(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035989
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240308BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20240308BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L27/11556
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140663
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】堂前 須弥子
(72)【発明者】
【氏名】佐野 京佑
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA39
5F083JA56
5F083MA06
5F083MA19
5F101BA01
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】
【課題】信頼性が向上した半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】ビット線に第2電圧を印加し、第3セレクトゲート線に第8電圧を印加し、第3ダミーワード線、第4ダミーワード線、第5ダミーワード線、複数の第1ワード線及び複数の第2ワード線に第3電圧を印加する第4工程を行い、第4工程において、第1サブストリングに電流が流れる場合には、ビット線に第1電圧を印加し、第3セレクトゲート線に第1電圧を印加し、第4セレクトゲート線、第5セレクトゲート線及び第6セレクトゲート線に第5電圧を印加し、ソース線に第7電圧より高い第9電圧を印加する第5工程を行い、第4工程において、第1サブストリングに電流が流れない場合には、ビット線に第1電圧を印加し、第4セレクトゲート線に第1電圧を印加し、第3セレクトゲート線、第5セレクトゲート線及び第6セレクトゲート線に第5電圧を印加し、ソース線に第9電圧を印加する第6工程を行う、電圧を供給可能なドライバを備える半導体記憶装置である。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向と、前記第1方向に交差する第2方向と、に延伸する基板面を有する基板と、
前記基板と、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向に離間して設けられたソース線と、
前記ソース線と、前記第3方向に離間して設けられ、前記第2方向に延伸するビット線と、
前記ソース線から前記第3方向に延伸し、
前記ソース線と前記ビット線の間に設けられた第1選択トランジスタと、
前記第1選択トランジスタと前記ビット線の間に設けられた第1ダミートランジスタと、
前記第1ダミートランジスタと前記ビット線の間に設けられた複数の第1メモリセルトランジスタと、
前記複数の第1メモリセルトランジスタと前記ビット線の間に設けられた第2ダミートランジスタと、
前記第2ダミートランジスタと前記ビット線の間に設けられた第3ダミートランジスタと、
前記第3ダミートランジスタと前記ビット線の間に設けられた第2選択トランジスタと、
を有する第1サブストリングと、
前記ソース線と前記ビット線の間に設けられた第3選択トランジスタと、
前記第3選択トランジスタと前記ビット線の間に設けられた第4ダミートランジスタと、
前記第4ダミートランジスタと前記ビット線の間に設けられた複数の第2メモリセルトランジスタと、
前記複数の第2メモリセルトランジスタと前記ビット線の間に設けられた第5ダミートランジスタと、
前記第5ダミートランジスタと前記ビット線の間に設けられた第6ダミートランジスタと、
前記第6ダミートランジスタと前記ビット線の間に設けられた第4選択トランジスタと、
を有する第2サブストリングと、
を有する第1メモリピラーと、
前記ソース線から前記第3方向に延伸し、
前記ソース線と前記ビット線の間に設けられた第5選択トランジスタと、
前記第5選択トランジスタと前記ビット線の間に設けられた第7ダミートランジスタと、
前記第7ダミートランジスタと前記ビット線の間に設けられた複数の第3メモリセルトランジスタと、
前記複数の第3メモリセルトランジスタと前記ビット線の間に設けられた第8ダミートランジスタと、
前記第8ダミートランジスタと前記ビット線の間に設けられた第9ダミートランジスタと、
前記第9ダミートランジスタと前記ビット線の間に設けられた第6選択トランジスタと、
を有する第3サブストリングと、
前記ソース線と前記ビット線の間に設けられた第7選択トランジスタと、
前記第7選択トランジスタと前記ビット線の間に設けられた第10ダミートランジスタと、
前記第10ダミートランジスタと前記ビット線の間に設けられた複数の第4メモリセルトランジスタと、
前記複数の第4メモリセルトランジスタと前記ビット線の間に設けられた第11ダミートランジスタと、
前記第11ダミートランジスタと前記ビット線の間に設けられた第12ダミートランジスタと、
前記第12ダミートランジスタと前記ビット線の間に設けられた第8選択トランジスタと、
を有する第4サブストリングと、
を有し、前記第1メモリピラーと前記第2方向に離間して設けられた第2メモリピラーと、
前記第1選択トランジスタ及び前記第5選択トランジスタに接続された第1セレクトゲート線と、
前記第3選択トランジスタ及び前記第7選択トランジスタに接続された第2セレクトゲート線と、
前記第1ダミートランジスタ及び前記第7ダミートランジスタに接続された第1ダミーワード線と、
前記第4ダミートランジスタ及び前記第10ダミートランジスタに接続された第2ダミーワード線と、
前記複数の第1メモリセルトランジスタのそれぞれ及び前記複数の第3メモリセルトランジスタのそれぞれに接続された複数の第1ワード線と、
前記複数の第2メモリセルトランジスタのそれぞれ及び前記複数の第4メモリセルトランジスタのそれぞれに接続された複数の第2ワード線と、
前記第2ダミートランジスタ及び前記第8ダミートランジスタに接続された第3ダミーワード線と、
前記第5ダミートランジスタ及び前記第11ダミートランジスタに接続された第4ダミーワード線と、
前記第3ダミートランジスタ及び前記第9ダミートランジスタに接続された第5ダミーワード線と、
前記第6ダミートランジスタ及び前記第12ダミートランジスタに接続された第6ダミーワード線と、
前記第2選択トランジスタに接続された第3セレクトゲート線と、
前記第4選択トランジスタに接続された第4セレクトゲート線と、
前記第6選択トランジスタに接続された第5セレクトゲート線と、
前記第8選択トランジスタに接続された第6セレクトゲート線と、
前記ビット線に第1電圧より高い第2電圧を印加し、前記第3セレクトゲート線、前記第4セレクトゲート線、前記第5セレクトゲート線及び前記第6セレクトゲート線に前記第1電圧を印加し、前記複数の第1ワード線及び前記複数の第2ワード線に前記第1電圧より高い第3電圧を印加し、前記ソース線に前記第1電圧を印加する第1工程を行い、
前記第1工程において、前記第1サブストリング、前記第2サブストリング、前記第3サブストリング又は前記第4サブストリングに電流が流れる場合には、前記ビット線に前記第1電圧を印加し、前記第3セレクトゲート線、前記第4セレクトゲート線、前記第5セレクトゲート線及び前記第6セレクトゲート線に前記第3電圧より高い第4電圧を印加し、前記複数の第1ワード線及び前記複数の第2ワード線に前記第3電圧より高く前記第4電圧より低い第5電圧を印加する第2工程を行い、
前記第1工程において、前記第1サブストリング、前記第2サブストリング、前記第3サブストリング及び前記第4サブストリングに電流が流れない場合には、前記ビット線に前記第1電圧を印加し、前記第3セレクトゲート線に前記第1電圧を印加し、前記第4セレクトゲート線、前記第5セレクトゲート線及び前記第6セレクトゲート線に前記第5電圧を印加し、前記第1セレクトゲート線及び前記第2セレクトゲート線に前記第5電圧より高い第6電圧を印加し、前記ソース線に前記第6電圧より高い第7電圧を印加する第3工程を行い、
前記ビット線に前記第2電圧を印加し、前記第3セレクトゲート線に第8電圧を印加し、前記第3ダミーワード線、前記第4ダミーワード線、前記第5ダミーワード線、前記複数の第1ワード線及び前記複数の第2ワード線に第3電圧を印加する第4工程を行い、
前記第4工程において、前記第1サブストリングに電流が流れる場合には、前記ビット線に前記第1電圧を印加し、前記第3セレクトゲート線に前記第1電圧を印加し、前記第4セレクトゲート線、前記第5セレクトゲート線及び前記第6セレクトゲート線に前記第5電圧を印加し、前記ソース線に前記第7電圧より高い第9電圧を印加する第5工程を行い、
前記第4工程において、前記第1サブストリングに電流が流れない場合には、前記ビット線に前記第1電圧を印加し、前記第4セレクトゲート線に前記第1電圧を印加し、前記第3セレクトゲート線、前記第5セレクトゲート線及び前記第6セレクトゲート線に前記第5電圧を印加し、前記ソース線に前記第9電圧を印加する第6工程を行う、
電圧を供給可能なドライバと、
を備える半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第4工程において、前記ドライバは、前記第4セレクトゲート線に、前記第1電圧より低い第10電圧を印加する、
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第4工程において、前記ドライバは、前記第5セレクトゲート線及び前記第6セレクトゲート線に、前記第1電圧より低い第10電圧を印加する、
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第4工程において、前記ドライバは、前記第6ダミーワード線に、前記第1電圧より低い第10電圧を印加する、
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第4工程において、前記ドライバは、前記第6ダミーワード線に、前記第10電圧より大きく前記第3電圧より小さい第11電圧を印加する、
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記ドライバは、
前記第6工程の後、前記ビット線に前記第1電圧を印加し、前記第3セレクトゲート線に前記第4電圧を印加し、前記第4セレクトゲート線に前記第5電圧を印加し、前記第1ダミーワード線、前記第2ダミーワード線、前記複数の第1ワード線、前記複数の第2ワード線、前記第3ダミーワード線、前記第4ダミーワード線、前記第5ダミーワード線及び前記第6ダミーワード線に前記第5電圧を印加する第7工程を行い、
前記ビット線に前記第2電圧を印加し、前記第3セレクトゲート線に第12電圧を印加し、前記第4セレクトゲート線に前記第10電圧を印加し、前記第1ダミーワード線、第2ダミーワード線、前記複数の第1ワード線、前記複数の第2ワード線、前記第3ダミーワード線、前記第4ダミーワード線及び前記第5ダミーワード線に前記第3電圧を印加する第8工程を行い、
前記ビット線に前記第1電圧を印加し、前記第3セレクトゲート線に前記第5電圧を印加し、前記第4セレクトゲート線に前記第4電圧を印加し、前記第1ダミーワード線、前記第2ダミーワード線、前記複数の第1ワード線、前記複数の第2ワード線、前記第3ダミーワード線、前記第4ダミーワード線、前記第5ダミーワード線及び前記第6ダミーワード線に前記第5電圧を印加する第9工程を行い、
前記ビット線に前記第2電圧を印加し、前記第3セレクトゲート線に第10電圧を印加し、前記第4セレクトゲート線に前記第12電圧を印加し、前記第1ダミーワード線、前記第2ダミーワード線、前記複数の第1ワード線、前記複数の第2ワード線、前記第3ダミーワード線、前記第4ダミーワード線及び前記第6ダミーワード線に前記第3電圧を印加する第10工程を行う、
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記ドライバは、
前記第8工程において、前記第6ダミーワード線に前記第10電圧を印加し、
前記第10工程において、前記第5ダミーワード線に前記第10電圧を印加する、
請求項6記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記ドライバは、
前記第6工程の後、前記ビット線に前記第1電圧を印加し、前記第3セレクトゲート線及び前記第4セレクトゲート線に前記第4電圧を印加し、前記第1ダミーワード線、前記第2ダミーワード線、前記複数の第1ワード線、前記複数の第2ワード線、前記第3ダミーワード線、前記第4ダミーワード線、前記第5ダミーワード線及び前記第6ダミーワード線に前記第5電圧を印加する第11工程を行い、
前記ビット線に前記第2電圧を印加し、前記第3セレクトゲート線に第12電圧を印加し、前記第4セレクトゲート線に前記第10電圧を印加し、前記第1ダミーワード線、前記第2ダミーワード線、前記複数の第1ワード線、前記複数の第2ダミーワード線、前記第3ダミーワード線、前記第4ダミーワード線及び前記第5ダミーワード線に前記第3電圧を印加する第12工程を行い、
前記ビット線に前記第2電圧を印加し、前記第3セレクトゲート線に第10電圧を印加し、前記第4セレクトゲート線に前記第12電圧を印加し、前記第1ダミーワード線、前記第2ダミーワード線、前記複数の第1ワード線、前記複数の第2ダミーワード線、前記第3ダミーワード線、前記第4ダミーワード線及び前記第5ダミーワード線に前記第3電圧を印加する第13工程を行う、
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記ドライバは、
前記第12工程において、前記第6ダミーワード線に前記第10電圧を印加し、
前記第13工程において、前記第5ダミーワード線に前記第10電圧を印加する、
請求項8記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第12電圧は前記第8電圧より低い、
請求項6又は請求項8記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性半導体記憶装置としてNAND型フラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態の目的は、信頼性が向上した半導体記憶装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1方向と、第1方向に交差する第2方向と、に延伸する基板面を有する基板と、基板と、第1方向及び第2方向に交差する第3方向に離間して設けられたソース線と、ソース線と、第3方向に離間して設けられ、第2方向に延伸するビット線と、ソース線から第3方向に延伸し、ソース線とビット線の間に設けられた第1選択トランジスタと、第1選択トランジスタとビット線の間に設けられた第1ダミートランジスタと、第1ダミートランジスタとビット線の間に設けられた複数の第1メモリセルトランジスタと、複数の第1メモリセルトランジスタとビット線の間に設けられた第2ダミートランジスタと、第2ダミートランジスタとビット線の間に設けられた第3ダミートランジスタと、第3ダミートランジスタとビット線の間に設けられた第2選択トランジスタと、を有する第1サブストリングと、ソース線とビット線の間に設けられた第3選択トランジスタと、第3選択トランジスタとビット線の間に設けられた第4ダミートランジスタと、第4ダミートランジスタとビット線の間に設けられた複数の第2メモリセルトランジスタと、複数の第2メモリセルトランジスタとビット線の間に設けられた第5ダミートランジスタと、第5ダミートランジスタとビット線の間に設けられた第6ダミートランジスタと、第6ダミートランジスタとビット線の間に設けられた第4選択トランジスタと、を有する第2サブストリングと、を有する第1メモリピラーと、ソース線から第3方向に延伸し、ソース線とビット線の間に設けられた第5選択トランジスタと、第5選択トランジスタとビット線の間に設けられた第7ダミートランジスタと、第7ダミートランジスタとビット線の間に設けられた複数の第3メモリセルトランジスタと、複数の第3メモリセルトランジスタとビット線の間に設けられた第8ダミートランジスタと、第8ダミートランジスタとビット線の間に設けられた第9ダミートランジスタと、第9ダミートランジスタとビット線の間に設けられた第6選択トランジスタと、を有する第3サブストリングと、ソース線とビット線の間に設けられた第7選択トランジスタと、第7選択トランジスタとビット線の間に設けられた第10ダミートランジスタと、第10ダミートランジスタとビット線の間に設けられた複数の第4メモリセルトランジスタと、複数の第4メモリセルトランジスタとビット線の間に設けられた第11ダミートランジスタと、第11ダミートランジスタとビット線の間に設けられた第12ダミートランジスタと、第12ダミートランジスタとビット線の間に設けられた第8選択トランジスタと、を有する第4サブストリングと、を有し、第1メモリピラーと第2方向に離間して設けられた第2メモリピラーと、第1選択トランジスタ及び第5選択トランジスタに接続された第1セレクトゲート線と、第3選択トランジスタ及び第7選択トランジスタに接続された第2セレクトゲート線と、第1ダミートランジスタ及び第7ダミートランジスタに接続された第1ダミーワード線と、第4ダミートランジスタ及び第10ダミートランジスタに接続された第2ダミーワード線と、複数の第1メモリセルトランジスタのそれぞれ及び複数の第3メモリセルトランジスタのそれぞれに接続された複数の第1ワード線と、複数の第2メモリセルトランジスタのそれぞれ及び複数の第4メモリセルトランジスタのそれぞれに接続された複数の第2ワード線と、第2ダミートランジスタ及び第8ダミートランジスタに接続された第3ダミーワード線と、第5ダミートランジスタ及び第11ダミートランジスタに接続された第4ダミーワード線と、第3ダミートランジスタ及び第9ダミートランジスタに接続された第5ダミーワード線と、第6ダミートランジスタ及び第12ダミートランジスタに接続された第6ダミーワード線と、第2選択トランジスタに接続された第3セレクトゲート線と、第4選択トランジスタに接続された第4セレクトゲート線と、第6選択トランジスタに接続された第5セレクトゲート線と、第8選択トランジスタに接続された第6セレクトゲート線と、ビット線に第1電圧より高い第2電圧を印加し、第3セレクトゲート線、第4セレクトゲート線、第5セレクトゲート線及び第6セレクトゲート線に第1電圧を印加し、複数の第1ワード線及び複数の第2ワード線に第1電圧より高い第3電圧を印加し、ソース線に第1電圧を印加する第1工程を行い、第1工程において、第1サブストリング、第2サブストリング、第3サブストリング又は第4サブストリングに電流が流れる場合には、ビット線に第1電圧を印加し、第3セレクトゲート線、第4セレクトゲート線、第5セレクトゲート線及び第6セレクトゲート線に第3電圧より高い第4電圧を印加し、複数の第1ワード線及び複数の第2ワード線に第3電圧より高く第4電圧より低い第5電圧を印加する第2工程を行い、第1工程において、第1サブストリング、第2サブストリング、第3サブストリング及び第4サブストリングに電流が流れない場合には、ビット線に第1電圧を印加し、第3セレクトゲート線に第1電圧を印加し、第4セレクトゲート線、第5セレクトゲート線及び第6セレクトゲート線に第5電圧を印加し、第1セレクトゲート線及び第2セレクトゲート線に第5電圧より高い第6電圧を印加し、ソース線に第6電圧より高い第7電圧を印加する第3工程を行い、ビット線に第2電圧を印加し、第3セレクトゲート線に第8電圧を印加し、第3ダミーワード線、第4ダミーワード線、第5ダミーワード線、複数の第1ワード線及び複数の第2ワード線に第3電圧を印加する第4工程を行い、第4工程において、第1サブストリングに電流が流れる場合には、ビット線に第1電圧を印加し、第3セレクトゲート線に第1電圧を印加し、第4セレクトゲート線、第5セレクトゲート線及び第6セレクトゲート線に第5電圧を印加し、ソース線に第7電圧より高い第9電圧を印加する第5工程を行い、第4工程において、第1サブストリングに電流が流れない場合には、ビット線に第1電圧を印加し、第4セレクトゲート線に第1電圧を印加し、第3セレクトゲート線、第5セレクトゲート線及び第6セレクトゲート線に第5電圧を印加し、ソース線に第9電圧を印加する第6工程を行う、電圧を供給可能なドライバと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置を含むメモリシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る半導体記憶装置中のメモリセルアレイの回路構成を示す模式図である。
【
図3】第1実施形態に係るあるブロックBLKの、XY平面におけるセレクトゲート線SGDの平面レイアウトの一例を示す模式図である。
【
図4】第1実施形態に係るXY平面におけるワード線WLの平面レイアウトの一例を示す模式図である。
【
図5】
図3及び
図4に示す半導体記憶装置のB1-B2切断部端面図である。
【
図6】
図3及び
図4に示す半導体記憶装置のA1-A2切断部端面図である。
【
図7】
図5に示すメモリセルトランジスタのC1-C2切断部端面図である。
【
図8】
図7に示すメモリセルトランジスタのD1-D2切断部端面図である。
【
図9】
図7に示すメモリセルトランジスタの変形例を示す切断部端面図である。
【
図10】
図9に示すメモリセルトランジスタのE1-E2切断部断面図である。
【
図11】第1実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路を示す図である。
【
図12】第1実施形態に係る電圧生成回路、ドライバセット、セレクトゲート線又はワード線の電気的接続を説明するための図である。
【
図13】第1実施形態に係る電圧生成回路、ドライバセット、セレクトゲート線又はワード線の電気的接続を説明するための図である。
【
図14】第1実施形態に係る偶数ワード線ドライバとロウデコーダの電気的接続を説明するための模式図である。
【
図15】第1実施形態に係る奇数ワード線ドライバとロウデコーダの電気的接続を説明するための模式図である。
【
図16】第1実施形態に係る電圧生成回路27と偶数側ドライバ28の電気的接続を説明するための模式図である。
【
図17】第1実施形態に係る電圧生成回路27と奇数側ドライバ28の電気的接続を説明するための模式図である。
【
図18】第1実施形態に係る半導体記憶装置の動作方法を示すフローチャートである。
【
図20】
図18のS8において印加される電圧の他の一例である。
【
図21】
図18のS8において印加される電圧の他の一例である。
【
図22】
図18のS8において印加される電圧の他の一例である。
【
図23】第2実施形態に係る半導体記憶装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図24】
図23に示したフローチャートにおける、セレクトゲート線SGDに接続された選択トランジスタST及びダミートランジスタSTに印加される電圧の一例を示す模式図である。
【
図25】第3実施形態の半導体記憶装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図26】
図25に示したフローチャートにおける、セレクトゲート線SGDに接続された選択トランジスタST及びダミートランジスタSTに印加される電圧の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて実施形態を説明する。なお、図面中、同一又は類似の箇所には、同一又は類似の符号を付している。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1を含むメモリシステム3の構成の一例を示すブロック図である。第1実施形態に係る半導体記憶装置1を含むメモリシステム3の構成は
図1に示す構成に限定されない。
【0009】
図1に示すように、メモリシステム3は、半導体記憶装置1およびメモリコントローラ2を含む。メモリシステム3は、例えば、SSD(solid state drive)、SDTMカードのようなメモリカード等である。メモリシステム3は、ホストデバイス(図示は省略)を含んでもよい。
【0010】
半導体記憶装置1は、例えば、メモリコントローラ2に接続し、メモリコントローラ2を用いて制御される。メモリコントローラ2は、例えば、ホストデバイスから半導体記憶装置1の動作に必要な命令を受信し、当該命令を半導体記憶装置1に送信する。メモリコントローラ2は、当該命令を半導体記憶装置1に送信し、半導体記憶装置1からのデータの読み出し、半導体記憶装置1へのデータの書込み、または半導体記憶装置1のデータの消去を制御する。本実施形態において、半導体記憶装置1は、例えば、NAND型フラッシュメモリである。
【0011】
図1に示すように、半導体記憶装置1は、メモリセルアレイ21、入出力回路22、ロジック制御回路23、シーケンサ24、レジスタ25、レディ/ビジー制御回路26、電圧生成回路27、ドライバセット28、ロウデコーダ29、センスアンプ30、入出力用パッド群71、及びロジック制御用パッド群72を含む。半導体記憶装置1では、書き込みデータDATをメモリセルアレイ21に記憶させる書き込み動作、読み出しデータDATをメモリセルアレイ21から読み出す読み出し動作等の、各種動作が実行される。本実施形態に係る半導体記憶装置1の構成は
図1に示す構成に限定されない。
【0012】
メモリセルアレイ21は、例えば、センスアンプ30、ロウデコーダ29、およびドライバセット28と接続される。メモリセルアレイ21は、ブロックBLKO、BLK1、・・・、BLKn(nは1以上の整数)を含む。詳細は後述するが、ブロックBLKの各々は、複数のストリングユニットSU(SU0、SU1、SU2、・・・)を含む。ストリングユニットSUの各々は、ビット線およびワード線に関連付けられた複数の不揮発性メモリセルを含む。ブロックBLKは、例えばデータの消去単位となる。同一ブロックBLK内に含まれるメモリセルトランジスタMT(
図2)の保持するデータは、一括して消去される。
【0013】
半導体記憶装置1では、例えば、TLC(Triple-Level Cell)方式またはQLC(Quadruple Level Cell)方式を適用可能である。TLC方式では、各メモリセルに3ビットのデータが保持され、QLC方式では、各メモリセルに4ビットのデータが保持される。なお、各メモリセルに2ビット以下のデータが保持されてもよく、5ビット以上のデータが保持されてもよい。
【0014】
入出力回路22は、例えば、レジスタ25、ロジック制御回路23、およびセンスアンプ30に接続される。入出力回路22は、メモリコントローラ2と半導体記憶装置1との間で、データ信号DQ<7:0>の送受信を制御する。
【0015】
データ信号DQ<7:0>は、8ビットの信号である。データ信号DQ<7:0>は、半導体記憶装置1とメモリコントローラ2との間で送受信されるデータの実体であり、コマンドCMD、データDAT、アドレス情報ADD、およびステータス情報STS等を含む。コマンドCMDは、例えば、ホストデバイス(メモリコントローラ2)から半導体記憶装置1に送信される命令を実行するための命令を含む。データDATは、半導体記憶装置1への書き込みデータDATまたは半導体記憶装置1からの読み出しデータDATを含む。アドレス情報ADDは、例えば、ビット線およびワード線に関連付けられた複数の不揮発性メモリセルを選択するためのカラムアドレスおよびロウアドレスを含む。ステータス情報STSは、例えば、書き込み動作および読み出し動作に関する半導体記憶装置1のステータスに関する情報を含む。
【0016】
より具体的には、入出力回路22は、入力回路および出力回路を備え、入力回路および出力回路が次に述べる処理を行う。入力回路は、メモリコントローラ2から、書き込みデータDAT、アドレス情報ADD、およびコマンドCMDを受信する。入力回路は、受信した書き込みデータDATをセンスアンプ70に送信し、受信したアドレス情報ADDおよびコマンドCMDをレジスタ25に送信する。一方、出力回路は、レジスタ25からステータス情報STSを受け取り、センスアンプ70から読み出しデータDATを受け取る。出力回路は、受け取ったステータス情報STSおよび読み出しデータDATを、メモリコントローラ2に送信する。
【0017】
ロジック制御回路23は、例えば、メモリコントローラ2及びシーケンサ24に接続される。ロジック制御回路23は、メモリコントローラ2から、例えば、チップイネーブル信号CEn、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、リードイネーブル信号REn、およびライトプロテクト信号WPnを受信する。ロジック制御回路23は、受信される信号に基づいて、入出力回路22およびシーケンサ24を制御する。
【0018】
チップイネーブル信号CEnは、半導体記憶装置1をイネーブル(有効)にするための信号である。コマンドラッチイネーブル信号CLEは、半導体記憶装置1に入力される信号DQがコマンドCMDであることを入出力回路22に通知するための信号である。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、半導体記憶装置1に入力される信号DQがアドレス情報ADDであることを入出力回路22に通知するための信号である。ライトイネーブル信号WEnおよびリードイネーブル信号REnはそれぞれ、例えばデータ信号DQの入力および出力を入出力回路22に対して命令するための信号である。ライトプロテクト信号WPnは、データの書き込みおよび消去の禁止を半導体記憶装置1に指示するための信号である。
【0019】
シーケンサ24は、例えば、レディ/ビジー制御回路26、センスアンプ30、およびドライバセット28に接続される。シーケンサ24は、コマンドレジスタに保持されるコマンドCMDに基づいて、半導体記憶装置1全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ24は、センスアンプ30、ロウデコーダ29、電圧生成回路27、およびドライバセット28等を制御して、書き込み動作および読み出し動作等の各種動作を実行する。
【0020】
レジスタ25は、例えば、ステータスレジスタ(図示は省略)、アドレスレジスタ(図示は省略)、コマンドレジスタ(図示は省略)などを含む。ステータスレジスタは、シーケンサ24からステータス情報STSを受信し、保持し、当該ステータス情報STSを、シーケンサ24の指示に基づいて入出力回路22に送信する。アドレスレジスタは、入出力回路22からアドレス情報ADDを受信し、保持する。アドレスレジスタは、アドレス情報ADD中のカラムアドレスをセンスアンプ70に送信し、アドレス情報ADD中のロウアドレスをロウデコーダ29に送信する。コマンドレジスタは、入出力回路22からコマンドCMDを受信し、保持し、コマンドCMDをシーケンサ24に送信する。
【0021】
レディ/ビジー制御回路26は、シーケンサ24による制御に従ってレディ/ビジー信号R/Bnを生成し、生成したレディ/ビジー信号R/Bnをメモリコントローラ2に送信する。レディ/ビジー信号R/Bnは、半導体記憶装置1がメモリコントローラ2からの命令を受け付けるレディ状態にあるか、または命令を受け付けないビジー状態にあるかを通知するための信号である。
【0022】
電圧生成回路27は、例えば、ドライバセット28等に接続される。電圧生成回路27は、シーケンサ24による制御に基づいて、書き込み動作および読み出し動作等に使用される電圧を生成し、生成した電圧をドライバセット28に供給する。
【0023】
ドライバセット28は、例えば、偶数側ドライバ28A(
図12)、及び奇数側ドライバ28B(
図12)を含む。ドライバセット28は、メモリセルアレイ21、センスアンプ70、およびロウデコーダ29に接続される。ドライバセット28は、電圧生成回路27から供給される電圧に基づいて、例えば、読み出し動作および書き込み動作等の各種動作でセレクトゲート線SGD(
図2)、ワード線WL(
図2)およびソース線SL(
図2)等に印加する各種電圧を生成する。ドライバセット28は、生成した電圧を、偶数側ドライバ28A、奇数側ドライバ28B、センスアンプ30、ロウデコーダ29、ソース線SLなどに供給する。
【0024】
ロウデコーダ29は、アドレスレジスタからロウアドレスを受け取り、受け取ったロウアドレスをデコードする。ロウデコーダ29は、当該デコードの結果に基づいて、読み出し動作および書き込み動作等の各種動作を実行する対象のブロックBLKを選択する。ロウデコーダ29は、当該選択したブロックBLKに、ドライバセット28から供給される電圧を供給可能である。
【0025】
センスアンプ30は、例えば、アドレスレジスタからカラムアドレスを受信し、受信したカラムアドレスをデコードする。また、センスアンプ30は、当該デコードの結果に基づいて、メモリコントローラ2とメモリセルアレイ21との間でのデータDATの送受信動作を実行する。センスアンプ30は、例えば、ビット線毎に設けられたセンスアンプユニット(図示は省略)を含む。センスアンプ30は、センスアンプユニットを用いて、ビット線BLに電圧を供給することを可能にする。例えば、センスアンプ30は、センスアンプユニットを用いて、ビット線に電圧を供給することができる。また、センスアンプ30は、メモリセルアレイ21から読み出されたデータをセンスし、読み出しデータDATを生成し、生成した読み出しデータDATを、入出力回路22を介してメモリコントローラ2に送信する。また、センスアンプ30は、メモリコントローラ2から入出力回路22を介して書き込みデータDATを受信し、受信した書き込みデータDATを、メモリセルアレイ21に送信する。
【0026】
入出力用パッド群71は、メモリコントローラ2から受信するデータ信号DQ<7:0>を入出力回路22に送信する。入出力用パッド群71は、入出力回路22から受信するデータ信号DQ<7:0>をメモリコントローラ2に送信する。
【0027】
ロジック制御用パッド群72は、メモリコントローラ2から受信するチップイネーブル信号CEn、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、及びリードイネーブル信号REnをロジック制御回路23に転送する。ロジック制御用パッド群72は、レディ/ビジー制御回路26から受信するレディ/ビジー信号R/Bnをメモリコントローラ2に転送する。
【0028】
図2は、
図1に示したメモリセルアレイ21の回路構成の一例である。
図2は、メモリセルアレイ21に含まれる複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKの回路構成を示す図である。例えば、メモリセルアレイ21に含まれる複数のブロックBLKの各々は、
図2に示す回路構成を有する。本実施形態に係るメモリセルアレイ21の構成は
図2に示す構成に限定されない。
図2の説明において、
図1と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0029】
図2に示すように、ブロックBLKは、複数のストリングユニットSU(SU0、SU1、SU2、SU3)を含む。本実施形態において、書き込み動作および読み出し動作は、ストリングユニットSU(ページ)を単位として実行される。ストリングユニットSUの各々は、複数のNANDストリング50を含む。例えば、ストリングユニットSU0及びSU2は、複数のNANDストリング50eを含み、ストリングユニットSU1及びSU3は、複数のNANDストリング50oを含む。なお、
図2には、各ブロックBLKが4つのストリングユニットSU0、SU1、SU2、SU3を含む例を示したが、各ブロックに含まれるストリングユニットの数は4つに限られない。例えば、各ブロックBLKが、6つ以上のストリングユニットを含んでいてもよい。
【0030】
NANDストリング50の各々は、例えば8個のメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)、4個のダミートランジスタDT0、DT1、DT2及びDT3、選択トランジスタST1、ST2を含む。メモリセルトランジスタMTは、制御ゲートと電荷蓄積層とを備え、データを不揮発に保持する。ダミートランジスタDTは、選択トランジスタST1のソースと選択トランジスタST2のドレインとの間に直列接続される。メモリセルトランジスタMTは、ダミートランジスタDT1のドレインとダミートランジスタDT2のソースとの間に直列接続される。
【0031】
ストリングユニットSUの各々における選択トランジスタST1のゲートは、それぞれセレクトゲート線SGD(SGD0、SGD1、…)に接続される。セレクトゲート線SGDは、ロウデコーダ29によって独立に制御される。また、偶数番目のストリングユニットSUe(SU0、SU2、…)の各々における選択トランジスタST2のゲートは、例えば、偶数セレクトゲート線SGSeに接続され、奇数番目のストリングユニットSUo(SU1、SU3、…)の各々における選択トランジスタST2のゲートは、例えば奇数セレクトゲート線SGSoに接続される。偶数セレクトゲート線SGSe及び奇数セレクトゲート線SGSoは、例えば、互いに接続され、同様に制御されて良く、それぞれ独立に設けられ、独立に制御可能であっても良い。
【0032】
同一のブロックBLK内のストリングユニットSUeに含まれるメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)の制御ゲートは、それぞれワード線WLe(WLe0~WLe7)に共通に接続される。同一のブロックBLK内のストリングユニットSUoに含まれるメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)の制御ゲートは、それぞれワード線WLo(WLo0~WLo7)に共通に接続される。セレクトゲート線WLe及びセレクトゲート線WLoは、ロウデコーダ29によって独立に制御される。
【0033】
同一のブロックBLK内のストリングユニットSUeに含まれるダミートランジスタDT0、DT1、DT2及びDT3の制御ゲートは、それぞれダミーワード線WLDSe0、WLDSe1、WLDDe0及びWLDDe1に共通に接続される。同一のブロックBLK内のストリングユニットSUoに含まれるダミートランジスタDT0、DT1、DT2及びDT3の制御ゲートは、それぞれダミーワード線WLDSo0、WLDSo1、WLDDo0及びWLDDo1に共通に接続される。ダミーワード線WLDSo0、WLDSo1、WLDDo0及びWLDDo1は、ロウデコーダ29によって独立に制御される。
【0034】
メモリセルアレイ21内において同一列にあるNANDストリング50の選択トランジスタST1のドレインは、ビット線BL(BL0~BL(L-1)、但し(L-1)は2以上の自然数)に共通に接続される。すなわち、ビット線BLは、複数のストリングユニットSU間でNANDストリング50を共通に接続される。複数の選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに共通に接続される。ソース線SLは、例えば、ドライバセット28に電気的に接続され、シーケンサ24を用いた電圧生成回路27及びドライバセット28の制御により、電圧生成回路27またはドライバセット28から電圧を供給される。また、一実施形態に係る半導体記憶装置1は、複数のソース線SLを備えてもよい。例えば、複数のソース線SLのそれぞれは、ドライバセット28に電気的に接続され、複数のソース線SLのそれぞれは、シーケンサ24を用いた電圧生成回路27及びドライバセット28の制御により、電圧生成回路27またはドライバセット28から互いに異なる電圧を供給されてもよい。
【0035】
ストリングユニットSUは、異なるビット線BLに接続され、かつ、同一のセレクトゲート線SGDに接続されたNANDストリング50を複数含む。ブロックBLKは、ワード線WLを共通にする複数のストリングユニットSUを複数含む。メモリセルアレイ21は、ビット線BLを共通にする複数のブロックBLKを含む。メモリセルアレイ21内において、上述したセレクトゲート線SGS、ダミーワード線WLDS、ワード線WL、ダミーワード線WLDD、及びセレクトゲート線SGDがソース線層の上方に積層され、メモリセルトランジスタMTが三次元に積層される。
【0036】
次に、メモリセルアレイ21の平面レイアウトの一例について説明する。
図3は、あるブロックBLKの、XY平面におけるセレクトゲート線SGDの平面レイアウトの一例を示している。以下の説明において、XY平面は半導体基板の表面と平行な面に対応し、X方向(第1方向の一例)とY方向(第2方向の一例)とは直交している。Z方向(第3方向の一例)は、XY方向に直交する方向であり、すなわち半導体基板面に垂直な方向である。
【0037】
本例では、1つのブロックBLK内にセレクトゲート線SGDが8本含まれる場合において、4本のビット線BL(BL0~BL3)を含む領域に注目して説明する。
【0038】
図3に示すように、X方向に延びる8個の配線層30(30-0~30-7)が、Y方向に沿って配列されている。各配線層30は、セレクトゲート線SGDとして機能する。具体的には、配線層30-0~30-7は、それぞれセレクトゲート線SGD0~SGD7として機能する。従って、XY平面視において、同一のブロックBLK内のメモリグループMG0~MG7は、Y方向に沿って配列される。
【0039】
ブロックBLK内においてY方向で隣り合う配線層30は、図示せぬ絶縁膜によって離隔されている。この絶縁膜が設けられている領域を、スリットSLT2と呼ぶ。スリットSLT2では、例えば半導体基板の表面から、少なくとも配線層30が設けられるレイヤまでの領域に、絶縁膜が埋め込まれている。また、メモリセルアレイ21内には、例えばY方向に、
図3に示すブロックBLKが複数配列されている。そして、Y方向で隣り合うブロックBLK間も、図示せぬ絶縁膜によって離隔されている。この絶縁膜が設けられている領域を、スリットSLT1と呼ぶ。スリットSLT1の構造は、スリットSLT2の構造と同様である。
【0040】
さらに、Y方向で隣り合う配線層30間には、ピラーが設けられるスリットSLT2とピラーの無いスリットSLT2が交互に配置されるように、各々がZ方向に沿った複数のメモリピラーMP(MP0~MP15)が設けられる。
【0041】
具体的には、配線層30-0と30-1との間にはメモリピラーMP0、MP4、MP8、及びMP12が設けられ、配線層30-2と30-3との間には、メモリピラーMP1、MP5、MP9、及びMP13が設けられ、配線層30-4と30-5との間には、メモリピラーMP2、MP6、MP10、及びMP14が設けられ、配線層30-6と30-7との間には、メモリピラーMP3、MP7、MP11、及びMP15が設けられる。メモリピラーMPは、NANDストリング20e及び20oの組に対応する構造体であり、その詳細は後述する。
【0042】
メモリピラーMP0乃至MP3は、Y方向に沿って配列されている。同様に、メモリピラーMP4乃至MP7と、メモリピラーMP8乃至MP11と、メモリピラーMP12乃至MP15とのそれぞれは、Y方向に沿って配列されている。
【0043】
また、メモリピラーMP0、MP4、MP8、及びMP12は、X方向に沿って配列されている。同様に、メモリピラーMP1、MP5、MP9、及びMP13と、メモリピラーMP2、MP6、MP10、及びMP14と、メモリピラーMP3、MP7、MP11、及びMP15とのそれぞれは、X方向に沿って配列されている。
【0044】
そして、配線層35-0(ビット線BL0)が、メモリピラーMP0乃至MP3と重なるように配置され、メモリピラーMP0乃至MP3に共通接続される。配線層35-1(ビット線BL1)が、メモリピラーMP8乃至MP11と重なるように配置され、メモリピラーMP8乃至MP11に共通接続される。配線層35-2(ビット線BL2)が、メモリピラーMP8乃至MP11と重なるように配置され、メモリピラーMP8乃至MP11に共通接続される。配線層35-3(ビット線BL3)が、メモリピラーMP12乃至MP15と重なるように配置され、メモリピラーMP12乃至MP15に共通接続される。
【0045】
図4は、XY平面におけるワード線WLの平面レイアウトの一例を示している。
図4は
図3の1ブロック分の領域に対応しており、
図3で説明した配線層30よりも下層に設けられる配線層31のレイアウトである。
【0046】
図4に示すように、X方向に延びる8個の配線層31(31-0~31-7)が、Y方向に沿って配列されている。配線層31-0~31-7は、それぞれ配線層30-0~30-7の直下に、絶縁膜を介在して設けられる。
【0047】
各配線層31は、ワード線WL7として機能する。その他のワード線WL0~WL6も、ワード線WL7の下層に同様に設けられる。
図4の例であると、配線層31-0、31-2、31-4、及び31-6がワード線WLe7として機能する。そして、これらの配線層31-0、31-2、31-4、及び31-6は、X方向の一方側に引き出され、引き出された部分が互いに共通接続される。以下では、配線層31-0、31-2、31-4、及び31-6が共通接続された部分を含む領域のことを、第1接続部と呼ぶ。そして、配線層31-0、31-2、31-4、及び31-6は、第1接続部を介して、ロウデコーダモジュール12に接続される。
【0048】
また、配線層31-1、31-3、31-5、及び31-7が、ワード線WLo7として機能する。そして、これらの配線層31-1、31-3、31-5、及び31-7は、X方向の他方側に引き出され、引き出された部分が互いに共通接続される。以下では、配線層31-1、31-3、31-5、及び31-7が共通接続された部分を含む領域のことを、第2接続部と呼ぶ。そして、配線層31-1、31-3、31-5、及び31-7は、第2接続部を介して、ロウデコーダ29に接続される。
【0049】
そして、第1接続部と第2接続部の間にメモリセル部が設けられる。メモリセル部においては、Y方向で隣り合う配線層31は、
図3で説明したスリットSLT2によって離隔されている。また、Y方向で隣り合うブロックBLK間の配線層31も、同様にスリットSLT1によって離隔されている。またメモリセル部においては、
図3と同様にしてメモリピラーMP0乃至MP15が設けられている。
【0050】
上記構成は、その他のダミーワード線WLD、ワード線WL及びセレクトゲート線SGSが形成されるレイヤにおいても同様である。つまり、メモリピラーMP0がワード線WLeと面する側にNANDストリング20-0が形成され、ワード線WLoと面する側にNANDストリング20-1が形成されている。また、メモリピラーMP1がワード線WLeと面する側にNANDストリング20-2が、ワード線WLoと面する側にNANDストリング20-3が形成されている。メモリピラーMP2乃至MP15についても同様であり、メモリピラーMPがワード線WLeと面する側には偶数番のNANDストリング20eが形成され、ワード線WLoと面する側には奇数番のNANDストリング20oが形成される。
【0051】
次に、メモリセルアレイ21の断面構造の一例について説明する。
図5は、
図4に示すB1-B2切断部端面を示す図である。
図5は、Y方向に沿ったブロックBLKの断面図であり、一例として
図3における配線層35(ビット線BL0)に沿った領域の断面構造を示している。本実施形態に係るブロックBLKの切断部端面は
図5に示す切断部端面に限定されない。
図5の説明において、
図1~
図4と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0052】
図5に示すように、半導体基板(例えばp型ウェル領域)33の上方には、セレクトゲート線SGSとして機能する配線層32が設けられる。配線層32の上方には、ダミーワード線WLDSとして機能する2層の配線層31が、Z方向に沿って積層される。その上方には、ワード線WL0~WL7として機能する8層の配線層31が、Z方向に沿って積層される。その上方には、ダミーワード線WLDDとして機能する2層の配線層31が、Z方向に沿って積層される。配線層31及び32の平面レイアウトは
図4で説明した通りである。そして配線層31の上方には、セレクトゲート線SGDとして機能する配線層30が設けられる。配線層30の平面レイアウトは
図3で説明した通りである。このように、メモリセルアレイ21内において、セレクトゲート線SGS、ダミーワード線WLDS、ワード線WL、ダミーワード線WLDD及びセレクトゲート線SGDが半導体基板上方に積層されることで、メモリセルトランジスタMTが三次元に積層されている。
【0053】
そして、配線層30から半導体基板33に達するようにして、スリットSLT2とメモリピラーMPとが、Y方向に沿って交互に設けられる。メモリピラーMPの直径は、例えば上層側から下層側に向かって徐々に小さくなっている。また、前述の通り、スリットSLT2の実体は絶縁膜である。しかし、スリットSLT2内には、半導体基板33内に設けられた領域に電圧を印加するためのコンタクトプラグ等が設けられても良いし、選択トランジスタST2のソースをソース線に接続するためのコンタクトプラグが設けられても良い。
【0054】
そして、メモリピラーMPを介して隣り合う配線層32のうち、一方はセレクトゲート線SGSoとして機能し、他方はセレクトゲート線SGSeとして機能する。同様に、メモリピラーMPを介して隣り合う配線層31のダミーワード線WLDSのうち、一方はワード線WLDSeとして機能し、他方はワード線WLDSoとして機能する。同様に、メモリピラーMPを介して隣り合う配線層31のワード線WLのうち、一方はワード線WLeとして機能し、他方はワード線WLoとして機能する。同様に、メモリピラーMPを介して隣り合う配線層31のダミーワード線WLDDのうち、一方はワード線WLDDeとして機能し、他方はワード線WLDDoとして機能する。
【0055】
また、Y方向で隣り合うブロックBLK間にはスリットSLT1が設けられる。スリットSLT1の実体も絶縁膜である。スリットSLT1内には、半導体基板33内に設けられた領域に電圧を印加するためのコンタクトプラグ等が設けられても良い。例えば、選択トランジスタST2のソースをソース線に接続するためのコンタクトプラグあるいは溝形状の導体が設けられても良い。なお、スリットSLT1のY方向に沿った幅は、スリットSLT2のY方向に沿った幅よりも大きい。
【0056】
そして、メモリピラーMP上にはコンタクトプラグ36が設けられ、これらのコンタクトプラグ36に共通に接続されるようにして、ビット線BLとして機能する配線層35がY方向に沿って設けられる。
【0057】
図6は、X方向に沿ったブロックBLKの断面図であり、一例として
図3におけるセレクトゲート線SGD1に沿い、且つメモリピラーMP0、MP4、MP8、及びMP12を通過する領域の断面構造を示している。
図6は、
図3に示す半導体記憶装置のA1-A2切断部端面を示す図である。半導体基板33上方には、配線層32、31、及び30が順次設けられていることは、
図5を用いて説明した通りである。また、メモリセル部については
図5を用いて説明した通りである。なお、
図6では、A1-A2切断部端面の奥行き方向に存在する構成が点線で描かれている。
【0058】
図6に示すように、第1接続部では、配線層30乃至32が例えば階段状に引き出されている。つまり、XY平面で見た時に、第1接続部において、配線層30乃至32のそれぞれは、上層の配線層と重ならないテラス部分を有している。そして、このテラス部分上に、コンタクトプラグ37が設けられ、コンタクトプラグ37は金属配線層38に接続される。そして、この金属配線層38によって、偶数セレクトゲート線SGD0、SGD2、SGD4、及びSGD6、偶数ダミーワード線WLDDe、偶数ワード線WLe、偶数ダミーワード線WLDSe及び偶数セレクトゲート線SGSeとして機能する配線層30乃至32が、ロウデコーダ29(
図1)を介して、偶数側ドライバ28Aに電気的に接続される。
【0059】
他方で第2接続部では、同じように配線層30乃至32が例えば階段状に引き出されている。つまり、XY平面で見た時に、第2接続部において、配線層30乃至32のそれぞれは、上層の配線層と重ならないテラス部分を有している。そして、このテラス部分上にコンタクトプラグ39が設けられ、コンタクトプラグ39は金属配線層40に接続される。そして、この金属配線層40によって、奇数セレクトゲート線SGD1、SGD3、SGD5、及びSGD7、奇数ダミーワード線WLDDo、奇数ワード線WLo、奇数ダミーワード線WLDSo及び奇数セレクトゲート線SGSoとして機能する配線層31及び32が、ロウデコーダ29(
図1)を介して、奇数側ドライバ28Bに電気的に接続される。なお、配線層30は、第1接続部の代わりに第2接続部を介してロウデコーダ29に電気的に接続されても良いし、第1接続部及び第2接続部の両方を介して接続されても良い。
【0060】
図7は本実施形態に係るメモリセルトランジスタのC1-C2切断部端面を示す図であり、
図8は
図7に示すメモリセルトランジスタのD1-D2切断部端面を示す図である。
図7及び
図8は、2つのメモリセルトランジスタMTを含む領域を示す切断部端面図である。第1の例では、メモリセルトランジスタMTに含まれる電荷蓄積層が、絶縁膜である。本実施形態に係るメモリセルトランジスタの第1の例は
図7及び
図8に示す構造に限定されない。
図7及び
図8の説明において、
図1~
図6と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0061】
図7及び
図8に示すように、メモリピラーMPは、Z方向に沿って設けられた絶縁層30(絶縁体の一例)、半導体層31、及び絶縁層32~34を含む。絶縁層30は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。半導体層31は、絶縁層30の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTのチャネルが形成される領域として機能する。半導体層31(第1チャネル及び第2チャネルの一例)は、例えば多結晶シリコン層を用いて形成される。半導体層31は、同一のメモリピラーMP内にあるメモリセルトランジスタMT間で分離されず、連続して設けられる。したがって、2つのメモリセルトランジスタMTの各々において形成されるチャネルは、メモリピラーMPの一部を共有する。
【0062】
上述の通り、半導体層31は、対向する2つのメモリセルトランジスタMT間で連続している。したがって、対向する2つのメモリセルトランジスタMTの各々において形成されるチャネルは、メモリピラーMPの一部を共有する。具体的には、
図7及び
図8において、互いに対向する左側のメモリセルトランジスタMT及び右側のメモリセルトランジスタMTにおいて、第1メモリセルで形成されるチャネル及び第2メモリセルで形成されるチャネルは、メモリピラーMPの一部を共有する。ここで、2つのチャネルがメモリピラーMPの一部を共有するとは、2つのチャネルが同一のメモリピラーMPに形成され、且つ、2つのチャネルが一部重なっていることを意味する。一実施形態では、上記の構成を、2つのメモリセルトランジスタMTがチャネル共有する、又は2つのメモリセルトランジスタMTが対向する、という場合がある。
【0063】
絶縁層32は、半導体層31の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTのゲート絶縁膜として機能する。絶縁層32は、例えばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層構造を用いて形成される。絶縁層33は、半導体層31の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層として機能する。絶縁層33は、例えばシリコン窒化膜を用いて形成される。絶縁層34は、絶縁層33の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTのブロック絶縁膜として機能する。絶縁層34は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。メモリピラーMP部を除くスリットSLT2内には、絶縁層37が埋め込まれる。絶縁層37は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。互いに対向する左側のメモリセルトランジスタMTの絶縁層33と右側のメモリセルトランジスタMTの絶縁層33は、例えばシリコン窒化膜を含む絶縁層33により接続されている。
【0064】
実施形態の第1の例においては、メモリピラーMPの周囲に、例えばAlO層35が設けられる。AlO層35の周囲には、例えばバリアメタル層36が設けられる。バリアメタル層36は、例えばTiN膜を用いて形成される。バリアメタル層36の周囲には、ワード線WLとして機能する配線層11が設けられる。配線層11は、例えばタングステンを材料とした膜を用いて形成される。
【0065】
これにより、1つのメモリピラーMPは、Z軸上のある位置において、Y方向に沿って2つのメモリセルトランジスタMT及びMT、あるいは2つの選択トランジスタST1及びST2を含む。
【0066】
<1-6-2.第2の例>
図9は
図7に示すメモリセルトランジスタの変形例を示す図であり、
図5に示すメモリセルトランジスタのC1-C2切断部端面を示す図である。
図10は
図9に示すメモリセルトランジスタのE1-E2切断部端面を示す図である。
図9及び
図10は、2つのメモリセルトランジスタMTを含む領域を示す切断部端面図である。第2の例では、メモリセルトランジスタMTに含まれる電荷蓄積層が、導電膜である。一実施形態に係るメモリセルトランジスタの第2の例は
図10及びに示す構造に限定されない。
図10及び
図11の説明において、
図1~
図9と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0067】
図10及び
図11に示すように、メモリピラーMPは、Z方向に沿って設けられた絶縁層48及び絶縁層43、半導体層40、絶縁層41、導電層42、及び絶縁層46a~46cを含む。絶縁層48は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。半導体層40は、絶縁層48の周囲を取り囲むようにして設けられる。半導体層40はメモリセルトランジスタMTのチャネルが形成される領域として機能する。半導体層40は、例えば多結晶シリコン層を用いて形成される。半導体層40は、
図8に示すメモリピラーMPの第1の例と同様に、同一のメモリピラーMP内にあるメモリセルトランジスタMT間で分離されず、連続して設けられる。
【0068】
絶縁層41は、半導体層40の周囲に設けられ、各メモリセルトランジスタMTのゲート絶縁膜として機能する。絶縁層41は、
図10に示すXY平面内において、2つの領域に分離されている。2つの領域に分離された絶縁層41のそれぞれが、同一メモリピラーMP内の2つのメモリセルトランジスタMTのゲート絶縁膜として機能する。絶縁層41は、例えばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層構造を用いて形成される。
【0069】
導電層42は、絶縁層41の周囲に設けられ、かつ、絶縁層43によって、Y方向に沿って2つの領域に分離されている。2つの領域に分離された導電層42のそれぞれは、上記2つのメモリセルトランジスタMTの各々の電荷蓄積層として機能する。導電層42は、例えば多結晶シリコン層を用いて形成される。
【0070】
絶縁層43は例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。導電層42の周囲には、絶縁層46a、46b、及び46cが導電層42に近い側から順次設けられる。絶縁層46a及び46cは例えばシリコン酸化膜を用いて形成され、絶縁層46bは例えばシリコン窒化膜を用いて形成される。絶縁層46a、46b、及び46cはメモリセルトランジスタMTのブロック絶縁膜として機能する。絶縁層46a、46b、及び46cは、Y方向に沿って2つの領域に分離されている。2つの領域に分離された絶縁層46cの間には絶縁層43が設けられる。また、スリットSLT2内には絶縁層43が埋め込まれる。絶縁層43は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。
【0071】
本実施形態の第2の例においては、メモリピラーMPの周囲に、例えばAlO層45が設けられる。AlO層45の周囲には、例えばバリアメタル層47が設けられる。バリアメタル層47は、例えばTiN膜を用いて形成される。バリアメタル層47の周囲に、ワード線WLとして機能する配線層11が設けられる。本実施形態に係るメモリピラーMPの第1の例と同様に、本実施形態に係るメモリピラーMPの第2の例の配線層11は、例えばタングステンを材料とした膜を用いて形成される。
【0072】
本実施形態に係るメモリピラーMPの第2の例においても、メモリピラーMPの第1の例と同様に、1つのメモリピラーMPは、Z軸上のある位置において、Y方向に沿って2つのメモリセルトランジスタMT及びMT、あるいは2つの選択トランジスタST1及びST2を含む。なお、図示は省略するが、Z方向で隣り合うメモリセルトランジスタ間には絶縁層が設けられる。当該絶縁層と絶縁層43及び絶縁層46によって、導電層42は個々のメモリセルトランジスタ毎に絶縁される。
【0073】
図11は、本実施形態に係る半導体記憶装置1におけるメモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路図である。本実施形態に係るメモリピラーの等価回路図は
図11に示す等価回路図に限定されない。
図11の説明において、
図1~
図10と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0074】
図11に示すように、1つのメモリピラーMPに、2つのNANDストリング50e、50oが形成されている。NANDストリング50e(サブストリングの一例)、50o(サブストリングの一例)の各々は、直列に電気的に接続された選択トランジスタST1、ダミートランジスタDT0及びDT1、メモリセルトランジスタMT0~MT7、ダミートランジスタDT2及びDT3及び選択トランジスタST2を有する。NANDストリング50eとNANDストリング50oとは互いに向かい合う(対向する)ように設けられる。よって、NANDストリング50eに含まれる選択トランジスタST1、ダミートランジスタDT0及びDT1、メモリセルトランジスタMT0~MT7、ダミートランジスタDT2及びDT3及び選択トランジスタST2と、NANDストリング50oに含まれる選択トランジスタST1、ダミートランジスタDT0及びDT1、メモリセルトランジスタMT0~MT7、ダミートランジスタDT2及びDT3及び選択トランジスタST2とは、1対1で互いに向かい合う(対向する)ように設けられる。具体的には、NANDストリング50eに含まれる選択トランジスタST1と、NANDストリング50oに含まれる選択トランジスタST1とは対向するように設けられ、NANDストリング50eに含まれるダミートランジスタDT0及びDT1と、NANDストリング50oに含まれるダミートランジスタDT0及びDT1とは、それぞれ1対1で対向するように設けられ、NANDストリング50eに含まれるメモリセルトランジスタMT0~MT7と、NANDストリング50oに含まれるメモリセルトランジスタMT0~MT7とは、それぞれ1対1で対向するように設けられ、NANDストリング50eに含まれるダミートランジスタDT2及びDT3と、NANDストリング50oに含まれるダミートランジスタDT2及びDT3は、それぞれ1対1で対向するように設けられ、NANDストリング50eに含まれる選択トランジスタST2と、NANDストリング50oに含まれる選択トランジスタST2とは対向するように設けられる。
【0075】
以下の説明では、主に、第1メモリピラーMP(例えば、
図4のMP4)及び第1メモリピラーMPに隣接する第2メモリピラーMP(例えば、
図4のMP0)の2つのメモリピラーMPを含む例を説明する。
【0076】
第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50eの選択トランジスタST1は、例えば、それぞれ共通のセレクトゲート線SGD0に接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50oの選択トランジスタST1は、例えば、それぞれ共通のセレクトゲート線SGD1に接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50eのダミートランジスタDT2及びDT3は、それぞれ共通のダミーワード線WLDDe0及びWLDDe1に接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50oのダミートランジスタDT2及びDT3は、それぞれ共通のダミーワード線WLDDo0及びWLDDo1に接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50eのメモリセルトランジスタMT0~MT7は、それぞれ共通のワード線WLe0~WLe7に接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50oのメモリセルトランジスタMT0~MT7は、それぞれ共通のワード線WLo0~WLo7に接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50eのダミートランジスタDT0及びDT1は、それぞれ共通のダミーワード線WLDSe0及びWLDSe1に接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50oのダミートランジスタDT0及びDT1は、それぞれ共通のダミーワード線WLDSo0及びWLDSo1に接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50eの選択トランジスタST2は、例えば、それぞれ共通の偶数セレクトゲート線SGSeに接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50oの選択トランジスタST2は、例えば、それぞれ共通の奇数セレクトゲート線SGSoに接続される。
【0077】
上記のように、NANDストリング50eに含まれる選択トランジスタST1、ダミートランジスタDT2及びDT3、メモリセルトランジスタMT0~7、ダミートランジスタDT0及びDT1、及び選択トランジスタST2と、NANDストリング50oに含まれる選択トランジスタST1、ダミートランジスタDT2及びDT3、メモリセルトランジスタMT0~7、ダミートランジスタDT0及びDT1、及び選択トランジスタST2とは、それぞれ対応する。対向する2つのトランジスタにおいては、ソース同士及びドレイン同士が電気的に接続される。具体的には、NANDストリング50e、50oにおいて、対向する選択トランジスタST1のソース同士及びドレイン同士は電気的に接続され、対向するダミートランジスタDT3のソース同士及びドレイン同士は電気的に接続され、対向するダミートランジスタDT2のソース同士及びドレイン同士は電気的に接続され、それぞれ対向するメモリセルトランジスタMT0~7のソース同士及びドレイン同士は電気的に接続され、対向するダミートランジスタDT1のソース同士及びドレイン同士は電気的に接続され、対向するダミートランジスタDT0のソース同士及びドレイン同士は電気的に接続され、対向する選択トランジスタST2のソース同士及びドレイン同士は電気的に接続される。これは、対向するトランジスタにおいて形成されるチャネルがメモリピラーMPの一部を共有するためである。
【0078】
同一のメモリピラーMP内の2つのNANDストリング50e、50oは、同一のビット線BL及び同一のソース線SLに接続される。
【0079】
セレクトゲート線SGDが選択される様子について、
図3及び
図4を用いて説明する。セレクトゲート線SGD0~SGD3のいずれかが選択される場合、各セレクトゲート線に対応する1つの配線層10-0~10-3に、選択トランジスタST1をオン状態にする電圧が供給される。例えば、配線層10-1が選択されると、メモリピラーMP0、MP1、MP4、MP5、MP8、MP9、MP12、及びMP13に設けられた8つの選択トランジスタST1がオン状態になる。これにより、上記のメモリピラーに属する8つのメモリセルトランジスタMTが選択される。つまり、上記の8つのメモリセルトランジスタMTによって、1ページが形成される。上記の配線層10-1以外の配線層が選択された場合の動作は上記と同様なので、説明は省略する。
【0080】
本実施形態では、メモリセルトランジスタMTの書き込み方式として、例えば、TLC方式を適用する。TLC方式が適用された複数のメモリセルトランジスタMTは、8個の閾値分布(書き込みレベル)を形成する。8個の閾値分布は、例えば、閾値電圧の低い方から順に”Er”レベル、”A”レベル、”B”レベル、”C”レベル、”D”レベル、”E”レベル、”F”レベル、”G”レベルと称される。”Er”レベル、”A”レベル、”B”レベル、”C”レベル、”D”レベル、”E”レベル、”F”レベル、及び”G”レベルには、それぞれ異なる3ビットデータが割り当てられる。
【0081】
本実施形態に係る半導体記憶装置1は、書き込み動作においてプログラムループを繰り返し実行する。プログラムループは、例えば、プログラム動作およびベリファイ動作を含む。プログラム動作は、選択されたメモリセルトランジスタMTにおいて電子を電荷蓄積層に注入することにより、当該選択されたメモリセルトランジスタMTの閾値電圧を上昇させる動作のことである。または、プログラム動作は、電荷蓄積層への電子の注入を禁止することにより、選択されたメモリセルトランジスタMTの閾値電圧を維持させる動作のことである。ベリファイ動作は、プログラム動作に続いて、ベリファイ電圧を用いて読み出しを行う動作により、選択されたメモリセルトランジスタMTの閾値電圧がターゲットレベルまで達したか否かを確認する動作である。閾値電圧がターゲットレベルまで達した選択されたメモリセルトランジスタMTは、その後、書き込み禁止とされる。
【0082】
本実施形態に係る半導体記憶装置1において、上述のようなプログラム動作とベリファイ動作とを含むプログラムループを繰り返し実行することにより、選択されたメモリセルトランジスタMTの閾値電圧がターゲットレベルまで上昇される。
【0083】
電荷蓄積層に蓄積された電子は、不安定な状態で蓄積されていることがある。このため、上述されたプログラム動作が終了した時点から、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層に蓄積された電子は時間の経過とともに電荷蓄積層から抜けることがある。電子が電荷蓄積層から抜けると、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧は下がる。このため、書き込み動作の完了後に実行される読み出し動作では、時間の経過とともに起こり得るこのようなメモリセルトランジスタの閾値電圧の低下に対処するために、ベリファイ電圧より低い読み出し電圧を用いて読み出し動作を行う。読み出し動作はベリファイ動作を含んでもよい。
【0084】
図12及び
図13は、本実施形態に係るシーケンサ24、電圧生成回路27、ドライバセット28、ロウデコーダ29、セレクトゲート線SGDまたはワード線WLの電気的接続を説明するための図である。本実施形態に係るシーケンサ24、電圧生成回路27、ドライバセット28、ロウデコーダ29、セレクトゲート線SGDまたはワード線WLの電気的接続は
図12に示す面に限定されない。
図12及び
図13の説明において、
図1~
図11と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。シーケンサ24、電圧生成回路27、ドライバセット28及びロウデコーダ29を含む回路は、制御回路の一例である。
【0085】
図12に示すように、偶数ワード線WLeとして機能する配線層11は偶数側ドライバ28Aに接続され、奇数ワード線WLoとして機能する配線層11は奇数側ドライバ28Bに電気的に接続されてもよい。上述の通り、偶数側ドライバ28A、及び奇数側ドライバ28Bは、ドライバセット28に含まれる。ドライバセット28は、電圧生成回路27に電気的に接続される。
図12及び
図13に示すように、偶数側ドライバ28A、及び奇数側ドライバ28Bは、電圧生成回路27から供給される電圧を用いて各種電圧を生成しても良い。そして、偶数側ドライバ28Aは、生成した電圧を、ロウデコーダ29Aを介して、それぞれのブロックBLKの偶数ワード線WLeに供給してもよい。また、奇数側ドライバ28Bは、生成した電圧を、ロウデコーダ29Bを介して、それぞれのブロックBLKの奇数ワード線WLoに供給してもよい。ロウデコーダ29A及びロウデコーダ29Bは、ロウデコーダ29に含まれる。
【0086】
図13に示すように、また上述の通り、シーケンサ24は、ドライバセット28等を制御して、書き込み動作および読み出し動作等の各種動作を実行することが可能である。
【0087】
図14は、本実施形態に係る偶数側ドライバ28Aとロウデコーダ29Aの電気的接続を説明するための模式図である。
【0088】
偶数側ドライバ28Aに、信号線SGe0、信号線SGe1、信号線SGe2、信号線CGDe0、信号線CGDe1、信号線CGDe2、信号線CGDe3及び信号線CGeとしての信号線CGe0、、、CGe7が接続されている。なお信号線CGeについては、例えばブロックBLK内におけるZ方向に配置された偶数ワード線WLの数と同じ数だけの信号線CGeが接続されている。
【0089】
信号線SGe0は、それぞれのブロックBLKにおける偶数セレクトゲート線SGSeに、トランジスタTR_SGe0を介して接続されている。トランジスタTR_SGe0は、ブロックデコーダ29A1により、信号線SGe0からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0090】
信号線CGDe0及びCGDe1は、それぞれのブロックBLKにおける偶数ダミーワード線WLDSe0及びWLDSe1に、トランジスタTR_CGDe0及びTR_CGDe1を介して接続されている。トランジスタTR_CGDe0及びTR_CGDe1は、ブロックデコーダ29A1により、信号線CGDe0及びCGDe1からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0091】
信号線CGe0、、、CGe7は、それぞれのブロックBLKにおける偶数ワード線WLe0、、、WLe7に、トランジスタTR_CGe0、、、TR_CGe7を介して接続されている。トランジスタTR_CGe0、、、TR_CGe7は、ブロックデコーダ29A1により、信号線CGe0、、、CGe7からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0092】
信号線CGDe2及びCGDe3は、それぞれのブロックBLKにおける偶数ダミーワード線WLDDe0及びWLDDe1に、トランジスタTR_CGDe2及びTR_CGDe3を介して接続されている。トランジスタTR_CGDe2及びTR_CGDe3は、ブロックデコーダ29A1により、信号線CGDe2及びCGDe3からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0093】
信号線SGe1は、それぞれのブロックBLKにおけるセレクトゲート線SGD0に、トランジスタTR_SGe1を介して接続されている。トランジスタTR_SGe1は、ブロックデコーダ29A1により、信号線SGe1からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0094】
信号線SGe2は、それぞれのブロックBLKにおけるセレクトゲート線SGDe2に、トランジスタTR_SGe2を介して接続されている。トランジスタTR_SGe2は、ブロックデコーダ29A1により、信号線SGe2からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0095】
図15は、本実施形態に係る奇数側ドライバ28Bとロウデコーダ29Bの電気的接続を説明するための模式図である。
【0096】
奇数側ドライバ28に、信号線SGo0、信号線SGo1、信号線SGo2、信号線CGDo0、信号線CGDo1、信号線CGDo2、信号線CGDo3及び信号線CGoとしての信号線CGo0、、、CGo7が接続されている。なお信号線CGoについては、例えばブロックBLK内におけるZ方向に配置された奇数ワード線WLの数と同じ数だけの信号線CGoが接続されている。
【0097】
信号線SGo0は、それぞれのブロックBLKにおける奇数セレクトゲート線SGSoにトランジスタTR_SGo0を介して接続されている。トランジスタTR_SGo0は、ブロックデコーダ29B1により、信号線SGo0からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0098】
信号線CGDo0及びCGDo1は、それぞれのブロックBLKにおける奇数ダミーワード線WDLSo0及びWLDSo1に、トランジスタTR_CGDo0及びTR_CGDo1を介して接続されている。トランジスタTR_CGDo0及びTR_CGDo1は、ブロックデコーダ29B1により、信号線CGDo0及びCGDo1からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0099】
信号線CGo0、、、CGo7は、それぞれのブロックBLKにおける奇数ワード線WLo0、、、WLo7に、トランジスタTR_CGo0、、、TR_CGo7を介して接続されている。トランジスタTR_CGo0、、、TR_CGo7は、ブロックデコーダ29B1により、信号線CGo0、、、CGo7からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0100】
信号線CGDo2及びCGDo3は、それぞれのブロックBLKにおける奇数ダミーワード線WLDDo0及びWLDDo1に、トランジスタTR_CGDo2及びTR_CGDo3を介して接続されている。トランジスタTR_CGDo2及びTR_CGDo3は、ブロックデコーダ29B1により、信号線CGDo2及びCGDo3からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0101】
信号線SGo1は、それぞれのブロックBLKにおけるセレクトゲート線SGD1に、トランジスタTR_SGo1を介して接続されている。トランジスタTR_SGo1は、ブロックデコーダ29B1により、信号線SGo1からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0102】
信号線SGo2は、それぞれのブロックBLKにおけるセレクトゲート線SGD3に、トランジスタTR_SGo2を介して接続されている。トランジスタTR_SGo1は、ブロックデコーダ29B1により、信号線SGo2からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0103】
図16は、本実施形態に係る電圧生成回路27と偶数側ドライバ28Aの電気的接続を説明するための模式図である。
【0104】
後述する、電圧としてのVpgm、Vpass、VSGD1及びVSGD2は、例えば、それぞれ電圧生成回路27内の第1チャージポンプ回路27A、第2チャージポンプ回路27B、第3チャージポンプ回路27C及び第4チャージポンプ回路27Dによって生成される。そして、Vpgm、Vpass、VSGD1及びVSGD2は、それぞれ偶数側ドライバ28A内の第1レギュレータ回路28A1、第2レギュレータ回路28A2、第3レギュレータ回路28A3及び第4レギュレータ回路28A4によって保持される。その後、Vpgm、Vpass、VSGD1及びVSGD2は適宜加算され、信号線CGe0、、、CGe7に供給される。
【0105】
図17は、本実施形態に係る電圧生成回路27と奇数側ドライバ28Bの電気的接続を説明するための模式図である。
【0106】
Vpgm、Vpass、VSGD1及びVSGD2は、それぞれ奇数側ドライバ28B内の第1レギュレータ回路28B1、第2レギュレータ回路28B2、第3レギュレータ回路28B3及び第4レギュレータ回路28B4によって保持される。その後、Vpgm、Vpass、VSGD1及びVSGD2は適宜加算され、信号線CGo0、、、CGo7に供給される。
【0107】
図18は、本実施形態に係る半導体記憶装置の動作方法を示すフローチャートである。本実施形態に係る半導体記憶装置では、セレクトゲート線SGDに接続された選択トランジスタSTの閾値電圧の調整をおこなう。
【0108】
まず、基準電圧Vssより低い閾値電圧を有する、セレクトゲート線SGDに接続された選択トランジスタSTがないかどうかを判定する(S2、第1工程の一例)。これは、基準電圧Vssより低い電圧を有する選択トランジスタSTが存在していると、それぞれのセレクトゲート線SGDに接続されたサブストリングごとの、動作の切り分けが出来ないためである。具体的には、それぞれのビット線BLに、Vblを印加する。セレクトゲート線SGD0~7には、Vssを印加する。ダミーワード線WLDDe1、WLDDo1、WLDDe0及びWLDDo0には、Vreadを印加する。複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vreadを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vreadを印加する。セレクトゲート線SGSe及びセレクトゲート線SGSoには、Vsgを印加する。ソース線SLには、Vssを印加する。
【0109】
ここで、基準電圧Vss(第1電圧の一例)は、特に限定されないが、例えば0Vである。Vbl(第2電圧の一例)は、メモリセルトランジスタMTの読み出し動作の際にビット線BLに印加される電圧である。Vblは、特に限定されないが、例えば1Vである。Vread(第3電圧の一例)は、読み出し動作時において非選択のワード線に印加される電圧であり、保持データにかかわらずメモリセルトランジスタMTをオンさせる電圧である。Vreadは、特に限定されないが、例えば5Vである。Vsgは、選択トランジスタSTをオンにする電圧であり、例えば2.5Vである。
【0110】
セレクトゲート線SGD0~7に接続されたサブストリングのいずれかで電流が流れた場合は、基準電圧Vssより低い閾値電圧を有する選択トランジスタSTが存在していることを示している。そこで、セレクトゲート線SGD0~7に接続された選択トランジスタSTの閾値電圧を増加させる(S4、第2工程の一例)。具体的には、それぞれのビット線BLに、Vssを印加する。セレクトゲート線SGD0~7には、Vpgmを印加する。ダミーワード線WLDDe1、WLDDo1、WLDDe0及びWLDDo0には、Vpassを印加する。複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vpassを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vpassを印加する。セレクトゲート線SGSe及びセレクトゲート線SGSoには、Vsgを印加する。ソース線SLには、Vssを印加する。
【0111】
ここで、Vpgm(第4電圧の一例)は、メモリセルトランジスタMTに書き込み動作を行うときに印加される電圧である。Vpgmは、特に限定されないが、例えば20Vである。Vpass(第5電圧の一例)は、特に限定されないが、例えば10Vである。
【0112】
図18のS4に示される動作をおこなった後は、再びS2に戻り、基準電圧Vssより低い閾値電圧を有する、セレクトゲート線SGDに接続された選択トランジスタSTがないかどうかを判定する。
【0113】
セレクトゲート線SGD0~7に接続されたサブストリングのすべてで電流が流れない場合には、基準電圧Vssより低い閾値電圧を有する、セレクトゲート線SGDに接続された選択トランジスタSTがない、と判断される。そこで、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTの消去動作を行う(S6、第3工程の一例)。具体的には、ビット線BL0にVssを印加する。ビット線BL1、ビット線BL2及びビット線BL3には、VDDSAを印加する。セレクトゲート線SGD0にVssを印加する。セレクトゲート線SGD1~7にVpassを印加する。ダミーワード線WLDDe1、WLDDo1、WLDDe0及びWLDDo0には、Vpassを印加する。複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vpassを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vpassを印加する。セレクトゲート線SGSe及びセレクトゲート線SGSoには、「Vera-ΔV」を印加する。ソース線SLには、Veraを印加する。
【0114】
ここで、VDDSAは、非選択のビット線BLに印加される電圧である。VDDSAは、特に限定されないが、例えば2.5Vである。また、「Vera-ΔV」(第6電圧の一例)は、特に限定されないが、例えば13Vである。Vera(第7電圧の一例)は、例えば20Vである。Veraは、「Vera-ΔV」より高い。ΔVは、特に限定されないが、例えば7Vである。
【0115】
次に、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTの閾値電圧の上限が、Vthmax以下であるかどうかを確認する(S8、ベリファイ動作、第4工程の一例)。
【0116】
図19は、
図18のS8において印加される電圧の一例である。具体的には、ビット線BLにVblを印加する。セレクトゲート線SGD0にVcgrv(Vthmax)を印加する。セレクトゲート線SGD1にVbbを印加する。セレクトゲート線SGD2~7にVssを印加する。ダミーワード線WLDDe1には、Vreadを印加する。ダミーワード線WLDDo1には、Vbbを印加する。ダミーワード線WLDDe0、ダミーワード線WLDDo0、複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vreadを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vreadを印加する。セレクトゲート線SGSeには、Vsgを印加する。セレクトゲート線SGSoには、Vssを印加する。ソース線SLには、Vssを印加する。
【0117】
Vbbは、第10電圧の一例であり、特に限定されないが、例えば-3Vである。Vbbは、例えば、Vssより低い。また、Vcgrv(Vthmax)は第8電圧の一例であり、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTの閾値の上限としたい電圧である。Vcgrv(Vthmax)は、例えば、Vssより高い。
【0118】
図18のS8において、セレクトゲート線SGD0に接続されたサブストリングに電流が流れる場合には、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTの閾値電圧の上限が、Vthmaxより高いと判断する。そして、ソース線SLに印加するVeraを増加させて、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTの消去動作を行う(S10及びS6、第5工程の一例)。具体的には、それぞれのビット線BLにVssを印加する。セレクトゲート線SGD0にVssを印加する。セレクトゲート線SGD1~7にVpassを印加する。ダミーワード線WLDDe1、WLDDo1、WLDDe0及びWLDDo0には、Vpassを印加する。複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vpassを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vpassを印加する。セレクトゲート線SGSe及びセレクトゲート線SGSoには、Vera1-ΔVを印加する。ソース線SLには、Veraより高い電圧Vera1を印加する。
【0119】
Vera1(第9電圧の一例)は、特に限定されないが、例えば22Vである。
【0120】
その後、セレクトゲート線SGD0に対応する(接続された)選択トランジスタSTの閾値電圧の上限が、Vthmax以下であるかどうかを確認する(S8、ベリファイ動作)。セレクトゲート線SGD0に接続されたサブストリングに電流が流れる場合には、ソース線SLに印加するVera1をさらに高い電圧Vera2に増加させて、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTの消去動作を行う(S10及びS6、第5工程の一例)。
【0121】
セレクトゲート線SGD0に対応する(接続された)選択トランジスタSTの閾値電圧の上限が、Vthmax以下であることが確認された場合には、セレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの消去動作を行う(S12、第6工程の一例)。
ここで、例えば、ソース線SLに電圧Vera1を印加することにより、セレクトゲート線SGD0に対応する(接続された)選択トランジスタSTの閾値電圧の上限が、Vthmax以下であることが確認された場合には、セレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの消去動作の際にも、ソース線SLにVera1を印加する。具体的には、それぞれのビット線BLにVssを印加する。セレクトゲート線SGD0にVssを印加する。セレクトゲート線SGD1~7にVpassを印加する。ダミーワード線WLDDe1、WLDDo1、WLDDe0及びWLDDo0には、Vpassを印加する。複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vpassを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vpassを印加する。セレクトゲート線SGSe及びセレクトゲート線SGSoには、Vera1-ΔVを印加する。ソース線SLには、Vera1を印加する。
なおここで、ソース線SLには、Vera1以上の電圧Vera1’を印加してもかまわない。セレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの消去動作の際にソース線SLに以下される電圧を、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTの閾値電圧の上限がVthmax以下であることが確認されたときにソース線SLに印加されていた電圧Vera1よりも高い電圧にすることで、例えば、セレクトゲート線SGD1とセレクトゲート線SGD0との構造的なバラツキに起因する消去特性のバラツキが有った場合でも、より確実に、セレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの閾値電圧の上限がVthmax以下となるようにすることができる。
また、例えば、ソース線SLに電圧Vera2を印加することにより、セレクトゲート線SGD0に対応する(接続された)選択トランジスタSTの閾値電圧の上限が、Vthmax以下であることが確認された場合には、セレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの消去動作の際にも、ソース線SLにVera2を印加する。具体的には、それぞれのビット線BLにVssを印加する。セレクトゲート線SGD0にVssを印加する。セレクトゲート線SGD1~7にVpassを印加する。ダミーワード線WLDDe1、WLDDo1、WLDDe0及びWLDDo0には、Vpassを印加する。複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vpassを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vpassを印加する。セレクトゲート線SGSe及びセレクトゲート線SGSoには、Vera2-ΔVを印加する。ソース線SLには、Vera2を印加する。この場合でも、ソース線SLには、Vera2以上の電圧Vera2’を印加してもかまわない。
【0122】
この後、S14において、SGD0及びSGD1に接続された選択トランジスタに書き込み動作をおこない、閾値電圧を設定する。この詳細については、第2実施形態及び第3実施形態で記載する。
【0123】
図20は、
図18のS8において印加される電圧の他の一例である。セレクトゲート線SGD2~7にVbbを印加する点以外は、
図19に示した電圧と同様である。
【0124】
図21は、
図18のS8において印加される電圧の他の一例である。ダミーワード線WLDDo1にVbb+Vmを印加する点以外は、
図19に示した電圧と同様である。ここで、「Vbb+Vm」(第11電圧の一例)は、Vbbより大きくVreadより小さい電圧である。
【0125】
図22は、
図18のS8において印加される電圧の他の一例である。ダミーワード線WLDDo1にVbb+Vmを印加する点以外は、
図20に示した電圧と同様である。
【0126】
次に、本実施形態の作用効果を記載する。
【0127】
本実施形態の比較形態として、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTの消去動作及びベリファイ動作をおこなった後に、セレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの消去動作を、ソース線にVeraを印加して行うことを考える。この場合、すでにセレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTの閾値電圧が下がっているため、セレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTのオン/オフにかかわらず、常にセレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTがオンすることになる。そのため、セレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの適切なベリファイ動作を行うことが出来ないという問題があった。
【0128】
そこで、本実施形態の半導体記憶装置においては、セレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの消去動作を行う際に、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTの消去動作に用いられたVera1又はこれより高い電圧をソース線SLに印加する。セレクトゲート線SGD0及びセレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTと、セレクトゲート線SGD1及びセレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの構造は、同様と考えられる。従って、セレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの消去動作を行う際に、上述のVera1又はこれより高い電圧を用いれば、十分にセレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの消去動作を行うことが出来ると考えられる。
【0129】
なお、同様の処理を、セレクトゲート線SGD2~7に接続された選択トランジスタSTの消去動作に用いることができる。
【0130】
また、第4工程において、セレクトゲート線SGD1にVbbを印加し、ダミーワード線WLDDo1にVbbを印加することにより、サブストリング50oに属するメモリセルトランジスタMTを非選択とすることがより容易にできる。
【0131】
また、第4工程において、セレクトゲート線SGD2~SGD7にVbbを印加することにより、セレクトゲート線SGD2~SGD7に接続されたサブストリングに属するメモリセルトランジスタMTを非選択とすることがより容易にできる。
【0132】
また、第4工程において、VLDDo1にVbb+Vmを印加すると、SGD1に接続された選択トランジスタSTと、ダミーワード線WLDDo1に接続されたメモリセルトランジスタSTと、ワード線WLに接続されたメモリセルトランジスタMTと、の間の電圧変化をより緩やかにすることができる。
【0133】
本実施形態の半導体記憶装置によれば、信頼性が向上した半導体記憶装置の提供が可能となる。
【0134】
(第2実施形態)
図23は、本実施形態に係る半導体記憶装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図24は、
図23に示したフローチャートにおける、セレクトゲート線SGDに接続された選択トランジスタST及びダミートランジスタSTに印加される電圧の一例を示す模式図である。
図24(a)に示した電圧の一例は、
図23の(S20)に示した工程に対応する。
図24(b)に示した電圧の一例は、
図23の(S22)に示した工程に対応する。
図24(c)に示した電圧の一例は、
図23の(S24)に示した工程に対応する。
図24(d)に示した電圧の一例は、
図23の(S26)に示した工程に対応する。
【0135】
本実施形態の説明は、セレクトゲート線SGDに接続された選択トランジスタSGDの閾値電圧を調整するための、
図18のS14の動作を、詳細に説明するものである。
【0136】
まず、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTに書き込み動作を行う(S20、第7工程の一例)。具体的には、ビット線BL0にVssを印加する。ビット線BL1、ビット線BL2及びビット線BL3に、VDDSAを印加する。セレクトゲート線SGD0にVpgmを印加する。セレクトゲート線SGD1~セレクトゲート線SGD7にVpassを印加する。ダミーワード線WLDDe1、WLDDo1、WLDDe0及びWLDDo0には、Vpassを印加する。複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vpassを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vpassを印加する。セレクトゲート線SGSe及びセレクトゲート線SGSoには、Vssを印加する。
【0137】
次に、セレクトゲート線SGD0に対応する(接続された)選択トランジスタSTの閾値の下限が、Vthminであるかどうかを確認する(S22、ベリファイ動作、第8工程の一例)。具体的には、それぞれのビット線BLにVblを印加する。セレクトゲート線SGD0にVcgrv(Vthmin)を印加する。セレクトゲート線SGD1にVbbを印加する。セレクトゲート線SGD2~セレクトゲート線SGD7に、Vssを印加する。ダミーワード線WLDDe1、WLDDe0及びWLDDo0には、Vreadを印加する。ダミーワード線WLDDo1には、Vbbを印加する。複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vreadを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vreadを印加する。セレクトゲート線SGSeには、Vsgを印加する。セレクトゲート線SGSoには、Vssを印加する。なお、ダミーワード線WLDDo1には、Vreadを印加してもかまわない。
【0138】
Vcgrv(Vthmin)は、第12電圧の一例である。Vcgrv(Vthmin)は、特に限定されないが、Vcgrv(Vthmax)より低い。
【0139】
次に、セレクトゲート緯SGD1に接続された選択トランジスタSTに書き込み動作を行う(S24、第9工程の一例)。具体的には、それぞれのビット線BLにVssを印加する。セレクトゲート線SGD0にVpassを印加する。セレクトゲート線SGD1にVpgmを印加する。セレクトゲート線SGD2~セレクトゲート線SGD7にVpassを印加する。ダミーワード線WLDDe1、WLDDo1、WLDDe0及びWLDDo0には、Vpassを印加する。複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vpassを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vpassを印加する。セレクトゲート線SGSe及びセレクトゲート線SGSoには、Vssを印加する。
【0140】
次に、セレクトゲート線SGD1に対応する(接続された)選択トランジスタSTの閾値の下限が、Vthminであるかどうかを確認する、ベリファイ動作を行う(S26、第10工程の一例)。具体的には、それぞれのビット線BLにVblを印加する。セレクトゲート線SGD0にVbbを印加する。セレクトゲート線SGD1にVcgrv(Vthmin)を印加する。セレクトゲート線SGD2~セレクトゲート線SGD7に、Vssを印加する。ダミーワード線WLDDe1には、Vbbを印加する。ダミーワード線WLDDo1、WLDDe0及びWLDDo0には、Vreadを印加する。複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vreadを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vreadを印加する。セレクトゲート線SGSeには、Vssを印加する。セレクトゲート線SGSoには、Vsgを印加する。なお、ダミーワード線WLDDe1には、Vreadを印加してもかまわない。
【0141】
次に、
図23のS22において、セレクトゲート線SGD0に接続されたサブストリングに電流が流れ、かつ、
図23のS26において、セレクトゲート線SGD1に接続されたサブストリングに電流が流れる場合には、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタST及びセレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの閾値電圧がVthmin以上に制御されたものと判断し、一連の動作を終了する(S28)。
【0142】
一方、セレクトゲート線SGD0に接続されたサブストリングに電流が流れない場合には、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTの閾値電圧がVthmin以上に制御されていないものと判断し、Vpgmを増加させて、
図23のS20及びS22の動作をもう一度行う(S28、S30、S20及びS22)。
【0143】
また、セレクトゲート線SGD1に接続されたサブストリングに電流が流れない場合には、セレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの閾値電圧がVthmin以上に制御されていないものと判断し、Vpgmを増加させて、
図23のS24及びS26の動作をもう一度行う(S28、S30、S24及びS26)。
【0144】
セレクトゲート線SGD0及びダミーワード線WLDDe1にVbbを印加することにより、セレクトゲート線SGD0に接続されたサブストリングを非選択とすることが、さらに容易になる。
【0145】
セレクトゲート線SGD1及びダミーワード線WLDDo1にVbbを印加することにより、セレクトゲート線SGD1に接続されたサブストリングを非選択とすることが、さらに容易になる。
【0146】
本実施形態の半導体記憶装置によれば、信頼性が向上した半導体記憶装置の提供が可能となる。
【0147】
(第3実施形態)
図25は、本実施形態の半導体記憶装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図26は、
図25に示したフローチャートにおける、セレクトゲート線SGDに接続された選択トランジスタST及びダミートランジスタSTに印加される電圧の一例を示す模式図である。
図26(a)に示した電圧の一例は、
図25の(S40)に示した工程に対応する。
図26(b)に示した電圧の一例は、
図25の(S42)に示した工程に対応する。
図26(c)に示した電圧の一例は、
図25の(S44)に示した工程に対応する。
【0148】
本実施形態の説明は、セレクトゲート線SGDに接続された選択トランジスタSGDの閾値電圧を調整するための、
図18のS14の動作を、詳細に説明するものである。第2実施形態との違いは、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTとセレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの書き込み動作を、同時におこなう点である。
【0149】
まず、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタST及びセレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTに書き込み動作を行う(S40、第11工程の一例)。具体的には、それぞれのビット線BLにVssを印加する。セレクトゲート線SGD0及びセレクトゲート線SGD1にVpgmを印加する。セレクトゲート線SGD2~セレクトゲート線SGD7にVpassを印加する。ダミーワード線WLDDe1、WLDDo1、WLDDe0及びWLDDo0には、Vpassを印加する。複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vpassを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vpassを印加する。セレクトゲート線SGSe及びセレクトゲート線SGSoには、Vsgを印加する。
【0150】
次に、セレクトゲート線SGD0に対応する(接続された)選択トランジスタSTの閾値の下限が、Vthminであるかどうかを確認する、ベリファイ動作を行う(S42、第12工程の一例)。具体的には、それぞれのビット線BLにVblを印加する。セレクトゲート線SGD0にVcgrv(Vthmin)を印加する。セレクトゲート線SGD1にVbbを印加する。セレクトゲート線SGD2~セレクトゲート線SGD7に、Vssを印加する。ダミーワード線WLDDe1、WLDDe0及びWLDDo0には、Vreadを印加する。ダミーワード線WLDDo1には、Vbbを印加する。複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vreadを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vreadを印加する。セレクトゲート線SGSeには、Vsgを印加する。セレクトゲート線SGSoには、Vssを印加する。なお、ダミーワード線WLDDo1には、Vreadを印加してもかまわない。
【0151】
次に、セレクトゲート線SGD1に対応する(接続された)選択トランジスタSTの閾値の下限が、Vthminであるかどうかを確認する、ベリファイ動作を行う(S44、第13工程の一例)。具体的には、それぞれのビット線BLにVblを印加する。セレクトゲート線SGD0にVbbを印加する。セレクトゲート線SGD1にVcgrv(Vthmin)を印加する。セレクトゲート線SGD2~セレクトゲート線SGD7に、Vssを印加する。ダミーワード線WLDDe1には、Vbbを印加する。ダミーワード線WLDDo1、WLDDe0及びWLDDo0には、Vreadを印加する。複数のワード線WLe及び複数のワード線WLoには、Vreadを印加する。ダミーワード線WLDSe1、WLDSo1、WLDSe0及びWLDSo0には、Vreadを印加する。セレクトゲート線SGSeには、Vssを印加する。セレクトゲート線SGSoには、Vsgを印加する。なお、ダミーワード線WLDDe1には、Vreadを印加してもかまわない。
【0152】
次に、
図25のS42において、セレクトゲート線SGD0に接続されたサブストリングに電流が流れ、かつ、
図25のS44において、セレクトゲート線SGD1に接続されたサブストリングに電流が流れる場合には、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタST及びセレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの閾値電圧がVthmin以上に制御されたものと判断し、一連の動作を終了する(S46)。
【0153】
一方、セレクトゲート線SGD0に接続されたサブストリングに電流が流れない場合には、セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタSTの閾値電圧がVthmin以上に制御されていないものと判断し、Vpgmを増加させて、
図25のS40及びS42の動作をもう一度行う(S46、S48、S40及びS42)。
【0154】
また、セレクトゲート線SGD1に接続されたサブストリングに電流が流れない場合には、セレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタSTの閾値電圧がVthmin以上に制御されていないものと判断し、Vpgmを増加させて、
図25のS40及びS44の動作をもう一度行う(S46、S48、S40及びS44)。
【0155】
本実施形態の半導体記憶装置によれば、信頼性が向上した半導体記憶装置の提供が可能となる。
【0156】
本発明のいくつかの実施形態及び実施例を説明したが、これらの実施形態及び実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0157】
1:半導体記憶装置 2:メモリコントローラ 3:メモリシステム 10:配線層 11:配線層 12:配線層 13:ソース線層 16:コンタクトプラグ 17:コンタクトプラグ 18:金属配線層 19:コンタクトプラグ 20:金属配線層 21:メモリセルアレイ 22:入出力回路 23:ロジック制御回路 24:シーケンサ 25:レジスタ 26:ビジー制御回路 27:電圧生成回路 27A:第1チャージポンプ回路 27B:第2チャージポンプ回路 27C:第3チャージポンプ回路 27D:第4チャージポンプ回路 28:ドライバセット 28A:偶数側ドライバ 28A1:第1レギュレータ回路 28A2:第2レギュレータ回路 28A3:第3レギュレータ回路 28A4:第4レギュレータ回路 28B:奇数側ドライバ 28B1:第1レギュレータ回路 28B2:第2レギュレータ回路 28B3:第3レギュレータ回路 28B4:第4レギュレータ回路 29:ロウデコーダ 29A:ロウデコーダ 29B:ロウデコーダ 30:センスアンプ 31:半導体層 32:絶縁層 33:絶縁層 34:絶縁層 35:AlO層 36:バリアメタル層 37:絶縁層 40:半導体層 41:絶縁層 42:導電層 43:絶縁層 45:AlO層 46:絶縁層 47:バリアメタル層 48:絶縁層 50:NANDストリング 70:センスアンプ 71:入出力用パッド群 72:ロジック制御用パッド群 BL:ビット線 BLK:ブロック C:結合容量 CEn:チップイネーブル信号 CG:信号線 CLE:コマンドラッチイネーブル信号 CMD:コマンド DAT:データ DQ:信号 SU:ストリングユニット MP:同一メモリピラー MT:メモリセルトランジスタ R:抵抗成分 REn:リードイネーブル信号 SG:信号線 SGD:セレクトゲート線 SGS:セレクトゲート線 SL:ソース線 SL:スリット ST:選択トランジスタ STS:ステータス情報 WLD:ダミーワード線 WLe:偶数ワード線 WLo:奇数ワード線 WPn:ライトプロテクト信号