストが必要か否かを判定するアシスト要否判定部と、
前記アシスト要否判定部がアシストを必要と判定した場合に、前記スケジュール解析結果に基づいて前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに送信するためのアシストメッセージを生成するアシストメッセージ生成部と、
を備えるコミュニケーション支援システム。
【請求項12】
第1のユーザが使用する第1端末装置と第2のユーザが使用する第2端末装置との間のカレンダー共有サービスとチャットサービスをコンピュータが提供するコミュニケーション支援方法であって、
前記第1端末装置からスケジュール情報を取得して前記第1のユーザに紐づけて記憶するステップと、
前記スケジュール情報の内容を解析したスケジュール解析結果を生成するステップと、
前記スケジュール解析結果に基づいて、前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに対して前記スケジュール情報に関するアシストが必要か否かを判定するステップと、
前記スケジュール情報に関するアシストを必要と判定した場合に、前記スケジュール解析結果に基づいて前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに送信するためのアシストメッセージを生成するステップと、
を備えるコミュニケーション支援方法。
【請求項13】
第1のユーザが使用する第1端末装置と第2のユーザが使用する第2端末装置との間のカレンダー共有サービスとチャットサービスを提供するコミュニケーション支援プログラムであって、
前記第1端末装置からスケジュール情報を取得して前記第1のユーザに紐づけて記憶するステップと、
前記スケジュール情報の内容を解析したスケジュール解析結果を生成するステップと、
前記スケジュール解析結果に基づいて、前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに対して前記スケジュール情報に関するアシストが必要か否かを判定するステップと、
前記スケジュール情報に関するアシストを必要と判定した場合に、前記スケジュール解析結果に基づいて前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに送信するためのアシストメッセージを生成するステップと、
をコンピュータに実行させるためのコミュニケーション支援プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人と人の間のネットワークを介したコミュニケーションの支援を行うコミュニケーション支援サーバ、コミュニケーション支援システム、コミュニケーション支援方法、及びコミュニケーション支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人と人のネットワークを介したコミュニケーションツールとして、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(social networking service,SNS)が広く活用されている。また、ソーシャル・ネットワーキング・サービスには、チャット機能やメッセンジャー機能等が実装されている場合が多く、リアルタイムなコミュニケーションを行うことができる。そして、システムが人間間のコミュニケーションに介入し、コミュニケーションの円滑化を図る技術が提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、仮想空間内のコミュニティ・サービスにおけるユーザ間のコミュニケーションに関し、仮想ユーザによる仲介を通じて、コミュニティを活性化する技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、ネットワーク上でカレンダーを共有するカレンダー共有アプリケーションにおいて、カレンダーを共有するユーザ間でコメント(テキスト)や画像、URLなどのやりとり(送受信)ができるチャット機能を備え、特定のユーザ間や端末間でスケジュールを共有して相互に予定を把握することができる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-098557号公報
【特許文献2】特開2019-101521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような、チャット機能とカレンダー共有機能を提供するSNSでは、一般に、パートナー、夫婦、家族等の、比較的頻繁にコミュニケーションが発生するユーザ同士が、閉じたユーザグループを作成する。各ユーザは、都合の良い時間に、ユーザグループのカレンダーに、イベント、記念日、仕事、家事や育児の分担等のスケジュール情報を新規登録、変更、削除したり、そのスケジュールに関してチャットでメッセージを送ったりすることができる。そうすることで、会って話をしなくても効率的に相手に必要なスケジュール情報、その関連情報、相手に対するメッセージ等を共有できる。
【0007】
しかし、直接対面で伝える場合に比べ、相手の反応をその場で確認できないため、スケジュールの優先度、重要度、緊急性や相手に期待する関与度について認識のずれが生じる場合がある。また、急なスケジュールの発生や変更により、共有カレンダーに登録されにくい、例えば買い物等の小さな家事や保育園の送迎などのルーチン化したタスクへの影響を相手ユーザが予測できないことがある。このような場合には、共有カレンダー機能でスケジュールの共有ができているにも関わらず、ユーザ間で相手に対し不満が蓄積されるという課題がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、特定のユーザで構成されるユーザグループでチャットとスケジュールの共有ができるコミュニケーションツールにおいて、スケジュールに関する有益かつ適切なアドバイスを提示しユーザ間のコミュニケーションの円滑化を図るコミュニケーション支援サーバ、コミュニケーション支援サーバ、検査コミュニケーション支援方法、及び検査コミュニケーション支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明に係るコミュニケーション支援サーバは、第1のユーザが使用する第1端末装置と第2のユーザが使用する第2端末装置との間のカレンダー共有サービスとチャットサービスを提供するコミュニケーション支援サーバであって、前記第1端末装置からスケジュール情報を取得して前記第1のユーザに紐づけて記憶するカレンダー管理部と、前記スケジュール情報の内容を解析したスケジュール解析結果を生成するスケジュール解析部と、前記スケジュール解析結果に基づいて、前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに対して前記スケジュール情報に関するアシストが必要か否かを判定するアシスト要否判定部と、前記アシスト要否判定部がアシストを必要と判定した場合に、前記スケジュール解析結果に基づいて前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに送信するためのアシストメッセージを生成するアシストメッセージ生成部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記した目的を達成するために、本発明に係るコミュニケーション支援システムは、第1のユーザが使用する第1端末装置と第2のユーザが使用する第2端末装置との間のカレンダー共有サービスとチャットサービスを提供するコミュニケーション支援システムであって、前記第1端末装置からスケジュール情報を取得して前記第1のユーザに紐づけて記憶するカレンダー管理部と、前記スケジュール情報の内容を解析したスケジュール解析結果を生成するスケジュール解析部と、前記スケジュール解析結果に基づいて、前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに対して前記スケジュール情報に関するアシストが必要か否かを判定するアシスト要否判定部と、前記アシスト要否判定部がアシストを必要と判定した場合に、前記スケジュール解析結果に基づいて前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに送信するためのアシストメッセージを生成するアシストメッセージ生成部と、を備える、ことを特徴とする。
【0011】
上記した目的を達成するために、本発明に係るコミュニケーション支援方法は、第1のユーザが使用する第1端末装置と第2のユーザが使用する第2端末装置との間のカレンダー共有サービスとチャットサービスをコンピュータが提供するコミュニケーション支援方法であって、前記第1端末装置からスケジュール情報を取得して前記第1のユーザに紐づけて記憶するステップと、前記スケジュール情報の内容を解析したスケジュール解析結果を生成するステップと、前記スケジュール解析結果に基づいて、前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに対して前記スケジュール情報に関するアシストが必要か否かを判定するステップと、前記スケジュール情報に関するアシストを必要と判定した場合に、前記スケジュール解析結果に基づいて前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに送信するためのアシストメッセージを生成するステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
上記した目的を達成するために、本発明に係るコミュニケーション支援プログラムは、第1のユーザが使用する第1端末装置と第2のユーザが使用する第2端末装置との間のカレンダー共有サービスとチャットサービスを提供するコミュニケーション支援プログラムであって、前記第1端末装置からスケジュール情報を取得して前記第1のユーザに紐づけて記憶するステップと、前記スケジュール情報の内容を解析したスケジュール解析結果を生成するステップと、前記スケジュール解析結果に基づいて、前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに対して前記スケジュール情報に関するアシストが必要か否かを判定するステップと、前記スケジュール情報に関するアシストを必要と判定した場合に、前記スケジュール解析結果に基づいて前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに送信するためのアシストメッセージを生成するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記手段を用いる本発明のコミュニケーション支援サーバ、コミュニケーション支援システム、コミュニケーション支援方法、及びコミュニケーション支援プログラムによれば、特定のユーザで構成されるユーザグループでチャットとスケジュールの共有ができるコミュニケーションツールにおいて、スケジュールに関する有益かつ適切な情報を提示しユーザ間のコミュニケーションの円滑化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係るコミュニケーション支援システムを示すシステム構成図である。
図2】コミュニケーション支援サーバの記憶部に記憶される情報例をまとめた表である。
図3】本発明の第1実施形態のアシストルーチンを示すフローチャートである。
図4】本発明の第2実施形態に係るコミュニケーション支援システムを示すシステム構成図である。
図5】本発明の第2実施形態のアシストルーチンを示すフローチャートである。
図6】本発明の各実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。
【0016】
<構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るコミュニケーション支援システムを示すシステム構成図である。
【0017】
コミュニケーション支援システム1(以下単に支援システム1という)は、コミュニケーション支援サービス(以下単に支援サービスという)の事業者が運営する、パートナー、夫婦や家族の間のコミュニケーションを支援するためのシステムである。支援サービスは、具体的には、支援サービスに登録したユーザであって、パートナー、夫婦や家族等、特定の関係にあるユーザ間でユーザグループを作成し、このユーザグループ内において、カレンダー機能によるスケジュールの共有とチャット機能によるメッセージの送受信を介したコミュニケーションを行う。
【0018】
支援システム1は、カレンダー上のスケジュールの内容と、チャットにおけるメッセージの内容と、に応じてチャットでのコミュニケーションに架空のアシスタント(以下アシストAIという)として介入し、それぞれのユーザに有益かつ適切な情報を伴うアシストを行うことでユーザ間の円滑なコミュニケーションを図り、ユーザ間の関係を良好にすることを目的とするものである。なお、本発明においてアシストとは、助言や、提案、提言を示す行為である。また、ユーザは他のユーザとのチャット画面上で、アシストAIと1対1でチャットをすることでアシストを受けることもできる。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る支援システム1は、インターネット、VPN(Virtual Private Network)等のネットワークNWを介して、支援サービスを提供する事業者が運用するコミュニケーション支援サーバ101(以下、単に支援サーバ101という)と、ユーザ側が使用する端末装置である端末装置411(端末装置411a、端末装置411b)と、が接続されて構成されている。なお、説明の簡略化のため図1では1ユーザグループのペアのユーザを想定して端末装置411a(第1端末装置)と端末装置411b(第2端末装置)のみを示しているが、1つのユーザグループは3人以上のユーザで構成されていてもよく、支援サーバ101はネットワークNWを介して2以上のユーザグループ及びそのユーザグループに所属する各ユーザと接続可能である。また、支援サーバ101についても、物理的または仮想的に複数のサーバから構成されていてもよい。
【0020】
支援サーバ101は、処理部201と、記憶部301と、を備え、内部で相互に通信可能に接続されている。
【0021】
処理部201は、制御部211と、カレンダー管理部212と、スケジュール解析部213と、メッセージ解析部214と、アシスト要否判定部215と、アシストメッセージ生成部216と、を含む。
【0022】
制御部211は、支援サーバ101を統括的に制御する機能を有する。具体的には、制御部211は、支援サーバ101内の各部の動作、通信、エラー処理を制御する。また、制御部211は、端末装置411a、411bと、支援サーバ101との情報のやり取りの制御を行う。
【0023】
カレンダー管理部212は、支援システム1で提供されるカレンダー機能において、ユーザグループに紐づけられたユーザグループカレンダーを作成し、ユーザグループカレンダーにおけるスケジュール情報の作成、変更、削除を管理し、カレンダー記憶部312に記憶する機能を有する。以下、「スケジュール情報の作成、変更、削除」をまとめて「スケジュール情報の登録」という場合がある。ユーザは、基本的に、ユーザの属するユーザグループのユーザグループカレンダーの閲覧とスケジュール情報の登録が可能なアクセス権限を付与される。すなわち、ユーザグループに属するユーザ同士は、ユーザグループカレンダー上でスケジュール情報を共有できる。但し、スケジュール情報を作成するユーザは、作成するスケジュール情報毎に、かつ他のユーザ毎に、公開または非公開の設定を行うこともできる。
【0024】
また、カレンダー管理部212は、ユーザグループカレンダーのスケジュール情報を、制御部211を介して、登録ユーザの端末装置411a、411bの端末表示部412a、412bにカレンダー形式で表示し、端末入力部413aにおいて入力されたスケジュール情報を取得し、入力したユーザに紐づけてカレンダー記憶部312に記憶する機能を有する。なお、スケジュール情報の編集や削除の権限は、スケジュール情報毎にユーザが設定可能である。
【0025】
具体的には、例えば、ユーザA(第1のユーザ)とユーザB(第2のユーザ)とからなるユーザグループXが新規作成された場合には、ユーザグループXのユーザグループカレンダーCxが作成される。ユーザA及びユーザBは、それぞれの端末装置411a、411bにおいて、ユーザグループカレンダーCxをカレンダー形式で閲覧しながら、予定、タスク、ToDo、用事、期限管理等に関する1または複数のスケジュール情報を登録することができる。ユーザAの登録したスケジュール情報(第1スケジュール情報)San(nは識別のための自然数)は、ユーザAとユーザグループカレンダーCxとに紐づけられてカレンダー記憶部312に記憶される。同様にユーザBの登録したスケジュール情報(第2スケジュール情報)Sbn(nは識別のための自然数)は、ユーザBとユーザグループカレンダーCxとに紐づけられてカレンダー記憶部312に記憶される。
【0026】
なお、カレンダー管理部212は、ユーザの設定により、外部の他の事業者のカレンダーサービスと支援システム1のカレンダー機能を連携させることにより、他の事業者のカレンダーに登録されたユーザのスケジュール情報の全部または一部を取得してもよい。
【0027】
スケジュール解析部213は、ユーザグループに属するユーザが登録したスケジュール情報の内容を解析したスケジュール解析結果を随時生成し、スケジュール情報に紐づけてカレンダー記憶部312に記憶する。スケジュール解析部213は、スケジュール情報のタイトル、作成者、共有者、カテゴリ、日時情報、場所、詳細内容、重要度、編集履歴等の情報から解析を行スケジュール解析結果う。具体的には以下の解析を行う。
【0028】
スケジュール解析部213は、スケジュール情報のうち、少なくともタイトル、カテゴリ、日時情報、場所、詳細内容、のいずれかまたは複数からキーワードを抽出する。キーワードは、スケジュール解析結果スケジュール情報に含まれる、例えば、人物、法人名、学校名、施設名等の主体の名称や略称、予定の種類やカテゴリ、発生頻度、金額、重要度や緊急度等である。キーワードは、スケジュール情報のタイトル等、入力されたテキスト情報が短い場合には、記憶部301に予め記憶された用語集を参照して特定の文字列を検出しても良い。一方、キーワードは、スケジュール情報の詳細内容等、入力されたテキストが長い場合には、例えば自然言語解析を用いて分節し、用語集や機械学習モデルを用いて特定の品詞や固有名詞を抽出しても良い。なお、機械学習には深層学習が含まれる(以下に登場する機械学習についても同様)。
【0029】
スケジュール解析部213は、抽出されたキーワードと、スケジュール情報のうち少なくとも作成者、共有者、カテゴリ、重要度のいずれかまたは複数と、に基づいて解析を行い、スケジュール情報を作成したユーザの「将来の行動や将来起こりうる事象」(以下、単に将来事象という)を示す将来事象予測結果を出力し、出力された将来事象についての優先度を算出する。
【0030】
スケジュール解析部213は、キーワードとユーザの将来事象との相関を統計学的に対応付けたテーブルや探索木等を参照して将来事象予測結果を出力してもよく、また、キーワードとユーザの将来事象との相関を機械学習させた将来事象予測モデルを用いて将来事象予測結果を出力しても良い。具体的には例えば、ユーザAが登録したスケジュール情報のタイトルが特定の病院の施設名「ABC産婦人科」である場合に、スケジュール解析部213はその施設名「ABC産婦人科」をキーワードとして抽出し、施設名「ABC産婦人科」からユーザAが所定の期間経過後に出産する予定であろうという将来事象予測結果を出力してもよい。解析においては、同じ内容のスケジュール情報が複数回登録されているか、定期的に登録されているか、日時情報や、作成者の性別、年齢等の特性情報等を考慮してもよい。
【0031】
また、スケジュール解析部213は、将来事象予測結果と優先度との相関を統計学的に対応付けたテーブルや探索木等を参照して優先度を判定してもよく、また、将来事象予測結果と優先度との相関を機械学習させた優先度判定モデルを用いて優先度を算出しても良い。優先度は、将来事象予測結果が、ユーザ同士のコミュニケーションの円滑度に影響が大きい場合は高くなり、影響が小さい場合は低くなるように設定される。例えば、ユーザ同士の関係が夫婦であれば、将来事象予測結果が、直接または間接的に、相手への不満の増大や蓄積を発生させて離婚の原因となりうる場合に優先度が高くなるようにしてもよい。
【0032】
また、優先度は、将来事象予測結果が、社会的、法律的、倫理的、または個人的に、分担、協力、協業、または協働して行うことが好ましい(すなわち後述する期待関与度が高い)場合には、優先度が高くなるように設定されてもよい。個人的とはユーザの特性やユーザの希望に基づくことをいう。さらに、優先度は、スケジュール情報についての後述する関心度を考慮して設定されてもよい。例えば、ユーザ同士の関係が家族であり、女性のユーザの更年期症状に関する将来事象予測結果が出力された場合に、他の家族ユーザの関心度が低い場合には、優先度を高く設定してもよい。また、優先度は、後述する好感度を考慮にいれて設定されてもよい。
【0033】
また、スケジュール解析部213は、ユーザグループカレンダー上の同一または異なるユーザの他のスケジュール情報やそのスケジュール解析結果を含めて解析を行い、スケジュール解析結果としてそれらの関係(複数のスケジュールの間隔や密度、発生頻度、カテゴリやカテゴリの共通性、優先度等)を記憶する。例えば、スケジュール解析部213は、ユーザAのスケジュール情報Sa2と、スケジュール情報Sa2の前後のユーザAのスケジュール情報Sa1及びスケジュール情報Sa3との関係を解析してもよい。また、スケジュール解析部213は、ユーザAのスケジュール情報Sa2と同じ日の予定として記憶されているユーザBのスケジュール情報Sb1及びスケジュール情報Sb2との関係を解析してもよい。
【0034】
また、スケジュール解析部213は、同じユーザグループの異なるユーザのスケジュール情報との比較により解析を行ってもよい。例えば、ユーザグループXのユーザグループカレンダーCxにおけるユーザAの登録したスケジュール情報Sa1を解析する場合に、同じユーザグループXのユーザBの登録したスケジュール情報Sb2と比較を行うことで解析を行ってもよい。また、スケジュール解析部213は、他のユーザグループのスケジュール情報との比較により解析を行ってもよい。例えば、ユーザグループXのユーザグループカレンダーCxに登録されているスケジュール情報と、ユーザCとユーザDとからなるユーザグループYのユーザグループカレンダーCyに登録されているスケジュール情報と、を比較して解析を行ってもよい。
【0035】
また、スケジュール解析部213は、過去のスケジュール情報及び過去のスケジュール解析結果を用いて解析を行っても良い。
【0036】
スケジュール解析部213の解析における、自然言語解析や期待関与度の算出にはスケジュール解析部213例えばテーブル、探索木、機械学習モデル等を用いても良い。例えば、スケジュール情報の各ユーザの期待関与度を算出する学習モデルは、過去のスケジュール情報及びその解析結果、ユーザの特性情報、及びそのスケジュール情報に関する各ユーザの期待関与度を対にしたデータセットを教師データとして機械学習したモデルであり、ユーザ間の関係や社会的、倫理的、個人的な要請の観点から積極的な関与が求められるスケジュール情報の内容は期待関与度ポイントが増加し、属人的かつ第三者の支援が難しいスケジュール情報の内容は期待関与度のポイントが減少するように設定してもよい。
【0037】
メッセージ解析部214は、ユーザグループに属するユーザ同士がユーザグループのチャット機能において入力したメッセージの内容を随時解析してメッセージ解析結果を随時生成する機能を有する。
【0038】
メッセージ解析部214は、メッセージの内容の解析を、メッセージのやり取りの流れにより解析することができる。メッセージ解析部214は、例えば、1または複数のメッセージのやり取りから、一回のメッセージの長さや、一度チャットを開始した場合のメッセージの数、メッセージ内で使用されている表現、相手への返信までの時間、やり取りの時間等の情報から解析することができる。また、メッセージ解析部214は、他のユーザや他のユーザグループとの比較により解析を行ってもよい。
【0039】
メッセージ解析結果には、複数のメッセージのやり取りにおいて肯定的な流れか否定的な流れかを判定する肯否判定や、特定のメッセージに対する肯定的または否定的な反応の抽出結果を含む。また、メッセージ解析結果には、メッセージ解析部214が解析に基づいて随時算出する、相手ユーザに対する好感度と好感度の経時変化を含む。
【0040】
メッセージ解析部214は、過去のメッセージのやり取りや過去のメッセージの解析結果と好感度との相関を統計学的に対応付けたテーブルや探索木等を参照して好感度を算出してもよく、また、過去のメッセージのやり取りや過去のメッセージの解析結果と好感度との相関を機械学習させた好感度算出モデルを用いて好感度を算出しても良い。例えば、好感度算出モデルは、複数のメッセージのやりとりの内容とその解析結果、及び好感度のポイントを対にしたデータセットを教師データとして機械学習したモデルであり、メッセージ内容が肯定的である場合は好感度ポイントが増加し、否定的である場合は好感度のポイントが減少するように学習する。
【0041】
なお、メッセージ内容は、文章であってもよいし、単語のみ、記号、絵文字やスタンプであってもよい。さらに、教師データには、具体的に、一回のメッセージの長さや、一度チャットを開始した場合のメッセージの数、メッセージ内で使用されている表現、相手への返信までの時間、やり取りの時間、ユーザの特性情報の個別の項目、スケジュール情報の各項目等の情報を組み合わせてもよい。
【0042】
また、メッセージ解析部214は、カレンダー記憶部312に記憶されているスケジュール情報やそのスケジュール解析結果を含めて、メッセージの内容を解析し、スケジュール情報及び/又はそのスケジュール解析結果と紐づけたメッセージ解析結果を生成しメッセージ記憶部313に記憶してもよい。
【0043】
そして、メッセージ解析結果には、スケジュール情報に関連する1または複数のメッセージを抽出し、抽出されたメッセージに含まれる肯定的または否定的な反応の抽出結果を含んでもよい。また、メッセージ解析結果には、メッセージ解析部214が解析に基づいて随時算出する、スケジュール情報に関する関心度と関心度の経時変化を含んでもよい。
【0044】
メッセージ解析部214は、過去のスケジュール情報、その過去のスケジュール情報に関連する過去のメッセージのやり取り、その過去のスケジュール情報の解析結果、それらメッセージの解析結果と、その過去のスケジュール情報に対するユーザの関心度との相関を統計学的に対応付けたテーブルや探索木等を参照して関心度を算出してもよい。また、メッセージ解析部214は、過去のスケジュール情報、その過去のスケジュール情報に関連する過去のメッセージのやり取り、その過去のスケジュール情報の解析結果、それらメッセージの解析結果と、その過去のスケジュール情報に対するユーザの関心度との相関を機械学習させた関心度算出モデルを用いて関心度を算出しても良い。
【0045】
スケジュール情報への各ユーザの関心度算出モデルは、スケジュール情報及びその解析結果、スケジュール情報に関連する1または複数のメッセージの内容とその解析結果、ユーザの特性情報、及びそのスケジュール情報に関する各ユーザの関心度を対にしたデータセットを教師データとして機械学習したモデルであり、スケジュール情報に対して肯定的または積極的な反応が抽出された場合は関心度ポイントが増加し、否定的な反応または無反応が抽出された場合は関心度のポイントが減少するように設定してもよい。
【0046】
アシスト要否判定部215は、スケジュール解析部213が生成したスケジュール解析結果、から、ユーザグループ内のユーザのいずれかまたは複数に対して、支援サーバ101が介入するアシストが必要か否かを判定する。例えば、ユーザAが、新しい予定に関してスケジュール情報Sa1を新規登録し、かつ、同じユーザグループXのユーザBにはその予定に関して積極的な参加や関与が求められる(すなわちある予定のスケジュール情報について期待関与度が高い)との解析結果が得られた場合、アシスト要否判定部215は、ユーザBに対してその予定への関与を促すアシストが必要と判定してもよい。
【0047】
また、アシスト要否判定部215は、スケジュール解析結果に加え、メッセージ解析部214が生成したメッセージ解析結果を用いて、ユーザグループ内のユーザのいずれかまたは複数に対して、支援サーバ101が介入するアシストが必要か否かを判定してもよい。例えば、ユーザAのユーザBに対する好感度(第1の好感度)が所定の値を満たしていない場合に、アシスト要否判定部215は、積極的な参加や関与を促すアシストをユーザAに送信する必要があると判定してもよい。逆に、ユーザBのユーザAに対する好感度(第2の好感度)が所定の値以上であり、かつ、スケジュール情報Sa1に対するユーザBの関心度が高いと解析された場合に、アシスト要否判定部215は、ユーザBをスケジュール情報Sa1の予定に関与させるようユーザAにアシストをする必要があると判定してもよい。
【0048】
また、アシスト要否判定部215は、ユーザAとユーザBの両方にアシストメッセージを送信すべきか、若しくは、ユーザAとユーザBのいずれかにアシストメッセージを送信すべきか、を判定する。例えば、ユーザAが新規登録したスケジュール情報Sa1と同じカテゴリの過去のユーザAのスケジュール情報Sa3と、スケジュール情報Sa3に関するユーザA及びユーザBの間の過去のメッセージのやり取りについてのメッセージ解析結果から、スケジュール情報Sa1に対するユーザBの関心度が低かった(無関心、気づいていない)が、スケジュール情報Sa1についてユーザAのユーザBへの期待関与度が高かったという解析結果がでている場合、ユーザBから自発的にユーザAのスケジュール情報Sa1に関するコミュニケーションを行うようにユーザBに対してアシストメッセージを送信すべきか否かを判定してもよい。
【0049】
アシストメッセージ生成部216は、スケジュール解析結果に応じたアシストメッセージを生成する。また、アシストメッセージ生成部216は、アシストメッセージの生成において、スケジュール解析結果に紐づいたスケジュール情報に関連するメッセージ情報を解析したメッセージ解析結果を用いてもよい。さらに、アシストメッセージ生成部216は、アシストメッセージの生成において、スケジュール解析結果に紐づいたスケジュール情報に類似する過去のスケジュール情報に関連するメッセージ情報を解析したメッセージ解析結果を用いてもよい。また、アシストメッセージ生成部216は、アシストメッセージの生成において、スケジュール解析結果に紐づいたスケジュール情報に類似する過去のスケジュール情報のスケジュール解析結果に対して生成された過去のアシストメッセージを用いてもよい。
【0050】
アシストメッセージ生成部216は、過去のスケジュール解析結果、過去のメッセージ解析結果、過去のアシストメッセージ、及び、コミュニケーションが円滑に進んだか否かの情報が対となったデータセットを教師データとしてそれらの相関を機械学習した学習モデルを有し、スケジュール解析結果を入力することで、解析されたスケジュール情報に適したアシストメッセージを生成することができる。また、メッセージ解析結果を追加の入力としてもよい。コミュニケーションが円滑に進んだか否かの情報は、好感度の変動、期待関与度の変動や関心度の変動が含まれる。
【0051】
記憶部301は、ユーザ情報記憶部311と、カレンダー記憶部312と、メッセージ記憶部313と、を含む。
【0052】
端末装置411(端末装置411a、411b)は、例えばPCや、スマートフォン、タブレットPC、及び携帯電話のような携帯端末であり、少なくともweb情報を表示可能な端末である。端末装置411(端末装置411a、411b)は、端末にインストールされた専用のアプリケーションソフトウェアによって支援サーバ101にアクセスしてもよい。また、支援サーバ101が提供する動作環境(API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、プラットフォーム等)を利用して支援サーバ101にアクセスしてもよい。
【0053】
端末表示部412(端末表示部412a、412b)は、端末装置411に設けられた表示画面であり、支援サーバ101から配信される表示画面やメッセージ、警告を表示再生する機能を有する。表示画面は、例えば、スマートフォンにおける液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等である。また、端末装置411と独立したディスプレイ装置であっても構わない。
【0054】
端末入力部413(端末入力部413a、413b)は、端末装置411(端末装置411a、411b)に設けられた文字入力手段やマイク等であり、ユーザが入力するテキストやユーザの音声等を取得する機能を有する。文字入力手段は端末表示部412a、412bの表示手段と一体であるタッチパネルや端末装置411と独立したキーボードなどであっても構わない。
【0055】
<記憶部の情報>
図2は、本発明の実施形態に係る記憶部に記憶される情報例をまとめた表である。以下記憶部301の各記憶部に記憶される情報について、図2を参照しながら以下説明する。
【0056】
ユーザ情報記憶部311には、支援サービスにユーザ登録した各ユーザのユーザ情報が記憶される。具体的には、図2に示すように、ユーザ情報には、ユーザ基本情報、特性情報、好感度、等が含まれる。
【0057】
ユーザ基本情報には、ユーザID、氏名や表示名(ニックネーム)、性別、生年月日、職業、収入等の項目が含まれる。ユーザIDは、ユーザを識別するために、ユーザごとにユニークな値が設定されている情報である。ユーザIDは、ユーザ情報の主キーとして利用される。
【0058】
特性情報には、趣味、価値観、ライフプラン、ユーザがパートナーや家族に期待すること、生活に関わる嗜好、等が含まれる。特性情報には、支援システム1での過去のチャットによるメッセージの内容の解析結果に応じたユーザの性格、嗜好、行動履歴を示す情報を含めることができる。
【0059】
好感度は、ユーザ本人がユーザグループに所属する他のユーザに対して抱く好意的な感情の度合いであり、スケジュール解析結果及び/又はメッセージ解析結果に基づいて、他の各ユーザごとにメッセージ解析部214が随時算出する。例えば、ユーザAのユーザBに対する好感度や、ユーザBのユーザAに対する好感度が、各ユーザのIDと紐づけて記憶される。また、好感度には、スケジュール情報に関連して別途算出された好感度が含まれてもよい。
【0060】
カレンダー記憶部312には、ユーザグループ毎に作成された1または複数のユーザグループカレンダーに対して登録されたスケジュール情報がユーザグループカレンダーに紐づけられて記憶される。スケジュール情報は、スケジュール情報毎に、図2に示すように、スケジュールID、作成者、共有者、タイトル、カテゴリ、日時情報、場所、詳細な内容、重要度、編集履歴、スケジュール解析結果、関心度、を含む。スケジュール解析結果には、キーワード、将来事象予測結果、優先度、及び、期待関与度が含まれる。
【0061】
スケジュール情報は、例えば、ユーザグループXのユーザAとユーザBが一緒に行う予定、共通の用事、例えば外出や子供の行事参加であってもよい。また、ユーザAのみ、またはユーザBのみが関連する予定、例えばユーザAのプライベートな予定である英会話レッスンや、ユーザBの仕事の予定である出張等、であってもよい。さらに、ユーザA及び/又はユーザBに間接的に関連する共通の家族や知人に関する予定、例えば子供の学校の行事であってもよい。
【0062】
スケジュールIDは、スケジュール情報を識別するために、スケジュール情報ごとにユニークな値が設定されている情報である。スケジュールIDは、スケジュール情報の主キーとして利用される。
【0063】
作成者には、スケジュール情報を作成したユーザを示すユーザIDが記憶される。共有者には、スケジュール情報が共有されているユーザを示すユーザIDが記憶される。
【0064】
タイトルは、スケジュール情報の概要を示す情報であり、文字、数字、記号、絵文字などを用いてユーザが端末装置411において入力した主にテキストからなる情報である。詳細な内容は、スケジュール情報の詳細な内容を示す情報であり、文字、数字、記号、絵文字などのテキスト情報や、スタンプ、画像、動画、音声などの電子ファイルを用いてユーザが端末装置411において入力した情報である。
【0065】
カテゴリは、スケジュール情報の分類を示す情報である。分類を示す情報には、例えば、外食(飲食)、映画、テーマパーク、旅行、スポーツ、ショッピング、美容、出張、会議、記念日、ライフイベント、家族や知人の行事、等の活動内容の分類や、自分に関する予定、グループに関する予定、勤務先に関する予定、家族や知人に関する予定、等の主体に関する分類が含まれる。
【0066】
場所はスケジュール情報に示された予定が実行される場所の情報である。重要度は、スケジュール情報を作成したユーザの主観に基づく重要度を設定した情報である。スケジュール解析部213日時情報は、スケジュール情報に示された予定の実行される日時、期間、期限等の情報である。編集履歴は、スケジュール情報の新規作成、変更、削除のログ情報である。
【0067】
キーワードはスケジュール情報として入力された内容から抽出されたスケジュール情報の特徴を示す文字列、記号、絵文字等である。キーワードはスケジュール解析部213の解析において抽出される。将来事象予測結果は、スケジュール情報を作成したユーザの「将来の行動や将来起こりうる事象」(以下、単に将来事象という)を示す情報である。将来事象予測結果は、スケジュール解析部213の解析において生成される。優先度は、スケジュール情報に関するアシストが必要か否かを判定する指標である。優先度は、スケジュール解析部213の解析において算出される。
【0068】
期待関与度は、スケジュール解析部213ユーザグループのユーザ毎にそのスケジュールへの関与が期待される度あいを示す指標である。関与とは、スケジュール情報に関するメッセージの発信や予定への参加等の直接的な言動や行動だけでなく、関心を持つことや注目するなどの意識の変化による関与も含まれる。期待関与度は、スケジュール解析部213の解析において算出される。
【0069】
関心度は、ユーザグループのユーザ毎のそのスケジュール情報について関心の度合いを示す指標である。関心度は、メッセージ解析部214の解析において算出される。
【0070】
なお、スケジュール情報は、ユーザ間のメッセージのやり取りをメッセージ解析部214が随時解析することにより抽出し、ユーザに登録を促して同意を得ることで自動で登録されてもよい。例えば、ユーザAとユーザBの間のチャットのやり取りにおいて、来週の月曜日の夜にレストランSで食事の約束が成立したことがメッセージの解析により得られた場合に、アシストAIがユーザA及び/又はユーザBに対して「『x月x日x時:レストランSで食事』をカレンダーに登録しますか?」とアシストメッセージを送信して、承諾された場合にユーザグループカレンダーに登録されるようにしても良い。また、スケジュール情報は、ユーザがスケジュール情報を含むメッセージをアシストAIに送信することで、ユーザグループカレンダーに登録されても良い。
【0071】
メッセージ記憶部313には、ユーザグループ毎にユーザグループに属するユーザ同士のチャットによって生成されるメッセージ情報が記憶される。メッセージ情報には、メッセージID、メッセージ内容、メッセージ作成者、及びメッセージ解析部214が解析したメッセージ解析結果が含まれる。メッセージ解析結果には、メッセージ解析部214がメッセージ情報を解析して算出された好感度及び関心度が含まれる。メッセージ情報には、ユーザとアシストAIとのチャットによるメッセージの内容とそれらのメッセージをメッセージ解析部214が解析した解析結果が記憶されてもよい。
【0072】
メッセージIDは、メッセージ情報を識別するために、メッセージ情報ごとにユニークな値が設定されている情報である。メッセージIDは、メッセージ情報の主キーとして利用される。
【0073】
メッセージ内容は、メッセージ情報の内容を示す情報であり、文字、数字、記号、絵文字などのテキスト情報や、スタンプ、画像、動画、音声などの電子ファイルを用いてユーザが端末装置411において入力した情報である。メッセージ作成者には、メッセージ情報を作成したユーザを示すユーザIDが記憶される。メッセージ情報をアシストAIが作成した場合にはアシストAIを示す識別情報が記憶される。好感度は、ユーザ情報と共有される。また、関心度はスケジュール情報と共有される。
【0074】
なお、本実施形態ではユーザ情報記憶部311、カレンダー記憶部312、及び、メッセージ記憶部313を、それぞれを別体の記憶部としているが、それぞれの情報を一体とし記憶した物理的または仮想的に一つの記憶部であってもよい。
【0075】
<処理の流れ>
図3は、本発明の第1実施形態のアシストルーチンを示すフローチャートである。次に、本発明の実施形態に係る支援システム1の動作について、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。図3のフローチャートは、支援サーバ101、ユーザAが使用する端末装置411aと、ユーザBが使用する端末装置411bの各動作の関連状態を示している。当該ルーチンは、ユーザA及びユーザBそれぞれがユーザの端末装置411a、411bにおいて、インストールされたアプリから支援サーバ101へのログイン(ユーザ認証)が完了した状態でスタートする。
【0076】
ステップS101において、ユーザAは、端末装置411aの端末入力部413aにおいて、ユーザAの利用するユーザグループカレンダーCx上で、スケジュール情報を入力する。なおスケジュール情報の入力は、新規登録でも既存のスケジュール情報の変更でも良い。端末装置411aは、ユーザグループカレンダーCxで入力されたスケジュール情報の内容を支援サーバ101に送信する。
【0077】
ステップS102において、制御部211はステップS101で送信されたスケジュール情報を受信し、受信したスケジュール情報をカレンダー記憶部312に記憶する。また、スケジュール解析部213は、受信したスケジュール情報の内容を解析してスケジュール解析結果将来事象予測結果を生成し、カレンダー記憶部312に記憶する。スケジュール解析結果
【0078】
ステップS103において、スケジュール解析部213は、ステップS102で生成された将来事象予測結果について優先度を算出し、カレンダー記憶部312に記憶する。
【0079】
ステップS104において、アシスト要否判定部215は、ステップS103で算出されたスケジュール解析結果優先度に基づいて、受信したスケジュール情報に関してアシストAIが介入するアシストが必要か否かを判定する。アシスト要否判定部判定が真、すなわち、アシストが必要と判定された場合は、ステップS105へ進む。一方、判定が偽の場合、すなわち、アシストが不要と判定された場合には、当該ルーチンをリターンする。
【0080】
ステップS105において、すなわち、ステップS104においてアシストが必要と判定された場合、アシスト要否判定部215は、ユーザAとユーザBの両方、または、ユーザAとユーザBのいずれかにアシストメッセージを送信すべきかを判別する。アシスト要否判定部215がユーザAへのアシストメッセージの送信が必要と判別した場合、ステップS106へ処理を進め、ユーザBへのアシストメッセージの送信が必要と判別した場合、ステップS108へ処理を進める。また、アシスト要否判定部215がユーザAとユーザBの両方へのアシストメッセージの送信が必要と判別した場合、ステップS106及びステップS108の両方の処理を行う。
【0081】
ステップS106において、アシストメッセージ生成部216は、ユーザAに対するアシストメッセージを生成する。制御部211は、生成されたアシストメッセージを端末装置411aに送信する。
【0082】
ステップS107において、端末装置411aは、ステップS106で送信されたアシストメッセージを端末表示部412aのみで表示する。ユーザAは、表示されたアシストメッセージに従って、例えば、ステップS110でメッセージを入力し、ユーザBに送信することができる。なお、ステップS107は、ステップS106でユーザAに対してアシストメッセージが生成されていない場合にはスキップして構わない。
【0083】
ステップS108において、アシストメッセージ生成部216は、ユーザBに対するアシストメッセージを生成する。制御部211は、生成されたアシストメッセージを端末装置411bに送信する。
【0084】
ステップS109において、端末装置411bは、ステップS108で送信されたアシストメッセージを端末表示部412bのみで表示する。ユーザBは、表示されたアシストメッセージに従って、メッセージを入力し、ユーザAに送信することができる。なお、ステップS109は、ステップS108でユーザBに対してアシストメッセージが生成されていない場合にはスキップして構わない。
【0085】
ステップS110において、ユーザAは、端末装置411aの端末入力部413aから、ユーザBに対して送信するためのメッセージを入力する。端末装置411aは、入力されたメッセージを支援サーバ101に送信する。
【0086】
ステップS111において、制御部211は、ステップS110で送信されたメッセージをユーザBに送信する。具体的には、ステップS110で送信されたメッセージをメッセージ記憶部313に記憶し、記憶されたメッセージを、ユーザBが使用する端末装置411bに送信する。また、メッセージ解析部214は、ステップS110で送信されたメッセージを解析してメッセージ解析結果を生成し、メッセージ記憶部313に記憶する。
【0087】
ステップS112において、端末装置411bは、ステップS111で送信されたメッセージを端末表示部412bで表示する。ユーザAまたはユーザBが、メッセージのやり取りの終了を希望した場合には、当該ルーチンはリターンする。
【0088】
ステップS113において、ユーザBは、端末装置411bの端末入力部413bから、ユーザAに対して送信するためのメッセージを入力する。端末装置411bは、入力されたメッセージを支援サーバ101に送信する。
【0089】
ステップS114において、制御部211は、ステップS113で送信されたメッセージをユーザAに送信する。具体的には、ステップS113で送信されたメッセージをメッセージ記憶部313に記憶し、記憶されたメッセージを、ユーザAが使用する端末装置411aに送信する。また、メッセージ解析部214は、ステップS113で送信されたメッセージを解析してメッセージ解析結果を生成し、メッセージ記憶部313に記憶する。
【0090】
ステップS115において、ユーザAの端末装置411aは、ステップS114で送信されたメッセージを端末表示部412aで表示する。ユーザAまたはユーザBが、メッセージのやり取りの終了を希望した場合には、当該ルーチンはリターンする。
【0091】
上記フローの説明では、ユーザAがスケジュール情報の入力をしているが、ユーザBがスケジュール情報の入力をした場合も同様である。また、上記フローの説明において、メッセージ内容の解析はメッセージの送信後に行っているが、支援サーバ101が入力されたメッセージを受信する毎にメッセージ内容の解析を行っても構わない。また、メッセージの入力順序は、ユーザA、ユーザBが交互でなくても、ユーザAまたはユーザBが連続で入力を行っても構わない。
【0092】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づき説明する。
【0093】
図4は、本発明の第2実施形態に係るコミュニケーション支援システムを示すシステム構成図である。図5は、本発明の第2実施形態のアシストルーチンを示すフローチャートである。なお、第1実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付して、機能も同じ場合には詳しい説明を省略する。
【0094】
<構成>
第2実施形態のコミュニケーション支援システム2(以下単に支援システム2という)は、第1実施形態の支援システム1にアンケート機能を追加したものである。図4に示すように、支援システム2のコミュニケーション支援サーバ102(以下単に支援サーバ102という)の制御部202は、第1実施形態と比較すると、第1実施形態のアシスト要否判定部215に代わり、所定の機能が追加されたアシスト要否判定部215(2)を有し、また、質問情報生成部217をさらに備えている。アンケート機能とは、スケジュール情報を登録したユーザに対し、そのスケジュール情報に関するユーザの潜在意識や真意を確認する質問情報を送信し返答を得る機能である。
【0095】
アシスト要否判定部215(2)は、第1実施形態での機能に加え、スケジュール解析部213が解析したスケジュール解析結果に基づいて、解析されたスケジュール情報に関して支援サーバ102が介入するアシストが必要か否かを判定する機能を有する。この判定において、アシスト要否判定部215(2)は、メッセージ解析部214が解析したメッセージ解析結果を考慮してもよい。例えば、ユーザAが平常勤務時の就業時間を超える明日の会議の予定をスケジュール情報として新規登録した場合において、スケジュール解析部213により、普段はユーザAが子供の保育園送迎を行うが「明日は送迎できない」という将来事象予測結果が生成され、当該将来事象予測結果に対して優先度が高いと算出されると、アシスト要否判定部215(2)は、当該優先度に基づいて、アシストが必要と判定する。
【0096】
また、アシスト要否判定部215(2)は、アシストが必要と判定した場合に、ユーザ情報、スケジュール解析結果、及びメッセージ解析結果の少なくともいずれかに基づいて、スケジュール情報を登録したユーザに真意を確認する必要があるか否かを判定する機能を有する。例えば、前段落の例において、ユーザAがユーザBにはっきり希望を伝えない性格であるという特性情報と、ユーザAのユーザBに対する好感度が低下してきている場合において、ユーザAに真意を確認する必要があると判定してもよい。
【0097】
質問情報生成部217は、アシスト要否判定部215(2)がスケジュール情報を登録したユーザに真意を確認する必要があると判定した場合に、スケジュール解析結果、過去のスケジュール解析結果、過去のメッセージ解析結果、及びユーザ情報の少なくともいずれかに基づいて、スケジュール情報を登録したユーザのみに送信するための質問情報を生成する。質問情報は、スケジュール情報を生成したユーザの真意や本音を確認する意図の質問内容である。具体的には、例えば、ユーザAがスケジュール情報を新規登録した場合、質問情報は、ユーザAがスケジュール情報についてユーザBに期待する関与度合いや、スケジュール情報に関連する具体的なユーザBの行動についての内容であり、ユーザAのスケジュール情報に関する真意を支援システム2が確認するための情報である。質問情報生成部217は、例えば前段落の例において、ユーザAに対して「明日の保育園の送迎をユーザBに代わってもらいたいか?」という質問と「はい」、「いいえ」の選択肢を含んだ内容の質問情報を生成する。なお、質問情報生成部217の当該機能は、アシストメッセージ生成部216の拡張機能として構成されてもよい。
【0098】
アシスト要否判定部215(2)は、さらに、質問情報を送信したユーザからの返答の内容に基づいて、他のユーザへのアシストが必要か否かを判定する機能を有する。具体的には、前段落の例において、ユーザAからの返答が「はい」の時に、ユーザBに対してもアシストが必要と判定し、ユーザBに対して保育園の送迎に関するアシストメッセージを生成し送信する。なお、当該判定において、ユーザ情報、過去のスケジュール解析結果、過去のメッセージ解析結果等を考慮に入れても良い。
【0099】
<処理の流れ>
次に、本発明の実施形態に係る支援システム2の動作について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0100】
ステップS201において、ユーザBは、ユーザBの端末装置411bの端末入力部413bにおいて、ユーザBの利用するユーザグループカレンダーCx上で、スケジュール情報を入力する。端末装置411bは、ユーザグループカレンダーCxで入力されたスケジュール情報の内容を支援サーバ102に送信する。
【0101】
ステップS202において、制御部211はステップS201で送信されたスケジュール情報を受信し、受信したスケジュール情報をユーザBに紐づけてカレンダー記憶部312に記憶する。また、スケジュール解析部213は、受信したスケジュール情報の内容を解析して将来事象予測結果を生成し、カレンダー記憶部312に記憶する。
【0102】
ステップS203において、スケジュール解析部213は、ステップS202で生成された将来事象予測結果について優先度を算出し、カレンダー記憶部312に記憶する。
【0103】
ステップS204において、アシスト要否判定部215(2)は、ステップS203で算出された優先度に基づいて、受信したスケジュール情報に関してアシストAIが介入するアシストが必要か否かを判定する。判定が真、すなわち、アシストが必要と判定された場合は、ステップS205へ進む。一方、判定が偽の場合、すなわち、アシストが不要と判定された場合には、当該ルーチンをリターンする。
【0104】
ステップS205において、すなわち、ステップS204においてアシストが必要と判定された場合、アシスト要否判定部215(2)は、ステップS201で送信されたスケジュール情報に関してユーザBに真意を確認すべきか否かを判定する。アシスト要否判定部215(2)がユーザBに真意を確認する必要があると判定した場合、ステップS206へ処理を進める。また、アシスト要否判定部215(2)がユーザBに真意を確認する必要がないと判定した場合、ステップS211へ進む。
【0105】
ステップS206において、質問情報生成部217は、ユーザBに対する質問情報を生成する。制御部211は、生成された質問情報を端末装置411bに送信する。
【0106】
ステップS207において、ユーザBの端末装置411bは、ステップS206で送信された質問情報を端末表示部412bに表示する。
【0107】
ステップS208において、ユーザBは、ステップS207で送信された質問情報に対して、回答の入力を行う。具体的には、端末装置411bの端末入力部413bで、質問情報の選択肢を選択し入力する。ユーザBの端末装置411bは、入力された情報を回答情報として、支援サーバ102へ送信する。
【0108】
ステップS209において、カレンダー記憶部312は、ステップS208で送信された回答情報を、ユーザBがステップS201で生成したスケジュール情報と紐づけて記憶する。
【0109】
ステップS210において、アシスト要否判定部115は、ステップS209で記憶した回答情報に基づいて、ユーザAに対して、支援サーバ102が介入するアシストが必要か否かを判定する。アシスト要否判定部215(2)がユーザAに対してアシストが必要であると判定した場合、ステップS211へ処理を進める。また、アシスト要否判定部215(2)がユーザAに対してアシストが必要ないと判定した場合、当該ルーチンをリターンする。
【0110】
ステップS211において、アシストメッセージ生成部216は、ユーザAに対するアシストメッセージを生成する。メッセージ記憶部313は生成されたアシストメッセージを、ユーザBがステップS201で生成したスケジュール情報と紐づけて記憶する。制御部211は、生成されたアシストメッセージをユーザAの端末装置411aに送信する。
【0111】
ステップS212において、ユーザAの端末装置411aは、ステップS211で送信されたアシストメッセージを端末表示部412aで表示し、当該ルーチンをリターンする。
【0112】
<プログラム>
ここで、本実施形態に係る支援サーバ101、102を構成する各機能を実現するためのプログラムの詳細について説明する。
【0113】
支援サーバ101、102は、図6で示すコンピュータ801に実装される。そして、支援サーバ101、102の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置804に記憶されている。CPU802は、プログラムを補助記憶装置804から読み出して主記憶装置803に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU802は、プログラムに従って、上記の記憶部301に対応する記憶領域を主記憶装置803に確保する。
【0114】
当該プログラムは、具体的には、第1のユーザと第2のユーザとの間のカレンダー共有とチャットサービスを提供するコミュニケーション支援プログラムであって、コンピュータ801に、前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザからスケジュール情報を取得して前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに紐づけて記憶するステップと、前記スケジュール情報の内容を解析したスケジュール解析結果を生成するステップと、前記スケジュール解析結果に基づいて、前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに対して前記スケジュール情報に関するアシストが必要か否かを判定するステップと、前記スケジュール情報に関するアシストを必要と判定した場合に、前記スケジュール解析結果に基づいて前記第1のユーザ及び/又は前記第2のユーザに送信するためのアシストメッセージを生成するステップと、を実行させるものである。
【0115】
なお、補助記憶装置804は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェースを介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークを介してコンピュータ801に配信される場合、配信を受けたコンピュータ801が当該プログラムを主記憶装置803に展開し、上記処理を実行しても構わない。
【0116】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても構わない。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置804に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても構わない。
【0117】
以上のように、本実施形態における支援システム1、2では、カレンダー共有機能においてユーザが登録したスケジュール情報を解析し、解析されたスケジュール情報の内容に応じたアシストメッセージをユーザに送信し、通知することで、ユーザ間の円滑なコミュニケーションを実現することができる。例えば、共働き夫婦に対し、共有されている仕事と家庭のスケジュールのバランスを考慮して、子供のお迎えや家事について、AIアシストが分担を提案したり、気づき、思いやり、感謝、尊重、敬愛を促すことで、共働き夫婦のすれ違いを緩和したり、仲を円満にしたりすることができる。アシストメッセージは、チャット機能において、過去のメッセージのやり取りのデータに基づいて生成することができ、より円滑なメッセージによるコミュニケーションを図ることができる。また、あくまで支援システム1は、ユーザに対してアシストメッセージを提示するのみであり、そのアシストに従った場合であってもユーザ自身がメッセージを入力することで、ユーザ自身の意思によるコミュニケーションを阻害することがない。
【0118】
また、支援システム1、2は、メッセージ解析結果から算出される互いの好感度に応じてアシストの要否を判定することで、好感度を改善または向上させるアシストが可能になる。また、スケジュール解析結果との関係を反映した互いの好感度に応じてアシストの要否を判定することで、例えば特定のカテゴリのスケジュール情報に関する好感度が低い場合に、そのスケジュール情報に関してアシストを積極的に提示することが可能になる。また、支援システム1、2は、好感度の経時変化を算出し学習することで効果的なアシストが可能になる。
【0119】
また、支援システム1、2は、スケジュール解析結果から算出した期待関与度を用いてアシストの要否を判定することで、ユーザ間のスケジュール情報に対する関心のずれや、社会一般との関心とのずれを小さくするようなアシストが可能になる。
【0120】
また、支援システム2は、アンケート機能によりスケジュール情報を作成したユーザの、スケジュールに関する真意、潜在意識、本音を確認してからアシストを実行することができる。これにより、よりユーザの意思が反映された、適切かつ有効なアシストが可能になる。
【0121】
これまで説明してきた実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0122】
例えば、支援システム1、2は、ユーザのスケジュール情報に基づいて休暇取得を促すアシストメッセージをスケジュール情報を作成したユーザ本人またはユーザグループの他のユーザに送信してもよい。例えば、スケジュール解析結果から得られる仕事のスケジュールの詰まり具合と、メッセージ解析結果から得られる、体調や気分、疲れ、やりたいこと、やりたくないこと、などに基づいて、気遣い、活動的なイベント、休息的なイベント、自己開示誘導、二人の心の距離が縮まるコミュニケーション方法等、のアドバイスを含むアシストを本人またはパートナーに行っても良い。これにより、ユーザにとっては、本人だけでなくパートナーの状況も考慮した休暇取得を促すことで、二人の関係性を良好にすることができるワークライフバランスを実現できる。また、企業にとっては有給休暇取得をAIにアドバイスしてもらえるので、従業員のワークライフバランス向上による従業員エンゲージメント向上を図ることができる。
【0123】
また、支援システム1、2は、スケジュール情報の解析により出産予定を抽出し、出産予定のあるユーザ本人やパートナー側のユーザに対して産前産後休業や育児休業の取得を促すアシストメッセージを送信するアシストを行ってもよい。これにより、ユーザの両者が育児休暇取得について話あうきっかけとなる。また、出産に伴う生活スタイルの変化の方向性についてユーザ両者で共有を行い、円滑なコミュニケーションとお互いの関係の調和を図ることができる。さらに、ユーザの雇用者にとっては、育児休業の周知を行うことができ、育休取得率の向上を図ることができる。また、雇用者がその従業員に対して支援サービスを導入している場合には、雇用者が独自に提供する福利厚生制度の内容をアシストメッセージに含めるようにしてもよい。
【0124】
また、支援システム1、2は、スケジュール情報を解析したスケジュール解析結果を用いて、スケジュール情報に関連する広告情報を含むアシストメッセージを送信するアシストを行ってもよい。
【0125】
上記実施形態において、支援システム1、2は、ユーザがスケジュール情報を登録または変更した後にアシストメッセージを提示していたが、例えば、ユーザ側の要因(例えば、ユーザ情報に含まれる誕生日、記念日等)、世間的な要因(例えば、バレンタイン、クリスマス等)、共有カレンダーに登録されにくい細かな予定やルーチンタスク(例えば、日々の買い物、子供の習い事や保育園の送迎、等)に基づいて、適時にアシストメッセージを提示してもよい。
【符号の説明】
【0126】
1、2 :コミュニケーション支援システム
101、102 :コミュニケーション支援サーバ
201、202 :処理部
211 :制御部
212 :カレンダー管理部
213 :スケジュール解析部
214 :メッセージ解析部
215、215(2) :アシスト要否判定部
216 :アシストメッセージ生成部
217 :質問情報生成部
301 :記憶部
311 :ユーザ情報記憶部
312 :カレンダー記憶部
313 :メッセージ記憶部
411、411a、411b :端末装置
412、412a、412b :端末表示部
413、413a、413b :端末入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6