(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035946
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】間仕切
(51)【国際特許分類】
E05D 15/00 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
E05D15/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140591
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 りほ
(72)【発明者】
【氏名】土山 和功
(72)【発明者】
【氏名】下村 恒夫
(57)【要約】
【課題】高さ寸法の調整作業を短期間で、かつ、安価に行うことができる間仕切を提供すること。
【解決手段】空間を仕切る間仕切20は、左右に立設される縦フレーム22、22を有する枠フレーム21と、枠フレーム21における上フレーム23および下フレーム24に、切断するなどして長さ寸法調整した縦フレーム22、22を連結することで間仕切20の高さ寸法を調整する高さ寸法調整手段(例えば、上下長さ寸法を調整可能な縦フレーム22、縦フレーム22を挿入可能な受口部23c、取付孔28及び挿通孔25、30、ネジ27、締結部材29など)を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を仕切る間仕切であって、
左右に立設される縦フレームを有する枠フレームと、
前記枠フレームにおける上フレームおよび/または下フレームに、長さ寸法調整した前記縦フレームを連結することで前記間仕切の高さ寸法を調整する高さ寸法調整手段と、を備えることを特徴とする間仕切。
【請求項2】
前記上フレームおよび/または前記下フレームは、前記縦フレームを挿入可能な受口を有することを特徴とする請求項1に記載の間仕切。
【請求項3】
前記受口は、前記縦フレームを挿入し固定可能な長さ寸法を有することを特徴とする請求項2に記載の間仕切。
【請求項4】
前記上フレーム、前記下フレームおよび前記縦フレームは管状部材からなり、
前記高さ調整手段は、ネジ部材が螺入可能な雌ネジ部が設けられ、前記縦フレームの端部開口から内部に挿入可能な締結部材を有し、
前記受口に形成された取付孔に外側から取付けた前記ネジ部材を、前記縦フレームに形成された挿通孔を挿通して前記雌ネジ部に螺入することで、前記上フレームと前記縦フレームまたは前記下フレームと前記縦フレームが連結されることを特徴とする請求項3に記載の間仕切。
【請求項5】
前記枠フレーム内に設けられる板状機能部品を備え、
前記上フレームと前記縦フレームとは、前記板状機能部品よりも上方位置にて連結されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の間仕切。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を仕切る間仕切に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の間仕切として、矩形状の中板の表裏面にスペーサを介して化粧板を貼設することにより構成された所定厚みのパネル板と、パネル板の上下辺各々に沿って装着される上下フレーム及びパネル板の左右側辺各々に沿って装着される縦フレームからなる矩形枠状の枠フレームと、からなる移動式の間仕切がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4570816号公報(第1図、第3頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されている間仕切においては、設置場所によって床面から上方のガイドレールまでの高さ寸法が異なる場合、各設置場所の高さ寸法に応じた長さ寸法の枠フレーム及びパネル板を工場で個別に製造するため、施工期間が長くなるとともに製造コストが嵩むという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、高さ寸法の調整作業を短期間で、かつ、安価に行うことができる間仕切を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の間仕切は、
空間を仕切る間仕切であって、
左右に立設される縦フレームを有する枠フレームと、
前記枠フレームにおける上フレームおよび/または下フレームに、長さ寸法調整した前記縦フレームを連結することで前記間仕切の高さ寸法を調整する高さ寸法調整手段と、を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、枠フレームにおける縦フレームの長さ寸法の調整作業を設置場所にて容易に行うことができるため、施工期間を短縮できるとともに、上フレームおよび/または下フレームは共通に使用できることで製造コストを低減することができる。これにより、間仕切の上方および/または下方は共通していることから、複数の間仕切で仕切られた空間の美観に優れる。
尚、前記「前記枠フレームにおける上フレームおよび/または下フレームに、長さ寸法調整した前記縦フレームを連結することで前記間仕切の高さ寸法を調整する」とは、「前記枠フレームにおける上フレームおよび下フレームに、長さ寸法調整した前記縦フレームを連結することで前記間仕切の高さ寸法を調整する」こと、「前記枠フレームにおける上フレームに、縦フレームが一体に形成された下フレームの長さ寸法調整した前記縦フレームを連結することで前記間仕切の高さ寸法を調整する」こと、または「前記枠フレームにおける下フレームに、縦フレームが一体に形成された上フレームの長さ寸法調整した前記縦フレームを連結することで前記間仕切の高さ寸法を調整する」ことを含む。つまり、「前記枠フレームにおける上フレームと下フレームとのうち少なくとも一方に、長さ寸法調整した前記縦フレームを連結することで前記間仕切の高さ寸法を調整する」ことと同義である。
【0007】
前記上フレームおよび/または前記下フレームは、前記縦フレームを挿入可能な受口を有することを特徴としている。
この特徴によれば、上フレームや下フレームの受口に縦フレームを挿入することで、上フレームや下フレームに対し縦フレームが直交するように容易に連結することができる。
尚、前記「前記上フレームおよび/または前記下フレームは、前記縦フレームを挿入可能な受口を有する」とは、「前記上フレームと前記下フレームとのうち少なくとも一方は、前記縦フレームを挿入可能な受口を有する」ことと同義である。
【0008】
前記受口は、前記縦フレームを挿入し固定可能な長さ寸法を有することを特徴としている。
この特徴によれば、上フレームや下フレームと縦フレームとが重なる部分で固定できるため、連結強度が向上する。
【0009】
前記上フレーム、前記下フレームおよび前記縦フレームは管状部材からなり、
前記高さ調整手段は、ネジ部材が螺入可能な雌ネジ部が設けられ、前記縦フレームの端部開口から内部に挿入可能な締結部材を有し、
前記受口に形成された取り付け孔に外側から取付けた前記ネジ部材を、前記縦フレームに形成された挿通孔を挿通して前記雌ネジ部に螺入することで、前記上フレームと前記縦フレームまたは前記下フレームと前記縦フレームが連結されることを特徴としている。
この特徴によれば、設置場所にて縦フレームの長さ寸法を調整した後、締結部材を縦フレーム内に挿入することで、該縦フレームに形成した挿通孔の内側に雌ネジ部を容易に設けることができる。
【0010】
前記枠フレーム内に設けられる板状機能部品を備え、
前記上フレームと前記縦フレームとは、前記板状機能部品よりも上方位置にて連結されていることを特徴としている。
この特徴によれば、枠フレームにおける板状機能部品よりも上方部分の上下長さ寸法が変わるだけで、板状機能部品の上下長さ寸法を調整する必要はないため、高さ調整作業を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例に係る間仕切が設けられた空間構造体を示す斜視図である。
【
図6】(a)は
図5のB-B断面図、(b)は
図5のC-C断面図である。
【
図7】(a)は間仕切の構成を示す正面図、(b)は(a)の要部拡大断面図である。
【
図8】(a)は間仕切の上部を示す要部拡大図、(b)は締結部材を示す斜視図、(c)は(a)のC部の拡大断面図である。
【
図9】(a)~(d)は縦フレームと上フレームとの連結方法を説明するための図である。
【
図10】(a)、(b)は高さ寸法が異なる間仕切が設置された状態を示す正面図である。
【
図11】(a)、(b)は本発明の変形例としての枠フレームの高さ調整方法を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の間仕切を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0013】
以下、本実施例に係る間仕切について、
図1~
図10に基づいて説明する。尚、以下において、
図1の紙面斜め右下方を前方、斜め左上方を後方、斜め右上方を右方、斜め左下方を左方として説明する。
【0014】
図1に示されるように、本実施例の空間構造体1は、オフィスや展示場等の広い室内空間を方形に区画するために床面に自立させて設置されるものであり、ミーティングや業務スペースなどに使用される。
【0015】
空間構造体1は、床面に自立させて設置されるフレーム体2を備えている。フレーム体2は、天井面よりも低い上下長さ寸法の前後左右に所定間隔おきに並ぶ6本の支柱3と、各支柱3の上端部同士を平面視「日」形状をなすように直角に連結している前後左右7本のビーム4と、を備えている。支柱3及びビーム4は、例えば、アルミニウム材等の押出し成形によって製作されている。
【0016】
図2に示されるように、各ビーム4の下端部に形成された下向き凹状の下面には、下端が内向き対向状に折曲された下向きコ字状断面のガイドレール5が複数のネジ6により固定されている。ガイドレール5は、例えば、アルミニウム材等の押出し成形によって製作され、前方の左右方向に延びる2本のガイドレール5と前後方向に延びる3本のガイドレール5の長さは、後述するブリッジレール13を接続するためにビーム4の全長よりも所要寸法短く形成されている(
図3、
図4参照)。尚、各ビーム4の長さ方向の両側面は、ガイドレール5の両側面と共にカバー部材7,7により覆われているが、このようなカバー部材7は省略することもできる。
【0017】
図1に示されるように、支柱3を挟んで対向する前方の左右方向に延びる2本のガイドレール5、5には、間仕切20が移動可能に支持されている。すなわち、
図2に示されるように、間仕切20の枠フレーム21の上面に上下方向を向く左右一対の支持軸21aの下端を固着し、両支持軸21aの上端部に水平回転自在に取付けられたガイドローラ10を、ガイドレール5内に転動可能に嵌挿することにより、間仕切20はガイドレール5に沿って移動可能に支持されている。
【0018】
また、間仕切20の枠フレーム21の下面の幅方向の中央部には、移動時に床面に接して回転する車輪12が取付けられている。尚、車輪12の代わりに水平回転自在なキャスタを取付けてもよい。このように間仕切20は、床面から上方のガイドレール5にかけて延設され、上部に設けられた両支持軸21aのガイドローラ10がガイドレール5により移動案内されるとともに、下部に設けられた車輪12が床面上を転動可能に設けられている。尚、
図1において、間仕切20は2個のみ図示されているが、3個以上の複数の間仕切20が設けられていてもよい。
【0019】
図3に示されるように、フレーム体2の前側の左方のコーナー部(
図1のA部)のガイドレール5、5、すなわち支柱3に2方向からL字状に直角に接続された2本のビーム4、4に取付けた隣り合うガイドレール5、5の交差方向の終端には、ガイドレール5と同じ断面形状の直線形状のブリッジレール13の両端が、平面視及び底面視において45度をなすように、かつガイドレール5、5と連続するように架設されている。ブリッジレール13の両端部の上面は、ビーム4の下面にネジ14により固定されている。隣り合うカバー部材7、7の下端部は、ブリッジレール13が挿通されるように切り欠かれている。尚、右方のL字交差部のガイドレール5にも同様のブリッジレール13が架設されている。
【0020】
また、
図4に示されるように、フレーム体2の前側中央部のT字交差部(
図1のB部)の3本のガイドレール5、すなわち、支柱3に3方向から直角に接続された各ビーム4に取付けられた隣り合う3本のガイドレール5の交差方向の終端にも、上記と同様のブリッジレール13、13の両端が、平面視及び底面視において45度をなすように、かつ3本のガイドレール5と連続するように架設されている。このように、ビーム4のL字交差部とT字交差部のガイドレール5にブリッジレール13を架設すると、間仕切20を
図3及び
図4の矢印方向に移動させることができる。
【0021】
次に、間仕切20について、
図5~
図10に基づいて説明する。
【0022】
図5~
図7に示されるように、間仕切20は、正面視ロ字状に形成された枠フレーム21と、枠フレーム21内に設けられた正面視略矩形状のフェルトスクリーン11と、から主に構成され、ガイドレール5に沿って移動可能に設けられることで、空間構造体1の内部空間とその外側の外部空間とを仕切るように配置される。
【0023】
フェルトスクリーン11は、所定板厚を有するフェルト材にて形成され、表面にプッシュピン等を差し込むことが可能な機能を有する板状機能部品として用いられる。尚、本実施例では、枠フレーム21内に設けられる板状機能部品の一例としてフェルトスクリーン11を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、文字が書けるホワイトボード、書類を貼付できるピンナップボード、様々なものを係止可能なフェンスボードや格子状のメッシュボード、パネル板、間仕切20の裏側を視認可能な透明または半透明の樹脂ガラスパネルなど、様々な機能を有する他の板状機能部品に変更可能としてもよい。
【0024】
枠フレーム21は、左右に立設される上下方向を向く縦フレーム22、22と、縦フレーム22、22の上部間を連結する上フレーム23と、縦フレーム22、22の下部間を連結する下フレーム24と、から構成され、断面視四角筒状をなす金属製の管状部材にて形成されている(
図6(a)(b)参照)。
【0025】
尚、枠フレーム21は断面視四角筒状をなす金属製の管状部材にて形成されているが、断面視円筒形状をなす管状部材にて形成されていてもよいし、柱状部材にて形成されていてもよい。また、材質も金属材に限定されるものではなく、合成樹脂材であってもよい。
【0026】
縦フレーム22は、上下長さ寸法L2が、フェルトスクリーン11の上下長さ寸法L1よりも長寸とされ(L2>L1)、縦フレーム22の内面の上下部には、後述するネジ27を挿通可能な上下一対の挿通孔25、25がそれぞれ形成されている(
図8(c)参照)。また、縦フレーム22の内面には、上下方向に延びるスリット孔26が上下方向に向けて所定間隔おきに形成されており、各スリット孔26には、フェルトスクリーン11の左右側面に突設された複数の凸部11a各々が挿入可能とされている。
【0027】
上フレーム23は、
図8(a)に示されるように、左右方向に延びる横架部23aと、横架部23aの左右端から下方に向けて湾曲する湾曲部23b、23bと、湾曲部23b、23bから下方に向けて延設される受口部23c、23cと、から正面視下向き略コ字形に形成されている。横架部23aの上面左右側には支持軸21a、21aが固着されている。
【0028】
上フレーム23の受口部23c、23cは、下端の開口から縦フレーム22、22を挿入することが可能な大きさとされるとともに、挿入された縦フレーム22、22を固定することが可能な長さ寸法L3(例えば、L3=約10cm以上など)を有している。つまり、受口部23c、23cは、縦フレーム22、22を挿入可能な受口を構成している。また、受口部23c、23cの内面には、後述するネジ27を挿通可能な上下一対の取付孔28、28がそれぞれ形成されている(
図8(c)参照)。
【0029】
受口部23cに縦フレーム22を挿入して固定する場合、
図8(b)に示される締結部材29が用いられる。締結部材29は、水平片29aと、水平片29aの一辺から下方に延設される垂下片29bと、から正面視略L字形に形成され、垂下片29bには、後述するネジ27を挿通可能な上下一対の挿通孔30、30がそれぞれ形成されている。また、垂下片29bの内面における挿通孔30、30に対応する箇所には、内周面に雌ネジ部が形成されたナット31、31が溶接等により固着されている。
【0030】
図8(c)に示されるように、垂下片29bは、縦フレーム22の上端開口から内部に挿入可能な大きさに形成され、垂下片29bが縦フレーム22の内周面に当接された状態で水平片29a、詳しくはその先端が縦フレーム22の上端に載置されることにより下方への落下が規制される。そして、落下が規制された状態で、挿通孔30、30が、縦フレーム22の挿通孔25、25及び受口部23cの取付孔28、28に合致し、受口部23cの外側から取付孔28、28に取付けたネジ27を挿通孔25、25、30、30に挿入し、ナット31、31に螺入して締結することで、縦フレーム22と受口部23cとが互いに重なり合った状態で連結固定される。
【0031】
また、水平片29aの先端が縦フレーム22の内周面により図中の矢印方向に押圧されることで、受口部23cに縦フレーム22が圧接されるので連結強度が高まる。つまり、連結固定時に、L字形の締結部材29の水平片29aが角筒である縦フレーム22の上端に当接していることから縦フレーム22の上端の強度が高まるので、縦フレーム22と受口部23cとの連結強度が高まる。
【0032】
尚、下フレーム24は、上フレーム23と異なる点は、向きが上下逆である点と、車輪12が設けられている点だけで、形状や縦フレーム22との連結固定方法は上フレーム23と同様であるため、同様の符号を付すことで詳細な説明は省略する。また、縦フレーム22が切断されない側である下フレーム24と縦フレーム22との連結固定方法は、縦フレーム22が切断される側である上フレーム23と縦フレーム22との連結固定方法と同様の方法でなくてもよく、例えば、溶接等により連結固定されていてもよい。
【0033】
次に、間仕切20の高さ調整方法の一例について、
図9及び
図10に基づいて説明する。
【0034】
図9(a)に示されるように、間仕切20の枠フレーム21は、左右に立設される縦フレーム22、22と、上フレーム23と、下フレーム24と、から構成されることで、例えば、上下長さ寸法を調整した縦フレーム22、22を、他の間仕切20にて共通に使用可能な上フレーム23と下フレーム24とに連結することで、間仕切20の高さ寸法を調整することができる。
【0035】
具体的に説明すると、例えば、
図10(a)に示されるように、空間構造体1に間仕切20を設置する場合と、
図10(b)に示されるように、空間構造体1以外の設置場所(例えば、ガイドレール5が天井に固設される場合など)に間仕切20Tを設置する場合とで、間仕切20、20Tの高さ寸法が異なる場合、工場においては、高さ寸法が長寸な間仕切20Tに応じた上下長さ寸法L2Tの縦フレーム22と、上フレーム23及び下フレーム24を製造する。
【0036】
そして、
図9(a)に示されるように、間仕切20T(
図10(b)参照)の場合、上下長さ寸法L2Tの縦フレーム22をそのまま使用して枠フレーム21を構成する一方で、間仕切20(
図10(a)参照)の場合、設置場所にて、上下長さ寸法L2Tの縦フレーム22の所定箇所(例えば、
図9(a)の点線で示される箇所など)を切断して、上下長さ寸法L2Tよりも短寸の上下長さ寸法L2の縦フレーム22を形成し、枠フレーム21を構成する。
【0037】
尚、工場にて製造する縦フレーム22上下長さ寸法は、上記した上下長さ寸法L2Tに限定されるものでなく、上下長さ寸法L2Tよりも長寸でもよいし短寸でもよい。また、切断する長さも設置場所に応じて種々に変更可能である。
【0038】
縦フレーム22の上下長さ寸法を調整した後、
図9(b)に示されるように、縦フレーム22の上端開口から締結部材29の垂下片29bを挿入する。次いで、水平片29aにより下方への落下が規制された状態で、
図9(c)に示されるように、受口部23cの下端開口から内部に挿入する。そして、
図9(d)に示されるように、受口部23cの外側からネジ27を取付孔28、28、挿通孔25、25、30、30に挿入し、ナット31、31に螺入して締結することで、縦フレーム22と受口部23cとが互いに重なり合った状態で連結固定される(
図8(c)参照)。
【0039】
つまり、上下長さ寸法を調整可能な縦フレーム22と、縦フレーム22を挿入可能な受口部23cと、取付孔28及び挿通孔25、30と、ネジ27と、締結部材29とは、切断するなどして長さ寸法調整した縦フレーム22、22を連結することで間仕切20の高さ寸法を調整する高さ寸法調整手段を構成している。
【0040】
以上説明したように、本発明の実施例としての間仕切20においては、空間を仕切る間仕切20であって、左右に立設される縦フレーム22、22を有する枠フレーム21と、枠フレーム21における上フレーム23および下フレーム24に、切断するなどして長さ寸法調整した縦フレーム22、22を連結することで間仕切20の高さ寸法を調整する高さ寸法調整手段(例えば、上下長さ寸法を調整可能な縦フレーム22、縦フレーム22を挿入可能な受口部23c、取付孔28および挿通孔25、30、ネジ27、締結部材29など)を備える。
【0041】
これによれば、フェルトスクリーン11を加工することなく、縦フレーム22の切断など、枠フレーム21における縦フレーム22の長さ寸法の調整作業を設置場所にて容易に行うことができるため、施工期間を短縮できるとともに、上フレーム23および下フレーム24は、複数の間仕切20に共通に使用できることで製造コストを低減することができる。これにより、複数の間仕切20における上方および下方は共通していることから、複数の間仕切20、20・・で仕切られた空間の美観に優れる。
【0042】
また、特に上フレーム23を複数の間仕切20に共通に使用できるようにすることで、複数の間仕切20各々の床面から板状機能部品までの高さが統一化されるため、複数の間仕切20、20・・で仕切られた空間の美観に優れる。
【0043】
さらに、上フレーム23を高さ寸法が異なる複数の間仕切20に共通に使用できるようにすることで、高さ寸法が異なる複数の間仕切20各々の床面から板状機能部品までの高さが統一化され、いずれの間仕切20の板状機能部品でも同じように使用できるため、使い勝手が向上する。
【0044】
また、上フレーム23および下フレーム24は、縦フレーム22を挿入可能な上下方向を向く受口部23c(受口)を有することで、上フレーム23や下フレーム24の受口部23c(受口)に縦フレーム22を挿入することで、上フレーム23や下フレーム24に対し縦フレーム22が直交するように容易に連結することができる。
【0045】
また、上フレーム23の受口部23cに縦フレーム22の上部、つまり、切断された部分を挿入することで、縦フレーム22の上端の切断部に生じたバリが受口部23cに収容されて外部に露出しないため、見栄えが良く、また、安全である。
【0046】
また、受口部23c(受口)は、縦フレーム22を挿入し固定可能な長さ寸法L3を有することで、上フレーム23や下フレーム24と縦フレーム22とが重なる部分で固定できるため、連結強度が向上する。
【0047】
また、上フレーム23、下フレーム24および縦フレーム22は管状部材からなり、高さ調整手段は、ネジ27が螺入可能な雌ネジ部を有するナット31が固着され、縦フレーム22の上端開口から内部に挿入可能な締結部材29を備え、受口部23c(受口)に形成された取付孔28、28に外側から取付けたネジ27を、縦フレーム22に形成された挿通孔25を挿通して雌ネジに螺入することで、上フレーム23と縦フレーム22及び下フレーム24と縦フレーム22が連結されることで、設置場所にて縦フレーム22の長さ寸法を調整した後、締結部材29を縦フレーム22内に挿入することで、該縦フレーム22に形成した挿通孔25の内側に雌ネジ部(ナット31)を容易に設けることができる。
【0048】
また、
図10に示されるように、枠フレーム21内に設けられる板状機能部品としてのフェルトスクリーン11を備え、上フレーム23の受口部23cと縦フレーム22とは、フェルトスクリーン11よりも上方位置にて連結されていることで、間仕切20と間仕切20Tとは、枠フレーム21におけるフェルトスクリーン11よりも上方部分の上下長さ寸法L4が変わるだけで、フェルトスクリーン11の上下長さ寸法L1を調整する必要はないため、高さ調整作業を簡素化することができる。また、間仕切20の高さ寸法に応じてフェルトスクリーン11の高さ位置が変わることがないので、板状機能部品であるフェルトスクリーン11とその使用者との位置関係が変わることを防止できる。
【0049】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内における追加や変更があっても、本発明に含まれる。
【0050】
例えば、前記実施例では、枠フレーム21における上フレーム23および下フレーム24に、切断するなどして長さ寸法調整した縦フレーム22、22を連結することで間仕切20の高さ寸法を調整する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、
図11(a)に示されるように、左右の縦フレーム22と下フレーム24とが正面視略上向きコ字形をなすように予め一体に形成または1本の管状部材にて構成されている場合、枠フレーム21における上フレーム23に、切断するなどして長さ寸法調整した縦フレーム22、22を連結することで間仕切20の高さ寸法を調整するものでもよい。また、
図11(b)に示されるように、左右の縦フレーム22と上フレーム23とが正面視略下向きコ字形をなすように予め一体に形成または1本の管状部材にて構成されている場合、枠フレーム21における下フレーム24に、切断するなどして長さ寸法調整した縦フレーム22、22を連結することで間仕切20の高さ寸法を調整するものでもよい。
【0051】
特に、
図11(a)に示されるように、上フレーム23を高さ寸法が異なる複数の間仕切20に共通に使用できるようにすることで、高さ寸法が異なる複数の間仕切20各々の床面から板状機能部品までの高さが統一化され、いずれの間仕切20の板状機能部品でも同じように使用できるため、使い勝手が向上する。
【0052】
また、前記実施例では、間仕切20は、枠フレーム21内に板状機能部品であるフェルトスクリーン11が設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、間仕切20は必ずしも板状機能部品を備えていなくてもよく、枠フレーム21のみから構成されていてもよい。さらに、フェルトスクリーン11以外の他の板状機能部品に変更可能としてもよい。
【0053】
また、間仕切20はガイドレール5に沿って移動可能に設けられていたが、上部がガイドレール5に支持され、下部が床面に載置されているものであれば、必ずしもガイドレール5に沿って移動可能なものでなくてもよい。
【0054】
具体的には、特に図示はしないが、枠フレーム21の上面に、上端にガイドローラ10を有しない上支持軸を上方に向けて突設するとともに、枠フレーム21の下面に、下端にガイドローラ10を有しない下支持軸を下方に向けて突設し、上支持軸をガイドレール5や孔部などのガイド部に挿入して間仕切が倒伏しないように支持するとともに下支持軸を床面に載置してもよい。つまり、本発明の間仕切は、下部が床面上に載置されるとともに、上部が倒伏しないように上方のガイド部に支持されたものであれば、言い換えると上部と下部がそれぞれ支持されたものであれば、床面上を移動可能でも移動不能であってもよい。
【0055】
また、前記実施例では、上フレーム23及び下フレーム24は、正面視略下向きコ字形に形成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、横架部23aのみからなるものであってもよい。また、湾曲部23b、23bを備えず、横架部23aの両側に受口部23cが一体に設けられていてもよい。
【0056】
また、前記実施例では、高さ寸法調整手段は、縦フレーム22の上下長さ寸法を切断により調整する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、受口部23cに対する縦フレーム22の挿入深さを調整することにより、間仕切20の高さ寸法を調整可能としてもよい。この場合、例えば、縦フレーム22に形成する挿通孔25の数を3個以上形成することで、挿入深さを調整した後、複数の挿通孔25のうちからいずれか2個を選択してネジ27を挿通して連結固定すればよい。また、ネジ27を用いずに溶接等により固定してもよい。
【0057】
また、前記実施例では、受口部23cに縦フレーム22を挿入可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、縦フレーム22の上端開口から受口部23cを挿入可能としてもよい。さらに、特に図示しないが、受口部23cと縦フレーム22とのうち一方を他方に挿入可能とすることなく、互いに突き合わせた受口部23cと縦フレーム22とを、各々の内部に挿入した接続部材を介して連結固定するようにしてもよい。