(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035945
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】間仕切
(51)【国際特許分類】
E05D 15/00 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
E05D15/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140590
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 りほ
(57)【要約】
【課題】空間演出のバリエーションを容易に増大することができる間仕切を提供すること。
【解決手段】間仕切20においては、矩形枠状の枠フレーム21と、枠フレーム21の左右寸法L10より短寸の左右寸法L11の板状機能部品としてのフェルトスクリーン11A、11Bと、を備え、フェルトスクリーン11A、11Bを、左右方向の位置を変更可能に取付けできるようになっている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形枠状の枠フレームと、
前記枠フレームの左右幅より短寸の左右幅の板状機能部品と、を備え、
前記板状機能部品を、左右方向の位置を変更可能に取付けできるようになっていることを特徴とする間仕切。
【請求項2】
前記板状機能部品の左右幅は、前記枠フレームの左右幅の1/2以上であることを特徴とする請求項1に記載の間仕切。
【請求項3】
前記板状機能部品は、前記枠フレームの前面側と背面側とに取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の間仕切。
【請求項4】
前記板状機能部品は、左右方向にスライド移動可能に取付けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の間仕切。
【請求項5】
前記枠フレームにおける左右の縦フレーム間に横設される横架部材を備え、
前記横架部材には、前記板状機能部品を係止可能な係止部が左右方向に移動可能にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項4に記載の間仕切。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を仕切る間仕切に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の間仕切として、矩形状の中板の表裏面にスペーサを介して化粧板を貼設することにより構成された所定厚みのパネル板と、パネル板の上下辺各々に沿って装着される上下フレーム及びパネル板の左右側辺各々に沿って装着される縦フレームからなる矩形枠状の枠フレームと、からなる移動式の間仕切がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4570816号公報(第1図、第3頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されている間仕切においては、枠フレーム内の全領域がパネル板により閉塞されていることで、外部の雰囲気とは異なる閉空間を演出できるものである。しかし、近年においては、パネル板により空間を完全に遮断するように仕切るだけでなく、空間を仕切りながらも間仕切の裏側の背景を視認可能とし、パネル板の色とその裏側の背景色との位置関係による組み合わせによって空間を演出できるものが切望されるようになっている。
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載されている間仕切においては、枠フレーム内の全領域がパネル板により閉塞されていることで、間仕切の裏側の背景を視認可能とするためには間仕切を動かさなければならず、板状機能部品の色と背景色との位置関係による組合せによって空間を演出するには限界があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、空間演出のバリエーションを容易に増大することができる間仕切を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の間仕切は、
矩形枠状の枠フレームと、
前記枠フレームの左右幅より短寸の左右幅の板状機能部品と、を備え、
前記板状機能部品を、左右方向の位置を変更可能に取付けできるようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、板状機能部品の左右方向の位置を変更することで、板状機能部品の色と背景色との位置関係による組合せによって空間演出のバリエーションを増大させることができる。
【0008】
前記板状機能部品の左右幅は、前記枠フレームの左右幅の1/2以上であることを特徴としている。
この特徴によれば、板状機能部品とその側方の枠フレームとの間の隙間が過度に大きくなって間仕切の機能が損なわれることを防止できる。
【0009】
前記板状機能部品は、前記枠フレームの前面側と背面側とに取付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、種類が異なる板状機能部品を前後に取付けることもできるとともに、板状機能部品とその側方の枠フレームとの間の隙間の左右幅のバリエーションが多くなる。
【0010】
前記板状機能部品は、左右方向にスライド移動可能に取付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、板状機能部品の左右方向の位置調整を容易に行うことができる。
【0011】
前記枠フレームにおける左右の縦フレーム間に横設される横架部材を備え、
前記横架部材には、前記板状機能部品を係止可能な係止部が左右方向に移動可能にそれぞれ設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、板状機能部品を係止部に係止させて、係止部を左右方向にスライド移動させることができるため、板状機能部品の左右方向の位置調整が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例に係る間仕切が設けられた空間構造体を示す斜視図である。
【
図8】(a)は
図5のY1部の拡大断面図、(b)は
図5のY2部の拡大断面図である。
【
図9】上横架部材とフック部材を示す要部拡大斜視図である。
【
図10】各間仕切のフェルトスクリーンの配置を変えた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の間仕切を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0014】
以下、本実施例に係る間仕切について、
図1~
図10に基づいて説明する。尚、以下において、
図1の紙面斜め右下方を前方、斜め左上方を後方、斜め右上方を右方、斜め左下方を左方として説明する。
【0015】
図1に示されるように、本実施例の空間構造体1は、オフィスや展示場等の広い室内空間を方形に区画するために床面に自立させて設置されるものであり、ミーティングや業務スペースなどに使用される。
【0016】
空間構造体1は、床面に自立させて設置されるフレーム体2を備えている。フレーム体2は、天井面よりも低い上下寸法の前後左右に所定間隔おきに並ぶ6本の支柱3と、各支柱3の上端部同士を平面視「日」形状をなすように直角に連結している前後左右7本のビーム4と、を備えている。支柱3及びビーム4は、例えば、アルミニウム材等の押出し成形によって製作されている。
【0017】
図2に示されるように、各ビーム4の下端部に形成された下向き凹状の下面には、下端が内向き対向状に折曲された下向きコ字状断面のガイドレール5が複数のネジ6により固定されている。ガイドレール5は、例えば、アルミニウム材等の押出し成形によって製作され、前方の左右方向に延びる2本のガイドレール5と前後方向に延びる3本のガイドレール5の長さは、後述するブリッジレール13を接続するためにビーム4の全長よりも所要寸法短く形成されている(
図3、
図4参照)。尚、各ビーム4の長さ方向の両側面は、ガイドレール5の両側面と共にカバー部材7,7により覆われているが、このようなカバー部材7は省略することもできる。
【0018】
図1に示されるように、支柱3を挟んで対向する前方の左右方向に延びる2本のガイドレール5、5には、間仕切20が移動可能に支持されている。すなわち、
図2に示されるように、間仕切20の枠フレーム21の上面に上下方向を向く左右一対の支持軸21aの下端を固着し、両支持軸21aの上端部に水平回転自在に取付けられたガイドローラ10を、ガイドレール5内に転動可能に嵌挿することにより、間仕切20はガイドレール5に沿って移動可能に支持されている。
【0019】
また、間仕切20の枠フレーム21の下面の幅方向の中央部には、移動時に床面に接して回転する車輪12が取付けられている。尚、車輪12の代わりに水平回転自在なキャスタを取付けてもよい。このように間仕切20は、床面から上方のガイドレール5にかけて延設され、上部に設けられた両支持軸21aのガイドローラ10がガイドレール5により移動案内されるとともに、下部に設けられた車輪12が床面上を転動可能に設けられている。尚、
図1において、間仕切20は2個のみ図示されているが、3個以上の複数の間仕切20が設けられていてもよい。
【0020】
図3に示されるように、フレーム体2の前側の左方のコーナー部(
図1のA部)のガイドレール5、5、すなわち支柱3に2方向からL字状に直角に接続された2本のビーム4、4に取付けた隣り合うガイドレール5、5の交差方向の終端には、ガイドレール5と同じ断面形状の直線形状のブリッジレール13の両端が、平面視及び底面視において45度をなすように、かつガイドレール5、5と連続するように架設されている。ブリッジレール13の両端部の上面は、ビーム4の下面にネジ14により固定されている。隣り合うカバー部材7、7の下端部は、ブリッジレール13が挿通されるように切り欠かれている。尚、右方のL字交差部のガイドレール5にも同様のブリッジレール13が架設されている。
【0021】
また、
図4に示されるように、フレーム体2の前側中央部のT字交差部(
図1のB部)の3本のガイドレール5、すなわち、支柱3に3方向から直角に接続された各ビーム4に取付けられた隣り合う3本のガイドレール5の交差方向の終端にも、上記と同様のブリッジレール13、13の両端が、平面視及び底面視において45度をなすように、かつ3本のガイドレール5と連続するように架設されている。このように、ビーム4のL字交差部とT字交差部のガイドレール5にブリッジレール13を架設すると、間仕切20を
図3及び
図4の矢印方向に移動させることができる。
【0022】
次に、間仕切20について、
図5~
図10に基づいて説明する。
【0023】
図5~
図7に示されるように、間仕切20は、正面視ロ字状に形成された枠フレーム21と、枠フレーム21内に設けられた正面視略矩形状のフェルトスクリーン11A、11Bと、から主に構成され、ガイドレール5に沿って移動可能に設けられることで、空間構造体1の内部空間とその外側の外部空間とを仕切るように配置される。
【0024】
フェルトスクリーン11A、11Bは、所定板厚を有するフェルト材にて同形状に形成され、表面にプッシュピン等を差し込むことが可能な機能を有する板状機能部品として用いられる。フェルトスクリーン11A、11Bの上下左右の角部には、正面視円形状の係止孔11cが形成されており、後述するフック部材28a、28bに対し係止孔11c、11cを係脱可能とされている。尚、本実施例では係止孔11cが上下左右の角部に形成されていることで、フェルトスクリーン11A、11Bを上下反転しても使用できるようになっているが、少なくとも上左右の角部に形成されていればよい。
【0025】
また、本実施例では、枠フレーム21内に設けられる板状機能部品の一例としてフェルトスクリーン11A、11Bを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々なものを係止可能なフェンスボードや、文字が書けるホワイトボード、書類を貼付できるピンナップボード、格子状のメッシュボード、パネル板、間仕切20の裏側を視認可能な透明または半透明の樹脂ガラスパネルなど、様々な機能を有する他の板状機能部品に変更可能としてもよい。
【0026】
枠フレーム21は、左右に立設される上下方向を向く縦フレーム部22a、22a及び縦フレーム部22a、22aの下部間を連結する横フレーム部22bにより正面視略上向きコ字形に形成されたベースフレーム22と、ベースフレーム22の縦フレーム部22a、22aの上部間を連結する上フレーム23と、から構成され、断面視四角筒状をなす金属製の管状部材にて形成されている(
図7参照)。
【0027】
尚、枠フレーム21は断面視四角筒状をなす金属製の管状部材にて形成されているが、断面視円筒形状をなす管状部材にて形成されていてもよいし、柱状部材にて形成されていてもよい。また、材質も金属材に限定されるものではなく、合成樹脂材であってもよい。
【0028】
また、左右の縦フレーム部22a、22aの上部間には、上横架部材24が架渡されているとともに、左右の縦フレーム部22a、22aにおける上横架部材24の下方位置には、下横架部材34が架渡されている。このように、縦フレーム部22a、22a間に複数の上横架部材24及び下横架部材34が設けられていることで、枠フレーム21の強度が確保される。さらに、詳しくは後述するように、下横架部材34は前後長さ寸法(前後幅)が幅広であることから、枠フレーム21は高い強度、特に捩じり強度が確保される。尚、上横架部材24及び下横架部材34は金属材にて形成されているが、合成樹樹脂材にて形成されていてもよい。
【0029】
上横架部材24は、
図6、
図8(a)及び
図9に示されるように、左右方向に水平に延設されるベース板24aと、ベース板24aの前後辺に溶接等により垂直に固着され鉛直に延設される前後板24b、24bと、から縦断面略H字状に形成されている。
【0030】
上横架部材24の左右端は、連結金具25により縦フレーム部22a、22aに固定されている。詳しくは、
図8(a)を参照して、正面視L字形の連結金具25の水平片25aが複数のネジ26によりベース板24aの上面左右端部に固定され、連結金具25の起立片25bが複数のネジ27により縦フレーム部22aの内面に固定されることで、上横架部材24の左右端が連結金具25により縦フレーム部22a、22aに固定される。
【0031】
尚、縦フレーム部22aの外面における下方のネジ27に対応する箇所には、ネジ27の頭部にドライバー(図示略)を差し込むための挿通孔30が形成されていることで、下方のネジ27をネジ26に干渉しないように縦フレーム部22aの外面側から取付けできるようになっている。また、挿通孔30は、使用後は保護キャップ30aにより閉塞される。
【0032】
図9に示されるように、前後板24b、24bは、ベース板24aを挟んで前後に離間して配置されており、前後板24b、24bの上端には、フェルトスクリーン11A、11Bを係止可能なフック部材28a、28bが左右方向にスライド移動可能に係止されている。
【0033】
フック部材28a、28bは、上下方向に延びるベース板29aと、ベース板29aの上部に下向きに折返し形成される上フック部29bと、ベース板29aの下部に上向きに折返し形成される下フック部29cと、から構成されている。上フック部29bを前後板24bの上端に上方から係止することで、フック部材28a、28bが左右方向にスライド移動可能に係止される。また、下フック部29cには、フェルトスクリーン11A、11Bの上左右角部の係止孔11c、11cを係止できるようになっている。
【0034】
尚、下フック部29cの底部には左右方向に延びる規制片29dが立設されており、下フック部29cに係止された前後のフェルトスクリーン11A、11Bの前後方向への移動が規制される。よって、下フック部29cの前後幅寸法(間口)を幅広にして係止しやすくする一方で、係止されたフェルトスクリーン11A、11Bの前後方向への移動を規制してがたつきを防止している(
図6参照)。
【0035】
下横架部材34は、
図6、
図7、及び
図8(b)に示されるように、左右方向に水平に延設されるベース板35aと、ベース板35aの周縁から下方に垂下される垂下片35bと、ベース板35aの周縁を囲むように設けられ、垂下片35bに溶接等により固着され鉛直下方に延びる、詳しくはベース板35aよりも上方から下方にかけて延びる立板35cと、ベース板35aの上面に敷設される上面板35dと、から縦断面略H字状(
図6参照)に形成されている。
【0036】
下横架部材34の左右端は、縦フレーム部22a、22aに固定されている。詳しくは、
図8(b)を参照して、立板35cの左右側におけるベース板35aよりも上方位置がネジ36aにより縦フレーム部22a、22aに固定されるとともに、垂下片35b及び立板35cの左右側におけるベース板35aよりも下方位置がネジ36bにより縦フレーム部22a、22aに固定されている。つまり、下横架部材34の左右端は、それぞれ上下2箇所がネジ36a、36bにより縦フレーム部22a、22aに固定されているため、下横架部材34の縦フレーム部22a、22aへの取付け強度が高く、枠フレーム21の捩じり剛性が高められる。
【0037】
尚、ネジ36a、36bは、縦フレーム部22a内に挿入され、ネジ37aにより所定高さ位置に固定された平面視L字形をなす金属製の締結部材37に固着された上下のナット37b、37bに螺入されている。このように縦フレーム部22aにおける下横架部材34の固定部分に金属製の締結部材37が配置されることで、縦フレーム部22aと下横架部材34との連結強度がより増加するので、枠フレーム21の変形がより好適に防止される。
【0038】
詳しくは、上方のネジ36aは、立板35c、縦フレーム部22a、締結部材37を挟んでナット37bに螺入される一方で、下方のネジ36bは、垂下片35b、立板35c、縦フレーム部22a、締結部材37を挟んでナット37bに螺入されていることで、立板35cが補強されるため、下横架部材34の変形が防止される。
【0039】
また、
図6に示されるように、上方の上横架部材24の前後寸法L21は、縦フレーム部22aの前後寸法L20よりも略同寸とされ、下横架部材34の前後寸法L22は、上方の上横架部材24の前後寸法L21よりも長寸とされている(L20≒L21<L22)。このように、上方の上横架部材24の前後寸法L21よりも下方の下横架部材34の前後寸法L22の方が長寸であり、枠フレーム21の前後寸法L20よりも十分に長寸であるため、枠フレーム21の変形が防止される。
【0040】
図6及び
図7に示されるように、ベース板35a及び上面板35dの左右端部は、外法に向けて先細りテーパ状に形成されており、平面視略横長六角形状に形成されている。また、上面板35dの上面には、左右方向に延びる凹溝35e、35eが前後に離間して配置されている。詳しくは、これら凹溝35e、35eは、上横架部材24に沿うように上面板35dの左右端部近傍まで形成され、前後寸法は、フェルトスクリーン11A、11Bの下端部を収容して前後方向への移動を規制しつつ、左右方向に移動可能に案内可能な長さ寸法とされている。
【0041】
また、下横架部材34は、縦フレーム部22a、22aを挟んで前後対称に形成されていることで、間仕切20の前面側及び後面側のいずれからでもアクセスして下横架部材34を利用することができるようになっている。
【0042】
このように、左右の縦フレーム部22a、22a間の上下に横架された上横架部材24と下横架部材34の前後側には、板状機能部品の一例であるフェルトスクリーン11A、11Bを取付けできるようになっている。
【0043】
具体的には、
図6に示されるように、上横架部材24の前後に設けられた左右のフック部材28a、28bの下フック部29cに、フェルトスクリーン11A、11Bの上左右角部の係止孔11c、11cを挿入した状態で、フェルトスクリーン11A、11Bの下部を凹溝35e、35eに収容して載置させる。これにより、フェルトスクリーン11A、11Bの上部が左右のフック部材28a、28bに係止されるとともに、下部が上面板35d上に載置されることで、フェルトスクリーン11A、11Bが上横架部材24と下横架部材34の前後側に着脱可能に取付けられる。
【0044】
尚、係止孔11cは下フック部29cに挿入した状態でもフェルトスクリーン11A、11Bを上下移動できる大きさに形成されているので、係止孔11cを下フック部29cに挿入した後でフェルトスクリーン11A、11Bの下端部を凹溝35e、35eに収容して載置したり、フェルトスクリーン11A、11Bの下端部を凹溝35e、35eから抜き出したりすることができる。よって、下フック部29cへの係止状態を解除することで、フェルトスクリーン11A、11Bを上横架部材24と下横架部材34から取外すことができるようになっている。
【0045】
また、
図5に示されるように、フェルトスクリーン11A、11Bの左右寸法L11は、枠フレーム21の縦フレーム部22a、22a間の左右寸法L10よりも短寸とされている(L11<L10)。より詳しくは、フェルトスクリーン11A、11Bの左右寸法L11は、枠フレーム21の縦フレーム部22a、22a間の左右寸法L10の1/2以上の長さ寸法である(L11≧L10×1/2)。
【0046】
このように、フェルトスクリーン11A、11Bの左右寸法L11は、枠フレーム21の縦フレーム部22a、22a間の左右寸法L10よりも短寸であることで、フック部材28a、28bとともにフェルトスクリーン11A、11Bを左右の縦フレーム部22a、22a間にて左右方向にスライド移動させることで、フェルトスクリーン11A、11Bの左右方向の位置を変更可能に取付けることができる。
【0047】
このように、フック部材28a、28bが上横架部材24に左右方向にスライド移動可能に設けられていることで、フェルトスクリーン11A、11Bを左右のフック部材28a、28bに係止した状態で、フェルトスクリーン11A、11Bを左右方向にスライド移動することができるため、フェルトスクリーン11A、11Bに係止部等を設けなくても、上横架部材24に対しスライド移動可能に係止することができる。
【0048】
また、フック部材28a、28bの左右位置を変更した後に、フェルトスクリーン11A、11Bを係止することで、フェルトスクリーン11A、11Bの左右方向の位置を変更可能に取付けることができる。尚、フェルトスクリーン11A、11Bの左右寸法L11は、フェルトスクリーン11A、11Bの上下寸法L12よりも短寸とされている(L11<L12)。また、フェルトスクリーン11A、11Bの上下寸法L12は、上横架部材24と下横架部材34との離間寸法とほぼ同寸とされている。
【0049】
また、
図5に示されるように、前側のフェルトスクリーン11Aを左側に寄せるとともに、後側のフェルトスクリーン11Bを右側に寄せることで、間仕切20を正面から見た場合、前側のフェルトスクリーン11Aの右側辺と右側の縦フレーム部22aと上横架部材24と下横架部材34とにより囲まれた開口S(隙間)が、後側のフェルトスクリーン11Bにより閉塞される。逆に間仕切20を背面から見た場合、後側のフェルトスクリーン11Bの左側辺と左側の縦フレーム部22aと上横架部材24と下横架部材34とにより囲まれた開口S(隙間)が、前側のフェルトスクリーン11Aにより閉塞される。
【0050】
また、
図10に示されるように、互いに並べられた複数の間仕切20、20・・において、例えば、左側から1番目の間仕切20のように、前後のフェルトスクリーン11A、11Bを左側に寄せて、フェルトスクリーン11A、11Bと右側の縦フレーム部22aとの間に開口Sを設けてもよいし、左側から2番目の間仕切20のように、前後のフェルトスクリーン11A、11Bを右側に寄せて、フェルトスクリーン11A、11Bと左側の縦フレーム部22aとの間に開口Sを設けてもよいし、左側から3番目の間仕切20のように、前後のフェルトスクリーン11A、11Bを左右側に寄せて、フェルトスクリーン11A、11Bと左右の縦フレーム部22aとの間に開口Sを設けないようにしてもよいし、左側から4番目の間仕切20は、前後のフェルトスクリーン11A、11Bを互いに若干左右側にずらした状態で左右方向の中央位置に寄せて、フェルトスクリーン11A、11Bと左右の縦フレーム部22aとの間に開口Sを設けてもよい。
【0051】
左側から1番目や2番目の間仕切20、20のように、前後のフェルトスクリーン11A、11Bを左右いずれかに寄せれば、左右寸法L13が長寸の開口Sを設けることができる。また、左右の開口S、Sを左右に隣接させることで、より大きな開口を設けることができる。
【0052】
また、左側から4番目の間仕切20のように、前後のフェルトスクリーン11A、11Bを互いに若干左右側にずらした状態で左右方向の中央位置に寄せることで、左右寸法L13よりも短寸の左右寸法L14、L15の開口Sを設けることができるとともに、前後2枚のフェルトスクリーン11A、11Bを用いることで、左右寸法L13よりも短寸の左右寸法L14や、さらに短寸の左右寸法L15などに微調整することができる。
【0053】
このように、フェルトスクリーン11A、11Bを、左右方向の位置を変更可能に枠フレーム21内に取付けることで、フェルトスクリーン11A、11Bの色と、間仕切20の裏側に見える背景色との位置関係による組合せによって空間演出のバリエーションを増大させることができる。
【0054】
また、枠フレーム21により囲まれた領域のうち、フェルトスクリーン11A、11Bよりも上方の領域や下方の領域にも開口Sa、Sb(隙間)が形成されており、これら開口Sa、Sb(隙間)が、フェルトスクリーン11A、11Bと縦フレーム部22aと上横架部材24と下横架部材34とにより囲まれた開口S(隙間)を介して繋がることで、開放感がより向上する。
【0055】
また、例えば、左側から1番目の間仕切20では、開口Sと上下の開口Sa、Sbとで構成される開口S、Sa、Sbは正面視略コ字形となり、左側から2番目の間仕切20では、開口Sと上下の開口Sa、Sbとで構成される開口S、Sa、Sbは正面視略逆コ字形となり、左側から4番目の間仕切20では、開口Sと上下の開口Sa、Sbとで構成される開口S、Sa、Sbは正面視略ロ字形となる。このように、開口Sの左右方向の位置が変更するだけでなく、開口Sと上下の開口Sa、Sbとで構成される開口S、Sa、Sbの形状の変化に応じて、該開口S、Sa、Sbを通して視認できる背景態様が変化するため、フェルトスクリーン11A、11Bの色と、間仕切20の裏側に見える背景色との位置関係による組合せによって空間演出のバリエーションを増大させることができる。尚、上下の開口Sa、Sbに、他の板状機能部品が設けられていてもよい。
【0056】
以上説明したように、本発明の実施例としての間仕切20においては、矩形枠状の枠フレーム21と、枠フレーム21の左右寸法L10より短寸の左右寸法L11の板状機能部品としてのフェルトスクリーン11A、11Bと、を備え、フェルトスクリーン11A、11Bを、左右方向の位置を変更可能に取付けできるようになっている。
【0057】
これによれば、フェルトスクリーン11A、11Bの左右方向の位置を変更することで、フェルトスクリーン11A、11Bの色や装飾などの表面態様と、開口Sを通して視認可能な間仕切20の裏側の背景色や装飾などの背景態様との位置関係による組合せによって、空間演出のバリエーションを増大させることができる。
【0058】
また、フェルトスクリーン11A、11Bの左右寸法L11は、枠フレーム21の左右寸法L10の1/2以上であることで、フェルトスクリーン11A、11Bとその側方の縦フレーム部22a、22aとの間の開口S(隙間)が過度に大きくなって間仕切20の機能が損なわれることを防止できる。
【0059】
また、フェルトスクリーン11A、11Bは、枠フレーム21の前面側と背面側とに取付けられていることで、種類が異なる板状機能部品を前後に取付けることもできるとともに、板状機能部品とその側方の縦フレーム部22a、22aとの間の開口S(隙間)の左右寸法L13、L14、L15のバリエーションが多くなる。
【0060】
また、フェルトスクリーン11A、11Bは、左右方向にスライド移動可能に取付けられていることで、フェルトスクリーン11A、11Bの左右方向の位置調整を容易に行うことができる。
【0061】
また、枠フレーム21における左右の縦フレーム部22a、22a間に横設される上横架部材24を備え、上横架部材24には、フェルトスクリーン11A、11Bを係止可能な係止部としての下フック部29cを有するフック部材28a、28bが左右方向に移動可能にそれぞれ設けられていることで、フェルトスクリーン11A、11Bをフック部材28a、28bに係止させて、フック部材28a、28bを左右方向にスライド移動させることができるため、フェルトスクリーン11A、11Bの左右方向の位置調整が容易になる。
【0062】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内における追加や変更があっても、本発明に含まれる。
【0063】
例えば、前記実施例では、板状機能部品としてのフェルトスクリーン11A、11Bの左右寸法L11は、枠フレーム21の左右寸法L10の1/2以上である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、枠フレーム21の左右寸法L10の1/2未満であってもよい。
【0064】
また、前記実施例では、板状機能部品としてのフェルトスクリーン11A、11Bは、上横架部材24と下横架部材34の前後側に左右方向の位置を変更可能に取付けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上横架部材24と下横架部材34とのうちいずれか一方にのみ取付けられていてもよいし、上横架部材24と下横架部材34以外の横架部材に取付けられてもよいし、枠フレーム21に直接取付けられていてもよい。
【0065】
また、前記実施例では、板状機能部品としてのフェルトスクリーン11A、11Bは、上横架部材24と下横架部材34の前後側に左右方向の位置を変更可能に取付けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前後のいずれか一方にのみ取付けられるものであってもよい。また、左右方向にスライド移動可能に取付けられていたが、左右方向の複数の取付位置に選択的に取付け可能とされていてもよい。
【0066】
また、前記実施例では、板状機能部品としてのフェルトスクリーン11A、11Bは、上部がフック部材28a、28bに係止され、下部が上面板35d上に載置される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、板状機能部品の取付方法は任意であり、例えば、板状機能部品に設けられた係止部材により係止されるものでもよいし、ネジ部材などにより取付けられていてもよい。
【0067】
また、前記実施例では、間仕切20は、枠フレーム21内に板状機能部品であるフェルトスクリーン11A、11Bが設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、フェルトスクリーン11A、11B以外の他の板状機能部品に変更可能としてもよい。
【0068】
また、間仕切20はガイドレール5に沿って移動可能に設けられていたが、上部がガイドレール5に支持され、下部が床面に載置されているものであれば、必ずしもガイドレール5に沿って移動可能なものでなくてもよい。
【0069】
具体的には、特に図示はしないが、枠フレーム21の上面に、上端にガイドローラ10を有しない上支持軸を上方に向けて突設するとともに、枠フレーム21の下面に、下端にガイドローラ10を有しない下支持軸を下方に向けて突設し、上支持軸をガイドレール5や孔部などのガイド部に挿入して間仕切が倒伏しないように支持するとともに下支持軸を床面に載置してもよい。つまり、本発明の間仕切は、下部が床面上に載置されるとともに、上部が倒伏しないように上方のガイド部に支持されたものであれば、床面上を移動可能でも移動不能であってもよい。