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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036158
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】敷板洗浄装置及び敷板洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
B08B3/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140914
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000150844
【氏名又は名称】株式会社鶴見製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(74)【代理人】
【識別番号】100192692
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】大村 将洋
(72)【発明者】
【氏名】武部 博文
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA02
3B201AB03
3B201AB43
3B201BB22
3B201BB62
(57)【要約】      (修正有)
【課題】搬送経路に対して敷板が傾いて設置された場合や搬送中に傾いた場合であっても、当該敷板を適切に洗浄することができる敷板洗浄装置及び敷板洗浄方法を提供することである。
【解決手段】敷板洗浄装置300は、一方側から敷板Pを搬入可能な搬入部A1を有し、一方側と他方側との間において当該敷板Pが載置可能な載置台110と、第1方向又は第2方向に敷板Pを移動させる移動手段120と、敷板Pが洗浄領域A2を移動している間、当該敷板Pを洗浄水を用いて洗浄する洗浄手段130と、他方側の端部に第1方向に対して略垂直方向に配置されるガイド部140と、敷板Pの少なくとも一部がガイド部140に到達した場合、当該到達してから所定時間経過後、第2方向に折り返し移動させるように移動手段120の動作を制御する制御手段と、を備える。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷板を移動させながら洗浄する敷板洗浄装置であって、
一方側から前記敷板を搬入可能な搬入部を有し、前記一方側と当該一方側に対向する他方側との間において当該敷板が載置可能な載置台と、
前記一方側と前記他方側との間に搬送機構が配置され、当該搬送機構が前記一方側から前記他方側に向かう第1方向又は前記他方側から前記一方側に向かう第2方向に搬送動作されることにより、前記載置台に載置された敷板を移動させる移動手段と、
前記移動手段によって前記敷板が前記搬入部よりも前記他方側に配置される洗浄領域を移動している間、当該敷板を洗浄水を用いて洗浄する洗浄手段と、
前記載置台の前記一方側及び前記他方側の端部の少なくとも一方に、前記第1方向及び前記第2方向に対して略垂直方向に配置されるガイド部と、
前記載置台に載置された敷板を前記第1方向又は前記第2方向に移動させて、当該敷板の少なくとも一部が前記ガイド部に到達した場合、当該到達してから所定時間経過後、反対方向に折り返し移動させるように前記移動手段の動作を制御する制御手段と、を備える、
敷板洗浄装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記移動手段によって移動される前記敷板の少なくとも2箇所以上が当接するように構成されている、
請求項1に記載の敷板洗浄装置。
【請求項3】
前記移動手段によって移動される前記敷板が、前記一方側と前記他方側との間である所定の通過位置を通過することを検知する通過検知手段を、さらに備え、
前記制御手段は、前記敷板が前記所定の通過位置を通過したことを、前記通過検知手段によって検知されてから第1時間、当該敷板の同方向への移動を継続し、その後、反対方向に折り返し移動させるように、前記移動手段の動作を制御する、
請求項1に記載の敷板洗浄装置。
【請求項4】
前記第1時間は、前記敷板が前記所定の通過位置を通過してから、当該敷板の少なくとも2箇所以上が前記ガイド部に当接するために要する時間である、
請求項3に記載の敷板洗浄装置。
【請求項5】
前記敷板と前記ガイド部との接触を検知する接触検知手段を、さらに備え、
前記制御手段は、前記敷板と前記ガイド部との接触を、前記接触検知手段によって検知されてから第2時間、当該敷板の同方向への移動を継続し、その後、反対方向に折り返し移動させるように、前記移動手段の動作を制御する、
請求項1に記載の敷板洗浄装置。
【請求項6】
前記敷板と前記ガイド部との接触を検知する接触検知手段を、さらに備え、
前記制御手段は、前記敷板と前記ガイド部との少なくとも2回以上の接触を、前記接触検知手段によって検知されるまで、当該敷板の同方向への移動を継続し、その後、反対方向に折り返し移動させるように、前記移動手段の動作を制御する、
請求項1に記載の敷板洗浄装置。
【請求項7】
前記敷板と前記ガイド部との接触は、検知用部品を介する間接的な接触を含む、
請求項5又は6に記載の敷板洗浄装置。
【請求項8】
前記洗浄領域よりも前記一方側において、前記載置台の上方に前記第1方向及び前記第2方向に対して略垂直方向に配置される載置ガイド部を、さらに備える、
請求項1に記載の敷板洗浄装置。
【請求項9】
敷板を移動させながら洗浄する敷板洗浄装置が実行する敷板洗浄方法であって、
一方側に前記敷板を搬入可能な搬入部と、当該一方側に対向する他方側の端部に配置されるガイド部とを有する載置台に当該敷板が載置され、
前記載置台に載置された敷板を前記一方側から前記他方側に向かう第1方向に移動させる第1移動ステップと、
前記第1移動ステップにおいて、前記敷板が前記搬入部よりも前記他方側に配置される洗浄領域を移動している間、当該敷板を洗浄水を用いて洗浄する第1洗浄ステップと、
前記敷板が前記ガイド部に到達したか否かを判定する到達判定ステップと、
前記敷板が前記ガイド部に到達したと判定された後、当該敷板を前記他方側から前記一方側に向かう第2方向に移動させる第2移動ステップと、
前記第2移動ステップにおいて、前記敷板が前記洗浄領域を移動している間、当該敷板を洗浄水を用いて洗浄する第2洗浄ステップと、を含む、
敷板洗浄方法。
【請求項10】
敷板を移動させながら洗浄する敷板洗浄装置が実行する敷板洗浄方法であって、
一方側に前記敷板を搬入可能な搬入部と、当該一方側の端部に配置されるガイド部とを有する載置台に当該敷板が載置され、
前記載置台に載置された敷板を前記一方側に対向する他方側から当該一方側に向かう第2方向に移動させる事前移動ステップと、
前記敷板が前記ガイド部に到達したか否かを判定する到達判定ステップと、
前記敷板が前記ガイド部に到達したと判定された後、当該敷板を前記一方側から前記他方側に向かう第1方向に移動させる第1移動ステップと、
前記第1移動ステップにおいて、前記敷板が前記搬入部よりも前記他方側に配置される洗浄領域を移動している間、当該敷板を洗浄水を用いて洗浄する第1洗浄ステップと、
前記敷板が前記他方側の端部に到達した後、前記第2方向に移動させる第2移動ステップと、
前記第2移動ステップにおいて、前記敷板が前記洗浄領域を移動している間、当該敷板を洗浄水を用いて洗浄する第2洗浄ステップと、を含む、
敷板洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷板洗浄装置及び敷板洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、工事現場や作業現場などで用いられる敷板がある。敷板は、例えば、鉄製の敷鉄板であり、資材搬入路の確保、作業床や地盤の保護、及び軟弱地盤における足場の確保などの目的で敷設(仮設)される。
【0003】
そして、このような敷板を洗浄する洗浄装置が知られている。例えば、特許文献1では、工事現場で多用される仮設通路用の敷き鉄板を再使用に備えて安全かつ経済的に汚れを除去する敷き鉄板洗浄装置が開示されている。具体的には、特許文献1に開示されている敷き鉄板洗浄装置は、搬送ローラ装置によって敷き鉄板を搬送させながら、洗浄機によって洗浄液水を噴射させて鉄板表面の汚れを除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-80783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の敷き鉄板洗浄装置では、洗浄対象の敷き鉄板は、搬送方向に対して真っ直ぐに設置されなければならない。仮に、傾いて設置された場合には、敷き鉄板が、搬送経路からはみ出したり、フレームに引っ掛かったりし、また、敷き鉄板の端に洗浄水が適切に届かない可能性もある。その結果、敷き鉄板を適切に洗浄できないという問題が発生する。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的の1つは、搬送経路に対して敷板が傾いて設置された場合や搬送中に傾いた場合であっても、当該敷板を適切に洗浄することができる敷板洗浄装置及び敷板洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る敷板洗浄装置は、敷板を移動させながら洗浄する敷板洗浄装置であって、一方側から敷板を搬入可能な搬入部を有し、一方側と当該一方側に対向する他方側との間において当該敷板が載置可能な載置台と、一方側と他方側との間に搬送機構が配置され、当該搬送機構が一方側から他方側に向かう第1方向又は他方側から一方側に向かう第2方向に搬送動作されることにより、載置台に載置された敷板を移動させる移動手段と、移動手段によって敷板が搬入部よりも他方側に配置される洗浄領域を移動している間、当該敷板を洗浄水を用いて洗浄する洗浄手段と、載置台の一方側及び他方側の端部の少なくとも一方に、第1方向及び第2方向に対して略垂直方向に配置されるガイド部と、載置台に載置された敷板を第1方向又は第2方向に移動させて、当該敷板の少なくとも一部がガイド部に到達した場合、当該到達してから所定時間経過後、反対方向に折り返し移動させるように移動手段の動作を制御する制御手段と、を備える。
【0008】
上記態様において、ガイド部は、移動手段によって移動される敷板の少なくとも2箇所以上が当接するように構成されていてもよい。
【0009】
上記態様において、移動手段によって移動される敷板が、一方側と他方側との間である所定の通過位置を通過することを検知する通過検知手段を、さらに備え、制御手段は、敷板が所定の通過位置を通過したことを、通過検知手段によって検知されてから第1時間、当該敷板の同方向への移動を継続し、その後、反対方向に折り返し移動させるように、移動手段の動作を制御してもよい。
【0010】
上記態様において、第1時間は、敷板が所定の通過位置を通過してから、当該敷板の少なくとも2箇所以上がガイド部に当接するために要する時間であってもよい。
【0011】
上記態様において、敷板とガイド部との接触を検知する接触検知手段を、さらに備え、制御手段は、敷板とガイド部との接触を、接触検知手段によって検知されてから第2時間、当該敷板の同方向への移動を継続し、その後、反対方向に折り返し移動させるように、移動手段の動作を制御してもよい。
【0012】
上記態様において、敷板とガイド部との接触を検知する接触検知手段を、さらに備え、制御手段は、敷板とガイド部との少なくとも2回以上の接触を、接触検知手段によって検知されるまで、当該敷板の同方向への移動を継続し、その後、反対方向に折り返し移動させるように、移動手段の動作を制御してもよい。
【0013】
上記態様において、敷板とガイド部との接触は、検知用部品を介する間接的な接触を含んでもよい。
【0014】
上記態様において、洗浄領域よりも一方側において、載置台の上方に第1方向及び第2方向に対して略垂直方向に配置される載置ガイド部を、さらに備えてもよい。
【0015】
本発明の一態様に係る敷板洗浄方法は、敷板を移動させながら洗浄する敷板洗浄装置が実行する敷板洗浄方法であって、一方側に敷板を搬入可能な搬入部と、当該一方側に対向する他方側の端部に配置されるガイド部とを有する載置台に当該敷板が載置され、載置台に載置された敷板を一方側から他方側に向かう第1方向に移動させる第1移動ステップと、第1移動ステップにおいて、敷板が搬入部よりも他方側に配置される洗浄領域を移動している間、当該敷板を洗浄水を用いて洗浄する第1洗浄ステップと、敷板がガイド部に到達したか否かを判定する到達判定ステップと、敷板がガイド部に到達したと判定された後、当該敷板を他方側から一方側に向かう第2方向に移動させる第2移動ステップと、第2移動ステップにおいて、敷板が洗浄領域を移動している間、当該敷板を洗浄水を用いて洗浄する第2洗浄ステップと、を含む。
【0016】
本発明の一態様に係る敷板洗浄方法は、敷板を移動させながら洗浄する敷板洗浄装置が実行する敷板洗浄方法であって、一方側に敷板を搬入可能な搬入部と、当該一方側の端部に配置されるガイド部とを有する載置台に当該敷板が載置され、載置台に載置された敷板を一方側に対向する他方側から当該一方側に向かう第2方向に移動させる事前移動ステップと、敷板がガイド部に到達したか否かを判定する到達判定ステップと、敷板がガイド部に到達したと判定された後、当該敷板を一方側から他方側に向かう第1方向に移動させる第1移動ステップと、第1移動ステップにおいて、敷板が搬入部よりも他方側に配置される洗浄領域を移動している間、当該敷板を洗浄水を用いて洗浄する第1洗浄ステップと、敷板が他方側の端部に到達した後、第2方向に移動させる第2移動ステップと、第2移動ステップにおいて、敷板が洗浄領域を移動している間、当該敷板を洗浄水を用いて洗浄する第2洗浄ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、搬送経路に対して敷板が傾いて設置された場合や搬送中に傾いた場合であっても、当該敷板を適切に洗浄することができる敷板洗浄装置及び敷板洗浄方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100に、フォークリフトFを用いて洗浄対象の敷板Pを載置する様子を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100の概要を示す平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100において、敷板Pが第1方向に移動して第2方向に折り返し移動する様子を模式的に示す図である。
図4図3に示された様子に対応する移動手段120及び洗浄手段130の動作制御を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100によって実行される敷板洗浄方法M100の処理の流れを示すフローチャートである。
図6】本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100において、敷板Pが第1方向に移動して第2方向に折り返し移動する他の様子を模式的に示す図である。
図7図6に示された様子に対応する移動手段120及び洗浄手段130の動作制御を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る敷板洗浄装置200の概要を示す側方断面図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る敷板洗浄装置200の概要を示す平面図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る敷板洗浄装置200において、敷板Pが第2方向に移動して第1方向に折り返し移動する様子を模式的に示す図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る敷板洗浄装置200によって実行される敷板洗浄方法M200の処理の流れを示すフローチャートである。
図12】本発明のその他の実施形態に係る敷板洗浄装置300に、フォークリフトFを用いて洗浄対象の敷板Pを載置する様子を示す図である。
図13】本発明のその他の実施形態に係る敷板洗浄装置400の概要を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な各実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する各実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。また、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する場合がある。
【0020】
<第1実施形態>
[敷板洗浄装置の構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100に、フォークリフトFを用いて洗浄対象の敷板Pを載置する様子を示す図であり、図2は、本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100の概要を示す平面図である。
【0021】
図1では、敷板洗浄装置100の側方断面図が示されており、敷板洗浄装置100は、載置台110と、移動手段120と、洗浄手段130と、ガイド部140と、側壁部150と、水槽部160と、制御手段(図示せず)と、を備える。
【0022】
載置台110は、敷板Pを搬入可能な搬入部A1を有する一方側と、当該一方側に対向する他方側との間において敷板Pが載置可能となっている。なお、搬入部A1とは、例えば、フォークリフトFによって保持された敷板Pが搬入可能なように開口されており、敷板Pが載置されようとする載置台110の上方に搬入の障害となる部材などが配置されていない状態であればよい。
【0023】
移動手段120は、一方側と他方側との間に搬送機構が配置され、当該搬送機構が搬送動作されることにより、載置台110に載置された敷板Pを移動させる。例えば、搬送機構は、複数のローラで構成されており、モータなどによって当該複数のローラが回転して、載置台110に載置された敷板Pを第1方向又は第2方向に搬送する。より具体的には、図2に示されるように、移動手段120は、第1方向及び第2方向に対して略垂直方向に延伸するように、複数の回転軸121が略平行に配置され、それぞれの回転軸121では、当該回転軸121を支持する複数の軸受が配置されている。そして、複数の回転軸121には、それぞれ所定の間隔で複数のローラ122が取り付けられており、モータによって複数の回転軸121が回転することに伴って当該複数のローラ122も回転し、載置されている敷板Pを搬送する。
【0024】
ここで、第1方向は、一方側から他方側に向かう方向であり、第2方向は、第1方向とは逆方向であって、他方側から一方側に向かう方向である。
【0025】
なお、本実施形態では、移動手段120における搬送機構は、複数の回転軸121及びローラ122で構成されているが、これに限定されるものではなく、載置台110に載置された敷板Pを第1方向及び第2方向に搬送可能な構成であれば、例えば、コンベアベルトなどで構成される他の構成であってもよい。
【0026】
また、本実施形態では、載置台110及び移動手段120をそれぞれ説明しているが、載置台110は、当該載置台110に載置された敷板Pを移動可能な移動手段の機能を備えていたり、移動手段120は、敷板Pを載置可能とする載置台として機能しつつ、当該敷板Pを移動させたりする構成であってもよい。換言すれば、載置台110及び移動手段120は、お互いの機能を兼ね、又は含むような構成であってもよい。
【0027】
洗浄手段130は、移動手段120によって敷板Pが洗浄領域A2を移動している間、当該敷板Pを洗浄水を用いて洗浄する。ここで、洗浄領域A2は、搬入部A1よりも他方側に配置される領域であって、洗浄手段130によって洗浄水が放出される領域である。
【0028】
例えば、洗浄手段130は、洗浄領域A2において、載置台110の上方及び下方から洗浄水を噴射する噴射部を備え、さらに、当該噴射部に洗浄水を供給するポンプ及び配管を備える。ポンプを駆動させて汲み上げられた洗浄水は、配管を介して、載置台110の上方及び下方に配置された噴射部にそれぞれ供給される。図2に示されるように、洗浄手段130は、第1方向及び第2方向に対して略垂直方向に延伸するように配管131が形成され、当該配管131には、複数のノズル132が配置されている。そして、各ノズル132から、洗浄領域A2を移動している敷板Pの上面及び/又は下面に向かって洗浄水が噴射されることにより、敷板Pが洗浄される。
【0029】
なお、洗浄手段130は、例えば、載置台110の上方及び下方に配置された噴射部(ノズル)から敷板Pの上面及び下面に向かって洗浄水を噴射させることにより、当該敷板Pの上面及び下面を洗浄してもよい。敷板Pの上面及び下面を同時に洗浄することができるため、洗浄時間の短縮に繋がる。
【0030】
また、載置台110に載置された敷板Pが一方側と他方側との間を往復する際に、1回目の往復時には載置台110の上方に配置された噴射部から敷板Pの上面に向かって洗浄水を噴射させることにより、当該敷板Pの上面を洗浄し、2回目の往復時には載置台110の下方に配置された噴射部から敷板Pの下面に向かって洗浄水を噴射させることにより、当該敷板Pの下面を洗浄してもよい。それぞれ洗浄水を噴射する圧力を大きくすることができるため、より強力に洗浄することができる。同様に、往路で敷板Pの上面を洗浄し、復路で敷板Pの下面を洗浄するようにしてもよい。
【0031】
ガイド部140は、載置台110の他方側の端部に配置される。ガイド部140は、移動手段120によって第1方向に移動する敷板Pが当接するように、他方側の端部に配置されており、例えば、第1方向に対して略垂直方向に少なくとも2つ以上配置され、又は第1方向に対して略垂直方向に延伸するように1つ形成される。ここでは、図2に示されるように、載置台110の他方側の端部において、4つのガイド部140が配置されている。
【0032】
換言すると、ガイド部140は、載置台110の他方側の端部において、第1方向に対して略垂直方向に構成され、移動手段120によって移動されてくる敷板Pの少なくとも2箇所以上が当接するように構成されている。これにより、敷板Pは、仮に第1方向に対して傾いていたとしても、その傾きが修正される。
【0033】
側壁部150は、載置台110の他方側の端部に形成されており、例えば、洗浄手段130によって敷板Pに向かって噴射された洗浄水、及び当該敷板Pで反射された洗浄水が飛散することを防止している。側壁部150の上部は、洗浄手段130側に屈曲するような形状であれば、より適切に、洗浄水が飛散することを防止することができる。さらに、側壁部150は、洗浄手段130が配置されている領域、洗浄領域A2、又はそれらから他方側全体を覆うように形成されていてもよい。これにより、さらに、適切に、洗浄水が飛散することを防止することができる。
【0034】
水槽部160は、洗浄手段130によって敷板Pに向かって噴射された洗浄水、当該敷板Pで反射された洗浄水、及び敷板Pから除去された異物(汚れ)を、下方から受け留めて、貯留するように構成されている。さらに、水槽部160に貯留された洗浄水は、汚水として排水されたり、異物(汚れ)を除去することにより浄化(濾過)して再度洗浄水として使用されたりしてもよい。再度洗浄水として使用(循環)する場合には、水槽部160に貯留された洗浄水を浄化し、当該浄化された洗浄水をポンプ及び配管を用いて洗浄手段130の噴射部に供給するようにすればよい。水槽部160に堆積した異物(汚れ)は、水槽部160の底部に配置された排泥装置により、敷板洗浄装置100から排出されるとよい。
【0035】
制御手段は、上述した移動手段120及び洗浄手段130の動作を制御する。例えば、制御手段は、移動手段120における搬送機構(ローラ)の稼働開始、終了(停止)、回転速度及び回転方向などを制御する。また、制御手段は、洗浄手段130における噴射部のうち、どの噴射部から洗浄水を噴射するか、噴射部の稼働開始、終了(停止)、及び噴射される洗浄水の量や圧力などを制御する。
【0036】
典型的には、制御手段は、載置台110に載置された敷板Pを、第1方向又は第2方向に移動させるように移動手段120の動作を制御し、移動手段120によって敷板Pが洗浄領域A2を移動している間、当該敷板Pを洗浄水を用いて洗浄するように、洗浄手段130の動作を制御する。そして、制御手段は、載置台110に載置された敷板Pが第1方向に移動することにより、当該敷板Pの少なくとも一部がガイド部140に到達した場合、当該到達してから所定時間経過後、第2方向(反対方向)に折り返し移動させるように移動手段120の動作を制御する。
【0037】
なお、制御手段によって動作制御される移動手段120及び洗浄手段130の具体例については、後述する。
【0038】
[敷板の搬送制御]
次に、載置台110に載置された敷板Pを第1方向に移動させて、当該敷板Pがガイド部140に到達し、その後、第2方向に折り返し移動させる様子について、詳しく説明する。
【0039】
図3は、本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100において、敷板Pが第1方向に移動して第2方向に折り返し移動する様子を模式的に示す図である。図3に示されるように、敷板Pは傾いた状態で第1方向に移動し、ガイド部140に当接することで、その傾きが修正されて、第2方向に移動している。
【0040】
具体的には、例えば、敷板Pは、第1方向に対して傾いた状態で、載置台110に載置されたとする((a)状態)。
【0041】
移動手段120によって第1方向に敷板Pが移動され、一方側と他方側との間である所定の通過位置D1を通過する((b)状態)。敷板洗浄装置100は、例えば、近接センサ(通過検知手段)を備えており、所定の通過位置D1を敷板Pが通過することを検知する。なお、近接センサは、電磁誘導などを用いて検知対象が接近したことを非接触で検知できるものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、赤外線センサやその他光学センサなど用いて、所定の通過位置D1を敷板Pが通過することを検知してもよい。
【0042】
そして、制御手段は、敷板Pが所定の通過位置D1を通過したことを通過検知手段から受信し、その後、第1時間(例えば、5~10秒程度)、敷板Pの第1方向への移動をそのまま継続するように移動手段120の動作を制御する((b)状態~(d)状態)。
【0043】
ここで、第1時間は、敷板Pが所定の通過位置D1を通過してから、当該敷板Pの少なくとも2箇所以上がガイド部140に当接するために要する時間である。すなわち、(b)状態から(d)状態までに要する時間である。
【0044】
その後、制御手段は、敷板Pを第2方向に折り返し移動させるように移動手段120の動作を制御する((e)状態~(h)状態)。(d)状態において、敷板Pの傾きが修正されているため、敷板Pは、第2方向に対して略真っ直ぐな状態で移動することができている。
【0045】
さらに、敷板Pの第1方向及び第2方向への移動を繰り返したとしても、敷板Pを第1方向及び第2方向に対して略真っ直ぐな状態で移動させることができる。
【0046】
図4は、図3に示された様子に対応する移動手段120及び洗浄手段130の動作制御を示す図である。図4に示されるように、制御手段は、移動手段120に対して、敷板Pを、第1方向に移動させるように制御し(期間T1)、時刻t2において、第2方向に折り返し移動させるように制御している(期間T2)。図3でも説明したように、敷板Pが所定の通過位置D1を通過してから(時刻t1)、第1時間(t)、敷板Pの第1方向への移動をそのまま継続するように移動手段120を制御している。
【0047】
また、制御手段は、敷板Pが洗浄領域A2を移動している間、当該敷板Pに向かって洗浄水を噴射させるように洗浄手段130を制御し、当該敷板Pを洗浄するようにしている。例えば、制御手段は、敷板Pが洗浄領域A2に侵入する開始タイミングSを検知することによって洗浄手段130を稼働させ、敷板Pが洗浄領域A2から退出する終了タイミングEを検知することによって洗浄手段130を停止すればよい。開始タイミングS及び終了タイミングEは、各種センサによって敷板Pを検知してもよいし、敷板Pの搬送開始時刻や折り返し移動開始時刻から算出するようにしてもよい。
【0048】
[敷板洗浄方法]
次に、敷板洗浄装置100によって敷板Pを移動させながら洗浄する方法について、具体的に詳しく説明する。
【0049】
図5は、本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100によって実行される敷板洗浄方法M100の処理の流れを示すフローチャートである。図5に示されるように、敷板洗浄方法M100は、ステップS110~S150を含み、各ステップは、敷板洗浄装置100に含まれるプロセッサによって実行される。
【0050】
ステップS110では、制御手段は、載置台110に載置された敷板Pを第1方向に移動させるように移動手段120の駆動を開始し、その後、それを継続するように制御する(第1移動ステップ)。具体例としては、モータを駆動させて回転軸121(ローラ122)を第1方向に回転させる。
【0051】
ステップS120では、制御手段は、ステップS110において、敷板Pが洗浄領域A2を移動している間、敷板Pを洗浄水を用いて洗浄する(第1洗浄ステップ)。具体例としては、噴射部(ノズル)から敷板Pの上面及び/又は下面に向かって洗浄水を噴射させる。
【0052】
ステップS130では、制御手段は、敷板Pがガイド部140に到達したか否かを判定する(到達判定ステップ)。具体例としては、制御手段は、敷板Pが所定の通過位置D1を通過したことを検知し(時刻t1)、その後、第1時間t経過したことで、敷板Pがガイド部140に到達したと判定する。ここで、敷板Pがガイド部140に到達したとは、敷板Pの一部がガイド部140に当接してから所定時間経過後であって、敷板Pの少なくとも2箇所以上がガイド部140に当接することによって敷板Pが第1方向(第2方向)に対して略真っ直ぐな状態になることをいう。
【0053】
ステップS140では、制御手段は、敷板Pがガイド部140に到達したと判定された後(ステップS130で「Yes」)、敷板Pを第2方向に移動させるように移動手段120の駆動を開始し、その後、それを継続するように制御する(第2移動ステップ)。具体例としては、モータを駆動させて回転軸121(ローラ122)を第2方向に回転させる。
【0054】
ステップS150では、制御手段は、ステップS140において、敷板Pが洗浄領域A2を移動している間、敷板Pを洗浄水を用いて洗浄する(第2洗浄ステップ)。具体例としては、噴射部(ノズル)から敷板Pの上面及び/又は下面に向かって洗浄水を噴射させる。
【0055】
以上のように、本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100及び敷板洗浄方法M100によれば、載置台110に載置された敷板Pを第1方向に移動させ、当該敷板Pをガイド部140に当接させることにより、敷板Pを第1方向及び第2方向に対して略真っ直ぐな状態にさせる。その結果、搬送経路(第1方向及び第2方向)に対して敷板Pが傾いて設置された場合や搬送中に傾いた場合であっても、当該敷板Pを適切に洗浄することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、敷板Pが所定の通過位置D1を通過したことを検知する近接センサなどの非接触センサを用いて、その検知から所定時間経過することにより、当該敷板Pがガイド部140において第1方向に対して略真っ直ぐな状態になることを判定していたが、これに限定されるものではなく、例えば、ガイド部140に接触することを検知する接触センサを用いてもよい。
【0057】
図6は、本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100において、敷板Pが第1方向に移動して第2方向に折り返し移動する他の様子を模式的に示す図である。図6に示されるように、敷板Pは傾いた状態で第1方向に移動し、ガイド部140に当接することで、その傾きが修正されて、第2方向に移動している。
【0058】
敷板洗浄装置100は、例えば、スイッチなどの接触センサ(接触検知手段)を備え、敷板Pがガイド部140(接触位置D2)に接触したことを検知する。制御手段は、敷板Pが接触位置D2に接触したことを接触検知手段から受信し、その後、第2時間(例えば、5~10秒程度)、敷板Pの第1方向への移動をそのまま継続するように移動手段120の動作を制御する((c)状態及び(d)状態)。
【0059】
ここで、第2時間は、敷板Pが所定の接触位置D2に接触してから、当該敷板Pの少なくとも2箇所以上がガイド部140に当接するために要する時間である。すなわち、(c)状態から(d)状態までに要する時間である。
【0060】
その後、制御手段は、敷板Pを第2方向に折り返し移動させるように移動手段120の動作を制御する((e)状態~(h)状態)。(d)状態において、敷板Pの傾きが修正されているため、敷板Pは、第2方向に対して略真っ直ぐな状態で移動することができている。
【0061】
なお、接触検知手段は、敷板Pとガイド部140との接触を検知用部品を介する間接的な接触を検知する構成であってもよい。例えば、敷板Pの全体又は一部がプラスチック製やゴム製などの非金属で構成されている場合、その部分が直接的にガイド部140に接触しても接触センサによっては当該接触を検知できない場合がある。その場合には、敷板Pに接触する金属製の検知用部品を備え、敷板Pと検知用部品との接触に連動して当該検知用部品がガイド部140に接触するようにすればよい。
【0062】
図7は、図6に示された様子に対応する移動手段120及び洗浄手段130の動作制御を示す図である。図7に示されるように、制御手段は、移動手段120に対して、敷板Pを、第1方向に移動させるように制御し(期間T1)、時刻t2において、第2方向に折り返し移動させるように制御している(期間T2)。図6でも説明したように、敷板Pが接触位置D2に接触してから(時刻t1’)、第2時間t’、敷板Pの第1方向への移動をそのまま継続するように移動手段120を制御している。
【0063】
また、制御手段は、図4でも説明したように、敷板Pが洗浄領域A2を移動している間、当該敷板Pに向かって洗浄水を噴射させるように洗浄手段130を制御し、当該敷板Pを洗浄するようにしている。
【0064】
なお、ここでは、敷板Pが接触位置D2に接触してから(時刻t1’)、第2時間t’経過後を折り返し時刻t2として、制御手段は、移動手段120に対して、敷板Pを第2方向に折り返し移動させるように制御しているが、制御手段は、接触検知手段によって敷板Pとガイド部140(接触位置D2)との2回目の接触が検知されたことに応じて、移動手段120に対して、敷板Pを第2方向に折り返し移動させるように制御してもよい。具体的には、制御手段は、接触検知手段によって敷板Pとガイド部140(接触位置D2)との1回目の接触が検知されてから2回目の接触が検知されるまでは、敷板Pを第1方向に移動させることを継続し、その後、2回目の接触が検知されてから第2方向に折り返し移動させるようにする。
【0065】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態では、第1実施形態で説明したガイド部140に替えて、異なる位置にガイド部が配置されていることについて説明する。本実施形態では、本発明の第1実施形態と共通の事柄については、その記述を省略又は簡略化し、主に、異なる点について説明する。
【0066】
図8は、本発明の第2実施形態に係る敷板洗浄装置200の概要を示す側方断面図であり、図9は、本発明の第2実施形態に係る敷板洗浄装置200の概要を示す平面図である。
【0067】
図8及び図9に示されるように、敷板洗浄装置200では、ガイド部240は、載置台110の一方側の端部に形成されている。ガイド部240は、移動手段120によって第2方向に移動する敷板Pが当接するように、一方側の端部に配置されており、例えば、第2方向に対して略垂直方向に少なくとも2つ以上配置され、又は第2方向に対して略垂直方向に延伸するように1つ形成される。ここでは、図9に示されるように、載置台110の一方側の端部において、2つのL字形状のガイド部240が配置されている。
【0068】
換言すると、ガイド部240は、載置台110の一方側の端部において、第2方向に対して略垂直方向に構成され、移動手段120によって移動されてくる敷板Pの少なくとも2箇所以上が当接するように構成されている。これにより、敷板Pは、仮に第2方向に対して傾いていたとしても、その傾きが修正される。
【0069】
図10は、本発明の第2実施形態に係る敷板洗浄装置200において、敷板Pが第2方向に移動して第1方向に折り返し移動する様子を模式的に示す図である。図10に示されるように、先ず、敷板Pは傾いた状態で第2方向に移動し、ガイド部240に当接することで、その傾きが修正されている((a)状態~(b)状態)。
【0070】
制御手段は、敷板Pがガイド部240に到達し、第2方向に対して略真っ直ぐな状態になることを本発明の第1実施形態で説明した手順を用いて実現してもよい。具体的には、敷板洗浄装置200は、敷板Pが載置台110に載置される位置とガイド部240との間である所定の通過位置を、敷板Pが通過することを検知する通過検知手段を備えたり、又は、敷板Pとガイド部240との接触を検知する接触検知手段を備えたりする構成を適用してもよい。
【0071】
また、先ず、敷板Pを第2方向に移動させて、ガイド部240に当接させることで、敷板Pを第2方向に対して略真っ直ぐな状態する手順は、当該敷板Pを洗浄する際に行われる事前の位置設定(傾き調整)であるため、作業者によって確認されてもよい。すなわち、敷板洗浄装置200は、敷板Pを第2方向に移動させることによって、ガイド部240に到達し、第2方向に対して略真っ直ぐな状態になったことを、作業者に確認させて、その確認結果を受け付ける構成であってもよい。
【0072】
このように、敷板Pが第2方向に対して略真っ直ぐな状態になれば、その後、制御手段は、敷板Pを第1方向に移動させ((c)状態~(f)状態)、他方側の端部に到達すれば、敷板Pを第2方向に折り返し移動させるように((g)状態~(j)状態)、移動手段120の動作を制御する。なお、制御手段は、移動手段120によって敷板Pが洗浄領域A2を移動している間、当該敷板Pを洗浄水を用いて洗浄するように洗浄手段130を制御する。
【0073】
図11は、本発明の第2実施形態に係る敷板洗浄装置200によって実行される敷板洗浄方法M200の処理の流れを示すフローチャートである。図11に示されるように、敷板洗浄方法M200は、ステップS210~S260を含み、各ステップは、敷板洗浄装置200に含まれるプロセッサによって実行される。
【0074】
ステップS210では、制御手段は、載置台110に載置された敷板Pを第2方向に移動させるように移動手段120の動作を制御する(事前移動ステップ)。
【0075】
ステップS220では、制御手段は、敷板Pがガイド部240に到達したか否かを判定する(到達判定ステップ)。ここで、敷板Pがガイド部240に到達したとは、敷板Pの少なくとも2箇所以上がガイド部240に当接することによって敷板Pが第2方向(第1方向)に対して略真っ直ぐな状態になることをいう。
【0076】
ステップS230では、制御手段は、敷板Pがガイド部240に到達したと判定された後(ステップS220で「Yes」)、敷板Pを第1方向に移動させるように移動手段120の駆動を開始し、その後、それを継続するように制御する(第1移動ステップ)。
【0077】
ステップS240では、制御手段は、ステップS230において、敷板Pが洗浄領域A2を移動している間、敷板Pを洗浄水を用いて洗浄する(第1洗浄ステップ)。
【0078】
ステップS250では、制御手段は、敷板Pが他方側の端部に到達した後、敷板Pを第2方向に移動させるように移動手段120の駆動を開始し、その後、それを継続するように制御する(第2移動ステップ)。
【0079】
ステップS260では、制御手段は、ステップS250において、敷板Pが洗浄領域A2を移動している間、敷板Pを洗浄水を用いて洗浄する(第2洗浄ステップ)。
【0080】
以上のように、本発明の第2実施形態に係る敷板洗浄装置200及び敷板洗浄方法M200によれば、載置台110に載置された敷板Pを、先ず、第2方向に移動させ、当該敷板Pをガイド部240に当接させることにより、敷板Pを第1方向及び第2方向に対して予め略真っ直ぐな状態にさせる。その結果、搬送経路(第1方向及び第2方向)に対して敷板Pが傾いて設置された場合や搬送中に傾いた場合であっても、当該敷板Pを洗浄する際には、第1方向及び第2方向に対して略真っ直ぐな状態で移動させることができ、適切に洗浄することができる。
【0081】
<その他>
図12は、本発明のその他の実施形態に係る敷板洗浄装置300に、フォークリフトFを用いて洗浄対象の敷板Pを載置する様子を示す図である。図12に示されるように、敷板洗浄装置300は、本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100と比べて、載置ガイド部340が追加されている。
【0082】
載置ガイド部340は、洗浄領域A2よりも一方側において、載置台110の上方に配置されている。載置ガイド部340は、第1方向及び第2方向に対して略垂直方向に少なくとも2つ以上配置され、例えば、図2に示されたガイド部140のように、第1方向及び第2方向に対して略垂直方向に4つ配置されるとよい。又は、載置ガイド部340は、第1方向及び第2方向に対して略垂直方向に延伸するように1つ形成されてもよい。
【0083】
フォークリフトFを用いて洗浄対象の敷板Pを載置する際に、当該敷板Pを載置ガイド部340に当接させて、そのまま載置台110に載置するようにすれば、第1方向及び第2方向に対して略真っ直ぐな状態で敷板Pを載置することができる。
【0084】
図13は、本発明のその他の実施形態に係る敷板洗浄装置400の概要を示す平面図である。図13に示されるように、敷板洗浄装置400は、本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100と比べて、補助ガイド部440が追加されている。補助ガイド部440は、例えば、載置台110にガイド取付部材を設けることによって、着脱可能に構成されている。
【0085】
具体的には、洗浄対象となる敷板Pの幅方向(第1方向及び第2方向に対して略垂直方向)のサイズが小さい場合、ガイド取付部材を用いて補助ガイド部440を配置するとよい。載置台110に載置された敷板Pは、移動手段120によって一方側から他方側に搬送されるが、第1方向に対して傾いて搬送された場合であっても、補助ガイド部440が側壁として機能し、当該敷板Pを適切に他方側に導くことができる。なお、補助ガイド部440を側壁として機能させる場合、補助ガイド部440を配置する間隔は、敷板Pの幅方向のサイズよりも大きくする。
【0086】
また、洗浄対象となる敷板Pの長さ方向のサイズが小さい場合(載置台110に載置した際における第1方向及び第2方向のサイズが小さい場合)、ガイド取付部材を用いて補助ガイド部440を配置するとよい。これにより、載置台110に載置された敷板Pは、移動手段120によって一方側から他方側に搬送されるが、補助ガイド部440が折り返し位置として機能し、他方側の端まで搬送されることなく、当該敷板Pを途中で折り返し移動させることができる。なお、補助ガイド部440を折り返し位置として機能させる場合、補助ガイド部440を配置する間隔は、敷板Pの幅方向のサイズよりも小さくする。
【0087】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。各実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0088】
100,200,300,400…敷板洗浄装置、110…載置台、120…移動手段、121…回転軸、122…ローラ、130…洗浄手段、131…配管、132…ノズル、140,240…ガイド部、150…側壁部、160…水槽部、340…載置ガイド部、440…補助ガイド部、P…敷板、F…フォークリフト、A1…搬入部、A2…洗浄領域、D1…通過位置、D2…接触位置、S…開始タイミング、E…終了タイミング、M100,M200…敷板洗浄方法,S110~S150…敷板洗浄方法M100の各ステップ、S210~S260…敷板洗浄方法M200の各ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13