(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003601
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】照明制御システム、端末装置および照明器具のマッピング方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/19 20200101AFI20240105BHJP
【FI】
H05B47/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102843
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲菊▼地 史也
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA29
3K273RA17
3K273SA17
3K273SA36
3K273SA58
3K273SA60
3K273TA17
3K273TA28
3K273TA40
3K273TA47
3K273TA54
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】照明器具のマッピングを容易に実施できる照明制御システム、端末装置および照明器具のマッピング方法を得ることを目的とする。
【解決手段】本開示に係る照明制御システムは、複数の照明器具と、表示部を有する端末装置と、を備え、前記端末装置は、前記複数の照明器具から送信された第1無線信号の受信強度を測定し、前記複数の照明器具に対応する複数のアイコンを、前記受信強度に応じた配置で前記表示部に表示し、前記複数のアイコンのうちユーザに選択されたアイコンに対応する照明器具に第2無線信号を送信して前記照明器具の点灯状態を変化させ、前記表示部に表示されたマップ上での前記選択されたアイコンの位置が、ユーザの操作により設定可能に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明器具と、
表示部を有する端末装置と、
を備え、
前記端末装置は、前記複数の照明器具から送信された第1無線信号の受信強度を測定し、前記複数の照明器具に対応する複数のアイコンを、前記受信強度に応じた配置で前記表示部に表示し、前記複数のアイコンのうちユーザに選択されたアイコンに対応する照明器具に第2無線信号を送信して前記照明器具の点灯状態を変化させ、前記表示部に表示されたマップ上での前記選択されたアイコンの位置が、ユーザの操作により設定可能に構成されていることを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
前記端末装置は、前記受信強度を測定すると、前記複数のアイコンを、前記受信強度が強いほど前記マップ上の前記受信強度の測定位置から近い位置に表示することを特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記端末装置は、前記受信強度を測定すると、前記複数のアイコンを、前記受信強度が強い順に並べて表示することを特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記端末装置は、前記第2無線信号を送信して前記照明器具を点滅させることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記端末装置は、前記マップ上での前記選択されたアイコンの位置が設定された後に、再度、前記受信強度を測定すると、前記位置が設定されたアイコンの前記マップ上での位置は固定し、前記複数のアイコンのうち前記位置が設定されたアイコン以外のアイコンを、前記受信強度に応じた配置で前記表示部に表示することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項6】
ユーザの操作を受け付ける表示部と、
複数の照明器具と通信し、前記複数の照明器具から送信された第1無線信号の受信強度を測定する通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記複数の照明器具に対応する複数のアイコンを、前記受信強度に応じた配置で前記表示部に表示し、前記複数のアイコンのうち、ユーザに選択されたアイコンに対応する照明器具に前記通信部から第2無線信号を送信して前記照明器具の点灯状態を変化させ、
前記表示部に表示されたマップ上での前記選択されたアイコンの位置が、ユーザの操作により設定可能に構成されていることを特徴とする端末装置。
【請求項7】
端末装置によって、複数の照明器具から送信された第1無線信号の受信強度を測定し、
前記受信強度に応じた配置で前記端末装置の表示部に表示された、前記複数の照明器具に対応する複数のアイコンから第1アイコンを選択し、
選択した前記第1アイコンに対応する第1照明器具に、前記端末装置から第2無線信号を送信して前記第1照明器具の点灯状態を変化させ、
前記点灯状態が変化した前記第1照明器具の位置に応じて、前記表示部に表示されたマップ上で、前記第1アイコンの位置を設定することを特徴とする照明器具のマッピング方法。
【請求項8】
第1位置で前記受信強度を測定して前記第1アイコンの位置を設定した後に、第2位置で前記受信強度を測定し、
前記第2位置で測定された前記受信強度に応じた配置で前記表示部に表示された、前記複数の照明器具に対応する複数のアイコンから第2アイコンを選択し、
選択した前記第2アイコンに対応する第2照明器具に、前記端末装置から第2無線信号を送信して前記第2照明器具の点灯状態を変化させ、
前記点灯状態が変化した前記第2照明器具の位置に応じて、前記表示部に表示されたマップ上で、前記第2アイコンの位置を設定することを特徴とする請求項7に記載の照明器具のマッピング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明制御システム、端末装置および照明器具のマッピング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の照明器具と、複数の照明器具を制御する端末装置とを備える照明システムにおいて、照明器具のマッピングを行うための技術が開示されている。特許文献1では、操作者は照明器具についてマッピングするために、端末装置を持ってマッピング対象の照明器具の下に移動する。そして、操作者は端末装置の無線送出部をマッピング対象の照明器具に向け、無線送出部からマッピング対象の照明器具に向けて論理アドレスを示す赤外線信号を送出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、マッピング対象の照明器具の下で端末装置を操作することで、意図しない照明器具がマッピングされるのを防止できる。しかしながら、操作者は各照明器具の下まで移動する必要があるため、マッピング対象の照明器具が多い場合、または広範囲に照明器具が配置される場合には、マッピング操作に手間がかかるおそれがある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、照明器具のマッピングを容易に実施できる照明制御システム、端末装置および照明器具のマッピング方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明制御システムは、複数の照明器具と、表示部を有する端末装置と、を備え、前記端末装置は、前記複数の照明器具から送信された第1無線信号の受信強度を測定し、前記複数の照明器具に対応する複数のアイコンを、前記受信強度に応じた配置で前記表示部に表示し、前記複数のアイコンのうちユーザに選択されたアイコンに対応する照明器具に第2無線信号を送信して前記照明器具の点灯状態を変化させ、前記表示部に表示されたマップ上での前記選択されたアイコンの位置が、ユーザの操作により設定可能に構成されている。
【0007】
本開示に係る端末装置は、ユーザの操作を受け付ける表示部と、複数の照明器具と通信し、前記複数の照明器具から送信された第1無線信号の受信強度を測定する通信部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数の照明器具に対応する複数のアイコンを、前記受信強度に応じた配置で前記表示部に表示し、前記複数のアイコンのうち、ユーザに選択されたアイコンに対応する照明器具に前記通信部から第2無線信号を送信して前記照明器具の点灯状態を変化させ、前記表示部に表示されたマップ上での前記選択されたアイコンの位置が、ユーザの操作により設定可能に構成されている。
【0008】
本開示に係る照明器具のマッピング方法は、端末装置によって、複数の照明器具から送信された第1無線信号の受信強度を測定し、前記受信強度に応じた配置で前記端末装置の表示部に表示された、前記複数の照明器具に対応する複数のアイコンから第1アイコンを選択し、選択した前記第1アイコンに対応する第1照明器具に、前記端末装置から第2無線信号を送信して前記第1照明器具の点灯状態を変化させ、前記点灯状態が変化した前記第1照明器具の位置に応じて、前記表示部に表示されたマップ上で、前記第1アイコンの位置を設定する。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る照明制御システム、端末装置および照明器具のマッピング方法では、複数の照明器具から送信された無線信号の受信強度に応じた配置で、端末装置の表示部に複数の照明器具に対応する複数のアイコンが配置される。ユーザは、表示された複数のアイコンからマッピング対象の照明器具のアイコンを選択することで、マッピング対象の照明器具の点灯状態を変化させることができる。ユーザは、点灯状態が変化した照明器具の位置に応じて、表示部に表示されたマップ上で、選択されたアイコンの位置を設定できる。従って、照明器具のマッピングを容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る照明制御システムを説明する図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明制御システムのブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明器具のマッピング方法を示すフローチャートである。
【
図4】実施の形態1に係る照明器具をマッピングモードに設定するシーケンスを示す図である。
【
図5】実施の形態1に係る複数のアイコンを受信強度に応じた配置で表示するシーケンスを示す図である。
【
図6】実施の形態1に係るマッピング対象の照明器具を選択した後のシーケンスを示す図である。
【
図7】実施の形態1に係るマッピング対象の照明器具のレイアウト位置を設定するシーケンスを示す図である。
【
図8】実施の形態1に係る受信強度の測定位置の例を示す図である。
【
図9】実施の形態1に係る複数のアイコンを受信強度に応じた配置で表示した状態を示す図である。
【
図10】実施の形態1に係るマッピング対象の照明器具のアイコンを選択している状態を示す図である。
【
図11】実施の形態1に係るマッピング対象の照明器具の点灯状態が変化した状態を示す図である。
【
図12】実施の形態1に係るマッピング対象の照明器具のアイコンの位置を設定している状態を示す図である。
【
図13】実施の形態1に係る1つの照明器具のマッピングが完了した状態を示す図である。
【
図14】実施の形態1の変形例に係る複数のアイコンを受信強度に応じた配置で表示した状態を示す図である。
【
図15】実施の形態1の変形例に係るマッピング対象の照明器具のアイコンの位置を設定している状態を示す図である。
【
図16】実施の形態1に係る2つの照明器具のマッピングが完了した状態を示す図である。
【
図17】実施の形態1に係る複数のアイコンを、第2位置で測定した受信強度に応じた配置で表示した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施の形態に係る照明制御システム、端末装置および照明器具のマッピング方法について図面を参照して説明する。同じまたは対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明制御システム100を説明する図である。
図2は、実施の形態1に係る照明制御システム100のブロック図である。照明制御システム100は、複数の照明器具20と、表示部12を有する端末装置10を備える。
図1には複数の照明器具20として照明器具20a~20nが示されているが、照明制御システム100に含まれる照明器具20の数は限定されない。
【0013】
端末装置10は、例えばスマートフォンまたはタブレット等の情報端末である。端末装置10は、制御部11と、ディスプレイである表示部12と、ユーザの操作を受け付ける操作部13と、複数の照明器具20と通信する通信部14と、記憶部15を備える。表示部12と操作部13は、例えばタッチパネルとして構成できる。
【0014】
制御部11は、照明器具20との無線通信の入出力データを制御する。また制御部11は、複数の照明器具20を端末装置10から操作するためのマッピング機能を有する。制御部11は、例えばマイコンまたはプロセッサである。記憶部15は、制御部11の制御に用いられるデータおよび制御部11の機能を実現するためのプログラムが記憶されている。記憶部15は例えば不揮発性メモリである。
【0015】
端末装置10は、ユーザが表示部12に表示された照明器具20のアイコンを操作することで、照明器具20の点灯、消灯、マッピング等を行う機能を備える。制御部11は、操作部13で受け付けた操作に応じて出力データを作成し、出力データに基づいて表示部12にアイコン等を表示する。また、制御部11は、無線通信で受信したデータに応じて、表示部12にアイコン等を表示する。
【0016】
通信部14は、制御部11で作成された出力データを無線送信する。また、通信部14は照明器具20等から受信したデータを制御部11へ渡す機能を備える。さらに通信部14は、複数の照明器具20から送信された無線信号の受信強度を測定する機能を有する。この受信強度は、後述するようにマッピング機能に使用される。
【0017】
照明器具20は、光源26と、光源26を点灯させ、制御部22に電力を供給するLED電源部24と、LED電源部24を制御する制御部22を備える。制御部22は、端末装置10と無線通信を行う通信部22aと、照明制御部22bと、記憶部22cを備える。照明制御部22bは、LED電源部24の制御および、通信部22aによる無線通信の入出力データの制御を行う。照明制御部22bは例えばマイコンまたはプロセッサである。記憶部22cには、照明制御部22bの制御に用いられるデータおよび照明制御部22bの機能を実現するためのプログラムが記憶されている。記憶部22cは例えば不揮発性メモリである。
【0018】
照明制御部22bは、無線通信によって端末装置10から通信部22aが受信したデータを基に、LED電源の点灯状態を変化させる。また、照明制御部22bは、端末装置10へ無線送信する出力データ等を作成する。通信部22aは、照明制御部22bで作成された出力データを無線送信する。また通信部22aは、端末装置10等から受信したデータを照明制御部22bに渡す。
【0019】
次に、本実施の形態の照明器具20のマッピング方法について説明する。
図3は、実施の形態1に係る照明器具20のマッピング方法を示すフローチャートである。
図4から7は、照明器具20のマッピング時の照明制御システム100の動作を説明するシーケンス図である。
【0020】
まず
図3においてステップS1に示されるように、マッピングモードへの設定を行う。
図4は、実施の形態1に係る照明器具20をマッピングモードに設定するシーケンスを示す図である。まず、ユーザは端末装置10の操作部13において、マッピングモード設定操作を行う(ステップS10)。これにより、通信部14からモード設定信号が照明器具20a~20nに無線送信される(ステップS11)。モード設定信号を受信した照明器具20は、自身の制御モードをマッピングモード等の受信したモードに変更する(ステップS12)。照明器具20は、光源26の点灯状態を変化させ(ステップS13)、モードを変更したことをユーザに通知する。
図4に示されるように、モード設定信号は複数の照明器具20a~20nに順番に送信されても良く、一斉に送信されても良い。
【0021】
次に、
図3においてステップS2~S4に示されるように、受信強度の測定を行い、受信強度に応じて表示部12にアイコンを表示する。
図5は、実施の形態1に係る複数のアイコン30a~30nを受信強度に応じた配置で表示するシーケンスを示す図である。まず、測定位置を選択する(ステップS40)。
図8は、実施の形態1に係る受信強度の測定位置の例を示す図である。
図8には測定位置として、第1位置1a~第4位置1dが示されている。ここでは、測定位置として第1位置1aが選択されたとする。ユーザは第1位置1aに移動する。
【0022】
ユーザは、端末装置10において測定位置を選択後、測定開始操作を行う(ステップS41)。これにより、端末装置10から複数の照明器具20に特定のデータが無線送信される。
図5の例では、特定のデータとして、ユニークアドレス取得信号が照明器具20a~20nに無線送信される(ステップS42)。ユニークアドレス取得信号を受信した照明器具20a~20nは、自身のユニークアドレスを無線送信する(ステップS43a~S43n)。また、ユニークアドレス取得指令を受信した照明器具20a~20nは、点灯状態を変化させてデータの受信をユーザに通知しても良い。このとき照明器具20は、例えば光源26を点灯させる。
【0023】
端末装置10の通信部14は、複数の照明器具20から送信された、ユニークアドレスを含む無線信号の受信強度を測定する(ステップS44)。次に端末装置10は、受信強度順に複数の照明器具20のユニークアドレスを並び替え、表示部12に表示されたマップ上で、測定位置である第1位置1a付近にユニークアドレスを含む照明器具20のアイコン30a~30nを表示する。このとき端末装置10の制御部11は、複数の照明器具20に対応する複数のアイコン30a~30nを、測定した受信強度に応じた配置で表示部12に表示する(ステップS45)。
【0024】
図9は、実施の形態1に係る複数のアイコン30a~30nを受信強度に応じた配置で表示した状態を示す図である。アイコン30a~30nはそれぞれ照明器具20a~20nに対応している。また各アイコンの下には対応する照明器具20のユニークアドレスが表示されている。端末装置10は受信強度を測定すると、複数のアイコン30を、例えば受信強度が強いほどマップ上の受信強度の測定位置から近い位置に表示する。端末装置10は、受信強度が強い照明器具20ほど第1位置1aに近接しているとみなすことができる。なお、マップ上でのアイコン30a~30nと第1位置1aの距離の大小は、厳密に受信強度順である必要はない。端末装置10は、アイコン30a~30nを受信強度に応じた配置で、第1位置1a付近に大まかに表示すれば良い。
【0025】
なお、
図3に示されるように、端末装置10は未表示のユニークアドレスの受信があった場合(ステップS3のYES)、受信強度に応じたアイコンの配置を更新する(ステップS4)。未表示のユニークアドレスの受信が無くなった場合、端末装置10は次のステップS5に進む。
【0026】
次に、
図3においてステップS5に示されるように、ユーザはマッピング対象の照明器具20を選択する。具体的には、ユーザは、受信強度に応じた配置で端末装置10の表示部12に表示された、複数の照明器具20に対応する複数のアイコン30a~30nから1つを選択する。ここでは、例えばマッピング対象の照明器具20として照明器具20eが選択されたとする。
図10は、実施の形態1に係るマッピング対象の照明器具20eのアイコン30eを選択している状態を示す図である。ユーザは、表示部12に表示されたマップ上で複数の照明器具20を適切な位置にマッピングする為に、複数の照明器具20から位置の修正が必要な照明器具20eを選択する。
【0027】
図6は、実施の形態1に係るマッピング対象の照明器具20eを選択した後のシーケンスを示す図である。端末装置10の制御部11は、ユーザがマッピング対象の照明器具20eを選択すると(ステップS50)、複数のアイコン30a~30nのうちユーザに選択されたアイコン30eに対応する照明器具20eに無線信号を送信する。この無線信号には、選択した照明器具20eのユニークアドレスが含まれる(ステップS51)。
【0028】
無線信号を受信した照明器具20a~20nは、自身のユニークアドレスと受信したユニークアドレスを比較する(ステップS52)。受信したユニークアドレスが自身のユニークアドレスと一致した照明器具20eは、光源26の点灯状態を変化させ、ユーザに通知を行う(ステップS53)。端末装置10の制御部11は、無線信号を送信して照明器具20eを例えば点滅させる。
図11は、実施の形態1に係るマッピング対象の照明器具20eの点灯状態が変化した状態を示す図である。
【0029】
次に、
図3においてステップS6に示されるように、マッピング対象の照明器具20eのレイアウト位置を決定する。
図7は、実施の形態1に係るマッピング対象の照明器具20eのレイアウト位置を設定するシーケンスを示す図である。ユーザは、マッピング対象の照明器具20eのアイコン30eを例えばドラッグアンドドロップし、適切な位置に移動させる(ステップS60)。端末装置10は、表示部12に表示されたマップ上での選択されたアイコン30eの位置が、ユーザの操作により設定可能に構成されている。
【0030】
図12は、実施の形態1に係るマッピング対象の照明器具20eのアイコン30eの位置を設定している状態を示す図である。この際ユーザは、点灯状態が変化した照明器具20eの位置を参照して、表示部12に表示されたマップ上で、矢印60に示されるようにアイコン30eの位置を設定することができる。
【0031】
これにより、照明器具20eのレイアウト位置が決定される(ステップS61)。
図13は、実施の形態1に係る1つの照明器具20eのマッピングが完了した状態を示す図である。レイアウト位置が確定すると照明器具20eに対応するアイコン30eの表示が変化する。また、マッピングが完了した照明器具20eのユニークアドレスが、マッピング完了信号として照明器具20a~20nに無線送信される(ステップS62)。
【0032】
マッピング完了信号を受信した照明器具20a~20nは、受信したユニークアドレスと自身のユニークアドレスを比較する(ステップS63)。受信したユニークアドレスが自身のユニークアドレスと一致した照明器具20eは、マッピングが完了したと判別し、光源26の点灯状態を変化させ、ユーザに通知する(ステップS64)。このとき、照明器具20eの点灯状態は、例えば点滅から消灯に変化する。これにより、マッピングが完了した照明器具20eをユーザは目視で確認できる。以上から照明器具20eのマッピングが完了する(ステップS7)。
【0033】
図14は、実施の形態1の変形例に係る複数のアイコン30a~30nを受信強度に応じた配置で表示した状態を示す図である。端末装置10は、受信強度を測定すると(ステップS44)、複数のアイコン30a~30nを、受信強度が強い順に並べて表示しても良い。例えば
図14に示されるように、複数のアイコン30a~30nをリスト70として並べて表示しても良い。
図15は、実施の形態1の変形例に係るマッピング対象の照明器具20eのアイコン30eの位置を設定している状態を示す図である。変形例において矢印61に示されるように、アイコン30eはリスト70からマップ上の適切な位置にドラッグアンドドロップされる。
【0034】
照明器具20eのマッピング完了後、マッピング対象の照明器具20として照明器具20e以外の照明器具20を選択して、ステップS50~S53、S60~S64を繰り返すことで、他の照明器具20についてもマッピングを行うことができる。
図16は、実施の形態1に係る2つの照明器具20e、20fのマッピングが完了した状態を示す図である。
【0035】
第1位置1aから離れている照明器具20はマッピング操作が困難となる可能性がある。この場合、別の測定位置で再度マッピング操作を行っても良い。ユーザは、第1位置1aで受信強度を測定してアイコン30e、30fの位置を設定した後に、例えば第2位置1bで受信強度を測定する。これにより、複数のアイコン30a~30nが、第2位置1bで測定された受信強度に応じた配置で端末装置10の表示部12に表示される。
【0036】
図17は、実施の形態1に係る複数のアイコン30a~30nを、第2位置1bで測定した受信強度に応じた配置で表示した状態を示す図である。ユーザは、複数の照明器具20に対応する複数のアイコン30a~30nから、例えばアイコン30aを選択し、選択したアイコン30aに対応する照明器具20aに、端末装置10から無線信号を送信して照明器具20aの点灯状態を変化させる。ユーザは、点灯状態が変化した照明器具20aの位置に応じて、表示部12に表示されたマップ上で、アイコン30aの位置を設定する。
【0037】
なお、端末装置10は、マップ上でのアイコン30e、30fの位置が設定された後に、再度、受信強度を測定すると、複数のアイコン30a~30nのうちアイコン30e、30f以外のアイコンを、受信強度に応じた配置で表示部12に表示する。この際、既にレイアウト位置が設定されているアイコン30e、30fのマップ上での位置は、再度、受信強度が測定されても固定される。これにより、第1位置1aでのマッピングでマッピングが完了している照明器具20e、20fのアイコン30e、30fは、第2位置1bで受信強度を再測定した場合でも変更されない。
【0038】
以上で説明したように本実施の形態では、複数の照明器具20から送信された無線信号の受信強度に応じた配置で、端末装置10の表示部12に複数の照明器具20に対応する複数のアイコン30a~30nが配置される。ユーザは、表示された複数のアイコン30a~30nからマッピング対象の照明器具20のアイコンを選択することで、マッピング対象の照明器具20の点灯状態を変化させることができる。ユーザは、点灯状態が変化した照明器具20の位置に応じて、表示部12に表示されたマップ上で、選択されたアイコンの位置を設定できる。従って、照明器具20のマッピングを容易に実施できる。
【0039】
本実施の形態によれば、ユーザが各照明器具20の下に移動しなくても、測定位置に近い照明器具20をマッピングできる。従って、マッピング操作にかかる手間を低減できる。また、受信強度に応じた配置で複数のアイコン30a~30nが表示されるため、ユーザは測定位置に近い照明器具20を把握して、測定位置に近い照明器具20のマッピングを行うことができる。従って、効率的なマッピングが可能となる。
【0040】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いても良い。
【0041】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
複数の照明器具と、
表示部を有する端末装置と、
を備え、
前記端末装置は、前記複数の照明器具から送信された第1無線信号の受信強度を測定し、前記複数の照明器具に対応する複数のアイコンを、前記受信強度に応じた配置で前記表示部に表示し、前記複数のアイコンのうちユーザに選択されたアイコンに対応する照明器具に第2無線信号を送信して前記照明器具の点灯状態を変化させ、前記表示部に表示されたマップ上での前記選択されたアイコンの位置が、ユーザの操作により設定可能に構成されていることを特徴とする照明制御システム。
(付記2)
前記端末装置は、前記受信強度を測定すると、前記複数のアイコンを、前記受信強度が強いほど前記マップ上の前記受信強度の測定位置から近い位置に表示することを特徴とする付記1に記載の照明制御システム。
(付記3)
前記端末装置は、前記受信強度を測定すると、前記複数のアイコンを、前記受信強度が強い順に並べて表示することを特徴とする付記1に記載の照明制御システム。
(付記4)
前記端末装置は、前記第2無線信号を送信して前記照明器具を点滅させることを特徴とする付記1から3の何れか1項に記載の照明制御システム。
(付記5)
前記端末装置は、前記マップ上での前記選択されたアイコンの位置が設定された後に、再度、前記受信強度を測定すると、前記位置が設定されたアイコンの前記マップ上での位置は固定し、前記複数のアイコンのうち前記位置が設定されたアイコン以外のアイコンを、前記受信強度に応じた配置で前記表示部に表示することを特徴とする付記1から4の何れか1項に記載の照明制御システム。
(付記6)
ユーザの操作を受け付ける表示部と、
複数の照明器具と通信し、前記複数の照明器具から送信された第1無線信号の受信強度を測定する通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記複数の照明器具に対応する複数のアイコンを、前記受信強度に応じた配置で前記表示部に表示し、前記複数のアイコンのうち、ユーザに選択されたアイコンに対応する照明器具に前記通信部から第2無線信号を送信して前記照明器具の点灯状態を変化させ、
前記表示部に表示されたマップ上での前記選択されたアイコンの位置が、ユーザの操作により設定可能に構成されていることを特徴とする端末装置。
(付記7)
端末装置によって、複数の照明器具から送信された第1無線信号の受信強度を測定し、
前記受信強度に応じた配置で前記端末装置の表示部に表示された、前記複数の照明器具に対応する複数のアイコンから第1アイコンを選択し、
選択した前記第1アイコンに対応する第1照明器具に、前記端末装置から第2無線信号を送信して前記第1照明器具の点灯状態を変化させ、
前記点灯状態が変化した前記第1照明器具の位置に応じて、前記表示部に表示されたマップ上で、前記第1アイコンの位置を設定することを特徴とする照明器具のマッピング方法。
(付記8)
第1位置で前記受信強度を測定して前記第1アイコンの位置を設定した後に、第2位置で前記受信強度を測定し、
前記第2位置で測定された前記受信強度に応じた配置で前記表示部に表示された、前記複数の照明器具に対応する複数のアイコンから第2アイコンを選択し、
選択した前記第2アイコンに対応する第2照明器具に、前記端末装置から第2無線信号を送信して前記第2照明器具の点灯状態を変化させ、
前記点灯状態が変化した前記第2照明器具の位置に応じて、前記表示部に表示されたマップ上で、前記第2アイコンの位置を設定することを特徴とする付記7に記載の照明器具のマッピング方法。
【符号の説明】
【0042】
1a~1d 第1~第4位置、10 端末装置、11 制御部、12 表示部、13 操作部、14 通信部、15 記憶部、20、20a~20n 照明器具、22 制御部、22a 通信部、22b 照明制御部、22c 記憶部、24 LED電源部、26 光源、30、30a~30n アイコン、70 リスト、100 照明制御システム