(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035993
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
H04N1/387 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140671
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三須 長政
(72)【発明者】
【氏名】水村 政彦
(72)【発明者】
【氏名】白木 聖二
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕士郎
【テーマコード(参考)】
5C076
【Fターム(参考)】
5C076AA19
5C076BA06
(57)【要約】
【課題】本発明は、端部が破損した資料を読み取った場合であっても、見開きページを出力できる情報処理装置、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、各々のページを読み取った複数のページ画像を取得し、前記ページ画像のうち、対象ページとなる2つの前記ページ画像において、前記対象ページが同一の画像を表す見開きページである場合に隣り合う端部における破損箇所を特定し、特定した特定結果を用いて、前記見開きページを検出して出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、前記プロセッサは、
各々のページを読み取った複数のページ画像を取得し、
前記ページ画像のうち、対象ページとなる2つの前記ページ画像において、前記対象ページが同一の画像を表す見開きページである場合に隣り合う端部における破損箇所を特定し、
特定した特定結果を用いて、前記見開きページを検出して出力する
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記特定結果に応じて、前記破損箇所を補正して、前記見開きページを検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記破損箇所を基点とした予め定められた第1範囲における画素値を用いて、前記破損箇所を補正する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記破損箇所を補正した場合、前記見開きページにおいて、前記破損箇所を基点とした予め定められた第2範囲における画素値を用いて、前記破損箇所をさらに補正する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記破損箇所として、前記端部において、輪郭が欠けた箇所、及び予め定められた色彩に係る特徴量を検出した箇所の少なくとも一方の箇所を特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記特定結果に応じて、前記破損箇所を除外して、前記見開きページを検出する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記破損箇所の面積が、予め定められた閾値以上である場合、前記破損箇所を除外する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記端部における画素値を比較して、前記見開きページを特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
画素毎、又は前記端部を分割した分割領域毎に比較する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記分割領域の画素値として、前記分割領域に含まれる画素の画素値の平均値を用いて比較する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記端部から前記破損箇所を除いた領域を予め定められた数の前記分割領域に分割し、前記分割領域を比較する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
各々のページを読み取った複数のページ画像を取得し、
前記ページ画像のうち、対象ページとなる2つの前記ページ画像において、前記対象ページが同一の画像を表す見開きページである場合に隣り合う端部における破損箇所を特定し、
特定した特定結果を用いて、前記見開きページを検出して出力する
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、書籍を分断して読み取りを行った画像データに対して、見開き判定処理を行う領域を決定する検出処理領域決定部501と、見開きとなるページの検出を行う見開きページ検出処理部502と、見開きページを電子書籍として閲覧する際まとめて閲覧できるようにするために見開きページ検出処理後に処理を行う検出後処理部503と、を有することを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置等の読み取り機能によって、複数枚の資料を読み取ったページ画像のうち、2枚の資料に亘る同一の画像を表す見開きページを検出し、当該見開きページを結合して画像データとして出力する技術がある。例えば、読み取られたページ画像を用いて、2つのページ画像である対象ページのうち、隣り合う端部を比較して見開きのページか否かを検出する画像形成装置が開示されている。
【0005】
ところで、ページ画像として書籍等を読み取る場合、事前に書籍をそれぞれのページに分割する。分割した際にページの端部が破損することがある。
【0006】
そのため、端部が破損した資料を読み取った場合、実際は見開きのページであったとしても、必ずしも見開きページとして出力できるとは限らなかった。
【0007】
本発明は、端部が破損した資料を読み取った場合であっても、見開きページを出力できる情報処理装置、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様の情報処理装置は、プロセッサを有し、プロセッサは、各々のページを読み取った複数のページ画像を取得し、ページ画像のうち、対象ページとなる2つのページ画像において、対象ページが同一の画像を表す見開きページである場合に隣り合う端部における破損箇所を特定し、特定した特定結果を用いて、見開きページを検出して出力する。
【0009】
第2の態様の情報処理装置は、第1の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、特定結果に応じて、破損箇所を補正して、見開きページを検出する。
【0010】
第3の態様の情報処理装置は、第2の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、破損箇所を基点とした予め定められた第1範囲における画素値を用いて、破損箇所を補正する。
【0011】
第4の態様の情報処理装置は、第3の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、破損箇所を補正した場合、見開きページにおいて、破損箇所を基点とした予め定められた第2範囲における画素値を用いて、破損箇所をさらに補正する。
【0012】
第5の態様の情報処理装置は、第1の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、破損箇所として、端部において、輪郭が欠けた箇所、及び予め定められた色彩に係る特徴量を検出した箇所の少なくとも一方の箇所を特定する。
【0013】
第6の態様の情報処理装置は、第5の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、特定結果に応じて、破損箇所を除外して、見開きページを検出する。
【0014】
第7の態様の情報処理装置は、第6の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、破損箇所の面積が、予め定められた閾値以上である場合、破損箇所を除外する。
【0015】
第8の態様の情報処理装置は、第1の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、端部における画素値を比較して、見開きページを特定する。
【0016】
第9の態様の情報処理装置は、第8の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、画素毎、又は端部を分割した分割領域毎に比較する。
【0017】
第10の態様の情報処理装置は、第9の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、分割領域の画素値として、分割領域に含まれる画素の画素値の平均値を用いて比較する。
【0018】
第11の態様の情報処理装置は、第9の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、端部から破損箇所を除いた領域を予め定められた数の分割領域に分割し、分割領域を比較する。
【0019】
第12の態様の情報処理プログラムは、各々のページを読み取った複数のページ画像を取得し、ページ画像のうち、対象ページとなる2つのページ画像において、対象ページが同一の画像を表す見開きページである場合に隣り合う端部における破損箇所を特定し、特定した特定結果を用いて、見開きページを検出して出力する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
第1の態様の情報処理装置、及び第12の態様の情報処理プログラムによれば、端部が破損した資料を読み取った場合であっても、見開きページを出力できる。
【0021】
第2の態様の情報処理装置によれば、破損箇所を含めて見開きページを検出できる。
【0022】
第3の態様の情報処理装置によれば、破損箇所に設定されていた画素と類似すると推定される画素を用いて、見開きページを検出できる。
【0023】
第4の態様の情報処理装置によれば、単一のページ画像を用いて破損箇所の補正を行った場合と比較して、より補正の精度が向上する。
【0024】
第5の態様の情報処理装置によれば、検出したい破損箇所に応じて、検出精度を選択できる。
【0025】
第6の態様の情報処理装置によれば、破損箇所を含めて見開きページを検出する場合と比較して、検出の精度が向上する。
【0026】
第7の態様の情報処理装置によれば、処理の負荷に応じて、破損箇所を含めて見開きページを検出できる。
【0027】
第8の態様の情報処理装置によれば、見開きページを検出する基準を明確にして検出できる。
【0028】
第9の態様の情報処理装置によれば、見開きページにおける端部全体を一挙に比較した場合と比較して、より精度よく見開きページを検出できる。
【0029】
第10の態様の情報処理装置によれば、対象の領域における画素を一つ一つ比較する場合と比較して、処理の負荷を抑制できる。
【0030】
第11の態様の情報処理装置によれば、破損箇所に応じて比較対象の数が変動する場合と比較して、破損箇所の大きさに関わらず精度よく見開きページを検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】各実施形態に係る情報処理システムの一例を示す概略図である。
【
図2】各実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る対象ページの説明に供するページ画像の一例を示す模式図である。
【
図5】第1実施形態に係る端部の説明に供するページ画像の一例を示す模式図である。
【
図6】第1実施形態に係る分割領域の説明に供するページ画像の一例を示す模式図である。
【
図7】第1実施形態に係る情報処理のフローの一例を示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態に係る分割領域の説明に供するページ画像の一例を示す模式図である。
【
図9】第2実施形態に係る情報処理のフローの一例を示すフローチャートである。
【
図10】第3実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】第3実施形態に係る破損箇所の補正の説明に供するページ画像の一例を示す模式図である。
【
図12】第3実施形態に係る情報処理のフローの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本開示を実施するための形態例を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す概略図である。
【0033】
一例として
図1に示すように、情報処理システム1は、複合機2、及び情報処理装置10を含んで構成されている。複合機2、及び情報処理装置10は、ネットワークNを介して互いに接続されている。
【0034】
複合機2は、画像読取機能、画像印刷機能、及び画像送信機能等を備えた画像形成装置である。複合機2は、例えば、ユーザに指示に応じて、書類及び書籍等に係る各々のページを読み取った画像(以下、「ページ画像」という。)を情報処理装置10に送信する処理を実行する。
【0035】
情報処理装置10は、ユーザの指示に応じて、複合機2から取得した複数のページ画像のうち、見開きページに対応するページ画像を検出する処理を実行するパーソナルコンピュータ等のサーバである。なお、本実施形態に係る情報処理装置10は、サーバである形態について説明する。しかし、これに限定されない。情報処理装置10は、端末であってもよい。また、情報処理装置10は、複合機2に搭載されていてもよい。また、本実施形態に係る見開きページは、2ページに亘って一の画像が表されるページである形態について説明する。
【0036】
次に、
図2を参照して、情報処理装置10のハードウェア構成について説明する。
【0037】
一例として
図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、モニタ16、及び通信インターフェース(通信I/F)17を含んで構成されている。CPU11、ROM12、RAM13、ストレージ14、入力部15、モニタ16、及び通信I/F17の各々は、バス19により相互に接続されている。
【0038】
CPU11は、情報処理装置10の全体を統括し、制御する。ROM12は、各種プログラム及びデータ等を記憶している。RAM13は、各種プログラムの実行時のワークエリアとして用いられるメモリである。CPU11は、ROM12に記憶されたプログラムをRAM13に展開して実行することにより、見開きページを検出する処理を行う。
【0039】
ストレージ14は、一例としてHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等である。なお、ストレージ14には、各種プログラム等を記憶してもよい。
【0040】
入力部15は、文字の入力及び画像の選択等を受け付けるキーボード、及びポインティングデバイス等である。モニタ16は、文字及び画像を表示する。通信I/F17は、データの送受信を行う。
【0041】
次に、
図3を参照して、情報処理装置10の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
一例として
図3に示すように、情報処理装置10は、取得部21、対象設定部22、特定部23、検出部24、及び出力部25を備えている。CPU11が情報処理プログラムを実行することで、取得部21、対象設定部22、特定部23、検出部24、及び出力部25として機能する。
【0043】
取得部21は、複合機2から受信した、書籍等の各々のページを読み取った複数のページ画像を取得する。
【0044】
対象設定部22は、取得したページ画像のうち、2つのページ画像を見開きページを検出する対象のページ(以下、「対象ページ」という。)として設定する。ここで、本実施形態に係る対象ページは、見開きページの候補として、2つのページ画像を同時に視認可能となるように並べた状態のページ画像である形態について説明する。
【0045】
一例として
図4に示すように、見開きページは、対象ページである2つのページ画像を並べた場合、見開きページにおける左側のページ(以下、「左ページ」という。)30、及び右側のページ(以下、「右ページ」という。)31を含んでいる。
【0046】
対象設定部22は、例えば、取得したページ画像のうち、1ページ目のページ画像を左ページ30に設定し、2ページ以降の他のページ画像を順に右ページ31に設定して、取得したページ画像の組み合わせを総当たりして見開きページを検出する。また、対象設定部22は、1ページ目に対する検出処理が完了した場合、2ページ目のページ画像を左ページ30に設定し、2ページ目を除くページ画像を順に右ページ31に設定して見開きページを検出する。
【0047】
なお、本実施形態では、対象ページとしてページ画像を総当たりで組み合わせて、見開きページを検出する形態について説明した。しかし、これに限定されない。例えば、隣接するページの組み合わせを対象ページとして設定してもよい。また、右開き(右綴じ)である場合、対象ページとして、ページ画像のうち奇数ページを左ページに設定し、偶数ページを右ページに設定してもよいし、左開き(左綴じ)である場合、対象ページとして、ページ画像のうち偶数ページを左ページに設定し、奇数ページを右ページに設定してもよい。すなわち、予め設定された開き方向(綴じ方向)に応じて、ページ画像を設定してもよい。
【0048】
特定部23は、見開きページの綴じ代に対応する領域から破損箇所を特定する。具体的には、特定部23は、取得したページ画像のうち、見開きページを検出する対象ページとなる2つのページ画像において、対象ページが同一の画像を表す見開きページである場合に隣り合う端部における破損箇所を特定する。
【0049】
一例として
図5に示すように、特定部23は、破損箇所を特定する対象の領域として、左ページ30の右端から予め定められた領域(以下、「右端領域」という。)32を設定する。また、特定部23は、破損箇所を特定する対象の領域として、右ページ31の左端から予め定められた領域(以下、「左端領域」という。)33を設定する。特定部23は、右端領域32、及び左端領域33からページ画像における破損箇所34を特定する。ここで、破損箇所とは、ページ画像における端部において、ページ画像の輪郭が欠けた箇所、及び予め定められた色彩に係る特徴量を検出した箇所である。色彩に係る特徴量とは、ページを取り込んだ際に映り込んだ複合機2の取込部の背面の色(例えば、白色、及び黒色等)であり、背面の色が占める領域の面積が予め定められた面積より大きい箇所である。
【0050】
特定部23は、輪郭が欠けた箇所、及び予め定められた色彩に係る特徴量を検出した箇所を検知して破損箇所34を特定する。ここで、特定部23は、特定結果として、破損箇所34が存在するページ画像、及び破損箇所34を示すページ画像における位置(座標)を特定する。なお、本実施形態に係る破損箇所34は、輪郭が欠けた箇所、及び予め定められた色彩に係る特徴量である形態について説明した。しかし、これに限定されない。輪郭が欠けた箇所、又は予め定められた色彩に係る特徴量であってもよい。また、ユーザによって、破損箇所34として、輪郭が欠けた箇所、及び予め定められた色彩に係る特徴量の少なくとも一方が選択されてもよい。
【0051】
検出部24は、特定部23によって特定された特定結果を用いて、対象ページから見開きページを検出する。具体的には、検出部24は、一例として
図6に示すように、右端領域32、及び左端領域33を予め定められた数に分割し、分割された領域(以下、「分割領域」という。)35毎に右端領域32、及び左端領域33を比較する。
【0052】
検出部24は、分割領域35毎に、分割領域35に含まれる画素の画素値の平均値を導出し、対応する右端領域32に係る分割領域35の平均値と、左端領域33に係る分割領域35の平均値と、の差分を導出して、分割領域35を比較する。ここで、検出部24は、右端領域32、又は左端領域33に係る分割領域35に、破損箇所34が含まれている場合、右端領域32、及び左端領域33に係る分割領域35を比較の対象から除外する。
【0053】
検出部24は、導出した差分が予め定められた閾値(以下、「差分閾値」という。)より小さい場合、右端領域32に係る分割領域35、及び左端領域33に係る分割領域35が一致していると判定する。検出部24は、右端領域32、及び左端領域33において対応する各々の分割領域35の比較を行い、一致した数が予め定められた数(以下、「一致閾値」という。)より多い場合、見開きページとして対象ページを検出する。
【0054】
出力部25は、見開きページとして検出されたページ画像を結合し、ページ画像と共に見開きページを出力する。
【0055】
次に、
図7を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の作用について説明する。
図7は、本実施形態に係る情報処理のフローの一例を示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から情報処理プログラムを読み出し、実行することによって、
図7に示す情報処理が実行される。
図7に示す情報処理は、例えば、ページ画像が入力され、情報処理を実行する指示が入力された場合、実行される。
【0056】
ステップS101において、CPU11は、複合機2からページ画像を取得する。
【0057】
ステップS102において、CPU11は、取得したページ画像を用いて、対象ページを設定する。
【0058】
ステップS103において、CPU11は、対象ページに係る右端領域32、及び左端領域33から破損箇所を特定する。
【0059】
ステップS104において、CPU11は、右端領域32、及び左端領域33をそれぞれ分割領域35に分割する。
【0060】
ステップS105において、CPU11は、分割領域35毎に、画素値の平均値を導出する。
【0061】
ステップS106において、CPU11は、右端領域32、及び左端領域33に係る対応する分割領域35について画素値の平均値を比較して平均値の差分を導出し、当該差分が差分閾値より小さい場合、分割領域35を一致した分割領域35として検出する。ここで、分割領域35に破損箇所34が含まれる場合、右端領域32、及び左端領域33において、対応する分割領域35を比較の対象から除外する。
【0062】
ステップS107において、CPU11は、一致した分割領域35の数を計数する。
【0063】
ステップS108において、CPU11は、一致した分割領域35の数が一致閾値より多いか否かを判定する。一致した分割領域35の数が一致閾値より多い場合(ステップS108:YES)、CPU11は、ステップS109に移行する。一方、一致した分割領域35の数が一致閾値より多くない(一致した分割領域35の数が一致閾値以下である)場合(ステップS108:NO)、CPU11は、ステップS110に移行する。
【0064】
ステップS109において、CPU11は、対象ページを見開きページとして記憶する。
【0065】
ステップS110において、CPU11は、次のページ画像が存在するか否かを判定する。次のページ画像が存在する場合(ステップS110:YES)、CPU11は、ステップS102に移行して、右ページ31に次のページ画像を設定する。一方、次のページ画像が存在しない場合(ステップS110:NO)、CPU11は、ステップS111に移行する。
【0066】
ステップS111において、CPU11は、対象ページとして、ページ画像の組み合わせを全て比較したか否かを判定する。ページ画像の組み合わせを全て比較した場合(ステップS111:YES)、CPU11は、ステップS112に移行する。一方、ページ画像の組み合わせを全て比較していない(対象ページとして設定可能な組み合わせが存在する)場合(ステップS111:NO)、CPU11は、ステップS102に移行して、対象ページを設定する。
【0067】
ステップS112において、CPU11は、見開きページとして検出されたページ画像を結合し、ページ画像と共に見開きページを出力する。
【0068】
以上説明したように、本実施形態によれば、端部が破損したページを読み取った場合であっても、見開きページを出力できる。
【0069】
なお、本実施形態では、右端領域32、及び左端領域33において、対応する分割領域35毎に画素値を比較する形態について説明した。しかし、これに限定されない。右端領域32、及び左端領域33において、対応する画素毎に画素値を比較してもよい。
【0070】
また、本実施形態では、破損箇所34を特定した場合、破損箇所34を含む分割領域35を除外して、見開きページを検出する形態について説明した。しかし、これに限定されない。破損箇所34の大きさに応じて、破損箇所34を含む分割領域35を除外してもよい。例えば、検出部24は、破損箇所34の面積が予め定められた面積以上である場合、破損箇所34を含む分割領域35を除外し、破損箇所34の面積が予め定められた面積未満である場合、破損箇所34を含む分割領域35を除外しない制御を行ってもよい。
【0071】
また、本実施形態では、各々のページ画像の端部(右端領域32、及び左端領域33)を比較する形態について説明した。しかし、これに限定されない。例えば、各々のページ画像の端部の一部、又は全体が余白である場合、端部を比較しない制御を行ってもよい。
【0072】
[第2実施形態]
第1実施形態では、破損箇所34の有無に関わらず、各々の右端領域32、及び左端領域33を予め定められた数の分割領域35に分割する形態について説明した。本実施形態では、破損箇所34を除いた右端領域32、及び左端領域33を予め定められた数の分割領域35に分割する形態について説明する。
【0073】
なお、以下では、情報処理システムの構成(
図1参照)、情報処理装置10のハードウェア構成(
図2参照)、情報処理装置10の機能構成(
図3参照)、対象ページに係るページ画像の一例(
図4参照)、端部の説明に供するページ画像の一例(
図5参照)、及び分割領域の説明に供するページ画像の一例(
図6参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0074】
図3に示す検出部24は、特定部23が特定した特定結果を用いて、右端領域32、及び左端領域33を分割領域36に分割する。一例として
図8に示すように、検出部24は、右端領域32、及び左端領域33から破損箇所34、及び破損箇所34に対応する領域を除き、破損箇所34、及び当該領域を除いた右端領域32、及び左端領域33を予め定められた数の分割領域36に分割する。検出部24は、それぞれ対応する分割領域36を比較して、見開きページを検出する。
【0075】
次に、
図9を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の作用について説明する。
図9は、本実施形態に係る情報処理のフローの一例を示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から情報処理プログラムを読み出し、実行することによって、
図9に示す情報処理が実行される。
図9に示す情報処理は、例えば、ページ画像が入力され、情報処理を実行する指示が入力された場合、実行される。なお、
図9において、
図7に示す情報処理と同一のステップについては、
図7と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0076】
ステップS113において、CPU11は、破損箇所34、及び破損箇所34に対応する領域を除いた右端領域32、及び左端領域33をそれぞれ予め定められた数の分割領域36に分割する。
【0077】
以上説明したように、本実施形態によれば、破損箇所に応じて比較する分割領域の数が変動する場合と比較して、破損箇所の大きさに関わらず精度よく見開きページを検出できる。
【0078】
なお、本実施形態では、分割する分割領域35の数が、予め定められている形態について説明した。しかし、これに限定されない。分割する分割領域35の数は、破損箇所34の面積に応じて設定されてもよい。
【0079】
[第3実施形態]
第1実施形態、及び第2実施形態では、破損箇所34を示す領域を除いて、見開きページを検出する形態について説明した。本実施形態では、破損箇所34を示す領域を含めて、見開きページを検出する形態について説明する。
【0080】
なお、以下では、情報処理システムの構成(
図1参照)、情報処理装置10のハードウェア構成(
図2参照)、対象ページに係るページ画像の一例(
図4参照)、端部の説明に供するページ画像の一例(
図5参照)、及び分割領域の説明に供するページ画像の一例(
図6参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、破損箇所を除いた分割領域の説明に供するページ画像の一例(
図8参照)は、第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
まず、
図10を参照して、情報処理装置10の機能構成について説明する。
図10は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。なお、
図10において、
図3に示す情報処理装置の機能構成と同一の機能構成については、
図3と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0082】
一例として
図10に示すように、情報処理装置10は、取得部21、対象設定部22、特定部23、検出部24、出力部25、及び補正部26を備えている。CPU11が情報処理プログラムを実行することで、取得部21、対象設定部22、特定部23、検出部24、出力部25、及び補正部26として機能する。
【0083】
補正部26は、特定部23によって特定された破損箇所34を補正する。具体的には、一例として
図11に示すように、補正部26は、ページ画像において、破損箇所34を基点とした予め定められた範囲(以下、「第1範囲」という。)37に含まれる画素の画素値の平均値を導出し、導出した平均値を破損箇所34における画素値として適用して、破損箇所34を補正する。また、補正部26は、検出された見開きページにおいて、破損箇所34を基点とした予め定められた範囲(以下、「第2範囲」という。)38に含まれる画素の画素値の平均値を導出し、導出した平均値を破損箇所34における画素値として適用して、破損箇所34を補正する。
【0084】
すなわち、補正部26は、各々のページ画像において、破損箇所34を特定した場合、破損箇所34を第1範囲37における画素の画素値を用いて補正を行う。また、補正部26は、検出された見開きページに破損箇所34が含まれている場合、破損箇所34を第2範囲38における画素の画素値を用いてさらに補正を行う。
【0085】
なお、本実施形態に係る第1範囲37、及び第2範囲38は、予め定められている形態について説明した。しかし、これに限定されない。第1範囲37、及び第2範囲38は、ユーザによって定められてもよいし、破損箇所34の面積に応じて設定されてもよい。また、ページ画像における分割領域36を第1範囲37、及び第2範囲38として設定してもよい。
【0086】
また、本実施形態では、破損箇所34の状態に関わらずに補正する形態について説明した。しかし、これに限定されない。破損箇所34の大きさに応じて、破損箇所34を補正してもよい。例えば、補正部26は、破損箇所34の面積が予め定められた面積以上である場合、破損箇所34を補正し、破損箇所34の面積が予め定められた面積未満である場合、破損箇所34を補正しない制御を行ってもよい。
【0087】
また、本実施形態では、破損箇所34の画素値を補正する形態について説明した。しかし、これに限定されない。破損箇所34の輪郭を補正してもよい。また、本実施形態では、画素値の平均値を用いて、破損箇所34を補正する形態について説明した。しかし、これに限定されない。画素値の中央値、及び最頻値を用いて補正してもよい。
【0088】
次に、
図12を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の作用について説明する。
図12は、本実施形態に係る情報処理のフローの一例を示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から情報処理プログラムを読み出し、実行することによって、
図12に示す情報処理が実行される。
図12に示す情報処理は、例えば、ページ画像が入力され、情報処理を実行する指示が入力された場合、実行される。なお、
図12において、
図7に示す情報処理と同一のステップについては、
図7と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0089】
ステップS114において、CPU11は、特定したページ画像において、破損箇所34から第1範囲37に含まれる画素の画素値を用いて、破損箇所34を補正する。
【0090】
ステップS115において、CPU11は、右端領域32、及び左端領域33に係る対応する分割領域35について画素値の平均値を比較して平均値の差分を導出し、当該差分が差分閾値より小さい場合、分割領域35を一致した分割領域35として検出する。ここで、破損箇所34が含まれる分割領域35に対する差分閾値に、破損箇所34が含まれない分割領域35に適用される差分閾値よりも大きい値を設定する。破損箇所34の有無に応じて差分閾値を変更することによって、破損箇所34における画素値を考慮して見開きページが検出される。
【0091】
ステップS116において、CPU11は、検出した見開きページにおいて、破損箇所34を基点とした第2範囲38に含まれる画素の画素値を用いて、破損箇所34を補正する。
【0092】
以上説明したように、本実施形態によれば、破損箇所34を含めて見開きページを検出できる。
【0093】
なお、上記実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態において破損箇所34を除外する形態について説明し、第3実施形態において破損箇所34を補正する形態について、それぞれ説明した。しかし、これに限定されない。ユーザが所望する処理に応じて、上記の実施形態を切り替えてもよい。例えば、ユーザが処理の速度を所望する場合、第1実施形態において処理を実施し、ユーザが処理の精度を所望する場合、第2実施形態において処理を実施し、ユーザが違和感の無い見開きページの出力を所望する場合、第3実施形態において処理を実施してもよい。
【0094】
以上、各実施形態を用いて本発明について説明したが、本発明は各実施形態に記載の範囲には限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0095】
なお、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、例えば汎用的なプロセッサ(例えば、CPU:Central Processing Unit)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0096】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0097】
また、本実施形態では、情報処理プログラムがストレージにインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本実施形態に係る情報処理プログラムを、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、本発明に係る情報処理プログラムを、CD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態で提供してもよい。本発明に係る情報処理プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、本実施形態に係る情報処理プログラムを、通信I/Fに接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【0098】
[付記]
以下に、本開示の好ましい形態について付記する。
【0099】
(((1)))
プロセッサを有し、前記プロセッサは、
各々のページを読み取った複数のページ画像を取得し、
前記ページ画像のうち、対象ページとなる2つの前記ページ画像において、前記対象ページが同一の画像を表す見開きページである場合に隣り合う端部における破損箇所を特定し、
特定した特定結果を用いて、前記見開きページを検出して出力する
情報処理装置。
【0100】
(((2)))
前記プロセッサは、
前記特定結果に応じて、前記破損箇所を補正して、前記見開きページを検出する
(((1)))に記載の情報処理装置。
【0101】
(((3)))
前記プロセッサは、
前記破損箇所を基点とした予め定められた第1範囲における画素値を用いて、前記破損箇所を補正する
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0102】
(((4)))
前記プロセッサは、
前記破損箇所を補正した場合、前記見開きページにおいて、前記破損箇所を基点とした予め定められた第2範囲における画素値を用いて、前記破損箇所をさらに補正する
(((3)))に記載の情報処理装置。
【0103】
(((5)))
前記プロセッサは、
前記破損箇所として、前記端部において、輪郭が欠けた箇所、及び予め定められた色彩に係る特徴量を検出した箇所の少なくとも一方の箇所を特定する
(((1)))から(((4)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0104】
(((6)))
前記プロセッサは、
前記特定結果に応じて、前記破損箇所を除外して、前記見開きページを検出する
(((5)))に記載の情報処理装置。
【0105】
(((7)))
前記プロセッサは、
前記破損箇所の面積が、予め定められた閾値以上である場合、前記破損箇所を除外する (((6)))に記載の情報処理装置。
【0106】
(((8)))
前記プロセッサは、
前記端部における画素値を比較して、前記見開きページを特定する
(((1)))から(((7)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0107】
(((9)))
前記プロセッサは、
画素毎、又は前記端部を分割した分割領域毎に比較する
(((8)))に記載の情報処理装置。
【0108】
(((10)))
前記プロセッサは、
前記分割領域の画素値として、前記分割領域に含まれる画素の画素値の平均値を用いて比較する
(((9)))に記載の情報処理装置。
【0109】
(((11)))
前記プロセッサは、
前記端部から前記破損箇所を除いた領域を予め定められた数の前記分割領域に分割し、前記分割領域を比較する
(((9)))に記載の情報処理装置。
【0110】
(((12)))
各々のページを読み取った複数のページ画像を取得し、
前記ページ画像のうち、対象ページとなる2つの前記ページ画像において、前記対象ページが同一の画像を表す見開きページである場合に隣り合う端部における破損箇所を特定し、
特定した特定結果を用いて、前記見開きページを検出して出力する
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【0111】
以下に、付記の構成による効果について記載する。
【0112】
(((1)))の情報処理装置、及び(((12)))の情報処理プログラムによれば、端部が破損した資料を読み取った場合であっても、見開きページを出力できる。
【0113】
(((2)))の情報処理装置によれば、破損箇所を含めて見開きページを検出できる。
【0114】
(((3)))の情報処理装置によれば、破損箇所に設定されていた画素と類似すると推定される画素を用いて、見開きページを検出できる。
【0115】
(((4)))の情報処理装置によれば、単一のページ画像を用いて破損箇所の補正を行った場合と比較して、より補正の精度が向上する。
【0116】
(((5)))の情報処理装置によれば、検出したい破損箇所に応じて、検出精度を選択できる。
【0117】
(((6)))の情報処理装置によれば、破損箇所を含めて見開きページを検出する場合と比較して、検出の精度が向上する。
【0118】
(((7)))の情報処理装置によれば、処理の負荷に応じて、破損箇所を含めて見開きページを検出できる。
【0119】
(((8)))の情報処理装置によれば、見開きページを検出する基準を明確にして検出できる。
【0120】
(((9)))の情報処理装置によれば、見開きページにおける端部全体を一挙に比較した場合と比較して、より精度よく見開きページを検出できる。
【0121】
(((10)))の情報処理装置によれば、対象の領域における画素を一つ一つ比較する場合と比較して、処理の負荷を抑制できる。
【0122】
(((11)))の情報処理装置によれば、破損箇所に応じて比較対象の数が変動する場合と比較して、破損箇所の大きさに関わらず精度よく見開きページを検出できる。
【符号の説明】
【0123】
1 情報処理システム
2 複合機
10 情報処理装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 ストレージ
15 入力部
16 モニタ
17 通信I/F
19 バス
21 取得部
22 対象設定部
23 特定部
24 検出部
25 出力部
26 補正部
30 左ページ
31 右ページ
32 右端領域
33 左端領域
34 破損箇所
35、36 分割領域
37 第1範囲
38 第2範囲