(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036103
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】支援装置、及び支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/016 20230101AFI20240308BHJP
G06Q 30/015 20230101ALI20240308BHJP
【FI】
G06Q30/00 330
G06Q30/02 470
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140830
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】595140170
【氏名又は名称】東京海上日動火災保険株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】廣田 雄亮
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 佳世
(72)【発明者】
【氏名】江添 奏重
(72)【発明者】
【氏名】野田 美友紀
(72)【発明者】
【氏名】松本 淳太郎
(72)【発明者】
【氏名】上屋 佳子
(72)【発明者】
【氏名】河野 信輝
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB05
(57)【要約】
【課題】案件管理アプリケーションにおいて応対を受けるユーザの属性に適した定型文の登録を支援することが可能な支援装置を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る支援装置は、第1ユーザに対する第2ユーザの案件に関する応対の内容に対応する応対情報の生成を支援する支援装置であって、第1ユーザ及び第2ユーザの少なくとも一方のユーザのメッセージ情報と、第1ユーザのユーザ属性情報とを取得する取得部と、少なくともメッセージ情報及びユーザ属性情報に基づいて、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出する抽出部と、少なくとも1つの候補から選択された定型文に基づいて、応対情報を生成する生成部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザに対する第2ユーザの案件に関する応対の内容に対応する応対情報の生成を支援する支援装置であって、
前記第1ユーザ及び前記第2ユーザの少なくとも一方のユーザのメッセージ情報と、前記第1ユーザのユーザ属性情報とを取得する取得部と、
少なくとも前記メッセージ情報及び前記ユーザ属性情報に基づいて、前記メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出する抽出部と、
前記少なくとも1つの候補から選択された定型文に基づいて、前記応対情報を生成する生成部と、
を備える、支援装置。
【請求項2】
複数の定型文を前記ユーザ属性情報に対応付けて記憶する記憶部、を更に備え、
前記抽出部は、前記複数の定型文のうち、前記メッセージ情報との類似度が所定閾値以上であり且つ前記記憶部において前記ユーザ属性情報に対応付けられた少なくとも1つの定型文を、前記少なくとも1つの候補として抽出する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記複数の定型文と所定の定型文属性情報とが対応付けられた定型文属性情報データベースと、前記ユーザ属性情報と前記定型文属性情報とが対応付けられた属性対応情報データベースと、を記憶し、
前記抽出部は、前記属性対応情報データベースにおいて前記ユーザ属性情報に対応付けられた前記定型文属性情報を特定し、前記定型文属性情報データベースにおいて前記定型文属性情報に対応付けられた前記少なくとも1つの定型文を特定し、且つ、特定された前記少なくとも1つの定型文を前記少なくとも1つの候補として抽出する、請求項2に記載の支援装置。
【請求項4】
前記抽出部は、前記メッセージ情報を入力とした機械学習モデルの演算に基づいて、前記メッセージ情報に対応する定型文の前記少なくとも1つの候補を抽出する、請求項1に記載の支援装置。
【請求項5】
前記抽出部は、前記メッセージ情報及び前記ユーザ属性情報を入力とした前記機械学習モデルの出力として、前記メッセージ情報に対応する定型文の前記少なくとも1つの候補を抽出する、請求項4に記載の支援装置。
【請求項6】
複数の定型文を前記ユーザ属性情報に対応付けて記憶する記憶部、を更に備え、
前記抽出部は、
前記メッセージ情報を入力とした前記機械学習モデルの出力として、前記メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの一次候補を抽出し、
前記少なくとも1つの一次候補のうち、前記記憶部において前記ユーザ属性情報に対応付けられた少なくとも1つの定型文を、前記少なくとも1つの候補として抽出する、請求項4に記載の支援装置。
【請求項7】
前記抽出部は、前記機械学習モデルの出力として、更に、前記少なくとも1つの候補それぞれの発生確率を抽出する、請求項5又は6に記載の支援装置。
【請求項8】
前記機械学習モデルは、ロジスティック回帰、ニューラルネットワークを含む、請求項4に記載の支援装置。
【請求項9】
前記機械学習モデルに対して、前記応対情報に基づく機械学習を実行させる学習実行部を更に備える、請求項4に記載の支援装置。
【請求項10】
前記抽出部は、前記メッセージ情報及び前記ユーザ属性情報に加えて、少なくとも前記案件に関する案件情報及び前記応対の段階を示す段階情報のいずれかに基づいて、前記メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出する、請求項1に記載の支援装置。
【請求項11】
前記抽出部によって抽出された前記定型文の前記少なくとも1つの候補と、前記メッセージ情報における前記定型文の前記少なくとも一部の候補の根拠となる箇所と、前記少なくとも1つの候補から選択された前記定型文と、を含む画面を表示させるよう表示装置を制御する表示制御部、を更に備える、請求項1に記載の支援装置。
【請求項12】
第1ユーザに対する第2ユーザの案件に関する応対の内容に対応する応対情報の生成を支援する支援方法であって、
1つ又は複数のコンピュータが、
前記第1ユーザ及び前記第2ユーザの少なくとも一方のユーザのメッセージ情報と、前記第1ユーザのユーザ属性情報とを取得するステップと、
少なくとも前記メッセージ情報及び前記ユーザ属性情報に基づいて、前記メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出するステップと、
前記少なくとも1つの候補から選択された定型文に基づいて、前記応対情報を生成するステップと、
を実行する、支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援装置、及び支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コールセンタにおいて、カスタマ等からの問い合わせ、照会、又は要求に対し従業員(以下、オペレータと記す)が対応している。例えば、特許文献1には、オペレータが、カスタマからの問い合わせに対してどのように対応したかを、プルダウンメニューから選択することによって、システムに入力することが記載されている。オペレータが、案件の処理の進捗状況をシステムに入力することによって、他のオペレータが、当該案件を引き継いだ場合であっても、他のオペレータが残りの処理を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コールセンタ業務においては、応対内容を効率的に案件管理アプリケーションに入力することを可能とするために、予め用意された定型文の中から、応対内容を示すテキストに近いものとして推定された定型文が表示されたシステムが利用されている。オペレータは、推定された定型文から応対内容に近いと思う定型文を選択することにより、案件管理アプリケーションに応対内容を入力することが可能となる。しかしながら、応対を受けるユーザは多種多様な属性を持っているため、推定される定型文も多岐に渡ってしまい、依然として定型文選択に時間がかかり工数削減効果が薄いという課題があった。
【0005】
そこで、上記問題に鑑み、本発明の一実施形態では、案件管理アプリケーションにおいて応対を受けるユーザの属性に適した定型文の登録を支援することが可能な支援装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る支援装置は、第1ユーザに対する第2ユーザの案件に関する応対の内容に対応する応対情報の生成を支援する支援装置であって、第1ユーザ及び第2ユーザの少なくとも一方のユーザのメッセージ情報と、第1ユーザのユーザ属性情報とを取得する取得部と、少なくともメッセージ情報及びユーザ属性情報に基づいて、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出する抽出部と、少なくとも1つの候補から選択された定型文に基づいて、応対情報を生成する生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、オペレータが案件管理アプリケーションに登録するための定型文を入力する際に、応対を受けるユーザの属性に適した定型文の少なくとも1つの候補が抽出された上で、少なくとも1つの候補から選択された定型文に基づいて、応対情報が生成される。これにより、ユーザの属性に適した定型文を応対情報として登録することが容易になるため、業務効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る支援システム1のブロック図である。
【
図2】第1ユーザ情報DB311のデータ構造の一例を示す図である。
【
図3】定型文情報DB312のデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】属性対応情報DB313のデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】支援システム1に含まれる第1ユーザ端末10、第2ユーザ端末20、及び支援装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】支援システム1が実行する処理の一例を示す動作シーケンスである。
【
図7】第2ユーザ端末20に表示される案件管理アプリケーションの画面の一例である。
【
図8】ルールベースに基づく候補抽出処理の一例を示す動作フロー図である。
【
図9】機械学習モデルを利用した候補抽出処理の一例を示す動作フロー図である。
【
図10】定型文情報DB312′のデータ構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
(1)支援システム1の概要
図1は、本発明の一実施形態に係る支援システム1のブロック図である。支援システム1は、例えば、保険に関するコールセンタ等における応対業務に用いられる。なお、支援システム1は、保険に関するコールセンタ業務に限らず、メッセージ情報のやり取りが行われる業務であれば、銀行業務や販売業務その他の任意の業務に適用することができる。
【0011】
支援システム1は、例えば、第1ユーザが利用する第1ユーザ端末10と、第1ユーザに対して応対を行う第2ユーザが利用する第2ユーザ端末20と、支援装置30とを有する。第1ユーザ端末10、第2ユーザ端末20、及び支援装置30は、インターネットやPSTN(Public Switched Telephone Networks)等のような公衆網、無線ネットワーク等の通信網Nに接続されている。
【0012】
ここで、第1ユーザは、第2ユーザから応対を受けるユーザであって、例えば、カスタマに限らず、カスタマの関係者(家族、友人、知人)、カスタマが関与した事故の相手方、当該相手方が加入している保険契約の保険会社の従業員、カスタマが関与した事故において損害を受けた自動車等の修理を行う修理業者、代車の手配等を行うレンタカー業者、整形外科や接骨院等における医療従事者等、当該保険に関連する任意の者であってよい。また、第2ユーザは、オペレータに限らず、第1ユーザに対して応対を行う任意のユーザであってよい。
【0013】
第1ユーザ端末10と第2ユーザ端末20とは、例えば通信網Nを介して、音声通話可能に接続されてもよい。これにより、第1ユーザ端末10を利用する第1ユーザと、第2ユーザ端末20を利用する第2ユーザとが、これら端末を介して音声通話を行うことが可能となる。第2ユーザ端末20は、第1ユーザ端末10との間の音声通話に基づいて通話音声データを生成し、支援装置30に送信してもよい。通話音声データには、通話開始時間、通話終了時間、通話開始を示すタグ及び通話終了開始を示すタグや、通話音声データを区別するための識別情報が付与されてもよい。なお、通話音声データの生成や支援装置30への送信は、第1ユーザ端末10が実行してもよい。
【0014】
第1ユーザ端末10と第2ユーザ端末20とは、例えば通信網Nを介して、チャット機能等においてテキスト情報を送受信可能に接続されてもよい。これにより、第1ユーザ端末10を利用する第1ユーザと、第2ユーザ端末20を利用する第2ユーザとが、これら端末を介してテキスト情報のやり取りを行うことが可能となる。第2ユーザ端末20は、第1ユーザ端末10との間で送受信されるテキスト情報を、支援装置30に送信してもよい。なお、テキスト情報の支援装置30への送信は、第1ユーザ端末10が実行してもよい。
【0015】
支援装置30は、案件管理アプリケーションの機能を、第2ユーザ端末20に提供する。案件管理アプリケーションは、コールセンタ業務の案件に関する情報等を管理するためのアプリケーションである。案件管理アプリケーションでは、案件に関する任意の情報を記録することが可能であってよい。
【0016】
案件管理アプリケーションでは、例えば、第2ユーザによる第1ユーザの応対の内容に対応する応対情報を記録することが可能であってもよい。支援装置30は、例えば、案件管理アプリケーションにおいて、少なくとも第1ユーザに対する第2ユーザの応対に基づくメッセージ情報に基づいて、当該応対情報の生成を支援してもよい。メッセージ情報は、通話による応対の場合、第1ユーザと第2ユーザとの間の通話に基づく通話音声データを音声認識することにより生成されるテキスト情報であってもよいし、チャットによる応対の場合、第1ユーザや第2ユーザが各々の端末に対して入力したテキスト情報であってもよい。応対情報は、通話による応対の場合、第1ユーザ又は第2ユーザによる発話の内容を示す情報であってもよいし、チャットによる応対の場合、第1ユーザ又は第2ユーザによる入力の内容を示す情報であってもよい。また、応対情報は、発話や入力の内容そのものを示す情報であってもよいし、発話や入力の内容に対応するものとして選択等された定型文を示す情報であってもよい。また、応対情報は、第2ユーザが任意に入力したメモや、例えば保険契約に関する種々のチェック項目についての第2ユーザによるチェック結果等を含んでもよい。
【0017】
支援装置30は、第1ユーザと第2ユーザとの間の応対の内容を示す定型文を応対情報の候補として出力してもよい。この場合、支援装置30は、メッセージ情報と、第1ユーザの属性を示すユーザ属性情報とに基づく候補を出力することが可能である。支援システム1において、第2ユーザは、出力された候補から所望の定型文を選択することにより、案件管理アプリケーションに応対情報として当該候補に対応する定型文を入力することが可能である。このように、支援装置30は、応対を受ける第1ユーザの属性に応じた適切な定型文の登録を支援することが可能である。
【0018】
(2)支援装置30の構成
(2-1)機能構成
図1を参照して、支援装置30の機能構成について説明する。
図1に示すとおり、支援装置30は、記憶部31と、制御部32とを備える。記憶部31は、例えば、後述するメモリ102及びストレージ103によって実現される。記憶部31は、第1ユーザ情報DB311、定型文情報DB312、属性対応情報DB313、及び機械学習モデル314を記憶する。制御部32は、例えば、後述するプロセッサ101によって実現される。制御部32は、例えば、音声認識部321、取得部322、学習実行部323、抽出部324、生成部325、及び表示制御部326を備える。
【0019】
<音声認識部321>
音声認識部321は、第1ユーザ及び第2ユーザの間の通話に関する通話音声データを取得した上で、通話音声データに対して音声認識処理を行うことによって、通話音声データに基づくテキスト情報を生成する。当該テキスト情報は、第1ユーザが発話した内容に付された第1ユーザのタグや、第2ユーザが発話した内容に付された第2ユーザのタグ等の、発話者を識別するためのタグを含んでもよい。また、当該テキスト情報は、通話開始時間、通話終了時間、通話開始を示すタグ及び通話終了開始を示すタグや、通話テキストデータを区別するための識別情報を含んでもよい。音声認識処理は、第1ユーザ端末10と第2ユーザ端末20とが接続されている間、リアルタイムで実行されてもよいし、第1ユーザ端末10と第2ユーザ端末20との接続が切断されてから実行されてもよい。本実施形態では、音声認識処理には、周知の手法が利用されればよく、音声認識処理自体及びその音声認識処理で利用される各種音声認識パラメータは特に限定されない。また、通話テキストデータは、記憶部31に記憶されてもよい。
【0020】
<取得部322>
取得部322は、メッセージ情報を取得する。メッセージ情報は、通話による応対の場合、第1ユーザと第2ユーザとの間の通話に基づく通話音声データを音声認識することにより生成されるテキスト情報であってよい。取得部322は、当該テキスト情報を、例えば、音声認識部321から取得してもよい。また、メッセージ情報は、チャットによる応対の場合、第1ユーザや第2ユーザが各々の端末に対して入力したテキスト情報であってもよい。取得部322は、当該メッセージ情報を、第1ユーザ端末10や第2ユーザ端末20から取得してもよい。
【0021】
取得部322は、応対を受ける第1ユーザのユーザ属性情報を取得する。取得部322は、例えば、第1ユーザのユーザ属性情報を、第1ユーザ情報DB311から取得してもよい。具体的には、取得部322は、例えば、案件管理アプリケーションにおける処理として第1ユーザのユーザIDを取得したうえで、当該ユーザIDをキーとして、第1ユーザ情報DB311から第1ユーザのユーザ属性情報を取得してもよい。
【0022】
ユーザ属性情報は、ユーザの属性を示す任意の情報を含んでもよい。当該属性は、例えば、カスタマ、カスタマの関係者(家族、友人、知人)、カスタマが関与した事故の相手方、当該相手方が加入している保険契約の保険会社の従業員、カスタマが関与した事故において損害を受けた自動車等の修理を行う修理業者、代車の手配等を行うレンタカー業者、整形外科や接骨院等における医療従事者等の、当該ユーザの保険に対する関係性を示す属性であってもよい。或いは、当該属性は、ユーザの性別、年齢、居住地域、所得、職業、家族構成など人口統計学的な属性(デモグラフィックな属性)であってもよい。或いは、当該属性は、自動車に関連する保険の場合においてカスタマとしてのユーザが保有する自動車の車種、走行距離等の使用状況、車検の状況、安全装置の有無、カーナンバー等の属性であってもよい。
【0023】
図2は、第1ユーザ情報DB311のデータ構造の一例を示す図である。第1ユーザ情報DB311は、第1ユーザに関する情報を管理するためのDBである。第1ユーザ情報DB311は、例えば、ユーザIDと、ユーザ基本情報と、ユーザ属性情報と、契約情報とを含む。
【0024】
ユーザIDは、第1ユーザを識別するための識別情報(ID)である。ユーザ基本情報は、第1ユーザに関する基本的な任意の情報であってよく、例えば、第1ユーザの氏名、年齢、性別、住所、居所等であってもよい。なお、ユーザ基本情報は、ユーザ属性情報と重複していてもよい。
【0025】
ユーザ属性情報は、上述したとおり、第1ユーザの属性を示す任意の情報であって、例えば、第1ユーザの保険に対する関係性を示す属性であってもよい。第1ユーザの保険に対する関係性を示す属性としては、例えば、カスタマ、カスタマの関係者(家族、知人・友人等)、事故の相手方、代理店(カスタマ及び相手方の双方の代理店)、相手方における保険契約の保険会社の従業員、カスタマが関与した事故において損害を受けた自動車等の修理を行う修理業者等(レンタカー会社等)を含んでもよい。或いは、ユーザ属性情報は、第1ユーザの性別、年齢、居住地域、所得、職業、家族構成など人口統計学的な属性(デモグラフィックな属性)であってもよい。或いは、ユーザ属性情報は、自動車に関連する保険の場合においてカスタマとしての第1ユーザが保有する自動車の車種、走行距離等の使用状況、車検の状況、安全装置の有無、カーナンバー等の属性であってもよい。
【0026】
契約情報は、第1ユーザがカスタマである場合に、当該カスタマとしての第1ユーザが契約している保険の内容を示す情報である。具体的には、契約情報は、例えば、保険料、補償内容、契約期間等を含んでもよい。なお、第1ユーザ情報DB311が記憶する情報は、これらに限られなくてもよい。
【0027】
<学習実行部323>
学習実行部323は、メッセージ情報(通話による応対の場合における音声データに基づくテキスト情報、又は、チャットによる応対の場合における各端末に入力されたテキスト情報)と、複数の定型文とのデータセットを学習データとする機械学習を実行することにより、メッセージ情報とを入力とし、定型文等を出力とする機械学習モデル314を生成する。なお、学習実行部323は、学習データに第1ユーザのユーザ属性情報を含めてもよく、その場合、機械学習モデル314は、更に当該ユーザ属性情報を入力に含んでもよい。これら機械学習においては、メッセージ情報に基づいて生成された特徴ベクトルを入力としてもよい。特徴ベクトルは、例えば、メッセージ情報に対して形態素解析等を行うことにより得られる単語や文字に基づくベクトル(単語ベクトルや文字ベクトル等)を含んでもよい。機械学習のアルゴリズムは、特に限定されないが、例えば、ロジスティック回帰、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト、及びナイーブベイズ等を含んでもよい。機械学習モデル314は、定型文その発生確率を出力に含んでもよい。発生確率は、例えば、ロジスティック回帰において利用されるシグモイド関数等に基づいて算出されてもよい。
【0028】
学習実行部323は、所定の期間毎に再学習を行い、機械学習モデル314を更新してもよい。そのために、記憶部31には、通話テキストデータや、通話テキストデータから変換された特徴ベクトルが学習データとして蓄積されてもよい。更に、記憶部31には、通話テキストデータに対応する定型文として選択された定型文に「正解」を与えるラベルが付与されて、定型文データとして蓄積されてもよい。
【0029】
<抽出部324>
抽出部324は、取得部322が取得したメッセージ情報と第1ユーザのユーザ属性情報とに基づいて、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出する。
抽出部324による候補を抽出する処理(候補抽出処理)は、例えば、ルールベースに基づいたものであってもよいし、機械学習モデルを利用したものであってもよい。
【0030】
<<ルールベースに基づく候補抽出処理>>
ルールベースに基づく候補抽出処理の場合、抽出部324は、複数の定型文の各々を、ユーザ属性情報に直接的又は間接的に対応付けて記憶している記憶部31を参照して、メッセージ情報に対応する候補を抽出してもよい。本実施形態に係る支援装置30においては、記憶部31は、上述した第1ユーザ情報DB311と、以下に説明する定型文情報DB312と、属性対応情報DB313との組み合わせによって、複数の定型文の各々をユーザ属性情報に間接的に対応付けて記憶している。
【0031】
図3は、定型文情報DB312のデータ構造の一例を示す図である。定型文情報DB312は、予め規定された定型文を管理するためのDBである。定型文情報DB312は、例えば、定型文IDと、定型文と、定型文属性とを含む。定型文IDは、定型文を識別するための識別情報(ID)である。定型文は、定型文の内容を示すテキスト情報である。定型文属性は、定型文に対応付けられた属性情報であり、ユーザ属性情報と同一の種別に設定されている。定型文属性情報は、定型文の管理のために便宜的に各定型文に設定された属性情報である。
【0032】
定型文情報DB312に記憶される定型文は、ツリー構造を有していてもよい。すなわち、定型文情報DB312において、各定型文には階層が設定され、且つ、ある定型文が他の上位階層の定型文に属していてもよい。
図3に示す例では、例えば、定型文ID「S0001」の定型文(怪我の有無を確認しました。)の直下の階層には、定型文ID「S0001-1」の定型文(怪我がありました)と、定型文ID「S0001-2」の定型文(怪我はありませんでした)とが属する。更に、定型文ID「S0001-1」の定型文(怪我がありました)の直下の階層には、定型文ID「S0001-1-1」の定型文(大怪我でした)と、定型文ID「S0001-1-2」の定型文(中程度の怪我でした)と、定型文ID「S0001-1-3」の定型文(軽症でした)とが属する。
【0033】
図4は、属性対応情報DB313のデータ構造の一例を示す図である。属性対応情報DB313は、ユーザ属性情報と定型文属性情報との対応付けを規定するためのDBである。
図4に示す例では、ユーザ属性情報「契約者」が定型文属性情報「契約者」に対応付けられ、ユーザ属性情報「相手方」が定型文属性情報「相手方」に対応付けられ、ユーザ属性情報「相手方の保険会社」が定型文属性情報「相手方」に対応付けられ、ユーザ属性情報「修理実施者」が定型文属性情報「修理実施者」に対応付けられている。ユーザ属性情報と定型文属性情報とは、必ずしも一対一の対応とならなくてもよく、管理者が任意に設定可能であってもよい。本実施形態においては、定型文に対して直接ユーザ属性情報を対応付けるのではなく、定型文情報DB312において定型文に対応付けられた定型文属性情報と、第1ユーザ情報DB311においてユーザに対応付けられたユーザ属性情報とが、属性対応情報DB313において対応付けられている。そのため、本実施形態における支援装置30では、各定型文に対する第1ユーザのユーザ属性情報の対応付けにおける設計の自由度が増す。
【0034】
抽出部324は、記憶部31に記憶された複数の定型文から、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出する。具体的には、例えば、抽出部324は、記憶部31に記憶された複数の定型文から、メッセージ情報との類似度が所定閾値以上であり且つ記憶部31においてユーザ属性情報に対応付けられた少なくとも1つの定型文を、少なくとも1つの候補として抽出する。類似度は、例えば、各候補とメッセージ情報とのテキスト情報としての類似の度合を示す定量的な指標であってもよく、具体的には、文字や単語の一致率や、テキスト情報全体から生成される特徴ベクトル同士の近さ(内積等)であってもよい。類似度についての上述した所定閾値は、任意に設定可能であってよい。
【0035】
また、抽出部324は、記憶部31においてユーザ属性情報に対応付けられた少なくとも1つの定型文を抽出する。具体的には、抽出部324は、属性対応情報DB313を参照して、ユーザ属性情報に対応付けられた定型文属性情報を特定し、次に、定型文情報DB312を参照して、S202で特定された定型文属性情報に対応付けられた定型文を特定することにより、定型文を抽出する。
【0036】
なお、上述した記憶部31の例においては、定型文情報DB312は定型文に定型文属性情報を対応付けて記憶し、属性対応情報DB313は定型文属性情報をユーザ属性情報に対応付けて記憶することにより、定型文が間接的にユーザ属性情報に対応付けられている。しかしながら、ユーザ属性情報と定型文とは、直接的に対応付けて記憶されてもよい。すなわち、例えば、定型文を管理するための定型文情報DBにおいて、定型文毎にユーザ属性情報が対応付けられていてもよい。
【0037】
抽出部324は、記憶部31に記憶された複数の定型文がツリー構造を有する場合、定型文の抽出の際に、ツリー構造に関する情報を抽出してもよい。ツリー構造に関する情報は、抽出される定型文の階層を示す情報や、抽出される定型文に対する上位及び/又は下位の階層に属する定型文を示す情報を含んでもよい。
【0038】
<<機械学習モデルを利用した候補抽出処理>>
機械学習モデルを利用した候補抽出処理の場合、ユーザ属性情報は、機械学習モデルの入力として用いられてもよいし、或いは、機械学習モデルにより出力された一次候補から最終的な候補を得るためのキーとして用いられてもよい。
【0039】
ユーザ属性情報が機械学習モデルの入力として用いられる場合、例えば、機械学習モデル314は、メッセージ情報及びユーザ属性情報を入力とし、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を出力とするように構成される。当該機械学習モデル314は、例えば、メッセージ情報と、当該メッセージ情報の発話や入力の主体となるユーザのユーザ属性情報と、複数の定型文とのデータセットに基づいた機械学習によって生成することが可能である。機械学習モデル314は、各候補の発生確率を併せて出力してもよい。当該発生確率は、例えば、ロジスティック回帰において利用されるシグモイド関数に基づいて出力されてもよい。
【0040】
機械学習モデル314は、複数の定型文が有するツリー構造に関する情報を出力してもよい。ツリー構造に関する情報は、抽出される定型文の階層を示す情報や、抽出される定型文に対する上位及び/又は下位の階層に属する定型文を示す情報を含んでもよい。そのために、機械学習モデル314を生成するための学習データには、データセットに含まれる複数の定型文のツリー構造を示す情報が含まれてもよい。
【0041】
ユーザ属性情報が機械学習モデルにより出力された一次候補から最終的な候補を得るためのキーとして用いられる場合、例えば、機械学習モデル314は、メッセージ情報を入力とし、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの一次候補を出力とするように構成される。なお、この場合、機械学習モデル314は、ユーザ属性情報を入力としなくてよい。機械学習モデル314は、各一次候補の発生確率を併せて出力してもよい。抽出部324は、メッセージ情報の入力に応じて機械学習モデル314が出力した少なくとも1つの一次候補のうちから、記憶部31においてユーザ属性情報に対応付けられた定型文を特定し、特定された定型文を最終的な候補として抽出する。
【0042】
<生成部325>
生成部325は、抽出部324により抽出された候補から選択された定型文に基づいて、応対情報を生成する。例えば、候補となる定型文を表示した第2ユーザ端末20が、第2ユーザによる定型文の選択を受け付け、選択された定型文を示す情報を支援装置30に送信する。生成部325は、選択された定型文を示す情報を第2ユーザ端末20から取得すると、該当する定型文を含む応対情報を生成し、案件管理アプリケーションに登録する。これにより、第1ユーザに対する第2ユーザの応対の内容に対応する応対情報として、第2ユーザにより選択された候補に対応する定型文が案件管理アプリケーションに登録される。
【0043】
<表示制御部326>
表示制御部326は、所定の表示装置を制御して、所定の画面を表示させる。表示装置は、支援装置30が備える表示装置に限らず、第2ユーザ端末20が備える表示装置であってもよい。また、表示制御部326が、第2ユーザ端末20が備える表示装置を制御する場合、第2ユーザ端末20が備える制御部と協働してこれを制御してもよい。表示制御部326は、各種の情報に基づいて表示データを生成し、当該表示データに基づく画面を表示するように表示装置を制御してもよい。例えば、表示制御部326は、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補と、メッセージ情報における定型文の少なくとも一部の候補の根拠となる箇所と、少なくとも1つの候補から選択された定型文と、を含む画面を表示させるよう表示装置を制御してもよい。また、表示制御部326は、案件情報及び/又は段階情報を含む画面を表示させるように表示装置を制御してもよい。
【0044】
(2-2)ハードウェア構成
図5は、支援システム1に含まれる第1ユーザ端末10、第2ユーザ端末20、及び支援装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。以下では、第1ユーザ端末10、第2ユーザ端末20、及び支援装置30を区別せず情報処理装置100と称する。
【0045】
情報処理装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入出力インターフェース(入出力I/F)104と、通信インターフェース(通信I/F)105とを含む。情報処理装置100のハードウェアの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。
【0046】
情報処理装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入出力I/F104と、通信I/F105との協働により、本開示に記載される機能、および/または、方法を実現する。
【0047】
プロセッサ101は、ストレージ103に記憶されるプログラムに含まれるコードまたは命令によって実現する機能、および/または、方法を実行する。プロセッサ101は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processorcore)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application―Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1つまたは複数の集積回路により実現されてよく、実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0048】
メモリ102は、ストレージ103からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ101に対して作業領域を提供する。メモリ102には、プロセッサ101がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ102は、限定でなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含む。
【0049】
ストレージ103は、プログラムを記憶する。ストレージ103は、限定でなく例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどを含む。
【0050】
入出力I/F104は、情報処理装置100に対する各種操作を入力する入力装置、および、情報処理装置100で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。入出力I/F104は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。
【0051】
入力装置は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ101に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。入力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。
【0052】
出力装置は、プロセッサ101で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。当該処理結果を映像、および/または、動画像として出力する場合、出力装置は、フレームバッファに書き込まれた表示データ(画面情報)に従って、当該表示データを表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、OELD(Organic Electroluminescence Display)など)、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置(表示装置)、スピーカ(音声出力)、プリンターなどを含む。なお、これらの出力装置は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
【0053】
通信I/F105は、通信網Nを介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F105は、通信網Nを介して、他の情報処理装置との通信を実行する機能を有する。通信I/F105は、各種データをプロセッサ101からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、通信I/F105は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ101に伝達する。
【0054】
本開示の実施形態のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。プログラムは、限定でなく例として、ソフトウェアプログラムやコンピュータプログラムを含む。
【0055】
記憶媒体は適切な場合、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。
【0056】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(ネットワークや放送波等)を介して、情報処理装置100に提供されてもよい。
【0057】
また、本開示の実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0058】
なお、本開示のプログラムは、限定でなく例として、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装される。
【0059】
情報処理装置100における処理の少なくとも一部は、1つ以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
【0060】
情報処理装置100における処理の少なくとも一部を、他の情報処理装置により行う構成としてもよい。この場合、プロセッサ101により実現される各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、他の情報処理装置で行う構成としてもよい。
【0061】
(3)動作処理
次に、本発明の一実施形態に係る支援システム1の動作処理について、
図6~8を参照して説明する。
【0062】
(3-1)全体の動作処理
図6は、支援システム1が実行する処理の一例を示す動作シーケンスである。当該動作シーケンスでは、第2ユーザ端末20を利用する第2ユーザ(例えば、オペレータ)が、第1ユーザ端末10を利用する第1ユーザ(例えば、カスタマ)に対して、通話による応対又はチャットによる応対を行っているものとする。また、このとき、支援装置30によって、応対の内容や案件に関する情報を入力するための案件管理アプリケーションの機能が第2ユーザ端末20に対して提供されているものとする。
図7は、第2ユーザ端末20に表示される案件管理アプリケーションの画面の一例である。当該画面は、例えば、支援装置30の表示制御部326による制御によって第2ユーザ端末20の表示装置に表示される。
【0063】
(S11)
まず、支援装置30の取得部322は、第1ユーザ及び第2ユーザの少なくとも一方のメッセージ情報を取得する。例えば、電話による応対の場合、音声認識部321が、第1ユーザと第2ユーザとの間の通話音声データを第2ユーザ端末20から取得し、当該通話音声データに対して音声認識処理を実行し、テキスト情報を生成する。そして、取得部322は、当該テキスト情報をメッセージ情報として取得する。或いは、例えば、チャットによる応対の場合、取得部322は、第1ユーザ端末10と第2ユーザ端末20との間で送受信されたテキスト情報を、第2ユーザ端末20からメッセージ情報として取得する。取得部322が取得するメッセージ情報は、第1ユーザの発話や入力によるメッセージ情報であってもよいし、第2ユーザの発話や入力によるメッセージ情報であってもよいし、それらのいずれをも含んでもよい。
【0064】
図7に示す画面例では、メッセージ情報が、「通話テキスト」と題された領域41に表示される。領域41は、カスタマの発話や入力によるメッセージ情報41Aと、オペレータの発話や入力によるメッセージ情報41Bとの少なくとも一部を含む。
図7に示す画面例では、カスタマやオペレータの発話や入力による最新のメッセージ情報が順次、領域41内の上方に表示される。領域41においては、スクロール操作等によって過去のメッセージ情報から最新のメッセージ情報までを選択的に表示させることが可能であってよい。なお、領域41には、メッセージ情報41A及びメッセージ情報41Bの少なくとも一方の全部が表示されてもよいし、あるいは、後述する領域42において表示される定型文の少なくとも1つの候補の根拠となる箇所(例えば、メッセージ情報41A及びメッセージ情報41Bの少なくとも一方の一部)が表示されてもよい。
図7に示すように領域41及び領域42は例えば一画面に表示してもよい。これによれば、領域42に表示される定型文の候補を、メッセージ情報41A及びメッセージ情報41Bの根拠箇所を視認しながら選択することができ、推奨定型文による推奨の信頼度を確認することができる。
【0065】
(S12)
次に、抽出部324は、取得されたメッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出する。抽出部324による候補抽出処理は、例えば、ルールベースに基づいたものであってもよいし、機械学習モデルを利用したものであってもよい。ルールベースに基づく候補抽出処理の場合、抽出部324は、複数の定型文の各々を、ユーザ属性情報に直接的又は間接的に対応付けて記憶している記憶部31を参照して、メッセージ情報に対応する候補を抽出してもよい。機械学習モデルを利用した候補抽出処理の場合、ユーザ属性情報を、機械学習モデルの入力としてもよいし、或いは、機械学習モデルにより出力された一次候補から最終的な候補を得るためのキーとしてもよい。候補の抽出処理(候補抽出処理)の詳細については
図8及び9を参照して後述する。
【0066】
(S13)
次に、抽出部324は、抽出された少なくとも1つの候補を第2ユーザ端末20に送信する。抽出部324は、更に、各候補についてのメッセージ情報との類似度(ルールベースに基づく候補抽出処理の場合)や発生確率(機械学習モデルを利用した候補抽出処理の場合)を第2ユーザ端末20に送信してもよい。
【0067】
(S14)
次に、第2ユーザ端末20は、支援装置30から受信した少なくとも1つの候補を、表示部に表示させる。具体的には、第2ユーザ端末20は、案件管理アプリケーションの表示画面において、当該少なくとも1つの候補を表示部に表示させる。また、第2ユーザ端末20は、各候補についてのメッセージ情報との類似度や発生確率を併せて表示部に表示させてもよい。
【0068】
図7に示す画面例では、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補が、「推奨定型文」と題された領域42に表示される。
図7に示す画面例では、領域42内に候補としての4つの定型文の組42Aが、メッセージ情報との関連性を示す指標である関連度42Bとともに表示される。ここで、定型文の組42Aには、ツリー構造を形成した複数の定型文が含まれている。
図7に示す画面例の太字で示された定型文の組42Aでは、例えば、階層数として「1」と付された「示談交渉を実施いたしました」との定型文の下位には、階層数として「2」と付された「修理費と代車料を賠償することで示談解決いたしました」との定型文が属している。また、階層数として「2」と付された「修理費と代車料を賠償することで示談解決いたしました」との定型文の下位には、階層数として「3」と付された「お支払い先は修理費・代車料とも工場と確認いたしました」との定型文が属している。候補の定型文の組42Aは、関連度42Bが一番高いものから選択された4つの候補の定型文である。関連度42Bは、例えば、各候補についてのメッセージ情報との類似度(ルールベースに基づく候補抽出処理の場合)であってもよいし、発生確率(機械学習モデルを利用した候補抽出処理の場合)であってもよい。なお、表示画面に表示される定型文の数は特に限定されず、スクロールやページ切り替えにより新たな候補の定型文の組42Aや関連度42Bが表示されてもよい。
【0069】
(S15)
次に、第2ユーザ端末20は、第2ユーザによる候補の選択を受け付ける。
図7に示す画面例の場合、第2ユーザが表示された候補の定型文の組42Aのいずれかを選択すると、第2ユーザ端末20は、当該選択を受け付ける。
図7に示す画面例では、上から2番目の定型文の組42Aが選択されている。当該定型文の組42Aは、枠や文字が他の定型文の組42Aに比べて太字となっている。選択された定型文の組42Aは、このような太字の態様その他の任意の態様によって強調して表示されてもよい。
【0070】
(S16)
次に、第2ユーザ端末20は、選択された候補を示す情報を支援装置30に送信する。支援装置30は、第2ユーザ端末20から、選択された候補を示す当該情報を受信する。選択された候補を示す当該情報は、候補としての定型文のテキスト情報であってもよいし、候補としての定型文に対して予め付与された識別情報等であってもよい。
【0071】
(S17)
次に、支援装置30の生成部325は、第2ユーザ端末20から受信した情報に基づいて第2ユーザにより選択された定型文を特定し、特定した定型文に基づいて応対情報を生成した上で、当該応対情報を案件管理アプリケーションに登録する。これにより、第1ユーザに対する第2ユーザの応対の内容に対応する応対情報として、第2ユーザにより選択された定型文が案件管理アプリケーションに登録される。
図7に示す画面例では、「確定定型文」と題された領域43内において、第2ユーザにより選択された上で応対情報として案件管理アプリケーションに登録された定型文の組43Aが表示されている。なお、領域43内には、当該案件において登録済みの定型文が複数表示されてもよい。以上の処理は、例えば、第1ユーザに対する第2ユーザの応対が行われている間、繰り返されてもよい。
【0072】
図7に示す画面例では、上述したものの他に、「案件情報」と題された領域44には案件情報が表示され、「段階情報」と題された領域45Aには段階情報が表示されてもよい。具体的には、領域44には、案件管理アプリケーションに登録される任意の案件情報について、項目44A及びその登録内容44Bが表示されてもよい。また、領域45には、現時点での案件の段階を示す段階情報45Aが表示されてもよい。
図7に示す画面例では、現時点での「終結段階」45Aが太字として強調して表示されている。
図7に示すとおり、領域45には、現時点での段階以外の段階情報45A(「自動化トリアージ」や「お客様初期対応」等)が表示されてもよい。なお、これら段階情報45Aを選択することにより、選択された段階についての案件情報が、領域44等において表示されてもよい。
【0073】
(3-2)候補抽出処理
上述した候補抽出処理(S12)の詳細を説明する。以下では、ルールベースに基づく候補抽出処理(3-2-1)と、機械学習モデルを利用した候補抽出処理(3-2-2)とを説明する。
【0074】
(3-2-1)ルールベースに基づく候補抽出処理
図7は、ルールベースに基づく候補抽出処理の一例を示す動作フロー図である。
【0075】
(S21)
まず、取得部322は、第2ユーザによる応対の対象である第1ユーザのユーザ属性情報を、第1ユーザ情報DB311から取得する。例えば、取得部322は、案件管理アプリケーションにおける処理として第1ユーザのユーザIDを取得したうえで、当該ユーザIDをキーとして、第1ユーザ情報DB311から第1ユーザのユーザ属性情報を取得する。
【0076】
(S22)
次に、抽出部324は、属性対応情報DB313を参照して、ステップS21で取得されたユーザ属性情報に対応付けられた定型文属性情報を特定する。例えば、
図4に示す属性対応情報DB313の例においては、ステップS21で取得されたユーザ属性情報が「相手方の保険会社」であったとすると、属性対応情報DB313においてこれに対応する定型文属性情報は「相手方」であるため、当該「相手方」という定型文属性情報が抽出部324により特定される。
【0077】
(S23)
次に、抽出部324は、定型文情報DB312を参照して、S22において特定された定型文属性情報に対応付けられた定型文を特定することにより、定型文を抽出する。例えば、
図3に示す定型文情報DB312の例においては、ステップS22で特定された定型文属性情報が「相手方」であったとする。この場合、抽出部324は、定型文情報DB312において定型文属性情報に「相手方」定型文は、定型文ID「S0002」の定型文「示談交渉を実施しました」と、定型文ID「S0003」の「支払い方法について打ち合わせをしました」とを特定する。
【0078】
(S24)
次に、抽出部324は、ステップS23で抽出された定型文の各々について、メッセージ情報との類似度を算出し、類似度の高い少なくとも1つの定型文を候補として決定する。類似度は、例えば、各候補とメッセージ情報とのテキスト情報としての類似の度合を示す定量的な指標であってもよく、具体的には、文字や単語の一致率や、テキスト情報全体から生成される特徴ベクトル同士の近さ(内積等)であってもよい。以上で、ルールベースに基づく候補抽出処理(S12)が終了し、以降は上述したステップS13に移行する。
【0079】
(3-2-2)機械学習モデルを利用した候補抽出処理
図8は、機械学習モデルを利用した候補抽出処理の一例を示す動作フロー図である。
【0080】
(S31)
まず、取得部322は、第2ユーザによる応対の対象である第1ユーザのユーザ属性情報を、第1ユーザ情報DB311から取得する。例えば、取得部322は、案件管理アプリケーションにおける処理として第1ユーザのユーザIDを取得したうえで、当該ユーザIDをキーとして、第1ユーザ情報DB311から第1ユーザのユーザ属性情報を取得する。
【0081】
(S32)
次に、抽出部324は、メッセージ情報に対して、機械学習モデル314に応じた前処理を実行する。抽出部324は、例えば、前処理としてメッセージ情報を特徴ベクトルに変換してもよい。特徴ベクトルは、例えば、メッセージ情報に対して形態素解析等を行うことにより得られる単語や文字に基づくベクトル(単語ベクトルや文字ベクトル等)を含んでもよい。
【0082】
(S33)
次に、抽出部324は、ステップS32で前処理を実行したメッセージ情報を、機械学習モデル314に入力する。なお、機械学習モデル314がユーザ属性情報も入力とする場合は、抽出部324は、ステップS31で取得したユーザ属性情報を、メッセージ情報と併せて機械学習モデル314に入力する。
【0083】
(S34)
次に、抽出部324は、ステップS33の入力に対する応答として、機械学習モデル314から、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補の出力を取得する。なお、抽出部324は、機械学習モデル314から各定型文についてのメッセージ情報に対する関連度としての発生確率の出力を取得してもよい。また、機械学習モデル314がユーザ属性情報を入力としない場合は、抽出部324は、ステップS33の入力に対する応答として、機械学習モデル314から、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの一次候補の出力を取得する。そして、抽出部324は、メッセージ情報の入力に応じて機械学習モデル314が出力した少なくとも1つの一次候補のうちから、記憶部31においてユーザ属性情報に対応付けられた定型文を特定し、特定された定型文を最終的な候補として抽出する。以上で、機械学習モデルを利用した候補抽出処理(S12)が終了し、以降は上述したステップS13に移行する。
【0084】
(4)変形例
<案件情報及び/又は段階情報による候補抽出>
案件管理アプリケーションでは、例えば、案件に関する案件情報を記録することが可能であってもよい。案件情報は、予め設定された任意の項目であってよい。保険に関するコールセンタ業務の場合、案件情報は、例えば、関係者(カスタマ、及び相手方等)、損害の詳細、補償の種類、保険金の算出、査定付帯費用、その他の保険に関連する任意の項目に関する情報であってよい。
【0085】
案件管理アプリケーションでは、応対の段階を示す段階情報を管理可能であってよい。案件の段階は、予め任意に設定されてもよい。例えば、保険に関する応対の案件の場合、当該段階は、カスタマに対してオペレータによる応対と自動システムによる応対とのいずれを提供すべきかを決定する段階(自動化トリアージ)、案件発生時における初期的な応対の段階、発生した損害を確認する段階、示談交渉の段階、保険金を算出する段階、保険金支払いの稟議の段階、保険金支払の承認の段階、及び保険金の支払の実行の段階等を含んでもよい。
【0086】
抽出部324は、メッセージ情報及びユーザ属性情報に加えて、少なくとも上述した案件情報と段階情報とのいずれかに基づいて、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出してもよい。これにより、支援装置30は、ユーザ属性情報のみならず、案件情報や段階情報に応じて適切な定型文の登録の支援が可能となる。
【0087】
ルールベースに基づく候補抽出処理の場合、抽出部324は、複数の定型文の各々を、ユーザ属性情報の他に、案件情報及び/又は段階情報に直接的又は間接的に対応付けて記憶しているDB等を参照して、メッセージ情報に対応する候補を抽出してもよい。
図10は、このようなDBとしての定型文情報DB312′のデータ構造の一例を示す図である。定型文情報DB312′では、定型文が、(例えば属性対応情報DB313によってユーザ属性情報に対応付けられた)定型文属性情報の他に、更に案件情報や段階情報と対応付けられている。
【0088】
抽出部324は、属性対応情報DB313を参照して、ユーザ属性情報に対応付けられた定型文属性情報を特定し、次に、定型文情報DB312′を参照して、特定された定型文属性情報に対応付けられた定型文を特定してよい。更に、抽出部324は、案件管理アプリケーションにおいて登録されている案件情報や段階情報を取得した上で、特定された定型文から、定型文情報DB312′を参照してこれら案件情報や段階情報に対応付けられた定型文を絞り込んでよい。このようにして、抽出部324は、メッセージ情報及びユーザ属性情報に加えて、少なくとも上述した案件情報と段階情報とのいずれかに基づいて、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出してもよい。
【0089】
機械学習モデルを利用した候補抽出処理の場合、案件情報及び/又は段階情報は、機械学習モデルの入力として用いられてもよいし、或いは、機械学習モデルにより出力された一次候補から最終的な候補を得るためのキーとして用いられてもよい。
【0090】
案件情報及び/又は段階情報が機械学習モデルの入力として用いられる場合、例えば、機械学習モデル314は、メッセージ情報及びユーザ属性情報に加えて、更に案件情報及び/又は段階情報を入力とし、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を出力とするように構成されてもよい。当該機械学習モデル314は、例えば、メッセージ情報と、当該メッセージ情報の発話や入力の主体となるユーザのユーザ属性情報と、案件情報及び/又は段階情報と、複数の定型文とのデータセットに基づいた機械学習によって生成することが可能である。
【0091】
案件情報及び/又は段階情報が機械学習モデルにより出力された一次候補から最終的な候補を得るためのキーとして用いられる場合、例えば、機械学習モデル314は、メッセージ情報を入力とし、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの一次候補を出力とするように構成されてもよい。なお、この場合、機械学習モデル314は、案件情報及び/又は段階情報を入力としなくてよい。機械学習モデル314は、各一次候補の発生確率を併せて出力してもよい。抽出部324は、メッセージ情報の入力に応じて機械学習モデル314が出力した少なくとも1つの一次候補のうちから、記憶部31において案件情報及び/又は段階情報に対応付けられた定型文を特定し、特定された定型文を最終的な候補として抽出してもよい。
【0092】
<通話音声データの特徴量による候補抽出>
支援装置30は、通話音声データに基づいて任意の特徴量を生成してもよい。当該特徴量は、通話音声データに基づいて生成されるものであれば特に限定されないが、例えば、発話の抑揚やトーン、感情(怒りや満足感等)等を定性的・定量的に示す特徴量であってもよい。そして、抽出部324は、メッセージ情報及びユーザ属性情報に加えて、少なくとも当該特徴量に基づいて、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出してもよい。これにより、支援装置30は、ユーザ属性情報のみならず、ユーザの声の抑揚やトーン、感情等に応じて適切な定型文の登録の支援が可能となる。
【0093】
本発明の一実施形態に係る支援装置30は、第1ユーザに対する第2ユーザの案件に関する応対の内容に対応する応対情報の生成を支援する支援装置30であって、第1ユーザ及び第2ユーザの少なくとも一方のユーザのメッセージ情報と、第1ユーザのユーザ属性情報とを取得する取得部322と、少なくともメッセージ情報及びユーザ属性情報に基づいて、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出する抽出部324と、少なくとも1つの候補から選択された定型文に基づいて、応対情報を生成する生成部325と、を備える。
【0094】
上記態様において、複数の定型文をユーザ属性情報に対応付けて記憶する記憶部31、を更に備え、抽出部324は、複数の定型文のうち、メッセージ情報との類似度が所定閾値以上であり且つ記憶部31においてユーザ属性情報に対応付けられた少なくとも1つの定型文を、少なくとも1つの候補として抽出してもよい。
【0095】
上記態様において、記憶部31は、複数の定型文と所定の定型文属性情報とが対応付けられた定型文属性情報データベース312と、ユーザ属性情報と定型文属性情報とが対応付けられた属性対応情報データベース313と、を記憶し、抽出部324は、属性対応情報データベース313においてユーザ属性情報に対応付けられた定型文属性情報を特定し、定型文属性情報データベース312において定型文属性情報に対応付けられた少なくとも1つの定型文を特定し、且つ、特定された少なくとも1つの定型文を少なくとも1つの候補として抽出してもよい。
【0096】
上記態様において、抽出部324は、メッセージ情報を入力とした機械学習モデル314の演算に基づいて、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出してもよい。
【0097】
上記態様において、抽出部324は、メッセージ情報及びユーザ属性情報を入力とした機械学習モデル314の出力として、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出してもよい。
【0098】
上記態様において、複数の定型文をユーザ属性情報に対応付けて記憶する記憶部31、を更に備え、抽出部324は、メッセージ情報を入力とした機械学習モデル314の出力として、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの一次候補を抽出し、少なくとも1つの一次候補のうち、記憶部31においてユーザ属性情報に対応付けられた少なくとも1つの定型文を、少なくとも1つの候補として抽出してもよい。
【0099】
上記態様において、抽出部324は、機械学習モデル314の出力として、更に、少なくとも1つの候補それぞれの発生確率を抽出してもよい。
【0100】
上記態様において、機械学習モデル314は、ロジスティック回帰、ニューラルネットワークを含んでもよい。
【0101】
上記態様において、機械学習モデル314に対して、応対情報に基づく機械学習を実行させる学習実行部323を更に備えてもよい。
【0102】
上記態様において、抽出部324は、メッセージ情報及びユーザ属性情報に加えて、少なくとも案件に関する案件情報及び応対の段階を示す段階情報のいずれかに基づいて、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出してもよい。
【0103】
上記態様において、抽出部324によって抽出された定型文の少なくとも1つの候補と、メッセージ情報における定型文の少なくとも一部の候補の根拠となる箇所と、少なくとも1つの候補から選択された定型文と、を含む画面を表示させるよう表示装置を制御する表示制御部326、を更に備えてもよい。
【0104】
本発明の一実施形態に係る支援方法は、第1ユーザに対する第2ユーザの案件に関する応対の内容に対応する応対情報の生成を支援する支援方法であって、1つ又は複数のコンピュータが、第1ユーザ及び第2ユーザの少なくとも一方のユーザのメッセージ情報と、第1ユーザのユーザ属性情報とを取得するステップと、少なくともメッセージ情報及びユーザ属性情報に基づいて、メッセージ情報に対応する定型文の少なくとも1つの候補を抽出するステップと、少なくとも1つの候補から選択された定型文に基づいて、応対情報を生成するステップと、を含む。
【符号の説明】
【0105】
1…支援システム、10…第1ユーザ端末、20…第2ユーザ端末、30…支援装置、300…情報処理装置、101…プロセッサ、102…メモリ、103…ストレージ、104…入出力I/F、105…通信I/F、31…記憶部、311…第1ユーザ情報DB、312…定型文情報DB、313…属性対応情報DB、314…機械学習モデル、32…制御部、321…音声認識部、322…取得部、323…学習実行部、324…抽出部、325…生成部、326…表示制御部