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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036015
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】包装機械の搬送装置および搬送方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20240308BHJP
   B65B 5/06 20060101ALI20240308BHJP
   B65G 43/04 20060101ALI20240308BHJP
   B65G 43/06 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
B65B57/00 A
B65B5/06
B65G43/04
B65G43/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140704
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】上田 達也
(72)【発明者】
【氏名】土居川 範幸
(72)【発明者】
【氏名】長松 純一
【テーマコード(参考)】
3E003
3F027
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB02
3E003BA03
3E003BB04
3E003BC06
3E003BD05
3E003CA06
3E003CB05
3E003CB06
3E003DA02
3F027AA04
3F027CA01
3F027DA24
3F027DA36
3F027EA01
3F027FA02
(57)【要約】
【課題】包装用搬送装置のチェーン等の局所的な又は全体的な伸びや、包装処理に影響を与える部材の位置ずれ等を出来る限り実態に即して把握することを実現して生産性向上に繋げること。
【解決手段】包装機械に備えられ、所定の搬送路を対象が搬送される搬送装置は、搬送路に沿って配置されるとともに原動車および従動車に巻き掛けられ、一周が所定長の複数の搬送単位に区分される無端索体と、所定位置で搬送単位を逐次に検知する逐次検知部と、搬送単位のうち特定可能に構成される一つを原点単位として検知する原点検知部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装機械に備えられ、所定の搬送路を対象が搬送される搬送装置であって、
前記搬送路に沿って配置されるとともに原動車および従動車に巻き掛けられ、一周が所定長の複数の搬送単位に区分される無端索体と、
所定位置で前記搬送単位を逐次に検知する逐次検知部と、
前記搬送単位のうち特定可能に構成される一つを原点単位として検知する原点検知部と、を備える、包装機械の搬送装置。
【請求項2】
前記逐次検知部および前記原点検知部により前記原点単位を基準として前記搬送単位毎に得られる逐次検知信号と、所定の基準信号源から逐次に出力される基準信号との位相のずれ量を取得可能に構成される制御部と、を備える、
請求項1に記載の包装機械の搬送装置。
【請求項3】
前記搬送単位のそれぞれに含まれ、前記無端索体に設けられて前記対象を搬送可能に構成される搬送部を備え、
前記逐次検知部は、逐次に前記搬送部を検知し、
前記原点検知部は、前記搬送部のうち特定可能な一つを前記原点単位として検知する、
請求項1に記載の包装機械の搬送装置。
【請求項4】
前記無端索体としての基準索体と、
前記基準索体に対して平行に配置される前記無端索体としての反基準索体と、
前記基準索体に設けられる前記搬送部として、前記対象を前記搬送路の上流側から押す基準搬送部と、
前記反基準索体に設けられる前記搬送部として、前記対象を前記搬送路の下流側から位置決めする反基準搬送部と、
前記基準搬送部を逐次に検知する前記逐次検知部としての基準逐次検知部と、
前記反基準搬送部を逐次に検知する前記逐次検知部としての反基準逐次検知部と、
前記基準搬送部の全数および前記反基準搬送部の全数のうち特定可能に構成される一つを前記原点単位として検知する前記原点検知部と、を備える、
請求項3に記載の包装機械の搬送装置。
【請求項5】
前記搬送単位は、同一の包装材により包装される前記対象の集合体に対応している、
請求項1に記載の包装機械の搬送装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送装置に相当し、包装材により包装される前記対象としての物品を搬送する第1搬送装置と、
請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送装置に相当し、前記対象としての前記包装材を搬送する第2搬送装置と、
前記第1搬送装置により搬送される前記物品を前記第2搬送装置により搬送される前記包装に向けて移動させる移動部材と、を備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載の包装機械の搬送装置。
【請求項7】
前記第1搬送装置および前記第2搬送装置の少なくとも一方の前記逐次検知部は、前記包装材による前記物品の包装処理の開始時に対応する前記所定位置で、前記搬送単位を逐次に検知する、
請求項6に記載の包装機械の搬送装置。
【請求項8】
前記第1搬送装置の前記無端索体と前記第2搬送装置の前記無端索体とは、互いに平行に配置され、
前記第1搬送装置は、
前記物品が搬送される搬送方向に対して直交する移動方向に延び、前記物品を前記搬送方向に搬送しつつ前記包装に向けて前記移動方向に案内する搬送部としてのガイドと、
前記ガイドに沿って前記物品を前記包装の位置まで前記移動方向に移動させる前記移動部材と、を備える、
請求項6に記載の包装機械の搬送装置。
【請求項9】
前記対象としての包装材を共に搬送する前記基準搬送部および前記反基準搬送部を備え、
前記基準搬送部および前記反基準搬送部には、平行に配置される前記基準索体と前記反基準索体とが並ぶ方向に貫通する貫通孔が形成され、
前記逐次検知部は、前記並ぶ方向に光を出射し、前記包装材が搬送される搬送方向における前記貫通孔の縁の位置で切り替わる通光および遮光の状態に基づいて、前記基準搬送部および前記反基準搬送部をそれぞれ逐次に検知する、
請求項4に記載の包装機械の搬送装置。
【請求項10】
前記並ぶ方向における前記包装材の両側を支持する一対の前記基準搬送部としての第1基準搬送部および第2基準搬送部と、
前記並ぶ方向における前記包装材の両側を支持する一対の前記反基準搬送部としての第1反基準搬送部および第2反基準搬送部と、
第1高さに光軸が設定される投光器および受光器を含む前記逐次検知部としての第1逐次検知部と、
第2高さに光軸が設定される投光器および受光器を含む前記逐次検知部としての第2逐次検知部と、を備え、
前記並ぶ方向における前記搬送路の一方側には、前記第1基準搬送部、前記第1反基準搬送部、前記第1逐次検知部の前記投光器、および前記第2逐次検知部の前記受光器が配置され、
前記並ぶ方向における前記搬送路の他方側には、前記第2基準搬送部、前記第2反基準搬送部、前記第1逐次検知部の前記受光器、および前記第2逐次検知部の前記投光器が配置され、
前記第1基準搬送部および前記第1反基準搬送部には、第1の前記貫通孔が前記第1高さに形成されるとともに、前記第2逐次検知部の受光用の貫通孔としての第1受光用孔が前記第2高さに形成され、
前記第2基準搬送部および前記第2反基準搬送部には、第2の前記貫通孔が前記第2高さに形成されるとともに、前記第1逐次検知部の受光用の貫通孔としての第2受光用孔が前記第1高さに形成される、
請求項9に記載の包装機械の搬送装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記逐次検知信号を前記基準信号と照合し、前記逐次検知信号と前記基準信号との位相のずれ量に基づき位相ずれが発生しているか否かを判定した結果から、
前記位相ずれが発生している場合は、前記ずれ量を解消させる制御、および、メンテナンスに関する情報の報知の少なくとも一方を行う、
請求項2に記載の包装機械の搬送装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記逐次検知信号と前記基準信号との照合を繰り返し行い、
前記位相ずれが、前記基準信号に対して一定の前記ずれ量だけオフセットしているか否か、
前記位相ずれが、複数の前記搬送単位に亘り積算されているか否か、および、
前記位相ずれが、一部の前記搬送単位についてのみ発生しているか否かについて、前記位相ずれの種類を判別し、
前記位相ずれが発生している場合は、前記位相ずれの種類に応じて前記ずれ量を解消させる制御が可能に構成されている、
請求項11に記載の包装機械の搬送装置。
【請求項13】
前記搬送単位のそれぞれに含まれ、前記無端索体に設けられて前記対象を搬送可能に構成される搬送部を備え、
前記原点検知部は、前記搬送部のうち特定可能な一つを前記原点単位として検知し、
前記無端索体としての基準索体と、
前記基準索体に対して平行に配置される前記無端索体としての反基準索体と、
前記基準索体に設けられる前記搬送部として、前記対象を前記搬送路の上流側から押す基準搬送部と、
前記反基準索体に設けられる前記搬送部として、前記対象を前記搬送路の下流側から位置決めする反基準搬送部と、
所定位置で前記基準搬送部を逐次に検知する前記逐次検知部としての基準逐次検知部と、
所定位置で前記反基準搬送部を逐次に検知する前記逐次検知部としての反基準逐次検知部と、
前記基準搬送部の全数および前記反基準搬送部の全数のうち特定可能に構成される一つを前記原点単位として検知する前記原点検知部と、を備え、
前記制御部は、
前記基準索体および前記反基準索体のいずれについても、前記逐次検知信号と、同一の前記基準信号源から出力される前記基準信号との位相の前記ずれ量に基づき位相ずれが発生しているか否かを判定し、判定結果から、
前記位相ずれが発生している場合は、前記基準搬送部と前記反基準搬送部とが同期するように前記ずれ量を解消させる制御が可能に構成されている、
請求項11または12に記載の包装機械の搬送装置。
【請求項14】
請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送装置に相当し、包装材により包装される前記対象としての物品を搬送する第1搬送装置と、
請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送装置に相当し、前記対象としての前記包装材を搬送する第2搬送装置と、を備え、
前記制御部は、
前記第1搬送装置および前記第2搬送装置のいずれについても、前記逐次検知信号と、同一の前記基準信号源から出力される前記基準信号との位相の前記ずれ量に基づき位相ずれが発生しているか否かを判定し、判定結果から、
前記位相ずれが発生している場合は、前記第1搬送装置と前記第2搬送装置とが同期するように前記ずれ量を解消させる制御が可能に構成されている、
請求項11に記載の包装機械の搬送装置。
【請求項15】
包装機械に備えられ、所定の搬送路を対象が搬送される搬送装置の駆動系の状態変化を取得して前記駆動系の制御に用いる搬送方法であって、
前記搬送装置は、
前記搬送路に沿って配置されるとともに原動車および従動車に巻き掛けられ、一周が所定長の複数の搬送単位に区分される無端索体を備え、
前記搬送方法は、
所定位置で前記搬送単位を逐次に検知することにより、前記搬送単位の一つである原点単位を基準とする逐次検知信号を前記搬送単位毎に発生させることで、前記逐次検知信号と、所定の信号源から出力される基準信号との位相のずれを取得する、包装機械の搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包装を扱う包装機械の搬送装置、および包装機械の搬送装置を用いる搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば飲料製品を箱詰めするために、複数のコンベヤ装置を備えた搬送手段が使用される(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の搬送手段は、直列に配置されて、缶集合体の搬入、箱詰め、および排出にそれぞれ対応するコンベヤと、包装箱を供給するコンベヤとを備える。各コンベヤは、ベルトまたはチェーンに相当する無端索体が原動車および従動車に巻き掛けられてなる。これらのコンベヤのいずれも、駆動モータから伝達される回転力により駆動されることで、一定の速度で各々の位相を保ちつつ駆動される。所定本数の缶からなる缶集合体は、コンベヤ上に立てて所定ピッチで配置され、上方から供給される包装箱の内側に収容される。
【0003】
特許文献1に記載の搬送手段は、コンベヤの瞬時停止時の衝撃負荷等により発生するコンベヤ間の位相ずれ等のタイミング変動を検出するために、エンコーダにより駆動モータの駆動軸の回転を基準パルス信号として検出すると共に、各コンベヤの搬送部材に設けられた検出部をそれぞれエンコーダにより検出パルス信号として検出する検出手段と、基準パルス信号と各コンベヤの検出パルス信号とからコンベヤ間のタイミング変動の発生の有無を判断する判断手段とを具備する。
コンベヤ間に位相ずれが発生したことがアラーム等により報知されると、オペレータは、スプロケットに設けられている位相調整機構を用いてコンベヤ間における位相を調整した後、初期調整として基準パルス数をコンベヤ毎にコントローラに記憶させる。
特許文献1においては、初期状態に対する検出パルスの時間変動に基づき、チェーンやベルトの伸びの発生有無も判断されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-119824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の位相のずれや伸びの検知方法には、例えば、以下の点において改善の余地がある。特許文献1に記載の搬送手段は、衝撃負荷が搬送部材に作用する場合を考慮し、搬送部材の特定の位置に設けられる検出部をエンコーダにより検出することで、コンベヤ間の位相のずれの有無を判断している。しかしながら、衝撃荷重は、搬送部材の検出部の位置に必ずしも影響を与えるとは限らない。検出部の位置が基準コンベヤの検出パルスに対して初期状態から変化していないとしても、搬送部材の他の部分に衝撃負荷が作用したことにより、包装箱と缶集合体との相対位置に影響が出て包装箱に缶集合体を適切に収容できない場合があり得る。
また、ベルトやチェーンは必ずしも全周に亘り均一に伸びるとは限らず、周上の一部だけが局所的な負荷により伸びる場合もある。特許文献1に記載の搬送手段は、ベルトやチェーン等の全体的な伸びを検知する。しかし、全周で見ると伸び発生の判断に用いられる閾値を超えていないとしても、周上の一部の領域に限ると単位長さあたりの伸び量が大きいことで、包装箱に缶集合体を適切に収容できない場合があり得る。
【0006】
以上からすれば、必ずしも、包装処理の不具合発生に先立ち、位相のずれやチェーンの伸びが発生したことを警報等により報知することができない。閾値を低く設定しすぎると誤検知が発生し易い。位相ずれや伸びが進展して変動量が閾値を超えると、速やかに運転を停止させて位相調整を行う必要があるから、予定外の操業停止により生産性が低下してしまう。
【0007】
本開示は、包装用搬送装置のチェーン等の局所的な又は全体的な伸びや、包装処理に影響を与える部材の位置ずれ等を出来る限り実態に即して把握することを実現して生産性向上に繋げることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、包装機械に備えられ、所定の搬送路を対象が搬送される搬送装置であって、搬送路に沿って配置されるとともに原動車および従動車に巻き掛けられ、一周が所定長の複数の搬送単位に区分される無端索体と、所定位置で搬送単位を逐次に検知する逐次検知部と、搬送単位のうち特定可能に構成される一つを原点単位として検知する原点検知部と、を備える。
【0009】
また、本開示は、包装機械に備えられ、所定の搬送路を対象が搬送される搬送装置の駆動系の状態変化を取得して駆動系の制御に用いる搬送方法であって、搬送装置は、搬送路に沿って配置されるとともに原動車および従動車に巻き掛けられ、一周が所定長の複数の搬送単位に区分される無端索体を備え、搬送方法は、所定位置で搬送単位を逐次に検知することにより、搬送単位の一つである原点単位を基準とする逐次検知信号を搬送単位毎に発生させることで、逐次検知信号と、所定の信号源から出力される基準信号との位相のずれを取得する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、無端索体の搬送単位が逐次に検知されることを通じて、搬送単位の個別の状態変化を含む駆動系の状態変化を監視することができる。そのため、特定の部品だけの位置ずれや、無端索体の局所的な伸びを含めて種々の要因によって生じる位相ずれを無端索体の全体に亘り、定量的にかつ早期に把握することが可能となる。
したがって、包装処理に不具合が生じるよりも前に警告を発生させて、突発的な稼働停止を避けることができ、不具合の予防措置として部品の交換や無端索体の調整を計画的に実施することが可能となるから、稼働率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態に係る包装ラインの一部を模式的に示す平面図である。充填搬送装置およびケース搬送装置が示されている。
図2】チェーンに設定されている搬送単位を示す模式図である。
図3】位相ずれの要因について説明するため、搬送装置の駆動系の構成要素を示す模式図である。
図4】充填搬送装置に設けられる検知部を説明するための平面図である。
図5】搬送装置の複数の駆動系の位相を示す模式図である。各チェーンに取り付けられた部材の逐次検知信号と、基準パルス信号とが示されている。
図6】ケース搬送装置に設けられる検知部を説明するための側面図である。
図7】(a)および(b)は、ケース搬送装置に設けられる検知部を説明するための平面図である。
図8】位相ずれの事象と、事象毎に行われる措置を示すフロー図である。
図9図8に続くフロー図である。
図10】正常動作時の駆動系の位相を示す模式図である。
図11】オフセットした時の駆動系の位相を示す模式図である。
図12】チェーンが伸びた時の駆動系の位相を示す模式図である。
図13】一つの部品の位置のみがずれた時の駆動系の位相を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、一実施形態について説明する。
〔全体構成〕
図1に一部が示される包装ラインLは、製品としての物品2をケース3に箱詰めすることで包装する。物品2は、例えば、飲料液が入った缶やボトル等の容器である。物品2は、例えば6個の単位で周囲に紙が巻かれていてもよい。ケース3は、例えば、段ボール製であり、平坦なシートから箱状に成形される。
包装ラインLは、上流uから図示しない機構により供給される物品2の集合体2Gと、上流uから供給されるケース3とをそれぞれ下流dに向けて搬送しつつ、複数の物品2からなる集合体2Gを同一のケース3の内側に移動させて充填する包装搬送システム1を備えている。集合体2Gは、例えば24個の物品2からなる。
【0013】
包装搬送システム1は、集合体2Gを搬送しながらケース3に向けて移動させる充填搬送装置10(第1搬送装置)と、ケース3を搬送しながら成形し、途中まで成形された状態のケース3の内側に集合体2Gを受け入れるケース搬送装置20と、各装置10,20の位相制御等に用いられるパルスコントローラ50および制御装置60とを備えている。
集合体2Gは、充填搬送装置10に設定される搬送路R1を搬送方向xに搬送される。ケース3は、ケース搬送装置20に設定される搬送路R2を搬送方向xに搬送される。
搬送路R1と、搬送路R2とは互いに平行に配置されている。集合体2Gをケース3に向けて移動させる充填方向yは、搬送方向xに対して直交している。
【0014】
〔充填搬送装置の構成および作用〕
充填搬送装置10は、図1に示すように、基準チェーン11に所定ピッチpで取り付けられて充填方向yに延びている基準ステー11Aと、反基準チェーン12に同じピッチpで取り付けられて充填方向yに延びている反基準ステー12Aとの間に集合体2Gを位置決めしつつ下流dに向けて搬送する。基準ステー11Aは、上流u側から集合体2Gを押して搬送方向xに移動させる。反基準ステー12Aは、下流d側から集合体2Gを位置決めする。
ステー11A,12Aのそれぞれのピッチpは、搬送方向xにおける集合体2Gの長さに対応している。なお、ステー11A,12Aは、例えば樹脂材料から形成することができる。
【0015】
集合体2Gは、図示しないプレート等の表面である搬送面上に立てた姿勢で搬送され、搬送路R1を搬送される間に移動部材13により押されてケース3に向けて移動する。ステー11A,12Aは、集合体2Gを搬送方向xに搬送しつつ、ケース3に向けて充填方向yに案内するガイドに相当する。
【0016】
基準ステー11Aは、基準チェーン11の全周に亘り等ピッチpで取り付けられている。ピッチpは、後述する位相制御に用いられる概念である搬送単位Uの長さに相当する。基準チェーン11は、図2に模式的に示すように、一周がピッチp相応の長さで複数の搬送単位Uに区分されている。反基準チェーン12も同様である。搬送単位Uの長さ(または角度)と、搬送単位Uの数は、制御装置60の記憶部等に記憶されている。
【0017】
充填搬送装置10は、基準ステー11Aの両端を支持する一対の基準チェーン11(11-1,11-2)と、反基準ステー12Aの両端を支持する一対の反基準チェーン12(12-1,12-2)と、基準チェーン11を駆動するモータ11Mと、反基準チェーン12を駆動するモータ12Mと、集合体2Gをステー11A,12Aに沿ってケース3に向けて移動させる移動部材13と、基準ステー11Aを逐次検知する基準逐次検知部14(図4)と、特定の基準ステー11Aを原点単位Uとして検知する原点検知部15(図4)と、反基準ステー12Aを逐次検知する反基準逐次検知部16(図4)とを備えている。
また、充填搬送装置10は、チェーン11の張力調整に用いられるアクチュエータ17と、チェーン12の張力調整に用いられるアクチュエータ18とを備えていることが好ましい。
【0018】
モータ11M,12Mは、例えばサーボモータであり、位置制御や速度制御等が可能に構成されている。
【0019】
一対の基準チェーン11および一対の反基準チェーン12のいずれも、搬送路R1に対して平行に配置されている。一対の基準チェーン11は一対の反基準チェーン12の間に配置されているが、必ずしもその限りではない。
【0020】
製造する製品の変更に伴う型替作業時には、一対の基準チェーン11と一対の反基準チェーン12とをそれぞれ駆動することで、ステー11A,12A間の距離を製品の寸法に合わせて変更する。こうした型替作業を行うために、基準チェーン11と反基準チェーン12とは個別に駆動可能に構成されている。
【0021】
第1基準チェーン11-1は、原動スプロケット11Bおよび従動スプロケット11Cに巻き掛けられている。第2基準チェーン11-2も同様である。第1、第2基準チェーン11-1,11-2のそれぞれの原動スプロケット11Bは搬送路R1の下流d側に配置され、それぞれの従動スプロケット11Cは搬送路R1の上流u側に配置されている。
各原動スプロケット11Bは、充填方向yに延びる原動軸11Dにより連結され、各従動スプロケット11Cは、充填方向yに延びる従動軸11Eにより連結されている。第1、第2基準チェーン11-1,11-2は、同一のモータ11Mから原動軸11Dに出力されるトルクにより駆動される。
【0022】
第1反基準チェーン12-1は、基準チェーン11と同様に、原動スプロケット12Bおよび従動スプロケット12Cに巻き掛けられている。第2反基準チェーン12-1も同様である。第1、第2反基準チェーン12-1,12-2のそれぞれの原動スプロケット12Bは搬送路R1の上流u側に配置され、それぞれの従動スプロケット12Cは搬送路R1の下流d側に配置されている。
各原動スプロケット12Bは、充填方向yに延びる原動軸12Dにより連結され、各従動スプロケット12Cは、充填方向yに延びる従動軸12Eにより連結されている。第1、第2反基準チェーン12-1,12-2は、同一のモータ12Mから原動軸12Dに出力されるトルクにより駆動される。
図1において、原動軸12Dと、基準チェーン11が巻き掛けられている従動軸11Eとが同じ位置に示されているが、実際は、原動軸12Dと従動軸11Eとは搬送方向xに隣接して配置されている。従動軸12Eおよび原動軸11Dも同様である。
【0023】
移動部材13は、ステー11A,12A間に配置され、図示しない駆動機構により充填方向yに駆動される。この移動部材13は、集合体2Gを側方から充填方向yに押すことで、ステー11A,12Aに沿ってケース3の位置まで移動させる。
【0024】
充填搬送装置10の基準チェーン11と反基準チェーン12との間で同期が取られ、同様にケース搬送装置20の基準チェーン21と反基準チェーン22との間でも同期が取られ、かつ、装置10,20間でも同期が取られていると、集合体2Gをケース3に充填させて行う包装処理の動作の安定に繋がる。
ここで、包装搬送システム1の初期使用開始前やメンテナンス時には、チェーン11,12等にそれぞれ対応する駆動軸(例えば原動軸11D,12D)のパルスコントローラ50に対する原点合わせの作業が行われる。この作業により、パルスコントローラ50の位相と駆動軸の位相とを合わせる。そして、チェーン11,12等にそれぞれ対応する駆動系を個別にサーボモータにより同一速度で連続的に駆動することで、各駆動系の動作を同期させている。
【0025】
パルスコントローラ50は、ロータリーエンコーダを含み、例えば、ケース搬送装置20のモータ21Mのトルクが出力される原動スプロケット21Bに設けられている。パルスコントローラ50は、原動スプロケット21Bが一定速度で回転するとき、ロータリーエンコーダによる位相の検知結果に基づき、一定周期で基準パルス信号Sを出力する。この時の基準パルス信号Sの1バケット(搬送単位U)あたりのパルス数は、例えば、5000~7000である。
パルスコントローラ50は、他の駆動系の駆動軸、例えば、充填搬送装置10の原動軸11Dに設けられていてもよい。
【0026】
各駆動系をサーボモータにより同一速度で駆動することで、各駆動系の動作を同期させていても、チェーン11,12の伸び等の経年変化により、駆動系間に位相のずれが生じる。図3にチェーン11および駆動軸11F(例えば原動軸11D)を含む駆動系Dを例示し、位相のずれの要因について説明する。位相のずれは、主な要因であるチェーン11の伸びの他、例えば(2)~(6)に示す要因によっても起こりうる。
(1)チェーン11の伸び
(2)モータ11Mとカップリング11Gとの間の滑りによる位置ずれ
(3)カップリング11Gと駆動軸11Fとの間の滑りによる位置ずれ
(4)駆動軸11Fと原動スプロケット11Bとの間の滑りによる位置ずれ
(5)原動スプロケット11Bとチェーン11との間の歯飛びによる位置ずれ
(6)チェーン11と、チェーン11に取り付けられる部品であるステー11Aとの間の位置ずれ
【0027】
上記は、ケース搬送装置20のチェーン21,22のそれぞれに対応する駆動系についても同様である。
なお、(6)は、チェーン11が局所的に伸びた場合を含む。例えば、チェーン11の特定の一つの搬送単位Uだけが初期状態から伸びる場合があり得る。
【0028】
上記のように、位相ずれの要因は多岐に亘る。そのため、全ての駆動系の駆動軸の位相とパルスコントローラ50の位相とが合っているとしても、例えば上記の(6)を要因として駆動系間の位相ずれが起こりうる。
本実施形態は、種々の要因で起こりうる位相ずれによる包装不良に対処するため、駆動系の状態変化を監視して位相ずれの発生を検知するとともに、位相のずれ量を取得する。そうすることで、位相ずれを定量的に管理し、包装処理時の物品2の損傷等を予防する措置を取ることで包装ラインLを正常な状態に保全するものである。
【0029】
位相ずれの発生を検知するために充填搬送装置10に備わる基準逐次検知部14、原点検知部15、および反基準逐次検知部16について説明する。
図4に示すように、各基準ステー11Aは、基準逐次検知部14による検知対象としてのドグD1を備えている。各反基準ステー12Aは、反基準逐次検知部16による検知対象としてのドグD2を備えている。ドグD1,D2はいずれも金属製の部材である。これらのドグD1,D2は、いずれも近接センサに相当する基準逐次検知部14、原点検知部15、および反基準逐次検知部16により検知される。例えば、基準逐次検知部14は、搬送方向xに移動して基準逐次検知部14に近接したドグD1に誘導電流が流れることで、ドグD1を非接触で検知する。
【0030】
ドグD1とドグD2とを個別に検知するため、ドグD1とドグD2とは、充填方向yにおける異なる位置に配置されている。充填方向yにおける第1位置y1で各基準ステー11Aに取り付けられているドグD1は、同じく第1位置y1で図示しない支持体に設置されている基準逐次検知部14の位置を順次通過する。そのため、基準逐次検知部14は、ドグD1を逐次に検知する。
一方、充填方向yにおける第2位置y2で各反基準ステー12Aに取り付けられているドグD2は、同じく第2位置y2で図示しない支持体に設置されている反基準逐次検知部16の位置を順次通過する。反基準逐次検知部16は、ドグD2を逐次に検知する。
【0031】
基準逐次検知部14は、ケース3への集合体2Gの充填の開始時(包装処理開始時)に対応する搬送方向xの位置x1に設置される。図4には、充填開始時の直前におけるステー11A,12AおよびドグD1,D2の位置が示されている。図4および図1に示す状態からステー11Aが搬送方向xに前進してドグD1が位置x1まで移動した時、つまり集合体2Gがケース3の開口3Aに最大限に近接した充填開始時に、ドグD1は基準逐次検知部14により検知される。
反基準逐次検知部16も同様に、充填開始時に対応する搬送方向xの位置x2に設置される。位置x2は、位置x1から、ステー11Aとステー12Aとの間隔xiと同じ寸法だけ搬送方向xに離れている。図4に示す状態からドグD2が位置x2まで移動した時にドグD2は反基準逐次検知部16により検知される。
【0032】
ドグD1の一つであるドグD1だけは、他のドグD1と比べて充填方向yに長い。そのため、ドグD1の位置を基準チェーン11における原点の位置として特定可能である。ドグD1の位置は、基準チェーン11および反基準チェーン12に共通の原点の位置として用いられる。ドグD1は、充填方向yにおける基準逐次検知部14と反基準逐次検知部16との間の第3位置y3に設置されている原点検知部15により、チェーン11,12が一周する度に1回、原点単位U図2)として検知される。
原点検知部15は、基準逐次検知部14と搬送方向xの同じ位置に設けられているが、その限りではなく、基準逐次検知部14や反基準逐次検知部16の搬送方向xの位置とは異なる位置に設置されていても良い。
【0033】
上述したように、ドグD1,D2が設けられるステー11A,12Aのそれぞれのピッチpと、チェーン11等の搬送単位U(図2)の長さとは対応している。そのため、基準逐次検知部14および原点検知部15による検知結果に基づき、基準チェーン11の原点単位Uから逐次に搬送単位Uを検知することができる。同様に、反基準逐次検知部16および原点検知部15による検知結果に基づき、反基準チェーン12の原点単位Uから逐次に搬送単位Uを検知することができる。
【0034】
基準逐次検知部14および原点検知部15によりドグD1が検知されることにより、例えば図5に基準チェーン11の位相を示すように、原点単位Uを基準として搬送単位U毎に逐次検知信号Sが発生する。図5に示す基準チェーン11の逐次検知信号Sのいずれの位相も、パルスコントローラ50から逐次に出力される基準パルス信号Sの位相と一致している。このとき基準チェーン11の位相ずれは発生していない。
また、反基準逐次検知部16および原点検知部15によりドグD2が検知されることにより、反基準チェーン22についても、原点単位Uを基準として搬送単位U毎に逐次検知信号Sが発生する。反基準チェーン22の逐次検知信号Sには、基準パルス信号S0に対して位相のずれ(Δs)が発生している。
【0035】
制御装置60(図1)は、逐次検知信号Sと基準パルス信号Sとの位相のずれ量Δsを取得し、ずれ量Δsに基づき位相ずれが発生しているか否かを判定する位相ずれ判定部61と、位相ずれが発生している場合に位相ずれを解消させる制御を行うことが可能に構成されている位相補正部62と、メンテナンス情報等をモニタ画面への表示等により報知する報知部63とを備えている。
【0036】
制御装置60は、図示しないメモリ、演算部、記憶部、および入出力部等を備えたコンピュータ装置として構成されていてもよい。その場合、例えば位相ずれ判定部61や位相補正部62は、記憶部から読み出されて実行されるコンピュータプログラムのモジュールに相当する。
【0037】
〔ケース搬送装置の構成および作用〕
次に、図1を参照してケース搬送装置20を説明する。ケース搬送装置20は、基準チェーン21に全周に亘り所定ピッチpで取り付けられている基準ラグ21Aと、反基準チェーン22に全周に亘り同じピッチpで取り付けられている反基準ラグ22Aとの間にケース3を位置決めしつつ下流dに向けて搬送する。ケース3は、図示しない機構により、集合体2Gの充填処理開始時までには、底部3Bと、底部3Bから立ち上がる側壁3C,3Dとを備えた状態に成形されている。充填開始時には、充填を開始する集合体2Gを間に挟むステー11A,12Aの充填方向yへの延長線上に側壁3C,3Dが位置している。集合体2Gは、ステー11A,12Aにガイドされ、ケース3の充填搬送装置10側の開口3Aから側壁3C,3D間に充填される。充填後、側壁3Dの上部が図示しない成形機構により蓋3Eとして折り曲げられる。
【0038】
ラグ21A,22Aは、ケース3の底部3Bが配置される図示しない搬送面よりも上方に突出するようにチェーン21またはチェーン22に設けられる部材である。ラグ21A,22Aは、成形中のケース3を搬送方向xの両側から支える。また、ラグ21A,22Aは、例えば樹脂材料から形成することができる。
基準ラグ21Aは、上流u側からケース3の側壁3Cを押して搬送方向xに移動させる。反基準ラグ22Aは、下流d側から側壁3Dに対向してケース3を位置決めする。ラグ21A,22Aのピッチpは、搬送方向xにおけるケース3の長さに対応している。
【0039】
ラグ21A,22Aのピッチpは、ステー11A,12Aのピッチpと同一であり、基準チェーン21,22の搬送単位Uの長さに相当する。チェーン21,22も、図2に示すように、一周がピッチp相応の長さで複数の搬送単位Uに区分されている。
ケース搬送装置20の搬送長は、充填搬送装置10の搬送長よりも長いので、チェーン21,22の周長は、チェーン11,12の周長よりも長い。そのため、チェーン21,22に設定されている搬送単位Uの数は、チェーン11,12に設定されている搬送単位Uの数よりも多い。
【0040】
ケース搬送装置20は、それぞれ基準ラグ21Aが設けられる一対の基準チェーン21(21-1,21-2)と、それぞれ反基準ラグ22Aが設けられる一対の反基準チェーン22(22-1,22-2)と、基準チェーン21を駆動するモータ21Mと、反基準チェーン22を駆動するモータ22Mと、基準ラグ21Aを逐次検知する基準逐次検知部24と、特定の基準ラグ21Aを原点単位Uとして検知する原点検知部25と、反基準ラグ22Aを逐次検知する反基準逐次検知部26とを備えている。
また、ケース搬送装置20は、チェーン21,21-2の張力を調整するためのアクチュエータ27と、チェーン22-1,22-2の張力を調整するためのアクチュエータ28とを備えていることが好ましい。
【0041】
モータ21M,22Mは、例えばサーボモータであり、位置制御や速度制御等が可能に構成されている。
【0042】
一対の基準チェーン21および一対の反基準チェーン22のいずれも、搬送路R2に対して平行に配置され、充填方向yに並んでいる。一対の反基準チェーン22は一対の基準チェーン21の間に配置されているが、必ずしもその限りではない。
【0043】
型替作業を行うために、基準チェーン21と反基準チェーン22とは個別に駆動可能に構成されている。一対の基準チェーン21と一対の反基準チェーン22とを駆動することで、ラグ21A,22A間の搬送方向xの距離(図7(a)および(b)のd,d参照)を製品ケースの寸法に合わせて変更する。
【0044】
第1基準チェーン21-1は、原動スプロケット21Bおよび従動スプロケット21Cに巻き掛けられている。第2基準チェーン21-2も同様である。第1、第2基準チェーン21-1,21-2のそれぞれの原動スプロケット11Bは搬送路R2の下流d側に配置されている。
各原動スプロケット21Bは、充填方向yに延びる原動軸21Dにより連結され、各従動スプロケット21Cは、充填方向yに延びる従動軸21Eにより連結されている。第1、第2基準チェーン21-1,21-2は、同一のモータ21Mから原動軸21Dに出力されるトルクにより駆動される。
【0045】
第1反基準チェーン22-1は、原動スプロケット22Bおよび従動スプロケット22Cに巻き掛けられている。第2反基準チェーン22-1も同様である。第1、第2反基準チェーン22-1,22-2のそれぞれの原動スプロケット12Bは、搬送路R2の下流d側に配置され、モータ22Mに接続されている。
各原動スプロケット22Bは、原動軸22Dにより連結され、各従動スプロケット22Cは、従動軸22Eにより連結されている。第1、第2反基準チェーン22-1,22-2は、同一のモータ22Mから原動軸22Dに出力されるトルクにより駆動される。
図1において、原動軸22Dと、基準チェーン21が巻き掛けられている原動軸21Dとが同じ位置に示されているが、実際は、原動軸22Dと原動軸21Dとは搬送方向xに隣接して配置されている。従動軸22Eおよび従動軸21Eも同様である。
【0046】
位相ずれの発生を検知するためにケース搬送装置20に備わる基準逐次検知部24、原点検知部25、および反基準逐次検知部26について説明する。これらの検知部24~26は、図1に示すように、例えば搬送路R2の上流u側の端部の付近で図示しない支持体に設置されている。
【0047】
原点検知部25は、例えば、近接センサに相当する。原点検知部25は、搬送路R2の充填方向yにおける端部に設置され、第2基準チェーン21-2に取り付けられている複数の基準ラグ21Aのうちの一つだけに設けられた金属部材21Fを検知する。
原点検知部25により、チェーン21,22が一周する毎に、金属部材21Fを含む基準ラグ21Aが原点単位U図2)として検知される。
【0048】
図6図7(a)および(b)を参照して説明するように、基準ラグ21Aと反基準ラグ22Aとは、一つの光電センサ(31または32)を用いて個別に検知することが可能である。つまり、光電センサ31または32、基準逐次検知部24としても、反基準逐次検知部26としても機能する。
【0049】
図6に示すように、ラグ21A,22Aには検知用の貫通孔としての長孔35,37が上下方向zにおける異なる高さに形成されている。長孔35,37のそれぞれの高さ(h1,h2)と、光電センサ31,32の光軸A1,A2との関係は後述する。なお、長孔35,37の上下方向zの位置は、逆でもよい。
長孔35,37はいずれもラグ21A,22Aを充填方向yに貫通しており、型替えを考慮して、上下方向zの高さに比較して搬送方向xに長い。また、長孔37は、長孔35と比べて、高さおよび長さ共に大きい。長孔35の搬送方向xの中心の位置と、長孔37の搬送方向xの中心の位置とは一致している。
長孔35,37によれば、ラグ21A,22Aにケース3が隣接していてもラグ21A,22Aを確実に検知できるように、光の通路を設定することができる。
型替えが必要ない場合は、長孔35,37に代えて、光軸A1,A2上にそれぞれ配置される断面が円形の孔をラグ21A,22Aに形成することが許容される。
【0050】
第1光電センサ31は、充填方向yにおける搬送路R2の一方側(以下、左側yL)に配置されている基準ラグ21Aと反基準ラグ22Aとを検知する。
第2光電センサ32は、搬送路R2の他方側(以下、右側yR)に配置されている基準ラグ21Aと反基準ラグ22Aとを検知する。
【0051】
第1光電センサ31は、図6に示すように、第1高さh1に光軸A1が設定される投光器31Aおよび受光器31Bを備えている。投光器31Aおよび受光器31Bを結ぶ光軸A1は、充填方向yに対して平行に、水平に設定されている。投光器31Aは、搬送路R2の左側yLに配置されている。受光器31Bは、搬送路R2の右側yRに配置されている。
光軸A1と同じ高さには、第1基準ラグ21A-1の長孔35と、第1反基準ラグ22A-1の長孔35と、第2反基準ラグ22A-2の受光用長孔37と、第2基準ラグ21A-2の受光用長孔37とが位置している。
【0052】
第2光電センサ32は、第2高さh2に光軸A2が設定される投光器32Aおよび受光器32Bを備えている。光軸A1,A2のそれぞれの搬送方向xにおける位置は同一である。
第1光電センサ31の投光器31A・受光器31Bの位置とは逆に、投光器32Aは搬送路R2の右側yRに配置され、受光器32Bは、搬送路R2の左側yLに配置されている。
光軸A2と同じ高さには、第2基準ラグ21A-2の長孔35と、第2反基準ラグ22A-2の長孔35と、第1反基準ラグ22A-1の受光用長孔37と、第1基準ラグ21A-1の受光用長孔37とが位置している。
【0053】
左側yLに位置する投光器31Aと受光器32Bとは一体化され、右側yRに位置する受光器31Bと投光器32Aとは一体化されている。
【0054】
投光器31A・受光器32Bと、受光器31B・投光器32Aとの間には、左側yLから右側yRに向かう順で、第1基準チェーン21-1と、第1反基準チェーン22-1と、第2反基準チェーン22-2と、第2基準チェーン22-2とが配置されている。
【0055】
図7(a)および(b)には、チェーン21-1,22-1,22-2,21-2にそれぞれ取り付けられているラグ21A-1,22A-1,22A-2,21A-2が示されている。搬送方向xに隣接するケース3の間には、合計4つの第1基準ラグ21A-1、第1反基準ラグ22A-1、第2反基準ラグ22A-2、第2基準ラグ21A-2が配置されている。
図7(a)、つまり図7の左側は、ラグ21A,22A間の距離dが最小の場合を示し、図7(b)、つまり図7の右側は、ラグ21A,22A間の距離dが最大の場合をしている。
光電センサ31,32を用いることで、ラグ21A,22A間の距離にかかわらず、合計4つのラグ21A-1,22A-1,22A-2,21A-2をほぼ同時に検知可能である。
【0056】
搬送路R2の左側yLに位置する第1光電センサ31の投光器31Aから、光軸A1に沿って、第1基準ラグ21A-1および第1反基準ラグ22A-1に向けて光が出射される。
【0057】
第1光電センサ31の出力として、例えば図7(a)の中段に示すようなパルス波形W1を得ることができる。第1光電センサ31の光軸A1に対してラグ21A-1,22A-1は搬送方向xに移動する。投光器31Aにより左側yLから右側yRに向けて出射された光は、第1基準ラグ21A-1の第1長孔35の位置に第1反基準ラグ22A-1の第1長孔35が重なると、ラグ21A-1の長孔35およびラグ22A-1の長孔35のいずれも通過し、さらに、第2反基準ラグ22A-2の受光用長孔37と、第2基準ラグ21A-2の受光用長孔37も通過して受光器31Bに到達する。そのため、第1光電センサ31の出力は通光状態(ON)を示す。この時のパルス波形W1の立ち上がりrは、第1反基準ラグ22A-1の位置に対応している。
【0058】
なお、左側yLのラグ21A-1,22A-1の位置と、右側yRのラグ22A-2,21A-2の位置とが相対的に搬送方向xにずれているとしても、また、ラグ21A-1,22A-1の長孔35を通過した光が多少拡散するとしても、長孔35よりも受光用長孔37が大きいことにより、ラグ21A-1,22A-1の長孔35を通過した光は、受光用長孔37を通過して受光器31Bに入射する。
【0059】
その後、光軸A1の位置を第1基準ラグ21A-1の長孔35が通り過ぎると、投光器31Aから出射された光が第1基準ラグ21A-1により遮られるため、第1光電センサ31の出力は遮光状態(OFF)を示す。この時のパルス波形W1の立ち下がりfは、第1基準ラグ21A-1の位置に対応している。
つまり、第1光電センサ31は、一つのパルス波形W1の立ち上がりrと立ち下がりfとして、第1基準ラグ21A-1と、第1反基準ラグ22A-1とを逐次に検知することができる。これらのラグ21A-1,22A-1の検知は、1つのパルス波形W1に相当する時間、つまり瞬時に行われる。
【0060】
右側yRから左側yLに向けて光を出射する第2光電センサ32によっても、第1光電センサ31と同様に、搬送方向xにおける長孔35の縁35Eの位置で切り替わる通光および遮光の状態に基づいて、同様のパルス波形W2を得ることができる。このパルス波形W2の立ち上がりrは、第2反基準ラグ22A-2の位置に対応し、立ち下がりfは、第2基準ラグ21A-2の位置に対応している。
つまり、第2光電センサ32によれば、第2反基準ラグ22A-2と、第2基準ラグ21A-2とを検知することができる。
【0061】
図7(b)に示す例は、図7(a)に示す例に対し、搬送方向xにおける長孔35,37間の相対位置が変化している。図7(b)に示す例において、第1光電センサ31の出力であるパルス波形W3の立ち上がりrは、第1基準ラグ21A-1の位置に対応している。パルス波形W3の立ち下がりfは、第1反基準ラグ22A-1の位置に対応している。
また、第2光電センサ32の出力であるパルス波形W4の立ち上がりrは、第2基準ラグ21A-2の位置に対応している。パルス波形W4の立ち下がりfは、第2反基準ラグ22A-2の位置に対応している。
【0062】
第1光電センサ31および第2光電センサ32による検知結果に基づき、例えば図5に第1基準チェーン21-1、第2基準チェーン21-2、第1反基準チェーン22-1、および第2反基準チェーン22-2のそれぞれの位相を示すように、原点単位Uを基準として搬送単位U毎に逐次検知信号Sが発生する。
【0063】
第1基準チェーン21-1の位相と第2基準チェーン21-2の位相とは同一、かつ、第1反基準チェーン22-1の位相と第2反基準チェーン22-2の位相とは同一とみなすことができる。その場合は、例えば、第1基準ラグ21A-1と第1反基準ラグ22A-1とを第1光電センサ31により検知する。この例によると、第1基準チェーン21-1の逐次検知信号Sと、第1反基準チェーン22-1の逐次検知信号Sとが発生し、第2基準チェーン21-2の逐次検知信号Sと、第2反基準チェーン22-2の逐次検知信号Sとは発生ない。また、この例によると、第2光電センサ32は必要ない。
【0064】
本実施形態の透過型の光電センサ31,32に代えて、例えば距離設定型等の他の方式の光電センサを用いることも可能である。三角測距法に基づく距離設定型の光電センサは、基準となる背景までの距離と受光量とを記憶し、距離または受光量が記憶された値から変化すると対象物を検知する。距離設定型の光電センサを用いる場合は、受光用長孔37は不要となる。
【0065】
包装搬送システム1の稼働中は、充填搬送装置10の基準ステー11Aおよび反基準ステー12A、ケース搬送装置20の第1基準ラグ21A-1、第2基準ラグ21A-2、第1反基準ラグ22A-1、第2反基準ラグ22A-2をそれぞれ対応する検知部14~16,24~26(光電センサ31,32および原点検知部25)により逐次検知し、その検知結果が制御装置60により継続して監視されることが好ましい。
【0066】
〔搬送システムの位相ずれの判定および位相補正〕
図8図13を参照し、位相ずれの発生有無の判定と、位相ずれが発生した場合の措置について説明する。なお、図8および図9において二重線の枠線で囲まれた項目は、措置に該当する。また、ステップS05~S08は、図8および図9のいずれにも記載されている。
【0067】
包装搬送システム1を稼働させながら、充填搬送装置10の基準ステー11Aおよび反基準ステー12A、ケース搬送装置20の第1基準ラグ21A-1、第2基準ラグ21A-2、第1反基準ラグ22A-1、第2反基準ラグ22A-2をそれぞれ対応する検知部により逐次検知する(ステップS01)。
【0068】
例えば、図10は、基準チェーン11の一部について、基準逐次検知部14による基準ステー11Aの逐次検知結果を示し、併せて、パルスコントローラ50から発せられる基準パルス信号Sの位相を示している。各基準ラグ21Aの位置に対応している逐次検知信号Sの原点Pは、原点検知部15により原点単位Uとして検知されるドグD1の検知により特定されている。この原点Pは、基準パルス信号Sの原点Pと合わせられている。
【0069】
図示を省略するが、反基準チェーン12についても、反基準逐次検知部16による反基準ステー12Aの逐次検知結果に基づき、図10と同様の位相マップが得られる。ケース搬送装置20の第1基準チェーン21-1、第2基準チェーン21-2、第1反基準チェーン22-1、第2反基準チェーン22-2のそれぞれについても、同様である。
【0070】
図10より、例えば原点Pを先頭とする第1の搬送単位Uの逐次検知信号Sの位相と、原点Pを先頭とする第1の基準パルス信号Sの位相とを照合することができ、また、第2の搬送単位Uの逐次検知信号Sの位相と、第2の基準パルス信号Sの位相とを照合することができる。第3の搬送単位U~第nの搬送単位Uについても同様である(ステップS02)。
照合は搬送単位U毎に逐次行われるので、逐次検知信号Sの位相と基準パルス信号Sの差分としてのずれ量Δs(Δs、Δs、Δs,…,Δs)を取得することができる。
上記の照合は、取付部品(ステーやラグ)の検知が行われる全チェーン11,12,21-1,21-2,22-1,22-2について実施される。
【0071】
基準パルス信号Sの位相は、初期状態から伸びていない状態の基準チェーン11の搬送単位Uに対応する長さ(または角度)の単位毎に、0°から360°まで割り付けられている。逐次検知信号Sと基準パルス信号Sとの照合により、搬送単位Uに相当する0°から360°までの位相のずれを検知可能である。
【0072】
位相ずれ判定部61は、全チェーン11,12,21-1,21-2,22-1,22-2について、逐次検知信号Sの位相と基準パルス信号Sの位相とから位相のずれ量Δsを逐次に取得し、チェーン毎に、ずれ量Δsに基づき位相ずれが発生しているか否かを判定する。図5に示す例で言うと、位相ずれ判定部61は、反基準チェーン12の位相と基準パルス信号Sとのずれ量Δsが所定の閾値以上であるため、反基準チェーン12については位相ずれが発生したと判定し(ステップS04)、他のチェーン11,21-1,21-2,22-1,22-2については、位相ずれは発生していないと判定する(ステップS03)。
位相ずれが発生していないチェーン11,21-1,21-2,22-1,22-2にそれぞれ対応する駆動系は正常な状態であるため、特段の措置は行われない(ステップS05)。
【0073】
位相ずれが発生している場合は(ステップS04)、位相ずれが発生しているチェーンについて、逐次検知信号Sと基準パルス信号S0との照合を複数回に亘り繰り返し行い、位相ずれの種類を判別する(ステップS06~S08)。照合を繰り返す期間は、例えば、チェーンが一周から数周する時間であってよい。
例えば以下に示すように、位相ずれの種類に応じて適切な措置をとることができる。なお、複数種類の位相ずれが複合的に生じる場合もあり、その場合は、以下に示す措置を組み合わせて実施することができる。
【0074】
オフセット:
例えば、図11に示す例では、同一チェーンに設けられている各部品(ステー、ラグ)が基準パルス信号Sに対して一定のずれ量Δsだけ同じ向きにオフセットしている(ステップS06)。図11に示す例において、部品間のピッチpは正常な状態から変化していない。
【0075】
オフセットが発生している場合は、位相補正部62により、偏差としてのずれ量Δsを解消させるフィードバック制御を行うことで、逐次検知信号Sの位相を基準パルス信号Sに合うように補正する(ステップS09)。このとき制御装置60は、対象のチェーンを駆動するモータに対して、ずれ量Δsに応じた制御量の指令を送る。
ここで、充填開始位置で充填処理の対象とされる搬送単位Uは、基準逐次検知部14および反基準逐次検知部16により充填開始位置で検知されるので、フィードバック制御により、充填開始時におけるケース3と集合体2Gとの搬送方向xの位置を合わせることができる。そのため、集合体2Gが傷ついたりケース3が潰れたりすることなく、充填処理が適切に行われる。これは、位相ずれの種類がチェーンの伸びや、特定部品の位置ずれであったとしても同様である。
【0076】
駆動系の部品の緩み等による滑りの増加等に起因し、上記の補正措置が頻回に繰り返される場合があり得る。そのため、制御装置60は、初回の上記措置後、単位時間あたりに上記措置が繰り返される回数をカウントし、実施回数が閾値を超えたならば、報知部63により要メンテナンス情報を報知する(ステップS10)。例えば、制御装置60のモニタ画面に、異常が疑われる駆動系の名称と共に、確認、調整を促す警告を表示させる。
メンテナンスが行われた後、措置の繰り返し回数をリセットすると良い。
【0077】
チェーンの伸び:
図12に示す例では、経年変化等によりチェーンが均等に伸びている。つまり、このチェーンの各搬送単位Uの長さは、初期状態における長さ(p)に搬送単位Uあたりの伸びαを加えたp+αに相当する。そのため、チェーンに設けられている各部品(ステー、ラグ)の位置を示す逐次検知信号Sの基準パルス信号Sに対する位相のずれ量Δsが、原点単位Uから離れるほどに積算されて増加している(ステップS07)。ずれ量Δsの最大の積算量が、チェーン全体としての伸び量ΔEに相当する。
ずれ量Δsの積算による伸び量ΔEを把握することで、チェーンの伸びを定量的に管理することが可能となる。
【0078】
チェーンに均等に伸びが発生している場合は、例えば伸び量ΔEに閾値Tを適用することで、自動補正により対応可能か否かを判定する(ステップS11,S12)。
伸び量ΔEが閾値以下であるため、自動補正により位相ずれを解消できる場合は(ステップS11)、位相補正部62により、他の駆動系と同期させるように、伸び量ΔEを解消させるフィードバック制御を行う(ステップS13)。このとき制御装置60は、対象のチェーンを駆動するモータに対して、伸び量ΔEに応じた制御量の指令を送り、チェーンを加速させる。加速により、各搬送単位Uの長さが短くなることで、基準パルス信号Sの位相に合うように逐次検知信号Sの位相が補正される。なお、他の駆動系と同程度に伸びが発生しており、位相が相対的にずれていないのであれば、位相の補正は必ずしも必要ない。
ステップS13の「他の駆動系」について、例えば、位相補正の対象のチェーンが基準チェーン11である場合は、他の駆動系は、反基準チェーン12に対応する駆動系や、ケース搬送装置20のチェーン21-1,21-2,22-1,22-2にそれぞれ対応する駆動系に相当する。
基準パルス信号Sに対する各駆動系の位相ずれを管理することで、充填搬送装置10とケース搬送装置20との位相ずれを解消することができる。
【0079】
チェーンの伸びは経年変化により進展する。そのため、制御装置60は、伸び量ΔEが閾値Tを超えていなくても、自動補正が可能であるうちに、要メンテナンスの情報を報知すると良い(ステップS14)。例えば、制御装置60は、伸び量ΔEが閾値Tよりも低い閾値Tを上回ると、モニタ画面に、チェーンのテンション調整を促すメッセージや、チェーンの交換時期が迫っていることの警告を表示させる。
【0080】
伸び量ΔEが閾値T以上であり、かつ、チェーンの使用限界を示す閾値T以下である場合は(ステップS12)、当該チェーンに対応するアクチュエータ(17,18,27,28)を用いてチェーンのテンション調整を行うことができる(ステップS15-1)。
伸び量ΔEが使用限界を示す閾値以上となれば、テンション調整を行わずにチェーンを交換する(ステップS15-2)。
【0081】
ステップS15-1において、制御装置60は、アクチュエータ17,18,27,28のうち調整対象のチェーンに対応するアクチュエータに対し、伸び量ΔEに応じた制御量の指令を送る。指令が送られたアクチュエータは、チェーンが巻き掛けられている従動スプロケットおよび従動軸(例えば11C,11E)の位置を原動スプロケットおよび原動軸(例えば11B,11D)から搬送方向xに離す向きに制御量だけ移動させることでチェーンの張力を増加させる。
なお、チェーンのテンション調整は、オペレータにより行うことも可能である。
【0082】
特定部品の位置ずれ:
図13に示すように、同一チェーンに設けられている部品(ステー、ラグ)のうち、一部の部品のみが正常時の位置に対してずれることが起こりうる。図13に示す例では、第3の搬送単位Uのみに位相ずれが発生していることが特定されている(ステップS08)。図13に示す例では、第3の搬送単位Uの部品の取付位置が、基準パルス信号Sに対してずれ量βだけ遅れ方向にずれている。こうした位相ずれは、製品の噛み込みや、衝撃荷重等による特定の部品のみの位置ずれ或いはチェーンの部分的な伸びによって生じうる。
【0083】
特定の部品のみに位相ずれが発生している場合は、位相補正部62により、他の駆動系と同期させるように、特定の部品の搬送単位Uを対象としてずれ量Δsを解消させるフィードバック制御を行うことができる(ステップS16)。「他の駆動系」は、ステップS13の「他の駆動系」と同様である。
図13に示す例で言えば、制御装置60は、対象のチェーンを駆動するモータに対して、例えば、第3の搬送単位Uの一つ前の第2の搬送単位Uに対応するタイミングでずれ量Δsに応じた制御量の指令を送ることで、製品のケース3への充填開始時に相当する位置(基準チェーン11であれば図4の基準逐次検知部14の位置x1)に第3の搬送単位U3が到達する時の直前に、チェーンを一時的に加速させる。図13に示す例とは異なり、特定部品の位相が基準パルス信号Sの位相に対して進んでいる場合は一時的に減速させる。加速または減速によって基準パルス信号Sの位相と逐次検知信号Sの位相とが合うと、充填開始時に搬送方向xにおけるケース3の位置と集合体2Gの位置とが合うので、集合体2Gが傷ついたりケース3が潰れたりすることなく、充填処理が適切に行われる。
【0084】
特定の部品のみに位相ずれが発生している場合は、上記の位相補正に加え、例えばモニタ画面への警告表示により、位置ずれが発生している部品を特定するとともに、部品の取付位置あるいはチェーンの部分的な伸びの確認、調整を要請することも好ましい(ステップS17)。
【0085】
以上より、各駆動系のチェーンの取付部品の位相ずれ量に基づき駆動系の状態の良否を自動的に診断し、不具合発生を予防する措置を取ることが可能な自動診断システムが提供される。
【0086】
基準パルス信号Sは、搬送単位U毎に0°から360°までカウントされてはリセットされる。そのため、例えば数周に亘り照合を繰り返しつつ位相ずれの種類を判別するステップS04とは異なり、基準パルス信号Sと逐次検知信号Sとの位相ずれが検知される都度、ずれ量Δsをフィードバックする制御を行って、位相ずれを解消させることも可能である。
【0087】
〔本実施形態による主な効果〕
本実施形態の包装搬送システム1は、チェーン11,12,21-1,21-2,22-1,22-2にそれぞれ対応する駆動系毎に、チェーンに設けられた全部品(ステー、ラグ)を検知部14~16,24~26により逐次検知することで駆動系の状態の変化を監視する。そのため、各部品の状態変化(取付位置のずれ、破損)やチェーンの伸び等の経時変化を定量的に把握、管理することが可能となる。
【0088】
包装搬送システム1は、逐次検知結果を用いて、原点P,Pを一致させた逐次検知信号Sと基準パルス信号S0との位相のずれ量Δs,Δs,Δs,…,Δsを自動的に補正する機能を有する。そのため、オペレータによる位相合わせや、チェーンのテンション調整等の作業を減らすことができる。
チェーンの伸びを定量的に把握できることから、テンション調整をアクチュエータ17,18,27,28により自動的に行う機構を採用することで、保全作業の容易化に寄与することができる。
【0089】
本実施形態によれば、チェーンに取り付けられた全部品の逐次検知信号Sと基準パルス信号Sとの位相のずれ量Δs,Δs,Δs,…,Δsを監視することができるので、各駆動系の駆動軸(11D,12D等)の位相ずれのみを監視する場合とは異なり、特定の部品だけの位置ずれや、チェーンの局所的な伸びを含めて種々の要因によって生じる位相ずれをチェーンの全体に亘り、定量的にかつ早期に把握することが可能となる。
【0090】
本実施形態とは異なり、駆動系の駆動軸の位相ずれのみを監視するのならば、チェーン全体として見れば位相のずれ量Δsが小さい、また、駆動軸の位相の検知位置においては必ずしも位相ずれが発生しないといった理由で、異常が検知されるまでに状態変化の進行を要する場合がある。その場合は、異常の検知後に速やかに装置の稼働を停止させて点検、整備を行う必要がある。上述したように位相ずれの要因には、特定部品だけの位置ずれやチェーンの局所的な伸び等も含まれるから、駆動系の駆動軸の位相検出信号は、チェーンに取り付けられている各部品の状態を必ずしも良く表してはいない。
【0091】
それに対して、本実施形態によれば、例えばチェーンの局所的な伸びや特定部品の位置ずれにより、直ちには包装処理に不具合を生じさせないが、将来的には不具合を生じさせる可能性のある位相ずれを把握できる。そのため、少なくとも、包装処理に不具合が生じるよりも前に警告を発生させて、突発的な稼働停止を避けることができ、不具合の予防措置として部品の交換やチェーンのテンション調整を計画的に実施することが可能となるから、稼働率を向上させることができる。
【0092】
上記以外にも、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
本開示における「包装材」は、工業包装、商業包装のいずれであってもよい。上記実施形態の包装材としてのケース3は工業包装に該当する。商業包装は、商品の一部に含まれる包装を言い、例えば、内箱、内袋、トレイ等を言う。
包装が施される「物品」は、飲料製品には限らず、例えば、食品、医薬品等であってもよい。
【0093】
本開示は、無端索体としてのベルトと、原動車および従動車としてのプーリとを備えた搬送装置にも適用することが可能である。
【0094】
上記実施形態では、ラグやステー等、チェーンに設けられる搬送部をチェーンの搬送単位Uとして検知するが、例えば、チェーンやベルト等の無端索体にマーキングすることにより、無端索体の搬送単位自体を検知するようにしてもよい。あるいは、無端索体により搬送される物品または包装を搬送単位として検知することもできる。
【0095】
ラグやステー等の搬送部は、必須ではない。ラグおよびステーを用いる包装処理に代えて、例えば、コンベヤの搬送面に所定ピッチで置かれて搬送されている物品に対して、箱状のケースを被せることができる。
【0096】
基準パルス信号を出力する基準信号源としては、パルスコントローラ50には限られない。図5図10等に示しているように、各駆動系は、逐次検知部による検知結果に基づき、搬送単位U毎に逐次検知信号Sを発生させている。したがって、包装搬送システム1にパルスコントローラ50が含まれていないとしても、包装搬送システム1のいずれかの駆動系が発生させる逐次検知信号Sの発生源を基準パルスの信号源として用いることができる。
【0097】
〔付記〕
以上の開示によれば、以下に記す構成が把握される。
〔1〕包装機械(1)に備えられ、所定の搬送路(R1,R2)を対象(2,3)が搬送される搬送装置(10,20)であって、
搬送路に沿って配置されるとともに原動車(11B,12B等)および従動車(11C,12C等)に巻き掛けられ、一周が所定長の複数の搬送単位Uに区分される無端索体(11,12,21,22)と、
所定位置で搬送単位Uを逐次に検知する逐次検知部(14,16,24,26)と、
搬送単位Uのうち特定可能に構成される一つを原点単位Uとして検知する原点検知部(15,25)と、を備える、包装機械の搬送装置。
【0098】
〔2〕逐次検知部(14,16,24,26)および原点検知部(15,25)により原点単位を基準として搬送単位U毎に得られる逐次検知信号Sと、所定の基準信号源(50)から逐次に出力される基準信号Sとの位相のずれ量を取得可能に構成される制御部(60)と、を備える、
〔1〕項に記載の包装機械の搬送装置。
【0099】
〔3〕搬送単位Uのそれぞれに含まれ、無端索体(11,12,21,22)に設けられて対象を搬送可能に構成される搬送部(11A,12A,21A,22A)を備え、
逐次検知部(14,16,24,26)は、逐次に搬送部(11A,12A,21A,22A)を検知し、
原点検知部(15,25)は、搬送部(11A,12A等)のうち特定可能な一つを原点単位Uとして検知する、
〔1〕または〔2〕項に記載の包装機械の搬送装置。
【0100】
〔4〕無端索体としての基準索体(11,21)と、
基準索体(11,21)に対して平行に配置される無端索体としての反基準索体(12,22)と、
基準索体(11,21)に設けられる搬送部として、対象を搬送路(R1,R2)の上流u側から押す基準搬送部(11A,21A)と、
反基準索体(12,22)に設けられる搬送部として、対象を搬送路(R1,R2)の下流d側から位置決めする反基準搬送部(12A,22A)と、
基準搬送部(11A,21A)を逐次に検知する逐次検知部としての基準逐次検知部(14.24)と、
反基準搬送部(12A,22A)を逐次に検知する逐次検知部としての反基準逐次検知部(16,26)と、
基準搬送部(11A,21A)の全数および反基準搬送部(12A,22A)の全数のうち特定可能に構成される一つを原点単位Uとして検知する原点検知部(15,25)と、を備える、
〔3〕項に記載の包装機械の搬送装置。
【0101】
〔5〕搬送単位Uは、同一の包装材(3)により包装される対象(2)の集合体(2G)に対応している、
〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載の包装機械の搬送装置。
【0102】
〔6〕〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の搬送装置に相当し、包装材(3)により包装される対象としての物品(2)を搬送する第1搬送装置(10)と、
〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の搬送装置に相当し、対象としての包装材(3)を搬送する第2搬送装置(20)と、
第1搬送装置(10)により搬送される物品(2)を第2搬送装置(20)により搬送される包装(3)に向けて移動させる移動部材(13)と、を備える、
〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の包装機械の搬送装置。
【0103】
〔7〕第1搬送装置(10)および第2搬送装置(20)の少なくとも一方の逐次検知部(14,16,24,26)は、包装材(3)による物品(2)の包装処理の開始時に対応する所定位置で、搬送単位Uを逐次に検知する、
〔6〕項に記載の包装機械の搬送装置。
【0104】
〔8〕第1搬送装置(10)の無端索体(11,12)と第2搬送装置(20)の無端索体(21,22)とは、互いに平行に配置され、
第1搬送装置(10)は、
物品(2)が搬送される搬送方向xに対して直交する移動方向(y)に延び、物品(2)を搬送方向xに搬送しつつ包装(3)に向けて移動方向に案内する搬送部としてのガイド(11A,12A)と、
ガイド(11A,12A)に沿って物品(2)を包装(3)の位置まで移動方向(y)に移動させる移動部材(13)と、を備える、
〔6〕または〔7〕項に記載の包装機械の搬送装置。
【0105】
〔9〕対象としての包装材(3)を共に搬送する基準搬送部(21A)および反基準搬送部(22A)を備え、
基準搬送部(21A)および反基準搬送部(22A)には、平行に配置される基準索体(21)と反基準索体(22)とが並ぶ方向(y)に貫通する貫通孔(35,37)が形成され、
逐次検知部(24,26,31,32)は、並ぶ方向(y)に光を出射し、包装材(3)が搬送される搬送方向xにおける貫通孔(35)の縁35Eの位置で切り替わる通光および遮光の状態に基づいて、基準搬送部(11A,21A)および反基準搬送部(12A,22A)をそれぞれ逐次に検知する、
〔4〕から〔8〕のいずれか一項に記載の包装機械の搬送装置。
【0106】
〔10〕並ぶ方向(y)における包装材(3)の両側を支持する一対の基準搬送部としての第1基準搬送部21A-1および第2基準搬送部21A-2と、
並ぶ方向(y)における包装材(3)の両側を支持する一対の反基準搬送部としての第1反基準搬送部22A-1および第2反基準搬送部22A-2と、
第1高さh1に光軸A1が設定される投光器31Aおよび受光器31Bを含む逐次検知部(24,26)としての第1逐次検知部(31)と、
第2高さh2に光軸A2が設定される投光器32Aおよび受光器32Bを含む逐次検知部(24,26)としての第2逐次検知部(32)と、を備え、
並ぶ方向(y)における搬送路R2の一方側(yL)には、第1基準搬送部21A-1、第1反基準搬送部22A-1、第1逐次検知部(31)の投光器31A、および第2逐次検知部(32)の受光器32Bが配置され、
並ぶ方向(y)における搬送路R2の他方側(yR)には、第2基準搬送部21A-2、第2反基準搬送部22A-2、第1逐次検知部(31)の受光器31B、および第2逐次検知部(32)の投光器32Aが配置され、
第1基準搬送部21A-1および第1反基準搬送部22A-1には、第1の貫通孔(35)が第1高さh1に形成されるとともに、第2逐次検知部(32)の受光用の貫通孔としての第1受光用孔(37)が第2高さh2に形成され、
第2基準搬送部21A-2および第2反基準搬送部22A-2には、第2の貫通孔(35)が第2高さh2に形成されるとともに、第1逐次検知部(31)の受光用の貫通孔としての第2受光用孔(37)が第1高さh1に形成される、
〔9〕項に記載の包装機械の搬送装置。
【0107】
〔11〕制御部(60)は、
逐次検知信号Sを基準信号Sと照合し、逐次検知信号Sと基準信号Sとの位相のずれ量Δsに基づき位相ずれが発生しているか否かを判定した結果から、
位相ずれが発生している場合は、ずれ量Δsを解消させる制御、および、メンテナンスに関する情報の報知の少なくとも一方を行う、
〔2〕から〔10〕項のいずれか一項に記載の包装機械の搬送装置。
【0108】
〔12〕制御部(60)は、
逐次検知信号Sと基準信号Sとの照合を繰り返し行い、
位相ずれが、基準信号Sに対して一定のずれ量だけオフセットしているか否か、
位相ずれが、複数の搬送単位Uに亘り積算されているか否か、および、
位相ずれが、一部の搬送単位Uについてのみ発生しているか否について、位相ずれの種類を判別し、
位相ずれが発生している場合は、位相ずれの種類に応じてずれ量Δsを解消させる制御が可能に構成されている、
〔11〕項に記載の包装機械の搬送装置。
【0109】
〔13〕搬送単位Uのそれぞれに含まれ、無端索体(11,12,21,22)に設けられて対象(2,3)を搬送可能に構成される搬送部(11A,12A,21A,22A)を備え、
原点検知部(15,25)は、搬送部のうち特定可能な一つを原点単位Uとして検知し、
無端索体としての基準索体(11,21)と、
基準索体に対して平行に配置される無端索体としての反基準索体(12,22)と、
基準索体に設けられる搬送部として、対象を搬送路(R1,R2)の上流u側から押す基準搬送部(11A,21A)と、
反基準索体に設けられる搬送部として、対象を搬送路(R1,R2)の下流d側から位置決めする反基準搬送部(12A,22A)と、
所定位置で基準搬送部を逐次に検知する逐次検知部としての基準逐次検知部(14,24)と、
所定位置で反基準搬送部を逐次に検知する逐次検知部としての反基準逐次検知部(16,26)と、
基準搬送部の全数および反基準搬送部の全数のうち特定可能に構成される一つを原点単位Uとして検知する原点検知部(15,25)と、を備え、
制御部(60)は、
基準索体(11,21)および反基準索体(12,22)のいずれについても、逐次検知信号Sと、同一の基準信号源(50)から出力される基準信号Sとの位相のずれ量Δsに基づき位相ずれが発生しているか否かを判定し、判定結果から、
位相ずれが発生している場合は、基準搬送部(11A,21A)と反基準搬送部(12A,22A)とが同期するようにずれ量を解消させる制御が可能に構成されている、
〔11〕または〔12〕項に記載の包装機械の搬送装置。
【0110】
〔14〕〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の搬送装置に相当し、包装材(3)により包装される対象としての物品(2)を搬送する第1搬送装置(10)と、
〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の搬送装置に相当し、対象としての包装材(3)を搬送する第2搬送装置(20)と、を備え、
制御部(60)は、
第1搬送装置(10)および第2搬送装置(20)のいずれについても、逐次検知信号Sと、同一の基準信号源(50)から出力される基準信号Sとの位相のずれ量に基づき位相ずれが発生しているか否かを判定し、判定結果から、
位相ずれが発生している場合は、第1搬送装置(10)と第2搬送装置(20)とが同期するようにずれ量を解消させる制御が可能に構成されている、
〔11〕から〔13〕のいずれか一項に記載の包装機械の搬送装置。
【0111】
〔15〕包装機械(1)に備えられ、所定の搬送路(R1,R2)を対象が搬送される搬送装置(10,20)の駆動系(D)の状態変化を取得して駆動系(D)の制御に用いる搬送方法であって、
搬送装置(10,20)は、搬送路(R1,R2)に沿って配置されるとともに原動車(11B,12B等)および従動車(11C,12C等)に巻き掛けられ、一周が所定長の複数の搬送単位Uに区分される無端索体(11,12,21,22)を備え、
搬送方法は、
所定位置で搬送単位Uを逐次に検知することにより、搬送単位Uの一つである原点単位Uを基準とする逐次検知信号Sを搬送単位U毎に発生させることで、逐次検知信号Sと、所定の信号源(50)から出力される基準信号Sとの位相のずれを取得する、包装機械の搬送方法。
【符号の説明】
【0112】
1 包装搬送システム(包装機械)
2 物品(対象)
2G 集合体
3 ケース(対象、包装材)
3A 開口
3B 底部
3C,3D 側壁
3E 蓋
10 充填搬送装置(第1搬送装置)
11,11-1,11-2 基準チェーン(基準無端索体)
11A 基準ステー(基準搬送部、ガイド)
11B 原動スプロケット(原動車)
11C 従動スプロケット(従動車)
11D 原動軸
11E 従動軸
11F 駆動軸
11G カップリング
11M モータ
12,12-1,12-2 反基準チェーン(反基準無端索体)
12A 反基準ステー(反基準搬送部、ガイド)
12B 原動スプロケット(原動車)
12C 従動スプロケット(従動車)
12D 原動軸
12E 従動軸
12M モータ
13 移動部材
14 基準逐次検知部
15 原点検知部
16 反基準逐次検知部
17,18,27,28 アクチュエータ
20 ケース搬送装置(第2搬送装置)
21 基準チェーン(基準無端索体)
21-1 第1基準チェーン(第1基準無端索体)
21-2 第2基準チェーン(第2基準無端索体)
21A 基準ラグ(基準搬送部)
21A-1 第1基準ラグ(第1基準搬送部)
21A-2 第2基準ラグ(第2基準搬送部)
21B 原動スプロケット(原動車)
21C 従動スプロケット(従動車)
21D 原動軸
21E 従動軸
21F 金属部材
21M モータ
22 反基準チェーン(反基準無端索体)
22-1 第1反基準チェーン(第1反基準無端索体)
22-2 第2反基準チェーン(第2反基準無端索体)
22A 反基準ラグ(反基準搬送部)
22A-1 第1反基準ラグ(第1反基準搬送部)
22A-2 第2反基準ラグ(第2反基準搬送部)
22B 原動スプロケット(原動車)
22C 従動スプロケット(従動車)
22D 原動軸
22E 従動軸
22M モータ
24 基準逐次検知部
25 原点検知部
26 反基準逐次検知部
31 光電センサ(第1逐次検知部)
31A 投光器
31B 受光器
32 光電センサ(第2逐次検知部)
32A 投光器
32B 受光器
35 長孔(第1貫通孔、第2貫通孔)
37 受光用長孔(第1受光用孔、第2受光用孔)
35E 縁
50 パルスコントローラ(基準信号源)
60 制御装置(制御部)
61 位相ずれ判定部
62 位相補正部
63 報知部
A1,A2 光軸
u 上流
d 下流
D 駆動系
,d 距離
D1,D2 ドグ
D1 ドグ
L 包装ライン
p ピッチ
P 原点
P,P 原点
R1,R2 搬送路
S 逐次検知信号
基準パルス信号(基準信号)
U 搬送単位
原点単位
搬送単位
W1,W2,W3,W4 パルス波形
x 搬送方向
x1 位置
x2 位置
y 充填方向(移動方向、並ぶ方向)
y1 位置
y2 位置
y3 位置
yL 左側
yR 右側
z 上下方向
Δs ずれ量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13