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特開2024-36070携帯型アルコール検知器、情報管理システム、情報管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036070
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】携帯型アルコール検知器、情報管理システム、情報管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/12 20060101AFI20240308BHJP
   G01N 33/497 20060101ALI20240308BHJP
   G01N 33/98 20060101ALI20240308BHJP
   H04M 1/00 20060101ALN20240308BHJP
【FI】
G01N27/12 A
G01N33/497 A
G01N33/98
H04M1/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140784
(22)【出願日】2022-09-05
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】507423135
【氏名又は名称】鈴与シンワート株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】521549741
【氏名又は名称】SEIKOIST株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】長倉 正彦
(72)【発明者】
【氏名】朱 暁東
(72)【発明者】
【氏名】羅 振科
【テーマコード(参考)】
2G045
2G046
5K127
【Fターム(参考)】
2G045AA40
2G045CB22
2G045DA74
2G046AA24
2G046DC11
2G046DC12
2G046DC17
5K127BA03
5K127BB22
5K127BB33
5K127DA15
5K127GA18
5K127GD21
5K127KA01
(57)【要約】
【課題】アルコールセンサーの使用日数や使用回数をヘッド部毎に管理する。
【解決手段】携帯型アルコール検知器は、検知器本体10と、検知器本体10に着脱可能に取り付けられるヘッド部20と、を有する。ヘッド部20は、情報を出力する第1の出力部22と、呼気中のアルコール濃度を検出するアルコールセンサー23と、アルコールセンサー23の使用回数または使用日数をカウントする第1の制御部21と、を有する。第1の制御部21は、アルコールセンサー23の使用レベルの確認要求に応じて、使用回数または使用日数のカウント値とヘッド部20の識別情報とを含むセンサー管理情報を第1の出力部22から出力させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知器本体と、該検知器本体に着脱可能に取り付けられるヘッド部と、を有する携帯型アルコール検知器であって、
前記ヘッド部は、
情報を出力する第1の出力部と、
呼気中のアルコール濃度を検出するアルコールセンサーと、
前記アルコールセンサーの使用回数または使用日数をカウントする第1の制御部と、を有し、
前記第1の制御部は、前記アルコールセンサーの使用レベルの確認要求に応じて、前記使用回数または使用日数のカウント値と前記ヘッド部の識別情報とを含むセンサー管理情報を前記第1の出力部から出力させる携帯型アルコール検知器。
【請求項2】
前記第1の出力部は、前記使用回数または使用日数のカウント値を表示する第1の表示部を有する、請求項1に記載の携帯型アルコール検知器。
【請求項3】
前記第1の制御部は、前記使用回数または使用日数のカウント値が所定の値に達すると、前記ヘッド部の交換を促すメッセージを前記第1の表示部に表示させる、請求項2に記載の携帯型アルコール検知器。
【請求項4】
前記第1の出力部は、外部装置と通信可能な第1の通信部を有し、前記センサー管理情報が前記第1の通信部から前記外部装置に送信される、請求項1に記載の携帯型アルコール検知器。
【請求項5】
前記検知器本体は、情報の入力が可能な操作部を有し、
前記第1の制御部は、前記操作部を介して前記アルコールセンサーの使用レベルの確認要求を受け付ける、請求項1に記載の携帯型アルコール検知器。
【請求項6】
前記検知器本体は、
第2の制御部と、
情報を出力する第2の出力部と、を有し、
前記第2の制御部は、前記第1の制御部から前記センサー管理情報を受け取り、前記センサー管理情報を前記第2の出力部から出力させる、請求項1に記載の携帯型アルコール検知器。
【請求項7】
前記第2の出力部は、前記使用回数または使用日数のカウント値を表示する第2の表示部を有する、請求項6に記載の携帯型アルコール検知器。
【請求項8】
前記第2の制御部は、前記使用回数または使用日数のカウント値が所定の値に達すると、前記ヘッド部の交換を促すメッセージを前記第2の表示部に表示させる、請求項7に記載の携帯型アルコール検知器。
【請求項9】
前記第2の出力部は、外部装置と通信可能な第2の通信部を有し、前記センサー管理情報が前記第2の通信部から前記外部装置に送信される、請求項6に記載の携帯型アルコール検知器。
【請求項10】
前記検知器本体は、体表面温度を検出する温度センサーを有する、請求項6に記載の携帯型アルコール検知器。
【請求項11】
前記第2の制御部は、被検者の識別情報と、前記アルコールセンサーが検出した前記被検者のアルコール濃度検出値と、前記温度センサーが検出した前記被検者の体表面温度検出値とを含む測定データを、前記第2の出力部から出力させる、請求項10に記載の携帯型アルコール検知器。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の携帯型アルコール検知器と、
前記携帯型アルコール検知器と通信可能であり、前記携帯型アルコール検知器と連携して動作する携帯端末と、
前記携帯端末からアクセス可能なサーバーと、を有し、
前記携帯端末は、入力操作に応じて前記携帯型アルコール検知器から前記アルコールセンサーの前記使用回数または使用日数のカウント値と前記ヘッド部の識別情報とを含むセンサー管理情報を取得し、該センサー管理情報を前記サーバーへ送信する制御部を有し、
前記サーバーは、前記制御部から送信されてきたセンサー管理情報を記憶する、情報管理システム。
【請求項13】
前記携帯端末は、被検者の生体情報を取得する取得部を、さらに有し、
前記制御部は、前記携帯型アルコール検知器から前記被検者の測定データを取得し、該測定データを前記取得部が取得した前記被検者の生体情報と関連付けて前記サーバーに記憶させる、請求項12に記載の情報管理システム。
【請求項14】
前記取得部は、カメラを有し、前記生体情報は、前記カメラが撮影した前記被検者の顔の画像データから抽出される前記顔の特徴を示す情報である、請求項13に記載の情報管理システム。
【請求項15】
前記携帯端末は、前記被検者の顔を撮影した認証用の画像データが予め格納される記憶部を、さらに有し、
前記制御部は、前記カメラが撮影した前記被検者の顔の画像データと前記記憶部に格納した認証用の画像データと比較し、顔の特徴が一致した場合に、前記携帯型アルコール検知器の測定を開始させる、請求項14に記載の情報管理システム。
【請求項16】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の携帯型アルコール検知器と連携して動作する携帯端末が行う情報管理方法であって、
入力操作に応じて前記携帯型アルコール検知器から前記アルコールセンサーの前記使用回数または使用日数のカウント値と前記ヘッド部の識別情報とを含むセンサー管理情報を取得し、該センサー管理情報をサーバーへ送信することを含む情報管理方法。
【請求項17】
被検者の生体情報を取得する処理と、
前記携帯型アルコール検知器から前記被検者の測定データを取得し、該測定データを前記被検者の生体情報と関連付けて前記サーバーに記憶させる処理と、をさらに含む、請求項16に記載の情報管理方法。
【請求項18】
被検者の顔を撮影した認証用の画像データを予め記憶部に格納する処理と、
前記携帯型アルコール検知器の測定開始時に、前記被検者の顔を撮影した画像データを取得し、該画像データと前記記憶部に格納した認証用の画像データと比較し、顔の特徴が一致した場合に、前記携帯型アルコール検知器の測定を開始させる処理と、をさらに含む、請求項17に記載の情報管理方法。
【請求項19】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の携帯型アルコール検知器と連携して動作する携帯端末のコンピュータに、
入力操作に応じて前記携帯型アルコール検知器から前記アルコールセンサーの前記使用回数または使用日数のカウント値と前記ヘッド部の識別情報とを含むセンサー管理情報を取得し、該センサー管理情報をサーバーへ送信する処理を実行させるためのプログラム。
【請求項20】
被検者の生体情報を取得する処理と、
前記携帯型アルコール検知器から前記被検者の測定データを取得し、該測定データを前記被検者の生体情報と関連付けて前記サーバーに記憶させる処理とを、前記コンピュータにさらに実行させる、請求項19に記載のプログラム。
【請求項21】
被検者の顔を撮影した認証用の画像データを予め記憶部に格納する処理と、
前記携帯型アルコール検知器の測定開始時に、前記被検者の顔を撮影した画像データを取得し、該画像データと前記記憶部に格納した認証用の画像データと比較し、顔の特徴が一致した場合に、前記携帯型アルコール検知器の測定を開始させる処理とを、前記コンピュータにさらに実行させる、請求項20に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼気中のアルコール濃度を検出する携帯型アルコール検知器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯型の酒気検知装置が記載されている。この酒気検知装置は、センサーモジュールがヘッド部分に取り外し可能に取り付けられている。センサーモジュールは、呼気中のアルコール濃度を検出するアルコールセンサーを含む。
アルコールセンサーには使用期限(寿命)がある。上記の酒気検知装置においては、アルコールセンサーの使用期限に達する前に、センサーモジュールを交換することが可能である。センサーモジュールのみを交換することで、酒気検知装置の運用コストを低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2018-530757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の酒気検知装置においては、アルコールセンサーの使用日数や使用回数をセンサーモジュール毎に管理するようには構成されていない。このため、アルコールセンサーの使用期限を過ぎたセンサーモジュールが使用される場合がある。
【0005】
本発明の目的は、アルコールセンサーの使用日数や使用回数をヘッド部毎に管理することができる、携帯型アルコール検知器、情報管理システム、情報管理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、検知器本体と、該検知器本体に着脱可能に取り付けられるヘッド部と、を有する携帯型アルコール検知器であって、前記ヘッド部は、情報を出力する第1の出力部と、呼気中のアルコール濃度を検出するアルコールセンサーと、前記アルコールセンサーの使用回数または使用日数をカウントする第1の制御部と、を有し、前記第1の制御部は、前記アルコールセンサーの使用レベルの確認要求に応じて、前記使用回数または使用日数のカウント値と前記ヘッド部の識別情報とを含むセンサー管理情報を前記第1の出力部から出力させる携帯型アルコール検知器が提供される。
【0007】
本発明の別の態様によれば、上記の携帯型アルコール検知器と、前記携帯型アルコール検知器と通信可能であり、前記携帯型アルコール検知器と連携して動作する携帯端末と、前記携帯端末からアクセス可能なサーバーと、を有し、前記携帯端末は、入力操作に応じて前記携帯型アルコール検知器から前記アルコールセンサーの前記使用回数または使用日数のカウント値と前記ヘッド部の識別情報とを含むセンサー管理情報を取得し、該センサー管理情報を前記サーバーへ送信する制御部を有し、前記サーバーは、前記制御部から送信されてきたセンサー管理情報を記憶する、情報管理システムが提供される。
【0008】
本発明のさらに別の態様によれば、上記の携帯型アルコール検知器と連携して動作する携帯端末が行う情報管理方法であって、入力操作に応じて前記携帯型アルコール検知器から前記アルコールセンサーの前記使用回数または使用日数のカウント値と前記ヘッド部の識別情報とを含むセンサー管理情報を取得し、該センサー管理情報をサーバーへ送信することを含む情報管理方法が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、上記の携帯型アルコール検知器と連携して動作する携帯端末のコンピュータに、入力操作に応じて前記携帯型アルコール検知器から前記アルコールセンサーの前記使用回数または使用日数のカウント値と前記ヘッド部の識別情報とを含むセンサー管理情報を取得し、該センサー管理情報をサーバーへ送信する処理を実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アルコールセンサーの使用日数や使用回数をヘッド部毎に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態による携帯型アルコール検知器の構成を示すブロック図である。
図2】情報管理システムの一例を示すブロック図である。
図3】本発明の第2の実施形態による携帯型アルコール検知器の外観を示す正面図である。
図4】本発明の第2の実施形態による携帯型アルコール検知器の外観を斜めから見たときの斜視図である。
図5】本発明の第2の実施形態による携帯型アルコール検知器の検知器本体からヘッド部を取り外した状態を示す斜視図である。
図6】ストローの部位の一例を示す模式図である。
図7】本発明の第2の実施形態による携帯型アルコール検知器の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による携帯型アルコール検知器の構成を示すブロック図である。
図1を参照すると、携帯型アルコール検知器1は、検知器本体10と、検知器本体10に着脱可能に取り付けられるヘッド部20と、を有する。検知器本体10は、第2の制御部11、第2の出力部12、操作部13及び端子14を有する。ヘッド部20は、第1の制御部21、第1の出力部22、アルコールセンサー23及び端子24を有する。ヘッド部20を検知器本体10に取り付けた状態において、端子14と端子24が接続される。
【0014】
第1の出力部22は、情報を出力する。アルコールセンサー23は、被検者の呼気中のアルコール濃度を検出する。アルコールセンサー23として、例えば、半導体式ガスセンサーを用いることができる。半導体式ガスセンサーの使用期限は、例えば、使用日数で1年程度、使用回数で1000回程度である。第1の出力部22は、端子24を含んでいてもよい。
第1の制御部21は、アルコールセンサー23の使用回数または使用日数をカウントする。使用日数とは、アルコールセンサー23の使用開始日からの経過日数である。第1の制御部21は、アルコールセンサー23の使用レベルの確認要求に応じて、使用回数または使用日数のカウント値とヘッド部20の識別情報とを含むセンサー管理情報を第1の出力部22から出力させる。
【0015】
上記構成によれば、第1の出力部22から出力されたセンサー管理情報に基づき、アルコールセンサー23の使用日数または使用回数をヘッド部毎に管理することができる。例えば、ヘッド部20を別のヘッド部20に交換した場合、ヘッド部の識別情報に基づいて、別のヘッド部20のセンサー管理情報を識別することができる。
加えて、ヘッド部20の交換が可能なことにより、携帯型アルコール検知器1の運用コストを削減することができる。
【0016】
第1の出力部22は、使用回数または使用日数のカウント値を表示する第1の表示部を有していてもよい。これにより、使用者は、第1の表示部に表示されたカウント値からアルコールセンサー23の寿命を判断することができる。また、第1の制御部21は、使用回数または使用日数のカウント値が所定の値に達すると、ヘッド部20の交換を促すメッセージを第1の表示部に表示させてもよい。これにより、使用者は、第1の表示部に表示されたメッセージに基づき、ヘッド部の交換のタイミングを認識することができる。
【0017】
また、第1の出力部22は、外部装置と通信可能な第1の通信部を有し、センサー管理情報が第1の通信部から外部装置に送信されてもよい。これにより、ヘッド部20を検知器本体10から取り外した場合でも、ヘッド部20からのセンサー管理情報を外部装置(例えば携帯端末やサーバー)で管理することが可能となる。
操作部13は、情報の入力が可能で、携帯型アルコール検知器1を動作させるための操作ボタン等を含む。ヘッド部20を検知器本体10に取り付けた状態において、第1の制御部21は、操作部13を介してアルコールセンサー23の使用レベルの確認要求を受け付けることができる。また、第1の制御部21は、第1の通信部を介して外部装置からアルコールセンサー23の使用レベルの確認要求を受け付けることもできる。
【0018】
第2の出力部12は、情報を出力する。第2の制御部11は、第1の制御部21からセンサー管理情報を受け取り、そのセンサー管理情報を第2の出力部12から出力させる。第2の出力部22から出力されたセンサー管理情報に基づき、アルコールセンサー23の使用日数や使用回数をヘッド部毎に管理することができる。
第2の出力部12は、使用回数または使用日数のカウント値を表示する第2の表示部を有していてもよい。これにより、使用者は、第2の表示部に表示されたカウント値からアルコールセンサー23の寿命を判断することができる。また、第2の制御部11は、使用回数または使用日数のカウント値が所定の値に達すると、ヘッド部20の交換を促すメッセージを第2の表示部に表示させてもよい。これにより、使用者は、第2の表示部に表示されたメッセージに基づき、ヘッド部の交換のタイミングを認識することができる。
【0019】
また、第2の出力部12は、外部装置と通信可能な第2の通信部を有し、センサー管理情報が第2の通信部から外部装置に送信されてもよい。これにより、検知器本体10からのセンサー管理情報を外部装置(例えば、携帯端末やサーバー)で管理することが可能となる。
検知器本体10は、体表面温度を検出する温度センサーを有してもよい。この場合、第2の制御部11は、被検者の識別情報と、アルコールセンサー23が検出した被検者のアルコール濃度検出値と、温度センサーが検出した被検者の体表面温度検出値とを含む測定データを、第2の出力部12から出力させてもよい。これにより、被検者の測定データを外部装置(例えば携帯端末やサーバー)で一括管理することが可能となる。被検者の識別情報は、操作部13で入力することが可能である。
【0020】
次に、携帯型アルコール検知器1を用いた情報管理システムについて説明する。
図2は、情報管理システムの一例を示すブロック図である。図2を参照すると、情報管理システムは、上述した携帯型アルコール検知器1と、携帯端末3と、サーバー40とを有する。携帯端末3は、携帯型アルコール検知器1と連携して動作する。携帯端末3は、例えば、スマートフォンやタブレット端末である。
携帯端末3は、制御部31、通信部32、33、記憶部34、表示部35、操作部36、およびカメラ部37を有する。制御部31は、CPU(Central Processing Unit)等のコンピュータからなる。記憶部34は、プログラムやデータを格納する。操作部36は、情報の入力が可能で、携帯端末3を動作させるための操作ボタン等を含む。
【0021】
通信部32は、携帯型アルコール検知器1と通信可能である。例えば、通信部32は、図1に示した第2の出力部12との間で、Bluetooth等の近距離無線通信を行う。通信部33は、サーバー4と通信可能である。例えば、携帯端末3とサーバー4がインターネット等のネットワーク上に配置され、通信部33は、そのネットワークを介してサーバー4にアクセスすることができる。カメラ部37は、被検者の生体情報を取得する取得部の一例である。
【0022】
制御部31は、操作部36の入力操作に応じて携帯型アルコール検知器1からアルコールセンサーの使用回数または使用日数のカウント値とヘッド部20の識別情報とを含むセンサー管理情報を取得する。制御部31はセンサー管理情報をサーバー4に送信し、サーバー4はセンサー管理情報を記憶する。また、制御部31は、携帯型アルコール検知器1から被検者の測定データを取得し、該測定データをカメラ部37が取得した被検者の生体情報と関連付けてサーバー4に記憶させる。
生体情報は、顔や指紋などの生物固有の情報である。本実施形態では、生体情報として、カメラ部37が撮影した被検者の顔の画像データから抽出される顔の特徴を示す情報を用いる。記憶部34には、被検者の顔を撮影した認証用の画像データが予め格納されている。制御部31は、カメラ部37が撮影した被検者の顔の画像データと記憶部34に格納した認証用の画像データと比較し、顔の特徴が一致した場合に、携帯型アルコール検知器1の測定を開始させる。
【0023】
上記の情報管理システムによれば、複数のヘッド部20のセンサー管理情報をサーバー4上で一括管理することができる。
例えば、複数の被検者にそれぞれ携帯型アルコール検知器1を持たせてアルコールチェックを行う運用形態において、各携帯型アルコール検知器1のヘッド部20のセンサー管理情報をサーバー4上で一括管理することができる。また、1台の携帯型アルコール検知器1に対して複数のヘッド部20を使用する運用形態においても、各ヘッド部20のセンサー管理情報をサーバー4上で一括管理することができる。いずれの形態においても、被検者の測定データをサーバー4上で一括管理することができる。
また、生体情報を用いた認証(顔認証など)により、なりすまし防止も可能である。
【0024】
なお、上述した制御部31が行う処理(例えば、センサー管理情報、測定データ、および生体情報に関わる一連の処理)は、処理内容を手順として記述したプログラムをコンピュータが実行することにより実現されてもよい。プログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの移設可能な記録媒体を用いて携帯端末3に提供されてもよい。また、プログラムは、インターネット等のネットワークを介して携帯端末3に提供されてもよい。
【0025】
(第2の実施形態)
図3図4および図5は、本発明の第2の実施形態による携帯型アルコール検知器の外観を示す模式図である。図3は、正面図である。図4(a)は、正面と右側面を示す斜視図である。図4(b)は、背面と左側面を示す斜視図である。図5は、検知器本体からヘッド部を取り外した状態を示す斜視図である。
図3から図5に示すように、携帯型アルコール検知器2は、検知器本体40と、検知器本体40に着脱可能に取り付けられるヘッド部50と、を有する。検知器本体40は、表示部41、電源ボタン42、アルコール測定ボタン43、検温ボタン44、ロックボタン45a、45b、インジケータ46、温度センサー47、充電口48、および端子49を有する。ヘッド部50は、吹掛け口51、吹抜け口52、ロックボタン53、および端子54を有する。
【0026】
表示部41は、携帯型アルコール検知器2の動作に関わる様々な情報を表示する。電源ボタン42は、電源のオン/オフを行うボタンである。アルコール測定ボタン43は、アルコール測定を開始するボタンである。温度センサー47は、被検者の体表面温度を検出する。検温ボタン44は、体表面温度の測定を開始するボタンである。インジケータ46は、携帯型アルコール検知器2の動作モードを表示する。例えば、アルコール測定モードや検温モードなど様々な動作モードをインジケータ46で表示することができる。充電口48は、携帯型アルコール検知器2に内蔵された二次電池(例えば、リチウム電池)を充電するためのものである。充電口48として、例えば、USB Type Cのコネクタを用いることができる。
【0027】
ロックボタン45a、45bは、ヘッド部50を検知器本体40に固定するためのボタンであり、両方を同時に押すことで、ヘッド部50を検知器本体40から取り外すことができる。検知器本体40のヘッド部50を取り付ける部分には、端子49が設けられている。ヘッド部50を検知器本体40に取り付けた状態で、検知器本体40の端子49とヘッド部50の端子54とが接続される。端子49と端子54を接続した状態で、検知器本体40とヘッド部50との間で、非同期シリアル通信、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)の通信が行われる。端子49、54として、例えば、USB Type Cのコネクタを用いることができる。
【0028】
吹掛け口51および吹抜け口52は、アルコール測定を行うためのものである。本実施形態では、吹掛け式とストロー式の両方の測定が可能である。吹掛け式の測定では、吹掛け口51および吹抜け口52が用いられる。被検者が吹掛け口51に向かって息を吹掛けることで呼気中のアルコール濃度が検出される。
一方、ストロー式の測定では、ヘッド部50に内蔵されたストローを用いる。図6は、ストローの部位を示す模式図である。ロックボタン53を押すことで、ヘッド部50の蓋56が開き、ヘッド部50に内蔵されたストロー55が現れる。被検者がストロー55に息を注入することで呼気中のアルコール濃度が検出される。ストロー55は、交換可能である。
【0029】
次に、携帯型アルコール検知器2の制御に関わる構成を具体的に説明する。
図7は、携帯型アルコール検知器2の制御に関わる構成を示すブロック図である。図7に示すように、ヘッド部50は、図3から図6に示した構成に加えて、制御部60、記憶部61、アルコールセンサー62、マイクロフォン63、流路64、およびタイマー65を有する。吹掛け口51と吹抜け口52は流路64で繋がっており、この流路64内に、アルコールセンサー62とマイクロフォン63が設けられている。図示していないが、図6に示したストロー55も流路64に連通している。アルコールセンサー62は、第1の実施形態で説明したアルコールセンサー23と同様のものである。マイクロフォン63は、吹掛け口51またはストロー55を用いた息の吹掛け音(空気が流路64を流れる際に生じる音)を検出する。
【0030】
記憶部61は、半導体メモリ等(望ましくは不揮発性メモリ)からなり、ヘッド部50の動作に関わる様々な情報を保持することが可能である。例えば、ヘッド部50の識別情報、アルコールセンサー62の使用回数、使用日数、および使用期限に関する情報、および測定データを含む表示用データなどが、記憶部61に格納される。制御部60は、MCU(Micro Controller Unit)からなり、ヘッド部50の各部の動作を制御する。制御部60は、第1の実施形態で説明した第1の制御部21に相当する。タイマー65は、アルコールセンサー62の使用日数をカウントする経時手段の一例である。
【0031】
検知器本体40は、図3から図6に示した構成に加えて、制御部70、記憶部71、通信部72、二次電池73、およびスピーカー74を有する。制御部70は、MCUからなり、携帯型アルコール検知器2の各部の動作を制御する。制御部70は、第1の実施形態で説明した第2の制御部11に相当する。記憶部71は、半導体メモリ等からなり、携帯型アルコール検知器2の動作に関わる様々な情報を保持することが可能である。例えば、検知器本体40の識別情報、センサー管理情報、および測定データを含む表示用データなどが、記憶部71に格納される。二次電池73は、充電口48を介して充填可能である。スピーカー74は、例えば、動作モードや警告を示す様々なパターンの音響信号を出力することが可能である。通信部72は、外部装置(スマートフォン等の携帯端末)との間でBluetooth等の近距離無線通信を行う。
【0032】
被検者は、携帯型アルコール検知器2を用いてアルコールチェックや検温を行うことができる。以下、アルコールチェックおよび検温の動作を説明する。
【0033】
<アルコールチェック>
アルコール測定ボタン43を押すと、動作モードがアルコール測定モードに移行する。アルコール測定モードにおいて、制御部70はアルコールセンサー62を起動するためのコマンド信号を制御部60に送り、制御部60がそのコマンド信号に従ってアルコールセンサー62を起動する。制御部70は、アルコール測定モードを示す音響信号をスピーカー74から出力させ、その後、測定準備完了を示す情報を表示部41に表示する。測定準備完了の表示から所定の時間内に吹掛け口51に息を吹掛けると、アルコールセンサー62が呼気中に含まれるアルコール濃度を検出する。制御部60は、アルコールセンサー62が検出したアルコール濃度検出値を制御部70に送る。制御部70は、アルコール濃度検出値を表示部41に表示するとともに記憶部71に格納する。
【0034】
なお、制御部60は、マイクロフォン63の出力に基づいて、所定の時間にわたって連続して吹掛け口51に息を吹掛けた否かを判断する。所定の時間にわたって連続して息を吹掛けていない場合は、制御部60は、エラーを示すコマンド信号を制御部70に送り、制御部70がそのコマンド信号に従ってエラーを示す情報を表示部41に表示する。
また、制御部70は、アルコール濃度検出値が閾値より高い場合は、異常を示す情報を表示部41に表示し、アルコール濃度検出値が閾値以下の場合には、正常を示す情報を表示部41に表示することができる。
さらに、制御部70は、アルコールセンサー62が検出したアルコール濃度検出値を通信部72から外部装置へ送信させることができる。
【0035】
<検温>
検温ボタン44を押すと、動作モードが検温モードに移行する。検温モードにおいて、制御部70は温度センサー47を起動し、検温モードを示す音響信号をスピーカー74から出力させ、測定準備完了を示す情報を表示部41に表示する。温度センサー47を被検者の額等に近づけると、温度センサー47が体表面温度を検出する。制御部70は、温度センサー47が検出した体表面温度検出値を表示部41に表示するとともに記憶部71に格納する。
制御部70は、体表面温度検出値が第1閾値より低い場合は、体温が低い旨を示す情報を表示部41に表示し、体表面温度検出値が第2閾値(>第1閾値)より高い場合は、体温が高い旨を示す情報を表示部41に表示する。第1閾値および第2閾値は、適宜に設定可能である。
なお、制御部70は、温度センサー47が検出した体表面温度検出値を通信部72から外部装置へ送信させることができる。
【0036】
次に、アルコールセンサー62の使用期限の管理について説明する。
制御部60は、アルコールセンサー62を初めて起動した際に、タイマー65を用いて起動日時を取得し、使用開始日を記憶部61に格納する。使用開始日が記憶部61に格納されているか否かにより、アルコールセンサー62が初めて起動された否かを判断することができる。制御部60は、タイマー65を用いて、アルコールセンサー62の使用開始からの経過日数をカウントする。制御部60は、カウント値を使用日数として記憶部61に格納する。
また、制御部60は、アルコール測定ボタン43が押されてアルコール測定モードに移行し、アルコールセンサー62が被検者の呼気中のアルコール濃度を検出すると、アルコールセンサー62が1回使用されたと判断する。制御部60は、アルコールセンサー62の現在の使用回数を記憶部61に格納する。制御部60は、アルコール測定ボタン43が押されてアルコールセンサー62がアルコール濃度を検出する度に、使用回数を1つインクリメントする。
【0037】
制御部60は、アルコールセンサーの使用レベルの確認要求に応じて、記憶部61に格納した使用日数、使用回数、およびヘッド部50の識別情報を含むセンサー管理情報を生成する。例えば、制御部70が、所定のボタンが押されたことを検出すると、使用レベルの確認要求を示すコマンド信号を制御部60に送る。制御部60は、コマンド信号を受け付けたタイミングでセンサー管理情報を作成し、そのセンサー管理情報を制御部70に送る。制御部70は、制御部60から受け取ったセンサー管理情報を表示部41に表示する。所定のボタンは、専用のボタンであってもよく、電源ボタン42やアルコール測定ボタン43と兼用してもよい。
また、制御部70は、通信部72を介して外部装置から使用レベルの確認要求を受け付けて、コマンド信号を制御部60に送ることもできる。この場合は、制御部70は、使用レベルの確認要求を送信した外部装置に対して、制御部60から受け取ったセンサー管理情報を通信部72から送信する。
【0038】
ヘッド部50を検知器本体40から取り外すと、検知器本体40からヘッド部50への給電が行われなくなるが、記憶部61は格納している情報を保持する。例えば、給電が停止する直前のアルコールセンサー62の使用日数および使用回数の情報や、ヘッド部50の識別情報は、そのまま記憶部61に維持されている。取り外したヘッド部50の端子54を外部装置に接続して、記憶部61に格納している情報を取り出すことも可能である。
取り外したヘッド部50を、再度、検知器本体40に取り付けると、検知器本体40からヘッド部50への給電が再開する。給電の再開後、ヘッド部50では、制御部60が、記憶部61に格納されている給電停止時の使用日数からのカウントを開始する。これにより、給電が再開された後も、使用日数を正確にカウントすることができる。使用回数についても、記憶部61に格納されている給電停止時の使用回数からカウントを再開する。これにより、使用回数を正確にカウントすることができる。
【0039】
本実施形態の携帯型アルコール検知器2においても、第1の実施形態と同様に、アルコールセンサー62の使用日数および使用回数をヘッド部毎に管理することができ、運用コストも削減することができる。
また、第1の実施形態と同様、本実施形態の携帯型アルコール検知器2も、スマートフォン等の携帯端末と連携した情報管理を行うことができる。
【0040】
例えば、図2に示した情報管理システムにおいて、携帯型アルコール検知器1に代えて携帯型アルコール検知器2を用いる。複数の被検者それぞれに、携帯型アルコール検知器2と携帯端末3を持たせてアルコールチェックと検温を行う。この場合、クラウドサーバー上で、各被検者のアルコールチェックと検温の測定結果を一括管理することができるとともに、各携帯型アルコール検知器2のアルコールセンサーの使用期限をヘッド部毎に一括管理することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 携帯型アルコール検知器
10 検知器本体
11 第2の制御部
12 第2の出力部
13 操作部
14 端子
20 ヘッド部
21 第1の制御部
22 第1の出力部
23 アルコールセンサー
24 端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7