(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036187
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】ゲーム情報処理方法、ゲーム情報処理装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240308BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20240308BHJP
【FI】
A63F13/69 520
A63F13/69 510
A63F13/533
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140964
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】522039773
【氏名又は名称】株式会社 ラセングル
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】久利 篤司
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 大二郎
(57)【要約】
【課題】ユーザの満足度を向上するゲーム情報処理方法、ゲーム情報処理装置、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】ゲーム情報処理方法は、コンピュータが、ユーザがゲーム内で所有する複数種類のアイテムの中からいずれかを組み合わせることによって、ゲームコンテンツに置き換わる置換オブジェクトを作成し、作成された置換オブジェクトに対する実行指示があったタイミングで、前記置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツを、異なるゲームコンテンツの中から抽選する抽選処理を実行する処理を含む。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
ユーザがゲーム内で所有する複数種類のアイテムの中からいずれかを組み合わせることによって、ゲームコンテンツに置き換わる置換オブジェクトを作成し、
作成された置換オブジェクトに対する実行指示があったタイミングで、前記置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツを、異なるゲームコンテンツの中から抽選する抽選処理を実行する
ゲーム情報処理方法。
【請求項2】
前記複数種類のアイテムの組み合わせ方に応じて、作成される置換オブジェクトが異なる
請求項1に記載のゲーム情報処理方法。
【請求項3】
異なる置換オブジェクト毎に、前記置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツの候補が異なる
請求項2に記載のゲーム情報処理方法。
【請求項4】
異なる置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツの候補は、前記異なる置換オブジェクト間で少なくとも一部が共通しており、
前記異なる置換オブジェクトに応じて、前記候補に含まれるゲームコンテンツそれぞれの当選確率が変動する
請求項2に記載のゲーム情報処理方法。
【請求項5】
前記置換オブジェクトが作成される際の前記複数種類のアイテムの比率に応じて、前記置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツの候補の当選確率が変動する
請求項1に記載のゲーム情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータが、
前記置換オブジェクトを作成する操作を受け付ける画面に、
作成される置換オブジェクトから置き換わる前記ゲームコンテンツの候補のうち、前記複数種類のアイテムの組み合わせ方、又は比率に応じて、当選確率が比較的高いゲームコンテンツを表示する
請求項2又は5に記載のゲーム情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータが、
前記置換オブジェクトを作成する操作を受け付ける画面に、
前記複数種類のアイテムの組み合わせ方、又は比率に応じた前記ゲームコンテンツの候補のうち、最もレア度が高いゲームコンテンツを表示する
請求項2又は5に記載のゲーム情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータが、
前記抽選処理の対象とする複数の置換オブジェクトの選択を一度に受け付け、
選択された置換オブジェクトから置き換わったゲームコンテンツの一覧を表示する
請求項1に記載のゲーム情報処理方法。
【請求項9】
前記複数種類のアイテムは、期間限定イベントでユーザに付与されるアイテムである
請求項1に記載のゲーム情報処理方法。
【請求項10】
ユーザがゲーム内で所有する複数種類のアイテムを記憶する記憶部と、
前記複数種類のアイテムの中からいずれかを組み合わせることによって、ゲームコンテンツに置き換わる置換オブジェクトを作成する作成部と、
作成された置換オブジェクトに対する実行指示があったタイミングで、前記置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツを、異なるゲームコンテンツの中から抽選する抽選処理を実行する抽選処理部と
を備えるゲーム情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータに、
ユーザがゲーム内で所有する複数種類のアイテムの中からいずれかを組み合わせることによって、ゲームコンテンツに置き換わる置換オブジェクトを作成し、
作成された置換オブジェクトに対する実行指示があったタイミングで、前記置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツを、異なるゲームコンテンツの中から抽選する
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム情報処理方法、ゲーム情報処理装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが携帯する所謂スマートフォン、タブレット端末等の通信可能な情報端末装置で実行できるゲームアプリケーション(以下、ゲームアプリという)が広く普及している。この種のゲームアプリでは、ゲームサーバ装置との通信接続により、ゲームコンテンツが逐次追加されるなど、長期間に亘って継続してプレイできるように工夫がなされている。
【0003】
ゲームアプリは、ユーザが使用可能なアイテム、キャラクタ等を所謂「ガチャ」と呼ばれる抽選で提供する方法が採られている。特許文献1には、ゲームアプリにおけるゲームコンテンツの提供に関し、「ガチャ」と呼ばれる抽選方法を開示している。このような抽選方法は、ゲーム内でのキャラクタそのもの、ユーザが操作可能なキャラクタが使用する武器、防具、衣装の抽選に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
長期間に亘るゲームアプリでは、提供されてきたアイテム、キャラクタの種類が多岐に亘り、ユーザそれぞれの好みに対応可能である。各キャラクタは、体力、戦闘力等のパラメータを有するが、これらを強化する強化用アイテムの種類や数がキャラクタによって異なる場合、ユーザの好みによって、ユーザが欲する強化用アイテムが異なる。強化用アイテムは、ゲームアプリ内のクエスト、バトル等の所定単位の要素を実施することによってユーザに提供される。提供される強化用アイテムは、そのバトル毎に、提供確率が定められているものが多い。ユーザは、必要な強化アイテムの提供確率が比較的高いバトルやクエストを選んで実行する。
【0006】
ゲームアプリは、期間限定のストーリーを提供し、その期間は特定のキャラクタを提供可能としたり、特定の強化アイテムの提供確率を高めたりする所謂「期間限定イベント」を実施することが多い。ユーザは、ストーリー自体を楽しむことに加えて、好みの複数のキャラクタのパラメータを、好みに応じて強化するために、このような期間限定イベントを利用する。このような期間限定イベントでは、イベント内のバトル毎に定められた提供確率で強化アイテムをユーザに提供する。これに加えてイベントでは、イベント内で集めたイベントアイテムに基づいて、強化アイテムを含むゲームコンテンツを抽選してユーザに提供する「アイテムガチャ」を実施することがある。
【0007】
「ガチャ」をユーザに実行させるためには、ユーザが欲するアイテムやキャラクタが当選しやすい期待感を高めることと、ユーザ全員が結果的に同一のゲームコンテンツが当選しないようにランダム性を持たせること等、バランスが重要である。
【0008】
本発明は、斯かる事情を鑑みてなされたものであり、ユーザの満足度を向上するゲーム情報処理方法、ゲーム情報処理装置、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一実施形態のゲーム情報処理方法は、コンピュータが、ユーザがゲーム内で所有する複数種類のアイテムの中からいずれかを組み合わせることによって、ゲームコンテンツに置き換わる置換オブジェクトを作成し、作成された置換オブジェクトに対する実行指示があったタイミングで、前記置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツを、異なるゲームコンテンツの中から抽選する抽選処理を実行する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、置き換わる対象のゲームコンテンツが異なる置換オブジェクトを、ユーザの希望に応じて作成することができ、ユーザの満足度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】コンテンツテーブルの内容例を示す図である。
【
図4】情報端末装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態の置換オブジェクトの設定例の説明図である。
【
図6】情報端末装置に記憶されている設定内容の例を示す。
【
図7】置換オブジェクトの作成処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】置換オブジェクトの作成画面の一例の説明図である。
【
図10】置換オブジェクトの作成画面の一例の説明図である。
【
図11】置換オブジェクトの作成結果画面の一例の説明図である。
【
図12】置換オブジェクトからのゲームコンテンツの抽選処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】第2実施形態の置換オブジェクトの作成処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図17】第2実施形態の置換オブジェクトの作成画面の一例の説明図である。
【
図18】第2実施形態の置換オブジェクトの作成画面の一例の説明図である。
【
図19】第2実施形態の置換オブジェクトの作成画面の一例の説明図である。
【
図20】第2実施形態の置換オブジェクトからのゲームコンテンツの抽選処理の一例を示すフローチャートである。
【
図21】第2実施形態における確率テーブルの取得方法の概要図である。
【
図22】第2実施形態における他の確率テーブルの概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。以下の実施の形態では、本開示のゲーム情報処理方法を適用したゲームシステムについて説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本開示のゲームシステム100の概要図である。ゲームシステム100は、複数のユーザが各々使用する情報端末装置2と、情報端末装置2から通信可能な情報処理装置1とを含む。情報端末装置2と情報処理装置1とは、ネットワークNを介して相互にデータを送受信可能である。ネットワークNは、インターネットN1、キャリアネットワークN2、基地局BS、及びアクセスポイントAPを含む。情報端末装置2は、無線又は有線により、ネットワークNを介して情報処理装置1とデータの送受信が可能である。
【0014】
ゲームシステム100では、ゲームアプリケーションプログラム(以下、ゲームアプリという)をインストールした情報端末装置2単独では、全てのゲームコンテンツを利用できない。情報端末装置2は、定期的に、及び、進行に応じて情報処理装置1と通信し、情報処理装置1のコンテンツデータベース(DB:Data Base )110から、ゲームコンテンツを適宜ネットワークN経由で取得してゲームを進行させる。ゲームコンテンツは、シナリオデータ、キャラクタデータ、アイテムデータ(バトルアイテム、強化アイテム)を含む。これらのゲームコンテンツは、ユーザ及びゲーム進行度によって使用できるデータが異なり、また、ユーザによって取得したデータが異なる。
【0015】
以下、各装置の構成を示し、ユーザがゲームを進行させる処理内容の詳細を説明する。
【0016】
図2は、情報処理装置1の内部構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、情報端末装置2との間でデータの送受信が可能なゲームサーバである。以下の説明において、情報処理装置1は1台のゲームサーバとして説明するが、複数台のサーバコンピュータをネットワークで通信接続して分散処理させる態様であってもよい。
【0017】
情報処理装置1は、処理部10、記憶部11、通信部12を備える。処理部10は、CPU(Central Processing Unit )及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサである。処理部10は、記憶部11に記憶されている情報処理プログラムP1に基づき、ゲームサーバとしての処理を実行する。
【0018】
記憶部11は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive )等の不揮発性メモリを用いる。記憶部11は、処理部10が参照するデータを記憶する。記憶部11は、情報処理プログラムP1を記憶する。情報処理プログラムP1は、記憶媒体9に記憶されている情報処理プログラムP9を処理部10が読み出して記憶部11に複製したものであってもよい。情報処理プログラムP1は、通信部12を介して他のプログラムサーバから処理部10がダウンロードして記憶したものであってもよい。
【0019】
記憶部11は、ゲームで使用されるゲームコンテンツを記憶するコンテンツDB110を含む。コンテンツDB110に記憶されるゲームコンテンツは、シナリオデータ、バトルデータ、キャラクタデータ、バトルアイテムデータ、強化アイテムデータ等を含む。
【0020】
シナリオデータは、ゲームのプレイ処理に利用されるデータである。シナリオデータは、画像データ(アニメーション、動画等)、テキストデータ(台詞等)及び音声データを含む。バトルデータは、プレイ処理中のキャラクタの動き、音声等のデータ(敵及び味方等)、プレイ処理中のバトルアイテムの画像等のデータ、バトル背景データ、及び音声データを含む。
【0021】
キャラクタデータは、ゲーム内に登場するキャラクタのデータである。キャラクタデータは、名称(識別データ)、属性データ(種類、特性等)、画像データ(アニメーション、動画等)、音声データ、及び、レベル別のパラメータ(強さ、守備力、属性等)、レア度を含む。キャラクタデータは、キャラクタの強化に必要な強化アイテムデータの識別データ及び数のデータを含む。強化アイテムデータの識別データ及び数は、キャラクタ毎、及びキャラクタの強化要素の違いで分別される。キャラクタデータは、同一キャラクタに対して異なるバリエーション(服装違い、色違い等)毎に記憶されてもよい。
【0022】
バトルアイテムデータは、バトル時にキャラクタに対して適用するアイテム、いわばバトルを補助するアイテムのデータである。バトルアイテムは例えば、武器、防具等の装備、回復あるいは攻撃用の武器防具以外の道具、一時的な強化のためのアイテムである。バトルアイテムデータは、名称及び画像データと、バトル中にキャラクタに対して適用されるバトルパラメータ(攻撃量、守備量等)への効果を数値で表したデータとを含む。バトルアイテムデータは、バトルアイテムの強化要素別に必要な強化アイテムデータの識別データ及び数のデータを含んでもよい。
【0023】
強化アイテムデータは、バトル以外でキャラクタ又はバトルアイテムを強化させるために適用するアイテムのデータである。強化アイテムは例えば、強化素材、合成用素材等である。強化アイテムデータは、名称及び画像データを含む。強化アイテムデータは、レア度を含んでもよい。
【0024】
ゲームコンテンツにはその他、バトルアイテム又は強化アイテム等との交換に用いられる交換用アイテム、ゲーム内でユーザが消費可能に与えられるポイント、設定値、ゲーム内通貨等が含まれる。
【0025】
コンテンツDB110は、これらのゲームコンテンツの実体(画像データ等)を、コンテンツ識別データ(以下、コンテンツIDという)に対応付けたコンテンツテーブルを含む。
【0026】
記憶部11は、各情報端末装置2でユーザ毎に使用可能なゲームコンテンツのコンテンツIDを、ユーザを識別するユーザIDに対応付けて記憶する。例えば記憶部11は、ユーザIDに対応付けて、ユーザがゲームアプリP2上で所有しているキャラクタ、バトルアイテム、強化アイテム等を識別するコンテンツID及び個数を記憶する。処理部10は、コンテンツIDを指定した取得要求に応じて、ゲームコンテンツのデータの複製をコンテンツテーブルから読み出して要求元に提供する。
【0027】
通信部12は、ネットワークNを介した情報端末装置2との通信を実現する。通信部12は具体的には、ネットワークカードである。通信部12は、キャリアネットワークN2と接続する無線通信モジュールであってもよいし、WiFi用の無線通信モジュールであってもよい。処理部10は、通信部12によって情報端末装置2との間でデータを送受信できる。
【0028】
図3は、コンテンツテーブルの内容例を示す図である。
図3のコンテンツテーブルは、ゲームコンテンツのうち、強化アイテムのテーブルの内容例を示す。記憶部11には、
図3に示すように、コンテンツIDに対応付けて、ゲームコンテンツの実体データ(存在位置を示すアドレス)を記憶する。強化アイテムにはそれぞれ、レアリティの高低を示すレア度の数値が対応付けられている。
図3に示すように、1~5の数値で、数値が大きいほどレアリティが高いことを示すように予め定められている。レア度の段階数は、5に限られない。強化アイテムのテーブルは、情報端末装置2の記憶部21にも記憶されてもよい。
【0029】
図3に示したような、コンテンツデータの識別データ(コンテンツID)に対応付けたゲームコンテンツの実体データ及びレアリティのデータは、強化アイテムのみならず、キャラクタ、バトルアイテム、交換用のアイテム、ポイント、ゲーム内通貨についてもコンテンツDB110に記憶される。
【0030】
図4は、情報端末装置2の内部構成を示すブロック図である。情報端末装置2は、表示部23及び通信部22を備える機器である。情報端末装置2は例えば、スマートフォン又はタブレット端末である。情報端末装置2は、ゲーム専用機器であってもよい。
【0031】
情報端末装置2は、処理部20、記憶部21、通信部22、表示部23、音声出力部24及び操作部25を備える。処理部20は、CPU及び/又はGPUを用いたプロセッサである。処理部20は、記憶部21に記憶されているゲームアプリケーションプログラム(以下、ゲームアプリという)P2に基づき、ゲームに係る処理を実行する。
【0032】
記憶部21は、フラッシュメモリ、SSD等の不揮発性メモリを用いる。記憶部21は、処理部20が参照するデータを記憶する。ゲームアプリP2は、通信部22を介して情報処理装置1又は他のプログラムサーバ装置からダウンロードして実行可能に記憶したものである。
【0033】
記憶部21は、ゲームアプリP2のユーザIDを記憶する。記憶部21は、ユーザIDに対応付けて、ユーザがゲームアプリP2上で所有しているキャラクタ、バトルアイテム、強化アイテム等を識別するコンテンツID及び個数を記憶する。記憶部21に記憶されているユーザIDとコンテンツID及び個数との関係は、情報処理装置1においてユーザIDに対応付けて記憶されているコンテンツID及び個数と同一の内容である。
【0034】
通信部22は、インターネット又はキャリアネットワークを含むネットワークNを介した情報処理装置1との通信を実現する。通信部22は具体的には、キャリアネットワークと接続する無線通信デバイスであってもよいし、WiFi用の無線通信デバイスであってもよい。処理部20は、通信部22によって情報処理装置1との間でデータを送受信できる。
【0035】
表示部23は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイである。表示部23は例えば、タッチパネル内蔵型ディスプレイである。処理部20は表示部23に、ゲームアプリP2に基づき、情報処理装置1から提供される画像、テキスト等のゲームコンテンツを表示する。
【0036】
音声出力部24は、スピーカ等を含む。処理部20は、ゲームアプリP2に基づき、情報処理装置1から提供される音声、音楽等のゲームコンテンツを音声出力部24から出力させる。
【0037】
操作部25は、処理部20との間で入出力が可能なユーザインタフェースであって、表示部23内蔵のタッチパネルである。操作部25は、物理ボタンであってもよい。操作部25は、音声入力部と兼用であってもよい。
【0038】
このように構成されるゲームシステム100で実現するゲームは、情報端末装置2が、ゲームアプリP2に基づき、所定のゲーム実行単位でシナリオデータ、バトルデータ、キャラクタデータ等を再生することで進行する。実行するクエストが選択され、これらのデータが再生されると、ユーザは、バトルを実行するための操作インタフェースに対して操作が可能になる。操作に応じて、シナリオ及びバトルが進行し、キャラクタ及び背景が動き、音声が出力される。
【0039】
本開示のゲームシステム100においてバトルは、ユーザが所有しているキャラクタが、ユーザの操作の対象とならないキャラクタ(以下、NPC)に対し、アクション、コマンド、パズル等種々の方式によって戦う内容とする。バトルの内容はこれに限らない。
【0040】
ゲームアプリP2を起動中の情報端末装置2は、ダウンロード済みのゲームアプリP2に加え、情報処理装置1から上述したゲームコンテンツを適宜ネットワークN経由で取得してゲームを進行させる。ゲームコンテンツのうち、バトルでユーザが選択可能なキャラクタ、バトル中に使用されるバトルアイテム、並びに、強化アイテム、ポイント、設定値及びゲーム内通貨等の内容及び数は、ユーザによって異なる。ユーザが所有するこれらのゲームコンテンツは、そのコンテンツIDがユーザIDに対応付けられて、情報処理装置1の記憶部11及び情報端末装置2の記憶部21に記憶されることでその所有が担保される。
【0041】
ユーザは、キャラクタ、バトルアイテム及び強化アイテムを、バトルの報酬、又は、ミッションの報酬によって得ることができる。ユーザは、キャラクタ、バトルアイテム、及び強化アイテムを、交換用のアイテム、ゲーム内のポイント、設定値、ゲーム内通貨等との間の交換によって得てもよい。そしてユーザは、強化アイテム、交換用のアイテム、又はゲーム内のポイント等を後述する「アイテムガチャ」によって取得できる。
【0042】
以下、ゲームシステム100における「アイテムガチャ」(ゲーム情報処理方法)について詳細を説明する。本開示のゲームシステム100の「アイテムガチャ」では、ユーザの操作によって、「アイテムガチャ」の対象コンテンツと置換される置換オブジェクトを作成することができる。置換オブジェクトは、期間限定のイベント内のクエストの報酬として付与される材料アイテムを材料として作成可能である。また、第1実施形態において置換オブジェクトは、複数種類用意されており、ユーザは、いずれかを好みに応じて作成可能である。
【0043】
図5は、第1実施形態の置換オブジェクトの設定例の説明図である。置換オブジェクトの設定データは、情報処理装置1の記憶部11に記憶されている。情報端末装置2の記憶部21にも記憶されていてよい。置換オブジェクトの設定データは、置換オブジェクトの種類の識別データに対応付けて、名称、画像、必要な材料アイテム及び個数(レシピ)、置き換わるゲームコンテンツの候補、並びに確率テーブルを含む。置換オブジェクトの作成条件として特定の操作、特定の条件が含まれていてもよい。
【0044】
例えば
図5の例であれば、置換オブジェクトは「お茶」であり、「濃いお茶」、「香るお茶」、「苦いお茶」の3種類が設定されている。置換オブジェクトは「お茶」に限られないことは勿論であり、「お団子」、「お菓子」等の他の飲食物の概念を有していてもよいし、「宝箱」のようにゲームコンテンツに置き換わるものとして当然考えられるものであってもよい。置換オブジェクトはその他、「おもちゃ」等であってもよい。
【0045】
例えば、
図5の例では、置換オブジェクトの識別データ「001」に対応する「濃いお茶」を作成するための材料アイテム(レシピ)は、イベント限定アイテムである「緑の茶葉」を2つと、「青い茶葉」を1つである。識別データ「002」に対応する「香るお茶」を作成するための材料アイテムは、イベント限定アイテムである「黄色い茶葉」を1つと、「赤い茶葉」を2つである。同様にして識別データ「003」に対応する「苦いお茶」を作成するための材料アイテムは、イベント限定アイテムである「青い茶葉」を2つと、「赤い茶葉」を1つである。
【0046】
そして識別データ「001」の「濃いお茶」、「002」の「香るお茶」、「003」の「苦いお茶」から置き換わるゲームコンテンツの候補は、一部が共通している。共通するゲームコンテンツも含め、その候補から当選しやすいゲームコンテンツが変動するように、確率テーブルが設定されている。識別データ「001」の「濃いお茶」では、他の置換オブジェクトに比べて、アイテムXが当選可能であり、アイテムAの当選確率が高く設定されている。同様にして識別データ「002」の「香るお茶」では、他と違ってアイテムYが当選可能であり、アイテムBの当選確率が高く設定されている。識別データ「003」の「苦いお茶」では、他と違ってアイテムZが当選可能であり、アイテムCの当選確率が高く設定されている。
【0047】
図6は、情報端末装置2に記憶されている設定内容の例を示す。情報端末装置2では、
図5に示した置換オブジェクトの設定データ全てを記憶していなくてもよい。情報端末装置2では、ユーザが作成可能な置換オブジェクト、その作成に必要な材料アイテムが記憶される。したがって、
図6に示すように、置換オブジェクトの識別データに対応付けて、名称、画像、必要な材料アイテム及び個数、作成の可否、置き換わるゲームコンテンツの候補の内容及び代表例が記憶されている。
図6の例では、「濃いお茶」及び「香るお茶」は現段階で作成可能であるが、期間限定イベントの進行度、もしくはユーザの期間限定イベント内でのレベルに応じて、後に「苦いお茶」が作成可能になる。
【0048】
このように設定されている置換オブジェクトを用いた「アイテムガチャ」の方法について、フローチャート及び具体的画面例を参照して説明する。
【0049】
図7は、置換オブジェクトの作成処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7に示す処理手順は、ゲームアプリP2を実行している情報端末装置2で置換オブジェクトの「作成画面」を表示した場合に、情報端末装置2の処理部20によって開始される。
【0050】
情報端末装置2の処理部20は、自装置(情報端末装置2)に対応するユーザのユーザIDに対応付けられている(ユーザが所有している)、置換オブジェクトを作成するための材料アイテムの種類及び個数を特定する(ステップS201)。
【0051】
処理部20は、置換オブジェクトの内、作成可であって、ステップS201で特定された材料アイテムによって作成可能な置換オブジェクトの一覧を表示部23に表示させる(ステップS202)。処理部20は、作成可能な置換オブジェクトそれぞれに、その置換オブジェクトから置き換わる強化アイテム等のゲームコンテンツの候補を対応付けて表示させる(ステップS203)。
【0052】
ステップS203において処理部20は、前記置換オブジェクトから置き換わる強化アイテムの候補のうち、他の置換オブジェクトよりも当選確率が高いゲームコンテンツを表示してもよい。ステップS203において処理部20は、候補の内の最もレア度が高いゲームコンテンツを表示してもよい。
【0053】
処理部20は、表示した置換オブジェクトの一覧からユーザの操作によって、作成する置換オブジェクトの選択を受け付ける(ステップS204)。
【0054】
処理部20は、選択された置換オブジェクトの作成個数の指定を受け付ける(ステップS205)。ステップS205において処理部20は、ステップS101で特定した材料アイテムの個数に基づいて、選択された置換オブジェクトの作成可能な最大個数以下の数値を受け付ける。
【0055】
処理部20は、指定された個数分、置換オブジェクトを作成し(ステップS206)、作成した置換オブジェクトの識別データ及び個数を、ユーザIDに対応付けて記憶する(ステップS207)。処理部20は、置換オブジェクトの作成結果を表示し(ステップS208)、置換オブジェクトの作成に使用された材料アイテムの個数を、種類別に減少させる(ステップS209)。
【0056】
処理部20は、ユーザIDに対応付けて、作成された置換オブジェクトの識別データ及び個数、使用された材料アイテムの種類別の個数を情報処理装置1へ送信する(ステップS210)。
【0057】
情報処理装置1では、処理部10は、ユーザIDに対応付けて、置換オブジェクトの識別データ及び個数、使用された材料アイテムの種類別の個数を受信する(ステップS101)。処理部10は、受信した置換オブジェクトの識別データ及びその個数を、ユーザIDに対応付けて記憶する(ステップS102)。処理部10は、ユーザIDに対応付けて記憶されている材料アイテムの個数を、置換オブジェクトの作成に使用された材料アイテムの個数に応じて種類別に減少させて更新し(ステップS103)、処理を終了する。
【0058】
図7に示した置換オブジェクトの作成処理を、画面例を参照しながら具体的に説明する。
図8は、材料アイテムの例を示す図である。
図8は、クエストの実行結果画面260を示す。置換オブジェクトを作成するために用いる材料アイテムは、
図8に示すように、クエストの実行の結果の報酬オブジェクトとしてユーザに供与される。報酬オブジェクトに、強化アイテム、バトルアイテムが含まれていてもよい。
【0059】
材料アイテムは、
図8に示すように、クエストの実行結果画面260に、報酬の内容を示す画像として、個数分のアイコン231で表示される。
図8の例ではアイコン231は、「緑の茶葉」、「青い茶葉」と、色が異なる葉の絵柄を有する。アイコン231は、その他、「黄色い茶葉」、「赤い茶葉」等と識別可能に表現される。材料アイテムは、画面上では絵柄の違いで内容の差異が表現されている。その他、絵柄の違い、光沢の違いなどで分別可能に表現されてもよい。
【0060】
図9は、置換オブジェクトの作成画面230の一例の説明図である。
図9の作成画面230は、置換オブジェクトの作成メニュー(タブ)をゲームアプリP2の画面上で選択した場合に表示される。
図9の作成画面230には、ユーザのゲーム内進行度に基づき作成可能な置換オブジェクトそれぞれに対するバナー232が表示されている。
図9の例では、「濃いお茶」のバナー232と、「香るお茶」のバナー232とが表示されている。「香るお茶」のバナー232の下方には、作成が不可能な置換オブジェクトに対応する無効化されたバナー261が表示されている。イベントの進行度に応じてバナー261は、選択可能なバナー232となる。作成画面230には、ユーザがゲーム内で所有している材料アイテムのリスト233が、材料アイテム「茶葉」それぞれを認識させるアイコン231によって、個数を示す数字と共に表示されている。
【0061】
バナー232にはそれぞれ、対応する置換オブジェクトを作成するために必要な材料アイテム「緑の茶葉」及び「青い茶葉」のアイコン231と、各々必要な個数が表示されている。また、バナー232にはそれぞれ、対応する置換オブジェクトから置き換わる可能性のある強化アイテム、又はポイント等のうち、他の置換オブジェクトよりも当選確率が高い強化アイテムを示すアイコン234が表示されている。これにより、ユーザは、どの置換オブジェクトを作成すると、自分にとって必要な強化アイテムに置き換わる可能性が高いかを、認識しながら選択可能である。
【0062】
バナー232はそれぞれ、ユーザが操作部25によって個別に選択可能である。バナー232が選択されると、処理部20は、選択されたバナー232に対応する置換オブジェクトの選択を受け付けた(S204)ものとして処理を次に進める。
【0063】
図10は、置換オブジェクトの作成画面235の一例の説明図である。
図10の作成画面は、
図9の作成画面230でバナー232を選択すると作成画面230上に表示される。
図10の作成画面235には、選択された置換オブジェクトの内容を示すアイコン236、個数選択のためのスライドバー237、及び作成ボタン238が含まれている。作成画面235には、選択された置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツのラインナップ239が、それぞれのアイコンで表示されている。
【0064】
スライドバー237は、最小値「1」から、ユーザが所有している材料アイテムの個数から作成可能な最大数「N」までの間でセレクタを動かして個数を指定可能である。スライドバー237の下方には、セレクタの位置に応じた置換オブジェクトの個数と、その数の置換オブジェクトを作成するために必要になる材料アイテムの数が、材料アイテムの種類別に表示されている。ユーザがスライドバー237のセレクタを動かすと、これらの置換オブジェクトの数、必要になる材料アイテムの数がセレクタの位置に応じて変更される。
【0065】
作成ボタン238がユーザにより選択されると、処理部20は、スライドバー237のセレクタの位置によって作成する置換オブジェクトの個数の指定を受け付け(S205)、置換オブジェクトを作成する(S206)。作成画面235は、「キャンセル」のボタンも含み、「キャンセル」のボタンが選択された場合に処理部20は、置換オブジェクトの作成を実行せずに、作成画面235の画面に戻す。
【0066】
図11は、置換オブジェクトの作成結果画面240の一例の説明図である。作成結果画面240には、作成された置換オブジェクトの内容を示すアイコン236が、その作成された個数分並べて表示されている。作成結果画面240には、置換オブジェクトのアイコン236と個数を示す数字とが表示されてもよい。作成結果画面240には、置換オブジェクトからのゲームコンテンツの抽選を開始するためのボタン241が含まれている。
【0067】
ボタン241が選択されると、処理部20は、置換オブジェクトからのゲームコンテンツの抽選処理を実行する。置換オブジェクト1つ1つについて、候補のいずれのゲームコンテンツに換わるのかの抽選が実行される。
【0068】
次に、置換オブジェクトのゲームコンテンツの置き換えについて、つまり抽選について説明する。
図12は、置換オブジェクトからのゲームコンテンツの抽選処理の一例を示すフローチャートである。以下の置換オブジェクトの抽選処理は、
図11の置換オブジェクトの作成結果画面240でボタン241が選択された場合に実行される。
【0069】
情報端末装置2の処理部20は、対象の置換オブジェクトの種類及び個数、並びにユーザIDを含むアイテム抽選リクエストを、情報処理装置1へ送信する(ステップS221)。処理部20は、自装置のユーザが所有する置換オブジェクトのうち、ステップS221でリクエストに含めた種類の置換オブジェクトの数を更新(減少)する(ステップS222)。
【0070】
情報処理装置1の処理部10は、情報端末装置2からアイテム抽選リクエストを受信する(ステップS121)。情報処理装置1の処理部10は、アイテム抽選リクエストに含まれる種類の置換オブジェクトに対応付けられた抽選対象の候補を、コンテンツテーブルから特定する(ステップS122)。処理部10は、アイテム抽選リクエストに含まれる種類の置換オブジェクトに対応付けられた確率テーブルを取得する(ステップS123)。ステップS122で特定した抽選対象の候補から、アイテム抽選リクエストに含まれる個数に対応する回数により、確率テーブルに基づいて抽選処理を実行する(ステップS124)。
【0071】
ステップS123の確率テーブルは、置換オブジェクトの種類の識別データに対応付けて、情報処理装置1の記憶部11に記憶してあるもの(
図5参照)を処理部10が取得する。確率テーブルは、ステップS123の段階で、作成してもよい。第1実施形態において置換オブジェクトから置換されるゲームコンテンツの候補は、相互に一部が共通しているが、置換オブジェクトの種類によって確率テーブルにおける確率の配分が異なる。例えば「濃いお茶」であれば、アイテムXの当選確率が「5%」であって、アイテムAが「13%」、アイテムB,Cが「6%」、アイテムDが「30%」、アイテムEが「40%」と配分されている(
図5参照)。なお確率テーブルで規定される確率の配分は、均等であってもよい。
【0072】
ステップS124における抽選処理において、処理部10は、確率テーブルで配分されている確率に応じた重みに基づく重み付き抽選を実行する。確率テーブルの説明は後述する。
【0073】
ステップS123,S124の抽選処理は、情報処理装置1で実行されてもよいし、情報端末装置2で実行されてもよい。
【0074】
処理部10は、アイテム抽選リクエストに含まれるユーザIDに対応付けられている置換オブジェクトのうち、アイテム抽選リクエストに含まれる種類の置換オブジェクトの数を、アイテム抽選リクエストに含まれる個数分、減じる(ステップS125)。ステップS125の処理は、ステップS222の処理と同一であり、同一ユーザに対して所有コンテンツが同期されていれば、いずれかは省略されてもよい。
【0075】
処理部10は、抽選処理の結果、ユーザに付与する対象コンテンツのコンテンツID及びその個数をユーザIDに対応付けて記憶し(ステップS126)、コンテンツID及び各々の個数を情報端末装置2へ送信する(ステップS127)。
【0076】
情報端末装置2の処理部20は、抽選結果の対象コンテンツのコンテンツID及びその個数を受信し(ステップS223)、受信したコンテンツIDの対象コンテンツの画像及び個数を、表示部23に抽選結果として表示する(ステップS224)。処理部20は、ステップS222で減じた置換オブジェクトの残数を種類毎に表示し(ステップS225)、抽選処理を終了する。
【0077】
第1実施形態では、置換オブジェクトは作成後(S206)、ただちに、
図12の抽選処理を実行する構成とした。この場合、置換オブジェクトを作成した場合の置換オブジェクトの個数の記憶・更新・表示(S207、S102、S222、S125、S225)は不要である。しかしながらこれに限らず、置換オブジェクトを蓄積可能としておき、後にまとめて抽選処理を実行する方法を採用してもよい。この場合、置換オブジェクトの数を作成の都度記憶しておく必要がある。
【0078】
図13は、抽選結果の表示例を示す図である。
図13の抽選結果画面242には、置換オブジェクトから抽選によって置き換わったゲームコンテンツそれぞれのアイコン234の一覧が表示されている。アイコンは左上から順に、「お茶」から「アイテム」へ変わるアニメーションによって切り替えられてもよい。
【0079】
このようにして、ユーザそれぞれが、自身が必要と考える強化アイテム等に置き換わりやすい置換オブジェクトを作成して「アイテムガチャ」を実施することができる。
【0080】
(変形例)
図5の例では、「濃いお茶」、「香るお茶」、及び「苦いお茶」の異なる置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツの候補は、共通するものであった。しかしながらこれに限らず、ゲームコンテンツの候補は全て同一共通していてもよいし、全く異なるものであってもよい。
図14は、他の設定例の説明図である。
図14においても、
図5同様に、置換オブジェクトの設定データは、置換オブジェクトの種類の識別データに対応付けて、名称、画像、必要な材料アイテム及び個数(レシピ)、置き換わるゲームコンテンツの候補、並びに確率テーブルを含む。
【0081】
図14の例では、
図5に示した例と異なり、置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツの候補は全ての置換オブジェクトで共通である。
図14の例では、当選する可能性があるゲームコンテンツの候補X,Y,Z,A~Eは完全に共通である。しかしながら、各置換オブジェクトから各ゲームコンテンツへの当選確率の配分は、置換オブジェクト毎に異なるように設定されている。識別データ「001」の「濃いお茶」から置き換わるゲームコンテンツの候補は、アイテムXが「3%」、アイテムY,Zが「1%」、アイテムAが「13%」、アイテムB,Cが「6%」、アイテムDが「30%」、アイテムEが「40%」と配分されている。識別データ「002」の「香るお茶」からはアイテムYが「3%」、アイテムX,Zが「1%」、アイテムBが「13%」、アイテムA,Cが「6%」であり、アイテムD,Eについての配分は「濃いお茶」と同様である。同様にして識別データ「003」の「苦いお茶」からはアイテムZが「3%」、アイテムX,Yが「1%」、アイテムCが「13%」、アイテムA,Bが「6%」であり、アイテムD,Eについての配分は「濃いお茶」と同様である。
【0082】
図15は、他の設定例の説明図である。
図15においても、
図5,
図14と同様に、置換オブジェクトの設定データは、置換オブジェクトの種類の識別データに対応付けて、名称、画像、必要な材料アイテム及び個数(レシピ)、置き換わるゲームコンテンツの候補、並びに確率テーブルを含む。
【0083】
図15の例では、
図5及び
図14に示した例と異なり、置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツの候補は全ての置換オブジェクトで異なる。
図15の例では、識別データ「001」の「濃いお茶」から置き換わるゲームコンテンツの候補の当選確率は、アイテムXが「3%」、アイテムA~Cが「22%」を等分した確率「7.33%」、アイテムJ~Lが「75%」を等分した確率「25%」と配分されている。識別データ「002」の「香るお茶」から各候補の当選確率は、アイテムYが「3%」、アイテムD~Fが「7.33%」、アイテムM~Oが「25%」と配分されている。識別データ「003」の「苦いお茶」から各候補の当選確率は、アイテムZが「3%」、アイテムG~Iが「7.33%」、アイテムP~Rが「25%」と配分されている。
【0084】
このように、
図5、
図14、
図15のいずれの設定であっても、置換オブジェクトによって当選しやすいゲームコンテンツに差異を設け、ユーザは、自身が欲するゲームコンテンツに置き換わりやすい置換オブジェクトを選んで作成することが可能である。ユーザが全員同じゲームコンテンツを結果的に得る設定でもよいが、このように、結果として得られるゲームコンテンツの内容がユーザによって運・不運によって変動し、且つ、その中でも、ユーザの欲する内容となりやすいようにバランスを保った抽選が可能になる。
【0085】
第1実施形態では、異なる置換オブジェクト「濃いお茶」、「香るお茶」、「苦いお茶」それぞれの材料アイテムの個数が設定されていた。しかしながらこれに限らず、組み合わせを限定せずに、使用する材料アイテムの組合せと個数をユーザが選択できるようにしてもよい。この場合、作成される置換オブジェクトが何であるかは確実でない。置換オブジェクトは、「緑の茶葉」の比率が高い場合は「濃いお茶」、「黄色い茶葉」の比率が高い場合は「香るお茶」、「青い茶葉」の比率が高い場合は「苦いお茶」のように作成される。そしてレア度を高く設定した「金の茶葉」が材料に用いられた場合には、「スペシャルな濃いお茶」「スペシャルな香るお茶」「スペシャルな苦いお茶」のようにしてもよく、「スペシャルな」がついた置換オブジェクトからは、アイテムX,Y,Zの当選確率が更に上がる、といった変動が実施されてもよい。
【0086】
(第2実施形態)
第1実施形態は、材料アイテムの組み合せ方によって、作成される置換オブジェクトの種類(「濃いお茶」、「香るお茶」及び「苦いお茶」)が異なった。これに対し、第2実施形態では、作成可能な置換オブジェクトは1種類の「お茶」である。ただし、作成する際に用いた材料アイテムの種類、その比率によって、その置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツの当選の配分が変動するものとする。
【0087】
第2実施形態におけるゲームシステム100の構成は、後述する置換オブジェクトの作成手順及び抽選方法の詳細以外は、第1実施形態のゲームシステム100の構成と同様である。したがって、共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0088】
上述したように、第2実施形態において置換オブジェクトは1種類である。
図16は、第2実施形態の置換オブジェクトの作成処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16に示す処理手順は、ゲームアプリP2を実行している情報端末装置2で置換オブジェクトの「作成画面」を表示した場合に、情報端末装置2の処理部20によって開始される。
【0089】
情報端末装置2の処理部20は、自装置(情報端末装置2)に対応するユーザのユーザIDに対応付けられている(ユーザが所有している)、置換オブジェクトを作成するための材料アイテムの種類及び個数を特定する(ステップS231)。
【0090】
処理部20は、置換オブジェクト1つ当たりに用いる材料アイテムの個数の指定を、種類別に受け付ける(ステップS232)。処理部20は、置換オブジェクトの作成個数の指定を受け付ける(ステップS233)。ステップS233において処理部20は、ステップS232で受け付けた種類別の材料アイテムの個数と、ステップS231で特定したユーザ所有の材料アイテムの個数とに基づいて、最大個数以下の数の指定を受け付ける。
【0091】
処理部20は、指定された個数分、置換オブジェクトを作成し(ステップS234)、作成した置換オブジェクトの個数と、その置換オブジェクト1つ当たりに用いた材料アイテムの種類別の個数とをユーザIDに対応付けて記憶する(ステップS235)。
【0092】
処理部20は、置換オブジェクトの作成結果を表示し(ステップS236)、置換オブジェクトの作成に使用された材料アイテムの個数を、種類別に減少させる(ステップS237)。
【0093】
処理部20は、ユーザIDに対応付けて、作成された置換オブジェクトの個数と、その置換オブジェクト1つ当たりに用いた材料アイテムの種類別の個数とを、情報処理装置1へ送信する(ステップS238)。
【0094】
情報処理装置1では、処理部10は、ユーザIDに対応付けて、置換オブジェクトの個数と、1つ当たりに用いた材料アイテムの種類別の個数とを受信する(ステップS131)。処理部10は、受信した置換オブジェクトの個数及び用いられた材料アイテムの種類別の個数を、ユーザIDに対応付けて記憶する(ステップS132)。処理部10は、ユーザIDに対応付けて記憶されている材料アイテムの個数を、置換オブジェクトの作成に使用された材料アイテムの個数に応じて種類別に減少させて更新し(ステップS133)、処理を終了する
【0095】
図16に示した置換オブジェクトの作成処理を、画面例を参照しながら具体的に説明する。
図17は、第2実施形態の置換オブジェクトの作成画面243の一例の説明図である。
図17の作成画面243は、ユーザがイベントのアイテム交換メニューを選択した場合に表示される。
図17の作成画面243には、ユーザがゲーム内で所有している材料アイテムのリスト233が、材料アイテム「茶葉」それぞれを認識させるアイコン231によって、個数を示す数字と共に表示されている。第2実施形態では、
図17に示すように、茶葉の種類は3種類とする。
【0096】
図17の作成画面243には、置換オブジェクトの作成に進むためのボタン244が含まれている。ボタン244が選択されると、ステップS231の次の処理が実行される。
【0097】
図18は、第2実施形態の置換オブジェクトの作成画面245の一例の説明図である。
図18の作成画面245は、
図17の作成画面243でボタン244を選択すると作成画面243上に表示される。
図18の作成画面245には、材料アイテム別の個数選択のためのスライドバー246、及びボタン247が含まれている。
【0098】
スライドバー246は、各材料アイテム(ここでは茶葉)の個数を「0(ゼロ)」から、所定の最大値「3」までの間でセレクタを動かして個数を指定可能である。スライドバー246の下方には再度、所有している材料アイテムの一覧が表示されている。作成画面245のボタン247がユーザにより選択されると、処理部20は、スライドバー246のセレクタの位置によって、用いる材料アイテムの個数の指定を、種類別に受け付ける(S232)。
【0099】
図19は、第2実施形態の置換オブジェクトの作成画面248の一例の説明図である。
図19の作成画面248は、
図18のボタン247が選択された場合に表示される。
図19の作成画面248には、作成個数を指定するためのスライドバー249、及び、作成ボタン250が含まれている。スライドバー249は、最小値「1」から、ユーザが指定した各材料アイテムの種類別の個数と、ユーザが所有している材料アイテムの個数から作成可能な最大数「N」までの間でセレクタを動かして作成個数を指定可能である。ユーザがスライドバー249を動かすと、必要になる材料アイテムの数がセレクタの位置に応じて変更される。
【0100】
作成ボタン250がユーザにより選択されると、処理部20は、スライドバー249のセレクタの位置によって作成する置換オブジェクトの個数の指定を受け付け(S233)、置換オブジェクトを作成する(S234)。作成画面248は、「キャンセル」のボタンも含み、「キャンセル」のボタンが選択された場合に処理部20は、置換オブジェクトの作成を実行せずに、作成画面243の画面に戻す。
【0101】
第2実施形態の作成結果の画面は、第1実施形態の
図11の作成結果画面240と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0102】
次に、第2実施形態の置換オブジェクトのゲームコンテンツの抽選について説明する。
図20は、第2実施形態の置換オブジェクトからのゲームコンテンツの抽選処理の一例を示すフローチャートである。以下の置換オブジェクトの抽選処理は、第2実施形態において作成結果画面240でボタン241が選択された場合に実行される。
【0103】
情報端末装置2の処理部20は、対象の置換オブジェクトの個数、用いられた材料アイテムの種類別の個数、及び、ユーザIDを含むアイテム抽選リクエストを、情報処理装置1へ送信する(ステップS241)。処理部20は、自装置のユーザが所有する置換オブジェクトのうち、ステップS241でリクエストに含めた置換オブジェクトの数を更新(減少)する(ステップS242)。
【0104】
情報処理装置1の処理部10は、情報端末装置2からアイテム抽選リクエストを受信する(ステップS141)。情報処理装置1の処理部10は、アイテム抽選リクエストで指定されている置換オブジェクトの作成個数と、その置換オブジェクトの作成に用いられた材料アイテムの種類別の個数とを特定する(ステップS142)。
【0105】
処理部10は、特定した材料アイテムの種類別の個数の比率に基づき、使用する確率テーブルを取得する(ステップS143)。ステップS143において処理部10は例えば、材料アイテムの種類別の個数を、種類を各次元としたベクトルとして扱い、予め設定されている複数の参考ベクトルとの距離を算出し、最も近い参考ベクトルに対応付けられた確率テーブルを取得する(
図21参照)。ステップS143の段階で、処理部10が、比率に基づいて確率テーブルを作成してもよい。
【0106】
処理部10は、ステップS142で特定した作成個数に対応する回数により、ステップS143で取得した確率テーブルを用いて抽選処理を実行する(ステップS144)。ステップS144における抽選処理において、処理部10は、確率テーブルで配分されている確率に応じた重みに基づく重み付き抽選を実行する。確率テーブルの説明は後述する。
【0107】
ステップS143,S144の抽選処理は、情報処理装置1で実行されてもよいし、情報端末装置2で実行されてもよい。
【0108】
処理部10は、アイテム抽選リクエストに含まれるユーザIDに対応付けられている置換オブジェクトのうち、アイテム抽選リクエストで指定されている置換オブジェクトの数を、アイテム抽選リクエストに含まれる個数分、減じる(ステップS145)。ステップS145の処理は、ステップS242の処理と同一であり、同一ユーザに対して所有コンテンツが同期されていれば、いずれかは省略されてもよい。
【0109】
処理部10は、抽選処理の結果、ユーザに付与する対象コンテンツのコンテンツID及びその個数をユーザIDに対応付けて記憶し(ステップS146)、コンテンツID及び各々の個数を情報端末装置2へ送信する(ステップS147)。
【0110】
情報端末装置2の処理部20は、抽選結果の対象コンテンツのコンテンツID及びその個数を受信し(ステップS243)、受信したコンテンツIDの対象コンテンツの画像及び個数を、表示部23に抽選結果として表示する(ステップS244)。処理部20は、ステップS242で減じた置換オブジェクトの残数を種類毎に表示し(ステップS245)、抽選処理を終了する。
【0111】
第2実施形態においても、置換オブジェクトは作成後(S234)、ただちに
図20に示した抽選処理を実行するとして説明した。この場合、置換オブジェクトの個数の記憶・更新・表示(S235、S132、S241、S145、S242、S245)は不要である。しかしながらこれに限らず、置換オブジェクトを蓄積可能としておき、後にまとめて抽選処理を実行する方法を採用してもよい。この場合、置換オブジェクトの数と、その置換オブジェクトを作成するために用いられた材料アイテムの個数を、識別可能に記憶しておく必要がある。
【0112】
図21は、第2実施形態における確率テーブルの取得方法の概要図である。
図21では、置換オブジェクト「お茶」を作成するのに用いられた材料アイテム「緑の茶葉」、「青い茶葉」及び「赤い茶葉」個数それぞれを三次元に対応させた空間を示している。この空間内の実線で示す空間は、他の材料アイテムよりも「緑の茶葉」の個数の比率が高い部分であり、
図21中の右部に示した確率テーブルが対応付けられている。抽選対象の置換オブジェクトの作成に用いられた材料アイテムの比率がこの空間に含まれる場合、処理部10は、アイテムXが対象となる確率テーブルを取得する。
【0113】
同様にして、一点鎖線で示す空間は、他の材料アイテムよりも「青い茶葉」の個数の比率が高い部分であり、
図21中の中央部に示した確率テーブルが対応付けられている。抽選対象の置換オブジェクトの作成に用いられた材料アイテムの比率がこの空間に含まれる場合、処理部10は、アイテムYが対象となる確率テーブルを取得する。
【0114】
図21中の破線で示す空間は、他の材料アイテムよりも「赤い茶葉」の個数の比率が高い部分であり、
図21中の左部に示した確率テーブルが対応付けられている。抽選対象の置換オブジェクトの作成に用いられた材料アイテムの比率がこの空間に含まれる場合、処理部10は、アイテムZが対象となる確率テーブルを取得する。
【0115】
または、処理部10は、(「緑の茶葉」の個数、「青い茶葉」の個数、「赤い茶葉」の個数)に対応する座標と、予め規定された空間内の複数の座標との距離を求め、最も近い規定座標に対応付けられた確率テーブルを用いてもよい。例えば、「青い茶葉」の軸上の規定の座標に、
図21中の中央部に示す確率テーブルが対応付けられており、用いられた材料アイテムの個数から決まる座標が、「青い茶葉」の軸上の座標に最も近い場合、処理部10は、この確率テーブルを取得し、これに基づいて抽選を実施してもよい。
【0116】
図22は、第2実施形態における他の確率テーブルの概要図である。
図22は、基本の確率テーブルと、そこから確率が変動した結果を示す。抽選対象の置換オブジェクトの作成に用いられた材料アイテムに含まれる「青い茶葉」の個数が1つ増えると、特定のアイテム(例えばアイテムX)の確率の配分が2ポイント増加し、他のアイテムD~Fの確率の配分が2÷3=0.66ポイントずつ減じられた確率テーブルとなる。このようにして、置換オブジェクトが相互に識別可能なオブジェクトとして作成されなくとも、用いられる材料アイテムに応じて、当選するゲームコンテンツに偶然性を設けてゲーム性を向上させることも可能である。
上述のように開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0117】
1 情報処理装置
10 処理部
11 記憶部
110 コンテンツDB
P1 情報処理プログラム(コンピュータプログラム)
2 情報端末装置
20 処理部
P2 ゲームアプリケーションプログラム