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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035998
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 1/10 20060101AFI20240308BHJP
   F28F 1/40 20060101ALI20240308BHJP
   F28D 7/10 20060101ALI20240308BHJP
   F28F 1/00 20060101ALI20240308BHJP
   F02M 26/28 20160101ALI20240308BHJP
   F02M 26/29 20160101ALI20240308BHJP
【FI】
F28F1/10 A
F28F1/40 J
F28F1/40 B
F28D7/10 Z
F28F1/00 A
F02M26/28
F02M26/29
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140677
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平澤 弘毅
【テーマコード(参考)】
3G062
3L103
【Fターム(参考)】
3G062ED08
3L103AA17
3L103AA37
3L103BB39
3L103CC02
3L103CC27
3L103DD08
3L103DD09
3L103DD32
3L103DD38
3L103DD42
3L103DD44
3L103DD61
(57)【要約】
【課題】サイズを変更せずに排出ガスが流れる内部通路の圧力損失を低減し且つ熱交換効率を向上することができる。
【解決手段】熱交換器は、エンジンから排出される排出ガスを流通可能な内部通路に臨む内面と、前記排出ガスと熱交換するための冷却水を流通可能な外部通路に臨む外面と、を有し、前記排出ガスの流れ方向に沿って延びるチューブと、前記チューブの前記内面に設けられ、前記チューブの延在方向に沿って延びる複数の凸部を有するリブレット構造と、を備え、前記リブレット構造は、前記複数の凸部において互いに隣り合う2つの凸部の間の底部に、前記チューブの前記内面に沿う底壁面を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンから排出される排出ガスを流通可能な内部通路に臨む内面と、前記排出ガスと熱交換するための冷却水を流通可能な外部通路に臨む外面と、を有し、前記排出ガスの流れ方向に沿って延びるチューブと、
前記チューブの前記内面に設けられ、前記チューブの延在方向に沿って延びる複数の凸部を有するリブレット構造と、を備え、
前記リブレット構造は、前記複数の凸部において互いに隣り合う2つの凸部の間の底部に、前記チューブの前記内面に沿う底壁面を有する、
熱交換器。
【請求項2】
前記リブレット構造は、前記2つの凸部において互いに対向する第1側壁面及び第2側壁面を有し、
前記チューブの延在方向と直交する断面視で、前記底壁面、前記第1側壁面及び前記第2側壁面は、四角形の3辺に沿う形状を有する、
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記チューブの延在方向と直交する断面視で、前記第1側壁面及び前記第2側壁面は、前記底壁面から垂直に延びている、
請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記チューブの延在方向と直交する断面視で、前記リブレット構造は、前記第1側壁面及び前記第2側壁面において前記底壁面とは反対側の端部から傾斜して延びる傾斜壁面を更に有する、
請求項2又は3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記内部通路に設けられ、前記チューブの延在方向に沿って延びるフィンを更に備え、
前記リブレット構造は、前記フィンの表面に設けられている、
請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記リブレット構造は、前記チューブの前記外面に設けられている、
請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記熱交換器は、前記排出ガスの一部をEGRガスとして前記エンジンへ還流させる際に前記EGRガスを冷却するEGRクーラ用の熱交換器である、
請求項1又は2に記載の熱交換器。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンから排出される排出ガスの一部を吸気に戻し、燃焼温度を下げることで、規制物質であるNOx(窒素酸化物)を低減するEGR(Exhaust Gas Recirculation)システムが知られている。
例えば、特許文献1には、エンジンからの排出ガスの一部をEGRガス(排気還流ガス)として吸気通路へ流してエンジンへ還流させる際にEGRガスを冷却するEGRクーラが開示されている。このEGRクーラは、冷却水が流れる水通路と、水通路の中に配置されてEGRガスが流れるガス通路と、を有する熱交換器を備える。
ところで、近年では環境規制において、NOxを更に低減することが検討されている。NOxを更に低減するためには、燃焼温度を下げる必要がある。このためには、吸気の酸素濃度を下げる必要があり、EGRガスの量増加及び温度低下(性能向上)が課題となる。例えば、性能向上のためには、熱交換器のサイズを変更(例えば大型化)することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-84890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、熱交換器のサイズを変更すると、熱交換器に接続する配管等の周辺部品のレイアウトを変更する必要が生じる可能性が高い。そのため、サイズを変更せずに性能向上する上で改善の余地がある。
【0005】
そこで本発明は、サイズを変更せずに排出ガスが流れる内部通路の圧力損失を低減し且つ熱交換効率を向上することができる熱交換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る熱交換器は、エンジンから排出される排出ガスを流通可能な内部通路に臨む内面と、前記排出ガスと熱交換するための冷却水を流通可能な外部通路に臨む外面と、を有し、前記排出ガスの流れ方向に沿って延びるチューブと、前記チューブの前記内面に設けられ、前記チューブの延在方向に沿って延びる複数の凸部を有するリブレット構造と、を備え、前記リブレット構造は、前記複数の凸部において互いに隣り合う2つの凸部の間の底部に、前記チューブの前記内面に沿う底壁面を有する。
【発明の効果】
【0007】
上記態様によれば、サイズを変更せずに排出ガスが流れる内部通路の圧力損失を低減し且つ熱交換効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るエンジンシステムの全体構成図。
図2】実施形態に係るEGRクーラを排出ガスの流れ方向に沿って切断した断面図。
図3図2のIII-III線に沿った断面図。
図4】実施形態に係る熱交換器の一部の斜視図。
図5】実施形態に係るリブレット構造の斜視図。
図6】実施形態に係るリブレット構造の断面図。
図7】実施形態に係るリブレット構造の作用説明図。
図8】比較例に係るリブレット構造の斜視図。
図9】比較例に係るリブレット構造の作用説明図。
図10】実施形態の第1変形例に係るリブレット構造の断面図。
図11】実施形態の第2変形例に係るリブレット構造の断面図。
図12】実施形態の第3変形例に係るリブレット構造の断面図。
図13】実施形態の第4変形例に係るリブレット構造の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態においては、熱交換器の一例として、エンジンから排出される排出ガスの一部をEGRガスとしてエンジンへ還流させる際にEGRガスを冷却するEGRクーラ用の熱交換器の例を挙げて説明する。
【0010】
<エンジンシステム>
図1は、実施形態に係るエンジンシステム1の全体構成図である。
例えば、エンジンシステム1は、建設機械、輸送車両、各種産業機械等に搭載される。エンジンシステム1は、エンジン2と、EGRクーラ3と、を備える。
【0011】
図示はしないが、エンジン2は、ピストン及びクランクシャフト等を含む。エンジン2には、吸気通路5を通じて吸入ガス(例えば、空気及び燃料を含む可燃混合ガス)が導入される。エンジン2に導入された可燃混合ガスは、点火装置の点火動作により爆発・燃焼する。燃焼後のガスは、排出ガスとして排気通路6を通じて導出される。このとき、ピストンが上下運動し、クランクシャフトが回転する。これにより、エンジン2に動力が得られる。
【0012】
<EGRクーラ>
EGRクーラ3は、EGR通路7(図では破線で図示)に設けられている。EGRクーラ3は、EGR通路7を流れるEGRガス(排出ガスの一部)を冷却する。EGR通路7の入口は、排気通路6に接続されている。EGR通路7の出口は、吸気通路5に接続されている。
【0013】
エンジン2から排出される排出ガスの一部は、EGRガスとしてEGR通路7の入口を通じてEGRクーラ3に導入される。EGRクーラ3により冷却されたEGRガスは、EGR通路7の出口を通じて吸気通路5に導入される。このようにして、エンジン2から排出される排出ガスの一部は、EGRガスとしてエンジン2へ還流される。
【0014】
図2は、実施形態に係るEGRクーラ3を排出ガス(EGRガス)の流れ方向に沿って切断した断面図である。図3は、図2のIII-III線に沿った断面図である。以下の説明において、排出ガスの流れ方向の上流側を「前側」、排出ガスの流れ方向の下流側を「後側」とする。また、左右は、前側から見た場合の左右とする。
【0015】
EGRクーラ3は、円筒形状のケース10と、ケース10の内部に収容された熱交換器20と、ケース10の前側に接合された入口側タンク30と、ケース10の後側に接合された出口側タンク40と、を備える。
【0016】
ケース10は、ケース10の前後中央部を構成する胴体部11と、ケース10の前端側において胴体部11よりも拡径するように膨出する前膨出部12と、ケース10の前端開口を形成する前開口端部13と、ケース10の後端側において胴体部11よりも拡径するように膨出する後膨出部14と、ケース10の後端開口を形成する後開口端部15と、を備える。
【0017】
前膨出部12の下部には、ケース10の内部に冷却水を流入させる流入口16が形成されている。
後膨出部14の上部には、ケース10の内部に流入した冷却水を流出させる流出口17が形成されている。なお、前膨出部12の上部には、ケース10の内部のガスを抜くためのガス抜き孔18が形成されていてもよい。図2では1個のガス抜き孔18を示すが、個数は限定されず、設計仕様に応じて変更可能である。
【0018】
ケース10は、上下方向に半割構造の第1ケース体10A及び第2ケース体10Bを備える。例えば、第1ケース体10A及び第2ケース体10Bは、互いに溶接等で接合されている。なお、ケース10は、左右方向に半割構造を有していてもよい。例えば、ケース10の半割構造の態様は、設計仕様に応じて変更可能である。
【0019】
熱交換器20は、排出ガスの流れ方向に沿って延びる複数のチューブ21と、各チューブ21の前端部に接合された前ヘッダプレート22と、各チューブ21の後端部に接合された後ヘッダプレート23と、を備える。チューブ21は、前側から見て上下方向に延びる扁平形状を有する。複数(図3では9個を図示)のチューブ21は、前側から見て左右に並んでいる。なお、チューブ21の個数は限定されず、設計仕様に応じて変更可能である。
【0020】
前側から見て、チューブ21の上端と下端との間隔t1を「チューブ21の上下長さt1」、チューブ21の左右側面の間隔t2を「チューブ21の左右幅t2」とする。例えば、チューブ21の上下長さt1は、50mm以上150mm以下の大きさである。例えば、チューブ21の左右幅t2は、5mm以上15mm以下の大きさである。なお、チューブ21の上下長さt1、チューブ21の左右幅t2は、上記に限定されず、設計仕様に応じて変更可能である。
【0021】
例えば、各チューブ21において互いに対向する表面の一部同士は、点状の突出部分で互いにロウ付けされている。例えば、前ヘッダプレート22は、各チューブ21の前端部にロウ付けされている。例えば、後ヘッダプレート23は、各チューブ21の後端部にロウ付けされている。
【0022】
前側から見て左右に並ぶ各チューブ21において互いに対向する表面間の隙間は、冷却水が通る冷却水流路27A(外部通路27の一部)となっている。各冷却水流路27Aは、全て同じ幅寸法に設定されていることが好ましい。本実施形態では、チューブ21が左右に並ぶとともに冷却水の流入口16が前膨出部12の下部に形成されている。そのため、流入口16からの冷却水は冷却水流路27Aに即座に入り込むようになっている。
【0023】
冷却水の流入口16は、前膨出部12の下部の左右中央部に形成されていることが好ましい。これにより、流入口16から流入した直後の冷却水の流れ方向と、各チューブ21の上下方向とが同一方向になるため、冷却水の流れが阻害されることを抑制することができる。
【0024】
前ヘッダプレート22の外周には、ケース10の前開口端部13の内周に沿う前筒状部22Aが形成されている。前筒状部22Aの前端は、ケース10の前開口端部13よりも前側に配置されている。
【0025】
後ヘッダプレート23の外周には、ケース10の後開口端部15の内周に沿う後筒状部23Aが形成されている。後筒状部23Aの後端は、ケース10の後開口端部15よりも後側に配置されている。
【0026】
入口側タンク30は、前ヘッダプレート22を介してケース10の前端部に接合されている。入口側タンク30は、排出ガスの流入口である排気入口30Aから後側に拡径して延びる前周壁部31と、前周壁部31の後端側に形成され前筒状部22Aの内周に沿う前開口壁部32と、を備える。
【0027】
出口側タンク40は、後ヘッダプレート23を介してケース10の後端部に接合されている。出口側タンク40は、排出ガスの流出口である排気出口40Aから前側に拡径して延びる後周壁部41と、後周壁部41の前端側に形成され後筒状部23Aの内周に沿う後開口壁部42と、を備える。
【0028】
例えば、EGRクーラ3は、以下の手順で組み立てることが好ましい。
先ず、各チューブ21同士のロウ付けを行う。その後、ロウ付けした構造体(複数のチューブ21の接合体)に各ヘッダプレート22,23のロウ付けを行う。これにより、熱交換器20を予め製作しておく。
【0029】
その後、半割構造のケース体10A,10Bからなるケース10の内部に熱交換器20を収容する。その後、ケース体10A,10B同士を溶接等で接合する。その後、ケース10の各端部に各ヘッダプレート22,23を介して各タンク30,40を溶接等で接合する。この際、ケース10の各開口端部13,15の内側に各ヘッダプレート22,23の筒状部22A,23Aが嵌め込まれる。また、これら各筒状部22A,23Aの更に内側に各タンク30,40の開口壁部32,42が嵌め込まれる。この状態で、これらが一体に溶接によって接合される。
【0030】
<熱交換器>
図4は、実施形態に係る熱交換器20の一部の斜視図である。図5は、実施形態に係るリブレット構造50の斜視図である。
熱交換器20は、チューブ21と、各ヘッダプレート22,23(図では前ヘッダプレート22を図示)と、フィン25と、リブレット構造50と、を備える。図4においては、複数のチューブ21のうちの1つの周辺構造を示す。なお、図4においては、リブレット構造50の図示を省略している。
【0031】
チューブ21は、エンジン2から排出される排出ガスを流通可能な内部通路26に臨む内面21Aと、排出ガスと熱交換するための冷却水を流通可能な外部通路27に臨む外面21Bと、を有する。チューブ21は、排出ガスの流れ方向に沿って延びている。以下、排出ガスの流れ方向に沿ってチューブ21が延びる方向Vtを「チューブ21の延在方向Vt」とする。
【0032】
チューブ21の延在方向Vtにおける長さt3(チューブ21の前端と後端との間隔)を「チューブ21の延在長さt3」とする(図2参照)。例えば、チューブ21の延在長さt3は、200mm以上400mm以下の大きさである。なお、チューブ21の延在長さt3は、上記に限定されず、設計仕様に応じて変更可能である。
【0033】
フィン25は、チューブ21の内部通路26に設けられている。フィン25は、チューブ21の延在方向Vtに沿って延びている。フィン25は、排出ガスの流れ方向に長手を有し且つ前側から見て上下方向に厚みを有する板状に形成されている。フィン25は、前側から見て上下方向に間隔をあけて複数並んでいる。図4においては、複数のフィン25において上下方向に互いに対向する2つのフィン25を示す。
【0034】
<リブレット構造>
リブレット構造50は、チューブ21の内面21A及び外面21Bと、フィン25の表面(例えば図4に示すフィン25の上下両面)と、に設けられている。図5に示すように、リブレット構造50は、チューブ21の延在方向Vtに沿って延びる複数の凸部60を有する。例えば、リブレット構造50の加工方法は、エッチング、スパッタ、プレス等や、板材に対して薄板(例えば厚さ50μm程度の板材)を真空積層する方法が挙げられる。
【0035】
図6は、実施形態に係るリブレット構造50の断面図である。図6は、チューブ21の延在方向Vtと直交する断面視である。図6の断面視では、熱交換器20においてリブレット構造50が設けられている部分のうちの一部(例えば、チューブ21の内面21A側の部分)を拡大して示す。
リブレット構造50は、複数の凸部60において互いに隣り合う2つの凸部60の間の底部(図6では下部)に、チューブ21の内面21Aに沿う底壁面51を有する。
【0036】
凸部60は、チューブ21の延在方向Vtにわたって一様の大きさで連続している。例えば、凸部60の大きさ(断面積)は、チューブ21の延在方向Vtと直交する任意の断面位置で同じである。
【0037】
リブレット構造50は、複数の凸部60において互いに隣り合う2つの凸部60の間に、開口部70を有する。開口部70は、チューブ21の延在方向Vtにわたって一様の大きさで連続する溝である。例えば、開口部70の大きさ(開口面積)は、チューブ21の延在方向Vtと直交する任意の断面位置で同じである。
【0038】
リブレット構造50は、2つの凸部60において互いに対向する第1側壁面61及び第2側壁面62を有する。図6の断面視で、底壁面51、第1側壁面61及び第2側壁面62は、矩形(四角形の一例)の3辺に沿う形状を有する。
【0039】
図6の断面視で、第1側壁面61及び第2側壁面62は、底壁面51から垂直に延びている。図6の断面視で、第1側壁面61及び第2側壁面62は、互いに平行である。図6の断面視で、第1側壁面61及び第2側壁面62は、底壁面51から互いに同じ高さ位置まで延びている。
【0040】
図6の断面視で、リブレット構造50は、第1側壁面61及び第2側壁面62において底壁面51とは反対側の端部(図6の上端)から傾斜して延びる傾斜壁面63,64を更に有する。図6の断面視で、各傾斜壁面63,64は、各側壁面61,62の上端から上方に向かうに従って徐々に互いに離反している。以下、第1側壁面61において底壁面51とは反対側の端部から傾斜して延びる傾斜壁面63を「第1傾斜壁面63」、第2側壁面62において底壁面51とは反対側の端部から傾斜して延びる傾斜壁面64を「第2傾斜壁面64」とする。
【0041】
図6の断面視で、1つの凸部60に着目すると、第1傾斜壁面63及び第2傾斜壁面64は、三角形の2つの斜辺に沿う形状を有する。図6の断面視で、1つの凸部60は、矩形(図の凸部下部形状)と三角形(図の凸部上部形状)とを組み合わせた形状を有する。
【0042】
図6の断面視で、2つの凸部60の間隔(開口部70の幅)のうち第1側壁面61及び第2側壁面62の間隔w1を「最小開口幅w1」、第1傾斜壁面63の上端(一方の凸部60の上端)と第2傾斜壁面64の上端(他方の凸部60の上端)との間隔w2を「最大開口幅w2」、側壁面61,62の上端と底壁面51との間隔h1を「側壁面高さh1」、凸部60の上端と底壁面51との間隔h2(凸部60の最大上下高さ)を「最大高さh2」とする。
【0043】
例えば、最小開口幅w1及び側壁面高さh1は、1~10である。
Hは、コルモゴロフスケールを指し、以下の式(1)で表される。
【0044】
【数1】
【0045】
上記式(1)において、Rはレイノルズ数、Lは代表長さを示す。代表長さLは、複数のフィン25において上下方向に互いに対向する2つのフィン25の間隔である(図4参照)。図4において、代表長さLは、2つのフィン25のうち上側のフィン25の下面と下側のフィン25の上面との間隔である。
【0046】
例えば、コルモゴロフスケールHの最大値は、EGRクーラ3のエンジン定格点(高温のEGRガスが最も多い定格点)で、4.3μm程度である。例えば、最小開口幅w1は、1μm以上50μm以下の大きさである。例えば、側壁面高さh1は、1μm以上50μm以下の大きさである。例えば、最小開口幅w1及び側壁面高さh1は、互いに同じ大きさである。なお、最小開口幅w1及び側壁面高さh1は、互いに異なる大きさであってもよく、設計仕様に応じて変更可能である。
【0047】
例えば、最大開口幅w2及び最大高さh2は、10~30である。
例えば、最大開口幅w2は、10μm以上750μm以下の大きさである。例えば、最大高さh2は、10μm以上750μm以下の大きさである。例えば、最大開口幅w2及び最大高さh2は、互いに同じ大きさである。なお、最大開口幅w2及び最大高さh2は、互いに異なる大きさであってもよく、設計仕様に応じて変更可能である。
【0048】
<リブレット構造の作用>
図7は、実施形態に係るリブレット構造50の作用説明図である。図7は、図6において2つの凸部60の間の開口部分を拡大した図に相当する。図中符号80は、乱流中に生じる渦管を示す。
【0049】
本実施形態では、リブレット構造50は、チューブ21の内面21Aに沿う底壁面51を有する。そのため、渦管80は、底壁面51と交差する縦方向(図7の上方)に成長する。
【0050】
本実施形態では、チューブ21の延在方向Vtと直交する断面視で、底壁面51、第1側壁面61及び第2側壁面62は、矩形の3辺に沿う形状を有する。そのため、渦管80は横方向(図7の左右方向)に成長しなくなる。本実施形態では、底壁面51、第1側壁面61及び第2側壁面62により、渦管80の成長方向が制限される。例えば、渦管80の成長方向は、図7の上方のみとなる。
【0051】
図8は、比較例に係るリブレット構造50Xの斜視図である。図9は、比較例に係るリブレット構造50Xの作用説明図である。
比較例では、チューブ21の延在方向Vtと直交する断面視で、V字形状(逆三角形)の開口部70Xを有する。そのため、渦管80は、図9の上方に加え左右斜め方向に成長する。なお、図9において、V字の角度Axは60度程度である。
【0052】
これに対し本実施形態では、渦管80の成長方向は図7の上方のみとなるため、比較例よりも渦管80の成長方向が制限される。これにより、本実施形態では比較例よりもエネルギーカスケードが起こりにくくなる。エネルギーカスケードは、乱流中の大きな渦が小さい渦を生むことで、渦のエネルギーが熱になる過程を意味する。乱流中に生まれた小さい渦は、粘性の作用によって熱に変化して消える。そのため、大きな渦が小さい渦を生み出す過程を阻害すれば、エネルギーロスを抑制することができる。
【0053】
例えば、乱流中における渦管80は、縦に成長しながら半径が収縮する。例えば、渦管80は、成長するに伴って縦に長細くなる。例えば、渦管80の成長が飽和すると、渦管80の成長方向と直交する方向(横方向)に、成長が飽和した渦管80よりもスケールダウンした渦管(不図示)を新たに成長させる。この新たに渦管を成長させる過程が、エネルギーカスケードの一因である。
【0054】
本実施形態では、チューブ21の延在方向Vtと直交する断面視で、第1側壁面61及び第2側壁面62は、底壁面51から垂直に延びている。そのため、第1側壁面61及び第2側壁面62により、渦管80の成長方向と直交する方向に新たな渦管が生成される現象を阻害することができる。これにより、エネルギーカスケードを阻害することができる。
【0055】
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の熱交換器20は、エンジン2から排出される排出ガスを流通可能な内部通路26に臨む内面21Aと、排出ガスと熱交換するための冷却水を流通可能な外部通路27に臨む外面21Bと、を有し、排出ガスの流れ方向に沿って延びるチューブ21と、チューブ21の内面21Aに設けられ、チューブ21の延在方向Vtに沿って延びる複数の凸部60を有するリブレット構造50と、を備える。リブレット構造50は、複数の凸部60において互いに隣り合う2つの凸部60の間の底部に、チューブ21の内面21Aに沿う底壁面51を有する。
この構成によれば、チューブ21の内面21Aに沿う底壁面51を有することで、渦管80は、底壁面51と交差する縦方向(図7の上方)に成長する。このため、図9の比較例よりも渦管80の成長方向が制限される。これにより、エネルギーカスケードを阻害し、内部通路26の圧力損失を低減することができる。加えて、チューブ21の内面21Aのリブレット構造50により、内部通路26に臨む部分の表面積が増えるため、熱交換効率を向上することができる。さらに、熱交換器20のサイズを変更(例えば大型化)することを要しない。したがって、サイズを変更せずに排出ガスが流れる内部通路26の圧力損失を低減し且つ熱交換効率を向上することができる。
【0056】
本実施形態では、リブレット構造50は、2つの凸部60において互いに対向する第1側壁面61及び第2側壁面62を有する。チューブ21の延在方向Vtと直交する断面視で、底壁面51、第1側壁面61及び第2側壁面62は、矩形の3辺に沿う形状を有する。
この構成によれば、図9のV字形状(比較例)よりも渦管80の成長方向が制限される。これにより、エネルギーカスケードを効率的に阻害することができる。したがって、内部通路26の圧力損失を効率的に低減することができる。
【0057】
本実施形態では、チューブ21の延在方向Vtと直交する断面視で、第1側壁面61及び第2側壁面62は、底壁面51から垂直に延びている。
この構成によれば、渦管80は横方向(図7の左右方向)に成長しなくなる。このため、渦管80は、縦方向のみ(図7の上方のみ)に成長する。これにより、エネルギーカスケードを効率的に阻害することができる。したがって、内部通路26の圧力損失を効率的に低減することができる。
【0058】
本実施形態では、チューブ21の延在方向Vtと直交する断面視で、リブレット構造50は、第1側壁面61及び第2側壁面62において底壁面51とは反対側の端部から傾斜して延びる傾斜壁面63,64を更に有する。
この構成によれば、リブレット構造50の傾斜壁面63,64により、内部通路26に臨む部分の表面積が更に増える。このため、熱交換効率を更に向上することができる。
【0059】
本実施形態では、内部通路26に設けられ、チューブ21の延在方向Vtに沿って延びるフィン25を更に備える。リブレット構造50は、フィン25の表面に設けられている。
この構成によれば、フィン25の表面のリブレット構造50により、内部通路26に臨む部分の表面積が更に増える。このため、熱交換効率を更に向上することができる。
【0060】
本実施形態では、リブレット構造50は、チューブ21の外面21Bに設けられている。
この構成によれば、チューブ21の外面21Bのリブレット構造50により、外部通路27に臨む部分の表面積が更に増える。このため、熱交換効率を更に向上することができる。加えて、冷却水が流れる外部通路27の圧力損失を低減することができる。
【0061】
本実施形態では、熱交換器20は、排出ガスの一部をEGRガスとしてエンジン2へ還流させる際にEGRガスを冷却するEGRクーラ3用の熱交換器20である。
この構成によれば、EGRクーラ3用の熱交換器20において、サイズを変更せずに排出ガスが流れる内部通路26の圧力損失を低減し且つ熱交換効率を向上することができる。
【0062】
本実施形態では、最小開口幅w1は、1μm以上50μm以下の大きさである。
この構成によれば、50μm超過の直径を有する渦層がリブレット構造50の開口部70(図6の開口部70下部)に入ることを抑制することができる。このため、開口部70において渦管80が渦層を巻きこんで成長することを阻害することができる。これにより、エネルギーカスケードを効率的に阻害することができる。したがって、内部通路26の圧力損失を効率的に低減することができる。
【0063】
<第1変形例>
実施形態では、リブレット構造50の断面視で1つの凸部60が矩形と三角形とを組み合わせた形状を有する例(図6参照)を挙げて説明した。第1変形例では、図10に示すように、1つの凸部160は、矩形と台形とを組み合わせた形状を有する点で実施形態と相違している。以下の説明において、実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
図10は、実施形態の第1変形例に係るリブレット構造150の断面図である。図10の断面視では、熱交換器20においてリブレット構造150が設けられている部分のうちの一部(例えば、チューブ21の内面21A側の部分)を拡大して示す。
【0065】
図10の断面視で、リブレット構造150は、第1傾斜壁面163及び第2傾斜壁面164の上端から左右方向に延びる上壁面165を更に有する。図10の断面視で、上壁面165は、第1傾斜壁面163及び第2傾斜壁面164において底壁面51とは反対側の端部から底壁面51と平行に延びている。
【0066】
図10の断面視で、1つの凸部160に着目すると、上壁面165、第1傾斜壁面163及び第2傾斜壁面164は、台形の3つの辺に沿う形状を有する。図10の断面視で、1つの凸部160は、矩形と台形とを組み合わせた形状を有する。
【0067】
第1変形例では、チューブ21の延在方向Vtと直交する断面視で、リブレット構造150は、第1傾斜壁面163及び第2傾斜壁面164において底壁面51とは反対側の端部から底壁面151と平行に延びる上壁面165を更に有する。
この構成によれば、リブレット構造150の上壁面165により、内部通路26に臨む部分の表面積が更に増える。このため、熱交換効率を更に向上することができる。
【0068】
<第2変形例>
第2変形例では、図11に示すように、1つの凸部260は、矩形と半円形とを組み合わせた形状を有する点で実施形態と相違している。以下の説明において、実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
図11は、実施形態の第2変形例に係るリブレット構造250の断面図である。図11の断面視では、熱交換器20においてリブレット構造250が設けられている部分のうちの一部(例えば、チューブ21の内面21A側の部分)を拡大して示す。
【0070】
図11の断面視で、リブレット構造250は、第1側壁面61及び第2側壁面62の上端から湾曲して延びる湾曲壁面266を更に有する。図11の断面視で、湾曲壁面266は、第1側壁面61及び第2側壁面62において底壁面51とは反対側の端部から上方に向かって湾曲している。図11の断面視で、1つの凸部260に着目すると、矩形と半円形とを組み合わせた形状を有する。
【0071】
第2変形例では、チューブ21の延在方向Vtと直交する断面視で、リブレット構造250は、第1側壁面61及び第2側壁面62において底壁面51とは反対側の端部から湾曲して延びる湾曲壁面266を更に有する。
この構成によれば、リブレット構造250の湾曲壁面266により、内部通路26に臨む部分の表面積が更に増える。このため、熱交換効率を更に向上することができる。
【0072】
<第3変形例>
第3変形例では、図12に示すように、1つの凸部360が台形を有する点で実施形態と相違している。以下の説明において、実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
図12は、実施形態の第3変形例に係るリブレット構造350の断面図である。図12の断面視では、熱交換器20においてリブレット構造350が設けられている部分のうちの一部(例えば、チューブ21の内面21A側の部分)を拡大して示す。
【0074】
図12の断面視で、リブレット構造350は、第1側壁面361及び第2側壁面362の上端から左右方向に延びる上壁面365を更に有する。図12の断面視で、上壁面365は、第1側壁面361及び第2側壁面362において底壁面51とは反対側の端部から底壁面51と平行に延びている。図12の断面視で、第1側壁面361及び第2側壁面362は、底壁面51に対して傾斜している。図12の断面視で、1つの凸部360に着目すると、各側壁面361,362は、底壁面51から上方に向かうに従って徐々に互いに近接している。図12の断面視で、底壁面51、第1側壁面361及び第2側壁面362は、台形の3辺に沿う形状を有する。図12の断面視で、1つの凸部60に着目すると、等脚台形を有する。
【0075】
第3変形例では、チューブ21の延在方向Vtと直交する断面視で、リブレット構造350は、第1側壁面361及び第2側壁面362の上端から左右方向に延びる上壁面365を更に有する。チューブ21の延在方向Vtと直交する断面視で、第1側壁面361及び第2側壁面362は、底壁面51に対して傾斜している。
この構成によれば、リブレット構造350の上壁面365と、底壁面51に対して傾斜した各側壁面361,362とにより、内部通路26に臨む部分の表面積が更に増える。このため、熱交換効率を更に向上することができる。
【0076】
<第4変形例>
第4変形例では、図13に示すように、1つの凸部460が逆台形を有する点で実施形態と相違している。以下の説明において、実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
図13は、実施形態の第4変形例に係るリブレット構造450の断面図である。図13の断面視では、熱交換器20においてリブレット構造450が設けられている部分のうちの一部(例えば、チューブ21の内面21A側の部分)を拡大して示す。
【0078】
図13の断面視で、リブレット構造450は、第1側壁面461及び第2側壁面462の上端から左右方向に延びる上壁面465を更に有する。図13の断面視で、上壁面465は、第1側壁面461及び第2側壁面462において底壁面51とは反対側の端部から底壁面51と平行に延びている。図13の断面視で、第1側壁面461及び第2側壁面462は、底壁面51に対して傾斜している。図13の断面視で、1つの凸部460に着目すると、各側壁面461,462は、底壁面51から上方に向かうに従って徐々に互いに離反している。図13の断面視で、底壁面51、第1側壁面461及び第2側壁面462は、台形の3辺に沿う形状を有する。図13の断面視で、1つの凸部460に着目すると、等脚台形を上下逆にした形状を有する。
【0079】
第4変形例では、チューブ21の延在方向Vtと直交する断面視で、リブレット構造450は、第1側壁面461及び第2側壁面462の上端から左右方向に延びる上壁面465を更に有する。チューブ21の延在方向Vtと直交する断面視で、第1側壁面461及び第2側壁面462は、底壁面51に対して傾斜している。
この構成によれば、リブレット構造450の上壁面465と、底壁面51に対して傾斜した各側壁面461,462とにより、内部通路26に臨む部分の表面積が更に増える。このため、熱交換効率を更に向上することができる。
【0080】
<その他の実施形態>
上述した実施形態では、熱交換器は、内部通路に設けられ、チューブの延在方向に沿って延びるフィンを更に備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、熱交換器は、フィンを備えていなくてもよい。例えば、熱交換器は、エンジンから排出される排出ガスを流通可能な内部通路に臨む内面と、排出ガスと熱交換するための冷却水を流通可能な外部通路に臨む外面と、を有し、排出ガスの流れ方向に沿って延びるチューブと、チューブの内面に設けられ、チューブの延在方向に沿って延びる複数の凸部を有するリブレット構造と、を備えていればよい。例えば、熱交換器の構成態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0081】
上述した実施形態では、リブレット構造は、フィンの表面に設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、リブレット構造は、フィンの一面(例えば、上面又は下面のいずれか一方)に設けられていてもよい。例えば、リブレット構造は、フィンの表面に設けられていなくてもよい。例えば、リブレット構造は、チューブの内面に設けられていればよい。例えば、リブレット構造の設置態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0082】
上述した実施形態では、リブレット構造は、チューブの外面に設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、リブレット構造は、チューブの外面に設けられていなくてもよい。例えば、リブレット構造は、チューブの内面に設けられていればよい。例えば、リブレット構造の設置態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0083】
上述した実施形態では、チューブが扁平形状を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、チューブは、断面円形(環状)を有していてもよい。例えば、チューブの形状は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0084】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であり、上述した実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0085】
(付記1)
エンジンから排出される排出ガスを流通可能な内部通路に臨む内面と、前記排出ガスと熱交換するための冷却水を流通可能な外部通路に臨む外面と、を有し、前記排出ガスの流れ方向に沿って延びるチューブと、
前記チューブの前記内面に設けられ、前記チューブの延在方向に沿って延びる複数の凸部を有するリブレット構造と、を備え、
前記リブレット構造は、前記複数の凸部において互いに隣り合う2つの凸部の間の底部に、前記チューブの前記内面に沿う底壁面を有する、
熱交換器。
【0086】
(付記2)
前記リブレット構造は、前記2つの凸部において互いに対向する第1側壁面及び第2側壁面を有し、
前記チューブの延在方向と直交する断面視で、前記底壁面、前記第1側壁面及び前記第2側壁面は、四角形の3辺に沿う形状を有する、
付記1に記載の熱交換器。
【0087】
(付記3)
前記チューブの延在方向と直交する断面視で、前記第1側壁面及び前記第2側壁面は、前記底壁面から垂直に延びている、
付記2に記載の熱交換器。
【0088】
(付記4)
前記チューブの延在方向と直交する断面視で、前記リブレット構造は、前記第1側壁面及び前記第2側壁面において前記底壁面とは反対側の端部から傾斜して延びる傾斜壁面を更に有する、
付記2又は3に記載の熱交換器。
【0089】
(付記5)
前記内部通路に設けられ、前記チューブの延在方向に沿って延びるフィンを更に備え、
前記リブレット構造は、前記フィンの表面に設けられている、
付記1から4の何れか一つに記載の熱交換器。
【0090】
(付記6)
前記リブレット構造は、前記チューブの前記外面に設けられている、
付記1から5の何れか一つに記載の熱交換器。
【0091】
(付記7)
前記熱交換器は、前記排出ガスの一部をEGRガスとして前記エンジンへ還流させる際に前記EGRガスを冷却するEGRクーラ用の熱交換器である、
付記1から6の何れか一つに記載の熱交換器。
【符号の説明】
【0092】
2…エンジン、3…EGRクーラ、20…熱交換器、21…チューブ、21A…内面、21B…外面、25…フィン、26…内部通路、27…冷却水通路(外部通路)、50…リブレット構造、51…底壁面、60…凸部、61…第1側壁面、62…第2側壁面、63…第1傾斜壁面(傾斜壁面)、64…第2傾斜壁面(傾斜壁面)、Vt…チューブの延在方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13