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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036160
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】敷板洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20240308BHJP
   B08B 13/00 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
B08B3/02 B
B08B13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140916
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000150844
【氏名又は名称】株式会社鶴見製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(74)【代理人】
【識別番号】100192692
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】大村 将洋
(72)【発明者】
【氏名】武部 博文
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA02
3B116AB07
3B116BB22
3B116BB62
3B116CD42
3B116CD43
3B201AA02
3B201AB07
3B201BB22
3B201BB62
3B201BB92
3B201CB01
3B201CD22
3B201CD42
3B201CD43
(57)【要約】
【課題】フォークリフト等の荷役機械を用いて敷板を敷板洗浄装置に搬入する際に、荷役機械と敷板洗浄装置との衝突を低減し、敷板を敷板洗浄装置に安全に搬入することができる敷板洗浄装置を提供することである。
【解決手段】敷板洗浄装置100は、一方側から敷板Pを搬入可能な搬入部A1を有し、一方側から他方側まで敷板Pを載置可能な載置台110と、一方側と他方側との間に搬送機構が配置され、第1方向又は第2方向に搬送動作されることにより、載置台110に載置された敷板Pを移動させる移動手段120と、移動手段120による敷板Pの移動に対応して当該敷板Pを洗浄水を用いて洗浄する洗浄手段130と、を備え、搬送機構は、一方側における中央領域に開口部160を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷板を移動させながら洗浄する敷板洗浄装置であって、
一方側から前記敷板を搬入可能な搬入部を有し、当該一方側から当該一方側に対向する他方側まで当該敷板を載置可能な載置台と、
前記一方側と前記他方側との間に搬送機構が配置され、当該搬送機構が前記一方側から前記他方側に向かう第1方向又は当該他方側から当該一方側に向かう第2方向に搬送動作されることにより、前記載置台に載置された敷板を移動させる移動手段と、
前記移動手段による前記敷板の移動に対応して当該敷板を洗浄水を用いて洗浄する洗浄手段と、を備え、
前記搬送機構は、前記一方側における中央領域に開口部を有する、
敷板洗浄装置。
【請求項2】
前記開口部は、前記一方側から前記他方側に向かって小さくなるように形成されている、
請求項1に記載の敷板洗浄装置。
【請求項3】
前記搬送機構は、
前記一方側から前記他方側との間において、略平行に配置される複数の搬送ローラと、
前記複数の搬送ローラを駆動させるモータと、を備える、
請求項1に記載の敷板洗浄装置。
【請求項4】
前記複数の搬送ローラのうち前記一方側に配置される搬送ローラは、前記開口部の両側に分割された分割搬送ローラとして配置される、
請求項3に記載の敷板洗浄装置。
【請求項5】
前記一方側に配置される前記分割搬送ローラは、前記他方側に配置される搬送ローラよりも短い間隔で配置される、
請求項4に記載の敷板洗浄装置。
【請求項6】
前記分割搬送ローラに取り付けられる複数のローラは、前記搬送ローラに取り付けられる複数のローラよりも短い間隔で配置される、
請求項4に記載の敷板洗浄装置。
【請求項7】
前記載置台は、前記一方側よりも前記他方側が低くなるように形成されている、
請求項1に記載の敷板洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷板洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、工事現場や作業現場などで用いられる敷板がある。敷板は、例えば、鉄製の敷鉄板であり、資材搬入路の確保、作業床や地盤の保護、及び軟弱地盤における足場の確保などの目的で敷設(仮設)される。
【0003】
そして、このような敷板を洗浄する洗浄装置が知られている。例えば、特許文献1では、工事現場で多用される仮設通路用の敷き鉄板を再使用に備えて安全かつ経済的に汚れを除去する敷き鉄板洗浄装置が開示されている。具体的には、特許文献1に開示されている敷き鉄板洗浄装置は、搬送ローラ装置によって敷き鉄板を搬送させながら、洗浄機によって洗浄液水を噴射させて鉄板表面の汚れを除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-80783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の敷き鉄板洗浄装置では、搬送ローラ装置の搬送開始位置に隣接する待機ステーションに、洗浄対象の敷き鉄板を複数枚平積みして、その後、フォークリフト等の荷役機械を用いて1枚ずつ搬送開始位置に移動させている。フォークリフトを用いて保持された敷き鉄板を搬送ローラ装置に載置しようとした際に、当該フォークリフトの爪等が搬送ローラ装置のローラコンベアに衝突したりすると、敷き鉄板が落下する危険性があり、また、フォークリフトや搬送ローラ装置が損傷してしまうおそれもある。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的の1つは、フォークリフト等の荷役機械を用いて敷板を敷板洗浄装置に搬入する際に、荷役機械と敷板洗浄装置との衝突を低減し、敷板を敷板洗浄装置に安全に搬入することができる敷板洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る敷板洗浄装置は、敷板を移動させながら洗浄する敷板洗浄装置であって、一方側から敷板を搬入可能な搬入部を有し、当該一方側から当該一方側に対向する他方側まで当該敷板を載置可能な載置台と、一方側と他方側との間に搬送機構が配置され、当該搬送機構が一方側から他方側に向かう第1方向又は当該他方側から当該一方側に向かう第2方向に搬送動作されることにより、載置台に載置された敷板を移動させる移動手段と、移動手段による敷板の移動に対応して当該敷板を洗浄水を用いて洗浄する洗浄手段と、を備え、搬送機構は、一方側における中央領域に開口部を有する。
【0008】
上記態様において、開口部は、一方側から他方側に向かって小さくなるように形成されていてもよい。
【0009】
上記態様において、搬送機構は、一方側から他方側との間において、略平行に配置される複数の搬送ローラと、複数の搬送ローラを駆動させるモータと、を備えてもよい。
【0010】
上記態様において、複数の搬送ローラのうち一方側に配置される搬送ローラは、開口部の両側に分割された分割搬送ローラとして配置されてもよい。
【0011】
上記態様において、一方側に配置される分割搬送ローラは、一方側に配置される搬送ローラよりも短い間隔で配置されてもよい。
【0012】
上記態様において、分割搬送ローラに取り付けられる複数のローラは、搬送ローラに取り付けられる複数のローラよりも短い間隔で配置されてもよい。
【0013】
上記態様において、載置台は、一方側よりも他方側が低くなるように形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フォークリフト等の荷役機械を用いて敷板を敷板洗浄装置に搬入する際に、荷役機械と敷板洗浄装置との衝突を低減し、敷板を敷板洗浄装置に安全に搬入することができる敷板洗浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100に、フォークリフトFを用いて洗浄対象の敷板Pを載置する様子を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100の概要を示す平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100における、複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラの配置構成を模式的に示す平面図である。
図4図3に示された載置台として機能する複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラに、フォークリフトFの爪に保持された敷板Pが載置された様子を示す図である。
図5】複数の分割搬送ローラにおける分割回転軸121A,121Bの間隔を短くした搬送機構の構成を模式的に示し、敷板Pが載置された様子を示す図である。
図6】複数の分割搬送ローラにおける分割回転軸121A,121Bに配置されるローラ122の間隔を短くした搬送機構の構成を模式的に示し、敷板Pが載置された様子を示す図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る敷板洗浄装置の載置台として機能する複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラに、フォークリフトFの爪に保持された敷板Pが載置されようとする様子を示す図である。
図8】本発明の敷板洗浄装置に付随する機能として、残水除去について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な各実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する各実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。また、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する場合がある。
【0017】
<第1実施形態>
[敷板洗浄装置の構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100に、フォークリフトFを用いて洗浄対象の敷板Pを載置する様子を示す図であり、図2は、本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100の概要を示す平面図である。
【0018】
図1では、敷板洗浄装置100の側方断面図が示されており、敷板洗浄装置100は、載置台110と、移動手段120と、洗浄手段130と、側壁部140と、水槽部150と、制御手段(図示せず)と、を備える。
【0019】
載置台110は、敷板Pを搬入可能な搬入部A1を有する一方側と、当該一方側に対向する他方側との間において敷板Pが載置可能となっている。なお、搬入部A1とは、例えば、フォークリフトFによって保持された敷板Pが搬入可能なように開口されており、敷板Pが載置されようとする載置台110の上方に搬入の障害となる部材などが配置されていない状態であればよい。
【0020】
移動手段120は、一方側と他方側との間に搬送機構が配置され、当該搬送機構が搬送動作されることにより、載置台110に載置された敷板Pを移動させる。例えば、搬送機構は、複数の搬送ローラで構成されており、モータなどによって当該複数の搬送ローラが回転して、載置台110に載置された敷板Pを第1方向又は第2方向に搬送する。ここで、第1方向は、一方側から他方側に向かう方向であり、第2方向は、第1方向とは逆方向であって、他方側から一方側に向かう方向である。
【0021】
より具体的には、図2に示されるように、搬送ローラは、第1方向及び第2方向に対して略垂直方向に延伸するように、複数の回転軸121が略平行に配置され、それぞれの回転軸121では、当該回転軸121を支持する複数の軸受が配置されている。そして、複数の回転軸121には、それぞれ所定の間隔で複数のローラ122が取り付けられており、モータによって複数の回転軸121が回転することに伴って当該複数のローラ122も回転し、載置されている敷板Pを搬送する。また、一方側の中央領域には、回転軸121及びローラ122が配置されていない開口部160がある。換言すれば、中央領域における開口部160の両側に分割された分割搬送ローラ(分割回転軸121A,121B及びローラ122)が配置されている。分割搬送ローラの配置構成についての詳細は、後述する。
【0022】
なお、本実施形態では、移動手段120における搬送機構は、複数の搬送ローラ(回転軸121及びローラ122)、及び複数の分割搬送ローラ(分割回転軸121A,121B及びローラ122)で構成されているが、これに限定されるものではなく、載置台110に載置された敷板Pを第1方向及び第2方向に搬送可能な構成であれば、例えば、コンベアベルトなどで構成される他の構成であってもよい。
【0023】
また、本実施形態では、載置台110及び移動手段120をそれぞれ説明しているが、載置台110は、当該載置台110に載置された敷板Pを移動可能な移動手段の機能を備えていたり、移動手段120は、敷板Pを載置可能とする載置台として機能しつつ、当該敷板Pを移動させたりする構成であってもよい。換言すれば、載置台110及び移動手段120は、お互いの機能を兼ね、又は含むような構成であってもよい。
【0024】
洗浄手段130は、移動手段120によって敷板Pが洗浄領域A2を移動している間、当該敷板Pを洗浄水を用いて洗浄する。ここで、洗浄領域A2は、搬入部A1よりも他方側に配置される領域であって、洗浄手段130によって洗浄水が放出される領域である。
【0025】
例えば、洗浄手段130は、洗浄領域A2において、載置台110の上方及び下方から洗浄水を噴射する噴射部を備え、さらに、当該噴射部に洗浄水を供給するポンプ及び配管を備える。ポンプを駆動させて汲み上げられた洗浄水は、配管を介して、載置台110の上方及び下方に配置された噴射部にそれぞれ供給される。図2に示されるように、洗浄手段130は、第1方向及び第2方向に対して略垂直方向に延伸するように配管131が形成され、当該配管131には、複数のノズル132が配置されている。そして、各ノズル132から、洗浄領域A2を移動している敷板Pの上面及び/又は下面に向かって洗浄水が噴射されることにより、敷板Pが洗浄される。
【0026】
なお、洗浄手段130は、例えば、載置台110の上方及び下方に配置された噴射部(ノズル)から敷板Pの上面及び下面に向かって洗浄水を噴射させることにより、当該敷板Pの上面及び下面を洗浄してもよい。敷板Pの上面及び下面を同時に洗浄することができるため、洗浄時間の短縮に繋がる。
【0027】
また、載置台110に載置された敷板Pが一方側と他方側との間を往復する際に、1回目の往復時には載置台110の上方に配置された噴射部から敷板Pの上面に向かって洗浄水を噴射させることにより、当該敷板Pの上面を洗浄し、2回目の往復時には載置台110の下方に配置された噴射部から敷板Pの下面に向かって洗浄水を噴射させることにより、当該敷板Pの下面を洗浄してもよい。それぞれ洗浄水を噴射する圧力を大きくすることができるため、より強力に洗浄することができる。同様に、往路で敷板Pの上面を洗浄し、復路で敷板Pの下面を洗浄するようにしてもよい。
【0028】
側壁部140は、載置台110の他方側の端部に形成されており、例えば、洗浄手段130によって敷板Pに向かって噴射された洗浄水、及び当該敷板Pで反射された洗浄水が飛散することを防止している。側壁部140の上部は、洗浄手段130側に屈曲するような形状であれば、より適切に、洗浄水が飛散することを防止することができる。さらに、側壁部140は、洗浄手段130が配置されている領域、洗浄領域A2、又はそれらから他方側全体を覆うように形成されていてもよい。これにより、さらに、適切に、洗浄水が飛散することを防止することができる。
【0029】
水槽部150は、洗浄手段130によって敷板Pに向かって噴射された洗浄水、当該敷板Pで反射された洗浄水、及び敷板Pから除去された異物(汚れ)を、下方から受け留めて、貯留するように構成されている。さらに、水槽部150に貯留された洗浄水は、汚水として排水されたり、異物(汚れ)を除去することにより浄化(濾過)して再度洗浄水として使用されたりしてもよい。再度洗浄水として使用(循環)する場合には、水槽部150に貯留された洗浄水を浄化し、当該浄化された洗浄水をポンプ及び配管を用いて洗浄手段130の噴射部に供給するようにすればよい。水槽部150に堆積した異物(汚れ)は、水槽部150の底部に配置された排泥装置により、敷板洗浄装置100から排出されるとよい。
【0030】
制御手段は、上述した移動手段120及び洗浄手段130の動作を制御する。例えば、制御手段は、移動手段120における搬送機構(ローラ)の稼働開始、終了(停止)、回転速度及び回転方向などを制御する。また、制御手段は、洗浄手段130における噴射部のうち、どの噴射部から洗浄水を噴射するか、噴射部の稼働開始、終了(停止)、及び噴射される洗浄水の量や圧力などを制御する。
【0031】
典型的には、制御手段は、載置台110に載置された敷板Pを、第1方向又は第2方向に移動させるように移動手段120の動作を制御し、移動手段120によって敷板Pが洗浄領域A2を移動している間、当該敷板Pを洗浄水を用いて洗浄するように、洗浄手段130の動作を制御する。
【0032】
[分割搬送ローラの配置構成について]
次に、分割搬送ローラの配置構成について、具体的に詳しく説明する。本実施形態では、移動手段120として構成される搬送機構として、複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラを形成しているが、当該複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラは、敷板Pを載置可能とする載置台としても機能する。
【0033】
図3は、本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100における、複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラの配置構成を模式的に示す平面図である。図3に示されるように、移動手段120として構成される搬送機構は、複数の搬送ローラが配置され、一方側の中央領域には、搬送ローラが配置されていない開口部160があり、当該開口部160の両側にはそれぞれ分割搬送ローラが配置されている。
【0034】
複数の搬送ローラは、第1方向及び第2方向に対して略垂直方向に延伸するように、複数の回転軸121が略平行に配置され、それぞれの回転軸121には、それぞれ所定の間隔で複数のローラ122が取り付けられている。
【0035】
開口部160は、一方側の中央領域に形成されており、当該領域には、搬送ローラは配置されていない。開口部160は、載置台として機能する複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラに、フォークリフトFを用いて敷板Pを載置する際に、当該敷板Pを保持しているフォークリフトFの爪が複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラに衝突することを回避するために設けられている。
【0036】
複数の分割搬送ローラは、開口部160の両側に第1方向及び第2方向に対して略垂直方向に延伸するように、それぞれ複数の分割回転軸121,121Bが略平行に配置され、それぞれの分割回転軸121A,121Bには、それぞれ所定の間隔で複数のローラ122が配置されている。
【0037】
図4は、図3に示された載置台として機能する複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラに、フォークリフトFの爪に保持された敷板Pが載置された様子を示す図である。図4に示されるように、フォークリフトFの爪は、一方側の中央領域にある開口部160に位置し、当該フォークリフトFの爪に保持された敷板Pは、開口部160の両側にそれぞれ配置された分割搬送ローラに載置されている。
【0038】
フォークリフトFは、当該フォークリフトFの爪で敷板Pを保持した状態で、一方側から、当該敷板Pを、載置台として機能する複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラに載置しようとする。その際、当該フォークリフトFの爪は、開口部160に位置することで、搬送ローラ及び分割搬送ローラとの衝突を回避しつつ、適切に、当該敷板Pを載置する。
【0039】
ここで、開口部160は、フォークリフトFの爪の長さ及び配置に応じて、その範囲を設定されるとよい。例えば、フォークリフトFの爪の長さが800mm程度であれば、開口部160における第1方向及び第2方向の範囲は800mm以上、フォークリフトFの爪が2つ配置され、その間隔が1400mm程度であれば、開口部160における第1方向及び第2方向に垂直方向の範囲は1400mm以上とすればよい。ただし、載置台110が敷板Pを安定して載置できるように、開口部160は、敷板Pのサイズよりも小さく設定される。
【0040】
そして、載置台として機能する複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラに載置された敷板Pは、モータによって複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラが回転し、第1方向又は第2方向に搬送される。
【0041】
なお、モータは、1つのモータで、複数の搬送ローラの回転軸121、及び複数の分割搬送ローラの分割回転軸121A,121Bが連動して回転する構成であってもよいし、複数のモータで、回転軸121、及び分割回転軸121A,121Bが所定単位で、又はそれぞれで回転する構成であってもよい。複数の搬送ローラの回転軸121、及び複数の分割搬送ローラの分割回転軸121A,121Bが回転することによって、それらに接続されている複数のローラ122も回転する。その結果、複数のローラ122に載置されている敷板Pが回転方向に搬送されることになる。
【0042】
以上のように、本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100によれば、移動手段120における搬送機構は、複数の搬送ローラが配置され、一方側の中央領域には、搬送ローラが配置されていない開口部160があり、当該開口部160の両側にはそれぞれ分割搬送ローラが配置されている。これにより、フォークリフトFを用いて敷板Pを敷板洗浄装置100に搬入する際に、例えば、フォークリフトFの爪と敷板洗浄装置100の搬送ローラ(分割搬送ローラ)との衝突を回避し、敷板Pを敷板洗浄装置100に安全に搬入することができる。
【0043】
[第1実施形態の変形例]
本発明の第1実施形態では、敷板洗浄装置100は、移動手段120における搬送機構として、複数の搬送ローラと分割搬送ローラを構成し、配置される回転軸121及び分割回転軸121A,121Bの間隔、及びそれらに配置される軸受122の間隔は、略同一であったが、これに限定されるものではない。例えば、分割回転軸121A,121Bの間隔、及び/又は分割回転軸121A,121Bに配置されるローラ122の間隔を短くしてもよい。
【0044】
図5は、複数の分割搬送ローラにおける分割回転軸121A,121Bの間隔を短くした搬送機構の構成を模式的に示し、敷板Pが載置された様子を示す図である。図5に示されるように、複数の分割搬送ローラにおける分割回転軸121A,121Bの間隔は、複数の搬送ローラにおける回転軸121の間隔よりも短い。
【0045】
図6は、複数の分割搬送ローラにおける分割回転軸121A,121Bに配置される軸受122の間隔を短くした搬送機構の構成を模式的に示し、敷板Pが載置された様子を示す図である。図6に示されるように、複数の分割搬送ローラにおける分割回転軸121A,121Bに配置される軸受122の間隔は、複数の搬送ローラにおける回転軸121に配置される軸受122の間隔よりも短い。
【0046】
このように、開口部160を含む範囲に敷板Pが載置されると、敷板Pを支持して第1方向及び第2方向に搬送する軸受122が少なくなるところ、開口部160の両側それぞれに多くの軸受122を配置させている。その結果、開口部160を含む領域(複数の分割搬送ローラが配置された領域)であっても、複数の搬送ローラが配置された領域と同等に、適切に敷板Pを支持しつつ搬送させることができる。
【0047】
さらに、第1実施形態の変形例としての移動手段120における搬送機構は、図5及び図6に示された構成を組み合わせてもよいし、また、開口部160を含む領域(複数の分割搬送ローラが配置された領域)におけるトルクを大きくするようにしてもよい。
【0048】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態では、第1実施形態で説明した開口部160が異なる範囲で設定されることについて説明する。本実施形態に係る敷板洗浄装置の基本的な構成は、本発明の第1実施形態に係る敷板洗浄装置100と同様であり、その記述を省略又は簡略化し、主に、開口部の範囲について説明する。
【0049】
図7は、本発明の第2実施形態に係る敷板洗浄装置の載置台として機能する複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラに、フォークリフトFの爪に保持された敷板Pが載置されようとする様子を示す図である。図7に示されるように、フォークリフトFは、当該フォークリフトFの爪で敷板Pを保持した状態で、一方側から、当該敷板Pを、載置台として機能する複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラに載置しようとしている。
【0050】
開口部260は、一方側から他方側に向かって小さくなるように形成されており、図7では、台形形状で示されている。具体的には、開口部260の両側にそれぞれ配置される分割搬送ローラの長さを、一方側から他方側に向かって段階的に長くすることによって、一方側の端部は、最も開口部分が広くなっている。
【0051】
これにより、フォークリフトFは、敷板Pを保持した状態でフォークリフトFの爪を、一方側から開口部260に侵入させようとする際に、例えば、第1方向に対して略平行ではなく、傾いた位置から侵入する場合であっても、一方側の端部は、最も広く開口しているため、分割搬送ローラとの衝突を回避しつつ、適切に、当該敷板Pを載置することができる。
【0052】
また、分割搬送ローラの長さを、一方側から他方側に向かって段階的に長くすることにより、搬入時における衝突を回避しつつ、敷板Pを搬送する際には、当該敷板Pと分割搬送ローラとの接触面積を確保し、搬送能力の低下を抑制することができる。
【0053】
以上のように、本発明の第2実施形態に係る敷板洗浄装置の移動手段120における搬送機構によれば、移動手段120における搬送機構は、複数の搬送ローラが配置され、一方側の中央領域には、搬送ローラが配置されていない開口部260があり、当該開口部260の両側にはそれぞれ分割搬送ローラが配置されている。これにより、フォークリフトFを用いて敷板Pを敷板洗浄装置に搬入する際に、例えば、フォークリフトFの爪と敷板洗浄装置の搬送ローラ(分割搬送ローラ)との衝突を、より適切に回避し、敷板Pを敷板洗浄装置に、より安全に搬入することができる。
【0054】
<その他>
図8は、本発明の敷板洗浄装置に付随する機能として、残水除去について説明するための図である。図8に示されるように、敷板洗浄装置200は、載置台210が一方側から他方側に向かって低くなるように形成されている。
【0055】
敷板洗浄装置200は、移動手段220として構成される搬送機構として、複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラで構成されているが、当該複数の搬送ローラ及び分割搬送ローラは、敷板Pを載置可能とする載置台210としても機能する。すなわち、一方側から他方側に向かって低くなるように、各搬送ローラ及び分割搬送ローラを配置すればよい。
【0056】
これにより、載置台210に載置された敷板Pを一方側から他方側に搬送する際に、一方側に開口部160,260が存在することによる搬送能力の低下を抑制することができる。特に、搬送を開始する際に必要となるトルクをサポートし、載置台210に載置された敷板Pについて、よりスムーズに搬送を開始して、一方側から他方側に搬送させることができる。逆に、他方側から一方側への搬送については、搬送速度を有している場合であっても、他方側から一方側に向かって高くなっているため、一方側の端から敷板Pが落下する危険性を軽減することができる。
【0057】
また、洗浄手段130によって敷板Pに洗浄水を噴射させて、当該敷板Pを洗浄した場合、当該敷板Pの上面に残る洗浄水は、他方側に流れ落ちることなる。その結果、洗浄手段130によって敷板Pに向かって噴射された洗浄水が当該敷板Pの上面に残ることを低減し、他方側から水槽部150に受け留められる。また、敷板Pを一方側から搬出する際に、当該敷板Pの上面に残っている洗浄水が敷板洗浄装置200の水槽部150の範囲外に漏れ出すことを低減することができる。
【0058】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。各実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0059】
100,200…敷板洗浄装置、110,210…載置台、120,220…移動手段、121…回転軸、121A,121B…分割回転軸、122…ローラ、130…洗浄手段、131…配管、132…ノズル、140…側壁部、150…水槽部、160,260…開口部、A1…搬入部、A2…洗浄領域、F…フォークリフト、P…敷板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8