(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036031
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/08 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
D06F39/08 301B
D06F39/08 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140730
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】黒田 恵
(72)【発明者】
【氏名】松下 克則
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA04
3B166AA05
3B166AA12
3B166AB03
3B166AE02
3B166AE05
3B166BA10
3B166BA34
3B166BA52
3B166BA82
3B166BA83
3B166BA84
3B166CA02
3B166CA05
3B166CA17
3B166CB01
3B166CB11
3B166CC04
3B166DA23
3B166DA31
3B166DC03
3B166DC13
3B166DC45
3B166DC47
3B166FA01
3B166FA06
3B166FB01
3B166FB05
3B166GA02
3B166GA12
3B166HA11
3B166HA31
3B166HA53
3B166HA54
(57)【要約】
【課題】組立ての簡素化を図りつつ加圧溶解タンクをコンパクトに収納することができる洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯機は、水槽と、注水ケースと、注水ケースに隣接して設けられる加圧溶解タンクと、微細気泡発生器と、加圧溶解タンク及び微細気泡発生器を通って注水ケースを介して水槽に至る第1給水経路を開閉する第1給水弁と、加圧溶解タンク及び微細気泡発生器を通らずに注水ケースを介して水槽に至る第2給水経路を開閉する第2給水弁と、を含んで構成される給水弁機構と、を備え、加圧溶解タンクは、第1給水弁の吐出口に直接接続されるタンク側入口部を有し、注水ケースは、第2給水弁の吐出口に直接接続されるケース側入口部を有し、タンク側入口部は、給水弁機構に対して、ケース側入口部と同一側に位置している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽と、
外部の水源から供給された水を受けて水槽内に注水する注水ケースと、
前記注水ケースに隣接して設けられ、前記外部の水源から供給された水の圧力で加圧し当該水に空気成分を溶解させて吐出可能な加圧溶解タンクと、
前記加圧溶解タンクの下流側に設けられ前記加圧溶解タンクから流出した水に微細気泡を析出させる微細気泡発生器と、
前記加圧溶解タンク及び前記微細気泡発生器を通って前記注水ケースを介して前記水槽に至る第1給水経路を開閉する第1給水弁と、前記加圧溶解タンク及び前記微細気泡発生器を通らずに前記注水ケースを介して前記水槽に至る第2給水経路を開閉する第2給水弁と、を含んで構成される給水弁機構と、を備え、
前記加圧溶解タンクは、前記第1給水弁の吐出口に直接接続され、前記加圧溶解タンクの外部から内部に流入する水が通るタンク側入口部を有し、
前記注水ケースは、前記第2給水弁の吐出口に直接接続され、前記注水ケースの外部から内部に流入する水が通るケース側入口部を有し、
前記タンク側入口部は、前記給水弁機構に対して、前記ケース側入口部と同一側に位置している、
洗濯機。
【請求項2】
前記注水ケースは、前記加圧溶解タンクの外形形状に対応した形状に形成された凹部を更に有し、
前記加圧溶解タンクは、少なくともその一部を前記凹部に収容可能である、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記第1給水弁の吐出口は、前記第2給水弁の吐出口よりも上方に位置している、
請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記加圧溶解タンクは、前記注水ケースと直接接続され、前記加圧溶解タンクの内部から外部に流出する水が通るタンク側出口部を更に有し、
前記タンク側入口部は、前記タンク側出口部の上方に位置している、
請求項2に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記第1給水弁と前記加圧溶解タンクとは、互いに固定されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記加圧溶解タンクと前記注水ケースとは、互いに固定されている、
請求項5に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ファインバブルと称されるマイクロバブルやウルトラファインバブル等の微細気泡を含む微細気泡水を洗濯機に用いることで洗浄効果を向上させる技術が注目されている。従来構成では、外部の給水源からの水に空気成分を溶解させる加圧溶解装置と当該加圧溶解装置の下流側に設けられた微細気泡発生器を通して生成された微細気泡水によって洗浄効果の向上を図る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来構成では、洗濯機内部の限られたスペースにおいて加圧溶解タンクをコンパクトに収納する点については考慮されていなかった。そのため、従来構成では、洗濯機内部に加圧溶解タンクをコンパクトに収納する点について改善の余地があった。また、加圧溶解タンクと他の装置等を接続する構造は、部品点数を削減して組立ての簡素化を図ることが望ましい。
【0005】
そこで、組立ての簡素化を図りつつ加圧溶解タンクをコンパクトに収納することができる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の洗濯機は、水槽と、外部の水源から供給された水を受けて水槽内に注水する注水ケースと、前記注水ケースに隣接して設けられ、前記外部の水源から供給された水の圧力で加圧し当該水に空気成分を溶解させて吐出可能な加圧溶解タンクと、前記加圧溶解タンクの下流側に設けられ前記加圧溶解タンクから流出した水に微細気泡を析出させる微細気泡発生器と、前記加圧溶解タンク及び前記微細気泡発生器を通って前記注水ケースを介して前記水槽に至る第1給水経路を開閉する第1給水弁と、前記加圧溶解タンク及び前記微細気泡発生器を通らずに前記注水ケースを介して前記水槽に至る第2給水経路を開閉する第2給水弁と、を含んで構成される給水弁機構と、を備え、前記加圧溶解タンクは、前記第1給水弁の吐出口に直接接続され、前記加圧溶解タンクの外部から内部に流入する水が通るタンク側入口部を有し、前記注水ケースは、前記第2給水弁の吐出口に直接接続され、前記注水ケースの外部から内部に流入する水が通るケース側入口部を有し、前記タンク側入口部は、前記給水弁機構に対して、前記ケース側入口部と同一側に位置している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態による縦型洗濯機の一例を概略的に示す斜視図
【
図2】一実施形態による縦型洗濯機の一例についてバックカバーを取り外した状態を概略的に示す斜視図
【
図3】一実施形態による縦型洗濯機の一例についてバックカバーを取り外した状態を概略的に示す平面図
【
図4】一実施形態による給水装置の一例を概略的に示す斜視図
【
図5】一実施形態による給水装置の一例を後方から見た図
【
図6】一実施形態による給水装置の一例を上方から見た図
【
図7】一実施形態による外部の水源から供給される水の経路の一例を示す図
【
図8】一実施形態による給水装置の一例について加圧溶解タンクを取り外した状態を示す斜視図
【
図9】一実施形態による給水装置の一例について加圧溶解タンクを注水ケースの凹部に収容した状態を示す斜視図
【
図10】一実施形態による加圧溶解タンクの一例を
図6のX10-X10線に沿って示す断面図
【
図11】一実施形態による加圧溶解タンクの一例を
図6のX11-X11線に沿って示す断面図
【
図12】一実施形態による微細気泡発生器について、
図11のX12部分を拡大して示す図
【
図13】一実施形態による微細気泡発生器の一例を
図12のX13-X13線に沿って更に拡大して示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施形態において、構成要素等に付された第1、第2、・・・との語句は、類似した構成要素を単に区別するためのものであり、構成要素間の優劣や時間的要素を意味するものではない。
【0009】
図1に示す洗濯機10は、回転槽13の回転軸が鉛直方向を向いたいわゆる縦型洗濯機である。洗濯機は、縦型洗濯機に限らず、回転槽の回転軸が水平へ向かう横軸型又は後方へ向かって下降傾斜した斜め軸型のドラム式洗濯機であっても良い。洗濯機10は、乾燥機能を備えたものであっても良いし、備えていないものであっても良い。また、洗濯機10は、洗剤や仕上げ剤等の洗濯処理剤を自動で投入可能な処理剤自動投入装置を備えていても良い。処理剤自動投入処置は、複数回分の洗濯運転に用いる量の洗濯処理剤を貯留可能な処理剤タンクを有し、洗濯運転ごとに処理剤タンクから所定量の洗濯処理剤を自動で水槽内に投入することができる装置である。
【0010】
洗濯機10は、筐体11、水槽12、回転槽13、トップカバー14、バックカバー15、蓋16、操作パネル17、及び給水装置20を備えている。なお、
図1において、洗濯機10の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機10の下側とし、設置面と反対側つまり鉛直上側を洗濯機10の上側とする。また、洗濯機10のユーザから見て手前側つまり
図1の紙面左側を洗濯機10の前側とし、ユーザの反対側つまり
図1の紙面右側を洗濯機10の後側とする。そして、洗濯機10の上下方向及び前後方向に直交する方向を洗濯機10の左右方向とする。
【0011】
筐体11は、洗濯機10の外殻を構成している。筐体11は、例えば鋼板等によって略矩形の箱状に形成されている。水槽12及び回転槽13は、いずれも円筒形状の軸方向の一方側つまり上方側が開口し、他方側つまり下方側に底部を有する、いわゆる有底円筒状に形成されている。水槽12は、筐体11内に配置されて図示しないサスペンションによって弾性的に支持されている。回転槽13は、水槽12内に回転可能に配置されており、図示しないモータによって回転駆動される。モータは、水槽12の底部外側に設けられており、回転槽13を水槽12に対して相対的に回転駆動させる機能を有する。
【0012】
トップカバー14は、例えば合成樹脂製であって、上面が前方へ向かって下降傾斜する薄形の矩形の環状に形成されている。トップカバー14は、洗濯機10の前方へ向かって下降傾斜したものに限らず、床面に対して水平となるように構成されていても良い。トップカバー14は、筐体11の上部に設けられており、中央部に図示しない開口を有している。開口は、洗濯機10の内部と外部とを連通している。洗濯物は、開口を通して洗濯機10の内部に出し入れされる。バックカバー15は、トップカバー14の後端部及び上部の一部に設けられている。バックカバー15は、例えば洗濯機10の左右方向に延びる略矩形の箱状に構成されている。
【0013】
蓋16は、トップカバー14の上部に回動可能に設けられている。蓋16は、トップカバー14の開口を開閉する機能を有する。蓋16は、
図1に示すように、開口を閉鎖している状態でユーザ側つまり前方へ向かって下降傾斜している。蓋16は、洗濯機10の前方へ向かって下降傾斜したものに限らず、床面に対して水平となるように設けられても良い。蓋16は、蓋16の前後方向の途中部分で折れ曲がるように構成されたいわゆる二つ折式で構成されている。蓋16は、二つ折式に限らず、全体として略矩形板状で構成された1つの蓋体で構成することができる。
【0014】
操作パネル17は、図示しない表示部や操作部が設けられており、ユーザが洗濯運転コースを設定するための入力操作等を受け付けるとともに、入力された操作内容及び運転状況等を表示する。操作パネル17は、例えば筐体11の上面の前側部分に設けられている。また、洗濯機10は、図示しない排水機構を備えている。排水機構は、水槽12内に貯留されている水を、洗濯機10の機外へ排出する機能を有する。
【0015】
給水装置20は、例えば水道等の外部の水源から供給される水を水槽12内に給水する機能を有する。給水装置20は、
図2及び
図3に示すように、バックカバー15の内部に収容されている。給水装置20は、注水ケース21、処理剤ケース221、222、給水弁機構23、加圧溶解タンク30、及び微細気泡発生器40を有している。注水ケース21は、給水弁機構23の下流側に設けられている。注水ケース21は、外部の給水源から供給される水を受けて、その水を、図示しない注水ホースを介して水槽12内に供給する機能を有する。注水ケース21は、例えば合成樹脂製であって、洗濯機10の前後方向に沿って長い箱状に形成することができる。注水ケース21は、
図3に示すように、例えば洗濯機10の左右方向の中央付近に位置している。
【0016】
処理剤ケース221、222は、例えば合成樹脂製の容器で構成され、その内部に1回の洗濯運転に用いる量の洗濯処理剤を収容可能に構成されている。処理剤ケース221、222は、注水ケース21内に着脱可能に収容されている。処理剤ケース221、222は、注水ケース21に対して例えば前後方向に抜き差し可能な引き出し式で構成することができる。処理剤ケース221と処理剤ケース222とは、
図3に示すように、例えば注水ケース21内に並んで配置される。
【0017】
洗濯機10は、処理剤ケース221、222として、例えば洗剤ケース221及び仕上げ剤ケース222を備えている。洗剤ケース221は、ユーザから1回の運転に用いる量の洗剤の投入を受けて、その洗剤を水槽12内に供給するためのものである。一方、仕上げ剤ケース222は、ユーザから1回の運転に用いる量の仕上げ剤の投入を受けて、その仕上げ剤を水槽12内に供給するためのものである。
【0018】
処理剤ケース221、222は、外部の水源から供給された水を受ける構成とすることができる。そして、処理剤ケース221、222の底部には、詳細は図示しないが、注水ケース21の底部側に繋がる孔が形成されている。処理剤ケース221、222内に洗濯処理剤が貯留された状態で、処理剤ケース221、222内に水が流入すると、処理剤ケース221、222に貯留した洗濯処理剤は、孔から注水ケース21の底部側に流し落とされる。その後、洗濯処理剤と水とが混合した混合水は、注水ケース21の底部に沿って流れて、その後水槽12内に供給される。
【0019】
給水弁機構23は、図示しない水道の蛇口等の外部の水源に接続される。給水弁機構23は、例えば電磁的に開閉動作が可能な液体用の開閉弁で構成されており、図示しない制御装置によって駆動制御される。給水弁機構23は、注水ケース21の上流側に設けられている。給水弁機構23は、
図3等に示すように、注水ケース21及び加圧溶解タンク30と左右方向に並んで設けられている。給水弁機構23は、給水装置20を介して水槽12内に至る複数の給水経路を個別に開閉する機能を有する。
【0020】
給水弁機構23は、
図4に示すように、例えば複数の給水弁231、232、233を有している。複数の給水弁231、232、233は、その吐出口を同一方向に向けて図示しない共通の台座に固定される等によって一体化した給水弁ユニット24として構成することができる。以下の説明では、3つの給水弁231、232、233のうち、給水弁231を第1給水弁231と称し、給水弁232を第2給水弁232と称し、給水弁233を第3給水弁233と称することがある。
【0021】
複数の給水弁231、232、233のうち少なくとも一部は、上下方向に並んで設けられている。第1給水弁231の下方には、第2給水弁232又は第3給水弁233が配置される。本実施形態では、第1給水弁231の下方には、第2給水弁232が配置されている。そして、第1給水弁231の吐出口231aは、第2給水弁232の吐出口232aの上方に位置している。また、第3給水弁233は、第1給水弁231及び第2給水弁232の前側に配置されている。なお、給水弁機構23は、4つ以上の給水弁を含んで構成しても良く、第1給水弁231の下方に複数の給水弁を配置しても良い。
【0022】
図5及び
図6に示すように、第1給水弁231の吐出口231aは、加圧溶解タンク30に直接接続されている。直接接続とは、互いに接続される部材の間に他の部材が介在しないことを意味する。第2給水弁232の吐出口232a及び第3給水弁233の吐出口233aは、注水ケース21に直接接続されている。注水ケース21は、第2給水弁232の吐出口232a及び第3給水弁233の吐出口233aに対応した位置に、それぞれケース側入口部211が設けられている。各ケース側入口部211は、注水ケース21を構成する面のうち、給水弁機構23と対向する面側に設けられている。ケース側入口部211は、注水ケース21の外部から内部に流入する水が通る。外部の水源から第2給水弁232又は第3給水弁233に供給された水は、ケース側入口部211から注水ケース21内に流入する。また、第2給水弁232及び第3給水弁233の一方又は両方は、図示しないねじやボルト等の締結部材によって、注水ケース21と相互に固定することができる。
【0023】
洗濯機10は、
図7に示すように、例えば第1給水経路R1、第2給水経路R2、及び第3給水経路R3を備えて構成することができる。各給水経路R1、R2、R3は、給水弁機構23からそれぞれ異なる経路を通って注水ケース21内に流入し、注水ケース21内を通って水槽12に至る経路である。すなわち、各給水経路R1、R2、R3は、注水ケース21を介して間接的に水槽12に接続されている。第1給水弁231、第2給水弁232、及び第3給水弁233は、それぞれ第1給水経路R1、第2給水経路R2、第3給水経路R3を開閉する。
【0024】
第1給水経路R1は、第1給水弁231から加圧溶解タンク30及び微細気泡発生器40を通って注水ケース21を介して水槽12に至る経路である。すなわち、第1給水弁231は、外部の水源から加圧溶解タンク30及び微細気泡発生器40を通って水槽12へ給水する給水経路の途中に設けられている。第1給水経路R1は、外部の水源から供給された水に微細気泡を含ませた微細気泡水を水槽12に供給する機能を有する。
【0025】
第2給水経路R2及び第3給水経路R3は、加圧溶解タンク30及び微細気泡発生器40を通らずに注水ケース21を介して水槽12に至る経路である。第2給水経路R2は、第2給水弁232から注水ケース21内の洗剤ケース221又は仕上げ剤ケース222のいずれか一方を通って水槽12へ至る経路である。第3給水経路R3は、第3給水弁233から注水ケース21内の洗剤ケース221又は仕上げ剤ケース222のいずれか他方を通って水槽12へ至る経路である。本実施形態では、第2給水経路R2は、洗剤ケース221又は仕上げ剤ケース222のうち仕上げ剤ケース222を通るように構成されている。第3給水経路R3は、洗剤ケース221又は仕上げ剤ケース222のうち洗剤ケース221を通るように構成されている。
【0026】
また、第1給水経路R1は、
図7に示すように、例えば注水ケース21内の処理剤ケース221、222を通ることなく水槽12に至る経路に構成することができる。微細気泡発生器40を通過して生成された微細気泡水は、注水ケース21内において、処理剤ケース221、222から落下した洗濯処理剤が混合した水を流す位置に供給される。そして、当該洗濯処理剤が混合した水と微細気泡水とが、注水ケース21内で合流し、その後水槽12内へ供給される。なお、第1給水経路R1は、微細気泡発生器40の下流側で処理剤ケース221、222内を通って水槽12に至る経路に構成しても良い。この場合、微細気泡発生器40を通過して生成された微細気泡水は、注水ケース21内において処理剤ケース221、222内に供給される。
【0027】
加圧溶解タンク30及び微細気泡発生器40は、外部の水源から供給された水にウルトラファインバブルやマイクロバブル等の微細気泡を発生させて、当該微細気泡を含んだ微細気泡水を生成する機能を有する。加圧溶解タンク30及び微細気泡発生器40は、第1給水経路R1上であって、給水弁231の下流側に設けられている。加圧溶解タンク30は、外部の水源から供給された水の圧力で加圧し、当該水に空気成分を溶解させて吐出可能である。
【0028】
加圧溶解タンク30は、例えば全体として略逆L字状に形成されている。
図10に示すように、加圧溶解タンク30の上流側の底部301は、下流側の底部302よりも上方に位置している。加圧溶解タンク30は、内部に空間が形成されており、第1給水弁231を通って供給された水を空気とともに一時的に貯留することができる。加圧溶解タンク30は、例えば気密及び水密性を有するとともに耐圧性を有する合成樹脂製又は金属製の容器で構成することができる。耐圧性とは、大気圧よりも高い所定の圧力に耐え得ることを意味する。加圧溶解タンク30は、例えば複数の部材を組み合わせて、加圧溶解タンク30の内部に空間が形成されるように構成しても良い。
【0029】
加圧溶解タンク30は、例えば注水ケース21の後方側であって、洗濯機10の左右方向の中央付近に位置している。加圧溶解タンク30は、注水ケース21に隣接して設けられる。隣接とは、注水ケース21の外縁に囲まれた範囲に少なくとも加圧溶解タンク30の一部が配置されていることを意味する。
【0030】
本実施形態では、注水ケース21は、
図8に示すように、凹部212及び接続部213を有している。凹部212は、注水ケース21の後部に設けられ、注水ケース21の外面から内方に窪んで形成されている。凹部212は、加圧溶解タンク30の外形形状に対応した形状に形成されている。加圧溶解タンク30は、
図9に示すように、凹部212に収容可能である。つまり、加圧溶解タンク30と注水ケース21とは、互いに嵌合することで位置決めされる。加圧溶解タンク30の左右方向の幅寸法は、注水ケース21の左右方向の幅寸法と略同一又はやや小さく設定されている。加圧溶解タンク30の上下方向の高さ寸法は、注水ケース21の上下方向の高さ寸法と略同一又はやや小さく設定されている。本実施形態では、加圧溶解タンク30の幅寸法及び高さ寸法は、注水ケース21の幅寸法及び高さ寸法と略同一に設定されている。
【0031】
接続部213は、注水ケース21の内部に設けられ、注水ケース21と加圧溶解タンク30とを連通している。加圧溶解タンク30から流出した水は、接続部213を通って注水ケース21内に流入する。
【0032】
加圧溶解タンク30と第1給水弁231とは、第1固定部材51を介して相互に着脱可能に固定されている。第1固定部材51は、例えばねじやボルト等で構成されている。
図4や
図5に示すように、加圧溶解タンク30は、ボス部303を有する。ボス部303は、加圧溶解タンク30の給水弁機構23に対向する面に設けられ、給水弁機構23側へ向かって突出して形成されている。ボス部303は、例えば円筒形状に形成されている。
【0033】
第1給水弁231は、固定面部231bを有している。固定面部231bは、例えば板状に形成されており、第1給水弁231の側方に突出して設けられている。固定面部231bは、加圧溶解タンク30が凹部212に収容された状態で、ボス部303に対応する位置に設けられている。固定面部231bは、厚み方向に貫通する孔を有している。当該孔は、第1固定部材51の先端側が挿入可能に形成されている。そして、第1固定部材51が固定面部231bを介してボス部303に取付けられることによって、加圧溶解タンク30が第1給水弁231に固定される。
【0034】
また、加圧溶解タンク30と注水ケース21とは、第2固定部材52を介して相互に着脱可能に固定されている。第2固定部材52は、例えばねじやボルト等で構成されている。
図8や
図11にも示すように、注水ケース21は、ボス部214を有する。ボス部214は、注水ケース21の下面に設けられ、前後方向に延びて形成されている。ボス部214は、例えば断面形状がかまぼこ形状に形成されており、先端側に挿通孔が形成されている。
【0035】
加圧溶解タンク30は、固定面部304を有している。固定面部304は、例えば板状に形成されており、加圧溶解タンク30の下方に突出して設けられている。固定面部304は、加圧溶解タンク30が凹部212に収容された状態で、ボス部214に対応する位置に設けられている。固定面部304は、厚み方向に貫通する孔を有している。当該孔は、第2固定部材52の先端側が挿入可能に形成されている。そして、第2固定部材52が固定面部304を介してボス部214に取付けられることによって、加圧溶解タンク30が注水ケース21に固定される。また、第2固定部材52を固定する方向は、加圧溶解タンク30を注水ケース21に対して接続する方向と同じ方向にすることができる。これにより、注水ケース21に対して加圧溶解タンク30をより抜けにくくすることができる。
【0036】
加圧溶解タンク30は、入口部31、出口部32、導水部33、及び仕切壁34を有している。なお、加圧溶解タンク30を複数の部材を組み合わせて構成する場合、入口部31、出口部32、導水部33、及び仕切壁34は複数の部材のうち同一の部材に集約して設ける構成としても良い。これにより、加圧溶解タンク30のメンテナンス性の向上を図ることができる。また、加圧溶解タンク30は、加圧溶解タンク30の外部の空気を加圧溶解タンク30内に導入するための図示しない吸気部を有して構成することができる。吸気部は、例えば逆止弁を含んで構成され、加圧溶解タンク30内の圧力が大気圧よりも高くなると閉じ、加圧溶解タンク30内の圧力が大気圧に近い値になると開く構成とすることができる。吸気部は、逆止弁に限らず、空気用の電磁弁を含んで構成しても良い。
【0037】
入口部31及び出口部32は、例えば筒状に構成されている。入口部31は、
図10に示すように、加圧溶解タンク30の上部に設けられており、加圧溶解タンク30の外部から内部に流入する水が通る部分である。入口部31は、タンク側入口部として機能する。外部の水源から第1給水弁231を通過した水は、入口部31を通って加圧溶解タンク30内に導入される。
【0038】
入口部31は、加圧溶解タンク30を構成する面のうち、給水弁機構23と対向する面側に設けられている。すなわち、入口部31は、給水弁機構23に対して、注水ケース21の複数のケース側入口部211と同一側に位置している。入口部31は、複数のケース側入口部211のうち、少なくとも第2給水弁232の吐出口232aと接続するケース側入口部211と同一平面上に位置している。入口部31は、第1給水弁231の吐出口231aと直接接続されている。そのため、第1給水弁231から吐出された水は、高圧のまま入口部31から加圧溶解タンク30内に供給することができる。また、入口部31とケース側入口部211とは、共通の給水弁ユニット24によって連結される。そのため、給水弁ユニット24、加圧溶解タンク30、及び注水ケース21が全体として相互に連結されることで一塊のユニットとなり、それら相互の位置関係は極めて安定したずれにくいものにできる。
【0039】
出口部32は、
図10に示すように、加圧溶解タンク30の下部に設けられており、加圧溶解タンク30の内部から外部に流出する水が通る部分である。つまり、出口部32は、入口部31の下方に位置している。出口部32は、タンク側出口部として機能する。出口部32は、注水ケース21に直接接続されている。加圧溶解タンク30内に導入された水は、出口部32を通って注水ケース21内に流出し、その後第2給水経路R2又は第3給水経路R3に供給された水つまり洗濯処理剤と混合された水と注水ケース21内で合流して水槽12内に供給される。なお、出口部32からの排水は加圧溶解タンク30に貯留した水の水圧つまり静水圧のみで行われ、排水のための専用のポンプ等の駆動源を要していない。
【0040】
出口部32は、
図11に示すように、接続部213に接続されている。出口部32は、例えば接続部213に挿入可能に構成されている。出口部32の外周面と接続部213の内周面との間には、第1シール部材61が設けられている。第1シール部材61は、例えば合成樹脂製のOリングで構成されている。そして、出口部32の外周面と接続部213の内周面とによって第1シール部材61が押圧されて、出口部32と接続部213とが水密状態で接続される。
【0041】
導水部33は、
図10に示すように、入口部31に接続されている。導水部33は、加圧溶解タンク30の底部301、302と所定間隔離れた状態で加圧溶解タンク30の幅方向へ向かって延びて、入口部31を流れた水を加圧溶解タンク30内部の所定の位置に導くためのものである。導水部33は、例えば筒状に形成されて、一方の端部つまり基端部が開放しており、他方の端部つまり先端部が閉塞されている。なお、導水部33の先端部は閉塞される構成に限らず、開放していても良い。
【0042】
導水部33は、開口部331を有している。開口部331は、導水部33の底部を厚み方向に貫通して形成されている。開口部331は、導水部33を通る水を鉛直下方へ向かって落下させるためのものである。
図10に示すように、開口部331は、加圧溶解タンク30の下流側の底部302の上方に位置している。そして、開口部331から流出し落下した水は、加圧溶解タンク30内部に貯留した水面の上部の空気を引き込みながら、水面に対して激しく衝突する。これにより、開口部331から落下した水の衝突時のエネルギーによって加圧溶解タンク30内に貯留した水が撹拌されて、加圧溶解タンク30内部の空気成分の溶解が促進される。
【0043】
仕切壁34は、
図10及び
図11に示すように、例えば板状に形成され、加圧溶解タンク30の下流側の底部302から立ち上がって設けられている。仕切壁34は、加圧溶解タンク30内を平面視で見た場合に、加圧溶解タンク30内の領域を入口部31側の領域と出口部32側の領域とに仕切っている。導水部33の開口部331は、仕切壁34よりも入口部31側に位置している。つまり、導水部33を通過した水は、加圧溶解タンク30内における入口部31側の領域に放水される。これにより、導水部33を通って加圧溶解タンク30内部に流入した水が加圧溶解タンク30の入口部31側の領域における水面で撹拌されることで、加圧溶解タンク30内の水と空気とを効率良く接触させることができる。
【0044】
加圧溶解タンク30は、上述したように逆L字状に形成されおり、水平方向に延びる加圧溶解タンク30の上流側の底部301に沿って導水部33を配設している。このように、第1給水弁231から入口部31を介して加圧溶解タンク30内に流入した水を導水部33によって所定距離流すことによって、水流を安定化することができる。つまり、加圧溶解タンク30の上流側の底部301を利用することで、導水部33の長さを長く設定することができる。そして、導水部33内部を通過して水流が安定した後に、導水部33の開口部331から放水させることで、仕切壁34に対して入口部31側の領域に円滑に水を導くことができる。
【0045】
また、加圧溶解タンク30内への水の供給が開始されて入口部31側の領域の水位が上昇すると、入口部31側の領域の大半の水は、仕切壁34の上方から溢れるようにして出口部32側の領域に移動する。そのため、加圧溶解タンク30の入口部31側の領域の水を、出口部32側の領域内の水面に対して衝突させることができるため、水と空気との撹拌効率が高められる。
【0046】
仕切壁34には、
図11に示すように、隙間341が形成されている。隙間341は、微細気泡よりも粒径の大きな泡を遮蔽する機能を有している。加圧溶解タンク30内に流出した水のうち仕切壁34の上端よりも下方に位置する水は、隙間341を通過して出口部32側の領域に流れる。このとき、導水部33の開口部331から落下した水が水面と衝突することにより発生した例えばミリオーダーの比較的大きな気泡は、隙間341を通過せずに出口部32側の領域に流出することなく消滅する。
【0047】
次に、加圧溶解タンク30における加圧溶解タンク30内の水に空気成分が溶解される状態について説明する。本実施形態では、加圧溶解タンク30は、例えば加圧溶解タンク30から流出する水量よりも加圧溶解タンク30内に流入する水量を多くすることで、水道圧のみで加圧溶解タンク30内を加圧することができる。例えば第1給水弁231が開放されると、入口部31から流入した水のうち出口部32から流出しなかった残りの水が加圧溶解タンク30内に貯留されて加圧溶解タンク30内の水位が上昇する。
【0048】
その後、入口部31からの水の流入が継続されて加圧溶解タンク30内の水位が所定水位まで上昇すると、加圧溶解タンク30内の圧力と外部の水源から流入する水の圧力つまり水道圧とが均衡する。その結果、入口部31から流入する水の量と出口部32から加圧溶解タンク30外に流出する水の量とが略等しくなり、加圧溶解タンク30内が最大圧力である水道圧に近い圧力となる。このように、加圧溶解タンク30内の圧力が大気圧よりも上昇することにより、加圧溶解タンク30内の空気が加圧溶解タンク30内に貯留されている水に溶解し易くなる。つまり、外部の水源から供給された水を加圧溶解タンク30に通すことによって、加圧溶解タンク30の下流側に供給される水に対して、加圧溶解タンク30を通らない通常の水に比べて多量の空気成分を溶存させた水を供給することができる。このようにして、加圧溶解タンク30は、空気成分を溶解させた水を吐出することができる。
【0049】
微細気泡発生器40は、第1給水経路R1上において、第1給水弁231の下流側で、かつ、加圧溶解タンク30の下流側に設けられている。微細気泡発生器40は、加圧溶解タンク30から流出した水に微細気泡を析出させる機能を有する。微細気泡発生器40は、
図11に示すように、出口部32と接続部213との間にて支持された状態で取付けられている。微細気泡発生器40は、例えば出口部32と接続部213との間で挟み込まれた状態で取付けられている。微細気泡発生器40は、出口部32と接続部213に対して圧入によって固定される構成としても良い。
【0050】
微細気泡発生器40の外周面と接続部213の内周面との間には、第2シール部材62が設けられている。第2シール部材62は、例えば合成樹脂製のOリングで構成されている。そして、微細気泡発生器40の外周面と接続部213の内周面とによって第2シール部材62が押圧されて、微細気泡発生器40と接続部213とが水密状態で接続される。
【0051】
微細気泡発生器40は、直径及び全長が例えば数mm~数十mm程度、具体的には直径が最大約15mmで長さが約10mmに設定されている。微細気泡発生器40は、
図12に示すように、絞り部41、ストレート部42、及び衝突部43を有している。絞り部41及びストレート部42は、微細気泡発生器40の長手方向へ向かって水を流す流路を構成する。絞り部41は、微細気泡発生器40の流入側つまり上流側に設けられている。絞り部41は、微細気泡発生器40の長手方向の上流側端部から途中部分にかけて流路の断面積つまり内径が連続的に徐々に減少するようないわゆる截頭円錐形のテーパ管状に形成されている。
【0052】
ストレート部42は、絞り部41の下流側に設けられている。ストレート部42は、内径が変化しない、すなわち流路の断面積つまり液体の通過可能な面積が変化しない円筒形、いわゆるストレート管状に形成されている。衝突部43は、ストレート部42の下流端部分に設けられている。衝突部43は、微細気泡発生器40における水の通過可能な断面積を局所的に縮小することで、微細気泡発生器40を通過する水中に主としてナノオーダー以下の微細気泡を多量に発生させることができる。
【0053】
衝突部43は、
図13に示すように、例えば先端が尖った4本の棒状の部分で構成され、ストレート部42の内周面からこのストレート部42の断面における中心方向へ向かって突出している。4本の衝突部43は、ストレート部42の断面の周方向に向かって相互に等間隔に離間した状態で配置されている。各衝突部43の下流側の面は、平坦面に形成されている。また、各衝突部43で構成される隙間の面積が、微細気泡発生器40における水の通過可能な最小断面積となる。
【0054】
微細気泡発生器40の上流側に水が流入すると、截頭円錐テーパ形状に縮小するように形成された絞り部41において流路断面積が絞られることによって、流体力学のいわゆるベルヌーイの定理に基づき流速が高められるとともに減圧によるキャビテーションが発生する。そして、その高速流が衝突部43に衝突することで作用するせん断力によって細分化された微細気泡が生成される。これにより、微細気泡発生器40は、微細気泡発生器40内を通過する水の中に溶存している空気を微細気泡として多量に析出させて、微細気泡発生器40を通過する以前よりも微細気泡を多量に含んだ微細気泡水を供給することができる。
【0055】
ここで、一般に、微細気泡又はファインバブルは、その気泡の粒子径によって次のように分類されている。例えば、粒子径が数μmから100μm程度つまりマイクロオーダーの気泡は、マイクロバブルと称されている。これに対し、粒子径が50nm~1,000nm未満つまりナノオーダーの気泡は、ウルトラファインバブルと称されている。そして、ファインバブルの名称は、マイクロバブルとウルトラファインバブルの総称として使用される。
【0056】
マイクロバブルは、電気的特性としてマイナス電荷を帯びており、例えば洗濯物に付着したプラス電荷を帯びた汚れと静電的に吸着しやすい。マイクロバブルとの電気的反応により洗濯物から引き剥がされた汚れは、マイクロバブル表面に吸着したままマイクロバブルの浮力により水面に浮上し滞留する。更に、気泡表面がマイナスに帯電したマイクロバブル同士は反発しあい結合することがなく液体中では分散するため、洗濯物から取り除いた汚れが洗濯水中で再び洗濯物に付着することを抑制することができる。
【0057】
一方、ウルトラファインバブルは、粒径が細かいため入り組んだ部分まで浸透が可能であり、マイクロバブル等の他の微細気泡では除去しきれない対象物の汚れを除去する洗浄効果を発揮することができる。また、ウルトラファインバブルは、粒子径がナノオーダーであり浮力が小さいこと及びマイクロバブルと比較して疎水性が大きく水に溶けにくいため液体中での滞在時間が長いという性質を有する。以上のように、マイクロバブルとウルトラファインバブルとは、その特性の違いから期待される洗浄能力も異なるため、両者を併用することで洗浄効果をより高めることが可能となる。
【0058】
微細気泡発生器40は、単体では主にナノオーダーの微細気泡つまりウルトラファインバブルを析出させる機能を有する。微細気泡発生器40を通過した際に生成されるウルトラファインバブルの量は、微細気泡発生器40を通過する水に溶解している空気の量を増やすことで増大させることができる。多量に生成されたウルトラファインバブルによって、洗濯物の表面に対する衝突が繰り返されると、その衝突点でウルトラファインバブルが相互に結合してマイクロバブルに発達する。このとき、ウルトラファインバブルの追突によってマイクロバブルの急膨張が発生し、洗濯物の表面に付着した汚れが持ち上がり剥離される。これにより、より高い洗浄効果を得ることが期待できる。
【0059】
本実施形態では、微細気泡発生器40の上流側に加圧溶解タンク30が設けられている。そのため、微細気泡発生器40を通過する水に含まれる空気量を増大させることができる。これにより、微細気泡発生器40を通過した水に、多量のウルトラファインバブル及びマイクロバブルを生成させることができる。その結果、ウルトラファインバブルによる洗浄効果と、マイクロバブルによる汚れの再付着を抑制する効果と、を同時に得ることができる。
【0060】
以上説明した実施形態によれば、洗濯機10は、水槽12と、注水ケース21と、加圧溶解タンク30と、微細気泡発生器40と、給水弁機構23と、を備える。注水ケース21は、外部の水源から供給された水を受けて水槽12内に注水する。加圧溶解タンク30は、注水ケース21に隣接して設けられ、外部の水源から供給された水の圧力で加圧し当該水に空気成分を溶解させて吐出可能である。微細気泡発生器40は、加圧溶解タンク30の下流側に設けられ、加圧溶解タンク30から流出した水に微細気泡を析出させる。給水弁機構23は、第1給水弁231及び第2給水弁232を含んで構成される。第1給水弁231は、加圧溶解タンク30及び微細気泡発生器40を通って、注水ケース21を介して水槽12に至る第1給水経路R1を開閉する。第2給水弁232は、加圧溶解タンク30及び微細気泡発生器40を通らずに、注水ケース21を介して水槽12に至る第2給水経路R2を開閉する。
【0061】
加圧溶解タンク30は、入口部31を有する。入口部31は、第1給水弁231の吐出口231aに直接接続され、加圧溶解タンク30の外部から内部に流入する水が通る。注水ケース21は、ケース側入口部211を有する。ケース側入口部211は、第2給水弁232の吐出口232aに直接接続され、注水ケース21の外部から内部に流入する水が通る。そして、入口部31は、給水弁機構23に対して、ケース側入口部211と同一側に位置している。
【0062】
これによれば、注水ケース21及び加圧溶解タンク30を、それぞれ給水弁231、232に対して直接接続とすることで、部品点数を削減し組立ての簡素化を図ることができる。また、注水ケース21と加圧溶解タンク30とを隣接させた上で、注水ケース21と加圧溶解タンク30との各給水弁231、232に対する接続部を給水弁機構23に対して同一側に位置して接続方向を揃えることで、加圧溶解タンク30の洗濯機10内部へのコンパクトな収納を実現することができる。
【0063】
注水ケース21は、凹部212を更に有する。凹部212は、加圧溶解タンク30の外形形状に対応した形状に形成されている。加圧溶解タンク30は、少なくともその一部を凹部212に収容可能である。これによれば、加圧溶解タンク30を注水ケース21の凹部212に収容することで、注水ケース21のサイズ内に加圧溶解タンク30を収めることができる。これにより、洗濯機10内部における注水ケース21及び加圧溶解タンク30の設置空間をコンパクトにすることができる。
【0064】
また、第1給水弁231の吐出口231aは、第2給水弁232の吐出口232aよりも上方に位置している。ここで、加圧溶解タンク30は、上部から水を供給して落下する水によって加圧溶解タンク30内部の水と空気との撹拌を促進させて、空気成分の溶解効率を向上させることができる。そのため、加圧溶解タンク30と繋がる第1給水弁231の吐出口231aを上方に設けることで、加圧溶解タンク30による空気成分の溶解効率の向上を図ることができる。そして、第1給水弁231の吐出口231aの下方に第2給水弁232の吐出口232aを配置することで、注水ケース21及び加圧溶解タンク30の設置空間の上下方向の大型化を抑制しつつ、注水ケース21及び加圧溶解タンク30の内容積の確保を図ることができる。
【0065】
加圧溶解タンク30は、出口部32を更に有している。出口部32は、注水ケース21と直接接続され、加圧溶解タンク30の内部から外部に流出する水が通る。そして、入口部31は、出口部32の上方に位置している。これによれば、入口部31を出口部32の上方に位置することで、加圧溶解タンク30の内部に上方から落下する水によって、空気成分が効率良く溶解された水を円滑に加圧溶解タンク30の外部に流出させることができる。また、第1給水弁231、加圧溶解タンク30、及び注水ケース21の接続を他の部品を介さない直接接続として接続箇所を極力少なくすることで、圧力損失が極力抑えられた状態で空気成分が多量に溶解した水を供給することができる。更に、部品点数を削減することで、注水ケース21周辺の構造を簡素化することができる。
【0066】
また、第1給水弁231と加圧溶解タンク30とは、互いに固定されている。これによれば、第1給水弁231と加圧溶解タンク30とを相互に固定することで、加圧溶解タンク30を安定して設置することができる。これにより、第1給水弁231と加圧溶解タンク30との接続部分を安定させることができるため、当該接続部分からの水漏れの発生を抑制することができる。結果として、洗濯機10の信頼性の向上を図ることができる。
【0067】
更に、加圧溶解タンク30と注水ケース21とは、互いに固定されている。これによれば、加圧溶解タンク30と注水ケース21とを相互に固定することで、加圧溶解タンク30を安定して設置することができる。これにより、加圧溶解タンク30と注水ケース21との接続部分を安定させることができるため、当該接続部分からの水漏れの発生を抑制することができる。よって、洗濯機10の信頼性の向上を図ることができる。
【0068】
なお、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
10…洗濯機、12…水槽、21…注水ケース、211…ケース側入口部、212…凹部、23…給水弁機構、231…第1給水弁、231a…吐出口、232…第2給水弁、232a…吐出口、30…加圧溶解タンク、31…入口部(タンク側入口部)、32…出口部(タンク側出口部)、40…微細気泡発生器、R1…第1給水経路、R2…第2給水経路