(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035927
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/00 20060101AFI20240308BHJP
H02J 3/40 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H02J3/00 170
H02J3/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140560
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上村 浩文
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066AA03
5G066AB02
5G066AD14
5G066AE09
5G066DA06
5G066HB03
5G066HB05
5G066LA06
(57)【要約】
【課題】擬似同期発電機が電力系統の周波数を安定化させる貢献度を評価することが可能となる情報処理装置を提供する。
【解決手段】同期発電機を模擬する電源装置が連系された電力系統に周波数変動が生じてからの第1期間に前記電源装置から入出力される第1電力に対応する第1の値を出力する第1出力部と、前記周波数変動が生じる前に前記電源装置から前記電力系統に入出力される第2電力に対応する第2の値を出力する第2出力部と、前記第1及び第2の値に基づいて、前記電力系統の周波数を安定化させるために前記電源装置が貢献した貢献度を計算する計算部と、を備える情報処理装置。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期発電機を模擬する電源装置が連系された電力系統に周波数変動が生じてからの第1期間に前記電源装置から入出力される第1電力に対応する第1の値を出力する第1出力部と、
前記周波数変動が生じる前に前記電源装置から前記電力系統に入出力される第2電力に対応する第2の値を出力する第2出力部と、
前記第1及び第2の値に基づいて、前記電力系統の周波数を安定化させるために前記電源装置が貢献した貢献度を計算する計算部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第2出力部は、
前記周波数変動が生じる前の第2期間に亘る前記第2電力の平均値に基づいて、前記第2の値を出力する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記第1出力部は、前記第1電力が前記電源装置の定格容量で単位化された前記第1の値を出力し、
前記第2出力部は、前記第2電力が前記定格容量で単位化された前記第2の値を出力する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって
前記計算部は、
前記第1及び前記第2の値の差を計算する減算部と、
前記差に応じた第3の値を前記第1期間に亘って積分することにより前記貢献度を計算する積分部と
を有する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記計算部は、
前記周波数変動が生じてからの経過時間に依存し、前記第1期間が終了する時間に絶対値が最小になる第1係数を前記差に乗じて、前記第3の値として出力する乗算部を更に有する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記乗算部は、
前記周波数変動の正負に応じた第2係数と、前記第1係数とを前記差に乗じて、前記第3の値として出力する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記電力系統の定格周波数に対する前記電源装置から出力される出力電圧の周波数の変動値と、所定の閾値とに基づいて、前記周波数変動が生じたか否かを判定する判定部を更に備える、
情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が、
同期発電機を模擬する電源装置が連系された電力系統に周波数変動が生じてからの第1期間に前記電源装置から入出力される第1電力に対応する第1の値を出力するステップと、
前記周波数変動が生じる前に前記電源装置から前記電力系統に入出力される第2電力に対応する第2の値を出力するステップと、
前記第1及び第2の値に基づいて、前記電力系統の周波数を安定化させるために前記電源装置が貢献した貢献度を計算するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
同期発電機を模擬する電源装置が連系された電力系統に周波数変動が生じてからの第1期間に前記電源装置から入出力される第1電力に対応する第1の値を出力する第1出力部と、
前記周波数変動が生じる前に前記電源装置から前記電力系統に入出力される第2電力に対応する第2の値を出力する第2出力部と、
前記第1及び第2の値に基づいて、前記電力系統の周波数を安定化させるために前記電源装置が貢献した貢献度を計算する計算部と、
を実現させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
同期発電機は、回転体が有する慣性により、電力系統の周波数の維持に貢献する。近年、インバータの出力を制御することにより、同期発電機を模擬する擬似同期発電機が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
擬似同期発電機は、同期発電機が有する回転体の回転を模擬することにより、電力系統の周波数を維持するために貢献することができる。
【0005】
複数の擬似同期発電機が連系されている電力系統に周波数変動が生じた場合に、それぞれの擬似同期発電機が入出力電力を変動させることにより、電力系統の周波数が安定化する。
【0006】
このとき、それぞれの擬似同期発電機の特性は一般に異なるため、それぞれの擬似同期発電機が周波数の安定化に与える影響は一般に異なる。
【0007】
例えば、電力系統の周波数変動に応じて出力電力を大きく変動させる擬似同期発電機ほど、周波数の安定化に大きく貢献する。
【0008】
このとき、入出力電力の変動量に応じて、複数の擬似同期発電機の間に不公平が生じる。このような不公平を是正するためには、それぞれの擬似同期発電機が周波数を安定化させる際の貢献度を評価すべきであるが、そのような指標は知られていない。
【0009】
本発明はこのような課題を鑑みてなされたものであり、擬似同期発電機が電力系統の周波数を安定化させる貢献度を評価することが可能となる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための一の発明は、同期発電機を模擬する電源装置が連系された電力系統に周波数変動が生じてからの第1期間に前記電源装置から入出力される第1電力に対応する第1の値を出力する第1出力部と、前記周波数変動が生じる前に前記電源装置から前記電力系統に入出力される第2電力に対応する第2の値を出力する第2出力部と、前記第1及び第2の値に基づいて、前記電力系統の周波数を安定化させるために前記電源装置が貢献した貢献度を計算する計算部と、を備える情報処理装置である。本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、擬似同期発電機が電力系統の周波数を安定化させる貢献度を評価することが可能となる情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一般的な電源装置5が設けられた電力系統1の一例を説明する図である。
【
図2】電力系統1に周波数変動が生じた場合の周波数の安定化を説明する図である。
【
図3】実施形態の電源装置2が設けられた電力系統1の一例を示す図である。
【
図4】実施形態の制御装置21の機能ブロックを説明する図である。
【
図5】実施形態の貢献度計算部23の機能ブロックの詳細を説明する図である。
【
図7】実施形態の情報処理装置4が設けられた電力系統1の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
==第1実施形態==
<<一般的な電源装置5が設けられた電力系統1>>
図1は、複数の一般的な電源装置5(5a,5b,5c・・)が設けられた電力系統1の一例を説明する図である。図中のP
out,1、P
out,2及びP
out,3はそれぞれ、電源装置5a,5b及び5cから入出力される電力を示している。以下ではこれらを区別しない場合、単に電力P
outとする。
【0014】
<電源装置5>
本実施形態の電源装置2(後述)の説明をする前に、一般的な電源装置5の説明をする。一般的な電源装置5は、回転体を有する同期発電機を模擬する所謂擬似同期発電機である。擬似同期発電機の種別としては、電圧制御(GFM:Grid-ForMing)方式又は電流制御(GFL:Grid-FoLlowing)方式があり得る。
【0015】
GFM方式の電源装置は、出力電圧Voutの周波数を制御することによって電力系統1との間で電力Poutを入出力する装置である。
【0016】
GFL方式の電源装置は、電力系統1の周波数fに応じて電力Poutを制御することによって電力系統1との間で電力Poutを入出力する装置である。
【0017】
いずれの制御方式においても、電力Poutは、正の場合が電源装置5から電力系統1へ出力される電力であり、負の場合が電力系統1から電源装置5に入力される電力である。
【0018】
<電力系統1の周波数fの安定化>
図2は、電力系統1に周波数変動が生じた場合の電力系統1の周波数fの安定化を説明する図である。
【0019】
図2(A)は、電力系統1の周波数fの推移の一例を示す図であり、横軸は周波数変動が生じてからの経過時間t、縦軸は電力系統1の周波数fを示している。なお、周波数変動が生じた時間をt=0としている。
【0020】
図2(B)は、周波数変動に応答して電源装置5a,5b及び5cから入出力される電力P
outの正常時に対する変動ΔP
outを示す図であり、横軸は周波数変動が生じてからの経過時間t、縦軸は電力の変動ΔP
outを示している。図中のΔP
out,1、ΔP
out,2及びΔP
out,3はそれぞれ、電源装置5a,5b及び5cから入出力される電力の変動である。
【0021】
図2(A)に示すように、この例では、周波数変動が生じると、周波数fは正の方向に変動している。なお、「周波数fの変動」とは、定格周波数f
nを基準とする周波数fの変動を意味する。
【0022】
また、「周波数fが正の方向に変動する」とは、周波数fが高くなるように変動することを意味する。また、「周波数fが負の方向に変動する」とは、周波数fが低くなるように変動することを意味する。
【0023】
このとき、
図2(B)に示すように、周波数変動が生じたことに応じて、いずれの電源装置5の電力P
outも、負の方向の変動(この例では、電力P
outの出力が低下する変動)を示している。
【0024】
なお、「電力Poutが負の方向に変動する」とは、電力Poutが低くなるように変動することを意味する。また、「電力Poutが正の方向に変動する」とは、電力Poutが高くなるように変動することを意味する。
【0025】
このような負の方向の電力P
outの変動ΔP
outに応じて、電力系統1の周波数fは、正の方向の変動が緩和され、極大値に達した後に定格周波数f
nに向かって収束する(
図2(A))。
【0026】
このような電力系統1の周波数fの収束に伴い、電源装置5のPoutの変動ΔPoutも緩和され、極小値に達した後に0(零)に向かって収束する(2(B))。
【0027】
ここで、
図2(B)に示された時間t=0以降の期間の範囲において、電力P
outの変動ΔP
outの絶対値としては、電源装置5aの変動ΔP
out,1が最も大きく、次いで電源装置5bの変動ΔP
out,2が大きく、次いで電源装置5cの変動ΔP
out,3が大きい。
【0028】
つまり、この例では、電源装置5aが周波数fの安定化に最も大きく貢献し、次いで電源装置5bが貢献し、次いで電源装置5cが貢献しているといえる。
【0029】
このような周波数fの安定化に対する貢献度の違いは、電源装置5の応答の早さ、電源装置5の制御パラメータの違い等に起因している。制御パラメータとしては、電源装置5が模擬する同期発電機が有する回転体を特徴づける慣性定数H、制動定数D等が含まれる。
【0030】
応答が早く、制御パラメータ(慣性定数H及び制動定数D)が大きい電源装置ほど、早く、大きい電力Poutの変動を示し、周波数fの安定化に大きく貢献する。
【0031】
従って、
図1に示した電力系統1においては、複数の電源装置5のそれぞれの電力P
outの変動ΔP
outに応じて、それぞれの電源装置5の間に、以下のような不公平が生じることになる。
【0032】
例えば、電源装置5aは、電源装置5a,5b及び5cのうちで周波数fの安定化に最も貢献しているが、電力Poutの出力を最も正常時から低下させている。つまり、電源装置5cは、周波数fの安定化に最も貢献しているが、周波数変動が生じた後は通常運転から最も乖離させている。
【0033】
また、電源装置5cは、電源装置5a,5b及び5cのうちで周波数fの安定化に最も貢献していないが、電力Poutの出力の正常時からの低下は最も小さい。つまり、電源装置5cは、周波数fの安定化に最も貢献していないが、周波数変動が生じた後は通常運転に最も近い。
【0034】
このような不公平を是正するためには、それぞれの電源装置5が周波数fを安定化させる際の貢献度を評価すべきであるが、そのような指標は知られていない。
【0035】
以下で説明する本実施形態の電源装置2は、周波数fを安定化させる際の貢献度を評価することが可能な電源装置である。
【0036】
<<電源装置2>>
図3は、本実施形態の電源装置2が設けられた電力系統1の一例を示す図である。電源装置2は、GFM方式の電源装置であるとして説明する。本実施形態の電源装置2は、駆動部20と、制御装置21(「情報処理装置」に相当)とを備える。以下、それぞれについて説明する。
【0037】
<駆動部20>
駆動部20は、直流電源200と、複数のスイッチング素子を含むインバータ回路(図示せず)とを有する。インバータ回路は、直流電源200からの直流電圧を交流電圧に変換し、電力系統1に出力電圧Voutとして出力する。このとき、インバータ回路は、制御装置21からの出力であるPWMパルスに基づいて、出力電圧Voutを出力する。
【0038】
<制御装置21>
本実施形態の制御装置21は、主に次の2つの機能を有する装置である。
【0039】
制御装置21の1つ目の機能は、GFM方式により同期発電機を模擬することにより、電力系統1に出力される出力電圧Voutを制御するためのPWMパルスを生成し、駆動部20に出力する機能である。なお、本実施形態では制御装置21の制御方式はGFM方式とするが、GFL方式であってもよい。
【0040】
制御装置21の2つ目の機能は、電力系統1の周波数fを安定化するために貢献した度合い(貢献度)を計算する機能である。なお、「電力系統1の周波数fを安定化する」とは、電力系統1の周波数fを定格周波数fnに維持することである。
【0041】
以下、制御装置21のハードウェア構成について説明し、次いで機能ブロックについて説明する。
【0042】
・ハードウェア構成
制御装置21は、DSP(Digital Signal Processor)2100と、記憶装置211とを備える(
図3)。
【0043】
[DSP210]
DSP210は、記憶装置211に記憶された所定のプログラムを実行することにより、制御装置21が有する様々な機能を実現する。
【0044】
[記憶装置211]
記憶装置211は、DSP210によって、実行または処理される各種プログラムやデータを格納する非一時的な(例えば不揮発性の)記憶装置を含む。
【0045】
記憶装置211に格納されているプログラムとしては、電力系統1に出力される出力電圧Voutを制御するPWMパルスを生成するプログラムと、電力系統1の周波数fを安定化するための貢献度を計算するプログラムとを含む。
【0046】
記憶装置211は、更に、例えばRAM(Random-Access Memory)等(後述するメモリ211a)を有し、様々なプログラムやデータ等の一時的な記憶領域として用いられる。
【0047】
・機能ブロック
図4は、制御装置21の機能ブロックを説明する図である。DSP210が上述の1つ目の機能(PWMパルスを生成する機能)を実現させるプログラムを実行した結果、制御装置21には、GFM模擬部22が実現される。また、DSP210が上述の2つ目の機能(貢献度E
cを計算する機能)を実現させるプログラムを実行した結果、制御装置21には、貢献度計算部23が実現される。
【0048】
以下では、先ずGFM模擬部22の機能ブロックを説明した後に、貢献度計算部23の機能ブロックを説明する。
【0049】
[[GFM模擬部22]]
GFM模擬部22は、計算部220と、PWMパルス生成部221とを備える(
図4)。
【0050】
[計算部220]
計算部220は、GFM方式により同期発電機を模擬することにより、電力系統1に入出力する目標となる電力Prefと、電力Poutと、所定の設定周波数fn,refとに基づいて、出力電圧Voutに対する指令周波数frefと、位相θrefとを計算して出力する。
【0051】
[PWMパルス生成部221]
PWMパルス生成部221は、計算部220から出力された指令周波数fref及び位相θrefに基づく正弦波状の基本波と、所定の搬送波との交点を検出する。これによって、PWMパルス生成部221は、PWMパルスのデューティ比を決定し、決定したデューティ比を有するPWMパルスVPWMを生成する。PWMパルスVPWMは、駆動部20に出力され、駆動部20のインバータ回路が駆動される。
【0052】
[[貢献度計算部23]]
次いで、本実施形態の貢献度計算部23の機能ブロックについて、
図5及び
図6を用いて説明する。
図5は、
図4に示した貢献度計算部23の機能ブロックの詳細を説明する図である。
図6は、貢献度E
cを計算する方法を説明する図である。
【0053】
なお、貢献度Ecとは、前述のように、電力系統1の周波数fを安定化するために貢献した度合いである。本実施形態では、貢献度Ecとは、例えば1暦日に亘る貢献度とする。
【0054】
なお、本実施形態では貢献度Ecを1暦日に亘る貢献度とするが、これに限られず半日、1週間、1ヵ月等の他の期間に亘る貢献度としてもよい。
【0055】
1暦日に亘る貢献度E
cとは、1暦日の間に生じた複数の周波数変動のそれぞれに対する貢献度e
c(1回の周波数変動に対する貢献度を、貢献度e
cとする)を合算した値である。
図6は、1回の周波数変動に対する貢献度e
cを計算する方法を説明する図となっている。
【0056】
DSP210が上述の2つ目の機能(貢献度Ecを計算する機能)を実現させるプログラムを実行した結果、制御装置21には、貢献度計算部23が実現される。貢献度計算部23は、計測部300,302と、判定部301と、出力部303,304と、設定部305,306と,計算部31とを備える。
【0057】
貢献度計算部23は、電源装置2が出力する出力電圧V
outと、電源装置2が出力する出力電流I
outとを入力として、貢献度E
cを出力する(
図5)。出力電圧V
out及び出力電流I
outは、電源装置2と、電力系統1との連系点1a(
図3)における計測値である。以下、貢献度計算部23のそれぞれの構成について説明する。
【0058】
[計測部300]
計測部300は、電源装置2から出力される出力電圧Voutの測定値から、出力電圧Voutの周波数を計測して出力する。ここで計測部300によって計測された周波数を、周波数fmeasと称する。
【0059】
[判定部301]
判定部301は、計測された周波数fmeasに基づいて、電力系統1に周波数変動が生じたか否かを判定する。判定部301は、周波数変動が生じたと判定すると、その旨を示す信号を出力部304に出力する。
【0060】
判定部301が実行する処理について、
図6(A)を用いて説明する。
図6(A)は、電力系統1に周波数変動が生じた場合の電力系統1の周波数fの推移の一例を示す図である。
【0061】
この図において、横軸は周波数変動が生じてからの経過時間t、縦軸は周波数fmeasを示している。経過時間tの単位は秒であり、周波数fmeasの単位はHzである。
【0062】
判定部301は、電力系統1の定格周波数fnに対する周波数fmeasの変動値と、所定の閾値fthとに基づいて判定する。
【0063】
定格周波数fnは、例えば日本国内においては、東日本は50Hzであり、西日本は60Hzである。閾値fthは、電源装置2の設計者又は運用者によって決定されるものであって特に制限は無いが、例えば0.1Hz等が用いられる。
【0064】
図6(A)には、縦軸において、電力系統1の定格周波数f
n、定格周波数f
nに閾値f
thを加えた値(f
n+f
th)及び定格周波数f
nから閾値f
thを減じた値(f
n-f
th)が破線で示されている。
【0065】
図6(A)の例では、時間t=0の直前までの期間は、周波数f
measは、定格周波数f
mの近傍で安定に推移している。
【0066】
そして、時間t=0の直前から、周波数fmeasは、正の方向(高くなる方向)へ顕著な変動を示し、時間t=6程度で極大値に達している。この間の時間t=0において、周波数fmeasは、破線で示した周波数fn+fthに達している。
【0067】
本実施形態においては、「周波数変動が生じた場合」を、周波数fmeasが正の方向に変動して周波数fn+fthに達した場合、又は周波数fmeasが負の方向に変動して周波数fn-fthに達した場合と定義する。
【0068】
そのため、
図6(A)では、時間t=0において、周波数f
measが破線で示した周波数f
n+f
thに交わるように示されている。
【0069】
判定部301は、周波数fmeasが周波数fn+fthを達した場合、又は周波数fmeasが周波数fn-fthを達した場合に、電力系統1に周波数変動が生じたと判定する。
【0070】
[計測部302]
計測部302は、出力電圧Voutの測定値と、電源装置2から出力される出力電流Ioutの測定値とから、電源装置2から入出力される電力Poutを計測する。計測部302は、計測した電力Poutの値を、出力部303に出力する。
【0071】
[出力部303]
出力部303の処理について、
図6(B)を用いて説明する。
図6(B)は、電力系統1に周波数変動が生じた場合の電力P
out,PU(電力P
outを単位化したものであり、詳細は後述する)の推移の一例を示す図である。
【0072】
出力部303(「第1出力部」に相当)は、周波数変動が生じてからの所定の期間(この例では30秒とする)に電源装置2から入出力される電力Poutに対応する値(「第1の値」に相当)を出力する。
【0073】
なお、ここでの所定の期間は、「第1期間」に相当する。また、周波数変動が生じてからの所定の期間に電源装置2から入出力される電力Poutは、「第1電力」に相当する。
【0074】
ここで、所定の期間は30秒に限られず、周波数変動が生じてから周波数fが安定化するまでの時間よりも長いと想定される時間であればよい。
【0075】
本実施形態では、
図5の出力部303は、電力P
outに対応する値(第1の値)として、電力P
outが電源装置2の定格容量S
nで単位化された値を出力する。
【0076】
つまり、出力部303は、計測部302から入力された電力Poutに対し、定格容量Snで除する処理(単位化処理)を実行し、単位化された電力Pout,PUを出力する。
【0077】
図6(B)には、周波数変動が生じてからの電力P
out,PUの推移が示されている。前述のように、本実施形態では、出力部303は、周波数変動が生じてから30秒までの電力P
out,PUを出力する。
【0078】
なお、単位化処理の実行は任意である。出力部303は、単位化処理を実行しない場合、電力Poutに対応する値(第1の値)として、電力Poutそのものを出力してもよい。
【0079】
[出力部304]
出力部304(「第2出力部」に相当)は、周波数変動が生じる前に電源装置2から電力系統1に入出力される電力Poutに対応する値(「第2の値」に相当)を出力する。
【0080】
なお、周波数変動が生じる前に電源装置2から電力系統1に入出力される電力Poutは、「第2電力」に相当する。
【0081】
本実施形態では、出力部304は、電力Poutに対応する値(第2の値)として、周波数変動が生じる前の所定の期間(この例では30秒とする)に亘る電力Poutの平均値(電力Pavg)に基づく値を出力する。なお、ここでの所定の期間は、「第2期間」に相当する。
【0082】
ここで、周波数変動が生じる前の所定の期間の長さは30秒に限定されず、この期間の間に周波数変動が生じていない程度の長さであればよい。
【0083】
本実施形態では、出力部304は、電力Poutに対応する値(第2の値)として、電力Poutが定格容量Snで単位化された電力Pout,PUの平均値(電力Pavg,PU)を出力する。
【0084】
つまり、出力部304は、出力部303から入力された電力P
out,PUの平均値(電力P
avg,PU)を計算し、電力P
avg,PUを出力する。なお、
図6(B)には、縦軸において、電力P
avg,PUの値が破線で示されている。
【0085】
本実施形態では、出力部304は、判定部301から周波数変動が生じた旨の信号(前述)が入力された場合に、電力Pavg,PUを出力することとしている。
【0086】
なお、前述のように、出力部303による単位化処理の実行は任意である。出力部303が単位化処理を実行しない場合、出力部303は、例えば、電力Poutそのものを出力する。
【0087】
この場合、出力部304は、電力Poutに対応する値(第2の値)として、電力Poutの平均値(電力Pavg)を出力する。
【0088】
[設定部305]
設定部305は、詳細は後述する貢献度Ecの計算に用いられる重み係数a(t)(「第1係数」に相当)を設定する。重み係数a(t)は、周波数変動が生じてからの経過時間tに依存する係数である。
【0089】
設定部305は、判定部301が周波数変動が生じたと判定した場合に、重み係数a(t)を設定する。以下、
図6(C)を用いて詳細に説明する。
【0090】
図6(C)には、設定された重み係数a(t)が示されている。この例では、重み係数a(t)は、時間tについての階段状の関数である。
【0091】
具体的には、a(t)=10(0≦t<5)、a(t)=5(5≦t<15)、a(t)=1(15≦t<30)及びa(t)=0(30≦t)である。
【0092】
なお、これは重み係数a(t)の一例である。重み係数a(t)は、絶対値を時間tで微分した値が0(零)以下となる時間tの関数であればよい。つまり、重み係数a(t)は、時間tの経過に伴って絶対値が増加しない関数であればよい。そのため、
図6(b)の例では、重み係数a(t)は、時間tの階段状の関数としている。
【0093】
あるいは、重み係数a(t)は、絶対値が時間tに対して単調減少する関数であってもよい。
【0094】
また、重み係数a(t)は、所定の期間(第1期間)が終了する時間に絶対値が最小になればよい。そのため、
図6(b)の例では、時間t=30において、最小値の0としている。
【0095】
また、重み係数a(t)は、周波数fの安定化が促進される期間ほど絶対値が大きい値とするのが好ましい。周波数fの安定化が促進される期間は、電力P
out,PU変動が早く大きい期間が相当すると考えられる。そのため、
図6(b)の例では、電力P
out,PUの変動が特に早く大きい期間(0≦t<5)において、最大値の10としている。
【0096】
このように重み係数a(t)を設定することにより、周波数fの安定化が促進される期間ほど、貢献度Ecに大きく反映されるようになる。また、周波数fがほぼ安定化したと想定される期間は、貢献度Ecに小さく反映されるようになる。
【0097】
[設定部306]
設定部306は、詳細は後述する貢献度Ecの計算に用いられる重み係数b(「第2係数」に相当)を設定する。重み係数bは、貢献度Ecの符号を調整するための係数である。
【0098】
重み係数bは、周波数変動の正負に応じた係数であり、-1又は+1を取り得る。以下、
図6(D)を用いて詳細に説明する。
【0099】
図6(D)には、設定された重み係数bが示されている。この例では、重み係数bは-1であって一定値である。
【0100】
図6の例では、周波数変動の方向が正(高くなる変動)である(
図6(A))。また、これに応答する電力P
out,PUの変動(後述するΔP
out,PU)の方向は負(低くなる変動)となる。
【0101】
図6の例のように、電力P
out,PUの変動の方向が負(低くなる変動)である場合、重み係数bは-1とすればよい。これとは逆に、電力P
out,PUの変動の方向が正(高くなる変動)である場合、重み係数bは+1とすればよい。
【0102】
詳細は後述するが、重み係数bをこのように設定することにより、周波数変動が正又は負のいずれの方向であっても、貢献度Ecを正の値とすることができる。
【0103】
[計算部31]
計算部31は、単位化された電力Pout,PU及び、電力Poutの平均値(電力Pavg,PU)の値に基づいて、貢献度Ecを計算する。なお、電力Pout,PUは「第1の値」の一例であり、電力Pavg,PUは、「第2の値」の一例である。
【0104】
計算部31は、減算部310と、乗算器311,312と、積分部313と、初期化部314とを有する。以下、それぞれについて説明する。
【0105】
減算部310は、次式に示す単位化された電力P
out,PU及び、電力P
outの平均値(電力P
avg,PU)の差ΔP
out,PUを計算して出力する。
【数1】
【0106】
乗算器311は、設定部305から出力された重み係数a(t)と、設定部306から出力された重み係数bとを乗じる処理を実行し、次式の値を出力する。
【数2】
【0107】
乗算器312は、乗算器311の出力結果を、減算部310の出力である差ΔP
out,PUに乗じる処理を実行し、次式の値を出力する。
【数3】
【0108】
なお、数3の値は、「第1及び第2の値の差に応じた第3の値」の一例である。
【0109】
また、乗算器311と乗算器312とはまとめて、「乗算部」に相当する。つまり、「乗算部」は、重み係数a(t)を電力の差ΔPout,PUに乗じて出力する。あるいは、「乗算部」は、重み係数a(t)と、重み係数bとを電力の差ΔPout,PUに乗じて出力してもよい。
【0110】
積分部313は、乗算器312が出力した値(第3の値)を、時間t=0~30の期間(第1期間)に亘って積分することにより貢献度e
cを計算する。つまり、積分部313は、次式から貢献度e
cを計算し、出力する。
【数4】
【0111】
なお、数4の貢献度e
cは、
図6に示す1回の周波数変動に対する貢献度e
cに相当する。周波数変動が生じた後に、同一暦日に再び周波数変動が生じた場合、積分部313は、後の周波数変動に対する貢献度e
cを先に生じた全ての周波数変動に対する貢献度E
cに加算して、貢献度E
cを更新する。
【0112】
初期化部314は、積分部313によって計算された貢献度Ecを初期化する。前述のように、本実施形態では、貢献度Ecとは、1暦日に亘る貢献度である。そのため、初期化部314は、1暦日の0:00において、貢献度Ecを0(零)に初期化する。
【0113】
そうすると、1暦日の最後に積分部313から出力される貢献度Ecは、1暦日の間に生じた全ての周波数変動のそれぞれに対する貢献度ecを合算した値(つまり、1暦日に亘る貢献度Ec)となる。
【0114】
以上説明した貢献度計算部23の処理により、1暦日において電力系統1の周波数fを安定化させる貢献度Ecが出力される。計算された貢献度Ecは、例えば記憶装置211に出力されてもよいし、外部の表示装置等の出力装置に出力されてもよい。
【0115】
以上説明した本実施形態の電源装置2によれば、擬似同期発電機が電力系統の周波数を安定化させる貢献度を評価することが可能となる。
【0116】
==第2実施形態==
<<情報処理装置4が設けられた電力系統1>>
図7は、本実施形態の情報処理装置4が設けられた電力系統1の一例を説明する図である。
図7は、
図1に示した電力系統1に、本実施形態の情報処理装置4が設けられた態様を示している。
【0117】
本実施形態の情報処理装置4は、複数の電源装置5(5a,5b,5c・・・)に接続されており、それぞれの電源装置5について貢献度Ecを計算することが可能な装置である。
【0118】
情報処理装置4のハードウェア構成及び機能ブロックは、第1実施形態の制御装置21のそれらと同様であるため、これらの詳細な説明は省略する。
【0119】
情報処理装置4は、複数の電源装置5(5a,5b,5c・・・)のそれぞれから出力電圧Voutと、出力電流Ioutとを取得し、それぞれの電源装置5の貢献度Ecを計算する点で、第1実施形態の制御装置21と異なっている。
【0120】
このような情報処理装置4であっても、擬似同期発電機が電力系統の周波数を安定化させる貢献度を評価することが可能となる。
【0121】
==変形例1==
第1実施形態において、出力部304は、周波数変動が生じる前の所定の期間(第2期間)に亘る電力Poutの平均値(電力Pavg)に基づく値を出力するとしたが、これに限られない。
【0122】
電力Pavgに基づく値に代えて、電源装置5から入出力される電力Poutの指令値に基づく値としてもよい。電力Poutの指令値は、それぞれの電源装置5において設定された値であり、周波数変動が生じる前(電力系統1の正常時)においては電力Pavgにほぼ等しい。
【0123】
そのため、電力Pavgに代えて電力Poutの指令値を用いても、計算される貢献度Ecの値はほぼ等しい。また、この場合、平均値を計算する処理を省略することができる。
【0124】
==変形例2==
第1実施形態において、出力部303は、単位化された電力Pout,PUを出力することとした。そして、出力部304は、単位化された電力Pout,PUの平均値である電力Pave,PUを出力することとした。
【0125】
そのため、第1実施形態において計算された貢献度Ecは、電源装置2の単位容量あたりの貢献度Ecとなる。つまり、電源装置2の定格容量Snの影響を受けない特性、例えば、周波数変動に対する応答の早さ等の特性を評価することができる。
【0126】
第1実施形態の変形例として、出力部303は、単位化されていない電力Poutそのものを出力することとしてもよい。そして、この場合、出力部304は、単位化されていない電力Poutの平均値である電力Paveを出力することとする。
【0127】
この場合の1回の周波数変動に対する貢献度e
cは、数4に代えて、次式で表現される。
【数5】
ここで、右辺のΔP
outは、P
outとP
aveとの差(P
out-P
ave)である。
【0128】
このようにして計算された1暦日の貢献度Ecは、電力系統1に設けられた他の電源装置の貢献度と比較可能な貢献度である。
【0129】
つまり、このようにして計算された貢献度Ecは、電力系統1に設けられた全ての電源装置による周波数の安定化に対する電源装置2の寄与を評価することが可能な指標となる。
【0130】
==まとめ==
以上、第1実施形態の制御装置21は、同期発電機を模擬する電源装置2が連系された電力系統1に周波数変動が生じてからの第1期間に電源装置2から入出力される第1電力に対応する第1の値を出力する出力部303と、周波数変動が生じる前に電源装置2から電力系統1に入出力される第2電力に対応する第2の値を出力する出力部304と、第1及び第2の値に基づいて、電力系統1の周波数fを安定化させるために電源装置2が貢献した貢献度Ecを計算する計算部31と、を備える。
【0131】
このような構成によれば、擬似同期発電機が電力系統の周波数を安定化させる貢献度Ecを評価することが可能となる。
【0132】
実施形態の制御装置21において、出力部304は、周波数変動が生じる前の第2期間に亘る第2電力の平均値に基づいて、第2の値を出力する。このような構成によれば、周波数変動が生じる前の正常な電力系統1の状態における電力Poutを、周波数変動が生じてからの電力Poutの変動の基準とすることができるため、貢献度Ecの信頼性が向上する。
【0133】
実施形態の制御装置21において、出力部303は、第1電力が電源装置2の定格容量Snで単位化された第1の値を出力し、出力部304は、第2電力が定格容量で単位化された第2の値を出力する。このような構成によれば、電源装置2の単位容量あたりの貢献度を評価することができる。これによって、電源装置2の定格容量の影響を受けない特性、例えば、周波数変動に対する応答の早さ等の特性を評価することができる。
【0134】
実施形態の制御装置21において、計算部31は、第1及び第2の値の差を計算する減算部と、第1及び第2の値の差に応じた第3の値を第1期間に亘って積分することにより貢献度Ecを計算する積分部313とを有する、このような構成によれば、周波数変動が生じてから有限の第1期間に亘る周波数の推移を考慮することができるため、貢献度Ecの信頼性が向上する。
【0135】
実施形態の制御装置21において、計算部31は、周波数変動が生じてからの経過時間に依存し、第1期間が終了する時間に絶対値が最小になる第1係数を第1及び第2の値の差に乗じて、第3の値として出力する乗算部を更に有する。このような構成によれば、第1期間のうち、周波数fの安定化が特に促進される期間を貢献度Ecに大きく反映させることができるため、貢献度Ecの信頼性が向上する。
【0136】
実施形態の制御装置21において、乗算部は、周波数変動の正負に応じた第2係数と、第1係数とを差に乗じて、第3の値として出力する、このような構成によれば、周波数の変動が正又は負のいずれの方向に生じても、貢献度Ecの符号を同一にすることができる。そのため、貢献度Ecをわかりやすい指標にすることができる。
【0137】
実施形態の制御装置21は、電力系統1の定格周波数fnに対する電源装置2から出力される出力電圧の周波数fmeasの変動値と、所定の閾値fthとに基づいて、周波数変動が生じたか否かを判定する判定部301を更に備える。このような構成によれば、リアルタイムで貢献度Ecの計算が可能となる。
【0138】
実施形態の情報処理方法は、制御装置21が、同期発電機を模擬する電源装置2が連系された電力系統1に周波数変動が生じてからの第1期間に電源装置2から入出力される第1電力に対応する第1の値を出力するステップと、周波数変動が生じる前に電源装置2から電力系統1に入出力される第2電力に対応する第2の値を出力するステップと、第1及び第2の値に基づいて、電力系統1の周波数fを安定化させるために電源装置2が貢献した貢献度Ecを計算するステップと、を含む。
【0139】
このような方法によれば、擬似同期発電機が電力系統の周波数を安定化させる貢献度Ecを評価することが可能となる。
【0140】
実施形態の情報処理プログラムは、コンピュータに、同期発電機を模擬する電源装置2が連系された電力系統1に周波数変動が生じてからの第1期間に電源装置2から入出力される第1電力に対応する第1の値を出力する出力部303と、周波数変動が生じる前に電源装置2から電力系統1に入出力される第2電力に対応する第2の値を出力する出力部304と、第1及び第2の値に基づいて、電力系統1の周波数fを安定化させるために電源装置2が貢献した貢献度Ecを計算する計算部31と、を実現させる。
【0141】
このようなプログラムによれば、擬似同期発電機が電力系統の周波数を安定化させる貢献度Ecを評価することが可能となる。
【符号の説明】
【0142】
電力系統 1
電源装置 2
駆動部 20
直流電源 200
制御装置 21
DSP 210
記憶装置 211
GFM模擬部 22
計算部 220
PWMパルス生成部 221
貢献度計算部 23
計測部 300
判定部 301
計測部 302
出力部 303
出力部 304
設定部 305
設定部 306
計算部 31
減算部 310
乗算器 311
乗算器 312
積分部 313
初期化部 314
情報処理装置 4
電源装置 5