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▶ 株式会社オメガの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036203
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】被処理水の浄化方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20230101AFI20240308BHJP
   C02F 1/76 20230101ALI20240308BHJP
   C02F 1/78 20230101ALI20240308BHJP
   C02F 1/34 20230101ALI20240308BHJP
【FI】
C02F1/461 101Z
C02F1/76 Z
C02F1/78
C02F1/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140991
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】399049981
【氏名又は名称】株式会社オメガ
(72)【発明者】
【氏名】中村 信一
【テーマコード(参考)】
4D037
4D050
4D061
【Fターム(参考)】
4D037AA01
4D037AA09
4D037AA11
4D037AB01
4D037AB12
4D037BA26
4D037CA04
4D037CA11
4D050AA01
4D050AA12
4D050AB04
4D050AB07
4D050AB35
4D050BB02
4D050BB04
4D050CA10
4D061DA02
4D061DA07
4D061DA08
4D061DB19
4D061DC06
4D061DC15
4D061EA03
4D061ED01
4D061ED03
4D061ED20
4D061FA16
(57)【要約】
【課題】より浄化性に優れる被処理水の浄化方法を提供しようとするもの。
【解決手段】被処理水中にオゾンを圧入する工程と、前記オゾンの共存下で電気分解する工程とを有し、微細気泡の混在下で浄化処理するようにした。被処理水に対して微細気泡による機械的な振動・攪拌作用(や破裂による衝撃エネルギー作用)を及ぼすと共に、酸素ラジカルによる被処理水(中の有機物など)に対する化学的な酸化分解作用を発揮させることができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水中にオゾンを圧入する工程と、前記オゾンの共存下で電気分解する工程とを有し、微細気泡の混在下で浄化処理するようにしたことを特徴とする被処理水の浄化方法。
【請求項2】
前記被処理水に対しオゾンの微細気泡の酸化作用又は/及び酸素ラジカルの酸化作用又は/及び次亜塩素酸の酸化作用を及ぼすようにした請求項1記載の被処理水の浄化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被処理水の浄化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、処理効率の向上と、処理コストの低減を実現できるという排ガス排水処理方法に関する提案があった(特許文献1)。
すなわち、この排ガス排水処理方法は、排ガスを処理する洗浄水としてマイクロナノバブルを含有するマイクロナノバブル水を使用し、上記排ガスを処理した洗浄水を排水の処理に再使用する。
そして、この排ガス排水処理方法によれば、マイクロナノバブル水を洗浄水として排ガスを処理するので、マイクロナノバブルがもつ物体表面の高速洗浄機能により、排ガスを効率良く洗浄できる。
また、上記排ガスを処理した洗浄水を排水の処理に再使用することにより、この洗浄水に含まれるマイクロナノバブルを排水処理に役立てることができ、排水処理効率の向上を図れる。
すなわち、このマイクロナノバブルは、(1) 界面活性作用と殺菌作用、(2)汚れ成分の吸着機能、(3) 物体表面の高速洗浄機能、(4) 殺菌機能、(5) 触媒的作用,機能(6)微生物の活性を高める作用・機能などを有している、というものである。
しかし、より浄化性に優れる被処理水の浄化方法が得たいという要望があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-272317
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこでこの発明は、より浄化性に優れる被処理水の浄化方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
(1)この発明の被処理水の浄化方法は、被処理水中にオゾンを圧入する工程と、前記オゾンの共存下で電気分解する工程とを有し、微細気泡の混在下で浄化処理するようにしたことを特徴とする。
【0006】
この被処理水の浄化方法は、被処理水中にオゾン(O3)を圧入する工程を有するので、被処理水中にオゾンを(微細気泡として)共存(乃至溶解)させることができる。
また、前記オゾン(O3)の共存下で電気分解する工程とを有するので、被処理水中にオゾン(O3)から酸素ラジカル(・O)を生成させることができる。
【0007】
そして、微細気泡(例えばマイクロバブル)の混在下で浄化処理するようにしたので、被処理水に対して微細気泡による機械的な振動・攪拌作用(や破裂による衝撃エネルギー作用)を及ぼすと共に、酸素ラジカルによる被処理水(中の有機物など)に対する化学的な酸化分解作用を発揮させることができる。
ここで、前記被処理水として、排水、プール水、手洗い水、食器洗い水、洗濯機の選択水、スクラバー水、排ガス臭気の浄化水、活性炭の再生水を例示することができる。
【0008】
オゾン(O3)含有水を電気分解すると3つの酸素ラジカル(・O)が生成するが、オゾンの酸化電位は2.07Vであるのに対し酸素ラジカル1つの酸化電位は2.42Vであり、酸素ラジカル3つでは2.42V×3=7.26Vとなり、もともとのオゾンの酸化電位2.07Vの3.5倍(7.26V÷2.07V=3.5)となり、これはオゾンが酸素ラジカルに変化することにより酸化力が増大することの指標である。
また、被処理水中に圧入するオゾン(O3)量によりオゾン水濃度(ppm)が把握可能であり、このオゾン含有水を電気分解することにより生成する酸素ラジカル(・O)量も推測可能であるので、元来 測定不能なヒドロキシラジカル(・OH)濃度の場合とは異なり、この被処理水の酸化力の評価ができ、ひいては被処理水中のCODやアンモニアなどの分解量の推測が可能である。
【0009】
被処理水中にオゾンを圧入する工程や、微細気泡を被処理水に混在させる際には、オゾンや気体をポンプでサクションから引っ張って入れたり、バブリングして注入したり、空気を渦流にして巻き込んだりすることができる。
さらに、被処理水に活性炭を添加して吸着作用を発揮させたり、臭気成分を取り込んで脱臭したりすることもできる。
【0010】
(2)前記被処理水に対しオゾン(O3)の微細気泡の酸化作用又は/及び酸素ラジカル(・O)の酸化作用又は/及び次亜塩素酸(HOCl)の酸化作用を及ぼすようにしてもよい。
このように、被処理水に対しオゾン(O3)の微細気泡の酸化作用(酸化電位 2.07V)、酸素ラジカル(・O)の酸化作用(酸化電位 2.42V×3=7.26V)、次亜塩素酸(HOCl)の酸化作用(酸化電位 0.9V)を及ぼすようにすると、これらが液中に複数 共存して被処理水に作用することによって更に酸化力・浄化性に優れたものとすることができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
被処理水に対して微細気泡による機械的な振動・攪拌作用(や破裂による衝撃エネルギー作用)を及ぼすと共に、酸素ラジカルによる被処理水(中の有機物など)に対する化学的な酸化分解作用を発揮させることができるので、より浄化性に優れる被処理水の浄化方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を説明する。
(実施形態1)
この実施形態の被処理水の浄化方法は、被処理水中にオゾン(O3)を圧入する工程と、前記オゾン(O3)の共存下で電気分解(2.5A/dm2)する工程とを有し、微細気泡(マイクロバブル)の混在下で浄化処理するようにした。前記被処理水として排水を処理した。
【0013】
被処理水中にオゾン(O3)を圧入する工程では、ポンプでオゾンをサクションから引っ張って入れた。また、微細気泡(マイクロバブル)を被処理水に混在させる際には、空気をポンプでサクションから引っ張って入れた。
そして、被処理水中に圧入するオゾン(O3)量によりオゾン水濃度が把握可能であり、このオゾン含有水を電気分解(2.5A/dm2)することにより生成する酸素ラジカル(・O)量も推測可能であった。
【0014】
次に、この実施形態の被処理水の浄化方法の使用状態を説明する。
この被処理水の浄化方法は、被処理水中にオゾン(O3)を圧入する工程を有するので、被処理水中にオゾン(O3)を微細気泡(マイクロバブル)として共存乃至溶解させることができた。
【0015】
また、前記オゾン(O3)の共存下で電気分解(2.5A/dm2)する工程とを有するので、被処理水中にオゾン(O3)から酸素ラジカル(・O)を生成させることができた。
そして、微細気泡(オゾンのマイクロバブルと空気のマイクロバブル)の混在下で浄化処理するようにしたので、被処理水に対して微細気泡による機械的な振動・攪拌作用や破裂による衝撃エネルギー作用を及ぼすと共に、酸素ラジカル(・O)による被処理水中の有機物などに対する化学的な酸化分解作用を発揮させることができ、より浄化性に優れるものであった。
【0016】
すなわち、微細気泡(オゾンのマイクロバブルと空気のマイクロバブル)による被処理水中の汚れ成分への浸透性の向上と、微細気泡が破裂した際の衝撃エネルギーにより汚れ成分の分解作用が高まるので、電気分解の際のエネルギーを削減することができた。
具体的には、従来は電気分解の電流を5A/dm2としていたが、この実施形態では微細気泡の混在化で浄化処理することにより、2.5A/dm2と約2分の一にしても従来と同等の浄化作用を得ることができた。
【0017】
(実施形態2)
被処理水たる排水に対し、オゾン(O3)の微細気泡の酸化作用、酸素ラジカル(・O)の酸化作用、次亜塩素酸(HOCl)の酸化作用を及ぼすようにした。
すると、被処理水(排水)に対し、オゾン(O3)の微細気泡の酸化作用(酸化電位 2.07V)、酸素ラジカル(・O)の酸化作用(酸化電位 2.42V×3=7.26V)、次亜塩素酸(HOCl)の酸化作用(酸化電位 0.9V)を及ぼすようにすることにより、これらが液中に複数 共存して被処理水に作用することによって更に酸化力・浄化性に優れたものとすることができた。
【産業上の利用可能性】
【0018】
より浄化性に優れることによって、種々の被処理水の浄化方法の用途に適用することができる。