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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036105
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】縦型製袋包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/20 20120101AFI20240308BHJP
【FI】
B65B9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140832
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】奥田 慎之介
(72)【発明者】
【氏名】長島 良太
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA03
3E050CA02
3E050DC02
3E050DF01
3E050FA02
3E050FB01
3E050FB07
3E050FC09
3E050GB06
(57)【要約】
【課題】横シール機構における粉粒体の噛み込みの発生が抑制される縦型製袋包装機を提供する。
【解決手段】縦型製袋包装機100は、フォーマチューブ12と、ファンネルチューブ22と、オーガスクリュー23と、横シール機構40と、衝撃付与ユニット50とを備える。フォーマチューブ12は、シート状の包材Fを筒状包材Fmに成形する。ファンネルチューブ22は、フォーマチューブ12の内側に挿入される。オーガスクリュー23は、ファンネルチューブ22の内部に配置され、ファンネルチューブ22の下端22dの開口22oから筒状の包材Fへ所定量の被包装物A(粉粒体)を落下させる。横シール機構40は、被包装物Aが落下した包材Fを封止する。衝撃付与ユニット50は、ファンネルチューブ22に直接的に衝撃を付与する。縦型製袋包装機100は、衝撃付与ユニット50の動作後に横シール機構が筒状包材Fmを横シールする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に巻き付けられたシート状の包材を筒状に成形する円筒状のフォーマチューブと、
前記フォーマチューブの内側に挿入された円筒状のファンネルチューブと、
前記ファンネルチューブの内部に配置され、前記ファンネルチューブの下端の開口から筒状の前記包材へ所定量の粉粒体を落下させる供給部と、
前記粉粒体が落下した前記包材を封止する横シール機構と、
前記ファンネルチューブに直接的に衝撃を付与する衝撃付与ユニットと
を備え、
前記衝撃付与ユニットの動作後に前記横シール機構が筒状に形成された前記包材を横シールする、
縦型製袋包装機。
【請求項2】
前記フォーマチューブ及び前記ファンネルチューブはいずれも、
中心軸が鉛直方向に沿うように配置され、
前記ファンネルチューブは、
前記フォーマチューブの下端よりも下方において外周面が露出するように前記フォーマチューブに挿入され、
前記衝撃付与ユニットは、
前記ファンネルチューブの下端の前記外周面に前記衝撃を付与する、
請求項1に記載の縦型製袋包装機。
【請求項3】
複数の前記衝撃付与ユニットを備え、
複数の前記衝撃付与ユニットは、
前記ファンネルチューブの複数の箇所に前記衝撃を付与する、
請求項1に記載の縦型製袋包装機。
【請求項4】
前記供給部は、
充填サイクル毎に筒状の前記包材へ所定量の前記粉粒体を落下させ、
前記衝撃付与ユニットは、
前記充填サイクルにおいて前記供給部が前記粉粒体を落下させた後に前記衝撃を付与する、
請求項1に記載の縦型製袋包装機。
【請求項5】
前記供給部は、
充填サイクル毎に筒状の前記包材へ所定量の前記粉粒体を落下させ、
前記衝撃付与ユニットは、
前記充填サイクルの間に複数回の前記衝撃を付与する、
請求項1に記載の縦型製袋包装機。
【請求項6】
前記供給部は、
オーガスクリューである、
請求項1から5のいずれか1項に記載の縦型製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦型製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2008-127057号公報)は、外周面に巻き付けたシート状の包材を筒状に成形する円筒状のフォーマチューブ(製袋チューブ)と、フォーマチューブに挿入され、内部にオーガスクリュー(オーガ軸)が収容されたファンネルチューブと、ファンネルチューブの上端に配設された逆円錐形状のホッパと、筒状に成形された包材を幅方向においてシールして封止する横シール機構とを有する縦型製袋包装機を開示する。
【0003】
この縦型製袋包装機では、オーガスクリューがホッパに供給された粉粒物をファンネルチューブの下方へと搬送する。ファンネルチューブの下方へ搬送された粉粒物は、ファンネルチューブの下端の開口からフォーマチューブが成形した筒状の包材の内部に落下する。落下した粉粒体が充填された包材は、横シール機構で封止され包装体となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような縦型製袋包装機では、オーガスクリューにより移送された粉粒体がファンネルチューブの下端周辺に付着することで想定されたタイミングで落下せずに、横シール機構が粉粒体ごと包材をシールしてしまう噛み込みが発生するという課題があった。
【0005】
本発明は、横シール機構における粉粒体の噛み込みの発生が抑制される縦型製袋包装機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点の縦型製袋包装機は、フォーマチューブと、ファンネルチューブと、供給部と、横シール機構と、衝撃付与ユニットとを備える。
【0007】
フォーマチューブは、外周面に巻き付けられたシート状の包材を筒状に成形する円筒状の部材である。ファンネルチューブは、フォーマチューブの内側に挿入された円筒状の部材である。供給部は、ファンネルチューブの内部に配置され、ファンネルチューブの下端の開口から筒状の包材へ所定量の粉粒体を落下させる。横シール機構は、粉粒体が落下した包材を封止する。衝撃付与ユニットは、ファンネルチューブに直接的に衝撃を付与する。縦型製袋包装機は、衝撃付与ユニットの動作後に横シール機構が筒状に形成された包材を横シールする。
【0008】
本縦型製袋包装機は、衝撃付与ユニットがファンネルチューブに衝撃を付与した後に横シール機構が筒状の包材を横シールする。このため、縦型製袋包装機は、横シール機構が横シールする前に、付与した衝撃によってファンネルチューブに付着した粉粒体を落下させることができる。したがって、本縦型製袋包装機は、横シール機構における粉粒体の噛み込みの発生を抑制できる。
【0009】
また、本縦型製袋包装機では、衝撃付与ユニットがファンネルチューブに直接的に衝撃を付与するため、例えばフォーマチューブに衝撃を付与する場合と比べて効果的に粉粒体を落下させることができる。
【0010】
第2観点の縦型製袋包装機は、第1観点の縦型製袋包装機であって、フォーマチューブ及びファンネルチューブがいずれも、中心軸が鉛直方向に沿うように配置される。ファンネルチューブは、フォーマチューブの下端よりも下方において外周面が露出するようにフォーマチューブに挿入される。衝撃付与ユニットは、ファンネルチューブの下端の外周面に衝撃を付与する。
【0011】
本縦型製袋包装機は、衝撃付与ユニットがファンネルチューブの下端の外周面に衝撃を付与するため、ファンネルチューブの下端周辺に付着した粉粒体を効果的に落下させることができる。
【0012】
第3観点の縦型製袋包装機は、第1観点又は第2観点の縦型製袋包装機であって、複数の衝撃付与ユニットを備える。複数の衝撃付与ユニットは、ファンネルチューブの複数の箇所に衝撃を付与する。
【0013】
本縦型製袋包装機は、複数の箇所に衝撃を付与するため、ファンネルチューブに付着した粉粒体を効果的に落下させることができる。
【0014】
第4観点の縦型製袋包装機は、第1観点から第3観点の縦型製袋包装機のいずれかであって、供給部が、充填サイクル毎に筒状の包材へ所定量の粉粒体を落下させる。衝撃付与ユニットは、充填サイクルにおいて供給部が粉粒体を落下させた後に衝撃を付与する。
【0015】
本縦型製袋包装機は、供給部が粉粒体を落下させた後に衝撃を付与するため、ファンネルチューブの下端周辺に付着した粉粒体を、付着した直後に速やかに落下させることができる。したがって、本縦型製袋包装機は、横シール機構における粉粒体の噛み込みの発生を効果的に抑制できる。
【0016】
第5観点の縦型製袋包装機は、第1観点から第4観点の縦型製袋包装機のいずれかであって、供給部が、充填サイクル毎に筒状の包材へ所定量の粉粒体を落下させる。供給部は、充填サイクル毎に筒状の包材へ所定量の粉粒体を落下させる。衝撃付与ユニットは、充填サイクルの間に複数回の衝撃を付与する。
【0017】
本縦型製袋包装機は、充填サイクルの間に衝撃を1回だけ付与する場合と比べて、効果的に粉粒体を落下させることができる。
【0018】
第6観点の縦型製袋包装機は、第1観点から第5観点の縦型製袋包装機のいずれかであって、供給部が、充填サイクル毎に筒状の包材へ所定量の粉粒体を落下させる。
【0019】
供給部は、オーガスクリューである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】縦型製袋包装機100の概略構成を示す斜視図である。
図2A】衝撃付与ユニット50が第1状態にある縦型製袋包装機100を図1のA-A’で切断した断面図である。
図2B】衝撃付与ユニット50が第2状態にある縦型製袋包装機100を図1のA-A’で切断した断面図である。
図3】制御部60のブロック図である。
図4A】縦型製袋包装機100の動作を説明するための、横シール機構40周辺の概略側面図である。
図4B】縦型製袋包装機100の動作を説明するための、横シール機構40周辺の概略側面図である。
図4C】縦型製袋包装機100の動作を説明するための、横シール機構40周辺の概略側面図である。
図4D】縦型製袋包装機100の動作を説明するための、横シール機構40周辺の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(1)全体概要
縦型製袋包装機100は、包材Fを用いて製袋ユニット10が形成する袋Bに、粉粒体である被包装物Aを包装する。包材Fは、樹脂を原料としたフィルムである。縦型製袋包装機100は、製袋ユニット10と、充填ユニット20と、縦シール機構30と、横シール機構40と、衝撃付与ユニット50と、制御部60とを備える。詳細な説明は後述するが、縦型製袋包装機100は、衝撃付与ユニット50の動作後に横シール機構40が筒状に形成した包材Fを横シールする。
【0022】
図1は、縦型製袋包装機100の概略構成を示す斜視図である。図2Aは、衝撃付与ユニット50が第1状態(後述)にある縦型製袋包装機100を図1のA-A’で切断した断面図である。図2Bは、衝撃付与ユニット50が第2状態(後述)にある縦型製袋包装機100を図1のA-A’で切断した断面図である。図3は、制御部60のブロック図である。
【0023】
図1では、便宜上、ファンネルチューブ22(後述)の一部、及び筒状包材Fm(後述)の一部が透過して示されている。以下の説明において、上下、左右、前後の方向は、図1図2A図2Bに矢印で示されるように定義される。
【0024】
(2)詳細構成
(2-1)製袋ユニット
製袋ユニット10は、図示しない包材供給部がロールから繰り出したシート状の包材Fを筒状に形成する。製袋ユニット10は、セーラ11と、フォーマチューブ12と、プルダウン機構13とを有する。
【0025】
(2-1-1)セーラ
セーラ11は、包材Fを表面に沿わせてフォーマチューブ12の外周面へ向かって案内する板状の部材である。セーラ11は、フォーマチューブ12の上端12uが挿入されるU字状の切込み11aが形成されている。セーラ11は、シート状の包材Fをフォーマチューブ12に向かって折り返すため、切込み11aから外方に離れるにしたがって下方に向かう肩状に形成されている。
【0026】
(2-1-2)フォーマチューブ
フォーマチューブ12は、セーラ11で折り返された包材Fが外周面に巻き付けられる円筒状の部材である。フォーマチューブ12は、外周面に巻き付けられたシート状の包材を筒状に成形する。フォーマチューブ12は、中心軸12cが上下方向(鉛直方向)に沿うように配置される。
【0027】
本実施形態では、フォーマチューブ12は、下端12dから下方に向かって延びるスプレッダ12eが形成されている。スプレッダ12eは、フォーマチューブ12の外周面に巻き付けられた包材Fを、外周面から離間させるために設けられる板状部材である。スプレッダ12eは、フォーマチューブ12の下端12dの左右両側に設けられる。
【0028】
フォーマチューブ12の外周径は、セーラ11の切込み11aに所定の大きさの隙間G1を介して挿入可能な大きさに形成される。フォーマチューブ12の内周径は、所定の大きさの隙間G2を介してファンネルチューブ22を内側に挿入可能なように、ファンネルチューブ22の外周径より大きく形成される。限定するものではないが、フォーマチューブ12の内周直径は、例えば、83.7mm程度である。
【0029】
(2-1-3)プルダウン機構
プルダウン機構13は、フォーマチューブ12の外周面に巻き付けられた包材Fを吸着してフォーマチューブ12の長さ方向(上下方向)に沿って下方に搬送する機構である。プルダウン機構13は、セーラ11の下方において、フォーマチューブ12の左右両側に配置されている。プルダウン機構13は、プルダウンベルト13aと、駆動ローラ13bと、従動ローラ13cと、第1駆動部13dとを有する。
【0030】
プルダウンベルト13aは、吸着機能を有するベルトである。プルダウンベルト13aは、上下方向に所定幅を空けて配置された駆動ローラ13bと従動ローラ13cとに架けられている。第1駆動部13dが駆動ローラ13b及び従動ローラ13cを駆動すると、プルダウンベルト13aは、駆動ローラ13bと従動ローラ13cとの間で回転をしながら包材Fを下方に搬送する。第1駆動部13dは、制御部60により制御される。
【0031】
(2-2)充填ユニット
充填ユニット20は、所定量の被包装物Aを、縦シール機構30が形成する筒状包材Fmへ落下させる。充填ユニットは、シュート21と、ファンネルチューブ22と、オーガスクリュー23と、第2駆動部24とを有する。
【0032】
(2-2-1)シュート
シュート21は、上方に設置された被包装物供給機構(図示省略)から落下する被包装物Aを受け取り、ファンネルチューブ22及びオーガスクリュー23へ導く板状の部材である。シュート21は、上方から下方に向かって内径が小さくなる漏斗状に形成される。シュート21は、下方にファンネルチューブ22の上端22uに接続される開口が形成されている。
【0033】
(2-2-2)ファンネルチューブ
ファンネルチューブ22は、シュート21から供給された被包装物Aを筒状包材Fmに導く円筒状の部材である。ファンネルチューブ22は、中心軸22cが上下方向に沿うように配置される。ファンネルチューブ22は、上端22uがシュート21の下端に接続されている。
【0034】
ファンネルチューブ22は、フォーマチューブ12よりも長く形成され、中心軸22cがフォーマチューブ12の中心軸12cと重なる状態で、フォーマチューブ12の内側に挿入される。また、ファンネルチューブ22は、フォーマチューブ12の下端12dよりも下方において外周面22sが露出するようにフォーマチューブ12に挿入される。より詳細には、ファンネルチューブ22は、上端22uがフォーマチューブ12の上端12uよりも上方に位置し、下端22dがフォーマチューブ12の下端12d及びスプレッダ12eよりも下方に位置するように配置される。限定するものではないが、ファンネルチューブ22の外周直径は、フォーマチューブ12の内周直径より小さく、例えば、75mm程度である。
【0035】
本実施形態では、ファンネルチューブ22の下端22dの開口22oは、被包装物Aのかたまりを細かく分離する網22eで覆われている。
【0036】
(2-2-3)オーガスクリュー
オーガスクリュー23は、充填サイクル(後述)毎にファンネルチューブ22の下端22dに位置する開口22oから筒状包材Fmへ所定量の被包装物Aを落下させる。オーガスクリュー23は、供給部の一例である。
【0037】
オーガスクリュー23は、棒状のオーガ軸23aの周囲にらせん状に羽根23bが形成された部材である。オーガスクリュー23は、オーガ軸23aが上下方向に沿うようにファンネルチューブ22の内部に収容される。オーガ軸23aは、中心軸23cがファンネルチューブ22の中心軸22c及びフォーマチューブ12の中心軸12cと重なるようにシュート21及びファンネルチューブ22の内側に挿入される。オーガ軸23aは、シュート21の上方付近まで延び第2駆動部24に接続されている。
【0038】
オーガスクリュー23は、中心軸23cを中心に回転することで、シュート21へ落下した被包装物Aを羽根23bの間を通してファンネルチューブ22の開口22oまで移送する。
【0039】
(2-2-4)第2駆動部
第2駆動部24は、オーガスクリュー23を回転駆動する。第2駆動部24は、オーガ軸23aに接続されている。第2駆動部24は、制御部60により制御される。限定するものではないが、第2駆動部24は、例えば、サーボモータである。
【0040】
(2-3)縦シール機構
縦シール機構30は、フォーマチューブ12の外周面に巻き付けられた包材Fの端縁をフォーマチューブ12の長さ方向(上下方向)に沿って、一定の圧力でフォーマチューブ12に押しつけながら加熱して接合(シール)し縦シールを形成する。これにより、筒状の包材Fは、筒状包材Fmとなる。縦シール機構30は、セーラ11の下方において、フォーマチューブ12の前側に配置されている。
【0041】
(2-4)横シール機構
横シール機構40は、被包装物Aが落下した筒状包材Fmを横方向(本実施形態では、左右方向)にシール(横シール)し、横シール部Sを形成することで袋Bの上下端を封止する。横シール機構40は、フォーマチューブ12の下方に配置される。
【0042】
横シール機構40は、2つのシールジョー41と、第3駆動部42(図3参照)とを有する。シールジョー41は、内部にヒータ及びカッタ(いずれも、図示省略)を有している。
【0043】
第3駆動部42は、所定のタイミングで前後方向から筒状包材Fmを挟み込むように2つのシールジョー41を駆動する。シールジョー41は、挟み込んだ筒状包材Fmをヒータでシールし横シール部Sを形成する。その後、シールジョー41は、カッタで横シール部Sを横方向に切断する。これにより、袋Bが、筒状包材Fmから分離される。
【0044】
第3駆動部42は、周知のサーボモータ及びリンク機構を用いて構成できるため、詳細な構造の説明は省略する。第3駆動部42は、制御部60により制御される。
【0045】
(2-5)衝撃付与ユニット
衝撃付与ユニット50は、充填ユニット20のファンネルチューブ22の外周面22sに直接的に衝撃を付与する。衝撃付与ユニット50は、当接部51と、第4駆動部52とを有する。本実施形態では、縦型製袋包装機100は、2つの衝撃付与ユニット50を有する。これにより、衝撃付与ユニット50は、ファンネルチューブ22の複数の箇所に衝撃を付与できる。
【0046】
ここで、「ファンネルチューブ22に直接的に衝撃を付与する」とは、フォーマチューブ12を介することなくファンネルチューブ22に衝撃を付与することを意味し、包材Fを介して衝撃を付与する場合も含む。
【0047】
(2-5-1)当接部
当接部51は、ファンネルチューブ22に直接的に衝撃を付与する部材である。より詳細には、当接部51は、フォーマチューブ12を介することなく包材Fを介してファンネルチューブ22に当接して衝撃を付与する。
【0048】
本実施形態では、当接部51は、可動ローラであり、当該可動ローラの中心軸が第4駆動部52のロッド52b(後述)の先端に接続されている。
【0049】
(2-5-2)第4駆動部
第4駆動部52は、ファンネルチューブ22に当接するように当接部51を駆動するアクチュエータである。限定するものではないが、本実施形態では、第4駆動部52はエアシリンダである。第4駆動部52は、主に、ケーシング52aと、2つのロッド52bとを有する。第4駆動部52は、ロッド52bを介して当接部51に接続されている。第4駆動部53は、制御部60により制御される。
【0050】
衝撃付与ユニット50は、ロッド52bの先端以外がケーシング52aに収容された第1状態(図2A参照)と、ロッド52bを長手方向に沿って移動させることでロッド52bの末端以外をケーシング52aから露出させた第2状態(図2B参照)との間で変化する。
【0051】
衝撃付与ユニット50は、第2状態において、当接部31がファンネルチューブ22の下端22dの外周面に包材F(筒状包材Fm)を介して当接する位置に配置される。これにより、衝撃付与ユニット50は、ファンネルチューブ22の下端22dの外周面に衝撃を付与できる。
【0052】
本実施形態では、衝撃付与ユニット50は、上下方向に沿って見た場合に、ロッド52bがファンネルチューブ22の半径方向に沿うように配置される。また、2つの衝撃付与ユニット50は、上下方向に沿って見た場合に、それぞれの当接部51の幅方向における中心線51cが中心軸22cを中心としてなす角度θが90度となるように配置されている(図2B参照)。限定するものではないが、当接部51のストローク長さは、例えば、30mm程度である。
【0053】
(2-6)制御部
制御部60は、第1駆動部13d、第2駆動部24、第3駆動部42、及び第4駆動部52を制御する。制御部60は、第1駆動部13d、第2駆動部24、第3駆動部42、及び第4駆動部52に制御信号を送受信可能に接続されている。
【0054】
制御部60は、第1駆動部13dを制御してプルダウン機構13に包材Fを下方に搬送させる。本実施形態では、プルダウン機構13は、一定の速度で連続して包材Fを下方に搬送する。
【0055】
制御部60は、第2駆動部24を制御して、充填サイクル毎にオーガスクリュー23を回転させる。これにより、オーガスクリュー23は、シュート21が受け取った被包装物Aを、充填サイクル毎に、ファンネルチューブ22の下端22dに位置する開口22oから筒状包材Fmへ所定量だけ落下させる。
【0056】
充填サイクルとは、所定量の被包装物Aが充填された1つの袋Bが形成されるサイクルである。本実施形態では、制御部60は、充填サイクル毎にオーガスクリュー23を所定の回転数Nだけ回転させる。これにより、オーガスクリュー23は、充填サイクル毎に袋Bに充填する量の被包装物Aを開口22oから筒状包材Fmへ落下させる。なお、充填サイクルにおける各部の動きの詳細については、後述する。
【0057】
制御部60は、第3駆動部42を制御して横シール機構40に、充填サイクル毎に衝撃付与ユニット50の動作後に1つの横シール部Sを形成させる。
【0058】
制御部60は、第4駆動部52を制御して衝撃付与ユニット50に、充填サイクル毎に所定のタイミングでファンネルチューブ22に直接的に衝撃を付与させる。より詳細には、衝撃付与ユニット50は、充填サイクルにおいてオーガスクリュー23が被包装物Aを落下させた後に衝撃を付与する。
【0059】
制御部60はコンピュータにより実現される。制御部60は、制御演算装置と記憶装置(いずれも、図示省略)とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりできる。
【0060】
(3)縦型製袋包装機の動作
縦型製袋包装機100が起動すると、制御部60は、第1駆動部13d、第2駆動部24、第3駆動部42、及び第4駆動部52の制御を開始する。図4A図4B図4C図4Dは、縦型製袋包装機100の動作を説明するための、横シール機構40周辺の概略側面図である。図4A図4B図4C図4Dでは、衝撃付与ユニット50の動作を明確にするため、衝撃付与ユニット50の位置が実際とは異なる位置に示されている。
【0061】
プルダウン機構13が駆動すると、フォーマチューブ12の長さ方向に沿って下方に包材Fが搬送され、包材供給部からセーラ11に包材Fが供給される(図1参照)。包材供給部から供給された包材Fは、セーラ11の表面に沿って案内され、切込み12aで折り返される。折り返された包材Fは、切込み12aとフォーマチューブ12の外周面との間の隙間G1を通過しながらフォーマチューブ12の外周面に巻き付けられる。フォーマチューブ12の外周面に巻き付けられた包材Fは、プルダウン機構13により連続して下方に搬送されながら、縦シール機構30により縦シールが形成され筒状包材Fmとなる。
【0062】
これと同時に、縦型製袋包装機100は、次に説明する充填サイクルを繰り返す。
【0063】
充填サイクルでは、初めに、横シール機構40が駆動して、直前の充填サイクルにおいて形成された袋Bの上部及び後続の袋Bの底部となる横シール部Sから、2つのシールジョー41が離れる(図4A)。
【0064】
次に、オーガスクリュー23が所定の回転数Nだけ回転する(図4B)。回転数Nは、袋Bに充填する量の被包装物Aをオーガスクリュー23が落下させる回転数であり、あらかじめ設定されている。これにより、オーガスクリュー23は、シュート21が受け取った被包装物Aを、ファンネルチューブ22の下端22dに位置する開口22oから筒状包材Fmへ所定量だけ落下させる。この際、ファンネルチューブ22の下端22d及び/又は網22eに、被包装物Aの一部(被包装物A’)が付着する。
【0065】
次に、衝撃付与ユニット50がファンネルチューブ22の外周面22sに直接的に衝撃を付与する(図4C)。ファンネルチューブ22に付与された衝撃は、開口22o及び/又は網22eに付着した被包装物A’を落下させる。
【0066】
最後に、横シール機構40が駆動する(図4D)。これにより、フォーマチューブ12及びファンネルチューブ22の下方で、2つシールジョー41が被包装物Aの充填された空間の上方の筒状包材Fmを挟み横シールする。この結果、袋Bの上部及び後続の袋Bの底部となる横シール部Sが新たに形成される。その後、2つシールジョー41は、形成した横シール部Sを横方向に切断して袋Bを分離する。
【0067】
(4)特徴
(4-1)
縦型製袋包装機100は、フォーマチューブ12と、ファンネルチューブ22と、オーガスクリュー23と、横シール機構40と、衝撃付与ユニット50とを備える。
【0068】
フォーマチューブ12は、外周面に巻き付けられたシート状の包材Fを筒状包材Fmに成形する円筒状の部材である。ファンネルチューブ22は、フォーマチューブ12の内側に挿入された円筒状の部材である。オーガスクリュー23は、ファンネルチューブ22の内部に配置され、ファンネルチューブ22の下端22dの開口22oから筒状の包材Fへ所定量の粉粒体である被包装物Aを落下させる。横シール機構40は、被包装物Aが落下した包材Fを封止する。衝撃付与ユニット50は、ファンネルチューブ22に直接的に衝撃を付与する。縦型製袋包装機100は、衝撃付与ユニット50の動作後に横シール機構が筒状包材Fmを横シールする。
【0069】
縦型製袋包装機100は、衝撃付与ユニット50がファンネルチューブ22に衝撃を付与した後に横シール機構が筒状包材Fmを横シールする。このため、縦型製袋包装機100は、横シール機構が横シール部Sを形成する前に、付与した衝撃によってファンネルチューブ22の下端22d周辺に付着した被包装物A’を落下させることができる。したがって、縦型製袋包装機100は、横シール機構40における被包装物A、A’である粉粒体の噛み込みの発生を抑制できる。
【0070】
また、縦型製袋包装機100では、衝撃付与ユニット50がファンネルチューブ22に直接的に衝撃を付与するため、例えばフォーマチューブ12に衝撃を付与する場合と比べて効果的に被包装物A’を落下させることができる。
【0071】
(4-2)
縦型製袋包装機100は、フォーマチューブ12及びファンネルチューブ22がいずれも、中心軸12c、22cが鉛直方向に沿うように配置される。ファンネルチューブ22は、フォーマチューブ12の下端よりも下方において外周面22sが露出するようにフォーマチューブ12に挿入される。衝撃付与ユニット50は、ファンネルチューブ22の下端22dの外周面22sに衝撃を付与する。
【0072】
縦型製袋包装機100は、衝撃付与ユニット50がファンネルチューブ22の下端22dの外周面22sに衝撃を付与するため、ファンネルチューブ22の下端22d周辺に付着した被包装物A’を効果的に落下させることができる。
【0073】
(4-3)
縦型製袋包装機100は、複数の衝撃付与ユニット50を備える。複数の衝撃付与ユニット50は、ファンネルチューブ22の複数の箇所に衝撃を付与する。
【0074】
縦型製袋包装機100は、複数の箇所に衝撃を付与するため、ファンネルチューブ22に付着した被包装物A’を効果的に落下させることができる。
【0075】
(4-4)
縦型製袋包装機100は、オーガスクリュー23が、充填サイクル毎に筒状包材Fmへ所定量の粉粒体を落下させる。衝撃付与ユニットは、充填サイクルにおいてオーガスクリュー23が粉粒体を落下させた後に衝撃を付与する。
【0076】
縦型製袋包装機100は、オーガスクリュー23が被包装物Aを落下させた後に衝撃を付与するため、ファンネルチューブ22の下端22d周辺に付着した被包装物A’を、付着した直後に速やかに落下させることができる。したがって、縦型製袋包装機100は、横シール機構40における被包装物A、A’である粉粒体の噛み込みの発生を効果的に抑制できる。
【0077】
(5)変形例
(5-1)変形例A
上記の実施形態では、衝撃付与ユニット50が衝撃を付与する位置は、ファンネルチューブ22の下端22dの外周面22sに限定されない。衝撃付与ユニット50は、ファンネルチューブ22の上端22uの外周面22sに衝撃を付与してもよい。
【0078】
(5-2)変形例B
上記の実施形態では、衝撃付与ユニット50は、充填サイクルの間に複数回の衝撃をファンネルチューブ22に付与してもよい。これにより、変形例Bにかかる縦型製袋包装機100は、充填サイクルの間に衝撃を1回だけ付与する場合と比べて、効果的に被包装物A’を落下させることができる。
【0079】
また、衝撃付与ユニット50は、充填サイクルの間に継続的に衝撃をファンネルチューブ22に付与してもよい。
【0080】
(5-3)変形例C
上記の実施形態では、オーガスクリュー23がファンネルチューブ22の下端22dの開口22oから所定量の被包装物Aを落下させたが、計量ホッパがファンネルチューブ22の下端22dの開口22oから所定量の被包装物Aを落下させてもよい。
【符号の説明】
【0081】
11 :セーラ
12 :フォーマチューブ
12c :中心軸(フォーマチューブ)
12d :下端(フォーマチューブ)
22 :ファンネルチューブ
22c :中心軸(ファンネルチューブ)
22d :下端(ファンネルチューブ)
22o :開口(ファンネルチューブ)
22s :外周面(ファンネルチューブ)
23 :オーガスクリュー
23c :中心軸(オーガスクリュー)
40 :横シール機構
50 :衝撃付与ユニット
100 :縦型製袋包装機
B :袋
F :包材
Fm :筒状包材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】
【特許文献1】特開2008-127057号公報
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D