(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036180
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】パケット処理装置及び通信システム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/52 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
H04L12/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140952
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田島 優
(72)【発明者】
【氏名】八木庭 涼平
(72)【発明者】
【氏名】深川 恭
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030HB15
5K030LA15
(57)【要約】
【課題】設定パス上の各ノード内のiTAS装置(パケット処理装置)間でタイミングスロットのタイミングを同期させるパケット処理装置等を提供する。
【解決手段】パケット処理装置は、記憶部と、カウンタと、出力制御部と、送信部と、リセット部とを有する。記憶部は、タイムスロット番号毎に、パケット種別毎のパケットの出力を開閉する開閉情報を記憶する。カウンタは、タイムスロット番号をカウントする。出力制御部は、現在カウント中のタイムスロット番号に応じた前記開閉情報に基づき、各パケットの出力を制御する。送信部は、設定パス上の各パケット処理装置内で現在カウント中のタイムスロット番号をリセットするための制御パケットを、所定のタイミングに応じて前記設定パスの順方向に送信する。リセット部は、制御パケットの送信開始に応じて現在カウント中のタイムスロット番号をリセットしてカウンタのカウント動作を再開する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイムスロット番号毎に、パケット種別毎のパケットの出力を開閉する開閉情報を記憶する記憶部と、
前記タイムスロット番号をカウントするカウンタと、
現在カウント中のタイムスロット番号に応じた前記開閉情報に基づき、各パケットの出力を制御する出力制御部と、
設定パス上の各パケット処理装置内で現在カウント中のタイムスロット番号をリセットするための制御パケットを、所定のタイミングに応じて前記設定パスの順方向に送信する送信部と、
前記制御パケットの送信開始に応じて現在カウント中のタイムスロット番号をリセットして前記カウンタのカウント動作を再開するリセット部と、
を有することを特徴とするパケット処理装置。
【請求項2】
前記設定パス上の各パケット処理装置を制御する制御装置に対して、前記現在カウント中のタイムスロット番号をリセットした際のタイミング情報を通知する制御部を有することを特徴とする請求項1に記載のパケット処理装置。
【請求項3】
タイムスロット番号毎に、パケット種別毎のパケットの出力を開閉する開閉情報を記憶する記憶部と、
前記タイムスロット番号をカウントするカウンタと、
現在カウント中のタイムスロット番号に応じた前記開閉情報に基づき、各パケットの出力を制御する出力制御部と、
設定パスの順方向から制御パケットを受信する受信部と、
受信した前記制御パケットに基づいて、現在カウント中のタイムスロット番号をリセットして前記カウンタのカウント動作を再開するリセット部と、
を有することを特徴とするパケット処理装置。
【請求項4】
設定パスの順方向から制御パケットを受信した場合に当該制御パケットを前記設定パスの順方向に送信する送信部を有し、
前記リセット部は、
現在カウント中のタイムスロット番号をリセットして前記カウンタのカウント動作を再開することを特徴とする請求項3に記載のパケット処理装置。
【請求項5】
前記設定パス上の各パケット処理装置を制御する制御装置に対して、前記現在カウント中のタイムスロット番号をリセットした際のタイミング情報を通知する制御部を有することを特徴とする請求項4に記載のパケット処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記タイムスロット番号のカウント動作を再開後に、前記設定パスと異なる他の設定パスから前記制御パケットを受信した場合に現在カウント中のタイムスロット番号を、前記設定パスと前記他の設定パスとの間の差分として前記制御装置に通知することを特徴とする請求項5に記載のパケット処理装置。
【請求項7】
前記送信部は、
前記設定パスの順方向から前記制御パケットを受信した場合に前記設定パスの順方向に送信すると共に、前記制御パケットを前記他の設定パスの逆方向に送信し、
前記制御部は、
前記他の設定パスの順方向から折り返された前記制御パケットを受信した場合に現在カウント中のタイムスロット番号を、前記設定パスと前記他の設定パスとの間の差分として前記制御装置に通知することを特徴とする請求項6に記載のパケット処理装置。
【請求項8】
前記リセット部は、
設定パスの順方向から自分宛の制御パケットを受信した場合に現在カウント中のタイムスロット番号をリセットして前記カウンタのカウント動作を再開することを特徴とする請求項3に記載のパケット処理装置。
【請求項9】
前記設定パス上の各パケット処理装置を制御する制御装置に対して、前記現在カウント中のタイムスロット番号をリセットした際のタイミング情報を通知する制御部を有することを特徴とする請求項8に記載のパケット処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記タイムスロット番号のカウント動作を再開後に、前記設定パスと異なる他の設定パスから前記制御パケットを受信した場合に現在カウント中のタイムスロット番号を、前記設定パスと前記他の設定パスとの間の差分として前記制御装置に通知することを特徴とする請求項9に記載のパケット処理装置。
【請求項11】
設定パスの起点となる第1のパケット処理装置と、
前記設定パスの終点となる第2のパケット処理装置と、
前記第1のパケット処理装置と前記第2のパケット処理装置との間の前記設定パス上に配置された第3のパケット処理装置と、
前記第1のパケット処理装置、前記第2のパケット処理装置及び前記第3のパケット処理装置を制御する制御装置と、を有し、
前記第1のパケット処理装置は、
所定タイミングに応じて制御パケットを前記設定パスの順方向に送信し、前記制御パケットの送信開始に応じて現在カウント中のタイムスロット番号をリセットしてカウント動作を開始し、
前記第3のパケット処理装置は、
前記設定パス上を順方向に流れる前記制御パケットを受信した場合に前記制御パケットを当該設定パスの順方向に送信し、現在カウント中のタイムスロット番号をリセットしてカウント動作を開始し、
前記第2のパケット処理装置は、
前記設定パス上を順方向に流れる前記制御パケットを受信した場合に現在カウント中のタイムスロット番号をリセットしてカウント動作を開始することを特徴とする通信システム。
【請求項12】
前記第1のパケット処理装置は、
現在カウント中のタイムスロットをリセットした際の第1のタイミング情報を前記制御装置に通知し、
前記第2のパケット処理装置は、
現在カウント中のタイムスロットをリセットした際の第2のタイミング情報を前記制御装置に通知し、
前記第3のパケット処理装置は、
現在カウント中のタイムスロットをリセットした際の第3のタイミング情報を前記制御装置に通知し、
前記制御装置は、
前記第1のタイミング情報、前記第2のタイミング情報及び前記第3のタイミング情報に基づき、前記第1のパケット処理装置内の前記タイムスロット番号毎に、パケット種別毎のパケットの出力を開閉する開閉情報を修正し、修正後の開閉情報を前記第1のパケット処理装置に通知することを特徴とする請求項11に記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケット処理装置及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、MFH(Mobile Front Haul)回線と接続する通信システムでは、情報がレイヤ2パケットとして扱われるため、基地局間を接続するMBH(Mobile Back Haul)回線や有線ネットワーク等との間でネットワークを共有できる。しかしながら、通信システムでは、MFH回線からのMFHパケットが、他のパケット、例えば、MBH回線からのMBHパケットとのタイミング競合で出力遅延が生じる。そこで、通信システムでは、出力遅延を抑制する技術として優先制御処理が知られている。優先制御処理は、後続の高優先パケットが、キューイングされている低優先パケットを追い越して優先的に読み出されることになるため、高優先パケット、すなわちMFHパケットの出力遅延を抑制できる。
【0003】
また、更なる出力遅延を抑制する方法としてIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.1TSN(Time Sensitive Networking)が検討されている。TSNには、パケットの出力遅延を抑制するデータプレーン機能としてIEEE802.1QbvというTAS(Time Aware Shaper)方式がある。
【0004】
TAS技術を採用したパケット処理装置であるTAS装置では、受信パケットの種別毎に設けられた各ゲートの開閉を制御するGCL(Gate Control List)に基づき、各ゲートを開閉する。ゲートとしては、例えば、MFHパケットの出力を開閉するゲートや、例えば、MBHパケットの出力を開閉するゲートがある。GCLは、MFHパケットのトラフィックパターンを利用してTS(Time slot)毎の各ゲートの開閉を制御する開閉情報を管理している。TAS装置は、GCLを参照してTS毎の各ゲートの開閉を制御することで、MFHパケットを優先的に出力できる。
【0005】
また、TAS装置では、マイクロ秒オーダの非常にセンシティブなゲート開閉設定を実現するために、それを維持する仕組が求められている。そこで、TAS装置では、MFHパケット及びMBHパケットのタイミングを取得し、これらパケットの転送周期・位相等を自律学習する。そして、TAS装置では、自律学習した内容に基づき、MFHパケット又はMFHパケットの出力タイミングを管理するGCLのテーブル内容を修正するiTAS(Intelligent TAS)技術を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-63363号公報
【特許文献2】特表2008-518552号公報
【特許文献3】特開2001-358766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図27は、TS輻輳の課題の一例を示す説明図である。
図27に示す通信システム200は、例えば、第1のノード201A(201)と、第2のノード201B(201)と、第3のノード201C(201)とを有する。尚、各ノード201には、入出力ポート毎にiTAS装置が内蔵されているものとする。第3のノード201Cは、第1のノード201A及び第2のノード201Bから高優先パケットを受信する合流ノードである。第3のノード201C内のiTAS装置では、第1のノード201A内のiTAS装置から高優先パケット及び第2のノード201B内のiTAS装置から高優先パケットを同時に受信した場合にTAS予約帯域が重複して高優先パケットのTS輻輳が発生する。この場合、第3のノード201C内のiTAS装置は、第2のノード201B内のiTAS装置からの高優先パケットの出力タイミングを遅らせるようにGCLの内容を修正する。更に、第2のノード201B内のiTAS装置も、第3のノード201C内のiTAS装置のGCLの修正内容を反映するようにGCLの内容を修正する。つまり、通信システム200内の各ノード201を監視制御する制御装置が、通信システム200内の高優先パケットの出力タイミングの帯域を保証した状態で各GCLの内容を調整する必要がある。
【0008】
しかしながら、通信システム200では、各ノード201内の各iTAS装置で使用するTSが非同期の場合、各ノード201を監視する制御装置では、通信システム200内の高優先パケットの出力タイミングの帯域を保証した状態でGCLの内容を調整するのは困難である。そこで、通信システム200内の各ノード201内のiTAS装置間のTSのタイミングを同期させることが求められている。
【0009】
一つの側面では、設定パス上の各ノード内のiTAS装置(パケット処理装置)間でタイミングスロットのタイミングを同期させるパケット処理装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一つの態様のパケット処理装置は、記憶部と、カウンタと、出力制御部と、送信部と、リセット部とを有する。記憶部は、タイムスロット番号毎に、パケット種別毎のパケットの出力を開閉する開閉情報を記憶する。カウンタは、前記タイムスロット番号をカウントする。出力制御部は、現在カウント中のタイムスロット番号に応じた前記開閉情報に基づき、各パケットの出力を制御する。送信部は、設定パス上の各パケット処理装置内で現在カウント中のタイムスロット番号をリセットするための制御パケットを、所定のタイミングに応じて前記設定パスの順方向に送信する。リセット部は、前記制御パケットの送信開始に応じて現在カウント中のタイムスロット番号をリセットして前記カウンタのカウント動作を再開する。
【発明の効果】
【0011】
一つの態様では、制御パケットに応じてカウント中のタイムスロット番号をリセットすることで、設定パス上の各ノード内のiTAS装置(パケット処理装置)間でタイムスロットのタイミングを同期させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、通信システムの一例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、iTAS装置の構成の一例を示す説明図である。
【
図4】
図4は、転送ルールの一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、タイムパケットのフォーマットの一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、制御装置の構成の一例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、パス設定時の通信システムの一例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、第1のTS同期処理に関わる各ノード内のiTAS装置の処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】
図9は、第1の設定パスに第2の設定パスを増設した状態の通信システムの一例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、第2のTS同期処理に関わる第2の設定パス上の各ノード内のiTAS装置の処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図11】
図11は、終端ノードで発生するTS差分の一例を示す説明図である。
【
図12】
図12は、
図9に示す各ノードの第1の高優先パケット及び第2の高優先パケットのTS範囲の一例を示す説明図である。
【
図13】
図13は、第1の設定パスに第3の設定パスを増設した状態の通信システムの一例を示す説明図である。
【
図14】
図14は、第3のTS同期処理に関わる第3の設定パス上の各ノードの処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図15】
図15は、合流ノードで発生するTS差分の一例を示す説明図である。
【
図16】
図16は、
図13に示す各ノードの第1の高優先パケット及び第2の高優先パケットのTS範囲の一例を示す説明図である。
【
図17】
図17は、第1の設定パスを設定した状態の通信システムの模式図である。
【
図18】
図18は、制御装置側TS同期処理に関わる制御装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、エッジノード側TS同期処理に関わるエッジノードの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、中間ノード側TS同期処理に関わる中間ノードの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、中間ノード側TS同期処理に関わる中間ノードの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、終端ノード側TS同期処理に関わる終端ノードの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図23】
図23は、第1の設定パスに第4の設定パスを増設した状態の通信システムの模式図である。
【
図24】
図24は、合流ノード側TS同期処理に関わる合流ノードの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図25】
図25は、第1の設定パスに第5の設定パスを増設した状態の通信システムの模式図である。
【
図26】
図26は、合流ノード側TS同期処理に関わる合流ノードの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図27】
図27は、TS輻輳の課題の一例を示す説明図である。
【
図28】
図28は、伝送遅延の課題の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<比較例>
近年、例えば、パケットロス率が極めて低く、エンドツーエンドの伝送遅延上限を提供できる保証型のサービスとしてDetNetが知られている。DetNet内のエッジノードでは、無秩序パケットを滞留・整流させることで、人工的な周期性を持たせることができる。そこで、DetNet内のエッジノード内にiTAS装置を採用することも考えられる。
【0014】
しかしながら、DetNet内のエッジノードにおいて人工的な周期で送り出したパケットの送信タイミングを無計画に行った場合、複数の高優先パケットを受信する通信システム内の中間ノードでは輻輳が生じて論理パスの帯域保証ができない。そこで、DetNetと接続する通信システム内の各ノードを監視制御する制御装置では、通信システム内の各ノード内のiTAS装置間でTSのタイミングを同期させる必要がある。しかしながら、TSを生成するクロックには、例えば、1秒当たり±5マイクロ秒程度の周波数偏差がある。通信システム内の各ノード内の各iTAS装置で使用するTSは非同期である。
【0015】
図28は、伝送遅延の課題の一例を示す説明図である。
図28に示す通信システム300は、第1のノード301A(301)と、第2のノード301B(301)と、第3のノード301C(301)とを有する。尚、各ノード301には、入出力ポート毎にiTAS装置が内蔵されているものとする。第3のノード301Cは、第1のノード301A及び第2のノード301Bから高優先パケットを受信する合流ノードである。
【0016】
通信システム300内の各ノード301内の各iTAS装置は、使用するTSが非同期であるため、ある特定のタイミング時点、例えば、現在カウント中のTS番号が異なることになる。各ノード301を監視する制御装置では、各ノード301内の各iTAS装置のカウント中のTS番号を把握するのは困難である。しかも、制御装置は、各ノード301内の各iTAS装置間のパス上でパケットの伝送遅延が生じるものの、この伝送遅延量を把握するのは困難である。従って、制御装置では、各iTAS装置のGCL内の操作対象のTS番号を指定するのは困難である。通信システム300では、各ノード301内のiTAS装置に使用するカウント中のTS番号が非同期であるため、高優先パケットの輻輳が発生する。しかも、DetNetと接続する通信システムでは、この点が顕著となる。
【0017】
そこで、iTAS装置間のパケットの伝送遅延を考慮しながら、設定パス上の各ノード内のiTAS装置間でTSのタイミングを同期、すなわちTS番号を同期させることで、高優先パケットの輻輳を回避できるパケット処理装置等が求められている。従って、そのパケット処理装置等の実施の形態につき、実施例として、以下に説明する。本明細書における課題及び実施例は一例であり、本願の権利範囲を限定するものではない。特に、記載の表現が異なっていたとしても技術的に同等であれば、異なる表現であっても本願の技術を適用可能であり、権利範囲を限定するものではない。そして、各実施の形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【実施例0018】
図1は、通信システム1の一例を示す説明図である。
図1に示す通信システム1は、第1のノード2A(2)と、第2のノード2B(2)と、第3のノード2C(2)と、第4のノード2D(2)と、第5のノード2E(2)と、第6のノード2F(2)と、第7のノード2G(2)と、制御装置3とを有する。尚、説明の便宜上、通信システム1では、例えば、7台のノード2を例示したが、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。通信システム1内の各ノード2を伝送するパケットは、例えば、高優先パケット、低優先パケットや制御パケット等である。高優先パケットは、例えば、MFHパケット、低優先パケットは、例えば、MFHパケットに比較して低優先のMBHパケットである。制御パケットは、後述するタイムパケットである。
【0019】
第1のノード2Aは、第2のノード2Bと接続すると共に、第3のノード2Cと接続する。第1のノード2Aは、例えば、DetNet4と接続するエッジノードとする。第2のノード2Bは、第1のノード2Aと接続すると共に、第4のノード2Dと接続すると共に、第5のノード2Eと接続する。第3のノード2Cは、第1のノード2Aと接続すると共に、第4のノード2Dと接続すると共に、第6のノード2Fと接続する。第4のノード2Dは、第2のノード2Bと接続すると共に、第3のノード2Cと接続すると共に、第5のノード2Eと接続すると共に、第6のノード2Fと接続する。第5のノード2Eは、第2のノード2Bと接続すると共に、第4のノード2Dと接続すると共に、第7のノード2Gと接続する。第6のノード2Fは、第3のノード2Cと接続すると共に、第4のノード2Dと接続すると共に、第7のノード2Gと接続する。第7のノード2Gは、第5のノード2Eと接続すると共に、第6のノード2Fと接続する。第1~第7のノード2は、接続するパス毎のポート毎にiTAS装置5を内蔵している。制御装置3は、通信システム1内の各ノード2内の各iTAS装置5を監視制御する。
【0020】
通信システム1内の設定パスは、第1のノード2A→第2のノード2B→第4のノード2D→第5のノード2E→第7のノード2Gの経路とした場合を想定する。この場合、第1のノード2Aはエッジノード、第2のノード2B、第4のノード2D及び第5のノード2Eは中間ノード、第7のノード2Gは終端ノードとする。
【0021】
図2は、iTAS装置5の構成の一例を示す説明図である。
図2に示すiTAS装置5は、入力ポート11と、出力ポート12と、パケットスイッチ13と、高優先キュー14と、低優先キュー15と、高優先ゲート16Aと、低優先ゲート16Bと、MUX(Multiplexer)17と、を有する。iTAS装置5は、第1の統計情報記憶部18Aと、タイムパケット挿入部19と、第2の統計情報記憶部18Bと、を有する。iTAS装置5は、出力制御部20と、制御部30と、TS管理部40と、を有する。
【0022】
入力ポート11は、MBH回線やMFH回線等の各種回線を通じて他のノード2内のiTAS装置5と接続し、パケットを入力するポートである。出力ポート12は、MBH回線やMFH回線等の各種回線を通じて他のノード2内のiTAS装置5と接続し、パケットを出力するポートである。パケットスイッチ13は、受信パケット内のVLANタグのPビット等を識別し、その識別結果に基づき、受信パケットの種別に応じたキュー14,15に当該種別の受信パケットを転送する。パケットスイッチ13は、入力ポート11からの受信パケットのパケット種別に応じて、高優先パケットを高優先キュー14に出力すると共に、低優先パケットを低優先キュー15に出力する。
【0023】
高優先キュー14は、パケットスイッチ13からの高優先パケットをキューイングする格納部である。低優先キュー15は、パケットスイッチ13からの低優先パケットをキューンイングする格納部である。高優先ゲート16Aは、高優先キュー14の出力をTS単位で開閉するゲートである。低優先ゲート16Bは、低優先キュー15の出力をTS単位で開閉するゲートである。高優先ゲート16Aが開状態、低優先ゲート16Bが閉状態の場合、高優先ゲート16Aは、高優先キュー14に格納中の高優先パケットをMUX17に出力し、低優先ゲート16Bは、低優先キュー15に格納中の低優先パケットのMUX17への出力を停止する。高優先ゲート16Aが閉状態、低優先ゲート16Bが開状態の場合、低優先ゲート16Bは、低優先キュー15に格納中の低優先パケットをMUX17に出力し、高優先ゲート16Aは、高優先キュー14に格納中の高優先パケットのMUX17への出力を停止する。MUX17は、高優先ゲート16A及び低優先ゲート16Bの出力パケットを選択出力すると共に、出力パケットにMACアドレスを付加し、付加した出力パケットを出力ポート12に出力する。
【0024】
第1の統計情報記憶部18Aは、受信パケットの周期パターンを統計情報として記憶する領域である。タイムパケット挿入部19は、タイムパケットの送信開始要求に応じてタイムパケットを生成し、生成したタイムパケットを高優先キュー14に出力する。尚、タイムパケットの送信開始要求は、制御装置3から設定パス上のエッジノードへの要求である。第2の統計情報記憶部18Bは、入力ポート11から受信する他のノード2からのタイムパケットや受信パケットの受信したタイミングを統計情報として記憶する領域である。タイムパケットは、制御装置3のパス設定時に設定パス上の各ノード2内の各iTAS装置5で使用するTS番号の同期を確立する際に使用する制御パケットである。尚、パケットスイッチ13及びタイムパケット挿入部19は、設定パス上の各iTAS装置5内で現在カウント中のタイムスロット番号をリセットするためのタイムパケットを、所定のタイミングに応じて設定パスの順方向に送信する送信部である。更に、送信部は、設定パスの順方向からタイムパケットを受信した場合に当該タイムパケットを設定パスの順方向に送信する。
【0025】
制御部30は、iTAS装置5全体を制御する。制御部30は、収集部31と、分析部32と、通信部33と、転送ルールメモリ34と、を有する。収集部31は、受信パケットの統計情報を収集する。統計情報は、時間帯毎の受信パケット量である。尚、パケット量は、例えば、パケット数やバイト数である。分析部32は、受信パケットの統計情報を分析し、受信パケットの周期性及びパターン等の周期性パターンを特定する。分析部32は、受信パケットの到着間隔(周期性)及びパターン(平均到着量、バーストの揺らぎ度合)を学習する。通信部33は、制御線を用いて制御装置3との間で通信する。転送ルールメモリ34は、後述する設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5がタイムパケットを転送する際に使用する転送ルールを記憶する領域である。
【0026】
TS管理部40は、現在のTS番号をカウントするカウンタである。出力制御部20は、TS番号単位で高優先ゲート16A及び低優先ゲート16Bを制御する。出力制御部20は、ゲート制御部21と、記憶部22と、リセット部24と、を有する。ゲート制御部21は、現在カウント中のTS番号に応じた高優先ゲート16A及び低優先ゲート16Bの開閉情報に基づき、高優先ゲート16A及び低優先ゲート16Bの開閉を制御する。記憶部22は、GCL23を有する。リセット部24は、現在カウント中のTS番号をリセットする。
【0027】
リセット部24は、自装置がエッジノードや中間ノードの場合、タイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号をリセットしてTS管理部40のカウント動作を再開する。更に、リセット部24は、自装置が終端ノードの場合、設定パスの順方向から自分宛のタイムパケットを受信した場合に現在カウント中のTS番号をリセットしてTS管理部40のカウント動作を再開する。
【0028】
図3は、GCL23の一例を示す説明図である。GCL23は、受信パケットのパケット種別毎にTS番号単位の高優先ゲート16A及び低優先ゲート16Bの開閉情報を管理する記憶部である。尚、パケット種別は、高優先パケット及び低優先パケット等のパケット種別である。
【0029】
制御部30は、分析部32の解析結果に基づき、GCL23のテーブル内容を更新する。制御部30は、受信パケットの周期性パターンに基づき、GCL23内のTS番号及びTS番号毎の滞留時間を更新する。更に、制御部30は、周期性パターンに基づき、GCL23内の高優先ゲート16A及び低優先ゲート16BのTS番号毎の開閉情報を更新する。制御部30は、受信パケット内の高優先パケットの統計情報に基づき、高優先パケットの到着タイミングを予測する。尚、開閉情報は、高優先ゲート16A及び低優先ゲート16Bの設定状態、例えば、ゲート開状態及びゲート閉状態である。
【0030】
図4は、転送ルールの一例を示す説明図である。転送ルールメモリ34は、自ノード2でタイムパケットを転送する際の転送ルールを記憶する領域である。尚、転送ルールは、制御装置3によって、パス設定時に設定パス上の各ノード2に設定される転送ルールである。
図4に示す転送ルールは、受信ポートと、受信パケットの宛先と、転送ポートと、転送パケットの宛先と、転送タイミングとを対応付けて管理する。受信ポートは、受信パケットを受信するポートを識別するポートIDである。受信パケットの宛先は、受信パケットの最終宛先のノード2内のiTAS装置5を識別するMAC/IPアドレスである。転送ポートは、受信パケットを最終宛先のノード2に転送する際の出力ポートを識別するポートIDである。転送パケットの宛先は、受信パケットを転送する転送先のノード2内のiTAS装置5を識別するMAC/IPアドレスである。転送タイミングは、受信パケットを転送するタイミングである。
【0031】
図5は、タイムパケットのフォーマットの一例を示す説明図である。
図5に示すタイムパケットは、MAC-DAと、MAC-SAと、VLANタグと、Etherタイプと、データフィールドと、FCS(Frame Check Sequence)とを有する。MAC-DAは、タイムパケットの宛先のノード2内のiTAS装置5のMACアドレスである。MAC-SAは、タイムパケットの送信元のノード2内のiTAS装置5のMACアドレスである。VLANタグは、タイムパケットを識別するためのタグである。Etherタイプは、プロトコルのタイプコードである。FCSは、受信側でフレーム内の破損データの検出を可能にするコードである。
【0032】
VLANタグは、タグプロトコルIDと、タグコントロールとを有する。タグコントロールは、優先度と、CF(Canonical Format)と、VLANIDとを有する。優先度は、VLANの優先度である。VLANIDは、通信システム内で規定するタイムパケットを識別するための専用IDである。データフィールドは、パスIDを有し、残りのフィールをパディングデータで埋める。パスIDは、設定パスのエッジノードのMACアドレスである。
【0033】
タイムパケット内のMAC-DA、MAC-SA、VLANタグ内のタグプロトコルID、VLANタグ内のタグコントロール内の優先度及びCF、及びEtherタイプは、既にパスに流れているMFHパケットの値のコピーである。
【0034】
図6は、制御装置3の構成の一例を示す説明図である。
図6に示す制御装置3は、各ノード2と通信する通信部51と、各種情報を記憶する記憶部52と、制御装置3全体を制御するCPU53とを有する。通信部51は、制御線を用いて通信システム1内の各ノード2との間で通信する。記憶部52は、ノード管理部52Aと、設定パス管理部52Bと、GCL管理部52Cとを有する。ノード管理部52Aは、ノードIDと、ポートIDと、到着TSと、TS差分とを管理する。ノードIDは、ノード2を識別するIDである。ポートIDは、ノード2内の各iTAS装置のポートを識別するIDである。到着TSは、iTAS装置5毎のタイムパケットに関わるTS番号である。到着TSは、例えば、順方向到着TSや逆方向到着TS等である。TS差分は、iTAS装置5毎の異なるパス間の伝送遅延量である。TS差分は、例えば、順方向TS差分や逆方向TS差分等である。
【0035】
設定パス管理部52Bは、ノードIDと、ポートIDとを有する。ノードIDは、設定パス上の各ノード2を識別するIDである。ポートIDは、設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5のポートを識別するIDである。GCL管理部52Cは、設定パス上のエッジノードのGCL23を管理するテーブルである。
【0036】
CPU53は、設定部53Aと、生成部53Bと、制御部53Cとを有する。設定部53Aは、設定パスを設定する際に、設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5に転送ルールを設定すると共に、設定パス上のエッジノードにタイムパケットの送信開始を要求する。
【0037】
生成部53Bは、設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5から到着TS又はTS差分を受信した場合、各iTAS装置5の到着TS及びTS差分に基づき、設定パス上のエッジノードのGCL23を生成する。到着TSは、例えば、設定パス上の各ノード2の順方向のタイムパケットに関わる順方向到着TSと、設定パス上の各ノード2の逆方向のタイムパケットに関わる逆方向到着TSとを有する。順方向到着TSは、リセット部24にて順方向のタイムパケットに応じて現在カウント中のTS番号を0に設定するタイミングである。逆方向到着TSは、リセット部24にて逆方向のタイムパケットに応じて現在カウント中のTS番号を0に設定するタイミングである。制御部53Cは、CPU53全体を制御する。
【0038】
<第1のTS同期処理>
図7は、パス設定時の通信システム1の一例を示す説明図である。制御装置3は、第1のノード2A→第2のノード2B→第4のノード2D→第5のノード2E→第7のノード2Gの経路に第1の高優先パケット及び第2の高優先パケットを伝送する低遅延パスを設定する場合を想定する。制御装置3は、設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5にタイムパケットの転送ルールを設定する。そして、各iTAS装置5は、制御線を用いて制御装置3からの転送ルールを受信し、受信した転送ルールを転送ルールメモリ34に記憶する。第1のTS同期処理では、設定パス上の各ノード2に使用するTS番号を同期する処理である。
【0039】
図8は、第1のTS同期処理に関わる各ノード2内のiTAS装置5の処理動作の一例を示すシーケンス図である。制御装置3は、設定パスのエッジノードである第1のノード2A内のiTAS装置5に対してタイムパケットの送信要求を指示する。第1のノード2A内のiTAS装置5は、設定された転送ルールに基づき、制御装置3からの送信開始要求に応じて順方向のタイムパケットを生成し、生成したタイムパケットを設定パスの順方向に隣接する第2のノード2Bに送信する(ステップS11)。設定パスの順方向とは、第1のノード2A→第2のノード2B→第4のノード2D→第5のノード2E→第7のノード2Gの方向である。この際、第1のノード2A内のiTAS装置5内のリセット部24は、順方向のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS11A)。そして、第1のノード2A内のiTAS装置5内の制御部30は、TS番号=0のタイミングを順方向到着TSとして制御装置3に通知する。制御装置3は、第1のノード2A内のiTAS装置5からの順方向到着TSに応じて第1のノード2A内のiTAS装置5での順方向タイムパケットの到達を認識できる。
【0040】
設定パス上の第2のノード2B内のiTAS装置5は、第1のノード2A内のiTAS装置5から順方向のタイムパケットを受信する(ステップS12)。そして、第2のノード2B内のiTAS装置5は、第1のノード2Aからの順方向のタイムパケットを受信した場合、設定パスの転送ルールに基づき、受信した当該タイムパケットを設定パスの順方向に隣接する第4のノード2Dに送信する(ステップS13)。この際、第2のノード2B内のiTAS装置5内のリセット部24は、順方向のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS13A)。その結果、第2のノード2B内のiTAS装置5内の制御部30は、第1のノード2Aから第2のノード2Bまでの順方向の伝送遅延を考慮して現在カウント中のTS番号を0に設定することになる。そして、第2のノード2B内のiTAS装置5内の制御部30は、TS番号=0のタイミングを順方向到着TSとして制御装置3に通知する。制御装置3は、第2のノード2B内のiTAS装置5からの順方向到着TSに応じて第2のノード2B内のiTAS装置5での順方向タイムパケットの到達を認識できる。
【0041】
設定パス上の第4のノード2D内のiTAS装置5は、第2のノード2B内のiTAS装置5から順方向のタイムパケットを受信する(ステップS14)。そして、第4のノード2D内のiTAS装置5は、第2のノード2Bからの順方向のタイムパケットを受信した場合、設定パスの転送ルールに基づき、受信した当該タイムパケットを設定パスの順方向に隣接する第5のノード2Eに送信する(ステップS15)。この際、第4のノード2D内のiTAS装置5内のリセット部24は、順方向のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS15A)。その結果、第4のノード2D内のiTAS装置5内の制御部30は、第4のノード2Dから第5のノード2Eまでの順方向の伝送遅延を考慮して現在カウント中のTS番号を0に設定することになる。そして、第4のノード2D内のiTAS装置5内の制御部30は、TS番号=0のタイミングを順方向到着TSとして制御装置3に通知する。制御装置3は、第4のノード2D内のiTAS装置5からの順方向到着TSに応じて第4のノード2D内のiTAS装置5での順方向タイムパケットの到達を認識できる。
【0042】
設定パス上の第5のノード2E内のiTAS装置5は、第4のノード2D内のiTAS装置5から順方向のタイムパケットを受信する(ステップS16)。そして、第5のノード2E内のiTAS装置5は、第4のノード2Dからの順方向のタイムパケットを受信した場合、設定パスの転送ルールに基づき、受信した当該タイムパケットを設定パスの順方向に隣接する第7のノード2Gに送信する(ステップS17)。この際、第5のノード2E内のiTAS装置5内のリセット部24は、順方向のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS17A)。その結果、第5のノード2E内のiTAS装置5内の制御部30は、第4のノード2Dから第5のノード2Eまでの順方向の伝送遅延を考慮して現在カウント中のTS番号を0に設定することになる。そして、第5のノード2E内のiTAS装置5内の制御部30は、TS番号=0のタイミングを順方向到着TSとして制御装置3に通知する。制御装置3は、第5のノード2E内のiTAS装置5からの順方向到着TSに応じて第5のノード2E内のiTAS装置5での順方向タイムパケットの到達を認識できる。
【0043】
設定パス上の第7のノード2G内のiTAS装置5は、第5のノード2E内のiTAS装置5から順方向のタイムパケットを受信する(ステップS18)。この際、第7のノード2G内のiTAS装置5内のリセット部24は、順方向のタイムパケットの受信に応じて現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS18A)。その結果、第7のノード2G内のiTAS装置5内の制御部30は、第5のノード2Eから第7のノード2Gまでの順方向の伝送遅延を考慮して現在カウント中のTS番号を0に設定することになる。そして、第7のノード2G内のiTAS装置5内の制御部30は、TS番号=0のタイミングを順方向到着TSとして制御装置3に通知する。制御装置3は、第7のノード2G内のiTAS装置5からの順方向到着TSに応じて第7のノード2G内のiTAS装置5での順方向タイムパケットの到達を認識できる。
【0044】
更に、第7のノード2G内のiTAS装置5は、逆方向のタイムパケットを生成し、逆方向のタイムパケットを設定パスの逆方向に隣接する第5のノード2Eに送信する。尚、逆方向のタイムパケットを送信する第7のノード2G内のiTAS装置5と、順方向のタイムパケットを受信する第7のノード2G内のiTAS装置5とは異なるものとする。設定パスの逆方向とは、第7のノード2G→第5のノード2E→第4のノード2D→第2のノード2B→第1のノード2Aの方向である。この際、第7のノード2G内のiTAS装置5内のリセット部24は、逆方向のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中の逆方向のTS番号を0に設定する。そして、第7のノード2G内のiTAS装置5内の制御部30は、TS番号=0のタイミングを逆方向到着TSとして制御装置3に通知する。制御装置3は、第7のノード2G内のiTAS装置5からの逆方向到着TSに応じて第7のノード2G内のiTAS装置5での逆方向タイムパケットの到達を認識できる。
【0045】
設定パス上の第5のノード2E内のiTAS装置5は、第7のノード2G内のiTAS装置5から逆方向のタイムパケットを受信する。尚、逆方向のタイムパケットを受信する第5のノード2E内のiTAS装置5と、順方向のタイムパケットを受信する第5のノード2E内のiTAS装置5とは異なるものとする。そして、第5のノード2E内のiTAS装置5は、第7のノード2Gからの逆方向のタイムパケットを受信した場合、設定パスの転送ルールに基づき、受信した当該タイムパケットを設定パスの逆方向に隣接する第4のノード2Dに送信する。この際、第5のノード2E内のiTAS装置5内のリセット部24は、逆方向のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中の逆方向のTS番号を0に設定する。その結果、第5のノード2E内のiTAS装置5内の制御部30は、第7のノード2Gから第5のノード2Eまでの逆方向の伝送遅延を考慮して現在カウント中の逆方向のTS番号を0に設定することになる。そして、第5のノード2E内のiTAS装置5内の制御部30は、TS番号=0のタイミングを逆方向到着TSとして制御装置3に通知する。制御装置3は、第5のノード2E内のiTAS装置5からの逆方向到着TSに応じて第5のノード2E内のiTAS装置5での逆方向タイムパケットの到達を認識できる。
【0046】
設定パス上の第4のノード2D内のiTAS装置5は、第5のノード2E内のiTAS装置5から逆方向のタイムパケットを受信する。尚、逆方向のタイムパケットを受信する第4のノード2D内のiTAS装置5と、順方向のタイムパケットを受信する第4のノード2D内のiTAS装置5とは異なるものとする。そして、第4のノード2D内のiTAS装置5は、第5のノード2Eからの逆方向のタイムパケットを受信した場合、設定パスの転送ルールに基づき、受信した当該タイムパケットを設定パスの逆方向に隣接する第2のノード2Bに送信する。この際、第4のノード2D内のiTAS装置5内のリセット部24は、逆方向のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中の逆方向のTS番号を0に設定する。その結果、第4のノード2D内のiTAS装置5内の制御部30は、第5のノード2Eから第4のノード2Dまでの逆方向の伝送遅延を考慮して現在カウント中の逆方向のTS番号を0に設定することになる。そして、第4のノード2D内のiTAS装置5内の制御部30は、TS番号=0のタイミングを逆方向到着TSとして制御装置3に通知する。制御装置3は、第4のノード2D内のiTAS装置5からの逆方向到着TSに応じて第4のノード2D内のiTAS装置5での逆方向タイムパケットの到達を認識できる。
【0047】
設定パス上の第2のノード2B内のiTAS装置5は、第4のノード2D内のiTAS装置5から逆方向のタイムパケットを受信する。尚、逆方向のタイムパケットを受信する第2のノード2B内のiTAS装置5と、順方向のタイムパケットを受信する第2のノード2B内のiTAS装置5とは異なるものとする。そして、第2のノード2B内のiTAS装置5は、第4のノード2Dからの逆方向のタイムパケットを受信した場合、設定パスの転送ルールに基づき、受信した当該タイムパケットを設定パスの逆方向に隣接する第1のノード2Aに送信する。この際、第2のノード2B内のiTAS装置5内のリセット部24は、逆方向のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中の逆方向のTS番号を0に設定する。その結果、第2のノード2B内のiTAS装置5内の制御部30は、第4のノード2Dから第2のノード2Bまでの逆方向の伝送遅延を考慮して現在カウント中の逆方向のTS番号を0に設定することになる。そして、第2のノード2B内のiTAS装置5内の制御部30は、TS番号=0のタイミングを逆方向到着TSとして制御装置3に通知する。制御装置3は、第2のノード2B内のiTAS装置5からの逆方向到着TSに応じて第2のノード2B内のiTAS装置5での逆方向タイムパケットの到達を認識できる。
【0048】
設定パス上の第1のノード2A内のiTAS装置5は、第2のノード2B内のiTAS装置5からタイムパケットを受信する。尚、逆方向のタイムパケットを受信する第1のノード2A内のiTAS装置5と、順方向のタイムパケットを送信する第1のノード2A内のiTAS装置5とは異なるものとする。この際、第1のノード2A内のiTAS装置5内のリセット部24は、第2のノード2Bからの逆方向のタイムパケットの受信に応じて現在カウント中の逆方向のTS番号を0に設定する。その結果、第1のノード2A内のiTAS装置5内の制御部30は、第2のノード2Bから第1のノード2Aまでの逆方向の伝送遅延を考慮して現在カウント中の逆方向のTS番号を0に設定することになる。そして、第1のノード2A内のiTAS装置5内の制御部30は、TS番号=0のタイミングを逆方向到着TSとして制御装置3に通知する。制御装置3は、第1のノード2A内のiTAS装置5からの逆方向到着TSに応じて第1のノード2A内のiTAS装置5での逆方向タイムパケットの到達を認識できる。
【0049】
制御装置3は、設定パス上の各ノード2の順方向到着TSと、設定パス上の各ノード2の逆方向到着TSとをノード管理部52Aに記憶する。制御装置3は、ノード管理部52A内の順方向到着TS及び逆方向到着TSに基づき、設定パス上のエッジノードのGCLを生成し、生成したGCLをエッジノードに設定する。
【0050】
そして、制御装置3は、設定パス上の各ノード2の順方向到着TSに基づき、GCL内の各ユーザパケットの開始TS及び終了TSのTS範囲を修正し、修正後のTS範囲を含むGCLを設定パス上の順方向のエッジノードである第1のノード2Aに設定する。更に、制御装置3は、設定パス上の各ノード2の逆方向到着TSに基づき、GCL内の各ユーザパケットの開始TS及び終了TSのTS範囲を修正し、修正後のTS範囲を含むGCLを設定パス上の逆方向のエッジノードである第7のノード2Gに設定する。
【0051】
更に、設定パス上の各ノード2は、設定パス上の双方向通信に使用するiTAS装置5間でTS番号を同期させる。尚、制御装置3は、タイムパケットの送信開始を設定パス上のエッジノードに要求する。しかしながら、制御装置3は、所定のタイミングである送信周期毎にタイムパケットの送信開始をエッジノードに要求しても良い。その結果、設定パス上の各ノード2は、定期的に、設定パス上の双方向通信に使用するiTAS装置5間でTS番号を同期させる。また、エッジノードがタイムパケットの送信開始を送信周期毎に自律的に実行しても良く、適宜変更可能である。
【0052】
設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5は、GCL23内のユーザパケット毎のTS範囲を設定している。尚、ユーザパケット毎のTS範囲は、開始TS及び終了TSに相当し、高優先ゲート16A及び低優先ゲート16Bの出力を開閉するTS範囲である。例えば、高優先パケットの内、第1の高優先パケットの開始TSは10、終了TSは20とし、第2の高優先パケットの開始TSは30、終了TSは35とする。
【0053】
設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が同期しているため、GCL23内のTS番号毎の高優先ゲート16A及び低優先ゲート16Bの開閉情報に基づき、高優先ゲート16A及び低優先ゲート16Bの出力を開閉制御する。
【0054】
設定パス上の第1のノード2A内のiTAS装置5は、DetNetから無秩序なユーザパケットが入力されることになる。第1のノード2A内のiTAS装置5は、TS番号を0に設定した直後からカウントを開始し、GCL23内の開閉情報に基づき、現在カウント中のTS番号が10のタイミングで高優先ゲート16Aを開状態、低優先ゲート16Bを閉状態とする。つまり、第1のノード2A内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲で、第1の高優先パケットを第2のノード2B内のiTAS装置5に送信する(ステップS21)。第2のノード2B内のiTAS装置5は、第1のノード2A内のiTAS装置5からの第1の高優先パケットを受信する(ステップS22)。第2のノード2B内のiTAS装置5は、第1の高優先パケットを受信した場合、現在カウント中のTS番号が10のタイミングで高優先ゲート16Aを開状態、低優先ゲート16Bを閉状態とする。つまり、第2のノード2B内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲で、第1の高優先パケットを第4のノード2D内のiTAS装置5に送信する(ステップS23)。
【0055】
第4のノード2D内のiTAS装置5は、第2のノード2B内のiTAS装置5から第1の高優先パケットを受信する(ステップS24)。第4のノード2D内のiTAS装置5は、第1の高優先パケットを受信した場合、現在カウント中のTS番号が10のタイミングで高優先ゲート16Aを開状態、低優先ゲート16Bを閉状態とする。つまり、第4のノード2D内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲で、第1の高優先パケットを第5のノード2E内のiTAS装置5に送信する(ステップS25)。
【0056】
第5のノード2E内のiTAS装置5は、第4のノード2D内のiTAS装置5からの第1の高優先パケットを受信する(ステップS26)。第5のノード2E内のiTAS装置5は、第1の高優先パケットを受信した場合、現在カウント中のTS番号が10のタイミングで高優先ゲート16Aを開状態、低優先ゲート16Bを閉状態とする。つまり、第5のノード2E内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲で、第1の高優先パケットを第7のノード2G内のiTAS装置5に送信する(ステップS27)。第7のノード2G内のiTAS装置5は、第5のノード2E内のiTAS装置5からのユーザパケットを受信する(ステップS28)。
【0057】
その結果、設定パス上の各ノード2は、設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5間で順方向のTS番号を同期させることで、順方向の高優先パケットの輻輳を回避できる。同様に、設定パス上の各ノード2は、設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5間で使用する逆方向のTS番号を同期させることで、逆方向の高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0058】
エッジノードは、DetNet4から無秩序なパケットが流れてくるが、エッジノードで予約したTS毎の開閉情報に応じてパケットが整流されることになる。しかも、設定パス上の全ノード2でTS番号が同期しているため、非エッジノードへの直接のTSの設定なしに、各ノード2で予約したTS毎の開閉情報で高優先パケットを送信できる。
【0059】
また、設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5は、受信パケット内の高優先パケットの周期性に基づき、GCL23内のTS番号毎の各高優先パケットの開閉情報を修正することで、各高優先パケットの出力タイミングの揺らぎを抑制できる。
【0060】
設定パス上の第1のノード2A内のiTAS装置5は、所定のタイミングである送信周期でタイムパケットを設定パス上に送信する。設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5は、送信周期毎にカウント中の現在のTS番号を0に設定する。尚、タイムパケットの送信周期は、周波数偏差を補正するための十分な周期、例えば、遅延上限を目安とする。遅延上限とは、設定パス上の第1のノード2Aから第7のノード2Gにパケットが到着するまでの上限となる時間であって、iTASの仕様では100~4000000μ秒の範囲である。タイムパケットの発着タイミングの揺らぎは最小の予約単位であるTSに対し、十分に小さくする必要がある。従って、タイムパケットの発着パターンの学習にはiTAS装置5を使用する。また、ユーザパケットの発着タイミングの揺らぎはタイムパケットの揺らぎと同様にiTAS装置5を使用する。
【0061】
第1のTS同期処理では、同一設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5間で使用する順方向及び逆方向のTS番号を同期させる。その結果、同一設定パス上の高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0062】
<第2のTS同期処理>
次に第1の設定パス上に新たな第2の設定パスを増設する際の第2のTS同期処理について説明する。
図9は、第1の設定パスに第2の設定パスを増設した状態の通信システム1の一例を示す説明図である。第1の設定パスは、第1のノード2A→第2のノード2B→第4のノード2D→第5のノード2E→第7のノード2Gの経路である。第2の設定パスは、第1のノード2A→第2のノード2B→第4のノード2D→第6のノード2F→第7のノード2Gの経路である。そして、制御装置3は、第1の設定パス上に第2の設定パスを増設するものとする。例えば、第7のノード2GのiTAS装置5では、1個のポートに対して複数のタイムパケットの入力がある。そして、第1の設定パス経由で第1の高優先パケットを流すと共に、第2の設定パス経由で第2の高優先パケットを流す場合を想定する。
【0063】
制御装置3では、第2の設定パス内の第6のノード2F内のiTAS装置5上をタイムパケットが通過していないことを認識している。従って、制御装置3は、制御線を用いて、第4のノード2D内のiTAS装置5から第6のノード2F内のiTAS装置5への転送ルールを第4のノード2D内のiTAS装置5内に設定する。また、制御装置3は、制御線を用いて、第6のノード2F内のiTAS装置5から第4のノード2D内のiTAS装置5への転送ルールを第6のノード2F内のiTAS装置5内に設定する。更に、制御装置3は、制御線を用いて、第6のノード2F内のiTAS装置5から第7のノード2G内のiTAS装置5への転送ルールを第6のノード2F内のiTAS装置5内に設定する。制御装置3は、制御線を用いて、第7のノード2G内のiTAS装置5から第6のノード2F内のiTAS装置5への転送ルールを第7のノード2G内のiTAS装置5内に設定する。
【0064】
図10は、第2のTS同期処理に関わる第2の設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5の処理動作の一例を示すシーケンス図である。尚、説明の便宜上、第1の設定パス上の第1の高優先パケットをTS番号が10~20の範囲で順方向に転送すると共に、第2の設定パス上の第2の高優先パケットをTS番号が30~35の範囲で順方向に転送するものとする。
【0065】
第1の設定パス上の各ノード2(2A、2B、2D、2E及び2G)内の各iTAS装置5内のリセット部24は、順方向のタイムパケットに関わるタイミングに基づき、現在カウント中の順方向のTS番号を0に設定する。その結果、第1の設定パス上の各ノード2内の各iTAS装置5は、カウント中のTS番号(TS=0)を起点にして、第1の高優先パケットをTS番号が10~20の範囲のタイミングで出力する。
【0066】
制御装置3は、制御線を用いて、順方向のタイムパケットの送信開始を第1のノード2A内のiTAS装置5に要求する。第1のノード2A内のiTAS装置5は、制御装置3からの順方向のタイムパケットの送信開始要求を受信した場合、転送ルールに基づき、順方向のタイムパケットを第2のノード2B内のiTAS装置5に送信する(ステップS11)。そして、第1のノード2A内のiTAS装置5内のリセット部24は、順方向のタイムパケットの送信開始に応じて、現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS11A)。第1のノード2A内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを順方向到着TSとして制御装置3に通知する。
【0067】
第2のノード2B内のiTAS装置5は、第1のノード2Aから順方向のタイムパケットを受信した場合(ステップS12)、転送ルールに基づき、当該タイムパケットを第4のノード2D内のiTAS装置5に送信する(ステップS13)。そして、第2のノード2B内のiTAS装置5内のリセット部24は、順方向のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS13A)。第2のノード2B内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを順方向到着TSとして制御装置3に通知する。
【0068】
第4のノード2D内のiTAS装置5は、第2のノード2Bから順方向のタイムパケットを受信した場合(ステップS14)、転送ルールに基づき、当該タイムパケットを第6のノード2F内のiTAS装置5に送信する(ステップS15)。そして、第4のノード2D内のiTAS装置5は、第2のノード2Bから順方向のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中の現在のTS番号を0に設定する(ステップS15A)。第4のノード2D内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを順方向到着TSとして制御装置3に通知する。
【0069】
第6のノード2F内のiTAS装置5は、第4のノード2Dから順方向のタイムパケットを受信した場合(ステップS31)、転送ルールに基づき、当該タイムパケットを第7のノード2G内のiTAS装置5に送信する(ステップS32)。そして、第6のノード2F内のiTAS装置5内のリセット部24は、順方向のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS32A)。第6のノード2F内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを順方向到着TSとして制御装置3に通知する。
【0070】
第7のノード2G内のiTAS装置5は、第6のノード2Fから順方向のタイムパケットを受信した場合(ステップS33)、第1のリンクの順方向到着TS(TS=0)から現在カウント中のTS番号(第2のリンクの順方向到着TS)を得る(ステップS33A)。
図11は、終端ノードで発生するTS差分の一例を示す説明図である。尚、終端ノードは、
図9に示す設定パス上の第7のノード2Gとする。そして、第7のノード2G内のiTAS装置5は、第1のリンクの順方向到着TS及び第2のリンクの順方向到着TSを制御装置3に通知する。第7のノード2G内のiTAS装置5は、(第2のリンクの順方向到着TS-第1のリンクの順方向到着TS)で順方向TS差分を算出し、順方向TS差分を制御装置3に通知する。尚、順方向TS差分は、第1のリンクと第2のリンクとの間の伝送遅延量である。
【0071】
制御装置3は、各ノード2の第1のリンクの順方向到着TS、第2のリンクの順方向到着TS及び順方向TS差分(Δ15)に基づき、順方向での第2の高優先パケットの開閉情報を生成する。更に、制御装置3は、修正後の第2の高優先パケットの開閉情報を設定する。例えば、第2の高優先パケットの開始TSを30+Δ15=45、第2の高優先パケットの終了TSを35+Δ15=50に修正する。そして、修正後のGCLは、TS番号が45~50の範囲で第2の高優先パケットを出力する開閉情報となる。
【0072】
制御装置3は、設定パス上の各ノード2の順方向到着TSと、設定パス上の各ノード2の逆方向到着TSと、順方向TS差分とをノード管理部52Aに記憶する。制御装置3は、ノード管理部52A内の順方向到着TS、逆方向到着TS、順方向TS差分及び逆方向TS差分に基づき、設定パス上のエッジノードのGCLを生成し、生成したGCLをエッジノードに設定する。
【0073】
つまり、制御装置3は、設定パス上の各ノード2の順方向到着TS及び順方向TS差分に基づき、GCL内の各ユーザパケットの開始TS及び終了TSのTS範囲を修正する。制御装置3は、修正後のTS範囲を含むGCLを設定パス上の順方向のエッジノードである第1のノード2Aに設定する。更に、制御装置3は、設定パス上の各ノード2の逆方向到着TS及び逆方向TS差分に基づき、GCL内の各ユーザパケットの開始TS及び終了TSのTS範囲を修正する。制御装置3は、修正後のTS範囲を含むGCLを設定パス上の逆方向のエッジノードである第7のノード2Gに設定する。その結果、設定パス上の各ノード2は、伝送遅延を考慮しながら、設定パス上の双方向通信に使用するiTAS装置5間でTS番号を同期させることで、高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0074】
尚、説明の便宜上、第2の設定パス上の各ノード2は、第1のノード2A→第2のノード2B→第4のノード2D→第6のノード2F→第7のノード2Gの順方向の設定パスで使用するTS番号が同期する場合を例示した。同様に、制御装置3は、第7のノード2G→第6のノード2F→第4のノード2D→第2のノード2B→第1のノード2Aの逆方向の設定パスについても、逆方向のタイムパケットの送信開始を第7のノード2G内のiTAS装置5に要求する。その結果、逆方向の第2の設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5も、第7のノード2G→第6のノード2F→第4のノード2D→第2のノード2B→第1のノード2Aの逆方向の設定パスで使用するTS番号が同期する。従って、逆方向の第2の設定パス上の各ノード2は、逆方向の通信に使用するiTAS装置5間でTS番号を同期させる。
【0075】
第1のノード2A内のiTAS装置5は、TS番号を0に設定した直後からカウントを開始し、GCL23内の開閉情報に基づき、現在カウント中のTS番号が30のタイミングで高優先ゲート16Aを開状態、低優先ゲート16Bを閉状態とする。つまり、第1のノード2A内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が30~35の範囲で、第2の高優先パケットを第2のノード2B内のiTAS装置5に送信する(ステップS41)。
【0076】
第2のノード2B内のiTAS装置5は、TS番号を0に設定した直後からカウントを開始し、GCL23内の開閉情報に基づき、現在カウント中のTS番号が30のタイミングで高優先ゲート16Aを開状態、低優先ゲート16Bを閉状態とする。つまり、第2のノード2B内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が30~35の範囲で、第2の高優先パケットを第4のノード2D内のiTAS装置5に送信する(ステップS42)。
【0077】
第4のノード2D内のiTAS装置5は、TS番号を0に設定した直後からカウントを開始し、GCL23内の開閉情報に基づき、現在カウント中のTS番号が30のタイミングで高優先ゲート16Aを開状態、低優先ゲート16Bを閉状態にする。つまり、第4のノード2D内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が30~35の範囲で、第2の高優先パケットを第6のノード2F内のiTAS装置5に送信する(ステップS43)。
【0078】
第6のノード2F内のiTAS装置5は、TS番号を0に設定した直後からカウントを開始し、GCL23内の開閉情報に基づき、現在カウント中のTS番号が30のタイミングで高優先ゲート16Aを開状態、低優先ゲート16Bを閉状態にする。つまり、第6のノード2F内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が30~35の範囲で、第2の高優先パケットを第7のノード2G内のiTAS装置5に送信する(ステップS44)。
【0079】
第7のノード2G内のiTAS装置5は、TS番号を0に設定した直後からカウントを開始し、GCL23内の開閉情報に基づき、現在カウント中の現在のTS番号が45のタイミングで高優先ゲート16Aを開状態、低優先ゲート16Bを閉状態にする。つまり、第7のノード2G内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が45~50の範囲で、第2の高優先パケットを受信する(ステップS45)。
【0080】
第1の設定パス上の第1のノード2A、第2のノード2B、第4のノード2D、第5のノード2E及び第7のノード2G内の各iTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲で高優先ゲート16Aを開状態、低優先ゲート16Bを閉状態にする。第2の設定パス上の第1のノード2A、第2のノード2B、第4のノード2D、第5のノード2E内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が30~35の範囲で高優先ゲート16Aを開状態、低優先ゲート16Bを閉状態にする。第2の設定パス上の第7のノード2G内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が45~50の範囲で高優先ゲート16Aを開状態、低優先ゲート16Bを閉状態にする。
【0081】
図12は、
図9に示す各ノード2の第1の高優先パケット及び第2の高優先パケットのTS範囲の一例を示す説明図である。
図12において第1のノード2A内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲の場合、第1の高優先パケットを第2のノード2B内のiTAS装置5に送信する。更に、第1のノード2A内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が30~35の範囲の場合、第2の高優先パケットを第2のノード2B内のiTAS装置5に送信する。
【0082】
第2のノード2B内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲の場合、第1の高優先パケットを第4のノード2D内のiTAS装置5に送信する。更に、第2のノード2B内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が30~35の範囲の場合、第2の高優先パケットを第4のノード2D内のiTAS装置5に送信する。
【0083】
第4のノード2D内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲の場合、第1の高優先パケットを第5のノード2E内のiTAS装置5に送信する。第4のノード2D内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が30~35の範囲の場合、第2の高優先パケットを第6のノード2F内のiTAS装置5に送信する。
【0084】
更に、第5のノード2E内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲の場合、第1の高優先パケットを第7のノード2G内のiTAS装置5に送信する。第6のノード2F内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が30~35の範囲の場合、第2の高優先パケットを第7のノード2G内のiTAS装置5に送信する。
【0085】
更に、第7のノード2G内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲の場合、第1の高優先パケットを受信すると共に、現在カウント中のTS番号が45~50の範囲の場合、第2の高優先パケットを受信する。
【0086】
第2のTS同期処理では、第1の設定パスに第2の設定パスを増設する場合でも、パス間の伝送遅延を考慮しながら、設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5間で使用するTS番号を同期させる。その結果、高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0087】
<第3のTS同期処理>
次に第1の設定パス上に新たなエッジノードを含む第3の設定パスを増設する際の第3のTS同期処理について説明する。
図13は、第1の設定パスに第3の設定パスを増設した状態の通信システム1の一例を示す説明図である。第1の設定パスは、例えば、第1のノード2A→第2のノード2B→第4のノード2D→第5のノード2E→第7のノード2Gの経路である。第3の設定パスは、例えば、第3のノード2C→第4のノード2D→第5のノード2E→第7のノード2Gの経路である。エッジノードは、例えば、第1の設定パス上の第1のノード2A及び第3の設定パス上の第3のノード2Cとする。
図13に示す第1の設定パス及び第3の設定パスの合流ノードは、異なるエッジノードの設定パスが共通のポートを経由する、例えば、第4のノード2D内のiTAS装置5である。
【0088】
制御装置3は、第1の設定パス及び第3の設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5に転送ルールを設定する。第4のノード2Dは、第1の設定パス及び第3の設定パス上の合流ノードである。第4のノード2D内のiTAS装置5の転送ルールとしては、例えば、第2のノード2B内のiTAS装置5からの順方向の第1のタイムパケットを第5のノード2EのiTAS装置5及び第3のノード2CのiTAS装置5に転送するルールである。更に、第4のノード2D内のiTAS装置5の転送ルールとしては、例えば、第3のノード2C内のiTAS装置5から迂回する順方向の第1のタイムパケットを第5のノード2EのiTAS装置5に転送するルールである。
【0089】
図14は、第3のTS同期処理に関わる第3の設定パス上の各ノード2の処理動作の一例を示すシーケンス図である。制御装置3は、第1の設定パス上の第1のノード2A内のiTAS装置5に順方向の第1のタイムパケットの送信開始を要求する。制御装置3は、第3の設定パス上の第3のノード2C内のiTAS装置5に順方向の第2のタイムパケットの送信開始を要求する。第1のノード2A内のiTAS装置5は、送信開始の要求に応じて順方向の第1のタイムパケットを第1の設定パス上の第2のノード2B内のiTAS装置5に送信する。第1のノード2A内のiTAS装置5内のリセット部24は、順方向の第1のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号を0に設定し、TS番号のカウント動作を開始する。
【0090】
第3のノード2C内のiTAS装置5も、送信開始の要求に応じて順方向の第2のタイムパケットを第3の設定パス上の第4のノード2D内のiTAS装置5に送信する(ステップS51)。第3のノード2C内のiTAS装置5内のリセット部24は、順方向の第2のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS51A)。第4のノード2D内のiTAS装置5は、転送ルールに基づき、順方向の第2のタイムパケットを受信する。
【0091】
第4のノード2D内のiTAS装置5は、第2のノード2B内のiTAS装置5から順方向の第1のタイムパケットを受信した場合、転送ルールに基づき、当該順方向の第1のタイムパケットを第5のノード2E内のiTAS装置5に送信する(ステップS52)。同時に、第4のノード2D内のiTAS装置5は、第2のノード2B内のiTAS装置5から順方向の第1のタイムパケットを受信した場合、転送ルールに基づき、第3のノード2C内のiTAS装置5に送信する(ステップS521)。第4のノード2D内のiTAS装置5は、順方向の第1のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS52A)。第4のノード2D内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを第1の順方向到着TSとして制御装置3に通知する。
【0092】
第5のノード2E内のiTAS装置5は、第4のノード2D内のiTAS装置5から順方向の第1のタイムパケットを受信する(ステップS53)。第5のノード2E内のiTAS装置5は、転送ルールに基づき、順方向の第1のタイムパケットを第7のノード2G内のiTAS装置5に送信する(ステップS54)。尚、第5のノード2E内のiTAS装置5は、順方向の第1のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS54A)。第4のノード2D内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを第1の順方向到着TSとして制御装置3に通知する。
【0093】
第7のノード2G内のiTAS装置5は、第5のノード2E内のiTAS装置5から順方向の第1のタイムパケットを受信した場合(ステップS55)、現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS55A)。第7のノード2G内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを第1の順方向到着TSとして制御装置3に通知する。
【0094】
第3のノード2C内のiTAS装置5は、第4のノード2D内のiTAS装置5から順方向の第1のタイムパケットを受信する。そして、第3のノード2C内のiTAS装置5は、転送ルールに基づき、迂回する順方向の第1のタイムパケットを第4のノード2D内のiTAS装置5に送信する(ステップS522)。第3のノード2C内のiTAS装置5内のリセット部24は、順方向の第1のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS521A)。更に、第3のノード2C内のiTAS装置5は、第2のタイムパケットの送信をこれ以降停止し、TS番号=0の設定を第1のタイムパケットの送信タイミングにする。
【0095】
第4のノード2D内のiTAS装置5は、第3のノード2C内のiTAS装置5から迂回する順方向の第1のタイムパケットを受信する(ステップS523)。第4のノード2D内のiTAS装置5は、迂回する順方向の第1のタイムパケットを受信した場合、転送ルールに基づき、迂回する順方向の第1のタイムパケットを第5のノード2E内のiTAS装置5に送信する(ステップS524)。第4のノード2D内のiTAS装置5は、迂回する順方向の第1のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号を第2の順方向到着TSとする(ステップS524A)。第4のノード2D内のiTAS装置5は、第2の順方向到着TSを制御装置3に通知する。更に、第4のノード2D内のiTAS装置5は、(第2の順方向到着TS-第1の順方向到着TS)で順方向TS差分を算出し、算出した順方向TS差分を制御装置3に通知する。
【0096】
第5のノード2E内のiTAS装置5は、第4のノード2D内のiTAS装置5から迂回する順方向の第1のタイムパケットを受信する(ステップS525)。第5のノード2E内のiTAS装置5は、迂回する順方向の第1のタイムパケットを受信した場合、転送ルールに基づき、迂回する順方向の第1のタイムパケットを第7のノード2G内のiTAS装置5に送信する(ステップS526)。第5のノード2E内のiTAS装置5は、迂回する順方向の第1のタイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号を第2の順方向到着TSとする(ステップS526A)。第5のノード2E内のiTAS装置5は、第2の順方向到着TSを制御装置3に通知する。更に、第5のノード2E内のiTAS装置5は、(第2の順方向到着TS-第1の順方向到着TS)で順方向TS差分を算出し、算出した順方向TS差分を制御装置3に通知する。
【0097】
第7のノード2G内のiTAS装置5は、第5のノード2E内のiTAS装置5から迂回する順方向の第1のタイムパケットを受信した場合(ステップS527)、現在カウント中のTS番号を第2の順方向到着TSとする(ステップS527A)。第7のノード2G内のiTAS装置5は、第2の順方向到着TSを制御装置3に通知する。更に、第7のノード2G内のiTAS装置5は、(第2の順方向到着TS-第1の順方向到着TS)で順方向TS差分を算出し、算出した順方向TS差分を制御装置3に通知する。
【0098】
制御装置3は、第1の設定パス及び第3の設定パス上の各ノード2の順方向TS差分及び逆方向TS差分に基づき、第4のノード2D、第5のノード2E及び第7のノード2G内のiTAS装置5の第1の設定パスと第3の設定パスとの間の伝送遅延量を認識する。
【0099】
制御装置3は、第4のノード2D内のiTAS装置5内の順方向TS差分(Δ15)を用いてGCL内の第3の高優先パケットの開閉情報のTS範囲(TS=30~35)を修正する。修正後の第3の高優先パケットの開閉情報のTS範囲は、TS=45~50となる。
【0100】
制御装置3は、第5のノード2E内のiTAS装置5の順方向TS差分(Δ15)を用いてGCL内の第3の高優先パケットの開閉情報のTS範囲(TS=30~35)を修正する。修正後の第3の高優先パケットの開閉情報のTS範囲は、TS=45~50となる。
【0101】
制御装置3は、第7のノード2G内のiTAS装置5の順方向TS差分(Δ15)を用いてGCL内の第3の高優先パケットの開閉情報のTS範囲(TS=30~35)を修正する。修正後の第3の高優先パケットの開閉情報のTS範囲は、TS=45~50となる。
【0102】
制御装置3は、設定パス上の各ノード2の順方向到着TSと、設定パス上の各ノード2の逆方向到着TSと、順方向到着TS差分とをノード管理部52Aに記憶する。制御装置3は、ノード管理部52A内の順方向到着TS、逆方向到着TS、順方向TS差分及び逆方向TS差分に基づき、設定パス上のエッジノードのGCLを生成し、生成したGCLをエッジノードに設定する。
【0103】
そして、制御装置3は、設定パス上の各ノード2の順方向到着TS及び順方向TS差分に基づき、GCL内の各ユーザパケットの開始TS及び終了TSのTS範囲を修正する。制御装置3は、修正後のTS範囲を含むGCLを設定パス上の順方向のエッジノードである第1のノード2A及び第3のノード2Cに設定する。更に、制御装置3は、設定パス上の各ノード2の逆方向到着TS及び逆方向TS差分に基づき、GCL内の各ユーザパケットの開始TS及び終了TSのTS範囲を修正する。制御装置3は、修正後のTS範囲を含むGCLを設定パス上の逆方向のエッジノードである第7のノード2Gに設定する。
【0104】
尚、説明の便宜上、第3の設定パス上の各ノード2は、第3のノード2C→第4のノード2D→第5のノード2E→第7のノード2Gの順方向の設定パスで使用するTSが同期することになる。同様に、制御装置3は、第7のノード2G→第5のノード2E→第4のノード2D→第3のノード2Cの逆方向の設定パスについても、逆方向のタイムパケットの送信開始を第7のノード2G内のiTAS装置5に要求する。その結果、第3の設定パス上の各ノード2は、第3の設定パスの逆方向で使用するiTAS装置5間でTS番号を同期させる。
【0105】
第3のノード2C内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が30~35の範囲の場合、第3の高優先パケットを第4のノード2D内のiTAS装置5に送信する(ステップS61)。第4のノード2D内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が45~50の範囲の場合、第3の高優先パケットを第5のノード2E内のiTAS装置5に送信する(ステップS62)。第5のノード2E内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が45~50の範囲の場合、高優先パケットを第7のノード2G内のiTAS装置5に送信する(ステップS63)。第7のノード2G内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が45~50の範囲の場合、第5のノード2E内のiTAS装置5からの第3の高優先パケットを受信する(ステップS64)。
【0106】
図15は、合流ノードで発生するTS差分の一例を示す説明図である。
図15において第4のノード2D内のiTAS装置5は、第1のリンクの第1の順方向到着TSと、第2のリンクの第2の順方向到着TSとの間で順方向TS差分Δ15が生じる。尚、第1のリンクは、第2のノード2Bから第4のノード2Dまでのリンクに相当し、第2のリンクは、第3のノード2Cから第4のノード2Dまでのリンクに相当する。順方向TS差分は、第1のリンクと第2のリンクとの間の伝送遅延量である。
【0107】
図16は、
図13に示す各ノード2の第1の高優先パケット及び第2の高優先パケットのTS範囲の一例を示す説明図である。
図16において第1のノード2A内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲の場合、第1の高優先パケットを第2のノード2B内のiTAS装置5に送信する。第2のノード2B内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲の場合、第1の高優先パケットを第4のノード2D内のiTAS装置5に送信する。
【0108】
第3のノード2C内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が30~35の場合、第3の高優先パケットを第4のノード2D内のiTAS装置5に送信する。
【0109】
更に、第4のノード2D内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲の場合、第1の高優先パケットを第5のノード2E内のiTAS装置5に送信する。第4のノード2D内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が45~50の範囲の場合、第3の高優先パケットを第5のノード2E内のiTAS装置5に送信する。
【0110】
更に、第5のノード2E内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲の場合、第1の高優先パケットを第7のノード2G内のiTAS装置5に送信する。更に、第5のノード2E内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が45~50の場合、第3の高優先パケットを第7のノード2G内のiTAS装置5に送信する。
【0111】
更に、第7のノード2G内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号が10~20の範囲の場合、第1の高優先パケットを受信すると共に、現在カウント中のTS番号が45~50の範囲の場合、第3の高優先パケットを受信する。
【0112】
第3のTS同期処理では、複数のエッジノードから合流ノードを経由するように第1の設定パスに第3の設定パスを増設する場合でも、パス間の伝送遅延を考慮しながら、設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5間でTS番号を同期させる。その結果、高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0113】
図17は、第1の設定パスを設定した状態の通信システム1の模式図である。
図17に示す設定パスは、ソースノード101と、2個の中間ノード102(102A,102B)と、デストノード103とを有する。デストノード103は、Destination(宛先)ノードである。設定パスは、ソースノード101→中間ノード102A→中間ノード102B→デストノード103の順方向のパスと、デストノード103→中間ノード102B→中間ノード102A→ソースノード101の逆方向のパスとを有する。
【0114】
図18は、制御装置側TS同期処理に関わる制御装置3の処理動作の一例を示すフローチャートである。制御装置3は、帯域予約のパスを設定する(ステップS101)。制御装置3は、帯域予約のパスを設定した後、設定パスに応じた転送ルールを設定パス上の各ノード2に設定する(ステップS102)。尚、設定パス上の各ノード2は、
図17に示す設定パス上のソースノード101、中間ノード102やデストノード103に相当する。
【0115】
制御装置3は、設定パス上のエッジノードに対してタイムパケットの送信開始を要求する(ステップS103)。尚、エッジノードは、
図17に示す設定パスの場合、ソースノード101に相当する。制御装置3は、設定パス上の各ノード2から順方向のタイムパケットの順方向到着TS及び順方向TS差分を受信したか否かを判定する(ステップS104)。制御装置3は、順方向のタイムパケットの順方向到着TS及び順方向TS差分を受信した場合(ステップS104:Yes)、ノード2毎の順方向到着TS又は順方向TS差分を記憶部52内のノード管理部52Aに記憶する(ステップS105)。制御装置3は、設定パス上の終端ノードから順方向のタイムパケットの順方向到着TSが受信済みであるか否かを判定する(ステップS106)。
【0116】
制御装置3は、順方向のタイムパケットの順方向到着TSが受信済みである場合(ステップS106:Yes)、設定パス上の全てのノード2に順方向のタイムパケットが通過しているものと判断する。そして、制御装置3は、設定パス上の各ノード2から逆方向のタイムパケットの逆方向到着TS及び逆方向TS差分を受信したか否かを判定する(ステップS107)。
【0117】
制御装置3は、逆方向のタイムパケットの逆方向到着TS及び逆方向TS差分を受信した場合(ステップS107:Yes)、ノード2毎の逆方向到着TS又は逆方向TS差分を記憶部52内のノード管理部52Aに記憶する(ステップS108)。制御装置3は、設定パス上の終端ノードから逆方向のタイムパケットの逆方向到着TSが受信済みであるか否かを判定する(ステップS109)。
【0118】
制御装置3は、逆方向到着TSが受信済みの場合(ステップS109:Yes)、設定パス上の全てのノード2に逆方向のタイムパケットが通過しているものと判断する。そして、制御装置3は、設定パス内のエッジノードの順方向及び逆方向の各ユーザパケットのTS毎の開閉情報を生成する(ステップS110)。つまり、制御装置3は、順方向到着TS、順方向TS差分、逆方向到着TS又は逆方向TS差分に基づき、設定パス内のエッジノードの順方向及び逆方向の各ユーザパケットのTS毎の開閉情報を生成する。尚、順方向の設定パス内のエッジノードは、
図17に示す設定パスの場合、ソースノード101に相当し、逆方向の設定パス内のエッジノードは、
図17に示す設定パスの場合、デストノード103に相当する。
【0119】
制御装置3は、エッジノードの順方向及び逆方向の各ユーザパケットのTS毎の開閉情報を生成した後、設定パス内のエッジノードに各ユーザパケットのTS毎の開閉情報を通知し(ステップS111)、
図18に示す処理動作を終了する。その結果、設定パス上のエッジノードは、各ユーザパケットのTS毎の開閉情報を受信し、受信したTS毎の開閉情報をGCL23内に設定する。その結果、エッジノードは、設定パス内の各ノード2の順方向到着TS,逆方向到着TS、順方向TS差分及び逆方向TS差分を用いて、伝送遅延を考慮しながら、設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5間でTS番号を同期させる。
【0120】
制御装置3は、順方向のタイムパケットの順方向到着TS及び順方向TS差分を受信したのでない場合(ステップS104:No)、ステップS104の処理に戻る。制御装置3は、設定パス上の終端ノードから順方向のタイムパケットの順方向到着TSが受信済みでない場合(ステップS106:No)、ステップS104の処理に戻る。
【0121】
制御装置3は、逆方向のタイムパケットの逆方向到着TS及び逆方向TS差分を受信したのでない場合(ステップS107:No)、ステップS107の処理に戻る。制御装置3は、設定パス上の終端ノードから逆方向のタイムパケットの逆方向到着TSが受信済みでない場合(ステップS109:No)、ステップS107の処理に戻る。
【0122】
図19は、エッジノード側TS同期処理に関わるエッジノードの処理動作の一例を示すフローチャートである。尚、エッジノードは、
図17に示す設定パスの場合、ソースノード101に相当する。
図19においてエッジノード内のiTAS装置5は、制御装置3からタイムパケットの送信開始要求を受信したか否かを判定する(ステップS121)。エッジノード内のiTAS装置5は、制御装置3からタイムパケットの送信開始要求を受信した場合(ステップS121:Yes)、順方向のタイムパケットを生成する(ステップS122)。エッジノード内のiTAS装置5は、転送ルールに基づき、順方向のタイムパケットを設定パス上の順方向に隣接するノード2に送信する(ステップS123)。尚、設定パス上の順方向に隣接するノード2としては、
図17に示す設定パスの場合、例えば、中間ノード102に相当する。
【0123】
エッジノード内のiTAS装置5は、GCL23内のTS番号=0をオープン状態に設定し(ステップS124)、現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS125)。エッジノード内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを順方向到着TSとして制御装置3に通知する(ステップS126)。その結果、制御装置3は、設定パス上のエッジノードのタイムパケットに関わる順方向到着TSに基づき、エッジノードの順方向の通信に使用するTS毎の開閉情報を認識できる。
【0124】
エッジノード内のiTAS装置5は、設定パス上の逆方向から逆方向タイムパケットを受信したか否かを判定する(ステップS127)。エッジノード内のiTAS装置5は、設定パス上の逆方向から逆方向タイムパケットを受信した場合(ステップS127:Yes)、GCL23内のTS番号=0をオープン状態に設定する(ステップS128)。エッジノード内のiTAS装置5は、現在カウント中の現在TS番号を0に設定する(ステップS129)。エッジノード内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを逆方向到着TSとして制御装置3に通知する(ステップS130)。その結果、制御装置3は、設定パス上のエッジノードのタイムパケットに関わる逆方向到着TSに基づき、エッジノードの逆方向の通信に使用するTS毎の開閉情報を認識できる。
【0125】
エッジノード内のiTAS装置5は、制御装置3からTS毎の開閉情報を受信したか否かを判定する(ステップS131)。エッジノード内のiTAS装置5は、制御装置3からTS毎の開閉情報を受信した場合(ステップS131:Yes)、GCL23内の各ユーザパケットのTS毎の開閉情報を更新し(ステップS132)、
図19に示す処理動作を終了する。
【0126】
エッジノード内のiTAS装置5は、制御装置3からタイムパケットの送信開始要求を受信しなかった場合(ステップS121:No)、現在がタイムパケットの送信周期であるか否かを判定する(ステップS133)。エッジノード内のiTAS装置5は、現在がタイムパケットの送信周期の場合(ステップS133:Yes)、順方向のタイムパケットを生成すべく、ステップS122の処理に移行する。また、エッジノード内のiTAS装置5は、現在がタイムパケットの送信周期でない場合(ステップS133:No)、
図19に示す処理動作を終了する。
【0127】
エッジノード内のiTAS装置5は、設定パス上の逆方向から逆方向タイムパケットを受信しなかった場合(ステップS127:No)、ステップS127の処理に戻る。また、エッジノード内のiTAS装置5は、制御装置3からTS毎の開閉情報を受信しなかった場合(ステップS131:No)、ステップS131の処理に戻る。
【0128】
図20及び
図21は、中間ノード側TS同期処理に関わる中間ノードの処理動作の一例を示すフローチャートである。中間ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の順方向から順方向のタイムパケットを受信したか否かを判定する(ステップS141)。中間ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の順方向から順方向のタイムパケットを受信した場合(ステップS141:Yes)、転送ルールに基づき、順方向のタイムパケットを設定パス上の順方向に隣接するノード2に送信する(ステップS142)。
【0129】
中間ノード内のiTAS装置5は、GCL内のTS番号=0をオープン状態に設定し(ステップS143)、現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS144)。中間ノード内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを第1の順方向到着TSとして制御装置3に通知する(ステップS145)。その結果、制御装置3は、設定パス上の中間ノードのタイムパケットに関わる順方向到着TSに基づき、中間ノードの順方向の通信に使用するTS毎の開閉情報を認識できる。
【0130】
中間ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の逆方向から逆方向のタイムパケットを受信したか否かを判定する(ステップS146)。中間ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の逆方向から逆方向のタイムパケットを受信した場合(ステップS146:Yes)、転送ルールに基づき、逆方向のタイムパケットを設定パス上の逆方向に隣接するノード2に送信する(ステップS147)。
【0131】
中間ノード内のiTAS装置5は、GCL23内のTS番号=0をオープン状態に設定し(ステップS148)、現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS149)。中間ノード内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを第1の逆方向到着TSとして制御装置3に通知する(ステップS150)。その結果、制御装置3は、設定パス上の中間ノードのタイムパケットに関わる逆方向到着TSに基づき、中間ノードの逆方向の通信に使用するTS毎の開閉情報を認識できる。
【0132】
中間ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の順方向から順方向のタイムパケットを受信しなかった場合(ステップS141:No)、
図21に示すM1に移行する。また、中間ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の逆方向から逆方向のタイムパケットを受信しなかった場合(ステップS146:No)、ステップS146の処理に戻る。
【0133】
図21に示すM1において中間ノード内のiTAS装置5は、異なる設定パスの順方向から順方向のタイムパケットを受信したか否かを判定する(ステップS151)。尚、異なる設定パスとは、例えば、設定パスを第1の設定パスとした場合、第2の設定パスに相当する。
【0134】
中間ノード内のiTAS装置5は、異なる設定パスの順方向から順方向のタイムパケットを受信した場合(ステップS151:Yes)、転送ルールに基づき、順方向のタイムパケットを異なる設定パス上の順方向に隣接するノード2に送信する(ステップS152)。中間ノード内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号を第2の順方向到着TSとして制御装置3に通知する(ステップS153)。中間ノード内のiTAS装置5は、(第2の順方向到着TS-第1の順方向到着TS)で順方向TS差分を算出し(ステップS154)、順方向TS差分を制御装置3に通知する(ステップS155)。その結果、制御装置3は、中間ノードのタイムパケットに関わる順方向到着TS及び順方向到着TSに基づき、パス間の伝送遅延を考慮しながら、中間ノードの順方向の通信に使用するTS毎の開閉情報を認識できる。
【0135】
中間ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の逆方向から逆方向のタイムパケットを受信したか否かを判定する(ステップS156)。中間ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の逆方向から逆方向のタイムパケットを受信した場合(ステップS156:Yes)、転送ルールに基づき、逆方向のタイムパケットを設定パス上の逆方向に隣接するノード2に送信する(ステップS157)。中間ノード内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号を第2の逆方向到着TSとして制御装置3に通知する(ステップS158)。
【0136】
中間ノード内のiTAS装置5は、(第2の逆方向到着TS-第1の逆方向到着TS)で逆方向TS差分を算出し(ステップS159)、逆方向TS差分を制御装置3に通知する(ステップS160)。その結果、制御装置3は、中間ノードのタイムパケットに関わる逆方向到着TS及び逆方向到着TSに基づき、パス間の伝送遅延を考慮しながら、中間ノードの逆方向の通信に使用するTS毎の開閉情報を認識できる。
【0137】
また、中間ノード内のiTAS装置5は、異なる設定パスの順方向から順方向のタイムパケットを受信したのでない場合(ステップS151:No)、
図21に示す処理動作を終了する。また、中間ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の逆方向から逆方向のタイムパケットを受信したのでない場合(ステップS156:No)、ステップS156の処理に戻る。
【0138】
図22は、終端ノード側TS同期処理に関わる終端ノードの処理動作の一例を示すフローチャートである。尚、終端ノードは、
図17に示す設定パスの場合、デストノード103に相当する。終端ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の順方向から順方向タイムパケットを受信したか否かを判定する(ステップS161)。終端ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の順方向から順方向のタイムパケットを受信した場合(ステップS161:Yes)、GCL23内のTS=0をオープン状態に設定する(ステップS162)。更に、終端ノード内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS163)。終端ノード内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを第1の順方向到着TSとして制御装置3に通知する(ステップS164)。その結果、制御装置3は、設定パス上の終端ノードのタイムパケットに関わる第1の順方向到着TSに基づき、終端ノードの順方向の通信に使用するTS毎の開閉情報を認識できる。
【0139】
終端ノード内のiTAS装置5は、逆方向のタイムパケットを生成し(ステップS165)、転送ルールに基づき、逆方向のタイムパケットを設定パス上の逆方向に隣接するノード2に送信する(ステップS166)。終端ノード内のiTAS装置5は、GCL23内のTS=0をオープン状態に設定し(ステップS167)、現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS168)。終端ノード内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを第1の逆方向到着TSとして制御装置3に通知する(ステップS169)。その結果、制御装置3は、設定パス上の終端ノードのタイムパケットに関わる第1の逆方向到着TSに基づき、終端ノードの逆方向の通信に使用するTS毎の開閉情報を認識できる。
【0140】
終端ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の順方向から順方向のタイムパケットを受信したのでない場合(ステップS161:No)、異なる設定パスの順方向からタイムパケットを受信したか否かを判定する(ステップS170)。
【0141】
終端ノード内のiTAS装置5は、異なる設定パスの順方向からタイムパケットを受信した場合(ステップS170:Yes)、現在カウント中のTS番号を第2の順方向到着TSとして制御装置3に通知する(ステップS171)。終端ノード内のiTAS装置5は、(第2の順方向到着TS-第1の順方向到着TS)で順方向TS差分を算出し(ステップS172)、順方向TS差分を制御装置3に通知する(ステップS173)。その結果、制御装置3は、終端ノードのタイムパケットに関わる順方向到着TS及び順方向到着TSに基づき、パス間の伝送遅延を考慮しながら、終端ノードの順方向の通信に使用するTS毎の開閉情報を認識できる。
【0142】
終端ノード内のiTAS装置5は、ステップS169にて第1の逆方向到着TSを制御装置3に通知した後、又は、順方向TS差分を制御装置3に通知した後、制御装置3から逆方向のTS毎の開閉情報を受信したか否かを判定する(ステップS174)。終端ノード内のiTAS装置5は、逆方向のTS毎の開閉情報を受信した場合(ステップS174:Yes)、GCL23内の逆方向のTS毎の開閉情報を更新し(ステップS175)、
図22に示す処理動作を終了する。
【0143】
また、終端ノード内のiTAS装置5は、異なる設定パスの順方向からタイムパケットを受信したのでない場合(ステップS170:No)、
図22に示す処理動作を終了する。また、終端ノード内のiTAS装置5は、逆方向のTS毎の開閉情報を受信したのでない場合(ステップS174:No)、ステップS174の処理に戻る。
【0144】
図23は、第1の設定パスに第4の設定パスを増設した状態の通信システム1の模式図である。
図23に示す第1の設定パス上の中間ノード102Aは第4の設定パスに増設する。第4の設定パスは、新たなソースノード101Aと、ソースノード101Aと接続する新たな中間ノード102Cとを有し、中間ノード102Cと中間ノード102Aとの間を接続する経路である。中間ノード102Aは、第1の設定パスと第4の設定パスとが合流する合流ノードである。
【0145】
図24は、合流ノード側TS同期処理に関わる合流ノードの処理動作の一例を示すフローチャートである。合流ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の順方向から順方向のタイムパケットを受信したか否かを判定する(ステップS181)。合流ノード内のiTAS装置5は、順方向のタイムパケットを受信した場合(ステップS181:Yes)、転送ルールに基づき、順方向のタイムパケットを第1の設定パス上の順方向に隣接するノード2(中間ノード102B)に送信する。同時に、合流ノード内のiTAS装置5は、順方向のタイムパケットを受信した場合(ステップS181:Yes)、順方向のタイムパケットを第4の設定パス上の逆方向に隣接するノード2(中間ノード102C)に送信する(ステップS182)。
【0146】
合流ノード内のiTAS装置5は、GCL23内のTS=0をオープン状態に設定し(ステップS183)、現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS184)。合流ノード内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを第1の順方向到着TSとして制御装置3に通知する(ステップS185)。その結果、制御装置3は、設定パス上の合流ノードのタイムパケットに関わる順方向到着TSに基づき、合流ノードの順方向の通信に使用するTS毎の開閉情報を認識できる。
【0147】
合流ノード内のiTAS装置5は、第4の設定パス上の順方向から迂回のタイムパケットを受信したか否かを判定する(ステップS186)。合流ノード内のiTAS装置5は、第4の設定パス上の順方向から迂回のタイムパケットを受信した場合(ステップS186:Yes)、転送ルールに基づき、迂回のタイムパケットを第4の設定パス上の順方向に隣接するノード2に送信する(ステップS187)。
【0148】
合流ノード内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号を第4の順方向到着TSとして制御装置3に通知する(ステップS188)。更に、合流ノード内のiTAS装置5は、(第4の順方向到着TS-第1の順方向到着TS)で迂回の順方向TS差分を算出し(ステップS189)、迂回の順方向TS差分を制御装置3に通知し(ステップS190)、
図24に示す処理動作を終了する。その結果、制御装置3は、設定パス上の合流ノードのタイムパケットに関わる順方向到着TS及び迂回の順方向TS差分に基づき、合流ノードの順方向の通信に使用するTS毎の開閉情報を認識できる。
【0149】
また、合流ノード内のiTAS装置5は、順方向のタイムパケットを受信しなかった場合(ステップS181:No)、
図24に示す処理動作を終了する。また、合流ノード内のiTAS装置5は、第4の設定パス上の順方向から迂回のタイムパケットを受信しなかった場合(ステップS186:No)、ステップS186の処理に戻る。
【0150】
図25は、第1の設定パスに第5の設定パスを増設した状態の通信システム1の模式図である。
図25に示す第1の設定パス上の中間ノード102Bは第5の設定パスに増設する。第5の設定パスは、新たなデストノード103Aと、デストノード103Aと接続する新たな中間ノード102Dとを有し、中間ノード102Bと中間ノード102Dとの間を接続する経路である。中間ノード102Bは、第1の設定パスと第5の設定パスとが合流する合流ノードである。
【0151】
図26は、合流ノード側TS同期処理に関わる合流ノードの処理動作の一例を示すフローチャートである。尚、合流ノードは、
図25に示す設定パスの場合、中間ノード102Bに相当する。合流ノード内のiTAS装置5は、設定パス上の順方向から順方向のタイムパケットを受信したか否かを判定する(ステップS191)。合流ノード内のiTAS装置5は、順方向のタイムパケットを受信した場合(ステップS191:Yes)、転送ルールに基づき、順方向のタイムパケットを第1の設定パス上の順方向に隣接するノード2(デストノード103)に送信する。同様に、合流ノード内のiTAS装置5は、順方向のタイムパケットを受信した場合(ステップS191:Yes)、順方向のタイムパケットを第5の設定パス上の順方向に隣接するノード2(中間ノード102D)に送信する(ステップS192)。
【0152】
合流ノード内のiTAS装置5は、GCL23内のTS=0をオープン状態に設定し(ステップS193)、現在カウント中のTS番号を0に設定する(ステップS194)。合流ノード内のiTAS装置5は、TS番号=0のタイミングを第1の順方向到着TSとして制御装置3に通知する(ステップS195)。その結果、制御装置3は、設定パス上の合流ノードのタイムパケットに関わる順方向到着TSに基づき、合流ノードの順方向の通信に使用するTS毎の開閉情報を認識できる。
【0153】
合流ノード内のiTAS装置5は、第5の設定パス上の逆方向から迂回のタイムパケットを受信したか否かを判定する(ステップS196)。合流ノード内のiTAS装置5は、第5の設定パス上の逆方向から迂回のタイムパケットを受信した場合(ステップS196:Yes)、転送ルールに基づき、迂回のタイムパケットを第1の設定パス上の順方向に隣接するノード2に送信する(ステップS197)。
【0154】
合流ノード内のiTAS装置5は、現在カウント中のTS番号を第5の順方向到着TSとして制御装置3に通知する(ステップS198)。更に、合流ノード内のiTAS装置5は、(第5の順方向到着TS-第1の順方向到着TS)で迂回の順方向TS差分を算出し(ステップS199)、迂回の順方向TS差分を制御装置3に通知し(ステップS200)、
図26に示す処理動作を終了する。その結果、制御装置3は、設定パス上の合流ノードのタイムパケットに関わる順方向到着TS及び迂回の順方向TS差分に基づき、合流ノードの順方向の通信に使用するTS毎の開閉情報を認識できる。
【0155】
また、合流ノード内のiTAS装置5は、順方向のタイムパケットを受信しなかった場合(ステップS191:No)、
図26に示す処理動作を終了する。また、合流ノード内のiTAS装置5は、第5の設定パス上の逆方向から迂回のタイムパケットを受信しなかった場合(ステップS196:No)、ステップS196の処理に戻る。
【0156】
本実施例の設定パス上のエッジノードでは、設定パス上の各iTAS装置5内で現在カウント中のTSト番号をリセットするためのタイムパケットを、所定のタイミングに応じて設定パスの順方向に送信する。更に、エッジノードは、タイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号をリセットしてカウンタのカウント動作を再開する。その結果、設定パス上の各ノードは、iTAS装置5間でTS番号を同期させることで、高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0157】
エッジノードでは、現在カウント中のTS番号をリセットした際のタイミング情報である到着TSを制御装置3に通知する。その結果、制御装置3は、エッジノードで使用するTS番号のリセットのタイミングを認識できる。
【0158】
設定パス上の中間ノードでは、設定パスの順方向からタイムパケットを受信した場合に当該タイムパケットを設定パスの順方向に送信する。更に、中間ノードでは、タイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号をリセットしてカウンタのカウント動作を再開する。その結果、設定パス上の各ノードは、iTAS装置5間でTS番号を同期させることで、高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0159】
中間ノードでは、現在カウント中のTS番号をリセットした際のタイミング情報である到着TSを制御装置3に通知する。その結果、制御装置3は、中間ノードで使用するTS番号のリセットのタイミングを認識できる。
【0160】
中間ノードでは、TS番号のカウント動作を再開後に、設定パスと異なる他の設定パスからタイムパケットを受信した場合に現在カウント中のTS番号を、設定パスと他の設定パスとの間のTS差分として制御装置3に通知する。その結果、制御装置3は、設定パス及び他の設定パス上の各iTAS装置5の到着TS及びTS差分に基づき、設定パスと他の設定パスとの間の伝送遅延を考慮しながら、iTAS装置5間でTS番号を同期させることで、高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0161】
中間ノードでは、設定パスの順方向からタイムパケットを受信した場合に設定パスの順方向に送信すると共に、タイムパケットを他の設定パスの逆方向に送信する。更に、中間ノードでは、他の設定パスの順方向から折り返されたタイムパケットを受信した場合に現在カウント中のTS番号を、設定パスと他の設定パスとの間のTS差分として制御装置3に通知する。その結果、制御装置3は、設定パス及び他の設定パス上の各iTAS装置5の到着TS及びTS差分に基づき、設定パスと他の設定パスとの間の伝送遅延を考慮しながら、iTAS装置5間でTS番号を同期させることで、高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0162】
設定パス上の終端ノードは、設定パスの順方向から自分宛のタイムパケットを受信した場合に現在カウント中のタイムスロット番号をリセットしてカウンタのカウント動作を再開する。その結果、設定パス上の各ノードは、iTAS装置5間でTS番号を同期させることで、高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0163】
終端ノードでは、現在カウント中のTS番号をリセットした際のタイミング情報である到着TSを制御装置3に通知する。その結果、制御装置3は、終端ノードで使用するTS番号のリセットのタイミングを認識できる。
【0164】
終端ノードでは、TS番号のカウント動作を再開後に、設定パスと異なる他の設定パスからタイムパケットを受信した場合に現在カウント中のTS番号を、設定パスと他の設定パスとの間のTS差分として制御装置3に通知する。その結果、制御装置3は、設定パス及び他の設定パス上の各iTAS装置5の到着TS及びTS差分に基づき、設定パスと他の設定パスとの間の伝送遅延を考慮しながら、iTAS装置5間でTS番号を同期させることで、高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0165】
設定パス上のエッジノードは、所定タイミングに応じてタイムパケットを設定パスの順方向に送信し、タイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号をリセットしてカウント動作を開始する。更に、設定パス上の中間ノードは、設定パス上を順方向に流れるタイムパケットを受信した場合にタイムパケットを当該設定パスの順方向に送信し、タイムパケットの送信開始に応じて現在カウント中のTS番号をリセットしてカウント動作を開始する。更に、設定パス上の終端ノードは、設定パス上を順方向に流れるタイムパケットを受信した場合に現在カウント中のTS番号をリセットしてカウント動作を開始する。その結果、設定パス上の各ノードは、iTAS装置5間でTS番号を同期させることで、高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0166】
エッジノードは、現在カウント中のTS番号をリセットした際の到着TSを制御装置3に通知する。中間ノードは、現在カウント中のTS番号をリセットした際の到着TSを制御装置3に通知する。更に、終端ノードは、現在カウント中のTS番号をリセットした際の到着TSを制御装置3に通知する。そして、制御装置は、各ノードの到着TSに基づき、エッジノード内のTS番号毎の開閉情報を修正し、修正後の開閉情報をエッジノードに通知する。エッジノードは、修正後の開閉情報に基づき、高優先パケットを優先出力することで、設定パス上の中間ノード及び終端ノードは、エッジノードからの高優先パケットの周期性に基づくTS番号毎の開閉情報を修正する。その結果、設定パス上の各ノードは、iTAS装置5間でTS番号を同期させることで、高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0167】
通信システム1では、DetNet/TASにおける超低遅延論理パスの帯域予約が可能になる。更に、iTAS装置5により制御されるタイムパケットによって設定パス上の各ノード2のTS番号を0に設定することで、設定パス間の伝送遅延を考慮しながら、設定パス上の各ノード2のiTAS装置5間でTS番号を同期させる。
【0168】
更に、通信システム1では、TSが同期された設定パスに対し、制御装置3からエッジノードに対して適切なTSを選択してユーザパケットの送信指示を行うことで、設定パス上の各ノードにおける高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0169】
尚、本実施例の代替案としてPTP(Precision Time Protocol)を使用したTS同期も考えられる。しかしながら、PTPは時刻を決定するだけで別途TS同期や各リンクの伝送遅延の測定のためのEth-DM(Ethernet Delay Measurement)やTWAMP(A Two-Way Active Measurement Protocol)が必要になる。しかも、代替案では、制御装置から設定パス上の全てのノードに対して直接TSの割当設定が必要となる。これに対して、本実施例の制御装置3では、設定パス上の各ノード2で使用する帯域予約(TSの設定)はエッジノードのみで済むため、全てのノード2との接続正常性を確保する必要はなく、エッジノードとの接続正常性が担保できれば良い。
【0170】
上記実施例では、MFHパケットを高優先パケット及びMBHパケットの低優先パケットの2種類としたが、2種類に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0171】
尚、説明の便宜上、設定パス上の各ノード2内のiTAS装置5内の制御部30は、設定パスの到着TS及び、異なる設定パスの到着TSに基づきTS差分を算出し、算出したTS差分を制御装置3に通知する場合を例示した。しかしながら、制御装置3は、各iTAS装置5から設定パスの到着TS及び異なる到着TSを受信した場合、これらの到着TSに基づき、TS差分を算出しても良く、適宜変更可能である。
【0172】
また、エッジノードは、現在カウント中のTS番号をリセットした際の到着TSを制御装置3に通知する。中間ノードは、現在カウント中のTS番号をリセットした際の到着TSを制御装置3に通知する。更に、終端ノードは、現在カウント中のTS番号をリセットした際の到着TSを制御装置3に通知する。そして、制御装置は、各ノードの到着TSに基づき、エッジノード内のTS番号毎の開閉情報を修正し、修正後の開閉情報をエッジノードに通知する。エッジノードは、修正後の開閉情報に基づき、高優先パケットを優先出力することで、設定パス上の中間ノード及び終端ノードは、エッジノードからの高優先パケットの周期性に基づくTS番号毎の開閉情報を修正する。しかしながら、エッジノード、中間ノード及び終端ノードは、現在カウント中のTS番号をリセットした際の到着TSを制御装置3に通知しなくても良く。エッジノード、中間ノード及び終端ノードは、現在カウント中のTS番号をリセットした際の到着TSに基づき、自ノード内のTS番号毎の開閉情報を修正し、修正後の開閉情報を設定する。エッジノード、中間ノード及び終端ノードは、修正後の開閉情報に基づき、高優先パケットを優先出力することで、高優先パケットの周期性に基づくTS番号毎の開閉情報を修正する。その結果、設定パス上の各ノードは、iTAS装置5間でTS番号を同期させることで、高優先パケットの輻輳を回避できる。
【0173】
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0174】
更に、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。